説明

画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、画像処理プログラム

【課題】画像処理装置を遠隔操作する際の操作性の低下を防ぐことが可能な画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】他の画像処理装置を検出する検出手段と、検出手段により検出された他の画像処理装置から、他の画像処理装置に搭載された機能の一覧と他の画像処理装置の有する操作表示手段のサイズを示すサイズ情報とを含む能力データを受け取る能力データ受け取り手段と、能力データ受け取り手段により受け取った能力データに基づき他の画像処理装置を遠隔操作対象とするか否かを選定する選定手段と、を有し、選定手段は、能力データに含まれる機能の一覧に操作対象となる機能が含まれ、且つ他の画像処理装置の操作表示手段のサイズが、当該画像処理装置の操作表示手段のサイズ以下である場合に、他の画像処理装置を遠隔操作対象として選定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
複数の画像処理装置と接続されて画像処理システムを構成する画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の画像処理装置がネットワークを介して接続されたシステムにおいて、一つの画像処理装置を直接操作して他の画像処理装置を遠隔操作する技術が知られている。以下、直接操作される画像処理装置を直接操作機器と呼び、遠隔操作される画像処理装置を遠隔操作対象機器と呼ぶ。
【0003】
このようなシステムでは、円滑な遠隔操作を実現するために、直接操作機器が遠隔操作対象機器から操作画面を取得する必要がある。特に遠隔操作対象機器の操作画面が、直接操作機器の表示操作部に収まらない場合には、直接操作機器は遠隔操作対象機器の操作画面を縮小して表示操作部に表示する技術が既に知られている。
【0004】
例えば特許文献1には、遠隔操作対象機器の操作画面を遠隔操作対象機器の表示態様で表示すると操作画面が直接操作機器の表示操作部に収まらないとき、遠隔操作対象機器の操作画面を縮小して直接操作機器の表示操作部に表示する構成が開示されている。
【0005】
また特許文献2には、画像処理装置の操作パネルに表示された情報を外部機器にも表示させ、画面を見ながら外部機器から操作を行うことが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記従来の技術では、遠隔操作対象機器の操作表示部が直接操作機器の操作表示部に収まらない場合は、遠隔操作対象機器の操作表示部が縮小される。このため、直接操作機器の操作表示部に表示される操作要素が小さくなり、操作がしにくくなるため操作性が低下する。
【0007】
本発明は、上記事情を鑑みてこれを解決すべくなさたれものであり、画像処理装置を遠隔操作する際の操作性の低下を防ぐことが可能な画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、画像処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために以下の如き構成を採用した。
【0009】
本発明の画像処理装置は、他の画像処理装置を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記他の画像処理装置から、前記他の画像処理装置に搭載された機能の一覧と前記他の画像処理装置の有する操作表示手段のサイズを示すサイズ情報とを含む能力データを受け取る能力データ受け取り手段と、前記能力データ受け取り手段により受け取った前記能力データに基づき前記他の画像処理装置を遠隔操作対象とするか否かを選定する選定手段と、を有し、前記選定手段は、前記能力データに含まれる前記機能の一覧に操作対象となる機能が含まれ、且つ前記他の画像処理装置の前記操作表示手段のサイズが、当該画像処理装置の操作表示手段のサイズ以下である場合に、前記他の画像処理装置を遠隔操作対象として選定する。
【0010】
また本発明の画像処理装置は、前記選定手段により選定された前記他の画像処理装置から、前記他の画像処理装置の前記操作表示手段に表示される操作画面ファイルを取得する操作画面取得手段と、前記他の画像処理装置と当該画像処理装置とを連携させる機能連携手段と、を有する。
【0011】
また本発明の画像処理装置は、前記他の画像処理装置から、前記他の画像処理装置の状態を示す機器状態データを受け取る機器状態データ受け取り手段を有し、前記選定手段は、前記機器状態データ受け取り手段により受け取った前記機器状態データに基づき、動作可能な他の画像処理装置を遠隔操作対象として選定する。
【0012】
また本発明の画像処理装置は、前記選定手段により遠隔操作対象として選定された画像処理装置の操作表示手段のサイズが、該画像処理装置の操作表示手段のサイズより大きいとき、前記選定手段は、前記遠隔操作対象として選定された画像処理装置を操作するための、前記遠隔操作対象として選定された画像処理装置とは別の画像処理装置であって、操作表示手段のサイズが当該画像処理装置の操作表示手段のサイズ以下の画像処理装置を操作画面ファイル取得対象に選定し、前記操作画面取得手段は、前記操作画面ファイル取得対象に選定された画像処理装置から、該画像処理装置の操作表示手段に表示させるための操作画面ファイルを取得する。
【0013】
