画像処理方法、画像処理装置及び画像形成装置
【課題】複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等の、静電潜像をトナーで現像する画像形成装置に用いられ、入力された画像データに対応する画像を表現するためのパターンを、チリによる画質低下への対策を行いながら生成する画像処理方法及び画像処理装置並びにこれらを用いて画像形成を行う、かかる画像形成装置の提供。
【解決手段】入力された画像データに対応する画像を表現するための中間調トナーパターンを生成する画像処理方法であって、濃淡の異なる複数種の同色トナーによる、ずれた位置に配される各濃度のトナーによるパターンを生成することで中間調トナーパターンを生成する。
【解決手段】入力された画像データに対応する画像を表現するための中間調トナーパターンを生成する画像処理方法であって、濃淡の異なる複数種の同色トナーによる、ずれた位置に配される各濃度のトナーによるパターンを生成することで中間調トナーパターンを生成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等の画像形成装置であって、静電潜像をトナーで現像する画像形成装置に用いられ、入力された画像データに対応する画像を表現するためのパターンを生成する画像処理方法及び画像処理装置並びにこれらを用いて画像形成を行う、かかる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等の画像形成装置であって、静電潜像をトナーで現像する、いわゆる電子写真方式の画像形成装置が知られている(たとえば、〔特許文献1〕ないし〔特許文献4〕参照)。
【0003】
かかる画像形成装置においては、トナーが、本来現像されるべき位置と異なる部分に散って、色の安定性を低下させることによって画像品質を低下させるチリという現象が生じることが知られている。このチリへの対策として、チリの発生度に応じて画像形成条件を変更する技術が提案されている(たとえば、〔特許文献1〕参照)。
【0004】
なお、従来から、かかる画像形成装置において、高画質化などの目的で、トナーパターンに関する画像処理技術(たとえば、〔特許文献2〕参照)、濃度の異なる同色のトナーを画像の濃淡に応じて使い分けて現像する技術(たとえば、〔特許文献3〕参照)が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、チリの発生度に応じて画像形成条件を変更する技術では、画像形成条件の変更により、色の安定性が低下する可能性がある。そのため、チリへの対策においても、画像処理を用いることが好ましい。なお、単に、濃度の異なる同色のトナーを画像の濃淡に応じて使い分けて現像するのみでは、チリへの対策として不十分なことは明らかである。
【0006】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等の、静電潜像をトナーで現像する画像形成装置に用いられ、入力された画像データに対応する画像を表現するためのパターンを、チリによる画質低下への対策を行いながら生成する画像処理方法及び画像処理装置並びにこれらを用いて画像形成を行う、かかる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、入力された画像データに対応する画像を表現するための中間調トナーパターンを生成する画像処理方法であって、濃淡の異なる複数種の同色トナーによる、ずれた位置に配される各濃度のトナーによるパターンを生成することで前記中間調トナーパターンを生成する画像処理方法にある。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、入力された画像データに対応する画像を表現するための中間調トナーパターンを生成する画像処理方法であって、濃淡の異なる複数種の同色トナーによる、ずれた位置に配される各濃度のトナーによるパターンを生成することで前記中間調トナーパターンを生成する画像処理方法にあるので、入力された画像データに対応する画像を表現するためのパターンを、チリによる画質低下への対策を行いながら生成することが可能であり、色の安定性を向上した良好な画像形成に寄与可能な画像処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明を適用した画像形成装置の一例の概略正面図である。
【図2】図1に示した画像形成装置に備えられた、濃淡の異なる同色トナーを用いる複数の現像手段及びこの周りの構成を示す概略正面図である。
【図3】平均輝度値と地肌部の平均輝度値との相関を示した相関図である。
【図4】トナーのチリの発生態様及びトナーのチリによる影響を示した概略正面図である。
【図5】濃淡の異なる複数種の同色トナーで現像することによりトナーのチリの影響が低減されることを説明するための模式図である。
【図6】図1に示した画像形成装置において行われる画像処理方法を説明するための入力画像面積率とトナーの付着面積率との相関を示した相関図である。
【図7】図6に示した画像処理方法によって濃淡の異なる複数種の同色トナーによる現像パターンが生成される様子を示した概念図である。
【図8】図6に示した画像処理方法に関するフローチャートである。
【図9】トナーのチリによる影響が低減されることを確認する実験に用いた画像のサンプルの概念図である。
【図10】トナーのチリによる影響が低減されることを確認する実験の結果を示したグラフである。
【図11】本発明を適用可能な画像形成装置の他の構成例の一部を示す概略正面図である。
【図12】従来のドット成長方法及び同ドット成長方法においてチリが生じることを示した概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に本発明を適用した画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機であってフルカラーの画像形成を行うことが可能になっているカラーデジタル複合機であるが、他の画像形成装置、すなわち、モノクロ機や、複写機、プリンタ、ファクシミリの単体、あるいは複写機とプリンタとの複合機等他の複合機であっても良い。画像形成装置100は、プリンタとして用いられる場合には、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。これは画像形成装置100がファクシミリとして用いられる場合も同様である。
【0011】
画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能である。画像形成装置100は、記録媒体としての記録体である記録紙たる転写紙の両面に画像形成可能な両面画像形成装置でもある。
【0012】
画像形成装置100は、上下方向において中央位置を占めプリンタ部として機能する本体101と、本体101の上側に位置し原稿を読み取るスキャナとしての読取装置21および原稿を積載され積載された原稿を読取装置21に向けて送り出すADFといわれる原稿自動搬送装置である自動原稿給紙装置22と、本体101の下側に位置し感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKと像搬送体としての被転写体である転写ベルト11との間に向けて搬送される転写紙を積載した給紙テーブルとしての給紙装置であるシート給送装置23とを有している。
【0013】
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な複数の像担持体としての感光体である感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKおよびを並設したタンデム構造を採用したタンデム型の画像形成装置である。感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKは、互いに同一径であり、画像形成装置100の本体101の内部のほぼ中央部に配設された無端ベルトである中間転写体たる中間転写ベルトとしての転写ベルト11の外周面側すなわち作像面側に、等間隔で並んでいる。
【0014】
転写ベルト11は、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKに対峙しながら図中時計方向である矢印A1方向に移動可能となっている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKに形成された可視像すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する転写ベルト11に対しそれぞれ重畳転写され、その後、転写紙に一括転写されるようになっている。このように画像形成装置100は中間転写方式である間接転写方式を採用している。よって画像形成装置100はタンデム型間接転写方式の電子写真装置となっている。
【0015】
転写ベルト11に対する重畳転写は、転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKに形成されたトナー像が、転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKのそれぞれに対向する位置に配設され転写ベルト11の内周面に接触配置された転写チャージャとしての転写用帯電手段たる1次転写装置である1次転写ローラ12Y、12M、12C、12G、12BKによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKの真下の位置すなわち1次転写位置である転写位置にて行われる。
【0016】
各感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKは、A1方向の上流側からこの順で並設されている。各感光体ドラム感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、薄いブラック、ブラックの画像を形成するための、画像ステーション60Y、60M、60C、60G、60BKに備えられている。
【0017】
画像形成装置100においては、感光体ドラム20Gに担持される薄いブラック色のトナー像と、感光体ドラム20BKに担持されるブラック色のトナー像との重ね合せにより、ブラック色の画像が形成されるようになっている。以下、薄いブラックをグレーという。
【0018】
画像形成装置100は、5つの画像ステーション60Y、60M、60C、60G、60BKによって構成される画像形成部としての画像形成手段である作像部60と、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKの下方に対向して配設され、転写ベルト11を備えた中間転写ユニットであるベルトユニットとしての転写ベルトユニット10と、転写ベルト11を挟んで作像部60と反対の側において、転写ベルト11に対向して配設され、転写ベルト11に当接し、転写ベルト11への当接位置において転写ベルト11と同方向に回転し無端移動する転写部材としての紙搬送ベルトである2次転写ベルト5を備え転写ベルト11上のトナー像を転写紙に転写するとともに搬送する転写部たる2次転写装置としての2次転写ユニット76とを有している。
【0019】
画像形成装置100はまた、画像ステーション60Y、60M、60C、60G、60Kそれぞれの上方に対向して配設された書き込み手段である光書き込み装置としての露光装置である書込装置たる光走査装置8Y、8M、8C、8G、8Kと、シート給送装置23から搬送されてきた転写紙を、画像ステーション60Y、60M、60C、60G、60BKによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、転写ベルト11と2次転写ベルト5との間に向けて繰り出すレジストローラ対13と、転写紙の先端がレジストローラ対13に到達したことを検知する図示しないセンサとを有している。
【0020】
画像形成装置100はまた、2次転写ユニット76によって転写ベルト11上のトナー像を転写され搬送されてきた転写紙が進入し、転写紙にトナー像を定着させるためのベルト定着方式の定着ユニットとしての定着手段である定着装置6と、定着済みの転写紙を本体101外に排出する排紙経路と再度レジストローラ対13に向けて搬送する反転経路とを備え転写紙を何れかの経路に搬送する排紙ユニット79と、2次転写ユニット76および定着装置6の下方に、作像部60と平行に配設され、転写紙の両面に画像を記録すべく、排紙ユニット79が一方の面に画像を形成された転写紙を反転経路に搬送した場合に、その転写紙をスイッチバックして反転させ、再度、レジストローラ対13に向けて搬送する再給紙ユニットとしてのシート反転装置である両面ユニット96とを有している。
【0021】
画像形成装置100はまた、本体101外部に配設され画像形成済みの転写紙を積載するスタック部としての排紙トレイ75と、図1における本体101の右側面に配設された手差し給紙装置33と、画像形成装置100の操作を行う図示しない操作パネルと、画像形成装置100全体の動作を制御する制御部としての制御手段99と、図示しない廃トナータンクとを有している。
【0022】
図2に示すように、転写ベルトユニット10は、転写ベルト11の他に、1次転写手段としての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12G、12BKと、転写ベルト11を巻き掛けられ掛け回した第1ないし第3の支持ローラである、テンションローラ74、転写入口ローラ73および転写ベルト11を回転駆動する回転駆動ローラとしての張架ローラである駆動ローラ72と、テンションローラ74との間に転写ベルト11を挟み込み転写ベルト11表面をクリーニングするクリーニング手段としての中間転写ベルトクリーニング装置14とを有している。
【0023】
転写ベルトユニット10はまた、A1方向において作像部60よりも下流側且つ2次転写ユニット76よりも上流側で転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11上のトナー像を光学的に検知する検知手段としての反射型光学センサである光学センサ50と、駆動ローラ72を回転駆動することで転写ベルト11をA1方向に無端移動させる図示しないベルト駆動モータと、画像形成が2色以上の多色画像で行われるか黒色のみの単色画像すなわちモノクロ画像で行われるかに応じて転写ベルト11等を変位させる図示しない転写ベルトユニット駆動手段とを有している。なお回転駆動ローラはテンションローラ74または転写入口ローラ73によって構成してもよく、この場合はその他のローラが従動回転する従動ローラとなる。
【0024】
転写ベルト11のような中間転写ベルトとしては、従来からフッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等が使用されていたが、近年では、ベルトの全層や、ベルトの一部を弾性部材にした弾性ベルトが使用されてきている。
【0025】
転写ベルトユニット駆動手段は、画像形成が2色以上の多色画像で行われるときには、転写ベルト11が図1に示すように張架される態位としてこの上側の略水平な展張面に転写ベルト11を各感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKに接触させ、画像形成がモノクロ画像で行われるときには、同図左方を下側に変位させるようにして転写ベルト11を感光体ドラム20Y、20M、20Cから離間させ転写ベルト11が感光体ドラム20G、20BKのみに接触する態位とする。なお、画像形成がモノクロ画像で行われるときには、感光体ドラム20Y、20M、20Cの回転をはじめとして画像ステーション60Y、60M、60Cの各構成の動作が停止される。このような構成においては、5つの画像ステーション60Y、60M、60C、60G、60BKは、A1方向上流から、画像ステーション60C、60M、60Y、60G、60BKの順で横に並べ、後述のような現像を行うことが好ましいが、何れにしても、作像部60は、テンションローラ72と駆動ローラ74との間に張り渡した転写ベルト11上に配置される。また、このように、画像を形成する色の順番は、画像形成装置100の持つ狙いや特性によって異なってくるものであり、限定されるものではない。
【0026】
中間転写ベルトクリーニング装置14は、図示しないクリーニング部材としての転写ベルト11に当接したファーブラシと、このファーブラシに当接したブレードと、ファーブラシを随時転写ベルト11に接離させる当接・離間手段とを有している。ファーブラシは、転写ベルト11に対して接触してカウンタ方向に回転するように設けられている。中間転写ベルトクリーニング装置14は、転写ベルト11のA1方向への回転とともに、ファーブラシを用いて転写ベルト11表面のクリーニングを行い、このクリーニングにより転写ベルト11からファーブラシ側に転移したトナーをさらにブレードにより掻き落とす。
【0027】
光学センサ50は、画像形成装置100においてユーザーの指定により行われる通常の画像形成とは別に実行されるいわゆるプロセスコントロール時に、転写ベルト11上に形成されるトナー像であるトナー濃度調整用の画像調整用パターンとしてのPパターンである標準被検知物たる画像パッチの反射特性を読み取るものである。
【0028】
図1に示すように、2次転写ユニット76は、2次転写ベルト5の他に、2次転写ベルト5を巻き掛けた張架ローラである、駆動ローラ15及び従動ローラ16と、2次転写ベルト5に対向して配設され転写ベルト11を介して押圧された対向ローラとしてのバックアップローラである転写入口ローラ73と、トナーと逆極性の2次転写バイアスを駆動ローラ15に印加する図示しない電源とを有している。
【0029】
駆動ローラ15と転写入口ローラ73とは、これらの間に転写ベルト11と2次転写ベルト5とを挟み込んでおり、この挟み込みにより、転写ベルト11と2次転写ベルト5とが接触する2次転写部としての2次転写ニップが形成されている。2次転写ニップには、2次転写バイアスの印加により、後述するようにして転写ベルト11上に担持された最大5色のトナー像を、転写ベルト11側から駆動ローラ15側に向けて静電移動させる、2次転写電界が形成される。かかるトナー像は、後述するようにしてレジストローラ13により転写ベルト11と2次転写ローラ5との間に搬送されてきた転写紙に、2次転写電界、ニップ圧によって転写される。
