説明

画像データ処理装置、画像形成システム、画像データ処理方法、画像データ処理プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】外部通信装置から無線通信で送信した画像データを直ちに確認することができる画像データ処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置2は、表示部17と、赤外線通信装置3から連続して送信される一連の画像データを受信する毎に、当該画像データの受信の完了を検知する通信検知部231と、通信検知部231により画像データの受信の完了が検知される度に、当該画像データの画像を表示部17に表示する表示制御部232と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部通信装置から無線通信により受信した画像データを処理する画像データ処理装置、画像形成システム、画像データ処理方法、画像データ処理プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の携帯電話機にはカメラ機能を備えたものがあり、撮影した画像を携帯電話機が有する記憶装置やメモリカード等の補助記憶装置に画像データとして保存することができる。ユーザがこの携帯電話機に保存された画像データに基づく画像を、写真シートや用紙等の記録媒体(以下ではシート状媒体とする)上に形成したい場合には、例えば、補助記憶装置を画像形成装置に装填して、シート状記録媒体に画像を形成したり、専用のアダプタを使用して携帯電話機を画像形成装置に接続し、画像形成装置上で画像を得て、シート状媒体に画像を形成したりしている。このように携帯電話機が有する記憶装置や補助記憶装置に画像データが記録されてさえいれば、何枚ものシート状媒体にいくつもの画像の形成を行える。
【0003】
しかしながら、わざわざ補助記憶装置やアダプタを使用しなくても、携帯電話機を操作するだけでシート状媒体に画像の形成を行えると、携帯電話機のユーザにとって使い勝手がよい。
【0004】
そこで、画像形成装置の中には、簡単な操作で画像形成を行えるにように工夫を施したものがある。例えば、特許文献1には、IrDA規格に準拠した赤外線通信により画像データが送信されると、受光素子を介してその画像データを受信するプリンタが開示されている。また、例えば、特許文献2には、サーバからダウンロードした画像データを液晶表示部に表示する画像通信装置が開示されている。
【特許文献1】特開2005−14234号公報(平成17年1月20日公開)
【特許文献2】特開2004−147224号公報(平成16年5月20日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来技術では、携帯電話機から画像形成装置へ赤外線通信やその他の無線通信で画像データを1つずつ繰り返しの操作で送信することが可能である。しかしながら、画像データを1つ(1枚)ずつ繰り返しの操作で送信した場合に、送信した画像データが送信元の指定した画像であるか否かを直ぐに確認することはできなかった。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、外部通信装置から無線通信で送信した画像データを直ちに確認することができる画像データ処理装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像データ処理装置は、上記課題を解決するために、外部通信装置から無線通信にて画像データを受信する画像データ処理装置において、表示画面と、上記外部通信装置から連続して送信される一連の画像データを受信する毎に、当該画像データの受信の完了を検知する通信検知部と、上記通信検知部により画像データの受信の完了が検知される度に、当該画像データの画像を表示する表示制御部と、を備えたことを特徴としている。
【0008】
上記構成によると、毎回、外部通信装置から連続して送信される一連の画像データの受信完了後に、受信した画像データの画像を表示画面に表示する。よって、送信元の外部通信装置のユーザは、送信した画像データが正しく指定したデータであるかを、毎回、画像データの送信後に直ちに確認することができる。よって、ユーザの使い勝手のよい、利便性が向上した画像データ処理装置を提供することができる。
【0009】
また、本発明に係る画像データ処理装置は、上記課題を解決するために、外部通信装置から無線通信にて画像データを受信する画像データ処理装置において、表示画面と、上記外部通信装置から連続して送信される一連の画像データを受信する毎に、当該画像データの受信の完了を検知する通信検知部と、上記通信検知部により画像データの受信の完了が検知される度に、当該画像データのファイル名を表示する表示制御部と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
