説明

画像処理システム、画像処理方法、画像形成装置、サーバー装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】画像形成装置と当該画像形成装置からの画像処理要求に応じて画像データに画像処理を行うサーバー装置とが接続したシステムにおいて、サーバー装置の処理負担を軽減させ、システム全体の画像処理の効率を上げる。
【解決手段】本発明のシステムでは、サーバー装置3は、画像処理を複数に分割した部分処理をそれぞれ実行する画像処理部31aと、サーバー装置3の負荷が所定値を超えているか否かを判定する負荷判定部31bと、負荷判定部31bが上記所定値を超えていると判定した場合に、上記複数の部分処理の少なくとも1つを画像形成装置2Aに依頼する部分処理依頼部31cと、を備え、画像形成装置2Aは、上記依頼された部分処理を実行するスクリプト処理部25を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置と画像処理を行うサーバー装置とがネットワーク接続した画像処理システム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置では、コスト削減等により、処理能力の低いCPUや容量の小さいメモリを使用することが多く、高度な画像処理を行うとパフォーマンスが悪くなっていた。そこで、例えば特許文献1に記載のように、高い処理能力及び大きなメモリ容量の画像処理用のサーバーを画像形成装置とネットワーク接続したシステムを構築し、高度な画像処理はサーバーにて行うようにしていた。このようなサーバーに高度な画像処理を行わせる従来のシステムでは、画像形成装置に高度な画像処理を行わせることによる画像形成装置のパフォーマンスの低下を、防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−92660号公報(2003年3月28日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来のシステムでは、サーバーは、ネットワーク上の複数の画像形成装置を管理する。そのため、複数の画像形成装置から画像処理要求を一時に受信すると、サーバーのパフォーマンスが低下し、サーバーにおける画像処理待ちのデータが発生する虞がある。そのため、システム全体の処理効率が低下する事態が起こりうる。
【0005】
そこで本発明は、上記課題に鑑みなされ、その目的は、画像形成装置と当該画像形成装置からの画像処理要求に応じて画像データに画像処理を行うサーバー装置とが接続したシステムにおいて、サーバー装置の処理負担を軽減させ、システム全体の画像処理の効率を上げることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像処理システムは、上記課題を解決するために、画像データを出力処理する画像形成装置と、上記画像形成装置からの画像処理要求に応じて上記画像データに対する画像処理を行うサーバー装置とがネットワークを介して接続した画像処理システムにおいて、上記サーバー装置は、上記画像処理を複数に分割した部分処理をそれぞれ実行する画像処理部と、当該サーバー装置の負荷が所定値を超えているか否かを判定する負荷判定部と、上記負荷判定部が上記所定値を超えていると判定した場合に、上記複数の部分処理の少なくとも1つを上記画像形成装置に依頼する部分処理依頼部と、を備え、上記画像形成装置は、上記依頼された部分処理を実行する部分処理実行部を備えることを特徴としている。
【0007】
上記構成によると、画像処理を実行するサーバー装置は、自身の負荷が所定値を超えている場合、画像形成装置から依頼された画像処理を複数に分割した部分処理の少なくとも1つを画像形成装置に依頼する。そして、画像形成装置は、サーバー装置から依頼された部分処理を実行する。
【0008】
このように、本発明の画像処理システムによると、サーバー装置での負荷が大きいとき、画像形成装置に、上記画像処理の一部の処理を依頼(委譲)し、画像形成装置に実行させることで、サーバー装置の処理負担を軽減させることができる。よって、サーバー装置の処理効率を向上させることができ、引いては画像処理システム全体の画像処理の効率を上げることができる。
【0009】
また、本発明の画像処理システムでは、上記部分処理依頼部は、上記部分処理を実行するスクリプトを上記画像形成装置に送信することにより上記部分処理を依頼してもよい。
【0010】
上記構成によると、部分処理を実行するスクリプトを画像形成装置に送信することで部分処理の依頼が行われ、画像形成装置は受信したスクリプトを処理する。送受信するのが、部分処理を実行するスクリプトであると、画像形成装置での事前登録や画像形成装置の再起動を必要としない。よって、画像形成装置での操作性がよい。
【0011】
あるいは、上記部分処理依頼部は、上記部分処理を実行させる命令を上記画像形成装置に送信することにより上記部分処理を依頼し、上記部分処理実行部は、上記命令に基づき上記部分処理を実行してもよい。
【0012】
上記構成によると、上記命令を送信することで依頼が行われ、画像形成装置は受信した命令に基づき部分処理を実行する。この場合部分処理実行部は、依頼された部分処理を処理する処理部を有していることになる。
【0013】
また、本発明の画像処理システムでは、上記画像形成装置は、上記部分処理実行部が上記依頼された上記部分処理を実行後に、上記部分処理が実行された画像データを、当該実行された部分処理が何であるかを示す処理ステータス情報と共に、上記サーバー装置に通知するステータス通知部を備えていてもよい。
【0014】
上記構成によると、画像形成装置は、部分処理が実行された画像データを、当該実行された部分処理が何であるかを示す処理ステータス情報と共に、上記サーバー装置に通知する。よって、サーバー装置は、部分処理が実行された画像データと処理ステータス情報を受信し、これを基に残りの部分処理を行うことができる。
