説明

画像処理システムを制御する制御装置、画像形成装置、画像読取装置、制御方法、画像処理プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】原稿束毎に片面、両面という設定をすることなく、原稿束毎に、原稿が有する情報を欠落することなく出力処理させることが可能な制御装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置10aは、読み取った原稿の画像データを生成する画像入力装置1と、ブランクページ検知部及びセパレートシート検知部を含む原稿検知部24と、画像データのファイル生成処理をするファイル生成部31とを備え、画像入力装置1は両面読取機能を有し、ファイル生成部31はブランクページ検知部の検知結果に基づきブランクページをファイル生成処理の対象外とするブランクページスキップ機能と、セパレートシート検知部の検知結果に基づきセパレートシートで分離される原稿束毎にファイル生成処理を行うセパレート機能とを有する。制御部5aは、セパレート機能を有効にする際、併せて両面読取機能及びブランクページスキップ機能も有効にする機能設定部51を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1以上の原稿からなる原稿束を合紙を挟んで複数重ねた原稿束集合から合紙を検知し原稿束毎に出力処理を行う画像処理システム、を制御する制御装置、当該制御装置を備えた画像形成装置、画像読取装置、制御方法、画像処理プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機や複合機などの画像形成装置において、1以上の原稿からなる原稿束が合紙を挟んで複数重ねられた原稿束集合から合紙を検知し、原稿束毎に出力処理を行う機能、いわゆるセパレート機能を有する装置が知られている。例えば、特許文献1には、次の技術が開示されている。両面コピーモード時に合紙を検知した場合、合紙を検知する直前までの原稿のカウント数が奇数であると、両面トレイにある片面コピー済み記録紙を、裏面コピーを行わずに排出させ、合紙以降の原稿に対して両面コピーモードで処理を行う。なお、合紙検知モードが選択されると、原稿が白紙であるか否かを判定し、白紙のときは合紙であると判定する。
【0003】
特許文献1に開示の技術によれば、奇数枚の片面原稿群(原稿束)の最終ページと、次の原稿群の先頭ページが、1枚の記録紙の両面にコピーされることなく、原稿群別に独立した両面コピーが行える。つまり、特許文献1に開示の技術では、合紙を検知すると、片面コピーされその裏面のコピーを待機している記録紙があっても、これを排紙(出力)し、合紙に続く原稿群の先頭ページは必ず別の記録紙の表面にコピーされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−86759号公報
【特許文献2】特開2010−56803号公報
【特許文献3】特開平4−282968号公報
【特許文献4】特開2002−218232号公報
【特許文献5】特開2002−232708号公報
【特許文献6】特開平6−189083号公報
【特許文献7】特開2008−77641号公報
【特許文献8】特開2010−93406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の技術は、片面読み取り方式で、片面に情報を有する片面原稿の原稿束を対象にしており、片面原稿と両面に情報を有する両面原稿とを含む原稿束には対応できない。また、両面読み取り方式に適用したとしても、片面原稿の情報を有しない面(裏面の白紙(ブランク)ページ)と合紙(ブランクページ)との区別ができず、期待する動作とはならない。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、原稿束毎に片面か両面かという設定をすることなく、片面原稿と両面原稿とが混在した原稿束集合を連続して読み込んでも、原稿束毎に、原稿が有する情報を欠落することなく出力処理させることが可能な制御装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の制御装置は、上記課題を解決するために、1以上の原稿からなる原稿束が合紙を挟んで複数重ねられた原稿束集合の原稿を連続して読み取り可能であり、読み取った原稿の画像データを生成する画像入力部と、上記画像入力部が生成した画像データが無地原稿のデータであるか否かを判定する無地原稿判定部と、上記画像入力部が生成した画像データから、上記合紙の画像データを検知する合紙検知部と、上記画像入力部が生成した画像データの出力処理を実行する出力部と、を備え、上記画像入力部は、原稿の両面を読み取って両面の画像データをそれぞれ生成する両面読取機能を有し、上記出力部は、上記無地原稿判定部が判定した無地原稿のデータを上記出力処理の対象外とする無地データスキップ機能と、上記合紙検知部が検知した上記合紙の画像データで分離される原稿束の画像データ毎に上記出力処理を行うセパレート機能とを有する画像処理システム、を制御する制御装置であって、上記セパレート機能を有効にする際、併せて、上記両面読取機能及び上記無地データスキップ機能も有効にする機能設定部を備えたことを特徴としている。
【0008】
上記構成によると、セパレート機能が有効になると、両面読取機能及び無地データスキップ機能も有効になる。よって、セパレート機能を有効にすることで、両面読取機能が有効の状態で原稿の読み取り及び画像データの生成が行われ、無地データスキップ機能及びセパレート機能が有効の状態で出力処理が行われる。
【0009】
両面読取機能を有効にすることで、片面に情報を有する片面原稿からなる片面原稿束あるいは片面原稿束集合の一部に、両面に情報を有する両面原稿が混在している場合でも、原稿の裏表を誤って重ねた片面原稿が混在している場合でも、全ての原稿を読み取り及び画像データを生成するので、全ての原稿が有する情報が欠落するのを抑制して出力処理できる。
【0010】
そのため、片面原稿と両面原稿とが混在した原稿束(束毎に片面原稿だけの片面原稿束、両面原稿だけの両面原稿束となっていても、1つの原稿束に片面原稿と両面原稿とが含まれていても構わない)が、合紙を挟んで重ねられた原稿束集合を、原稿束毎に出力処理したい場合、セパレート機能を有効にするだけで、上記画像処理システムに対して、次のことを可能することができる。つまり、原稿の両面を読み取って両面の画像データを生成させ、そして、片面原稿の情報を有しない面(無地原稿)のデータを除外し、かつ原稿束毎に出力処理をさせる、ことを可能とする。なお、無地原稿(ブランクページ、ブランク原稿、白紙原稿)とは、情報を有していない原稿のことである。つまり、片面原稿の情報を有していない面(裏面)、あるいは、両面に情報を有していない原稿の両面それぞれ、が無地原稿に該当する。
【0011】
よって、上記構成によると、片面か両面かというような設定をすることなく、また、片面原稿、両面原稿、片面原稿の裏表の重ね方に関係なく、原稿束集合にどのような原稿が含まれていても、連続して読み取られた原稿束集合に対して、無地原稿のデータを除外し、原稿が有する情報の画像データを欠落することなく、原稿束毎に出力処理させることが可能である。
【0012】
本発明の制御装置では、上記構成に加え、上記合紙検知部が合紙の画像データを検知すると、上記機能設定部は、検知した合紙以降に上記画像入力部で読み取られた原稿束の画像データに対して上記セパレート機能を有効にしてもよい。
【0013】
上記構成によると、合紙検知部が合紙の画像データを検知すると、セパレート機能が有効になり、かつ、両面読取機能及び無地データスキップ機能も有効になる。つまり、ユーザがセパレート機能を有効にする指示をしなくても、自動的に、セパレート機能、両面読取機能及び無地データスキップ機能が有効になる。
【0014】
本発明の制御装置では、上記構成に加え、上記画像処理システムは、さらに、ユーザからの指示入力を受け付ける受付部を備えており、上記受付部が上記セパレート機能を有効にするセパレートモード指示入力を受け付けると、上記機能設定部は、上記セパレート機能を有効にしてもよい。
【0015】
上記構成によると、受付部がユーザからのセパレートモード指示入力を受け付けると、セパレート機能が有効になり、かつ、両面読取機能及び無地データスキップ機能も有効になる。このように、ユーザの判断で、セパレート機能を有効にすることができる。
【0016】
本発明の制御装置では、上記構成に加え、上記画像入力部は、さらに、原稿の片面を読み取り画像データを生成する片面読取機能を有しており、上記受付部が上記セパレートモード指示入力を受け付け、さらに、上記両面読取機能を無効にする両面読取無効指示入力を受け付けると、上記機能設定部は、上記両面読取機能を無効にし、かつ上記片面読取機能を有効にしてもよい。
【0017】
上記構成によると、受付部がセパレートモード指示入力を受け付けると、セパレート機能が有効になり、かつ、両面読取機能及び無地データスキップ機能も有効になるが、さらに、受付部が両面読取無効指示入力を受け付けると、両面読取機能が無効になり、片面読取機能が有効になる。よって、例えば、予め、原稿束集合が、片面原稿のみからなり、全ての原稿の表裏が揃えてある(情報を有する表面が揃えてある)原稿束集合であることがわかっていれば、両面読取機能を無効にすることで、原稿の情報を有さない面(裏面)を読み取るという処理を省くことができる。
【0018】
本発明の制御装置では、上記構成に加え、上記画像処理システムは、さらに、上記画像入力部が生成した画像データが、モノクロ画像データかカラー画像データかを判別するカラー判定部を備え、上記出力部は、さらに、上記カラー判定部がモノクロ画像データと判定した画像データをモノクロで上記出力処理し、上記カラー判定部がカラー画像データと判定した画像データをカラーで上記出力処理する出力色決定機能を有し、上記機能設定部は、上記セパレート機能を有効にすると、さらに、上記出力色決定機能も有効にしてもよい。
【0019】
上記構成によると、セパレート機能が有効になると、両面読取機能及び無地データスキップ機能も有効になり、さらに、上記出力色決定機能も有効になる。よって、セパレート機能が有効になると、両面読取機能が有効の状態で原稿の読み取り及び画像データの生成が行われ、無地データスキップ機能、セパレート機能、及び出力色決定機能が有効の状態で出力処理が行われる。
【0020】
本発明の制御装置では、上記構成に加え、画像処理システムは、さらに、上記画像入力部で生成された画像データの天地方向を判定する天地方向判定部を備え、上記出力部は、さらに、上記天地方向判定部の判定に基づき画像データの天地方向を順方向(原稿の天地が正しい方向)にして上記出力処理する天地方向補正機能を有し、上記機能設定部は、上記セパレート機能を有効にすると、さらに、上記天地方向補正機能も有効にしてもよい。
【0021】
上記構成によると、セパレート機能が有効になると、両面読取機能及び無地データスキップ機能も有効になり、さらに、上記天地方向補正機能も有効になる。よって、両面読取機能が有効の状態で原稿の読み取り及び画像データの生成が行われ、無地データスキップ機能、セパレート機能、及び天地方向補正機能が有効の状態で出力処理が行われる。
【0022】
ここで、本発明の制御装置では、上記出力部は、上記出力処理として、上記画像データの印刷を行う印刷部、上記画像データをファイルとして生成するファイル生成部、上記画像データをイメージとして送信するイメージ送信部、の少なくとも1つであってもよい。
【0023】
出力部が、上記出力処理として上記画像データの印刷を行う印刷部であると、セパレート機能が有効になると、両面読取機能が有効の状態で原稿の読み取り及び画像データの生成が行われ、無地データスキップ機能及びセパレート機能が有効の状態で印刷処理が行われる。よって、原稿束毎の無地原稿を除外し、原稿束毎に処理された印刷物を得ることができる。
【0024】
出力部が、上記出力処理として上記画像データをファイルとして生成(ファイル生成処理)するファイル生成部であると、セパレート機能が有効になると、両面読取機能が有効の状態で原稿の読み取り及び画像データの生成が行われ、無地データスキップ機能及びセパレート機能が有効の状態でファイル生成処理が行われる。よって、無地原稿を除外し原稿束毎にファイル化された画像データを得て、記憶部に保存することができる(ファイリングデータを生成することができる)。
【0025】
出力部が、上記出力処理として上記画像データをイメージとして送信(イメージデータ送信処理)するイメージ送信部であると、セパレート機能が有効になると、両面読取機能が有効の状態で原稿の読み取り及び画像データの生成が行われ、無地データスキップ機能及びセパレート機能が有効の状態でイメージ送信処理が行われる。よって、無地原稿を除外した原稿束毎にファイル化された画像データを送信することができる。
【0026】
本発明の画像形成装置は、上記課題を解決するために、上記いずれかに記載の制御装置と、上記画像入力部と、を備えることを特徴とする。
【0027】
上記構成によると、片面か両面かというような設定をすることなく、また、片面原稿、両面原稿、片面原稿の裏表の重ね方に関係なく、原稿束集合にどのような原稿が含まれていても、連続して読み取り、無地原稿のデータを除外し、原稿が有する情報の画像データを欠落することなく、原稿束毎に出力処理できる画像形成装置を提供することができる。なお、画像形成装置での出力処理は、印刷処理、ファイル生成処理、イメージ送信処理のいずれであってもよい。
【0028】
