説明

画像処理装置、その制御プログラム、および、その制御方法

【課題】一部の機能設定用のキーを、適度なサイズで常時表示させておくことができる画像処理装置、その制御方法およびその制御プログラムを提供する。
【解決手段】MFPのディスプレイに表示される画面100Cでは、グループキー111に対応する機能キー120、130,140,150,160が表示される。機能キー120が選択されると、当該機能キー120に対応したポップアップウィンドウ120Aが表示される。ポップアップウィンドウ120Aには、機能キー120に対応する機能の設定として入力する情報の候補の設定内容キー121〜124が表示される。ポップアップウィンドウ120Aは、ディスプレイ内の、グループキー111に対応する基本1グループのキー(機能キー120、130,140,150,160)が表示される領域とは異なる領域に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、その制御プログラムおよびその制御方法に関し、特に、表示装置に自機が備える機能を設定するためのキーを表示させる画像処理装置、その制御プログラムおよびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル複写機やMFP(Multi Function Peripheral)などの画像処理装置の多機能化が進み、1台の装置(MFP)に多くの機能が搭載されるようになっている。一方で、MFPが備える操作パネルの表示スペースには限度があり、MFPが備える全ての機能(設定)に対応するキーを、操作パネルに同時に表示することは難しい。そして、全ての機能のキーを操作パネルに同時に表示しようとすると、キーが小さくなると同時に、キーの間隔も狭くならざるを得ず、結果として誤操作が多くなって操作性が悪化してしまう。
【0003】
これに対し、特許文献1(特開2004−306478号公報)には、画像形成装置において複数のウィンドウを表示する技術が開示されている。当該画像形成装置では、機能設定画面(機能設定親画面)の中の機能キーが選択されると、選択された機能キーに対応した機能設定子画面が、機能設定親画面の一部に重ねられて表示される。
【0004】
また、特許文献2(特開2006−85683号公報)には、グラフィカルユーザインターフェースを有するコンピュータシステムにおいて、複数のウィンドウを表示するという、特許文献1とほぼ同様の技術が開示されている。
【0005】
これらの技術によれば、ユーザの操作に応じた新たな設定画面(子ウィンドウ)が、元の設定ウィンドウ(親ウィンドウ)に重ねて表示されるため、限られた表示スペースの中で、より複雑な設定を行なうことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−306478号公報
【特許文献2】特開2006−85683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1、2の技術によると、例えば、ユーザが親ウィンドウで「機能1」に関するキーを選択すると、「機能1」に関する詳細な設定を行なうための子ウィンドウが、親ウィンドウに重ねて表示される。その状況において、ユーザは、「機能1」に関する詳細な設定を行なうことができる反面、親ウィンドウのうちの、子ウィンドウの下(つまり子ウィンドウが重ねられた)領域に表示されていたキーを見ることができない。また、その領域に表示されていたキーを操作することもできない。
【0008】
一方で、一般的に、親ウィンドウには、子ウィンドウに表示されるキーよりも、ユーザが良く使う、つまり比較的重要度の高い機能(キー)が表示される場合が多い。
【0009】
そのため、特許文献1、2のように、親ウィンドウでのユーザの操作に応じた子ウィンドウを、親ウィンドウに重ねて表示させる従来の技術においては、ユーザは、一旦、子ウィンドウが表示されると、その下に表示されている比較的重要度の高い機能を確認することも、操作することもできなくなるおそれがあり、その点において利便性が高いものとは言えなかった。
【0010】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、複数の機能を備える画像処理装置において、複数の機能のうちの一部の機能に関する操作性を高めつつ、全ての機能に関する設定を可能にする画像処理装置、その制御プログラムおよびその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に従った画像処理装置は、複数の機能を実現可能な画像処理装置であって、複数の機能は、第1のグループに属する機能と、第2のグループに属する機能を含み、表示手段と、第1のグループと第2のグループのいずれかの選択を受け付ける選択受付手段と、第1のグループと第2のグループのいずれが選択されたかに関わらず、複数の第1のグループのそれぞれに対応する第1のキーを表示手段に表示させる第1の表示制御手段と、第2のグループが選択された場合に、複数の第2のグループのそれぞれに対応する第2のキーを、表示手段の表示領域のうちの、第1のキーが表示されている第1の領域以外の第2の領域に表示させる第2の表示制御手段とを備える。
【0012】
また、本発明の画像処理装置では、第2の表示制御手段は、第2の領域に、第2のキーのうちの一部のキーを、所定の方向に配列させて表示させ、第2の領域をスクロール表示させることで、第2のキーのうちの第2の領域に表示させるキーを入れ替えることが好ましい。
【0013】
また、本発明の画像処理装置は、第2の表示制御手段により表示された第2のキーのいずれかが選択された場合に、当該選択された第2のキーに対応する第2のグループについての設定内容を受け付ける第3のキーを、第1のキーが表示されている第1の領域以外の領域に表示させる第3の表示制御手段をさらに備えることが好ましい。
【0014】
また、本発明の画像処理装置では、第3の表示制御手段は、第3のキーを、第2のキーが表示されている第2の領域以外の領域に表示させることが好ましい。
【0015】
また、本発明の画像処理装置では、複数の機能の中の、第1のグループに属する機能を変更可能であることが好ましい。
【0016】
また、本発明の画像処理装置では、複数の機能の中の、第2のグループに属する機能を変更可能であることが好ましい。
【0017】
本発明に従った画像形成装置の制御プログラムは、表示手段を備え、複数の機能を実現可能な画像処理装置において実行される制御プログラムであって、複数の機能は、第1のグループに属する機能と、第2のグループに属する機能を含み、画像処理装置を、第1のグループと第2のグループのいずれかの選択を受け付ける選択受付手段、第1のグループと第2のグループのいずれが選択されたかに関わらず、複数の第1のグループのそれぞれに対応する第1のキーを表示手段に表示させる第1の表示制御手段、および、第2のグループが選択された場合に、複数の第2のグループのそれぞれに対応する第2のキーを、表示手段の表示領域のうちの、第1のキーが表示されている第1の領域以外の第2の領域に表示させる第2の表示制御手段として機能させる。
【0018】
