説明

田七根抽出物を有効成分として含有する歯周疾患の予防及び治療のための薬学的組成物

【課題】 歯周疾患の予防及び治療のための薬学的組成物を提供する。
【解決手段】 薬学的組成物の有効成分として、腫瘍壊死因子−アルファ(α)(TNF−α)の遊離を抑制し、活性化したT細胞だけを選択的に死滅させることによって、炎症を抑制することができ、骨芽細胞の増殖及び分化を促進し、破骨細胞の形成及び活性を減少させて、歯槽骨の破壊を抑制することができ、歯周靭帯細胞の増殖と細胞活性を増加させることができる田七根抽出物を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、田七根抽出物を有効成分として含有する歯周疾患の予防及び治療のための薬学的組成物に関する。より詳細には、腫瘍壊死因子−アルファ(α)(TNF−α)の遊離を抑制し、活性化したT細胞だけを選択的に死滅させることによって炎症を抑制し、骨芽細胞の増殖及び分化を促進し、破骨細胞の形成及び活性を減少させて歯槽骨の破壊を抑制し、歯周靭帯細胞の増殖と細胞活性を増加させる薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
歯周組織は、歯槽骨、歯齦(歯茎)及び歯周靭帯からなる。歯茎は、口内の歯牙支持組織の一部分であって、ここから疾患(歯齦炎)が始まるが、疾患が進んで支持組織に徐々に深く広がっていくと、歯牙根面と歯牙をとりかこむ骨組織に結合している歯周靭帯が破壊され、歯牙を包み込んでいる歯槽骨も破壊されて、歯周病が発生する。
歯齦炎及び歯周病を含む歯周疾患は、細菌により引き起こされる歯牙支持組織の炎症状態であり、出血、歯周嚢の形成及び歯槽骨の破壊などにより歯牙の喪失をもたらす。かかる歯周疾患は、細菌の集落形成、細菌の歯周組織侵入及び歯周組織の破壊過程に進行する。具体的には、不良な口腔衛生状態により口腔細菌が歯面に細菌膜を形成すると、炎症が生じ、時折歯茎から出血し、口臭が生じる。かかる状態で症状がさらに進行すると、歯牙と歯茎との間にできた隙間がさらに深くなり、歯周嚢が発生し、ここに歯周疾患を起こす細菌が繁殖し、歯周炎が発生する。歯周炎が進行すると、歯磨きのような弱い刺激によっても歯茎から出血したり、腫れ、たびたび急性炎症に変化して、痛みを誘発する。かかる炎症は、骨を作る機能を低下させ、骨を吸収する作用を増強させるので、歯槽骨が徐々に低くなって破壊され、ついには歯牙を喪失するに至る。
【0003】
歯周疾患の原因にはさまざまなものがあるが、局所的要因として、歯垢が歯周嚢の内部に蓄積すると、周辺に存在する嫌気性グラム陰性細菌の棲息地となり、歯周嚢の深部に増殖する。この時、増殖した嫌気性グラム陰性細菌の毒素及びあらゆる産物が直接組織を破壊したり、免疫系を刺激して刺激された免疫系からさまざまな作用によって歯周組織の破壊と共に炎症を誘発する。これに対する防御機作として、多形核白血球の機能と免疫反応が全身的な要因として作用する。
すなわち、嫌気性グラム陰性細菌の代謝の結果、歯周組織に有毒な硫化水素、アンモニア及び有毒なアミンのような細胞の毒素が分泌されると同時に、細胞壁の構成成分であるリポポリサッカライド(Lipopolysaccharide)のような内毒素によって直接組織を破壊したり、生体免疫系を刺激し、刺激された体液性及び細胞性免疫系のさまざまな作用によって細胞外部に分泌された活性酸素、プロスタグランジン(Prostaglandins)、ロイコトリエンス(Leukotriens)、ヒスタミン(Histamine)、インターロイキン(interleuckins)のようなさまざまな種類のサイトカイン(Cytokine)などによって歯茎炎症を誘発する。また、細菌及び白血球から分泌されたコラゲナーゼのような酵素によって歯周組織の基質であるコラーゲンが分解され、歯茎退縮が生じ、放置し続けると歯周疾患に進行する。
【0004】
したがって、根元的な因子である嫌気性グラム陰性細菌に対する抗菌作用及び静菌作用と、これら細菌の毒性産物を除去する方法または消失した歯周組織を元の状態に回復することが歯周疾患の予防及び治療にあたり重要な鍵となると言われている。
歯周疾患の治療は、患者の改善された口腔衛生の確立、非外科的あるいは外科的な歯石除去術、ルートプレーニング(root planing)、歯齦掻爬術と、新付着を応用した歯周組織の再生術が用いられてきた。しかし、かかる外科的な治療方法は、治療のために歯科に行く必要があるという煩わしさのために効果的な治療が難しく、また病気の予防よりは病気がある程度進行した場合に行う治療に限定されていて、治療をしない場合、慢性に進行する場合が大半である。付加的な治療として、全身的な抗生物質の服用と局所徐放性製剤が使われてきたが、不必要な部位にも薬物が非常に多く伝達されるので、それによる副作用と、最近使われている抗生物質に対する耐性を示す歯周疾患菌が分離された例が報告されており、深刻な問題点を抱えている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のような外科的治療の限界性と抗生物質の使用の問題点を補い、歯周疾患の予防及び治療効果を発現すべく、破壊及び消失した歯周組織を元の状態に回復する活性を有し、特に副作用のない製剤の登場が求められている。
そこで、本発明の目的は、歯周疾患により発生した炎症を抑制するのみならず、骨芽細胞の増殖及び分化を促進し、破骨細胞の形成及び活性を減少させて、歯槽骨の破壊を防止することができ、歯周靭帯細胞の増殖に有効である歯周疾患の予防及び治療のためのアク学的組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のような課題を解決すべく、本発明者らは、細菌の毒素によって刺激された生体免疫系から分泌されるさまざまな種類の炎症性サイトカイン(TNF−α、IFN−γ、GM−CSF、IL−2、IL−6)を分泌するようにするCD4+T細胞が活性化されることによって、表面にオステオプロテグリンリガンド(osteoprotegerin ligand)を発現し、破骨細胞生成(osteoclastogenesis)を促進して、軟骨破壊に決定的な役割を果たすという事実に基づき、歯周疾患の治療のためには、サイトカインの遊離を抑制し、活性化したT細胞だけを選択的に死滅させて炎症を抑制し、歯槽骨の破壊を防止しうる薬剤の開発が必要であると判断した(Kong Y. Y. et al., Nature 402, 304-309, 1999)。
そして、かかる判断に基づいて種々の生薬抽出物について鋭意検討した結果、本発明者らは、田七根抽出物が、サイトカインの遊離を抑制し、活性化したT細胞だけを選択的に死滅させて炎症を抑制し、骨芽細胞の増殖及び分化を促進し、破骨細胞の形成及び活性を減少させて歯槽骨の破壊を防止しうるとともに、前述のような作用によって歯周疾患の炎症を抑制し歯周靭帯細胞の増殖に有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、田七根抽出物を有効成分として含有する歯周疾患の予防及び治療のための薬学的組成物を提供する。
前記田七根抽出物は、水、アルコール、または水とアルコールとの混合溶媒を用いて田七根から抽出されたものであるのが好ましい。なかでも、前記アルコールはエタノールであるのが好ましい。
