説明

画像供給装置、方法及びプログラム

【課題】カメラダイレクトプリント前にデジタルカメラで指定した印刷設定とプリンタの機能とが一致しなくても、ユーザの所望する印刷設定で印刷を可能とする。
【解決手段】デジタルカメラにおいて当該カメラが前回画像を供給し印刷画像を出力したプリンタの機能情報を記憶しておく。そして、カメラダイレクトプリントをする際に、記憶した機能情報に応じた印刷設定を指定可能とすると共に、プリンタ出力装置に供給する画像を選択可能とする(S304、S307)。次に前記指定された印刷設定で印刷画像を出力するための印刷制御情報を生成する(S308)。そして、前記生成した印刷制御情報を前記選択された画像と共にプリンタに供給する。これにより、直前に使用した、換言すれば普段よく使用していると考えられるプリンタの印刷設定に基づく印刷設定で、これから行う印刷設定をでき、プリンタの機能が指定する印刷設定に一致しない事態を回避できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等の画像供給装置とパーソナルプリンタ等の出力装置とで実行するカメラダイレクトプリントにおいて、画像供給装置で指定した印刷設定に従い出力装置で印刷を実行する際に、所望の印刷画像を得るための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラの普及やパーソナルプリンタの性能向上により、撮影した画像を各家庭で印刷する機会が増大している。デジタルカメラとプリンタとを用いた印刷方法の1つに、PictBridge等に代表されるカメラダイレクトプリントが存在する。カメラダイレクトプリントは、デジタルカメラとプリンタとをUSBケーブル等で接続し、デジタルカメラを操作することでカメラ内部の画像をプリンタで印刷することが可能であり、PCを必要とせず簡単に写真プリントを実現することが可能である。
【0003】
プリンタの機能としては、1枚の用紙に複数の画像を印刷するN−up印刷機能や、特定のレイアウトに画像を割り付け、ユーザが所望する画像配置で1枚の用紙に複数の画像を印刷するマルチレイアウト印刷機能等が存在する。このような機能により単純に1画像を1枚の用紙に印刷するだけでなく、様々なレイアウトで印刷することが可能となり、電子写真ならではのメリットを活用することができる。
【0004】
また、近年のデジタルカメラ等の電子写真画像を扱う電子機器では、DPOF(Digital Print Order Format)ファイルにプリント情報を記録し、DPOFファイルを用いてカメラダイレクトプリントを実行することも可能である。DPOFファイルは、自動プリント情報を電子写真画像ファイルと共にリムーバルメディアに記録し、プリント時に利用することを目的として規格化されたファイルフォーマットである。
【0005】
DPOFファイルには、画像ソース情報、日付/時刻、プリント枚数、プリントタイプ、画像回転情報、トリミング情報等の各種電子写真画像をプリントするために必要な情報が記載できる。さらにDPOFファイルには、ベンダ拡張領域が用意されており、規格に規定されている機能に加えて、ベンダ独自の機能を付加することも可能である。これらの機能を組み合わせることにより、デジタルカメラにおいては、DPOFファイルでプリントレイアウトの指定を行い、それを用いてカメラダイレクトプリントを実行することで、ベンダ特有のマルチレイアウト印刷を実現することも可能である。
【0006】
DPOFファイルのようなプリント制御情報(プリントジョブファイル)を用いて、デジタルカメラ、プリンタ間で印刷を実現する技術として、例えば特許文献1、特許文献2等に開示がある。
【0007】
特許文献1では、あらかじめプリンタ側でリムーバルメディアにプリント制御情報を書き込み、カメラがリムーバルメディアに書き込まれたプリント制御情報を利用してプリントジョブを生成し、リムーバルメディアに保存することが開示されている。そして、プリンタは、このリムーバルメディアからプリントジョブを読み出してプリントを行うことが開示されている。
また特許文献2では、リムーバルメディアにプリントジョブを書き込み、プリンタが印刷時にプリントジョブに従って印刷するか、プリンタ操作でプリントジョブを修正して印刷するかを選択可能な手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−211082号公報
【特許文献2】特開平11−254764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
レイアウト指定等の印刷設定が指定されたDPOFファイルを用いて、カメラダイレクトプリントでマルチレイアウト印刷等の印刷設定を指定して実行する場合、次の課題が考えられる。
【0010】
通常、DPOFファイルの設定は、デジタルカメラにおいてプリンタと接続する前に行われるものである。このときデジタルカメラはこれから接続するプリンタの機能を知ることができない。そのため、DPOFファイルで指定したレイアウト情報等の印刷設定と、プリンタが対応可能な印刷設定とが一致しない、換言すれば指定した印刷設定にプリンタの持つ機能が一致しないことがあり、この場合ユーザが所望する印刷設定で印刷できない可能性がある。
【0011】
係る課題に対して、特許文献1に開示された技術では、リムーバルメディアをプリンタとデジタルカメラの相互に装着しなおす必要があり、またカメラダイレクトプリントによる印刷処理については言及されていない。
また特許文献2に開示された技術では、デジタルカメラを操作して実行するカメラダイレクトプリント時において、プリントジョブ修正のためにプリンタを操作しなければならず、操作に一貫性を保つことができず、操作性が良好であるとは言い難い。
【0012】
本発明は上記課題に鑑みて、デジタルカメラによって生成された印刷設定を含むDPOFファイル等に基づくカメラダイレクトプリントを実行する際に、操作性を損なわずに、所望の印刷が確実に実行できるようにすることを目的とする。具体的には、カメラダイレクトプリント前にデジタルカメラで指定した印刷設定とプリンタの持つ機能とが一致しなくても、ユーザの所望する印刷設定で印刷を可能とし、この印刷設定を、操作性を損なうことなく実行できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の画像供給装置は、印刷画像を出力する出力装置に画像を供給する画像供給装置であって、通信手段を介して前記出力装置と通信し、前記出力装置の機能情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得した前記機能情報を記憶する機能情報記憶手段と、前記出力装置と通信していない場合に、前記機能情報記憶手段で記憶した機能情報に応じた印刷設定を指定可能とすると共に、出力装置に供給する画像を選択可能とする印刷設定選択手段と、前記印刷設定選択手段で指定された印刷設定で印刷画像を出力するための印刷制御情報を生成する印刷制御情報生成手段と、を有し、前記出力装置と通信を開始した後で、前記印刷制御情報生成手段で生成した印刷制御情報を用いた通信を行うことを特徴とする。
