説明

用紙積載装置、用紙積載方法、プログラム及び記録媒体

【課題】1枚目の用紙排出時にトレイへの貼り付きを防止するとともに大量積載時に1枚目の用紙にリブによる折れ跡の発生を防止する用紙積載装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置から順次給紙された用紙を受け入れて搬送する手段と、予め定められた枚数毎に排出位置をずらして重ねるために用紙を搬送方向に対して直交する第1の方向および第1の方向と逆の第2の方向にシフトして用紙を揃える手段と、用紙の搬送方向に対して直交する方向の用紙の両側端面を揃える用紙幅方向揃え手段と、用紙の搬送方向の先端を突き当てて揃える用紙先端揃え手段と、用紙幅方向揃え手段と用紙先端揃え手段とにより用紙の両側端面と先端とを揃えられた用紙を順次スタックする昇降可能な用紙積載手段と、用紙積載手段に格納可能であるリブ形状の腰付け用リブ手段と、用紙の積載枚数が予め定められた枚数を超えた場合に腰付け用リブ手段を格納するリブ格納手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙などのシートをスタックトレイ上にスタックされるシートを揃えるためのシート揃え機構を有する用紙積載装置、用紙積載方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排紙される用紙を順番にスタックするトレイとして、例えば特許文献1のようにトレイの用紙載置面に用紙の排出方向に平行な腰付き用リブを着脱可能に交換できるという発明が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されている方法は、このトレイ上に用紙を大量積載した場合、積載用紙の重量によって、1枚目の用紙(1番下の用紙)にリブの跡がついてしまうという問題があった。
【0004】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、1枚目の用紙排出時にトレイへの貼り付きを防止するとともに大量積載時に1枚目の用紙にリブによる折れ跡の発生を防止する用紙積載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係る用紙積載装置は、画像形成装置から順次給紙された用紙を受け入れて搬送する搬送手段と、予め定められた枚数毎に排出位置をずらして重ねるために用紙を搬送方向に対して直交する第1の方向および第1の方向と逆の第2の方向にシフトして用紙を揃える用紙ソート手段と、用紙の搬送方向に対して直交する方向の用紙の両側端面を揃える用紙幅方向揃え手段と、用紙の搬送方向の先端を突き当てて揃える用紙先端揃え手段と、用紙幅方向揃え手段と用紙先端揃え手段とにより用紙の両側端面と先端とを揃えられた用紙を順次スタックする昇降可能な用紙積載手段と、用紙積載手段に格納可能であるリブ形状の腰付け用リブ手段と、用紙の積載枚数が予め定められた枚数を超えた場合に腰付け用リブ手段を格納するリブ格納手段と、を有することを特徴とする。
【0006】
また本発明に係る用紙積載方法は、用紙積載手段にリブ形状の腰付け用リブ手段を格納可能な用紙積載装置の用紙積載方法であって、画像形成装置から順次給紙された用紙を受け入れて搬送する搬送工程と、予め定められた枚数毎に排出位置をずらして重ねるために用紙を搬送方向に対して直交する第1の方向および第1の方向と逆の第2の方向にシフトして用紙を揃える用紙ソート工程と、用紙の搬送方向に対して直交する方向の用紙の両側端面を揃える用紙幅方向揃え工程と、用紙の搬送方向の先端を突き当てて揃える用紙先端揃え工程と、用紙幅方向揃え工程と用紙先端揃え工程とにより用紙の両側端面と先端とを揃えられた用紙を順次スタックする昇降可能な用紙積載工程と、用紙の積載枚数が予め定められた枚数を超えた場合に用紙積載手段にリブ形状の腰付け用リブ手段を格納するリブ格納工程と、を有することを特徴とする。
【0007】