上記構成によると、毎回、外部通信装置から連続して送信される一連の画像データの受信完了後に、受信した画像データのファイル名を表示画面に表示する。よって、送信元の外部通信装置のユーザは、送信した画像データが正しく指定したデータであるかを、毎回、画像データの送信後にそのファイル名にて、直ちに確認することができる。よって、ユーザの使い勝手のよい、利便性が向上した画像データ処理装置を提供することができる。
【0011】
本発明に係る画像データ処理装置は、上記構成に加え、上記外部通信装置から連続して送信される一連の画像データとして、1つの画像を構成する画像データを受信してもよい。
【0012】
特に、上記外部通信装置から連続して送信される一連の画像データとして、1つの画像を構成する画像データを送る場合、つまり、1回の通信にて1つの画像データを送信する場合には、送信元の送信画像の選択ミス等により、同じ画像を送ったり送信間違いが起きやすい。しかし、上記構成によると、毎回、外部通信装置から連続して送信される一連の画像データの受信完了後に画像が表示され、直ちに確認することができる。
【0013】
本発明に係る画像データ処理装置は、上記構成に加え、画像データからサムネイル画像を生成するサムネイル生成部を備え、上記表示制御部は、上記画像データの画像として、当該画像データのサムネイル画像を上記表示画面に表示してもよい。
【0014】
上記構成によると、毎回、画像データの受信完了後に、受信した画像データのサムネイル画像を表示画面に表示する。よって、送信元の外部通信装置のユーザは、このサムネイル画像にて、送信した画像データを直ちに確認することができる。なお、画像データにサムネイル画像が含まれている場合には、画像データからサムネイル画像を取得することで、サムネイル画像を生成する。
【0015】
本発明に係る画像データ処理装置は、上記構成に加え、外部通信装置から受信した画像データの数を、当該画像データ処理装置の起動時からカウントし始める画像数カウント部を備え、上記表示制御部は、上記通信検知部により画像データの受信の完了が検知されると、上記起動時から当該検知までに受信した画像データの総数を表示画面に表示してもよい。
【0016】
上記構成によると、画像データ処理装置の起動時から受信した画像データ数を数え、通信検知部により画像データの受信の完了が検知されると、起動時から当該検知までに受信した画像データの総数を表示画面に表示する。よって、ユーザは、毎回、外部通信装置から連続して送信される一連の画像データの送信完了後に、画像データ処理装置の起動してからそれまでにいくつ(何枚)の画像を送信したかを確認することができる。
【0017】
本発明に係る画像形成システムは、上記課題を解決するために、上記何れか1つの上記画像データ処理装置と、上記画像データを印刷処理する画像形成装置とを備えていることを特徴としている。上記構成によると、本発明に係る画像データ処理装置を備えているため、外部通信装置から連続して送信される一連の画像データを、毎回、画像データの送信後に表示画面にて確認することができる。よって、ユーザの使い勝手のよい、利便性を向上させた画像形成システムを提供することができる。
【0018】
本発明に係る画像データ処理方法は、上記課題を解決するために、外部通信装置から無線通信にて画像データを受信する画像データ処理方法において、上記外部通信装置から連続して送信される一連の画像データを受信する毎に、当該画像データの受信の完了を検知する通信検知ステップと、上記通信検知ステップにて画像データの受信の完了が検知される度に、当該画像データの画像を表示画面に表示する表示ステップと、を含むことを特徴としている。
【0019】
上記方法によると、上記画像データ処理装置と同様の効果を奏し、送信元の外部通信装置のユーザは、送信した画像データが正しく指定したデータであるかを、毎回、連続して送信する一連の画像データの送信後に直ちに確認することができる。
【0020】
本発明に係る画像データ処理方法は、上記課題を解決するために、外部通信装置から無線通信にて画像データを受信する画像データ処理方法において、上記外部通信装置から連続して送信される一連の画像データを受信する毎に、当該画像データの受信の完了を検知する通信検知ステップと、上記通信検知ステップにて画像データの受信の完了が検知される度に、当該画像データのファイル名を表示画面に表示する表示ステップと、を含むことを特徴としている。
【0021】
上記方法によると、上記画像データ処理装置と同様の効果を奏し、送信元の外部通信装置のユーザは、送信した画像データが正しく指定したデータであるかを、毎回、連続して送信する一連の画像データの送信後に、そのファイル名にて直ちに確認することができる。
【0022】
また、本発明に係る画像データ処理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記画像データ処理装置における上記各部として動作させることにより上記画像データ処理装置をコンピュータにて実現させる画像データ処理プログラム、及びその画像データ処理プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0023】