また、本発明のプリントシステムは、印刷画像を出力する出力装置と、前記出力装置に画像を供給する画像供給装置とがネットワークを介して接続するプリントシステムであって、前記画像供給装置は、通信手段を介して前記出力装置と通信し、前記出力装置の機能情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得した前記機能情報を記憶する機能情報記憶手段と、前記出力装置と通信していない場合に、前記機能情報記憶手段で記憶した機能情報に応じた印刷設定を指定可能とすると共に、出力装置に供給する画像を選択可能とする印刷設定選択手段と、前記印刷設定選択手段で指定された印刷設定で印刷画像を出力するための印刷制御情報を生成する印刷制御情報生成手段と、を有し、前記出力装置と通信を開始した後で、前記印刷制御情報生成手段で生成した印刷制御情報を用いた通信を行い、前記出力装置は、前記画像供給装置から供給された前記印刷制御情報及び前記選択された画像に基づき、印刷画像を出力することを特徴とする。
また、本発明の画像供給方法は、印刷画像を出力する出力装置に画像を供給する画像供給装置の画像供給方法であって、通信手段を介して前記出力装置と通信し、前記出力装置の機能情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得した前記機能情報を記憶媒体に記憶させる機能情報記憶ステップと、前記出力装置と通信していない場合に、前記機能情報記憶ステップで記憶させた機能情報に応じた印刷設定を指定可能とすると共に、出力装置に供給する画像を選択可能とする印刷設定選択ステップと、前記印刷設定選択ステップで指定された印刷設定で印刷画像を出力するための印刷制御情報を生成する印刷制御情報生成ステップと、前記出力装置と通信を開始した後で、前記印刷制御情報生成ステップで生成した印刷制御情報を用いた通信を行うステップと、を有することを特徴とする。
また、本発明のプログラムは、印刷画像を出力する出力装置に画像を供給する画像供給装置の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、通信手段を介して前記出力装置と通信し、前記出力装置の機能情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得した前記機能情報を記憶媒体に記憶させる機能情報記憶ステップと、前記出力装置と通信していない場合に、前記機能情報記憶ステップで記憶させた機能情報に応じた印刷設定を指定可能とすると共に、出力装置に供給する画像を選択可能とする印刷設定選択ステップと、前記印刷設定選択ステップで指定された印刷設定で印刷画像を出力するための印刷制御情報を生成する印刷制御情報生成ステップと、前記出力装置と通信を開始した後で、前記印刷制御情報生成ステップで生成した印刷制御情報を用いた通信を行うステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、本発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上記に記載のプログラムを記憶したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、カメラダイレクトプリント前にデジタルカメラ等の画像供給装置で指定した印刷設定とプリンタ等の出力装置の持つ機能とが一致しなくても、ユーザの所望する印刷設定で印刷を可能とし、この印刷設定を操作性を損なうことなく実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタルカメラの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るプリンタの構成を示す図である。
【図3A】本発明の実施形態に係るデジタルカメラの処理の流れを示したフローチャートである。
【図3B】本発明の実施形態に係るデジタルカメラの処理の流れを示したフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係るプリンタの処理の流れを示したフローチャートである。
【図5A】本発明の実施形態に係るデジタルカメラにおいてレイアウト情報を含むDPOFファイルを生成するときの、デジタルカメラのユーザインターフェースを示した図である。
【図5B】本発明の実施形態に係るデジタルカメラにおいてレイアウト情報を含むDPOFファイルを生成するときの、デジタルカメラのユーザインターフェースを示した図である。
【図5C】本発明の実施形態に係るデジタルカメラにおいてレイアウト情報を含むDPOFファイルを生成するときの、デジタルカメラのユーザインターフェースを示した図である。
【図5D】本発明の実施形態に係るデジタルカメラにおいてレイアウト情報を含むDPOFファイルを生成するときの、デジタルカメラのユーザインターフェースを示した図である。
【図6】PictBridge通信時にやり取りされるPaper Size及びLayouts情報と本発明の実施形態で使用するプリントレイアウトとの関係を説明した図である。
【図7】本発明の実施形態で使用するプリントレイアウトの画像割付のイメージの例を示した図である。
【図8】本発明の実施形態で使用するプリントレイアウトの画像割付のイメージの例を示した図である。
【図9】本発明の実施形態で使用するレイアウト情報を含んだDPOFファイルの記述例を示した図である。
【図10】本発明の実施形態で使用するDPOFファイルを用いた、カメラダイレクトプリント実行時のデジタルカメラのユーザインターフェースを示した図である。
【図11】本発明の実施形態で使用するDPOFファイルを用いた、カメラダイレクトプリント実行時のデジタルカメラのユーザインターフェースを示した図である。
【図12】本発明の実施形態で使用するレイアウト変換テーブルの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態に係るプリントシステムを構成するデジタルカメラ1及びプリンタ201について説明する。当該プリントシステムは、デジタルカメラ1とプリンタ201とがネットワークを介して接続し、カメラダイレクトプリントを実行可能である。