また本発明に係るプログラムは、用紙積載手段にリブ形状の腰付け用リブ手段を格納可能な用紙積載装置の用紙積載方法を実行させるためのプログラムであって、画像形成装置から順次給紙された用紙を受け入れて搬送する搬送処理と、予め定められた枚数毎に排出位置をずらして重ねるために用紙を搬送方向に対して直交する第1の方向および第1の方向と逆の第2の方向にシフトして用紙を揃える用紙ソート処理と、用紙の搬送方向に対して直交する方向の用紙の両側端面を揃える用紙幅方向揃え処理と、用紙の搬送方向の先端を突き当てて揃える用紙先端揃え処理と、用紙幅方向揃え処理と用紙先端揃え処理とにより用紙の両側端面と先端とを揃えられた用紙を順次スタックする昇降可能な用紙積載処理と、用紙の積載枚数が予め定められた枚数を超えた場合に用紙積載手段にリブ形状の腰付け用リブ手段を格納するリブ格納処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0008】
また本発明に係る記録媒体は、上記に記載のプログラムを記載したコンピュータ読み取り可能な媒体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、スタックトレイ上に格納可能なリブ形状を有することにより、1枚目の用紙排出時のトレイへの貼り付きを防止するとともに大量積載時に1枚目の用紙にリブによる折れ跡の発生を防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係るスタッカーの構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係るシフト機構を示す図である。
【図3】本実施形態に係る幅方向揃え機構を示す図である。
【図4】本実施形態に係る幅方向揃え機構を示す図である。
【図5】本実施形態に係る幅方向揃え機構を示す図である。
【図6】本実施形態に係る揃えジョガーの動作を示す図である。
【図7】本実施形態に係る先端揃え機構を示す図である。
【図8】本実施形態に係るシフトトレイを示す図である。
【図9】シフトトレイ上にリブがない場合の用紙の状態を示す図である。
【図10】格納可能なリブが突出している場合の用紙の状態を示す図である。
【図11】本実施形態に係るシフトトレイの斜視図である。
【図12】本発明の実施形態に係るシフトトレイの断面図である。
【図13】シフトトレイのリブ部の搬送方向からの断面図である。
【図14】シフトトレイのリブ部の搬送方向からの断面図である。
【図15】シフトトレイ上の紙有無検知の状態を示す図である。
【図16】シフトトレイの搬送方向の溝と搬送方向と直行する方向の溝を示した斜視図である。
【図17】本実施形態に係る用紙積載の流れを示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態について図を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る、スタッカーの構成図である。
【0013】
(スタッカーの全体構成)
図1において、符号100はスタッカー本体であり、このスタッカー100に複写機等の画像形成装置(図示略)から排出されたシートを矢印A方向から導入する。このスタッカーは、プルーフ排紙モード、ストレート排紙モード、およびシフト排紙モードのいずれかの動作モードを任意に選択することができる。
【0014】
プルーフ排紙モードは、シート搬送路L1を通して、プルーフトレイ101上にシートを導いてスタックする動作モードである。ストレート排紙モードは、シート搬送路L2を通して、本スタッカーの後段に備えられた別のスタッカー等の装置に導く動作モードである。シフト排紙モードは、シート搬送路L3を通して、矢印D方向からシフトトレイ102上にシートを排出してスタックする動作モードである。シフト排紙モードにおいては、シフトトレイ102上の異なるシフト位置にシートをスタックする。
【0015】
シフトトレイ102は、昇降可能なエレベータ103上に載置されている。エレベータ103の四隅は、計4本のタイミングベルト104によって吊られており、それぞれのタイミングベルト104は対応する計4つのタイミングプーリ105に巻き付けられている。
【0016】
それらのタイミングプーリ105はウォームギヤ106と複数のギヤから構成されるギヤ列によって連係されており、トレイ昇降駆動モータ107によって同期的に駆動されることによって、シフトトレイ102と共にエレベータ103を昇降させる。動力伝達経路にウォームギヤ106が介在しているため、トレイ昇降駆動モータ107の停止により、その停止の一定位置にシフトトレイ102を保持することができる。
【0017】
エレベータ103が最下位置まで下降したときに、シフトトレイ102を台車108上に載せることにより、そのシフトトレイ102と共に、その上に積載されたシートを台車108によって搬出することができる。