また、本発明に従った画像処理装置の制御プログラムでは、第2の表示制御手段は、第2の領域に、第2のキーのうちの一部のキーを、所定の方向に配列させて表示させ、第2の領域をスクロール表示させることで、第2のキーのうちの第2の領域に表示させるキーを入れ替えることが好ましい。
【0019】
また、本発明に従った画像処理装置の制御プログラムは、画像処理装置を、さらに、第2の表示制御手段により表示された第2のキーのいずれかが選択された場合に、当該選択された第2のキーに対応する第2のグループについての設定内容を受け付ける第3のキーを、第1のキーが表示されている第1の領域以外の領域に表示させる第3の表示制御手段として機能させることが好ましい。
【0020】
また、本発明に従った画像処理装置の制御プログラムでは、第3の表示制御手段は、第3のキーを、第2のキーが表示されている第2の領域以外の領域に表示させることが好ましい。
【0021】
本発明に従った画像処理装置の制御方法は、表示手段を備え、複数の機能を実現可能な画像処理装置の制御方法であって、複数の機能は、第1のグループに属する機能と、第2のグループに属する機能を含み、画像処理装置に、第1のグループと第2のグループのいずれかの選択を受付けるステップと、第1のグループと第2のグループのいずれが選択されたかに関わらず、複数の第1のグループのそれぞれに対応する第1のキーを表示手段に表示させるステップと、第2のグループが選択された場合に、複数の第2のグループのそれぞれに対応する第2のキーを、表示手段の表示領域のうちの、第1のキーが表示されている第1の領域以外の第2の領域に表示させるステップとを実行させる。
【0022】
また、本発明に従った画像処理装置の制御方法では、第2のキーを第2の領域に表示させるステップは、第2の領域に、第2のキーのうちの一部のキーを、所定の方向に配列させて表示させ、第2の領域をスクロール表示させることで、第2のキーのうちの第2の領域に表示させるキーを入れ替えることが好ましい。
【0023】
また、本発明に従った画像処理装置の制御方法は、画像処理装置に、第2のキーのいずれかが選択された場合に、当該選択された第2のキーに対応する第2のグループについての設定内容を受け付ける第3のキーを、第1のキーが表示されている第1の領域以外の領域に表示させるステップをさらに実行させることが好ましい。
【0024】
また、本発明に従った画像処理装置の制御方法では、第3のキーを第1の領域以外の領域に表示させるステップは、第3のキーを、第2のキーが表示されている第2の領域以外の領域に表示させることが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
上記構成によれば、第1のグループのキーの表示領域以外の領域に表示される第2の領域に、複数の第2のグループのキーの中の一部が入れ替え可能に表示される。このため、第2の領域のサイズを複数の第2のグループのキーのすべてを表示させる大きさとする必要がなく、これにより、第1のグループのキーを表示させるための領域のサイズが小さくなりすぎることを回避できる。
【0026】
また、第1の領域や第2の領域が第1のグループのキーが表示される領域以外の領域に表示されるため、第1のグループのキーを常時画像処理装置に表示させておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施の形態であるMFPの外観を示す図である。
【図2】図1のMFPのブロック図である。
【図3】図1のMFPのディスプレイにおいて表示される画面の一例を示す図である。
【図4】図1のMFPのディスプレイにおいて表示される画面の一例を示す図である。
【図5】図1のMFPのディスプレイにおいて表示される画面の一例を示す図である。
【図6】図1のMFPのディスプレイにおいて表示される画面の一例を示す図である。
【図7】図1のMFPのディスプレイにおいて表示される画面の一例を示す図である。
【図8】図1のMFPのディスプレイにおいて表示される画面の一例を示す図である。
【図9】図1のMFPのディスプレイにおいて表示される画面の一例を示す図である。
【図10】図1のMFPのディスプレイにおいて表示される画面の一例を示す図である。
【図11】図1のMFPのディスプレイにおいて表示される画面の一例を示す図である。
【図12】図1のMFPのディスプレイにおいて表示される画面の一例を示す図である。
【図13】図1のMFPにおいて実行される処理のフローチャートである。
【図14】図1のMFPにおいて実行される処理のフローチャートである。
【図15】図1のMFPにおいて実行される処理のフローチャートである。
【図16】図1のMFPのディスプレイの表示内容を説明するための図である。
【図17】図1のMFPのディスプレイの表示内容を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る画像処理装置の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、各図において、同じ機能を奏する要素については、同一の参照符号を付し、その説明は繰返さない。
【0029】
図1は、本発明の一実施の形態であるMFP1の外観を示す図である。
図1を参照して、MFP1は、各種の処理に対する操作指示や文字・数字の入力を受付ける複数のハードキー15を備える。
【0030】
また、MFP1は、操作画面や画像処理の対象となる画像に関する情報等を表示するディスプレイ100を備える。ディスプレイ100には、タッチセンサ200が重ねられており、ディスプレイ100とタッチセンサ200とでタッチパネル201が構成されている。MFP1は、ディスプレイ100に設定キー等を含む操作画面を表示する。また、MFP1は、設定キーの表示領域に対するタッチセンサ200への接触操作を検知することにより、ユーザから設定の入力を受付ける。さらに、MFP1は、ハードキー15に対する操作を検知することにより、ユーザから設定の入力を受付ける。
【0031】
MFP1は、スキャナ部13とプリンタ部14を備える。スキャナ部13は、原稿を光電的に読取って画像データを得る。プリンタ部14は、スキャナ部13により取得された画像データや、ネットワークを介して接続された外部機器(PC等)から受信した画像データに基づき用紙上に画像を印刷する。
【0032】
また、MFP1は、その本体上面に、原稿をスキャナ部13に送るフィーダ部17を備え、本体下部には、プリンタ部14に用紙を供給する給紙部18を備え、また、その中央部には、プリンタ部14によって画像を印刷された用紙が排出されるトレイ19を備える。
【0033】
図2は、MFP1のブロック図である。
図2を参照して、MFP1は、当該MFP1の動作を全体的に制御するCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10のワークエリアとなるRAM(Random Access Memory)11と、MFPの初期設定等のデータを記憶するNV(Non Volatile)−RAM12とを含む。
【0034】
