説明

画像処理ノード、および画像処理ノードを制御するための方法

【課題】より適応性のある画像処理ノード、および画像処理ノードを制御するための方法を提供する。
【解決方法】画像処理ノード、および画像処理ノードを制御するための方法により、画像処理ノードのサブシステムは認証済コマンドをプレパーサに動的に登録することができ、その後、プレパーサは動的な登録を参照して、実行用のインバウンドのサブコマンドの認証を行う。本方法およびシステムにおいて、たとえば、ユーザに標準の管理プロトコルまたはプロプライエタリのWebインターフェースなどを介さずには制御することができない画像処理ノードの登録済オプションのロック解除および制御を動的に行うことをユーザに許容することによって、拡張性および細分性の高い画像処理ノードの制御が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理ノード、および画像処理ノードを制御するための方法に関し、特に、より適応性のある画像処理ノード、および画像処理ノードを制御するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多機能プリンタ(MFP)のノードなどの画像処理ノードの制御は、主として画像処理ノードにサポートされる業界標準の管理プロトコルおよびプロプライエタリのWebインターフェースによる粗雑かつ静的な制御に制限されている。このような制御では、画像処理ノードのユーザの種々の目的を満たすことができないことが多く、なかなか新しくはならない。簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)やインターネット印刷プロトコル(IPP)などの画像処理ノードにサポートされる業界標準の管理プロトコルは、制限付きの一連の制御を定義しており、この一連の制御はインターネット技術タスクフォース(IETF)の決定なしでは補足することはできない。さらに、IETFの決定により承認された新しい制御にはすべて制限があり、制御を行うためにはソフトウェアのアップグレードが必要である。
【0003】
画像処理ノードに対するプロプライエタリのWebインターフェースが提供する制御は、業界標準の団体における決定なしで補足することができる。しかしながら、このようなWebの制御は、画像処理ノードの作成者がサポートすると決定したものに制限されている。さらに、提供され得る新しいWeb制御を実行するにはソフトウェアを変更する必要がある。たとえば、新しい制御に対するユーザ入力を許容するためにWebページを新しく作成しなければならず、さらに、その新しいWebページと画像処理ノードの制御対象のサブシステムとを統合させるためにソフトウェアフックをコード化する必要がある。
【0004】
画像処理ノードの制御に関しては、例えば、特許文献1に、クライアントから印刷すべきデータとその印刷を実現する命令列を内部に含むコマンドを受信すると、インタープリタが、命令列の解釈結果にしたがって、画像処理装置が有する印刷等の機能を操作するための関数群である複数のコマンドライブラリの少なくとも一つを呼び出して、画像処理装置が有するそれらの機能を実行するものが開示されている。
【特許文献1】特開2006−48725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、画像処理ノードの適応制御のための方法を提供することをその目的とするものであり、標準の管理プロトコルまたはプロプライエタリのWebインターフェースを介さずには制御することができない画像処理ノードの登録済みオプションのロック解除及び制御を動的に行うことをユーザに許容することによって、拡張性が高く、きめ細かい画像処理ノードの制御を可能としようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一形態において、画像処理ノードは、少なくとも1つのインターフェースと、レジストリと、少なくとも1つのサブシステムと、前記インターフェース、前記レジストリ、および前記サブシステムと通信可能に接続されるプレパーサとを備え、前記サブシステム用のプロファイルが前記レジストリに記憶され、前記インターフェースを介して受信されたコマンドラインと前記サブシステム宛てのサブコマンドの受信とに応じて、前記プレパーサは、前記サブコマンドが前記プロファイルに適合することを確認した後、前記サブシステムに前記サブコマンドを実行させることを特徴とする。
【0007】
いくつかの実施形態において、前記プロファイルは前記サブシステム用の認証済コマンドのアイデンティティを備え、各認証済コマンドのアイデンティティは、認証済コマンドに関連するコマンドトークンと、前記認証済コマンドに関連するオプションと、前記認証済コマンドを実行するために適用される前記サブシステムのルーチンのアドレスとを備えることを特徴とする。
【0008】
