説明

画像処理装置、および画像処理方法、並びにコンピュータ・プログラム

【課題】欠損部を有するデータについての欠損部解消修復処理を効率的にかつ正確に実行する装置、および方法を提供する。
【解決手段】例えば、原本と追記ドキュメントからの差分抽出によって取得される追記情報と、追記ドキュメントの細線化処理を実行して細線化追記抽出画像と、細線化追記ドキュメント画像を生成し、細線化追記ドキュメント画像の細線上において、細線化追記抽出画像に含まれる端点に対応する位置に、追跡ポイントを設定し細線に沿って移動させ、移動軌跡に対応する欠損線分画像を生成する。さらに、欠損線分画像と、欠損部を有する追記抽出画像との合成処理によって、修復追記抽出画像を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、および画像処理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。さらに詳細には、例えば追記情報の解析処理などにおいて行なわれる原本ドキュメントと追記ドキュメントとの差分データに含まれる欠損部の修復処理など、様々なデータ抽出処理によって得られた欠損部を含む線画データの修復を効率的に実行する画像処理装置、および画像処理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理の分野において、例えばプリンタやFAXなどから出力したドキュメントに、ユーザがペンや鉛筆、スタンプなどで追記した部分を抽出したり、セキュリティ文書が改竄されていないかどうかを検証する処理について、様々な研究、開発が行なわれている。一般的に、このような追記、改竄検証処理には、オリジナルのドキュメントデータと、追記等の可能性がある出力ドキュメントとの比較を行う処理が行なわれる。
【0003】
すなわち、追記の検出を行なおうとする文書をスキャナなどの画像読取装置でスキャンして得たスキャン画像データと、PCやプリンタなどに蓄積されている原本画像データとの差分を取り、追記画像データを得るというものである。
【0004】
ところが、この方法では、紙文書に元からあった文字や図形などと追記した部分に重なりがある場合、原本との差分を取って追記情報を得ようとした場合、取得された追記情報に、原本との重なり部分が含まれず、追記された文字や、図形などが途切れたデータとなってしまうという問題があった。
【0005】
このような問題点を解決することを目的とした従来技術として、例えば特許文献1がある。特許文献1は、スキャン画像から原本画像を差し引いた追記画像の途切れ修復に関する構成を開示しており、原本画像の黒画素を順次走査し、着目黒画素の8近傍に追記画像の黒画素があるとき、着目画素に相当する追記画像の画素を黒にするといった処理によって途切れを修復する構成を開示している。
【0006】
さらに、特許文献2は、スキャン画像から原本画像を差し引く差分処理により生成した追記画像から、途切れた追記の輪郭を作成し、輪郭画像から原稿画像を更に差し引くことで接続すべき端点の座標と接続方向を検出し、さらに、その端点位置と接続方向の情報から端点同士を接続し閉曲線を構成しその内部を着色することにより、途切れの発生してしまった検出追記情報を接続して、途切れを修復した追記情報を取得する構成を開示している。
【0007】
しかし、追記情報を検出しようとする文書のスキャン画像には画質の劣化、すなわち、かすれ具合や色合いに変化が発生している可能性が高く、場合によっては、プリントおよび追記の後、何回かコピーされているかも知れない。特に追記部分はかすれなど画質劣化が激しいため、追記情報を検出しようとする文書のスキャン画像から抽出した追記部分の輪郭は、直線ではなくジグザグになる場合が多い。このため、端点および補間方向の特定が困難となり、上記の特許文献の手法を適用しても、完全な形の修復した追記情報を取得することが困難となるという問題がある。
【0008】
また、途切れを修復して追記情報を取得する構成において、直線の途切れのように接続すべき端点が容易に発見される場合は、大きな問題がないが、ペンや鉛筆などによって追記された文字など、複雑な線分を持つ追記情報における途切れ修復においては、接続すべき端点を正確に発見することは困難となる。上記の特許文献の手法を適用しても、正確な途切れ修復は困難である。
【特許文献1】特開平08−063546号公報
【特許文献2】特開2004−213230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、例えばドキュメントからの追記情報抽出処理において、追記情報抽出対象文書と原本との差分に基づいて抽出される差分データなどに含まれる欠損部を、効率的に正確に修復することを可能とするものであり、特に複雑な文字などに発生した途切れを、より正確に接続して修復可能とした画像処理装置、および画像処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の側面は、
欠損部を有する修復対象データを入力し、欠損部を解消した復元データを生成する画像処理を実行する画像処理装置であり、
原本ドキュメントに対して追記処理のなされた追記ドキュメントに基づく追記ドキュメント画像データを入力し、該追記ドキュメント画像から追記情報を抽出した追記抽出画像を生成する追記情報抽出手段と、
前記追記情報抽出手段の生成した追記抽出画像に含まれる追記情報の細線化処理を実行して細線化追記抽出画像を生成する第1の細線化手段と、
前記追記ドキュメントに含まれる情報の細線化処理を実行して細線化追記ドキュメント画像を生成する第2の細線化手段と、
前記細線化追記ドキュメント画像の細線上において、前記細線化追記抽出画像に含まれる端点に対応する位置に、追跡ポイントを設定して該追跡ポイントを前記細線化追記ドキュメント画像の細線に沿って移動させ、該移動軌跡に基づく欠損線分画像を生成する欠損線分特定手段と、
前記欠損線分特定手段の生成する欠損線分画像と、前記追記情報抽出手段の生成する追記抽出画像との合成処理によって、修復追記抽出画像を生成する合成手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置にある。
【0011】
さらに、本発明の画像処理装置の一実施態様において、前記欠損線分特定手段は、追跡ポイントを前記細線化追記ドキュメント画像の細線に沿って移動させ、予め定めた移動終了条件に基づいて移動を終了させ、移動開始から移動終了までの移動軌跡を欠損線分として設定する処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の画像処理装置の一実施態様において、前記欠損線分特定手段は、前記追跡ポイントの移動終了条件として、
(a)ある追跡ポイントと、他の追跡ポイントの位置が同じになったとき、これら同一位置に達した複数の追跡ポイントの移動を終了させる、
(b)追跡ポイントが、細線化追記抽出画像に含まれる細線に相当する位置に達したとき、その追跡ポイントの移動を終了させる、
(c)ある追跡ポイントの移動終了時に、該移動終了追跡ポイントが交点、分岐点を通過している場合、その交点、分岐点において発生させた追跡ポイントの移動を終了させる、