【0015】
ここで、部分処理が実行された画像データと処理ステータス情報の通知は、サーバー装置の負荷が所定位置以下になってから行うのが好ましい。サーバー装置の負荷を軽減させることができるからである。所定位置以下になってから上記通知を行うためには、画像形成装置からサーバー装置に負荷判定の判定結果を要求してもよいし、あるいは、要求がなくてもサーバー装置から負荷判定の判定結果を画像形成装置に通知するようにしてもよい。
【0016】
また、本発明の画像処理システムでは、上記画像形成装置は、上記部分処理実行部が上記依頼された上記部分処理を実行後に、上記部分処理依頼部に未だ実行されていない部分処理の依頼を要求する部分処理要求部、を備えていてもよい。
【0017】
上記構成によると、画像形成装置にて、依頼された部分処理を実行後に、未だ実行されていない部分処理の依頼を要求する。よって、この要求に応じて、再度の依頼がある場合には、部分処理の実行を継続でき、また、再度の依頼がない場合には、画像形成装置での部分処理を終了させることができる。よって、サーバー装置での負荷を効率よく軽減することができる。
【0018】
また、本発明の画像処理システムでは、上記画像形成装置は、上記サーバー装置に上記判定の結果を要求する負荷判定要求部を備えていてもよい。
【0019】
上記構成によると、画像形成装置から、サーバー装置に上記判定の結果を要求する。このように、画像形成装置が、サーバー装置の負荷状況を確認することで、部分処理の分担を正確に行うことができる。つまり、負荷が所定値を超えている場合には、画像形成装置にて部分処理の分担を受け持ち、負荷が所定値を以下の場合には、分担を受け持つ必要がない。
【0020】
また、本発明の画像処理システムでは、上記サーバー装置は、上記判定の結果を上記画像形成装置に通知する判定結果通知部を備え、上記部分処理依頼部は、上記判定結果通知部が上記判定の結果として上記所定値を超えていることを画像形成装置に通知してから、上記依頼を行ってもよい。
【0021】
上記構成によると、サーバー装置の負荷が所定値を超えると、所定値が超えていることを画像形成装置に通知してから、画像形成装置に部分処理の依頼を行う。よって、画像形成装置は、サーバー装置の負荷が所定値を超えたことを把握して、依頼された部分処理を実行できる。
【0022】
また、本発明の画像処理システムでは、上記負荷判定部は、上記サーバー装置のCPUの占有率、上記サーバー装置のメモリの使用量、及び、上記画像処理要求を受けているタスク数、の少なくとも1つを用いて、上記画像処理に掛かる時間を算出し、当該算出した時間が所定時間を超えていると、上記サーバー装置の負荷が上記所定値を超えていると判定してもよい。
【0023】
上記構成によると、負荷判定部が上記画像処理に係る時間を算出し、当該算出した時間が所定時間を超えていると、負荷が所定値を超えていると判定する。このように画像処理に掛かる時間と所定時間とから負荷の判定を行うことができる。よって、画像処理に掛かる時間が所定時間を超える場合には、部分処理を画像形成装置に依頼する。
【0024】
ここで、上記画像処理要求は、同じ画像形成装置からのものであっても、別々の画像形成装置からのものであってもよい。よって、画像処理要求を受けているタスク数とは、ネットワーク接続した全画像形成装置から受けている全ての画像処理のタスク数ということになる。
【0025】
また、本発明の画像処理システムでは、上記複数の部分処理に処理の順序が無い場合、上記部分処理依頼部は、上記画像形成装置の能力の情報及び画像形成装置の使用状況の情報の少なくとも一方を取得し、取得した情報に応じて上記部分処理を依頼してもよい。
【0026】
複数の部分処理に処理の順序がない場合、例えば、画像形成装置が他の処理に使用されているときに、画像形成装置に現在の処理能力以上負荷の部分処理を依頼すると、画像形成装置での処理が遅れたり止まったりして、結局、部分処理が遅れ、システム全体の処理効率は上がならない。そこで、複数の部分処理に処理の順序が無い場合、上記部分処理依頼部が、上記画像形成装置の能力の及び使用状況の少なくとも一方の情報に応じた上記部分処理を依頼することで、システム全体の処理効率を上げることができる。
【0027】
また、本発明の画像処理システムでは、上記部分処理依頼部は、処理の負荷が小さい部分処理から依頼してもよい。
【0028】
上記構成によると、処理の負荷が小さい部分処理から依頼することで、画像形成装置への負荷を抑えることができる。サーバー装置に画像処理を依頼するということは、画像形成装置が高スペックでない場合も多いので、画像形成装置への負荷を抑えることで、より画像処理システム全体としての効率を上げることができる。
【0029】
また、本発明の画像処理システムでは、上記画像形成装置は、当該画像形成装置へのユーザー入力を受け付ける受付部を備え、上記依頼された部分処理より、上記受付部が受け付けたユーザー入力に対する処理を優先して実行してもよい。
【0030】
このように、画像形成装置が、上記依頼された部分処理より、上記受付部が受け付けたユーザー入力に対する処理を優先することで、ユーザーに対して、画像形成装置での本来の機能を損なわせないようにすることができる。
【0031】
また、本発明の画像処理システムは、上記ネットワークには複数の上記画像形成装置が接続されており、上記依頼された上記部分処理を、複数の上記画像形成装置に含まれる第1の画像形成装置が備えた上記部分処理実行部では実行できない場合には、上記部分処理依頼部は、複数の上記画像形成装置に含まれる第2の画像形成装置に上記部分処理を依頼してもよい。
【0032】
上記構成によると、上記依頼された部分処理を、複数の上記画像形成装置に含まれる第1の画像形成装置では実行できない場合には、複数の上記画像形成装置に含まれる第2の画像形成装置に上記部分処理を依頼する。よって、第2の画像形成装置の上記部分処理実行部が処理を実行できる状態にある場合、第1の画像処理に依頼した部分処理を、第2の画像形成装置にて実行させることができる。よって、システム全体の処理効率を低下させることがない。