いくつかの実施形態において、前記認証済コマンドのアイデンティティは前記サブシステムによって定義されることを特徴とする。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記プレパーサは、前記サブシステムによって前記サブコマンドを実行させる前に、前記サブコマンドが、前記サブシステム用の認証済コマンドに関連するコマンドトークンおよびオプションと一致するコマンドトークンおよびオプションを有していることを確認することを特徴とする。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記プレパーサは、前記サブコマンドを実行するために適用される前記サブシステム上のルーチンのアドレスに対する前記サブコマンドにおけるコマンドトークンおよびオプションを解析することを特徴とする。
【0011】
いくつかの実施形態において、前記サブシステムは登録サブシステムであり、前記登録サブシステムによる前記サブコマンドの実行により未登録のサブシステムに対する認証済コマンドのリストが前記レジストリに記憶されることを特徴とする。
【0012】
いくつかの実施形態において、前記サブシステムは登録サブシステムであり、前記登録サブシステムによる前記サブコマンドの実行により登録済サブシステムに対する認証済コマンドのリストが前記レジストリから削除されることを特徴とする。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記プレパーサおよび前記サブシステムは前記画像処理ノード上で実行可能なファームウェアを備えることを特徴とする。
【0014】
いくつかの実施形態において、前記コマンドラインはプリンタジョブ言語(PJL)コマンドラインであることを特徴とする。
【0015】
いくつかの実施形態において、前記コマンドラインはプレパーサ識別子をさらに備え、前記画像処理ノード上のフィルタは、前記プレパーサ識別子を確認した後、前記コマンドラインを前記プレパーサに割り当てることを特徴とする。
【0016】
いくつかの実施形態において、前記少なくとも1つのインターフェースはネットワークインターフェースを備えることを特徴とする。
【0017】
いくつかの実施形態において、前記少なくとも1つのインターフェースはユーザインターフェースを備えることを特徴とする。
【0018】
別の形態において、画像処理ノードを制御する方法は、前記画像処理ノード上のコマンドラインを受信する工程と、プレパーサ宛てとして前記コマンドラインを識別する工程と、前記プレパーサが登録されたサブシステム宛てとして前記コマンドラインのサブコマンドを識別する工程と、前記サブシステム用の認証済コマンドとして前記サブコマンドを識別する工程と、前記サブコマンドを実行するために適用される前記サブシステムのルーチンのアドレスを識別する工程と、前記アドレスを用いて前記ルーチンを呼び出す工程とを有することを特徴とする。
【0019】
いくつかの実施形態において、前記コマンドラインのプレパーサ識別子に基づき、前記サブシステム宛てとして前記コマンドラインが識別されることを特徴とする。
【0020】
いくつかの実施形態において、前記サブコマンドのサブシステム識別子に基づき、前記サブシステム宛てとして前記サブコマンドが識別されることを特徴とする。
【0021】
いくつかの実施形態において、前記サブコマンドのコマンドトークンおよびオプションに基づき、前記サブシステム用の認証済コマンドとして前記サブコマンドが識別されることを特徴とする。
【0022】
別の形態において、画像処理ノードを制御するための方法は、サブシステムによって定義された認証済コマンドのアイデンティティを有する前記サブシステムのプロファイルを記憶する工程と、プレパーサによってサブコマンドを有するコマンドラインを受信する工程と、前記プレパーサによって前記サブコマンドが前記プロファイルの認証済コマンドに適合することを確認する工程と、前記プロファイルの前記プレパーサによって前記サブコマンドを実行するために適用される前記サブシステムのルーチンのアドレスを解析する工程と、前記アドレスを用いて前記サブシステムに対する前記プレパーサによって前記サブコマンドを発行する工程と、前記サブシステムによって前記サブコマンドを実行する工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、基本的な特徴において、画像処理ノードの適応制御のための方法およびシステムを提供する。本方法およびシステムにより、画像処理ノードのサブシステムは認証済コマンドを動的にプレパーサに登録することができ、その後、プレパーサは、動的な登録を参照して実行用のインバウンドのサブコマンドの認証を行う。また、本方法およびシステムは、たとえば、標準の管理プロトコルまたはプロプライエタリのWebインターフェースを介さずには制御することができない画像処理ノードの登録済オプションのロック解除および制御を動的に行うことをユーザに許容することによって、拡張性が高く、きめ細かい画像処理ノードの制御を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下の図面の簡単な説明と併せて、後述する詳細な説明を参照すれば、本発明の実施例がより明らかとなろう。本発明は付記されたクレームによって定義される。
