画像処理装置、拡張ボード及び電気機器
【課題】消費電力及び設備投資の増加を抑制しつつ安定したネットワーク環境を実現できる画像処理装置、拡張ボード及び電気機器を提供することを目的とする。
【解決手段】プロッタ部411又はスキャナ部402の少なくとも一方を有し、画像形成に係る処理を行う画像処理装置401であって、複数の通信機器同士が直接又は他の通信機器を経由して自律的に構築するネットワークにおける中継点として動作する通信手段414を有することにより上記課題を解決する。
【解決手段】プロッタ部411又はスキャナ部402の少なくとも一方を有し、画像形成に係る処理を行う画像処理装置401であって、複数の通信機器同士が直接又は他の通信機器を経由して自律的に構築するネットワークにおける中継点として動作する通信手段414を有することにより上記課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、拡張ボード及び電気機器に係り、特に通信機能を有する画像処理装置、拡張ボード及び電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、メッシュネットワークの利用が広く検討されるようになった(例えば特許文献1参照)。メッシュネットワークとは、スター型,バス型,リング型といったネットワーク形態の一種である。メッシュネットワークは、通信機器同士が各個に通信を行うことで網の目状のネットワークを構築する。
【0003】
網の目状のネットワークでは複数の通信経路を構築することができるので、障害に強いネットワークを構築できる。現在の電力送電網やインターネット網などはメッシュネットワークの一種と言える。
【0004】
無線(ワイヤレス)メッシュネットワークはメッシュを構成する各機器に、無線通信機能を持つ無線機器を用いて構築するネットワークである。無線メッシュネットワークでは無線機器同士が自律的に無線通信を行い、データを中継することで遠く離れた無線機器への無線通信を可能としている。
【0005】
図1は、一般的な無線通信ネットワークの構成図である。図1の無線通信ネットワークでは、ネットワークインフラ有線バックボーン110に接続されたアクセスポイント(AP)100に対してクライアント機器101〜104が個々に無線通信を行うことによりネットワークを形成している。
【0006】
しかし、図1に示した無線通信ネットワークでは、アクセスポイント100とクライアント機器101〜104とが直接、無線通信を行うため、クライアント機器101〜104の配置によってはアクセスポイント100との通信距離が長くなってしまう場合が発生していた。無線通信において通信距離が長い場合は、電波を遠くに飛ばす為にクライアント機器101〜104の電力消費が大きくなる。
【0007】
また、図1に示した無線通信ネットワークでは、全ての無線通信がアクセスポイント100を介して成立するため、常に一箇所のアクセスポイント100に対して複数のクライアント機器101〜104が通信を行う「1対多」の状況となる。従って、図1に示した無線通信ネットワークではクライアント機器101〜104の数が増えればトラフィックが増大し、通信帯域が狭められてしまうという問題があった。
【0008】
図1に示した無線通信ネットワークの問題は、図2に示す無線メッシュネットワークを構築することによって改善が期待されていた。図2は無線メッシュネットワークの構成図である。
【特許文献1】特開2006−211406号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、無線メッシュネットワークは、その性格上、メッシュを構築する無線機器202〜204及び無線通信機能が必ずしも固定されているとは言えない。例えば図2の無線メッシュネットワークの場合、無線機器203が電源オフもしくは他の場所へ移動してしまうと、無線機器204の無線通信が途切れてしまう。
【0010】
このように、無線メッシュネットワークは非常に安定しないネットワーク網となってしまう可能性があった。このような無線通信が安定しないという問題は、メッシュエリア内の無線機器202〜204を増加させることで解決できる。
【0011】
しかしながら、無線メッシュネットワークはメッシュエリア内の無線機器202〜204が多くても、頻繁にアクセスする無線機器(クライアント)202〜204の比率が高いと、トラフィック効率(帯域確保)が悪くなることが容易に推測される。
【0012】
さらに、無線通信が安定しないという問題は、無線メッシュネットワークを構築する固定ホップポイントを導入することで解決することも考えられるが、新たに機器を追加することによる消費電力の増加と、相応の設備投資とが必要となる。
【0013】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、消費電力及び設備投資の増加を抑制しつつ安定したネットワーク環境を実現できる画像処理装置、拡張ボード及び電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、本発明は、プロッタ部又はスキャナ部の少なくとも一方を有し、画像形成に係る処理を行う画像処理装置であって、複数の通信機器同士が直接又は他の通信機器を経由して自律的に構築するネットワークにおける中継点として動作する通信手段を有することを特徴とする。
【0015】
また、上記課題を解決するため、本発明は、プロッタ部又はスキャナ部の少なくとも一方を有し、画像形成に係る処理を行う画像処理装置の拡張スロットに接続される拡張ボードであって、複数の通信機器同士が直接又は他の通信機器を経由して自律的に構築するネットワークにおける中継点として前記画像処理装置を動作させる通信手段を有することを特徴とする。
【0016】
また、上記課題を解決するため、本発明は、複数の通信機器同士が直接又は他の通信機器を経由して自律的に構築するネットワークにおける中継点として動作する通信手段を有する電気機器であることを特徴とする。
【0017】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、データ構造などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、消費電力及び設備投資の増加を抑制しつつ安定したネットワーク環境を実現できる画像処理装置、拡張ボード及び電気機器を提供可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明していく。なお、本実施例における複合機は画像処理装置の一例である。画像処理装置にはレーザプリンタ,複写機,FAX等が含まれる。また、本実施例における電気機器には、ホワイトボード,プロジェクタ,自動販売機,タバコ分煙機,時計,照明,エアコンや画像処理装置等、建物内において頻繁に移動しない電気機器が含まれる。
【0020】
図3は本発明による無線メッシュネットワークの一実施例の構成図である。図3に示す無線メッシュネットワークには、建物内において頻繁に移動しないことが想定される既存の電気機器303がノードとして含まれている。電気機器303には無線メッシュネットワークにおける中継機能及びクライアント機能が組み込まれている。
【0021】
無線メッシュネットワークにおける中継機能は、無線メッシュネットワークの中継経路として機能するものである。また、無線メッシュネットワークにおけるクライアント機能は無線メッシュネットワーク内で、クライアントとして自ら起点となってアクセスする機能である。
【0022】
電気機器303の多くには概ね省エネルギーモードが備えられている。多くのオフィスでは電気機器303の商用電源自体をオフしない利用形態が多い。また、電気機器303は無線機器302及び304と比べて、電源オフもしくは他の場所へ移動という不確定な要素が少ない。この為、電気機器303を含む無線メッシュネットワークは安定したネットワーク網となる。
【0023】
また、電気機器303は無線メッシュネットワーク内で、クライアントとして自ら起点となってアクセスする頻度が小さい。この為、電気機器303は主に無線メッシュネットワークの中継経路として機能し、通信経路及び帯域を安定して確保できる。
【0024】
また、既存の電気機器303に無線メッシュネットワークにおける中継機能を組み込むため、無線メッシュネットワークを構築する固定ホップポイントを新たに導入する必要がなくなり、新たに機器を追加することによる消費電力の増加と、相応の設備投資とを無くすことができる。つまり、本発明による電気機器303によれば、消費電力及び設備投資の増加を抑制しつつ安定した無線メッシュネットワーク環境を実現できる
以下の実施例では、複合機を画像処理装置及び電気機器303の一例として説明していくが、複合機に限定するものではない。
【実施例1】
【0025】
図4は本発明による複合機の一実施例のブロック構成図である。複合機401は、読取部402,FAX403,メインコントローラ基板(メインCTL基板)405,画像形成部411,メインディスプレイ/操作部412,電源ユニット413を含むように構成される。
【0026】
