説明

産業用機器の調整装置および調整方法

【課題】産業用機器の調整や校正を測定用機器や調整用機器を使用することなく実施でき、しかも作業時間を大幅に短縮できる。
【解決手段】既設の産業用機器10と現場で交換または増設する新規機器20との間で、通信用端子13,23によって調整・校正に必要な通知信号や検出値を相互通信可能に接続、および既設の産業用機器のパルス出力端子12の出力信号を新規機器のパルス入力端子22の入力信号とする接続をしておき、機器本体11,21に搭載するデジタル処理装置によって、既設の産業用機器の出力端子に有効値上限などの調整対象信号または校正対象信号を出力して新規機器の入力端子に入力し、新規機器は入力される信号を調整値または校正値として記録する処理を自動的に行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、FA用などの産業用機器の電気的な入出力値を現場で調整(校正も含む)する装置および方法に係り、特に既設の産業用機器との交換や増設をする新規の産業用機器のパルス入出力値の調整装置および調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
FA(Factory Automation)やビル監視システム、産業用ネットワークなどの設備になる産業用機器は、コンピュータ資源を利用したデジタル処理装置を搭載して目的とする制御機能や情報処理機能を実現することが多く、その電気的な入出力値はパルス信号として入出力されることが多い。
【0003】
このデジタル処理装置としては、製品化後のプログラムの書き換えが容易なFPGA(Field Programmable Gate Array)を採用することで、産業用機器の制御機能や処理機能の変更に柔軟性を持たせることができる。
【0004】
このような産業用機器は、現場に設置した後、その新規機器との交換には、通常は新規機器の入出力値を現場で調整、さらには校正を行なう。このうち、入出力値の調整は、例えば入出力パルス信号については、産業用機器が設置される環境や状況によって、パルス入出力値の有効範囲の調整作業が必要になる場合がある。この調整手段としては、別途校正された測定用機器や調整用機器を用いて、手作業で調整作業を行うことが多い。
【0005】
例えば、図5は増設する産業用機器の調整装置の構成例である。既設の産業用機器1に対し、増設する新規の産業用機器2は機器1と同等のパルス入出力値になるよう設計・構成され、既設の産業用機器1に併設または並列接続し、システムとしては2台の産業用機器を設備する。この場合、機器1のパルス入出力値と同じパルス入出力値を機器2に得るパルス入出力値の調整には、機器2のパルス入力端子とそのコモン(COM)端子に調整用パルス出力機器3の出力端子を接続し、機器2のパルス出力端子とそのコモン端子に測定用機器4の入力端子を接続し、さらに調整用パラメータ入力器5を用意し、調整用パルス出力機器3から機器2に調整用パルスを入力し、このときの機器2からのパルス出力を測定用機器4で測定する(例えば、パルス符号やパルス電圧・電流・幅などを測定する)。この測定結果に機器1と同等のものが得られない場合は、調整用パラメータ入力器5などで機器2内のパラメータ変更などにより所期のパルス出力が得られるまで手作業で繰り返し調整する。
【0006】
具体例としては、特許文献1では、電子式電力量計の誤差調整方法として、デジタル化した負荷試験電源を電子式電力量計に接続し、負荷試験電源の調整用スタートスイッチを押すことで、負荷試験電源からの電流,電圧出力(調整電力)を電子式電力量計に虚負荷電源として供給し、この入力について電子式電力量計ではデジタル処理によって電圧と電流の乗算値(電力値)が規定値の所定誤差範囲になるよう調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−64402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
産業用機器に要求される入出力値は、客先の要望や仕様により、出荷段階で一律に有効範囲などを調整、さらには校正できない。そのため、産業用機器を現場に設置後、現場で有効範囲の調整作業や校正作業を行わなければならない。このときの作業は、前記のように、別途校正された測定用機器や調整用機器(図5の測定用機器4や調整用パルス出力機器3)を用いて産業用機器のパルス入出力値を調整や校正する。この調整、校正手法では、以下の問題があった。
【0009】
