説明

画像処理システム及びそれを構成する画像処理装置

【課題】安定した電力供給が行なわれない状況に適切に対応することができる画像処理システム及びそれを構成する画像処理装置を提供する。
【解決手段】
画像処理システム200は、サーバコンピュータ180と、サーバコンピュータと通信可能な複数の画像処理装置100〜104とを備え、サーバコンピュータ180は、1つのジョブを複数の画像処理装置100〜104に分担させて実行させる機能を有し、電力需給状況が良好な場合、1つのジョブを複数の画像処理装置100〜104の全てに分担させて実行させ、電力需給状況が悪い場合、1つのジョブを、複数の画像処理装置100〜104のうちの少なくとも1つの画像処理装置を除いた残りの画像処理装置に分担させて実行させる。これにより、画像処理システム200の消費電力の低減を実現すると共に、分散プリントジョブ等の1つのジョブを複数の画像処理装置に実行させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安定した電力供給が行なわれない場合に適切に対応することができる画像処理システム及びそれを構成する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器である画像処理装置の1種として、多くの事業所(会社、事務所等)に、記録紙に画像を形成する画像形成装置(代表的にはコピー機)が導入されている。このような事業所において、プリンタ機能又はコピー機能等を備えた画像形成装置をネットワークに接続し、これらを複数のユーザで共用するケースが多くなっている。このような画像形成装置の1種である複合機(MFP(MultiFunction Peripheral))は、コピーモード、ファクシミリモード(以下、ファクシミリをFAXともいう)、ネットワーク対応のプリンタモード、及びスキャナモードのように、複数の基本的な動作モードを備える。
【0003】
近年、事業所においては、1人1台のパーソナルコンピュータ(以下、PCともいう)の使用、及び複数台の複合機を含む多数の電子機器の設置による電力使用量の増加が懸念されてきた。これに対しては、省エネルギーの要求を受けて、複合機を含めて個々の電子機器のスペック向上等により、機器単体としての電力消費量が抑制されている。
【0004】
従来の画像処理装置は基本的に安定した電力が供給されることを前提に設計されている。例えば、1つの印刷ジョブを複数の複合機に分散して見かけの出力速度を上げる機能(以下、分散プリント(Cluster Printing)ともいう)、及び節電機能等は全て安定した電力が供給されることを前提にしている。ノートPC、携帯端末等のバッテリーを備えた装置のようにバッテリー残量が少なくなった場合、又は、停電が発生する時間帯に近づいた場合等への配慮は、画像処理装置においては特段考える必要はなかったし、実際に配慮されても来なかった。
【0005】
しかし、昨今の電力供給事情に鑑みると、これまでの「安定した電力供給が行なわれる(保証される)」という前提は崩れ、電力供給量の減少、さらには電力供給停止(停電)に至る可能性が無視できなくなっている。公的な電力使用制限(例えば計画停電)が実施されるようにもなってきている。これには、各機器における従来の省エネルギー対策では対応できない。したがって、停電による緊急停止等の不具合を生じないように、各画像処理装置において適切に対応すること、及び、限られた電力供給量の中で、複数台の画像処理装置を適切に管理及び制御することが求められるようになってきた。
【0006】
例えば、下記特許文献1には、同じフロアー内の複写機が同時にウォームアップ状態にならないように、電源の投入タイミングをずらす技術が開示されている。これによって、電源電圧に与える影響を低減することができ、短時間ではあるが電力消費量を低減することができる。
【0007】
複数の画像処理装置を同時に使用する分散プリントに関しては、下記特許文献2に、1つのプリントジョブを分割して複数台の画像形成装置で出力させる際、プリントサーバから画像形成装置へのデータ転送速度が、画像形成装置におけるプリント処理速度よりも遅いと画像欠損が生じる問題を解決するために、使用する画像形成装置の台数を減らすように、プリントジョブを分割し直す技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−17875号公報
【特許文献2】特開2003−177895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記したように、停電による緊急停止等の不具合を生じないように、各画像処理装置において適切に対応することが必要である。さらには、複数台の画像処理装置を適切に管理及び制御することも必要である。出力速度を優先した分散プリントを行なう場合、複数台の画像処理装置を同時に使用するので、処理時間は短縮されるが電力使用量は増大する。これは、分散プリントに限らず、複数の画像処理装置を用いて1つのジョブを実行する場合に言えることである。したがって、複数の画像処理装置を用いて1つのジョブを実行する場合に、電力供給量の低減への対応が特に必要となる。
【0010】
しかし、特許文献1では、複数の画像形成装置で同時に1つのジョブを実行する分散プリントについては考慮されていない。また、特許文献2では、電力需給状況が不安定になり急な停電が発生する場合、又は、複数台の画像形成装置への十分な電力供給が望めない場合については何ら考慮されていない。
【0011】
したがって、本発明は、電力供給量の低下等、安定した電力供給が行なわれない状況に適切に対応することができ、分散プリントジョブ等の複数の画像処理装置を用いて行なわれる1つのジョブを適切に処理することができる画像処理システム及びそれを構成する画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的は、下記によって達成することができる。
【0013】
即ち、本発明に係る画像処理システムは、サーバコンピュータと、サーバコンピュータと通信可能な複数の画像処理装置と、外部から供給される電力の需給状況に関する情報を取得する情報取得部と、情報取得部によって取得された情報を用いて、電力需給状況を判定する判定部と備え、サーバコンピュータは、1つのジョブを、複数の画像処理装置に分担させて実行させる機能を有し、判定部によって電力需給状況が悪くないと判定された場合、1つのジョブを、複数の画像処理装置の全てに分担させて実行させ、判定部によって電力需給状況が悪いと判定された場合、1つのジョブを、複数の画像処理装置のうちの少なくとも1つの画像処理装置を除いた残りの画像処理装置に分担させて実行させる。
【0014】
好ましくは、少なくとも1つの画像処理装置は、判定部によって電力需給状況が悪いと判定された場合、少なくとも一部の機能を停止する。
【0015】
より好ましくは、少なくとも1つの画像処理装置は、ジョブを実行するための複数の内部ユニットと、複数の内部ユニットに電力を供給する電力供給部と、判定部によって電力需給状況が悪いと判定された場合、電力供給部に、複数の内部ユニットの少なくとも1つの内部ユニットへの電力供給を停止させる停止部とを備え、少なくとも1つの画像処理装置における少なくとも一部の機能の停止は、停止部による内部ユニットへの電力供給の停止によって実行される。
【0016】
さらに好ましくは、少なくとも1つの画像処理装置は、少なくとも一部の機能を停止している状態で、サーバコンピュータから、1つのジョブを分担して実行させる指示を受信した場合、1つのジョブを分担して実行できないことを表す不可情報をサーバコンピュータに送信する、又は、1つのジョブのうち、少なくとも1つの画像処理装置に分担して実行することが割当てられた部分を、残りの画像処理装置のうちの少なくとも1つの画像処理装置に送信する。