【0017】
<デジタルカメラ1の装置構成>
まず図1は、本発明の実施形態に係る画像供給装置であるデジタルカメラ1の構成を示す図である。以下、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1の構成について説明する。
【0018】
図1において、1はデジタルカメラである。2は撮影レンズ、3は絞り機能を備えるシャッター、4は光学像を電気信号に変換する撮像素子、5は撮像素子4のアナログ信号出力をデジタル信号に変換するA/D変換器である。
【0019】
6はタイミング発生回路であり、撮像素子4、A/D変換器5、D/A変換器7にクロック信号や制御信号を供給する。タイミング発生回路6は、メモリ制御回路8及びシステム制御回路9により制御される。
【0020】
10は画像処理回路であり、A/D変換器5からのデータ或いはメモリ制御回路8からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。
【0021】
8はメモリ制御回路であり、A/D変換器5、タイミング発生回路6、画像処理回路10、画像表示メモリ11、D/A変換器7、メモリ12を制御する。A/D変換器5のデータは、画像処理回路10、メモリ制御回路8を介して、或いはA/D変換器5のデータが直接メモリ制御回路8を介して、画像表示メモリ11或いはメモリ12に書き込まれる。
【0022】
11は画像表示メモリ、7はD/A変換器であり、13はTFT・LCD等から成る画像表示部である。画像表示メモリ11に書き込まれた表示用の画像データは、D/A変換器7を介して画像表示部13により表示される。画像表示部13を用いて撮像した画像データを逐次表示すれば、電子ファインダー機能を実現することが可能である。
【0023】
12は撮影した静止画像や動画像を格納するためのメモリであり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶量を備えている。
【0024】
14は絞り機能を備えるシャッター3を制御する露光制御部であり、フラッシュ17と連携することによりフラッシュ調光機能も有するものである。15は撮影レンズ2のフォーカシングを制御する測距制御部、16は撮影レンズ2のズーミングを制御するズーム制御部である。17はフラッシュであり、AF補助光の投光機能、フラッシュ調光機能も有する。
【0025】
9はデジタルカメラ1全体を制御するシステム制御回路、20はシステム制御回路9の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリである。
【0026】
18は電源制御部であり、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成されており、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。電源制御部18は、検出結果及びシステム制御回路9の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体を含む各部へ供給する。19はアルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる電源手段である。
【0027】
21は表示部であり、液晶表示装置、スピーカ等を含み構成される。表示部21は、システム制御回路9のプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声等を用いて動作状態やメッセージ等を表示する。表示部21は、デジタルカメラ1の操作部近辺の視認し易い位置に単数或いは複数個所設置され、例えばLCDやLED、発音素子等の組み合わせにより構成されている。
【0028】
22は電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリである。不揮発性メモリ22には、前回(直前)のカメラダイレクトプリントのときに接続し印刷を行ったプリンタのCapability情報を記憶することができる。Capability情報についての詳細は後述するが、プリンタの仕様や能力に係る情報(機能情報)をいう。
【0029】
23はメモリカードを接続するためのメモリカードインタフェース(メモリカード I/F)、24は外部機器とUSBを用いて接続するためのUSBインタフェース(USB I/F)である。
【0030】
25はシステム制御回路9の各種の動作指示を入力するための操作部であり、スイッチやダイアル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置等の単数或いは複数の組み合わせで構成される。
【0031】
26はシャッタースイッチであり、撮像素子4から読み出した信号をA/D変換器5、メモリ制御回路8を介してメモリ12に画像データを書き込む露光処理、画像処理回路10やメモリ制御回路8で行う現像処理という一連の処理の動作開始を指示する。
【0032】
<プリンタ201の装置構成>
次に、図2は、本発明の実施形態に係るプリンタ201の構成を示す図である。以下、本発明の実施形態に係るプリンタ201の構成について説明する。
【0033】
図2において、201は本実施形態に係るプリンタである。202は実際に用紙に画像を印刷(プリント)するプリントエンジンであり、205は画像を印刷処理用データとしてプリンタエンジン202に供給するプリント処理部である。213は用紙を給紙する給紙部であり、214はプリントされた用紙を排紙する排紙部である。プリンタエンジン202は、給紙部213から供給された用紙に対して、プリント処理部205によってデータ印刷処理された画像をプリントし、排紙部214はプリントされた用紙を排紙する。
【0034】
203はLCD表示、LED表示等でユーザに対して情報を表示する表示部であり、206は表示部203を制御する表示処理部である。
【0035】
204は操作部であり、スイッチやダイアル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置等の単数或いは複数の組み合わせで構成され、これらからの各種の動作指示をシステムコントローラ207を介して入力するための操作手段である。
【0036】
