画像処理システム、画像処理装置、画像処理方法、及び、プログラム
【課題】画像データの送信者がおかれている環境を反映した画像を受信者に提示する。
【解決手段】画像処理システム10において、画像処理装置100は、画像データと、端末110が設置される環境を示す環境データと、を端末110から受信する。画像処理装置100は、受信した環境データに指定される環境を示す情報を情報サーバ130に通知する。画像処理装置100は、受信した環境データに指定される環境に対応する特徴データを情報サーバ130から受信する。画像処理装置100は、受信した特徴データに対応する変換パラメータを取得する。画像処理装置100は、取得した変換パラメータを用いて、端末110から受信した画像データを変換し、表示する。
【解決手段】画像処理システム10において、画像処理装置100は、画像データと、端末110が設置される環境を示す環境データと、を端末110から受信する。画像処理装置100は、受信した環境データに指定される環境を示す情報を情報サーバ130に通知する。画像処理装置100は、受信した環境データに指定される環境に対応する特徴データを情報サーバ130から受信する。画像処理装置100は、受信した特徴データに対応する変換パラメータを取得する。画像処理装置100は、取得した変換パラメータを用いて、端末110から受信した画像データを変換し、表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データの送信者がおかれている環境を反映した画像を受信者に提示するために好適な画像処理システム、画像処理装置、画像処理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが撮影したりユーザが他のユーザから取得したりした画像データが表す画像を表示する、いわゆるデジタルフォトフレームと呼ばれる機器が普及している。ユーザは、自分の好みの画像などをデジタルフォトフレームに表示させて閲覧することができる。また、近年、デジタルフォトフレームを利用した様々なサービスがユーザに提供されつつある。例えば、特許文献1には、撮影された時の天気情報に基づいて画像を加工して表示する画像表示装置が開示されている。一方で、ユーザが撮影した画像データを、ネットワークを介して他のユーザに送ることができるサービスが提供され始めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−258965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1によれば、画像が撮影された時の天気に応じた画像変換を行うのであり、画像データの受信者は、画像データの送信者についての情報を得ることが出来なかった。例えば、画像データの受信者にとっては、画像データの送信者がおかれている周囲の環境が伝わらないため、興趣性が十分に得られないことがあった。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するものであり、画像データの送信者がおかれている環境を反映した画像を受信者に提示するために好適な画像処理システム、画像処理装置、画像処理方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0007】
本発明の第1の観点に係る画像処理システムは、画像処理装置と端末とを含む画像処理システムであって、
前記端末は、
画像データと、前記端末が存在する環境の特徴を表す特徴データと、を、前記画像処理装置に送信する画像データ送信手段を備え、
前記画像処理装置は、
前記特徴データが示す特徴と対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
前記画像データと前記特徴データとを前記端末から受信する画像データ受信手段と、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段と、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の観点に係る画像処理システムは、画像処理装置と端末と情報サーバとを含む画像処理システムであって、
前記情報サーバは、
前記端末が設置されうる環境と対応付けて、当該環境の特徴を表す特徴データを記憶する特徴データ記憶手段を備え、
前記端末は、
画像データと、前記端末が設置された環境を表す環境データと、を、前記画像処理装置に送信する画像データ送信手段を備え、
前記画像処理装置は、
前記特徴データが示す特徴と対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
前記画像データと前記環境データとを前記端末から受信する画像データ受信手段と、
前記受信した環境データが示す環境を前記情報サーバに通知する通知手段と、
を備え、
前記情報サーバは、
前記画像処理装置から通知された環境に対応付けられる特徴データを前記特徴データ記憶手段から取得し、当該取得した特徴データを前記画像処理装置に送信する特徴データ送信手段を更に備え、
前記画像処理装置は、
前記情報サーバから前記特徴データを受信する特徴データ受信手段と、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段と、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段と、
を更に備える、
ことを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の観点に係る画像処理装置は、
端末が存在する環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
前記画像データと前記特徴データとを前記端末から受信する画像データ受信手段と、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段と、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の第4の観点に係る画像処理装置は、
端末が設置されうる環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
画像データと、当該画像データの送信元となる前記端末が設置された環境を表す環境データと、を、前記端末から受信する画像データ受信手段と、
前記受信した環境データが示す環境に予め対応付けられる特徴データを、ネットワークを介して外部から受信する特徴データ受信手段と、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段と、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の第5の観点に係る画像処理方法は、パラメータ記憶手段を有する画像処理装置において実行される画像処理方法であって、
前記パラメータ記憶手段には、端末が存在する環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータが記憶され、
前記画像データと前記特徴データとを前記端末から受信する画像データ受信ステップと、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換ステップと、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第6の観点に係る画像処理方法は、パラメータ記憶手段を有する画像処理装置において実行される画像処理方法であって、
前記パラメータ記憶手段には、端末が設置されうる環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータが記憶され、
画像データと、当該画像データの送信元となる前記端末が設置された環境を表す環境データと、を、前記端末から受信する画像データ受信ステップと、
前記受信した環境データが示す環境に予め対応付けられる特徴データを、ネットワークに接続されるサーバから受信する特徴データ受信ステップと、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の第7の観点に係るプログラムは、コンピュータを、
端末が存在する環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段、
前記画像データと前記特徴データとを前記端末から受信する画像データ受信手段、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段、
として機能させることを特徴とする。
【0014】
本発明の第8の観点に係るプログラムは、コンピュータを、
端末が設置されうる環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段、
画像データと、当該画像データの送信元となる前記端末が設置された環境を表す環境データと、を、前記端末から受信する画像データ受信手段、
前記受信した環境データが示す環境に予め対応付けられる特徴データを、ネットワークに接続されるサーバから受信する特徴データ受信手段、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、画像データの送信者がおかれている環境を反映した画像を受信者に提示するために好適な画像処理システム、画像処理装置、画像処理方法、及び、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】画像処理システムの構成を示す図である。
【図2】画像処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【図3】端末のハードウェア構成を示す図である。
【図4】メールサーバのハードウェア構成を示す図である。
【図5】情報サーバのハードウェア構成を示す図である。
【図6】画像処理システムの機能的な構成を示す図である。
【図7】(a)と(b)は、特徴データの構成例を示す図である。
【図8】変換パラメータの構成例を説明するための図である。
【図9】変換パラメータの構成例を説明するための図である。
【図10】変換パラメータの構成例を説明するための図である。
【図11】変換パラメータの構成例を説明するための図である。
【図12】変換パラメータの構成例を説明するための図である。
【図13】変換パラメータの構成例を説明するための図である。
【図14】画像処理システムにて行われる処理の流れを説明するための図である。
【図15】変換パラメータの構成例を説明するための図である。
【図16】実施形態2における画像処理システムの構成を示す図である。
【図17】端末のハードウェア構成を示す図である。
【図18】画像処理システムの機能的な構成を示す図である。
【図19】画像処理システムにて行われる処理の流れを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素を均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0018】
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る画像処理システム10の構成を示す図である。
まず、画像処理システム10の全体の概要について説明する。画像処理システム10は、画像処理装置100と、端末110と、メールサーバ120と、情報サーバ130と、ネットワーク140と、を備える。
【0019】
画像処理装置100は、ネットワーク140を介してメールサーバ120から電子メールを受信し、受信した電子メールに添付された画像データが表す画像を表示する。また、画像処理装置100は、予め受信あるいは記憶した画像データが表す画像を表示する。本実施形態の画像処理装置100は、一般には“デジタルフォトフレーム”あるいは“デジタルフォトスタンド”とも呼ばれる。
【0020】
画像処理装置100は、メールサーバ120から受信した画像データあるいは画像処理装置100が記憶した画像データが表す画像を、単に表示するだけでなく、画像処理を施した後に表示することができる。画像処理には、例えば、色鉛筆風のフィルター処理、水彩画風のフィルター処理、油彩画風のフィルター処理などがある。詳細は後述する。
【0021】
端末110は、ユーザによって作成された電子メールをメールサーバ120に送信する。送信された電子メールは、メールサーバ120から画像処理装置100や他の図示しない端末等へ送信される。
【0022】
端末110から送信される電子メールには、ユーザによって作成された電子メールの本文のほか、デジタルスチルカメラ等で撮影された画像データや、端末110が設置される環境を示し所定のフォーマットで予め用意されるデータ(以下「環境データ」という。)などを添付することができる。詳細は後述する。
【0023】
メールサーバ120は、端末110から受信した電子メールで指定された宛先に、その電子メールを転送する。画像データと環境データが添付され端末110から送信された電子メールは、宛先として指定された画像処理装置100に送信される。電子メールの送受信には、典型的にはSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)が用いられる。
【0024】
画像データと環境データが添付される電子メールは、ネットワーク140とメールサーバ120を介して、宛先として指定されたアドレスに送信されるのであるが、以下の説明においては、「電子メールが端末110から画像処理装置100に送信される」というように、ネットワーク140を介したメールサーバ120による処理を省略して表現することがある。
【0025】
情報サーバ130は、端末110が設置されうる環境(例えば、地理的な位置など)に対応する、現在の時刻、現在の天気、現在の気温、現在の湿度、現在の風速などを、他のサーバ(図示せず)から取得する。そして、情報サーバ130は、環境を示す情報と対応付けて、現在の時刻、現在の天気、現在の気温、現在の湿度、現在の風速などを示すデータ(以下「特徴データ」という。)を格納する。
【0026】
そして、情報サーバ130は、画像処理装置100からの通知に応答して、通知された環境を示す情報に対応する、現在の時刻、現在の天気、現在の気温、現在の湿度、現在の風速などを表す特徴データを、画像処理装置100に送信する。
【0027】
例えば、画像処理装置100が端末110の現在位置を情報サーバ130に通知すると、情報サーバ130は、この通知に応答して、端末110の現在位置に対応付けられる天気などに関するデータを画像処理装置100に送信する。画像処理装置100は、任意の場所の特徴を表す情報を取得することができる。
【0028】
ネットワーク140は、典型的にはインターネットであるが、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、専用回線、電話回線などでもよい。
【0029】
本図には端末110が1つしか図示されていないが、複数の端末110を画像処理システム10に含めることが可能である。また、複数の画像処理装置100を画像処理システム10に含めることもできる。
【0030】
次に、画像処理装置100、端末110、メールサーバ120、情報サーバ130のそれぞれについて、ハードウェア構成を説明する。
【0031】
まず、画像処理装置100のハードウェア構成について、図2を用いて説明する。
画像処理装置100は、制御部101、一次記憶装置102、二次記憶装置103、撮影装置104、駆動回路105、表示パネル106、入力装置107、読出装置108、通信部109を備える。
【0032】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置から構成され、画像処理装置100の全体の制御を行う。また、制御部101は、一次記憶装置102や二次記憶装置103に格納されるプログラムを読み出し、読み出したプログラムに基づいて所定の処理を実行する。例えば、制御部101は、受信した画像データに所定のエフェクト処理を行って、表示パネル106に表示させる。エフェクト処理には様々なバリエーションがある。詳細は後述する。
