説明

画像処理システム

【課題】入退室管理装置に連動して画像処理装置の電源をオフにするに際して、画像形成装置の内部に残存する印刷ジョブ等の未処理のデータの適切に保全することが可能な画像処理システムを提供する。
【解決手段】
電源をオフにすべき画像形成装置40の内部に未処理ジョブが存在する場合には、当該ジョブを不揮発性の保存ボックス46に退避させてから電源をオフにすることを特徴とする画像処理システム1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入退室管理装置と連携して画像処理装置の電源を制御する画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、オフィス等において、コンピュータはネットワーク接続されていることが一般的である。また、オフィス等におけるセキュリティ強化のために、執務室等内への入退室を、社員証を兼ねるICカードで認証する入退室管理システムが広く知られている。
【0003】
しかしながら、従来の入退室管理システムは単に入退室管理を行うにすぎず、その入退室管理を通じて得られた一定のデータを如何にして有効に活用するかが課題とされてきた。つまり、オフィス内のネットワークシステムを入退室管理システムと連動させることで、その利便性等を向上させようとする試みが数多く行われてきた。
【0004】
その一例として、以下の特許文献1には、入退室時に実施したユーザ認証の結果に基づき、ネットワーク上のコンピュータ等の電源のオン/オフを自動的に切り替えることで、ユーザにとっての利便性を高めるとともに、コンピュータのセキュリティを強化すること可能な制御システムが提案されている。
【0005】
ここで、一般に、電子機器の電源をオフにした場合、当該機器が実行中であった処理は強制的に終了されるため、処理途中または未処理であったデータは消去されてしまうという問題点がある。しかし、上記特許文献1の技術は、印刷ジョブを処理中であるプリンタの電源をオフにする場合や、プリントキューに未処理のジョブが残存しているプリンタの電源をオフにする場合等のデータの保全については一切考慮しておらず、上記の問題点の解決に何ら寄与しない。
【特許文献1】特開2006−72446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、入退室管理装置に連動して画像処理装置の電源をオフにするに際して、画像形成装置の内部に残存していた印刷ジョブ等の未処理のデータの適切な保全を可能とする画像処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0008】
(1)居室への入室許可を有する少なくとも1人の入室許可者が当該居室から退室したことを示す退室情報を外部に送信するための送信手段を備えた入退室管理システムに接続されており、各々少なくとも1人の前記入室許可者が登録ユーザとして登録された少なくとも1つの画像処理装置、及び前記画像処理装置の各々の電源を制御するための電源制御装置と、を含む画像処理システムであって、前記画像処理装置の少なくとも1つは、不揮発性の記憶装置からなる保存ボックスを備えており、前記電源制御装置は、前記入退室管理装置から前記退室情報を受信するための受信手段と、受信した前記退室情報に基づき、前記入室許可者の最新の退室状況を認識する認識手段と、認識した前記最新の退室状況に基づき、前記画像処理装置のうち登録ユーザが全員退室状態にあり使用されない不使用装置が存在するか否かを解析する第1解析手段と、前記不使用装置が存在する場合に当該不使用装置の内部に処理が完了していない未処理ジョブが存在するかを解析する第2解析手段と、前記未処理ジョブが存在する場合に当該未処理ジョブを前記保存ボックスのいずれか1つに退避させる退避手段と、前記未使用ジョブが存在しない場合にはそのまま前記不使用装置の電源をオフにし、前記未使用ジョブが存在する場合には前記退避手段が当該未処理ジョブを退避させた後に前記不使用装置の電源をオフにする電源オフ手段と、を備えていることを特徴とする画像処理システム。
【0009】
(2)前記電源制御装置は、前記退避手段が前記未処理ジョブを退避させるときの退避先となる前記保存ボックスを特定するための第1特定手段をさらに備えており、前記第1特定手段は、前記未処理ジョブが存在する前記不使用装置が前記保存ボックスを備えている場合には当該保存ボックスを退避先として特定することを特徴とする上記(1)に記載の画像処理システム。
【0010】
(3)前記保存ボックスの各々は、前記利用許可者のうちの特定の利用許可者に割り当てられた個人用保存領域、及び特定の利用許可者に割り当てられない共有保存領域を含み、前記電源制御装置は、前記第1特定手段が特定した前記保存ボックスにおける前記未処理ジョブの退避先となる領域をさらに特定するための第2特定手段をさらに備えており、前記第2特定手段は、前記第1特定手段が特定した前記保存ボックスが、前記未処理ジョブのオーナに割り当てられた前記個人用保存領域を含む場合には、当該個人用保存領域を、含まない場合には前記共有領域を、それぞれ退避先として特定することを特徴とする上記(2)に記載の画像処理システム。
【0011】