本発明の画像形成装置は、上記構成に加え、ユーザからの指示入力を受け付ける受付部を備え、上記受付部が、合紙の出力指示入力を受け付けると、上記合紙検知部が合紙の画像データとして検知可能な識別子を、シートに印刷して出力する合紙出力部を備えていてもよい。
【0029】
上記構成によると、合紙出力部にて原稿束同士を分離する合紙を出力することができる。この合紙は、上記合紙検知部が合紙の画像データとして検知可能である。よって、ユーザが合紙を事前に準備しなくても、セパレート機能を有効にする処理を実行することができる。
【0030】
本発明の画像形成装置は、上記構成に加え、上記画像入力部は、上記原稿束集合を載置する原稿台と、上記原稿台に置かれた原稿束集合に含まれる原稿のサイズを検知する原稿サイズ検知部とを備え、上記合紙出力部は、上記原稿サイズ検知部が検知したサイズのシートに上記識別子を印刷して出力してもよい。
【0031】
上記構成によると、原稿サイズ検知部が原稿のサイズを検知することで、原稿に適したサイズの合紙を出力することができる。ユーザにとっては、合紙のサイズを指示する入力をしなくても、原稿に適したサイズの合紙を取得できる。また、合紙が原稿と同じサイズであると、読み取り時の紙詰まりを抑制する効果もある。
【0032】
本発明の画像形成装置は、上記構成に加え、上記合紙出力部は、上記識別子をシートの両面に印刷して出力してもよい。
【0033】
上記構成によると、両面に識別子が印刷された合紙を用いることができ、合紙の両面読み取りを行う際、裏写りの影響を除去することができる。また、合紙の裏表を気にせずに合紙を原稿束に挟むことができる。
【0034】
本発明の画像形成装置は、上記構成に加え、上記合紙出力部が、上記識別子をシートの片面に印刷して出力すると、上記制御装置は、上記無地原稿判定部での判定の閾値を大きくなるよう変更してもよい。
【0035】
上記構成によると、合紙出力部が、上記識別子をシートの片面に印刷して出力することで、片面に識別子が印刷された合紙を用いることがわかるので、制御装置は、無地原稿判定部での判定の閾値を大きくなるように変更する。無地原稿判定部での判定の閾値を大きくすることで、片面に識別子が印刷された合紙において、識別子が裏写りする影響を抑制することができる。つまり、片面に識別子が印刷された合紙を用いる場合に、合紙の識別子が印刷されていない面(裏面)を無地原稿として正しく判断することができる。
【0036】
本発明の画像形成装置は、上記構成に加え、上記画像入力部での読み取りが終わった上記原稿束と上記合紙とを分別して排出する原稿仕分部を備えていてもよい。
【0037】
上記構成によると、画像入力部での読み取りが終わった原稿束と合紙とを分別して排出することができる。原稿束の原稿は同じ場所に排出され、合紙は原稿束とは別の場所に排出される。よって、原稿束集合から合紙を除く手間を省くことができる。
【0038】
本発明の画像読取装置は、上記課題を解決するために、上記いずれかに記載の制御装置と、上記画像入力部と、を備えることを特徴としている。
【0039】
上記構成によると、片面か両面かというような設定をすることなく、また、片面原稿、両面原稿、片面原稿の裏表の重ね方に関係なく、原稿束集合にどのような原稿が含まれていても、連続して読み取り、無地原稿のデータを除外し、原稿が有する情報の画像データを欠落することなく、原稿束毎に出力処理できる画像読取装置を提供することができる。なお、画像読取装置での出力処理とはファイル生成処理あるいは、イメージ送信処理ということになる。
【0040】
本発明の画像読取装置は、上記構成に加え、上記画像入力部での読み取りが終わった上記原稿束と上記合紙とを分別して排出する原稿仕分部を備えていてもよい。
【0041】
上記構成によると、画像入力部での読み取りが終わった原稿束と合紙とを分別して排出することができる。原稿束の原稿は同じ場所に排出され、合紙は原稿束とは別の場所に排出される。よって、原稿束集合から合紙を除く手間を省くことができる。
【0042】
本発明の制御方法は、上記課題を解決するために、1以上の原稿からなる原稿束が合紙を挟んで複数重ねられた原稿束集合の原稿を連続して読み取り可能であり、読み取った原稿の画像データを生成する画像入力部と、上記画像入力部が生成した画像データが無地原稿のデータであるか否かを判定する無地原稿判定部と、上記画像入力部が生成した画像データから、上記合紙の画像データを検知する合紙検知部と、上記画像入力部が生成した画像データの出力処理を実行する出力部と、を備え、上記画像入力部は、原稿の両面を読み取って両面の画像データをそれぞれ生成する両面読取機能を有し、上記出力部は、上記無地原稿判定部が判定した無地原稿のデータを上記出力処理の対象外とする無地データスキップ機能と、上記合紙検知部が検知した上記合紙の画像データで分離される原稿束の画像データ毎に上記出力処理を行うセパレート機能とを有する画像処理システム、の制御方法であって、上記セパレート機能を有効にする際、併せて、上記両面読取機能及び上記無地データスキップ機能を有効にする機能設定ステップを含むことを特徴としている。
【0043】
上記方法によると、上記制御装置と同様の効果を奏し、片面か両面かというような設定をすることなく、また、片面原稿、両面原稿、片面原稿の裏表の重ね方に関係なく、原稿束集合にどのような原稿が含まれていても、連続して読み取られた原稿束集合に対して、無地原稿のデータを除外し、原稿が有する情報の画像データを欠落することなく、原稿束毎に出力処理させることが可能となる。
【0044】
また、本発明の制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記制御装置における上記機能設定部として動作させることにより上記制御装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びその制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0045】
これらの構成によれば、上記画像処理プログラムを、コンピュータに読み取り実行させることによって、上記画像処理装置と同一の作用効果を実現することができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明に係る制御装置は、以上のように、上記セパレート機能を有効にする際、併せて、上記両面読取機能及び上記無地データスキップ機能も有効にする機能設定部を備えたことを特徴としている。
【0047】
上記構成によると、セパレート機能が有効になると、両面読取機能及び無地データスキップ機能も有効になる。よって、セパレート機能を有効にすることで、両面読取機能が有効の状態で原稿の読み取り及び画像データの生成が行われ、無地データスキップ機能及びセパレート機能が有効の状態で出力処理が行われる。
【0048】
両面読取機能を有効にすることで、片面に情報を有する片面原稿からなる片面原稿束あるいは片面原稿束集合の一部に、両面に情報を有する両面原稿が混在している場合でも、原稿の裏表を誤って重ねた片面原稿が混在している場合でも、全ての原稿を読み取り及び画像データを生成するので、全ての原稿が有する情報が欠落するのを抑制して出力処理できる。
【0049】
そのため、片面原稿と両面原稿とが混在した原稿束(束毎に片面原稿だけの片面原稿束、両面原稿だけの両面原稿束となっていても、1つの原稿束に片面原稿と両面原稿とが含まれていても構わない)が、合紙を挟んで重ねられた原稿束集合を、原稿束毎に出力処理したい場合、セパレート機能を有効にするだけで、上記画像処理システムに対して、次のことを可能することができる。つまり、原稿の両面を読み取って両面の画像データを生成させ、そして、片面原稿の情報を有しない面(無地原稿)のデータを除外し、かつ原稿束毎に出力処理をさせる、ことを可能とする。
【0050】
よって、上記構成によると、片面か両面かというような設定をすることなく、また、片面原稿、両面原稿、片面原稿の裏表の重ね方に関係なく、原稿束集合にどのような原稿が含まれていても、連続して読み取られた原稿束集合に対して、無地原稿のデータを除外し、原稿が有する情報の画像データを欠落することなく、原稿束毎に出力処理させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施の形態1の画像形成装置を示すブロック図であり、ファイル生成処理を行った画像データを外部装置にイメージ送信処理する際のデータの流れを示すブロック図である。
【図2】実施の形態1の画像形成装置が備えた原稿検知部の詳細を示すブロック図である。
【図3】(a)は、原稿束の一例、(b)は、セパレートシートの一例、(d)は、原稿束集合の一例を示す図である。
【図4】(a)、(b)は、操作パネルに表示される読み取り条件の設定画面の例を示す図であり、(c)〜(f)は、セパレート機能を有効にする際のメッセージを示す画面の例を示す図、(g)は、セパレートシートを印刷出力する際のメッセージを示す画面の例を示す図、(h)は、セパレートシートを出力する際の枚数の指示を行うための表示の一例を示す図である。
【図5】セパレート機能を検知する処理の流れを示す図である。
【図6】原稿仕分処理の流れを示す図である。
【図7】(a)、(b)は、パッチを使用したセパレートシートの一例を示す図であり、(c)は、バーコードを使用セパレートシートの一例を示す図である。
【図8】(a)は、文字ページ(原稿)の濃度ヒストグラムの一例、(b)は写真ページ(原稿)の濃度ヒストグラムの一例、(c)は、文字/写真ページ(原稿)の濃度ヒストグラムの一例を示す図である。
【図9】画像入力装置の構成を示す構成図である。
【図10】図9に示す画像入力装置の原稿搬送部近辺を詳細に示す構成図である
【図11】シフター機構の構成を示す構成図である。
【図12】シフター機構の構成を示す構成図である。
【図13】実施の形態1の画像形成装置を示すブロック図であり、画像データを印刷処理する際のデータの流れを示すブロック図である。
【図14】実施の形態2の画像形成装置を示すブロック図であり、外部装置からの制御に基づき、ファイル生成処理を行った画像データを外部装置にイメージ送信処理する際のデータの流れを示すブロック図である。
【図15】実施の形態3の画像形成装置、外部装置を示すブロック図であり、外部装置が出力処理を行う場合のデータの流れを示すブロック図である。
【図16】実施の形態4の画像形成装置、外部装置を示すブロック図であり、外部装置が出力処理を行う場合のデータの流れを示すブロック図である。
【図17】(a)は、表示装置の表示特性に応じたガンマ曲線の一例を示した図である。(b)は、文字をくっきりと表示させるためのガンマ曲線を実線で示し、表示装置の表示特性に応じたガンマ曲線を破線で示した図である。
【図18】実施の形態5の画像読取装置を示すブロック図であり、ファイル生成処理を行った画像データを外部装置にイメージ送信処理する際のデータの流れを示すブロック図である。
【図19】(a),(b)は、操作パネルに表示される読み取り条件の設定画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
〔実施の形態1〕
(制御装置及び画像処理システム)
本発明の制御装置の一形態について図に基づいて説明する。本発明の制御装置は、画像処理システムを制御する装置である。実施の形態1では、画像形成装置10aが有する制御部5aが、本発明の制御装置として機能し、制御対象である画像処理システムは、画像形成装置10aである。ここでは、制御部(制御装置)5aが、画像形成装置(画像処理システム)10aのセパレート機能を有効にする際の構成及び処理について説明する。その他の構成及び処理については、後述の画像形成装置10aの説明内にて行う。ここで、セパレート機能とは、1以上の原稿からなる原稿束がセパレートシート(合紙)を挟んで複数重ねられた原稿束集合から原稿が連続して読み取られる場合に、原稿束毎に出力処理を行う機能である。
【0053】
画像形成装置10aは、画像入力装置(画像入力部)1、原稿検知部24、ファイル生成部(出力部)31を備えている。
【0054】
画像入力装置1は、原稿を読み取り、読み取った原稿の画像データを生成するブロックである。画像入力装置1は、1以上の原稿からなる原稿束がセパレートシート(合紙)を挟んで複数重ねられた原稿束集合の原稿を連続して読み取り可能に構成されている。また、画像入力装置1は、原稿の両面を読み取って両面の画像データをそれぞれ生成する両面スキャン機能(両面読取機能)を有している。
【0055】
原稿検知部24は、画像入力装置1が生成した画像データから、セパレートシートの画像データと、ブランクページ(無地原稿、ブランク原稿、白紙原稿)の画像データと、を検知するブロックである。図2に示すように、原稿検知部24は、解像度変換部241、信号変換部242、2値化処理部243、セパレートシート検知部(合紙検知部)244、ブランクページ検知部(無地原稿判定部)245と、を備える。なお、ブランクページとは、情報を有していない原稿のことである。つまり、片面原稿の情報を有していない面(裏面)、あるいは、両面に情報を有していない原稿の両面それぞれ、がブランクページに該当する。
【0056】
解像度変換部241は、画像データの解像度を低解像度化、または、高解像度化するブロックである。例えば、1200dpi、600dpiで読み込まれた画像データを300dpiに変換する。解像度変換の方法は、公知のニアレストネイバー法、バイリニア法、バイキュービック法、平均値法等を用いて行う。ここでは、セパレートシートの画像データの検知用に、300dpiの画像データを出力するものとする。
【0057】