【0033】
制御部101は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit;特定用途向け集積回路)を備えてもよく、この場合には、CPUが行う画像データの変換処理などの一部又は全部をASICが行ってもよい。ASICは、例えば、DSP(Digital Signal Processor)である。
【0034】
一次記憶装置102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。RAMは、制御部101が所定の処理(例えば、画像変換処理等)を実行するために読み出したプログラムや、制御部101がプログラムを実行するために必要なデータを一時的に格納する揮発性メモリである。ROMは、制御部101が所定の処理を実行するためのプログラム等を予め格納する不揮発性メモリである。制御部101は、必要に応じてプログラム等をROMや二次記憶装置103からRAMに読み出し、読み出したプログラム等に基づいて所定の処理を実行する。
【0035】
二次記憶装置103は、フラッシュメモリやハードディスクなどから構成される。二次記憶装置103には、画像処理装置100に接続される情報記録媒体等から読み出した画像データが記憶されるほか、例えば、画像の中に飾りとして表示されるデータや、画像合成のフィルターとして用いられるデータなど、画像変換処理に必要な様々なデータを記憶する。
【0036】
撮影装置104は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を有するカメラを備える。撮像素子は、検知した像のRGB(Red, Green, Blue)値で表される光の強さを光電変換して撮像信号を生成する。撮影装置104は、撮像信号に各種処理を行って、デジタルの静止画像元データを生成する。撮影装置104は、風景や人物などを撮影し、撮影した静止画像を表す撮像信号を生成し、生成した撮像信号をもとに、デジタルの静止画像元データを生成する。これらの一連の処理を連続して実行すると、動画像データが得られる。
【0037】
撮影装置104は、生成した静止画像元データを一次記憶装置102に供給する。一次記憶装置102は、供給された静止画像元データを受け取り、受け取った静止画像元データを記憶する。制御部101は、一次記憶装置102が記憶する静止画像元データを用いて、例えば、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling)、サンプリング後の撮像信号に施す自動利得調整(Automatic Gain Control)、及び、自動利得調整後のアナログの撮像信号をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換等を行う。
【0038】
駆動回路105は、再生すべき静止画像元データを受け取ると、表示パネル106を駆動し、静止画像元データが表す画像を表示パネル106に表示する。画像処理装置100のユーザは、エフェクト処理が施された画像を閲覧することができる。
【0039】
表示パネル106は、例えば、液晶表示パネルや有機EL表示パネル等から構成される。表示パネル106は、制御部101の制御の下、画像変換後の画像データが表す画像などを表示する。
【0040】
入力装置107は、例えば、再生を開始する旨をユーザから受け付けるためのキー、再生の対象となる画像データを指定する旨をユーザから受け付けるためのキー、再生を停止する旨をユーザから受け付けるためのキーなど、所定の動作に対応付けられるキー等を1つ以上備える。入力装置107は、ユーザによる所望の指示を受け付けるインターフェースである。
【0041】
読出装置108は、着脱可能なメモリーカード200に記録された画像データを読み出すドライブ装置から構成される。読出装置108は、メモリーカード200に記録された画像データを読み出し、一次記憶装置102に供給する。供給された画像データは、制御部101により画像処理される。
【0042】
通信部109は、画像処理装置100をネットワーク140と繋ぐNIC(Network Interface Card)を備える。通信部109は、制御部101による制御に従って、画像処理装置100と端末110との間で、あるいは画像処理装置100とメールサーバ120の間で、あるいは画像処理装置100と情報サーバ130との間で、様々なデータを送受信することができる。
【0043】
制御部101、一次記憶装置102、二次記憶装置103、撮影装置104、駆動回路105、表示パネル106、入力装置107、読出装置108、及び、通信部109は、システムバスと呼ばれる伝送経路で接続される。
【0044】
次に、端末110のハードウェア構成について、図3を用いて説明する。
端末110は、制御部111、RAM112、ROM113、記憶部114、出力部115、I/F(インターフェース)116、入力受付部117から構成される。
【0045】
制御部111は、CPU等の演算処理装置を備え、端末110の全体の制御を行う。また、制御部111は、ROM113や記憶部114に格納されたプログラムを読み出し、読み出した画像データを画像処理装置100へ送信する処理などの所定の処理を実行する。
【0046】
RAM112は、制御部111が読み出したプログラムやデータを一時的に格納する揮発性メモリである。
【0047】
ROM113は、制御部111が所定の処理を実行するためのプログラム等を予め格納する不揮発性メモリである。制御部111は、必要に応じてプログラム等をROM113からRAM112に読み出し、読み出したプログラム等に基づいて様々な処理を実行する。
【0048】
記憶部114は、ハードディスクドライブ等の記憶装置を備える。記憶部114には、例えば、端末110のユーザが撮影した写真などを表す画像データが記憶される。
【0049】
出力部115は、モニター等の表示装置やスピーカー等の音声出力装置を備える。制御部111は、出力部115を制御して、任意の画像を表示装置に表示させたり、任意の音声をスピーカーに出力させたりする。
【0050】
I/F116は、CD−ROM(Compact Disc ROM)やDVD−ROM(Digital Versatile Disk ROM)等の記録媒体に記録されたデータを読み出すためのドライブ装置や、端末110をネットワーク140に繋ぐNICなどを備える。
【0051】
入力受付部117は、キーボードやマウス等の入力装置を備え、入力装置を用いてユーザから入力される指示を受け付け、受け付けた指示に対応する信号を制御部111に入力する。
【0052】
なお、一般的に普及しているパーソナルコンピュータ等を端末110として動作させることができる。
【0053】
次に、メールサーバ120のハードウェア構成について、図4を用いて説明する。
メールサーバ120は、制御部121、通信部122、記憶部123を備える。
【0054】
制御部121は、CPUや、ワークエリアとなるRAMなどの所定の記憶装置を備える。制御部121は、記憶部123に記憶されるオペレーティングシステムやプログラム等に従って、メールサーバ120の全体を制御する。
【0055】
通信部122は、NIC、ルータ、あるいは、モデムといった所定の通信装置から構成される。例えば、通信部122は、制御部121からの指示に基づいて、端末110から送信された電子メールを、指定された宛先に転送する。
【0056】
記憶部123は、ハードディスク装置やROMなどといった所定の記憶装置を備える。例えば、記憶部123は、メールサーバ120を制御するためのプログラムやオペレーティングシステム等を記憶する。
【0057】
次に、情報サーバ130のハードウェア構成について、図5を用いて説明する。
情報サーバ130は、制御部131、通信部132、記憶部133を備える。
【0058】
制御部131は、CPUや、ワークエリアとなるRAMなどの所定の記憶装置を備える。制御部131は、記憶部133に記憶されるオペレーティングシステムやプログラム等に従って、情報サーバ130の全体を制御する。
【0059】
通信部132は、NIC、ルータ、あるいは、モデムといった所定の通信装置を備える。例えば、環境データによって指定される位置(地理的な位置)に対応付けられる天候などを表すデータの送信を要求する旨が画像処理装置100から通知されると、通信部132は、制御部131からの通知に応じて天候などのデータを取得して、画像処理装置100に送信する。
【0060】
記憶部133は、ハードディスク装置やROMなどといった所定の記憶装置から構成される。例えば、記憶部133は、情報サーバ130を制御するためのプログラムやオペレーティングシステム等を記憶する。また、記憶部133は、環境を表す情報(典型的には位置を示す情報)と対応付けて、現在の時刻、現在の天気、現在の気温、現在の湿度、現在の風速などを示す情報を記憶する。
【0061】
例えば、端末110から受信した環境データに指定される位置が画像処理装置100から情報サーバ130へ通知されると、情報サーバ130は、通知された位置に対応付けられる天気や時刻などを表す特徴データを画像処理装置100に送信する。画像処理装置100は、環境データに指定される位置における現在の天気などの情報を任意のタイミングで取得することができる。詳細は後述する。
【0062】
次に、本実施形態の画像処理システム10の機能的な構成について説明する。
図6は、画像処理システム10の機能的な構成を示す図である。
【0063】
情報サーバ130は、特徴データ記憶部611、特徴データ送信部612を備える。
端末110は、画像データ送信部621を備える。
画像処理装置100は、パラメータ記憶部631、画像データ受信部632、通知部633、特徴データ受信部634、画像変換部635、表示部636を備える。
【0064】
情報サーバ130の特徴データ記憶部611は、環境を示す情報と対応付けて特徴データを記憶する。上述したように、特徴データは、例えば、ある地理的な位置における、現在の時刻、現在の天気、現在の気温、現在の湿度、現在の風速などを表すデータである。記憶部133が、特徴データ記憶部611として機能する。
【0065】
図7(a),(b)は、特徴データ記憶部611に記憶される環境データと特徴データの構成例を表す。環境データが示す環境とは、典型的には、位置(地理的意味で言う位置)である。位置は、例えば、緯度と経度との組み合わせや、郵便番号などで表される。あるいは、位置は、住所、電話番号、ネットワーク140に接続するためのアクセスポイントの固定IPアドレス、宅配業者等が管理する配送センターコード、などで表されてもよい。日時は、日にちと時刻によって表されてもよいし、ある基準となる地点(例えば、情報サーバ130が設置されている建物の位置や、グリニッジ標準時GMTの基準点など)との時差で表されてもよい。
【0066】
図7(a),(b)では、特徴データが示す特徴として、時刻、天気、気温、湿度、風速を採用しているが、他の情報を採用することもでき、特徴データの具体的な内容は本発明によって限定されない。
【0067】
制御部131は、特徴データ記憶部611に記憶される特徴データを、定期的なタイミングで取得し、適宜更新するものとする。例えば、制御部131は、所定の定期的なタイミングで、ネットワーク140に接続される他のサーバから天気などのような特徴を示す情報を取得して、特徴データを更新する。なお、日時については、制御部131は、所定の時差に基づいて計算した後、更新することもできる。また、環境データが示す日時と、情報サーバ130が設置されている位置の日時と、の間に時差が無い場合には、特徴データが示す特徴に、必ずしも日時を含めなくてもよい。
【0068】
図7(b)は、図7(a)に示す特徴データが更新された後の、環境データと特徴データの構成例を表す図である。第1のタイミングで特徴データ記憶部611に記憶された特徴データが示す特徴と、第1のタイミングより後の第2のタイミングで取得された特徴と、が異なる場合、制御部131は、特徴データ記憶部611に記憶される特徴データが示す特徴を、第2のタイミングで取得された特徴に書き換える。
【0069】
例えば、図7(a),(b)は、図7(a)に示す特徴データが特徴データ記憶部611に記憶された第1のタイミングから約30分後の第2のタイミングに、“郵便番号100-8915”が示す位置における天気が“晴れ”から“曇り”に、気温が“摂氏15.5度”から“摂氏14.0度”に、湿度が“40%”から“45%”にそれぞれ変化し、風速は変化していないことを示している。
【0070】
なお、特徴データを更新する周期は、本発明によって限定されない。また、特徴データを更新する周期は、環境データが示す環境ごとに異なっていてもよい。
【0071】
次に、情報サーバ130の特徴データ送信部612は、特徴データ記憶部611に記憶されている特徴データの中から、画像処理装置100から通知された環境に対応する特徴データを取得して、画像処理装置100に送信する。制御部131と通信部132と記憶部133が協働して、特徴データ送信部612として機能する。
【0072】
なお、画像処理装置100から通知された環境に対応する特徴データが特徴データ記憶部611に記憶されていない場合には、制御部131は、通知された環境に近い他の環境に対応する特徴データを取得して送信する。例えば、通知された位置に対応する特徴データが特徴データ記憶部611に記憶されていない場合、制御部131は、通知された位置に最も近い位置や通知された位置の周辺地域に対応する特徴データを取得して送信する。
【0073】
また、画像処理装置100から通知された環境に対応する特徴データが、最後に更新されてから所定時間以上経過している場合(古いデータである場合)には、制御部131は、通知された環境に近い他の環境に対応する特徴データであって、更新日時が最も新しい特徴データを取得して送信する。例えば、通知された位置に対応する特徴データが、最後に更新されてから所定時間以上経過している場合、制御部131は、通知された位置に最も近い位置や通知された位置の周辺地域に対応する特徴データであって、更新日時が最も新しい特徴データを取得して送信する。
【0074】
次に、端末110の画像データ送信部621は、画像データと、端末110が存在する位置などの環境を示す環境データと、を、画像処理装置100に送信する。制御部111と記憶部114とI/F116が協働して、画像データ送信部621として機能する。
【0075】
画像データは、端末110のユーザによって撮影もしくは作成され、記憶部114に予め記憶される。例えば、ユーザは、デジタルスチルカメラなどで撮影した風景や人物などを表す画像データを、記憶部114にコピーして保存する。
【0076】
画像データのフォーマットは本発明によって限定されないが、ネットワーク140を介した送受信にかかるコストを考慮し、データサイズが小さくなるように圧縮したデータであることが望ましい。画像データは、所定の暗号化アルゴリズムを用いて暗号化されたデータであってもよい。
【0077】
環境データは、上述したように、端末110が設置される環境を示し、所定のフォーマットで予め用意されるデータである。環境データは、記憶部114に予め記憶される。端末110が設置される環境とは、具体的には例えば、端末110が設置される場所の郵便番号、住所、緯度や経度によって表される位置などである。
【0078】
制御部111は、環境データを書き換えることが可能である。例えば、ユーザがキーボード等を操作して、郵便番号、住所、位置などを入力する。ユーザは、これらの情報を随時入力し直すことができる。制御部111は、入力された情報を環境データに格納する。
【0079】
環境データのフォーマットは本発明によって限定されない。本実施形態では、テキスト形式で保存されるものとする。
【0080】
次に、画像処理装置100のパラメータ記憶部631は、特徴データが示す特徴と対応付けて、画像処理に用いる所定の変換パラメータを記憶する。二次記憶装置103が、パラメータ記憶部631として機能する。
【0081】
図8〜図12に、パラメータ記憶部631に記憶される変換パラメータの構成例を示す。
【0082】