【0025】
図1は、画像処理ノード130の適応制御のための方法およびシステムが動作可能な画像処理システムを示す図である。この画像処理システムは、通信ネットワーク120を通じて画像処理ノード130と通信可能に接続されるクライアントノード110を含む。このクライアントノード110は、ユーザインターフェース上で印刷ジョブの詳細を受信することが可能であり、画像処理ノード130上で行われる処理の内容に合致する印刷ジョブを生成し、イーサネット(登録商標)・インターフェース、USBインターフェース、または携帯電話インターフェースなどのネットワークインターフェースを介して送信することが可能な、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、携帯電話、または携帯情報端末(PDA)などのデータ通信装置である。
【0026】
通信ネットワーク120は、有線または無線のイーサネット(登録商標)接続またはUSB接続といったポイント・ツー・ポイント接続、あるいはローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ワイマックス(WIMAX)ネットワーク、アドホック(AD−HOC)ネットワーク、および/またはそれぞれクライアントノード110と画像処理ノード130を通信可能に接続するスイッチやルータなどのデータ通信ノードを有するその他のネットワークを1つ以上含むデータ通信ネットワークであってもよい。いくつかの実施形態において、通信ネットワーク120はインターネットを横断する。いくつかの実施形態において、通信ネットワーク120は、たとえば画像処理ノード130に出力するためにクライアントノード110によって開始された印刷ジョブの処理およびスケジューリングを行うことによって、クライアントノード110および画像処理ノード130間の媒介物として機能する1つ以上のサーバーノードを含む。
【0027】
画像処理ノード130は、クライアントノード110上で開始された印刷ジョブをネットワークインターフェースを介して受信することが可能であり、たとえば印刷ジョブのハードコピー出力などの印刷ジョブの処理を行うことが可能である、イーサネット(登録商標)・インターフェースまたはUSBインターフェースなどのネットワークインターフェースを有する画像処理装置である。本発明に密接に関係する印刷ジョブの処理において、印刷ジョブのPJL部内で受信されたサブコマンドが選択的に認証および実行されるプレパーサの操作を行ってもよい。
【0028】
クライアントノード110は、ユーザインターフェースと、ネットワークインターフェースと、プロセッサに通信可能に接続されるメモリとを備える。ユーザインターフェースは、ユーザからの入力を受けるためのキーボード、キーパッド、またはタッチセンシティブのナビゲーションツールなどの入力機構と、ユーザに出力を表示するための液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、または陰極線管(CRT)などの出力機構とを備える。ネットワークインターフェースは、クライアントノード110を通信ネットワーク120に通信可能に接続するイーサネット(登録商標)・インターフェース、USBインターフェース、または携帯電話インターフェースなどの有線または無線のデータ通信インターフェースである。
【0029】
メモリにインストールされ、プロセッサによって実行されるオペレーティングシステムは、タスクを生成、スケジューリング、および実行することにより、とりわけ、ユーザインターフェース上に入力された印刷ジョブの内容に一致する印刷ジョブを生成し、該印刷ジョブをネットワークインターフェース上で送信することにより、クライアントノード110上の操作を管理する。印刷ジョブの生成は、クライアントノード110上、または通信ネットワーク120内のサーバーノード上にある印刷ドライバによって促進される。印刷ジョブは、テキストおよび図形をページ上に印刷する方法に関する指示のみならずユーザが選択した印刷オプションを提供するPJL部を備えていてもよい。印刷ジョブのPJL部は、MFPのノード130上における特定のオプションのロック解除または制御の指示を行うMFPのノード130上のプレパーサ宛てのコマンドラインを含む。このようなPJL(Printer Job Language)のコマンドラインは、ユーザによって直接入力されるか、あるいは、たとえばユーザの入力に応じて印刷ドライバによって生成される。
【0030】