207はシステムコントローラであり、プリンタ201全体を制御する。208は電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、209はプリンタの動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリである。
【0037】
211はデジタルカメラ等の外部機器とUSBを用いて接続するためのUSBホストインタフェース(USB Host I/F)である。212はPC等の外部機器とUSBを用いて接続するためのUSBデバイスインタフェース(USB Device I/F)である。215はプリンタカートリッジ装着部であり、L Size、Postcard Size等の様々な用紙サイズのプリンタカートリッジの着脱検出、及び給紙部213と連動して印刷時に用紙を供給する。
【0038】
<動作説明>
次に、上述したデジタルカメラ1及びプリンタ201の構成をもとに、デジタルカメラ1で生成したレイアウト情報等の印刷設定を指定したDPOFファイルを利用したカメラダイレクトプリントを実行する際の動作について説明する。なお、以降の説明に用いる図面の内容は次のようになる。
【0039】
図3A、図3Bは、本実施形態に係るデジタルカメラ1の処理の流れを示したフローチャートであり、図4は、プリンタ201の処理の流れを示したフローチャートである。
図5A〜5Dは、デジタルカメラ1においてレイアウト情報を指定したDPOFファイルを生成するときの、デジタルカメラ1のユーザインターフェースを示した図である。
図6は、PictBridge通信時にやり取りされる用紙サイズ情報等の機能情報と、本実施形態で選択可能なプリントレイアウトとの関係を説明した図であり、図7、図8は、各プリントレイアウトの画像割付のイメージの例を示した図である。
図9は、本実施形態で使用するレイアウト情報等を指定したDPOFファイルの記述例を示した図である。
図10、図11は、本実施形態で使用するDPOFファイルを用いた、カメラダイレクトプリント実行時のデジタルカメラ1のユーザインターフェースを示した図である。
図12は、プリンタ201のレイアウト変換テーブルの一例を示した図である。
【0040】
<デジタルカメラ1のDPOFファイルの生成手順>
まず初めに、デジタルカメラ1を操作して、DPOFファイルを生成する手順について主に図3Aを用いて説明する。なお、以下の説明では印刷設定としてレイアウト情報を指定したDPOFファイルを生成する例について説明する。
【0041】
ステップS301において、ユーザがデジタルカメラ1の電源を投入し、操作部25を操作してメニューからレイアウト印刷を選択したとする。
【0042】
するとステップS302においてシステム制御回路9は、図5Aに示すような画像を表示して、前回(直前)の印刷設定を使用するかユーザへ問い合わせる。本実施形態においてデジタルカメラ1は、前回プリンタ201とカメラダイレクトプリントを実行したときにやり取りしたPictBridgeのCapability情報を不揮発性メモリ22上に記憶している。Capability情報には前回のカメラダイレクトプリント時に設定可能であった印刷設定を導く情報が含まれている。具体的にはCapability情報には、プリンタの仕様や機能或いは能力に関する次のような情報等が含まれる。製造元情報(vendor Name)、製品バージョン情報(vendor Specific Version)、製品名情報(product Name)、製造番号情報(serial No)、及び用紙サイズ情報(paper Size)、レイアウト情報等である。用紙サイズ情報は、プリンタに設定(装着)された用紙の用紙サイズ(L Size、Postcard Size等)に係る情報である。レイアウト情報は、プリンタが印刷可能なプリントレイアウトに係る情報であり、前記用紙サイズ情報に応じて変更される情報である。
【0043】
ステップS302でユーザが前回の印刷設定を使用すると選択した場合、ステップS303においてシステム制御回路9は、不揮発性メモリ22上に前回の印刷設定が記憶されているか(存在するか)を調べる。ステップS303で前回の印刷設定が記憶されていると判断された場合、ステップS304においてシステム制御回路9は、不揮発性メモリ22から前回の印刷設定を読み出す(ロードする)。
【0044】
また、ステップS303で前回の印刷設定が記憶されていないと判断された場合は、ステップS305においてシステム制御回路9は、図5Bに示すようにエラー画面を表示する。そして、ステップS306においてデジタルカメラ1の初期印刷設定(デフォルト印刷設定)を不揮発性メモリ22から読み出す。
【0045】
また、ステップS302でユーザが前回の印刷設定を使用しないと選択した場合は、ステップS306においてシステム制御回路9は、不揮発性メモリ22上にあらかじめ記憶されているデジタルカメラ1の初期印刷設定(デフォルト印刷設定)を読み出す。
【0046】
そしてステップS304又はステップS306で印刷設定が読み出された後、ステップS307においてシステム制御回路9は、図5Cに示すような、ユーザに使用するプリントレイアウト501〜504を選択させるための画面を表示する。このとき選択可能なプリントレイアウトは、ステップS304又はステップS306で読み出した印刷設定のうち、用紙サイズ情報(paper Size)に応じたレイアウト情報をもとに決定される。
【0047】
本実施形態においてデジタルカメラ1で選択可能なプリントレイアウト(Multi Layouts Type)は、図6、図7、図8に示すような用紙サイズ情報(paper Size)とN−up印刷機能情報(layouts)とから予め決められる。用紙サイズ情報(paper Size)とN−up印刷機能(Layouts)は、デジタルカメラ1の不揮発性メモリ22に記憶されている。また、これら情報に応じて決められるレイアウト情報は、デジタルカメラ1及びプリンタ201それぞれにおいて共有されているものとする。
【0048】
ここで、ステップS304で前回の印刷設定に含まれる用紙サイズ情報に「Card Size」が記憶されていた場合の具体例について説明する。図6における601〜612は、用紙サイズ情報とN−up印刷機能とから決まるレイアウト情報を示している。図7、図8における、701〜707、801〜804はレイアウト情報601〜612に対応するプリントレイアウトのイメージを示している(例えば、図6の601のL−1A、L−1Bは、それぞれ701、702に対応する)。ここで、用紙サイズ情報が「Card Size」のときプリントレイアウトとして選択可能なものは、図6の609〜612であり、イメージとしては図8の801〜804となる。つまり、ここでは、前回プリンタ201が印刷可能なプリントレイアウトで、かつデジタルカメラ1が指定可能なプリントレイアウトを設定可能としている。このように前回設定可能であった印刷設定で、これから行う印刷設定を設定するようにすることで、今回カメラダイレクトプリントをしようとするプリンタの印刷設定が前回と同じであれば、指定する印刷設定がプリンタの機能とが一致しない可能性を減殺できる。