また本発明の画像処理装置は、前記操作画面取得手段により取得された前記操作画面ファイルが記憶装置に格納されているか否かを検出する操作画面検出手段と、前記操作画面ファイルが前記記憶装置に記憶されていないとき、前記操作画面ファイルを前記記憶装置へ記憶させる記憶制御手段と、を有する。
【0014】
また本発明の画像処理装置は、前記記憶手段は、当該画像処理装置と接続された操作画面ファイルサーバに設けられており、前記操作画面ファイルサーバを前記操作画面ファイルの取得先として特定する取得先特定手段を有する。
【0015】
本発明は、複数の画像処理装置が接続されて構成される画像処理システムであって、前記画像処理装置は、前記複数の画像処理装置から自機以外の他の画像処理装置を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記他の画像処理装置から、前記他の画像処理装置に搭載された機能の一覧と前記他の画像処理装置の有する操作表示手段のサイズを示すサイズ情報とを含む能力データを受け取る能力データ受け取り手段と、前記能力データ受け取り手段により受け取った前記能力データに基づき前記他の画像処理装置を遠隔操作対象とするか否かを選定する選定手段と、を有し、前記選定手段は、前記能力データに含まれる前記機能の一覧に操作対象となる機能が含まれ、且つ前記他の画像処理装置の前記操作表示手段のサイズが、当該画像処理装置の操作表示手段のサイズ以下である場合に、前記他の画像処理装置を遠隔操作対象として選定する。
【0016】
本発明は、複数の画像処理装置と、画像処理装置の操作表示手段に表示される操作画面ファイルが複数格納された操作画面ファイルサーバとが接続されて構成される画像処理システムであって、前記画像処理装置は、前記複数の画像処理装置から自機以外の他の画像処理装置を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記他の画像処理装置から、前記他の画像処理装置に搭載された機能の一覧と前記他の画像処理装置の有する操作表示手段のサイズを示すサイズ情報とを含む能力データを受け取る能力データ受け取り手段と、前記能力データ受け取り手段により受け取った前記能力データに基づき前記他の画像処理装置を遠隔操作対象とするか否かを選定する選定手段と、前記画像処理装置の操作表示手段のサイズを示す情報と、前記画像処理装置において操作対象となる機能とを前記操作画面ファイルサーバへ送信し、前記操作画面ファイルサーバから操作画面ファイルを取得する操作画面取得手段と、を有し、前記操作画面ファイルサーバは、操作表示手段のサイズが前記画像処理装置の操作表示手段のサイズ以下であり、且つ前記画像処理装置において操作対象となる機能が含まれる操作画面ファイルを前記画像処理装置へ提供する操作画面提供手段を有する。
【0017】
本発明は、複数の画像処理装置と接続されて画像処理システムを構成する画像処理装置により実行される画像処理方法であって、前記複数の画像処理装置から自機以外の他の画像処理装置を検出する検出手順と、前記検出手順において検出された前記他の画像処理装置から、前記他の画像処理装置に搭載された機能の一覧と前記他の画像処理装置の有する操作表示手段のサイズを示すサイズ情報とを含む能力データを受け取る能力データ受け取り手順と、前記能力データ受け取り手順において受け取った前記能力データに基づき前記他の画像処理装置を遠隔操作対象とするか否かを選定する選定手順と、を有し、前記選定手順は、前記能力データに含まれる前記機能の一覧に操作対象となる機能が含まれ、且つ前記他の画像処理装置の前記操作表示手段のサイズが、当該画像処理装置の操作表示手段のサイズ以下である場合に、前記他の画像処理装置を遠隔操作対象として選定する。
【0018】
本発明は、複数の画像処理装置と接続されて画像処理システムを構成する画像処理装置により実行される画像処理プログラムであって、前記画像処理装置に、前記複数の画像処理装置から自機以外の他の画像処理装置を検出する検出ステップと、前記検出ステップにおいて検出された前記他の画像処理装置から、前記他の画像処理装置に搭載された機能の一覧と前記他の画像処理装置の有する操作表示手段のサイズを示すサイズ情報とを含む能力データを受け取る能力データ受け取りステップと、前記能力データ受け取りステップにおいて受け取った前記能力データに基づき前記他の画像処理装置を遠隔操作対象とするか否かを選定する選定ステップと、を実行させ、前記選定ステップは、前記能力データに含まれる前記機能の一覧に操作対象となる機能が含まれ、且つ前記他の画像処理装置の前記操作表示手段のサイズが、当該画像処理装置の操作表示手段のサイズ以下である場合に、前記他の画像処理装置を遠隔操作対象として選定する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、画像処理装置を遠隔操作する際の操作性の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第一の実施形態の画像処理システムのシステム構成を説明する図である。
【図2】画像処理システムの概要を説明する図である。
【図3】画像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】第一の実施形態の画像処理装置の機能構成を説明する図である。
【図5】第一の実施形態の画像処理システムの動作を説明するシーケンス図である。
【図6】第一の実施形態の画像処理装置の選定部の動作を説明するフローチャートである。