【0030】
2次転写ユニット76は、転写ベルト11からトナー像を転写された転写紙を定着装置6へと搬送するシート搬送機能も備えているが、2次転写ユニット76としては、転写ローラや非接触のチャージャを採用した構成を用いても良く、この場合には他に転写紙を定着装置6に向けて搬送する部材を要する。
【0031】
定着装置6は、熱源を内部に有する加熱ローラ62と、加熱ローラ62に巻き掛けられた定着ベルト64と、加熱ローラ62とともに定着ベルト64を巻き掛けた定着ローラ65と、定着ローラ65との間で定着ベルト64に圧接し圧接部である定着部としての定着ニップを形成する加圧ローラ63とを有している。加熱ローラ62と、定着ベルト64と、定着ローラ65とは、定着ベルト64が無端移動するベルトユニットを構成している。定着装置6は、トナー像を担持した転写紙を定着ニップに通すことで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を転写紙の表面に定着するようになっている。
【0032】
図2に示すように、光走査装置8Y、8M、8C、8G、8BKは、感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKの表面によって構成された被走査面をそれぞれ走査して露光し、静電潜像を形成するための、画像信号に基づくレーザービームとしてのレーザー光であるビームLY、LM、LC、LG、LBKを発するものである。
【0033】
ビームLY、LM、LC、LG、LBKは、読取装置21で読み取られた原稿、ファクシミリにおける受信データ、又は、後述のようにPC等の外部入力装置から入力される画像情報である画像データに基づいて、後述のように制御手段99の一機能として実現される画像処理装置によって生成される、かかる画像データに対応する当該色の画像を表現するための中間調トナーパターンに対応した潜像を、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上に形成するように発せられる。
【0034】
言い換えると、ビームLY、LM、LC、LG、LBKは、各色の画像を形成するための中間調トナーパターンに対応した画像信号が光情報に変換されたものであり、光走査装置8Y、8M、8C、8G、8BKは、かかる光情報を感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上に潜像として固定するものである。なお、露光装置は、光走査装置8Y、8M、8C、8G、8BKのようなレーザ方式に限定されず、LED方式など他の方式であっても良い。
【0035】
図1に示すように、排紙ユニット79は、定着装置6から搬送されてきた定着済みの転写紙を、両面ユニット96に向けて搬送する搬送ローラ97と、本体101外に排出する排紙ローラ98と、定着済みの転写紙を搬送ローラ97のある排紙経路に導いて本体101外に排出するか、排紙ローラ98のある反転経路に導いて両面ユニット96に進入させるかを切り換える切換爪94とを備えている。
【0036】
両面ユニット96は、排紙ユニット79から搬送されてきた、一方の面に画像形成された転写紙を一旦積載する給紙ボックスとしてのトレイ92と、トレイ92上の転写紙をスイッチバックさせる反転ローラ93と、反転ローラ93によってスイッチバックされた転写紙をレジストローラ13に向けて送り出す給紙ローラ95等を有している。
【0037】
シート給送装置23は、複数枚の転写紙を紙束の状態で収容可能な給紙トレイとしての給紙カセット25を鉛直方向に複数重なるように配置した給紙ボックスとしてのペーパーバンク26と、給紙カセット25に積載された転写紙のうち最上位の転写紙の上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ24と、給送ローラ24により繰り出された転写紙を1枚ずつ分離する分離ローラ27と、給紙ローラ24及び分離ローラ27により送り出された転写紙が通過する給紙路29とを有している。
【0038】
給紙路29は、給紙ローラ24及び分離ローラ27により送り出された転写紙をレジストローラ対13に向けて搬送する搬送手段としての搬送ローラ28と、転写紙の搬送方向下流端に位置するレジストローラ13とを備え、搬送ローラ28によって搬送される転写紙シート給送装置23から本体101内に連続するように設けられており、本体101内の給紙路29にも搬送ローラ28が配設されている。
【0039】
シート給送装置23は、給送ローラ24が図中反時計回り方向に回転駆動され、分離ローラ27が作用することにより、最上位の転写紙を給紙路29内に導き、搬送ローラ28の回転によりレジストローラ対13に向けて給送し、搬送された転写紙がレジストローラ対13に突き当てて止められスキューが修正されるようになっている。
【0040】
手差し給紙装置33は、転写紙を積載する給紙ボックスとしての手差しトレイ34と、手差しトレイ34に積載された転写紙のうち最上位の転写紙の上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ35と、給送ローラ35により繰り出された転写紙を1枚ずつ分離する分離ローラ36と、手差しトレイ34上に転写紙が載置されたことを検知する用紙センサとを有している。
【0041】
手差し給紙装置33は、給送ローラ35が図中時計回り方向に回転駆動され、分離ローラ36が作用することにより、最上位の転写紙を本体101側の給紙路29内に導くとともにレジストローラ対13に向けて給送し、搬送された転写紙がレジストローラ対13に突き当てて止められるようになっている。
【0042】
読取装置21は、原稿を載置するコンタクトガラス21a、コンタクトガラス21aに載置された原稿に光を照射する図示しない光源及び光源から原稿に照射され反射された光を反射する図示しない第1の反射体を備え図1における左右方向に走行する第1走行体21b、第1走行体21bの反射体によって反射された光を反射する図示しない第2の反射体を備えた第2走行体21c、第2走行体21cからの光を結像するための結像レンズ21d、結像レンズ21dを経た光を受け原稿の内容を読み取る読み取りセンサ21e等を備えている。
【0043】
自動原稿給紙装置22は原稿を載置する原稿台22aを有している。自動原稿給紙装置22は読取装置21に対して回動自在であって、上方に向けて回動したときコンタクトガラス21aを露出させるようになっている。
【0044】
操作パネルは、液晶ディスプレイ、複写を開始するためのコピースタートスイッチ等として機能するスタートボタン、複写枚数等を入力するためのテンキー等の各種キーボタン等を有する操作表示部となっている。操作パネルにおいては、画像形成を多色画像で行うかモノクロ画像で行うかを指定可能となっているとともに、転写紙の片面だけに画像を形成するモードである片面プリントモードを設定可能となっている。片面プリントモードには、ダイレクト排出モード、反転排出モード、反転デカール排出モードが含まれ、このうちの1つが選択される。
制御手段99は、CPU、記憶手段としてのメモリであるROM、RAM等を備えている。
【0045】
画像ステーション60Y、60C、60M、60G、60BKについて、そのうちの一つの、感光体ドラム20BKを備えた画像ステーション60BKの構成を代表して構成を説明する。
【0046】
なお、他の画像ステーション60Y、60C、60M、60Gの構成に関しても実質的に同一であるので、以下の説明においては、便宜上、感光体ドラム20BKを備えた画像ステーション60BKの構成に付した符号に対応する符号を、他の画像ステーション60Y、60C、60M、60Gの構成に付し、詳細な説明については適宜省略することとする。
【0047】
また、符号の末尾にY、C、Mが付されたものはそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタの画像形成を行うための構成であることを示すこととし、符号の末尾にG、BKが付されたものはそれぞれ、ブラックの画像形成を行うための構成であることを示すこととする。
【0048】
図2に示すように、感光体ドラム20BKを備えた画像ステーション60BKは、感光体ドラム20BKの周囲に、図中反時計方向であるその移動方向である回転方向B1に沿って、転写部たる1次転写ローラ12BKと、クリーナ部たるクリーニング手段としての感光体クリーニング装置である1次転写クリーニング装置たるクリーニング装置70BKと、除電部たる除電手段としての除電装置90BKと、帯電部たる帯電手段である帯電ユニットとしての帯電器たる帯電装置30BKと、現像部たる現像手段としての現像ユニットである現像装置80BKと、感光体ドラム20BKの周囲のこれらの構成を一体化したカートリッジケース59BKと、トナーの正規の帯電極性である負極性と逆極性である正極性の1次転写バイアスを1次転写ローラ12BKに印加する図示しない電源を有している。
【0049】
感光体ドラム20BKと、クリーニング装置70BKと、除電装置90BKと、帯電装置30BKと、現像装置80BKとはカートリッジケース59BKによって一体化されており、プロセスカートリッジとしての画像ステーション60BKを構成している。プロセスカートリッジとしての画像ステーション60BKは、カートリッジケース59BKを、本体101に固定された図示しないガイドレールに沿って本体101に対して引き出し自在であるとともに、本体101に押し込むことが可能であり、本体101に対して着脱自在に設置され、適時、交換可能となっている。
【0050】
プロセスカートリッジとしての画像ステーション60BKは、本体101に押し込むと、画像形成に適した所定の位置に装填され、位置決めされるようになっている。このようにプロセスカートリッジ化することは、交換部品として取り扱うことが可能であるため、メンテナンス性が著しく向上し、大変好ましい。またプロセスカートリッジの要素である各部の寿命が同等とされているため、不要な交換が防止、抑制され、さらに好ましい構成となっている。
【0051】
プロセスカートリッジとしての画像ステーション60BKは、感光体ドラム20BKと、クリーニング装置70BKと、除電装置90BKと、帯電装置30BKと、現像装置80BKとのうち、少なくとも感光体ドラム20BKが、クリーニング装置70BKと、除電装置90BKと、帯電装置30BKと、現像装置80BKとのうちの少なくとも1つと一体化されることによって構成され、本体101に着脱自在に設置されるユニットである。なお5つの画像ステーション60Y、60M、60C、60G、60BKによって構成される作像部60全体をプロセスカートリッジとして、これらが一体で本体101に対して着脱自在となっていても良い。
【0052】
1次転写ローラ12BKが転写ベルト11を感光体ドラム20BKに向けて押圧して形成された、転写ベルト11と感光体ドラム20BKとの当接位置である1次転写ニップは、感光体ドラム20BK上のトナー像が転写ベルト11に転写される転写位置を構成している。1次転写ローラ12BKの電源は、定電圧制御により1次転写ローラ12BKに所定の転写バイアスを印加する。なお1次転写装置は本形態のようなローラ状に限らず、導電性のブラシ形状、非接触のコロナチャージャなどによって構成してもよい。
【0053】
除電装置90BKは、感光体ドラム20BKの表面に近接して配設された図示しない除電ランプを備えており、感光体ドラム20BKの表面を除電して電気的に清浄な状態とすることでかかる表面の電位を初期化するものである。
【0054】
帯電装置30BKは、図示を省略するが、感光体ドラム20BKの表面に当接して従動回転する帯電部材としての帯電ローラと、帯電ローラに当接し従動回転する帯電クリーニング部材としてのクリーニングローラとを有している。
【0055】
帯電ローラには、直流に交流成分の帯電バイアスを重畳印加する図示しない電圧印加手段が接続されており、感光体ドラム20BKと対向する帯電領域において、除電装置90BKによって除電された感光体ドラム20BKの表面を所定の極性に一様に帯電するようになっている。
【0056】
クリーニングローラは帯電ローラに従動回転することで帯電ローラをクリーニングするようになっている。
このように、本形態では、接触ローラを用いた帯電システムを採用しているが、帯電システムは、近接ローラを用いたものであっても良いし、非接触のスコロトロンチャージャを採用したものであっても良い。
【0057】
現像装置80BKは、感光体ドラム20BKに近接対向して配設されたトナーとキャリアとを含む二成分現像剤である現像剤を担持する現像部材としての現像ローラ81BKと、現像ローラ81BKに直流成分の現像バイアスを印加する図示しないバイアス印加手段と、トナーを収容した図示しないトナーカートリッジと、現像装置80BK本体内の現像剤中のトナーのキャリアに対する重量パーセントであるトナー濃度を検知する図示しないトナー濃度検知手段と、トナー濃度検知手段によって検知されたトナー濃度が所定濃度となるようにすなわちトナー濃度検知手段による検知信号によって示される値が所定の制御目標値となるようにトナーカートリッジから現像装置80BK本体内にトナーを補給する図示しないトナー補給手段とを有している。現像剤は、磁性キャリアと、正規の帯電極性がマイナスのカラートナーであるブラックトナーとを含む二成分現像剤である。バイアス印加手段によって印加される現像バイアスは直流成分でなく交流成分であっても良いし、直流成分に交流成分を重畳したものであっても良い。
【0058】
現像装置80BKと現像装置80Gとでは、用いるトナーの色に濃淡の差言い換えると濃度差があるが、その余については同様である。現像装置80BKと現像装置80Gとで用いるトナーについてさらに説明すると、これらは互いに濃淡の異なる複数種の同色トナーとなっており、現像装置80BKで用いるブラック色のトナーと現像装置80Gで用いるブラック色のトナーとでは、前者の方が濃い濃度となるように、それぞれのトナーに含まれる顔料量が調整されている。
【0059】
これにより、現像装置80BKで用いるブラック色のトナーと現像装置80Gで用いるブラック色のトナーとでは、トナー像を形成した場合の明るさが互いに異なっている。かかる顔料量の調整は、かかる明るさが、後述する所定の関係を満たすように行われている。なお、現像装置80BKで用いるブラック色のトナーの色濃度は一般的に用いられる濃度であり、現像装置80Gで用いるブラック色のトナーの色濃度がかかる関係を満たすように調整されている。
【0060】
感光体ドラム20BKの表面の、帯電装置30BKと現像装置80BKとの間には光走査装置8BKから出射されたビームLBKが照射され、帯電装置30BKにより帯電された後の感光体ドラム20BKの表面の被走査面が露光され、現像装置80BKによってブラックトナー像として可視像化される、画像情報に応じた静電潜像を書き込まれるようになっており、このビームLBKが照射される部分は露光部となっている。
【0061】
クリーニング装置70BKは、その先端が感光体ドラム20BKに当接し感光体ドラム20BK上の転写残留物である転写残トナー、キャリア、紙粉等の異物を掻き取って回収しクリーニングするクリーニング部材としての図示しないクリーニングブレードと、回収した転写残トナーを廃トナータンクに搬送して回収する図示しない廃トナー搬送手段とを有している。クリーニング装置70BKは、クリーニングブレードとともにあるいはクリーニングブレードに代えてファーブラシローラを用いてもよいし、磁気ブラシクリーニング方式を採用しても良い。
【0062】
以上のような構成の画像ステーション60BKにおいては、画像形成時において、感光体ドラム20BKは、B1方向への回転に伴い、帯電装置30BKにより表面を一様に帯電され、光走査装置8BKからの光の露光走査により、露光部言い換えると照射部における感光体ドラム20BKの電位が減衰してブラック色に対応した静電潜像を形成され、この静電潜像を現像装置80BKによりブラック色のトナーにより現像され、現像により得られたブラック色のトナー像を1次転写ローラ12BKによって形成される一次転写電界、ニップ圧によりA1方向に移動する転写ベルト11に1次転写され、転写後に残留したトナーを含む不要物をクリーニング装置70BKにより除去されて除電装置90BK、帯電装置30BKによる次の除電、帯電に供される。
【0063】
このような構成の画像形成装置100において、複写を行うときには、自動原稿給紙装置22の原稿台22aに原稿をセットするか、自動原稿給紙装置22を上方に回動してコンタクトガラス21a上に原稿を載置したうえで自動原稿給紙装置22を下方に回動して閉じ原稿を押さえた状態としたうえで、操作パネルのスタートボタンを押下する。なお、自動原稿給紙装置22にセットされる原稿は、たとえば束状のシート原稿であり、コンタクトガラス21a上にセットされる原稿は、たとえば本状に綴じられている片綴じ原稿である。画像形成装置100をプリンタとして使用する場合には、画像形成装置100に接続したPC等の外部入力装置において画像形成を行う画像データを選択、入力等したうえで画像形成開始の操作を行う。
【0064】
複写を行う場合であって、原稿を原稿台22aにセットした場合には、セットした原稿がコンタクトガラス21a上に送り出されてから読取装置21による原稿の読み取りが行われ、また、原稿をコンタクトガラス21a上に載置したときにはスタートボタンの押下によって読取装置21による原稿の読み取りが行われ、画像処理装置として機能する制御手段99によってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像に対応した画像データが生成される。
【0065】
生成された画像データ又は入力された画像データに基づいて、画像処理装置として機能する制御手段99によって、後述する画像処理方法により、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の画像を表現するための中間調トナーパターンが生成されるとともに、ブラック色の画像を表現するための中間調トナーパターンが、現像装置80Gで用いられる薄い色濃度のトナーによって現像するためのパターンと、現像装置80BKで用いられる濃い色濃度のトナーによって現像するためのパターンとの合成パターンとして生成される。