【0049】
そして図5Cにおいて図7に示すプリントレイアウトC−3A(611、803)が選択されたとすると、デジタルカメラ1では図5Dに示す画像選択画面に移行する。この状態では、それぞれのレイアウト枠にどの画像を印刷するかを、デジタルカメラ1の操作部25を用いて順次決定できる。なお、ステップS303、S304及びS307の処理は、本発明でいう印刷設定選択手段の一処理例に対応する。
【0050】
そしてステップS307でプリントレイアウト及び画像の選択が終了すると、ステップS308においてシステム制御回路9は、図9に示すような、レイアウト情報を指定したDPOFファイルを生成する。このとき通常のDPOF情報に加えて、VUQで始まるベンダ拡張領域(901)に、レイアウト識別子及び各レイアウト枠に割り当てられた画像ファイル名が記述される。なお、ステップS307の処理は、本発明でいう印刷制御情報生成手段に一処理例に対応する。
【0051】
以上が、デジタルカメラ1を操作して、レイアウト情報を指定したDPOFファイルを生成するまでの手順である。DPOFファイルの生成後は、ステップS309においてシステム制御回路9はUSB接続の有無を監視し、接続があった場合はステップS310(図3B)に進み、カメラダイレクトプリントに係る処理を行う。
ここで説明したように、本実施形態に係るデジタルカメラ1では、直前にカメラダイレクトプリントを行った際のプリンタの機能情報を記憶しておき、次にカメラダイレクトプリントする際に用いるDPOFファイルの生成に利用するようにしている。このような構成により、適切な印刷設定を容易に行うことができる。つまり直前に使用した、換言すれば普段よく使用していると考えられるプリンタの印刷設定に基づき、これから行うカメラダイレクトプリントの印刷設定をできるため、プリンタの機能が印刷設定に一致しない事態を回避しつつ容易に適切な印刷設定をできる。
【0052】
<カメラダイレクトプリント時のデジタルカメラ1の処理手順>
次に、上記で生成したレイアウト情報を指定したDPOFファイルを用いたカメラダイレクトプリント時におけるデジタルカメラ1の処理手順について主に図3Bを用いて説明する。
【0053】
ステップS309(図3A)でデジタルカメラ1とプリンタ201との間でUSBが接続されると、ステップ310においてシステム制御回路9は、Capability情報取得要求をプリンタ201へ送信する。
【0054】
次にステップS311においてシステム制御回路9は、プリンタ201からのCapability情報が取得(受信)されたかどうかを判断する。取得された場合はステップS312においてシステム制御回路9は、ステップS311で取得したCapability情報をもとに、不揮発性メモリ22上に記憶されている前回の印刷設定が同じかどうかを判別する。なお、前回の印刷設定と同じかどうかの判断は、記憶しているCapability情報の中に含まれる製造元情報、製品名情報、用紙サイズ情報、レイアウト情報等を比較することで判断される。
【0055】
ステップS312で、ステップS311で取得したCapability情報が前回の印刷設定と同じであると判別された場合はステップS313に進む。
【0056】
ステップS313においてシステム制御回路9は、図10に示すような印刷実行画面を表示し、ユーザに印刷の実行を促す。ステップS313で印刷が実行されると、ステップS314においてシステム制御回路9は、ステップS308で生成したレイアウト情報を指定したDPOFファイルをプリンタ201へ送信する。その後、ステップS315においてシステム制御回路9は、プリンタ201から印刷完了通知を待ち、受信するとステップS316においてステップS311で取得したCapability情報を不揮発性メモリ22へ記憶し、印刷処理を終了する。なお、ステップS311の処理は本発明でいう取得手段の一処理例に対応し、ステップS312の処理は本発明でいう判定手段あるいは機能情報比較手段の一処理例に対応する。また、ステップS314の処理は本発明でいう画像供給手段の一処理例に対応し、ステップS316の処理は本発明でいう機能情報記憶手段の一処理例に対応する。
【0057】
一方、ステップS312で、ステップS311で取得したCapability情報が不揮発性メモリ22上に記憶されている前回の印刷設定と異なると判別された場合はステップS317に進む。
【0058】
ステップS317においてシステム制御回路9は、図11に示すように、ステップS308で生成したDPOFファイルで指定されたレイアウト情報とプリンタ201が有するレイアウト印刷機能とが一致しないことを通知する。具体的には、DPOFファイルで指定されたレイアウト情報と、プリンタ201から新たに取得した機能情報に基づくレイアウト印刷機能とが一致しない旨の画面を表示する。そして、この表示により、ユーザにプリントレイアウトの再指定を行うかどうかを促して、再指定をするか印刷を続行するかを選択させる。なおこのとき、図11の1103に示すように前回の印刷設定の用紙サイズ情報(Card Size)と今回取得した印刷設定の用紙サイズ情報(L Size)の何が違うのかをあわせて表示しても良い。なお、ステップS312では、実質的にはDPOFファイル内のレイアウト情報と、新たに取得したCapability情報(機能情報)に基くレイアウト機能とが機能的に適合するかどうかの判定を行っている。そして、適合しない場合には、ステップS317で再指定を促すようにしている。これに代わるものとして、ステップS312の比較の際、記憶されている機能情報と新たに取得した機能情報とが一致しない時点で、DPOFファイルで指定された印刷設定を修正するようユーザに促すようにしてもよい。
【0059】
次にステップ318においてシステム制御回路9は、再指定の選択があったか否かを判定する。ここで、図11に示す再指定(図11、1101)が選択された場合は、ステップS319においてシステム制御回路9は、ステップS311で取得したCapability情報に対応する印刷設定を不揮発性メモリ22から読み出す。つまり、ここでは、再指定の際に、今回のプリンタの印刷設定に応じた印刷設定を選択可能とするようにしており、プリンタ201の機能と指定する印刷設定との不一致を回避できるようにしている。