図2は、画像処理ノード130をより詳細に示した図である。画像処理ノード130は、印刷、スキャン、コピーなどの複数の機能をサポートしている。画像処理ノード130は、ユーザからの入力を受信し、又ユーザに出力を表示するためのフロントパネルなどのユーザインターフェース210を備える。さらに、画像処理ノード130はネットワークインターフェース220を備える。ネットワークインターフェース220は、画像処理ノード130を通信ネットワーク120に通信可能に接続するイーサネット(登録商標)・インターフェースまたはUSBインターフェースなどの有線または無線のデータ通信インターフェースである。画像処理ノード130の内部では、インターフェース210、220が、コマンドプロセッサ240、スキャン/コピーエンジン230、およびプリントエンジン260と通信可能に接続されている。プロセッサ240とエンジン250、260は関連するメモリを備える。スキャン/コピーエンジン230は、1つ以上の集積回路(IC)などのスキャ/コピー機のロジックと、スキャンおよびコピー機能を実行する機構部を含む。たとえば、スキャン/コピーエンジン230は移動可能なキャリッジに搭載されたラインイメージセンサを備え、スキャナICの制御下で原稿を光学的にスキャンし、そのスキャン原稿をメモリに記憶する。
【0031】
プリントエンジン260は、1つ以上のICなどのプリンタのロジックと、印刷機能を実行する機構部とを含む。たとえば、プリントエンジン260は、移動可能なキャリッジに搭載されたカラーインクジェットヘッダを備え、プリンタICの制御下で原稿を印刷する。図示した実施形態において画像処理ノード130はスキャン、コピー、および印刷をサポートしているが、他の実施形態において、画像処理ノードは、ファックスまたはファイリングなどの、他のあるいは異なる機能をサポートしていてもよく、あるいはスキャンまたはコピー機能はなく印刷などの単一の機能をサポートしていてもよい。
【0032】
プロセッサ240は、印刷、スキャン、コピー、スプール、管理、診断やその他のタスクを生成、スケジューリング、および実行することにより画像処理ノード130上の操作を管理する。このようなタスクは、いくつかの実施形態においてファームウェアを備えるプロセッサ240にインストールされたソフトウェアにおいて実行するルーチンによって行われる。画像処理ノード130の高度かつ動的な制御を可能にするために付随して実行される管理タスクは、プロセッサ240上で実行可能なフィルタのルーチンによる、プロセッサ240上で実行可能なプレパーサのルーチンに宛てられたインバウンドのPJLコマンドラインの識別と、このような識別に応じたプレパーサの呼び出しとを含む。プレパーサ宛てのインバウンドのコマンドラインは、たとえば、ネットワークインターフェース220を介して受信された印刷ジョブのPJL部において、あるいはユーザインターフェース210またはネットワークインターフェース220を介して受信されたPJL部において受信されてもよい。
【0033】
図3は、本発明のいくつかの実施形態における登録コマンドラインの処理である。登録コマンドラインの処理は、登録サブシステム310と、画像処理ノードのサブシステム320、330、340のうちの1つ以上と、プレパーサ350と、レジストリ360とを必要とし、これらはすべてプロセッサ240上で実行可能である。このような登録コマンドラインの処理が行われる前に、登録サブシステム310はプレパーサ350を登録する。図示した例において、プレパーサ350は、プレパーサ350によって受信された登録コマンドライン(REG_CL)に応じて、サブコマンド(REGSS_CALL)を用いて登録サブシステム310を呼び出す。登録サブシステム310の呼び出しにより、登録サブシステム310は、画像処理ノードのサブシステム320に対してコマンドを発行してプレパーサ350を登録するよう促される。
【0034】
一例として、画像処理ノードのサブシステム320は、画像処理ノード130上のスキャンを制御し、またプレパーサ350は、画像処理ノードのサブシステム320にプレパーサ350を登録し、画像処理ノード130上のスキャンを可能にすることを命令するよう登録サブシステム310を促すアクティベーションキーを用いて登録サブシステム310を呼び出してもよい。他の例として、画像処理ノードのサブシステム320はトレースメッセージを制御し、プレパーサ350は、画像処理ノードのサブシステム320にプレパーサ350を登録し、画像処理ノード130上のトレースメッセージを可能にすることを命令するよう登録サブシステム310を促すアクティベーションキーを用いて登録サブシステム310を呼び出してもよい。
【0035】
処理フローにおいて、プレパーサ350によって受信された登録コマンドライン(REG_CL)は、プレパーサ350に関連するプレパーサ識別子(PPID)と、登録サブシステム310に関連するサブシステムID(SSID)と、サブコマンドとを有するPJLコマンドラインである。サブコマンドはコマンドトークンとオプションとを備え、さらにオプション値を備えてもよい。登録コマンドラインに応じて、プレパーサ350は、レジストリ360から、SSIDが、登録されている画像処理ノードのサブシステム320、すなわち登録サブシステム310と関連していることを判定する(SSID_VER)。その後、プレパーサ350は、レジストリ360においてSSIDに関連するプロファイル、すなわち登録サブシステム310に関連するプロファイルを探索する。このプロファイルから、プレパーサ350は、サブコマンドのコマンドトークンおよびオプションが認証済のコマンドトークン/オプションの対であることを判定する(COM_VER)。