上記(a)〜(c)の終了条件に基づいて、少なくとも1つの条件が成立したとき、追跡ポイントの移動を終了させる構成であることを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の画像処理装置の一実施態様において、前記追記情報抽出手段は、原本ドキュメント画像データと、前記追記ドキュメント画像データを入力し、2つの入力画像データの差分を抽出する差分抽出手段によって構成されることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明の画像処理装置の一実施態様において、前記追記情報抽出手段は、追記ドキュメント画像データを入力し、該追記ドキュメント画像データから特定の色の記録情報を追記情報として抽出する色抽出手段によって構成されることを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明の画像処理装置の一実施態様において、前記追記情報抽出手段は、追記ドキュメント画像データを入力し、該追記ドキュメント画像データから罫線情報を削除し、罫線情報以外の情報を追記情報として抽出する罫線分離手段によって構成されることを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明の画像処理装置の一実施態様において、前記画像処理装置は、さらに、前記追記情報抽出手段の生成した追記画像データに含まれる追記情報の膨張処理を実行して膨張処理画像データを生成する膨張処理手段を有し、前記第1の細線化手段は、前記膨張処理手段の生成した膨張処理画像の細線化処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明の画像処理装置の一実施態様において、前記画像処理装置は、さらに、前記合成手段の生成した修復追記抽出画像に含まれる追記情報の膨張処理を実行して膨張処理画像データを生成する膨張処理手段を有することを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明の第2の側面は、
欠損部を有する修復対象データを入力し、欠損部を解消した復元データを生成する画像処理を実行する画像処理方法であり、
原本ドキュメントに対して追記処理のなされた追記ドキュメントに基づく追記ドキュメント画像データを入力し、該追記ドキュメント画像から追記情報を抽出した追記抽出画像を生成する追記情報抽出ステップと、
前記追記情報抽出ステップにおいて生成した追記抽出画像に含まれる追記情報の細線化処理を実行して細線化追記抽出画像を生成する第1の細線化ステップと、
前記追記ドキュメントに含まれる情報の細線化処理を実行して細線化追記ドキュメント画像を生成する第2の細線化ステップと、
前記細線化追記ドキュメント画像の細線上において、前記細線化追記抽出画像に含まれる端点に対応する位置に、追跡ポイントを設定して該追跡ポイントを前記細線化追記ドキュメント画像の細線に沿って移動させ、該移動軌跡に基づく欠損線分画像を生成する欠損線分特定ステップと、
前記欠損線分特定ステップにおいて生成する欠損線分画像と、前記追記情報抽出ステップにおいて生成する追記抽出画像との合成処理によって、修復追記抽出画像を生成する合成ステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法にある。
【0019】
さらに、本発明の画像処理方法の一実施態様において、前記欠損線分特定ステップは、追跡ポイントを前記細線化追記ドキュメント画像の細線に沿って移動させ、予め定めた移動終了条件に基づいて移動を終了させ、移動開始から移動終了までの移動軌跡を欠損線分として設定する処理を実行するステップであることを特徴とする。
【0020】
さらに、本発明の画像処理方法の一実施態様において、前記欠損線分特定ステップは、前記追跡ポイントの移動終了条件として、
(a)ある追跡ポイントと、他の追跡ポイントの位置が同じになったとき、これら同一位置に達した複数の追跡ポイントの移動を終了させる、
(b)追跡ポイントが、細線化追記抽出画像に含まれる細線に相当する位置に達したとき、その追跡ポイントの移動を終了させる、
(c)ある追跡ポイントの移動終了時に、該移動終了追跡ポイントが交点、分岐点を通過している場合、その交点、分岐点において発生させた追跡ポイントの移動を終了させる、
上記(a)〜(c)の終了条件に基づいて、少なくとも1つの条件が成立したとき、追跡ポイントの移動を終了させることを特徴とする。
【0021】
さらに、本発明の画像処理方法の一実施態様において、前記追記情報抽出ステップは、原本ドキュメント画像データと、前記追記ドキュメント画像データを入力し、2つの入力画像データの差分を抽出する差分抽出処理を実行するステップであることを特徴とする。
【0022】
さらに、本発明の画像処理方法の一実施態様において、前記追記情報抽出ステップは、追記ドキュメント画像データを入力し、該追記ドキュメント画像データから特定の色の記録情報を追記情報として抽出する色抽出処理を実行するステップであることを特徴とする。
【0023】
さらに、本発明の画像処理方法の一実施態様において、前記追記情報抽出ステップは、追記ドキュメント画像データを入力し、該追記ドキュメント画像データから罫線情報を削除し、罫線情報以外の情報を追記情報として抽出する罫線分離処理を実行するステップであることを特徴とする。
【0024】
さらに、本発明の画像処理方法の一実施態様において、前記画像処理方法は、さらに、前記追記情報抽出ステップにおいて生成した追記画像データに含まれる追記情報の膨張処理を実行して膨張処理画像データを生成する膨張処理ステップを有し、前記第1の細線化ステップは、前記膨張処理ステップにおいて生成した膨張処理画像の細線化処理を実行することを特徴とする。
【0025】
さらに、本発明の画像処理方法の一実施態様において、前記画像処理方法は、さらに、前記合成ステップにおいて生成した修復追記抽出画像に含まれる追記情報の膨張処理を実行して膨張処理画像データを生成する膨張処理ステップを有することを特徴とする。
【0026】
さらに、本発明の第3の側面は、
欠損部を有する修復対象データを入力し、欠損部を解消した復元データを生成する画像処理を画像処理装置において実行させるコンピュータ・プログラムであり、
原本ドキュメントに対して追記処理のなされた追記ドキュメントに基づく追記ドキュメント画像データを入力し、該追記ドキュメント画像から追記情報を抽出した追記抽出画像を生成する追記情報抽出ステップと、
前記追記情報抽出ステップにおいて生成した追記抽出画像に含まれる追記情報の細線化処理を実行して細線化追記抽出画像を生成する第1の細線化ステップと、
前記追記ドキュメントに含まれる情報の細線化処理を実行して細線化追記ドキュメント画像を生成する第2の細線化ステップと、
前記細線化追記ドキュメント画像の細線上において、前記細線化追記抽出画像に含まれる端点に対応する位置に、追跡ポイントを設定して該追跡ポイントを前記細線化追記ドキュメント画像の細線に沿って移動させ、該移動軌跡に基づく欠損線分画像を生成する欠損線分特定ステップと、
前記欠損線分特定ステップにおいて生成する欠損線分画像と、前記追記情報抽出ステップにおいて生成する追記抽出画像との合成処理によって、修復追記抽出画像を生成する合成ステップと、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラムにある。
【0027】