(4)前記電源制御装置は、前記利用許可者の各々にメッセージを通知するための通知手段と、前記第2特定手段が退避先として前記共有保存領域を特定した場合に前記未処理ジョブを暗号化するとともに復号化のためのパスワードを設定する暗号化手段と、をさらに備えており、前記通知手段は、前記暗号化手段が設定した前記パスワードを、暗号化された前記未処理ジョブのオーナに通知することを特徴とする上記(3)に記載の画像処理システム。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、入退室管理装置に連動して画像処理装置の電源を自動的にオフにする画像処理システムにおいて、画像処理装置の内部に処理が完了していない印刷ジョブが残っていたとしても当該印刷ジョブを適切に退避させることができる。その結果、ユーザの退室に応じて画像処理装置の電源を自動的にオフにする便利な機能を活用しつつ未処理ジョブが強制的に消去されてしまうという不具合を解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の画像処理システム1が適用された入退室管理システムの概略構成を示す構成図である。
【0015】
図1のように、上記の入退室管理システムは、複数の画像処理装置40及び複数のPC50等が設置された居室Rにおけるユーザの入退室を管理するものであり、入退室するユーザの認証データを取得するための入退室認証装置10と、取得した認証データに基づき入退室の可否を決定する入退室管理装置20と、ユーザの入退室に応じて画像処理装置40等の居室R内の装置の電源のオン/オフを制御する電源制御装置30と、を備えている。上記の各装置は、ネットワークNを介して通信可能に接続されている。なお、ネットワークNに接続される機器の種類および台数は、図1に示す例に限定されない。また、上記の入退室管理システムにおいて、画像処理装置40と、電源制御装置30とを、特に画像処理システムという。
【0016】
入退室認証装置10は、入退室管理装置20に接続されており、ユーザから認証データを取得するための取得部を備えている。入退室認証装置10は、取得部において取得したユーザの認証データを入退室管理装置20に転送する。なお、上記の入退室管理システムは、ユーザの入室時のみならず退室時にもユーザ認証を行う。そのため、入退室認証装置10は、居室Rの外側だけでなく内側にも設けられている。なお、図1においては、説明を簡単にするために居室Rの内側に設けられた入退室認証装置10のみを示し、居室Rの外部に設けられたものは省略している。
【0017】
入退室認証装置10が取得する認証データとしては、磁気カード内の磁気データ、ICカード内の電子データ、ユーザによるキー入力、ユーザの指紋、脈流、虹彩、声紋、顔の形状等の生体データ等が挙げられる。なお、上記の入退室管理システムは、上記の各種認証データのうちいずれか一つのみを用いてもよいし、複数種類の認証データを組み合わせて用いてもよい。
【0018】
入退室管理装置20は、入退室認証装置10からユーザの認証データを受信し、受信した認証データに基づき当該ユーザの入退室許可を決定する。ここで、入退室許可の決定は、入退室管理装置20に接続された入退室管理データベース20Dを参照し、取得したユーザ認証データが当該データベースに予め登録されているユーザのそれと一致するか否かを判定することによって行われる。なお、図1の例においては、居室Rの入退室が許可されるユーザとしてユーザA〜E及びシステム管理者Xの認証データが入退室管理データベース20Dに登録されているものとする。そして、入退室管理装置20は、ユーザの入退室許可を決定した場合には当該許可をドア制御装置(不図示)に通知して居室Rのドア11のロックを解除させる。
【0019】
本実施形態において、入退室管理装置20は、ネットワークNを介して電源制御装置30にデータを送信するための送信手段を備えている。当該送信手段は、ユーザの入退室が許可された場合に、当該ユーザに関する情報(ユーザID等)を入退室情報として電源制御装置30に送信する。電源制御装置30の詳細については後述する。
【0020】
画像処理装置40は、PC50から受信した印刷データに基づいて印刷処理を行うものであり、制御部41、記憶部42、操作部43、印刷部44、及びネットワークインタフェース45、及び保存ボックス46等を有する。なお、本実施形態において、画像処理装置40は、居室R内に設けられたMFPやプリンタ等の少なくとも1つの画像処理装置を総称したものであり、上記の構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、また、上記の構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。図1の例における画像処理装置40は、MFP40a、プリンタ40b、及びプリンタ40cである。
【0021】
図2は、画像処理装置40の構成の一例を示すブロック図である。制御部41はCPUであり、プログラムに従って各部の制御や各種の演算処理等を行う。記憶部42は、予め各種プログラムやパラメータを格納しておくROM、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM、各種プログラムやパラメータを格納し、または画像処理により得られた画像データ等を一時的に保存するために使用されるハードディスク等からなる。
【0022】