MFP1は、さらに、HDD(Hard Disc Drive)20を含む。HDD20は、MFP1の機能についての設定内容を記憶する設定内容記憶部21と、MFP1が備える機能のそれぞれがどのグループに属するかを記憶する機能グループ記憶部22と、CPU10が実行するプログラムを記憶するプログラム記憶部23と、種々のデータを記憶するデータ記憶部24とを含む。
【0035】
CPU10は、その機能として、後述する基本1グループおよび基本2グループに対応する機能キーおよびそれに関連して表示されるポップアップウィンドウの表示態様を制御する第1表示制御部10Aと、後述する応用グループに対応する機能キーおよびそれに関連して表示されるポップアップウィンドウの表示態様を制御する第2表示制御部10Bとを含む。第1表示制御部10Aと第2表示制御部10Bは、たとえばCPU10が、プログラム記憶部23に記憶されるプログラムを実行することによって実現される。なお、これらは、MFP1に専用に搭載されたLSI(Large Scale Integration)等のハードウェアによって実現されても良い。
【0036】
設定内容記憶部21では、機能ごとに、当該機能の設定内容が記憶されている。設定内容記憶部21の記憶内容の一例を表1に模式的に示す。
【0037】
【表1】

【0038】
表1では、説明を容易にするために、MFP1の複数の機能のそれぞれの名称が、A,B,C,D…のようにアルファベットで示されている。また、表1では、説明を容易にするために、各機能の設定内容が、A−1、B−1、C−4、D−2、…のように、機能名に数字が付された態様で示されている。
【0039】
ここでいう機能とは、たとえば、スキャナ部13によって実現される画像読取機能、プリンタ部14によって実現される画像形成機能、用紙上に形成されるカラーに関する調整を行なう機能(カラー調整機能)、用紙に形成する画像の下地調整を行なう機能、および、ネガポジ反転を行なう機能がある。
【0040】
また、設定内容としては、画像読取機能についての画像の読取解像度(300dpi(dot per inch),600dpi、等)、画像形成機能についての解像度(ピクセル数)、カラー調整機能についてのカラーに関する内容(フルカラー印刷、単色カラー印刷、等)、下地調整を行なう機能については画像形成の際に当該機能を利用するか否かを特定する内容(下地調整ON/OFF)、ネガポジ反転を行なう機能については当該機能を画像形成の際に利用するか否かを特定する内容(ネガポジ反転ON/OFF)がある。
【0041】
本実施の形態では、各機能の設定内容は、たとえば、後述するように、ユーザがポップアップウィンドウに表示される設定内容キーを選択することによって、変更することができる。
【0042】
機能グループ記憶部22では、MFP1における機能をグループ分けするための情報が記憶されている。機能グループ記憶部22の記憶内容の一例を表2に模式的に示す。
【0043】
【表2】

【0044】
表2では、表1に示されたA、B、C、D…という各機能が、基本1、基本2、応用の3つのグループに分けられている。なお、CPU10は、各グループに属する機能を、ユーザがハードキー15またはタッチパネル201に対して入力する情報に基づいて変更することができる。
【0045】
本実施の形態では、各機能をどのグループに分類するかについては、ユーザがハードキー15等を操作することによって、変更することができる。なお、各機能が、1つのグループにのみ属するようにすることもできるし、同時に複数のグループに属するようにすることもできる。前者の場合、或る機能が属するグループを変更する操作がなされたときには、変更前のグループから当該或る機能が削除されるように構成される。つまり、たとえば、基本1グループに属する機能Bが応用グループに属するように操作がなされると、基本1グループの構成要素から機能Bが削除される。
【0046】
本実施の形態においては、CPU10が実行するプログラムは、プログラム記憶部23に記憶されているものとするが、CPU10が実行するプログラムは、記録媒体400に記憶されていても良く、また、後述するNIC(Network Interface Card)60を介して外部機器からダウンロードされたものであってもよい。
【0047】
MFP1は、公衆電話回線やLAN(Local Area Network)等の通信回線を介して外部機器と画像データ等のデータの送受信を行なうNIC60を備える。NIC60は、公衆電話回線を介してファクシミリデータの送受信を行なうほか、LANやインターネット等のネットワークを介し当該ネットワークに接続された外部機器との間で電子メールシステムやファイル転送システムを利用したデータの送受信を行なう。これにより、MFP1は、通常のファクシミリ通信を行なうファクシミリ装置としての機能のみならず、電子メールの送受信端末・ファイル送受信端末としての機能も有する。なお、MFP1が行なう通信は、有線でも良いし、無線であっても良い。
【0048】
MFP1は、さらに、プリンタ部14で画像を形成された用紙に対してステープル等の後処理を行なう後処理部70と、MFP1本体に対して着脱可能な記録媒体400に対してデータの読み込み/書き込みの処理を行なうメディアドライブ40と、音声を出力するスピーカ80とを含む。なお、ハードキー15、タッチセンサ200、ディスプレイ100、スキャナ部13、プリンタ部14については、前述した説明のとおりであり、ここでの説明は省略する。
【0049】
MFP1では、ディスプレイ100に、MFP1の画像処理機能についての設定情報を入力するための画面(設定画面)が表示される。設定画面の一例を、図3に示す。
【0050】
図3を参照して、画面100Aは、MFP1のその時点での状態やユーザに対する通知を表示するメッセージエリア101と、画像処理の対象となる画像や画像処理後のイメージ(サムネイル・プレビュー)等を表示するプレビューエリア102とを含む。
【0051】
また、画面100Aには、MFP1が備える機能に対応する機能キー120,130,140,150,160が表示されている。
【0052】
機能キー120は、たとえば、スキャナ部13によって実現される画像読取機能について、画像の読取解像度を調整する情報を設定するためのキーである。機能キー130は、たとえば、プリンタ部14によって実現される画像形成機能について、用紙上に形成されるカラーに関する内容(フルカラー印刷、単色カラー印刷等を調整する機能(カラー調整機能))の設定情報を入力するためのキーである。機能キー140は、たとえば、プリンタ部14による画像形成機能について、印刷濃度を調整する情報を入力するためのキーである。機能キー150は、たとえば、給紙部18によって実現されるプリンタ部14への給紙機能について、供給される用紙種類の設定情報を入力するためのキーである。機能キー125は、たとえば、プリンタ部14による画像形成機能について、原稿の画像サイズに対する用紙上に形成する画像のサイズについての倍率を設定する情報を入力するためのキーである。機能キー160は、たとえば、プリンタ部14による画像形成機能について、原稿の画像を読み取る面および用紙に画像を形成する面について、片面/両面の情報を入力するためのキーである。
【0053】