なお、本発明のコンピュータ・プログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能なコンピュータシステムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体、例えば、CDやFD、MOなどの記録媒体、あるいは、ネットワークなどの通信媒体によって提供可能なコンピュータ・プログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータシステム上でプログラムに応じた処理が実現される。
【0028】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【発明の効果】
【0029】
本発明の構成によれば、例えば原本ドキュメントと、追記データの付加された追記ドキュメントの差分データのように欠損部を有するデータについての欠損部を解消する修復処理を効率的にかつ正確に実行することができる。具体的には、本発明の画像処理装置では、追記抽出画像に含まれる欠損部を有する追記情報の細線化処理を実行して細線化追記抽出画像を生成し、追記ドキュメントに含まれる情報の細線化処理を実行して細線化追記ドキュメント画像を生成する。さらに、細線化追記ドキュメント画像の細線上において、細線化追記抽出画像に含まれる端点に対応する位置に、追跡ポイントを設定して該追跡ポイントを細線に沿って移動させ、移動軌跡に対応する欠損線分画像を生成する。さらに、この欠損線分画像と、追記情報抽出手段の生成する欠損部を有する追記抽出画像との合成処理によって、修復追記抽出画像を生成する構成としたので、追記抽出画像に含まれる欠損部を、より正確に修復することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る画像処理装置、および画像処理方法、並びにコンピュータ・プログラムの詳細について説明する。
【0031】
まず、図1以下を参照して、本発明の画像処理装置を適用した処理の概要について説明する。本発明の画像処理装置は、例えば図1に示す原本ドキュメント10、および、原本ドキュメント10に対してコメントやアンダーラインなどの様々なメモ書きを含む追記ドキュメント20とから、差分を抽出して追記されたデータを取得する処理において、差分データの欠損部を修復する処理を行なう。なお、本発明の画像処理装置は、差分データのみならず、その他、様々な処理によって得られた欠損部を有するデータにおける欠損部を解消する処理に適用可能である。
【0032】
図1に示す例は、その1つの処理例であり、原本ドキュメント10と、追記ドキュメント20とをスキャナ30によって読み取り、原本ドキュメント画像データと、追記ドキュメント画像データを画像処理装置100に入力して、差分情報取得処理を行い、差分データに含まれる欠損部の修復を行なって追記情報を出力する処理である。
【0033】
背景技術の欄において説明したように、従来の差分抽出では、原本と追記との重なり部分が途切れた情報が取得されるという問題がある。例えば図2に示すように、原本ドキュメント51と、追記ドキュメント52がある場合、本来追記情報は、線分データ53であるにもかかわらず、原本ドキュメント51と、追記ドキュメント52からの差分データを取得すると、追記抽出情報55に示すように、原本ドキュメント51と、追記ドキュメント52が途切れたデータとして検出され、正しい追記データの検出ができない。本発明では、これらの途切れを修復する処理を画像処理装置100において実行する。
【0034】
なお、本発明における画像処理では、図2に示す差分データに基づいて検出された追記情報の修復処理のみではなく、その他の手法によって取得された様々な欠損部を含む途切れたデータの修復も実行することができる。例えば、図3(A)は、原本画像を適用することなく、追記ドキュメント61画像のみから追記抽出情報62を抽出した処理例を示している。
【0035】
例えば、追記データが原本画像データに含まれる異なる色(例えば赤)で記録されている場合、この追記色データのみを追記ドキュメント61から抽出する処理によって、追記抽出情報62が取得される。しかしこの場合も、原本データとの重なり部分は、途切れた画像として追記情報が取得される。
【0036】
また、図3(B)は、罫線付きドキュメント71から罫線を除去した罫線除去情報72を取得した処理構成を示している。このような処理を行った場合、罫線部としての直線を除去することで、罫線との重なり部が除去されたデータが出力され、本来のデータの一部が欠落してしまう。
【0037】
本発明の画像処理装置100では、このような途切れ、欠落部を持つ画像データについて、欠損部を解消して、途切れのないデータを効率的にかつ正確に生成する処理を行なう。
【0038】
本発明の画像処理装置の構成および処理の詳細について、図4以下を参照して説明する。まず、図4に本発明の画像処理装置のブロック図を示す。なお、以下の実施例では、図4に示すように、原本ドキュメント画像データ151と追記ドキュメント画像データ152を入力して差分を検出し、検出した差分データに基づいて途切れの修復を行なう処理例を説明するが、前述したように、本発明の画像処理装置は、差分データに限らず、欠損部(途切れ部分)を持つ様々なデータについての修復に適用可能である。
【0039】
本発明の一実施例の画像処理装置は、図4に示すように、差分抽出手段201、細線化手段202、細線化手段204、欠損部特定手段210、画素値変更処理手段(合成手段)221を有する。欠損部特定手段210は、追跡ポイント生成手段211、追跡ポイント移動手段212、追跡終了判定手段213から構成される。以下、これらの各処理手段の実行する処理について説明する。
【0040】
[差分抽出手段]
差分抽出手段201は、スキャナなどに読み取られた画像データとしての原本ドキュメント画像データ151と、原本に含まれない追記を含む追記ドキュメント画像データ152を入力して、これらのドキュメントから差分を抽出する。すなわち、追記された情報を2つのドキュメントの差分情報として読み取る。
【0041】
差分抽出手段201は、位置合わせの行われた原本ドキュメント画像データ151と追記ドキュメント画像データ152との差分を抽出して、追記抽出画像データ153を出力する。この処理は、従来の処理と同様であり、特開2004−213230、特開2004−341914等に記載された処理と同様の処理として実行される。たとえば、原本ドキュメント画像データ151の座標位置(x,y)と、追記ドキュメント画像データ152の対応座標位置(x,y)の差分の有無を検出し、差分が存在する場合にのみデータを抽出する。
【0042】
差分抽出処理例について図5を参照して説明する。図5に示す例は、原本ドキュメント251と、追記ドキュメント252から差分抽出処理例を示している。追記ドキュメント252には、元々の原本ドキュメント251には含まれない追記された追記情報253が含まれる。
【0043】
差分抽出手段201は、原本ドキュメント251と、追記ドキュメント252から差分抽出を行なって、追記抽出画像データ254を生成する。ただし、図から理解されるように、差分抽出によって得られる追記抽出画像データ254に含まれる抽出情報は、原本データとの重なり部(図に示す原本に元々記載のある文字[ますか]との重なり部)が途切れた不完全な追記データである。この追記抽出画像データが、図4に示す差分抽出手段201の出力する追記抽出画像データ153に相当する。
【0044】