これらの構成によれば、上記画像データ処理プログラムを、コンピュータに読み取り実行させることによって、上記画像データ処理装置と同一の作用効果を実現することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る画像データ処理装置は、以上のように、表示画面と、上記外部通信装置上記外部通信装置から連続して送信される一連の画像データを受信する毎に、当該画像データの受信の完了を検知する通信検知部と、上記通信検知部により画像データの受信の完了が検知される度に、当該画像データの画像を表示する表示制御部と、を備えている。
【0025】
また、本発明に係る画像データ処理装置は、表示画面と、上記外部通信装置から連続して送信される一連の画像データを受信する毎に、当該画像データの受信の完了を検知する通信検知部と、上記通信検知部により画像データの受信の完了が検知される度に、当該画像データのファイル名を表示する表示制御部と、を備えている。
【0026】
上記構成によると、毎回、外部通信装置から連続して送信される一連の画像データの受信完了後に、受信した画像データの画像あるいは画像データのファイル名を表示画面に表示する。よって、送信元の外部通信装置のユーザは、送信した画像データが、正しく指定したデータであるかを、毎回、画像データの送信後に直ちに確認することができる。よって、ユーザの使い勝手のよい、利便性が向上した画像データ処理装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の一実施形態について図1〜14に基づいて説明する。図2は本実施形態に係る画像形成システム100の構成図である。画像形成システム100は、カラー画像を印刷可能な画像形成装置(カラー複合機)1と、情報処理装置(画像データ処理装置)2と、を含んでいる。本実施形態では、情報処理装置2は、画像形成装置1とLANケーブルで接続されているものとするが、接続の形態は限定されず、また、画像形成装置1が情報処理装置2の機能を含んでいる構成であってもよい。情報処理装置2は、赤外線通信装置(外部通信装置)3と赤外線通信を行えるようになっており、赤外線通信装置3から赤外線にて送信された写真などの画像データを受信することができる。本実形態では、赤外線通信装置3は携帯電話機として説明するが、赤外線通信機能を有する装置であれば、携帯電話機に限定されない。
【0028】
(情報処理装置)
図1は、情報処理装置2の内部構成を示すブロック図である。図1に示すように、情報処理装置2は、情報処理装置2にて実行されるプログラムを記憶する記憶部24と、記憶部24に記憶されているプログラムを呼び出して実行することで情報処理装置2の全体を制御し所望の機能を実現する中央演算処理部23と、中央演算処理部23に接続されたバス53と、表示インタフェース19と、表示インタフェース19に接続された表示部用コネクタ18と、表示部用コネクタ18に接続された表示部(表示画面)17と、外部装置との通信を制御する通信インタフェース21と、通信インタフェース21に接続された通信コネクタ20と、USBインタフェース29と、USBインタフェース29に接続された赤外線受信部30、タッチパネル操作部31、メディアスロット部32と、赤外線通信装置3から受信した画像データを一時的に保存する一時記憶部(RAM)22と、を有している。
【0029】
赤外線受信部30は赤外線通信装置3から画像データを受信するブロックである。表示部は、ユーザが操作するキーやユーザへのメッセージ等を表示するブロックであり、タッチパネル操作部31は、表示部に表示されたキー操作を受付けるブロックである。このように、表示部17とタッチパネル操作部31とからタッチパネルが構成される。メディアスロット部32は、SDカード、miniSDカード、microSDカード、メモリスティック(登録商標)、メモリスティック(登録商標)PRO、メモリスティック(登録商標)デュオ/PROデュオ、メモリスティックマイクロ(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、マイクロドライブ(登録商標)、xDピクチャーカード(登録商標)、USBメモリなどを装填するブロックである。
【0030】
中央演算処理部23は、赤外線通信装置3から連続して送信される一連の画像データを受信する毎に、当該画像データの受信の完了を検知する通信検知部231と、通信検知部により画像データの受信の完了が検知される度に、当該画像データの画像および当該画像データのファイル名の少なくとも一方を表示部17に表示する表示制御部232とを備えている。本実施形態では、赤外線通信装置3から連続して送信される一連の画像データとして、1つの画像を構成する画像データを受信する。つまり、1回の赤外線通信で1つ(1枚)の画像データを受信するようになっている。また、画像データからサムネイル画像を取得あるいは生成するサムネイル生成部233を備えており、本実施形態では、表示部17に表示する画像データの画像として、この画像データのサムネイル画像を表示する。また、情報処理装置2が受信した画像データの数を、情報処理装置2の起動時(以下で説明する図5のS202)からカウントし始める画像数カウント部234を備えている。そして、表示制御部232は、通信検知部231により画像データの受信の完了が検知されると、情報処理装置2の起動からそのときの検知までの間に受信した画像データの総数を表示部17に表示する。