【0066】
そして、これらのパターンを用いて、上述の構成の各画像ステーション60Y、60M、60C、60G、60BKのそれぞれにおいてイエロー、マゼンタ、シアン、グレー、ブラックの画像形成が行われ、転写ベルト11上及び転写紙上においてイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像が形成されるように、上述の構成の画像ステーション60Y、60M、60C、60G、60BKが作動する。
【0067】
また、かかる原稿読取動作と並行して、各プロセスカートリッジである画像ステーション60Y、60M、60C、70G、60BK内の各機器や、転写ベルトユニット10、2次転写ユニット76、定着装置6等がそれぞれ駆動を開始する。
【0068】
画像ステーション60BKにおいては、上述したように、感光体ドラム20BKは、B1方向への回転に伴い、帯電装置30BKにより表面を一様に帯電され、光走査装置8BKにより静電潜像を形成され、この静電潜像を現像装置80BKによりブラック色のトナーにより現像され、ブラック色のトナー像を1次転写ローラ12BKによって転写ベルト11に1次転写され、転写後に残留したトナーを含む不要物をクリーニング装置70BKにより除去されて除電装置90BK、帯電装置30BKによる次の除電、帯電に供される。
【0069】
他の感光体ドラム20Y、20C、20M、20Gにおいても同様に各色のトナー像が良好に形成等され、形成された各色のトナー像は、1次転写ローラ12Y、12C、12M、12Gにより、感光体ドラム20BKからの1次転写に先立って、A1方向に移動する転写ベルト11上の同じ位置に順次1次転写される。このとき1次転写ローラ12Y、12C、12M、12G、12BKには、トナーの正規の帯電極性である負極性とは逆の正極性の電圧が印加されるようになっている。
【0070】
転写ベルト11上に重ね合わされた、イエロー、マゼンタ、シアン、グレー、ブラックの5色のトナー像によって構成された、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色トナー像は、転写ベルト11のA1方向の回転に伴い、2次転写ローラ5との対向位置である2次転写ニップまで移動し、転写紙に2次転写され、転写紙上にフルカラー画像が担持される。
【0071】
転写ベルト11と2次転写ローラ5との間に搬送されてきた転写紙は、スタートボタンの押下により、シート給送装置23の1つの給送ローラ24が選択されこの回転によって対応する給紙カセット25から繰り出されてフィードされたものであるか、または、手差し給紙装置33の給送ローラ35の回転によって手差しトレイ34から繰り出されてフィードされたものであるか、または、両面ユニット96から給紙ローラ95によって繰り出されてフィードされたものであるかの何れかであって、レジストローラ対13によって、センサによる検出信号に基づいて、転写ベルト11上のトナー像の先端部が2次転写ベルト5に対向するタイミングで送り出されたものである。かかるフィード動作は、上述の原稿読取動作と略同時に開始される。
【0072】
転写紙は、すべての色のトナー像を転写され、担持すると、定着装置6に進入し、定着ベルト64と加圧ローラ63との間の定着部を通過する際、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を定着され、転写紙上に良好なカラー画像が形成される。定着装置6を通過した定着済みの転写紙は、切換爪94の態位に応じて、排紙ローラ98を経て排紙トレイ75上にスタックされるか、または搬送ローラ97を経て両面ユニット96に進入して両面画像形成に備える。
【0073】
一方、1次転写を終えた感光体ドラム20Y、20C、20M、20G、20BKは、クリーニング装置70Y、70C、70M、70G、70BKによってこれに残留する転写残トナー等を除去されてクリーニングされ、次の画像形成に備える。また、2次転写を終えた転写ベルト11は、中間転写ベルトクリーニング装置14によってこれに残留する残留トナー等を除去されてクリーニングされ、次の画像形成に備える。
【0074】
このような画像形成動作を良好に行うにあたって、画像ステーション60Y、60C、60M、60G、60BKにおいて形成されるトナー像の濃度言い換えると画像濃度が一定に保たれることは重要である。
【0075】
そのため、画像形成装置100では、電源投入時、所定枚数の画像形成後等の所定のタイミングで、ユーザーの指定により行われる通常の画像形成とは別に、画像ステーション60Y、60C、60M、60G、60BKにおいて形成される画像すなわちトナー像の濃度言い換えるとトナーの付着量が適正になるように制御するための画像濃度調整モードとしてのプロセスコントロールを実行する。
【0076】
画像形成装置100におけるプロセスコントロール動作を概略的に説明すると、画像ステーション60Y、60C、60M、60G、60BKにおいて感光体ドラム20Y、20C、20M、60G、20BK上に画像パッチを形成し、各色の画像パッチをそれぞれ転写ベルト11上の別領域に転写し、光学センサ50により各色の画像パッチを光学的に読み取り、この読み取った画像パッチの濃度が適正濃度となるように、制御手段99により、帯電装置30Y、30C、30M、30G、30BKの電圧印加手段の出力の調整、現像装置80Y、80C、80M、80G、80BKのバイアス印加手段の調整やトナー補給手段の駆動等を行う。
【0077】
このとき、光学センサ50により読み取った画像パッチの濃度に対応する出力電圧が制御手段99に入力され、制御手段99はかかる出力電圧を粉体付着量変換方法を用いた付着量変換アルゴリズムにより付着量変換して、その時点での現像能力を表す現像γ、現像開始電圧Vkの算出を行い、この算出値に基づき、帯電装置30Y、30C、30M、30G、30BKの電圧印加手段の出力の制御による帯電バイアス値の調整、現像装置80Y、80C、80M、80G、80BKのバイアス印加手段の制御による現像バイアス値の調整、現像装置80Y、80C、80M、80G、80BKにおけるトナー濃度検知手段によって検知されるべき制御目標値の変更等を行う。
【0078】
以上述べたように、画像形成装置100では、静電潜像をトナーで現像することで画像を得るようになっているが、このようないわゆる電子写真方式の画像形成装置では、一般に、トナーが、本来現像されるべき位置と異なる部分に散る、チリという現象が生じる。チリは、次に述べるように、色の安定性を低下させることによって画像品質を低下させる原因となる。
【0079】
トナーのチリは、静電潜像の現像時にトナーが静電潜像と異なる位置に付着することによって生ずるほか、トナー像を記録媒体に転写するときにも生じ、また、画像形成装置100のように中間転写を行う装置においては、中間転写体へのトナー像の転写時にも生ずる。
【0080】
トナーのチリによって色安定性が低下することを以下説明する。
まず、画像の明るさを示す平均輝度値と、地肌部の平均輝度値との関係について説明する。
【0081】
ここで、輝度値とは、1ピクセルの明るさを示す指標で、0〜255で表される。輝度値が0に近いほど明るさを持たず、黒に近づき、また、輝度値が255に近いほど明るさを持ち、白に近づく。平均輝度値とは、通常、画像の明るさを示す平均輝度値を意味し、画像に含まれる全ピクセルの輝度値の平均値を指している。地肌部の平均輝度値は地肌部の全ピクセルの輝度値の平均値を指す。
【0082】
図3にこれら平均輝度値の関係を示す。同図から、画像の明るさは地肌部の明るさと非常に高い相関を持っていることが確認される。このことから地肌部の明るさの安定性が損なわれることが画像の明るさの安定性が損なわれることに繋がるといえる。したがって、チリが地肌部の明るさを変化させるならば、チリは画像の明るさの安定性を損なうこととなる。
【0083】
次に、チリの発生と色安定性の関係について説明する。高面積率である画像を表現しようとすると、高面積率であるためにトナー付着量が増え、これに伴ってチリが数多く発生することとなる。
【0084】
図4において、同図(a)に示されている画像の一部を拡大した同図(b)では、斜め方向にほぼ等間隔で、トナーの付着部と地肌部とが交互に並んでいる。同図(a)及び同図(b)から明らかなように、同図に示されている画像は、トナーの付着部の面積が比較的大きく、高面積率の画像となっている。そのため、同図(b)に示されているように、地肌部にチリが多く発生している。同図(b)の一部をさらに拡大した同図(c)に示されているように、チリが地肌部に発生すると、光学的ドットゲインにより、チリ周辺の明るさが損なわれ、チリ周辺の地肌部が暗くなる。この光学的ドットゲインによる地肌部の明るさの低下の発生態様については、後に図5を参照して説明する。
【0085】
チリは静電潜像に積極的に付着させたトナーでないため付着分布が不安定であることから、地肌部の輝度が不安定となり、結果として色安定性が損なわれる。すなわち、チリは地肌部の明るさを変化させ不安定にするため、画像の明るさの安定性を損ない、画像の色安定性を低下させる原因となる。
【0086】
とくに、図4に示したのと同様に、高画像面積率の画像では、画像を表現するためにたとえば万線を用いる場合には、万線間の距離が狭くなり、地肌部の面積当たりのチリトナー数が増えるため、チリによる地肌部の明るさへの影響が大きくなり、これに起因して画像の色安定性への影響が大きくなる。
【0087】
このような理由により、電子写真方式の画像形成装置は、オフセット印刷等に比べ、一般的に色安定性が劣っており、色安定性を高めることが要求されている。かといって、チリ対策としてチリの発生度に応じて画像形成条件を変更するようにすると、画像形成条件の変更によって、却って色の安定性が低下し得る。
【0088】
そこで、画像形成装置100では、ブラックの画像を形成する場合に、濃淡の異なる複数種のブラック色のトナーを用いて現像を行う現像装置80G、80BKを用い、制御手段99を、入力された画像データに対応する画像を表現するための中間調トナーパターンを次のようにして生成する画像処理方法を実行する画像処理装置として機能させることで、チリによる画質低下への対策を行うようになっている。
【0089】
ここで、すでに述べたように、現像装置80BKで用いるブラック色のトナーと現像装置80Gで用いるブラック色のトナーとでは、前者の方が濃い濃度となるように、それぞれのトナーに含まれる顔料量が調整されているため、以下、現像装置80Gで用いるブラック色のトナーをライトカラートナーといい、現像装置80BKで用いるブラック色のトナーを単にカラートナーというものとする。
【0090】
画像処理装置として機能する制御手段99は、概略的に、図5(a)に示すように、ライトカラートナーによるトナー像とカラートナーによるトナー像との重ね合わせが行われたときに、これらのトナー像がずれた位置に配されるように、ライトカラートナーによるパターンである現像パターンと、カラートナーによるパターンである現像パターンとを生成することによって、かかる中間調トナーパターンを生成する画像処理方法を実行するようになっている。このように、かかる画像処理方法は、濃淡の異なる複数種の同色トナーによるトナーパタン生成方法となっている。
【0091】
同図(a)に示されているように、画像処理装置として機能する制御手段99は、かかる中間調トナーパターンを、万線スクリーンによって形成するようになっている。万線スクリーンによる中間調トナーパターンの形成は、電子写真方式の画像形成装置において、画像安定性に優れるパターンの形成手法として良く用いられるものであって、滑らかな階調表現を実現する。画像形成装置100においては、ブラック色以外の色の中間調パターンについても、万線スクリーンによるパターンで形成し、画像安定性を得ている。
【0092】
同図(a)において、黒い斜線部分がカラートナーの付着部を示し、その間のグレーの斜線部分がライトカラートナーの付着部を示している。また、ライトカラートナーの付着部において、黒い丸は、トナーがチリとして付着した部分を示しており、この黒い丸の周辺部のグレーのリングは、チリによって発生した光学的ドットゲインによる地肌部の明るさ低下部分を示している。
【0093】
同図(b)は、ライトカラートナーによる現像を行わず、カラートナーの付着部の間は地肌部とした場合を示している。同図(a)と同図(b)との対比から明らかなように、明るさが低下したリング状部分は、同図(a)に示した、ライトカラートナーによる現像を行った方が目立ちにくくなっている。
【0094】
すなわち、従来の地肌部を、同図(a)に示すように、ライトカラートナーによっていわばマスキングすることで、明るさが低下したリング状部分と同じレベルの明るさとしている。これにより、チリによって発生した光学的ドットゲインによる地肌部の明るさ低下に起因する色安定性の悪化が大きく抑制されている。
【0095】
そのため、同図(a)ではかかる明るさ低下の理解の容易のために、ライトカラートナーの明るさと、カラートナーのチリの周辺の明るさとを、若干異なって示しているが、これらが同じ明るさとなる関係を満たすように、ライトカラートナーとカラートナーとで、顔料量が調整されている。
【0096】
同図(a)と同図(b)とを対比すると、同図(a)のほうが、黒い斜線部分の幅が小さく、カラートナーの付着部分の面積が小さくなっており、同図(a)に示されている矢印の幅と同図(b)に示されている矢印の幅とを対比すると明らかなように、ライトカラートナーの付着部分の幅が広くなっている。
【0097】
これは、従来の地肌部にライトカラートナーを付着させることにより、カラートナーの付着面積を減らしても、全体としては、従来の、カラートナーのみで得ていた色と同じ色が得られるためである。その結果、カラートナーの消費量が少なくてすむとともに、カラートナーによる現像部分の面積率が減少することで、ライトカラートナーによる現像部分の面積あたりのカラートナーのチリも減少し、チリの影響が相乗的に低減される。
【0098】
このように、同色で、かつ濃淡の異なる複数種のトナーの組み合わせで画像を形成することで、チリの色安定性への影響が抑制され、色安定性が向上するという利点が得られる。とくに、高画像面積率で低明度の場合にはチリが発生し易く、色安定性への影響が大きくなる傾向があるが、このような場合であっても、かかる影響は抑制され、色安定性が向上するため、かかる場合において得られる利点が大きい。このような利点は、濃淡の異なる複数種のトナーの組み合わせによって得られるものであるため、種類の数は2種類に限らず、3種類以上であっても良い。
【0099】
図12に、万線スクリーンを用いた、従来の中間調パターンの生成方法を示す。同図から分かるように、ドットを成長させることで面積率を増加させるドット成長方法を採用している。ドット部分は、本形態におけるカラートナーを用いて、現像を行う部分となっている。また、同図から、高面積率となり低明度となると、チリが発生し易くなり色安定性が損なわれることも分かる。
【0100】
画像処理装置として機能する制御手段99によって実行される画像処理方法においても、形成すべき画像の濃度に対応するように面積率を増加させるドット成長方法を採用している。
【0101】
ただし、このドット成長方法においては、図6に示すように、各濃度のトナーのためのパターンを、カラートナーのみならずライトカラートナーについても、形成すべき画像の濃度に対応するように、独立して、面積率を増加させながら生成させる。かかるパターンの生成にあたっては、濃度の薄いライトカラートナーのためのパターンから、濃度の濃いカラートナーのためのパターンの順に生成する。これにより、上述のように、カラートナーによるパターンの面積率が減少することによる利点が得られる。なお、濃淡の種類が3種類以上ある場合は、最も薄い濃度から最も濃い濃度へ順にパターンを生成すれば良い。
【0102】
また、かかるドット成長方法においては、図7に示すように、各濃度のトナーのためのパターンを、互いにずれるように生成する。具体的には、各パターンはそれぞれ、その傾斜方向が一定であるとともに、各傾斜方向が互いに異なる、所定のパターンによって形成されており、これによって、各パターンが互いにずれるようになっているとともに、重ね合わせが行われるようになっている。傾斜方向が互いに異なることで、各濃度のトナーのためのパターンが完全に重なってしまうことがなく、これにより、明るさが低下したリング状部分のマスキングがライトカラートナーによって行われるようになっている。
【0103】
以下、かかるドット成長方法及びこれを含む画像処理方法について、図6、図7、図8に沿って説明する。なお、一般の画像形成において形成される画像は、部分によって濃度言い換えると画像面積率が異なるため、ドット成長方法を用いて行われる各色のトナー像のためのパターンの成長も、当該部分における画像面積率が得られるまでに達したときに停止される。したがって、図6、図7、図8においても、正確には、当該部分における画像面積率が得られるまでに当該部分のパターンが成長したときには、その成長が停止されることが図示されるべきである。しかしながら、これらの図においてはその図示を省略している。これは、その成長が停止されるタイミングは、画像面積率が0%から100%となるまでのいずれにおいても発生しうるため、便宜的に、かかる停止に関する図示を省略したものである。そのため、これらの図によれば、パターンの成長が、画像の全体で、画像面積率が0%から100%となるまで連続して行われるかのような印象を受けるが、画像の全体がベタ画像でない限り、実際にはこのようなことはない。
【0104】
これらの図に沿って説明するドット成長方法及びこれを含む画像処理方法では、ドット成長の段階を、3段階に分けている。具体的に、1段階目は、図6、図7のそれぞれにおける(1)、(2)及び図8におけるステップS1からステップS4までの、高明度のトナー像が形成される段階であり、2段階目は、図6、図7のそれぞれにおける(3)、(4)及び図8におけるステップS5からステップS8までの、低明度のトナー像が形成される段階であり、3段階目は、図6、図7のそれぞれにおける(5)及び図8におけるステップS9、ステップS10の、ベタ画像のトナー像が形成される段階である。