信号変換部242は、RGBのカラー画像データを輝度信号(グレイ信号)に変換するブロックである。この変換は、例えば以下の式(1)を用いて行えればよい。
【0058】
Yi=0.30Ri+0.59Gi+0.11Bi・・・(1)
Y:各画素の輝度信号
R,G,B:各画素の各色成分の値
添え字のi:画素毎に付与された値(iは1以上の整数)
また、RGB信号をCIE1976L*a*b*信号(CIE:Commission International de l'Eclairage、L*:明度、a*,b*:色度)に変換してもよく、あるいは、G信号を用いてもよい。
【0059】
2値化処理部243は、解像度変換、および、グレイ化された300dpiの画像データを2値化する。画像データが8ビットの場合、例えば、閾値を128とする。あるいは、複数の画素(例えば、5×5)よりなるブロックの濃度(画素値)の平均値を閾値とする。
【0060】
セパレートシート検知部244は、画像入力装置1が原稿を読み取って生成した画像データと、記憶部6に記憶しているセパレートシートの画像データとを比較し、読み取った原稿が、セパレートシートか否かを判定する(セパレートシートを検知する)。なお、セパレートシートの検知方法は後段で別途説明する。
【0061】
ブランクページ検知部245は画像入力装置1が生成した画像データが、ブランクページのデータであるか否かを判定する(ブランクページを検知する)。ブランクページの判定方法は後段で別途説明する。
【0062】
ファイル生成部(出力部)31は、画像入力装置1が生成し画像処理装置2aで画像処理された画像データをファイルとして生成するファイル生成処理(出力処理)を実行するブロックである。ファイル生成部(出力部)31は、ブランクページ検知部245が検知したブランクページのデータをファイル生成処理の対象外とするブランクページスキップ機能(無地データスキップ機能)と、セパレートシート検知部244が検知したセパレートシートの画像データで分離される原稿束の画像データ毎にファイル生成処理を行うセパレート機能とを有する。
【0063】
制御部5aは、画像形成装置10aにおける各種構成、各種機能の動作を統括的に制御するブロックである。制御部5aは、機能設定部51を備えている。機能設定部51は、上記セパレート機能を有効にする際、併せて、上記両面読取機能及び上記無地データスキップ機能も有効にする。
【0064】
このように、画像形成装置10aでは、セパレート機能が有効になると、両面読取機能及びランクページスキッ機能も有効になる。よって、セパレート機能を有効にすることで、両面読取機能が有効の状態で原稿の読み取り及び画像データの生成が行われ、ランクページスキップ機能及びセパレート機能が有効の状態でファイル生成処理(出力処理)が行われる。
【0065】
両面スキャン機能を有効にすることで、片面に情報を有する片面原稿からなる片面原稿束あるいは片面原稿束集合の一部に、両面に情報を有する両面原稿が混在している場合でも、原稿の裏表を誤って重ねた片面原稿が混在している場合でも、全ての原稿を読み取り及び画像データを生成するので、全ての原稿が有する情報が欠落するのを抑制して出力処理できる。
【0066】
そのため、片面原稿と両面原稿とが混在した原稿束(束毎に片面原稿だけの片面原稿束、両面原稿だけの両面原稿束となっていても、1つの原稿束に片面原稿と両面原稿とが含まれていても構わない)が、合紙を挟んで重ねられた原稿束集合を、原稿束毎に出力処理したい場合、セパレート機能を有効にするだけで、画像形成装置10aに対して、次のことを可能することができる。つまり、原稿の両面を読み取って両面の画像データを生成させ、そして、片面原稿の情報を有しない面(ブランクページ)のデータを除外し、かつ原稿束毎に出力処理をさせる、ことを可能とする。
【0067】
よって、上記構成によると、片面か両面かというような設定をすることなく、また、片面原稿、両面原稿、片面原稿の裏表の重ね方に関係なく、原稿束集合にどのような原稿が含まれていても、連続して読み取られた原稿束集合に対して、ブランクページのデータを除外し、原稿が有する情報の画像データを欠落することなく、原稿束毎に出力処理させることが可能である。
【0068】
以上では、原稿の裏表を誤って逆に置いた場合、白紙あるいは白紙のデータが出力されるのを防止することができる。なお、全て白紙のとき、操作パネル7でユーザに通知するのが好ましい。
【0069】
また、片面原稿か両面原稿、または、両面・片面原稿混載、のモードを選択可能に構成されていてもよい。上記モードの選択は、操作パネル7より行われる。
【0070】
さらに、画像形成装置10aは、画像処理装置2a、操作パネル(受付部)7、記憶部6、画像出力装置3、画像送受信装置4を備える。
【0071】
画像処理装置2aは、画像入力装置1が生成した画像データに画像処理を施すブロックである。画像処理装置2aの詳細な説明は、後述の画像形成装置の説明にて行う。実施の形態1では、原稿検知部24、ファイル生成部31は、画像処理装置2aに含まれている。
【0072】
操作パネル7は、ユーザに対して各種情報を通知するとともに、ユーザからの指示入力を受け付ける、ユーザインタフェース(UI)を提供するブロックである。操作パネル7は、各種の入力キーあるいはボタンを含む入力部と、液晶ディスプレイ等の表示部とを備えていてもよいし、表示部と入力部とが一体として構成されたタッチパネルとして実現されていてもよい。ユーザから指示入力を受け付けると、画像形成装置10aの設定や動作指示に対する信号を、制御部5aに送信する。
【0073】
画像出力装置3は、画像データを印刷処理するブロックである。画像形成装置10aの出力処理として、画像出力装置3が印刷処理する場合の説明は後段で行う。
【0074】
画像送受信装置4は、ファイル生成部31で生成されたファイルを外部に送信(イメージ送信処理)するブロックである。
【0075】
上記では、セパレート機能を有効にした際の、画像形成装置10aの行う出力処理の例として、画像データをファイルとして生成するファイル生成処理について説明した。しかし、画像形成装置10aの行う出力処理は、ファイル生成処理に限定されず、画像出力装置(出力部、印刷部)3で行う画像データの印刷を行う印刷処理、画像送受信装置(出力部、イメージ送信部)4でのイメージ送信処理であってもよい。つまり、画像形成装置10aの行う出力処理が、印刷処理であれば、この場合、画像出力装置3が出力処理を実行する出力部として機能する。また、画像形成装置10aの行う出力処理が、イメージ送信処理であれば、この場合、画像送受信装置4が出力処理を実行する出力部として機能する。
【0076】
画像形成装置10aにどの出力処理を実行させるかは、ユーザが操作パネル7から選択可能に構成されている。
【0077】
ファイル生成処理が選択された場合、セパレート機能が有効になると、両面スキャン機能が有効の状態で原稿の読み取り及び画像データの生成が行われ、ブランクページスキップ機能及びセパレート機能が有効の状態でファイル生成処理が行われる。よって、ブランクページを除外し原稿束毎にファイル化された画像データを得て、記憶部6に保存することができる(ファイリングデータを生成することができる)。
【0078】
また、印刷処理が選択された場合、セパレート機能が有効になると、両面スキャン機能が有効の状態で原稿の読み取り及び画像データの生成が行われ、ブランクページスキップ機能及びセパレート機能が有効の状態で印刷処理が行われる。よって、原稿束毎のブランクページを除外し、原稿束毎に処理された印刷物を得ることができる。
【0079】
また、イメージ送信処理が選択された場合、セパレート機能が有効になると、両面スキャン機能が有効の状態で原稿の読み取り及び画像データの生成が行われ、ブランクページスキップ機能及びセパレート機能が有効の状態でイメージ送信処理が行われる。よって、ブランクページを除外した原稿束毎にファイルにした画像データを送信することができる。
【0080】
(出力処理の流れ)
画像形成装置10aを用いて出力処理を行う場合について図3〜6を用いて説明する。
【0081】
ユーザは、画像形成装置10aの操作パネル7で、操作パネル7から、読み取り条件の設定を行い、読み取ったデータを、画像送受信装置4を経由して、外部装置であるPC60aに送る。なお、PC60aは、データ受信するのみである。ここでは、PC60aは、ユーザのPCであるとする。なお、以下の説明において、操作パネル7はタッチパネルで構成されているものとする。
【0082】
具体的に、画像入力装置1が読み取る原稿束集合の説明をする。図3(a)に、原稿束の例を示す。原稿A、原稿B、原稿Cがそれぞれ1つの原稿束である。原稿Aは、両面に情報を有する両面原稿で、全ページ情報を有する原稿束である。原稿Bは、片面に情報を有する片面原稿であり、全ての裏面がブランクページの原稿束である。原稿Cは、両面原稿であるが、最終ページ(裏面)がブランクページの原稿束である。なお、原稿束は、1枚以上の原稿を含んでいればよい。
【0083】
図3(b)は、セパレートシートの例を示す図である。セパレートシートは、原稿束同士の間(境目)に挿入し、原稿束を分別するために使用される。セパレートシートの例とセパレートシート検知方法の例は別途説明する。セパレートシートは、ユーザが用意してもよいし、後述のように画像出力装置3にて印刷して出力してもよい。
【0084】
図3(c)は、原稿束集合を示す図である。原稿束集合とは、原稿束がセパレートシートを挟んで複数重ねられたものである。
【0085】
画像入力装置1は上記のような原稿束集合を連続して読み取り、ファイル生成部31は、3つの原稿束毎にファイル生成する。あるは、他の出力部であっても、3つの束毎に出力処理する。つまり、図3(c)の例を用いると、原稿A、原稿B、原稿Cに、分けて出力処理する。
【0086】
次に、ユーザが画像形成装置10aを用いて出力処理を行う場合の、操作パネル7での表示例を図4を用いて説明する。
【0087】
図4(a),(b)は、読み取り条件の設定画面の例である。図4(a),(b)で、「両面読み取り」ボタン41は、原稿の表と裏の2面とも読み取る(両面スキャン機能)か否かの設定(有効、または、無効)を入力するためのボタンである。「白紙飛ばし」ボタン42は、原稿のページが何も印刷されていないブランクページだった場合に、そのページを出力しない(ブランクページスキップ機能)か否かの設定(有効、または、無効)を入力するためのボタンである。「セパレート」ボタン43は、セパレートシートを用いて、原稿束集合を連続して読み取り、原稿束毎に出力処理する(セパレート機能)か否かの設定(有効、または、無効)を入力するためのボタンである。
【0088】
図4(a)は、両面スキャン(両面読み取り)機能、ブランクページスキップ(白紙飛ばし)機能、セパレート機能が全て無効になっている状態の画面、図4(b)は、両面スキャン機能、ブランクページスキップ機能、セパレート機能が全て有効になっている状態の画面である。
【0089】
ユーザが「セパレート」ボタン43を押圧してセパレート機能を有効にしようとしたときに、図4(c)に示すような、メッセージ画面を表示する。図4(c)の画面においてユーザが「はい」を選択すると、図4(b)の状態となり、「いいえ」ボタンNを押すと、図4(a)に示すセパレート機能を有効にする前の状態に戻る。
【0090】
なお、セパレート機能を有効にする前に、両面スキャン機能が有効の場合(操作パネルに7より、事前に「両面読み取り」が有効に設定されている場合)には、ブランクページスキップ機能を有効にする旨(白紙飛ばしが可能)のみを表示し、ブランクページスキップ機能が有効の場合(操作パネル7により、事前に「白紙飛ばし」が有効に設定されている場合)には、両面スキャン機能を有効にする旨(両面読み取りが可能)のみを表示してもよい。両面スキャン(両面読み取り)機能とブランクページスキップ(白紙飛ばし)機能とがともに有効な場合には、メッセージ表示を行わなくてもよい。
【0091】
セパレート機能が有効になると、図4(b)に示すように、「セパレートシートプリント」ボタン45、プリント枚数設定欄46、シートサイズ設定欄47を含むセパレートシート設定表示欄48が現れ、両面スキャン機能とブランクページスキップ機能とが、元の設定に関係なく有効になる。
【0092】
セパレート機能が有効なときに、「両面読み取り」ボタン41を押圧して両面読スキャン機能を無効にしようとすると、図4(d)に示すようなメッセージ画面を表示する。あるいは、図4(e)に示すようなメッセージ画面の表示を行い、両面スキャン機能を無効にしてもよい。
【0093】
図4(e)の画面において、ユーザが「はい」ボタンYを押圧して両面スキャン機能が無効になると、片面読取機能が有効になり、片面の読み取りが行われる。例えば、予め、原稿束集合が、片面原稿のみからなり、全ての原稿の表裏が揃えてある(情報を有する表面が揃えてある)原稿束集合であることがわかっていれば、両面スキャン機能を無効にすることで、原稿の情報を有さない面(裏面)を読み取るという処理を省くことができる。
【0094】
また、「白紙飛ばし」のボタン42を押圧してブランクページスキップ機能を無効にしようとした場合、図4(f)に示すようなメッセージの画面を表示する。図4(f)で「はい」ボタンYを押圧すると、セパレート機能を無効にし、「いいえ」ボタンNを押圧するとセパレート機能は有効なまま、図4(b)に示す元の画面に戻る。なお、ユーザがコピー機能を選択し、かつ、セパレート機能を選択したときは、片面原稿の裏面を白紙のまま出力処理するために、ブランクページスキップ機能が無効になるようにしてもよい。あるいは、ブランクページスキップ機能の有効・無効をユーザが選択できるようにしてもよい。
【0095】