【図7】第二の実施形態の画像処理システムの概要を説明する図である。
【図8】第二の実施形態の画像処理システムの動作を説明するシーケンス図である。
【図9】第三の実施形態の画像処理システムの概要を説明する図である。
【図10】第三の実施形態の画像処理システムの動作を説明するシーケンス図である。
【図11】第三の実施形態の画像処理装置の選定部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】第四の実施形態の画像処理システムのシステム構成の例を説明する図である。
【図13】第四の実施形態の画像処理システム100Aの概要を説明する図である。
【図14】第四の実施形態の画像処理装置と操作画面ファイルサーバの機能構成を説明する図である。
【図15】操作画面ファイルサーバにおいて操作画面ファイルを永続化させる処理を説明するシーケンス図である。
【図16】操作画面ファイルサーバが操作画面ファイルを提供する動作を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第一の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第一の実施形態について説明する。図1は、第一の実施形態の画像処理システムのシステム構成を説明する図である。
【0022】
本実施形態の画像処理システム100は、画像処理装置200A、200B、200C、200D、200EがネットワークNを介して接続されて構成される。本実施形態では、画像処理装置200Aがユーザに直接操作される画像処理装置であり、画像処理装置200B〜200Eが画像処理装置200Aにより遠隔操作の対象とされる画像処理装置となる。本実施形態の以下の説明では、ユーザに直接操作される画像処理装置200Aを直接操作機器200Aと呼ぶ。画像処理装置200Aは、画像処理装置200B〜200Eの何れかと連携する。連携先となった画像処理装置は、画像処理装置200Aによる遠隔操作の対象となる。本実施形態では、遠隔操作対象となった画像処理装置を遠隔操作対象機器と呼ぶ。
【0023】
次に図2を参照して本実施形態の画像処理システム100の概要を説明する。図2は、画像処理システムの概要を説明する図である。
【0024】
本実施形態の画像処理システム100では、直接操作機器(画像処理装置)200Aが連携候補の画像処理装置200B〜200Eのうち何れか一台を遠隔操作対象機器として選定し、直接操作機器200Aと機能を連携させる。尚本実施形態における連携とは、複数台の画像処理装置で一つの機能を実現させることを示す。
【0025】
例えば本実施形態の画像処理システム100において、FAX(facsimile)機能を利用したい場合について考える。直接操作機器200Aには、FAX機能が搭載されていないので、直接操作機器200AからはFAX送信できない。そこで直接操作機器200Aは、画像処理装置200B〜200EからFAX機能が搭載されている画像処理装置200C、200D、200Eを選定する。そして、直接操作機器200Aは、選定された3つ画像処理装置において操作パネルのサイズが自身の操作パネルのサイズと一致する画像処理装置200Cを遠隔操作対象機器200Cとして選定する。
【0026】
本実施形態では、以上のように直接操作機器200Aと操作パネルのサイズが一致する画像処理装置を遠隔操作対象機器とすれば、遠隔操作対象機器の操作パネルに表示された操作画面を縮小しなくても良くなる。よって本実施形態によれば、遠隔操作する際の操作性の低下を抑制することができる。
【0027】
以下に本実施形態の画像処理装置200Aについて説明する。図3は、画像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。本実施形態の画像処理装置200B〜200Eも、画像処理装置200Aと同様のハードウェア構成を有するものとした。
【0028】
本実施形態の画像処理装置200Aは、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置21、出力装置22、ドライブ装置23、補助記憶装置24、不揮発性メモリ装置25、演算処理装置26、インターフェース装置27、操作パネル28で構成される。
【0029】
入力装置21は、画像データを入力するための装置であり、例えばスキャン装置等により実現される。出力装置22は、画像データを出力するための装置であり、例えばプロッタ装置等により実現される。補助記憶装置24は、大容量メモリ装置であり、例えばハードディスク(以下、HDD)等により実現される。不揮発性メモリ装置25は、例えばNVRAM(Non Volatile RAM)等により実現される。
【0030】
演算処理装置26は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、不揮発性メモリ装置25等に記憶されたプログラムを実行して画像処理装置200Aの機能を実現する。インターフェース装置27は、モデム、LANカードなどで構成されており、画像処理装置200Aをネットワーク等に接続する為に用いられる。操作パネル28は、画像処理装置200Aの操作を行うための装置であり、例えば表示機能を有する操作パネル等により実現される。
【0031】
本発明の画像処理プログラムは、画像処理装置200Aを制御する各種プログラムの少なくとも一部である。画像処理プログラムを含む各種プログラムは、例えば記録媒体29の配布やネットワからのダウンロードなどによって提供される。画像処理プログラムを記録した記録媒体29は、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。