【0031】
記憶部24は、印刷指示を受けると画像データから印刷画像データを作成し画像形成装置1に向けデータを送信するプリンタドライバソフトウエア26と、赤外線通信装置3との通信で画像データを受信する赤外線受信プログラム25と、画像形成装置1との通信を行うMFP通信プログラム27と、画像データに日付等を付加するプリントプログラム28とを記憶している。
【0032】
記憶部24、通信インタフェース21、表示インタフェース19、一時記憶部(RAM)22及びUSBインタフェース29は、バス53を介して接続されており、各部に対する制御は中央演算処理部23により行なわれる。
【0033】
(画像形成装置)
図3は、画像形成装置1の内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、画像形成装置1は、画像形成装置1の全体を制御する制御部50と、制御部50に接続されたバス51と、原稿載置台上に置かれた原稿を走査して光学的に読取るための原稿走査部4と、原稿走査部4で読取った光学信号を変換して画像データを生成する読取画像データ生成部5と、入力された画像データの印刷処理を制御するための印刷制御部6と、印刷制御部6から入力された画像データを紙媒体に印刷するための画像形成部7と、原稿読取及び印刷処理に関する情報等を表示する表示部10とを含む。画像形成装置1はさらに、ユーザからの操作指示を受付けて制御部50に渡す操作部11と、外部装置との通信を制御するための通信インタフェース12と、通信インタフェース12に接続された通信コネクタ13と、画像形成装置1の消費電力の検知、待機状態への設定及び、電源オフなどを制御するための電力制御部15と、電力制御部15に接続された電源コネクタ14と、読取った又は受信した画像データを一時的に格納するための一時記憶部16と、画像形成装置1で実行される各種プログラムを格納するための記憶部8と、IC(Integrated Circuit)カードなどの記憶補助装置に記録された情報を読み取り制御部50に渡すための記憶媒体読取部9とを含む。原稿走査部4、読取画像データ生成部5、印刷制御部6、画像形成部7、記憶部8、記憶媒体読取部9、表示部10、操作部11、通信インタフェース12、電力制御部15及び一時記憶部16はバス51を介して接続されており、各部に対する制御は、制御部50により行なわれる。
【0034】
画像形成装置1は、情報処理装置から受け取った印刷画像データを印刷処理する。写真プリントの指示があれば、写真シートへの印刷処理を行う。
【0035】
(赤外線通信装置)
図4は、赤外線通信装置3の構成を示すブロック図である。図4に示すように、赤外線通信装置3は、赤外線通信装置3内で実行されるプログラムおよび写真などの画像データを記憶する記憶部39と、記憶部39に記憶されているプログラムを呼出して実行することにより赤外線通信装置3の全体を制御し所望の機能を実現する中央演算処理部38と、中央演算処理部38に接続されたバス55と、表示インタフェース34と、表示インタフェース接続された表示部33と、通信処理部36と、通信処理部36に接続された通信アンテナ35と、記憶部39に記憶された画像データを送信時に一時的に記憶する一時記憶部37と、一時記憶部37に記憶された画像データを外部に送信する赤外線通信部40と、どの画像データを送信するかを選択するためのキー入力部41と、SDカード等の補助記憶装置を挿入する部分のメディアスロット部42とを含む。記憶部39、通信処理部36、表示インタフェース34、赤外線通信部40、一時記憶部37、キー入力部41及びメディアスロット部42はバス55を介して接続されており、各部に対する制御は中央演算処理部38により行なわれる。
【0036】
(赤外線通信処理)
次に、本実施形態の画像形成システム100での処理の流れを、図5に示すフローチャートを使用して説明する。
【0037】
まず、画像形成装置1が起動する(S101)と、画像形成装置1の表示部10には初期画面として図6に示すようなサービス開始画面が表示される。画像形成装置1の起動には、例えば、電源を入れる、あるいは、ユーザが表示部(タッチパネル)17をタッチする、あるいは図示しない硬貨投入口からユーザによる支払いが行われる、こと等がトリガーとなってもよい。
【0038】
本実施形態では、サービス開始画面には、コピー、ファックス、デジタル画像プリント、L判写真プリント、および表示に使用する言語(Language)などの選択可能な機能を示すキーが表示される。画像形成装置1は、これら各キーの中からユーザにより選択されたキーに対応する機能を受け付け(S102)、その機能の情報を情報処理装置2に送信する(S103)。その後、表示部10では、図7に示す、機能選択後のユーザへの指示画面が表示される(S104)。本実施形態の画像形成装置1では、画像形成装置1の右側に情報処理装置2がLANケーブルにて接続され設置されているものとする。そこで、指示画面では、本体右側にある情報処理装置2にての操作をユーザに促す表示を行う。なお、画像形成装置の表示部10では、以降の情報処理装置2での処理中は、図7に示す指示画面の表示が維持される。