【0060】
その後、ステップS320においてシステム制御回路9は、ステップS307と同様に、使用するプリントレイアウトと各レイアウト枠に割り当てる画像ファイルを選択させる。そして、ステップS321においてシステム制御回路9は、レイアウト情報を指定したDPOFファイルを生成して、ステップS313の印刷実行ステップに移行する。以降の処理は、前記ステップS314、S315、S316の処理と同様である。
【0061】
なお、ステップS320においてレイアウト枠に割り当てる画像ファイルを再選択する際に、既にDPOFファイルに指定されている画像の中からのみ選択させるようにしたりしても良い。又は、DPOFファイルに指定されている画像を優先的に選択できるような選択画面を表示したりしても良い。
【0062】
一方、ステップS318において、再指定(1101)が選択されなかった場合は、ステップS322においてシステム制御回路9は、印刷続行(図11、1102)が選択されたかどうかを判定する。印刷続行が選択された場合、ステップS314に進みシステム制御回路9は、ステップS308で生成したDPOFファイルをプリンタ201へ送信する。以降の処理は、前記ステップS315、S316の処理と同等である。
【0063】
また、ステップS317の図11に示すレイアウト不一致画面表示中に、ユーザがプリンタ201のカートリッジ変更等、プリンタの能力(Capability)に関わる状態変化が発生した場合は、ステップS322からステップS323に進む。ステップS323においてシステム制御回路9は、プリンタ201からCapability Changedイベントを受信する。この場合、デジタルカメラ1はプリンタ201の新しいCapability情報を取得するために、ステップS310に遷移し、Capability情報取得要求をプリンタ201へ送信する。その後のステップS311以降の処理は既に述べたので省略する。
【0064】
以上が、レイアウト情報を指定したDPOFファイルを用いたカメラダイレクトプリントにおけるデジタルカメラ1の処理手順である。
ここで説明したように、本実施形態に係るデジタルカメラ1では、これから行うカメラダイレクトプリントの際に利用するDPOFファイルの内容が、今回のプリンタの機能と一致しない場合、DPOFファイル上の印刷設定を再指定するよう促すようにしている。このような構成により、DPOFファイルに指定した印刷設定とプリンタの機能が一致しない場合でも、適切なガイダンスでユーザ操作を導くことで、カメラダイレクトプリントの操作性を損なうことなく、ユーザの所望する印刷設定で印刷画像を得ることができる。
【0065】
<カメラダイレクトプリント時のプリンタ201の処理手順>
次に、本実施形態に係るプリンタ201のカメラダイレクトプリント時の処理手順について図4を用いて説明する。
【0066】
プリンタ201は電源が投入されると、ステップS401においてUSB接続がされるのを待つ。なお本実施形態はカメラダイレクトプリントの機能についてのみ述べるが、プリンタ201は、PC印刷やメモリカード等のカードデバイスから画像を読み取り印刷する、その他の機能も備えていても良い。
【0067】
ステップS401でプリンタ201がUSB接続がされたと判断すると、ステップS402においてプリンタ201は、デジタルカメラ1からCapability情報取得要求が送信されてくるのを待つ。
【0068】
次にステップS402において、デジタルカメラ1からCapability情報取得要求を受信すると、ステップS403において、デジタルカメラ1にCapability情報をデジタルカメラ1に送信する。ここで言うCapability情報とは、先に述べたようにプリンタ201の製造元情報、製品バージョン情報、製品名情報、製造番号情報、及び現在挿入されているカートリッジの種類に依存する用紙サイズ情報、レイアウト情報等を含む。
【0069】
その後ステップS404においてプリンタ201は、デジタルカメラ1からDPOFファイルが送信されてくるのを待ち、DPOFファイルを受信したと判断すると、ステップS405において受信したDPOFファイルの解析を行う。
【0070】
次にステップS406において、ステップS405で解析したDPOFファイルのプリントタイプ(図9における902、"PRT TYP"パラメータ)がマルチレイアウト(MUL-xx)かどうかを判別する。ステップS406においてDPOFファイルのプリントタイプがマルチレイアウトだと判断されるとステップS407に進む。
【0071】
ステップS407においてプリンタ201は、DPOFファイルに記述されているレイアウト情報とプリンタ201が有するレイアウト情報とが一致するかどうかを判別する。レイアウト情報の判別には図9に示すDPOFファイルのベンダ拡張領域を用いて行い、製造元情報、製品バージョン情報、レイアウト情報がプリンタ201自身が持つ能力(Capability)と合致するか判断する。
【0072】
ステップS407において、DPOFファイルのレイアウト情報と、プリンタ201のレイアウト情報とが一致すると判断されると、ステップS408においてプリンタ201は、レイアウト印刷を実行する。例えばレイアウト印刷は、DPOFファイルのベンダ拡張領域に指定されているレイアウト情報(C−3A)をもとに、メモリ209から対応するプリントレイアウト(図8の803)を読み出す。そして、図中、レイアウト領域803−1〜3にDPOFファイルで指定されている画像ファイル、それぞれABC002.jpg、ABC001.jpg、ABC003.jpgを割り当てて印刷を実行する。
【0073】
その後、印刷処理が完了すると、ステップS409においてプリンタ201は、デジタルカメラ1へ印刷完了通知を送信し、一連の印刷処理を終了する。
【0074】
一方、ステップS406で、ステップS405で解析したDPOFファイルのプリントタイプがマルチレイアウトではないと判断されると、ステップS410においてプリンタ201は、通常のDPOF印刷処理を行う。そして、印刷処理が完了すると、ステップ409においてプリンタ201は、デジタルカメラ1へ印刷完了通知を送信し、一連の印刷処理を終了する。
【0075】