また、本発明の薬学的組成物は、健康食品、ならびに歯磨き粉、口腔清浄剤および口腔洗浄剤などに利用することができる。
【0008】
ここで、「田七根(Panax notoginseng(Burk.) F. H. Chen)」とは、ウコギ科の多年生草本であり、人参より小さく、葉が7枚であり、根は、小さな糸巻きのような形をしていて、主に中国南西部の雲南、四川などで栽培される。田七根は、3本の枝の先にそれぞれ7枚の葉がつくことから三七、又はその形態が朝鮮人参と類似していることから田七人参とも呼ばれる。
根には3〜8%のサポニンを含有するが、その主成分は、ジンセノサイド(ginsenoside)Rb1、Rg1、Reおよびノトジンセノサイド(notoginsenoside)R1、R2、Fa、Fcであり、少量のジンセノサイド(ginsenoside)R2、b2、d、e、cも含有し、R0は含有しないか又は極めて少量含有している。精油成分は、人参より少なく、オレアノール酸なども含有している。
【0009】
また、根は、止血作用及び強心作用があり、動物実験を通じて心臓動脈の血流量を増加させ、心筋の酸素消費量を低減し、血液内の脂質とコレステロール含量を低減する効能があることが明らかにされている。
これ以外にも、田七根は、消炎、鎮痛、止血作用に優れており、肝炎をはじめとする多くの炎症疾患に有効であるのみならず、外傷または切傷により生じた出血と内出血に有効であり、傷に直接塗布し、又は食しても、効果があると言われている。
【発明の効果】
【0010】
上記のような本発明の歯周疾患の予防及び治療のための薬学的組成物は、腫瘍壊死因子−アルファ(α)(TNF−α)の遊離を抑制し、活性化したT細胞だけを選択的に死滅させる効果を有し、炎症を抑制するのみならず、歯槽骨の破壊を防止し、歯周靭帯細胞の増殖に効果を有する田七根抽出物を含んでいるため、歯周疾患の予防及び治療のために有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、田七根抽出物を有効成分として含有する歯周疾患の予防及び治療のための薬学的組成物に関する。また、本発明の薬学的組成物は、健康食品、ならびに歯磨き粉、口腔清浄剤および口腔洗浄剤などに利用することができる。
本発明における田七根抽出物は、田七根を水、アルコール、または水とアルコールの混合溶媒で抽出することができ、ここで、アルコールはエタノールであることが好ましい。この際、前記エタノールによる抽出は、例えば70〜80℃で3〜5時間行われることが好ましい。また、得られた抽出物は濃縮するのが好ましく、前記濃縮は、例えば20〜40℃で真空減圧下で行われることが好ましい。
【0012】
抽出方法は、前記溶媒を使用して冷浸、温浸、加熱などの通常の抽出方法が可能である。前記抽出物の有効成分をさらに単離するためには、有機溶媒抽出、クロマトグラフィーなどを使用することができ、分離方法が特に制限されるものではないが、後述する本発明の実施例のようにエチルアセテート(ethylacetate)で抽出することが好ましく、追加的にノマルブタノール(n-butanol)で抽出することがより好ましい。また、前記エチルアルコールで抽出する段階は、3回以上を繰り返すことが好ましい。
【0013】
本発明における田七根抽出物は、腫瘍壊死因子−アルファ(α)(TNF−α)の遊離を抑制することによって、歯周疾患の予防及び治療に有用な医薬品又は健康食品として用いうる。
ここで、本発明における田七根抽出物が腫瘍壊死因子−アルファ(α)(TNF−α)の遊離に及ぼす影響を調べるために、ヒト単核細胞株(Human monocytic cell line)であるTHP−1細胞株を用いてリポポリサッカライド(lipopolysaccharide, LPS)と本発明の田七根抽出物を処理した後、細胞培養液内の腫瘍壊死因子−アルファ(α)(TNF−α)の遊離量を酵素免疫測定法(ELISA)で測定した。その結果、本発明の田七根抽出物は、10μL/mL濃度で処理した場合、腫瘍壊死因子−アルファ(α)(TNF−α)の遊離量を顕著に抑制することを確認した(図2参照)。
【0014】
また、本発明における田七根抽出物は、活性化したT細胞だけを選択的に死滅させることによって、歯周疾患の予防及び治療に有用な医薬品又は健康食品として用いうる。
そこで、本発明における田七根抽出物が活性化したT細胞だけを選択的に死滅させるかどうかを確認するために、5週齢の雌性マウスのリンパ節を摘出して、細胞を潰して抽出した後、培養時、T細胞だけを活性化させ、活性化したT−リンパ球の細胞死を測定した。その結果、本発明の田七根抽出物は、5μL/mL以上の高濃度で処理した時、非活性化したT細胞の死滅には影響を及ぼすことなく、活性化したT細胞だけを選択的に死滅させる(図3参照)。
【0015】
さらに、本発明における田七根抽出物は、骨芽細胞の増殖及び分化を促進し、破骨細胞の形成及び活性を減少させることによって、歯周疾患の予防及び治療に有用な医薬品又は健康食品として用いうる。
本発明における田七根抽出物は、骨の主要細胞である骨芽細胞及び破骨細胞の増殖に影響を及ぼすことによって、歯槽骨の破壊を防止することができる。具体的には、骨芽細胞の増殖、骨芽細胞の特徴的遺伝子に対するmRNA発現程度、骨芽細胞による破骨細胞の生成を抑制するOPG(osteoprotegerin)の発現程度、前記遺伝子の発現された蛋白質の活性及び骨芽細胞分化を示す転写因子の発現などにおいて、上記田七根抽出物は、骨芽細胞の機能を向上させる(図4、5、6、7及び8参照)。
【0016】
さらに、本発明における田七根抽出物は、破骨細胞と見なされるTRAP(+)多核細胞の形成及び破骨細胞の活性を大きく減少させることによって、破骨細胞の機能を強く抑制し、骨組織破壊の減少に大きく寄与する(図9及び10参照)。したがって、本発明における田七根抽出物は、骨芽細胞の増殖及び分化を促進し、破骨細胞の形成及び活性を減少させることによって、歯槽骨の破壊を抑制することができるため、歯周疾患の予防及び治療に有効である。
また、本発明における田七根抽出物が、前述のような作用によって究極的に歯周疾患を効果的に治療できるかを調べるために、ヒトの歯周靭帯細胞の増殖実験を行った。その結果、本発明における田七根抽出物がヒトの歯周細胞増殖を効果的に促進させることができることを確認した(図11及び12参照)。
【0017】
本発明の薬学的組成物は、前記田七根抽出物に、同一または同様の機能を示す有効成分を1種以上さらに含有することができる。また、本発明の薬学的組成物は、前記田七根抽出物に、他の機能を示す有効成分を1種以上さらに含有することができる。
さらに、本発明の田七根抽出物を有効成分として含有する歯周疾患の予防及び治療のための薬学的組成物を投与するために、前述したような有効成分以外に、薬剤学的に許容可能な担体を1種以上さらに含有して製剤することができる。
【0018】
薬剤学的に許容可能な担体としては、食塩水、滅菌水、リンゲル液、緩衝食塩水、デキストローズ溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノール及びこれら成分のうち1成分以上を混合して使用することができ、必要に応じて抗酸化剤、緩衝液、静菌剤など他の通常の添加剤を添加することができる。