【0039】
他方、情報処理装置2は画像形成装置1の電源を入れたときに画像形成装置1から電力が供給され、図8に示すような初期画面が表示される(S201)。この初期画面では、画像形成装置1での操作の開始をユーザに促す表示を行う。
【0040】
以降の説明では、画像形成装置1が、S102で、L判写真プリントの機能を受け付けた場合について説明する。
【0041】
情報処理装置2は、画像形成装置1から選択された機能の情報(L判写真プリント)が通知されると、選択された機能における情報処理装置2が受け持つ機能を起動し(S202)、表示部17に、図9に示すようなメディア選択画面を表示する(S203)。このメディア選択画面では、各種メディアを示すキーとメディアの選択を促すメッセージとを表示する。本実施形態では、情報処理装置2で使用可能なメディアは、SDカード、miniSDカード、microSDカード、メモリスティック(登録商標)、メモリスティック(登録商標)PRO、メモリスティック(登録商標)デュオ/PROデュオ、メモリスティックマイクロ(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、マイクロドライブ(登録商標)、xDピクチャーカード(登録商標)、赤外線通信、USBメモリであり、対応する各種キーが表示される。これら以外のメディアがあってもよい。
【0042】
以下の説明では、情報処理装置2が、S203で、ユーザから、表示された各種メディアのキーのうちの1つである「赤外線通信」の選択を受付けた場合について説明する。情報処理装置2は、赤外線通信の選択を受付けると、表示部17に、赤外線での通信の開始を指示する図10に示すような赤外線通信開始画面を表示し、データ受信待ち状態に遷移する(S204)。赤外線通信開始画面では、ユーザが理解しやすいように画像データの受信待ち状態の情報処理装置2の赤外線受信部30に赤外線通信装置(携帯電話機)3を向け、ユーザが赤外線通信装置3を操作して画像データを送る様子を表示する。
【0043】
ユーザが赤外線通信装置3を操作して画像データの送信を開始すると(S301)、情報処理装置2の表示部17に、赤外線通信中であることを示す図11に示すような赤外線通信中画面を表示する(S205)。この赤外線通信中画面では、ユーザが理解しやすいように通信中であることを示すメッセージと、一つの画像データの受信量に応じて変化する0〜100%の進捗状況を示すプログレスバーを表示する。情報処理装置2は、通信中は、通信エラーが発生したかを判断し(S206)、通信エラーが発生していないと(S206においてNO)、赤外線通信が完了したかを判定し(S207)、赤外線通信が完了していないと(S207においてNO)、プログレスバーを更新して(S208)、S206から繰り返す。
【0044】
通信中に通信エラーが発生すると(S206においてYES)、表示部17に図12(a)または(b)に示す通信エラー表示画面を表示し(S209)、表示に基づくユーザ指示を受付ける(S210)。図12(a)に示すエラー表示画面は、画像データを1つも読み取っていないときの画面であり、図12(b)は、画像データを1つ以上読み込んでいるときの画面である。図12(a)に示す通信エラー画面では、通信ができなかったことを示すメッセージと共に、処理を中止するか再読み込みをするかを選択させるキーが表示される。ユーザが、中止することを選択するキーを操作する(S210で中止の指示を受付ける)と、情報処理装置2は、S201の初期画面の表示に戻る。ユーザが再読み込みを選択するキーを操作する(S210で再読み込みの指示を受付ける)と、情報処理装置2は、S204から処理を繰り返す。
【0045】
図12(b)に示す通信エラー画面は、情報処理装置2が2つの画像データを読み込んでおり、3つ目の画像データの赤外線通信に失敗した例であり、通信エラー画面には、通信できなかっことと、読み込み完了しているのは2つであることを示すメッセージが表示される。また、通信を終了して次に進むか再読み込みをするかを選択させるキーが表示される。さらに、処理を中止することを選択させるキーも表示する。ユーザが、通信を終了して次画面に進むことを選択するキーを操作する(S210で次画面に進む指示を受付ける)と、情報処理装置2は、表示部17に、図13(a)に示すようなプリント画像選択画面を表示する(S215)。ユーザが再読み込みを選択するキーを操作する(S210で再読み込みの指示を受付ける)と、情報処理装置2は、S204から処理を繰り返し、中止することを選択するキーを操作する(S210で中止の指示を受付ける)と、情報処理装置2は、S201の初期画面の表示に戻る。
【0046】