図8は、変換パラメータの一つである「変換アルゴリズム」を表す。パラメータ記憶部631には、天気と対応付けて、画像処理に用いる変換アルゴリズムを指定する情報が記憶される。
例えば、情報サーバ130から“快晴”を示す情報が送られると、制御部101は、端末110から受信した画像データに対して、色鉛筆で描かれたような画像になるようにエフェクト処理を施す、と判断する。
天気の分類の仕方や変換アルゴリズムの分類の仕方は、任意である。また、天気と変換アルゴリズムとの対応付けを任意に変更した実施形態を採用することも可能である。
【0083】
図9は、変換パラメータの一つである「デフォルメ」を表す。パラメータ記憶部631には、気温と対応付けて、画像データの特徴部分を誇張するように変形を加えるエフェクトの程度を指定する情報が記憶される。
例えば、情報サーバ130から“気温10℃未満”を示す情報が送られると、制御部101は、端末110から受信した画像データに対して、非常におとなしい程度に特徴部分を誇張した画像となるようにエフェクト処理を施す、と判断する。
気温の分類の仕方やデフォルメの程度の分類の仕方は、任意である。また、気温とデフォルメの程度との対応付けを任意に変更した実施形態を採用することも可能である。
【0084】
図10は、変換パラメータの一つである「タッチ」を表す。パラメータ記憶部631には、湿度と対応付けて、作風や筆触を変えるエフェクトの程度を指定する情報が記憶される。
例えば、情報サーバ130から“湿度10%未満”を示す情報が送られると、制御部101は、端末110から受信した画像データに対して、非常におとなしい筆触に変えた画像となるようにエフェクト処理を施す、と判断する。
湿度の分類の仕方やタッチの程度の分類の仕方は、任意である。また、湿度とタッチの程度との対応付けを任意に変更した実施形態を採用することも可能である。
【0085】
図11は、変換パラメータの一つである「筆の太さ」を表す。パラメータ記憶部631には、風速と対応付けて、輪郭線や特徴線などの太さを指定する情報が記憶される。ただし、筆の太さは、画像に含まれる輪郭線や特徴線の太さに限られない。
例えば、情報サーバ130から“風速1メートル未満”を示す情報が送られると、制御部101は、端末110から受信した画像データに対して、画像に含まれる輪郭線や特徴線が細くなるようにエフェクト処理を施す、と判断する。 風速の分類の仕方や筆の太さの程度の分類の仕方は、任意である。また、風速と筆の太さの程度との対応付けを任意に変更した実施形態を採用することも可能である。
【0086】
図12は、変換パラメータの一つである「素材」を表す。パラメータ記憶部631には、時刻と対応付けて、絵を描く際に用いられる素材(仮想的な素材)の種類を指定する情報が記憶される。
例えば、情報サーバ130から“時刻0時30分”を示す情報が送られると、制御部101は、端末110から受信した画像データに対して、まるで滑らかな紙に描いたかのような画像になるようにエフェクト処理を施す、と判断する。
時刻の分類の仕方や素材の分類の仕方は、任意である。また、時刻と素材との対応付けを任意に変更した実施形態を採用することも可能である。
【0087】
図8〜図12は、変換パラメータの構成の例示であり、これらに限定されるわけではない。パラメータ記憶部631には、組み合わせを自由に変更した変換パラメータが記憶されてもよい。例えば、パラメータ記憶部631には、天気と対応付けて、「変換アルゴリズム」の代わりに「デフォルメ」など他の変換パラメータが記憶されていてもよい。
【0088】
また、パラメータ記憶部631には、環境(天気、気温、湿度、風速、時刻など)と対応付けて、複数の変換パラメータが記憶されていてもよい。すなわち、図13に示すように、パラメータ記憶部631には、天気と対応付けて、2つの変換パラメータ「変換アルゴリズム」と「筆の太さ」が記憶されてもよい。ただし、変換パラメータの組み合わせ方は自由である。
例えば、情報サーバ130から“晴れ”を示す情報が送られると、制御部101は、端末110から受信した画像データに対して、まるで色鉛筆風に描かれたように見えるエフェクトをかけ、且つ、輪郭線や特徴線を太くするというエフェクトをかける、と判断する。
【0089】
次に、画像データ受信部632は、画像データと環境データを端末110から受信する。制御部101と通信部109が協働して、画像データ受信部632として機能する。
【0090】
通知部633は、画像データ受信部632により受信された環境データが示す環境についての情報を情報サーバ130に通知する。例えば、通知部633は、環境データにおいて指定される位置を示す情報を情報サーバ130に通知する。制御部101と通信部109が協働して、通知部633として機能する。
【0091】
特徴データ受信部634は、通知部633が通知した環境に対応する特徴データを情報サーバ130から受信する。制御部101と通信部109が協働して、特徴データ受信部634として機能する。
【0092】
画像変換部635は、特徴データ受信部634により受信された特徴データに対応付けられる変換パラメータをパラメータ記憶部631から取得し、取得した変換パラメータを用いて、特徴データ受信部634により受信された画像データを変換する。制御部101が画像変換部635として機能する。
【0093】
具体的には、画像変換部635は、画像データを構成する各画素の画素値に対して所定の変換行列を作用させることによるフィルター処理を行うことにより、画像変換を行う。画素値は、典型的には、三原色(RGB)の強さの組み合わせや、三刺激値の強さの組み合わせや、CMYK(C;シアン、M;マゼンダ、Y;イエロー、K;キー)の強さの組み合わせなどで表される。
【0094】
フィルター処理には、例えば、画像の特徴線などを色鉛筆で描いたように変えるフィルターをかける処理、水彩画風に描いたように画像にフィルターをかける処理、油彩画風に描いたように画像にフィルターをかける処理、パステル調で描いたように画像にフィルターをかける処理、シルクスクリーンで印刷されるように画像にフィルターをかける処理、刺繍絵のように画像にフィルターをかける処理、コラージュ(糊付け)風に描いたように画像にフィルターをかける処理、水墨画風に描いたように画像にフィルターをかける処理、エアブラシをかけたように画像にフィルターをかける処理、などがある。これらのフィルター処理は例示であり、画像変換部635は、他の手法により画像変換を行ってもよい。
【0095】
例えば、変換アルゴリズムとして上記「デフォルメ」が指定された場合、画像変換部635は、画像データを複数の領域に分割し、分割された領域ごとに、領域に含まれる画素の空間周波数を計算し、計算された空間周波数が所定値より小さい領域をその画像データの特徴領域と推定する。そして、画像変換部635は、特徴領域に含まれる画素の画素値のうち明度を表す画素値に所定係数を乗じる。この結果、特徴的な部分の明るさが相対的に強調された画像が得られる。
【0096】
例えば、変換アルゴリズムとして上記「タッチ」が指定された場合、画像変換部635は、計算された空間周波数の変化が所定値より大きい画素の付近に特徴線があるものと推定する。このとき、画像変換部635は、タッチの程度を大きく(より激しく)するほど、所定値を小さく設定する。つまり、タッチがおとなしいときには推定される特徴線の数が少なくなり、タッチが激しいときには推定される特徴線の数が多くなる。この結果、オブジェクトの輪郭などが粗く表現されたり細かく表現されたりした画像が得られる。
【0097】
制御部101は、既存のソフトウェアアプリケーションを使用することにより、あるいは既存のソフトウェアアプリケーションで採用されているアルゴリズムと同等のアルゴリズムを使用することにより、フィルター処理を行ってもよい。例えば、画像変換部635は、アドビ・システムズ社のPHOTOSHOP(登録商標)における各種フィルターと同様の処理を行うことができる。
【0098】
表示部636は、画像変換部635により変換された画像データが表す画像を、表示パネル106が備える表示装置に表示する。制御部101と駆動回路105と表示パネル106が協働して、表示部636として機能する。
【0099】
次に、画像処理システム10の上記各部が行う画像処理の流れについて、図14を用いて説明する。
【0100】
まず、端末110の画像データ送信部621は、画像データと環境データを画像処理装置100に送信する(ステップS1401)。
【0101】
より詳細には、画像データ送信部621は、画像データと環境データとを添付し且つ画像処理装置100を送信先に指定した電子メールをメールサーバ120に送信する。メールサーバ120は、送信先に指定された画像処理装置100へこの電子メールを転送する。
【0102】
本実施形態では、電子メールシステムを利用して画像データと環境データとを画像処理装置100に送信しているが、他の送受信手段を用いて画像データと環境データとを画像処理装置100に送信してもよい。例えば、電子メールシステムの代わりに、電子メッセンジャーシステムやチャットシステム等を用いてもよい。
【0103】
画像処理装置100の画像データ受信部632は、画像データと環境データとを端末110から受信する(ステップS1402)。
【0104】
例えば、画像処理装置100の画像データ受信部632は、定期的なタイミングで、自機に宛てた電子メールが送信されてきたか否かをメールサーバ120に問い合わせ、新たな電子メールが送信されてきたと判断した場合に、画像データと環境データが添付された電子メールを受信する。
【0105】
なお、画像処理装置100の制御部101は、駆動回路105と表示パネル106を制御して、電子メールを受信した旨を表示することにより、電子メールを受信した旨を画像処理装置100のユーザに提示することが望ましい。
【0106】
通知部633は、画像データ受信部632が受信した環境データにおいて指定される、端末110が設置されている環境を示す情報を、情報サーバ130に通知する(ステップS1403)。
【0107】
例えば、環境データには、端末110が設置されている地域に割り当てられている郵便番号や、端末110が設置されている場所の緯度と経度などが指定される。画像処理装置100の制御部101は、環境データを解析することにより、画像データの送信元の端末110に関する詳しい情報や、画像データの送信元の端末110のユーザに関する詳しい情報を判別することができる。
【0108】
情報サーバ130の特徴データ送信部612は、端末110が設置されている環境を示す情報と、特徴データ記憶部611に記憶される特徴データと、に基づいて、端末110が設置されている環境に対応する特徴データを取得する(ステップS1404)。
【0109】
例えば、図7に示すように特徴データが構成されている場合において、郵便番号“100-8915”を指定する情報が画像処理装置100から通知されると、情報サーバ130の特徴データ送信部612は、“日時:2009年12月28日14時30分55秒、天気:晴れ、気温:摂氏15.5度、湿度40%、風速4メートル毎秒”という内容の特徴データを取得する。
【0110】
特徴データ送信部612は、取得した特徴データを画像処理装置100に送信する(ステップS1405)。
【0111】
画像処理装置100の特徴データ受信部634は、情報サーバ130に通知した環境に対応する特徴データを、情報サーバ130から受信する(ステップS1406)。すなわち、端末110から受信した環境データが示す位置に対応する日時や天気などが得られる。
【0112】
画像変換部635は、ステップS1406で受信した特徴データと、パラメータ記憶部631に記憶される変換パラメータと、に基づいて、ステップS1402で端末から受信した画像データに施す画像処理に用いる変換パラメータを決定する(ステップS1407)。
【0113】
例えば、図8〜図12に示すように変換パラメータが定義される場合において、端末110から受信した環境データに指定された郵便番号が“100-8915”であったとすると、変換パラメータとして、次のような具体的な内容が決定される。
・素材:「滑らかな紙に描いたように」(日時“2009年12月28日14時30分55秒”に対応する)
・変換アルゴリズム:「水彩画風に変換する」(天気“晴れ”に対応する)
・デフォルメ:「ややおとなしく」(気温“摂氏15.5度”に対応する)
・タッチ:「普通」(湿度“40%”に対応する)
・筆の太さ:「やや太く」(風速“4メートル毎秒”に対応する)
【0114】
画像変換部635は、ステップS1407で決定した変換パラメータに従って、ステップS1402で受信した画像データを変換する(ステップS1408)。
【0115】
そして、表示部636は、ステップS1408で変換された画像データが表す画像を表示パネル106に表示する(ステップS1409)。つまり、表示パネル106には、端末110から送信された画像データが表す画像がそのまま表示されるのではなく、その画像データを送信した端末110が置かれた環境に応じて加工された画像データが表す画像が表示される。
【0116】
本実施形態によれば、送信元の状況に応じて加工された写真等が表示されるので、画像処理装置100のユーザは、端末110から受信した写真等を閲覧できるだけでなく、送信元の現在の状況を簡単に知ることができる。例えば、特定の相手との間で画像データ等のやりとりをする画像処理装置100のユーザは、表示パネル106に表示される画像へのエフェクトが、以前他の画像データを受信したときにかかったエフェクトと異なる場合には、その特定の相手がいる環境に何らかの変化が生じた、ということが直感的に掴めるようになる。
【0117】
また、図8〜12に例示するような特徴データが表す特徴と変換パラメータとの対応付けが予め知らされているユーザは、表示パネル106に表示される画像へのエフェクトの種類を判断することにより、画像データの送信者がいる場所の具体的な環境(時刻、天気、気温、湿度、風速など)を直感的に把握できるようになる。画像処理装置100のユーザは、より新鮮な感動が得られ、違和感なく送信元との一体感が得られるようになる。
【0118】
(実施形態2)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。上記実施形態では画像処理システム10に情報サーバ130が含まれているが、本実施形態は、情報サーバ130を省略している点で、上記実施形態と異なる。
【0119】
図16は、本実施形態における画像処理システム10の構成を示す図である。画像処理システム10は、画像処理装置100と端末110とメールサーバ120とネットワーク140とを備える。画像処理装置100とメールサーバ120とネットワーク140のハードウェア構成は、それぞれ上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0120】
図17は、端末110のハードウェア構成を示す図である。端末110は、測定装置118を更に備える。測定装置118を除く他の構成要素については、上述の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0121】
測定装置118は、端末110の周囲の気温を測定する温度センサーを備える。測定装置118は、気温を測定して制御部111に入力する。制御部111は、入力された気温を示すデータを作成する。ここで作成されるデータは、上述の特徴データに相当する。すなわち、制御部111は、上述の環境データの代わりに特徴データを生成し、記憶部114に記憶する。
【0122】
測定装置118は、温度センサーの代わりに、もしくは温度センサーに加えて、端末110の周囲の湿度を測定するセンサー、端末110の周囲の気圧を測定するセンサー、端末の現在位置を測定するセンサーなどを備えてもよい。そして、制御部111は、測定された湿度、気圧、あるいは現在位置を含む特徴データを生成してもよい。
【0123】
測定装置118が温度、湿度、気圧、位置等を測定するタイミングは任意である。例えば、測定装置118は、制御部111の制御により、所定の周期的なタイミングで温度、湿度、気圧、位置等を測定してもよい。そして、制御部111は、所定の周期的なタイミングで測定されたデータを含む特徴データを記憶部114に記憶してもよい。
【0124】