読取部402は画像データの読み取りを行う。読取部402はスキャナ部を含む構成である。また、FAX403は公衆回線網を介して画像データの送受信を行う。画像形成部411は、メインCTL基板405からの指示に従って、画像データに対する画像形成を行う。画像形成部411はプロッタ部を含む構成である。メインディスプレイ/操作部412は、使用者が複合機401を操作する為の入力部や、使用者が複合機401の状況を把握する為の表示部を有する。電源ユニット413は、商用電源から複合機401内で使用する電源を供給する。
【0027】
メインCTL基板405は、CPU406,ASIC407,主メモリ408,データ蓄積部409,I/Oコントローラ410,無線通信機能IC414を有する。データ蓄積部409は、画像データの一時保存や蓄積を行う。I/Oコントローラ410は、例えば10/100/1000Base−T Ethernet(登録商標)等の通信ICを含む構成である。I/Oコントローラ410は、ネットワーク経由でPC404と接続されている。
【0028】
複合機401は、I/Oコントローラ410の通信ICと、無線通信機能IC414とを備えることにより、外部とのネットワーク通信ができる。複合機401は、I/Oコントローラ410の通信ICと、無線通信機能IC414とによるインターフェースを用いることで、無線メッシュネットワークにおける固定中継点としての機能を実現する。
【0029】
図5は無線メッシュネットワークにおける固定中継点としての機能を実現するメインCTL基板の処理の一例のフローチャートである。ステップS1では、CPU406がASIC407のデータバス上の通信要求を監視し、外部からの通信要求を待つ。
【0030】
ステップS2では、CPU406が外部からの通信要求を認識する。CPU406はステップS3に進み、外部からデータを受信する。ステップS4に進み、CPU406は受信したデータを一旦、主メモリ408に格納する。ステップS5に進み、CPU406は主メモリ408に格納したデータに宛先をセットする。CPU406は、宛先をセットしたデータを、無線通信機能IC414により宛先へ送信する。
【0031】
CPU406は主メモリ408に格納したデータの送信が完了するまで(S6においてYES)、ステップS1〜S6の処理を繰り返す。また、CPU406は主メモリ408に格納したデータの送信が完了すると(S6においてNO)、ステップS3に戻り、再び外部からデータを受信する。なお、複合機401は無線メッシュネットワークにおける固定中継点としての機能を実現する為に必要な、無線通信が可能な無線機器との接続を既存の手順により完了しているものとする。
【0032】
実施例1における複合機401は、オフィス等においても常時通電されていることが多い為、例えばノートパソコンのように移動により通信エリアから外れたり、ディスプレイを閉じて低電力モードに移行して中継機能がオフになったりする等の制限がない。
【0033】
複合機401は無線メッシュネットワークにおける中継機能を搭載しているので、無線メッシュネットワークにおける固定中継点として動作させることにより、安定した通信経路及び帯域の確保と、安定した無線メッシュネットワーク環境を構築する上での電気機器の台数の削減と、設備投資の削減と、消費電力の低減とが可能となる。
【0034】
このように、実施例1における複合機401は、無線メッシュネットワークでの固定中継点として機能することで、無線メッシュネットワークの通信経路及び帯域を安定して確保し、安定したネットワークトラフィックを提供することができる。
【実施例2】
【0035】
図6は本発明による複合機のメインCTL基板のブロック構成図である。図6は図4のブロック構成図におけるメインCTL基板405と対応するものである。つまり、実施例2の複合機401は、図4のブロック構成図におけるメインCTL基板405を図6のブロック構成図と置き換えることで実現される。
【0036】
図6のメインCTL基板601は、CPU602,ASIC603,主メモリ604及びデータ蓄積部409を有する。ASIC603は、W−MN(Wireless−MeshNetwork)等の拡張スロットをデータバス上に有している。図6のメインCTL基板601は、拡張スロットにオプション機能拡張ボード606を接続(装着)することで、実施例1と同等な機能を有する複合機401を実現できる。
【0037】
このように、実施例2における複合機401は無線メッシュネットワークにおける中継機能をオプション機能拡張ボード606による機能の拡張により追加できるので、中継機能を搭載していない複合機401であっても、実施例1と同等な機能を有する複合機401を実現できる。
【0038】
つまり、実施例2における複合機401は、移動によりメッシュエリア内から外れてしまった場合や、移動によりメッシュエリア内に入る場合など、使用者による利用環境が変化した場合であっても適切に対応することができる。
【0039】
図7はオプション機能拡張ボードの一例を示すブロック構成図である。図7に示すオプション機能拡張ボード606は、I/Oコントローラ701及び無線通信機能IC702を有する。オプション機能拡張ボード606のI/Oコントローラ701及び無線通信機能IC702は、データバス経由で複合機401側のCPU602,ASIC603及び主メモリ604を含む情報処理機能に接続して利用する。したがって、オプション機能拡張ボード606はスレーブ側の機能として動作する。
【0040】
図7に示すオプション機能拡張ボード606は、メインCTL基板601が有しているリソースを可能な限り共有する設計としたことで、構成が単純化され、安価に提供可能となる。
【0041】
図8はオプション機能拡張ボードの他の例を示すブロック構成図である。図8に示すオプション機能拡張ボード606は、専用CPU801,専用ASIC802,専用メモリ803,I/Oコントローラ804及び無線通信機能IC805を有する。
【0042】
オプション機能拡張ボード606のI/Oコントローラ804及び無線通信機能IC805は、オプション機能拡張ボード606の専用CPU801,専用ASIC802及び専用メモリ803を含む情報処理機能を利用する。従って、図8に示すオプション機能拡張ボード606は単体で情報を処理できる。また、図8に示すオプション機能拡張ボード606はメインCTL基板601とデータバス経由で接続されている。
【0043】
図8に示すオプション機能拡張ボード606は、メインCTL基板601と独立して動作し、データバス経由で画像データの送受信ができる。このように、図8に示すオプション機能拡張ボード606はメインCTL基板601のCPU602,ASIC603及び主メモリ604といったリソースを利用しないので、メインCTL基板601の稼働状況や性能によらず、オプション機能拡張ボード606の稼働状況や性能に基づいて、安定した無線メッシュネットワーク環境を構築できる。
【0044】
図9は本発明による複合機の使用形態を表した模式図である。本発明による複合機401はオフィス等において図9に示すような使用が想定される。複合機401は、施設内のネットワークインフラであるネットワークインフラ有線バックボーン901と、ローカルネットワークである無線メッシュネットワーク902とを接続する。
【0045】
無線メッシュネットワーク902内の通信機器(端末)は、ネットワークインフラ有線バックボーン901と接続する際、複合機401を経由する。図9のような使用形態によれば、通信回線の敷設を最小限に抑えたネットワーク環境において、ネットワークインフラ有線バックボーン901と無線メッシュネットワーク902との間で、複合機401はファイアウォール機能を容易に実現できる。
【0046】
より具体的に、施設内のネットワークインフラであるネットワークインフラ有線バックボーン901は複合機401と接続されている。一方、小規模オフィスや部署内のローカルネットワークは全て、無線メッシュネットワーク902を経由して複合機401と接続されている。このような複合機401の使用形態では、ローカルネットワークの敷設を最小限に抑えることができる。また、複合機401にファイアウォール機能を付加することにより、ネットワークセキュリティを容易に確保できる。
【実施例3】
【0047】
図10は本発明による複合機の一実施例のブロック構成図である。図4の複合機401と同様、複合機1001は、読取部1002,FAX1003,メインCTL基板1004,メインディスプレイ/操作部1009,画像形成部1010,電源ユニット1012を含むように構成される。なお、図4の複合機401と同一部分については適宜説明を省略する。
【0048】
図10のメインCTL基板1004は、CPU1005,主メモリ1006,ASIC1007,データ蓄積部1008,I/Oコントローラ1011,メッシュネットワーク接続ユニット1013を有する。図10のメインCTL基板1004は、図4の無線通信機能IC414に代えて、メッシュネットワーク接続ユニット1013がASIC1007と接続されている点で図4のメインCTL基板405と異なっている。
【0049】