機能キー120,130,140,150,160は、キーに対応する機能の名称と、その時に設定されている設定内容とを含む。図3における機能キー120であれば、機能の名称は「A」、設定内容は「A−1」である。より具体的には、機能キー120であれば、機能の名称は「読取解像度」、設定内容は「600dpi」等である。
【0054】
MFP1が備える機能は、「基本1」グループ、「基本2」グループ、「応用」グループのいずれかに分類されており、画面100Aには、それぞれのグループに対応するグループキー111〜113が表示される。ディスプレイ100には、上記3つのグループのうち、ユーザにより選択されたグループに対応する機能キーが表示される。つまり、ユーザにより選択されたグループに属する機能に対応する機能キーが表示される。その時点で選択されているグループに対応するグループキーには、選択されていることを示すためのポインタ110が表示される。図3の例では、「基本1」グループに対応するグループキー(以下、単に「基本1グループキー」のようにいうことがある)が選択され、「基本1」グループに属する機能Aに対応する機能キー(以下、単に「A機能キー」のようにいうことがある)120、B機能キー130、C機能キー140、D機能キー150、E機能キー160が表示されている。
【0055】
また、画面100Aでは、選択されているグループに対応する、基本1グループキーに対し、ポインタ110が表示される。なお、画面100Aにおいて、機能キー120〜160が表示される領域を機能選択エリア103と呼ぶ。また、グループキー111〜113が表示される領域をグループ選択エリア104と呼ぶ。
【0056】
図4は、画面100Aにおいて、ユーザにより基本2グループキー112が選択された場合にディスプレイ100に表示される画面の一例を示す図である。
【0057】
図4を参照して、画面100Bでは、ポインタ110は、基本2グループキー112を囲んで表示される。そして、画面100Bの機能選択エリア103には、図3の画面100Aにおいて表示されていた機能キー120〜160の代わりに、基本2グループに対応するF機能キー310、G機能キー320、H機能キー330、I機能キー340、J機能キー350が表示される。
【0058】
図5は、図3の画面100AにおいてA機能キー120が選択された場合にディスプレイ100に表示される画面の一例を示す図である。
【0059】
図3の画面100AにおいてA機能キー120が選択されると、図5の画面100Cに示すように、A機能キー120に対応したポップアップウィンドウ120Aが表示される。ポップアップウィンドウ120Aには、A機能キー120に対応する機能Aについての設定内容の複数の候補が設定内容キー121〜124として表示される。設定内容キー121〜124は、それぞれの設定内容の名称を含む。図5では、その例示として、機能Aについての設定内容の名称として、「A−1」「A−2」「A−3」「A−4」が表示される。なお、設定内容キーは、設定内容の名称の代わりに、設定内容を表す記号等でもよく、また、ユーザが設定内容を把握できるものであれば、名称や記号に限られない。
【0060】
ポップアップウィンドウ120Aに表示される複数の設定内容キーのうち、その時点で設定(選択)されている設定内容に対応する設定内容キーは、他の(設定(選択)されていない設定内容に対応する)設定内容キーに対して異なった態様で表示される。図5では、A−1設定内容キー121が濃く表示され、その他の設定内容キー122〜124とは異なる濃さで表示されている状態が示されている。
【0061】
ポップアップウィンドウ120Aは、プレビューエリア102の上に重ねて表示される。言い換えれば、ポップアップウィンドウ120Aは、A機能キー120、B機能キー130、C機能キー140、D機能キー150、E機能キー160が表示される領域以外の領域に表示される。これにより、ポップアップウィンドウ120Aが表示されても、ユーザは、これらの機能キー120〜160を視認することができ、またこれらのキーを操作(選択)することもできる。
【0062】
ポップアップウィンドウ120Aは、当該ポップアップウィンドウ120Aの表示が開始されてから所定時間が経過したことを条件として閉じられる。または、ポップアップウィンドウ120Aは、当該ポップアップウィンドウ120A内の設定内容キー121〜124のいずれかが選択されたことを条件として閉じられる。
【0063】
ポップアップウィンドウ120A内のいずれかの設定内容キーが選択されると、当該選択された設定内容キーの表示態様が変更される。つまり、選択された設定内容キーが、他の設定内容キーとは異なる態様で表示される。図5の画面100Cにおいて、A−2設定内容キー122が選択されると、ディスプレイ100には図6の画面100Dが表示される。図6に示す、画面100Dのポップアップウィンドウ120Aでは、A−2設定内容キー122が、他の設定内容キー121,123,124とは異なる態様で表示されている。
【0064】
そして、このように異なる態様で表示される設定内容キーが変更された後、ポップアップウィンドウ120Aは、閉じられる。
【0065】
また、ポップアップウィンドウ120A内のA−2設定内容キー122が選択されたことに応じて、CPU10は、設定内容記憶部21(表1)に記憶された、機能Aに関する設定内容を、A−1からA−2へと更新する。たとえば、A機能キー120に対応する機能が「読取解像度」であり、設定内容A−1が「600dpi」であり、設定内容A−2が「300dpi」である場合は、前述のようにA−2設定内容キー122が選択されることにより、設定内容記憶部21に記憶された機能A(読取解像度)に関する設定内容が「600dpi」から「300dpi」に更新される。
【0066】
図6に示す画面100Dにおいて、A−2設定内容キー122が選択されると、ポップアップウィンドウ120Aが閉じられ、ディスプレイ100には、図7の画面100Eが表示される。図7の画面100Eは、図3の画面100Aと比べると、A機能キー120に含まれる設定内容の表示のみが異なる。つまり、図7のA機能キー120には、図6に示すポップアップウィンドウ120Aで選択された、A−2設定内容キー122に対応する設定内容(A−2)が表示される。
【0067】
以上、図5〜図7を参照して説明したように、基本1グループに対応するA機能キー120、B機能キー130、C機能キー140、D機能キー150、E機能キー160については、各キーが選択されると、設定内容を選択するためのポップアップウィンドウ(たとえば、図5のポップアップウィンドウ120A)が表示される。
【0068】
なお、図4に示した基本2グループに対応するF機能キー310、G機能キー320、H機能キー330、I機能キー340、J機能キー350についても、各キーが選択されると、同様にポップアップウィンドウが表示される。ここでポップアップウィンドウに表示される複数の設定内容キーについても、その時点で設定されている設定内容に対応する設定内容キーは他の設定内容キーに対して異なった態様で表示される。また、このようにポップアップウィンドウが表示されても、ユーザは、これらの機能キー310〜350を視認することができ、またこれらのキーを操作(選択)することもできる。そして、ここで表示されるポップアップウィンドウも、ポップアップウィンドウ120Aと同様に、その表示が開始されてから所定時間が経過したことを条件として、または、当該ポップアップウィンドウ内の設定内容キーが選択されたことを条件として、閉じられる。なお、当該ポップアップウィンドウ内のいずれかの設定内容キーが選択されると、図5および図6を参照して説明したように、他の設定内容キーと異なる態様で表示される設定内容キーが変更された後、当該ポップアップウィンドウは閉じられる。