また、希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤及び潤滑剤をさらに添加して、水溶液、懸濁液、乳濁液などのような注射用剤型、丸薬、カプセル、顆粒または錠剤で製剤化することができる。ひいては、この技術分野における適正な方法を用いて、またはRemington's Pharmaceutical Science(最近版), Mack Publishing Company, Easton PAに開示されている方法を用いて、各疾患に対応して、または成分によって、適宜に製剤化することができる。
【0019】
本発明の薬学的組成物は、目的する方法によって非経口投与(例えば、静脈内、皮下、腹腔内又は局所に適用)したり、経口投与することができ、投与量は、患者の体重、年齢、性別、健康状態、食餌、投与時間、投与方法、排泄率及び疾患の重症度によってその範囲が多様であり、一日投与量は、経口投与時、本発明における田七根抽出物が0.1〜10mg/kgであり、好ましくは、0.1〜3mg/kgであり、一日1回〜数回に分散して投与することがより好ましい。
本発明における田七根抽出物をマウスに経口投与して、毒性実験を行った結果、経口毒性試験による50%致死量(LD50)は、少なくとも5g/kg以上であり、安全な物質であることが判明した。
【0020】
本発明の薬学的組成物は、歯周疾患の予防及び治療のために、単独で、または手術、放射線治療、ホルモン治療、化学治療及び生物学的反応調節剤を用いた方法と併用して使用することができる。
また、本発明の薬学的組成物は、歯齦炎、歯周炎などの歯周疾患に効果があり、抗生物質ではないものの、歯茎の炎症を減少させるのみならず、歯茎を丈夫にして、細菌感染から抵抗することができるようにするので、歯周疾患の予防及び治療のための口腔用組成物を製造することができる。
【0021】
本発明で提供する田七根抽出物を含有する口腔用組成物は、その剤型にいて特に限定されるものではなく、通常の剤型を有することができ、具体的には、歯磨き粉、口腔洗浄剤または口腔清浄剤などの剤型を有することができる。
また、上記口腔用組成物は、その剤型によって製剤化に必要な各種の基剤と添加物を含有することができ、これら成分の種類と量は、当業者により容易に選択されうる。例えば、口腔用組成物の剤型が歯磨き粉類である場合、研磨剤、湿潤剤、気泡剤、結合剤、甘味剤、pH調節剤、防腐剤、薬効成分、香料、増白剤、色素、溶剤などを添加して製造することができる。
【0022】
本発明の薬学的組成物は、歯周疾患の改善を目的として健康食品に添加することができる。本発明における田七根抽出物を食品添加物として使用する場合、前記田七根抽出物をそのまま添加したり、他の食品または食品成分と共に使用することができ、通常の方法により適宜使用することができる。
有効成分の混合量は、使用目的(予防、健康または治療的処置)によって適宜に決定されることができる。一般的に、食品または飲料の製造時には、本発明における田七根抽出物を原料に対して100重量%以下、好ましくは50重量%以下の量で添加する。しかし、健康及び衛生を目的とし、又は健康調節を目的とする長期間の摂取の場合には、前記量は、前記範囲以下であってもよく、安全性の観点から何らの問題がないため、有効成分は前記範囲以上の量で使用することもできる。
【0023】
前記食品の種類には特別な制限がない。本発明の薬学的組成物を添加できる食品の例には、肉類、ソーセージ、パン、チョコレート、キャンディ類、スナック類、菓子類、ピザ、ラーメン、その他の麺類、ガム類、アイスクリーム類を含む酪農製品、各種スープ、飲料水、お茶、ドリンク剤、アルコール飲料及びビタミン複合剤などが挙げられ、通常の意味での健康食品を全て含む。
本発明の健康食品のうちの健康飲料は、通常の飲料と同様に、さまざまな香味剤または天然炭水化物などを追加成分として含有することができる。上述した天然炭水化物は、ブドウ糖、果糖のようなモノサッカライド、マルトース、シュークロスのようなジサッカライド、及びデキストリン、サイクロデキストリンのようなポリサッカライド、キシリトール、ソルビトール、エリトリトールなどの糖アルコールである。甘味剤としては、タウマチン、ステビア抽出物のような天然甘味剤や、サッカリン、アスファルタムのような合成甘味剤などが挙げられる。前記天然炭水化物の比率は、一般的に本発明の組成物100mL当たり約0.1〜20g、好ましくは約1〜10gである。
【0024】
さらに、本発明の薬学的組成物(特にこれを用いた健康飲料)は、いろいろな栄養剤、ビタミン、電解質、風味剤、着色剤、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使われる炭酸化剤などを含有することができる。
また、本発明の健康飲料は、天然果物ジュース、果物ジュース飲料及び野菜飲料の製造のための果肉を含有することができる。これらの成分は、独立で、又は混合して使用することができる。かかる添加剤の比率は、大きく重要なことではないが、本発明の薬学的組成物100重量部当たり0.05〜50重量部の範囲で選択されることが一般的である。
【0025】
以下、本発明による好適な実施例及び実験例を提示する。しかしながら、下記の実施例及び実験例は、本発明の技術内容を明らかにするものに過ぎず、本発明は、これらの実施例及び実験例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【実施例】
【0026】
《実施例:田七根抽出物の製造》
本実施例においては、図1に示す田七根抽出物の抽出・分離方法に基づき、栽培されて薬剤商によって市販されている田七根を購入し、当該田七根から抽出物を製造した。
【0027】
〈1−1〉田七根粗抽出物の製造
(1)田七根−アルコール粗抽出物
栽培されて薬剤商によって市販されている田七根を1〜2cmの大きさの切片に切断した後、流水で洗浄して、不純物を除去した。田七根の切片を粉末に粉砕して、得られた粉末200gを3Lフラスコに入れ、エタノール2,000mLを用いて78.5℃で還流攪拌させながら、4時間加熱抽出を3回繰り返して実施した。
前記抽出によって得られた抽出液をろ過した後、40℃以下で回転式真空濃縮蒸発器(vacuum rotary evaporator)を使用して真空減圧濃縮させることによって、田七根粉末2.7gが含有された田七根粗抽出物(田七根−アルコール粗抽出物)を得た(RF1M)(田七根粉末に対する(固形分)収率:1.35%)。
(2)田七根−水粗抽出物
抽出溶媒としてエタノールの代わりに水を使用したことを除いて、前記(1)の抽出方法と同様に抽出し、田七根粗抽出物(田七根−水粗抽出物)を得た。
(3)田七根−混合溶媒粗抽出物
抽出溶媒としてエタノールの代わりに水25%とエタノール75%との混合溶媒を使用したことを除いて、前記(1)の抽出方法と同様に抽出し、田七根粗抽出物(田七根−混合溶媒粗抽出物)を得た。
【0028】
〈1−2〉田七根粗抽出物の分離
前記実施例の〈1−1〉の(1)で得られた粗抽出物(RF1M)を、追加的に常温でノマルブタノール(n-butanol)500mLで分画用漏斗を使用して3回繰り返して溶媒分画し、分画を得た(RF1MB)。
このRF1MB分画から、カラムクロマトグラフィーを用いてRF1MB4分画を分離した。前記RF1MB4分画に対して追加的にカラムクロマトグラフィーを行い、田七根抽出物の最終分画を得た(RF1MB4b)。