【0033】
本発明の画像処理方法は、上記課題を解決するために、画像データを出力処理する画像形成装置と、上記画像形成装置からの画像処理要求に応じて上記画像データに対する画像処理を行うサーバー装置とがネットワークを介して接続した画像処理システムでの画像処理方法において、上記サーバー装置にて、上記画像処理を複数に分割した部分処理をそれぞれ実行する画像処理ステップと、当該サーバー装置の負荷が所定値を超えたか否かを判定する負荷判ステップと、上記負荷判定ステップにて上記所定値を超えたと判断した場合に、上記複数の部分処理の少なくとも1つを上記画像形成装置に依頼する依頼ステップと、上記画像形成装置にて、上記依頼ステップで依頼された部分処理を実行する部分処理実行ステップと、を含むことを特徴としている。
【0034】
上記画像処理方法は、上記画像処理システムと同様の効果を奏し、サーバー装置での負荷が大きいとき、画像形成装置に、サーバー装置に依頼した画像処理の一部の処理を実行させて、サーバー装置の処理負担を軽減させる。よって、サーバー装置の処理効率を向上させることができ、引いては画像処理システム全体の画像処理の効率を上げることができる。
【0035】
本発明の画像形成装置は、上記課題を解決するために、画像形成装置からの画像処理要求に応じて画像データに対する画像処理を行い、当該サーバー装置の負荷が所定値を超えた場合に、上記画像処理を複数に分割した部分処理の少なくとも1つを当該画像形成装置に依頼するサーバー装置に、ネットワークを介して接続し、上記画像データを出力処理する画像形成装置において、上記サーバー装置から依頼された部分処理を実行する部分処理実行部を備えることを特徴としている。
【0036】
上記構成によると、画像形成装置は、サーバー装置での負荷が大きいとき、サーバー装置に依頼した画像処理の一部の処理を実行する。よって、サーバー装置の処理負担を軽減させることができる。
【0037】
本発明のサーバー装置は、上記課題を解決するために、画像データを出力処理する画像形成装置にネットワークを介して接続し、当該画像形成装置からの画像処理要求に応じて上記画像データに対する画像処理を行うサーバー装置において、上記画像処理を複数に分割した部分処理をそれぞれ実行する画像処理部と、当該サーバー装置の負荷が所定値を超えたか否かを判定する負荷判定部と、上記負荷判定部が上記所定値を超えたと判断した場合に、上記複数の部分処理の少なくとも1つを、当該サーバー装置から依頼された部分処理を実行する上記画像形成装置に依頼する部分処理依頼部と、を備えていることを特徴としている。
【0038】
上記構成によると、サーバー装置は、自身の負荷が大きいとき、依頼された画像処理の一部の処理を画像形成装置に依頼する。よって、自身の処理負担を軽減させることができる。
【0039】
なお、本発明の画像形成装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記部分処理実行部として動作させることにより上記画像形成装置をコンピュータにて実現させるプログラム、及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0040】
これらの構成によれば、上記プログラムを、コンピュータに読み取り実行させることによって、上記画像形成装置と同一の作用効果を実現することができる。
【0041】
また、本発明のサーバー装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記画像処理部、上記負荷判定部、及び上記部分処理依頼部として動作させることにより複合機をコンピュータにて実現させるプログラム、及び該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0042】
これらの構成によれば、上記プログラムを、コンピュータに読み取り実行させることによって、上記サーバー装置と同一の作用効果を実現することができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明の画像処理システムでは、以上のように、上記サーバー装置は、上記画像処理を複数に分割した部分処理をそれぞれ実行する画像処理部と、当該サーバー装置の負荷が所定値を超えているか否かを判定する負荷判定部と、上記負荷判定部が上記所定値を超えていると判定した場合に、上記複数の部分処理の少なくとも1つを上記画像形成装置に依頼する部分処依頼供部とを備え、上記画像形成装置は、上記依頼された部分処理を実行する部分処理実行部を備える。
【0044】
上記構成によると、画像処理を実行するサーバー装置は、自身の負荷が所定値を超えている場合、画像形成装置から依頼された画像処理を複数に分割した部分処理の少なくとも1つを画像形成装置に依頼する。そして、画像形成装置は、サーバー装置から依頼された部分処理を実行する。
【0045】
このように、本発明の画像処理システムによると、サーバー装置での負荷が大きいとき、画像形成装置に、上記画像処理の一部の処理を依頼(委譲)し、画像形成装置に実行させることで、サーバー装置の処理負担を軽減させることができる。よって、サーバー装置の処理効率を向上させることができ、引いては画像処理システム全体の画像処理の効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態の画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の画像処理システムにおける処理の流れ(シークエンス)の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態の画像処理システムにおける処理の流れ(シークエンス)の別の一例を示す図である。