【0105】
1段階目の高明度のトナー像は、本形態では画像面積率が50%以下の範囲とし、2段階目の低明度のトナー像は、画像面積率が50%を超え95%以下の範囲とし、3段階目のベタ画像のトナー像は、画像面積率が95%を超え100%以下の範囲としている。なおドット成長をこれらの画像面積率の範囲で3段階に分けたのは一例であり、画像形成装置100の特性、転写紙の紙種、トナーの特性等に応じて、他の画像面積率の範囲で3段階に分けても良いし、3段階と異なる段階に分けても良い。このことは以下述べるα、βの値についても同様である。
【0106】
まず、図6、図7のそれぞれにおける(1)及び図8におけるステップS1、ステップS2に示すように、ライトカラートナーで現像を行うべきパターンを構成するドットの成長を、画像面積率言い換えるとライトカラートナーの付着面積率がα%となるまで継続する。なお、ここではα=60とされている。次いで、図6、図7のそれぞれにおける(2)及び図8におけるステップS3、ステップS4に示すように、カラートナーで現像を行うべきパターンを構成するドットの成長を、画像面積率言い換えるとカラートナーの付着面積率が50%となるまで継続する。ただし、すでに述べたように、形成すべき画像のうち画像面積率が50%未満である部分については、当該画像面積に達したときにドットの成長が停止される。
【0107】
次に、図6、図7のそれぞれにおける(3)及び図8におけるステップS5、ステップS6に示すように、ライトカラートナーで現像を行うべきパターンを構成するドットの成長を、画像面積率言い換えるとライトカラートナーの付着面積率がβ%となるまで継続する。なお、ここではβ=98とされている。次いで、図6、図7のそれぞれにおける(4)及び図8におけるステップS7、ステップS8に示すように、カラートナーで現像を行うべきパターンを構成するドットの成長を、画像面積率言い換えるとカラートナーの付着面積率が95%となるまで継続する。ただし、すでに述べたように、形成すべき画像のうち画像面積率が95%未満である部分については、当該画像面積に達したときにドットの成長が停止される。
【0108】
さらに、図6、図7のそれぞれにおける(5)及び図8におけるステップS9、ステップS10に示すように、ライトカラートナーで現像を行うべきパターンを構成するドットを、画像面積率言い換えるとライトカラートナーの付着面積率が0%となるまで減少させるとともに、カラートナーで現像を行うべきパターンを構成するドットの成長を、画像面積率言い換えるとカラートナーの付着面積率が100%となるまで継続する。ただし、すでに述べたように、形成すべき画像のうち画像面積率が100%未満である部分については、当該画像面積に達したときにドットの成長が停止される。
【0109】
このようにライトカラートナーの付着面積率を減少させるのは、付着面積率が95%を超えるベタ付近になると、既にチリの光学ドットゲインの影響を受けないほど、地肌部言い換えるとライトカラートナーによるマスク対象部分の明るさが損なわれており、かかる光学ドットゲインによる影響の減少に貢献するというライトカラートナーの役割が既に失われていることから、ライトカラートナーの節約を行うためである。
【0110】
以上のようにして、入力された画像データに対応する画像を表現するための中間調トナーパターンが生成されるように、ライトカラートナー、カラートナーのそれぞれのための重ね合せパターンを生成する重ね合せパターン生成ステップが行われる。ライトカラーのための重ね合せパターンを構成している万線スクリーンによる所定のパターンと、カラートナーのための重ね合わせパターンを構成している万線スクリーンによる所定のパターンとでは、傾斜が異なることで互いにずれているとともに、互いに重ね合わせが行われるようになっている。
【0111】
ライトカラートナーの節約を行うため、重ね合せパターン生成ステップに次いで、ライトカラーのための重ね合せパターンと、カラートナーのための重ね合わせパターンとのうち、重ね合せが生じている領域においては、高濃度のトナーであるカラートナーを付着させる後者のパターンを選択し、同領域における前者のパターンを削除する重ね合せ領域選択ステップを行い、各重ね合せパターンを非重ね合せパターンとして再構成するようにしても良い。重ね合せパターン生成ステップを第1のステップとし、第1のステップで生成される重ね合せパターンを第1のパターンとすれば、重ね合せ領域選択ステップは第2のステップといえ、また第2のステップで生成される非重ね合せパターンは第2のパターンといえる。
【0112】
以上のような画像処理方法により、光学的ドットゲインで暗くなってしまう地肌部と同程度の明るさを持つライトカラートナーを地肌部に付着させ、カラートナーが付着する部分以外の部分が、ライトカラートナーによって埋められ、ライトカラートナーで覆われるように現像されることとなって、何れのトナーも付着していない地肌部の面積が低減されるように中間調トナーパターンが生成される。これによって、すでに述べたように、チリの光学ドットゲインの影響が低減され、チリによる色変動が低減されることで、中間調画像の色安定性が向上する。
【0113】
かかる中間調トナーパターンの生成が、チリによる地肌部の明るさへの影響が大きい高面積率言い換えると低明度の画像を出力する際にも行われることで、かかる色安定性の向上は、とくに低明度部においてよく得られる。これは地肌部の濃度が濃くなる分だけカラートナーの付着面積が低減され、カラートナーによるチリ自体が低減されるためである。またカラートナーの付着面積の低減によってカラートナーの消費量も低減される。
【0114】
実機を用い、図6、図7、図8に示した画像処理方法に沿って行った次のような実験により、色安定性が向上することを確かめた。
なお、フルカラー画像形成を行う際に通常用いられるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像にてかかる利点が得られることを1つの装置で確かめるには、各色についてライトカラートナー、カラートナーでトナー像を形成するために、8ステーションを備えることを要する。しかしながら、実験では、次に示すように4ステーションの実機を用いることとしており、そのため、各色について実験を行うごとに各ステーションにおいて用いるトナーの組み合わせを変更することで、ステーション数の不足を補うこととした。すなわち、実験を行う色についてライトカラートナーを用いるステーションを設ける代わりに、他の色についてのステーションを省略し、常時4ステーションの構成とした。
【0115】
・実験条件
使用機種:imagio−mp−C3300
使用トナー:SPR−CEトナー
紙種:70W
計測チャート、計測箇所:図9に示すチャートの9箇所
N数:各色20枚
出力面積率:70%
ライトカラートナー:顔料量がカラートナーの顔料量の40%になるように作成
ライトカラーの入力面積率α、β[%]は、それぞれ50[%]、90[%]である。
図9に示すように、実験に用いる出力画像は、全体が同一の面積率70%となるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像とし、同図において小さな四角で示す9箇所について色安定性を計測した。
【0116】
・評価方法
算出項目:ページ内平均基準色差ΔE
ΔEは、9箇所の測定箇所における平均を基準とした色差を示すために算出したものである。
【0117】
・評価結果
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色について、出力画像のページ内平均基準色差:ΔEの平均値+3σを、上述のようにカラートナーとともにライトカラートナーを用いた場合と、カラートナーのみを用いた場合とで並べて示したところ、図10のようになった。ΔEの平均値+3σは、値が大きいほど色安定性が悪いことを示す。
【0118】
同図から、イエローについてはその程度が低いものの、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色において、右側に示されているカラートナーとともにライトカラートナーを用いた場合の値が、左側に示されているカラートナーのみを用いた場合の値よりも小さくなっており、カラートナーとともにライトカラートナーを用いることによる色安定性の向上が確認された。イエローの改善効果が小さかった理由として、イエローは地肌部とのコントラストが他色に比べ小さいことから、チリの色安定性への影響が他色よりも小さいことが挙げられる。
【0119】
このことから、コントラストが大きい色ほど、濃淡の異なる複数種の同色トナーを用いることで、色安定性改善の効果が現れることが分かった。よって、フルカラー画像形成を行う画像形成装置においては、すべての色について濃淡の異なる複数種の同色トナーを用いることが、色安定性のために最も好ましいが、ステーション数を抑制するには、コントラストが大きい色について優先的に濃淡の異なる複数種の同色トナーを用いるステーションを用いることが好ましい。この点、画像形成装置100は、同図にも示されているように、一般にコントラストが大きいブラックについて、カラートナーとともにライトカラートナーを用いて画像形成を行うため、ステーション数を抑制したものとなっている。
【0120】
また、ステーション数を抑制するには、チリによる色安定性の低い色について優先的に濃淡の異なる複数種の同色トナーを用いるステーションを用いることが好ましい。なお、どの色がチリによる安定性が低いかは、トナーの性質等によって変わる。
【0121】
これらの理由により、本画像処理方法を適用した画像形成装置のステーション数は、本来の色数に、少なくとも1を加えた数となる。たとえば、モノカラーの画像形成装置においては、ステーション数は2以上となる。
【0122】
制御手段99は、ROMに、以上述べた、入力された画像データに対応する画像を表現するための中間調トナーパターンを生成する画像処理方法であって、濃淡の異なる複数種の同色トナーによる、ずれた位置に配される各濃度のトナーによるパターンを生成することで前記中間調トナーパターンを生成する画像処理方法を実行するための画像処理プログラムを記憶している。この点、制御手段99ないしROMは、画像処理プログラム記憶手段として機能している。かかる画像処理プログラムは、制御手段99に備えられたROMのみならず、半導体媒体(たとえば、RAM、不揮発性メモリ等)、光媒体(たとえば、DVD、MO、MD、CD−R等)、磁気媒体(たとえば、ハードディスク、磁気テープ、フレキシブルディスク等)その他の記憶媒体に記憶可能であり、かかるメモリ、他の記憶媒体は、かかる画像処理プログラムを記憶した場合に、かかる画像処理プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体を構成する。
【0123】
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0124】
たとえば、画像形成装置は、タンデム型であっても、上述した間接転写方式でなく、図11に示すように、直接転写方式を採用可能である。図11はタンデム型直接転写方式の画像形成装置の一部を示しており、上述の形態と同様の構成には同じ符号を付している。この画像形成装置では、上述の転写ベルト11に代えて被転写体たる対向部材として、像担持体としての記録媒体搬送体である記録媒体搬送ベルトたるシート搬送ベルト11’を有しており、通常の画像形成時には、シート搬送ベルト11’で搬送されている過程の転写紙に、画像ステーション60Y、60M、60C、60G、60BKで形成した各色のトナー像を順次重ね転写する。
【0125】
直接転写方式と間接転写方式とを比較すると、前者は、転写紙の搬送方向において、画像ステーション60Y、60M、60C、60G、60BKの上流側に図示しない給紙装置を、下流側に定着装置6を配置しなければならず、かかる搬送方向に大型化する傾向にあるのに対し、後者は、2次転写位置を比較的自由に設置可能であるため、給紙装置、定着装置6を画像ステーション60Y、60M、60C、60G、60BKと重ねて配置可能であり、小型化が可能となる利点がある。また、前者は、転写紙の搬送方向における大型化を抑制するためには、定着装置6をシート搬送ベルト11’に接近して配置することとなる。そのため、転写紙が撓む十分な余裕をもって定着装置6を配置することが難しく、転写紙の先端が定着装置6に進入するときの衝撃(特に厚い転写紙で顕著となる)や、定着装置6を通過するときの転写紙の搬送速度と、シート搬送ベルト11’による転写紙の搬送速度との速度差により、定着装置6が上流側の画像形成に影響を及ぼしやすいのに対し、後者は、転写紙が撓む十分な余裕をもって定着装置6を配置可能であり、定着装置6がほとんど画像形成に影響を及ぼさないようにし得る。これらの点では、近年では、タンデム型において、間接転写方式が注目されてきている。
【0126】
また、画像形成装置は、いわゆるタンデム方式の画像形成装置ではなく、1つの像担持体としての感光体ドラム上に順次各色のトナー像を形成して各色トナー像を順次重ね合わせてカラー画像を得るいわゆるリボルバー現像、ロータリ現像を行う1ドラム方式の画像形成装置にも同様に適用することが可能である。この場合、被転写体は、かかる感光体ドラムから順次各色のトナー像を転写される場合には転写ベルト11と同様の構成となり、かかる感光体ドラム上において重ね合わされた各色のトナー像を一括で転写される場合にはシート搬送ベルト11’と同様の構成となる。
【0127】
1ドラム型とタンデム型とを比較すると、前者は、感光体ドラムが1つであるから、比較的小型化可能であり、コストも低減可能な利点はあるものの、1つの感光体ドラムを用いて複数回、本発明を適用する場合は5回の画像形成を繰り返してフルカラー画像、プロセスコントロール用の画像を形成するから、画像形成の高速化が難しく、これに対し、後者には、逆に大型化し、コスト高となり得るものの、画像形成の高速化が容易である利点がある。近年では、フルカラーもモノクロ並みのスピード要求が望まれることから、タンデム型が注目されてきている。
【0128】
その他、画像形成装置は、近年では、市場からの要求にともない、カラー複写機やカラープリンタなど、カラーのものが多くなってきているが、画像形成装置は、モノカラー画像のみを形成可能なものであっても良い。
このような画像形成装置に用いる現像剤は、上述の画像処理方法が適用可能であれば、二成分現像剤に限らず、一成分現像剤であっても良い。
【0129】
画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機でなく、これらの単体であっても良いし、その他、複写機とプリンタとの複合機等の他の組み合わせの複合機であっても良い。
【0130】
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0131】
80G、80BK 複数の現像手段
99 画像処理装置
100 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0132】
【特許文献1】特許第4332376号公報
【特許文献2】特開平09−326927号公報
【特許文献3】特開2000−305339号公報
【特許文献4】特開2005−284132号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等の画像形成装置であって、静電潜像をトナーで現像する画像形成装置に用いられ、入力された画像データに対応する画像を表現するためのパターンを生成する画像処理方法及び画像処理装置並びにこれらを用いて画像形成を行う、かかる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等の画像形成装置であって、静電潜像をトナーで現像する、いわゆる電子写真方式の画像形成装置が知られている(たとえば、〔特許文献1〕ないし〔特許文献4〕参照)。
【0003】
かかる画像形成装置においては、トナーが、本来現像されるべき位置と異なる部分に散って、色の安定性を低下させることによって画像品質を低下させるチリという現象が生じることが知られている。このチリへの対策として、チリの発生度に応じて画像形成条件を変更する技術が提案されている(たとえば、〔特許文献1〕参照)。
【0004】
なお、従来から、かかる画像形成装置において、高画質化などの目的で、トナーパターンに関する画像処理技術(たとえば、〔特許文献2〕参照)、濃度の異なる同色のトナーを画像の濃淡に応じて使い分けて現像する技術(たとえば、〔特許文献3〕参照)が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、チリの発生度に応じて画像形成条件を変更する技術では、画像形成条件の変更により、色の安定性が低下する可能性がある。そのため、チリへの対策においても、画像処理を用いることが好ましい。なお、単に、濃度の異なる同色のトナーを画像の濃淡に応じて使い分けて現像するのみでは、チリへの対策として不十分なことは明らかである。
【0006】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等の、静電潜像をトナーで現像する画像形成装置に用いられ、入力された画像データに対応する画像を表現するためのパターンを、チリによる画質低下への対策を行いながら生成する画像処理方法及び画像処理装置並びにこれらを用いて画像形成を行う、かかる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、入力された画像データに対応する画像を表現するための中間調トナーパターンを生成する画像処理方法であって、濃淡の異なる複数種の同色トナーによる、ずれた位置に配される各濃度のトナーによるパターンを生成することで前記中間調トナーパターンを生成する画像処理方法にある。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、入力された画像データに対応する画像を表現するための中間調トナーパターンを生成する画像処理方法であって、濃淡の異なる複数種の同色トナーによる、ずれた位置に配される各濃度のトナーによるパターンを生成することで前記中間調トナーパターンを生成する画像処理方法にあるので、入力された画像データに対応する画像を表現するためのパターンを、チリによる画質低下への対策を行いながら生成することが可能であり、色の安定性を向上した良好な画像形成に寄与可能な画像処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明を適用した画像形成装置の一例の概略正面図である。