メッシュネットワーク接続ユニット1013は無線メッシュネットワーク内の端末1015から印刷要求等の複合機(MFP)機能命令を受信する。CPU1005はASIC1007のデータバス上のMFP機能命令を監視している為、端末1015から印刷要求等のMFP機能命令を認識する。CPU1005は端末1015からの印刷要求等のMFP機能命令を処理する。例えばCPU1005は端末1015からの印刷要求を処理して画像形成部1009から出力する。
【0050】
また、CPU1005はASIC1007のデータバス上のMFP機能命令を監視している為、読取部1002やFAX1003から出力された画像データを認識する。CPU1005は読取部1002やFAX1003から出力された画像データをメッシュネットワーク接続ユニット1013から例えば無線メッシュネットワーク内の端末1015へ送信する。
【0051】
通常、複合機1001はネットワーク(メッシュ)通信要求と、印刷要求等のMFP機能命令とを待っており、図11のフローチャートに示す処理を行う。図11はメッシュ通信要求とMFP機能命令とを両立して行う処理の一例を表したフローチャートである。
【0052】
ステップS11〜S12では、CPU1005がASIC1007のデータバス上におけるメッシュ通信要求及びMFP機能命令を監視して、メッシュ通信要求及びMFP機能命令を待っている。少なくともメッシュ通信要求及びMFP機能命令の一方があったと認識すると、CPU1005はステップS13に進む。
【0053】
ステップS13では、CPU1005が、MFP機能命令だけあったのか、メッシュ通信要求だけあったのか、MFP機能命令及びメッシュ通信要求の両方があったのかを判定する。
【0054】
MFP機能命令だけあったと判定すると、CPU1005はステップS14に進み、MFP機能命令に応じた処理を実行しつつ、メッシュ通信要求を待つ。そして、ステップS15に進み、CPU1005はMFP機能命令に応じた処理を完了し、ステップS11に戻る。ステップS14及びS15ではメッシュ通信要求の割り込みに対処する為、CPU1005がメッシュ通信要求を監視し続ける。
【0055】
また、メッシュ通信要求だけあったと判定すると、CPU1005はステップS16に進み、メッシュ通信要求に応じた処理を実行しつつ、MFP機能命令を待つ。例えばCPU1005はメッシュ通信要求の通信プロトコル種別を判定したあと、メッシュ通信要求に応じた処理を実行する。
【0056】
そして、ステップS17に進み、CPU1005はメッシュ通信要求に応じた処理を完了し、ステップS11に戻る。ステップS16及びS17ではMFP機能命令の割り込みに対処する為、CPU1005がMFP機能命令を監視し続ける。
【0057】
さらに、MFP機能命令及びメッシュ通信要求の両方があったと判定すると、CPU1005はステップS18に進み、MFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理を所定の割合で並行処理する。MFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理の一方が完了すると、CPU1005はステップS19に進み、MFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理のうち完了していない処理へ移行する。MFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理が完了すると、CPU1005はステップS11に戻る。
【0058】
なお、ステップS14又はS15においてメッシュ通信要求の割り込みがあると、CPU1005は図12のフローチャートに示す処理を行う。図12はメッシュ通信要求の割り込み時の処理を表したフローチャートである。
【0059】
ステップS21に進み、CPU1005はMFP機能命令に応じた処理が完了しているか否かを判定する。MFP機能命令に応じた処理が完了していなければ、CPU1005はステップS22に進み、メッシュ通信要求に応じた処理を判定する。ステップS23に進み、CPU1005はMFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理を所定の割合で並行処理する。
【0060】
MFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理の一方が完了すると、CPU1005はステップS24に進み、MFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理のうち完了していない処理へ移行する。MFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理が完了すると、CPU1005は図12のフローチャートに示す処理を終了する。
【0061】
一方、MFP機能命令に応じた処理が完了していれば、CPU1005はステップS25に進み、メッシュ通信要求に応じた処理を判定する。ステップS26に進み、CPU1005はメッシュ通信要求に応じた処理を完了したあと、図12のフローチャートに示す処理を終了する。
【0062】
また、ステップS16又はS17においてMFP機能命令の割り込みがあると、CPU1005は図13のフローチャートに示す処理を行う。図13はMFP機能命令の割り込み時の処理を表したフローチャートである。
【0063】
ステップS31に進み、CPU1005はメッシュ通信要求に応じた処理が完了しているか否かを判定する。メッシュ通信要求に応じた処理が完了していなければ、CPU1005はステップS32に進み、MFP機能命令に応じた処理を判定する。ステップS33に進み、CPU1005はMFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理を所定の割合で並行処理する。
【0064】
MFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理の一方が完了すると、CPU1005はステップS34に進み、MFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理のうち完了していない処理へ移行する。MFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理が完了すると、CPU1005は図13のフローチャートに示す処理を終了する。
【0065】
一方、メッシュ通信要求に応じた処理が完了していれば、CPU1005はステップS35に進み、MFP機能命令に応じた処理を判定する。ステップS36に進み、CPU1005はMFP機能命令に応じた処理を完了したあと、図13のフローチャートに示す処理を終了する。
【0066】
実施例3における複合機401は、メッシュ通信要求及びMFP機能命令の割り込みがあっても、メッシュ通信要求とMFP機能命令とを両立して行うことができる。
【実施例4】
【0067】
図14は本発明による複合機のメインCTL基板のブロック構成図である。図14は図4のブロック構成図におけるメインCTL基板405と対応するものである。つまり、実施例4の複合機401は、図4のブロック構成図におけるメインCTL基板405を図14のブロック構成図と置き換えることで実現される。
【0068】
図14のメインCTL基板1401は、CPU1402,ASIC1403,主メモリ1404,データ蓄積部1405,I/Oコントローラ1406,メッシュネットワークトラフィック調停専用IC1407を有する。メッシュネットワークトラフィック調停専用IC1407は、複数のメッシュネットワーク接続ユニット1408〜1410と接続されている。
【0069】
メッシュネットワークトラフィック調停専用IC1407は、メッシュネットワーク接続ユニット1408〜1410のデータトラフィックを監視し、最適な帯域確保を調停すると共に、メッシュネットワーク接続ユニット1408〜1410の故障を検出した場合の対応を行う。メッシュネットワークトラフィック調停専用IC1407は、接続されるメッシュネットワーク接続ユニット1408〜1410間の利用形態として、同時又は切替動作を制御し、最適な動作を行う。
【0070】
メッシュネットワーク接続ユニット1408〜1410は、有線通信又は無線通信の何れにも対応可能である。メッシュネットワーク接続ユニット1408〜1410が対応する有線通信には、10/100/1000Base−Ethernet(登録商標),PLC(電力線通信),IEEE1394等のP2P通信接続が可能な方式が含まれる。
【0071】
また、メッシュネットワーク接続ユニット1408〜1410が対応する無線通信には無線LAN,UWB(Ultra Wide Band),Bluetooth,Zigbee,WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等のP2P通信接続が可能な方式が含まれる。さらにメッシュネットワーク接続ユニット1408〜1410の有線通信又は無線通信の組み合わせは使用者が適宜決めれば良く、ハードウェア的な制約は存在しない。
【0072】