【0069】
基本2グループの機能についても、上記のような設定内容キーの選択等により設定内容が変更されると、設定内容記憶部21(表1)に記憶された各機能に対応する設定内容が変更後のものに更新される。このとき、F機能キー310、G機能キー320、H機能キー330、I機能キー340、または、J機能キー350内に表示される設定内容も、変更後のものに更新される。
【0070】
一方、図3に示す画面100Aにおいて応用グループキー113が選択されると、図8に示す様に、応用グループに属する機能に対応する機能キーが、メッセージエリア101とプレビューエリア102の上に重ねて表示される。
【0071】
具体的には、応用グループキー113が選択されると、ディスプレイ100には、図8の画面100Fが表示される。画面100Fでは、メッセージエリア101とプレビューエリア102に重ねて、スクロールウィンドウ300が表示される。スクロールウィンドウ300には、応用グループに属する機能に対応する機能キー210,220,230,240,250,260,270が表示される。なお、スクロールウィンドウ300のうち、機能キーが表示されているエリアのことを機能バッジエリア173と呼ぶ。
【0072】
応用グループに属する機能は、たとえば、用紙に形成する画像の下地調整を行なう機能や、ネガポジ反転を行なう機能など、設定内容が変更される頻度が比較的低い機能である。
【0073】
スクロールウィンドウ300には、機能キーが表示される機能バッジエリア173の他に、スクロールトラック170とスライドゲージ171が表示される。例えば、スライドゲージ171をスクロールトラック170に沿って左方向にスライドさせる操作がなされると、図9の画面100Gに示されるように、スライドゲージ171の表示位置がスクロールトラック170に沿って変更されるとともに、機能バッジエリア173に表示される機能キーの表示位置もスライドする。具体的には、キー210,220,230,240,250の表示位置が、スライドゲージ171と逆方向(右方向)に移動するように変更される。
【0074】
画面100Gでは、画面100Fのキー260,270は、スクロールウィンドウ300に表示されていない。このことは、スライドゲージ171と同じ方向に移動することによりスクロールウィンドウ300外へと移動したことに対応する。画面100Gでは、キー260,270に代わって、キー208,209が表示される。
【0075】
つまり、図16に示すように、スクロールウィンドウ300の外の領域も含めて、仮想的に、機能キー208,209,210,220,230,240,250,260,270,271,272…が所定の方向(スクロールトラック170に沿う方向)に沿って配列されている。この状態から、図17に示すように、スライドゲージ171が移動されることにより、これらの機能キー208,209,210,220,230,240,250,260,270,271,272…は、スライドゲージ171の移動の向きと逆の向きに移動する。そして、移動の結果、機能キー208,209,210,220,230,240,250,260,270,271,272…の中で、スクロールウィンドウ300内に位置するものが、画面100Fや画面100Gの中に表示される。
【0076】
なお、機能キー208,209,210,220,230,240,250,260,270は、応用グループに属する機能に対応する機能キーである。
【0077】
例えば、図8に示す画面100FのL機能キー220に対して操作がなされると、図10の画面100Hに示すように、L機能キー220に対応したポップアップウィンドウ220Aが表示される。ポップアップウィンドウ220Aには、L機能キー220に対応する機能Lについての設定内容の複数の候補が設定内容キー221〜225として表示される。設定内容キー221〜225は、それぞれの設定内容(「L−1」〜「L−5」)を含む。
【0078】
ポップアップウィンドウ220Aに表示される複数の設定内容キーのうち、その時点で設定(選択)されている設定内容に対応する設定内容キーは、他の設定内容キーに対して異なった態様で表示される。言い換えれば、設定内容記憶部21において、機能Lの設定値として記憶されている設定内容に対応する設定内容キーは、他の設定内容キーに対して異なった態様で表示される。図10では、L−1設定内容キー221が濃く表示され、その他の設定内容キー222〜224とは異なる濃さで表示されている状態が示されている。
【0079】
ポップアップウィンドウ220Aは、メッセージエリア101とプレビューエリア102の上に重ねて表示される。言い換えれば、ポップアップウィンドウ220Aは、A機能キー120、B機能キー130、C機能キー140、D機能キー150、E機能キー160が表示される領域以外の領域に表示される。これにより、ポップアップウィンドウ220Aが表示されても、ユーザは、これらの機能キー120〜160を視認することができ、またこれらのキーを操作(選択)することもできる。
【0080】
また、ポップアップウィンドウ220Aは、機能キー208,209,210,220,230,240,250,260,270(機能バッジエリア174に表示される機能キー)以外の領域に表示されることが好ましい。これにより、ユーザは、ポップアップウィンドウ220Aが表示されても機能バッジエリア174に表示された機能キーを視認することができる。
【0081】
ポップアップウィンドウ220Aは、前述した図5,6に示すポップアップウィンドウ120Aと同様に、当該ポップアップウィンドウ220Aの表示が開始されてから所定時間が経過したことを条件として閉じられる。または、ポップアップウィンドウ220Aは、当該ポップアップウィンドウ220A内の設定内容キー221〜225のいずれかが選択されたことを条件として閉じられる。
【0082】
ポップアップウィンドウ220A内のいずれかの設定内容キーが選択されると、当該選択された設定内容キーの表示態様が変更される。つまり、選択された設定内容キーが、他の設定内容キーとは異なる態様で表示される。また、ポップアップウィンドウ220A内の設定内容キーが選択されたことに応じて、CPU10は、設定内容記憶部21に記憶された、機能Lに関する設定内容を、選択された設定内容キーに対応する設定内容で更新する。
【0083】