【図2】図1に示した画像形成装置に備えられた、濃淡の異なる同色トナーを用いる複数の現像手段及びこの周りの構成を示す概略正面図である。
【図3】平均輝度値と地肌部の平均輝度値との相関を示した相関図である。
【図4】トナーのチリの発生態様及びトナーのチリによる影響を示した概略正面図である。
【図5】濃淡の異なる複数種の同色トナーで現像することによりトナーのチリの影響が低減されることを説明するための模式図である。
【図6】図1に示した画像形成装置において行われる画像処理方法を説明するための入力画像面積率とトナーの付着面積率との相関を示した相関図である。
【図7】図6に示した画像処理方法によって濃淡の異なる複数種の同色トナーによる現像パターンが生成される様子を示した概念図である。
【図8】図6に示した画像処理方法に関するフローチャートである。
【図9】トナーのチリによる影響が低減されることを確認する実験に用いた画像のサンプルの概念図である。
【図10】トナーのチリによる影響が低減されることを確認する実験の結果を示したグラフである。
【図11】本発明を適用可能な画像形成装置の他の構成例の一部を示す概略正面図である。
【図12】従来のドット成長方法及び同ドット成長方法においてチリが生じることを示した概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に本発明を適用した画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機であってフルカラーの画像形成を行うことが可能になっているカラーデジタル複合機であるが、他の画像形成装置、すなわち、モノクロ機や、複写機、プリンタ、ファクシミリの単体、あるいは複写機とプリンタとの複合機等他の複合機であっても良い。画像形成装置100は、プリンタとして用いられる場合には、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。これは画像形成装置100がファクシミリとして用いられる場合も同様である。
【0011】
画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能である。画像形成装置100は、記録媒体としての記録体である記録紙たる転写紙の両面に画像形成可能な両面画像形成装置でもある。
【0012】
画像形成装置100は、上下方向において中央位置を占めプリンタ部として機能する本体101と、本体101の上側に位置し原稿を読み取るスキャナとしての読取装置21および原稿を積載され積載された原稿を読取装置21に向けて送り出すADFといわれる原稿自動搬送装置である自動原稿給紙装置22と、本体101の下側に位置し感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKと像搬送体としての被転写体である転写ベルト11との間に向けて搬送される転写紙を積載した給紙テーブルとしての給紙装置であるシート給送装置23とを有している。
【0013】
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な複数の像担持体としての感光体である感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKおよびを並設したタンデム構造を採用したタンデム型の画像形成装置である。感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKは、互いに同一径であり、画像形成装置100の本体101の内部のほぼ中央部に配設された無端ベルトである中間転写体たる中間転写ベルトとしての転写ベルト11の外周面側すなわち作像面側に、等間隔で並んでいる。
【0014】
転写ベルト11は、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKに対峙しながら図中時計方向である矢印A1方向に移動可能となっている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKに形成された可視像すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する転写ベルト11に対しそれぞれ重畳転写され、その後、転写紙に一括転写されるようになっている。このように画像形成装置100は中間転写方式である間接転写方式を採用している。よって画像形成装置100はタンデム型間接転写方式の電子写真装置となっている。
【0015】
転写ベルト11に対する重畳転写は、転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKに形成されたトナー像が、転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKのそれぞれに対向する位置に配設され転写ベルト11の内周面に接触配置された転写チャージャとしての転写用帯電手段たる1次転写装置である1次転写ローラ12Y、12M、12C、12G、12BKによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKの真下の位置すなわち1次転写位置である転写位置にて行われる。
【0016】
各感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKは、A1方向の上流側からこの順で並設されている。各感光体ドラム感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、薄いブラック、ブラックの画像を形成するための、画像ステーション60Y、60M、60C、60G、60BKに備えられている。
【0017】
画像形成装置100においては、感光体ドラム20Gに担持される薄いブラック色のトナー像と、感光体ドラム20BKに担持されるブラック色のトナー像との重ね合せにより、ブラック色の画像が形成されるようになっている。以下、薄いブラックをグレーという。
【0018】
画像形成装置100は、5つの画像ステーション60Y、60M、60C、60G、60BKによって構成される画像形成部としての画像形成手段である作像部60と、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKの下方に対向して配設され、転写ベルト11を備えた中間転写ユニットであるベルトユニットとしての転写ベルトユニット10と、転写ベルト11を挟んで作像部60と反対の側において、転写ベルト11に対向して配設され、転写ベルト11に当接し、転写ベルト11への当接位置において転写ベルト11と同方向に回転し無端移動する転写部材としての紙搬送ベルトである2次転写ベルト5を備え転写ベルト11上のトナー像を転写紙に転写するとともに搬送する転写部たる2次転写装置としての2次転写ユニット76とを有している。
【0019】
画像形成装置100はまた、画像ステーション60Y、60M、60C、60G、60Kそれぞれの上方に対向して配設された書き込み手段である光書き込み装置としての露光装置である書込装置たる光走査装置8Y、8M、8C、8G、8Kと、シート給送装置23から搬送されてきた転写紙を、画像ステーション60Y、60M、60C、60G、60BKによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、転写ベルト11と2次転写ベルト5との間に向けて繰り出すレジストローラ対13と、転写紙の先端がレジストローラ対13に到達したことを検知する図示しないセンサとを有している。
【0020】
画像形成装置100はまた、2次転写ユニット76によって転写ベルト11上のトナー像を転写され搬送されてきた転写紙が進入し、転写紙にトナー像を定着させるためのベルト定着方式の定着ユニットとしての定着手段である定着装置6と、定着済みの転写紙を本体101外に排出する排紙経路と再度レジストローラ対13に向けて搬送する反転経路とを備え転写紙を何れかの経路に搬送する排紙ユニット79と、2次転写ユニット76および定着装置6の下方に、作像部60と平行に配設され、転写紙の両面に画像を記録すべく、排紙ユニット79が一方の面に画像を形成された転写紙を反転経路に搬送した場合に、その転写紙をスイッチバックして反転させ、再度、レジストローラ対13に向けて搬送する再給紙ユニットとしてのシート反転装置である両面ユニット96とを有している。
【0021】
画像形成装置100はまた、本体101外部に配設され画像形成済みの転写紙を積載するスタック部としての排紙トレイ75と、図1における本体101の右側面に配設された手差し給紙装置33と、画像形成装置100の操作を行う図示しない操作パネルと、画像形成装置100全体の動作を制御する制御部としての制御手段99と、図示しない廃トナータンクとを有している。
【0022】
図2に示すように、転写ベルトユニット10は、転写ベルト11の他に、1次転写手段としての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12G、12BKと、転写ベルト11を巻き掛けられ掛け回した第1ないし第3の支持ローラである、テンションローラ74、転写入口ローラ73および転写ベルト11を回転駆動する回転駆動ローラとしての張架ローラである駆動ローラ72と、テンションローラ74との間に転写ベルト11を挟み込み転写ベルト11表面をクリーニングするクリーニング手段としての中間転写ベルトクリーニング装置14とを有している。
【0023】
転写ベルトユニット10はまた、A1方向において作像部60よりも下流側且つ2次転写ユニット76よりも上流側で転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11上のトナー像を光学的に検知する検知手段としての反射型光学センサである光学センサ50と、駆動ローラ72を回転駆動することで転写ベルト11をA1方向に無端移動させる図示しないベルト駆動モータと、画像形成が2色以上の多色画像で行われるか黒色のみの単色画像すなわちモノクロ画像で行われるかに応じて転写ベルト11等を変位させる図示しない転写ベルトユニット駆動手段とを有している。なお回転駆動ローラはテンションローラ74または転写入口ローラ73によって構成してもよく、この場合はその他のローラが従動回転する従動ローラとなる。
【0024】
転写ベルト11のような中間転写ベルトとしては、従来からフッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等が使用されていたが、近年では、ベルトの全層や、ベルトの一部を弾性部材にした弾性ベルトが使用されてきている。
【0025】
転写ベルトユニット駆動手段は、画像形成が2色以上の多色画像で行われるときには、転写ベルト11が図1に示すように張架される態位としてこの上側の略水平な展張面に転写ベルト11を各感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKに接触させ、画像形成がモノクロ画像で行われるときには、同図左方を下側に変位させるようにして転写ベルト11を感光体ドラム20Y、20M、20Cから離間させ転写ベルト11が感光体ドラム20G、20BKのみに接触する態位とする。なお、画像形成がモノクロ画像で行われるときには、感光体ドラム20Y、20M、20Cの回転をはじめとして画像ステーション60Y、60M、60Cの各構成の動作が停止される。このような構成においては、5つの画像ステーション60Y、60M、60C、60G、60BKは、A1方向上流から、画像ステーション60C、60M、60Y、60G、60BKの順で横に並べ、後述のような現像を行うことが好ましいが、何れにしても、作像部60は、テンションローラ72と駆動ローラ74との間に張り渡した転写ベルト11上に配置される。また、このように、画像を形成する色の順番は、画像形成装置100の持つ狙いや特性によって異なってくるものであり、限定されるものではない。
【0026】
中間転写ベルトクリーニング装置14は、図示しないクリーニング部材としての転写ベルト11に当接したファーブラシと、このファーブラシに当接したブレードと、ファーブラシを随時転写ベルト11に接離させる当接・離間手段とを有している。ファーブラシは、転写ベルト11に対して接触してカウンタ方向に回転するように設けられている。中間転写ベルトクリーニング装置14は、転写ベルト11のA1方向への回転とともに、ファーブラシを用いて転写ベルト11表面のクリーニングを行い、このクリーニングにより転写ベルト11からファーブラシ側に転移したトナーをさらにブレードにより掻き落とす。
【0027】
光学センサ50は、画像形成装置100においてユーザーの指定により行われる通常の画像形成とは別に実行されるいわゆるプロセスコントロール時に、転写ベルト11上に形成されるトナー像であるトナー濃度調整用の画像調整用パターンとしてのPパターンである標準被検知物たる画像パッチの反射特性を読み取るものである。
【0028】
図1に示すように、2次転写ユニット76は、2次転写ベルト5の他に、2次転写ベルト5を巻き掛けた張架ローラである、駆動ローラ15及び従動ローラ16と、2次転写ベルト5に対向して配設され転写ベルト11を介して押圧された対向ローラとしてのバックアップローラである転写入口ローラ73と、トナーと逆極性の2次転写バイアスを駆動ローラ15に印加する図示しない電源とを有している。
【0029】
駆動ローラ15と転写入口ローラ73とは、これらの間に転写ベルト11と2次転写ベルト5とを挟み込んでおり、この挟み込みにより、転写ベルト11と2次転写ベルト5とが接触する2次転写部としての2次転写ニップが形成されている。2次転写ニップには、2次転写バイアスの印加により、後述するようにして転写ベルト11上に担持された最大5色のトナー像を、転写ベルト11側から駆動ローラ15側に向けて静電移動させる、2次転写電界が形成される。かかるトナー像は、後述するようにしてレジストローラ13により転写ベルト11と2次転写ローラ5との間に搬送されてきた転写紙に、2次転写電界、ニップ圧によって転写される。
【0030】
2次転写ユニット76は、転写ベルト11からトナー像を転写された転写紙を定着装置6へと搬送するシート搬送機能も備えているが、2次転写ユニット76としては、転写ローラや非接触のチャージャを採用した構成を用いても良く、この場合には他に転写紙を定着装置6に向けて搬送する部材を要する。
【0031】
定着装置6は、熱源を内部に有する加熱ローラ62と、加熱ローラ62に巻き掛けられた定着ベルト64と、加熱ローラ62とともに定着ベルト64を巻き掛けた定着ローラ65と、定着ローラ65との間で定着ベルト64に圧接し圧接部である定着部としての定着ニップを形成する加圧ローラ63とを有している。加熱ローラ62と、定着ベルト64と、定着ローラ65とは、定着ベルト64が無端移動するベルトユニットを構成している。定着装置6は、トナー像を担持した転写紙を定着ニップに通すことで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を転写紙の表面に定着するようになっている。
【0032】
図2に示すように、光走査装置8Y、8M、8C、8G、8BKは、感光体ドラム20Y、20M、20C、20G、20BKの表面によって構成された被走査面をそれぞれ走査して露光し、静電潜像を形成するための、画像信号に基づくレーザービームとしてのレーザー光であるビームLY、LM、LC、LG、LBKを発するものである。
【0033】
ビームLY、LM、LC、LG、LBKは、読取装置21で読み取られた原稿、ファクシミリにおける受信データ、又は、後述のようにPC等の外部入力装置から入力される画像情報である画像データに基づいて、後述のように制御手段99の一機能として実現される画像処理装置によって生成される、かかる画像データに対応する当該色の画像を表現するための中間調トナーパターンに対応した潜像を、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上に形成するように発せられる。
【0034】
言い換えると、ビームLY、LM、LC、LG、LBKは、各色の画像を形成するための中間調トナーパターンに対応した画像信号が光情報に変換されたものであり、光走査装置8Y、8M、8C、8G、8BKは、かかる光情報を感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上に潜像として固定するものである。なお、露光装置は、光走査装置8Y、8M、8C、8G、8BKのようなレーザ方式に限定されず、LED方式など他の方式であっても良い。
【0035】
図1に示すように、排紙ユニット79は、定着装置6から搬送されてきた定着済みの転写紙を、両面ユニット96に向けて搬送する搬送ローラ97と、本体101外に排出する排紙ローラ98と、定着済みの転写紙を搬送ローラ97のある排紙経路に導いて本体101外に排出するか、排紙ローラ98のある反転経路に導いて両面ユニット96に進入させるかを切り換える切換爪94とを備えている。
【0036】
両面ユニット96は、排紙ユニット79から搬送されてきた、一方の面に画像形成された転写紙を一旦積載する給紙ボックスとしてのトレイ92と、トレイ92上の転写紙をスイッチバックさせる反転ローラ93と、反転ローラ93によってスイッチバックされた転写紙をレジストローラ13に向けて送り出す給紙ローラ95等を有している。
【0037】