[細線化手段]
細線化手段202、細線化手段204は、それぞれ、追記抽出画像データ153と、追記ドキュメント画像データ152の細線化処理を実行する。細線化処理は、処理対象の画像に含まれる線分を、例えば1画素の幅を持つ細線データとする処理である。
【0045】
図6に細線化手段202、細線化手段204の実行する細線化処理の具体例を示す。細線化手段202は、差分抽出によって抽出した追記情報のみからなる追記抽出画像データの細線化処理を実行する。図6(a)に示す追記抽出画像データ254の細線化によって、細線化追記抽出画像255を生成して欠損線分特定手段210の追跡ポイント生成手段211に出力する。
【0046】
一方、図4に示す細線化手段204は、原本情報および追記情報の双方を含む追記ドキュメント画像データを入力して細線化処理を実行する。図6(b)に示す追記ドキュメント252の細線化によって、細線化追記ドキュメント256を生成して欠損線分特定手段210の追跡ポイント生成手段211に出力する。
【0047】
なお、追記抽出画像データ153の細線化処理の前ステップとして、追記抽出画像データ153に対して膨張処理を施して、太線化を施して、微小な欠損部を消滅させた後、細線化処理を実行する構成としてもよい。膨張処理(太線化処理)は、線分等の有効画像領域を上下左右にn画素膨らませる処理である。この膨張処理によって、微小な欠損部を消滅させることが可能となる。その後、細線化処理を実行することで、比較的大きな欠損部のみが残った細線化データを生成することができる。
【0048】
[欠損線分特定手段]
欠損部特定手段210は、図4に示すように、追跡ポイント生成手段211と、追跡ポイント移動手段212と、追跡終了判定手段213から構成される。以下、これらの各処理手段の実行する処理について説明する。
【0049】
欠損部特定手段210は、細線化手段202から、差分抽出によって抽出した追記情報のみからなる追記抽出画像データの細線化処理結果としての細線化追記抽出画像を入力し、さらに、細線化手段204から、原本情報および追記情報の双方を含む追記ドキュメント画像データの細線化処理結果としての細線化追記ドキュメントを入力する。
【0050】
まず、追跡ポイント生成手段211は、細線化手段202から、差分抽出によって抽出した追記情報のみからなる追記抽出画像データの細線化処理結果としての細線化追記抽出画像から細線化データの端点を、追跡ポイントとして抽出する。図7を参照して具体的処理について説明する。
【0051】
細線化追記抽出画像255は、細線化手段202から入力する画像であり、差分抽出によって抽出した追記情報のみからなる追記抽出画像データの細線化処理結果画像である。追跡ポイント生成手段211は、この細線化追記抽出画像255から細線化データの端点を抽出する。図7に示す画像261は、細線化追記抽出画像255の一部領域のみを抽出して示した画像である。図7に示す端点設定画像261では、細線化データの端点S1,S2が抽出される。
【0052】
さらに、追跡ポイント生成手段211は、細線化手段204の出力する細線化追記ドキュメント256において、細線化追記抽出画像255から検出された端点S1,S2の対応位置を検出し、この各ポイントを追跡ポイントP1,P2・・として設定する。図7に示す追跡ポイント設定画像262である。基本的には、細線化追記ドキュメント上の追跡ポイントPnは、細線化されたライン上に設定される。ただし、細線化処理の状況によっては、追跡ポイントがライン上に設定されない場合がある。この場合は、端点Snに対応する細線化追記ドキュメント256上の位置に最も近い細線化ライン上の位置に追跡ポイントPnとして設定する。なお、図7に示す追跡ポイント設定画像262では、2つの追跡ポイントP1,P2の設定例を示しているが、追跡ポイント生成手段211は、追記抽出画像データの細線化処理結果画像に含まれるすべての端点Snに対応する追跡ポイントPnを、細線化追記ドキュメント上に設定する。
【0053】
次に、追跡ポイント移動手段212は、追跡ポイント生成手段211が細線化追記ドキュメント上に設定した追跡ポイントPnを細線化追記ドキュメント上の細線に沿って1画素ずつ移動させる処理を実行する。追跡方向は、細線化追記ドキュメント上の細線上で、細線化追記抽出画像255に含まれない細線が存在する方向とする。なお、この処理において、細線の分岐、交点に至った場合は、追跡ポイントを増加する細線に応じて増加させて移動を行なう。
【0054】
追跡終了判定手段213は、追跡ポイント移動手段212において実行される追跡ポイントPnの移動を、予め定めた条件に基づいて終了させる。終了条件を以下に示す。
(終了条件1)ある追跡ポイントと、他の追跡ポイントの位置が同じになったとき、これら同一位置に達した複数の追跡ポイントの移動を終了させる。
(終了条件2)追跡ポイントが、細線化追記抽出画像に含まれる細線に相当する位置に達したとき、その追跡ポイントの移動を終了させる。
(終了条件3)ある追跡ポイントの移動を終了させる際、該移動終了追跡ポイントが交点、分岐点を通過している場合、その交点、分岐点において新たに発生された追跡ポイントの移動を終了させる。
【0055】
追跡終了判定手段213は、追跡ポイント移動手段212において実行される追跡ポイントPnの移動を、上記終了条件1〜3のいずれかに該当する場合に、移動を終了させる。
【0056】
上述した追跡ポイント生成手段211における追跡ポイント設定処理と、追跡ポイント移動手段212における追跡ポイント移動処理と、追跡終了判定手段213における追跡ポイント移動終了処理、これらの処理によって、細線化追記ドキュメント上に設定した追跡ポイントPnは、細線化追記ドキュメント上の細線に沿ってある軌跡を残す。欠損線分特定手段210は、この軌跡を欠損線分として、合成手段221に出力する。
【0057】
[合成手段]
合成手段221は、欠損線分特定手段210が、追跡ポイントPnの移動処理によって形成された軌跡情報としての欠損線分と、細線化手段202が追記抽出画像データ153から生成した細線化追記抽出画像データの合成処理を実行して、修復追記抽出画像データ154を生成して出力する。
【0058】
合成手段221の処理例について、図8を参照して説明する。図8に示す細線化追記抽出画像255は、細線化手段202が追記抽出画像データ153から生成した細線化追記抽出画像データである。また、図8に示す欠損線分特定手段出力画像271は、欠損線分特定手段210が、追跡ポイントPnの移動処理によって形成された軌跡情報としての欠損線分によって構成される画像である。この画像にはa,b,c,d,eの5つの欠損線分が含まれる。これらの線分は、上述した追跡ポイントPnの移動処理によって生成された線分である。
【0059】
合成手段221は、これら図8に示す細線化追記抽出画像255と、欠損線分特定手段出力画像271の合成処理を実行する。この結果、図8に示す修復追記抽出画像データ281が生成される。この修復追記抽出画像データ281は、図4に示す合成手段221の出力する修復追記抽出画像データ154に相当する。
【0060】
図8に示す欠損線分特定手段出力画像271は、図8に示す細線化追記抽出画像255の欠損部に相当する線分によって構成される。この線分は、欠損線分特定手段210における追跡ポイントの移動処理によって生成される線分である。欠損線分特定手段210では、原本情報と追記情報の双方を含む追記ドキュメント画像データの細線化データ上の細線上を移動させることで、線分a〜eを抽出している。