【0036】
さらに、プレパーサ350は、レジストリ360から、サブコマンドの実行に関与する登録サブシステム310上のルーチンのアドレスを取得し(CALL_ADDR)、ルーチンを呼び出してサブコマンドを実行させる(REGSS_CALL)。本例において、サブコマンドは画像処理ノードのサブシステム320に対しプレパーサ350を登録するよう促すことを意図している。よって、サブコマンドに応じて、登録サブシステム310は画像処理ノードのサブシステム320に対して、画像処理ノードのサブシステム320用のプロファイル(REG_DAT)がレジストリ360に追加されたら、プレパーサ350を登録するよう指示する(REG_COM)。ここで、画像処理ノードのサブシステム320は、コマンドトークン、オプション、およびプロファイルのコマンドを実行するために適用される画像処理ノードのサブシステム320のルーチンのアドレスを定義づけることが重要である。
【0037】
いくつかの実施形態では、画像処理ノードのサブシステム320、330、340において同様の方法でプレパーサ350が登録削除され、たとえば、画像処理ノードのサブシステム320にプレパーサ350の登録削除を命令するよう登録サブシステム310を促す登録削除のサブコマンドを用いて登録サブシステム310を呼び出してもよい。
【0038】
図4は、本発明のいくつかの実施形態における画像処理オプションのコマンドラインの処理である。画像処理オプションのコマンドラインの処理は、画像処理ノードのサブシステム320、330、340の登録された1つと、プレパーサ350と、レジストリ360とを必要とし、これらはすべてプロセッサ240上で実行可能である。図示した例において、プレパーサ350は、プレパーサ350によって受信した画像処理オプションのサブコマンドに応じて、画像処理オプションのサブコマンドを用いて画像処理ノードのサブシステム320を呼び出す。画像処理ノードのサブシステム320の呼び出しにより、画像処理ノードのサブシステム320はサブコマンドを実行するよう促される。複数の実現可能な例の1つとして、画像処理ノードのサブシステム320は画像処理ノード130上の色補正を制御してもよく、さらに、画像処理ノードのサブシステム320を、画像処理ノードのサブシステム320に特定の印刷ジョブに対して色補正を適用するよう促すサブコマンドを用いて呼び出してもよい。
【0039】
処理フローにおいて、プレパーサ350によって受信された画像処理オプションのコマンドライン(OPT_CL)は、プレパーサ350に関連するPPIDと、画像処理ノードのサブシステム320に関連するSSIDと、サブコマンドとを有するPJLコマンドラインである。サブコマンドはコマンドトークンとオプションとを備え、さらにオプション値を備えてもよい。コマンドラインに応じて、プレパーサ350は、レジストリ360から、SSIDが登録された画像処理ノードのサブシステム320と関連していることを判定する(SSID_VER)。その後、プレパーサ350は、レジストリ360においてSSIDに関連するプロファイル、すなわち画像処理ノードのサブシステム320に関連するプロファイルを探索する。このプロファイルから、プレパーサ350は、サブコマンドのコマンドトークンおよびオプションが認証済のコマンドトークン/オプションの対であることを判定する(COM_VER)。さらに、プレパーサ350は、レジストリ360から、サブコマンドの実行に関与する画像処理ノードのサブシステム320上のルーチンのアドレスを取得し(CALL_ADDR)、ルーチンを呼び出してサブコマンドを実行する(ISS_CALL)。この場合、サブコマンドは画像処理ノードのサブシステム320によってサポートされる画像処理オプションの実行を意図しており、画像処理ノードのサブシステム320はサブコマンドを実行する。
【0040】
図5は、いくつかの実施形態におけるレジストリ360に記憶された画像処理ノードのサブシステムのプロファイルである。このプロファイルは、プロファイルが付随する画像処理ノードのサブシステムによって定義された認証済コマンドのアイデンティティを含んでおり、リンクした3つのテーブルに渡って記憶される。認証済コマンドのアイデンティティはそれぞれ、コマンドトークンと、オブジェクトと、コマンドを実行するための画像処理ノードのサブシステム上のルーチンのアドレスとを含む。より詳細には、SSIDテーブル510は、プロファイルが付随する画像処理ノードのサブシステムのSSIDと、SSIDに関連するコマンドトークンテーブル520内のエントリに対するポインタ(CT PTR)を有する。コマンドトークンテーブル520は、画像処理ノードのサブシステムに対する1以上のコマンドトークン(CT)と、各コマンドトークンに関連するオプションテーブル530におけるエントリに対するポインタ(OPT PTR)とを有する。オプションテーブル530は、コマンドトークン毎の1以上のオプション(OPT)と、各オプションに関連するコマンドを実行するための画像処理ノードのサブシステム上のルーチンのアドレスとを有する。画像処理ノードのサブシステム宛てのインバウンドのコマンドラインは、コマンドラインのサブコマンドにおけるトークン/オプションの対がレジストリ360に記憶された画像処理ノードのサブシステムのプロファイルにおけるトークン/オプションの対と一致することを確認することによって認証され、その後、一致したトークン/オプションの対に関連する画像処理ノードのサブシステム上のルーチンのアドレスを呼び出すことによって実行される。