・既設の産業用機器との交換や増設をする新規の産業用機器の入出力値をパルス信号とする場合、これらの産業用機器に対しては測定用機器や調整用機器を用いての調整作業や校正作業が必要になる。このとき、作業環境や手順によっては、測定用機器や調整用機器を使用できない場合もある。
【0010】
・交換や増設をする新規の産業用機器のパルス入出力端子数が多い場合、測定用機器や調整用機器を用いての手作業での繰り返し調整や校正では長い作業時間が必要となる。
【0011】
本発明の目的は、産業用機器の調整や校正を測定用機器や調整用機器を使用することなく実施でき、しかも作業時間を大幅に短縮できる産業用機器の調整装置および調整方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前記の課題を解決するため、既設の産業用機器と現場で交換または増設する新規機器との間で、調整・校正に必要な通知信号や検出値を相互通信可能に接続、および既設の産業用機器の出力信号を新規機器の入力信号とする接続をしておき、既設の産業用機器の出力端子に有効値上限などの調整対象信号または校正対象信号を出力して新規機器の入力端子に入力し、新規機器は入力される信号を調整値または校正値として記録するデジタル処理を自動的に行なうようにしたもので、以下の調整装置および方法を特徴とする。
【0013】
(1)デジタル処理手段と通信手段を搭載する既設の産業用機器に対し、デジタル処理手段と通信手段を搭載して前記既設の産業用機器と交換または増設する新規機器を用意し、前記新規機器の電気的な入出力値を現場で調整または校正する産業用機器の調整装置であって、
前記既設の産業用機器と新規機器との間で、調整または校正に必要な通知信号や検出値を前記通信手段によって相互通信可能にした接続、および入出力手段によって前記既設の産業用機器の出力信号を新規機器の入力信号とする接続手段を備え、
前記既設の産業用機器のデジタル処理手段は、前記新規機器の調整または校正の開始で、該既設の産業用機器の出力端子に調整対象信号または校正対象信号を出力して前記新規機器の入力端子に入力する手段を備え、
前記新規機器のデジタル処理手段は、前記既設の産業用機器から入力される信号を調整値または校正値として記録する手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
(2)デジタル処理手段と通信手段を搭載する既設の産業用機器に対し、デジタル処理手段と通信手段を搭載して前記既設の産業用機器と交換または増設する新規機器を用意し、前記新規機器の電気的な入出力値を現場で調整または校正する産業用機器の調整方法であって、
前記既設の産業用機器と新規機器との間で、調整または校正に必要な通知信号や検出値を前記通信手段によって相互通信可能にした接続、および入出力手段によって前記既設の産業用機器の出力信号を新規機器の入力信号とする接続をしておき、
前記既設の産業用機器のデジタル処理手段は、前記新規機器の調整または校正の開始で、該既設の産業用機器の出力端子に調整対象信号または校正対象信号を出力して前記新規機器の入力端子に入力する処理を実行し、
前記新規機器のデジタル処理手段は、前記既設の産業用機器から入力される信号を調整値または校正値として記録する処理を実行することを特徴とする。
【0015】
(3)前記既設の産業用機器に搭載するデジタル処理手段は、自動調整または校正のプログラムの実行開始とともに、外部出力機器/端子及び表示機器に調整または校正の開始信号を出力し、調整または校正の開始指令とその表示をするステップと、自動調整または校正の実行コマンドを受けて、調整または校正の開始信号を通信用端子から新規機器の通信用端子へ機器間相互通信で送信するステップと、初回の調整項目または校正項目の信号を出力端子から出力するステップとを有し、
前記新規機器に搭載するデジタル処理手段は、前記既設の産業用機器からの調整または校正開始信号を受け、調整または校正プログラムを開始するとともに、外部出力機器/端子及び表示機器に調整または校正開始を通知するステップと、前記新規機器から調整または校正開始信号を受信し、その後、自機の入力端子に入力された信号の値を検出して検出値Yとするステップと、この検出値Yの値を調整値または校正値と判断してその値を記録するステップと、この記録完了後、次調整または次校正要求を既設の産業用機器に送信するステップとを有し、
前記既設の産業用機器に搭載するデジタル処理手段は、前記新規機器からの次調整または次校正要求を受けて、次調整項目または次校正項目の信号を出力するステップを有し、