操作部43は、各種情報を表示し、または各種設定入力を行うタッチパネル、コピー枚数等を設定するテンキー、動作の開始を指示するスタートキー、動作の停止を指示するストップキー、各種設定条件を初期化するリセットキー等の各種固定キー、表示ランプ等からなる。
【0023】
印刷部44は、画像データを電子写真方式により帯電、露光、現像、転写および定着の各工程を経て用紙に画像データを印刷して排出する。ただし、本発明における印刷部44の印刷方式はこれに限定されるものではなく、電子写真方式以外にも、インパクト方式、熱転写方式、インクジェット方式等によるものであってもよい。通信インタフェース45は、ネットワークN上の他の機器と通信を行うためのインタフェースである。
【0024】
保存ボックス46は、後述のように電源制御装置30が画像処理装置40の電源を自動的にオフに切り替えるに際して当該画像処理装置40内部に残存していた印刷ジョブを退避させるための領域であり、退避させられたジョブを電源オフ状態でも保持できるように不揮発性の記憶領域でなければならない。保存ボックス46は、記憶部42に含まれるハードディスクの一部として設けられてもよい。なお、本実施形態において、保存ボックス46は、画像処理システム1を構成する画像処理装置40のうちの少なくとも1つに設けられていれば足り、必ずしも全ての画像処理装置40に設けられている必要はない。図1の例において、保存ボックス46は、MFP40a及びプリンタ40bには設けられているが、プリンタ40cには設けられていない。
【0025】
図3は、保存ボックス46のさらに詳細な構成を示すブロック図である。図3のように、保存ボックス46は、1人の特定のユーザに割り当てられた少なくとも1つの個人用保存領域46a、及び特定のユーザとは関連付けられない共有領域46bを含む。後述のように、個人用保存領域46aは退避させるジョブのオーナが特定のユーザである場合に利用され、共有保存領域46bはそれ以外の場合に利用される。なお、退避させるジョブの秘匿性を確保するため、各々の個人用保存領域46aは、それが割り当てられたユーザのみがアクセス可能となるように設けられることが好ましい。他方、ユーザの利便性を考慮して、共有保存領域46bは全ユーザがアクセス可能となるように設けられることが好ましい。
【0026】
PC50は、汎用のパーソナルコンピュータであり、画像処理装置40に印刷の指示を行う印刷指示装置として機能しうるものである。なお、本実施形態において、PC50は、居室R内に設けられた少なくとも1つの画像処理装置を総称したものであり、図1の例におけるPC50は、ユーザA〜E及びシステム管理者Xが使用するPC50a〜50e及びPC50xである。
【0027】
電源制御装置30は、入退室管理装置20から受信した入退室情報に応じて画像処理装置40やPC50等の各種機器の電源をオンまたはオフにするための遠隔制御を行う機能を有する。なお、以下においては、便宜上、電源制御装置30が画像処理装置40の電源をオンまたはオフにする場面について説明する。
【0028】
上記の機能を実現するための手段として、電源制御装置30は、前記入退室管理装置20からユーザの入退室情報を受信する受信手段30a、受信した入退室情報に基づき各ユーザの最新の入退室状況を認識する認識手段30b、認識手段30bによる最新の入退室状況に基づき電源をオンまたはオフにすべき画像処理装置40が存在するか否かを解析する第1解析手段30c、電源をオフにすべきと判断された画像処理装置40の内部に印刷処理が完了していないジョブ(以下、「未処理ジョブ」とする)が残存しているか否かを解析する第2解析手段30d、残存している未処理ジョブを遠隔操作により前述の保存ボックス46に退避させる退避手段30e、第1解析手段30cが電源をオンまたはオフにすべきと判断した画像処理装置40の電源を遠隔操作によりオンまたはオフにする電源制御手段30fを備えている。
【0029】
さらに、画像処理システム1の利便性を向上させるための手段として、電源制御装置30は、退避手段30eが未処理ジョブを退避させる際の退避先の保存ボックスを特定するための第1特定手段30g、第1特定手段30gが特定した保存ボックス内の具体的な領域を退避先として特定するための第2特定手段30h、退避させる未処理ジョブに暗号化処理を施すための暗号化手段30i、及び居室Rへの入室が許可された各ユーザに対して通知を行うための通知手段30jを備えていることが好ましい。
【0030】
ここで、受信手段30aはネットワークNを介して入退室管理装置20の入退室情報を受信し、認識手段30bに渡す。
【0031】
認識手段30bは、受信した入退室情報に基づき各ユーザの最新の入退室状況(つまり、現在どのユーザが入室/退室状態にあるのか)を認識する。ここで、認識手段30bが認識する入退室状況の一例として、図5に入退室テーブル30Tを示す。この入退室テーブルTについてはさらに後述する。そして、第1解析手段30cは、認識手段30bが認識した最新の入退室状況を解析することで、電源をオンまたはオフに切り替えるべき画像処理装置40が存在するか否かを判定する。
【0032】