【0029】
《実験例1:田七根抽出物による腫瘍壊死因子−アルファ(α)(TNF−α)の遊離抑制実験》
以下の実験例では、田七根抽出物の最終分画(RF1MB4b)を濃縮し、凍結乾燥した後、水に希釈させて、試験管内(in vitro)試験及び動物実験を行った。
本発明における田七根抽出物がヒト単核細胞株(Human monocytic cell line)であるTHP−1細胞から遊離されるサイトカイン腫瘍壊死因子−アルファ(α)(TNF−α)の遊離抑制に及ぼす影響を調べるために、下記のような実験を行った。
【0030】
〈1−1〉細胞の選別及び細胞培養
ヒトから由来した細胞株であるTHP−1細胞(ATCC No.TIB-202)をATCC(Rockville, USA)から購入し、RPMI 1640(Gibco, BRL, USA)に10%FBS(fetal bovine serum)を添加した培地で培養した後、実験に使用し、前記実施例で製造した田七根抽出物がヒトの腫瘍壊死因子−アルファ(α)(TNF−a)の遊離に及ぼす影響を評価した。
【0031】
〈1−2〉腫瘍壊死因子−アルファ(α)(TNF−α)の遊離量測定
本発明の田七根抽出物(RF1MB4b)が腫瘍壊死因子−アルファ(α)(TNF−α)の遊離に及ぼす影響を調べるために、前記実験例1の〈1−1〉で用意した細胞を用いて腫瘍壊死因子−アルファ(α)(TNF−α)の遊離量を酵素免疫測定法(ELISA)で測定した。
96−ウェルプレート(well plate)にmL当たり5×105個となるように細胞を分注し、リポポリサッカライド(lipopolysaccharide, LPS)を添加して、腫瘍壊死因子−アルファ(α)(TNF−α)が遊離されるように、細胞を活性化させた。LPSと同時に、実験群には、前記実施例で製造した田七根抽出物(RF1MB4b)を2または10μL/mLの濃度で処理し、処理後、細胞培養液内の腫瘍壊死因子−アルファ(α)の量を酵素免疫測定法(ELISA)で測定した。
その結果、図2に示されるように、本発明の田七根抽出物(RF1MB4b)を低濃度(2μL/mL)で処理した場合には、田七根抽出物を処理しない対照群と比較して腫瘍壊死因子−アルファ(α)(TNF−α)の遊離量が大きく抑制されてはいないが、本発明の田七根抽出物(RF1MB4b)を10μL/mLの濃度で処理した場合は、対照群に比べて腫瘍壊死因子−アルファ(α)(TNF−α)の遊離量が顕著に抑制されたことを確認した。
したがって、本発明の田七根抽出物が腫瘍壊死因子−アルファ(α)(TNF−α)の遊離を効果的に抑制することが分かる。
【0032】
《実験例2:本発明の田七根抽出物による活性化したT細胞の選択的細胞死滅確認》
本発明の田七根抽出物が、活性化したT細胞だけを選択的に死滅させることができるかどうかを確認するために、次のような実験を行った。
【0033】
〈2−1〉T細胞の分離及び活性化
5週齢の雌性マウスのリンパ節を摘出し、滅菌した注射器の終端で潰して、細胞を抽出した。細胞濾過器(Falcon, NJ USA)を通過させた単一細胞をPBSで洗浄した後、2×106cell/mLで培養液に入れた。培養液は、RPMI 1640(Gibco, BRL, USA)にFBS(fetal bovine serum)を10%添加して使用した。
培養時、T細胞だけを活性化するために、コンカナバリンA(concanavalin A)を5μg/mL添加した後、48時間培養した。細胞を培養してから48時間後、メチル−アルファ(α)−ジ−マンノピラノサイド(Methyl-α-D-Mannopyranoside, Sigma, Germany)10mg/mLを入れ、30分間培養させた。PBSで3回洗浄した後、ヒトインターロイキン−2(human Interleukine-2; hIL-2, R&D, MN, USA)100unit/mLを添加させた培養液において細胞数が2×106cell/mLとなるように維持した後、48時間培養した(Lenardo M. J. et al., Nature 353(6347):858-61. 1991)。
【0034】
〈2−2〉活性化したT細胞の選択的細胞死測定
活性化したT細胞を1×106cell/mLに調整し、96ウェルプレート(Falcon、USA)に200μLずつ入れ、この時、hIL−2100unit/mLを共に入れた。
対照群には、田七根抽出物を添加しないことを使用し、実験群には、前記実施例で製造した田七根抽出物の最終分画(RF1MB4b)を濃度別(5μg/mL、10μg/mL、20μg/mL)に入れ、24時間培養した。
対照群として活性化しない細胞は、次のように準備した。すなわち、脾臓から抽出した単一細胞を2×106cell/mLに調整して、96ウェルプレートに200μLずつ分注した後、活性化させた細胞と同一に前記実施例で製造した田七根抽出物を入れ、24時間培養して準備した。24時間後、流管に移した後、プロピジウムアイオダイド(Propidium Iodide;PI)を入れ、フローサイトメーター(FACS Caliver, Becton Dickinson, France)のCellQuest programを使用して生存細胞数を20秒間測定した。
細胞死の計算は、(1−F抽出物処理細胞数/未処理細胞数)×100で計算した。前記方法で候補薬物の検索過程により活性化したT細胞の細胞死率は高く且つ活性化しないナイブ(naive)T細胞の細胞死率は低い効果的な薬物を選択した(Sabapathy K, et al., Curr Biol. 11;9(3), 116-25. 1999)。
その結果、図3に示されるように、本発明の田七根抽出物を5μL/mL以上の高濃度で処理した時、非活性化したT細胞の死滅には、影響を与えずに、活性化したT細胞だけを選択的に死滅させることを確認した。
したがって、本発明の田七根抽出物は、濃度によって活性化したT細胞を選択的に死滅する効果があることが分かる。
【0035】
《実験例3:田七根抽出物分画による骨芽細胞増殖実験》
前記実施例で分離した本発明の田七根抽出物分画が骨芽細胞の増殖及び細胞活性度の増加に及ぼす影響を調べるために、下記のような実験を行った。
【0036】
〈3−1〉骨芽細胞の選別及び細胞培養
下記3種類の細胞を使用して本発明の田七根抽出物が骨芽細胞の増殖に及ぼす影響を確認した。ヒト細胞には、ヒトの骨肉腫から由来した細胞株であるMG−63細胞(ATCC No.CRL-1427)を、マウスの細胞には、マウス筋肉細胞であるC2C12細胞(ATCC No. CRL-1772)をATCC(Rockville, USA)から購入し、DMEM(Gibco,BRL, USA)に10%FBS(fetal bovine serum)を添加した培地で培養した後に実験に使用した。
また、1次培養細胞には、スプラグ−ダウリ(Sprague-Dawley)ラット(rat)の頭蓋冠から得られた骨芽細胞群(RCC)を使用した。すなわち、生後19日目スプラグ−ダウリラットの頭蓋冠から前頭骨と頭頂骨を摘出した後、0.1%コラゲナーゼ(collagenase)、0.05%トリプシン及び0.5mM EDTAを含んだ酵素溶液で37℃で各々10分間、10分間、10分間、20分間、20分間ずつ連続的に処理して、I〜V群の細胞を分離し、これらの中で骨芽細胞の特性を有する細胞が主に存在するIV及びV群の細胞を混合して、10%FBSが含有されたDMEMで1次培養した後、トリプシン−EDTA溶液で細胞を収集し、細胞数を測定して各実験に利用した。