前記新規機器に搭載するデジタル処理手段は、前記次調整項目または次校正項目の信号を受けてその値を記録するステップと、全ての調整対象項目または校正対象項目の調整完了または校正完了を受けて前記既設の産業用機器に調整完了信号を送信するとともに外部出力機器/端子及び表示機器を用いて調整完了または校正完了を出力するステップと、調整対象または校正対象とする入出力が複数ある場合は次調整または次校正開始信号を送信するステップとを有し、
前記既設の産業用機器に搭載するデジタル処理手段は、前記次調整または次校正開始信号を受けた場合は次入出力または次校正入出力についての処理に入るステップと、前記調整完了または校正完了信号を受けた場合は全入出力信号の調整または校正作業完了として外部出力機器/端子及び表示機器を用いて調整または校正完了を出力するステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上のとおり、本発明によれば、既設の産業用機器と現場で交換または増設する新規機器との間で、調整・校正に必要な通知信号や検出値を相互通信可能に接続、および既設の産業用機器の出力信号を新規機器の入力信号とする接続をしておき、既設の産業用機器の出力端子に有効値上限などの調整対象信号または校正対象信号を出力して新規機器の入力端子に入力し、新規機器は入力される信号を調整値または校正値として記録するデジタル処理を自動的に行なうようにしたため、産業用機器の調整や校正を測定用機器や調整用機器を使用することなく実施でき、しかも作業時間を大幅に短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態を示す産業用機器の調整または校正のための接続例。
【図2】産業用機器の調整時の機器10の処理手順図。
【図3】産業用機器の調整時の機器20の処理手順図。
【図4】機器10,20の機器本体11,21の内部構成例。
【図5】新規機器の調整装置の構成例(従来)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の実施形態を示す産業用機器の調整または校正のための接続例である。同図は、FA等のシステムの構成要素として既設の産業用機器10を備えた設備において、産業用機器10と同等の新規機器20を交換または増設する場合である。
【0019】
なお、既設の産業用機器10は、そのパルス入力値、パルス出力値はすでに調整・校正を実施済みとする。また、機器10,20は、FPGAなどのデジタル処理装置を内蔵した機器本体11,21を備え、この他に、パルス符号で入出力されるパルス出力端子12およびパルス入力端子22と、I/O端子など、外部とのデジタル信号による通信を実現するための通信用端子13、23を備えているものとする。さらに、機器10,20は、画像表示装置やタッチパネルなどの外部入出力装置との間で各種信号(制御コマンド、画像データなど)を外部出力できるリレー端子、シーケンサ端子などの外部出力機器/端子14,24と、液晶パネル、LED表示器、7セグメント表示器などの表示機器15,25を備えているものとする。
【0020】
図1において、既設の産業用機器10に新規機器20を交換や増設をする場合、互いの通信用端子13と23を通信ケーブルで接続し、シリアル信号またはパラレル信号による相互通信を可能にする。さらに、産業用機器10の2つのパルス出力端子POUTA,POUTBとこれらに対応する新規機器20の2つのパルス入力端子PINA,PINB間を信号ケーブルで相互に接続し、パルス信号の入出力を可能にする。
【0021】
これら配線接続の後、例えば、既設の産業用機器10と新規機器20の機器本体11,21に内蔵されたデジタル処理装置に搭載するプログラムを用いて新規機器20のパルス入力端子の有効範囲を自動的に調整または校正する。
【0022】
例えば、産業用機器10と新規機器20の調整は、図2に機器10側の処理手順を、図3に機器20側の処理手順で示し、以下の手順によって実現される。
【0023】
(S1)機器10の本体11に搭載している自動調整プログラムの実行を開始する。
【0024】
(S2)機器10は、プログラム実行開始とともに、外部出力機器/端子14(リレー端子、シーケンサ端子)及び表示機器15(液晶パネル、LED表示器、7セグメント表示器など)に調整開始信号を出力し、調整の開始指令とその表示をする。
【0025】
(S3)機器10は、自動調整の実行コマンドを受けて、調整開始信号を通信用端子13から機器20の通信用端子23へ機器間相互通信で送信する。
【0026】