読み取り条件を設定し、「読み取り」ボタン44を押すと、原稿の読み取りが始まる。「セパレートシートプリント」ボタン45を押すと、セパレートシートが印刷出力される。
【0096】
次に、セパレートシートの印刷出力について説明する。原稿サイズの検知は後述する。シートサイズとセパレートシート数が正しく設定されていて、「セパレートシートプリント」ボタン45からの指示入力を受け付けると、画像出力装置(合紙出力部)3は、セパレートシートを印刷して出力する。プリントするセパレートシートの画像は、シートサイズ別に、予め記憶部に保存されており、指定されたシートサイズのデータを読みだして、指定された枚数のセパレートシートを印刷する。
【0097】
ここで、図4(h)に示すようなセパレートシートプリント枚数を選択できる表示から、シート枚数を指定して、かつ、図4(b)の画面に表示されるシートサイズ設定欄47よりセパレートサイズを指定して、「セパレートシートプリント」ボタン45を押すと、セパレートシートが印刷出力される。
【0098】
このとき、図4(b)に示すように、プリントサイズを自動に設定して、読み取る原稿をセットして、「セパレートシートプリント」ボタン45を押すと、原稿サイズを自動検知(検知方法の例は別途説明)して、検知されたサイズのセパレートシートが印刷出力される。プリントサイズを自動に設定し、原稿が何もセットされていない状態で、「セパレートシートプリント」ボタン45を押すと、図4(g)に示すような原稿サイズの自動検知ができないことを知らせる、メッセージを表示する。
【0099】
上記では、操作パネル7からのユーザの指示入力により、セパレート機能が有効になる。つまり、ユーザがセパレート機能を有効にする指示入力(セパレートモード指示入力)をすることで、機能設定部51がセパレート機能を有効にする。
【0100】
しかし、セパレートシート検知部244がセパレートシートの画像データを検知すると、自動的に、セパレート機能が有効になり、かつ、両面読取機能及び無地データスキップ機能も有効になるように構成されていてもよい。つまり、この場合、ユーザがセパレート機能を有効にする指示入力をしなくても、自動的に、セパレート機能、両面読取機能及び無地データスキップ機能が有効になる。
【0101】
なお、上記では画像形成装置10aは、画像出力装置3を有する複合機として説明したが、本発明を、画像出力装置3を有しない画像読取装置(スキャナ専用機)に適用できることは明らかである。画像読取装置の場合は、操作パネル7は、画像読取装置に接続されたコンピュータにおいて設定を行うスキャナ条件設定画面(スキャナドライバの設定画面)に相当する。また、画像読取装置の場合は、黒生成/下色除去部27を有さない。
【0102】
次に、読み取り及び出力処理について図5,6を用いて説明する。
【0103】
画像入力装置1が1ページずつ読み取って画像データを取得すると(S1)、セパレートシート検知部244は、後述のセパレートシートを検知する処理を行い(S2)、セパレートシートを検知する(S3)。セパレートシートが検知されないと(S3でNO)、ブランクページ検知部245は、後述のブランクページを判定する処理を行い(S4)、ブランクページを判定する(S5)。ブランクページで無いと判定されると(S5でNO)、画像データを記憶部6に一時記憶(追記)し(S6)、S7進む。S5でブランクページであると判定されると(S5でYES)、S6を飛ばして、S7に進む。
【0104】
そして全ページを読み取ったかを確認し(S7)、読み取っていなければ(S7でNO)、S1に戻る。読み取っていれば(S7でYES)、記憶部6に記憶されたページがあるが確認する(S8)。記憶部6に記憶されたページがなければ(S8でNO)、処理を終了する。記憶部6に記憶されたページがあれば(S8でYES)、記憶された全ページ(1つの原稿束)を出力処理する(S9)。このとき、ファイル生成処理であれば、記憶された全ページを1ファイルにて出力するファイル生成処理する。この後、外部装置に送信してもよい。
【0105】
S3でセパレートシートが検知されると(S3でYES)、記憶部6に記憶されたページがあるかを確認する(S11)。記憶部6に記憶されたページがあると(S11でYES)、記憶された全ページ(1つの原稿束)を出力処理する(S12)。このとき、ファイル生成処理であれば、記憶された全ページを1ファイルにて出力するファイル生成処理する。この後、外部装置に送信してもよい。そして、記憶部6のデータをクリアし(S13)、S1に戻る。また、S11で、記憶部6に記憶されたページがないと(S11でNO)、S7に進む。
【0106】
なお、以上の処理において、セパレートシートが検知されると、セパレートシートが検知される前に読み取られた画像データもセパレート機能の対象となる。従って、セパレートシートが検知される前に読み取られた原稿束が片面原稿である場合、裏面のブランクページが除去されたファイルが生成される。あるいは、ブランクページ検知処理を行った後、セパレートシート検知処理を行うようにしてもよい。
【0107】
また、次のような動作を行うようにしても処理。片面・両面読み取りに関係なく、常に両面読み取りを行い、両面の画像データを記憶部6に記憶する。片面読み取り指定、あるいは、ユーザがコピー機能を選択している時には、表面データのみを記憶部6から読み出して出力する。このようにすることにより、セパレートシートが検知される前の原稿に対しても、両面の画像データを出力することができる。
【0108】
なお、画像入力装置1は、読み取った原稿が、セパレートシートであった場合、他の原稿と区別できるようにする原稿シフト機構を備えている。原稿シフト機構の詳細は後述する。原稿シフト機構が行う処理は、図6に示すように、セパレートシート検知部244での検知結果に基づきセパレートシートであるかを確認し(S21)、セパレートシートであると(S21でYES)、排紙用のローラをシフトし(S22)、セパレートシートを排出し(S23)、排紙用のローラを元に戻す(S24)。セパレートシートでないと(S21でNO)、そのまま原稿を排紙する。よって、原稿シフト機構では、原稿束とセパレートシートとを区別して排紙できる。
【0109】
以上のように、機能設定部51は、セパレート機能を有効にする際に、併せて両面スキャン機能及びブランクページスキップ機能も有効にするが、さらに、例えば、以外の(A)、(B)の機能を有効としてもよい。
【0110】
(A)出力色決定機能
画像形成装置10aが、画像入力装置1が生成した画像データが、モノクロ画像データかカラー画像データかを判別するカラー判定部を備え、さらに、カラー判定部がモノクロ画像データと判定した画像データをモノクロで出力処理し、カラー判定部がカラー画像データと判定した画像データをカラーで出力処理する出力色決定機能を有するようになっている。そして、機能設定部51が、セパレート機能を有効にすると、さらに、出力色決定機能も有効にする。
【0111】
このように出力色決定機能が有効になると、出力処理が、印刷処理である場合、カラー判定部での判別(自動カラー判別(ACS:Auto Color Selection))の判別結果に応じて、カラーあるいはモノクロで印刷することができる。つまり、原稿束毎にユーザが設定する必要がない。また、出力処理が、ファイル生成処理、イメージ送信処理の場合も、モノクロ原稿であれば、色補正部でRGB信号をK信号に変換することにより(例えば、図1において、色補正部25からR=K、G=K、B=K信号が出力される。黒生成/下色除去部はスルー)、RGBの各色成分の信号がKのみになるので、ファイルサイズを小さくすることができる。RGB信号からK信号への変換は、例えば、下記の式(2)により、RGB信号から輝度値を算出してK信号に置き換えればよい。
【0112】
=0.30R+0.59G+0.11B・・・(2)
:各画素の輝度信号
,G,B:各画素の色成分
(B)天地方向補正機能
画像形成装置10aが、画像入力装置1で生成された画像データの天地を判定する天地判定部を備え、さらに、天地判定部の判定に基づき画像データの天地方向を順方向(原稿の天地が正しい方向)にして上記出力処理する天地方向補正機能を有するようになっている。そして、機能設定部51が、セパレート機能を有効にすると、さらに、天地方向補正機能も有効にする。
【0113】
このように、天地方向補正機能が有効になると、天地方向が揃っていなくても、原稿束毎に順方向に補正された画像データを出力処理することができる。よって、原稿毎にユーザが指定する必要がない。
【0114】
(セパレートシート)
次に、セパレートシート(合紙)の例、及び、セパレートシートの検知方法について説明する。
【0115】
図7(a)、(b)は、パッチ(識別子)を使用したセパレートシートの例である。この例では、シートサイズに関係なく、シートの角から一定距離(例えば、1cm)に、一定サイズ(例えば、2cm)の正方形のパッチ(4個)がある。
【0116】
このセパレートシートを用いた場合には、セパレートシート検知部244での検知は、次のように行う。画像入力装置1が読み取った画像データの角から一定距離(例:4cm)の矩形範囲(図7(b)のマッチング領域)を二値化し、予め記憶部6に記憶しているセパレートシートの画像データとの画素単位のマッチングを行う。そして、マッチング領域内の画素数に対して、一致している画素数が一定割合(例えば、95%)以上の場合に、セパレートシートであると判断する。
【0117】
図7(c)、(d)は、バーコード(識別子)を使用したセパレートシートの例である。この例では、シートサイズに関係なく、シートの中心にバーコードがある。このセパレートシートを用いた場合には、セパレートシート検知部244での検知は、次のように行う。画像入力装置1が読み取った画像データの中心から一定距離の矩形範囲(図7(d))の認識領域を二値化し、バーコードを認識し、記憶部6に予め記憶されているセパレートシートを示すコード情報が得られた場合に、セパレートシートであると判断する。
【0118】
なお、セパレートシートであることを示す識別子は、セパレートシート検知部244でセパレートシートとして検知されるものであればよく、上記したものに限定されることはない。
【0119】
また、セパレートシートは、図7(b)のように、識別子が、両面にあってもよいし、片面だけにあってもよい。
【0120】
セパレートシートにおいて片面にだけ識別子がある場合は、裏面のブランクページは、上記のブランクページスキップ機能によって除去される。ただし、シートの厚みや材質によっては、パッチ部分やバーコードが裏写りしてブランクページと検知されず、除去できない可能性がある。そのため、片面にだけ識別子があるセパレートシートは用いて、セパレート機能を有効にする場合には、ブランクページ検知部245での検知の閾値を変更する。この検知の閾値の例は別途説明する。
【0121】
また、セパレートシートにおいて識別子は両面にあってもよく、その場合は、両面ともセパレートシートとして検知されるため、上記の裏写りの課題は発生しない。
【0122】
(ブランクページ判定)
次に、ブランクページの判定方法について説明する。判定方法としては、例えば、特許文献2(特開2010−56803号公報)に記載の以下の(1)〜(8)の方法を用いることができる。
(1)RGBの各プレーン毎(色成分毎)で注目画素を含む複数の画素よりなるブロック(例えば7×7画素)の平均値を算出し、注目画素の画素値とする。
(2)RGBの各プレーン毎(色成分毎)で、注目画素を含む複数の画素からなるブロック(例えば7×7画素)の最大濃度差を算出し、エッジ判定閾値と比較し、上記ブロックの注目画素がエッジ画素に属するかを判定する。すなわち、複数の色成分のうち、何れかの最大濃度差がエッジ判定閾値(例えば、30)以上である場合、注目画素はエッジ画素であると判定する。エッジを判定する方法は、上記最大濃度差の他に分散値を求め、分散値が閾値以上のときエッジ画素であると判定するようにしてもよい。
(3)(2)において、エッジ画素と判定された画素をカウントする。
(4)(1)で算出された注目画素の各プレーン毎(色成分毎)の平均値の比較を行い、注目画素毎に、色成分毎の平均値の最大値と最小値を算出し、最大値と最大値と最小値の差分(以下最大差と記述)のそれぞれヒストグラムを生成する。
(5)エッジ画素カウント数が第1判定閾値よりも大きければ、文字領域か網点領域が存在することになり、ブランクページでないと判定する。
(6)エッジ画素カウント数が第1判定閾値(例えば、5000)以下であれば、ブランクページあるいは印画紙写真であると判定する。
(7)ブランクページあるいは印画紙写真であると判定された場合、色成分毎の平均値の最大値と最大差のそれぞれのヒストグラムの度数値が第2判定閾値(例えば、500)よりも大きい区分数の合計値を算出し、それぞれを最大値ヒストグラム原稿濃度幅と最大差ヒストグラム原稿濃度幅とする。
(8)算出された最大値ヒストグラム原稿濃度幅と最大差ヒストグラム原稿濃度幅のそれぞれが、第3判定閾値(例えば、3)よりも小さければ、ブランクページであると判定する。
【0123】
上記の方法では、エッジ画素の判定を行っているが、エッジ画素の判定を行わずに、色成分毎のブロックの平均値を用いて、色成分毎の平均値の最大値と最大差を算出し、最大値と最大差のそれぞれのヒストグラムを生成して、ブランクページであるか否かの判定を行うようにしてもよい。この場合、最大値ヒストグラム原稿濃度幅と最大差ヒストグラム原稿濃度幅の判定以外に、最大差ヒストグラム原稿濃度幅の数(濃度区分数)を検知し、最大値ヒストグラム原稿濃度幅と最大差ヒストグラム原稿濃度幅のそれぞれが、第3判定閾値(例えば、3)よりも小さく、最大差ヒストグラム原稿濃度幅の数が1の場合、ブランクページであると判定すればよい。
