説明

画像処理装置、情報処理方法、コンピュータプログラム、及び、情報記録媒体

【課題】印刷ジョブデータに含まれていない情報を、印刷される文書が画像として形成される媒体に容易に対応づけることのできる画像処理装置を提供すること。
【解決手段】入力される印刷ジョブデータを解析するジョブデータ解析手段と、前記印刷ジョブデータに含まれる符号生成コマンドに対応づけられる項目の値を取得する値取得手段と、前記値取得手段により取得された値の符号を生成する符号生成手段と、前記符号を前記印刷ジョブデータに対応する画像に重畳させる重畳手段と、を有する画像処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、情報処理方法、コンピュータプログラム、及び、情報記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、バーコード等のシンボルコードを画像に重畳して出力するプリンタの技術がある。例えば、特開2006−31427号公報(特許文献1)には、プリンタドライバにおいてバーコードのイメージデータを作成し、プリンタに出力させてシンボルコードを印刷させるプリンタドライバの発明が開示されている。特許文献1に開示のプリンタドライバによれば、プリンタの環境に依存することなく、高品質なシンボルコードの印刷を行わせることができる。
【0003】
また例えば、特開2004−98695号公報(特許文献2)には、異なるバーコード規格に対応する複数のバーコードフォントから、一のバーコードフォントを選択することにより、簡単な入力操作だけで高精度なバーコードを印刷するシステムの発明が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−31427号公報
【特許文献2】特開2004−98695号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1及び2に開示の発明では、印刷データに含まれている情報を、バーコードに変換することは考慮されているが、印刷データに含まれていない情報を、バーコードに変換することは考慮されていない。より詳細には、例えば、印刷ジョブデータに「RECOH」という文字列が含まれている場合には、その文字列に対応するバーコードを出力することしか考慮されていない。
【0006】
文書を管理する際等において、例えば、セキュリティの向上を図り利便性をあげるためには、印刷される文書に対応づけられる書誌情報や印刷ジョブに係る情報等を、文書が画像として形成される媒体に付加することが望ましい。しかし、これらの情報が、印刷ジョブデータに含まれていない場合には、媒体に付加させて出力させることができない。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みて、これらの問題を解消するために発明されたものであり、印刷ジョブデータに含まれていない情報を、印刷される文書が画像として形成される媒体に容易に対応づけることのできる画像処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の画像処理装置は次の如き構成を採用した。
【0009】
本発明の画像処理装置は、入力される印刷ジョブデータを解析するジョブデータ解析手段と、前記印刷ジョブデータに含まれる符号生成コマンドに対応づけられる項目の値を取得する値取得手段と、前記値取得手段により取得された値の符号を生成する符号生成手段と、前記符号を前記印刷ジョブデータに対応する画像に重畳させる重畳手段と、を有する構成とすることができる。
【0010】
これにより、印刷ジョブデータに含まれていない情報を、印刷される文書が画像として形成される媒体に容易に対応づけることのできる画像処理装置を提供することができる。
【0011】
なお、上記課題を解決するため、本発明は、上記画像処理装置における情報処理方法、その情報処理方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム、又は、そのコンピュータプログラムを記録した情報記録媒体としてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の画像処理装置、情報処理方法、コンピュータプログラム、及び、情報記録媒体によれば、印刷ジョブデータに含まれていない情報を、印刷される文書が画像として形成される媒体に容易に対応づけることのできる画像処理装置、情報処理方法、コンピュータプログラム、及び、情報記録媒体を提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、以下の実施の形態において「符号」とは、2次元バーコード等の情報が変換された画像、又は、画像透かし等の画像に埋め込まれる情報の形態をいう。