【0017】
好ましくは、不可情報を受信したサーバコンピュータは、1つのジョブのうち、不可情報を送信した画像処理装置に分担させる部分を、残りの画像処理装置のうちの少なくとも1つの画像処理装置に実行させる。
【0018】
より好ましくは、少なくとも1つの画像処理装置は、残りの画像処理装置の電力消費量の合計が所定値を超えないように決定される。
【0019】
さらに好ましくは、少なくとも1つの画像処理装置は、所定の条件の下で、残りの画像処理装置の電力消費量の合計が最小になるように決定される。
【0020】
好ましくは、複数の画像処理装置の各々は、判定部によって電力需給状況が悪いと判定された場合、少なくとも一部の機能を停止し、複数の画像処理装置の全てが、少なくとも一部の機能を停止することによって1つのジョブが実行できない場合、サーバコンピュータは、1つのジョブの実行を保留し、少なくとも2つの画像処理装置が、停止していた機能を再開した後に、サーバコンピュータは、停止していた機能を再開した画像処理装置に、1つのジョブを分担させて実行させる。
【0021】
より好ましくは、サーバコンピュータは、1つのジョブを複数の画像処理装置の全てに分担させて実行することを指示した後、判定部によって電力需給状況が悪いと判定された場合、複数の画像処理装置のうちの少なくとも一部の画像処理装置に、1つのジョブを分担して実行することを停止させる。
【0022】
また、本発明に係る画像処理装置は、外部から供給される電力の需給状況に関する情報を取得する情報取得部と、情報取得部によって取得された情報を用いて、電力需給状況を判定する判定部と備え、ジョブを実行するための複数の内部ユニットと、複数の内部ユニットに電力を供給する電力供給部と、判定部によって電力需給状況が悪いと判定された場合、電力供給部に、複数の内部ユニットの少なくとも1つの内部ユニットへの電力供給を停止させる停止部とを備える。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、電力需給状況が悪く安定した電力供給が行なわれない状況でも、複数の画像処理装置に1つのジョブを実行させることができる。即ち、画像処理システムとして消費電力の低減を実現した上で、分散プリントジョブ等の1つのジョブを複数の画像処理装置に実行させることができる。
【0024】
また、各画像処理装置においても、電力需給状況が悪く安定した電力供給が行なわれない状況に適切に対応することができる。即ち、電力消費量が大きい内部ユニット(例えば、記録紙への画像形成に使用される定着ユニット)、又は複数の内部ユニット全体への電力供給を停止することによって、消費電力を削減することができる。
【0025】
また、特定の画像処理装置が、サーバコンピュータから割当てられたジョブの一部を実行できない場合には、サーバコンピュータが、そのジョブの一部を別の画像処理装置に実行させることによって、効率的にジョブを実行することができる。また、特定の画像処理装置が、サーバコンピュータから割当てられたジョブの一部を実行できない場合には、その画像処理装置が、そのジョブの一部を別の画像処理装置に転送して実行させることによっても、効率的にジョブを実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像処理システムに使用される画像処理装置の外観を示す斜視図である。
【図3】図2に示した画像処理装置の内部構成を模式的に示すブロック図である。
【図4】図3に示した印字部の構成を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る画像処理システムを構成する各画像処理装置において実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図6】当日の電力需給情報の例を示す図である。
【図7】翌日の電力需給情報の例を示す図である。
【図8】短時間周期で提供される電力需給情報の例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る画像処理システムにおいて実行される分散プリントジョブへの対応を考慮したプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図10】図1とは別のシステム構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0028】
本発明の実施の形態に係る画像処理システムは、LAN等のネットワークによって相互に接続された複数の画像処理装置、及びサーバコンピュータ(以下、プリントサーバという)を備えて構成される。画像処理装置は、プリンタ機能、コピー機能、ファクシミリ機能、及びスキャナ機能等の複数の機能を備えたデジタル複合機である。各画像処理装置又はプリントサーバは、電力需給状況に関する情報を取得し、電力需給状況に応じて、各画像処理装置の電力消費状態を変更する。
【0029】
図1を参照して、本実施の形態に係る画像処理システム200は、第1画像処理装置100、第2画像処理装置102、第3画像処理装置104、プリントサーバ180、端末装置182及びこれらが接続されたネットワーク190を備えている。端末装置182は、例えばコンピュータである。プリントサーバ180は、第1画像処理装置100、第2画像処理装置102及び第3画像処理装置104を管理するサーバコンピュータであり、ユーザが端末装置182を操作して第1〜第3画像処理装置100〜104により画像形成(印刷)することを可能にする。
【0030】
画像処理システム200は、第1〜第3画像処理装置100〜104以外にも、これらと同様の機能を有する画像処理装置を備えることができるが、図1では代表的に3台のみを示している。同様に、画像処理システム200は、複数の端末装置及び複数のプリントサーバを備えることができるが、図1では代表的にそれぞれ1台のみを示している。なお、第2画像処理装置102及び第3画像処理装置104は、第1画像処理装置100と同じ構成であり、同じ機能を有するとする。したがって、以下の第1画像処理装置100の構成及び機能に関する説明は、第2画像処理装置102及び第3画像処理装置104に関する説明でもある。
【0031】
図2を参照して、第1画像処理装置100は、画像読取部110、画像形成部120、操作部130、給紙部140、手差し給紙トレイ146、及び排紙処理部150を備えている。操作部130は、タッチパネルディスプレイ132及び操作キー部134を備えている。タッチパネルディスプレイ132は、液晶パネル等で構成された表示パネルと、表示パネルの上に配置され、タッチされた位置を検出するタッチパネルとを含む。操作キー部134には、図示しないいくつかの機能キーが配置される。
【0032】
図3を参照して、第1画像処理装置100は、ネットワーク190以外に電話回線網192にも接続されている。第1画像処理装置100は、上記した画像読取部110、画像形成部120、及び操作部130に加えて、制御部160、ハードディスクドライブ(以下、HDDと記載する)162、管理部164、画像処理部166、通信部168、FAXモデム170、及び電力供給部174を備えている。
【0033】
画像読取部110は、原稿を読取って画像データを入力する。制御部160は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部160は、プログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)(図示せず)と、揮発性の記憶装置であるRAM(Random Access Memory)(図示せず)とを使用して、第1画像処理装置100が備える各部を制御する。ROMには、第1画像処理装置100の動作を制御するのに必要なプログラム及びデータが記憶されている。制御部160は、ROMからプログラムをRAM上に読出して、RAMの一部を作業領域としてプログラムを実行する。即ち、制御部160は、ROMに格納されているプログラムにしたがって第1画像処理装置100を構成する各部の制御を行ない、第1画像処理装置100の各機能を実現する。