実施例4における複合機401は、無線メッシュネットワークにおける固定中継点としての機能を一つ以上有することで、相補的な中継機能の提供が可能である。即ち、実施例4における複合機401は無線メッシュネットワークにおける固定中継点としての機能を一つ以上有しているので、一つの系統に通信負荷が集中した場合にも帯域の低下を抑止することができ、また、一つの系統に故障が生じても、存続して固定中継点としての機能を保持できる。
【0073】
さらに、実施例4における複合機401は、有線通信に対応可能であるため、従来型の通信ネットワーク環境への敷設導入を容易に行うことができる。実施例4における複合機401は、有線通信又は無線通信の組み合わせは使用者が適宜決めれば良いため、使用者の構築する多様な通信ネットワーク環境に利用できる。実施例4における複合機401はメッシュネットワークトラフィック調停専用IC1407を利用することで、一つ以上の異なる通信方式を同時又は切り替えて利用できる。
【実施例5】
【0074】
図15は本発明による複合機のメインCTL基板及び電源ユニットのブロック構成図である。図15は図4のブロック構成図におけるメインCTL基板405及び電源ユニット413と対応するものである。つまり、実施例5の複合機401は、図4のブロック構成図におけるメインCTL基板405及び電源ユニット413を図15のブロック構成図と置き換えることで実現される。
【0075】
図15のメインCTL基板1501は、CPU1502,ASIC1503,主メモリ1504,データ蓄積部1505,I/Oコントローラ1506,メッシュネットワークトラフィック調停専用IC1507を有する。メッシュネットワークトラフィック調停専用IC1507は、複数のメッシュネットワーク接続ユニット1508〜1510と接続されている。
【0076】
また、メッシュネットワークトラフィック調停専用IC1507は電源ユニット1511と電力制御線により接続されている。メッシュネットワークトラフィック調停専用IC1507はASIC1503から出力される電力制御命令により電源ユニット1511を制御し、メッシュネットワーク接続ユニット1508〜1510への電源供給をオン/オフできる。
【0077】
電源ユニット1511は、メッシュネットワーク接続ユニット1508〜1510毎に独立した電源供給のスイッチを備え、メッシュネットワーク接続ユニット1508〜1510毎に電源供給のオン/オフが可能である。なお、メッシュネットワーク接続ユニット1508〜1510への電力供給がメインCTL基板1501内の電源である場合にはメインCTL基板1501上にある半導体スイッチで電源供給のオン/オフ制御を行ってもよい。
【0078】
実施例5における複合機401は、無線メッシュネットワークにおける固定中継点としての機能を搭載していても、電源供給をオン/オフできるので、固定中継点としての機能を使わないときに消費電力を低減できる。また、実施例5における複合機401が省電力状態への一つ以上の移行段階を有する場合、各移行段階においてメッシュネットワーク接続ユニット1508〜1510毎に電源供給をオン/オフできるので、更に細分化した消費電力の低減が可能である。
【0079】
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】一般的な無線通信ネットワークの構成図である。
【図2】無線メッシュネットワークの構成図である。
【図3】本発明による無線メッシュネットワークの一実施例の構成図である。
【図4】本発明による複合機の一実施例のブロック構成図である。
【図5】無線メッシュネットワークにおける固定中継点としての機能を実現するメインCTL基板の処理の一例のフローチャートである。
【図6】本発明による複合機のメインCTL基板のブロック構成図である。
【図7】オプション機能拡張ボードの一例を示すブロック構成図である。
【図8】オプション機能拡張ボードの他の例を示すブロック構成図である。
【図9】本発明による複合機の使用形態を表した模式図である。
【図10】本発明による複合機の一実施例のブロック構成図である。
【図11】メッシュ通信要求とMFP機能命令とを両立して行う処理の一例を表したフローチャートである。
【図12】メッシュ通信要求の割り込み時の処理を表したフローチャートである。
【図13】MFP機能命令の割り込み時の処理を表したフローチャートである。
【図14】本発明による複合機のメインCTL基板のブロック構成図である。
【図15】本発明による複合機のメインCTL基板及び電源ユニットのブロック構成図である。
【符号の説明】
【0081】
100,201,301 アクセスポイント(AP)
101〜104 クライアント機器
110,210,310,901 ネットワークインフラ有線バックボーン
202〜204,302,304 無線機器
303 電気機器
401 複合機
402 読取部
403 FAX
404 PC
405,601 メインコントローラ基板(メインCTL基板)
406,602 CPU
407,603 ASIC
408,604 主メモリ
409,605 データ蓄積部
410,707,804 I/Oコントローラ
411 画像形成部
412 メインディスプレイ/操作部
413 電源ユニット
414,702,805 無線通信機能IC
606 オプション機能拡張ボード
801 専用CPU
802 専用ASIC
803 専用メモリ
902 無線メッシュネットワーク
1013,1408〜1410 メッシュネットワーク接続ユニット
1407 メッシュネットワークトラフィック調停専用IC
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、拡張ボード及び電気機器に係り、特に通信機能を有する画像処理装置、拡張ボード及び電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、メッシュネットワークの利用が広く検討されるようになった(例えば特許文献1参照)。メッシュネットワークとは、スター型,バス型,リング型といったネットワーク形態の一種である。メッシュネットワークは、通信機器同士が各個に通信を行うことで網の目状のネットワークを構築する。
【0003】
網の目状のネットワークでは複数の通信経路を構築することができるので、障害に強いネットワークを構築できる。現在の電力送電網やインターネット網などはメッシュネットワークの一種と言える。
【0004】
無線(ワイヤレス)メッシュネットワークはメッシュを構成する各機器に、無線通信機能を持つ無線機器を用いて構築するネットワークである。無線メッシュネットワークでは無線機器同士が自律的に無線通信を行い、データを中継することで遠く離れた無線機器への無線通信を可能としている。
【0005】
図1は、一般的な無線通信ネットワークの構成図である。図1の無線通信ネットワークでは、ネットワークインフラ有線バックボーン110に接続されたアクセスポイント(AP)100に対してクライアント機器101〜104が個々に無線通信を行うことによりネットワークを形成している。
【0006】
しかし、図1に示した無線通信ネットワークでは、アクセスポイント100とクライアント機器101〜104とが直接、無線通信を行うため、クライアント機器101〜104の配置によってはアクセスポイント100との通信距離が長くなってしまう場合が発生していた。無線通信において通信距離が長い場合は、電波を遠くに飛ばす為にクライアント機器101〜104の電力消費が大きくなる。
【0007】
また、図1に示した無線通信ネットワークでは、全ての無線通信がアクセスポイント100を介して成立するため、常に一箇所のアクセスポイント100に対して複数のクライアント機器101〜104が通信を行う「1対多」の状況となる。従って、図1に示した無線通信ネットワークではクライアント機器101〜104の数が増えればトラフィックが増大し、通信帯域が狭められてしまうという問題があった。
【0008】
図1に示した無線通信ネットワークの問題は、図2に示す無線メッシュネットワークを構築することによって改善が期待されていた。図2は無線メッシュネットワークの構成図である。
【特許文献1】特開2006−211406号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、無線メッシュネットワークは、その性格上、メッシュを構築する無線機器202〜204及び無線通信機能が必ずしも固定されているとは言えない。例えば図2の無線メッシュネットワークの場合、無線機器203が電源オフもしくは他の場所へ移動してしまうと、無線機器204の無線通信が途切れてしまう。
【0010】
このように、無線メッシュネットワークは非常に安定しないネットワーク網となってしまう可能性があった。このような無線通信が安定しないという問題は、メッシュエリア内の無線機器202〜204を増加させることで解決できる。
【0011】
しかしながら、無線メッシュネットワークはメッシュエリア内の無線機器202〜204が多くても、頻繁にアクセスする無線機器(クライアント)202〜204の比率が高いと、トラフィック効率(帯域確保)が悪くなることが容易に推測される。
【0012】
さらに、無線通信が安定しないという問題は、無線メッシュネットワークを構築する固定ホップポイントを導入することで解決することも考えられるが、新たに機器を追加することによる消費電力の増加と、相応の設備投資とが必要となる。