また、ステップS407において、DPOFファイルのレイアウト情報と、プリンタ201のレイアウト情報とが一致しない、もしくはベンダ拡張領域が存在しない場合は、ステップS411においてプリンタ201は、類似レイアウトへの変換を実行する。例えば、DPOFファイルには図8に示すC−8A(Card Sizeの8-up印刷)が設定されているが、プリンタにはL Sizeのカートリッジが装着されていた場合、プリンタ201は図7に示すL−4A(L Sizeの4-up印刷)のレイアウトを選択し、DPOFファイルに指定されている8枚の画像をL−4Aで2枚印刷を行う。このようなレイアウト情報が一致しない場合における類似レイアウトへの変換は、プリンタ201のメモリ209上に図12に示すような変換テーブルをあらかじめ用意し、必要に応じて変換テーブルを適用することで実現可能である。
【0076】
また、ステップ404においてDPOFファイルを受信する前に、ユーザがプリンタ201のカートリッジを変更した場合、プリンタ201はステップS412において、カートリッジの変更を検出する。そして、検出した場合はステップS413においてプリンタ201は、Capability Changedイベントをデジタルカメラ1へ送信する。その後ステップS402へ戻り、デジタルカメラ1からのCapability情報取得要求を待つ。以降の処理は、既に述べた処理と同様である。
【0077】
以上が、本実施形態に係るプリンタ201のカメラダイレクトプリンタ時の処理手順である。
【0078】
以上のように本実施形態では、DPOFファイルのベンダ拡張領域を利用して、デジタルカメラ1側でレイアウト情報等を指定したDPOFファイルを生成することが可能であり、更にそれを利用し、カメラダイレクトプリントにおいて印刷を実行できる。
このときデジタルカメラ1は、直前にカメラダイレクトプリントを行った際のプリンタの機能情報(Capability情報)を記憶しておき、次にカメラダイレクトプリントする際に用いるDPOFファイルの生成に利用するようにしている。このような構成により、適切な印刷設定を容易に行うことができる。つまり直前に使用した、換言すれば普段よく使用していると考えられるプリンタの印刷設定に基づき、これから行うカメラダイレクトプリントの印刷設定をできるため、プリンタの機能が印刷設定に一致しない事態を回避しつつ容易に適切な印刷設定をできる。
またデジタルカメラ1は、これから行うカメラダイレクトプリントの際に利用するDPOFファイルの内容が、今回のプリンタの機能と一致しない場合、プリント前に、DPOFファイル上の印刷設定を再指定するよう促すようにしている。このような構成により、DPOFファイルに指定した印刷設定とプリンタの機能が一致しない場合でも、適切なガイダンスでユーザ操作を導くことで、カメラダイレクトプリントの操作性を損なうことなく、ユーザの所望する印刷設定で印刷画像を得ることができる。
【0079】
なお、本実施形態では、印刷設定としてレイアウト情報を指定した例を挙げたが、その他の印刷効果の設定に対しても本発明は適用でき、上述したような作用効果を得ることができる。また、本実施形態では、デジタルカメラ1を用いてPictBridgeに準拠したカメラダイレクトプリントについて説明したが、画像をプリンタに供給する機器としては、画像を記憶し外部機器に出力可能な機器、例えばカメラ機能付き携帯電話等であってもよい。また、本実施形態では、デジタルカメラ1がプリンタ201に画像を供給する方法としてUSB接続を説明したが、これに限定されるものではなく、有線又は無線通信でネットワーク接続し、画像を供給する態様であっても構わない。また、本実施形態では、直前にカメラダイレクトプリントを行った際のプリンタの機能情報を記憶しておき、次にカメラダイレクトプリントする際に用いるDPOFファイルの生成に利用するようにしたが、複数のプリンタの機能情報を記憶しておいてもよい。この場合には、最も使用されている頻度の高いプリンタの機能情報に基づき、印刷設定を行うようにすれば、、ユーザの所望する印刷設定で印刷画像を得ることができると考えられる。
【0080】
また、本発明を実現するために、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコード(コンピュータプログラム)を記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を用いても良い。この場合には記憶媒体をシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによって本発明の目的が達成される。
【0081】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0082】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0083】
また、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(基本システム或いはオペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行う場合も含まれることは言うまでもない。
【0084】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれてもよい。この場合には、書き込まれたプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行ってもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 デジタルカメラ
4 撮像素子
9 システム制御回路
10 画像処理回路
11 画像表示メモリ
12 メモリ
13 画像表示部
20 メモリ
22 不揮発性メモリ
24 USBインタフェース
25 操作部
201 プリンタ
202 プリントエンジン
207 システムコントローラ
211 USBホストインタフェース
215 プリンタカートリッジ装着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷画像を出力する出力装置に画像を供給する画像供給装置であって、
通信手段を介して前記出力装置と通信し、前記出力装置の機能情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記機能情報を記憶する機能情報記憶手段と、
前記出力装置と通信していない場合に、前記機能情報記憶手段で記憶した機能情報に応じた印刷設定を指定可能とすると共に、出力装置に供給する画像を選択可能とする印刷設定選択手段と、
前記印刷設定選択手段で指定された印刷設定で印刷画像を出力するための印刷制御情報を生成する印刷制御情報生成手段と、を有し、
前記出力装置と通信を開始した後で、前記印刷制御情報生成手段で生成した印刷制御情報を用いた通信を行うことを特徴とする画像供給装置。
【請求項2】