【0018】
符号110は、シート搬送路L3中の排紙ローラ111に連動して矢印E方向に回転するパドルを示しており、当該パドル110によってシフトトレイ102上に排出されるシートの後端部を上方から叩いて下方に掻き落として押しつけ、また、シフトトレイ102上に積載されたシートでフィラー112が押し上げられ、このフィラー112の動きにより、光学式のシート面センサS3が当該シートのスタック高さ、すなわち、シートスタックの上面高さが所定高さに達したことを検出する。
【0019】
シート面センサS3がONとなったときは、トレイ昇降駆動モータ107によってシフトトレイ102を下降させ、シート面センサS3がOFFとなったときそのトレイ昇降駆動モータ107を停止させて、その位置にシフトトレイ102を停止させる。したがって、シフトトレイ102上にシートSがスタックされ、これがシート面センサS3で検知される度にシフトトレイ102が所定距離ずつ下降することになる。
【0020】
センサS1(図1)は、シートの搬入口にあって、シートの通過を検出するためのシート搬送パスセンサ(以下、「入口センサ」と記述する)であり、またセンサS2は、シート搬送路L3中におけるシートの通過を検出するためのシート搬送パスセンサ(以下、「排紙センサ」と記述する)である。
【0021】
また、排紙ローラ111には、ばねによって付勢された従動ローラ113が圧接されており、これらのローラ111、113の間にシートがニップされる。符号114は入口ローラであり、駆動されることによって、複写機等の画像形成装置(図示略)から排出されてくるシートを搬入する。
【0022】
図2は、本実施形態に係るシフト機構を示す図である。
【0023】
(シフト機構の構成)
図2に示すシフト搬送機構部50は、排紙ローラ111と従動ローラ113を図2の矢印方向(矢印G1はスタッカー100の手前側、矢印G2はスタッカー100の奥側)に所定量移動させることによって、シフトトレイ102上におけるシートの排出位置を、コピー部数における部の仕分けのために手前側または奥側にシフトさせる構成となっている。すなわち、左右のホルダ51、52が一対の連結ロッド53、54で互いに連結されており、ホルダ51、52に駆動軸50a、従動軸50bが回転自在に支持されており、駆動軸50a、従動軸50bの中央に排紙ローラ111、従動ローラ113がそれぞれ設けられている。
【0024】
なお、上記排紙ローラ111と従動ローラ113は、矢印方向(G1、G2方向)に移動するホルダ51、52およびそれらを連結する軸53、54とともに同方向に移動する。
【0025】
上記駆動軸50aがステッピングモータ55で駆動されるので、排紙ローラ111は、矢印G1、G2方向の移動位置の如何に拘わらずステッピングモータ55によって回転方向に駆動される。すなわち、排紙ローラ111の駆動軸50aの端部(ホルダ51側端部)に従動ギヤ56が固定されており、排紙ローラ111が矢印方向(G1、G2方向)に移動したときのその移動位置の如何に拘わらず、上記従動ギヤ56は、ギヤ57、ギヤ58、ベルト59を介してステッピングモータ55の駆動ギア60によって駆動されている。
【0026】
ホルダ51にはラックギア61が設けられており、このラック61は、ピニオン62を介してシフトモータ63によって駆動される。
【0027】
排紙ローラ111と従動ローラ113は、図2に示す位置、すなわち、従動軸50bの長手方向中央部の位置を中心位置として、矢印G1、G2方向に所定量(10mm)ずつスライドされる。
【0028】
また、排紙ローラ111と従動ローラ113のホームポジションは、中心位置に設定されており、これらがホームポジション位置にあることが光学式のホームポジションセンサS4により検知される。そのホームポジションを基準としてシフトモータ63を所定量回転させることによって、排紙ローラ111と従動ローラ113がシフト位置、すなわち、コピー部数の部の仕分けの位置に移動される。
【0029】
図3、図4及び図5は、本実施形態に係る幅方向揃え機構を示す図である。
〔幅方向揃え機構の構成〕