【0061】
追跡ポイントの移動処理を実行する原本情報と追記情報の双方を含む追記ドキュメント画像データの細線化データ上には、追記抽出画像における欠損部に相当する線分に基づく細線が含まれている。従って、先に図7を参照して説明した端点Snに相当する追跡ポイントPnを設定して細線上を移動させることで、図8に示す線分a〜eが生成される。これらの線分a〜eは、細線化追記抽出画像255の欠損部に相当する線分として合成手段221に出力され、合成処理によって図8に示す細線化追記抽出画像255の欠損部が、欠損線分特定手段出力画像271の出力する画像に含まれる線分によって修復され、図8に示す修復追記抽出画像データ281が生成される。
【0062】
なお、修復追記抽出画像データは細線化されたままであるため、このデータに対して膨張処理を施して、太線化して出力する構成としてもよい。膨張処理(太線化処理)は、線分等の有効画像領域を上下左右にn画素膨らませる処理である。この処理により、細線化データは膨張し太線に復元される。
【0063】
次に、図9、図10に示すフローチャートを参照して、図4に示す画像処理装置において実行する処理シーケンスについて説明する。まず、ステップS101において、追記情報を含む追記ドキュメント画像データを取得する。これは、例えばスキャナなどによって読み取られた画像データである。さらに、ステップS102において、追記を含まない原本ドキュメント画像データを取得する。これも、例えばスキャナなどによって読み取られた画像データである。
【0064】
ステップS103では、これらの2つの画像データに基づく差分抽出処理を実行する。図4に示す差分抽出手段201における処理であり、この結果として追記抽出画像データが生成される。ただし、この追記抽出画像データは、追記情報と、原本情報の重なり部が欠落した欠損部を含むデータとなる。
【0065】
次に、ステップS104において、差分抽出手段201の生成した欠損部を含む追記抽出画像データの細線化処理と、原本および追記情報を含む追記ドキュメント画像データの細線化処理を実行する。この処理は、図4に示す細線化手段202,204の処理である。
【0066】
以下、ステップS105から、ステップS125までの処理は、図4に示す欠損線分特定手段210の処理である。まず、ステップS105において、細線化追記抽出画像から端点Siを抽出する。抽出した端点の総数をN1とする。この処理は、先に図7を参照して説明した処理である。
【0067】
次に、ステップS106において、端点の番号iの初期化処理としてi=1と設定する。次にステップS107において、細線化追記ドキュメント画像中の端点Siに対応する位置に追跡ポイントPiを設定する。
【0068】
ステップS108aにおいて、iが端点総数N1に至ったかを判定する。至っていない場合は、ステップS108bにおいてiを1つ増加させて、端点Siに対応する追跡ポイントPiの設定を継続する。端点総数N1に相当する追跡ポイントPnが細線化追記ドキュメント画像に設定されると、ステップS109に進む。
【0069】
ステップS109では、追跡ポイントの移動ドット数[d]の初期設定として、d=0の設定を行う。ステップS110において、追跡ポイントPiの総数を算出し、これをN2とする。ステップS111において、追跡ポイントPiの1つを選択し、P1とする。次に、ステップS112において、追跡ポイントPiを細線化追記ドキュメント画像上の細線上で1画素移動させる。ステップS113では、移動した追跡ポイントの状況判定を実行する。
【0070】
ステップS114:行き止まりと判定された場合は、ステップS114からステップS120に進み、追跡終了とする。
ステップS115:他の追跡ポイントと重なった場合は、ステップS119において、追跡ポイントの移動軌跡をオン画素に変更、すなわち、有効な欠損線分構成画素として設定し、ステップS121において追跡を終了する。なお、この追跡終了に際しては、追跡ポイントの移動過程で、交差点または分岐点の発生にともなって新たに発生させた追跡ポイントがある場合は、その発生追跡ポイントも終了させる。
【0071】
ステップS116:追跡ポイントの移動位置が、細線化追記抽出画像上の細線上の位置に一致したと判定された場合は、ステップS119において、追跡ポイントの移動軌跡をオン画素に変更、すなわち、有効な欠損線分構成画素として設定し、ステップS121において追跡を終了する。なお、この追跡終了に際しては、追跡ポイントの移動過程で、交差点または分岐点の発生にともなって新たに発生させた追跡ポイントがある場合は、その発生追跡ポイントも終了させる。
【0072】
ステップS117:追跡ポイントが交点または分岐点に達したと判定されると、ステップS122に進み、交点または分岐点において増加する細線数に応じて追跡ポイントを分割して、新たな追跡ポイントを追加する。
【0073】
ステップS118、上記ステップS114〜S117のいずれにも該当しない場合は、ステップS123に進む。
【0074】
ステップS123では、次の追跡ポイントの処理に移行するため、追跡ポイントPiの識別番号iを1つ増加させる更新処理を実行し、ステップS124aにおいて、iが追跡ポイント総数以下であるか否かを判定し、iが追跡ポイント総数以下である場合は、ステップS112に戻り、次の追跡ポイントの1画素移動および状況判定処理を実行する。
【0075】
全ての追跡ポイントPiについての1画素移動および状況判定処理が終了すると、ステップS125に進み、移動ドット数[d]を1つ増加させて、ステップS126において、予め設定済みのドット移動数の上限閾値と比較し、移動ドット数が上限値に達していない場合は、ステップS110以下の処理を繰り返し実行する。すなわち、この時点で設定されている追跡ポイントの総数を算出して、すべての追跡ポイントについて1ドット移動させて状況判定処理を実行する処理を行なう。
【0076】
すべての追跡ポイントが、
状況判定処理によって終了された、あるいは、
移動ドット数が上限閾値に達した、
これらのいずれかに対応する状況となると、ステップS126からステップS127に進む。このステップS126の判定がNoと判定されることで、図4に示す欠損線分特定手段210の処理が終了し、欠損線分特定手段210から出力データが合成手段221に出力される。この出力データは、例えば先に図8を参照して説明した欠損線分特定手段出力画像271である。
【0077】
すなわち、欠損線分特定手段210は、追跡ポイントPnの移動処理によって形成された軌跡情報としての欠損線分によって構成される欠損線分特定手段出力画像を合成手段221に出力する。合成手段221は、ステップS127において、追記抽出画像に基づいて生成された細線化追記抽出画像と、欠損線分特定手段出力画像の合成処理を実行する。この結果、例えば、図8に示す修復追記抽出画像データ281が生成される。修復追記抽出画像データは、細線化追記抽出画像に含まれる欠損部が修復された画像とされる。なお、前述したように、この細線化データを膨張処理によって太線化する処理を施す構成としてもよい。
【0078】
上述したように、本発明の画像処理装置においては、例えば原本ドキュメントと追記ドキュメントの差分抽出によって得られた追記情報に含まれる欠損部を、欠損線分特定手段において生成した欠損線分によって補うことが可能となり、正確な欠損部の修復が実現され、正確な追記データを取得することが可能となる。