【0014】
〔本発明の実施の形態〕
(本実施形態に係る画像処理装置の機能構成の例)
図1は、本実施形態に係る画像処理装置の機能構成の例を示すブロック図である。図1の画像処理装置100は、入力されるジョブデータを解析し、対応する画像データにバーコード等の符号を重畳した画像を、媒体上に形成して出力する。画像処理装置100は、ジョブデータ解析手段120、値取得手段130、符号重畳部140、画像形成手段150、記憶部160、指示出力手段170、ユーザインタフェース(以下、「I/F」という。)部190、及び、画面生成手段195を有する。
【0015】
ジョブデータ解析手段120は、入力される印刷ジョブデータの解析を行う。入力される印刷ジョブデータは、例えば、PJL(Printer Job Language)で記述される。ジョブデータ解析手段120は、例えば、PJLで記述された印刷ジョブデータを、コマンド毎に解析し、印刷出力の条件等を取得する。
【0016】
値取得手段130は、ジョブデータ解析手段120によって解析された印刷ジョブデータに含まれる符号生成コマンドに対応づけられる項目の値を取得する。符号生成コマンドは、例えば、PJLの一コマンドとして定められるとよい。符号生成コマンドには、例えば、日時、機器の識別情報等の項目を表す引数が含まれている。値取得手段130は、符号生成コマンドの引数である項目に対応する値を取得する。
【0017】
値取得手段130が取得する値が、例えば、日時、機器の識別情報等である場合は、画像処理装置100が有する記憶手段等に格納されている情報から、それらの値が取得される。画像処理装置100が保持する値は、例えば、MIB(Management Information Base)に含まれている値である。
【0018】
値取得手段130が取得する値が、例えば、印刷ジョブデータにより出力される文書に係る情報の場合には、値取得手段130は、その情報が格納されている記憶手段にアクセスすることにより、値を取得する。文書に係る情報とは、例えば、書誌情報である。文書に係る情報は、画像処理装置100が有する記憶手段に格納されてもよく、画像処理装置100とネットワーク等を介して接続された他の記憶手段に格納されてもよい。
【0019】
値取得手段130が取得する値が、他の記憶手段に格納されている場合には、画像処理装置100は、図示しない通信手段等により、それらの他の記憶手段に対してアクセスする。
【0020】
符号重畳部140は、印刷ジョブデータに含まれている符号生成コマンドに基づいて、バーコード等の符号を生成し、その印刷ジョブデータによる画像に重畳させる。符号重畳部140は、例えば、符号生成手段141、画像生成手段142、重畳手段143を有する。
【0021】
符号生成手段141は、符号生成コマンドに基づく符号を生成する。符号生成手段141により生成される符号に含まれる情報は、値取得手段130により取得された項目の値である。符号生成手段141により生成される符号は、バーコード等の2次元の符号、又は、画像に含まれる透かし等の符号である。
【0022】
画像生成手段142は、印刷ジョブデータに基づいて、画像を生成する。画像生成手段142によって生成される画像は、例えば、印刷ジョブデータを解析することによりレンダリングされたものであり、図示しないメモリ上に展開される。
【0023】
重畳手段143は、画像生成手段142により生成された画像に、符号生成手段141により生成された符号を重畳する。重畳手段143により重畳される符号は、例えば、バーコード等の2次元の符号の場合には、画像の中の所定の位置に配される。重畳手段143により重畳される符号は、例えば、透かしの場合には、画像に所定の方法により埋め込まれるとよい。
【0024】
画像形成手段150は、符号重畳部140により符号が重畳された画像を、媒体上に形成して出力する。
【0025】
記憶部160は、入力される印刷ジョブデータ等を格納する。記憶部160は、例えば、記憶手段161及びテーブル保持手段163を有する。記憶手段161及びテーブル保持手段163は、例えば、ハードディスク装置又はメモリ等として構成されるとよい。
【0026】
記憶手段161は、入力される印刷ジョブデータが格納される。記憶手段161は、複数の印刷ジョブデータを格納してもよい。これにより、操作者による画像形成の指示が入力されるまで、それぞれの印刷ジョブを待機させることができる。
【0027】