図18は、本実施形態における画像処理システム10の機能的な構成を示す図である。端末110は、画像データ送信部1821を備える。画像処理装置100は、パラメータ記憶部1831と画像データ受信部1832と画像変換部1835と表示部1836とを備える。
【0125】
画像データ送信部1821は、画像データと特徴データを画像処理装置100に送信する。制御部111と記憶部114とI/F116と測定装置118が協働して、画像データ送信部1821として機能する。
【0126】
パラメータ記憶部1831は、特徴データが示す特徴と対応付けて、画像処理に用いる所定の変換パラメータを記憶する。二次記憶装置103が、パラメータ記憶部1831として機能する。パラメータ記憶部1831は、上述のパラメータ記憶部631と同等の機能を有する。
【0127】
画像データ受信部1832は、端末110から画像データと特徴データを受信する。制御部101と通信部109が協働して、画像データ受信部1832として機能する。
【0128】
画像変換部1835は、画像データ受信部1832により受信された特徴データに対応付けられる変換パラメータをパラメータ記憶部1831から取得し、取得した変換パラメータを用いて、画像データ受信部1832により受信された画像データを変換する。画像変換部1835は、上述の画像変換部635と同等の機能を有する。制御部101が画像変換部1835として機能する。
【0129】
表示部1836は、画像変換部1835により変換された画像データが表す画像を、表示パネル106が備える表示装置に表示する。制御部101と駆動回路105と表示パネル106が協働して、表示部1836として機能する。
【0130】
画像処理システム10の上記各部が行う画像処理の流れについて、図19を用いて説明する。
【0131】
まず、端末110の画像データ送信部1821は、画像データと特徴データを画像処理装置100に送信する(ステップS1901)。
【0132】
より詳細には、画像データ送信部1821は、画像データと特徴データとを添付し且つ画像処理装置100を送信先に指定した電子メールをメールサーバ120に送信する。メールサーバ120は、送信先に指定された画像処理装置100へこの電子メールを転送する。
【0133】
画像データ送信部1821は、画像データを送信するときに測定装置118によって測定された値を含む特徴データを送信してもよいし、画像データを送信する前の任意のタイミングに予め測定された測定値を含む特徴データを送信してもよい。
【0134】
画像処理装置100の画像データ受信部1832は、画像データと特徴データとを端末110から受信する(ステップS1902)。
【0135】
例えば、画像処理装置100の画像データ受信部1832は、定期的なタイミングで、自機に宛てた電子メールが送信されてきたか否かをメールサーバ120に問い合わせ、新たな電子メールが送信されてきたと判断した場合に、画像データと特徴データが添付された電子メールを受信する。
【0136】
画像変換部1835は、ステップS1901で受信した特徴データと、パラメータ記憶部1831に記憶される変換パラメータと、に基づいて、ステップS1902で端末110から受信した画像データに施す画像処理に用いる変換パラメータを決定する(ステップS1903)。
【0137】
例えば、図9〜10に示すように変換パラメータが定義される場合において、端末110から受信した特徴データが示す気温が“摂氏15度”、湿度が“70%”であったとすると、変換パラメータとして、次のような具体的な内容が決定される。
・デフォルメ:「おとなしく」(気温“摂氏15度”に対応する)
・タッチ:「激しく」(湿度“70%”に対応する)
【0138】
画像変換部1835は、ステップS1903で決定した変換パラメータに従って、ステップS1901で受信した画像データを変換する(ステップS1904)。
【0139】
そして、表示部636は、ステップS1904で変換された画像データが表す画像を表示パネル106に表示する(ステップS1905)。つまり、表示パネル106には、端末110から送信された画像データが表す画像がそのまま表示されるのではなく、その画像データを送信した端末110が置かれた環境に応じて加工された画像データが表す画像が表示される。
【0140】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。また、上述した実施形態の各構成要素を自由に組み合わせることも可能である。
【0141】
(変形例1)
上記実施形態では、画像処理装置100の画像変換部635は、環境データと共に送信される画像データについて画像変換を行っているが、過去に受信してメモリーカード200等に保存された画像データや、電子メールを受信した時点で既に表示部636が表示していた画像データについて画像変換を行って表示するようにしてもよい。
【0142】
例えば、過去に受信した画像データであって、自然の景色を撮影した写真を表す画像データを表示部636が表示中であるときに、新たな環境データと画像データが添付された電子メールを画像データ受信部632が受信すると、特徴データ受信部634は、新たに受信した環境データに指定される環境に対応する特徴データを情報サーバ130から取得する。そして、画像変換部635は、取得した特徴データに基づいて変換パラメータを決定し、現在表示部636により表示されている画像データについて、決定した変換パラメータを用いて画像変換を行って表示する。
このようにすれば、表示中の写真が画像処理装置100のユーザの意志に反して入れ替わってしまうことがないものの、その写真へのエフェクトが切り替わるため、特徴データによって表される特徴とエフェクトとの関連付けを予め知っているユーザは、どのような相手から新たな画像データが送られてきたのかを直感的に把握できるようになる。例えば、変換パラメータが図9に示すように定義されている場合、表示パネル106によって現在表示されている写真に、大きくデフォルメされるエフェクトがかかると、ユーザは、「気温35度以上の南国に住む人から新たな画像データが送られてきた」ことを直感的に知ることができる。
【0143】
(変形例2)
上記実施形態では、端末110から画像処理装置100へ送られる環境データには、端末110の地理的な位置を指す情報が格納されているが、端末110の地理的な位置を指す情報の代わりに、もしくは、端末110の地理的な位置を指す情報に加えて、端末110のユーザに関する情報(端末ユーザ情報)が格納されていてもよい。
例えば、端末ユーザ情報として、ユーザの年齢、性別、家族構成、嗜好などを含めることができる。この場合、端末110の制御部111は、端末110のユーザの年齢、性別、家族構成、嗜好などの入力を受け付け、環境データに格納し、画像処理装置100へ送信すればよい。
このようにすれば、特徴データによって表される特徴とエフェクトとの関連付けを予め知っているユーザは、どのような相手から新たな画像データが送られてきたのかを直感的に把握できるようになる。例えば、変換パラメータが図15に示すように定義されている場合、表示パネル106によって現在表示されている写真に、クレヨンで描いたようなエフェクトがかかると、ユーザは、「家族に幼児がいる人から新たな画像データが送られてきた」ことを直感的に知ることができる。なお、一般に、幼児が絵を描く際にはクレヨンを用いることが多い傾向にあるので、特徴データによって表される特徴とエフェクトとの関連付けを正確に把握していないユーザであっても、どのような相手から新たな画像データが送られてきたのかを直感的に推測することができる。
【0144】
上記説明では、画像処理装置100としてデジタルフォトフレームを用いた実施形態について述べたが、ネットワーク通信機能を有するパーソナルコンピュータ、携帯端末、携帯電話機、ゲーム装置、その他情報処理装置に本発明を適用することが可能である。
【0145】
また、端末110としてパーソナルコンピュータを用いた実施形態を説明したが、端末110は、ネットワーク通信機能を有するデジタルスチルカメラ(デジタルカメラ)、携帯電話機、携帯端末など、他の電子機器であってもよい。
【0146】
以上説明したように、本発明によれば、画像データの送信者がおかれている環境を反映した画像を受信者に提示するために好適な画像処理システム、画像処理装置、画像処理方法、及び、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0147】
10…画像処理システム、100…画像処理装置、101…制御部、102…一次記憶装置、103…二次記憶装置、104…撮影装置、105…駆動回路、106…表示パネル、107…入力装置、108…読出装置、109…通信部、110…端末、111…制御部、112…RAM、113…ROM、114…記憶部、115…出力部、116…I/F、117…入力受付部、118…測定装置、120…メールサーバ、121…制御部、122…通信部、123…記憶部、130…情報サーバ、131…制御部、132…通信部、133…記憶部、611…特徴データ記憶部、612…特徴データ送信部、621…画像データ送信部、631…パラメータ記憶部、632…画像データ受信部、633…通知部、634…特徴データ受信部、635…画像変換部、636…表示部、1821…画像データ送信部、1831…パラメータ記憶部、1832…画像データ受信部、1835…画像変換部、1836…表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データの送信者がおかれている環境を反映した画像を受信者に提示するために好適な画像処理システム、画像処理装置、画像処理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが撮影したりユーザが他のユーザから取得したりした画像データが表す画像を表示する、いわゆるデジタルフォトフレームと呼ばれる機器が普及している。ユーザは、自分の好みの画像などをデジタルフォトフレームに表示させて閲覧することができる。また、近年、デジタルフォトフレームを利用した様々なサービスがユーザに提供されつつある。例えば、特許文献1には、撮影された時の天気情報に基づいて画像を加工して表示する画像表示装置が開示されている。一方で、ユーザが撮影した画像データを、ネットワークを介して他のユーザに送ることができるサービスが提供され始めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−258965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1によれば、画像が撮影された時の天気に応じた画像変換を行うのであり、画像データの受信者は、画像データの送信者についての情報を得ることが出来なかった。例えば、画像データの受信者にとっては、画像データの送信者がおかれている周囲の環境が伝わらないため、興趣性が十分に得られないことがあった。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するものであり、画像データの送信者がおかれている環境を反映した画像を受信者に提示するために好適な画像処理システム、画像処理装置、画像処理方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0007】
本発明の第1の観点に係る画像処理システムは、画像処理装置と端末とを含む画像処理システムであって、
前記端末は、
画像データと、前記端末が存在する環境の特徴を表す特徴データと、を、前記画像処理装置に送信する画像データ送信手段を備え、
前記画像処理装置は、
前記特徴データが示す特徴と対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
前記画像データと前記特徴データとを前記端末から受信する画像データ受信手段と、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段と、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の観点に係る画像処理システムは、画像処理装置と端末と情報サーバとを含む画像処理システムであって、
前記情報サーバは、
前記端末が設置されうる環境と対応付けて、当該環境の特徴を表す特徴データを記憶する特徴データ記憶手段を備え、
前記端末は、
画像データと、前記端末が設置された環境を表す環境データと、を、前記画像処理装置に送信する画像データ送信手段を備え、
前記画像処理装置は、
前記特徴データが示す特徴と対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
前記画像データと前記環境データとを前記端末から受信する画像データ受信手段と、
前記受信した環境データが示す環境を前記情報サーバに通知する通知手段と、
を備え、
前記情報サーバは、
前記画像処理装置から通知された環境に対応付けられる特徴データを前記特徴データ記憶手段から取得し、当該取得した特徴データを前記画像処理装置に送信する特徴データ送信手段を更に備え、
前記画像処理装置は、
前記情報サーバから前記特徴データを受信する特徴データ受信手段と、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段と、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段と、
を更に備える、
ことを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の観点に係る画像処理装置は、
端末が存在する環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
前記画像データと前記特徴データとを前記端末から受信する画像データ受信手段と、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段と、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の第4の観点に係る画像処理装置は、
端末が設置されうる環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
画像データと、当該画像データの送信元となる前記端末が設置された環境を表す環境データと、を、前記端末から受信する画像データ受信手段と、
前記受信した環境データが示す環境に予め対応付けられる特徴データを、ネットワークを介して外部から受信する特徴データ受信手段と、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段と、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の第5の観点に係る画像処理方法は、パラメータ記憶手段を有する画像処理装置において実行される画像処理方法であって、
前記パラメータ記憶手段には、端末が存在する環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータが記憶され、
前記画像データと前記特徴データとを前記端末から受信する画像データ受信ステップと、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換ステップと、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第6の観点に係る画像処理方法は、パラメータ記憶手段を有する画像処理装置において実行される画像処理方法であって、
前記パラメータ記憶手段には、端末が設置されうる環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータが記憶され、
画像データと、当該画像データの送信元となる前記端末が設置された環境を表す環境データと、を、前記端末から受信する画像データ受信ステップと、
前記受信した環境データが示す環境に予め対応付けられる特徴データを、ネットワークに接続されるサーバから受信する特徴データ受信ステップと、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の第7の観点に係るプログラムは、コンピュータを、