【0034】
操作部130は、ユーザによる第1画像処理装置100に対する指示等の入力を受付ける。通信部168は、ネットワーク190を介して端末装置182、第2画像処理装置102、第3画像処理装置104、プリントサーバ180と通信する。画像形成部120は、画像データを記録紙に印刷する。HDD162は画像データを記憶する。管理部164は、第1画像処理装置100の制御情報、設定情報等を記憶する。
【0035】
制御部160は、管理部164に記憶された情報をもとに、第1画像処理装置100全体の動作を制御する。画像処理部166は、読取った画像データに対して種々の画像処理を実行する。FAXモデム170は、電話回線網192を介してファクシミリ装置194と通信する。
【0036】
電力供給部174は、制御部160の制御を受けて、外部から第1画像処理装置100に供給される電力を、電力供給ライン(図示せず)を介して各部に供給する。
【0037】
図3では、各部が制御部160に接続されているので、各部間のデータ伝送は制御部160を介して行なわれる。しかし、この構成に限定されず、データバスを備え、制御部160を含めて各部をデータバスに接続することもできる。その場合、データバスを介して、各部が制御部160による制御を受け、各部間でのデータ伝送が行なわれる。
【0038】
給紙部140は、第1給紙トレイ142及び第2給紙トレイ144を備えている。手差し給紙トレイ146は、記録紙を手差し給紙するためのトレイである。
【0039】
第1画像処理装置100は、ファクシミリ装置194との間でFAXによる画像データの送受信が可能であり、ネットワーク190がさらに外部のインターネットに接続されている場合、インターネットに接続されたPC等の端末装置との間で電子メール等を利用した画像データの送受信が可能である。
【0040】
以下、図3に示した第1画像処理装置100の各部について詳細に説明する。画像読取部110は、原稿を読取って画像データを生成する。画像読取部110は、例えば、画像読取デバイスとしてのCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)112と、原稿台、自動原稿送り装置(ADF)等にセットされた原稿を検知する原稿検知センサ114とを備えている。
【0041】
操作部130は、各種の入力キー(ハードウェアキー)を備えた操作キー部134と、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)等の表示パネルの上にタッチパネルが配置されたタッチパネルディスプレイ132とを備えている。ユーザは、操作部130を介して、第1画像処理装置100に対して操作の入力や、各種設定の入力を行なう。操作部130には、第1画像処理装置100を利用するユーザの認証情報を入力する認証情報入力装置を配置するようにしてもよい。ユーザの認証情報の入力方法としては、例えば、ユーザコードの直接入力、IDカードの情報読取入力、ユーザの生体情報(指紋等の)読取入力等様々である。これらの何れかの方法により、第1画像処理装置100のユーザ認証を行なえるようにする。ユーザは、操作部130から、記録中のジョブを中断して別のジョブを割り込ませるための割り込み指示を行なうこともできる。
【0042】
制御部160は、操作部130に設けられたタッチパネルディスプレイ132、入力キー等に対するユーザの操作を監視すると共に、タッチパネルディスプレイ132に第1画像処理装置100の状態に関する情報等のユーザに通知すべき情報等を表示する。
【0043】
画像形成部120は、画像データを処理して出力する。画像形成部120は、メモリ122と印字部124とを備えている。印字部124は、記録紙上に画像を形成する。
【0044】
画像形成部120は、画像読取部110によって読取られた画像データをメモリ122に一旦記憶し、その後、メモリ122上の画像データをHDD162に記憶する。また、画像形成部120は、HDD162に記憶した画像データをメモリ122に読出し、印字部124に伝送し、記録紙に印刷して出力する。
【0045】
HDD162は、入力された画像データを記憶する。HDD162は、磁気記憶媒体であり、大量の画像データを蓄積して順次処理することが可能である。これにより、第1画像処理装置100は、複数のユーザからの指示を効率良く処理することができる。
【0046】
画像処理部166は、操作部130からユーザの指示を受けた制御部160により制御されて、メモリ122から画像データを読出して、指示された画像処理を実行し、その結果をメモリ122に記憶する。処理結果の画像データは、制御部160を介して、タッチパネルディスプレイ132に表示される。その後、メモリ122上の画像データは、ユーザの指示を受けて、印字部124に伝送されて記録紙に印刷される、FAXモデム170を介して電話回線網192に出力される、又は、通信部168を介してネットワーク190に出力される。
【0047】
記録紙への画像形成に関してより詳細に説明する。図4を参照して、印字部124は、光走査装置1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット7等を備えている。第1画像処理装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の各色を用いたカラー画像データ、即ち、これら4色の成分に分解された画像データである。したがって、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、及びクリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するように、それぞれ4個ずつ設けられ、これらによって、ブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローを処理する4つの画像ステーションが構成されている。
【0048】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための装置であり、図4に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられることもある。
【0049】
光走査装置1は、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)である。光走査装置1には、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズ及びミラー等の光学要素とが配置されている。光走査装置1としては、このような構成以外に、発光素子をアレイ状に並べた、例えばEL又はLED書込みヘッドを用いるものも採用できる。
【0050】
光走査装置1は、帯電された感光体ドラム3を、入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する。現像器2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(YMCK)のトナーにより顕像化する。クリーナユニット4は、現像及び画像転写後に感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去及び回収する。
【0051】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64、及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。中間転写ローラ64は、YMCKの各色に対応して4本設けられている。