【0041】
プレパーサの原理およびレジストリ360の使用について更に説明するため、プレパーサ350宛てのPJLコマンドラインが下記式によって表わされる本発明の実施形態について考察する。
【0042】
@PJL PPID_CT OPT = OPT VAL
式中、@PJLはPJLコマンドラインとしてコマンドラインを識別し、PPIDはプレパーサ350だけを識別し、CTはコマンドトークンであり、OPTはオプションであり、OPT VALはオプション値である。さらに、これらの実施形態において、オプションはSSIDから始まり、オプションのSSIDではない部分から下線によって相殺されることについて考察する。
【0043】
次に、下記式が記載された図5のインバウンドのPJLのコマンドラインの処理について考察する。
@PJL SHARP_SET UDP_EVNT_RECDR_ADDR = “172.29.237.6”
インバウンドのPJLコマンドラインを受信すると、プロセッサ240上で実行可能なフィルタは「SHARP」をプレパーサ350のアイデンティティとして認識し、これによってコマンドラインをプレパーサ350に割り当てる。プレパーサ350は指示されたフォーマットを有するPJLコマンドラインの構文解析を行うように構成されており、SSIDの「UDP_」をSSIDテーブル510に配置し、関連するコマンドトークンのポインタを用いてエントリをオプションテーブル530に表示する。その後、プレパーサ350はコマンドトークンの「SET」をコマンドトークンテーブル520に配置し、関連するオプションのポインタを用いてエントリをオプションテーブル530に表示する。さらに、プレパーサ350はオプションの「UDP_EVNT_RECDR_ADDR」をオプションテーブル530に配置する。この時点で、プレパーサ350はサブコマンドが画像処理ノードのサブシステムの「UDP_」に割り当てられ認証されていることをすでに判定している。これにより、プレパーサ350はオプションに関連する画像処理ノードのサブシステムの「UDP_」上のルーチンのアドレスを取得し(CALL_ADDR )、このアドレスを用いてサブコマンドを有するルーチンを呼び出す。このルーチンは、とりわけ、オプション値172.29.237.6に対しオプションUDP_EVNT_RECDR_ADDRを設定することによって、サブコマンドを実行する。プレパーサ350がサブコマンドからSSIDまたはコマンドトークン/オプションの対を確認することができなかった場合、プレパーサ350はサブコマンドが認証されていないと判断し、コマンドラインを取り除く。
【0044】
図6は、本発明のいくつかの実施形態における一般的なコマンドラインの処理を示すフローチャートである。プロセッサ240はPJLコマンドラインを受信し(605)、フィルタルーチンはPPIDを確認する(610)。PPIDが有効である場合、プレパーサ350が呼び出され、プレパーサ350はSSIDテーブル510のPJLコマンドラインからSSIDを探索する(620)。SSIDが有効である場合、プレパーサ350はSSIDテーブル510の対応するポインタを用いてコマンドトークンテーブル520に索引を付け、コマンドトークンテーブル520のPJLコマンドラインからコマンドトークンを探索する(630)。コマンドトークンが有効である場合、プレパーサ350はコマンドトークンテーブル520の対応するポインタを用いてオプションテーブル530に索引をつけ、オプションテーブル530のPJLコマンドラインからオプションを探索する(635)。オプションが有効である場合、プレパーサ350はオプションテーブル530の対応するルーチンアドレスを用いてSSIDに関連するサブシステムを呼び出し、サブコマンドを実行する(640)。PPIDが無効である場合、コマンドラインはプレパーサ350に宛てられず、コマンドラインはプレパーサ350を用いずに処理される(615)。PPIDが有効であるが、コマンドラインのSSID、コマンドトークン、またはオプションの1つが無効である場合、コマンドラインは実行されずにプレパーサ350によって取り除かれる(625)。
【0045】
以上のように、従来のPCなどのクライアントノード110では、MFPなどの画像処理ノード130に各種ジョブを実行するためのPJLコマンドラインを送信していたが、本発明では、クライアントノードはPJLコマンドラインとして特定の機能のアクティベーションの設定を行う登録コマンドライン(REG_CL)あるいは画像処理のオプション設定のためのコマンドライン(OPT_CL)などを送信できるようにしている。このコマンドラインは、プレパーサに関する識別子(PPID)、サブシステムに関連する識別子(SSID)、サブコマンドを含んでいる。