以下、第1解析手段30cによる判定方法の一例について説明する。まず、本実施形態の画像処理システム1の稼動時の前提条件として、各々の画像処理装置40を使用するユーザは事前にユーザ登録手続を行っており、当該手続の結果、電源管理データベース30Dに各々の画像処理装置40のユーザ登録状況が記憶されているものとする。図1及び図5の例においては、MFP40aの登録ユーザとしてユーザA,B,C,Eが、プリンタ40bの登録ユーザとしてユーザC,Dが、プリンタ40cの登録ユーザとしてユーザEが、予め登録されており、かかる登録状況が電源管理データベース30Dに記憶されているものとする。なお、電源管理データベース30Dに記憶された登録状況が適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0033】
このような前提条件の下、先ず、受信手段30aから入退室情報を受信した認識手段30bが、図5のような入退室テーブル30Tをアップデートして、各ユーザの最新の入退室状況を認識する。そして、第1解析手段30cは、入退室テーブル30Tがアップデートされることにより、入室中の登録ユーザ数が1または0になる画像処理装置40が存在するか否かを解析する。つまり、第1解析手段30cは、最新の入退室テーブル30Tにおいて、登録ユーザ数が1になった画像処理装置40が存在する場合には当該画像処理装置40の電源をオンにすべきであると判断し、登録ユーザ数が0になって画像処理装置40が存在する場合には当該画像処理装置40の電源をオフにすべきであると判断する。例えば、ユーザA〜Dの全員が入室状態にある居室RからユーザEが退室したとすると、プリンタ40cの登録ユーザは0になるので、第1解析手段30cはプリンタ40cの電源をオフにすべきであると判断する。以上の構成によれば、画像処理装置40の電源がオフであるときにその登録ユーザが入室すれば当該画像処理装置40の電源が自動的にオンになり、画像処理装置40の電源がオンであるときにその登録ユーザが全員退室すれば当該画像処理装置40の電源が自動的にオフになることを保証できるので、ユーザがわざわざ手動で電源のオン/オフを切り替える手間が省けることに加えて、電源の切り忘れによる無駄な電力の消費を防止することができる。
【0034】
続いて、第2解析手段30dは、ネットワークNを介して各々の画像処理装置40と通信を行い、各々の画像処理装置40の内部に未処理ジョブが残存しているか否かを解析することによって未処理ジョブを検出する。そして、退避手段30eは、画像処理装置40を遠隔操作して、第2解析手段30dが検出した未処理ジョブを所定の保存ボックス46にネットワークNを介して転送させることで、当該未処理ジョブを退避させる。このとき、退避手段30eが未処理ジョブを退避させるべき保存ボックス46及び保存ボックス46内の具体的領域を特定するのが第1特定手段30e及び第2特定手段30fである。これらについてはさらに後述する。
【0035】
電源制御手段30fは、上述の第1解析手段30cの解析結果に応じて画像処理装置40を遠隔操作し、画像処理装置40の電源をオンまたはオフに切り替える。なお、前述の第2解析手段30dにより未処理ジョブが検出された場合には、退避手段30eによる当該未処理ジョブの退避が終了した後に、画像処理装置40の電源をオフに切り替える。
【0036】
第1特定手段30gは、後述の電源制御データベース30Dを参照することで、第2解析手段30dにより未処理ジョブが検出された画像処理装置40が保存ボックス46を有するか否かを解析し、有する場合には当該画像処理装置40の保存ボックス46を未処理ジョブの退避先の保存ボックス46として特定する。なお、未処理ジョブが検出された画像処理装置40が保存ボックス46を有さない場合には、保存ボックス46を有する画像処理装置40を検索し、その結果見つかった画像処理装置40の保存ボックス46を退避先として特定する。このように、未処理ジョブの退避先として、それが検出された画像形成装置40の保存ボックス46を優先的に特定することで、居室Rに再度入室したユーザは当該未処理ジョブをより容易に発見することができる。
【0037】
第2特定手段30hは、後述の電源制御データベース30Dを参照することで、第1特定手段30gにより特定された保存ボックス46が、退避対象の未処理ジョブのオーナに割り当てられた個人用保存領域46aが含むか否かを解析し、含む場合にはその個人用保存領域46aを退避先の保存領域として特定し、含まない場合には共有保存領域46bを退避先の保存領域として特定する。これにより、ユーザは、自身に個人用保存領域46aが割り当てられていることを条件に、電源制御装置30によって自動的に退避させられた未処理ジョブの保存場所を容易に判別することができるようになる。
【0038】
暗号化手段30iは、保存ボックス46の共有保存領域46bに退避させられた未処理ジョブの内容を秘匿するために、各種アルゴリズムに従って、当該未処理ジョブに暗号化処理を施す。これにより、多くのユーザがアクセス可能な共有保存領域46bに未処理ジョブが保存されたとしても、当該未処理ジョブの内容が漏洩することや、当該未処理ジョブが第三者に悪用されることなどを防止することができる。また、暗号化手段30iは、未処理ジョブを暗号化すると同時に、それを復号化するためのパスワードを設定する。
【0039】
通知手段30jは、暗号化手段30iにより暗号化されたジョブを復号化するためのパスワードを当該ジョブのオーナに通知する。パスワードを通知するための方法は特に限定されないが、通知に際してパスワードの秘匿性が十分に確保される必要がある。そのための例として、パスワードを記載した電子メールメッセージを、暗号化されたジョブのオーナに割り当てられたPC50にネットワークNを介して送信する方法が採用されうる。