【0052】
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。各中間転写ローラ64は、対応する感光体ドラム3のトナー像を中間転写ベルト61上に転写するために、後述する転写バイアスを供給する。
【0053】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。中間転写ベルト61は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0054】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行なわれる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM、発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施の形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシ等を用いることも可能である。
【0055】
上述のように各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電像は中間転写ベルト61上で積層される。このように積層された画像情報(トナーの濃淡分布)は、中間転写ベルト61が回転されて、記録紙と中間転写ベルト61との接触位置に配置される転写ローラ10によって記録紙上に転写される。
【0056】
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10とは所定ニップで圧接されると共に、転写ローラ10にはトナーを記録紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ10及び中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方には硬質材料(金属等)が用いられ、他方には弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、発泡性樹脂ローラ等)が用いられる。
【0057】
また、上記のように、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、又は転写ローラ10によって記録紙上に転写が行なわれずに中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去されて回収される。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、クリーニング部材として、例えば中間転写ベルト61に接触するクリーニングブレードが配置されており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
【0058】
図4には、第1給紙トレイ142及び手差し給紙トレイ146の記録紙を、転写ローラ10及び定着ユニット7を経由させて排紙トレイ152に送るために、略鉛直方向に形成される記録紙搬送路Sを示す。記録紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ172、複数の搬送ローラ12a〜12e、レジストローラ13、転写ローラ10、及び定着ユニット7等が配置されている。
【0059】
搬送ローラ12a〜12dは、記録紙の搬送を促進及び補助するための小型のローラであり、記録紙搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ172は、第1給紙トレイ142の端部近傍に配置され、第1給紙トレイ142から記録紙を1枚ずつピックアップして記録紙搬送路Sに供給する。
【0060】
レジストローラ13は、記録紙搬送路Sを搬送される記録紙を一旦保持する。そして、中間転写ベルト61上のトナー像の先端と記録紙の先端とが一致するタイミングで記録紙を転写ローラ10に搬送する。
【0061】
定着ユニット7は、ヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えている。ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、記録紙を挟んで回転する。ヒートローラ71は、外部加熱ベルト73によって外部から加熱される。このとき、ヒートローラ71は、制御部160によって、温度検出器(図示せず)からの信号に基づいて、所定の定着温度に設定される。ヒートローラ71は、加圧ローラ72と共にトナーを記録紙に熱圧着することにより、記録紙に転写された多色トナー像を溶融、混合、及び圧接し、記録紙に対して熱定着させる。これによって、記録紙に画像が形成される。
【0062】
第1画像処理装置100が搭載している機能(コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、及びファクシミリ機能)を実行する各モードについて簡単に説明する。
【0063】
(コピーモード)
第1画像処理装置100を複写機として利用する場合には、画像読取部110によって読取られた原稿の画像データが、画像形成部120から複写物として出力される。
【0064】
画像読取部110に装備されたCCD112により、読取位置にセットされた原稿の画像を電子的に読取ることができる。読取られた画像データは、メモリ122上に出力データ(印刷用データ)として完成された後、HDD162に記憶される。原稿が複数ある場合には、この読取動作及び記憶動作が繰返される。その後、操作部130から指示された処理モードに基づいて、HDD162に記憶された画像データが適切なタイミングで順次読出されてメモリ122に送られる。そして、印字部124での画像形成のタイミングに合わせて画像データがメモリ122から印字部124へと伝送される。
【0065】
読取った画像データを複数枚印字する場合にも、同様に出力データとしてページ単位でHDD162に記憶され、HDD162からメモリ122に送られ、出力枚数の分だけ繰返し、印字部124での画像形成のタイミングに合わせて印字部124へ伝送される。
【0066】
具体的には、上記したように、光走査装置1は、帯電された感光体ドラム3を、入力された画像データに応じて露光することにより、感光体ドラム3の表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する。感光体ドラム3上の静電潜像は中間転写ベルト61に転写され、中間転写ベルト61で顕像化された静電像は、搬送された記録紙に、レジストローラ13によって転写される。その後、記録紙は、定着ユニット7によって加熱及び加圧され、排紙トレイ152に排出される。
【0067】
(プリンタモード)
第1画像処理装置100をプリンタとして利用する場合には、通信部168を介して受信した画像データがメモリ122等を介して画像形成部120から出力される。
【0068】
通信部168は、有線又は無線でネットワーク190と接続されており、ネットワーク190に接続された外部機器である端末装置182から画像データを受信する。受信された画像データは、出力画像データとしてページ単位にメモリ122に送られた後、HDD162に記憶される。そして、画像データは、再びHDD162からメモリ122に送られ、上記したコピーモードと同様に印字部124へと転送され、画像形成が行なわれる。
【0069】
(スキャナモード)