【0124】
なお、ブランクページの判定方法は、上記の方法に限定されるものではなく、例えば、黒画素や白画素の画素数を計数し、これらの値を閾値処理して判定してもよい。このとき、画像データを低解像度化して2値化し、白画素や黒画素の画素数を計数するようにしてもよい。また、ブランクページであるか否かの判定を行う閾値は、どのレベルの画像までをブランクと判定するかに応じて、および、解像度に応じて、設定すればよい。
【0125】
また、片面に識別子(パッチ、バーコード等)があるセパレートシートを使用する場合には、識別子が裏写りした場合に生じるエッジ画素数を予め想定しておき、第1判定閾値に加算しておくことによって、裏写りで生じるエッジの影響を取り除くようにしてもよい。裏写りの影響を取り除くには、上記ブランクページ(白紙原稿)の判定方法において、具体的に、次のようにすればよい。エッジ判定閾値を例えば40、エッジ画素カウント数に対する第1判定閾値を例えば7000、最大値ヒストグラム原稿濃度幅と最大差ヒストグラム原稿濃度幅に対する第3判定閾値を例えば5というように、白紙原稿のみを飛ばす場合と比較して高い値に設定すればよい。
【0126】
(カラー判別)
次に、自動カラー判別(ACS)処理について説明する。自動カラー判別処理とは、入力画像データに基づいて、モノクロ画像かカラー画像かを自動判定する技術であり、例えば、特許文献3(特開平4−282968号公報)に記載されている方法を適用することができる。
【0127】
特許文献3に記載の方法は、画素毎にカラー画素であるかモノクロ画素であるかを判別し、与えられる画素順で所定数以上の連続するカラー画素の存在が検知されると、この連続カラー画素分をカラーブロックと認識し、1ライン中に所定数以上のカラーブロックが存在していれば、そのラインをカラーラインとして計数する。そして、原稿中のカラーラインが所定数存在していればカラー画像と判断し、そうでない場合はモノクロ画像と判断するものである。原稿中にどの程度カラー画素が含まれていれば、カラー原稿と判定するのかにより、カラーブロックであるか否かを判定する基準、原稿中のカラーラインの数を適切に設定すればよい。
【0128】
上記の方法において、画素毎にカラー画素であるかモノクロ画素であるかの判定は、RGB信号の最大値と最小値の差を閾値THaと比較する方法;(max(R,G,B)−min(R,G,B)≧THa(例えば、20))や、RGB信号の各色成分の差分の絶対値を求めて閾値と比較する方法など公知の方法を使用することができる。
【0129】
また、別の例としては、RGB信号の最大値と最小値の差を閾値THa(例えば、20)と比較して、画素が有彩であるか無彩であるか判定を行う。そして、有彩と判定された画素を原稿全体で計数し、例えば、有彩画素が7000以上である場合、カラー原稿であると判定する。上記閾値THaを、原稿全体に対する有彩画素の割合ではなく、絶対数で用いるのは、サイズの大きいA3サイズの原稿においても、一部捺印等された原稿をカラー原稿と判定するためである。
【0130】
有彩無彩の判定の方法としては、RGB信号の各色成分の差分の絶対値を求めて閾値と比較する方法など公知の方法を用いてもよい。また、ACSの判定方法は、上記の方法に限定されるものではなく、原稿のカラー、モノクロを精度良く判定できるならば、どのような方法を用いてもよい。
【0131】
(多値・2値の判別)
本実施形態において、出力処理として、ファイル生成処理、イメージ送信処理が選択された場合、印刷処理の場合と同様に、多値画像データだけでなく2値画像データを出力することが可能である。2値画像データは、画像形成装置10aの中間調生成部30で2値化処理が行われる。2値化処理としては、画像データが8ビットの場合、例えば、閾値を128に設定する。あるいは、複数の画素よりなる画素ブロック(例えば、3×3画素や5×5画素)の平均値を求めて閾値とし、ブロックの注目画素を2値化するようにしてもよい。
【0132】
2値で出力処理するか否かは、ユーザが操作パネル7からの指示入力より設定される。あるいは、原稿検知部24にて、多値画像、2値画像の判別が行われる。この判別結果は、出力処理に反映される。
【0133】
以下に、多値・2値の判別方法について説明する。原稿検知部24に原稿種別判別処理を行う処理部を設けてもよく、原稿検知部24の前段、あるいは、後段に原稿種別判別処理部を別途設けてもよい。
【0134】
原稿種別判別処理(原稿種別自動判別処理)とは、入力画像データに基づいて、読み取られた原稿が文字原稿であるか、印刷写真原稿であるか、あるいは、文字と印刷写真が混在した文字印刷写真原稿であるか等の原稿種別を自動判別する技術であり、例えば、特許文献4(特開2002−218232号公報)に記載されている方法を適用することができる。
【0135】
特許文献4に記載されている方法では、原稿の濃度ヒストグラムを作成し、濃度ヒストグラムが示す特徴を利用して、文字原稿、写真原稿、文字/写真原稿を判別する。尚、ここで、網点で構成される印刷写真、連続階調領域より構成される印画紙写真を含めて写真と表現する。
【0136】
図8(a)は、文字よりなるページ(原稿)の濃度ヒストグラムの一例を示し、図8(b)は写真よりなるページ(原稿)の濃度ヒストグラムの一例を示し、図8(c)は、文字/写真よりなるページ(原稿)の濃度ヒストグラムの一例を示している。上述した手法では、このような原稿の種類による濃度ヒストグラムの特徴の違いを利用している。
【0137】
一般的に、文字原稿は、主に文字と下地とからなっている。そのため、文字原稿の濃度ヒストグラムにおいては、図8(a)に示すように、全体の濃度階調幅が狭くなる一方で、文字と下地に対応する濃度区分で高度数となる。このことから、逆に、低度数の濃度区分が多く存在するのが文字原稿の特徴の1つと言える。
【0138】
この特徴を利用して、各濃度区分における度数と低度数閾値とを比較することで低度数の濃度区分を抽出するとともに、その濃度区分数をカウントし、上記濃度区分数と、低度数の濃度区分数が多いかどうかを決定できるように予め設定された第1の閾値とを比較して低度数の濃度区分数の大小を見ることにより、入力原稿が文字原稿である否かを判断することができる。
【0139】
また、一般的な文字原稿のもう1つの特徴として、原稿全面において下地の占める割合が大きいという点がある。すなわち、濃度ヒストグラムにおいて抽出された最大度数値MAX1が総度数に近い値であれば、MAX1が抽出された濃度区分が、文字原稿における下地に対応していると考えられる。
【0140】
したがって、MAX1が総度数に近い値かどうかを決定できるように予め設定された第2の閾値と、MAX1とを比較して、MAX1が第2の閾値よりも大きいか否かを判断することにより、下地の有無を判断して入力原稿が文字原稿であるか否かを判断することができる。
【0141】
また、一般的に、写真原稿は、濃度階調幅が広く、また階調幅の偏りが少ないので、図8(b)に示すように、濃度ヒストグラムにおいて、濃度階調幅が広いとともに、少なくとも同等レベルに近い2つ以上の山が存在するのが、写真原稿の特徴の1つと言える。
【0142】
したがって、濃度ヒストグラムにおいて、最も度数値の高い最大度数値が属する第1最大度数濃度区分と、この第1最大度数濃度区分に隣接する濃度区分以外で最大度数値をもつ第2最大度数濃度区分を求め、それぞれの濃度区分の度数値を第1最大度数値(MAX1)、第2最大度数値(MAX2)とした場合に、(MAX1−MAX2)の値を見ることによって、濃度ヒストグラムで同等レベルに近い2つの山が存在するか否かで判別することができる。
【0143】
但し、原稿サイズに伴い写真原稿と判別される(MAX1−MAX2)の値は変化すると考えられる。したがって、原稿サイズの原稿種別の判別への影響を少なくするため、(MAX1−MAX2)に対する総度数(ALL)の割合を、同等レベルに近い値かどうかを決定できるように予め設定された第3の閾値と比較することが好ましい。
【0144】
また、ある原稿が、写真画像が大部分であり一部に文字画像がある文字/写真原稿である場合、(MAX1−MAX2)が写真画像のみの写真原稿とほぼ同等となることがあり得る。しかし、このような場合には、予め入力原稿を文字/写真原稿として処理を行うのか、あるいは写真原稿として処理を行うのかを決めて上記第3の閾値を設定する。第3の閾値は、なるべく多くの原稿について(MAX1−MAX2)を測定し、原稿種別との関係から決定することが好ましい。
【0145】
なお、濃度ヒストグラムにおいて、第1最大度数値(MAX1)と第2最大度数値(MAX2)との差が互いに等しくなるような文字原稿と写真原稿とが存在する場合も考えられる。この場合、総度数(ALL)の(MAX1−MAX2)に対する割合は、文字原稿と写真原稿とで同じとなってしまい、これらを区別することができない。
【0146】
そこで、先に文字原稿であるか否かを判定しておき、文字原稿の可能性が否定された原稿に対してのみ、写真原稿であるか否かの判定を行うことで、文字原稿と写真原稿とを確実に区別することができ、これらの間での誤判別を確実に無くすことができる。
【0147】
また、文字/写真原稿の場合、その濃度ヒストグラムは、図8(c)に示すように、文字原稿における上述した特徴や、写真原稿の場合の上述した特徴を有していない。したがって、文字原稿や写真原稿と判断されなかった入力原稿については、このような文字/写真原稿と判断することができる。
【0148】
原稿種別判別処理において、文字原稿と判定された原稿の画像データは、2値の画像データであると判定される。また、写真原稿であると判定された原稿の画像データは、多値の画像データであると判定される。また、原稿種別自動判別処理において、文字と写真とが混じった文字/写真原稿であると判定された原稿の画像データは、2値と多値が混ざった画像データであると判定される。
【0149】
2値と多値が混ざった画像データであると判定された場合は、ユーザに対して、多値で処理を行うか2値として処理するかの指示の入力を、促すようにすればよい。あるいは、領域分離処理の結果(文字、網点、連続階調、下地に分離)を参照して、写真(網点および連続階調領域)と判定された画素数と文字と判定された画素数の比に基づいて、2値として処理を行うか多値として処理を行うかを設定するようにしてもよい。例えば、文字と判定された画素の数が多い場合は2値、写真と判定された画素の数が多い場合は多値、両者がほぼ同様である場合は多値とする。あるいは、ユーザに選択を促すようにしてもよい。
【0150】
領域分離処理とは、入力画像データの各画素がどのような種類の領域に属するかを判定するものである。たとえば文字、網点、連続階調、下地などのいずれの領域に属する画素であるのかを判定する。領域分離処理は、画素毎に画像領域の判定を行う形態ではなく、複数の画素単位で画像領域の判定が行われる形態であってもよい。領域分離処理としては、例えば、特許文献5(特開2002−232708号公報)に記載されている方法を適用することができる。
【0151】
特許文献5に記載されている方法では、注目画素を含むn×mのブロック(例えば、15×15)における最小濃度値と最大濃度値の差分である最大濃度差と、隣接する画素の濃度差の絶対値の総和である総和濃度繁雑度を算出し、予め定められる複数の閾値と比較することにより下地領域・連続階調領域と文字エッジ領域・網点領域に分離する。
【0152】
まず、最大濃度差、総和濃度繁雑度を求め、最大濃度差と最大濃度差閾値、及び、総和濃度繁雑度と総和濃度繁雑度閾値の比較を行う。そして、最大濃度差が最大濃度差閾値よりも小さく、かつ、総和濃度繁雑度が総和濃度繁雑度閾値よりも小さいと判断されたときは、注目画素は下地・連続階調領域であると判定し、そうでない場合は、文字・網点領域であると判定する。
【0153】
次に、下地・連続階調領域であると判断された場合、算出された最大濃度差と下地・連続階調領域判定閾値との比較を行い、最大濃度差の方が小さければ下地領域であると判定し、最大濃度差の方が大きければ連続階調領域であると判定する。
【0154】
文字・網点領域であると判断された場合、算出された総和濃度繁雑度と最大濃度差に文字・網点判定閾値を掛けた値との比較を行い、総和濃度繁雑度の方が小さければ文字エッジ領域であると判定し、総和濃度繁雑度の方が大きければ、網点領域であると判定する。
【0155】
なお、多値・2値の判別方法は、上記の方法に限定されるものではない。
【0156】
(天地判定)
次に、天地判定の方法について説明する。図2に示した原稿検知部24において、2値化処理部243の後段に、セパレートシート検知部244と並列に、天地判定部(不図示)を設ければよい。以下の例では、OCR(文字認識)を用いて行うので、記憶部6に辞書データを格納しておく。天地判定は、例えば、特許文献6(特開平6−189083号公報)に記載の以下の(1)〜(5)の方法を用いることができる。
(1)まず、OCR技術を用い文字認識を行い、原稿内の一文字、一文字を切り出し、その文字をパターン化する。
(2)文字パターンの特徴とデータベース化された文字パターン情報を比較する。マッチングの方法としては、データベース化された文字パターンに切り出された文字パターンを重ね合わせ、画素ごとの白黒を比較し、全てが合致したときのデータベース化された文字パターンを入力パターンの文字であると判別する。全てが合致する文字パターンがない場合、マッチングする画素が最も多い文字パターンの文字であると判別する。なお、所定のマッチング割合に達しなければ判別不能と判断する。
(3)切り出された文字パターンを90°、180°、270°回転させ、上記(2)の処理を繰りかえす。