【0079】
なお、図4に示す画像処理装置では、まず、原本ドキュメント画像データ151と、原本に含まれない追記を含む追記ドキュメント画像データ152を、差分抽出手段201に入力して差分抽出によって、追記情報を抽出する処理を行なう構成としていた。
【0080】
差分抽出を実行する場合は、原本ドキュメントが必要となるが、追記ドキュメントのみを入力として、追記情報を抽出することが可能となる場合もある。例えば、原本の記録情報が全て黒で記録され、追記が全て赤で記録されている追記ドキュメントである場合は、追記ドキュメントから赤で記録された情報のみを抽出する色識別処理によって、追記情報の抽出が可能となる。
【0081】
このような画像処理装置構成を図11に示す。図11に示す画像処理装置と、図4に示す画像処理装置との差異は、図4における差分抽出手段201を、図11では、追記抽出手段301に変更し、入力情報を追記ドキュメント画像データ152のみとした点である。その他の構成および処理は、図4以下を参照して説明した処理、構成と同様である。
【0082】
図11に示す画像処理装置は、原本ドキュメントに含まれる文字情報などの色と、追記された情報の色が異なる場合に適用可能である。例えば、原本がすべて黒の文字、線分によって記録され、追記が赤で行なわれた場合などである。追記抽出手段301は、追記を含む追記ドキュメント画像データ152を入力し、追記ドキュメント画像データ152から、追記情報の対応する色(例えば赤)を持つ情報を追記情報として抽出する。なお、追記情報の色情報については、ユーザが入力するなどの処理を行なうことになる。
【0083】
この追記抽出手段301において抽出された追記情報は、先に図4を参照して説明した差分抽出手段201の生成する追記情報と同様、やはり、原本に含まれる情報との重なりに途切れが発生する場合がある。例えば原本に含まれる黒の文字上に記録された追記された赤色が正確に赤とは認識されず、黒と認識される場合があり、追記抽出手段301がこのような重なり部分を追記情報と識別しない場合があるからである。
【0084】
このような途切れ部分は、先に図4以下を参照して説明した実施例と同様、細線化処理手段202,204、欠損線分特定手段210、および合成手段221における処理によって修復され、最終的に正確な追記情報からなる修復追記抽出画像データ154が生成される。
【0085】
さらに、図12を参照して、差分抽出手段の代わりに罫線分離手段401を利用した構成例について説明する。この図12に示す構成と図4に示す構成との差異は、図4に示す差分抽出手段201を罫線分離手段401に変更し、入力情報を追記ドキュメント画像データ152のみとした点である。その他の構成および処理は、図4以下を参照して説明した処理、構成と同様である。
【0086】
図12に示す画像処理装置は、原本ドキュメントが、例えば表などの罫線情報によって構成され、その表に文字などを追記情報として記録した場合に、罫線を含まない追記情報としての文字情報などを抽出する場合に有効となる。罫線分離手段401は、追記を含む追記ドキュメント画像データ152を入力し、追記ドキュメント画像データ152から、罫線のみを削除した追記情報を抽出する。
【0087】
この罫線分離手段401において抽出された追記情報は、先に図4を参照して説明した差分抽出手段201の生成する追記情報と同様、やはり、原本に含まれる情報との重なりに途切れが発生する場合がある。例えば原本に含まれる罫線上に記録された追記情報は、罫線情報として削除され、抽出される追記情報に含まれなくなるからである。
【0088】
このような途切れ部分は、先に図4以下を参照して説明した実施例と同様、細線化処理手段202,204、欠損線分特定手段210、および合成手段221における処理によって修復され、最終的に正確な追記情報からなる修復追記抽出画像データ154が生成される。
【0089】
最後に、図13を参照して、上述した処理を実行する画像処理装置のハードウェア構成例について説明する。図13に示す構成は、例えばPCなどの情報処理装置と、スキャナ等の画像データ読み取り部531と、プリンタなどの画像データ出力部532を備えたハード構成例を示している。
【0090】
CPU(Central Processing Unit)501は、上述の実施例において説明した各種のデータ処理、すなわち、差分データなどの欠損部を含むデータの抽出処理、処理対象データに対する細線化処理、欠損線分特定処理、合成処理、膨張処理などを含む一連の処理を実行する。制御手段としてのCPU501は、これらの処理の実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムに従った処理を実行する。
【0091】
ROM(Read Only Memory)502は、CPU501が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memory)503は、CPU501の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス504により相互に接続されている。
【0092】
ホストバス504は、ブリッジ505を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス506に接続されている。
【0093】
キーボード508、ポインティングデバイス509は、ユーザにより操作される入力デバイスである。ディスプレイ510は、液晶表示装置またはCRT(Cathode Ray Tube)などから成り、各種情報をテキストやイメージ情報として表示する。
【0094】
HDD(Hard Disk Drive)511は、ハードディスクを内蔵し、ハードディスクを駆動し、CPU501によって実行するプログラムや情報を記録または再生させる。ハードディスクは、原本ドキュメント画像データ、追記ドキュメント画像データ等の情報、各種処理において生成されるデータなどを格納する。さらに、各種のデータ処理プログラム等、各種コンピュータ・プログラムが格納される。
【0095】
ドライブ512は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体521に記録されているデータまたはプログラムを読み出して、そのデータまたはプログラムを、インタフェース507、外部バス506、ブリッジ505、およびホストバス504を介して接続されているRAM503に供給する。リムーバブル記録媒体521も、ハードディスクと同様のデータ記録領域として利用可能である。
【0096】
接続ポート514は、外部接続機器522を接続するポートであり、USB,IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート514は、インタフェース507、および外部バス506、ブリッジ505、ホストバス504等を介してCPU501等に接続されている。通信部515は、ネットワークに接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。データ読み取り部531は、ドキュメントの読み取り処理を実行し、データ出力部532は、ドキュメントデータの出力処理を実行する。
【0097】