図3〜5に示す幅方向揃え機構部200は、幅方向(シート排出方向と垂直で水平な方向)の移動を制御するステッピングモータ201、202と、上下方向移動を制御するステッピングモータ203と、ステッピングモータ203のギヤに噛合するギヤ204と、ギヤ204が取り付けられる回転軸205と、当該回転軸205に平行な駆動軸206と、当該駆動軸206に連結されたスライダ207F、207Rと、スライダ207F、207Rを検出するセンサS6F、S6Rと、回転軸205の回転状態(退避状態)を示すギヤ204に備えられたフィラー208と、そのフィラー208を検出するセンサS7とから構成されており、揃えジョガー210F、210Rの両者間が広くまたは狭くになるようにステッピングモータ201、202を作動させ、またこれらを上下させるようにステッピングモータ203を作動させる。
【0030】
センサS7でフィラー208を検出する状態がホームポジションであり、このホームポジションにおいて、揃えジョガー210F、210Rは下がった状態位置、すなわち揃え位置にある。
【0031】
揃えジョガー210F、210Rは板状体からなり、揃え部211F、211Rはこれら揃えジョガー210F、210Rの下端部にあって互いに対向しており、その対向面は前記シフト方向Gと直交する平坦面になっている。
【0032】
以上のように揃え部211F、211Rの対向面がシフト方向Cと直交する平坦面であるので、揃えジョガー210F、210Rをシフト方向Gに移動することによって、シフトトレイ102上に積載されたシートSの端面に揃え部211F、211Rの下端部を確実に接離させることができ、これによって、シフトトレイ102上のシート束を確実に揃えることができる。
【0033】
揃えジョガー210F、210Rは、排紙ローラ111から排出されるシートSをその間に受け入れることができるように、所定の対向間隔に広げられた位置(受け入れ時の位置)で待機している。
【0034】
そして、シートSが揃えジョガー210F、210R受け入れられ、シフトトレイ102上に積載されると、その度毎にスライダ207F、207Rがスライドし、これによって、揃えジョガー210F、210RがシートSの端面位置まで移動し、その後再び、反対方向にスライドして両揃えジョガーが上記受け入れ位置に復帰する。この一連の揃え動作によってシートの端面が揃えられる。
【0035】
排紙ローラ111は、コピー部数の部の仕分けのためにシート1枚ごとに矢印G1方向に10mmのシフト動作を繰り返し、第一のシート束を構成する所定枚数(例えば1〜2500(5000枚積載スタッカーの場合)枚)の排出が終了した後、矢印G2方向に10mm移動するシフト動作を行う。そしてその動作を繰り返し、順次シート束を積載していく。
【0036】
上記シフト方向切り換えの際は、揃えジョガー210F、210Rが前の部の積載紙を乗り越えるために退避回転し(すなわち、揃えジョガーが退避した位置)に移動することにより、揃えジョガー退避状態となり、この揃えジョガー退避状態のもとで、揃えジョガー210F、210Rは次の部の仕分け方向へのシフト動作を行う。
【0037】
なお、上記の「シート束」は、仕分けされたコピー部数の1部を意味する。例えば、排紙ローラ111が揃えジョガー210F側にシフトする場合、揃えジョガー210Rはシフトトレイ102上に積載された排出シート奥側面かつ前の「部」のシート束上に当接する位置に配置されることとなる。
【0038】
他方の揃えジョガー210Fはシフトトレイ102上に積載されているシート手前側面に位置し、上下位置としてはホームポジションをとっている。排紙ローラ111のシフト動作が前の部のシフト動作に対して逆方向になる毎に回転軸205を、回転軸205に取り付けられたアーム209F、209Rが揃えジョガー210F、210Rの根元210Faを下方向(矢印F方向)に回転させる(図6参照)ことにより、揃えジョガー210F、210Rを退避位置へ移動させる。
【0039】
図6は、本実施形態に係る揃えジョガーの動作を示す図である。
【0040】
なお、上記アーム209F、209Rは回転軸205にネジ固定されており、また、上記アームの動作によって、揃えジョガー210F、210Rの根元(すなわち、210Faの部分)が下方に押しつけられる機構になっている。
【0041】
コピー部数の部の仕分け側へのシフト動作が発生する毎に反対側の揃えジョガーをその前の「部」のシート束上に当接させる(乗せる)ようにし、排出されたシート束を揃えていく。
【0042】
このとき、揃えジョガー210F、210Rによって前の部のシートが次の部の仕分け側の方向にずらされることがないように、その前の部の用紙に対する摩擦係数が設定されてあり、このことによりシートを安定して揃えることができるようになる。
【0043】