シート給送装置23は、複数枚の転写紙を紙束の状態で収容可能な給紙トレイとしての給紙カセット25を鉛直方向に複数重なるように配置した給紙ボックスとしてのペーパーバンク26と、給紙カセット25に積載された転写紙のうち最上位の転写紙の上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ24と、給送ローラ24により繰り出された転写紙を1枚ずつ分離する分離ローラ27と、給紙ローラ24及び分離ローラ27により送り出された転写紙が通過する給紙路29とを有している。
【0038】
給紙路29は、給紙ローラ24及び分離ローラ27により送り出された転写紙をレジストローラ対13に向けて搬送する搬送手段としての搬送ローラ28と、転写紙の搬送方向下流端に位置するレジストローラ13とを備え、搬送ローラ28によって搬送される転写紙シート給送装置23から本体101内に連続するように設けられており、本体101内の給紙路29にも搬送ローラ28が配設されている。
【0039】
シート給送装置23は、給送ローラ24が図中反時計回り方向に回転駆動され、分離ローラ27が作用することにより、最上位の転写紙を給紙路29内に導き、搬送ローラ28の回転によりレジストローラ対13に向けて給送し、搬送された転写紙がレジストローラ対13に突き当てて止められスキューが修正されるようになっている。
【0040】
手差し給紙装置33は、転写紙を積載する給紙ボックスとしての手差しトレイ34と、手差しトレイ34に積載された転写紙のうち最上位の転写紙の上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ35と、給送ローラ35により繰り出された転写紙を1枚ずつ分離する分離ローラ36と、手差しトレイ34上に転写紙が載置されたことを検知する用紙センサとを有している。
【0041】
手差し給紙装置33は、給送ローラ35が図中時計回り方向に回転駆動され、分離ローラ36が作用することにより、最上位の転写紙を本体101側の給紙路29内に導くとともにレジストローラ対13に向けて給送し、搬送された転写紙がレジストローラ対13に突き当てて止められるようになっている。
【0042】
読取装置21は、原稿を載置するコンタクトガラス21a、コンタクトガラス21aに載置された原稿に光を照射する図示しない光源及び光源から原稿に照射され反射された光を反射する図示しない第1の反射体を備え図1における左右方向に走行する第1走行体21b、第1走行体21bの反射体によって反射された光を反射する図示しない第2の反射体を備えた第2走行体21c、第2走行体21cからの光を結像するための結像レンズ21d、結像レンズ21dを経た光を受け原稿の内容を読み取る読み取りセンサ21e等を備えている。
【0043】
自動原稿給紙装置22は原稿を載置する原稿台22aを有している。自動原稿給紙装置22は読取装置21に対して回動自在であって、上方に向けて回動したときコンタクトガラス21aを露出させるようになっている。
【0044】
操作パネルは、液晶ディスプレイ、複写を開始するためのコピースタートスイッチ等として機能するスタートボタン、複写枚数等を入力するためのテンキー等の各種キーボタン等を有する操作表示部となっている。操作パネルにおいては、画像形成を多色画像で行うかモノクロ画像で行うかを指定可能となっているとともに、転写紙の片面だけに画像を形成するモードである片面プリントモードを設定可能となっている。片面プリントモードには、ダイレクト排出モード、反転排出モード、反転デカール排出モードが含まれ、このうちの1つが選択される。
制御手段99は、CPU、記憶手段としてのメモリであるROM、RAM等を備えている。
【0045】
画像ステーション60Y、60C、60M、60G、60BKについて、そのうちの一つの、感光体ドラム20BKを備えた画像ステーション60BKの構成を代表して構成を説明する。
【0046】
なお、他の画像ステーション60Y、60C、60M、60Gの構成に関しても実質的に同一であるので、以下の説明においては、便宜上、感光体ドラム20BKを備えた画像ステーション60BKの構成に付した符号に対応する符号を、他の画像ステーション60Y、60C、60M、60Gの構成に付し、詳細な説明については適宜省略することとする。
【0047】
また、符号の末尾にY、C、Mが付されたものはそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタの画像形成を行うための構成であることを示すこととし、符号の末尾にG、BKが付されたものはそれぞれ、ブラックの画像形成を行うための構成であることを示すこととする。
【0048】
図2に示すように、感光体ドラム20BKを備えた画像ステーション60BKは、感光体ドラム20BKの周囲に、図中反時計方向であるその移動方向である回転方向B1に沿って、転写部たる1次転写ローラ12BKと、クリーナ部たるクリーニング手段としての感光体クリーニング装置である1次転写クリーニング装置たるクリーニング装置70BKと、除電部たる除電手段としての除電装置90BKと、帯電部たる帯電手段である帯電ユニットとしての帯電器たる帯電装置30BKと、現像部たる現像手段としての現像ユニットである現像装置80BKと、感光体ドラム20BKの周囲のこれらの構成を一体化したカートリッジケース59BKと、トナーの正規の帯電極性である負極性と逆極性である正極性の1次転写バイアスを1次転写ローラ12BKに印加する図示しない電源を有している。
【0049】
感光体ドラム20BKと、クリーニング装置70BKと、除電装置90BKと、帯電装置30BKと、現像装置80BKとはカートリッジケース59BKによって一体化されており、プロセスカートリッジとしての画像ステーション60BKを構成している。プロセスカートリッジとしての画像ステーション60BKは、カートリッジケース59BKを、本体101に固定された図示しないガイドレールに沿って本体101に対して引き出し自在であるとともに、本体101に押し込むことが可能であり、本体101に対して着脱自在に設置され、適時、交換可能となっている。
【0050】
プロセスカートリッジとしての画像ステーション60BKは、本体101に押し込むと、画像形成に適した所定の位置に装填され、位置決めされるようになっている。このようにプロセスカートリッジ化することは、交換部品として取り扱うことが可能であるため、メンテナンス性が著しく向上し、大変好ましい。またプロセスカートリッジの要素である各部の寿命が同等とされているため、不要な交換が防止、抑制され、さらに好ましい構成となっている。
【0051】
プロセスカートリッジとしての画像ステーション60BKは、感光体ドラム20BKと、クリーニング装置70BKと、除電装置90BKと、帯電装置30BKと、現像装置80BKとのうち、少なくとも感光体ドラム20BKが、クリーニング装置70BKと、除電装置90BKと、帯電装置30BKと、現像装置80BKとのうちの少なくとも1つと一体化されることによって構成され、本体101に着脱自在に設置されるユニットである。なお5つの画像ステーション60Y、60M、60C、60G、60BKによって構成される作像部60全体をプロセスカートリッジとして、これらが一体で本体101に対して着脱自在となっていても良い。
【0052】
1次転写ローラ12BKが転写ベルト11を感光体ドラム20BKに向けて押圧して形成された、転写ベルト11と感光体ドラム20BKとの当接位置である1次転写ニップは、感光体ドラム20BK上のトナー像が転写ベルト11に転写される転写位置を構成している。1次転写ローラ12BKの電源は、定電圧制御により1次転写ローラ12BKに所定の転写バイアスを印加する。なお1次転写装置は本形態のようなローラ状に限らず、導電性のブラシ形状、非接触のコロナチャージャなどによって構成してもよい。
【0053】
除電装置90BKは、感光体ドラム20BKの表面に近接して配設された図示しない除電ランプを備えており、感光体ドラム20BKの表面を除電して電気的に清浄な状態とすることでかかる表面の電位を初期化するものである。
【0054】
帯電装置30BKは、図示を省略するが、感光体ドラム20BKの表面に当接して従動回転する帯電部材としての帯電ローラと、帯電ローラに当接し従動回転する帯電クリーニング部材としてのクリーニングローラとを有している。
【0055】
帯電ローラには、直流に交流成分の帯電バイアスを重畳印加する図示しない電圧印加手段が接続されており、感光体ドラム20BKと対向する帯電領域において、除電装置90BKによって除電された感光体ドラム20BKの表面を所定の極性に一様に帯電するようになっている。
【0056】
クリーニングローラは帯電ローラに従動回転することで帯電ローラをクリーニングするようになっている。
このように、本形態では、接触ローラを用いた帯電システムを採用しているが、帯電システムは、近接ローラを用いたものであっても良いし、非接触のスコロトロンチャージャを採用したものであっても良い。
【0057】
現像装置80BKは、感光体ドラム20BKに近接対向して配設されたトナーとキャリアとを含む二成分現像剤である現像剤を担持する現像部材としての現像ローラ81BKと、現像ローラ81BKに直流成分の現像バイアスを印加する図示しないバイアス印加手段と、トナーを収容した図示しないトナーカートリッジと、現像装置80BK本体内の現像剤中のトナーのキャリアに対する重量パーセントであるトナー濃度を検知する図示しないトナー濃度検知手段と、トナー濃度検知手段によって検知されたトナー濃度が所定濃度となるようにすなわちトナー濃度検知手段による検知信号によって示される値が所定の制御目標値となるようにトナーカートリッジから現像装置80BK本体内にトナーを補給する図示しないトナー補給手段とを有している。現像剤は、磁性キャリアと、正規の帯電極性がマイナスのカラートナーであるブラックトナーとを含む二成分現像剤である。バイアス印加手段によって印加される現像バイアスは直流成分でなく交流成分であっても良いし、直流成分に交流成分を重畳したものであっても良い。
【0058】
現像装置80BKと現像装置80Gとでは、用いるトナーの色に濃淡の差言い換えると濃度差があるが、その余については同様である。現像装置80BKと現像装置80Gとで用いるトナーについてさらに説明すると、これらは互いに濃淡の異なる複数種の同色トナーとなっており、現像装置80BKで用いるブラック色のトナーと現像装置80Gで用いるブラック色のトナーとでは、前者の方が濃い濃度となるように、それぞれのトナーに含まれる顔料量が調整されている。
【0059】
これにより、現像装置80BKで用いるブラック色のトナーと現像装置80Gで用いるブラック色のトナーとでは、トナー像を形成した場合の明るさが互いに異なっている。かかる顔料量の調整は、かかる明るさが、後述する所定の関係を満たすように行われている。なお、現像装置80BKで用いるブラック色のトナーの色濃度は一般的に用いられる濃度であり、現像装置80Gで用いるブラック色のトナーの色濃度がかかる関係を満たすように調整されている。
【0060】
感光体ドラム20BKの表面の、帯電装置30BKと現像装置80BKとの間には光走査装置8BKから出射されたビームLBKが照射され、帯電装置30BKにより帯電された後の感光体ドラム20BKの表面の被走査面が露光され、現像装置80BKによってブラックトナー像として可視像化される、画像情報に応じた静電潜像を書き込まれるようになっており、このビームLBKが照射される部分は露光部となっている。
【0061】
クリーニング装置70BKは、その先端が感光体ドラム20BKに当接し感光体ドラム20BK上の転写残留物である転写残トナー、キャリア、紙粉等の異物を掻き取って回収しクリーニングするクリーニング部材としての図示しないクリーニングブレードと、回収した転写残トナーを廃トナータンクに搬送して回収する図示しない廃トナー搬送手段とを有している。クリーニング装置70BKは、クリーニングブレードとともにあるいはクリーニングブレードに代えてファーブラシローラを用いてもよいし、磁気ブラシクリーニング方式を採用しても良い。
【0062】
以上のような構成の画像ステーション60BKにおいては、画像形成時において、感光体ドラム20BKは、B1方向への回転に伴い、帯電装置30BKにより表面を一様に帯電され、光走査装置8BKからの光の露光走査により、露光部言い換えると照射部における感光体ドラム20BKの電位が減衰してブラック色に対応した静電潜像を形成され、この静電潜像を現像装置80BKによりブラック色のトナーにより現像され、現像により得られたブラック色のトナー像を1次転写ローラ12BKによって形成される一次転写電界、ニップ圧によりA1方向に移動する転写ベルト11に1次転写され、転写後に残留したトナーを含む不要物をクリーニング装置70BKにより除去されて除電装置90BK、帯電装置30BKによる次の除電、帯電に供される。
【0063】
このような構成の画像形成装置100において、複写を行うときには、自動原稿給紙装置22の原稿台22aに原稿をセットするか、自動原稿給紙装置22を上方に回動してコンタクトガラス21a上に原稿を載置したうえで自動原稿給紙装置22を下方に回動して閉じ原稿を押さえた状態としたうえで、操作パネルのスタートボタンを押下する。なお、自動原稿給紙装置22にセットされる原稿は、たとえば束状のシート原稿であり、コンタクトガラス21a上にセットされる原稿は、たとえば本状に綴じられている片綴じ原稿である。画像形成装置100をプリンタとして使用する場合には、画像形成装置100に接続したPC等の外部入力装置において画像形成を行う画像データを選択、入力等したうえで画像形成開始の操作を行う。
【0064】
複写を行う場合であって、原稿を原稿台22aにセットした場合には、セットした原稿がコンタクトガラス21a上に送り出されてから読取装置21による原稿の読み取りが行われ、また、原稿をコンタクトガラス21a上に載置したときにはスタートボタンの押下によって読取装置21による原稿の読み取りが行われ、画像処理装置として機能する制御手段99によってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像に対応した画像データが生成される。
【0065】
生成された画像データ又は入力された画像データに基づいて、画像処理装置として機能する制御手段99によって、後述する画像処理方法により、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の画像を表現するための中間調トナーパターンが生成されるとともに、ブラック色の画像を表現するための中間調トナーパターンが、現像装置80Gで用いられる薄い色濃度のトナーによって現像するためのパターンと、現像装置80BKで用いられる濃い色濃度のトナーによって現像するためのパターンとの合成パターンとして生成される。
【0066】
そして、これらのパターンを用いて、上述の構成の各画像ステーション60Y、60M、60C、60G、60BKのそれぞれにおいてイエロー、マゼンタ、シアン、グレー、ブラックの画像形成が行われ、転写ベルト11上及び転写紙上においてイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像が形成されるように、上述の構成の画像ステーション60Y、60M、60C、60G、60BKが作動する。
【0067】
また、かかる原稿読取動作と並行して、各プロセスカートリッジである画像ステーション60Y、60M、60C、70G、60BK内の各機器や、転写ベルトユニット10、2次転写ユニット76、定着装置6等がそれぞれ駆動を開始する。
【0068】
画像ステーション60BKにおいては、上述したように、感光体ドラム20BKは、B1方向への回転に伴い、帯電装置30BKにより表面を一様に帯電され、光走査装置8BKにより静電潜像を形成され、この静電潜像を現像装置80BKによりブラック色のトナーにより現像され、ブラック色のトナー像を1次転写ローラ12BKによって転写ベルト11に1次転写され、転写後に残留したトナーを含む不要物をクリーニング装置70BKにより除去されて除電装置90BK、帯電装置30BKによる次の除電、帯電に供される。
【0069】
他の感光体ドラム20Y、20C、20M、20Gにおいても同様に各色のトナー像が良好に形成等され、形成された各色のトナー像は、1次転写ローラ12Y、12C、12M、12Gにより、感光体ドラム20BKからの1次転写に先立って、A1方向に移動する転写ベルト11上の同じ位置に順次1次転写される。このとき1次転写ローラ12Y、12C、12M、12G、12BKには、トナーの正規の帯電極性である負極性とは逆の正極性の電圧が印加されるようになっている。
【0070】
転写ベルト11上に重ね合わされた、イエロー、マゼンタ、シアン、グレー、ブラックの5色のトナー像によって構成された、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色トナー像は、転写ベルト11のA1方向の回転に伴い、2次転写ローラ5との対向位置である2次転写ニップまで移動し、転写紙に2次転写され、転写紙上にフルカラー画像が担持される。
【0071】
転写ベルト11と2次転写ローラ5との間に搬送されてきた転写紙は、スタートボタンの押下により、シート給送装置23の1つの給送ローラ24が選択されこの回転によって対応する給紙カセット25から繰り出されてフィードされたものであるか、または、手差し給紙装置33の給送ローラ35の回転によって手差しトレイ34から繰り出されてフィードされたものであるか、または、両面ユニット96から給紙ローラ95によって繰り出されてフィードされたものであるかの何れかであって、レジストローラ対13によって、センサによる検出信号に基づいて、転写ベルト11上のトナー像の先端部が2次転写ベルト5に対向するタイミングで送り出されたものである。かかるフィード動作は、上述の原稿読取動作と略同時に開始される。
【0072】
転写紙は、すべての色のトナー像を転写され、担持すると、定着装置6に進入し、定着ベルト64と加圧ローラ63との間の定着部を通過する際、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を定着され、転写紙上に良好なカラー画像が形成される。定着装置6を通過した定着済みの転写紙は、切換爪94の態位に応じて、排紙ローラ98を経て排紙トレイ75上にスタックされるか、または搬送ローラ97を経て両面ユニット96に進入して両面画像形成に備える。