【0013】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、消費電力及び設備投資の増加を抑制しつつ安定したネットワーク環境を実現できる画像処理装置、拡張ボード及び電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、本発明は、プロッタ部又はスキャナ部の少なくとも一方を有し、画像形成に係る処理を行う画像処理装置であって、複数の通信機器同士が直接又は他の通信機器を経由して自律的に構築するネットワークにおける中継点として動作する通信手段を有することを特徴とする。
【0015】
また、上記課題を解決するため、本発明は、プロッタ部又はスキャナ部の少なくとも一方を有し、画像形成に係る処理を行う画像処理装置の拡張スロットに接続される拡張ボードであって、複数の通信機器同士が直接又は他の通信機器を経由して自律的に構築するネットワークにおける中継点として前記画像処理装置を動作させる通信手段を有することを特徴とする。
【0016】
また、上記課題を解決するため、本発明は、複数の通信機器同士が直接又は他の通信機器を経由して自律的に構築するネットワークにおける中継点として動作する通信手段を有する電気機器であることを特徴とする。
【0017】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、データ構造などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、消費電力及び設備投資の増加を抑制しつつ安定したネットワーク環境を実現できる画像処理装置、拡張ボード及び電気機器を提供可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明していく。なお、本実施例における複合機は画像処理装置の一例である。画像処理装置にはレーザプリンタ,複写機,FAX等が含まれる。また、本実施例における電気機器には、ホワイトボード,プロジェクタ,自動販売機,タバコ分煙機,時計,照明,エアコンや画像処理装置等、建物内において頻繁に移動しない電気機器が含まれる。
【0020】
図3は本発明による無線メッシュネットワークの一実施例の構成図である。図3に示す無線メッシュネットワークには、建物内において頻繁に移動しないことが想定される既存の電気機器303がノードとして含まれている。電気機器303には無線メッシュネットワークにおける中継機能及びクライアント機能が組み込まれている。
【0021】
無線メッシュネットワークにおける中継機能は、無線メッシュネットワークの中継経路として機能するものである。また、無線メッシュネットワークにおけるクライアント機能は無線メッシュネットワーク内で、クライアントとして自ら起点となってアクセスする機能である。
【0022】
電気機器303の多くには概ね省エネルギーモードが備えられている。多くのオフィスでは電気機器303の商用電源自体をオフしない利用形態が多い。また、電気機器303は無線機器302及び304と比べて、電源オフもしくは他の場所へ移動という不確定な要素が少ない。この為、電気機器303を含む無線メッシュネットワークは安定したネットワーク網となる。
【0023】
また、電気機器303は無線メッシュネットワーク内で、クライアントとして自ら起点となってアクセスする頻度が小さい。この為、電気機器303は主に無線メッシュネットワークの中継経路として機能し、通信経路及び帯域を安定して確保できる。
【0024】
また、既存の電気機器303に無線メッシュネットワークにおける中継機能を組み込むため、無線メッシュネットワークを構築する固定ホップポイントを新たに導入する必要がなくなり、新たに機器を追加することによる消費電力の増加と、相応の設備投資とを無くすことができる。つまり、本発明による電気機器303によれば、消費電力及び設備投資の増加を抑制しつつ安定した無線メッシュネットワーク環境を実現できる
以下の実施例では、複合機を画像処理装置及び電気機器303の一例として説明していくが、複合機に限定するものではない。
【実施例1】
【0025】
図4は本発明による複合機の一実施例のブロック構成図である。複合機401は、読取部402,FAX403,メインコントローラ基板(メインCTL基板)405,画像形成部411,メインディスプレイ/操作部412,電源ユニット413を含むように構成される。
【0026】
読取部402は画像データの読み取りを行う。読取部402はスキャナ部を含む構成である。また、FAX403は公衆回線網を介して画像データの送受信を行う。画像形成部411は、メインCTL基板405からの指示に従って、画像データに対する画像形成を行う。画像形成部411はプロッタ部を含む構成である。メインディスプレイ/操作部412は、使用者が複合機401を操作する為の入力部や、使用者が複合機401の状況を把握する為の表示部を有する。電源ユニット413は、商用電源から複合機401内で使用する電源を供給する。
【0027】
メインCTL基板405は、CPU406,ASIC407,主メモリ408,データ蓄積部409,I/Oコントローラ410,無線通信機能IC414を有する。データ蓄積部409は、画像データの一時保存や蓄積を行う。I/Oコントローラ410は、例えば10/100/1000Base−T Ethernet(登録商標)等の通信ICを含む構成である。I/Oコントローラ410は、ネットワーク経由でPC404と接続されている。
【0028】
複合機401は、I/Oコントローラ410の通信ICと、無線通信機能IC414とを備えることにより、外部とのネットワーク通信ができる。複合機401は、I/Oコントローラ410の通信ICと、無線通信機能IC414とによるインターフェースを用いることで、無線メッシュネットワークにおける固定中継点としての機能を実現する。
【0029】
図5は無線メッシュネットワークにおける固定中継点としての機能を実現するメインCTL基板の処理の一例のフローチャートである。ステップS1では、CPU406がASIC407のデータバス上の通信要求を監視し、外部からの通信要求を待つ。
【0030】
ステップS2では、CPU406が外部からの通信要求を認識する。CPU406はステップS3に進み、外部からデータを受信する。ステップS4に進み、CPU406は受信したデータを一旦、主メモリ408に格納する。ステップS5に進み、CPU406は主メモリ408に格納したデータに宛先をセットする。CPU406は、宛先をセットしたデータを、無線通信機能IC414により宛先へ送信する。
【0031】
CPU406は主メモリ408に格納したデータの送信が完了するまで(S6においてYES)、ステップS1〜S6の処理を繰り返す。また、CPU406は主メモリ408に格納したデータの送信が完了すると(S6においてNO)、ステップS3に戻り、再び外部からデータを受信する。なお、複合機401は無線メッシュネットワークにおける固定中継点としての機能を実現する為に必要な、無線通信が可能な無線機器との接続を既存の手順により完了しているものとする。
【0032】
実施例1における複合機401は、オフィス等においても常時通電されていることが多い為、例えばノートパソコンのように移動により通信エリアから外れたり、ディスプレイを閉じて低電力モードに移行して中継機能がオフになったりする等の制限がない。
【0033】
複合機401は無線メッシュネットワークにおける中継機能を搭載しているので、無線メッシュネットワークにおける固定中継点として動作させることにより、安定した通信経路及び帯域の確保と、安定した無線メッシュネットワーク環境を構築する上での電気機器の台数の削減と、設備投資の削減と、消費電力の低減とが可能となる。
【0034】
このように、実施例1における複合機401は、無線メッシュネットワークでの固定中継点として機能することで、無線メッシュネットワークの通信経路及び帯域を安定して確保し、安定したネットワークトラフィックを提供することができる。
【実施例2】
【0035】
図6は本発明による複合機のメインCTL基板のブロック構成図である。図6は図4のブロック構成図におけるメインCTL基板405と対応するものである。つまり、実施例2の複合機401は、図4のブロック構成図におけるメインCTL基板405を図6のブロック構成図と置き換えることで実現される。
【0036】
図6のメインCTL基板601は、CPU602,ASIC603,主メモリ604及びデータ蓄積部409を有する。ASIC603は、W−MN(Wireless−MeshNetwork)等の拡張スロットをデータバス上に有している。図6のメインCTL基板601は、拡張スロットにオプション機能拡張ボード606を接続(装着)することで、実施例1と同等な機能を有する複合機401を実現できる。
【0037】
このように、実施例2における複合機401は無線メッシュネットワークにおける中継機能をオプション機能拡張ボード606による機能の拡張により追加できるので、中継機能を搭載していない複合機401であっても、実施例1と同等な機能を有する複合機401を実現できる。