揃えジョガー210F、210Rの上記退避量については、センサS6によりフィラー206を検出するホームポジションからの退避量となるので、揃えジョガーの上昇量として常に一定の量となる。
【0044】
ホームポジションから排出されるシート束の最上位面+αまで移動(上昇)させないと、シフト動作してくる積載されたシート束と揃えジョガーが干渉(接触)して、揃えられたシート束が崩れてしまうこととなる。
【0045】
上記の「+α」は、機械内部空間の最上位の位置までの地点となるが、α値が大きければ排出シートのカール・折りによる膨らみに対応する余裕度が増えるが、揃えジョガーの退避における移動時間がかかってしまうためコピー生産性が落ちてしまう。
【0046】
図7は、本実施形態に係る先端揃え機構を示す図である。
【0047】
〔先端揃え機構の構成〕
先端揃え機構70の駆動機構を図7に示している。先端揃え機構70は、シフトトレイ102上に排出されるシートの先端部を揃えるための機構であり、矢印H方向に位置調整可能な先端揃えジョガー71を備えている。
【0048】
先端揃えジョガー71はスライダ72に取り付けられており、スライダ72は、矢印H方向に延在するシャフト73によってスライド自在にガイドされている。スライダ72は、プーリ74、75の間に掛け渡されたベルト76に連結されており、モータ77によってベルト76が移動(駆動)されることにより、先端揃えジョガー71と共に矢印H方向に移動して、その位置が調整される。当該先端揃えジョガー71のシート先端が突き当たる部分(シート先端の突き当たり部)を反発係数が低い部材(低反発係数部材、例えば、反発係数2%の防振ゴム部材など)79で構成している。
【0049】
スライダ72には遮蔽板78が備えられており、先端揃えジョガー71がホームポジションに移動したときに、その遮蔽板78が光学式のホームポジションセンサS5によって検出される。
【0050】
以下に本発明に係る一実施形態について詳細に説明する。
【0051】
本発明に係るシフトトレイは、図1に示す昇降可能なシフトトレイであり、図8に示すようにエレベータ103が最下位値まで下降したときに、シフトトレイ102を台車108上に載せることにより、そのシフトトレイ102と共に、その上に積載されたシートを台車108によって搬出することができるものである。
【0052】
図9は、シフトトレイ上にリブがない場合の排出されてきた1枚目の用紙Sの状態を示す。
【0053】
シフトトレイ102が平面のみの場合、腰の弱い用紙において、排出時に用紙Sの先端から貼り付きながら排出され、後端側が撓んでしまい正常に排出されない場合がある。
【0054】
図10は、本実施形態の格納可能なリブ301が突出している場合の排出されてきた1枚目の用紙Sの状態を示す。
【0055】
リブ301に沿って排出されるため、リブ以外の場所において、シフトトレイ面と用紙の間に空気層があることにより用紙とシフトトレイの貼り付きがなく、スムーズに排出される。
【0056】
図11は、本実施形態に係るシフトトレイの斜視図である。
【0057】
図12は、本実施形態に係るシフトトレイの断面図を示す。
【0058】
図12にリブの格納部のシフトトレイ102の断面であり、リブ301にはリンク部材302があり突出時(実線)格納時(破線)の位置になるように構成されており、ストッパ303により突出時の位置(実線)を保持する。
【0059】
格納時リブ301及びストッパ303は、破線の位置にあり、リブを突出時(実線)の位置に持ち上げ後、ストッパを実線の位置に持ち上げる。
【0060】
なおAのラインはシフトトレイ面高さ、Bのラインはリブ突出時の高さを示す。
【0061】
図13は、シフトトレイ102のリブ301部の搬送方向からの断面図である。
【0062】
シフトトレイ102とリブ301の間に弾性部材304が接着等により配置されており、積載紙の枚数が増えることにより、積載紙の重量自身で弾性部材が変形し、リブ301が格納される。
【0063】
図14は、本発明に係る他の実施形態であり、図13と同様のリブ部301の断面図を示す図である。
【0064】
リブ301の搬送方向の稜線301aが曲面となっている。
【0065】
図14のリブ301の表面は平滑潤滑性に優れたコーティング材305でコーティングされている。コーティング材とは、例えばフッ素コーティングなどである。
【0066】
図15は、シフトトレイ102上の紙有無検知の状態を示す図である。