前記機能情報記憶手段は、直前に通信した出力装置の機能情報を記憶することを特徴とする請求項1に記載の画像供給装置。
【請求項3】
前記印刷設定選択手段は、前記機能情報記憶手段で記憶した機能情報を送信した出力装置で印刷可能な印刷設定で、かつ当該画像供給装置で指定可能な印刷設定を指定可能とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像供給装置。
【請求項4】
前記機能情報は、出力装置の製造元情報、製品バージョン情報、製品名情報並びに製造番号情報、出力装置に設定された用紙サイズ情報、及び出力装置が印刷可能なプリントレイアウトに係るレイアウト情報のうちの少なくともいずれかを含んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像供給装置。
【請求項5】
前記機能情報は、PictBridgeのCapability情報であることを特徴とする請求項4に記載の画像供給装置。
【請求項6】
前記印刷設定は、プリントレイアウトに関する設定であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像供給装置。
【請求項7】
前記印刷制御情報生成手段で印刷制御情報を生成した後での通信により、前記取得手段で新たに取得した機能情報が、既に生成されている印刷制御情報に適合するか否か判定する判定手段と、
前記判定手段により、適合しないことが判定された場合に、前記印刷制御情報生成手段で生成されていた印刷設定を修正すること促す通知を行う通知手段とを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像供給装置。
【請求項8】
前記印刷制御情報生成手段で印刷制御情報を生成した後での通信により、前記取得手段で新たに取得した機能情報と、それまでの通信で前記機能情報記憶手段に記憶されていた機能情報とを比較する機能情報比較手段と、
前記機能情報比較手段で一致しないと判定される場合に、前記印刷制御情報生成手段で生成されていた印刷設定を修正すること促す通知を行う通知手段とを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像供給装置。
【請求項9】
当該画像供給装置は、有線又は無線通信により、前記印刷制御情報及び前記選択された画像を出力装置に供給することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像供給装置。
【請求項10】
当該画像供給装置は、出力装置とカメラダイレクトプリントを行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像供給装置。
【請求項11】
前記印刷制御情報は、DPOFファイルであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像供給装置。
【請求項12】
当該画像供給装置は、撮像装置であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像供給装置。
【請求項13】
印刷画像を出力する出力装置と、前記出力装置に画像を供給する画像供給装置とがネットワークを介して接続するプリントシステムであって、
前記画像供給装置は、
通信手段を介して前記出力装置と通信し、前記出力装置の機能情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記機能情報を記憶する機能情報記憶手段と、
前記出力装置と通信していない場合に、前記機能情報記憶手段で記憶した機能情報に応じた印刷設定を指定可能とすると共に、出力装置に供給する画像を選択可能とする印刷設定選択手段と、
前記印刷設定選択手段で指定された印刷設定で印刷画像を出力するための印刷制御情報を生成する印刷制御情報生成手段と、を有し、前記出力装置と通信を開始した後で、前記印刷制御情報生成手段で生成した印刷制御情報を用いた通信を行い、
前記出力装置は、前記画像供給装置から供給された前記印刷制御情報及び前記選択された画像に基づき、印刷画像を出力することを特徴とするプリントシステム。
【請求項14】
印刷画像を出力する出力装置に画像を供給する画像供給装置の画像供給方法であって、
通信手段を介して前記出力装置と通信し、前記出力装置の機能情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得した前記機能情報を記憶媒体に記憶させる機能情報記憶ステップと、
前記出力装置と通信していない場合に、前記機能情報記憶ステップで記憶させた機能情報に応じた印刷設定を指定可能とすると共に、出力装置に供給する画像を選択可能とする印刷設定選択ステップと、
前記印刷設定選択ステップで指定された印刷設定で印刷画像を出力するための印刷制御情報を生成する印刷制御情報生成ステップと、
前記出力装置と通信を開始した後で、前記印刷制御情報生成ステップで生成した印刷制御情報を用いた通信を行うステップと、を有することを特徴とする画像供給方法。
【請求項15】
印刷画像を出力する出力装置に画像を供給する画像供給装置の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
通信手段を介して前記出力装置と通信し、前記出力装置の機能情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得した前記機能情報を記憶媒体に記憶させる機能情報記憶ステップと、
前記出力装置と通信していない場合に、前記機能情報記憶ステップで記憶させた機能情報に応じた印刷設定を指定可能とすると共に、出力装置に供給する画像を選択可能とする印刷設定選択ステップと、
前記印刷設定選択ステップで指定された印刷設定で印刷画像を出力するための印刷制御情報を生成する印刷制御情報生成ステップと、
前記出力装置と通信を開始した後で、前記印刷制御情報生成ステップで生成した印刷制御情報を用いた通信を行うステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図5D】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2010−183286(P2010−183286A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−24108(P2009−24108)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】