なお、図13に示す画像処理装置のハードウェア構成例は、1つの装置例を示すものであり、本発明の画像処理装置は、図13に示す構成に限らず、上述した実施例において説明した処理を実行可能な構成であればよい。
【0098】
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0099】
なお、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0100】
例えば、プログラムは記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことができる。あるいは、プログラムはフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0101】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0102】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【産業上の利用可能性】
【0103】
以上、説明したように、本発明の構成によれば、例えば原本ドキュメントと、追記データの付加された追記ドキュメントの差分データのように欠損部を有するデータについての欠損部を解消する修復処理を効率的にかつ正確に実行することができる。具体的には、本発明の画像処理装置では、追記抽出画像に含まれる欠損部を有する追記情報の細線化処理を実行して細線化追記抽出画像を生成し、追記ドキュメントに含まれる情報の細線化処理を実行して細線化追記ドキュメント画像を生成する。さらに、細線化追記ドキュメント画像の細線上において、細線化追記抽出画像に含まれる端点に対応する位置に、追跡ポイントを設定して該追跡ポイントを細線に沿って移動させ、移動軌跡に対応する欠損線分画像を生成する。さらに、この欠損線分画像と、追記情報抽出手段の生成する欠損部を有する追記抽出画像との合成処理によって、修復追記抽出画像を生成する構成としたので、追記抽出画像に含まれる欠損部を、より正確に修復することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の画像処理装置を適用した処理の概要について説明する図である。
【図2】原本ドキュメントと、追記ドキュメントからの差分データの生成例について説明する図である。
【図3】本発明の画像処理装置による処理対象データ例について説明する図である。
【図4】本発明の画像処理装置一実施例構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の画像処理装置において実行する差分抽出処理の具体的な処理例について説明する図である。
【図6】本発明の画像処理装置において実行する細線化処理の具体的な処理例について説明する図である。
【図7】本発明の画像処理装置において実行する追跡ポイント設定処理の具体的な処理例について説明する図である。
【図8】本発明の画像処理装置において実行する合成処理の具体的な処理例について説明する図である。
【図9】本発明の画像処理装置における処理シーケンスを説明するフローチャートを示す図である。
【図10】本発明の画像処理装置における処理シーケンスを説明するフローチャートを示す図である。
【図11】本発明の画像処理装置の一実施例構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の画像処理装置の一実施例構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の画像処理装置のハードウェア構成例について説明する図である。
【符号の説明】
【0105】
10 原本ドキュメント
20 追記ドキュメント
30 スキャナ
51 原本ドキュメント
52 追記ドキュメント
53 線分データ
55 追記情報
61 追記ドキュメント
62 追記情報
71 罫線付きドキュメント
72 罫線除去情報
100 画像処理装置
151 原本ドキュメント画像データ
152 追記ドキュメント画像データ
153 追記抽出画像データ
154 修復追記抽出画像データ
201 差分抽出手段
202 細線化手段
204 細線化手段
210 欠損線分特定手段
211 追跡ポイント生成手段
212 追跡ポイント移動手段
213 追跡終了判定手段
221 合成手段
251 原本ドキュメント画像データ
252 追記ドキュメント画像データ
253 追記情報
254 追記抽出画像データ
255 細線化追記抽出画像
256 細線化追記ドキュメント
261 端点設定画像
262 追跡ポイント設定画像
271 欠損線分特定手段出力画像
281 修復追記抽出画像データ
301 追記抽出手段
401 罫線分離手段
501 CPU(Central Processing Unit)
502 ROM(Read-Only-Memory)
503 RAM(Random Access Memory)
504 ホストバス
505 ブリッジ
506 外部バス
507 インタフェース
508 キーボード
509 ポインティングデバイス
510 ディスプレイ
511 HDD(Hard Disk Drive)
512 ドライブ
514 接続ポート
515 通信部
521 リムーバブル記録媒体
522 外部接続機器
531 データ読み取り部
532 データ出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
欠損部を有する修復対象データを入力し、欠損部を解消した復元データを生成する画像処理を実行する画像処理装置であり、
原本ドキュメントに対して追記処理のなされた追記ドキュメントに基づく追記ドキュメント画像データを入力し、該追記ドキュメント画像から追記情報を抽出した追記抽出画像を生成する追記情報抽出手段と、
前記追記情報抽出手段の生成した追記抽出画像に含まれる追記情報の細線化処理を実行して細線化追記抽出画像を生成する第1の細線化手段と、
前記追記ドキュメントに含まれる情報の細線化処理を実行して細線化追記ドキュメント画像を生成する第2の細線化手段と、
前記細線化追記ドキュメント画像の細線上において、前記細線化追記抽出画像に含まれる端点に対応する位置に、追跡ポイントを設定して該追跡ポイントを前記細線化追記ドキュメント画像の細線に沿って移動させ、該移動軌跡に基づく欠損線分画像を生成する欠損線分特定手段と、
前記欠損線分特定手段の生成する欠損線分画像と、前記追記情報抽出手段の生成する追記抽出画像との合成処理によって、修復追記抽出画像を生成する合成手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記欠損線分特定手段は、
追跡ポイントを前記細線化追記ドキュメント画像の細線に沿って移動させ、予め定めた移動終了条件に基づいて移動を終了させ、移動開始から移動終了までの移動軌跡を欠損線分として設定する処理を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記欠損線分特定手段は、
前記追跡ポイントの移動終了条件として、
(a)ある追跡ポイントと、他の追跡ポイントの位置が同じになったとき、これら同一位置に達した複数の追跡ポイントの移動を終了させる、
(b)追跡ポイントが、細線化追記抽出画像に含まれる細線に相当する位置に達したとき、その追跡ポイントの移動を終了させる、