テーブル保持手段163は、異なる複数の符号生成コマンドの組み合わせのテーブルを保持する。テーブル保持手段163により保持されるテーブルに含まれる組み合わせの一を、指示出力手段170が値取得手段130に対して出力することにより、値取得手段130が、その組み合わせに含まれている符号生成コマンドに対する処理を行う。これにより、印刷ジョブデータに含まれている符号生成コマンドのうち、指定された組み合わせに含まれている符号生成コマンドに対する情報が、符号として生成される。
【0028】
ユーザI/F部190は、画像処理装置100に対する操作者の指示等が入力され、また、画像処理装置100の状態や指示の入力を促す画面が表示される。ユーザI/F部190は、例えば、入力手段191及び表示手段193を有する。入力手段191は、操作者による指示が入力される。入力手段191は、例えば、キーボード、マウス等として構成される。
【0029】
表示手段193は、例えば、指示の入力を促す画面を表示する。表示手段193により表示される入力画面は、記憶手段161に格納された複数の印刷ジョブデータのうちから、一以上の印刷ジョブデータを選択する指示の入力を促す画面である。表示手段193により表示される入力画面は、また、テーブル保持手段163により保持される組み合わせのテーブルの中から、一以上の組み合わせを選択する指示の入力を促す画面である。
【0030】
なお、入力手段191及び表示手段193は、例えば、一のオペレーションパネルとして構成されてもよい。入力手段191又は表示手段193は、また例えば、画像処理装置100に対してネットワーク等を介して接続されたホストコンピュータ等に接続された入力手段又は表示手段でもよい。
【0031】
画面生成手段195は、表示手段193により表示される画面を生成する。画面生成手段195により生成される画面には、例えば、記憶部160により保持される情報が含まれる。
【0032】
(本実施形態に係る画像処理装置の例(その1))
図2は、本実施形態に係る画像処理装置の例を説明する図である。図2の画像処理装置101は、図1に示す画像処理装置100と同様の機能及び構成のブロックを有する。図2の画像処理装置101は、印刷ジョブ受信部11、印刷ジョブ解析部12、バーコード情報取得部13、バーコード重畳部14、及び、印刷部15を有する。
【0033】
印刷ジョブ受信部11は、図示しないパーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)から受信した印刷ジョブデータを受信する。印刷ジョブ解析部12は、印刷ジョブ受信部11で受信した印刷ジョブデータを解析する。印刷ジョブ解析部12は、印刷ジョブデータの中に、バーコード変換を行うコマンドが含まれているか否かの判断を行う。
【0034】
バーコード情報取得部13は、バーコード変換する情報を取得する。バーコード情報取得部13により取得される情報は、画像処理装置101が保持する情報、又は、画像処理装置101に接続されたサーバ等が保持する情報等である。なお、バーコード情報取得部13により取得される情報を「バーコード情報」という。
【0035】
バーコード情報は、例えば、日時等の情報、画像処理装置101や印刷ジョブデータを送信した機器のシリアル番号、画像処理装置101が接続されているネットワークに係る情報、印刷ジョブを指示したユーザの情報等である。
【0036】
バーコード情報は、また例えば、印刷ジョブデータに含まれているバーコード変換を行うコマンドに対応づけられている項目の値である。より詳細には、バーコード情報取得部13が、その項目を解析された印刷ジョブデータから取得し、その項目に対応する値を、画像処理装置101等が保持する記憶手段から取得する。
【0037】
例えば、バーコード変換を行うコマンドに「文書ID」が対応づけられている場合には、バーコード情報取得部13は、印刷ジョブデータに対応する文書が格納されているサーバ等に問い合わせることにより、その文書の「作成者」、「作成日」、及び、「文書名」等の付加情報を取得する。
【0038】
バーコード重畳部14は、バーコード情報取得部13により取得されたバーコード情報を、バーコードの画像に変換し、印刷する画像に重畳させる。印刷する画像は、印刷ジョブデータを解析することにより、生成される。
印刷部15は、バーコード重畳部14によりバーコードの画像が重畳された画像を、紙等の媒体に印刷して出力する。
【0039】
(バーコードを重畳して出力する処理の例(その1))
図3は、印刷ジョブデータを解析してバーコードを付加して画像を出力する処理を示すフロー図である。図3のステップS101では、印刷ジョブ受信部11が、印刷ジョブデータを受信する。ステップS101に続いてステップS102に進み、印刷ジョブ解析部12が、ステップS101で受信した印刷ジョブデータを解析する。
【0040】