(S4)機器10は初回の調整項目として、有効範囲下限相当のパルス符号をパルス出力端子POUTAやPOUTBから出力する。
【0027】
(S5、S6)機器20は機器10からの調整開始信号を受け、調整プログラムを開始するとともに、外部出力機器/端子24及び表示機器25に調整開始を通知する。
【0028】
(S7)機器20は機器10から調整開始信号を受信し、その後、自機のパルス入力端子PINAやPINBに入力されたパルス符号からパルス値を検出して検出値Yとする。
【0029】
(S8)機器20は検出値Yの値を有効範囲下限値(調整値)と判断し、その値を記録する。
【0030】
(S9)機器20は、記録完了後、次調整要求を機器10に送信する。
【0031】
(S10、S11)機器10は機器20からの次調整要求を受けて、次調整項目として有効範囲上限相当のパルス符号を出力する。
【0032】
(S12、S13)機器20は、上限相当のパルス符号を受け、その値を有効範囲上限値として、記録する。
【0033】
(S14〜S17)機器20は、下限及び上限の調整完了を受けて、機器10に調整完了信号を送信するとともに、外部出力機器/端子及び表示機器を用いて調整完了を出力する。また、調整対象とする入出力端子が複数ある場合は次調整開始信号を送信する。
【0034】
(S18〜S20)機器10は次調整開始信号を受けた場合、次入出力端子についての調整処理に入る。
【0035】
(S21)機器10は調整完了信号を受けた場合、全端子の入出力信号の調整作業完了とし、装着されている外部出力機器/端子及び表示機器を用いて調整完了を出力する。
【0036】
(S22)以上までの処理終了後、調整者は機器10および機器20を相互接続しているケーブルを切り離すことで、調整作業を完了する。
【0037】
図4は、機器10,20の調整処理のための機器本体11,21の内部構成例を示す。
【0038】
(S31)パラメータ設定もしくはスイッチにより、機器10の自動調整プログラム11Aを開始する。
【0039】
(S32)自動調整プログラムは、プログラムに従い、メモリ11B,11Cに予め設定された下限もしくは上限のパルス符号をパルス出力端子12に出力する。
【0040】
(S33)機器20は機器間相互通信により、機器10で自動調整プログラムが開始しているのを自動調整プログラム21Aで感知し、パルス入力端子22に入力されるパルス符号の検出値Yが上限、下限どちらであるかを判断し、メモリ21B,21Cに格納する。
【0041】
なお、機器間相互通信で、調整開始、調整要求をやり取りすることで、その時点のパルス信号がどのようなものであるかを判定する。
【0042】
したがって、本実施形態では、既設の産業用機器と現場で交換または増設する新規機器との間で、調整・校正に必要な通知信号や検出値を相互通信可能に接続、および既設の産業用機器の出力信号を新規機器の入力信号とする接続をしておき、既設の産業用機器の出力端子に有効値上限などの調整対象信号または校正対象信号を出力して新規機器の入力端子に入力し、新規機器は入力される信号を調整値または校正値として記録するデジタル処理を自動的に行なうようにしたため、産業用機器の調整や校正を測定用機器や調整用機器を使用することなく実施でき、しかも作業時間を大幅に短縮できる。
【0043】
例えば、
・測定用機器や調整用機器を使用しないため、作業環境の影響を受けずに調整または校正作業ができる。
【0044】
・測定用機器や調整用機器が不用になるため、機材にかかる費用を抑制できる。
【0045】
・デジタル処理装置による自動調整または校正のため、人手を使っての調整または校正作業に比べて、短時間で作業を完了させることができる。特に、調整または校正対象項目数が多いほど、自動調整による時間短縮の効果が大きくなる。
【0046】
なお、本実施形態ではパルス符号を基に新規機器の入出力値を調整する場合を示すが、パルス電圧などのアナログ値から新規機器の入出力値を調整する場合には、パルス入出力端子にパルス電圧の検出回路やデジタル変換回路を介在させることで同様の調整ができる。さらにはパルス入出力値の校正には、各ステップにおける調整を校正と置換することで実現できる。
【符号の説明】
【0047】
1,10 産業用機器(既設の機器)
2 20 産業用機器(新規の機器)
11,21 機器本体
12 パルス出力端子
22 パルス入力端子
13、23 通信用端子
14,24 外部出力機器/端子