【0032】
また、画像処理プログラムを記録した記録媒体29がドライブ装置23にセットされると、画像処理プログラムは記録媒体29からドライブ装置23を介して補助記憶装置24にインストールされる。ネットワークからダウンロードされた画像処理プログラムは、インターフェース装置27を介して補助記憶装置24にインストールされる。
【0033】
補助記憶装置24には、インストールされた画像処理プログラムを記憶と共に、必要なファイル、データ等を記憶する。演算処理装置26は補助記憶装置24に格納された画像処理プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
【0034】
次に図4を参照して本実施形態の画像処理装置200Aの機能構成について説明する。図4は、第一の実施形態の画像処理装置の機能構成を説明する図である。本実施形態では、画像処理装置200B〜200Eも画像処理装置200Aと同様の機能構成を有するものとした。
【0035】
本実施形態の画像処理装置200Aは、検出部210A、能力データ授受部220A、機器状態データ授受部230A、操作画面取得部240A、機器連携部250A、操作画面検出部260A、選定部270A、永続化部280Aを有する。
【0036】
検出部210Aは、画像処理装置200AとネットワークNを介して接続された画像処理装置200B〜200Eを検出する。能力データ授受部220Aは、他の画像処理装置200B〜200Eからの要求を受けたとき画像処理装置200Aの能力データを要求元へ提供する。また画像処理装置200Aが要求元である場合には、能力データ授受部220Aに要求先である画像処理装置の能力データが供給される。本実施形態において画像処理装置間で授受される能力データは、例えば操作パネルのサイズ情報、機器で提供している機能(サービス)の一覧等である。
【0037】
機器状態データ授受部230Aは、画像処理装置200B〜200Eの機器状態データを授受する機能を持つ。機器状態データ授受部230Aは、他の画像処理装置200B〜200Eからの要求を受けたとき画像処理装置200Aの機器状態データを要求元へ提供する。また画像処理装置200Aが要求元である場合には、機器状態データ授受部230Aに要求先である画像処理装置の機器状態データが供給される。尚本実施形態の機器状態データとは、画像処理装置の正常状態・故障状態等、機器が利用可・不可の状態を示す情報である。
【0038】
操作画面取得部240Aは、他の画像処理装置200B〜200Eから操作画面ファイルを取得する。操作画面ファイルは、例えばHTML(HyperText Markup Language)で表現されてもよいし、Flashで表現されてもよい。
【0039】
機器連携部250Aは、直接操作機器200Aから他の画像処理装置200B〜200Eのリソース(デバイス、資源)を使って機能実現する。
【0040】
操作画面検出部260Aは、自機に要求された機能を実現するための操作画面ファイルが存在するか否かを検出する。
【0041】
選定部270Aは、各授受部により授受された情報を元に、遠隔操作対象機器となる画像処理装置を選定する。永続化部280Aは、画像処理装置200A内に情報を永続化するためのものである。具体的には、永続化部280Aは、画像処理装置200Aの有する不揮発性メモリ等に情報を記憶させる記憶制御手段である。
【0042】
以下に図5を参照して本実施形態の画像処理システム100の動作について説明する。図5は、第一の実施形態の画像処理システムの動作を説明するシーケンス図である。図5では、直接操作機器である画像処理装置200Aが画像形成装置200Cを遠隔操作対象機器として選定した場合の動作の例を示す。
【0043】
画像処理装置200Aは、オペレータの操作に伴い、ネットワークNに接続された画像処理装置200B〜200Eに対してマルチキャストを実行し、検出部210Aのより画像処理装置200Cを検出する(ステップS501、502)。尚本実施形態の検出部210Aは、公知の技術であるNetBIOS(Network Basic Input Output System)やWSD(Device Profile for Web Service)等により実現されても良い。検出部210Aは、画像処理装置200Cを検出したことを能力データ授受部220Aへ通知する(ステップS503)。
【0044】
次に画像処理装置200Aは、能力データ授受部220Aにより、画像処理装置200Aと画像処理装置200Cと間で能力データの授受を実施する。能力データ授受部220Aは、画像処理装置200Cに対して能力データの提供を要求する(ステップS504)。画像処理装置200Cの能力データ授受部(図示せず)は、この要求を受けて画像処理装置200Cの能力データを画像処理装置200Aへ提供する(ステップS505)。能力データ授受部220Aに提供される画像処理装置200Cの能力データは、上述した通りである。
【0045】
能力データ授受部220Aは、画像処理装置200Cの能力データが提供されると、選定部270Aへ画像処理装置200Cの能力データを渡す(ステップS506)。続いて選定部270Aは、画像処理装置200Cを遠隔操作対象機器とするか否かを選定する(ステップS507)。選定部270Aにおける選定の詳細は後述する。
【0046】