第1画像処理装置100を、例えばネットワークスキャナとして利用する場合には、画像読取部110において読取られた原稿の画像データを、通信部168からネットワーク190を介して任意の端末装置(例えば端末装置182)へ送信する。この場合にも、画像読取部110に装備されたCCD112により原稿を電子的に読取る。そして、読取られた原稿の画像データは、メモリ122上に出力データとして完成された後、HDD162に記憶される。そして、再びHDD162からメモリ122に送られ、操作部130を介して指定された送信先との通信を確立させた上で、通信部168から指示された送信先へと送信される。
【0070】
(ファクシミリモード)
第1画像処理装置100は、上記したように、FAXモデム170が電話回線網192に接続され、通信部168がネットワーク190、インターネット220に接続されている。したがって、第1画像処理装置100は、電話回線網192を介してファクシミリ装置194とFAX送受信することができる。
【0071】
第1画像処理装置100をファクシミリ装置として利用する場合、ファクシミリ装置194からFAX受信したデータを、画像データとしてメモリ122上に形成し、上記と同様に、HDD162への記憶、印字部124による印刷を実行することができる。また、第1画像処理装置100は、HDD162から画像データを読出して、FAX通信用のデータ形式に変換して、ファクシミリ装置194に送信することができる。
【0072】
プリントサーバ180は、汎用コンピュータと同様に、CPU、RAM、ROM、HDD、NICを備えている。
【0073】
以下、画像処理システム200において、電力需給状況に応じて、第1〜第3画像処理装置100〜104のそれぞれの電力消費状態を変更する機能に関して、具体的に説明する。図5を参照して、第1画像処理装置100の制御部160が実行するプログラムの制御構造について説明する。第2画像処理装置102及び第3画像処理装置104に関しても同じプログラムが実行される。
【0074】
ステップ400において、制御部160は、ネットワーク190を介して、外部から電力需給情報を取得する。電力需給情報は、電力会社等から提供される電力供給に関する公知の情報である。
【0075】
電力需給情報を取得する方法には、例えば、電力会社のホームページ(Webページともいう)にアクセスして取得する方法、電力会社からの電子メール配信を受信する方法、専用のアプリケーションを使用して取得する方法等がある。取得可能な電力需給情報には、例えば、ピーク時供給力(万kW)及びその時間帯、予想最大電力(万kW)及びその時間帯、使用率(%)(使用率=予想最大電力/ピーク時供給力)がある。さらに、所定時間間隔で(例えば1時間毎)、当日の実績(万kW)及び前日の実績(万kW)が提供される場合もある。また、より短い周期(例えば3分間隔)で、瞬間値(万kW)が提供される場合もある。なお、第1画像処理装置100を制御するために使用する電力需給情報を得るためには、第1画像処理装置100の設置場所に電力を供給している電力会社が提供する情報を取得する必要がある。
【0076】
図6に、電力会社のホームページからダウンロードされるデータの一例を示す。図6は、2011年XX月XX日のデータである。これは、CSVファイル(カンマで区切ってデータを並べたファイル)として提供されたデータを、表計算ソフトで表示した状態を示す。このデータには、予想最大電力2360万kW、その時間帯14:00〜15:00、ピーク時供給力2600万kW、その時間帯13:00〜17:00、使用率91%の情報が含まれている。図6には、1時間毎の当日の実績値及び前日の実績値も含まれている。また、翌日の電力需給情報は、例えば図7のような形式で提供される。また、当日の短時間周期の実績値は、図8のような形式で提供される。図8には、3分間毎のデータが瞬間値として示されている。図6〜図8に示したデータは、1つのファイルとして、又は、それぞれ別ファイルとして提供され得る。
【0077】
専用のアプリケーションを使用して取得する方法には、例えば、インターネットサービスプロバイダが提供しているAPI(Application Program Interface)を使用する方法がある。例えば、ヤフー株式会社が提供しているAPIを使用するには、要求するデータの種類を指定するパラメータを付したURI(Uniform Resource Identifier)をブラウザに入力すれば、該当するウェブサーバから、要求したデータが所定のファイル形式で返信され、ブラウザによって表示される(http://developer.yahoo.co.jp/webapi/shinsai/setsuden/v1/latestpowerusage.html参照)。例えば、XMLファイル形式で、地域(Area)、電力使用量(Usage)、最大供給量(Capacity)、集計対象日(Date)、集計対象時(Hour)、集計対象分(Min)等の情報が得られる。なお、これら以外の方法によって、電力需給情報を取得してもよい。
【0078】
ステップ402において、制御部160はステップ400で取得した電力需給情報から、電力需給状況が悪いか否かを判定する。「電力需給状況が悪い」とは、安定して電力が供給されない場合を意味し、電力需要に対して余裕を持って電力が供給されていない状態にある場合に限らず、電力需要に対して余裕を持って電力が供給されない状態に、所定時間内になることが予想されている場合をも含んでいてもよい。電力需給状況が悪いと判定された場合、制御はステップ404に移行する。そうでなければ、制御はステップ408に移行する。具体的には、制御部160は、電力需給情報から所定のデータを読出して所定のしきい値と比較し、又は、取得した電力需給情報を用いて算出した値としきい値とを比較する。判定には、例えば使用率を用いることができる。所定のしきい値が、例えば90%である場合、ステップ400で取得した電力需給情報中の使用率が90%以上であれば、制御はステップ404に移行し、90%未満であれば、制御はステップ408に移行する。ステップ400で取得した情報の中に、予想最大電力の値及びピーク時供給力の値は含まれているが、使用率の値が含まれていなければ、予想最大電力の値をピーク時供給力の値で除して使用率を算出し、その値を用いて上記のようにしきい値と比較すればよい。
【0079】
なお、通常、電力会社から提供される電力需給情報のファイル中で使用される用語は固定されている。したがって、取得した電力需給情報から特定のデータを取得するには、該当する用語でファイル内を検索すればよい。例えば、図6において、「使用率」を取得するには、ファイルを表計算ソフトに読込み、「使用率」をキーワードとしてテキスト検索し、検索されたセルの直下のセルの値を取得すれば、91(%)が得られる。ピーク時供給力、ピーク時供給力の時間帯、予想最大電力、予想最大電力の時間帯等についても、同様にして取得することができる。
【0080】
ステップ404おいて、制御部160は、第1画像処理装置100の機能が停止されているか否かを判定する。第1画像処理装置100の機能の停止は、後述のステップ406で実行される。機能が停止されていないと判定された場合、制御はステップ406に移行する。機能が停止されていると判定された場合、制御はステップ400に戻る。
【0081】
ステップ406において、制御部160は、第1画像処理装置100の一部又は全ての機能を停止する。具体的には、制御部160は、電力供給部174を制御して、消費電力の大きい内部ユニットへの電力供給を停止する。例えば、定着ユニット7への電力供給、より具体的にはヒートローラ71を加熱するためのヒータへの電力供給を停止する。これによって、第1画像処理装置100は、記録紙への画像形成を行なうことができない状態になり、第1画像処理装置100の一部の機能(プリンタ機能及びコピー機能)が停止する。したがって、消費電力を低減することができる。なお、全ての内部ユニットへの電力供給を停止してもよい。制御部160、HDD162、管理部164、通信部168等の、外部からの情報を取得して、通常状態に復帰するために必要なユニットを除いて、全ての内部ユニットへの電力供給を停止してもよい。