【図4】部分処理の大きさを変えたパターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明の実施の一形態について図面に基づいて説明する。本実施形態の画像処理システム1は、図1に示すように、画像形成装置2A,2B,2Cと、サーバー装置3とを含んでおり、これらの装置がネットワーク4を介して接続されている。本実施形態では、3つの画像形成装置2A,2B,2Cがサーバー装置3と通信しているものとして説明するが、サーバー装置3にネットワーク接続する画像形成装置の数は限定されない。以下では画像形成装置2A,2B,2Cに区別して説明する必要がないとき、画像形成装置2として説明する。
【0048】
ネットワーク4としては、イーサネット(登録商標)等のLAN、インターネット、電話線、シリアルケーブル、または、他の有線回線もしくは無線回線などの通信回線が利用できる。
【0049】
本実施形態では、画像形成装置2は、コピー機能、スキャン機能、印刷機能、FAX送受信機能、イメージ送信機能等の複数の機能を併せ持つ複合機(MFP:Multi Function Peripherals)であるとする。なお、イメージ送信機能には、スキャン機能で読み取り生成した画像データを、e-mailで送信する機能(scan to e-mail)や、usbメモリに格納する機能(scan to usb)が含まれる。画像形成装置2が有する機能はこれらに限定されない。また、画像形成装置2は、上記の機能の全てを有していなくてもよい。つまり、1つあるいは2つ以上の機能を有していてもよい。
【0050】
画像形成装置2は、画像読取部21、操作部22、画像形成部23、制御部24、スクリプト処理部25、記憶部26、通信部27、画像出力部28を備えている。ここで、例えば、画像形成装置2が印刷機能のみ有するものであれば、画像読取部21は有していない。また、操作部22がなくてもよい。なお、簡略のため、図1では、画像形成装置2Aの構成ブロックのみ示しているが、画像形成装置2B,2Cも、少なくとも、画像形成部23、制御部24、スクリプト処理部25、記憶部26、通信部27、画像出力部28を有する。
【0051】
操作部22は、入力部22aと表示部22bとを備え、ユーザーインターフェース(UI)を提供するブロックである。入力部22aは、ユーザーからの画像形成装置2の設定や動作指示に対する操作入力を受け付ける。表示部22bは、各種画面表示を行う。操作部22は、タッチパネルとして実現されてもよく、その場合、各種画面表示以外に各種操作ボタン等の表示を行ない、その表示された各種操作ボタンを介してユーザーから入力される、画像形成装置2の設定や動作指示に対する操作入力信号を、制御部24に送信する。
【0052】
ここで、画像形成装置2は、Webブラウザ部を有しており、外部から受信したコンテンツを表示部22bに表示させるようになっていてもよい。このWebブラウザ部は、例えば、サーバー装置3から操作画面の表示のためのスクリプト(UI表示スクリプト)を受け取り、当該操作画面を表示部22bにて表示させてもよい。
【0053】
画像読取部21は、原稿を光学的に読み取り、読み取った光学信号を変換して画像データを生成し、画像形成部23に出力するブロックである。
【0054】
画像形成部23は、画像読取部21が読み取った画像データ、あるいは、(図示しない)情報処理端末またはサーバー装置3から受信した画像データに対して、操作部22からの操作入力に応じた処理、あるいは、(図示しない)情報処理端末またはサーバー装置3から受信した指示に従った処理を施し、画像出力部28に出力するブロックである。本実施形態では、画像形成部23では高度な画像処理は行わず、サーバー装置3に処理を要求する。
【0055】
画像出力部28は、画像形成部23から受け取った画像データを出力処理するブロックである。ここでの出力処理とは、印刷、FAX送信、イメージデータ送信、表示部22bへの表示の何れかであるとする。また、出力処理に、画像形成装置2での画像データの保存を含めてもよい。
【0056】
制御部24は、画像形成装置2における各種構成の動作を統括的に制御するブロックである。制御部24は、操作部22からの操作入力、あるいは、(図示しない)情報処理端末またはサーバー装置3から受信した指示に応じて、記憶部26に記憶されている情報に基づいて、画像形成装置2を制御する。具体的には、制御部24は、操作部22からの操作入力、あるいは、(図示しない)情報処理端末またはサーバー装置3から受信した指示に従って、コピー機能、スキャン機能、印刷機能、FAX送受信機能、イメージ送信機能などを実行するよう画像形成装置2の各部を制御する。なお、これらの機能の実行方法としては公知の方法を用いることができる。
【0057】
また、制御部は、要求部(負荷判定要求部、部分処理要求部)24a、処理ステータス通知部24bを備える。要求部24aは、通信部27を介して、サーバー装置3への要求を行う。
【0058】
サーバー装置3への要求には、例えば、画像処理を依頼する画像処理要求、サーバー装置3の負荷を判定するよう依頼する負荷判定要求、未処理の部分処理を送付するよう依頼する部分処理要求、などがある。処理ステータス通知部24bは、部分処理が実行された画像データを、当該実行された部分処理が何であるかを示す処理ステータス情報と共に、サーバー装置3に通知する。これら要求部24a及び処理ステータス通知部24bの処理については、後段で具体例を用いて説明する。
【0059】
記憶部26は、画像データを一時的に保存する記憶手段である。また、記憶部26には、画像形成装置での制御プログラム、OS(Operating System)プログラム、その他の各種プログラム等が格納されている。
【0060】
通信部27は、ネットワーク4を介して外部と通信を行うブロックである。
【0061】