【0038】
つまり、実施例2における複合機401は、移動によりメッシュエリア内から外れてしまった場合や、移動によりメッシュエリア内に入る場合など、使用者による利用環境が変化した場合であっても適切に対応することができる。
【0039】
図7はオプション機能拡張ボードの一例を示すブロック構成図である。図7に示すオプション機能拡張ボード606は、I/Oコントローラ701及び無線通信機能IC702を有する。オプション機能拡張ボード606のI/Oコントローラ701及び無線通信機能IC702は、データバス経由で複合機401側のCPU602,ASIC603及び主メモリ604を含む情報処理機能に接続して利用する。したがって、オプション機能拡張ボード606はスレーブ側の機能として動作する。
【0040】
図7に示すオプション機能拡張ボード606は、メインCTL基板601が有しているリソースを可能な限り共有する設計としたことで、構成が単純化され、安価に提供可能となる。
【0041】
図8はオプション機能拡張ボードの他の例を示すブロック構成図である。図8に示すオプション機能拡張ボード606は、専用CPU801,専用ASIC802,専用メモリ803,I/Oコントローラ804及び無線通信機能IC805を有する。
【0042】
オプション機能拡張ボード606のI/Oコントローラ804及び無線通信機能IC805は、オプション機能拡張ボード606の専用CPU801,専用ASIC802及び専用メモリ803を含む情報処理機能を利用する。従って、図8に示すオプション機能拡張ボード606は単体で情報を処理できる。また、図8に示すオプション機能拡張ボード606はメインCTL基板601とデータバス経由で接続されている。
【0043】
図8に示すオプション機能拡張ボード606は、メインCTL基板601と独立して動作し、データバス経由で画像データの送受信ができる。このように、図8に示すオプション機能拡張ボード606はメインCTL基板601のCPU602,ASIC603及び主メモリ604といったリソースを利用しないので、メインCTL基板601の稼働状況や性能によらず、オプション機能拡張ボード606の稼働状況や性能に基づいて、安定した無線メッシュネットワーク環境を構築できる。
【0044】
図9は本発明による複合機の使用形態を表した模式図である。本発明による複合機401はオフィス等において図9に示すような使用が想定される。複合機401は、施設内のネットワークインフラであるネットワークインフラ有線バックボーン901と、ローカルネットワークである無線メッシュネットワーク902とを接続する。
【0045】
無線メッシュネットワーク902内の通信機器(端末)は、ネットワークインフラ有線バックボーン901と接続する際、複合機401を経由する。図9のような使用形態によれば、通信回線の敷設を最小限に抑えたネットワーク環境において、ネットワークインフラ有線バックボーン901と無線メッシュネットワーク902との間で、複合機401はファイアウォール機能を容易に実現できる。
【0046】
より具体的に、施設内のネットワークインフラであるネットワークインフラ有線バックボーン901は複合機401と接続されている。一方、小規模オフィスや部署内のローカルネットワークは全て、無線メッシュネットワーク902を経由して複合機401と接続されている。このような複合機401の使用形態では、ローカルネットワークの敷設を最小限に抑えることができる。また、複合機401にファイアウォール機能を付加することにより、ネットワークセキュリティを容易に確保できる。
【実施例3】
【0047】
図10は本発明による複合機の一実施例のブロック構成図である。図4の複合機401と同様、複合機1001は、読取部1002,FAX1003,メインCTL基板1004,メインディスプレイ/操作部1009,画像形成部1010,電源ユニット1012を含むように構成される。なお、図4の複合機401と同一部分については適宜説明を省略する。
【0048】
図10のメインCTL基板1004は、CPU1005,主メモリ1006,ASIC1007,データ蓄積部1008,I/Oコントローラ1011,メッシュネットワーク接続ユニット1013を有する。図10のメインCTL基板1004は、図4の無線通信機能IC414に代えて、メッシュネットワーク接続ユニット1013がASIC1007と接続されている点で図4のメインCTL基板405と異なっている。
【0049】
メッシュネットワーク接続ユニット1013は無線メッシュネットワーク内の端末1015から印刷要求等の複合機(MFP)機能命令を受信する。CPU1005はASIC1007のデータバス上のMFP機能命令を監視している為、端末1015から印刷要求等のMFP機能命令を認識する。CPU1005は端末1015からの印刷要求等のMFP機能命令を処理する。例えばCPU1005は端末1015からの印刷要求を処理して画像形成部1009から出力する。
【0050】
また、CPU1005はASIC1007のデータバス上のMFP機能命令を監視している為、読取部1002やFAX1003から出力された画像データを認識する。CPU1005は読取部1002やFAX1003から出力された画像データをメッシュネットワーク接続ユニット1013から例えば無線メッシュネットワーク内の端末1015へ送信する。
【0051】
通常、複合機1001はネットワーク(メッシュ)通信要求と、印刷要求等のMFP機能命令とを待っており、図11のフローチャートに示す処理を行う。図11はメッシュ通信要求とMFP機能命令とを両立して行う処理の一例を表したフローチャートである。
【0052】
ステップS11〜S12では、CPU1005がASIC1007のデータバス上におけるメッシュ通信要求及びMFP機能命令を監視して、メッシュ通信要求及びMFP機能命令を待っている。少なくともメッシュ通信要求及びMFP機能命令の一方があったと認識すると、CPU1005はステップS13に進む。
【0053】
ステップS13では、CPU1005が、MFP機能命令だけあったのか、メッシュ通信要求だけあったのか、MFP機能命令及びメッシュ通信要求の両方があったのかを判定する。
【0054】
MFP機能命令だけあったと判定すると、CPU1005はステップS14に進み、MFP機能命令に応じた処理を実行しつつ、メッシュ通信要求を待つ。そして、ステップS15に進み、CPU1005はMFP機能命令に応じた処理を完了し、ステップS11に戻る。ステップS14及びS15ではメッシュ通信要求の割り込みに対処する為、CPU1005がメッシュ通信要求を監視し続ける。
【0055】
また、メッシュ通信要求だけあったと判定すると、CPU1005はステップS16に進み、メッシュ通信要求に応じた処理を実行しつつ、MFP機能命令を待つ。例えばCPU1005はメッシュ通信要求の通信プロトコル種別を判定したあと、メッシュ通信要求に応じた処理を実行する。
【0056】
そして、ステップS17に進み、CPU1005はメッシュ通信要求に応じた処理を完了し、ステップS11に戻る。ステップS16及びS17ではMFP機能命令の割り込みに対処する為、CPU1005がMFP機能命令を監視し続ける。
【0057】
さらに、MFP機能命令及びメッシュ通信要求の両方があったと判定すると、CPU1005はステップS18に進み、MFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理を所定の割合で並行処理する。MFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理の一方が完了すると、CPU1005はステップS19に進み、MFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理のうち完了していない処理へ移行する。MFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理が完了すると、CPU1005はステップS11に戻る。
【0058】
なお、ステップS14又はS15においてメッシュ通信要求の割り込みがあると、CPU1005は図12のフローチャートに示す処理を行う。図12はメッシュ通信要求の割り込み時の処理を表したフローチャートである。
【0059】
ステップS21に進み、CPU1005はMFP機能命令に応じた処理が完了しているか否かを判定する。MFP機能命令に応じた処理が完了していなければ、CPU1005はステップS22に進み、メッシュ通信要求に応じた処理を判定する。ステップS23に進み、CPU1005はMFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理を所定の割合で並行処理する。
【0060】
MFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理の一方が完了すると、CPU1005はステップS24に進み、MFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理のうち完了していない処理へ移行する。MFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理が完了すると、CPU1005は図12のフローチャートに示す処理を終了する。