【0037】
〈3−2〉骨芽細胞増殖の測定
田七根抽出物が骨芽細胞の増殖に及ぼす影響を調べるために、前記〈3−1〉で用意した3種類の骨芽細胞を用いて細胞増殖時、細胞のDNA内に流入した3H−チミジン(thymidine)の量を測定した。具体的には、24−ウェルプレート(well plate)のウェル当たり2×104個となるように骨芽細胞を分注し、翌日1%FBSが含有されたDMEMに交替した。交替された培養液内に10-4、10-3、10-2、10-1、1または10μL/mLの濃度で連続的に希釈して準備した田七根抽出物を濃度別に添加し、48時間培養した。最後の4時間のあいだ、3μCi/ウェルの3H−チミジンを添加して培養した後、細胞をPBS(phosphate buffered saline)で洗浄し、氷冷された5%TCA(trichloroacetic acid)で処理し、TCA−不溶性である分画を分離した後、0.1M NaOHで溶解した。これらのうち一定の分画を取り、液体シンチレーション計測器(liquid scintillation counter)で放射能(radioactivity)を測定することによって、3H−チミジン流入度を測定した。
前記過程による多様な田七根抽出物の濃度による骨芽細胞増殖の程度を図4に示した。これから、低濃度の田七根抽出物を処理した場合には、田七根抽出物を処理しない対照群と比べて特別な差がなかったが、1μL/mLから10μL/mLまでは処理濃度に比例して、対照群の骨芽細胞に比べて増殖が明確に高まることを確認した(図4)。
【0038】
〈3−3〉骨芽細胞の特徴的遺伝子(第1型コラーゲン、塩基性リン酸分解酵素、オステオポンチン及びオステオカルシン)に対するmRNA発現
田七根抽出物が骨芽細胞の分化に及ぼす影響を評価するために、前記〈3−1〉で記述した方法でスプラグ−ダウリラットの頭蓋冠骨芽細胞を準備して培養した後、1次継代培養した細胞を収集し、63×104個/dishの密度で60mm組織培養皿に分注した。骨芽細胞を10%FBSが含有されたα−最小必須培地(α-minimum essential medium)で培養し、培養3日目からアスコルビン酸(ascorbic acid)50μg/mLとβ−グリセロホスフェート(β-glycerophosphate)10mMを添加して、骨芽細胞の分化を誘導した。培養開始翌日から1μL/mLの濃度で前記骨芽細胞の培養皿に添加し、2日に1回ずつ培養液を交替する時ごとに、同一濃度の田七根抽出物分画を添加し、骨芽細胞において石灰化結節が生成される12〜15日まで培養した。
【0039】
田七根抽出物の効果を調べるために、培養3日、7日及び培養が完了(14日)した後、イージブルートータルRNA分離キット(Easy BlueTM total RNA isolation kit)を用いてトータルRNAを分離した。これらの中で25μgのトータルRNAを1.2%アガロース/ホルムアルデヒド(agarose/formaldehyde)デナチュアリングゲル(denaturing gel)を用いて電気泳動を行い、ナイロンフィルタ(Hybond-N)に移転した後、エクスプレスハイブ(ExpressHybTM)混成化溶液(hybridization solution)でプレハイブリダイゼーション(prehybridization)反応を行った。その後、メガプライム DNA ラベリングキット(megaprime DNA labelling kit)を用いて32P−dCTPで標識されたpro−α1(I)−コラーゲン、塩基性リン酸分解酵素、オステオポンチン又はオステオカルシンのプローブが含有された混成化溶液で1時間混成化させ、洗浄溶液1(2×SSC、0.05%SDS)で2回、洗浄溶液2(0.1×SSC、0.1%SDS)で1回洗浄した後、オートラジオグラフィー(autoradiography)を行い、前記蛋白質の発現程度の比較は、フジバス1500像分析器(Fuji Bas 1500 image analyzer)を用いて分析した。
【0040】
前記過程で調べた骨芽細胞の第I型コラーゲン、塩基性リン酸分解酵素、オステオポンチン、オステオカルシンmRNA発現を測定した結果、田七根抽出物は、添加後3日目に第I型コラーゲン、塩基性リン酸分解酵素、オステオポンチンの発現を促進することを確認した(図5)。なお、図5において、COLはコラーゲン、ALPは塩基性リン酸分解酵素、OPNはオステオポンチン、OCはオステオカルシン、R−F1Mは田七根のエチルアルコール抽出物、R−F1Wは田七根の熱水抽出物を各々示す。
ここで、塩基性リン酸分解酵素は、骨芽細胞の細胞膜に結合されている酵素であって、骨芽細胞の標識酵素として利用され、骨組織形成のいろいろな段階に関与すると推測され(Farley, J. R. and Baylink, D., Metabolism, 35:563-571, 1986)。第I型コラーゲン、塩基性リン酸分解酵素、オステオポンチン及びオステオカルシンなどは、骨芽細胞の特徴的遺伝子として知られている(Gerstenfeld、L.C.et al., Develop. Biol., 122:49-60, 1987;Yoon, K. et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 148:1129-1136, 1987)。前記骨芽細胞の特徴的な蛋白質の発現は、既に骨芽細胞の分化により充分の骨形成がなされたため、8日目以後にはむしろ対照群より遺伝子の発現が減少することが分かる。
【0041】
〈3−4〉破骨細胞生成を抑制する骨芽細胞OPG(osteoprotegerin)の発現
前記MG−63細胞株を60mm組織培養皿に飽和するように集密的に培養した後、1、4、20及び100μg/mLの濃度の田七根抽出物を含んだ無血清DMEM 2mLを添加して16時間培養した後、上層液を収得した。20〜25%TCA(trichloroacetic acid)で培養上層液を濃縮させた後、SDS−PAGE試料バッファで溶解し、10%アクリルアミドSDS−PAGEジェルで電気泳動した。電気泳動後、250mAで1時間放置し、試料をジェルからPVDFメンブレイン(milipore)に移した。試料が移されたメンブレインをブロッキングバッファ(5% skim milk)に1時間放置した後、1次抗体である抗−OPG抗体(R&D system社)をブロッキングバッファに1:25で希釈して作った溶液に入れ、常温で2時間程度放置した。TBST溶液(100mM Tris−Cl、0.9% NaCl、0.1% トゥイーン20、pH7.5)で15分間ずつ2回メンブレインを洗浄した後、アルカリンホスフェート(alkaline phosphate)が付いている2次抗体(Promega社)を1:7000でブロッキングバッファに希釈した溶液でメンブレインを1時間放置した。前記TBST溶液で20分ずつ3回メンブレインを洗浄した後、基質を入れ、15分間反応させた後、RAS(Fuji film社)を用いて分析した。