【0067】
図15(a)の図は、紙無し時であり、シフトトレイ102表面に設けられたトレイの凹部306に検知フィラー307が入り込み、センサ308にて紙無しの状態を検知する。
【0068】
図15(b)の図は、1枚目の用紙がスタックされ、検知フィラー307が持ち上げられた状態であり、センサ308により紙有りの状態を検知する。
【0069】
図16は、シフトトレイ102に搬送方向の溝309と搬送方向と直行する方向の溝310を示した斜視図である。このように溝を形成することにより積載紙Sの下側にて各溝の位置で手を挿入してスタックされた用紙束を容易に搬出することができる。
【0070】
図17は、本実施形態に係る用紙積載の流れを示すフローチャート図である。
【0071】
まず、画像形成装置から用紙を受け付けたかを判断する(ステップS1)。用紙を受け付けた場合(ステップS1、YES)は、ジョガー210F、210Rを第1の方向にシフトして用紙両側端面を揃える(ステップS2)。次に用紙の先端をジョガー71で揃える(ステップS3)。
【0072】
次に先端を揃えた用紙が2枚目(または所定の枚数)以上かどうか判断する(ステップS4)。2枚目(または所定の枚数)以上の場合(ステップS4、YES)であれば、リブを格納(ステップS5)して用紙をシフトトレイ102にスタックする(ステップS6)。2枚目(または所定の枚数)以上でない場合(ステップS4、NO)は、ステップS6に進む。
【0073】
次に指定された枚数(1部)をスタックしたかを判断する(ステップS7)。指定された枚数(1部の数)でない場合(ステップS7、NO)は、ステップS2に戻る。指定された枚数(1部の数)の場合(ステップS7、YES)は、次の部数があるかを判断する(ステップS8)。次の部数が無い場合(ステップS8、NO)は、終了する。次の部数がある場合(ステップS8、YES)はジョガー210F、210Rを第2の方向にシフトして用紙両側端面を揃える(ステップS9)。次に用紙の先端をジョガー71で揃える(ステップS10)。そして用紙をシフトトレイ102にスタックする(ステップS11)。
【0074】
次に指定された枚数(1部の数)をスタックしたかを判断する(ステップS12)。指定された枚数(1部の数)でない場合(ステップS12、NO)は、ステップS9に戻る。指定された枚数(1部の数)の場合(ステップS12、YES)は、次の部数があるかを判断する(ステップS13)。次の部数が無い場合(ステップS13、NO)は、終了する。次の部数がある場合(ステップS13、YES)は、ステップ2に戻り、ジョガー210F、210Rを第1の方向にシフトして用紙両側端面を揃える(ステップS2)。以下同様である。
【0075】
上記の実施形態によれば、スタックトレイ上に格納可能なリブ形状を有することにより、1枚目の用紙排出時のトレイへの貼り付きを防止するとともに大量積載時に1枚目の用紙にリブによる折れ跡の発生を防止することができる。
【0076】
上記の実施形態によれば、スタックトレイ上に格納可能なリブ形状に弾性部材を有することにより大量積載時に用紙の重量によりリブが格納され単純な構成により折れ跡の発生を防止することができる。
【0077】
上記の実施形態によれば、スタックトレイ上に格納可能なリブ形状の稜線が曲面となっていることにより、用紙排出時の抵抗を抑えるとともに更に確実に1枚目の用紙にリブによる折れ跡の発生を防止することができる。
【0078】
上記の実施形態によれば、スタックトレイ上に格納可能なリブ表面が平滑潤滑性に優れたコーティング材でコーティングされている(例えばフッ素コーティングなど)ことにより、更に用紙排出時の抵抗を抑えることができる。
【0079】
上記の実施形態によれば、スタックトレイ上に格納可能なリブ形状に駆動手段を設けることにより、複写機本体やトレイ上の紙有無の情報をもとに自動でリブを格納することができ、操作性向上することができる。
【0080】
上記の実施形態によれば、スタックトレイ上に格納可能なリブ形状の格納を複写機本体からの1枚目スタック情報に基づいて行うことにより、トレイへの貼り付きが発生する1枚目のみにおいてリブを突出させることができ操作向上とともに更に確実に折れ跡の発生を防止することができる。
【0081】
上記の実施形態によれば、スタックトレイ上に格納可能なリブ形状が用紙排出方向と平行であることにより、排出時の用紙の挙動が搬送方向と直行する方向にぶれることなく、安定させ、スタック後の揃えを確実に行うことができる。