以上説明した本実施の形態では、基本1グループ属する機能に対応する機能キーは、基本1グループキー111が選択されることに応じて機能選択エリア103に表示される(図3)。また、基本2グループ属する機能に対応する機能キーも同様に、基本2グループキー112が選択されることに応じて機能選択エリア103に表示される(図4)。一方、応用グループに属する機能に対応する機能キーは、応用グループキー113が選択されることに応じてディスプレイに表示されるスクロールウィンドウ300の中に表示される。スクロールウィンドウ300は、メッセージエリア101とプレビューエリア102の上に重ねて表示される(図8)。
【0084】
基本1グループに属する機能に対応する機能キーが選択されると、当該機能キーに対応したポップアップウィンドウ(図5の120A)が表示される。ポップアップウィンドウには、選択された機能キーに対応する機能の設定内容の候補が設定内容キーとして表示される。ポップアップウィンドウは、機能選択エリア103以外の領域に表示される。すなわち、ポップアップウィンドウは、基本1グループに属する機能に対応する機能キーが表示される領域以外の領域に表示される。
【0085】
ディスプレイ100に、基本2グループに属する機能に対応する機能キーが表示されているときに、それらの機能キーの中の1つが選択されると、基本グループ1の場合と同様に、選択された機能キーに対応したポップアップウィンドウが表示される。ポップアップウィンドウは、機能選択エリア103以外の領域に表示される。すなわち、ポップアップウィンドウは、基本2グループに属する機能に対応する機能キーが表示される領域以外の領域に表示される。
【0086】
本実施の形態では、基本1グループキー111,基本2グループキー112に対応するグループのキーが第1の種類のキーであり、応用グループキー113に対応するグループのキーが第2の種類のキーである。なお、基本1グループキー111,基本2グループキー112,応用グループキー113に対応するグループの各キーをどのような機能の設定に関連付けるかという情報は、機能グループ記憶部22に記憶されている。当該情報は、MFP1において予め設定されていても良いし、ハードキー15やタッチセンサ200に対する操作に基づいて設定されても良い。
【0087】
たとえば、MFP1には、デフォルトで、基本1グループキー111,基本2グループキー112に対応するグループのキーは、印刷枚数、用紙選択、印刷倍率など、設定内容を頻繁に入力されると考えられる機能の設定に関連付けられ、応用グループキー113に対応するグループのキーは、下地調整やネガポジ反転など、設定内容を比較的頻繁には入力されないと考えられる機能の設定に関連付けられている。そして、これらの関連付けは、ユーザの操作に応じて変更可能にされる。
【0088】
図8、図9、図16および図17を参照して説明したように、スライドゲージ171の表示位置を変更させる操作(たとえば、スライドゲージ171に対するドラッグ操作)がなされると、スクロールウィンドウ300に表示されるキーが変更される。スクロールウィンドウ300内に表示されるキーを変更する際の表示態様は、スクロール表示させることが好ましい。図8の機能キー210〜270が、スライドゲージ171の移動の向きとは逆向き(右向き)にスクロールされて、ディスプレイ100には画面100Gが表示される。右向きにスクロールされると、機能キー260と機能キー270は画面100G外に位置することになるため、画面100Gではこれらのキーは表示されない。一方、機能キー208,209がスクロールすることにより画面100G内へと移動してくることになるため、画面100Gではこれらのキーが表示されている。
【0089】
なお、本実施の形態では、スクロールウィンドウ300がディスプレイ100に表示される場合、図11に画面100Jとして示されるように、スクロールウィンドウ300および応用グループキー113以外の領域をグレイアウトすることにより、スクロールウィンドウ300および応用グループキー113を強調表示するようにしても良い。
【0090】
また、本実施の形態では、ディスプレイ100における表示の変更に応じて、スピーカ80から音声を出力させても良い。たとえば、音声としては、ポップアップウィンドウ120Aを表示させる際や、スクロールウィンドウ300におけるスクロール表示の際の、効果音が挙げられる。
【0091】
また、本実施の形態では、基本2グループキー112が操作されることにより、ディスプレイ100に表示されるキーが、基本1グループキー111に対応するグループのキーから基本2グループキー112に対応するグループのキーに入れ替えられる際にも、スクロール表示が行なわれても良い。当該スクロール表示の際には、図12の画面110Kに示されるように、一時的に、機能キー120〜160の下部と機能キー310〜350の上部が同時に表示される。また、ポインタ110も、基本1グループキー111を囲む位置から基本2グループキー112を囲む位置へとスクロールされることにより、移動する。
【0092】
図13〜図15は、本実施の形態のMFP1において、ディスプレイの表示を制御するためにCPU10が実行する処理の内容を示すフローチャートである。CPU10はプログラム記憶部23に記憶されたプログラムを読み込み、図13〜図15に示す処理を実行する。以下に、図13〜図15を参照して、ディスプレイの表示を制御する処理の内容を説明する。
【0093】
まず図13を参照して、MFP1に電源が投入されると、CPU10は、ステップS10で、MFP1の各種の設定を初期化し、ステップS20へ処理を進める。
【0094】
ステップS20では、CPU10は、ディスプレイ100に初期画面を表示させて、ステップS30へ処理を進める。初期画面とは、たとえば図3に示したような、基本1グループに対応する機能キー120〜160が表示される画面とすることができる。
【0095】
ステップS30では、CPU10は、タッチパネル201に表示されているキーが選択されるまで待機し、キーが選択されると、選択されたキーが何かを判断し、選択されたキーに応じて処理を進める。基本2グループキー112が選択されたと判断すると(ステップS30で「基本2グループキー」)、ステップS60(図14)へ処理を進める。応用グループキー113が選択されたと判断すると(ステップS30で「応用グループキー」)、ステップS100(図15)へ処理を進める。基本1グループに属する機能キー120〜160のいずれかが選択されたと判断すると(ステップS30で「機能キー」)ステップS40へ処理を進める。
【0096】
ステップS40では、CPU10は、図5および図6を参照して説明したように、ステップS30で選択された機能キーに対応したポップアップウィンドウ120Aを表示させ、当該ポップアップウィンドウ内の設定内容キーに対する選択を受け付ける処理を実行して、ステップS20へ処理を戻す。
【0097】
ステップS30において基本2グループキーが選択されたと判断すると(ステップS30で「基本2グループキー」)、図14へ移り、ステップS60で、CPU10は、図4に示したように、機能選択エリア103に、基本グループに属する機能に対応する機能キー310〜350を表示させて、ステップS70へ処理を進める。
【0098】