【0040】
続いて、図4は、電源制御装置30の具体的な構成の一例を示すブロック図である。図4のように、電源制御装置30は、制御部31、記憶部32、遠隔操作部33、ネットワークインタフェース34、及び電源管理データベース30Dを含んでなる。
【0041】
制御部31はCPUであり、記憶部32に格納された各種プログラムに従って、前述の認識手段30b、第1解析手段30c、第2解析手段30d、第1特定手段30g、第2特定手段30h、暗号化手段30i、及び通知手段30jとして作用する。
【0042】
記憶部32は、予め各種プログラムやパラメータを格納しておくROM、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM、各種プログラムやパラメータを格納し、さらに、画像処理装置40の電源の制御に必要な各種データ(入退室テーブル30T等)を一時的に保存するために使用されるハードディスク等からなる。
【0043】
遠隔操作部33は、画像処理装置40を遠隔操作して所定の動作を行わせるための装置であり、前述の退避手段30e及び電源制御手段30fとして作用する。また、ネットワークインタフェース34は、ネットワークNを介して入退室認証装置10等と通信を行うためのインタフェースであり、前述の受信手段30aとして作用する。
【0044】
電源制御データベース30Dは、制御部31等が参照する各種データを容易に変更可能な形で格納した付加的な記憶装置である。電源制御データベース30Dが格納する情報には、各々の画像処理装置40のユーザ登録に関する情報のほか、各々の画像処理装置40の保存ボックス46の有無に関する情報や、各々の保存ボックス46内でユーザに割り当てられた個人用保存領域46aに関する情報等の随時更新が必要となる情報が含まれる。
【0045】
次に、本実施形態の画像処理システム1の電源制御装置30が、不使用状態となった画像処理装置40の電源をオフにするための処理の手順について説明する。図6は、本実施形態の電源管理システム30の処理の手順を示すフローチャートである。なお、図6のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、電源制御装置30の記憶部32等にプログラムとして記憶されており、制御部31によって実行される。
【0046】
まず、電源制御装置30は、受信手段30aにおいて退室情報を受信するまで待機する(S101)。続いて、電源制御装置30は、受信した退室情報に基づき、認識手段30bによって各ユーザの最新の入退室状況を認識する(S102)。続いて、画像処理システムは、S102において認識した最新の入退室状況を、電源管理データベース30Dに格納された登録ユーザ情報に照らし合わせて、S101において受信した退室情報の結果、登録ユーザが全員退室した画像処理装置40(以下、「不使用装置」という)が存在するか否かを第1解析手段30cによって解析する(S103)。
【0047】
ここで、不使用装置が存在しない場合(S104のNO)、S101に戻って再度退室情報を受信するまで待機する。また、不使用装置が存在する場合(S104のYES)、当該画像処理装置40の内部に未だ処理が完了していないジョブ(以下「未処理ジョブ」という)が存在するか否かを第2解析30dによって解析する(S105)。
【0048】
ここで、当該画像処理装置40の内部に未処理ジョブが存在する場合(S105のYES)、電源制御装置30は、退避手段30eによって画像処理装置40を遠隔操作し、当該ジョブを保存ボックス46に退避させる退避処理(S106)を実行する。退避処理の詳細については後述する。そして、電源制御装置30は、退避処理(S106)を終了するとS105に戻って当該画像形成処置40の内部に未処理ジョブが存在するか否かを再度解析する。すなわち、電源制御装置30は、当該画像処理装置40の内部に存在する未処理ジョブを全て退避させるまで退避処理(S106)を繰り返すことになる。
【0049】
続いて、全ての未処理ジョブの退避が完了すると(S105のNO)、電源制御装置30は、電源制御手段30fによって画像処理装置40の遠隔操作することで、当該画像処理装置40の電源をオフにし(S107)、処理を終了する(エンド)。
【0050】
次に、上述の退避処理(S106)について説明する。図7は同処理の手順を示すフローチャートである。なお、図7のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、電源制御装置30の記憶部32等にプログラムとして記憶されており、制御部31によって実行される。
【0051】
先ず、電源制御装置30は、第1特定手段30gによって、未処理ジョブが検出された画像処理装置40が保存ボックス46を有するか否かを解析する(S201)。ここで、当該画像処理装置40が保存ボックス46を有する場合(S201のYES)、第1特定手段30gは、未処理ジョブの退避先の保存ボックス46として未処理ジョブが検出された画像処理装置40の保存ボックス46を特定する。他方、当該画像処理装置が保存ボックスを有していない場合(S201のNO)、電源制御装置30は、保存ボックス46を有する他の画像処理装置40を検索し(S207)、見つかった他の画像処理装置を退避先の保存ボックスとして特定する。以上のような退避先の保存ボックス46を特定するための処理は、第1特定手段30gによって行われる。