15,25 表示機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル処理手段と通信手段を搭載する既設の産業用機器に対し、デジタル処理手段と通信手段を搭載して前記既設の産業用機器と交換または増設する新規機器を用意し、前記新規機器の電気的な入出力値を現場で調整または校正する産業用機器の調整装置であって、
前記既設の産業用機器と新規機器との間で、調整または校正に必要な通知信号や検出値を前記通信手段によって相互通信可能にした接続、および入出力手段によって前記既設の産業用機器の出力信号を新規機器の入力信号とする接続手段を備え、
前記既設の産業用機器のデジタル処理手段は、前記新規機器の調整または校正の開始で、該既設の産業用機器の出力端子に調整対象信号または校正対象信号を出力して前記新規機器の入力端子に入力する手段を備え、
前記新規機器のデジタル処理手段は、前記既設の産業用機器から入力される信号を調整値または校正値として記録する手段を備えたことを特徴とする産業用機器の調整装置。
【請求項2】
デジタル処理手段と通信手段を搭載する既設の産業用機器に対し、デジタル処理手段と通信手段を搭載して前記既設の産業用機器と交換または増設する新規機器を用意し、前記新規機器の電気的な入出力値を現場で調整または校正する産業用機器の調整方法であって、
前記既設の産業用機器と新規機器との間で、調整または校正に必要な通知信号や検出値を前記通信手段によって相互通信可能にした接続、および入出力手段によって前記既設の産業用機器の出力信号を新規機器の入力信号とする接続をしておき、
前記既設の産業用機器のデジタル処理手段は、前記新規機器の調整または校正の開始で、該既設の産業用機器の出力端子に調整対象信号または校正対象信号を出力して前記新規機器の入力端子に入力する処理を実行し、
前記新規機器のデジタル処理手段は、前記既設の産業用機器から入力される信号を調整値または校正値として記録する処理を実行することを特徴とする産業用機器の調整方法。
【請求項3】
前記既設の産業用機器に搭載するデジタル処理手段は、自動調整または校正のプログラムの実行開始とともに、外部出力機器/端子及び表示機器に調整または校正の開始信号を出力し、調整または校正の開始指令とその表示をするステップと、自動調整または校正の実行コマンドを受けて、調整または校正の開始信号を通信用端子から新規機器の通信用端子へ機器間相互通信で送信するステップと、初回の調整項目または校正項目の信号を出力端子から出力するステップとを有し、
前記新規機器に搭載するデジタル処理手段は、前記既設の産業用機器からの調整または校正開始信号を受け、調整または校正プログラムを開始するとともに、外部出力機器/端子及び表示機器に調整または校正開始を通知するステップと、前記新規機器から調整または校正開始信号を受信し、その後、自機の入力端子に入力された信号の値を検出して検出値Yとするステップと、この検出値Yの値を調整値または校正値と判断してその値を記録するステップと、この記録完了後、次調整または次校正要求を既設の産業用機器に送信するステップとを有し、
前記既設の産業用機器に搭載するデジタル処理手段は、前記新規機器からの次調整または次校正要求を受けて、次調整項目または次校正項目の信号を出力するステップを有し、
前記新規機器に搭載するデジタル処理手段は、前記次調整項目または次校正項目の信号を受けてその値を記録するステップと、全ての調整対象項目または校正対象項目の調整完了または校正完了を受けて前記既設の産業用機器に調整完了信号を送信するとともに外部出力機器/端子及び表示機器を用いて調整完了または校正完了を出力するステップと、調整対象または校正対象とする入出力が複数ある場合は次調整または次校正開始信号を送信するステップとを有し、
前記既設の産業用機器に搭載するデジタル処理手段は、前記次調整または次校正開始信号を受けた場合は次入出力または次校正入出力についての処理に入るステップと、前記調整完了または校正完了信号を受けた場合は全入出力信号の調整または校正作業完了として外部出力機器/端子及び表示機器を用いて調整または校正完了を出力するステップとを有することを特徴とする請求項2に記載の産業用機器の調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−133692(P2012−133692A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286892(P2010−286892)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000006105)株式会社明電舎 (1,739)
【Fターム(参考)】