【0073】
一方、1次転写を終えた感光体ドラム20Y、20C、20M、20G、20BKは、クリーニング装置70Y、70C、70M、70G、70BKによってこれに残留する転写残トナー等を除去されてクリーニングされ、次の画像形成に備える。また、2次転写を終えた転写ベルト11は、中間転写ベルトクリーニング装置14によってこれに残留する残留トナー等を除去されてクリーニングされ、次の画像形成に備える。
【0074】
このような画像形成動作を良好に行うにあたって、画像ステーション60Y、60C、60M、60G、60BKにおいて形成されるトナー像の濃度言い換えると画像濃度が一定に保たれることは重要である。
【0075】
そのため、画像形成装置100では、電源投入時、所定枚数の画像形成後等の所定のタイミングで、ユーザーの指定により行われる通常の画像形成とは別に、画像ステーション60Y、60C、60M、60G、60BKにおいて形成される画像すなわちトナー像の濃度言い換えるとトナーの付着量が適正になるように制御するための画像濃度調整モードとしてのプロセスコントロールを実行する。
【0076】
画像形成装置100におけるプロセスコントロール動作を概略的に説明すると、画像ステーション60Y、60C、60M、60G、60BKにおいて感光体ドラム20Y、20C、20M、60G、20BK上に画像パッチを形成し、各色の画像パッチをそれぞれ転写ベルト11上の別領域に転写し、光学センサ50により各色の画像パッチを光学的に読み取り、この読み取った画像パッチの濃度が適正濃度となるように、制御手段99により、帯電装置30Y、30C、30M、30G、30BKの電圧印加手段の出力の調整、現像装置80Y、80C、80M、80G、80BKのバイアス印加手段の調整やトナー補給手段の駆動等を行う。
【0077】
このとき、光学センサ50により読み取った画像パッチの濃度に対応する出力電圧が制御手段99に入力され、制御手段99はかかる出力電圧を粉体付着量変換方法を用いた付着量変換アルゴリズムにより付着量変換して、その時点での現像能力を表す現像γ、現像開始電圧Vkの算出を行い、この算出値に基づき、帯電装置30Y、30C、30M、30G、30BKの電圧印加手段の出力の制御による帯電バイアス値の調整、現像装置80Y、80C、80M、80G、80BKのバイアス印加手段の制御による現像バイアス値の調整、現像装置80Y、80C、80M、80G、80BKにおけるトナー濃度検知手段によって検知されるべき制御目標値の変更等を行う。
【0078】
以上述べたように、画像形成装置100では、静電潜像をトナーで現像することで画像を得るようになっているが、このようないわゆる電子写真方式の画像形成装置では、一般に、トナーが、本来現像されるべき位置と異なる部分に散る、チリという現象が生じる。チリは、次に述べるように、色の安定性を低下させることによって画像品質を低下させる原因となる。
【0079】
トナーのチリは、静電潜像の現像時にトナーが静電潜像と異なる位置に付着することによって生ずるほか、トナー像を記録媒体に転写するときにも生じ、また、画像形成装置100のように中間転写を行う装置においては、中間転写体へのトナー像の転写時にも生ずる。
【0080】
トナーのチリによって色安定性が低下することを以下説明する。
まず、画像の明るさを示す平均輝度値と、地肌部の平均輝度値との関係について説明する。
【0081】
ここで、輝度値とは、1ピクセルの明るさを示す指標で、0〜255で表される。輝度値が0に近いほど明るさを持たず、黒に近づき、また、輝度値が255に近いほど明るさを持ち、白に近づく。平均輝度値とは、通常、画像の明るさを示す平均輝度値を意味し、画像に含まれる全ピクセルの輝度値の平均値を指している。地肌部の平均輝度値は地肌部の全ピクセルの輝度値の平均値を指す。
【0082】
図3にこれら平均輝度値の関係を示す。同図から、画像の明るさは地肌部の明るさと非常に高い相関を持っていることが確認される。このことから地肌部の明るさの安定性が損なわれることが画像の明るさの安定性が損なわれることに繋がるといえる。したがって、チリが地肌部の明るさを変化させるならば、チリは画像の明るさの安定性を損なうこととなる。
【0083】
次に、チリの発生と色安定性の関係について説明する。高面積率である画像を表現しようとすると、高面積率であるためにトナー付着量が増え、これに伴ってチリが数多く発生することとなる。
【0084】
図4において、同図(a)に示されている画像の一部を拡大した同図(b)では、斜め方向にほぼ等間隔で、トナーの付着部と地肌部とが交互に並んでいる。同図(a)及び同図(b)から明らかなように、同図に示されている画像は、トナーの付着部の面積が比較的大きく、高面積率の画像となっている。そのため、同図(b)に示されているように、地肌部にチリが多く発生している。同図(b)の一部をさらに拡大した同図(c)に示されているように、チリが地肌部に発生すると、光学的ドットゲインにより、チリ周辺の明るさが損なわれ、チリ周辺の地肌部が暗くなる。この光学的ドットゲインによる地肌部の明るさの低下の発生態様については、後に図5を参照して説明する。
【0085】
チリは静電潜像に積極的に付着させたトナーでないため付着分布が不安定であることから、地肌部の輝度が不安定となり、結果として色安定性が損なわれる。すなわち、チリは地肌部の明るさを変化させ不安定にするため、画像の明るさの安定性を損ない、画像の色安定性を低下させる原因となる。
【0086】
とくに、図4に示したのと同様に、高画像面積率の画像では、画像を表現するためにたとえば万線を用いる場合には、万線間の距離が狭くなり、地肌部の面積当たりのチリトナー数が増えるため、チリによる地肌部の明るさへの影響が大きくなり、これに起因して画像の色安定性への影響が大きくなる。
【0087】
このような理由により、電子写真方式の画像形成装置は、オフセット印刷等に比べ、一般的に色安定性が劣っており、色安定性を高めることが要求されている。かといって、チリ対策としてチリの発生度に応じて画像形成条件を変更するようにすると、画像形成条件の変更によって、却って色の安定性が低下し得る。
【0088】
そこで、画像形成装置100では、ブラックの画像を形成する場合に、濃淡の異なる複数種のブラック色のトナーを用いて現像を行う現像装置80G、80BKを用い、制御手段99を、入力された画像データに対応する画像を表現するための中間調トナーパターンを次のようにして生成する画像処理方法を実行する画像処理装置として機能させることで、チリによる画質低下への対策を行うようになっている。
【0089】
ここで、すでに述べたように、現像装置80BKで用いるブラック色のトナーと現像装置80Gで用いるブラック色のトナーとでは、前者の方が濃い濃度となるように、それぞれのトナーに含まれる顔料量が調整されているため、以下、現像装置80Gで用いるブラック色のトナーをライトカラートナーといい、現像装置80BKで用いるブラック色のトナーを単にカラートナーというものとする。
【0090】
画像処理装置として機能する制御手段99は、概略的に、図5(a)に示すように、ライトカラートナーによるトナー像とカラートナーによるトナー像との重ね合わせが行われたときに、これらのトナー像がずれた位置に配されるように、ライトカラートナーによるパターンである現像パターンと、カラートナーによるパターンである現像パターンとを生成することによって、かかる中間調トナーパターンを生成する画像処理方法を実行するようになっている。このように、かかる画像処理方法は、濃淡の異なる複数種の同色トナーによるトナーパタン生成方法となっている。
【0091】
同図(a)に示されているように、画像処理装置として機能する制御手段99は、かかる中間調トナーパターンを、万線スクリーンによって形成するようになっている。万線スクリーンによる中間調トナーパターンの形成は、電子写真方式の画像形成装置において、画像安定性に優れるパターンの形成手法として良く用いられるものであって、滑らかな階調表現を実現する。画像形成装置100においては、ブラック色以外の色の中間調パターンについても、万線スクリーンによるパターンで形成し、画像安定性を得ている。
【0092】
同図(a)において、黒い斜線部分がカラートナーの付着部を示し、その間のグレーの斜線部分がライトカラートナーの付着部を示している。また、ライトカラートナーの付着部において、黒い丸は、トナーがチリとして付着した部分を示しており、この黒い丸の周辺部のグレーのリングは、チリによって発生した光学的ドットゲインによる地肌部の明るさ低下部分を示している。
【0093】
同図(b)は、ライトカラートナーによる現像を行わず、カラートナーの付着部の間は地肌部とした場合を示している。同図(a)と同図(b)との対比から明らかなように、明るさが低下したリング状部分は、同図(a)に示した、ライトカラートナーによる現像を行った方が目立ちにくくなっている。
【0094】
すなわち、従来の地肌部を、同図(a)に示すように、ライトカラートナーによっていわばマスキングすることで、明るさが低下したリング状部分と同じレベルの明るさとしている。これにより、チリによって発生した光学的ドットゲインによる地肌部の明るさ低下に起因する色安定性の悪化が大きく抑制されている。
【0095】
そのため、同図(a)ではかかる明るさ低下の理解の容易のために、ライトカラートナーの明るさと、カラートナーのチリの周辺の明るさとを、若干異なって示しているが、これらが同じ明るさとなる関係を満たすように、ライトカラートナーとカラートナーとで、顔料量が調整されている。
【0096】
同図(a)と同図(b)とを対比すると、同図(a)のほうが、黒い斜線部分の幅が小さく、カラートナーの付着部分の面積が小さくなっており、同図(a)に示されている矢印の幅と同図(b)に示されている矢印の幅とを対比すると明らかなように、ライトカラートナーの付着部分の幅が広くなっている。
【0097】
これは、従来の地肌部にライトカラートナーを付着させることにより、カラートナーの付着面積を減らしても、全体としては、従来の、カラートナーのみで得ていた色と同じ色が得られるためである。その結果、カラートナーの消費量が少なくてすむとともに、カラートナーによる現像部分の面積率が減少することで、ライトカラートナーによる現像部分の面積あたりのカラートナーのチリも減少し、チリの影響が相乗的に低減される。
【0098】
このように、同色で、かつ濃淡の異なる複数種のトナーの組み合わせで画像を形成することで、チリの色安定性への影響が抑制され、色安定性が向上するという利点が得られる。とくに、高画像面積率で低明度の場合にはチリが発生し易く、色安定性への影響が大きくなる傾向があるが、このような場合であっても、かかる影響は抑制され、色安定性が向上するため、かかる場合において得られる利点が大きい。このような利点は、濃淡の異なる複数種のトナーの組み合わせによって得られるものであるため、種類の数は2種類に限らず、3種類以上であっても良い。
【0099】
図12に、万線スクリーンを用いた、従来の中間調パターンの生成方法を示す。同図から分かるように、ドットを成長させることで面積率を増加させるドット成長方法を採用している。ドット部分は、本形態におけるカラートナーを用いて、現像を行う部分となっている。また、同図から、高面積率となり低明度となると、チリが発生し易くなり色安定性が損なわれることも分かる。
【0100】
画像処理装置として機能する制御手段99によって実行される画像処理方法においても、形成すべき画像の濃度に対応するように面積率を増加させるドット成長方法を採用している。
【0101】
ただし、このドット成長方法においては、図6に示すように、各濃度のトナーのためのパターンを、カラートナーのみならずライトカラートナーについても、形成すべき画像の濃度に対応するように、独立して、面積率を増加させながら生成させる。かかるパターンの生成にあたっては、濃度の薄いライトカラートナーのためのパターンから、濃度の濃いカラートナーのためのパターンの順に生成する。これにより、上述のように、カラートナーによるパターンの面積率が減少することによる利点が得られる。なお、濃淡の種類が3種類以上ある場合は、最も薄い濃度から最も濃い濃度へ順にパターンを生成すれば良い。
【0102】
また、かかるドット成長方法においては、図7に示すように、各濃度のトナーのためのパターンを、互いにずれるように生成する。具体的には、各パターンはそれぞれ、その傾斜方向が一定であるとともに、各傾斜方向が互いに異なる、所定のパターンによって形成されており、これによって、各パターンが互いにずれるようになっているとともに、重ね合わせが行われるようになっている。傾斜方向が互いに異なることで、各濃度のトナーのためのパターンが完全に重なってしまうことがなく、これにより、明るさが低下したリング状部分のマスキングがライトカラートナーによって行われるようになっている。
【0103】
以下、かかるドット成長方法及びこれを含む画像処理方法について、図6、図7、図8に沿って説明する。なお、一般の画像形成において形成される画像は、部分によって濃度言い換えると画像面積率が異なるため、ドット成長方法を用いて行われる各色のトナー像のためのパターンの成長も、当該部分における画像面積率が得られるまでに達したときに停止される。したがって、図6、図7、図8においても、正確には、当該部分における画像面積率が得られるまでに当該部分のパターンが成長したときには、その成長が停止されることが図示されるべきである。しかしながら、これらの図においてはその図示を省略している。これは、その成長が停止されるタイミングは、画像面積率が0%から100%となるまでのいずれにおいても発生しうるため、便宜的に、かかる停止に関する図示を省略したものである。そのため、これらの図によれば、パターンの成長が、画像の全体で、画像面積率が0%から100%となるまで連続して行われるかのような印象を受けるが、画像の全体がベタ画像でない限り、実際にはこのようなことはない。
【0104】
これらの図に沿って説明するドット成長方法及びこれを含む画像処理方法では、ドット成長の段階を、3段階に分けている。具体的に、1段階目は、図6、図7のそれぞれにおける(1)、(2)及び図8におけるステップS1からステップS4までの、高明度のトナー像が形成される段階であり、2段階目は、図6、図7のそれぞれにおける(3)、(4)及び図8におけるステップS5からステップS8までの、低明度のトナー像が形成される段階であり、3段階目は、図6、図7のそれぞれにおける(5)及び図8におけるステップS9、ステップS10の、ベタ画像のトナー像が形成される段階である。
【0105】
1段階目の高明度のトナー像は、本形態では画像面積率が50%以下の範囲とし、2段階目の低明度のトナー像は、画像面積率が50%を超え95%以下の範囲とし、3段階目のベタ画像のトナー像は、画像面積率が95%を超え100%以下の範囲としている。なおドット成長をこれらの画像面積率の範囲で3段階に分けたのは一例であり、画像形成装置100の特性、転写紙の紙種、トナーの特性等に応じて、他の画像面積率の範囲で3段階に分けても良いし、3段階と異なる段階に分けても良い。このことは以下述べるα、βの値についても同様である。
【0106】
まず、図6、図7のそれぞれにおける(1)及び図8におけるステップS1、ステップS2に示すように、ライトカラートナーで現像を行うべきパターンを構成するドットの成長を、画像面積率言い換えるとライトカラートナーの付着面積率がα%となるまで継続する。なお、ここではα=60とされている。次いで、図6、図7のそれぞれにおける(2)及び図8におけるステップS3、ステップS4に示すように、カラートナーで現像を行うべきパターンを構成するドットの成長を、画像面積率言い換えるとカラートナーの付着面積率が50%となるまで継続する。ただし、すでに述べたように、形成すべき画像のうち画像面積率が50%未満である部分については、当該画像面積に達したときにドットの成長が停止される。
【0107】
次に、図6、図7のそれぞれにおける(3)及び図8におけるステップS5、ステップS6に示すように、ライトカラートナーで現像を行うべきパターンを構成するドットの成長を、画像面積率言い換えるとライトカラートナーの付着面積率がβ%となるまで継続する。なお、ここではβ=98とされている。次いで、図6、図7のそれぞれにおける(4)及び図8におけるステップS7、ステップS8に示すように、カラートナーで現像を行うべきパターンを構成するドットの成長を、画像面積率言い換えるとカラートナーの付着面積率が95%となるまで継続する。ただし、すでに述べたように、形成すべき画像のうち画像面積率が95%未満である部分については、当該画像面積に達したときにドットの成長が停止される。
【0108】
さらに、図6、図7のそれぞれにおける(5)及び図8におけるステップS9、ステップS10に示すように、ライトカラートナーで現像を行うべきパターンを構成するドットを、画像面積率言い換えるとライトカラートナーの付着面積率が0%となるまで減少させるとともに、カラートナーで現像を行うべきパターンを構成するドットの成長を、画像面積率言い換えるとカラートナーの付着面積率が100%となるまで継続する。ただし、すでに述べたように、形成すべき画像のうち画像面積率が100%未満である部分については、当該画像面積に達したときにドットの成長が停止される。
【0109】
このようにライトカラートナーの付着面積率を減少させるのは、付着面積率が95%を超えるベタ付近になると、既にチリの光学ドットゲインの影響を受けないほど、地肌部言い換えるとライトカラートナーによるマスク対象部分の明るさが損なわれており、かかる光学ドットゲインによる影響の減少に貢献するというライトカラートナーの役割が既に失われていることから、ライトカラートナーの節約を行うためである。
【0110】
以上のようにして、入力された画像データに対応する画像を表現するための中間調トナーパターンが生成されるように、ライトカラートナー、カラートナーのそれぞれのための重ね合せパターンを生成する重ね合せパターン生成ステップが行われる。ライトカラーのための重ね合せパターンを構成している万線スクリーンによる所定のパターンと、カラートナーのための重ね合わせパターンを構成している万線スクリーンによる所定のパターンとでは、傾斜が異なることで互いにずれているとともに、互いに重ね合わせが行われるようになっている。