CPU10は、タッチセンサ200に対して、ディスプレイ100に表示されているキーが選択されるまで待機し、キーが選択されると、選択されたキーに応じて処理を進める。基本1グループキー111が操作されたと判断すると(ステップS70で「基本1グループキー」)ステップS20(図13)へ処理を進める。応用グループキー113が操作されたと判断すると(ステップS70で「応用グループキー」)、ステップS100(図15)へ処理を進める。基本2グループに属する機能キー310〜350のいずれかが選択されたと判断すると(ステップS70で「機能キー」)ステップS80へ処理を進める。
【0099】
ステップS80では、CPU10は、ステップS70で選択された機能キーに対応したポップアップウィンドウを表示させ、当該ポップアップウィンドウ内の設定内容キーに対する選択を受け付ける処理を実行して、ステップS60へ処理を戻す。
【0100】
図13のステップS30において応用グループキーが選択されたと判断した場合(ステップS30で「応用グループキー」)、または図14のステップS70において応用グループキーが選択されたと判断した場合(ステップS70で「応用グループキー」)には、図15に移り、ステップS100の処理を行なう。ステップS100において、CPU10は、図8等に示したように、スクロールウィンドウ300をディスプレイ100に表示し、応用グループに属する機能キーのうちの所定個数の機能キーを機能バッチエリア173に表示させて、ステップS110へ処理を進める。
【0101】
次に、ステップS110で、CPU10は、タッチセンサ200に対して、スライドゲージ171を移動させる操作がなされたか否かを判断し、スライドゲージ171を移動させる操作がなされたと判断すると(ステップS110でYES)ステップS120へ処理を進め、スライドゲージ171を移動させる操作がなされていないと判断すると(ステップS110でNO)ステップS130へ処理を進める。
【0102】
ステップS120では、CPU10は、図8および図9を参照して説明したように、スライドゲージ171の移動量に応じて、スクロールウィンドウ300内の機能バッジエリア173に表示させる機能キーの表示をスライドさせる。
【0103】
ステップS110において、スライドゲージ171を移動させる操作がなされていないと判断すると(ステップS110でNO)、ステップS130では、タッチパネル201に表示されているキーが選択されるまで待機し、キーが選択されると、選択されたキーが何かを判断し、選択されたキーに応じて処理を進める。基本1グループキー111が選択されたと判断すると(ステップS130で「基本1グループキー」)ステップS20(図13)へ処理を進める。基本2グループキー113が選択されたと判断すると(ステップS130で「基本2グループキー」)ステップS60(図14)へ処理を進め、応用グループ112に属する機能キーのいずれかが選択(ステップS130で「応用グループキー」)されたと判断するとステップS140へ処理を進める。
【0104】
ステップS140では、CPU10は、図10を参照して説明したように、ステップS130で選択された機能キーに対応したポップアップウィンドウを表示させ、当該ポップアップウィンドウ内の設定内容キーに対する選択を受け付ける処理を実行して、ステップS100へ処理を戻す。
【0105】
以上説明した本実施の形態では、MFP1が実現できる複数の機能が、基本1グループ、基本2グループ、応用グループに分類される。
【0106】
基本1グループおよび基本2グループの機能の設定内容を変更するための機能キー(機能キー120〜160,310〜350)が機能選択エリア103に表示される。各機能キーを選択すると、ポップアップウィンドウが表示され、当該ポップアップウィンドウ内には、選択された機能キーに対応する機能の設定内容を選択するための、複数の設定内容キーが表示される。
【0107】
ここで、上記ポップアップウィンドウは、機能選択エリア103に表示された機能キー(機能キー120〜160または機能キー310〜350)の視認を妨げない態様で表示される。これにより、ユーザは、上記ポップアップウィンドウが表示されても、ポップアップウィンドウ表示前に機能選択エリア103に表示されていたすべての機能キーを見ることができる。つまり、ユーザは、当該すべての機能キーについての設定内容を見ながら、ポップアップウィンドウ中に表示された設定内容キーを選択することができる。したがって、ある機能の設定内容を、別の機能の設定内容を確認しながら、選択することができる。
【0108】
また、本実施の形態では、応用グループの機能の設定を変更するための機能キー(機能キー208,209,210,220,230,240,250,260,270,271,272)が、機能選択エリア103とは重なりを持たないスクロールウィンドウ300に表示される。これにより、応用グループの各機能の設定をする際にも、ユーザは、基本1グループまたは基本2グループの設定内容を視認することができる。また、応用グループの機能キーが操作されることによって、各機能キーについての設定内容を表示するためのポップアップウィンドウが表示されるが、このポップアップウィンドウがされても、ユーザは、基本1グループまたは基本2グループの設定内容を視認することができる。
【0109】
また、応用グループの複数の機能キーの中でスクロールウィンドウ300内に表示されるものは、スクロール表示することにより変更することができる。これにより、応用グループについては、限られた面積において、より多くの機能キーを表示させることができる。
【0110】
このように、本実施の形態では、基本1グループおよび基本2グループと、応用グループとで、対応する機能キーの表示の仕方を異ならせている。これにより、多くの機能について、機能の性質によって変更することができる。具体的には、設定内容を頻繁に入力されると考えられる機能については、その設定のためのキー(およびその設定内容)を常時表示させつつ、設定内容を比較的頻繁には入力されないと考えられる機能については、その設定のためのキーの中でタッチパネルに表示させるものをスクロールによって入れ替えることができる。
【0111】
また、ユーザは、ハードキー15やタッチパネル201を操作することによって、機能グループ記憶部22の記憶内容を更新することができる。これにより、本実施の形態では、どの機能を基本1グループや基本2グループとするか、また、どの機能を応用グループとするかを、ユーザが変更することができる。これにより、MFP1を、ユーザの使い勝手の良いものとすることができる。
【0112】
本発明は、画像処理装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることはいうまでもない。そして、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記録媒体(記録媒体400)を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU(Micro-Processing Unit))が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0113】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0114】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0115】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0116】