【0082】
ステップ408において、制御部160は、第1画像処理装置100の機能が停止されているか否かを判定する。機能が停止されていると判定された場合、制御はステップ410に移行する。そうでなければ、制御はステップ412に移行する。
【0083】
ステップ410において、制御部160は、停止中の機能を再開させる。具体的には、制御部160は、電力供給部174を制御して、停止中の内部ユニットへの電力供給を再開する。
【0084】
ステップ412において、制御部160は、終了の指示を受けたか否かを判定する。終了の指示は、例えば、第1画像処理装置100の電源がOFFされることである。終了の指示を受けたと判定された場合、本プログラムは終了する。そうでなければ、制御はステップ400に戻る。
【0085】
以上によって、画像処理システム200を構成する第1〜第3画像処理装置100〜194のそれぞれは、電力需給状況が悪いことが判明した場合、消費電力を抑制するために自機の機能の一部又は全部を停止する。例えば、上記したように定着ユニット7への電力供給を停止することにより、消費電力を削減することができる。この場合、スキャナ機能及びファクス通信機能等の比較的消費電力の小さな機能に関連する内部ユニットには引続き電力が供給され、それらの機能は利用可能である。したがって、電力需給状況に応じて消費電力の低減を実現すると共に、各画像処理装置100〜104の完全な停止を回避でき、各画像処理装置100〜104及び画像処理システム200の運用面でのデメリットを最小限に抑制することができる。
【0086】
さらに、上記のステップ400〜412を繰返すことにより、電力需給状況が改善された場合には、各画像処理装置100〜104の停止していた機能を回復させることができる。
【0087】
上記ではステップ402において使用率と所定のしきい値とを比較して、電力需給状況を判定する場合を説明したが、これに限定されない。電力需給状況が悪くなる時刻の情報を用いてもよい。例えば、使用率が所定のしきい値(90%)以上であっても、現在時刻が予想最大電力の時間帯(図6では14:00〜15:00)に含まれない場合には、電力需給状況は悪くないと判定してもよい。さらには、使用率が所定のしきい値以上であっても、現在時刻が予想最大電力の時間帯の開始時刻(図6では14:00)よりも所定時間以上前である場合には、電力需給状況は悪くない判定してもよい。所定時間は、電力需給情報を取得するタイミングを考慮して適宜設定すればよい。
【0088】
また、使用率以外の値を用いて電力需給状況を判定してもよい。例えば、使用率を使用せず、予想最大電力の時間帯情報のみを用いて、上記と同様の判定処理を行なってもよい。例えば、ステップ402において、制御部160は、現在時刻が予想最大電力の時間帯に含まれるが否かを判定してもよい。
【0089】
また、上記では、1つのしきい値を用いて、特定の機能(具体的には内部ユニット)又は全ての機能を停止する場合を説明したが、これに限定されない。例えば、複数のしきい値を用いて、判定結果に応じて複数の内部ユニットへの電力供給を順次停止してもよい。例えば、しきい値として90%、95%、及び97%を用い、第1〜第3の内部ユニットの順に電力消費量が大きいとすると、90(%)≦使用率<95(%)であれば、第1の内部ユニットへの電力供給を停止し、95(%)≦使用率<97(%)であれば、第1及び第2の内部ユニットへの電力供給を停止し、使用率≧97(%)であれば、第1〜第3の内部ユニットへの電力供給を停止するようにしてもよい。
【0090】
また、上記では、電力需給情報を各画像処理装置100〜104が取得して、電力需給状況が悪いか否かを判定したが、プリントサーバ180が電力需給情報を取得して判定してもよい。電力需給状況が悪いと判定された場合、プリントサーバ180から各画像処理装置100〜104に所定の信号を送信し、それにしたがって各画像処理装置100〜104が一部又は全ての機能を停止する。なお、全ての画像処理装置100〜104に所定の信号を送信すると、全ての画像処理装置100〜104が機能を停止して、ユーザが使用できなくなってしまうので、特定の画像処理装置のみに所定の信号を送信することが好ましい。
【0091】
また、電力需給情報は、各画像処理装置100〜104又はプリントサーバ180が定期的に取得しても、電力需給状況が変化したときに外部から各画像処理装置100〜104又はプリントサーバ180に送信されてもよい。
【0092】
次に、分散プリントジョブへの対応を考慮したプログラムの制御構造について説明する。図9を参照して、第1画像処理装置100の制御部160が実行するプログラムの制御構造について説明する。ここでは、電力需給状況が悪いと判定された場合、第1画像処理装置100は機能を停止するが、第2画像処理装置102及び第3画像処理装置104は機能を停止しない。また、プリントサーバ180が分散プリントを複数の画像処理装置100〜104に実行させる場合、少なくとも第1画像処理装置100には、分散プリントであることを表す情報が付加されるとする。
【0093】
ステップ400〜410は、図5のフローチャートと同じである。ステップ500において、制御部160は、ジョブの実行を指示されたか否かを判定する。ジョブの実行は、例えばユーザによって操作部130が操作されることによって指示される。また、プリントサーバ180又は端末装置182からネットワーク190を介してジョブ(プリントジョブ等)を受信することによっても指示される。端末装置182が画像処理装置100〜104を用いて分散プリントを実行する場合、端末装置182はプリントサーバ180にジョブを送信し、プリントサーバ180が、受信したジョブから各画像処理装置100〜104に割当てるジョブを生成して各画像処理装置100〜104に送信する。ジョブの実行が指示されたと判定された場合、制御はステップ502に移行する。そうでなければ、制御はステップ514に移行する。
【0094】
ステップ502において、制御部160は、指示されたジョブが分散プリントジョブであるか否かを判定する。即ち、制御部160は、プリントサーバ180から分散プリントジョブであることを表す情報が付加されたジョブを受信したか否かを判定する。分散プリントジョブを受信したと判定された場合、制御はステップ504に移行する。そうでなければ、制御はステップ510に移行する。
【0095】
ステップ504において、制御部160は、第1画像処理装置100の機能(即ち定着ユニット7への電力供給)が停止されているか否かを判定する。機能が停止されていると判定された場合、制御はステップ506に移行する。そうでなければ、制御はステップ508に移行する。
【0096】
機能が停止されている場合には、制御部160は、割当てられたジョブを実行できないので、ステップ506において、制御部160は、分散プリントジョブを実行できないことを表す情報をプリントサーバ180に送信する。これを受けて、プリントサーバ180は、第1画像処理装置100に割当てたジョブを、別の画像処理装置(ここでは、第2画像処理装置102及び/又は第3画像処理装置104)に送信して実行させる。
【0097】
機能が停止されていない場合には、ステップ508において、制御部160は指示されたジョブ(割当てられたジョブ)を実行する。
【0098】
指示されたジョブが分散プリントジョブでない場合、ステップ510において、制御部160は、第1画像処理装置100の機能が停止されているか否かを判定する。機能が停止されていると判定された場合、制御はステップ512に移行する。そうでなければ、制御はステップ508に移行し、制御部160は指示されたジョブを実行する。
【0099】