他方、画像処理ノード130側では、各種画像処理を実行するためのサブシステム(プログラム)を有するとともに、このサブシステムのプロファイルがプレパーサとレジストリに記憶されている。
そして、画像処理ノード130がクライアントノード110からインターフェースを介して登録コマンドラインや画像処理のオプションのコマンドラインを受信した際に、プレパーサは、コマンドラインに含まれるサブシステムID(SSID)が、登録された画像処理のサブシステム(プログラム)と関連していることを判定し、さらに、コマンドラインに含まれるサブコマンドが、レジストリに記録されたサブシステムのプロファイルに適合するかどうかを判定する。そして、適合する場合は、プレパーサは、サブシステムの所定ルーチンを呼び出してサブコマンドで指定された処理を実行させる。
【0046】
本発明は、本発明の精神または主要な特徴から逸脱することなく他の特定の形態で実施することができると当業者に理解される。たとえば、本発明はPJLのプレパーサ350に関連して説明したが、発明の原理は、拡張可能なマークアップ言語(XML)やXPSのプレパーサなどのその他のプレパーサにも容易に及ぶ。よって、本発明の記述はすべての点において説明のためのものであって、制限するためのものではない。本発明の範囲は添付の請求の範囲によって示され、請求の範囲と等価である意味および範囲内にあるすべての変更がここに包含されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】画像処理のネットワークシステムである。
【図2】本発明のいくつかの実施形態における画像処理ノードである。
【図3】本発明のいくつかの実施形態における登録コマンドラインの処理である。
【図4】本発明のいくつかの実施形態における画像処理オプションのコマンドラインの処理である。
【図5】本発明のいくつかの実施形態における画像処理サブシステムのプロファイルである。
【図6】本発明のいくつかの実施形態における一般的なコマンドラインの処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
110…クライアントノード、120…通信ネットワーク、130…画像処理ノード、210…ユーザインターフェース、220…ネットワークインターフェース、230…スキャン/コピーエンジン、240…コマンドプロセッサ、260…プリントエンジン、310…登録サブシステム、320、330、340…画像処理ノードのサブシステム、350…プレパーサ、360…レジストリ、510…SSIDテーブル、520…コマンドトークンテーブル、530…オプションテーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理ノードであって、
少なくとも1つのインターフェースと、
レジストリと、
少なくとも1つのサブシステムと、
前記インターフェース、前記レジストリ、および前記サブシステムと通信可能に接続されるプレパーサとを備え、
前記サブシステム用のプロファイルが前記レジストリに記憶され、
前記インターフェースを介して受信されたコマンドラインと前記サブシステム宛てのサブコマンドの受信とに応じて、前記プレパーサは、前記サブコマンドが前記プロファイルに適合することを確認した後、前記サブシステムに前記サブコマンドを実行させることを特徴とする画像処理ノード。
【請求項2】
前記プロファイルは、前記サブシステム用の認証済コマンドのアイデンティティを備え、各認証済コマンドのアイデンティティは、認証済コマンドに関連するコマンドトークンと、前記認証済コマンドに関連するオプションと、前記認証済コマンドを実行するために適用される前記サブシステムのルーチンのアドレスとを備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理ノード。
【請求項3】
前記認証済コマンドのアイデンティティは、前記サブシステムにより定義されることを特徴とする請求項2に記載の画像処理ノード。
【請求項4】
前記プレパーサは、前記サブシステムにより前記サブコマンドを実行させる前に、前記サブコマンドが、前記サブシステム用の認証済コマンドに関連するコマンドトークンおよびオプションと一致するコマンドトークンおよびオプションを有していることを確認することを特徴とする請求項1に記載の画像処理ノード。
【請求項5】
前記プレパーサは、前記サブコマンドを実行するために適用される前記サブシステム上のルーチンのアドレスに対する前記サブコマンドにおけるコマンドトークンおよびオプションを解析することを特徴とする請求項1に記載の画像処理ノード。
【請求項6】
前記サブシステムは登録サブシステムであり、前記登録サブシステムによる前記サブコマンドの実行により未登録のサブシステムに対する認証済コマンドのリストが前記レジストリに記憶されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理ノード。