ステップS102に続いてステップS103に進み、バーコード情報取得部13が、ステップS102で解析された印刷ジョブデータに、バーコード変換する情報が含まれているか否かの判断を行う。バーコード変換する情報が含まれている場合には、ステップS104に進み、バーコード変換する情報が含まれていない場合には、ステップS106に進む。
【0041】
ステップS103に続くステップS104では、バーコード情報取得部13が、ステップS102で解析された印刷ジョブデータに含まれているバーコード変換する情報に基づいて、バーコード情報を取得する。ステップS104に続いてステップS105に進み、バーコード重畳部14が、ステップS104で取得されたバーコード情報からバーコードの画像を生成し、印刷ジョブデータに基づく画像に重畳させる。
【0042】
ステップS103又はステップS105に続くステップS106では、印刷ジョブデータに基づく画像が印刷され出力される。なお、ステップS103においてバーコードに変換する情報が含まれていると判断された場合には、出力される画像には、バーコードの画像が重畳される。
【0043】
(印刷ジョブデータの例)
図4は、画像処理装置101が処理する印刷ジョブデータの例を説明する図である。図4の印刷ジョブデータは、PJLにより記述されている。図4中、コマンドaが、バーコードに変換する情報の有無を表すコマンドである。コマンドaは、引数として「QR」を有する。引数「QR」は、バーコードの種類を表す値である。
【0044】
また、図4中、コマンドbが、バーコードに変換する情報に対応する。コマンドbの引数「This is a test.」が、バーコード情報である。なお、図4では、バーコード情報が、印刷ジョブデータに含まれる例について説明しているが、本発明の実施の形態は、バーコード情報が、画像処理装置101等の機器に保持される情報でもよい。
【0045】
(本実施形態に係る画像処理装置の例(その2))
図5は、本実施形態に係る画像処理装置の例を説明する図である。図5の画像処理装置102は、図1に示す画像処理装置100及び図2に示す画像処理装置101と同様の機能及び構成のブロックを有する。図5の画像処理装置102は、印刷ジョブ受信部11、印刷ジョブ解析部12a、印刷部15、印刷ジョブ蓄積部16、印刷指示部17、及び、バーコード変換部18を有する。図5中、図2の画像処理装置101と同一の機能及び作用を有するブロックについては、図2と同一の符号を付し、ここでは説明を省略する。
【0046】
印刷ジョブ蓄積部16は、印刷ジョブ受信部11が受信した印刷ジョブデータを蓄積する。印刷ジョブ蓄積部16は、複数の印刷ジョブデータを蓄積するとよい。印刷ジョブ蓄積部16は、例えば、ハードディスク装置として構成される。
【0047】
印刷指示部17は、印刷ジョブ蓄積部16に蓄積された印刷ジョブデータの中から、印刷する印刷ジョブデータを選択して指示を出力する。印刷指示部17は、例えば、表示手段193に表示された印刷ジョブデータの一覧に基づいて操作者により入力された指示を、出力する。印刷指示部17は、また、印刷ジョブ蓄積部16に一の印刷ジョブデータが蓄積される毎に、印刷する指示を出力してもよい。
【0048】
印刷指示部17は、またさらに、予め設定されたバーコード変換を行う情報の項目に基づいて、バーコード変換を行う指示を出力してもよい。例えば、図示しない記憶手段にバーコード用設定ファイルを保持する。バーコード用設定ファイルには、バーコード変換を行う情報を記載する。より詳細には、バーコード用設定ファイルに“Date, Time, SerialNumber, UserName”と記載されている場合には、日時、シリアル番号、及び、ユーザ名の情報をバーコードに変換する。
【0049】
印刷ジョブ解析部12aは、印刷指示部17で指示された印刷ジョブデータを解析し、バーコード変換を必要とするコマンドが含まれているか否かを判断する。印刷ジョブ解析部12aは、さらに、印刷ジョブデータにバーコード用フォントが含まれているか否かの判断をするとよい。これにより、バーコード変換を必要とするコマンドがある場合に、そのバーコード変換に用いるフォントがある場合には、バーコードの画像を生成することなく、そのフォントを用いることができる。
【0050】
バーコード変換部18は、印刷ジョブ解析部12aが、バーコード変換を必要とするコマンドが含まれていると判断した場合に、そのコマンドに対応するバーコードを生成して、印刷ジョブデータに基づく画像に付加する。
【0051】
なお、バーコード変換を必要とするコマンドが含まれているか否かの判断は、例えば、印刷ジョブデータがPJLにより記述されている場合には、バーコード用のPJLコマンドの有無を判断することにより、実現されるとよい。より詳細には、例えば、印刷ジョブデータであるプリントジョブ中に、“@PJL BARCODE”が記述されている場合には、バーコードへの変換が必要と判断する。