前記過程により骨芽細胞において破骨細胞の生成を抑制する物質であるOPGの発現を測定した結果、田七根の抽出物の濃度が増加するに従って20μg/mLまでは濃度に比例して骨芽細胞のOPGの発現を促進する傾向を示した(図6)。図6において、下段の数字は、各バンドの密度(density)を示し、その広さが広いほど、発現量が高いことを意味する。
【0042】
〈3−5〉骨芽細胞分化の主要転写因子(Runx2)の発現
骨形成に必須な転写因子であるRunx2が結合するDNA配列であるOSE2を6個直列連結したものをpGL3プロモーターベクトルに挿入した6xOSE2−LucベクトルでC2C12細胞(ATCC No. CRL-1772)を一過性形質転換(transient transfection)して検査対象分画を投与することによって、Runx2の発現程度をルシフェラーゼ(luciferase)活性として判定する方法を選択した。
骨形成の促進のためには、骨芽細胞の分化が先行しなければならず、特に骨芽細胞の分化を促進するためには、分化のための転写因子であるRunx2の発現が必須である。これは、骨芽細胞が必要とするいろいろな遺伝子(オステオカルシン、オステオポンチン、第1型コラーゲン、骨シアロ蛋白質)の発現を増加させる。これらの遺伝子のプロモーターには、Runx2の結合部位(response element)(OSEとも称する:osteoblast specific factor binding element)が存在し、その中心のコンセンサス配列(consensus sequence)は、PuACCPuCA(ここで、Pはプリン塩基を示し、uはピリミジン塩基を示す)で記載される。これは、骨芽細胞の骨形成遺伝子の発現を増加させたものであり、骨形成の促進に関与することを示す(Lee, K-S., et al., Mol. Cell. Biol., 2000 Dec;20(23):8783-92; Park, M-H, et al., J. Bone Miner Res., 2001 May;16(5):885-92)。詳細な実験方法は下記の通りである。
【0043】
1.0日目
それぞれのC2C12細胞を6ウェルプレートのウェル当たり1×105密度で接種した後、24時間5%CO2培養器で培養する。
2.1日目
(1)リポフェクタミン(Lipofect Amine)を用いてp6xOSE2−Luc:リポフェクタミン複合体を製造した。具体的に6ウェルプレートのウェル当たり0.5μgのp6xOSE2−Luc、3μLのPLUS試薬及び100μLの無血清DMEM培地を混合した後、15分間室温で反応させ、溶液Iを製造した。
次に、3μLのリポフェクタミンと100μLの無血清DMEMを含んで溶液IIを製造
した後、前記溶液Iと溶液IIとを混合した後、15分間室温で反応させ、p6xOSE2
−Luc:リポフェクタミン複合体を製造した。
(2)形質転換
(ア)15分間反応させる間、細胞の培養培地を除去した後、無血清DMEMで細胞を洗浄した。6ウェルプレートのウェル当たり800μLの無血清DMEMを入れた。
(イ)前記ウェルに反応済みの207μLのp6xOSE2−Luc:リポフェクタミン複合体を入れた後、3時間5%CO2培養器で培養した。
(ウ)3時間培養後、ウェル当たり1mLの30%FBSが入っているDMEMを入れた後、24時間5%CO2培養器で培養した。
3.2日目
細胞の培養培地を除去した後、無血清DMEMで細胞を洗浄した。6−ウェルプレートのウェル当たり2mLのbFGFが10.0ng/mLで添加されている無血清DMEMを処理し、対照群は、bFGFが添加されていない無血清DMEMを処理した後、24時間5%CO2培養器で培養した。
4.3日目
24時間培養後、PBS溶液で洗浄した後、ブライトグロリシスバッファ(bright glo lysis buffer)(Promega, WI, USA)500μLで細胞を処理した後、ブライトグロ基質(bright glo substrate)(Promega, WI, USA)を同量添加し、5分間反応させた後、Runx2の活性度を発光測定機(luminometer)(Junior, EG&G BERTHOLD, Australia)を使用してルシフェラーゼ活性を測定した。
前記のような方法でp6xOSE2−Luc−一過性形質転換されたC2C12細胞に対する田七根抽出物の影響を測定した結果、対照群に比べてRunx2遺伝子の発現が増加することを確認した(図7)。
【0044】
〈3−6〉骨芽細胞標識酵素である塩基性リン酸分解酵素活性
田七根抽出物が骨芽細胞の活性に及ぼす影響を評価するために、HOS骨芽細胞(ATCC No.CRL-1543)をATCC(American Type Culture Collection, Rockville, USA)から購入し、96−ウェルプレートに各ウェル当たり5×103細胞となるように分注し、単層で増殖させた後、10-4、10-3、10-2、10-1、1μL/mLの濃度で田七根抽出物を培養液に添加し、2%FBSが含まれたDMEMで96−ウェルプレートで48時間培養した後、細胞を0.1%トリトン(Triton)X−100/生理食塩水(saline)で37℃で30分間処置した。細胞処理液の一定量を、基質である100mMのPNPP存在下に0.1Nグリシン(glycine)−NaOHバッファ(pH10.4)と一緒に37℃で30分間反応させ、基質であるPNPPから遊離して出たPNPの量を405nmで比色定量し、塩基性リン酸分解酵素の活性に及ぼす影響を調べた。
前記の過程により、骨芽細胞の塩基性リン酸分解酵素の活性を測定した結果、田七根抽出物は、前記酵素の活性に対してほとんど影響を及ぼさなかった(図8)。
【0045】
《実験例4:田七根抽出物による破骨細胞増殖抑制実験》
田七根抽出物による破骨細胞の生成抑制及び細胞活性度の減少を確認するために、本発明者らは、次のような実験を行った。
【0046】
〈4−1〉破骨細胞前駆細胞の純粋分離及び成熟した破骨細胞への分化誘導並びに田七根抽出物の処理
マウスの骨髄細胞を分離するために、7〜9週齢の雄性マウスを頸部捻転で犠牲させた後、大腿骨と脛骨を無菌的に摘出し、軟組織を除去し、腸骨の両端を切断した後、26G注射針を用いて一端の骨髄腔に0.1%コラーゲン分解酵素(collanase)(Gibco)、0.05%トリプシン及び0.5mM EDTA(Gibco)が含有された酵素溶液1mLを注射して、骨髄を取り出した後、30分間攪拌し、骨髄細胞を集めて、10%FBSが含有されたα−最小必須培地(α−MEM)に24時間前培養した後、未付着細胞を得た。破骨細胞の前駆細胞となる未付着細胞をウェル当たり2×105個の細胞となるように分注し、培養した。8日間培養するあいだ、20ng/mL M−CSF(macrophage-colony stimulating factor; Peprotech, USA)と30ng/mL RANKL(Peprotech, USA)が含有されたα−MEMに、上記〈実施例〉で製造された田七根抽出物を処理し、培養した。培養を完了した後、破骨細胞の生成を検査するために、細胞を固定し、TRAP染色を実施した。また、破骨細胞の活性を検査するために、細胞を取り出した後、吸収された部位を観察した。
【0047】
〈4−2〉TRAP(+)である多核細胞の生成抑制