【請求項7】
前記サブシステムは登録サブシステムであり、前記登録サブシステムによる前記サブコマンドの実行により登録済サブシステムに対する認証済コマンドのリストが前記レジストリから削除されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理ノード。
【請求項8】
前記プレパーサおよび前記サブシステムは、前記画像処理ノード上で実行可能なファームウェアを備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理ノード。
【請求項9】
前記コマンドラインはプリンタジョブ言語(PJL)コマンドラインであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理ノード。
【請求項10】
前記コマンドラインはプレパーサ識別子をさらに備え、前記画像処理ノード上のフィルタは、前記プレパーサ識別子を確認した後、前記コマンドラインを前記プレパーサに割り当てることを特徴とする請求項1に記載の画像処理ノード。
【請求項11】
前記少なくとも1つのインターフェースはネットワークインターフェースを備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理ノード。
【請求項12】
前記少なくとも1つのインターフェースはユーザーインターフェースを備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理ノード。
【請求項13】
画像処理ノードを制御するための方法であって、
前記画像処理ノード上のコマンドラインを受信する工程と、
プレパーサ宛てとして前記コマンドラインを識別する工程と、
前記プレパーサが登録されたサブシステム宛てとして前記コマンドラインのサブコマンドを識別する工程と、
前記サブシステム用の認証済コマンドとして前記サブコマンドを識別する工程と、
前記サブコマンドを実行するために適用される前記サブシステムのルーチンのアドレスを識別する工程と、
前記アドレスを用いて前記ルーチンを呼び出す工程とを有することを特徴とする方法。
【請求項14】
前記コマンドラインのプレパーサ識別子に基づき、前記プレパーサ宛てとして前記コマンドラインが識別されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記サブコマンドのサブシステム識別子に基づき、前記サブシステム宛てとして前記サブコマンドが識別されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記サブコマンドのコマンドトークンおよびオプションに基づき、前記サブシステム用の認証済コマンドとして前記サブコマンドが識別されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記識別工程および前記呼び出し工程は前記プレパーサにより行われることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記サブシステム用のプロファイルを前記プレパーサによりアクセス可能なレジストリに記憶する工程をさらに有し、前記プロファイルはサブシステム識別子と、少なくとも1つの認証済コマンドと、前記認証済コマンドを実行するために適用される前記サブシステムのルーチンの少なくとも1つのアドレスとを備えることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記認証済コマンドは前記サブシステムにより定義されるコマンドトークンおよびオプションを備えることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
画像処理ノードを制御するための方法であって、
サブシステムにより定義された認証済コマンドのアイデンティティを有する前記サブシステムのプロファイルを記憶する工程と、
プレパーサにより、サブコマンドを有するコマンドラインを受信する工程と、
前記プレパーサにより、前記サブコマンドが前記プロファイルの認証済コマンドに適合することを確認する工程と、
前記プロファイルの前記プレパーサにより、前記サブコマンドを実行するために適用される前記サブシステムのルーチンのアドレスを解析する工程と、
前記アドレスを用いて、前記サブシステムに対する前記プレパーサにより、サブコマンドを発行する工程と、
前記サブシステムにより、前記サブコマンドを実行する工程とを有することを特徴とする方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−77397(P2009−77397A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−236419(P2008−236419)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】