端末が存在する環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段、
前記画像データと前記特徴データとを前記端末から受信する画像データ受信手段、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段、
として機能させることを特徴とする。
【0014】
本発明の第8の観点に係るプログラムは、コンピュータを、
端末が設置されうる環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段、
画像データと、当該画像データの送信元となる前記端末が設置された環境を表す環境データと、を、前記端末から受信する画像データ受信手段、
前記受信した環境データが示す環境に予め対応付けられる特徴データを、ネットワークに接続されるサーバから受信する特徴データ受信手段、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、画像データの送信者がおかれている環境を反映した画像を受信者に提示するために好適な画像処理システム、画像処理装置、画像処理方法、及び、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】画像処理システムの構成を示す図である。
【図2】画像処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【図3】端末のハードウェア構成を示す図である。
【図4】メールサーバのハードウェア構成を示す図である。
【図5】情報サーバのハードウェア構成を示す図である。
【図6】画像処理システムの機能的な構成を示す図である。
【図7】(a)と(b)は、特徴データの構成例を示す図である。
【図8】変換パラメータの構成例を説明するための図である。
【図9】変換パラメータの構成例を説明するための図である。
【図10】変換パラメータの構成例を説明するための図である。
【図11】変換パラメータの構成例を説明するための図である。
【図12】変換パラメータの構成例を説明するための図である。
【図13】変換パラメータの構成例を説明するための図である。
【図14】画像処理システムにて行われる処理の流れを説明するための図である。
【図15】変換パラメータの構成例を説明するための図である。
【図16】実施形態2における画像処理システムの構成を示す図である。
【図17】端末のハードウェア構成を示す図である。
【図18】画像処理システムの機能的な構成を示す図である。
【図19】画像処理システムにて行われる処理の流れを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素を均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0018】
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る画像処理システム10の構成を示す図である。
まず、画像処理システム10の全体の概要について説明する。画像処理システム10は、画像処理装置100と、端末110と、メールサーバ120と、情報サーバ130と、ネットワーク140と、を備える。
【0019】
画像処理装置100は、ネットワーク140を介してメールサーバ120から電子メールを受信し、受信した電子メールに添付された画像データが表す画像を表示する。また、画像処理装置100は、予め受信あるいは記憶した画像データが表す画像を表示する。本実施形態の画像処理装置100は、一般には“デジタルフォトフレーム”あるいは“デジタルフォトスタンド”とも呼ばれる。
【0020】
画像処理装置100は、メールサーバ120から受信した画像データあるいは画像処理装置100が記憶した画像データが表す画像を、単に表示するだけでなく、画像処理を施した後に表示することができる。画像処理には、例えば、色鉛筆風のフィルター処理、水彩画風のフィルター処理、油彩画風のフィルター処理などがある。詳細は後述する。
【0021】
端末110は、ユーザによって作成された電子メールをメールサーバ120に送信する。送信された電子メールは、メールサーバ120から画像処理装置100や他の図示しない端末等へ送信される。
【0022】
端末110から送信される電子メールには、ユーザによって作成された電子メールの本文のほか、デジタルスチルカメラ等で撮影された画像データや、端末110が設置される環境を示し所定のフォーマットで予め用意されるデータ(以下「環境データ」という。)などを添付することができる。詳細は後述する。
【0023】
メールサーバ120は、端末110から受信した電子メールで指定された宛先に、その電子メールを転送する。画像データと環境データが添付され端末110から送信された電子メールは、宛先として指定された画像処理装置100に送信される。電子メールの送受信には、典型的にはSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)が用いられる。
【0024】
画像データと環境データが添付される電子メールは、ネットワーク140とメールサーバ120を介して、宛先として指定されたアドレスに送信されるのであるが、以下の説明においては、「電子メールが端末110から画像処理装置100に送信される」というように、ネットワーク140を介したメールサーバ120による処理を省略して表現することがある。
【0025】
情報サーバ130は、端末110が設置されうる環境(例えば、地理的な位置など)に対応する、現在の時刻、現在の天気、現在の気温、現在の湿度、現在の風速などを、他のサーバ(図示せず)から取得する。そして、情報サーバ130は、環境を示す情報と対応付けて、現在の時刻、現在の天気、現在の気温、現在の湿度、現在の風速などを示すデータ(以下「特徴データ」という。)を格納する。
【0026】
そして、情報サーバ130は、画像処理装置100からの通知に応答して、通知された環境を示す情報に対応する、現在の時刻、現在の天気、現在の気温、現在の湿度、現在の風速などを表す特徴データを、画像処理装置100に送信する。
【0027】
例えば、画像処理装置100が端末110の現在位置を情報サーバ130に通知すると、情報サーバ130は、この通知に応答して、端末110の現在位置に対応付けられる天気などに関するデータを画像処理装置100に送信する。画像処理装置100は、任意の場所の特徴を表す情報を取得することができる。
【0028】
ネットワーク140は、典型的にはインターネットであるが、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、専用回線、電話回線などでもよい。
【0029】
本図には端末110が1つしか図示されていないが、複数の端末110を画像処理システム10に含めることが可能である。また、複数の画像処理装置100を画像処理システム10に含めることもできる。
【0030】
次に、画像処理装置100、端末110、メールサーバ120、情報サーバ130のそれぞれについて、ハードウェア構成を説明する。
【0031】
まず、画像処理装置100のハードウェア構成について、図2を用いて説明する。
画像処理装置100は、制御部101、一次記憶装置102、二次記憶装置103、撮影装置104、駆動回路105、表示パネル106、入力装置107、読出装置108、通信部109を備える。
【0032】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置から構成され、画像処理装置100の全体の制御を行う。また、制御部101は、一次記憶装置102や二次記憶装置103に格納されるプログラムを読み出し、読み出したプログラムに基づいて所定の処理を実行する。例えば、制御部101は、受信した画像データに所定のエフェクト処理を行って、表示パネル106に表示させる。エフェクト処理には様々なバリエーションがある。詳細は後述する。
【0033】
制御部101は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit;特定用途向け集積回路)を備えてもよく、この場合には、CPUが行う画像データの変換処理などの一部又は全部をASICが行ってもよい。ASICは、例えば、DSP(Digital Signal Processor)である。
【0034】
一次記憶装置102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。RAMは、制御部101が所定の処理(例えば、画像変換処理等)を実行するために読み出したプログラムや、制御部101がプログラムを実行するために必要なデータを一時的に格納する揮発性メモリである。ROMは、制御部101が所定の処理を実行するためのプログラム等を予め格納する不揮発性メモリである。制御部101は、必要に応じてプログラム等をROMや二次記憶装置103からRAMに読み出し、読み出したプログラム等に基づいて所定の処理を実行する。
【0035】
二次記憶装置103は、フラッシュメモリやハードディスクなどから構成される。二次記憶装置103には、画像処理装置100に接続される情報記録媒体等から読み出した画像データが記憶されるほか、例えば、画像の中に飾りとして表示されるデータや、画像合成のフィルターとして用いられるデータなど、画像変換処理に必要な様々なデータを記憶する。
【0036】
撮影装置104は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を有するカメラを備える。撮像素子は、検知した像のRGB(Red, Green, Blue)値で表される光の強さを光電変換して撮像信号を生成する。撮影装置104は、撮像信号に各種処理を行って、デジタルの静止画像元データを生成する。撮影装置104は、風景や人物などを撮影し、撮影した静止画像を表す撮像信号を生成し、生成した撮像信号をもとに、デジタルの静止画像元データを生成する。これらの一連の処理を連続して実行すると、動画像データが得られる。
【0037】
撮影装置104は、生成した静止画像元データを一次記憶装置102に供給する。一次記憶装置102は、供給された静止画像元データを受け取り、受け取った静止画像元データを記憶する。制御部101は、一次記憶装置102が記憶する静止画像元データを用いて、例えば、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling)、サンプリング後の撮像信号に施す自動利得調整(Automatic Gain Control)、及び、自動利得調整後のアナログの撮像信号をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換等を行う。
【0038】
駆動回路105は、再生すべき静止画像元データを受け取ると、表示パネル106を駆動し、静止画像元データが表す画像を表示パネル106に表示する。画像処理装置100のユーザは、エフェクト処理が施された画像を閲覧することができる。
【0039】
表示パネル106は、例えば、液晶表示パネルや有機EL表示パネル等から構成される。表示パネル106は、制御部101の制御の下、画像変換後の画像データが表す画像などを表示する。
【0040】
入力装置107は、例えば、再生を開始する旨をユーザから受け付けるためのキー、再生の対象となる画像データを指定する旨をユーザから受け付けるためのキー、再生を停止する旨をユーザから受け付けるためのキーなど、所定の動作に対応付けられるキー等を1つ以上備える。入力装置107は、ユーザによる所望の指示を受け付けるインターフェースである。
【0041】
読出装置108は、着脱可能なメモリーカード200に記録された画像データを読み出すドライブ装置から構成される。読出装置108は、メモリーカード200に記録された画像データを読み出し、一次記憶装置102に供給する。供給された画像データは、制御部101により画像処理される。
【0042】
通信部109は、画像処理装置100をネットワーク140と繋ぐNIC(Network Interface Card)を備える。通信部109は、制御部101による制御に従って、画像処理装置100と端末110との間で、あるいは画像処理装置100とメールサーバ120の間で、あるいは画像処理装置100と情報サーバ130との間で、様々なデータを送受信することができる。
【0043】
制御部101、一次記憶装置102、二次記憶装置103、撮影装置104、駆動回路105、表示パネル106、入力装置107、読出装置108、及び、通信部109は、システムバスと呼ばれる伝送経路で接続される。
【0044】
次に、端末110のハードウェア構成について、図3を用いて説明する。
端末110は、制御部111、RAM112、ROM113、記憶部114、出力部115、I/F(インターフェース)116、入力受付部117から構成される。
【0045】
制御部111は、CPU等の演算処理装置を備え、端末110の全体の制御を行う。また、制御部111は、ROM113や記憶部114に格納されたプログラムを読み出し、読み出した画像データを画像処理装置100へ送信する処理などの所定の処理を実行する。
【0046】
RAM112は、制御部111が読み出したプログラムやデータを一時的に格納する揮発性メモリである。
【0047】
ROM113は、制御部111が所定の処理を実行するためのプログラム等を予め格納する不揮発性メモリである。制御部111は、必要に応じてプログラム等をROM113からRAM112に読み出し、読み出したプログラム等に基づいて様々な処理を実行する。
【0048】
記憶部114は、ハードディスクドライブ等の記憶装置を備える。記憶部114には、例えば、端末110のユーザが撮影した写真などを表す画像データが記憶される。
【0049】
出力部115は、モニター等の表示装置やスピーカー等の音声出力装置を備える。制御部111は、出力部115を制御して、任意の画像を表示装置に表示させたり、任意の音声をスピーカーに出力させたりする。
【0050】
I/F116は、CD−ROM(Compact Disc ROM)やDVD−ROM(Digital Versatile Disk ROM)等の記録媒体に記録されたデータを読み出すためのドライブ装置や、端末110をネットワーク140に繋ぐNICなどを備える。
【0051】
入力受付部117は、キーボードやマウス等の入力装置を備え、入力装置を用いてユーザから入力される指示を受け付け、受け付けた指示に対応する信号を制御部111に入力する。
【0052】
なお、一般的に普及しているパーソナルコンピュータ等を端末110として動作させることができる。
【0053】
次に、メールサーバ120のハードウェア構成について、図4を用いて説明する。
メールサーバ120は、制御部121、通信部122、記憶部123を備える。
【0054】
制御部121は、CPUや、ワークエリアとなるRAMなどの所定の記憶装置を備える。制御部121は、記憶部123に記憶されるオペレーティングシステムやプログラム等に従って、メールサーバ120の全体を制御する。
【0055】
通信部122は、NIC、ルータ、あるいは、モデムといった所定の通信装置から構成される。例えば、通信部122は、制御部121からの指示に基づいて、端末110から送信された電子メールを、指定された宛先に転送する。
【0056】
記憶部123は、ハードディスク装置やROMなどといった所定の記憶装置を備える。例えば、記憶部123は、メールサーバ120を制御するためのプログラムやオペレーティングシステム等を記憶する。
【0057】
次に、情報サーバ130のハードウェア構成について、図5を用いて説明する。
情報サーバ130は、制御部131、通信部132、記憶部133を備える。
【0058】
制御部131は、CPUや、ワークエリアとなるRAMなどの所定の記憶装置を備える。制御部131は、記憶部133に記憶されるオペレーティングシステムやプログラム等に従って、情報サーバ130の全体を制御する。
【0059】