(c)ある追跡ポイントの移動終了時に、該移動終了追跡ポイントが交点、分岐点を通過している場合、その交点、分岐点において発生させた追跡ポイントの移動を終了させる、
上記(a)〜(c)の終了条件に基づいて、少なくとも1つの条件が成立したとき、追跡ポイントの移動を終了させる構成であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記追記情報抽出手段は、
原本ドキュメント画像データと、前記追記ドキュメント画像データを入力し、2つの入力画像データの差分を抽出する差分抽出手段によって構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記追記情報抽出手段は、
追記ドキュメント画像データを入力し、該追記ドキュメント画像データから特定の色の記録情報を追記情報として抽出する色抽出手段によって構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記追記情報抽出手段は、
追記ドキュメント画像データを入力し、該追記ドキュメント画像データから罫線情報を削除し、罫線情報以外の情報を追記情報として抽出する罫線分離手段によって構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像処理装置は、さらに、
前記追記情報抽出手段の生成した追記画像データに含まれる追記情報の膨張処理を実行して膨張処理画像データを生成する膨張処理手段を有し、
前記第1の細線化手段は、
前記膨張処理手段の生成した膨張処理画像の細線化処理を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記画像処理装置は、さらに、
前記合成手段の生成した修復追記抽出画像に含まれる追記情報の膨張処理を実行して膨張処理画像データを生成する膨張処理手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項9】
欠損部を有する修復対象データを入力し、欠損部を解消した復元データを生成する画像処理を実行する画像処理方法であり、
原本ドキュメントに対して追記処理のなされた追記ドキュメントに基づく追記ドキュメント画像データを入力し、該追記ドキュメント画像から追記情報を抽出した追記抽出画像を生成する追記情報抽出ステップと、
前記追記情報抽出ステップにおいて生成した追記抽出画像に含まれる追記情報の細線化処理を実行して細線化追記抽出画像を生成する第1の細線化ステップと、
前記追記ドキュメントに含まれる情報の細線化処理を実行して細線化追記ドキュメント画像を生成する第2の細線化ステップと、
前記細線化追記ドキュメント画像の細線上において、前記細線化追記抽出画像に含まれる端点に対応する位置に、追跡ポイントを設定して該追跡ポイントを前記細線化追記ドキュメント画像の細線に沿って移動させ、該移動軌跡に基づく欠損線分画像を生成する欠損線分特定ステップと、
前記欠損線分特定ステップにおいて生成する欠損線分画像と、前記追記情報抽出ステップにおいて生成する追記抽出画像との合成処理によって、修復追記抽出画像を生成する合成ステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
前記欠損線分特定ステップは、
追跡ポイントを前記細線化追記ドキュメント画像の細線に沿って移動させ、予め定めた移動終了条件に基づいて移動を終了させ、移動開始から移動終了までの移動軌跡を欠損線分として設定する処理を実行するステップであることを特徴とする請求項9に記載の画像処理方法。
【請求項11】
前記欠損線分特定ステップは、
前記追跡ポイントの移動終了条件として、
(a)ある追跡ポイントと、他の追跡ポイントの位置が同じになったとき、これら同一位置に達した複数の追跡ポイントの移動を終了させる、
(b)追跡ポイントが、細線化追記抽出画像に含まれる細線に相当する位置に達したとき、その追跡ポイントの移動を終了させる、
(c)ある追跡ポイントの移動終了時に、該移動終了追跡ポイントが交点、分岐点を通過している場合、その交点、分岐点において発生させた追跡ポイントの移動を終了させる、
上記(a)〜(c)の終了条件に基づいて、少なくとも1つの条件が成立したとき、追跡ポイントの移動を終了させることを特徴とする請求項10に記載の画像処理方法。
【請求項12】
前記追記情報抽出ステップは、
原本ドキュメント画像データと、前記追記ドキュメント画像データを入力し、2つの入力画像データの差分を抽出する差分抽出処理を実行するステップであることを特徴とする請求項9に記載の画像処理方法。
【請求項13】
前記追記情報抽出ステップは、
追記ドキュメント画像データを入力し、該追記ドキュメント画像データから特定の色の記録情報を追記情報として抽出する色抽出処理を実行するステップであることを特徴とする請求項9に記載の画像処理方法。
【請求項14】
前記追記情報抽出ステップは、
追記ドキュメント画像データを入力し、該追記ドキュメント画像データから罫線情報を削除し、罫線情報以外の情報を追記情報として抽出する罫線分離処理を実行するステップであることを特徴とする請求項9に記載の画像処理方法。
【請求項15】
前記画像処理方法は、さらに、
前記追記情報抽出ステップにおいて生成した追記画像データに含まれる追記情報の膨張処理を実行して膨張処理画像データを生成する膨張処理ステップを有し、
前記第1の細線化ステップは、
前記膨張処理ステップにおいて生成した膨張処理画像の細線化処理を実行することを特徴とする請求項9に記載の画像処理方法。
【請求項16】
前記画像処理方法は、さらに、
前記合成ステップにおいて生成した修復追記抽出画像に含まれる追記情報の膨張処理を実行して膨張処理画像データを生成する膨張処理ステップを有することを特徴とする請求項9に記載の画像処理方法。
【請求項17】
欠損部を有する修復対象データを入力し、欠損部を解消した復元データを生成する画像処理を画像処理装置において実行させるコンピュータ・プログラムであり、
原本ドキュメントに対して追記処理のなされた追記ドキュメントに基づく追記ドキュメント画像データを入力し、該追記ドキュメント画像から追記情報を抽出した追記抽出画像を生成する追記情報抽出ステップと、
前記追記情報抽出ステップにおいて生成した追記抽出画像に含まれる追記情報の細線化処理を実行して細線化追記抽出画像を生成する第1の細線化ステップと、
前記追記ドキュメントに含まれる情報の細線化処理を実行して細線化追記ドキュメント画像を生成する第2の細線化ステップと、
前記細線化追記ドキュメント画像の細線上において、前記細線化追記抽出画像に含まれる端点に対応する位置に、追跡ポイントを設定して該追跡ポイントを前記細線化追記ドキュメント画像の細線に沿って移動させ、該移動軌跡に基づく欠損線分画像を生成する欠損線分特定ステップと、
前記欠損線分特定ステップにおいて生成する欠損線分画像と、前記追記情報抽出ステップにおいて生成する追記抽出画像との合成処理によって、修復追記抽出画像を生成する合成ステップと、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−174038(P2007−174038A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−366156(P2005−366156)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】