サーバー装置3は、サーバー装置3における各種構成の動作を統括的に制御する制御部31、ネットワーク4を介して外部と通信を行う通信部32、及び、画像データを保存する記憶部33などにより構成される。サーバー装置3は、画像形成装置2に対してサーバーとして機能し、画像形成装置2からの要求への応答を行う。例えば、要求が、画像認証処理である場合、その認証結果を画像形成装置2に送る。
【0062】
制御部31は、画像処理部31a、負荷判定部31b、部分処理依頼部31c、判定結果通知部31dとを備えている。
【0063】
画像処理部31aは、画像形成装置2からの要求に応じた画像処理を実行する。このとき、画像処理を複数に分割した部分処理をそれぞれ実行する。記憶部33には各部分処理を実行するための各スクリプトが格納されており、画像処理部31aは、スクリプトを読み出して処理する。
【0064】
負荷判定部31bは、サーバー装置3の負荷が所定値を超えているか否かを判定する。
【0065】
部分処理依頼部31cは、負荷判定部31bが上記所定値を超えていると判定した場合に、上記複数の部分処理の少なくとも1つを画像形成装置3に依頼する。依頼する際、依頼する部分処理を実行するスクリプトを、通信部32を介して送信する。
【0066】
判定結果通知部31dは、負荷判定部31bの判定結果を通信部32を介して画像形成装置2に通知する。これら各部の処理については、後段で具体例を用いて説明する。
【0067】
以下、画像処理システム1における画像形成装置2とサーバー装置3との間の要求と応答について、図2,3に示す具体例を用いて説明する。以下では、画像形成装置2からサーバー装置3へ要求する画像処理が、パターンマッチングによる画像認証処理であるとする。
【0068】
サーバー装置3は、画像処理要求を受けると、画像処理部31aにて、パターンマッチングによる画像認証処理を開始する。このパターンマッチングによる画像認証処理には、部分処理として、スムージング(ノイズ除去)処理、特定領域の抽出(領域抽出)処理、及びパターンマッチング処理の3つが含まれるとする。よって、スムージング処理、領域抽出処理、及びパターンマッチング処理の全てを行うと、画像処理要求への応答が行える。
【0069】
以下では、スムージング処理を画像処理a、特定領域の領域抽出処理を画像処理b、パターンマッチング処理を画像処理cとする。
【0070】
図2に画像処理システム1での処理の流れの一例を示す。図2では、まず、画像形成装置2Aが画像読取部21にて原稿を読み取り画像データを生成する(画像生成)。この画像データを以下では第1画像と呼ぶことにする。
【0071】
そして、画像形成装置2Aは、第1画像を、サーバー装置3に送る(第1画像送信)。ここで本実施形態では、画像形成装置2は、生成した画像データをサーバー装置3に送信することで、この画像データへの画像処理要求を行うものとする。なお画像データと画像処理要求とは、対応付けてあれば別々にサーバー装置3に送信もよいし、送付の順序も問わない。
【0072】
サーバー装置3は、画像形成装置2Aから第1画像を受信すると、画像処理部31aにて、パターンマッチングによる画像認証処理を開始する。まず、第1画像に、スムージング処理である画像処理aを実行し(第1画像への画像処理a)、次に、特定領域の抽出処理である画像処理bを実行する(第1画像への画像処理b)。そして、パターンマッチング処理である画像処理cを実行する(第1画像への画像処理c)。このように画像処理を実行して画像認証を行い、認証結果(認証できたか否か)を画像形成装置2Aに送信する(認証OK/NG)。
【0073】
ここで、図2では、画像形成装置2Bが画像読取部21にて原稿を読み取り画像データ(第2画像)を生成し(画像生成)、生成した第2画像をサーバー装置3に送っている(第2画像送信)。サーバー装置3は、この第2画像を、上記と第1画像への画像処理bの後に受信している。そうすると、ここでは、第1画像への画像処理を終えてから、第2画像への画像処理aを実行する。そして、第2画像への画像処理bを実行し、第2画像への画像処理cを実行し、認証結果を画像形成装置2Bに送信する(認証OK/NG)。
【0074】
このように、サーバー装置3が複数の画像形成装置2から画像データを受信すると、複数の画像形成装置に対する画像像処理がサーバー装置に課せられることになる。また、サーバー装置3には画像処理以外にも機能がある。そのため、複数の処理を即座に行えない場合がある。
【0075】
そこで、サーバー装置3の負荷判定部31bは、サーバー装置3の負荷が所定値を超えているか否かの判定を行う。サーバー装置3の負荷が所定値を超えて場合は、即座に画像処理できない場合である。
【0076】
負荷判定部31bは、サーバー装置3のCPUの占有率、サーバー装置3のメモリの使用量、及び、処理待ちの画像データの数などから、画像処理に掛かる時間を算出する。そして、算出した時間が所定時間を超えていると、サーバー装置の負荷が上記所定値を超えていると判定する。処理待ち画像データの数は、画像処理要求を受けているタスク数として計算できる。
【0077】
負荷判定部31bが、サーバー装置3の負荷が所定値を超えていると判断した場合は、画像処理要求の送信元の画像形成装置に対して、画像処理要求の一部の処理を担ってもらう。これについて以下に説明する。以下では、サーバー装置3にて、処理待ち画像データが3つ以上発生した場合、つまり、認証結果を画像形成装置2に送信していない画像データを3つ以上保持することになった場合、サーバー装置3の負荷が所定値を超えているとする。
【0078】
図3に画像処理システム1での処理の流れの別の一例を示す。図3の例では、画像形成装置2Aは第1画像をサーバー装置3に送信し(S1)、画像形成装置2Bは第2画像をサーバー装置3に送信し(S2)、画像形成装置2Cは第3画像をサーバー装置3に送信する(S3)。サーバー装置3の負荷判定部31bは、画像データを受信すると、サーバー装置3の負荷が所定値を超えているか否かを判定する。よって、サーバー装置3が第3画像を受信すると、負荷判定部31bは、サーバー装置3の負荷が所定値を超えていると判断する。そして、判定結果通知部31dは、第3画像を送信した画像形成装置2Cに対して、サーバー負荷が所定値を超えたことを通知する(S4)。