通信部132は、NIC、ルータ、あるいは、モデムといった所定の通信装置を備える。例えば、環境データによって指定される位置(地理的な位置)に対応付けられる天候などを表すデータの送信を要求する旨が画像処理装置100から通知されると、通信部132は、制御部131からの通知に応じて天候などのデータを取得して、画像処理装置100に送信する。
【0060】
記憶部133は、ハードディスク装置やROMなどといった所定の記憶装置から構成される。例えば、記憶部133は、情報サーバ130を制御するためのプログラムやオペレーティングシステム等を記憶する。また、記憶部133は、環境を表す情報(典型的には位置を示す情報)と対応付けて、現在の時刻、現在の天気、現在の気温、現在の湿度、現在の風速などを示す情報を記憶する。
【0061】
例えば、端末110から受信した環境データに指定される位置が画像処理装置100から情報サーバ130へ通知されると、情報サーバ130は、通知された位置に対応付けられる天気や時刻などを表す特徴データを画像処理装置100に送信する。画像処理装置100は、環境データに指定される位置における現在の天気などの情報を任意のタイミングで取得することができる。詳細は後述する。
【0062】
次に、本実施形態の画像処理システム10の機能的な構成について説明する。
図6は、画像処理システム10の機能的な構成を示す図である。
【0063】
情報サーバ130は、特徴データ記憶部611、特徴データ送信部612を備える。
端末110は、画像データ送信部621を備える。
画像処理装置100は、パラメータ記憶部631、画像データ受信部632、通知部633、特徴データ受信部634、画像変換部635、表示部636を備える。
【0064】
情報サーバ130の特徴データ記憶部611は、環境を示す情報と対応付けて特徴データを記憶する。上述したように、特徴データは、例えば、ある地理的な位置における、現在の時刻、現在の天気、現在の気温、現在の湿度、現在の風速などを表すデータである。記憶部133が、特徴データ記憶部611として機能する。
【0065】
図7(a),(b)は、特徴データ記憶部611に記憶される環境データと特徴データの構成例を表す。環境データが示す環境とは、典型的には、位置(地理的意味で言う位置)である。位置は、例えば、緯度と経度との組み合わせや、郵便番号などで表される。あるいは、位置は、住所、電話番号、ネットワーク140に接続するためのアクセスポイントの固定IPアドレス、宅配業者等が管理する配送センターコード、などで表されてもよい。日時は、日にちと時刻によって表されてもよいし、ある基準となる地点(例えば、情報サーバ130が設置されている建物の位置や、グリニッジ標準時GMTの基準点など)との時差で表されてもよい。
【0066】
図7(a),(b)では、特徴データが示す特徴として、時刻、天気、気温、湿度、風速を採用しているが、他の情報を採用することもでき、特徴データの具体的な内容は本発明によって限定されない。
【0067】
制御部131は、特徴データ記憶部611に記憶される特徴データを、定期的なタイミングで取得し、適宜更新するものとする。例えば、制御部131は、所定の定期的なタイミングで、ネットワーク140に接続される他のサーバから天気などのような特徴を示す情報を取得して、特徴データを更新する。なお、日時については、制御部131は、所定の時差に基づいて計算した後、更新することもできる。また、環境データが示す日時と、情報サーバ130が設置されている位置の日時と、の間に時差が無い場合には、特徴データが示す特徴に、必ずしも日時を含めなくてもよい。
【0068】
図7(b)は、図7(a)に示す特徴データが更新された後の、環境データと特徴データの構成例を表す図である。第1のタイミングで特徴データ記憶部611に記憶された特徴データが示す特徴と、第1のタイミングより後の第2のタイミングで取得された特徴と、が異なる場合、制御部131は、特徴データ記憶部611に記憶される特徴データが示す特徴を、第2のタイミングで取得された特徴に書き換える。
【0069】
例えば、図7(a),(b)は、図7(a)に示す特徴データが特徴データ記憶部611に記憶された第1のタイミングから約30分後の第2のタイミングに、“郵便番号100-8915”が示す位置における天気が“晴れ”から“曇り”に、気温が“摂氏15.5度”から“摂氏14.0度”に、湿度が“40%”から“45%”にそれぞれ変化し、風速は変化していないことを示している。
【0070】
なお、特徴データを更新する周期は、本発明によって限定されない。また、特徴データを更新する周期は、環境データが示す環境ごとに異なっていてもよい。
【0071】
次に、情報サーバ130の特徴データ送信部612は、特徴データ記憶部611に記憶されている特徴データの中から、画像処理装置100から通知された環境に対応する特徴データを取得して、画像処理装置100に送信する。制御部131と通信部132と記憶部133が協働して、特徴データ送信部612として機能する。
【0072】
なお、画像処理装置100から通知された環境に対応する特徴データが特徴データ記憶部611に記憶されていない場合には、制御部131は、通知された環境に近い他の環境に対応する特徴データを取得して送信する。例えば、通知された位置に対応する特徴データが特徴データ記憶部611に記憶されていない場合、制御部131は、通知された位置に最も近い位置や通知された位置の周辺地域に対応する特徴データを取得して送信する。
【0073】
また、画像処理装置100から通知された環境に対応する特徴データが、最後に更新されてから所定時間以上経過している場合(古いデータである場合)には、制御部131は、通知された環境に近い他の環境に対応する特徴データであって、更新日時が最も新しい特徴データを取得して送信する。例えば、通知された位置に対応する特徴データが、最後に更新されてから所定時間以上経過している場合、制御部131は、通知された位置に最も近い位置や通知された位置の周辺地域に対応する特徴データであって、更新日時が最も新しい特徴データを取得して送信する。
【0074】
次に、端末110の画像データ送信部621は、画像データと、端末110が存在する位置などの環境を示す環境データと、を、画像処理装置100に送信する。制御部111と記憶部114とI/F116が協働して、画像データ送信部621として機能する。
【0075】
画像データは、端末110のユーザによって撮影もしくは作成され、記憶部114に予め記憶される。例えば、ユーザは、デジタルスチルカメラなどで撮影した風景や人物などを表す画像データを、記憶部114にコピーして保存する。
【0076】
画像データのフォーマットは本発明によって限定されないが、ネットワーク140を介した送受信にかかるコストを考慮し、データサイズが小さくなるように圧縮したデータであることが望ましい。画像データは、所定の暗号化アルゴリズムを用いて暗号化されたデータであってもよい。
【0077】
環境データは、上述したように、端末110が設置される環境を示し、所定のフォーマットで予め用意されるデータである。環境データは、記憶部114に予め記憶される。端末110が設置される環境とは、具体的には例えば、端末110が設置される場所の郵便番号、住所、緯度や経度によって表される位置などである。
【0078】
制御部111は、環境データを書き換えることが可能である。例えば、ユーザがキーボード等を操作して、郵便番号、住所、位置などを入力する。ユーザは、これらの情報を随時入力し直すことができる。制御部111は、入力された情報を環境データに格納する。
【0079】
環境データのフォーマットは本発明によって限定されない。本実施形態では、テキスト形式で保存されるものとする。
【0080】
次に、画像処理装置100のパラメータ記憶部631は、特徴データが示す特徴と対応付けて、画像処理に用いる所定の変換パラメータを記憶する。二次記憶装置103が、パラメータ記憶部631として機能する。
【0081】
図8〜図12に、パラメータ記憶部631に記憶される変換パラメータの構成例を示す。
【0082】
図8は、変換パラメータの一つである「変換アルゴリズム」を表す。パラメータ記憶部631には、天気と対応付けて、画像処理に用いる変換アルゴリズムを指定する情報が記憶される。
例えば、情報サーバ130から“快晴”を示す情報が送られると、制御部101は、端末110から受信した画像データに対して、色鉛筆で描かれたような画像になるようにエフェクト処理を施す、と判断する。
天気の分類の仕方や変換アルゴリズムの分類の仕方は、任意である。また、天気と変換アルゴリズムとの対応付けを任意に変更した実施形態を採用することも可能である。
【0083】
図9は、変換パラメータの一つである「デフォルメ」を表す。パラメータ記憶部631には、気温と対応付けて、画像データの特徴部分を誇張するように変形を加えるエフェクトの程度を指定する情報が記憶される。
例えば、情報サーバ130から“気温10℃未満”を示す情報が送られると、制御部101は、端末110から受信した画像データに対して、非常におとなしい程度に特徴部分を誇張した画像となるようにエフェクト処理を施す、と判断する。
気温の分類の仕方やデフォルメの程度の分類の仕方は、任意である。また、気温とデフォルメの程度との対応付けを任意に変更した実施形態を採用することも可能である。
【0084】
図10は、変換パラメータの一つである「タッチ」を表す。パラメータ記憶部631には、湿度と対応付けて、作風や筆触を変えるエフェクトの程度を指定する情報が記憶される。
例えば、情報サーバ130から“湿度10%未満”を示す情報が送られると、制御部101は、端末110から受信した画像データに対して、非常におとなしい筆触に変えた画像となるようにエフェクト処理を施す、と判断する。
湿度の分類の仕方やタッチの程度の分類の仕方は、任意である。また、湿度とタッチの程度との対応付けを任意に変更した実施形態を採用することも可能である。
【0085】
図11は、変換パラメータの一つである「筆の太さ」を表す。パラメータ記憶部631には、風速と対応付けて、輪郭線や特徴線などの太さを指定する情報が記憶される。ただし、筆の太さは、画像に含まれる輪郭線や特徴線の太さに限られない。
例えば、情報サーバ130から“風速1メートル未満”を示す情報が送られると、制御部101は、端末110から受信した画像データに対して、画像に含まれる輪郭線や特徴線が細くなるようにエフェクト処理を施す、と判断する。 風速の分類の仕方や筆の太さの程度の分類の仕方は、任意である。また、風速と筆の太さの程度との対応付けを任意に変更した実施形態を採用することも可能である。
【0086】
図12は、変換パラメータの一つである「素材」を表す。パラメータ記憶部631には、時刻と対応付けて、絵を描く際に用いられる素材(仮想的な素材)の種類を指定する情報が記憶される。
例えば、情報サーバ130から“時刻0時30分”を示す情報が送られると、制御部101は、端末110から受信した画像データに対して、まるで滑らかな紙に描いたかのような画像になるようにエフェクト処理を施す、と判断する。
時刻の分類の仕方や素材の分類の仕方は、任意である。また、時刻と素材との対応付けを任意に変更した実施形態を採用することも可能である。
【0087】
図8〜図12は、変換パラメータの構成の例示であり、これらに限定されるわけではない。パラメータ記憶部631には、組み合わせを自由に変更した変換パラメータが記憶されてもよい。例えば、パラメータ記憶部631には、天気と対応付けて、「変換アルゴリズム」の代わりに「デフォルメ」など他の変換パラメータが記憶されていてもよい。
【0088】
また、パラメータ記憶部631には、環境(天気、気温、湿度、風速、時刻など)と対応付けて、複数の変換パラメータが記憶されていてもよい。すなわち、図13に示すように、パラメータ記憶部631には、天気と対応付けて、2つの変換パラメータ「変換アルゴリズム」と「筆の太さ」が記憶されてもよい。ただし、変換パラメータの組み合わせ方は自由である。
例えば、情報サーバ130から“晴れ”を示す情報が送られると、制御部101は、端末110から受信した画像データに対して、まるで色鉛筆風に描かれたように見えるエフェクトをかけ、且つ、輪郭線や特徴線を太くするというエフェクトをかける、と判断する。
【0089】
次に、画像データ受信部632は、画像データと環境データを端末110から受信する。制御部101と通信部109が協働して、画像データ受信部632として機能する。
【0090】
通知部633は、画像データ受信部632により受信された環境データが示す環境についての情報を情報サーバ130に通知する。例えば、通知部633は、環境データにおいて指定される位置を示す情報を情報サーバ130に通知する。制御部101と通信部109が協働して、通知部633として機能する。
【0091】
特徴データ受信部634は、通知部633が通知した環境に対応する特徴データを情報サーバ130から受信する。制御部101と通信部109が協働して、特徴データ受信部634として機能する。
【0092】
画像変換部635は、特徴データ受信部634により受信された特徴データに対応付けられる変換パラメータをパラメータ記憶部631から取得し、取得した変換パラメータを用いて、特徴データ受信部634により受信された画像データを変換する。制御部101が画像変換部635として機能する。
【0093】
具体的には、画像変換部635は、画像データを構成する各画素の画素値に対して所定の変換行列を作用させることによるフィルター処理を行うことにより、画像変換を行う。画素値は、典型的には、三原色(RGB)の強さの組み合わせや、三刺激値の強さの組み合わせや、CMYK(C;シアン、M;マゼンダ、Y;イエロー、K;キー)の強さの組み合わせなどで表される。
【0094】
フィルター処理には、例えば、画像の特徴線などを色鉛筆で描いたように変えるフィルターをかける処理、水彩画風に描いたように画像にフィルターをかける処理、油彩画風に描いたように画像にフィルターをかける処理、パステル調で描いたように画像にフィルターをかける処理、シルクスクリーンで印刷されるように画像にフィルターをかける処理、刺繍絵のように画像にフィルターをかける処理、コラージュ(糊付け)風に描いたように画像にフィルターをかける処理、水墨画風に描いたように画像にフィルターをかける処理、エアブラシをかけたように画像にフィルターをかける処理、などがある。これらのフィルター処理は例示であり、画像変換部635は、他の手法により画像変換を行ってもよい。
【0095】
例えば、変換アルゴリズムとして上記「デフォルメ」が指定された場合、画像変換部635は、画像データを複数の領域に分割し、分割された領域ごとに、領域に含まれる画素の空間周波数を計算し、計算された空間周波数が所定値より小さい領域をその画像データの特徴領域と推定する。そして、画像変換部635は、特徴領域に含まれる画素の画素値のうち明度を表す画素値に所定係数を乗じる。この結果、特徴的な部分の明るさが相対的に強調された画像が得られる。
【0096】
例えば、変換アルゴリズムとして上記「タッチ」が指定された場合、画像変換部635は、計算された空間周波数の変化が所定値より大きい画素の付近に特徴線があるものと推定する。このとき、画像変換部635は、タッチの程度を大きく(より激しく)するほど、所定値を小さく設定する。つまり、タッチがおとなしいときには推定される特徴線の数が少なくなり、タッチが激しいときには推定される特徴線の数が多くなる。この結果、オブジェクトの輪郭などが粗く表現されたり細かく表現されたりした画像が得られる。
【0097】
制御部101は、既存のソフトウェアアプリケーションを使用することにより、あるいは既存のソフトウェアアプリケーションで採用されているアルゴリズムと同等のアルゴリズムを使用することにより、フィルター処理を行ってもよい。例えば、画像変換部635は、アドビ・システムズ社のPHOTOSHOP(登録商標)における各種フィルターと同様の処理を行うことができる。
【0098】
表示部636は、画像変換部635により変換された画像データが表す画像を、表示パネル106が備える表示装置に表示する。制御部101と駆動回路105と表示パネル106が協働して、表示部636として機能する。
【0099】
次に、画像処理システム10の上記各部が行う画像処理の流れについて、図14を用いて説明する。
【0100】