細胞培養後、付着細胞をPBSで洗浄した後、シトレート−アセテート−ホルムアルデヒド(citrate-acetate-formaldehyde)で5分間固定させ、ナフトール(naphthol)AS−BIホスフェート(phosphate)、ファストガーネット(fast Garnet)GBC溶液、及び7mMタルトレート(tartrate)バッファ(pH5)を含有する37℃アセテート(acetate)緩衝液(pH5.0)に1時間培養し、TRAP染色を実施した。この際、3つ以上の核を有するTRAP(+)多核細胞を破骨細胞とみなした。
破骨細胞は、骨髄内の単核球/大食細胞系統の細胞に由来し、この単核前駆細胞は、血液内に循環され、骨内膜層で前駆細胞が増殖し、多核細胞を形成するために融合されると言われており(Scheven, B. A. A. et al., Nature, 321:79-81, 1986)、破骨細胞には、特徴的にタルトレート(tartrate)に対して抵抗性を示す酸性フォスファターゼ(acid phosphatase)であるTRAP(tartrate-resistant acid phosphatase)を有し、これは、他の骨組織細胞と区別できる破骨細胞の細胞化学的標識酵素として利用されると言われている(Minkin, C., Calcif. Tissue Int., 34:285-290、1982)。
本発明では、破骨細胞の分化を誘導するために、破骨細胞の前駆細胞があると言われる骨髄を利用し、TRAPに陽性(+)であり且つ多核である細胞を破骨細胞とみなし、破骨細胞前駆細胞を培養しながら上記〈実施例〉で製造された田七根抽出物を処理し、8日間培養した後、TRAP陽性多核細胞の数の変化を測定した。前記過程により破骨細胞の標識酵素であるTRAP活性を測定した結果、田七根抽出物を処理した群は、対照群に比べてTRAP(+)多核細胞の数が100%から10%以下に顕著に減少することを確認した。前記結果から、本発明の田七根抽出物が破骨細胞の生成抑制作用をすることを確認した(図9)。
【0048】
〈4−3〉破骨細胞の活性抑制
破骨細胞の成長及び活性を確認するために、水酸化燐灰石で被膜されたプレート(OAAS、OCT Inc.)に破骨細胞前駆細胞を培養し、破骨細胞の標識酵素であるTRAP活性及び吸収孔(resorption pit)を観察した。具体的に、細胞培養後、培養液を除去した。細胞培養後、付着している細胞を除去するために、OAASプレートを蒸留水で洗浄した後、5%次亜塩素酸ナトリウム(sodium hypochlorite)溶液を入れ、5分間放置した後、さらに蒸留水できれいに洗浄し、乾燥した後、吸収された部位をイメージプロプラス(+)(Image pro plus)を用いて観察した。すなわち、骨組織内で骨吸収を主に担当する破骨細胞の活性を検査するために、骨組織の無機質部分と同様に製作したカルシウムとホスフェートが被膜されたプレートを使用して、破骨細胞の前駆細胞を培養しながら田七根抽出物を処理した時、吸収面積に変化があるか否かを観察した。
その結果、田七根抽出物を添加した場合、破骨細胞前駆細胞をカルシウム−ホスフェートがコーティングされたプレート上で培養し、TRAP(+)を示す多核細胞の活性及び吸収孔が顕著に減少することを確認した(図10)。
【0049】
《実験例5:田七根抽出物分画によるヒトの歯周靭帯細胞増殖確認》
前記〈実施例〉で分離した田七根抽出物分画がヒト歯周靭帯細胞の増殖及び細胞活性度の増加に及ぼす影響を調べるために、下記のような実験を行った。
【0050】
〈5−1〉ヒト歯周靭帯細胞の選別及び細胞培養
健全な人の校正治療目的に抜去した小臼歯の歯周靭帯部分をキューレット(curette)を用いて無菌的に掻いて、培養皿に載置した後、DMEM(Gibco, BRL, USA)に10%FBS(fetal bovine serum)を添加した培養液を少量添加し、培養した。この時、培養しながら顕微鏡で観察したところ、組織から細胞が移植片(explant)として出ることを確認する。細胞が群集をなして育った後、歯周靭帯組織標本を除去し、細胞が単層で育つようにした後、継代培養して実験に利用した。
【0051】
〈5−2〉ヒト歯周靭帯細胞の細胞生存率測定
96−ウェルプレートに各ウェル当たりヒト歯周靭帯細胞が5,000個の細胞数となるように入れ、5%CO2培養器で48時間培養した後、田七根抽出物が含有されている培養液に交替し、さらに48時間培養した。20uL MTT(5mg/mL)を処理した後、培養液を除去し、イソプロパノールを添加した後、吸光度測定(562、650nm)を行った。実験結果、細胞に対する毒性がないのみならず、かえって細胞活性度を増加させることを確認した(図11)。
【0052】
〈5−3〉ヒト歯周靭帯細胞の増殖測定
ヒト歯周靭帯細胞を24−ウェルプレートに各ウェル当たり20,000個の細胞数となるように入れ、5%CO2培養器で48時間培養した後、各濃度の田七根抽出物が含有されている培養液に交替し、さらに48時間培養した。培養液を除去した後、トリプシン−EDTAを添加し、細胞数をヘマサイトメータ(Hemacytometer)で計数した。実験結果、濃度によって最大16%まで細胞の増殖が促進されることを確認した(図12)。
結論的に、本発明の田七根抽出物分画は、ヒトの歯周靭帯細胞の細胞活性度を増加させるのみならず、ヒトの歯周靭帯細胞を効果的に増殖させることができることを確認した。
【0053】
《実験例6:田七根抽出物による急性毒性試験》
本発明に用いられる田七根は、広く食用に利用されていて、安定性に問題がないものと判断したが、経口投与時及び腹腔内投与時の毒性実験を行うことによって、これを確認しようとした。
6週齢の特定病原体不在(specific pathogen-free, SPF)SD系ラットを使用して急性毒性実験を実施した。群当たり2匹ずつの動物に、本発明のR−F1M及びR−F1Wを各々0.5%メチルセルロース溶液に懸濁して5g/kgの容量で1回経口投与した。試験物質の投与後、動物の廃死可否、臨床症状、体重変化を観察し、血液学的検査と血液生化学的検査を実施し、剖検して目視で腹腔臓器と胸腔臓器の異常有無を観察した。
その結果、試験物質を投与したあらゆる動物において特記すべき臨床症状がなく、廃死した動物もなく、体重変化、血液検査、血液生化学検査、剖検所見などでも毒性変化は観察されなかった。以上の結果から、本発明の田七根抽出物は、いずれもラットにおいて5g/kgまでも毒性変化が認められず、経口投与最小致死量LD50は、5g/kg以上と安全な物質であると判断された。
【0054】
ここで、以下に、本発明の薬学的組成物のための製剤例を示す。
《製剤例1》薬学的製剤の製造
1.散剤の製造
田七根抽出物 2g
乳糖 1g
前記の成分を混合し、気密袋に充填して散剤を製造した。
2.錠剤の製造
田七根抽出物 100mg
とうもろこし澱粉 100mg
乳糖 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
前記の成分を混合した後、通常の錠剤の製造方法により打錠して錠剤を製造した。
3.カプセル剤の製造
田七根抽出物 100mg
とうもろこし澱粉 100mg
乳糖 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
前記の成分を混合した後、通常のカプセル剤の製造方法によりゼラチンカプセルに充填して、カプセル剤を製造した。