1つのデータを受信する赤外線通信が完了すると(S207においてYES)、受信したデータが画像データあるかを判断する(S211)。これは、受信したデータが、例えば住所録のデータの場合等があるからである。受信したデータが住所録データ等の画像データ以外のデータであると(S211においてNO)、S209に戻り、図12(a)または(b)に示す通信エラー画面が表示される。受信したデータが画像データの場合(S211においてNO)、受信した画像データにサムネイル画像が含まれている場合にはそれを取得し、含まれていなければ受信した画像データからサムネイル画像を生成し、また、画像データからファイル名を取得する(S212)。
【0047】
次に、表示部17に、赤外線通信が完了したことを示す図14に示すような通信完了画面を表示する(S213)。この通信完了画面では、S212で取得あるいは生成したサムネイル画像を表示する。サムネイル画像は表示画面の大きさに合わせて縮小されてもよい(例えば、160×120画素)。また、図14では、サムネイル画像を通信完了画面の上に表示しているが、表示位置は限定されない。よって、ユーザは、毎回データの送信完了後に、送信したデータが、正しく指定した画像データであるかを確認することができる。さらに通信完了画面では、サムネイル画像の側に、画像データの送信が完了したことを示すメッセージが側に表示されている。なお、ユーザ(赤外線通信装置3)にとってはデータの送信であるため、通信完了画面では送信が完了したこと示すユーザ向けメッセージを表示しているが、情報処理装置2にとってはデータの受信である。
【0048】
また、通信完了画面では、サムネイル画像の指定する画像データのファイル名を表示する。図14では、「DSCF0134.JPG」がファイル名である。このファイル名の表示により、例えば似たような画像があったとしても、ユーザは送信した画像データの確認をより確実に行える。
【0049】
また、通信完了画面では、総送信完了枚数を表示する。図14では、1つの画像データの送信が完了していることを示す、「送信完了枚数:1枚」という表示がされている。情報処理装置2は、総送信完了枚数は赤外線通信完了毎にカウントアップしていく。よって、毎回赤外線の通信の完了後、画面の下部に総送信完了枚数が表示される。よって、ユーザは、処理を始めてからいままで画像データをいくつ送ったかを、確認することができる。なお、画像形成システム100は、総送信完了枚数は送信完了毎にカウントアップしていき、印刷対象を一括して印刷できる最大数までカウントを続けるようになっている。
【0050】
また、通信完了画面には、赤外線通信を再度行うか否かをユーザに選択させるキーを表示し(S214)、ユーザが赤外線通信を再度行うことを選択するキー(「続けて送信」キー)を操作する(S214で赤外線通信を再度行う指示を受付ける)と、S204から処理を繰り返す。ユーザが赤外線通信を再度行わず次画面に進むことを選択するキー(「通信完了して次へ」キー)を操作する(S214で赤外線通信を再度行わない指示を受付ける)と、情報処理装置2は、表示部17に、ユーザに画像を選択させる図13(a)に示すようなプリント画像選択画面を表示する(S215)。
【0051】
図13(a)に示すプリント画像選択画面は、ユーザに写真プリント出力したい画像を選択させる画面である。プリント画像選択画面では、情報処理装置2が読み込んだ画像のサムネイル画像を表示する。また、プリント画像選択画面には、これらサムネイル画像を、画像データを読み込んだ古い順に並び替えるためキー(「古い順」キー)、画像データを読み込んだ新しい順に並び替えるためキー(「新しい順」キー)、が表示され、ユーザによるサムネイル画像の並び替えが可能になっている。また、プリント画像選択画面には、これらサムネイル画像から写真プリントしたい画像を選ぶ際に、全ての画像を一括して選択できるキー(「すべて選択」キー)、画像の選択を解除するキー(「すべて解除」キー)、が表示され、ユーザによるサムネイル画像の効率的な選択・解除が可能になっている。また、表示されたサムネイル画像の1つを選び拡大表示するためのキー(「拡大表示」キー)を操作すると、画像を拡大表示されるようなっている。
【0052】
ここで、プリント画像選択画面が表示された段階で、追加して赤外線通信を行いたい(追加の読み込みをしたい)とユーザが判断する場合もあるので、プリント画像選択画面では、追加して赤外線通信を行うためのキー(「追加取り込み」キー)を表示してもよい。ユーザがこの「追加取り込み」キーを操作すると、追加して画像データを赤外線通信により取り込むことが可能になり、図13(b)の追加取り込み画面が表示されるようになっていてもよい。追加取り込み画面では、追加取り込みをするかを問うメッセージと共に、追加して取り込むことを選択するキー(「はい」キー)と取り込まないことを選択するキー(「いいえ」キー)とを表示する。また、プリント画像選択画面では、S203のメディア選択画面の表示に戻るためのキー(「もどる」キー)を表示してもよい。
【0053】