まず、端末110の画像データ送信部621は、画像データと環境データを画像処理装置100に送信する(ステップS1401)。
【0101】
より詳細には、画像データ送信部621は、画像データと環境データとを添付し且つ画像処理装置100を送信先に指定した電子メールをメールサーバ120に送信する。メールサーバ120は、送信先に指定された画像処理装置100へこの電子メールを転送する。
【0102】
本実施形態では、電子メールシステムを利用して画像データと環境データとを画像処理装置100に送信しているが、他の送受信手段を用いて画像データと環境データとを画像処理装置100に送信してもよい。例えば、電子メールシステムの代わりに、電子メッセンジャーシステムやチャットシステム等を用いてもよい。
【0103】
画像処理装置100の画像データ受信部632は、画像データと環境データとを端末110から受信する(ステップS1402)。
【0104】
例えば、画像処理装置100の画像データ受信部632は、定期的なタイミングで、自機に宛てた電子メールが送信されてきたか否かをメールサーバ120に問い合わせ、新たな電子メールが送信されてきたと判断した場合に、画像データと環境データが添付された電子メールを受信する。
【0105】
なお、画像処理装置100の制御部101は、駆動回路105と表示パネル106を制御して、電子メールを受信した旨を表示することにより、電子メールを受信した旨を画像処理装置100のユーザに提示することが望ましい。
【0106】
通知部633は、画像データ受信部632が受信した環境データにおいて指定される、端末110が設置されている環境を示す情報を、情報サーバ130に通知する(ステップS1403)。
【0107】
例えば、環境データには、端末110が設置されている地域に割り当てられている郵便番号や、端末110が設置されている場所の緯度と経度などが指定される。画像処理装置100の制御部101は、環境データを解析することにより、画像データの送信元の端末110に関する詳しい情報や、画像データの送信元の端末110のユーザに関する詳しい情報を判別することができる。
【0108】
情報サーバ130の特徴データ送信部612は、端末110が設置されている環境を示す情報と、特徴データ記憶部611に記憶される特徴データと、に基づいて、端末110が設置されている環境に対応する特徴データを取得する(ステップS1404)。
【0109】
例えば、図7に示すように特徴データが構成されている場合において、郵便番号“100-8915”を指定する情報が画像処理装置100から通知されると、情報サーバ130の特徴データ送信部612は、“日時:2009年12月28日14時30分55秒、天気:晴れ、気温:摂氏15.5度、湿度40%、風速4メートル毎秒”という内容の特徴データを取得する。
【0110】
特徴データ送信部612は、取得した特徴データを画像処理装置100に送信する(ステップS1405)。
【0111】
画像処理装置100の特徴データ受信部634は、情報サーバ130に通知した環境に対応する特徴データを、情報サーバ130から受信する(ステップS1406)。すなわち、端末110から受信した環境データが示す位置に対応する日時や天気などが得られる。
【0112】
画像変換部635は、ステップS1406で受信した特徴データと、パラメータ記憶部631に記憶される変換パラメータと、に基づいて、ステップS1402で端末から受信した画像データに施す画像処理に用いる変換パラメータを決定する(ステップS1407)。
【0113】
例えば、図8〜図12に示すように変換パラメータが定義される場合において、端末110から受信した環境データに指定された郵便番号が“100-8915”であったとすると、変換パラメータとして、次のような具体的な内容が決定される。
・素材:「滑らかな紙に描いたように」(日時“2009年12月28日14時30分55秒”に対応する)
・変換アルゴリズム:「水彩画風に変換する」(天気“晴れ”に対応する)
・デフォルメ:「ややおとなしく」(気温“摂氏15.5度”に対応する)
・タッチ:「普通」(湿度“40%”に対応する)
・筆の太さ:「やや太く」(風速“4メートル毎秒”に対応する)
【0114】
画像変換部635は、ステップS1407で決定した変換パラメータに従って、ステップS1402で受信した画像データを変換する(ステップS1408)。
【0115】
そして、表示部636は、ステップS1408で変換された画像データが表す画像を表示パネル106に表示する(ステップS1409)。つまり、表示パネル106には、端末110から送信された画像データが表す画像がそのまま表示されるのではなく、その画像データを送信した端末110が置かれた環境に応じて加工された画像データが表す画像が表示される。
【0116】
本実施形態によれば、送信元の状況に応じて加工された写真等が表示されるので、画像処理装置100のユーザは、端末110から受信した写真等を閲覧できるだけでなく、送信元の現在の状況を簡単に知ることができる。例えば、特定の相手との間で画像データ等のやりとりをする画像処理装置100のユーザは、表示パネル106に表示される画像へのエフェクトが、以前他の画像データを受信したときにかかったエフェクトと異なる場合には、その特定の相手がいる環境に何らかの変化が生じた、ということが直感的に掴めるようになる。
【0117】
また、図8〜12に例示するような特徴データが表す特徴と変換パラメータとの対応付けが予め知らされているユーザは、表示パネル106に表示される画像へのエフェクトの種類を判断することにより、画像データの送信者がいる場所の具体的な環境(時刻、天気、気温、湿度、風速など)を直感的に把握できるようになる。画像処理装置100のユーザは、より新鮮な感動が得られ、違和感なく送信元との一体感が得られるようになる。
【0118】
(実施形態2)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。上記実施形態では画像処理システム10に情報サーバ130が含まれているが、本実施形態は、情報サーバ130を省略している点で、上記実施形態と異なる。
【0119】
図16は、本実施形態における画像処理システム10の構成を示す図である。画像処理システム10は、画像処理装置100と端末110とメールサーバ120とネットワーク140とを備える。画像処理装置100とメールサーバ120とネットワーク140のハードウェア構成は、それぞれ上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0120】
図17は、端末110のハードウェア構成を示す図である。端末110は、測定装置118を更に備える。測定装置118を除く他の構成要素については、上述の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0121】
測定装置118は、端末110の周囲の気温を測定する温度センサーを備える。測定装置118は、気温を測定して制御部111に入力する。制御部111は、入力された気温を示すデータを作成する。ここで作成されるデータは、上述の特徴データに相当する。すなわち、制御部111は、上述の環境データの代わりに特徴データを生成し、記憶部114に記憶する。
【0122】
測定装置118は、温度センサーの代わりに、もしくは温度センサーに加えて、端末110の周囲の湿度を測定するセンサー、端末110の周囲の気圧を測定するセンサー、端末の現在位置を測定するセンサーなどを備えてもよい。そして、制御部111は、測定された湿度、気圧、あるいは現在位置を含む特徴データを生成してもよい。
【0123】
測定装置118が温度、湿度、気圧、位置等を測定するタイミングは任意である。例えば、測定装置118は、制御部111の制御により、所定の周期的なタイミングで温度、湿度、気圧、位置等を測定してもよい。そして、制御部111は、所定の周期的なタイミングで測定されたデータを含む特徴データを記憶部114に記憶してもよい。
【0124】
図18は、本実施形態における画像処理システム10の機能的な構成を示す図である。端末110は、画像データ送信部1821を備える。画像処理装置100は、パラメータ記憶部1831と画像データ受信部1832と画像変換部1835と表示部1836とを備える。
【0125】
画像データ送信部1821は、画像データと特徴データを画像処理装置100に送信する。制御部111と記憶部114とI/F116と測定装置118が協働して、画像データ送信部1821として機能する。
【0126】
パラメータ記憶部1831は、特徴データが示す特徴と対応付けて、画像処理に用いる所定の変換パラメータを記憶する。二次記憶装置103が、パラメータ記憶部1831として機能する。パラメータ記憶部1831は、上述のパラメータ記憶部631と同等の機能を有する。
【0127】
画像データ受信部1832は、端末110から画像データと特徴データを受信する。制御部101と通信部109が協働して、画像データ受信部1832として機能する。
【0128】
画像変換部1835は、画像データ受信部1832により受信された特徴データに対応付けられる変換パラメータをパラメータ記憶部1831から取得し、取得した変換パラメータを用いて、画像データ受信部1832により受信された画像データを変換する。画像変換部1835は、上述の画像変換部635と同等の機能を有する。制御部101が画像変換部1835として機能する。
【0129】
表示部1836は、画像変換部1835により変換された画像データが表す画像を、表示パネル106が備える表示装置に表示する。制御部101と駆動回路105と表示パネル106が協働して、表示部1836として機能する。
【0130】
画像処理システム10の上記各部が行う画像処理の流れについて、図19を用いて説明する。
【0131】
まず、端末110の画像データ送信部1821は、画像データと特徴データを画像処理装置100に送信する(ステップS1901)。
【0132】
より詳細には、画像データ送信部1821は、画像データと特徴データとを添付し且つ画像処理装置100を送信先に指定した電子メールをメールサーバ120に送信する。メールサーバ120は、送信先に指定された画像処理装置100へこの電子メールを転送する。
【0133】
画像データ送信部1821は、画像データを送信するときに測定装置118によって測定された値を含む特徴データを送信してもよいし、画像データを送信する前の任意のタイミングに予め測定された測定値を含む特徴データを送信してもよい。
【0134】
画像処理装置100の画像データ受信部1832は、画像データと特徴データとを端末110から受信する(ステップS1902)。
【0135】
例えば、画像処理装置100の画像データ受信部1832は、定期的なタイミングで、自機に宛てた電子メールが送信されてきたか否かをメールサーバ120に問い合わせ、新たな電子メールが送信されてきたと判断した場合に、画像データと特徴データが添付された電子メールを受信する。
【0136】
画像変換部1835は、ステップS1901で受信した特徴データと、パラメータ記憶部1831に記憶される変換パラメータと、に基づいて、ステップS1902で端末110から受信した画像データに施す画像処理に用いる変換パラメータを決定する(ステップS1903)。
【0137】
例えば、図9〜10に示すように変換パラメータが定義される場合において、端末110から受信した特徴データが示す気温が“摂氏15度”、湿度が“70%”であったとすると、変換パラメータとして、次のような具体的な内容が決定される。
・デフォルメ:「おとなしく」(気温“摂氏15度”に対応する)
・タッチ:「激しく」(湿度“70%”に対応する)
【0138】
画像変換部1835は、ステップS1903で決定した変換パラメータに従って、ステップS1901で受信した画像データを変換する(ステップS1904)。
【0139】
そして、表示部636は、ステップS1904で変換された画像データが表す画像を表示パネル106に表示する(ステップS1905)。つまり、表示パネル106には、端末110から送信された画像データが表す画像がそのまま表示されるのではなく、その画像データを送信した端末110が置かれた環境に応じて加工された画像データが表す画像が表示される。
【0140】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。また、上述した実施形態の各構成要素を自由に組み合わせることも可能である。
【0141】
(変形例1)
上記実施形態では、画像処理装置100の画像変換部635は、環境データと共に送信される画像データについて画像変換を行っているが、過去に受信してメモリーカード200等に保存された画像データや、電子メールを受信した時点で既に表示部636が表示していた画像データについて画像変換を行って表示するようにしてもよい。
【0142】
例えば、過去に受信した画像データであって、自然の景色を撮影した写真を表す画像データを表示部636が表示中であるときに、新たな環境データと画像データが添付された電子メールを画像データ受信部632が受信すると、特徴データ受信部634は、新たに受信した環境データに指定される環境に対応する特徴データを情報サーバ130から取得する。そして、画像変換部635は、取得した特徴データに基づいて変換パラメータを決定し、現在表示部636により表示されている画像データについて、決定した変換パラメータを用いて画像変換を行って表示する。
このようにすれば、表示中の写真が画像処理装置100のユーザの意志に反して入れ替わってしまうことがないものの、その写真へのエフェクトが切り替わるため、特徴データによって表される特徴とエフェクトとの関連付けを予め知っているユーザは、どのような相手から新たな画像データが送られてきたのかを直感的に把握できるようになる。例えば、変換パラメータが図9に示すように定義されている場合、表示パネル106によって現在表示されている写真に、大きくデフォルメされるエフェクトがかかると、ユーザは、「気温35度以上の南国に住む人から新たな画像データが送られてきた」ことを直感的に知ることができる。
【0143】
(変形例2)
上記実施形態では、端末110から画像処理装置100へ送られる環境データには、端末110の地理的な位置を指す情報が格納されているが、端末110の地理的な位置を指す情報の代わりに、もしくは、端末110の地理的な位置を指す情報に加えて、端末110のユーザに関する情報(端末ユーザ情報)が格納されていてもよい。
例えば、端末ユーザ情報として、ユーザの年齢、性別、家族構成、嗜好などを含めることができる。この場合、端末110の制御部111は、端末110のユーザの年齢、性別、家族構成、嗜好などの入力を受け付け、環境データに格納し、画像処理装置100へ送信すればよい。
このようにすれば、特徴データによって表される特徴とエフェクトとの関連付けを予め知っているユーザは、どのような相手から新たな画像データが送られてきたのかを直感的に把握できるようになる。例えば、変換パラメータが図15に示すように定義されている場合、表示パネル106によって現在表示されている写真に、クレヨンで描いたようなエフェクトがかかると、ユーザは、「家族に幼児がいる人から新たな画像データが送られてきた」ことを直感的に知ることができる。なお、一般に、幼児が絵を描く際にはクレヨンを用いることが多い傾向にあるので、特徴データによって表される特徴とエフェクトとの関連付けを正確に把握していないユーザであっても、どのような相手から新たな画像データが送られてきたのかを直感的に推測することができる。
【0144】
上記説明では、画像処理装置100としてデジタルフォトフレームを用いた実施形態について述べたが、ネットワーク通信機能を有するパーソナルコンピュータ、携帯端末、携帯電話機、ゲーム装置、その他情報処理装置に本発明を適用することが可能である。
【0145】
また、端末110としてパーソナルコンピュータを用いた実施形態を説明したが、端末110は、ネットワーク通信機能を有するデジタルスチルカメラ(デジタルカメラ)、携帯電話機、携帯端末など、他の電子機器であってもよい。
【0146】