選定部270Aが画像処理装置200Cを遠隔操作対象機器に選定すると、選定部270は操作画面取得部240Aへ操作画面ファイルの取得要求を行う(ステップS508)。
【0047】
操作画面取得部240Aは、この要求を受けて画像処理装置200Cから画像処理装置200Cの操作画面ファイルを取得する(ステップS509)。
【0048】
続いて機器連携部250Aは、画像処理装置200Cに機能代行依頼を行い、画像処理装置200Cと連携する(ステップS510)。
【0049】
以下に機能代行依頼について説明する。機能代行依頼には、3つのステップが含まれる。3つのステップとは、初期画面表示ステップ、設定変更応答ステップ、処理実行ステップ、である。初期画面表示ステップでは、遠隔操作対象機器に対して、状態情報取得やオプション情報取得を行い、操作パネル28に表示させる。尚状態情報とは、例えば操作対象機能がコピー機能ならば紙残量や紙サイズ・方向などのトレイ情報やトナー情報等である。またオプション情報とは、ステープルの設定やパンチの設定に係る情報である。
【0050】
設定変更応答ステップでは、遠隔操作対象機器から、同時に利用できない設定の排他条件や同時に利用すべき設定の連動条件の取得を行い、ユーザの設定に合わせて操作パネル28の画面を更新する。処理実行ステップは、遠隔操作対象機器に対して、ユーザが指定した設定に基づいて機能実行を指示し、その進捗を操作パネル28に表示させる。
【0051】
本実施形態では、以上の処理を含む処理を、機能代行依頼と呼ぶ。
【0052】
以下に図6を参照して本実施形態の画像処理装置200Aの選定部270Aによる選定について説明する。図6は、第一の実施形態の画像処理装置の選定部の動作を説明するフローチャートである。
【0053】
始めに、画像処理装置200Aの検出部210Aが画像処理装置200Cを検出した場合の選定について説明する。
【0054】
本実施形態の画像処理装置200Aにおいて、検出部210Aが画像処理装置200Cを検出すると、能力データ授受部220Aには、画像処理装置200Cから操作パネルのサイズ情報を含む能力データが提供される。ここで選定部270Aは、画像処理装置200Aの操作パル28のサイズが、提供された能力データに含まれる画像処理装置200Cの操作パネルのサイズ以上であるか否かを判断する(ステップS601)。
【0055】
画像処理装置200Aの操作パネル28と、画像処理装置200Cの操作パネルとは、サイズが同じであるため、次のステップへ進む。
【0056】
ステップS601において条件を満たす場合、選定部270Aは、能力データ授受部220Aに提供された能力データに含まれる画像処理装置200Cの機能の一覧から、画像処理装置200Cに操作対象となっている機能が搭載されているか否かを判断する(ステップS602)。
【0057】
画像処理装置200Cには、画像処理装置200Aでの操作対象機能のFAX機能が搭載されているため、次のステップへ進む。
【0058】
ステップS602において、画像処理装置200Cに操作対象機能が搭載されている場合、選定部270Aは画像処理装置200Cを遠隔操作対象機器(連携対象機器)として選定する(ステップS603)。選定された画像処理装置200Cは、画像処理装置200Aに連携先装置として登録されることが好ましい。
【0059】
次に、画像処理装置200Aの検出部210Aが画像処理装置200Eを検出した場合の選定について説明する。
【0060】
画像処理装置200Aの能力データ授受部220Aには、画像処理装置200Eの操作パネルのサイズと機能の一覧とを含む能力データが提供されている。そこで選定部270Aは、画像処理装置200Eの操作パネルのサイズと画像処理装置200Aの操作パネル28のサイズとを比較する。このとき画像処理装置200Eの操作パネルの方が画像処理装置200Aの操作パネル28よりも大きい。したがって選定部270Aは、画像処理装置200Eを遠隔操作対象機器として選定しない。
【0061】
以上に説明したように、本実施形態の直接操作機器である画像処理装置は、自身の操作パネルのサイズより大きいサイズの操作パネルを有する画像処理装置を遠隔操作対象機器として選定しない。本実施形態では、直接操作機器である画像処理装置は、自身の操作パネルのサイズ以下のサイズの操作パネルを有する画像処理装置を遠隔操作対象機器として選定する。したがって本実施形態では、直接操作機器である画像処理装置において、遠隔操作対象機器の操作画面を縮小して表示することがなく、画像処理装置を遠隔操作する際の操作性の低下を防ぐことができる。
【0062】
(第二の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第二の実施形態について説明する。本発明の第二の実施形態では、直接操作機器である画像処理装置が遠隔操作対象機器である画像処理装置の操作画面ファイルを永続化する点のみ第一の実施形態と相違する。よって以下の本実施形態の説明では、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには第一の実施形態の説明で用いて符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0063】
図7は、第二の実施形態の画像処理システムの概要を説明する図である。
【0064】