【0082】
上記の実施形態によれば、格納可能なリブ形状を設けたスタックトレイ上に紙有無検知手段を有することにより、トレイ上に1枚目の用紙の有無状況を確認することができ、その情報に基づいてリブの格納を行い、大量積載による1枚目の用紙の折れ跡を防止することができる。
【0083】
上記の実施形態によれば、格納可能なリブ形状を設けたスタックトレイ上の搬送方向、搬送方向と直行する方向に溝を設けたことにより、大量積載された用紙の取り出し時、搬送方向及び搬送方向と直行する方向のどちらからでも積載用紙を持ち上げることが可能となり操作性を向上することができる。
【0084】
また本発明に係る用紙積載装置の前記腰付け用リブ手段は、弾性体で構成され、積載される用紙の重量で弾性体が変形して前記用紙積載手段に格納されることを特徴とする。
【0085】
また本発明に係る用紙積載装置の前記腰付け用リブ手段は、用紙と接するリブ形状の上側稜線が曲面形状であることを特徴とする。
【0086】
また本発明に係る用紙積載装置の前記腰付け用リブ手段は、用紙と接する面が平滑潤滑性に優れた被覆材で被覆されていることを特徴とする。
【0087】
また本発明に係る用紙積載装置の前記リブ格納手段は、予め定められた積載枚数を超えた場合に駆動源により駆動されて前記腰付け用リブ手段を格納することを特徴とする。
【0088】
また本発明に係る用紙積載装置の前記リブ格納手段は、前記画像形成装置から給紙される1枚目のスタック情報に基づいて前記腰付け用リブ手段を格納することを特徴とする。
【0089】
また本発明に係る用紙積載装置の前記腰付け用リブ手段は、前記用紙の搬送方向と平行に設けられることを特徴とする。
【0090】
また本発明に係る用紙積載装置は、前記用紙積載手段に用紙があるか否かを検知する用紙検知手段を有することを特徴とする。
【0091】
また本発明に係る用紙積載装置の前記用紙積載手段は、前記用紙の搬送方向と平行な向きと前記用紙の搬送方向と直交する向きと、に用紙を取り出すための溝構造を有することを特徴とする。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明によれば、シート揃え装置、用紙積載装置、用紙処理装置及び画像形成装置などの用途に適用できる。
【符号の説明】
【0093】
50a 駆動軸
50b 従動軸
51、52 ホルダ
53、54 連結ロッド
55 ステッピングモータ
56 従動ギヤ
57、58 ギヤ
59 ベルト
60 駆動ギヤ
61 ラックギヤ
62 ピニオン
63 シフトモータ
71 先揃えジョガー
72 スライダ
73 シャフト
74、75 プーリ
76 ベルト
77 モータ
78 遮蔽板
79 低反発係数部材
100 スタッカー
101 プルーフトレイ
102 シフトトレイ
103 エレベータ
104 タイミングベルト
105 タイミングプーリ
106 ウォームギヤ
107 トレイ昇降駆動モータ
108 台車
110 パドル
111 排紙ローラ
112 フィラー
113 従動ローラ
114 入口ローラ
200 幅方向揃え機構部
201、202、203 ステッピングモータ
204 ギヤ
205 回転軸
206 駆動軸
207F、207R スライダ
208 フィラー
210F、210R 揃えジョガー
211F、211R 揃え部
301a 稜線
301 リブ
305 コーティング材
306 トレイの凹部
307 検知フィラー
308 センサ
309 溝
L1、L2、L3 シート搬送路
S1 入口センサ
S2 排紙センサ
S3 シート面センサ
S5 ホームポジジョンセンサ
S6F、S6R センサ
S7 センサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0094】
【特許文献1】特開2000−313561号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置から順次給紙された用紙を受け入れて搬送する搬送手段と、
予め定められた枚数毎に排出位置をずらして重ねるために用紙を搬送方向に対して直交する第1の方向および前記第1の方向と逆の第2の方向にシフトして前記用紙を揃える用紙ソート手段と、
前記用紙の搬送方向に対して直交する方向の前記用紙の両側端面を揃える用紙幅方向揃え手段と、
前記用紙の搬送方向の先端を突き当てて揃える用紙先端揃え手段と、