【0061】
一方、MFP機能命令に応じた処理が完了していれば、CPU1005はステップS25に進み、メッシュ通信要求に応じた処理を判定する。ステップS26に進み、CPU1005はメッシュ通信要求に応じた処理を完了したあと、図12のフローチャートに示す処理を終了する。
【0062】
また、ステップS16又はS17においてMFP機能命令の割り込みがあると、CPU1005は図13のフローチャートに示す処理を行う。図13はMFP機能命令の割り込み時の処理を表したフローチャートである。
【0063】
ステップS31に進み、CPU1005はメッシュ通信要求に応じた処理が完了しているか否かを判定する。メッシュ通信要求に応じた処理が完了していなければ、CPU1005はステップS32に進み、MFP機能命令に応じた処理を判定する。ステップS33に進み、CPU1005はMFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理を所定の割合で並行処理する。
【0064】
MFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理の一方が完了すると、CPU1005はステップS34に進み、MFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理のうち完了していない処理へ移行する。MFP機能命令及びメッシュ通信要求に応じた処理が完了すると、CPU1005は図13のフローチャートに示す処理を終了する。
【0065】
一方、メッシュ通信要求に応じた処理が完了していれば、CPU1005はステップS35に進み、MFP機能命令に応じた処理を判定する。ステップS36に進み、CPU1005はMFP機能命令に応じた処理を完了したあと、図13のフローチャートに示す処理を終了する。
【0066】
実施例3における複合機401は、メッシュ通信要求及びMFP機能命令の割り込みがあっても、メッシュ通信要求とMFP機能命令とを両立して行うことができる。
【実施例4】
【0067】
図14は本発明による複合機のメインCTL基板のブロック構成図である。図14は図4のブロック構成図におけるメインCTL基板405と対応するものである。つまり、実施例4の複合機401は、図4のブロック構成図におけるメインCTL基板405を図14のブロック構成図と置き換えることで実現される。
【0068】
図14のメインCTL基板1401は、CPU1402,ASIC1403,主メモリ1404,データ蓄積部1405,I/Oコントローラ1406,メッシュネットワークトラフィック調停専用IC1407を有する。メッシュネットワークトラフィック調停専用IC1407は、複数のメッシュネットワーク接続ユニット1408〜1410と接続されている。
【0069】
メッシュネットワークトラフィック調停専用IC1407は、メッシュネットワーク接続ユニット1408〜1410のデータトラフィックを監視し、最適な帯域確保を調停すると共に、メッシュネットワーク接続ユニット1408〜1410の故障を検出した場合の対応を行う。メッシュネットワークトラフィック調停専用IC1407は、接続されるメッシュネットワーク接続ユニット1408〜1410間の利用形態として、同時又は切替動作を制御し、最適な動作を行う。
【0070】
メッシュネットワーク接続ユニット1408〜1410は、有線通信又は無線通信の何れにも対応可能である。メッシュネットワーク接続ユニット1408〜1410が対応する有線通信には、10/100/1000Base−Ethernet(登録商標),PLC(電力線通信),IEEE1394等のP2P通信接続が可能な方式が含まれる。
【0071】
また、メッシュネットワーク接続ユニット1408〜1410が対応する無線通信には無線LAN,UWB(Ultra Wide Band),Bluetooth,Zigbee,WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等のP2P通信接続が可能な方式が含まれる。さらにメッシュネットワーク接続ユニット1408〜1410の有線通信又は無線通信の組み合わせは使用者が適宜決めれば良く、ハードウェア的な制約は存在しない。
【0072】
実施例4における複合機401は、無線メッシュネットワークにおける固定中継点としての機能を一つ以上有することで、相補的な中継機能の提供が可能である。即ち、実施例4における複合機401は無線メッシュネットワークにおける固定中継点としての機能を一つ以上有しているので、一つの系統に通信負荷が集中した場合にも帯域の低下を抑止することができ、また、一つの系統に故障が生じても、存続して固定中継点としての機能を保持できる。
【0073】
さらに、実施例4における複合機401は、有線通信に対応可能であるため、従来型の通信ネットワーク環境への敷設導入を容易に行うことができる。実施例4における複合機401は、有線通信又は無線通信の組み合わせは使用者が適宜決めれば良いため、使用者の構築する多様な通信ネットワーク環境に利用できる。実施例4における複合機401はメッシュネットワークトラフィック調停専用IC1407を利用することで、一つ以上の異なる通信方式を同時又は切り替えて利用できる。
【実施例5】
【0074】
図15は本発明による複合機のメインCTL基板及び電源ユニットのブロック構成図である。図15は図4のブロック構成図におけるメインCTL基板405及び電源ユニット413と対応するものである。つまり、実施例5の複合機401は、図4のブロック構成図におけるメインCTL基板405及び電源ユニット413を図15のブロック構成図と置き換えることで実現される。
【0075】
図15のメインCTL基板1501は、CPU1502,ASIC1503,主メモリ1504,データ蓄積部1505,I/Oコントローラ1506,メッシュネットワークトラフィック調停専用IC1507を有する。メッシュネットワークトラフィック調停専用IC1507は、複数のメッシュネットワーク接続ユニット1508〜1510と接続されている。
【0076】
また、メッシュネットワークトラフィック調停専用IC1507は電源ユニット1511と電力制御線により接続されている。メッシュネットワークトラフィック調停専用IC1507はASIC1503から出力される電力制御命令により電源ユニット1511を制御し、メッシュネットワーク接続ユニット1508〜1510への電源供給をオン/オフできる。
【0077】
電源ユニット1511は、メッシュネットワーク接続ユニット1508〜1510毎に独立した電源供給のスイッチを備え、メッシュネットワーク接続ユニット1508〜1510毎に電源供給のオン/オフが可能である。なお、メッシュネットワーク接続ユニット1508〜1510への電力供給がメインCTL基板1501内の電源である場合にはメインCTL基板1501上にある半導体スイッチで電源供給のオン/オフ制御を行ってもよい。
【0078】
実施例5における複合機401は、無線メッシュネットワークにおける固定中継点としての機能を搭載していても、電源供給をオン/オフできるので、固定中継点としての機能を使わないときに消費電力を低減できる。また、実施例5における複合機401が省電力状態への一つ以上の移行段階を有する場合、各移行段階においてメッシュネットワーク接続ユニット1508〜1510毎に電源供給をオン/オフできるので、更に細分化した消費電力の低減が可能である。
【0079】
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】一般的な無線通信ネットワークの構成図である。
【図2】無線メッシュネットワークの構成図である。
【図3】本発明による無線メッシュネットワークの一実施例の構成図である。
【図4】本発明による複合機の一実施例のブロック構成図である。
【図5】無線メッシュネットワークにおける固定中継点としての機能を実現するメインCTL基板の処理の一例のフローチャートである。
【図6】本発明による複合機のメインCTL基板のブロック構成図である。
【図7】オプション機能拡張ボードの一例を示すブロック構成図である。
【図8】オプション機能拡張ボードの他の例を示すブロック構成図である。
【図9】本発明による複合機の使用形態を表した模式図である。
【図10】本発明による複合機の一実施例のブロック構成図である。
【図11】メッシュ通信要求とMFP機能命令とを両立して行う処理の一例を表したフローチャートである。
【図12】メッシュ通信要求の割り込み時の処理を表したフローチャートである。
【図13】MFP機能命令の割り込み時の処理を表したフローチャートである。
【図14】本発明による複合機のメインCTL基板のブロック構成図である。
【図15】本発明による複合機のメインCTL基板及び電源ユニットのブロック構成図である。
【符号の説明】
【0081】
100,201,301 アクセスポイント(AP)
101〜104 クライアント機器
110,210,310,901 ネットワークインフラ有線バックボーン
202〜204,302,304 無線機器
303 電気機器