(4)上記(2)及び(3)で得られた文字パターンの回転角毎の判別可能な文字数の比較を行い、判別可能な文字数が最も多い回転角を文字の方向とし原稿の天地を判定する。
(5)出力結果として0°、90°、180°、および270°の4通りを出力する。
【0157】
なお、天地判定の方法は、上記の方法に限定されるものではない。
【0158】
(画像入力装置)
次に、画像入力装置(画像入力部)1の構成について説明する。図9は、画像入力装置の構成を示す図である。図9に示すように、画像入力装置は、下部筐体101、上部筐体102、排紙トレイ103を備えている。
【0159】
画像入力装置1では、原稿を静止させて画像を読み取る静止読取モード、原稿を搬送させながら画像を読み取る走行読取モード、あるいは、原稿を搬送させながら、原稿における両面の画像を読み取る両面モードで、原稿に対する画像読み取りを行えるようになっている。これらのモードの選択等、画像入力装置1への各種指示入力は、上記した操作パネル7より入力される。
【0160】
そして、静止読取モードでは下部筐体101内の第1読取部110によって画像を読み取る。走行読取モードでは、上部筐体102内の第2読取部123によって画像読み取りを行うようになっている。また、両面モードでは、これら第1読取部110および第2読取部123の双方を同時に用いるように設定されている。
【0161】
図9に示すように、下部筐体101は、第1読取部110と第1コンタクトガラス111とを備えている。そして、第1読取部110は、第1走査ユニット112、第2走査ユニット113、結像レンズ114、CCD(Charge Coupled Device)115、第2コンタクトガラス116を備えている。
【0162】
第2コンタクトガラス116は、静止読取モードで読み取る原稿を載置するための台である。第1走査ユニット112は、第1コンタクトガラス111に沿って左から右に一定速度Vで移動しながら、原稿を露光するものである。そして、第1走査ユニット112は、図10に示すように、光源(露光ランプ)150と、原稿の反射光を第2走査ユニット113に導く第1反射ミラー151とを有している。
【0163】
第2走査ユニット113は、第1走査ユニット112に追随してV/2の速度で移動するようになっており、第1反射ミラー151からの光を結像レンズ114、CCD115に導く第2・第3反射ミラー152・153を備えている。
【0164】
結像レンズ114は、第3反射ミラー153からの反射光を、CCD115上で結像させるものである。CCD15は、結像レンズ14からの光をアナログの電気信号に変換するものである。なお、この電気信号は、上記した画像処理装置2aによってデジタルの画像データに変換される。あるいは、画像入力装置1内でデジタルの画像データに変換されてもよい。
【0165】
また、第1読取部110は、第1コンタクトガラス111に載置された原稿の読み取りに加えて、後述するように、上部筐体102の部材によって搬送されている原稿の画像を読み取る機能も有している。
【0166】
また、第1コンタクトガラス111上の原稿を読み取る際には、第1走査ユニット112は、図9のPos1の位置からPos2の位置の方向に、後述の原稿サイズ検知センサ(原稿サイズ検知部)170で検出された原稿サイズに応じて所定距離だけ移動するようになっている。一方、搬送されている原稿を読み取る際には、図9のPos3の位置に停止している。また、使用されていない待機中には、図9のPos1の位置とPos3の位置との中間のPos0(不図示)の位置(ホームポジション)に、停止している。
【0167】
また、図10に示すように、第1コンタクトガラス111の端部前側には、原稿基準板141が備えられている。原稿基準板141は、第1コンタクトガラス111に載置する原稿のサイズ・載置方向を示す指標が示されている。従って、ユーザは、この指標に従って、第1コンタクトガラス111に原稿を容易に載置できる。
【0168】
上部筐体102は、第2読取部123を備えている。第2読取部123は、原稿セットトレイ(原稿台)122に載置された原稿の画像を読み取るためのものであり、原稿搬送部131、イメージセンサ部(CIS:Contact Image Sensor)132、原稿搬送路133、原稿排出部134を備えている。
【0169】
原稿搬送部131は、原稿セットトレイ122に載置された原稿を取り入れ、原稿搬送路133を搬送させるものである。イメージセンサ部132は、原稿搬送路133を搬送されている原稿の上側の画像(イメージセンサ部132と対向する側の画像)を読み取るものである。原稿排出部134は、イメージセンサ部132によって画像を読み取られた後の原稿を、排紙トレイ103に排出するものである。
【0170】
図10は、原稿搬送部131、イメージセンサ部132、原稿排出部134の近傍の構成を詳細に示す図である。
【0171】
図9、10に示すように、原稿搬送部131は、給送補助ローラ161、原稿セット検出センサ162、原稿抑え板163、摩擦パッド164、給送タイミングセンサ165、給送ローラ166、整合ローラ対167を備えている。
【0172】
給送補助ローラ161および原稿抑え板163は、原稿セット検出センサ162に検知された原稿を、第2読取部123内部に引き入れるものである。摩擦パッド164、給送ローラ166および整合ローラ対167は、給送タイミングセンサ165の検知結果に基づいて、引き込まれた原稿を1枚毎にイメージセンサ部132に導くものである。
【0173】
なお、整合ローラ対167は、その駆動軸に電磁クラッチ(図示せず)を備えており、駆動モータ(図示せず)からの駆動力の伝達を制御できるようになっており、原稿のない状態では停止している。そして、原稿の先端が給送タイミングセンサ165に接触し、このセンサから所定の信号が伝達されたときに、原稿を下流側に搬送する方向に回動するように設定されている。
【0174】
整合ローラ対167は、停止した状態で、摩擦パッド164及び給送ローラ166により上流側より搬送された原稿の先端が、整合ローラ対167のニップ部に付き当たり、原稿に所定の撓みを形成した後に、下流側に原稿を搬送するように回動する。この際に、整合ローラ対167のニップ部により、原稿の先端が搬送方向に直角となるように整合される。さらに、整合ローラ対167は、第2コンタクトガラス116との間で、原稿搬送路133の一部を形成している。
【0175】
原稿排出部134は、原稿排出ローラ対169および原稿排出センサ159を備えている。原稿排出ローラ対169の上側ローラは、駆動側のローラであり、上部筐体102の左側部に一体的に設けられて、上部筐体102中の駆動機構により駆動される。原稿排出ローラ対169の上側ローラは、下部筐体101側に回転自在に設けられた原稿排出ローラ対169の下側ローラ(従動ローラ)とで、原稿搬送路133を通った原稿を、挟持搬送して、排紙トレイ103上に排出する機能を有している。上記の制御部5aはセパレートシートの検知結果に基づいて、下側ローラをシフトさせセパレートシートの分別を行う。
【0176】
原稿排出センサ159は、原稿排出ローラ対169の下流側に配置されており、原稿の排出を、上記制御部5aに伝達するものである。
【0177】
次に、画像入力装置における原稿の読み取り処理について説明する。静止読取モードの場合、片面読み取りの機能だけが選択可能となり、第1読取部110だけが原稿の読み取りに用いられる。このとき、第1読取部110の第1走査ユニット112は、まずホームポジション(図9のPos3とPos1との間)に配置される。そして、上記制御部5aの指示に応じて、Pos1の位置から第1コンタクトガラス111上に載置された原稿を走査しながら、第2走査ユニット113とともにPos2側に移動する。これにより、CCD115に、原稿画像に応じた反射光を受光させることが可能となる。このように、第1読取部110は、静止した原稿の下側の面(表面)に形成されている画像を読み取ることとなる。
【0178】
走行読取モードの場合、片面読み取りと両面読み取りの両方の機能が選択可能となる。走行読取モードの片面読み取り時には、第1読取部110だけが原稿の読み取りに用いられる。このモードの指示入力があると、第1読取部110の第1走査ユニット112は、ホームポジションの位置からPos3の位置に移動して停止し、そのまま停止状態を保持して、走行する原稿の読み取りを行う。そして、上記制御部5aの指示に応じて、CCD115が、第2コンタクトガラス116を介して、原稿搬送路133を搬送される原稿の画像を下側から読み取る。すなわち、第1読取部110は、原稿の下側の面(表面)に形成されている画像を読み取ることとなる。
【0179】
走行読取モードの両面読み取り時には、第1読取部110およびイメージセンサ部132の双方が原稿の読み取りに用いられる。このとき、第1読取部110の第1走査ユニット112は、走行読取モードの片面モード時と同様に、図9のPos3の位置に停止される。
【0180】
そして、上記制御部5aの指示に応じて、第1読取部110が、第2コンタクトガラス116を介して、原稿搬送路133を搬送される原稿の画像を下側から読み取る。また、同様に、イメージセンサ部132が、搬送される原稿の上側の面(裏面)に形成されている画像を上側から読み取る。
【0181】
このように、画像入力装置1における両面モードでは、第1読取部110およびイメージセンサ部132が、搬送原稿の表裏両面の画像を、上下方向から一度に読み取ることとなる。
【0182】
さらに、原稿セットトレイ122には、載置される原稿の原稿搬送方向に沿って異なる位置に複数の原稿サイズ検知センサ170が設けられ、原稿セットトレイ122上に載置された原稿のサイズを検知する。詳細には、原稿の搬送方向に沿って配置された複数の原稿サイズ検知センサ170と原稿の幅方向に沿って原稿を規制する原稿規制ガイドの位置とに基づいて原稿サイズの検知を行う。
【0183】
本発明においては、走行読取モードを用いて原稿の読み取りを行う。セパレート機能が有効になると、両面モードが自動的に有効になる。
【0184】
(原稿シフター機構)
次に、図11,12を用いて、原稿シフター機構(原稿仕分部)300による画像入力装置1から排出される原稿の仕分けについて説明する。仕分けは、例えば、特許文献7(特開2008−77641号公報)に記載されている機構を用いて行うことができる。
【0185】
上記のように画像入力装置1は、原稿排出ローラ対169を有しており、このうち、上側ローラ(駆動ローラ)は、上部筐体102に、下側ローラ(従動ローラ)は、下部筐体101に設けられている(図9)。この原稿排出ローラ対169の上側ローラ(駆動ローラ)が、以下で説明するオフセットローラ169aであり、下側ローラ(動ローラ)が、以下で説明するオフセットローラ169bである。
【0186】
原稿シフター機構300は、筐体355a,b、回転駆動源365、駆動伝達部材370、オフセット用駆動源375及びオフセット用駆動伝達部材380等から構成され、読み取られた原稿を排紙トレイに排出する。
【0187】
筐体355aは、上記した上部筐体102に支持され、内部にオフセット部材360及び駆動伝達部材370、外部にオフセット用駆動源375及びオフセット用駆動伝達部材380を備えている。筐体355bは、上記した下部筐体101に支持され、内部にオフセット部材360、外部にオフセット用駆動源375及びオフセット用駆動伝達部材380を備えている。
【0188】
オフセット部材360は、筐体361及びオフセットローラ169等から構成され、例えば図11に示すような状態から図12に示すように矢印Y方向に移動して、原稿をオフセット排出する。筐体361は、用紙を用紙搬送方向に排出できるようにオフセットローラ169を回転自在に支持する。オフセットローラ169は、複数のローラが対になるように支持され、回転することによって用紙をチャックして排紙トレイに排出する。
【0189】
回転駆動源365は、オフセットローラ169aを回転駆動するための駆動力を付与する。駆動伝達部材370は、駆動ギヤ371、シャフト372、連結ギヤ373a、73b及びスライド部材374を備え、回転駆動源365からの駆動力をオフセットローラ169に伝達する。駆動ギヤ371は、回転駆動源365に接続され、嵌合されたシャフト372を回転させる。
【0190】
シャフト372は、装置本体のフレームである上部筐体102内側でオフセットローラ169aと同じ方向に回転自在に支持され、嵌入されたスライド部材374を摺動自在に支持している。また、シャフト372は、オフセット部材360をスライド部材374、連結ギヤ373aを介して原稿の搬送方向に直交する方向に移動自在に支持している。さらに、シャフト372は、連結ギヤ373a及びオフセット部材360の移動範囲を規制するため、スライド部材374に設けられた軸方向に長い孔374−1から突出した規制部材372−1を具備している。
【0191】
連結ギヤ373a・373bは、筐体355a内のオフセット部材360に配置されている。連結ギヤ73aは、筐体361のシャフト側に設けられた孔から突出し且つスライド部材374に嵌入し、スライド部材374とともにシャフト372に矢印Y方向に摺動自在に支持される。また、連結ギヤ373aは、シャフト372の規制部材372−1によってシャフト372の回転が伝わり、スライド部材374及びシャフト372と一体に回転する。連結ギヤ73bは、オフセットローラ169の対となる一方のオフセットローラ169aを支持する支持部材363aの一端に嵌入し、支持部材363aを介してオフセットローラ169aを回転させる。オフセットローラ169の対となる他方のオフセットローラ169bは、オフセットローラ169aに従動して回転する。