本実施形態の画像処理システム100のシステム構成は第一の実施形態と同様である。本実施形態では、画像処理装置200Aの有する永続化部280Aを用いて処理を行う。本実施形態では、画像処理装置200Aが一度取得した操作画面ファイルは、永続化部280Aへ蓄積されるものとした。
【0065】
図8は、第二の実施形態の画像処理システムの動作を説明するシーケンス図である。
【0066】
図8のステップS801からステップS807の処理は、図5のステップS501からステップS507までの処理と同様であるから説明を省略する。
【0067】
ステップS807において画像処理装置200Cが遠隔操作対象機器として選定されると、選定部270Aは操作画面検出部260Aへ操作画面ファイルの取得要求を行う(ステップS808)。操作画面検出部260Aは、この要求を受けて、永続化部280A内から操作画面ファイルの検索要求を行う(ステップS809)。永続化部280Aは、検索要求を受けて、該当する操作画面ファイルの検索を行う(ステップS810)。
【0068】
ステップS810において、永続化部280Aに該当する操作画面ファイルが存在した場合、操作画面検出部260Aは永続化部280Aへ該当する操作画面ファイルの取得要求を行い、操作画面ファイルを取得する(ステップS811)。
【0069】
ステップS810において、永続化部280Aに該当する操作画面ファイルが存在しない場合、操作画面検出部260Aは、操作画面取得部240Aへ操作画面ファイルの取得要求を行う(ステップS812)。操作画面取得部240Aは、この要求を受けて画像処理装置200Cから操作画面ファイルを取得する(ステップS813)。次に操作画面取得部240Aは、永続化部280Aへ取得した操作画面ファイルの永続化要求を行う(ステップS814)。
【0070】
永続化部280Aは、この要求を受けて取得した操作画面ファイルを永続化させる(ステップS815)。続いて機器連携部250Aは、画像処理装置200Cに対し、機能代行依頼を行う(ステップS816)。
【0071】
以上に説明したように、本実施形態では、直接操作機器が一度取得した操作画面ファイルを蓄積して永続化させるため、次に連携する際に操作画面ファイルを連携先装置から取得する処理を省略できる。
【0072】
(第三の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第三の実施形態について説明する。本発明の第三の実施形態では、画像処理システムを構成する各画像処理装置が機器状態データを有する点のみ第一の実施形態と相違する。よって以下の本実施形態の説明では、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには第一の実施形態の説明で用いて符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0073】
図9は、第三の実施形態の画像処理システムの概要を説明する図である。本実施形態の画像処理システム100は、第一の実施形態と同様のシステム構成を有する。本実施形態では、画像処理装置200B〜200Eがそれぞれの機器状態を示す機器状態データを有している。図9の例では、画像処理装置200B、200Dの機器状態データは正常となっており、画像処理装置200C、200Eの機器状態データは故障となっている。
【0074】
以下の図9の例における画像処理システム100の動作について説明する。図10は、第三の実施形態の画像処理システムの動作を説明するシーケンス図である。
【0075】
図10のステップS1001からステップS1003までは、図5のステップS501からステップS503までの処理と同様であるから説明を省略する。ステップS1003において、能力データ授受部220Aが画像処理装置200Cを検出した通知を受けると、能力データ授受部220Aは機器状態データ授受部230Aへ機器状態データの取得要求を行う(ステップS1004)。機器状態データ授受部230Aは、この要求を受けて画像処理装置200Cから機器状態データを取得する(ステップS1005、ステップS1006)。次に機器状態データ授受部230Aは、能力データ授受部220Aへ画像処理装置200Cの機器状態データを通知する(ステップS1007)。
【0076】
ステップS1008からステップS1011までの処理は、図5のステップS504からステップS507までの処理と同様であるから説明を省略する。
【0077】
ステップS1012からステップS1022までの処理は、検出部210Aが画像処理装置200Dを検出した場合の処理であり、ステップS1001からステップS1011までの処理と同様である。
【0078】
本実施形態の選定部270Aは、ステップS1011とステップS1022とにおいて、遠隔操作対象機器を選定し、操作画面取得部240Aへ操作画面ファイルの取得要求を行う(ステップS1023)。尚本実施形態における選定部270Aによる選定の詳細は後述する。
【0079】
操作画面取得部240Aは、画像処理装置200Cから操作画面ファイルを取得する(ステップS1024)。また機器連携部250Aは、画像処理装置200Dを遠隔操作対象機器とし、機能代行依頼を行う(ステップS1025)。
【0080】
以下に図11を参照して本実施形態の選定部270Aによる選定について説明する。図11は、第三の実施形態の画像処理装置の選定部の動作を説明するためのフローチャートである。
【0081】