ステップ512において、制御部160は、指示されたジョブを実行できない旨のメッセージを提示する。例えば、ユーザによって操作部130が操作されてジョブの実行が指示された場合、タッチパネルディスプレイ132に「現在、プリントを実行できません」等のメッセージを表示する。また、端末装置182からプリントジョブを受信した場合には、そのジョブを送信した端末装置182に、ジョブを実行できない旨のメッセージを送信する。このメッセージを受信した端末装置182は、受信したメッセージを、端末装置182に装備された表示装置に表示する。
【0100】
ステップ514において、制御部160は、終了の指示を受けたか否かを判定する。終了の指示を受けたと判定された場合、本プログラムは終了する。そうでなければ、制御はステップ400に戻る。
【0101】
以上によって、電力需給が悪いと判定された場合、分散ジョブを実行させる画像処理装置の最大稼動台数を(上記では3台から2台に)減少させて分散ジョブを実行することができ、消費電力を低減することができる。また、電力需給状況が改善された場合には、第1画像処理装置100の停止していた機能が復旧するので、全ての画像処理装置100〜104を用いて、分散ジョブを実行することができる。
【0102】
上記では、通常時において3台の画像処理装置100〜104を用いて分散プリントを実行するシステムについて説明したが、これに限定されない。4台以上の画像処理装置を用いて分散プリントを実行するシステムであってもよい。
【0103】
また、電力需給状況が悪いと判定された場合に1台の画像処理装置(第1画像処理装置100)が、機能停止する場合を説明したがこれに限定されない。複数台の画像処理装置が機能を停止してもよい。
【0104】
さらに、電力需給状況の悪化の程度に応じて、複数台の画像処理装置が順次機能を停止するようにしてもよい。例えば、3台の画像処理装置で分散プリントを実行するシステムにおいて、第1画像処理装置100の電力消費量が最も大きく、第1〜第3画像処理装置100〜104の順に電力消費量が小さくなり、第1〜第3画像処理装置100〜104が、電力需給の悪化に応じて機能を停止(定着ユニットへの電力供給を停止)させることができる場合、第1〜第3画像処理装置100〜104のそれぞれのしきい値として異なる値を設定しておけばよい。例えば、第1〜第3画像処理装置100〜104のしきい値をそれぞれ90%、95%、及び97%とすると、90(%)≦使用率<95(%)であれば、第1画像処理装置100の定着ユニットを停止し、95(%)≦使用率<97(%)であれば、第1画像処理装置100及び第2画像処理装置102の定着ユニットを停止し、使用率≧97(%)であれば、第1画像処理装置100、第2画像処理装置102及び第3画像処理装置104の定着ユニットを停止するようにできる。これによって、電力需給状況の悪化の程度に応じて、機能を停止する画像処理装置が自動的に決まり、電力需給状況の悪化に適切に対応することができる。
【0105】
また、機能を停止させる処理は、定着ユニットへの電力供給の停止に限定されない。定着ユニット以外の内部ユニットへの電力供給を停止してもよい。
【0106】
上記では、ステップ506において、制御部160が、分散プリントジョブを実行できないことを表す情報をプリントサーバ180に送信する場合を説明したがこれに限定されない。例えば、制御部160が、プリントサーバ180から受信したジョブ(分散プリントの割当てられたジョブ)を別の画像処理装置(例えば第2画像処理装置102又は第3画像処理装置104)に転送して、実行させてもよい。
【0107】
また、複数の画像処理装置を使用して実行する1つのジョブ(以下、分散ジョブともいう)は、プリントジョブ(分散プリントジョブ)に限定されない。FAX送信、コピー等であってもよい。例えば、画像処理システム200において、第1〜第3画像処理装置100〜104を用いて実行可能な1つのジョブとしてプリントジョブ及びFAX送信ジョブがあり、第1画像処理装置100の定着ユニットのみへの電力供給が停止している場合でも、第1画像処理装置100はFAX送信を実行可能である。したがって、ステップ502及びステップ504の代わりに、分散ジョブであるか否かを判定し、分散ジョブである場合には、停止中の機能がその分散ジョブの実行に不可欠であるか否かを判定して、ステップ506又はステップ508の何れが実行されるかを決定すればよい。例えば、分散ジョブが分散プリントジョブである場合には、上記したとおりであるが、FAX送信ジョブである場合には、第1画像処理装置100の定着ユニットへの電力供給が停止されていても、第1画像処理装置100は、FAX送信を実行可能であるので、ステップ508が実行される。
【0108】
また、上記では、分散プリントジョブに分散プリントであることを表す情報が付加されている場合を説明したが、これに限定されない。例えば、プリントサーバ180は、分散プリントジョブの送信前又は送信後に、該当する画像処理装置に、送信予定のジョブ又は送信したジョブが分散プリントであることを表す情報を、分散プリントジョブとは別に送信してもよい。
【0109】
また、プリントサーバ180は、分散プリントの実行を指示する場合、各画像処理装置に割当てたジョブを送信する前に、電力需給が悪いと判定された場合に機能を停止する画像処理装置に、機能停止中であるか否かを、ネットワーク190を介して問い合わせてもよい。その結果、一部の画像処理装置が機能停止中である場合には、プリントサーバ180は、機能停止中である画像処理装置を除いて、分散ジョブを実行させる画像処理装置を決定し、決定した各画像処理装置に対して、割当てるジョブを決定して送信してもよい。このようにすると、プリントサーバ180から分散プリントジョブを各画像処理装置に送信する場合、分散プリントであることを表す情報を付加しなくてもよい。
【0110】
また、プリントサーバ180が電力需給情報を取得して電力需給状況を判定する場合、分散プリントジョブを送信した後で電力需給状況が悪いと判定されたときに、分散プリントジョブを送信した複数の画像処理装置のうちの一部又は全てに、分散プリントジョブの実行をキャンセルする指示を送信してもよい。キャンセルとは、該当ジョブを破棄すること、又は破棄せずに実行を保留することを意味する。この場合にも、分散プリントジョブに分散プリントであることを表す情報を付加しなくてもよい。この場合、各画像処理装置は、電力需給状況に応じて内部ユニットへの電力供給を停止する機能を備えていなくてもよい。プリントサーバ180は、キャンセルの指示を送信した画像処理装置に割当てていた分散プリントジョブを、キャンセルの指示を送信しなかった別の画像処理装置に送信して実行させることができる。また、プリントサーバ180は、電力需給状況が改善された場合に、キャンセルの指示を送信した画像処理装置に再度実行させてもよい。
【0111】
電力需給状況が悪いと判定された場合に機能を停止する画像処理装置は、各画像処理装置のスペックを考慮して、所定の条件の下で、予め又は適応的に決定されることができる。例えば、分散ジョブを実行させる画像処理装置の電力消費量の合計が所定の電力量を超えないように、機能を停止させる画像処理装置を決定することができる。また、電力需給情報に供給可能な最大電力量が含まれている場合、その最大電力量を超えないように、機能を停止させる画像処理装置を適宜決定してもよい。また、所定の条件、例えばユーザの利用効率が低下しない条件の下で、画像処理装置の電力消費量の合計が最小になるように、機能を停止させる画像処理装置を決定してもよい。例えば、消費電力/ページの値が大きい画像処理装置から機能を停止させてもよい。
【0112】
また、公知のTEC値を用いて、機能を停止させる画像処理装置を決定してもよい。TEC(Typical Electricity Consumption)値とは、財団法人省エネルギーセンターが定める1週間の標準消費電力量(Wh)である。プリンタ等のオフィス機器に関して、稼働とスリープ又はオフとが繰返される5日間、及び、スリープ又はオフ状態の2日間という平均的なオフィスの利用形態を想定して、その製品のスペック及び消費電力等からTEC値が算出される。