【0052】
バーコード変換部18は、例えば、APIとして構成されるとよい。より詳細には、例えば、AddBarcode(printImage, barcodeInfo)の書式により実現される。ここで、「printImage」が、バーコードの画像、「barcodeInfo」が、バーコードに変換する情報を表す引数である。これにより、印刷指示部17がアプリケーションとして実現される場合に、このAPIによりバーコードへの変換を実現させることができる。
バーコード変換部18は、また、情報をバーコード変換することに代えて、画像に対して透かし(Watermark)を埋め込んでもよい。
【0053】
なお、印刷指示部17が、異なる複数のバーコード変換を必要とするコマンドに対応する場合には、コマンド毎に対応するアプリケーションとして実現されるとよい。より詳細には、例えば、アプリケーション1は、日時及びシリアル番号の情報をバーコードに変換するアプリケーションとし、アプリケーション2は、ユーザ情報及び印刷ジョブの識別名の情報をバーコードに変換するアプリケーションとするとよい。これにより、バーコード変換する情報毎に、アプリケーション1とアプリケーション2とを切り替えることができる。
【0054】
(バーコードを重畳して出力する処理の例(その2))
図6は、印刷ジョブデータを解析してバーコードを付加して画像を出力する処理を示すフロー図であって、印刷ジョブデータが印刷ジョブ蓄積部16に蓄積された後に、印刷出力される処理の例を示す図である。図6のステップS201では、印刷ジョブ受信部11が、印刷ジョブデータを受信する。ステップS201に続いてステップS202に進み、ステップS201で受信された印刷ジョブデータが印刷ジョブ蓄積部16に蓄積される。
【0055】
ステップS202に続いてステップS203に進み、印刷指示部17が、ステップS202で蓄積された印刷ジョブデータに対する印刷の指示を出力する。なお、ステップS202からステップS203への進行は、操作者による指示の入力、又は、印刷ジョブ蓄積部16に一の印刷ジョブデータが蓄積される等のイベントに基づいてよい。
【0056】
ステップS203に続いてステップS204に進み、印刷ジョブ解析部12aが、ステップS203で印刷指示が出力された印刷ジョブデータに対する解析を行う。ステップS204に続いてステップS205に進み、バーコード変換部18が、ステップS204で解析された印刷ジョブデータの中に、バーコード変換を要するコマンドが含まれているか否かを判断する。バーコード変換を要するコマンドが含まれている場合には、ステップS206に進み、バーコード変換を要するコマンドが含まれていない場合には、ステップS207に進む。
【0057】
ステップS205に続くステップS206では、バーコード変換部18が、ステップS204で解析された印刷ジョブデータに含まれる、バーコード変換を要するコマンドに基づいて、バーコード変換を行う。
【0058】
ステップS205又はステップS206に続いてステップS207に進み、ステップS203で印刷指示が出力された印刷ジョブデータに対応する画像が印刷され出力される。なお、ステップS205において、バーコード変換を要するコマンドがあると判断された場合には、出力される画像には、ステップS206でバーコード変換された情報のバーコードの画像が重畳されている。
【0059】
(印刷指示の入力を促す画面の例)
図7から図9は、印刷指示部17に対する印刷指示の入力を促す画面の例を説明する図である。図7の画面では、3つの印刷ジョブデータが表示されており、最上段の文書「xxx」に対するラジオボタンが選択されている。図7の画面において、「バーコード印刷設定」のボタンが押下されることにより、図8の入力画面に進む。
【0060】
図8の画面は、バーコードとして重畳される情報を選択する入力を促す画面を説明する図である。図8の画面によれば、「機器情報」、「文書情報」、及び、「その他」の3つの情報について、バーコードとして重畳される項目を選択することができる。
【0061】
図9の画面は、バーコードを重畳する位置及びバーコードの種類等を設定する画面を説明する図である。図9の画面では、「バーコード種類」、「印刷位置」、及び、「印刷ページ」を選択して設定することができる。なお、図8及び図9におけるバーコードの「印刷」とは、画像に重畳されたバーコードを媒体上に形成することをいう。
【0062】
(コンピュータ等による実現)