前記用紙幅方向揃え手段と前記用紙先端揃え手段とにより前記用紙の両側端面と先端とを揃えられた前記用紙を順次スタックする昇降可能な用紙積載手段と、
前記用紙積載手段に格納可能であるリブ形状の腰付け用リブ手段と、
前記用紙の積載枚数が予め定められた枚数を超えた場合に前記腰付け用リブ手段を格納するリブ格納手段と、
を有することを特徴とする用紙積載装置。
【請求項2】
前記腰付け用リブ手段は、弾性体で構成され、積載される用紙の重量で弾性体が変形して前記用紙積載手段に格納されることを特徴とする請求項1に記載の用紙積載装置。
【請求項3】
前記腰付け用リブ手段は、用紙と接するリブ形状の上側稜線が曲面形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の用紙積載装置。
【請求項4】
前記腰付け用リブ手段は、用紙と接する面が平滑潤滑性に優れた被覆材で被覆されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の用紙積載装置。
【請求項5】
前記リブ格納手段は、予め定められた積載枚数を超えた場合に駆動源により駆動されて前記腰付け用リブ手段を格納することを特徴とする請求項1に記載の用紙積載装置。
【請求項6】
前記リブ格納手段は、前記画像形成装置から給紙される1枚目のスタック情報に基づいて前記腰付け用リブ手段を格納することを特徴とする請求項5に記載の用紙積載装置。
【請求項7】
前記腰付け用リブ手段は、前記用紙の搬送方向と平行に設けられることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の用紙積載装置。
【請求項8】
前記用紙積載手段に用紙があるか否かを検知する用紙検知手段を有することを特徴とする請求項1に記載の用紙積載装置。
【請求項9】
前記用紙積載手段は、前記用紙の搬送方向と平行な向きと前記用紙の搬送方向と直交する向きと、に用紙を取り出すための溝構造を有することを特徴とする請求項1に記載の用紙積載装置。
【請求項10】
用紙積載手段にリブ形状の腰付け用リブ手段を格納可能な用紙積載装置の用紙積載方法であって、
画像形成装置から順次給紙された用紙を受け入れて搬送する搬送工程と、
予め定められた枚数毎に排出位置をずらして重ねるために用紙を搬送方向に対して直交する第1の方向および前記第1の方向と逆の第2の方向にシフトして前記用紙を揃える用紙ソート工程と、
前記用紙の搬送方向に対して直交する方向の前記用紙の両側端面を揃える用紙幅方向揃え工程と、
前記用紙の搬送方向の先端を突き当てて揃える用紙先端揃え工程と、
前記用紙幅方向揃え工程と前記用紙先端揃え工程とにより前記用紙の両側端面と先端とを揃えられた前記用紙を順次スタックする昇降可能な用紙積載工程と、
前記用紙の積載枚数が予め定められた枚数を超えた場合に用紙積載手段にリブ形状の腰付け用リブ手段を格納するリブ格納工程と、
を有することを特徴とする用紙積載方法。
【請求項11】
用紙積載手段にリブ形状の腰付け用リブ手段を格納可能な用紙積載装置の用紙積載方法を実行させるためのプログラムであって、
画像形成装置から順次給紙された用紙を受け入れて搬送する搬送処理と、
予め定められた枚数毎に排出位置をずらして重ねるために用紙を搬送方向に対して直交する第1の方向および前記第1の方向と逆の第2の方向にシフトして前記用紙を揃える用紙ソート処理と、
前記用紙の搬送方向に対して直交する方向の前記用紙の両側端面を揃える用紙幅方向揃え処理と、
前記用紙の搬送方向の先端を突き当てて揃える用紙先端揃え処理と、
前記用紙幅方向揃え処理と前記用紙先端揃え処理とにより前記用紙の両側端面と先端とを揃えられた前記用紙を順次スタックする昇降可能な用紙積載処理と、
前記用紙の積載枚数が予め定められた枚数を超えた場合に用紙積載手段にリブ形状の腰付け用リブ手段を格納するリブ格納処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムを記載したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2011−51737(P2011−51737A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202790(P2009−202790)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】