401 複合機
402 読取部
403 FAX
404 PC
405,601 メインコントローラ基板(メインCTL基板)
406,602 CPU
407,603 ASIC
408,604 主メモリ
409,605 データ蓄積部
410,707,804 I/Oコントローラ
411 画像形成部
412 メインディスプレイ/操作部
413 電源ユニット
414,702,805 無線通信機能IC
606 オプション機能拡張ボード
801 専用CPU
802 専用ASIC
803 専用メモリ
902 無線メッシュネットワーク
1013,1408〜1410 メッシュネットワーク接続ユニット
1407 メッシュネットワークトラフィック調停専用IC
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロッタ部又はスキャナ部の少なくとも一方を有し、画像形成に係る処理を行う画像処理装置であって、
複数の通信機器同士が直接又は他の通信機器を経由して自律的に構築するネットワークにおける中継点として動作する通信手段を有する画像処理装置。
【請求項2】
前記通信手段は、拡張スロットに接続された拡張ボードにより実現されることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記拡張ボードは、前記画像処理装置が有する情報処理手段を利用して前記中継点として動作する為の情報処理を行うことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記拡張ボードは、情報処理手段を有し、前記情報処理手段を利用して前記中継点として動作する為の情報処理を行うことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項5】
複数の通信機器同士が直接又は他の通信機器を経由して自律的に構築する第1のネットワークとの通信を行う第1通信手段と、
前記第1のネットワークと異なる第2のネットワークとの通信を行う第2通信手段とを有し、
前記第1及び第2のネットワークを接続する請求項1記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記通信手段は、前記画像形成に係る処理に基づいて、前記通信機器と通信を行う前記ネットワークにおけるクライアントとして動作することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像処理装置は、有線通信又は無線通信を行う前記通信手段を複数有することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項8】
複数の前記通信手段を同時または切り替えて動作させる動作制御手段を更に有する請求項7記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記動作制御手段は、前記通信手段への電力供給を前記通信手段全体又は前記通信手段毎に制御することを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
【請求項10】
プロッタ部又はスキャナ部の少なくとも一方を有し、画像形成に係る処理を行う画像処理装置の拡張スロットに接続される拡張ボードであって、
複数の通信機器同士が直接又は他の通信機器を経由して自律的に構築するネットワークにおける中継点として前記画像処理装置を動作させる通信手段を有する拡張ボード。
【請求項11】
前記拡張ボードは、前記画像処理装置が有する情報処理手段を利用して前記中継点として動作する為の情報処理を行うことを特徴とする請求項10記載の拡張ボード。
【請求項12】
前記拡張ボードは、情報処理手段を有し、前記情報処理手段を利用して前記中継点として動作する為の情報処理を行うことを特徴とする請求項10記載の拡張ボード。
【請求項13】
複数の通信機器同士が直接又は他の通信機器を経由して自律的に構築する第1のネットワークとの通信を行う第1通信手段と、
前記第1のネットワークと異なる第2のネットワークとの通信を行う第2通信手段とを有し、
前記第1及び第2のネットワークを接続する請求項10記載の拡張ボード。
【請求項14】
前記通信手段は、前記画像形成に係る処理に基づいて、前記通信機器と通信を行う前記ネットワークにおけるクライアントとして動作することを特徴とする請求項10記載の拡張ボード。
【請求項15】
複数の通信機器同士が直接又は他の通信機器を経由して自律的に構築するネットワークにおける中継点として動作する通信手段を有する電気機器。
【請求項1】
プロッタ部又はスキャナ部の少なくとも一方を有し、画像形成に係る処理を行う画像処理装置であって、
複数の通信機器同士が直接又は他の通信機器を経由して自律的に構築するネットワークにおける中継点として動作する通信手段を有する画像処理装置。
【請求項2】
前記通信手段は、拡張スロットに接続された拡張ボードにより実現されることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記拡張ボードは、前記画像処理装置が有する情報処理手段を利用して前記中継点として動作する為の情報処理を行うことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記拡張ボードは、情報処理手段を有し、前記情報処理手段を利用して前記中継点として動作する為の情報処理を行うことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項5】
複数の通信機器同士が直接又は他の通信機器を経由して自律的に構築する第1のネットワークとの通信を行う第1通信手段と、
前記第1のネットワークと異なる第2のネットワークとの通信を行う第2通信手段とを有し、
前記第1及び第2のネットワークを接続する請求項1記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記通信手段は、前記画像形成に係る処理に基づいて、前記通信機器と通信を行う前記ネットワークにおけるクライアントとして動作することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像処理装置は、有線通信又は無線通信を行う前記通信手段を複数有することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項8】
複数の前記通信手段を同時または切り替えて動作させる動作制御手段を更に有する請求項7記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記動作制御手段は、前記通信手段への電力供給を前記通信手段全体又は前記通信手段毎に制御することを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
【請求項10】
プロッタ部又はスキャナ部の少なくとも一方を有し、画像形成に係る処理を行う画像処理装置の拡張スロットに接続される拡張ボードであって、
複数の通信機器同士が直接又は他の通信機器を経由して自律的に構築するネットワークにおける中継点として前記画像処理装置を動作させる通信手段を有する拡張ボード。
【請求項11】
前記拡張ボードは、前記画像処理装置が有する情報処理手段を利用して前記中継点として動作する為の情報処理を行うことを特徴とする請求項10記載の拡張ボード。
【請求項12】
前記拡張ボードは、情報処理手段を有し、前記情報処理手段を利用して前記中継点として動作する為の情報処理を行うことを特徴とする請求項10記載の拡張ボード。
【請求項13】
複数の通信機器同士が直接又は他の通信機器を経由して自律的に構築する第1のネットワークとの通信を行う第1通信手段と、
前記第1のネットワークと異なる第2のネットワークとの通信を行う第2通信手段とを有し、
前記第1及び第2のネットワークを接続する請求項10記載の拡張ボード。
【請求項14】
前記通信手段は、前記画像形成に係る処理に基づいて、前記通信機器と通信を行う前記ネットワークにおけるクライアントとして動作することを特徴とする請求項10記載の拡張ボード。
【請求項15】
複数の通信機器同士が直接又は他の通信機器を経由して自律的に構築するネットワークにおける中継点として動作する通信手段を有する電気機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−312017(P2008−312017A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−159023(P2007−159023)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.Bluetooth
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.Bluetooth
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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