【0052】
続いて、未処理ジョブの退避先の保存ボックス46として、当該未処理ジョブが検出された画像処理装置40の保存ボックス46が特定された場合(S201のYES)、電源制御手段30は、さらに、S201において特定された保存ボックス46内に未処理ジョブのオーナの個人用保存領域46aが存在するか否かを解析する(S202)。ここで、当該オーナの個人用保存領域46aが存在する場合(S202のYES)、電源制御手段30は、未処理ジョブを退避させるための保存ボックス46内の具体的な領域として当該オーナの個人用保存領域46aを特定する。他方、当該オーナの個人用領域46aが存在しない場合(S202のNO)、電源制御装置30は、未処理ジョブを退避させるための保存ボックス46内の具体的な領域として共有保存領域46bを特定する。以上のような保存ボックス46内の具体的な領域を特定するための処理は、第2特定手段30hによって行われる。
【0053】
続いて、未処理ジョブを退避させるための保存ボックス46内の領域として個人用保存領域46aが特定された場合(S202のYES)、電源制御装置30は、退避手段30eによって、特定された個人用保存領域46aに未処理ジョブを退避させて(S203)、図6のフローチャートに戻る(リターン)。他方、未処理ジョブを退避させるための保存ボックス46内の領域として共有保存領域46bが特定された場合(S202のNO)、電源制御装置30は、未処理ジョブを暗号化し(S204)、さらに復号化のためのパスワードを設定した上で、共有保存領域46bに未処理ジョブを退避させる(S205)。なお、S204における未処理ジョブの暗号化及びパスワード設定のための処理は、暗号化手段30iによって行われる。
【0054】
そして、電源制御装置30は、S204において設定したパスワードをS205において退避させた未処理ジョブのオーナに通知してから(S206)、図6のフローチャートに戻る(リターン)。このようなパスワードの通知は、通知手段30jによって行われる。なお、退避させた未処理ジョブのオーナが前述の電源管理データベース30Dに登録されておらず不明である場合、通知手段30jは、予め指定されたシステム管理者Xに対してパスワードを通知するものとする。
【0055】
続いて、未処理ジョブの退避先の保存ボックス46として、他の画像処理装置40の保存ボックス46を特定した場合(S207)、電源制御装置30は、さらに、特定した保存ボックス46内に未処理ジョブのオーナの個人用保存領域46aが存在するか否かを解析する(S208)。ここで、当該オーナの個人用保存領域46aが存在する場合(S208のYES)、電源制御装置30は、未処理ジョブを退避させるための保存ボックス46内の具体的な領域として当該オーナの個人用保存領域46aを特定する。他方、当該オーナの個人用領域46aが存在しない場合(S208のNO)、電源制御装置30は、未処理ジョブを退避させるための保存ボックス46内の具体的な領域として共有保存領域46bを特定する。以上のような保存ボックス46内の具体的な領域を特定するための処理は、退避手段の第2特定手段30hによって行われる。
【0056】
続いて、未処理ジョブを退避させるための保存ボックス46内の領域として個人用保存領域46aを特定した場合(S208のYES)、電源制御装置30は、特定した個人用保存領域46aに未処理ジョブを退避させた上で(S209)、退避させたジョブのオーナに対してジョブの保存先に関する情報(保存ボックス46が設けられた画像処理装置40を特定するための識別番号等)を通知して(S210)、図6のフローチャートに戻る(リターン)。他方、未処理ジョブを退避させるための保存ボックス46内の領域として共有保存領域46bを特定した場合(S208のNO)、電源制御装置30は、未処理ジョブを暗号化し(S211)、さらに復号化のためのパスワードを設定した上で、共有保存領域46bに未処理ジョブを退避させる(S212)。なお、S211における未処理ジョブの暗号化及びパスワード設定のための処理は、暗号化手段30iによって行われる。
【0057】
そして、共有保存領域46bに未処理ジョブを退避させた後に(S212)、電源制御装置30は、S211において設定したパスワードをS212において退避させた未処理ジョブのオーナに通知してから(S213)、図6のフローチャートに戻る(リターン)。このようなパスワードの通知処理は、通知手段30jによって行われる。なお、退避させた未処理ジョブのオーナが前述の電源管理データベース30Dに登録されておらず不明である場合、通知手段30jは、予め指定されたシステム管理者Xに対してパスワードを通知するものとする。
<動作例>
次に、本実施形態の画像処理システム1の具体的な動作例について説明する。ここで、各々の画像処理装置40の登録ユーザは、図1及び図5に示された通りである。また、画像処理装置40のうち、MFP40a及びプリンタ40bは保存ボックス46を有し、プリンタ40cは保存ボックス46を有さないものとし、さらに、MFP40aの保存ボックス46は全ユーザの個人用保存領域46aを含んでおり、プリンタ40bの保存ボックス40bはユーザC及びDの個人用記憶装置46aを含んでいるものとする。そして、初期状態において、図5の例のように、ユーザA〜Eの全員が居室Rに入室しているものとする。
【0058】