【0111】
ライトカラートナーの節約を行うため、重ね合せパターン生成ステップに次いで、ライトカラーのための重ね合せパターンと、カラートナーのための重ね合わせパターンとのうち、重ね合せが生じている領域においては、高濃度のトナーであるカラートナーを付着させる後者のパターンを選択し、同領域における前者のパターンを削除する重ね合せ領域選択ステップを行い、各重ね合せパターンを非重ね合せパターンとして再構成するようにしても良い。重ね合せパターン生成ステップを第1のステップとし、第1のステップで生成される重ね合せパターンを第1のパターンとすれば、重ね合せ領域選択ステップは第2のステップといえ、また第2のステップで生成される非重ね合せパターンは第2のパターンといえる。
【0112】
以上のような画像処理方法により、光学的ドットゲインで暗くなってしまう地肌部と同程度の明るさを持つライトカラートナーを地肌部に付着させ、カラートナーが付着する部分以外の部分が、ライトカラートナーによって埋められ、ライトカラートナーで覆われるように現像されることとなって、何れのトナーも付着していない地肌部の面積が低減されるように中間調トナーパターンが生成される。これによって、すでに述べたように、チリの光学ドットゲインの影響が低減され、チリによる色変動が低減されることで、中間調画像の色安定性が向上する。
【0113】
かかる中間調トナーパターンの生成が、チリによる地肌部の明るさへの影響が大きい高面積率言い換えると低明度の画像を出力する際にも行われることで、かかる色安定性の向上は、とくに低明度部においてよく得られる。これは地肌部の濃度が濃くなる分だけカラートナーの付着面積が低減され、カラートナーによるチリ自体が低減されるためである。またカラートナーの付着面積の低減によってカラートナーの消費量も低減される。
【0114】
実機を用い、図6、図7、図8に示した画像処理方法に沿って行った次のような実験により、色安定性が向上することを確かめた。
なお、フルカラー画像形成を行う際に通常用いられるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像にてかかる利点が得られることを1つの装置で確かめるには、各色についてライトカラートナー、カラートナーでトナー像を形成するために、8ステーションを備えることを要する。しかしながら、実験では、次に示すように4ステーションの実機を用いることとしており、そのため、各色について実験を行うごとに各ステーションにおいて用いるトナーの組み合わせを変更することで、ステーション数の不足を補うこととした。すなわち、実験を行う色についてライトカラートナーを用いるステーションを設ける代わりに、他の色についてのステーションを省略し、常時4ステーションの構成とした。
【0115】
・実験条件
使用機種:imagio−mp−C3300
使用トナー:SPR−CEトナー
紙種:70W
計測チャート、計測箇所:図9に示すチャートの9箇所
N数:各色20枚
出力面積率:70%
ライトカラートナー:顔料量がカラートナーの顔料量の40%になるように作成
ライトカラーの入力面積率α、β[%]は、それぞれ50[%]、90[%]である。
図9に示すように、実験に用いる出力画像は、全体が同一の面積率70%となるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像とし、同図において小さな四角で示す9箇所について色安定性を計測した。
【0116】
・評価方法
算出項目:ページ内平均基準色差ΔE
ΔEは、9箇所の測定箇所における平均を基準とした色差を示すために算出したものである。
【0117】
・評価結果
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色について、出力画像のページ内平均基準色差:ΔEの平均値+3σを、上述のようにカラートナーとともにライトカラートナーを用いた場合と、カラートナーのみを用いた場合とで並べて示したところ、図10のようになった。ΔEの平均値+3σは、値が大きいほど色安定性が悪いことを示す。
【0118】
同図から、イエローについてはその程度が低いものの、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色において、右側に示されているカラートナーとともにライトカラートナーを用いた場合の値が、左側に示されているカラートナーのみを用いた場合の値よりも小さくなっており、カラートナーとともにライトカラートナーを用いることによる色安定性の向上が確認された。イエローの改善効果が小さかった理由として、イエローは地肌部とのコントラストが他色に比べ小さいことから、チリの色安定性への影響が他色よりも小さいことが挙げられる。
【0119】
このことから、コントラストが大きい色ほど、濃淡の異なる複数種の同色トナーを用いることで、色安定性改善の効果が現れることが分かった。よって、フルカラー画像形成を行う画像形成装置においては、すべての色について濃淡の異なる複数種の同色トナーを用いることが、色安定性のために最も好ましいが、ステーション数を抑制するには、コントラストが大きい色について優先的に濃淡の異なる複数種の同色トナーを用いるステーションを用いることが好ましい。この点、画像形成装置100は、同図にも示されているように、一般にコントラストが大きいブラックについて、カラートナーとともにライトカラートナーを用いて画像形成を行うため、ステーション数を抑制したものとなっている。
【0120】
また、ステーション数を抑制するには、チリによる色安定性の低い色について優先的に濃淡の異なる複数種の同色トナーを用いるステーションを用いることが好ましい。なお、どの色がチリによる安定性が低いかは、トナーの性質等によって変わる。
【0121】
これらの理由により、本画像処理方法を適用した画像形成装置のステーション数は、本来の色数に、少なくとも1を加えた数となる。たとえば、モノカラーの画像形成装置においては、ステーション数は2以上となる。
【0122】
制御手段99は、ROMに、以上述べた、入力された画像データに対応する画像を表現するための中間調トナーパターンを生成する画像処理方法であって、濃淡の異なる複数種の同色トナーによる、ずれた位置に配される各濃度のトナーによるパターンを生成することで前記中間調トナーパターンを生成する画像処理方法を実行するための画像処理プログラムを記憶している。この点、制御手段99ないしROMは、画像処理プログラム記憶手段として機能している。かかる画像処理プログラムは、制御手段99に備えられたROMのみならず、半導体媒体(たとえば、RAM、不揮発性メモリ等)、光媒体(たとえば、DVD、MO、MD、CD−R等)、磁気媒体(たとえば、ハードディスク、磁気テープ、フレキシブルディスク等)その他の記憶媒体に記憶可能であり、かかるメモリ、他の記憶媒体は、かかる画像処理プログラムを記憶した場合に、かかる画像処理プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体を構成する。
【0123】
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0124】
たとえば、画像形成装置は、タンデム型であっても、上述した間接転写方式でなく、図11に示すように、直接転写方式を採用可能である。図11はタンデム型直接転写方式の画像形成装置の一部を示しており、上述の形態と同様の構成には同じ符号を付している。この画像形成装置では、上述の転写ベルト11に代えて被転写体たる対向部材として、像担持体としての記録媒体搬送体である記録媒体搬送ベルトたるシート搬送ベルト11’を有しており、通常の画像形成時には、シート搬送ベルト11’で搬送されている過程の転写紙に、画像ステーション60Y、60M、60C、60G、60BKで形成した各色のトナー像を順次重ね転写する。
【0125】
直接転写方式と間接転写方式とを比較すると、前者は、転写紙の搬送方向において、画像ステーション60Y、60M、60C、60G、60BKの上流側に図示しない給紙装置を、下流側に定着装置6を配置しなければならず、かかる搬送方向に大型化する傾向にあるのに対し、後者は、2次転写位置を比較的自由に設置可能であるため、給紙装置、定着装置6を画像ステーション60Y、60M、60C、60G、60BKと重ねて配置可能であり、小型化が可能となる利点がある。また、前者は、転写紙の搬送方向における大型化を抑制するためには、定着装置6をシート搬送ベルト11’に接近して配置することとなる。そのため、転写紙が撓む十分な余裕をもって定着装置6を配置することが難しく、転写紙の先端が定着装置6に進入するときの衝撃(特に厚い転写紙で顕著となる)や、定着装置6を通過するときの転写紙の搬送速度と、シート搬送ベルト11’による転写紙の搬送速度との速度差により、定着装置6が上流側の画像形成に影響を及ぼしやすいのに対し、後者は、転写紙が撓む十分な余裕をもって定着装置6を配置可能であり、定着装置6がほとんど画像形成に影響を及ぼさないようにし得る。これらの点では、近年では、タンデム型において、間接転写方式が注目されてきている。
【0126】
また、画像形成装置は、いわゆるタンデム方式の画像形成装置ではなく、1つの像担持体としての感光体ドラム上に順次各色のトナー像を形成して各色トナー像を順次重ね合わせてカラー画像を得るいわゆるリボルバー現像、ロータリ現像を行う1ドラム方式の画像形成装置にも同様に適用することが可能である。この場合、被転写体は、かかる感光体ドラムから順次各色のトナー像を転写される場合には転写ベルト11と同様の構成となり、かかる感光体ドラム上において重ね合わされた各色のトナー像を一括で転写される場合にはシート搬送ベルト11’と同様の構成となる。
【0127】
1ドラム型とタンデム型とを比較すると、前者は、感光体ドラムが1つであるから、比較的小型化可能であり、コストも低減可能な利点はあるものの、1つの感光体ドラムを用いて複数回、本発明を適用する場合は5回の画像形成を繰り返してフルカラー画像、プロセスコントロール用の画像を形成するから、画像形成の高速化が難しく、これに対し、後者には、逆に大型化し、コスト高となり得るものの、画像形成の高速化が容易である利点がある。近年では、フルカラーもモノクロ並みのスピード要求が望まれることから、タンデム型が注目されてきている。
【0128】
その他、画像形成装置は、近年では、市場からの要求にともない、カラー複写機やカラープリンタなど、カラーのものが多くなってきているが、画像形成装置は、モノカラー画像のみを形成可能なものであっても良い。
このような画像形成装置に用いる現像剤は、上述の画像処理方法が適用可能であれば、二成分現像剤に限らず、一成分現像剤であっても良い。
【0129】
画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機でなく、これらの単体であっても良いし、その他、複写機とプリンタとの複合機等の他の組み合わせの複合機であっても良い。
【0130】
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0131】
80G、80BK 複数の現像手段
99 画像処理装置
100 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0132】
【特許文献1】特許第4332376号公報
【特許文献2】特開平09−326927号公報
【特許文献3】特開2000−305339号公報
【特許文献4】特開2005−284132号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された画像データに対応する画像を表現するための中間調トナーパターンを生成する画像処理方法であって、
濃淡の異なる複数種の同色トナーによる、ずれた位置に配される各濃度のトナーによるパターンを生成することで前記中間調トナーパターンを生成する画像処理方法。
【請求項2】
請求項1記載の画像処理方法において、
前記中間調トナーパターンが生成されるように、前記濃淡の異なる複数種の同色トナーによる、互いにずれた所定のパターンによって形成され重ね合せが行われる重ね合わせパターンを生成する重ね合せパターン生成ステップを有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項3】
請求項2記載の画像処理方法において、
第1のステップにおいて、各濃度のトナーによる第1のパターンを、最も薄い濃度から最も濃い濃度へ順に生成することを特徴とする画像形成方法。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか1つに記載の画像処理方法において、
前記中間調トナーパターンを万線スクリーンによって形成することを特徴とする画像処理方法。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか1つに記載の画像処理方法において、
所定の濃度よりも薄い濃度のトナーによるパターンを形成するトナーの明るさと、当該所定の濃度のトナーのチリの周辺の明るさとは、同じ明るさとなる関係を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか1つに記載の画像処理方法において、
前記各濃度のトナーによるパターンを、前記画像の濃度に対応するように、面積率を増加させながら生成することを特徴とする画像処理方法。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか1つに記載の画像処理方法によって前記中間調トナーパターンを生成する画像処理装置。
【請求項8】
請求項1ないし6の何れか1つに記載の画像処理方法によって生成された前記中間調トナーパターンを用いて画像形成を行う、または、請求項7記載の画像処理装置を有しこの画像処理装置によって生成された前記中間調トナーパターンを用いて画像形成を行う画像形成装置。
【請求項9】
請求項8記載の画像形成装置において、
前記各濃度のトナーによるパターンに対応したトナー像を形成するために、前記各濃度のトナーのそれぞれを用いて当該パターンに対応した静電潜像を現像するための複数の現像手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項8記載の画像形成装置であって、請求項5に従属した画像形成装置において、
前記複数の現像手段において用いる前記各濃度のトナーは、前記関係を満たすように、顔料量が調整されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
入力された画像データに対応する画像を表現するための中間調トナーパターンを生成する画像処理方法であって、
濃淡の異なる複数種の同色トナーによる、ずれた位置に配される各濃度のトナーによるパターンを生成することで前記中間調トナーパターンを生成する画像処理方法。
【請求項2】
請求項1記載の画像処理方法において、
前記中間調トナーパターンが生成されるように、前記濃淡の異なる複数種の同色トナーによる、互いにずれた所定のパターンによって形成され重ね合せが行われる重ね合わせパターンを生成する重ね合せパターン生成ステップを有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項3】
請求項2記載の画像処理方法において、
第1のステップにおいて、各濃度のトナーによる第1のパターンを、最も薄い濃度から最も濃い濃度へ順に生成することを特徴とする画像形成方法。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか1つに記載の画像処理方法において、
前記中間調トナーパターンを万線スクリーンによって形成することを特徴とする画像処理方法。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか1つに記載の画像処理方法において、
所定の濃度よりも薄い濃度のトナーによるパターンを形成するトナーの明るさと、当該所定の濃度のトナーのチリの周辺の明るさとは、同じ明るさとなる関係を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか1つに記載の画像処理方法において、
前記各濃度のトナーによるパターンを、前記画像の濃度に対応するように、面積率を増加させながら生成することを特徴とする画像処理方法。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか1つに記載の画像処理方法によって前記中間調トナーパターンを生成する画像処理装置。
【請求項8】
請求項1ないし6の何れか1つに記載の画像処理方法によって生成された前記中間調トナーパターンを用いて画像形成を行う、または、請求項7記載の画像処理装置を有しこの画像処理装置によって生成された前記中間調トナーパターンを用いて画像形成を行う画像形成装置。
【請求項9】
請求項8記載の画像形成装置において、
前記各濃度のトナーによるパターンに対応したトナー像を形成するために、前記各濃度のトナーのそれぞれを用いて当該パターンに対応した静電潜像を現像するための複数の現像手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項8記載の画像形成装置であって、請求項5に従属した画像形成装置において、
前記複数の現像手段において用いる前記各濃度のトナーは、前記関係を満たすように、顔料量が調整されていることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−92696(P2013−92696A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235363(P2011−235363)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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