図10は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置を実現するコンピュータの構成を説明する図である。図10のコンピュータは、主処理部400、入力装置410、表示装置420、スキャナ430、プロッタ440、NIC460、ドライブ装置480、ハードディスク装置(以下、「HDD」という。)490、入力I/F419、表示I/F429、スキャナI/F439、プロッタI/F449、ドライブI/F489、及び、HDDI/F499を有する。
【0063】
主処理部400は、コンピュータプログラムを実行して各機能を実現する。主処理部400は、例えば、CPU401、ROM408、及び、RAM409を有する。CPU401は、コンピュータプログラムを実行することにより、コンピュータが有する各デバイス等の制御を行う。ROM408は、例えば、コンピュータプログラムやパラメータ等が格納され、CPU401にそれらが供せられる。RAM409は、例えば、CPU401がコンピュータプログラムを実行する際のワークメモリとして供せられる。
【0064】
入力装置410は、例えば、キーボードやマウス等の入力デバイスとして構成され、コンピュータに対する指示等が入力される。表示装置420は、コンピュータの状態等が表示される。スキャナ430は、画像を光学的に読み取って、画像データを生成する。プロッタ440は、媒体上に画像を形成して出力する。
【0065】
NIC460は、コンピュータと外部とをネットワークを介して接続する際のインタフェースの機能を実現し、その制御を行う。ドライブ装置480は、記録媒体が挿入され、その記録媒体に記録された情報を読み出し、またその記録媒体に情報を記録する。HDD490は、大容量のデータを格納する記憶手段である。
【0066】
入力I/F419は、表示I/F429、スキャナI/F439、プロッタI/F449、ドライブI/F489、及び、HDD−I/F499は、それぞれ、入力装置410、表示装置420、スキャナ430、プロッタ440、ドライブ装置480、及び、HDD490がバスを介して主処理部400と接続される際のインタフェースである。
【0067】
なお、図1ないし図9において、各部又は各手段の対応は以下の通りである。「印刷ジョブ解析部12」及び「印刷ジョブ解析部12a」は、「ジョブデータ解析手段120」に対応する。「バーコード情報取得部13」は、「値取得手段130」に対応する。「バーコード重畳部14」及び「バーコード変換部18」は、「符号重畳部140」に対応する。「印刷部15」は、「画像形成手段150」に対応する。「印刷ジョブ蓄積部16」は、「記憶部160」に対応する。「印刷指示部17」は、「指示出力手段170」に対応する。
【0068】
以上、発明を実施するための最良の形態について説明を行ったが、本発明は、この最良の形態で述べた実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本実施形態に係る画像処理装置の機能構成の例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る画像処理装置の例を説明する図(その1)である。
【図3】印刷ジョブデータを解析してバーコードを付加して画像を出力する処理を示すフロー図である。
【図4】画像処理装置101が処理する印刷ジョブデータの例を説明する図である。
【図5】本実施形態に係る画像処理装置の例を説明する図(その2)である。
【図6】印刷ジョブデータが印刷ジョブ蓄積部16に蓄積された後に、印刷出力される処理の例を示すフロー図である。
【図7】印刷指示の入力を促す画面の例の図である。
【図8】バーコード印刷する情報の項目の入力を促す画面の例の図である。
【図9】バーコード印刷の条件の入力を促す画面の例の図である。
【図10】コンピュータの構成の例を説明する図である。
【符号の説明】
【0070】
11 印刷ジョブ受信部
12 印刷ジョブ解析部
12a 印刷ジョブ解析部
13 バーコード情報取得部
14 バーコード重畳部
15 印刷部
16 印刷ジョブ蓄積部
17 印刷指示部
18 バーコード変換部
100 画像処理装置
101 画像処理装置
102 画像処理装置
120 ジョブデータ解析手段
130 値取得手段
140 符号重畳部
141 符号生成手段
142 画像生成手段
143 重畳手段
150 画像形成手段
160 記憶部
161 記憶手段
163 テーブル保持手段
170 指示出力手段
190 ユーザI/F部
191 入力手段
193 表示手段
195 画面生成手段
400 主処理部
410 入力装置
419 入力I/F
420 表示装置
429 表示I/F
430 スキャナ
439 スキャナI/F
440 プロッタ
449 プロッタI/F
480 ドライブ装置
489 ドライブI/F
490 ハードディスク装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される印刷ジョブデータを解析するジョブデータ解析手段と、