【0079】
図3では、サーバー装置3が、画像データを3つ(第1画像、第2画像、第3画像)受信した例を示しているが、もちろん、4つ以上の画像を受信した場合でも、その要求をした送信した画像形成装置にサーバー負荷が所定値を超えたことを通知する。なお、図2に示した例では、第1画像と第2画像との2つしか画像データしか保持していないので、部分処理の依頼は行わず、受信した順に画像処理が実行されている。
【0080】
S4で所定値を超えたことを通知した後、部分処理依頼部31cは、画像形成装置2Cに画像処理aのスクリプトを送信することで、画像処理aの処理を依頼(処理要求)する(S5)。
【0081】
ここで、画像処理に含まれる部分処理において、画像処理a→画像処理b→画像処理cという処理順序があるとする。その場合には処理順序に従って処理する必要があるため、サーバー装置3は、初めに、画像処理aの処理を依頼(画像処理aのスクリプトを送信)する。
【0082】
しかし、処理順序がない場合、サーバー装置3は画像形成装置2Cの画像処理能力や画像形成装置2Cの使用状況を判断して、それに応じて、画像処理a、画像処理b、画像処理cのいずれかの処理を依頼する。なお、画像形成装置2の画像処理能力や画像形成装置2の使用状況を、画像形成装置2の起動時の初期情報として取得したり、定期的なポーリングなどにより、サーバー装置3は取得することが可能である。
【0083】
例えば、画像形成装置2Cが低速機であり画像処理能力が低い場合、画像形成装置2Cに処理の重いものを要求してしまうと、画像形成装置2Cのユーザー操作に影響を及ぼしたり、サーバー装置3が逆に待たされるケースが発生する。よって、処理量が小さい部分処理(スクリプト)を優先的に依頼(送信)する。各部分処理の大きさが、図4に示すパターン1、2の場合、画像処理aまたは画像処理cを依頼する。また、各部分処理の大きさが、図4に示すパターン3の場合には、画像処理bを依頼する。
【0084】
反対に、画像形成装置2Cが高速機であり画像処理能力が高い場合、画像形成装置2Cのスペックが高いので、部分処理の大きさが中程度であれば、画像形成装置2Cに依頼もよい。よって、図4に示すパターンにおいて、パターン1の場合は、画像形成装置2Cに画像処理a、画像処理b、画像処理cのいずれを依頼してもよい。パターン3の場合には、画像処理bまたは画像処理cを依頼する。
【0085】
ただし、画像形成装置2は、自身へのユーザー入力操作を妨げないように、依頼された部分処理を、操作部22が受け付けたユーザー入力操作に対する処理より、優先を下げて実行するのが好ましい。
【0086】
サーバー装置3から画像処理aのスクリプトを受信すると、画像形成装置2Cは、スクリプト処理部25にて画像処理aのスクリプトを解析して処理する(S6)。そして、スクリプト処理が完了すると、画像形成装置2Cの要求部24aは、サーバー装置3の負荷状態を確認するため、負荷の判定を要求する(S7)。
【0087】
サーバー装置3が負荷の判定の要求を受信すると、負荷判定部31bは、サーバー装置3の負荷が所定値を超えているか否かを判定し、判定結果通知部31dは、判定結果を画像形成装置2Cに通知する(S8)。ここで、図3では、サーバー装置3で、処理待ち(認証結果が出ていない)の画像がまだ3つあるため、S8では、サーバー装置3の負荷が所定位置を超えていると通知する。そして、サーバー装置3は、画像形成装置3Cに、画像処理b(特定領域の抽出処理)のスクリプトを送信する(S9)。
【0088】
なお、図示されていないが、S8で、サーバー装置3の負荷が所定位置以下であることが通知された場合、画像形成装置2Cは、サーバー装置3での画像処理が可能であると判断し、画像処理a(スムージング処理)を行った状態の画像データと、どの部分処理を実行したかの情報と(処理ステータス情報)を送信する(前回送信した画像は不要となる)。サーバー装置3で受信した画像はスムージング処理済なので、残りの処理だけを実施すればよいので、サーバー装置3の負荷は軽減されていることがわかる。
【0089】
あるいは、負荷判定部31bが一定期間ごとにサーバー装置3の負荷を判定しており、負荷が所定値以下になったと判定したら、判定結果通知部31dから負荷が所定値以下でありサーバー装置がレディ状態であることを画像形成装置2Cに通知してもよい。そして、画像形成装置2Cは、所定タイミングでサーバー装置3に、部分処理した状態の画像データと処理ステータス情報とを通知してもよい。
【0090】
画像形成装置2Cは、画像処理bのスクリプトを受信すると、スクリプト処理部25にて画像処理bのスクリプトを解析して処理する(S10)。そして、スクリプト処理が完了すると、画像形成装置2Cの要求部24aは、サーバー装置3の負荷状態を確認するため、負荷の判定を要求する(S12)。
【0091】
サーバー装置3が負荷の判定の要求を受信すると、負荷判定部31bは、サーバー装置3の負荷が所定値を超えているか否かを判定し、判定結果通知部31dは、判定結果を画像形成装置2Cに通知する(S13)。ここで、図3では、画像形成装置2Cでの画像処理bの処理の間に、サーバー装置3での第1画像への画像処理が終了し、認証結果が画像形成装置2Aに送信されている(S11)ので、S13では、サーバー装置3の負荷が所定以下であることを通知する。
【0092】
サーバー装置3の負荷が所定位置以下であることが通知されると、画像形成装置2Cは、画像処理b(領域抽出処理)を行った状態の画像データと、処理ステータス情報とを送信する(S14)。サーバー装置3で受信した画像はスムージング処理と、領域抽出処理とは済んでいるので、残りのパターンマッチング処理だけを実施すればよいので、サーバー装置3の負荷は軽減されていることがわかる。
【0093】