以上説明したように、本発明によれば、画像データの送信者がおかれている環境を反映した画像を受信者に提示するために好適な画像処理システム、画像処理装置、画像処理方法、及び、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0147】
10…画像処理システム、100…画像処理装置、101…制御部、102…一次記憶装置、103…二次記憶装置、104…撮影装置、105…駆動回路、106…表示パネル、107…入力装置、108…読出装置、109…通信部、110…端末、111…制御部、112…RAM、113…ROM、114…記憶部、115…出力部、116…I/F、117…入力受付部、118…測定装置、120…メールサーバ、121…制御部、122…通信部、123…記憶部、130…情報サーバ、131…制御部、132…通信部、133…記憶部、611…特徴データ記憶部、612…特徴データ送信部、621…画像データ送信部、631…パラメータ記憶部、632…画像データ受信部、633…通知部、634…特徴データ受信部、635…画像変換部、636…表示部、1821…画像データ送信部、1831…パラメータ記憶部、1832…画像データ受信部、1835…画像変換部、1836…表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置と端末とを含む画像処理システムであって、
前記端末は、
画像データと、前記端末が存在する環境の特徴を表す特徴データと、を、前記画像処理装置に送信する画像データ送信手段を備え、
前記画像処理装置は、
前記特徴データが示す特徴と対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
前記画像データと前記特徴データとを前記端末から受信する画像データ受信手段と、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段と、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
画像処理装置と端末と情報サーバとを含む画像処理システムであって、
前記情報サーバは、
前記端末が設置されうる環境と対応付けて、当該環境の特徴を表す特徴データを記憶する特徴データ記憶手段を備え、
前記端末は、
画像データと、前記端末が設置された環境を表す環境データと、を、前記画像処理装置に送信する画像データ送信手段を備え、
前記画像処理装置は、
前記特徴データが示す特徴と対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
前記画像データと前記環境データとを前記端末から受信する画像データ受信手段と、
前記受信した環境データが示す環境を前記情報サーバに通知する通知手段と、
を備え、
前記情報サーバは、
前記画像処理装置から通知された環境に対応付けられる特徴データを前記特徴データ記憶手段から取得し、当該取得した特徴データを前記画像処理装置に送信する特徴データ送信手段を更に備え、
前記画像処理装置は、
前記情報サーバから前記特徴データを受信する特徴データ受信手段と、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段と、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段と、
を更に備える、
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項3】
前記画像変換手段は、前記取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する代わりに、前記表示手段により表示されている画像データを変換する、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記端末が設置されうる環境には、前記端末が設置されうる位置が含まれ、
前記特徴データは、前記端末が設置されうる位置における天気、気温、湿度、風速、時刻のうち少なくともいずれか一つを含む、
ことを特徴とする、請求項2に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記端末が設置された環境には、前記端末が設置された位置が含まれ、
前記環境データは、前記端末が設置された位置に割り当てられる所定の番号、前記端末が設置された位置を示す緯度と経度、前記端末が設置された位置の住所、前記端末のユーザの特徴を表す情報、のうち、少なくともいずれか一つを含む、
ことを特徴とする、請求項2又は4に記載の画像処理システム。
【請求項6】
端末が存在する環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
前記画像データと前記特徴データとを前記端末から受信する画像データ受信手段と、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段と、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
端末が設置されうる環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
画像データと、当該画像データの送信元となる前記端末が設置された環境を表す環境データと、を、前記端末から受信する画像データ受信手段と、
前記受信した環境データが示す環境に予め対応付けられる特徴データを、ネットワークを介して外部から受信する特徴データ受信手段と、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段と、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
パラメータ記憶手段を有する画像処理装置において実行される画像処理方法であって、
前記パラメータ記憶手段には、端末が存在する環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータが記憶され、
前記画像データと前記特徴データとを前記端末から受信する画像データ受信ステップと、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換ステップと、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示ステップと、
を備えることを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
パラメータ記憶手段を有する画像処理装置において実行される画像処理方法であって、
前記パラメータ記憶手段には、端末が設置されうる環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータが記憶され、
画像データと、当該画像データの送信元となる前記端末が設置された環境を表す環境データと、を、前記端末から受信する画像データ受信ステップと、
前記受信した環境データが示す環境に予め対応付けられる特徴データを、ネットワークに接続されるサーバから受信する特徴データ受信ステップと、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換ステップと、
を備えることを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
コンピュータを、
端末が存在する環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段、
前記画像データと前記特徴データとを前記端末から受信する画像データ受信手段、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
コンピュータを、
端末が設置されうる環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段、
画像データと、当該画像データの送信元となる前記端末が設置された環境を表す環境データと、を、前記端末から受信する画像データ受信手段、
前記受信した環境データが示す環境に予め対応付けられる特徴データを、ネットワークに接続されるサーバから受信する特徴データ受信手段、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
画像処理装置と端末とを含む画像処理システムであって、
前記端末は、
画像データと、前記端末が存在する環境の特徴を表す特徴データと、を、前記画像処理装置に送信する画像データ送信手段を備え、
前記画像処理装置は、
前記特徴データが示す特徴と対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
前記画像データと前記特徴データとを前記端末から受信する画像データ受信手段と、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段と、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
画像処理装置と端末と情報サーバとを含む画像処理システムであって、
前記情報サーバは、
前記端末が設置されうる環境と対応付けて、当該環境の特徴を表す特徴データを記憶する特徴データ記憶手段を備え、
前記端末は、
画像データと、前記端末が設置された環境を表す環境データと、を、前記画像処理装置に送信する画像データ送信手段を備え、
前記画像処理装置は、
前記特徴データが示す特徴と対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
前記画像データと前記環境データとを前記端末から受信する画像データ受信手段と、
前記受信した環境データが示す環境を前記情報サーバに通知する通知手段と、
を備え、
前記情報サーバは、
前記画像処理装置から通知された環境に対応付けられる特徴データを前記特徴データ記憶手段から取得し、当該取得した特徴データを前記画像処理装置に送信する特徴データ送信手段を更に備え、
前記画像処理装置は、
前記情報サーバから前記特徴データを受信する特徴データ受信手段と、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段と、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段と、
を更に備える、
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項3】
前記画像変換手段は、前記取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する代わりに、前記表示手段により表示されている画像データを変換する、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記端末が設置されうる環境には、前記端末が設置されうる位置が含まれ、
前記特徴データは、前記端末が設置されうる位置における天気、気温、湿度、風速、時刻のうち少なくともいずれか一つを含む、
ことを特徴とする、請求項2に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記端末が設置された環境には、前記端末が設置された位置が含まれ、
前記環境データは、前記端末が設置された位置に割り当てられる所定の番号、前記端末が設置された位置を示す緯度と経度、前記端末が設置された位置の住所、前記端末のユーザの特徴を表す情報、のうち、少なくともいずれか一つを含む、
ことを特徴とする、請求項2又は4に記載の画像処理システム。
【請求項6】
端末が存在する環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
前記画像データと前記特徴データとを前記端末から受信する画像データ受信手段と、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段と、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
端末が設置されうる環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
画像データと、当該画像データの送信元となる前記端末が設置された環境を表す環境データと、を、前記端末から受信する画像データ受信手段と、
前記受信した環境データが示す環境に予め対応付けられる特徴データを、ネットワークを介して外部から受信する特徴データ受信手段と、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段と、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
パラメータ記憶手段を有する画像処理装置において実行される画像処理方法であって、
前記パラメータ記憶手段には、端末が存在する環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータが記憶され、
前記画像データと前記特徴データとを前記端末から受信する画像データ受信ステップと、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換ステップと、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示ステップと、
を備えることを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
パラメータ記憶手段を有する画像処理装置において実行される画像処理方法であって、
前記パラメータ記憶手段には、端末が設置されうる環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータが記憶され、
画像データと、当該画像データの送信元となる前記端末が設置された環境を表す環境データと、を、前記端末から受信する画像データ受信ステップと、
前記受信した環境データが示す環境に予め対応付けられる特徴データを、ネットワークに接続されるサーバから受信する特徴データ受信ステップと、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換ステップと、
を備えることを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
コンピュータを、
端末が存在する環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段、
前記画像データと前記特徴データとを前記端末から受信する画像データ受信手段、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
コンピュータを、
端末が設置されうる環境の特徴を表す特徴データと対応付けて、画像変換に用いる所定の変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段、
画像データと、当該画像データの送信元となる前記端末が設置された環境を表す環境データと、を、前記端末から受信する画像データ受信手段、
前記受信した環境データが示す環境に予め対応付けられる特徴データを、ネットワークに接続されるサーバから受信する特徴データ受信手段、
前記受信した特徴データが示す特徴に対応付けられる変換パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、当該取得した変換パラメータを用いて、前記受信した画像データを変換する画像変換手段、
前記変換された画像データが表す画像を表示する表示手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−139225(P2011−139225A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297110(P2009−297110)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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