その後、情報処理装置2は、S215のプリント画像選択画面にてユーザが選択したサムネイル画像に対応する画像データを、印刷用画像データにし、画像形成装置1に通知する(S216)。情報処理装置2からの通知を受け、画像形成装置1では、受信した画像データを写真シートに印刷する写真プリント処理を行う(S105)。
【0054】
以上により、画像形成システム100は、赤外線通信により受信した画像データを写真シートにプリントする処理を終了する。
【0055】
なお、上記の説明では、赤外線通信装置3と情報処理装置2との通信は赤外線で行っているが、他の無線通信であってももちろん構わない。また、上記では、1回の通信接続につき画像データを1つ通信しているが、1回の通信接続で複数の画像データを通信できるようになっている場合、情報処理装置2は、受信した複数の画像データを通信完了画面で表示する。
【0056】
以上のように、情報処理装置2では、毎回、赤外線通信装置3から連続して送信される一連の画像データの受信完了後に、受信した画像データの画像あるいは画像データのファイル名を表示部17に表示する。よって、送信元の赤外線通信装置3のユーザは、送信した画像データが、正しく指定したデータであるかを、毎回、画像データの送信後に直ちに確認することができる。このように、情報処理装置2は、ユーザの使い勝手のよい、利便性が向上したものである。
【0057】
本実施形態は、コンピュータに実行させるためのプログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に、上記画像データ処理を行う画像データ処理方法を記録するものとすることもできる。この結果、上記した圧縮処理を行う画像処理方法を行うプログラムコードを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。
【0058】
なお、本実施の形態では、この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行われるために図示していないメモリ、例えばROMのようなものそのものがプログラムメディアであってもよいし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
【0059】
いずれの場合においても、格納されているプログラムコードはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であってもよいし、あるいは、いずれの場合もプログラムコードを読み出し、読み出されたプログラムコードは、マイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムコードが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0060】
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムコードを担持する媒体であってもよい。
【0061】
また、本実施形態では、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であってもよく、通信ネットワークからプログラムコードをダウンロードするように流動的にプログラムコードを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークからプログラムコードをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであっても良い。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。上記記録媒体は、デジタルカラー画像形成装置やコンピュータシステムに備えられるプログラム読み取り装置により読み取られることで上述した画像処理方法が実行される。
【0062】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上述した実施形態において開示された各技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、無線通信にて受信した画像データを印刷する画像形成装置に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態の画像形成システムの構成図である。
【図2】本発明の一実施形態の情報処理装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態の画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態の赤外線通信装置の内部構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態の画像形成システムでの処理の流れを示す図である。
【図6】上記画像形成装置での開始画面の一例を示す図である。
【図7】上記画像形成装置での機能選択後の画面の一例を示す図である。
【図8】上記情報処理装置での初期画面の一例を示す図である。
【図9】上記情報処理装置でのメディア選択画面の一例を示す図である。