【0192】
オフセット用駆動源375は、オフセット用駆動伝達部材380に接続され、オフセット部材360に矢印Y方向に移動する駆動力を付与する。オフセット用駆動伝達部材380は、ピニオンギヤ381及びラックギヤ382等から構成される。ピニオンギヤ381は、回転自在に支持され且つオフセット用駆動源375及びラックギヤ382に接続され、オフセット用駆動源375によって回転駆動され、ラックギヤ382を矢印Y方向に移動させる。ラックギヤ382は、筐体361の上部における図10の紙面奥側に配置され、ピニオンギヤ381による矢印Y方向の移動に伴い筐体361を移動させる。その際、連結ギヤ373a及びスライド部材374は、連結ギヤ73aの側面を筐体361に当接され、筐体361とともに矢印Y方向に移動する。
【0193】
下部筐体101に支持される筐体355bのオフセット部材360は、係止部材301を介してスライド部材に接続されており、筐体355aのオフセット部材360と同様にオフセット用駆動源375及びオフセット用駆動伝達部材380により矢印Y方向に移動するように制御される。筐体355aと筐体355bのオフセット用駆動源375は同期して制御され、オフセットローラ169a・169bが同時に同じ方向にオフセットされて原稿の排出位置が制御される。
【0194】
(原稿サイズ検知)
次に、原稿サイズ検知の方法について説明する。検知方法としては、例えば、特許文献8(特開2010−93406号公報)に記載の以下の方法を用いることができる。
【0195】
図9に示すように、原稿セットトレイ122には、載置される原稿の原稿搬送方向に沿って異なる位置に複数の原稿サイズ検知センサ170が設けられ、原稿セットトレイ122上に載置された原稿のサイズを検知するようになっている。上記原稿の搬送方向に沿って配置された複数のセンサと原稿の幅方向に沿って原稿を規制する原稿規制ガイドの位置に基づいて原稿サイズの検知を行う。
【0196】
(画像形成装置)
次に、本発明の画像形成装置を、複写機や複合機へ適用した例について、図1、13を用いて説明する。
【0197】
図1、13は、画像形成装置10aを、デジタルカラー画像形成装置(デジタル複写機、コピア機能・プリンタ機能・ファクシミリ送信機能・scan to e-mail機能等を備える複合機)に適用した場合のブロック図である。
【0198】
デジタルカラー画像形成装置とは、コピー機能、スキャン機能、印刷機能、FAX送受信機能、イメージ送信機能等の複数の機能を併せ持つ複合機(MFP:Multi Function Peripherals)であるとする。なお、イメージ送信機能には、スキャン機能で読み取り生成した画像データを、e-mailで送信する機能(scan to e-mail)や、usbメモリに格納する機能(scan to usb)が含まれる。なお、画像形成装置10aが有する機能はこれらに限定されない。また、デジタルカラー画像形成装置は、上記の機能の全てを有していなくてもよい。つまり、1つあるいは2つ以上の機能を有していてもよい
まず、図13を用いて、画像形成装置10aでの印刷処理について説明する。図13はコピアモード且つフルカラーモードにて印刷処理を行う際の画像形成装置10a内の画像データの流れを示している。
【0199】
画像入力装置1は、CCD(Charge Coupled Device)ラインセンサからなり、原稿から反射してきた光をR、G、B(R:赤・G:緑・B:青)に色分解された電気信号に変換する。
【0200】
画像入力装置1から入力されたカラー画像信号(RGBアナログ信号)は、A/D(アナログ・デジタル)変換部21にてデジタル信号に変換され、シェーディング補正部22にて画像入力装置1の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みが取り除かれる。その後、入力処理部23においてRGB信号のそれぞれに対してγを補正する処理などが施される。
【0201】
入力処理部23から出力されたデータは、記憶部6に引き渡される。そして、セパレート機能が有効である場合、記憶部6に保存された画像データを用いて、原稿検知部24にて、セパレートシート検知、及びブランクページ検知を行う。
【0202】
入力処理部23から出力された画像データをファイリングデータとして管理するようにしてもよい。この場合、上記画像データは、例えば、JPEG圧縮アルゴリズムに基づいてJPEGコードに圧縮されて格納される。コピー出力動作やプリント出力動作が指示された場合は、記憶部6からJPEGコードが引き出され、不図示のJPEG伸張部に引き渡され、復号化処理がなされRGBデータに変換される。
【0203】
一方、イメージ送信処理の場合は記憶部6からJPEGコードが引き出され、画像送受信装置4から、ネットワーク網や通信回線を介して外部接続装置や通信回線へ向けてデータが伝送される。なお、ファイリングデータの管理やデータの引渡しの動作制御については制御部5aが行うものとする。
【0204】
色補正部25にて、RGB信号の補色であるCMY(C:シアン・M:マゼンタ・Y:イエロー)信号が生成されると共に色再現性を高める処理が施され、黒生成/下色除去部27にてCMYK(K:黒)4色信号に変換される。空間フィルタ部28ではCMYK信号に対して強調処理や平滑化処理がなされ、出力階調補正部29では、用紙等の記録媒体に出力するための出力γ補正処理がなされる。中間調生成部30では画像を出力するための階調再現処理が行われる。
【0205】
一方、領域分離処理部26では、入力画像データの各画素が黒文字、色文字、網点、印画紙写真(連続階調領域)等のどのような領域に属する画素であるのか判定が行われる。領域分離処理部26より出力された領域分離データは、それぞれ黒生成/下色除去部、空間フィルタ部28、中間調生成部30に引き渡され、各種領域に応じた適切な処理の切替えが行われる。
【0206】
中間調生成部30から出力されたCMYK信号は、画像出力装置3に引き渡され出力画像が形成される、つまり印刷処理される。セパレート機能が有効の場合、原稿束毎に、印刷処理される。なお、画像出力装置3は電子写真方式プリンタやインクジェット方式プリンタ等の画像を再現する印刷装置である。
【0207】
次に、図1を用いて、画像形成装置10aのイメージ送信処理について説明する。図1は、フルカラーモードにてイメージ送信処理を行う際の画像形成装置10a内の画像データの流れを示している。
【0208】
画像形成装置10aをイメージ送信モードの送信処理時に動作させる場合、画像入力装置1、A/D(アナログ/デジタル)変換部21、シェーディング補正部22、入力処理部23、領域分離処理部26の処理内容は、上記印刷処理時と同じである。
【0209】
なお、領域分離処理部26は、空間フィルタ部28及び出力階調補正部29に対して領域分離信号を出力する。
【0210】
色補正部25では、一般に普及している表示装置の表示特性に適合したR’G’B’の画像データ(例えば、sRGBデータ)に変換され、空間フィルタ部28にて領域分離信号を基にデジタルフィルタによる空間フィルタ処理(強調処理,平滑化処理)が行われる。また、出力階調補正部29では、例えば、文字領域に対しては、文字をくっきりと表示させるため、図17(b)のガンマ曲線を用いた補正が行われ、文字以外の領域に対しては、図17(a)のガンマ曲線を用いた補正が行われる。図17(a)は、一般に普及している表示装置の表示特性に応じたガンマ曲線である。また、図17(b)の実線で示される曲線は文字をくっきりと表示させるためのガンマ曲線である。図17(b)の破線は、同図(a)のガンマ曲線であり、比較のために図示している。
【0211】
なお、黒生成/下色除去部27は、入力される画像データに対して処理を行わず、この画像データをそのまま後段のブロックに渡す(スルーする)。したがって、出力階調補正部から出力されるのはR’G’B’の画像データである。
【0212】
入力画像データが2値である場合、あるいは、ユーザにより2値で出力する指示入力が設定された場合、中間調生成部30は2値化処理を行う。入力画像データが多値である場合、あるいは、ユーザにより2値で出力する指示入力がなされなかった場合、中間調生成部30は処理をスルーする。
【0213】
中間調生成部30から出力されるR’G’B’の画像データまたは2値モノクロ画像データは、ファイル生成部31でPDFファイル、TIFF、JPEG等の予め設定されている画像ファイルに変換され、図示しないメール処理部(ジョブ装置)にて電子メールに添付され、電子メールが画像送受信装置4からネットワークを介して相手先に送信される。
【0214】
〔実施の形態2〕
本発明の制御装置の別の一形態について図14に基づいて説明する。
【0215】
実施の形態2では、PC60bが、本発明の制御装置として機能し、制御対象である画像処理システムは、画像形成装置10bである。なお、実施の形態1と同じ機能を有する構成には同じ符号を付し、説明は省略する。
【0216】
画像形成装置10bが有する制御部5bは、画像形成装置10bにおける各種構成、各種機能の動作を統括的に制御するブロックである。ただし、実施の形態2では、実施の形態1とは異なり、制御部5bは、外部装置であるPC(コンピュータ)60bとの通信を行い、制御部5bは、PC60bからの指示に基づき、各種制御を行う。実施の形態2では、PC60bは、実施の形態1で画像形成装置の制御部が備えていた、機能設定部51を備えている。
【0217】
実施の形態2では、PC60bは制御部5bを通じて、操作パネル7にユーザインタフェースを表示し、ユーザの入力指示を、制御部5bを通じて、PC60bに送る。つまり、PC60bが制御を行い、画像形成装置10bは、PC60bの指示に従うことになる。
【0218】
PC60bは、画像形成装置10bと離れた場所に設置しておいてもよいし、(例えば、ユーザのPC、あるいは、サーバ装置)、画像形成装置10bに内蔵してもよい(例えば、PCボックス)。
【0219】
実施の形態2のように、画像形成装置10bの制御部5bとは別にコンピュータPC60bを設けて画像形成装置10bの制御を行うことにより、画像形成装置のハードウェアを変更することなく、ソフトウェアにより画像形成装置の高機能化(両面スキャン機能、ブランクページスキップ機能、セパレート機能を組み合わせて、原稿束毎に出力処理を行う機能を付加する)を図ることができる。
【0220】
〔実施の形態3〕
本発明の制御装置のさらに別の一形態について図15に基づいて説明する。
【0221】
実施の形態3では、画像形成装置10cが有する制御部5cが、本発明の制御装置として機能し、制御対象である画像処理システムは、画像形成装置10c及び外部装置であるPC(コンピュータ)60cから成る。なお、実施の形態1と同じ機能を有する構成には同じ符号を付し、説明は省略する。
【0222】
画像形成装置10cの制御部5cは、画像形成装置10cにおける各種構成、各種機能の動作を統括的に制御するブロックである。
【0223】
実施の形態3では、画像形成装置10cには、原稿検知部24が備えられておらず、PC60cに原稿検知部24が備えられている。また、PC60cに備えられたファイル生成部31c’は、原稿検知部24で処理が施された画像データをユーザが指定したファイルフォーマット(PDF、TIFF、JPEG等)に変換する。
【0224】
画像形成装置10cが備えるファイル生成部31cは、画像データを原稿束毎には処理せず、例えば、画像データに、セパレートシート検知及びブランク原稿検知を指示するコマンド等を埋め込み、PDFファイル、TIFF、JPEG等の予め設定されている画像ファイルに変換する。画像送受信装置4は、ファイル生成部31cから受け取った画像ファイルをPC60cに送信する。PC60cでは、上記コマンドに基づき、原稿検知部24が、セパレートシート検知及びブランク原稿検知を行い、ファイル生成部31c’が原稿束毎にファイル生成処理を行う。また、画像形成装置10cにて、原稿とセパレートシートの分類を行う。
【0225】
なお、機能設定部51は、セパレート機能を有効に設定すると、ファイル生成部31cに、セパレートシート検知及びブランク原稿検知を行わせるコマンドを埋め込む指示を送る。
【0226】
実施の形態3においては、画像形成装置10bに、セパレートシート検知機能、ブランク原稿検知機能が備えられていない場合であっても、無地原稿のデータを除外し、原稿が有する情報の画像データを欠落することなく、原稿束毎に出力処理させることができる。
【0227】
〔実施の形態4〕
本発明の制御装置のさらに別の一形態について図16に基づいて説明する。
【0228】
実施の形態4では、PC60dが、本発明の制御装置として機能し、制御対象である画像処理システムは、画像形成装置10d及びPC60dから成る。なお、実施の形態1と同じ機能を有する構成には同じ符号を付し、説明は省略する。
【0229】
画像形成装置10dが有する制御部5dは、画像形成装置10dにおける各種構成、各種機能の動作を統括的に制御するブロックである。ただし、実施の形態4では、実施の形態2と同様に、制御部5dは、外部装置であるPC(コンピュータ)60dとの通信を行い、制御部5dは、PC60dからの指示に基づき、各種制御を行う。
【0230】
実施の形態4では、PC60dは、実施の形態1で画像形成装置10aの制御部5aが備えていた、機能設定部51を備えている。また、画像形成装置10dには、原稿検知部24が備えられておらず、PC60dに原稿検知部24が備えられている。また、PC60dに備えられたファイル生成部31d’は、原稿検知部24で処理が施された画像データをユーザが指定したファイルフォーマット(PDF、TIFF、JPEG等)に変換する。