前記印刷ジョブデータに含まれる符号生成コマンドに対応づけられる項目の値を取得する値取得手段と、
前記値取得手段により取得された値の符号を生成する符号生成手段と、
前記符号を前記印刷ジョブデータに対応する画像に重畳させる重畳手段と、
を有する画像処理装置。
【請求項2】
入力される前記印刷ジョブデータを格納する記憶手段と、
解析された前記印刷ジョブデータに対応する画像を生成する画像生成手段と、
前記記憶手段に格納された印刷ジョブデータによる画像を生成する指示を、前記画像生成手段に対して出力し、さらに、該印刷ジョブデータに含まれる符号生成コマンドに対応づけられる項目の値を取得する指示を、前記値取得手段に対して出力する、指示出力手段と、
を有する請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記印刷ジョブデータに複数の符号生成コマンドが含まれる場合に、
前記指示出力手段は、異なる複数の符号生成コマンドの組み合わせ毎に、前記値取得手段に対する指示を出力し、
前記値取得手段は、前記指示出力手段による指示が出力された符号生成コマンドに対応づけられる項目の値を取得する請求項1又は2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記指示出力手段は、前記記憶手段に一の印刷ジョブデータが格納される毎に、前記画像生成手段に対する指示及び前記値取得手段に対する指示を出力する請求項2又は3記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記記憶手段に格納された印刷ジョブデータに対応する画像を生成する指示の入力を促す入力画面を生成する画面生成手段を有し、
前記指示出力手段は、前記入力画面により指示が入力された印刷ジョブデータに対する指示を出力する請求項2又は3記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記記憶手段に複数の印刷ジョブデータが格納されている場合に、前記入力画面は、前記複数の印刷ジョブデータの識別情報の一覧を含む請求項5記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記異なる複数の符号生成コマンドの組み合わせのテーブルを保持するテーブル保持手段を有し、
前記指示出力手段は、前記テーブルに含まれる組み合わせのうちの一以上の組み合わせについて、前記値取得手段に対する指示を出力する請求項3記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記指示出力手段が出力する、前記異なる複数の符号生成コマンドの組み合わせの入力を促す入力画面を生成する画面生成手段を有し、
前記指示出力手段は、前記入力画面により指示が入力された複数の符号生成コマンドの組み合わせに対し、前記値取得手段に対する指示を出力する請求項3記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記項目は、日時に係る情報、当該画像処理装置の識別情報、前記印刷ジョブデータによる画像を生成するジョブの識別情報、又は、前記印刷ジョブデータに対応するユーザの識別情報である請求項1ないし8何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記符号が重畳された画像を媒体上に形成する画像形成手段を有する請求項1ないし9何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
入力される印刷ジョブデータを解析するジョブデータ解析ステップと、
前記印刷ジョブデータに含まれる符号生成コマンドに対応づけられる項目の値を取得する値取得ステップと、
前記値取得ステップにおいて取得された値の符号を生成する符号生成ステップと、
前記符号を前記印刷ジョブデータに対応する画像に重畳させる重畳ステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項12】
請求項11記載の情報処理方法を、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項13】
請求項12記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−67019(P2010−67019A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−232909(P2008−232909)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】