なお、上記は、サーバー装置3で画像処理の一部である部分処理を画像形成装置2に依頼する際、部分処理を実行するスクリプトを送信している。しかし、サーバー装置3が行う画像処理の一部と同等の処理、例えば上記領域抽出処理を行う処理部を、画像形成装置2が備えていれば、スクリプトを送ることなく、命令を送ることによっても、同様の処理を行うことができる。
【0094】
また、上記では、画像処理としてパターンマッチングによる画像認証処理について説明したが、単なる例であり、画像形成装置2から要求され、サーバー装置3で実行される画像処理は、上記に限定されるものではない。また、パターンマッチングによる画像認証処理を、画像処理a、画像処理b及び画像処理cの3つの部分処理(スクリプト)に分けたが、サーバー装置3で実行する1つの画像処理の分割数に制限はない。
【0095】
さらに、上記では、画像形成装置2Cからの画像処理要求への応答に時間がかかる場合、画像形成装置2Cにスクリプトの処理を依頼していたが、画像形成装置2Cでは処理できない場合、他の画像形成装置2Aあるいは2Bに、スクリプトの処理の依頼を行ってもよい。例えば、画像形成装置2Aに依頼する場合、画像形成装置2Aが生成した画像に対するスクリプトを依頼しても、画像形成装置2Cが生成した画像に対するスクリプトを依頼しても構わない。ただし、画像形成装置2Aに、画像形成装置2Cが生成した画像に対するスクリプトを依頼する場合、画像形成装置2Cが生成した画像も合わせて送る。
【0096】
また、画像形成装置2A、2B、2Cが順に画像処理を要求していたが、どの画像形成装置から依頼するかは決まっていない。また、サーバー装置3にネットワーク接続した他の画像形成装置からの要求、あるいは、画像形成装置以外の装置からあるいはユーザー入力による要求(例えば、サーバーOSのバージョンアップ)があっても構わない。また、上記では、画像形成装置2A、2B、2Cから同じ画像処理(パターンマッチングによる画像認証処理)を要求したが、それぞれ別の画像処理を要求してもよし、いずれか2つの画像形成装置が同じ画像処理を要求しで、別の画像形成装置が別の画像処理を要求してもよい。また、同じ画像形成装置から、複数の画像処理を要求してもよい。サーバー装置3に要求できる画像処理であればどのようであってもよい。
【0097】
また、画像形成装置2及びサーバー装置3の各ブロック、特に画像形成装置2の制御部24、画像形成部23、スクリプト処理部25、及びサーバー装置3の制御部31は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0098】
すなわち、画像形成装置2、サーバー装置3は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである画像形成装置2、サーバー装置3の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記画像形成装置2、サーバー装置3に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0099】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0100】
また、上記プログラムコードをネットワーク4を介して供給してもよい。このネットワーク4としては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機(MFP:Multi Function Printer)等の画像形成装置と、当該画像形成装置からの画像処理要求に応じて画像データに画像処理を行うサーバー装置とがネットワーク接続した画像処理システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0102】
1 画像処理システム
2,2A,2B,2C 画像形成装置
3 サーバー装置
4 ネットワーク
21 画像読取部
22 操作部
23 画像形成部
24 制御部
24a 要求部(負荷判定要求部、部分処理要求部)
24b 処理ステータス通知部
25 スクリプト処理部(部分処理実行部)
26 記憶部
27 通信部
28 画像出力部
31 制御部
31a 画像処理部
31b 負荷判定部
31c 部分処理依頼部
31d 判定結果通知部
32 通信部
33 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを出力処理する画像形成装置と、上記画像形成装置からの画像処理要求に応じて上記画像データに対する画像処理を行うサーバー装置とがネットワークを介して接続した画像処理システムにおいて、
上記サーバー装置は、上記画像処理を複数に分割した部分処理をそれぞれ実行する画像処理部と、当該サーバー装置の負荷が所定値を超えているか否かを判定する負荷判定部と、上記負荷判定部が上記所定値を超えていると判定した場合に、上記複数の部分処理の少なくとも1つを上記画像形成装置に依頼する部分処理依頼部とを備え、
上記画像形成装置は、上記依頼された部分処理を実行する部分処理実行部を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
上記部分処理依頼部は、上記部分処理を実行するスクリプトを上記画像形成装置に送信することにより上記部分処理を依頼することを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
上記部分処理依頼部は、上記部分処理を実行させる命令を上記画像形成装置に送信することにより上記部分処理を依頼し、
上記部分処理実行部は、上記命令に基づき上記部分処理を実行することを特徴とする、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項4】