ここで、ユーザC及びDが続けて退室したとすると、入退室テーブル30Tにおいて、プリンタ40bの登録ユーザのうち入室状態にある者の数は0になる。そのとき、プリンタ40bの内部にユーザCの未処理ジョブが残存していた場合には、電源制御装置30は、プリンタ40bの保存ボックス46に設けられたユーザCの個人用保存領域46aを退避先として特定する。そして、プリンタ40bを遠隔操作することで、当該個人用保存領域46aに未処理データを退避させてからプリンタ40bの電源をオフにする。
【0059】
他方、プリンタ40bの内部にユーザDの未処理ジョブが残存していた場合には、電源制御装置30は、プリンタ40bの保存ボックス46内に設けられた共有保存領域46bを退避先として特定する。そして、電源制御装置30は、未処理ジョブを暗号化した後に、プリンタ40bを遠隔操作し、暗号化された未処理ジョブを上記の共有領域46bに退避させ、さらに、暗号化された未処理データを復号化するためのパスワードを記載した電子メールメッセージをユーザDに割り当てられたPC40dに送信した後にプリンタ40bの電源をオフにする。
【0060】
そこからさらにユーザEが退室したとすると、入退室テーブル30Tにおいて、プリンタ40cの登録ユーザのうち入室状態にある者の数は0になる。そのとき、プリンタ40cの内部にユーザEの未処理ジョブが残存していた場合、電源制御装置30は、プリンタ40c以外の画像処理装置40の保存ボックス46を退避先として特定する。これは、プリンタ40cには保存ボックス46が設けられていないからである。ここで、退避先の保存ボックスとして、例えば、MFP40aの保存ボックス46を特定した場合、退避先の領域として、当該保存ボックス46に設けられたユーザEの個人用保存領域46aをさらに特定する。そして、電源制御装置30は、プリンタ40c及びMFP40aを遠隔操作して、未処理ジョブをプリンタ40cからMFP40aに転送させた上で、当該未処理ジョブをMFP40aの保存ボックス46においてユーザEに割り当てられた個人用保存領域46aに退避させる。その後、電源制御装置30は、未処理データがMFP40aの個人用保存領域46aに保存されたことを通知するための電子メールメッセージをユーザEの割り当てられたPC50eに送信してから、プリンタ40cの電源をオフにする。
【0061】
以上のように、本実施形態の画像処理システム1によれば、入退室管理装置20と連携して画像処理装置40の電源を自動的にオフに切り替える際に当該画像処理装置40の内部に未処理ジョブが残存していたとしても、電源制御装置30が画像処理装置40を遠隔操作することで、当該印刷ジョブを適切な記憶領域(保存ボックス46)に退避させることができる。その結果、ユーザの退室に応じて画像処理装置40の電源を自動的にオフにする便利な機能を活用しつつ未処理ジョブが強制的に消去されてしまうという不具合を解消することができる。
【0062】
また、本実施形態の画像処理システム1によれば、第1特定手段30gによって、未処理ジョブが検出された画像処理装置40の保存ボックス46を退避先として優先的に特定することができる。その結果、未処理ジョブがユーザにとって最適な保存ボックス46に保存されることを保証することができ、ユーザにとっての利便性をさらに高めることができる。
【0063】
また、本実施形態の画像処理システム1によれば、第2特定手段30hが、保存ボックス46内に設けられた各ユーザの個人用保存領域46aを退避先として優先的に特定することができる。その結果、ユーザが未処理ジョブの退避先を容易に特定できるようになるのでユーザにとっての利便性がさらに向上し、また、退避させられた未処理ジョブが他人によってアクセスされることを防止できるようになるので、当該未処理ジョブの機密性を確保することができる。
【0064】
また、本実施形態の画像処理システム1によれば、退避先としてアクセス制限のない共有保存領域46bが特定された場合であっても、暗号化手段30iによって未処理ジョブを暗号化し、さらに、通知手段30jによって復号化のためのパスワードをユーザに通知することで、当該ジョブが他人によってアクセスされることを防止できるようになる。よって、ユーザに個人用保存領域46aが割り当てられていない場合であっても、退避させられた未処理ジョブの機密性を十分に確保することができる。
【0065】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。例えば、上記実施形態においては、本発明の画像処理装置としてMFP及びプリンタを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の画像処理装置は、スキャナ、プリンタ、デジタル複写機、ファクシミリ装置、電子メールプリンタ等であってもよい。
【0066】
本発明による画像処理システムは、上記各手順を実行するための専用のハードウエア回路によっても、また、上記各手順を記述したプログラムをCPUが実行することによっても実現することができる。後者により本発明を実現する場合、画像処理システムを動作させる上記プログラムは、フロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ROMやハードディスク等に転送され記憶される。また、このプログラムは、たとえば、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、画像処理システムを構成する装置の一機能として当該装置のソフトウエアに組み込んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の画像処理システムが適用された入退室管理システムの概略構成を示すである。