【0055】
《製剤例2》口腔清浄剤ガーグルの製造
田七根抽出物 0.01〜1.0g
キシリトール 5〜10g
エチルアルコール 5〜15g
ソルビトール 5〜15g
サッカリンナトリウム 10〜100mg
モノフルオロ燐酸ナトリウム 500〜1000mg
ラウリル硫酸ナトリウム 100〜200mg
ポリソルベート20 100〜1000mg
ペパーミントフレーバ 10〜100mg
安息香酸ナトリウムト 10〜100g
精製水 適量
色素(color) 適量
合計 100g
前記成分に基づいて通常の口腔清浄剤ガーグルの製造方法により歯周炎予防及び治療に効果がある口腔用組成物であるガーグルを製造した。
【0056】
《製剤例3》食品の製造
本発明の田七根抽出物を含む食品を次のように製造した。
1.調理用味付け食材の製造
本発明の田七根抽出物20〜95重量%を使用して健康増進用調理用味付け食材を製造した。
2.トマトケチャップ及びソースの製造
本発明の田七根抽出物0.2〜1.0重量%をトマトケチャップまたはソースに添加して、健康増進用トマトケチャップまたはソースを製造した。
3.小麦粉食品の製造
本発明の田七根抽出物0.5〜5.0重量%を小麦粉に添加し、この混合物を用いてパン、ケーキ、クッキー、クラッカー及び麺類を製造して、健康増進用食品を製造した。
4.スープ及び肉汁(gravies)の製造
本発明の田七根抽出物0.1〜5.0重量%をスープ及び肉汁に添加して、健康増進用肉加工製品、麺類のスープ及び肉汁を製造した。
5.グラウンドビーフ(ground beef)の製造
本発明の田七根抽出物10重量%をグラウンドビーフに添加して、健康増進用グラウンドビーフを製造した。
6.乳製品(dairy products)の製造
本発明の田七根抽出物5〜10重量%を牛乳に添加し、前記牛乳を用いてバター及びアイスクリームのような多様な乳製品を製造した。
7.禅食の製造
玄米、大麦、餅米、鳩麦を公知の方法でアルファ化させて乾燥させたものを焙煎した後、粉砕器を用いて粒度60メッシュの粉末に製造した。
黒豆、黒胡麻、荏胡麻を公知の方法で蒸かして乾燥させたものを焙煎した後、粉砕器を用いて粒度60メッシュの粉末に製造した。
本発明の田七根抽出物を真空濃縮器で減圧・濃縮し、噴霧、熱風乾燥器で乾燥して得た乾燥物を粉砕器を用いて粒度60メッシュに粉砕し、乾燥粉末を得た。
前記で製造した穀物類、種実類及び田七根抽出物の乾燥粉末を次の割合で配合して製造した。
穀物類(玄米30重量%、鳩麦15重量%、大麦20重量%)、
種実類(荏胡麻7重量%、黒豆8重量%、黒胡麻7重量%)、
田七根抽出物の乾燥粉末(3重量%)、
霊芝(0.5重量%)、
地黄(0.5重量%)
【0057】
《製剤例4》飲料の製造
1.炭酸飲料の製造
砂糖5〜10%、クエン酸0.05〜0.3%、カラメル0.005〜0.02%、ビタミンC0.1〜1%の添加物を混合し、これに、79〜94%の精製水を混合してシロップを作り、前記シロップを85〜98℃で20〜180秒間殺菌して、冷却水と1:4の割合で混合した後、炭酸ガスを0.5〜0.82%注入して、本発明の田七根抽出物を含有する炭酸飲料を製造した。
2.健康飲料の製造
液状果糖0.5%、オリゴ糖2%、砂糖2%、食塩0.5%、水75%のような副材料と、田七根抽出物とを均質に配合して、瞬間殺菌を実施した後、これをガラス瓶、PET瓶など小包装容器に包装して、健康飲料を製造した。
3.野菜ジュースの製造
本発明の田七根抽出物5gをトマトまたはニンジンジュース1,000mLに加えて、健康増進用野菜ジュースを製造した。
4.果物ジュースの製造
本発明の田七根抽出物1gをリンゴまたはブドウジュース1,000mLに加えて、健康増進用果物ジュースを製造した。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の歯周疾患の予防及び治療のための薬学的組成物は、腫瘍壊死因子−アルファ(α)(TNF−α)の遊離を抑制し、活性化したT細胞だけを選択的に死滅させる効果を有し、炎症を抑制するのみならず、歯槽骨の破壊を防止し、歯周靭帯細胞の増殖に効果を有する田七根抽出物を含んでいるため、歯周疾患の予防及び治療のために有用である。特に、本発明の薬学的組成物は、健康食品、ならびに歯磨き粉、口腔清浄剤および口腔洗浄剤などを含む医薬品に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の田七根抽出物の抽出・分離方法の工程を示す模式図である。
【図2】本発明の田七根抽出物が腫瘍壊死因子−アルファ(α)(TNF−α)の遊離抑制に及ぼす影響を示すグラフである。
【図3】本発明の田七根抽出物による活性化したT細胞の選択的細胞死を測定したグラフである。
【図4】田七根抽出物の濃度による骨芽細胞増殖の変化を示すグラフである。
【図5】田七根抽出物がRCC細胞のコラーゲン、塩基性リン酸分解酵素、オステオポンチン及びオステオカルシンRNA発現に及ぼす影響を示すグラフである。
【図6】田七根抽出物が骨芽細胞のOPG発現に及ぼす影響を示す電気泳動写真である。
【図7】田七根抽出物を、6xOSE2−Lucベクトルを挿入したC2C12細胞に処理した時、分化のための転写因子(Runx2)の発現を対照群と比較して示すグラフである。
【図8】田七根抽出物がHOS細胞のリン酸分解酵素活性に及ぼす影響を示すグラフである。
【図9】田七根抽出物が破骨細胞の形成に及ぼす影響を示すグラフである。
【図10】田七根抽出物が破骨細胞活性に及ぼす影響を示すグラフである。
【図11】本発明の田七根抽出物がヒト歯周靭帯細胞の細胞活性度に及ぼす影響を示すグラフである。
【図12】本発明の田七根抽出物がヒト歯周靭帯細胞の増殖に活性があることを示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
田七根抽出物を有効成分として含有する歯周疾患の予防及び治療のための薬学的組成物。
【請求項2】
前記田七根抽出物が、水、アルコール、または水とアルコールとの混合溶媒を用いて田七根から抽出されたものである請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項3】
前記アルコールがエタノールである請求項2記載の薬学的組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の薬学的組成物を含む健康食品。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の薬学的組成物を含む口腔用組成物。
【請求項6】
請求項5記載の口腔用組成物を含む歯磨き粉。
【請求項7】
請求項5記載の口腔用組成物を含む口腔清浄剤。
【請求項8】
請求項5記載の口腔用組成物を含む口腔洗浄剤。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−22099(P2006−22099A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−196056(P2005−196056)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【出願人】(505152572)オスコテック株式会社 (5)
【Fターム(参考)】