【図10】上記情報処理装置での赤外線通信開始画面の一例を示す図である。
【図11】上記情報処理装置での赤外線通信中画面の一例を示す図である。
【図12】(a)は、画像データを1つも読み取っていないときのエラー表示画面の一例を示す図であり、(b)は、画像データを1つ以上読み込んでいるときのエラー表示画面の一例を示す図である。
【図13】(a)は、上記情報処理装置でのプリント画像選択画面の一例を示す図であり、(b)は、プリント画像選択画面で再読み込みを選択させる画面の一例を示す図である。
【図14】上記情報処理装置での通信完了画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
1 画像形成装置
2 情報処理装置(画像データ処理装置)
3 赤外線通信装置(外部通信装置)
17 表示部(表示画面)
23 中央演算処理部
31 タッチパネル
231 通信検知部
232 表示制御部
233 サムネイル生成部
234 画像数カウント部
100 画像形成システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部通信装置から無線通信にて画像データを受信する画像データ処理装置において、
表示画面と、
上記外部通信装置から連続して送信される一連の画像データを受信する毎に、当該画像データの受信の完了を検知する通信検知部と、
上記通信検知部により画像データの受信の完了が検知される度に、当該画像データの画像を上記表示画面に表示する表示制御部と、
を備えたことを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項2】
外部通信装置から無線通信にて画像データを受信する画像データ処理装置において、
表示画面と、
上記外部通信装置から連続して送信される一連の画像データを受信する毎に、当該画像データの受信の完了を検知する通信検知部と、
上記通信検知部により画像データの受信の完了が検知される度に、当該画像データのファイル名を上記表示画面に表示する表示制御部と、
を備えたことを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項3】
上記外部通信装置から連続して送信される一連の画像データとして、1つの画像を構成する画像データを受信することを特徴とする請求項1または2に記載の画像データ処理装置。
【請求項4】
画像データからサムネイル画像を取得あるいは生成するサムネイル生成部を備え、
上記表示制御部は、上記画像データの画像として、当該画像データのサムネイル画像を上記表示画面に表示することを特徴とする請求項1に記載の画像データ処理装置。
【請求項5】
外部通信装置から受信した画像データの数を、当該画像データ処理装置の起動時からカウントし始める画像数カウント部を備え、
上記表示制御部は、上記通信検知部により画像データの受信の完了が検知されると、上記起動時から当該検知までに受信した画像データの総数を上記表示画面に表示することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の画像データ処理装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1項に記載の上記画像データ処理装置と、上記画像データを印刷処理する画像形成装置とを含む画像形成システム。
【請求項7】
外部通信装置から無線通信にて画像データを受信する画像データ処理方法において、
上記外部通信装置から連続して送信される一連の画像データを受信する毎に、当該画像データの受信の完了を検知する通信検知ステップと、
上記通信検知ステップにて画像データの受信の完了が検知される度に、当該画像データの画像を表示画面に表示する表示ステップと、
を含むことを特徴とする画像データ処理方法。
【請求項8】
外部通信装置から無線通信にて画像データを受信する画像データ処理方法において、
上記外部通信装置から連続して送信される一連の画像データを受信する毎に、当該画像データの受信の完了を検知する通信検知ステップと、
上記通信検知ステップにて画像データの受信の完了が検知される度に、当該画像データのファイル名を表示画面に表示する表示ステップと、
を含むことを特徴とする画像データ処理方法。
【請求項9】
請求項1から5の何れか1項に記載の画像データ処理装置を動作させるプログラムであって、コンピュータを上記画像データ処理装置の各部として機能させるための画像データ処理プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の画像データ処理プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−41580(P2010−41580A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−204397(P2008−204397)
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】