記録媒体としては、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの、不揮発的にプログラムを格納する媒体が挙げられる。
【0117】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0118】
1 MFP、10 CPU、13 スキャナ部、14 プリンタ部、20 HDD、21 設定内容記憶部、22 機能グループ記憶部、23 プログラム記憶部、24 データ記憶部、60 NIC、70 後処理部、100 ディスプレイ、200 タッチセンサ、201 タッチパネル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能を実現可能な画像処理装置であって、
前記複数の機能は、第1のグループに属する機能と、第2のグループに属する機能を含み、
表示手段と、
前記第1のグループと前記第2のグループのいずれかの選択を受け付ける選択受付手段と、
前記第1のグループと前記第2のグループのいずれが選択されたかに関わらず、複数の前記第1のグループのそれぞれに対応する第1のキーを前記表示手段に表示させる第1の表示制御手段と、
前記第2のグループが選択された場合に、複数の前記第2のグループのそれぞれに対応する第2のキーを、前記表示手段の表示領域のうちの、前記第1のキーが表示されている第1の領域以外の第2の領域に表示させる第2の表示制御手段とを備える、画像処理装置。
【請求項2】
前記第2の表示制御手段は、
前記第2の領域に、前記第2のキーのうちの一部のキーを、所定の方向に配列させて表示させ、
前記第2の領域をスクロール表示させることで、前記第2のキーのうちの前記第2の領域に表示させるキーを入れ替える、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第2の表示制御手段により表示された第2のキーのいずれかが選択された場合に、当該選択された第2のキーに対応する第2のグループについての設定内容を受け付ける第3のキーを、前記第1のキーが表示されている前記第1の領域以外の領域に表示させる第3の表示制御手段をさらに備える、請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第3の表示制御手段は、前記第3のキーを、前記第2のキーが表示されている第2の領域以外の領域に表示させる、請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記複数の機能の中の、前記第1のグループに属する機能を変更可能である、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記複数の機能の中の、前記第2のグループに属する機能を変更可能である、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
表示手段を備え、複数の機能を実現可能な画像処理装置において実行される制御プログラムであって、
前記複数の機能は、第1のグループに属する機能と、第2のグループに属する機能を含み、
前記画像処理装置を、
前記第1のグループと前記第2のグループのいずれかの選択を受け付ける選択受付手段、
前記第1のグループと前記第2のグループのいずれが選択されたかに関わらず、前記複数の第1のグループのそれぞれに対応する第1のキーを前記表示手段に表示させる第1の表示制御手段、および、
前記第2のグループが選択された場合に、前記複数の第2のグループのそれぞれに対応する第2のキーを、前記表示手段の表示領域のうちの、前記第1のキーが表示されている第1の領域以外の第2の領域に表示させる第2の表示制御手段として機能させる、画像処理装置の制御プログラム。
【請求項8】
前記第2の表示制御手段は、
前記第2の領域に、前記第2のキーのうちの一部のキーを、所定の方向に配列させて表示させ、
前記第2の領域をスクロール表示させることで、前記第2のキーのうちの前記第2の領域に表示させるキーを入れ替える、請求項7に記載の画像処理装置の制御プログラム。
【請求項9】
前記制御プログラムは、前記画像処理装置を、さらに、
前記第2の表示制御手段により表示された第2のキーのいずれかが選択された場合に、当該選択された第2のキーに対応する第2のグループについての設定内容を受け付ける第3のキーを、前記第1のキーが表示されている前記第1の領域以外の領域に表示させる第3の表示制御手段として機能させる、請求項7または8に記載の画像処理装置の制御プログラム。
【請求項10】
前記第3の表示制御手段は、前記第3のキーを、前記第2のキーが表示されている第2の領域以外の領域に表示させる、請求項9に記載の画像処理装置の制御プログラム。
【請求項11】
表示手段を備え、複数の機能を実現可能な画像処理装置の制御方法であって、
前記複数の機能は、第1のグループに属する機能と、第2のグループに属する機能を含み、
前記画像処理装置に、
前記第1のグループと前記第2のグループのいずれかの選択を受付けるステップと、
前記第1のグループと前記第2のグループのいずれが選択されたかに関わらず、前記複数の第1のグループのそれぞれに対応する第1のキーを前記表示手段に表示させるステップと、
前記第2のグループが選択された場合に、前記複数の第2のグループのそれぞれに対応する第2のキーを、前記表示手段の表示領域のうちの、前記第1のキーが表示されている第1の領域以外の第2の領域に表示させるステップとを実行させる、画像処理装置の制御方法。
【請求項12】
前記第2のキーを前記第2の領域に表示させるステップは、
前記第2の領域に、前記第2のキーのうちの一部のキーを、所定の方向に配列させて表示させ、
前記第2の領域をスクロール表示させることで、前記第2のキーのうちの前記第2の領域に表示させるキーを入れ替える、請求項11に記載の画像処理装置の制御方法。
【請求項13】
前記画像処理装置に、
前記第2のキーのいずれかが選択された場合に、当該選択された第2のキーに対応する第2のグループについての設定内容を受け付ける第3のキーを、前記第1のキーが表示されている前記第1の領域以外の領域に表示させるステップをさらに実行させる、請求項11または12に記載の画像処理装置の制御方法。
【請求項14】
前記第3のキーを前記第1の領域以外の領域に表示させるステップは、前記第3のキーを、前記第2のキーが表示されている第2の領域以外の領域に表示させる、請求項13に記載の画像処理装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−68700(P2012−68700A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210603(P2010−210603)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】