【0113】
また、画像処理システムを構成する各画像処理装置が、電力需給状況が悪いと判定された場合、分散ジョブを実行できないことを表す情報をプリントサーバ180に送信し、ジョブを実行しない場合、全ての画像処理装置が機能を停止して分散ジョブを実行できないこともあり得る。即ち、プリントサーバ180が、全ての画像処理装置から実行不可を表す情報を受信する場合もあり得る。その場合には、プリントサーバ180は、ジョブを一旦保留し、電力需給状況を所定期間判定して、電力需給状況が改善され、少なくとも一部の画像処理装置が停止していた機能を再開し、分散ジョブを実行可能な状況になった場合に、保留していたジョブを実行するようにしてもよい。例えば、上記したように、所定の電力量を超えないように、分散ジョブを実行させる画像処理装置を決定することができる場合、例えば、所定の条件の下で画像処理装置の電力消費量の合計が最小になる場合等に、保留していたジョブを実行させてもよい。
【0114】
また、画像処理システム200の構成は、図1の構成に限定されない。例えば、図10に示したように、プリントサーバ180に複数の画像処理装置100〜104が接続された構成であってもよい。
【0115】
以上、実施の形態を説明することにより本発明を説明したが、上記した実施の形態は例示であって、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、種々変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0116】
100 第1画像処理装置
102 第2画像処理装置
104 第3画像処理装置
110 画像読取部
120 画像形成部
122 メモリ
124 印字部
130 操作部
140 給紙部
150 排紙処理部
152 排紙トレイ
160 制御部
166 画像処理部
174 電力供給部
180 プリントサーバ
182 端末装置
190 ネットワーク
200 画像処理システム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバコンピュータと、
前記サーバコンピュータと通信可能な複数の画像処理装置と、
外部から供給される電力の需給状況に関する情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段によって取得された前記情報を用いて、電力需給状況を判定する判定手段と備え、
前記サーバコンピュータは、
1つのジョブを、複数の前記画像処理装置に分担させて実行させる機能を有し、
前記判定手段によって電力需給状況が悪くないと判定された場合、前記1つのジョブを、複数の前記画像処理装置の全てに分担させて実行させ、
前記判定手段によって電力需給状況が悪いと判定された場合、前記1つのジョブを、複数の前記画像処理装置のうちの少なくとも1つの画像処理装置を除いた残りの画像処理装置に分担させて実行させることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
少なくとも1つの前記画像処理装置は、前記判定手段によって電力需給状況が悪いと判定された場合、少なくとも一部の機能を停止することを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
少なくとも1つの前記画像処理装置は、
ジョブを実行するための複数の内部ユニットと、
複数の内部ユニットに電力を供給する電力供給手段と、
前記判定手段によって電力需給状況が悪いと判定された場合、前記電力供給手段に、複数の前記内部ユニットの少なくとも1つの内部ユニットへの電力供給を停止させる停止手段とを備え、
少なくとも1つの前記画像処理装置における少なくとも一部の機能の停止は、前記停止手段による内部ユニットへの電力供給の停止によって実行されることを特徴とする請求項2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
少なくとも1つの前記画像処理装置は、少なくとも一部の機能を停止している状態で、前記サーバコンピュータから、前記1つのジョブを分担して実行させる指示を受信した場合、
前記1つのジョブを分担して実行できないことを表す不可情報を前記サーバコンピュータに送信する、又は、
前記1つのジョブのうち、少なくとも1つの前記画像処理装置に分担して実行することが割当てられた部分を、前記残りの画像処理装置のうちの少なくとも1つの画像処理装置に送信することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記不可情報を受信した前記サーバコンピュータは、前記1つのジョブのうち、前記不可情報を送信した画像処理装置に分担させる部分を、前記残りの画像処理装置のうちの少なくとも1つの画像処理装置に実行させることを特徴とする請求項4に記載の画像処理システム。
【請求項6】
少なくとも1つの前記画像処理装置は、前記残りの画像処理装置の電力消費量の合計が所定値を超えないように決定されることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の画像処理システム。
【請求項7】
少なくとも1つの前記画像処理装置は、所定の条件の下で、前記残りの画像処理装置の電力消費量の合計が最小になるように決定されることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の画像処理システム。
【請求項8】
複数の前記画像処理装置の各々は、前記判定手段によって電力需給状況が悪いと判定された場合、少なくとも一部の機能を停止し、
複数の前記画像処理装置の全てが、少なくとも一部の機能を停止することによって前記1つのジョブが実行できない場合、前記サーバコンピュータは、前記1つのジョブの実行を保留し、
少なくとも2つの前記画像処理装置が、停止していた機能を再開した後に、前記サーバコンピュータは、停止していた機能を再開した前記画像処理装置に、前記1つのジョブを分担させて実行させることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記サーバコンピュータは、前記1つのジョブを複数の前記画像処理装置の全てに分担させて実行することを指示した後、前記判定手段によって電力需給状況が悪いと判定された場合、複数の前記画像処理装置のうちの少なくとも一部の画像処理装置に、前記1つのジョブを分担して実行することを停止させることを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項10】
外部から供給される電力の需給状況に関する情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段によって取得された前記情報を用いて、電力需給状況を判定する判定手段と備え、
ジョブを実行するための複数の内部ユニットと、
複数の内部ユニットに電力を供給する電力供給手段と、
前記判定手段によって電力需給状況が悪いと判定された場合、前記電力供給手段に、複数の前記内部ユニットの少なくとも1つの内部ユニットへの電力供給を停止させる停止手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−105290(P2013−105290A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248291(P2011−248291)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】