画像処理装置200Aにおいて、選定部270Aは、検出された画像処理装置から提供された能力データに基づき、検出された画像処理装置に操作対象機能が搭載されているか否かを判断する(ステップS1101)。ステップS1101において操作対象機能が搭載されている場合、選定部270Aは、画像処理装置200Aの操作パル28のサイズが、提供された能力データに含まれる画像処理装置の操作パネルのサイズ以上であるか否かを判断する(ステップS1102)。
【0082】
ステップS1102において画像処理装置200Aの操作パル28のサイズが、提供された能力データに含まれる画像処理装置の操作パネルのサイズ以上である場合、選定部270Aは、検出された画像処理装置を操作画面ファイル取得対象機器として登録する(ステップS1103)。ステップS1102において画像処理装置200Aの操作パル28のサイズが、提供された能力データに含まれる画像処理装置の操作パネルのサイズより小さい場合、選定部270Aは、画像処理装置を登録せずに処理を終了する。
【0083】
次に選定部270Aは、機器状態データ授受部230Aに提供された機器状態データから、検出された画像処理装置が動作可能か否かを判断する(ステップS1104)。ステップS1104において動作可能であった場合、選定部270Aはこの画像処理装置を遠隔操作対象機器として登録する(ステップS1105)。ステップS1104において検出された画像処理装置が動作可能でない場合、選定部270Aはこの画像処理装置を登録せずに選定を終了する。
【0084】
例えば本実施形態において画像処理装置200Cを検出されると、選定部270Aは、画像処理装置200Cに操作対象機能であるFAX機能が搭載されているか判断する。画像処理装置200CにはFAX機能が搭載されているため、選定部270Aは画像処理装置200Cの操作パネルの大きさと、画像処理装置200Aの操作パネル28の大きさとを比較する。両者の同じサイズであるから、選定部270Aは画像処理装置200Cを操作画面ファイル取得対象機器として登録する。次に選定部270Aは、画像処理装置200Cが動作可能か否かを判断する。画像処理装置200Cは機器状態データによれば故障している。よって選定部270Aは、画像処理装置200Cを選定せずに処理を終了する。
【0085】
また画像処理装置200Dが検出されると、選定部270Aは上記処理と同様の処理を行う。画像処理装置200Dは、FAX機能が搭載されており、操作パネルのサイズが画像処理装置200Aの操作パネル28のサイズより大きい。
【0086】
よって選定部270Aは、画像処理装置200Dを操作画面ファイル取得対象機器として登録せずにステップS1104へ進む。画像処理装置200Dは動作可能であるから、選定部270Aは画像処理装置200Dを連携対象機器として選定する。
【0087】
この場合、操作画面ファイルの取得対象機器として画像処理装置200Cが選定され、遠隔操作対象機器として画像処理装置200Dが選定される。したがって、画像処理装置200Aでは、画像処理装置200Cから操作画面ファイルを取得して操作画面を表示させ、この操作画面により画像処理装置200Dを遠隔操作することができる。
【0088】
すなわち本実施形態の画像処理システム100では、直接操作機器が操作画面ファイルを取得した画像処理装置とは異なる画像処理装置を遠隔操作対象機器として選定することもできる。
【0089】
以上の構成により、本実施形態では、画像処理装置200Aの操作パネル28へ縮小せずに表示することができる操作画面ファイルを取得でき、且つ正常に動作する画像処理装置を遠隔操作対象機器として選定することができ、ユーザの操作が最適化できる環境を提供することができる。
【0090】
(第四の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第四の実施形態について説明する。本発明の第四の実施形態では、画像処理システムが操作画面ファイルサーバを含む点が第一の実施形態と相違する。よって以下の本実施形態の説明では、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには第一の実施形態の説明で用いて符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0091】
図12は、第四の実施形態の画像処理システムのシステム構成の例を説明する図である。
【0092】
本実施形態の画像処理システム100Aは、画像処理装置201A〜201Eと、操作画面ファイルサーバ300とがネットワークNを介して接続されている。
【0093】
以下に図13を参照して本実施形態の画像処理システム100Aの概要を説明する。図13は、第四の実施形態の画像処理システム100Aの概要を説明する図である。
【0094】
図13では、画像処理装置201Aが直接操作機器であり、画像処理装置201B〜201Eが遠隔操作対象機器である。本実施形態では、操作画面ファイルサーバ300に、画像処理システム100Aに含まれる画像処理装置201A〜201Eの操作画面ファイルが格納されている。本実施形態では、直接操作対象である画像処理装置201Aは、操作画面ファイルサーバ300へアクセスし、遠隔操作対象機器の操作画面ファイルを取得する。
【0095】
以下に図14を参照して本実施形態の画像処理装置201A〜201Eと操作画面ファイルサーバ300との機能構成を説明する。図14は、第四の実施形態の画像処理装置と操作画面ファイルサーバの機能構成を説明する図である。尚画像処理装置201A〜201Eは、同様の機能構成を有するため、図14では画像処理装置201Aを一例として説明する。
【0096】