【図2】図1に示される画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示される保存ボックスの構成を示すブロック図である。
【図4】図1における電源制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態におけるユーザの入退室状況の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態の電源制御装置の処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態の電源制御装置の処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
1 画像処理システム、
10 入退室認証装置、
20 入退室管理装置、
30 電源制御装置、
30a 受信手段、
30b 認識手段、
30c 第1解析手段、
30d 第2解析手段、
30e 退避手段、
30f 電源制御手段、
30g 第1特定手段、
30h 第2特定手段、
30i 暗号化手段、
30j 通知手段、
30D 電源管理データベース、
30T 入退室テーブル、
40 画像形成装置、
46 保存ボックス、
46a 個人用保存領域、
46b 共有保存領域、
50 PC。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
居室への入室許可を有する少なくとも1人の入室許可者が当該居室から退室したことを示す退室情報を外部に送信するための送信手段を備えた入退室管理システムに接続されており、各々少なくとも1人の前記入室許可者が登録ユーザとして登録された少なくとも1つの画像処理装置、及び前記画像処理装置の各々の電源を制御するための電源制御装置と、を含む画像処理システムであって、
前記画像処理装置の少なくとも1つは、不揮発性の記憶装置からなる保存ボックスを備えており、
前記電源制御装置は、前記入退室管理装置から前記退室情報を受信するための受信手段と、受信した前記退室情報に基づき、前記入室許可者の最新の退室状況を認識する認識手段と、認識した前記最新の退室状況に基づき、前記画像処理装置のうち登録ユーザが全員退室状態にあり使用されない不使用装置が存在するか否かを解析する第1解析手段と、前記不使用装置が存在する場合に当該不使用装置の内部に処理が完了していない未処理ジョブが存在するかを解析する第2解析手段と、前記未処理ジョブが存在する場合に当該未処理ジョブを前記保存ボックスのいずれか1つに退避させる退避手段と、前記未使用ジョブが存在しない場合にはそのまま前記不使用装置の電源をオフにし、前記未使用ジョブが存在する場合には前記退避手段が当該未処理ジョブを退避させた後に前記不使用装置の電源をオフにする電源オフ手段と、を備えていることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記電源制御装置は、前記退避手段が前記未処理ジョブを退避させるときの退避先となる前記保存ボックスを特定するための第1特定手段をさらに備えており、
前記第1特定手段は、前記未処理ジョブが存在する前記不使用装置が前記保存ボックスを備えている場合には当該保存ボックスを退避先として特定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記保存ボックスの各々は、前記利用許可者のうちの特定の利用許可者に割り当てられた個人用保存領域、及び特定の利用許可者に割り当てられない共有保存領域を含み、
前記電源制御装置は、前記第1特定手段が特定した前記保存ボックスにおける前記未処理ジョブの退避先となる領域をさらに特定するための第2特定手段をさらに備えており、
前記第2特定手段は、前記第1特定手段が特定した前記保存ボックスが、前記未処理ジョブのオーナに割り当てられた前記個人用保存領域を含む場合には、当該個人用保存領域を、含まない場合には前記共有領域を、それぞれ退避先として特定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記電源制御装置は、前記利用許可者の各々にメッセージを通知するための通知手段と、前記第2特定手段が退避先として前記共有保存領域を特定した場合に前記未処理ジョブを暗号化するとともに復号化のためのパスワードを設定する暗号化手段と、をさらに備えており、
前記通知手段は、前記暗号化手段が設定した前記パスワードを、暗号化された前記未処理ジョブのオーナに通知することを特徴とする請求項3に記載の画像処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−116818(P2009−116818A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−292259(P2007−292259)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】