【0231】
実施の形態4では、PC60dは、画像形成装置10dの制御部5dと通信を行っているので、画像形成装置10dのファイル生成部31dは、実施の形態3のようなコマンドを埋め込む必要はない。
【0232】
ファイル生成部31dは、セパレート機能やブランクページスキップ機能の処理がされていない画像データをファイル(TIFF、JPEG、PDFなど)に生成する。そして、ファイル生成部31dが生成したファイルは、画像送受信装置4からPC60dに送信される。このファイルを受信するとPC60dは、原稿検知部24で、セパレートシート検知、及びブランクページ検知を行い、ファイル生成部31d’で、原稿束毎に、ユーザ指定のフォーマットでファイルを生成する。このように、実施の形態4では、画像形成装置10dのファイル生成部31dでは、原稿束毎の処理は行わず、PC60dのファイル生成部31d’で、原稿束毎にファイルを生成する。
【0233】
実施の形態4では、PC60dは制御部5dを通じて、操作パネル7にユーザインタフェースを表示し、ユーザの入力指示を、制御部5dを通じて、PC60dに送る。つまり、PC60dが制御を行い、画像形成装置10dは、PC60dの指示に従うことになる。
【0234】
また、PC60dはユーザの指示入力のうち、原稿検知をPC60dで行うために必要な画像形成装置10dの制御を行い、画像入力装置1が読み取った画像データを、PC60dに送信させる。
【0235】
実施の形態4では、実施の形態2および実施の形態3に記載した効果同じ効果が得られる。
【0236】
〔実施の形態5〕
上記した画像形成装置10a・10b・10c・10dの代わりに、画像読取装置を用いて、本発明を実現してもよい。この場合、画像読取装置で使用可能なセパレートシートを、画像読取装置に付属させておく、あるいは、別途、画像形成装置よりセパレートシートを印刷出力しておく必要がある。
【0237】
例えば、画像読取装置の操作パネルは、図19(a)に示すような、印刷に関する表示がない画面の表示を行う。なお、画像読取装置の制御をコンピュータで行う場合には、コンピュータに画像形成装置(プリンタや複合機)が接続されている場合には、図19(b)に示すように、セパレートシート印刷の設定や動作を行う表示を行い、上記画像形成装置でセパレートシートの印刷を行う。さらに、画像読取装置で原稿束をセットし、原稿サイズが判明する場合には、操作パネルに図4(b)に示すような表示(シートサイズの選択に自動が含まれる)を行うようにしてもよい。
【0238】
図18に画像読取装置のブロック図を示す。図18に示す画像読取装置100は、図1の画像形成装置10aにおいて黒生成/下色除去部27及び画像出力装置3が設けられていない以外は、図1の画像形成装置10aと同じである。また、各部(各構成)の処理も同様であるので、説明は省略する。図18では、画像読取装置100が有する制御部5eが、本発明の制御装置として機能し、制御対象である画像処理システムは、画像読取装置100である。
【0239】
なお、図示はしないが、実施の形態2〜4のいずれかの画像形成装置において黒生成/下色除去部27及び画像出力装置3が設けられていない構成の画像読取装置も、本発明に含まれる。
【0240】
〔実施の形態6〕
(プログラム・記録媒体)
本発明の実施の一形態として、上記した制御部5a,5c、5e、PC60b,60dを、それぞれ、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0241】
すなわち、制御部5a,5c、5e、PC60b,60dは、それぞれ、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである制御部5a,5c、5e、PC60b,60dのそれぞれの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、制御部5a,5c、5e、PC60b,60dに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0242】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0243】
また、制御部5a,5c、5e、PC60b,60dを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0244】
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、上述した各実施の形態において開示された各技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0245】
本発明は、1以上の原稿からなる原稿束を合紙を挟んで複数重ねた原稿束集合から合紙を検知し原稿束毎に出力処理を行う画像処理システム、を制御する制御装置等に適用可能である。
【符号の説明】
【0246】
1 画像入力装置(画像入力部)
2a,2b,2c,2d 画像処理装置
3 画像出力装置(出力部、印刷部、合紙出力部)
4 画像送受信装置(出力部、イメージ送信部)
5a,5c,5e 制御部(制御装置)
5b,5d 制御部
6 記憶部
7 操作パネル(受付部)
10a,10b,10c,10d 画像形成装置(画像形成システム)
31 ファイル生成部(出力部)
60a PC
60b PC(制御装置)
60c PC(画像形成システム)
60d PC(制御装置、画像形成システム)
24 原稿検知部
31,31c’,31d’ ファイル生成部(出力部)
51 機能設定部
100 画像読取装置(画像形成システム)
122 原稿セットトレイ(原稿台)
170 原稿サイズ検知センサ(原稿サイズ検知部)
244 セパレートシート検知部(合紙検知部)
245 ブランクページ検知部(無地原稿判定部)
300 原稿シフター機構(原稿仕分部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の原稿からなる原稿束が合紙を挟んで複数重ねられた原稿束集合の原稿を連続して読み取り可能であり、読み取った原稿の画像データを生成する画像入力部と、
上記画像入力部が生成した画像データが無地原稿のデータであるか否かを判定する無地原稿判定部と、
上記画像入力部が生成した画像データから、上記合紙の画像データを検知する合紙検知部と、
上記画像入力部が生成した画像データの出力処理を実行する出力部と、を備え、
上記画像入力部は、原稿の両面を読み取って両面の画像データをそれぞれ生成する両面読取機能を有し、
上記出力部は、上記無地原稿判定部が判定した無地原稿のデータを上記出力処理の対象外とする無地データスキップ機能と、上記合紙検知部が検知した上記合紙の画像データで分離される原稿束の画像データ毎に上記出力処理を行うセパレート機能とを有する画像処理システム、を制御する制御装置であって、
上記セパレート機能を有効にする際、併せて、上記両面読取機能及び上記無地データスキップ機能も有効にする機能設定部を備えたことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
上記合紙検知部が合紙の画像データを検知すると、上記機能設定部は、検知した合紙以降に上記画像入力部で読み取られた原稿束の画像データに対して、上記セパレート機能を有効にすることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
上記画像処理システムは、さらに、ユーザからの指示入力を受け付ける受付部を備えており、
上記受付部が上記セパレート機能を有効にするセパレートモード指示入力を受け付けると、上記機能設定部は、上記セパレート機能を有効にすることを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
上記画像入力部は、さらに、原稿の片面を読み取り画像データを生成する片面読取機能を有しており、
上記受付部が上記セパレートモード指示入力を受け付け、さらに、上記両面読取機能を無効にする両面読取無効指示入力を受け付けると、
上記機能設定部は、上記両面読取機能を無効にし、かつ上記片面読取機能を有効にすることを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
上記画像処理システムは、さらに、上記画像入力部で生成された画像データが、モノクロ画像データかカラー画像データかを判別するカラー判定部を備え、
上記出力部は、さらに、上記カラー判定部がモノクロ画像データと判定した画像データをモノクロで上記出力処理し、上記カラー判定部がカラー画像データと判定した画像データをカラーで上記出力処理する出力色決定機能を有し、
上記機能設定部は、上記セパレート機能を有効にすると、さらに、上記出力色決定機能も有効にすることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
上記画像処理システムは、さらに、上記画像入力部で生成された画像データの天地方向を判定する天地判定部を備え、
上記出力部は、さらに、上記天地判定部の判定に基づき画像データの天地方向を順方向にして上記出力処理する天地方向補正機能を有し、
上記機能設定部は、上記セパレート機能を有効にすると、さらに、上記天地方向補正機能も有効にすることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
上記出力部は、上記出力処理として、上記画像データの印刷を行う印刷部、上記画像データをファイルとして生成するファイル生成部、及び上記画像データをイメージとして送信するイメージ送信部、の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の制御装置と、上記画像入力部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
ユーザからの指示入力を受け付ける受付部を備え、
上記受付部が、合紙の出力指示入力を受け付けると、上記合紙検知部が合紙の画像データとして検知可能な識別子を、シートに印刷して出力する合紙出力部を備えたことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
上記画像入力部は、上記原稿束集合を載置する原稿台と、上記原稿台に置かれた原稿束集合に含まれる原稿のサイズを検知する原稿サイズ検知部とを備え、
上記合紙出力部は、上記原稿サイズ検知部が検知したサイズのシートに上記識別子を印刷して出力することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
上記合紙出力部は、上記識別子をシートの両面に印刷して出力することを特徴とする請求項9または10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
上記合紙出力部が、上記識別子をシートの片面に印刷して出力すると、上記制御装置は、上記無地原稿判定部での判定の閾値を大きくなるよう変更することを特徴とする請求項9または10に記載の画像形成装置。
【請求項13】
上記画像入力部での読み取りが終わった上記原稿束と上記合紙とを分別して排出する原稿仕分部を備えることを特徴とする請求項8から12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
請求項1から7のいずれか1項に記載の制御装置と、上記画像入力部と、を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項15】
上記画像入力部での読み取りが終わった上記原稿束と上記合紙とを分別して排出する原稿仕分部を備えることを特徴とする請求項14項に記載の画像形成装置。
【請求項16】
1以上の原稿からなる原稿束が合紙を挟んで複数重ねられた原稿束集合の原稿を連続して読み取り可能であり、読み取った原稿の画像データを生成する画像入力部と、
上記画像入力部が生成した画像データが無地原稿のデータであるか否かを判定する無地原稿判定部と、
上記画像入力部が生成した画像データから、上記合紙の画像データを検知する合紙検知部と、
上記画像入力部が生成した画像データの出力処理を実行する出力部と、を備え、
上記画像入力部は、原稿の両面を読み取って両面の画像データをそれぞれ生成する両面読取機能を有し、
上記出力部は、上記無地原稿判定部が判定した無地原稿のデータを上記出力処理の対象外とする無地データスキップ機能と、上記合紙検知部が検知した上記合紙の画像データで分離される原稿束の画像データ毎に上記出力処理を行うセパレート機能とを有する画像処理システム、の制御方法であって、
上記セパレート機能を有効にする際、併せて、上記両面読取機能及び上記無地データスキップ機能を有効にする機能設定ステップを含むことを特徴とする制御方法。
【請求項17】
請求項1から7のいずれか1項に記載の制御装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記制御装置の上記機能設定部として機能させるための制御プログラム。
【請求項18】
請求項17に記載の制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−103632(P2012−103632A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254295(P2010−254295)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】