上記画像形成装置は、上記部分処理実行部が上記依頼された上記部分処理を実行後に、上記部分処理が実行された画像データを、当該実行された部分処理が何であるかを示す処理ステータス情報と共に、上記サーバー装置に通知するステータス通知部を備えたことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の画像処理システム。
【請求項5】
上記画像形成装置は、上記部分処理実行部が上記依頼された上記部分処理を実行後に、上記部分処理依頼部に未だ実行されていない部分処理の依頼を要求する部分処理要求部、を備えたことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の画像処理システム。
【請求項6】
上記画像形成装置は、上記サーバー装置に上記判定の結果を要求する負荷判定要求部を備えることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の画像処理システム。
【請求項7】
上記サーバー装置は、上記判定の結果を上記画像形成装置に通知する判定結果通知部を備え、
上記部分処理依頼部は、上記判定結果通知部が上記判定の結果として上記所定値を超えていることを上記画像形成装置に通知してから、上記依頼を行うことを特徴とする請求項1から6に記載の画像処理システム。
【請求項8】
上記負荷判定部は、上記サーバー装置のCPUの占有率、上記サーバー装置のメモリの使用量、及び、上記画像処理要求を受けているタスク数の少なくとも1つを用いて、上記画像処理に掛かる時間を算出し、当該算出した時間が所定時間を超えていると、上記サーバー装置の負荷が上記所定値を超えていると判定することを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の画像処理システム。
【請求項9】
上記複数の部分処理に処理の順序が無い場合、上記部分処理依頼部は、上記画像形成装置の能力及び使用状況の少なくとも一方の情報を取得し、取得した情報に応じて上記部分処理を依頼することを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の画像処理システム。
【請求項10】
上記部分処理依頼部は、処理の負荷が小さい部分処理から依頼することを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の画像処理システム。
【請求項11】
上記画像形成装置は、当該画像形成装置へのユーザー入力を受け付ける操作部を備え、上記依頼された部分処理より、上記操作部が受け付けたユーザー入力に対する処理を優先して実行することを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の画像処理システム。
【請求項12】
上記ネットワークには複数の上記画像形成装置が接続されており、上記依頼された上記部分処理を、複数の上記画像形成装置に含まれる第1の画像形成装置が備えた上記部分処理実行部では処理できない場合には、上記部分処理依頼部は、複数の上記画像形成装置に含まれる第2の画像形成装置に上記部分処理を依頼することを特徴とする請求項1から11の何れか1項に記載の画像処理システム。
【請求項13】
画像データを出力処理する画像形成装置と、上記画像形成装置からの画像処理要求に応じて上記画像データに対する画像処理を行うサーバー装置とがネットワークを介して接続した画像処理システムでの画像処理方法において、
上記サーバー装置にて、上記画像処理を複数に分割した部分処理をそれぞれ実行する画像処理ステップと、当該サーバー装置の負荷が所定値を超えたか否かを判定する負荷判ステップと、上記負荷判定ステップにて上記所定値を超えたと判断した場合に、上記複数の部分処理の少なくとも1つを上記画像形成装置に依頼する依頼ステップと、
上記画像形成装置にて、上記依頼ステップで依頼された部分処理を実行する部分処理実行ステップと、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項14】
画像形成装置からの画像処理要求に応じて画像データに対する画像処理を行い、当該サーバー装置の負荷が所定値を超えた場合に、上記画像処理を複数に分割した部分処理の少なくとも1つを当該画像形成装置に依頼するサーバー装置に、ネットワークを介して接続し、上記画像データを出力処理する画像形成装置において、
上記サーバー装置から依頼された部分処理を実行する部分処理実行部を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
画像データを出力処理する画像形成装置にネットワークを介して接続し、当該画像形成装置からの画像処理要求に応じて上記画像データに対する画像処理を行うサーバー装置において、
上記画像処理を複数に分割した部分処理をそれぞれ実行する画像処理部と、
当該サーバー装置の負荷が所定値を超えたか否かを判定する負荷判定部と、
上記負荷判定部が上記所定値を超えたと判断した場合に、上記複数の部分処理の少なくとも1つを、当該サーバー装置から依頼された部分処理を実行する上記画像形成装置に依頼する部分処理依頼部と、を備えていることを特徴とするサーバー装置。
【請求項16】
請求項14の画像形成装置が備える上記部分処理実行部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項17】
請求項15に記載のサーバー装置が備える上記画像処理部、上記負荷判定部、及び上記部分処理依頼部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項18】
請求項16または17に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−248527(P2011−248527A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119607(P2010−119607)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】