本実施形態の操作画面ファイルサーバ300は、検出部310、操作画面検出部320、操作画面取得部330、永続化部340、操作画面提供部350を有する。
【0097】
本実施形態の検出部310は、画像処理システム100Aに含まれる画像処理装置201A〜201Eを検出する。操作画面検出部320は、操作画面ファイルサーバ300が対象機能、対象パネルサイズの操作画面を永続化しているか否かを検出する。操作画面取得部330は、画像処理装置201A〜201Eから操作画面ファイルを取得する。尚操作画面ファイルはHTMLで表現されていても良いし、Flashで表現されていても良い。永続化部340は、操作画面ファイルサーバ300において操作画面ファイルを永続化させる。
【0098】
本実施形態の永続化部340は、例えば操作画面ファイルサーバ300の有するHDD等であっても良い。本実施形態では、永続化部340に操作画面ファイルを格納することで操作画面ファイルを永続化させる。操作画面提供部350は、画像処理装置201A〜201Eからの要求に対して永続化された操作画面ファイルを提供する。
【0099】
本実施形態の画像処理装置201Aは、能力データ授受部221A、連携先特定部231A、操作画面取得部241A、機器連携部251A、取得先特定部261Aを有する。
【0100】
能力データ授受部221Aは、第一の実施形態の能力データ授受部220Aと同様の機能を有する。連携先特定部231Aは、遠隔操作対象機器として画像処理装置201Aと連携する連携先の画像処理装置を特定する。
【0101】
操作画面取得部241Aは、操作画面ファイルサーバ300から操作画面ファイルを取得する。機器連携部251Aは、直接操作機器である画像処理装置201Aから他の画像処理装置のリソース(デバイス、資源)を使って機能を実現させる。取得先特定部261Aは、操作画面ファイルサーバ300を特定する。本実施形態の連携先特定部231Aと取得先特定部261Aは、例えばIP(Internet Protocol)アドレスの入力欄や、過去に利用したIPアドレス一覧から選択するリストボックス等により実現されても良い。
【0102】
次に、図15、図16を参照して本実施形態の画像処理システム100Aの動作を説明する。図15は、操作画面ファイルサーバにおいて操作画面ファイルを永続化させる処理を説明するシーケンス図である。図15では、画像処理装置201Bの操作画面ファイルを永続化させる例を示す。
【0103】
操作画面ファイルサーバ300は、例えば操作画面ファイルサーバ300の管理者の操作等により、検出部310により画像処理装置201Bを検出する(ステップS1501)。操作画面ファイルサーバ300は、画像処理装置201Bから画像処理装置201Bの操作パネルのサイズの情報と搭載機能の一覧とを検出部310へ送信する(ステップS1502)。
【0104】
検出部310は、操作パネルのサイズの情報と搭載機能の一覧とを操作画面検出部320へ渡す(ステップS1503)。操作画面検出部320は、永続化部340に対し、操作パネルのサイズの情報と搭載機能の一覧とが永続化されているか否かを問い合わせる(ステップS1504)。
【0105】
ステップS1504において、操作パネルのサイズの情報と搭載機能の一覧とが永続化されていない場合、操作画面検出部320は、操作画面取得部330へ操作画面ファイルの取得要求を行う(ステップS1505)。操作画面取得部330は、要求を受けて画像処理装置201Bへ操作画面ファイルの取得要求を行う(ステップS1506)。そして操作画面取得部330は、画像処理装置201Bから操作画面ファイルを取得する(ステップS1507)。
【0106】
操作画面取得部330は、永続化部340へ操作画面ファイルの永続化要求を行う(ステップS1508)。永続化部340は、この要求を受けて操作画面ファイルの永続化を行う(ステップS1509)。
【0107】
尚図15では、画像処理装置201Bの操作画面ファイルを永続化する例を紹介したが、画像処理装置201A、201C〜201Eの操作画面ファイルについても同様の処理で永続化することができる。
【0108】
次に図16を参照して操作画面ファイルサーバ300が操作画面ファイルを提供する際の動作について説明する。図16は、操作画面ファイルサーバが操作画面ファイルを提供する動作を説明するシーケンス図である。図16では操作画面ファイルサーバ300が画像処理装置201Aに操作画面ファイルを提供する場合を示す。
【0109】
画像処理装置201Aにおいて、取得先特定部261Aが操作画面ファイルの取得先を特定する(ステップS1601)。尚本実施形態の取得先特定部261では、例えば画像処理装置201Aのユーザにより操作画面ファイルサーバ300のIPアドレスが指定されることにより、操作画面ファイルの取得先が特定されても良い。
【0110】
操作画面ファイルの取得先が特定されると、取得先特定部261Aは、操作画面取得部241Aへ操作画面ファイルの取得先を通知する(ステップS1602)。操作画面取得部241Aは、操作画面ファイルサーバ300へ操作画面ファイルの取得要求を行う(ステップS1603)。このとき操作画面取得部241Aは、画像処理装置201Aの操作パネルのサイズ情報と、操作対象機能を示す操作対象機能情報とを操作画面ファイルサーバ300へ送信する。
【0111】
操作画面ファイルサーバ300は、この要求とサイズ情報及び操作対象機能情報とを受けて、操作画面提供部350により操作画面ファイルサーバ300内で永続化された操作画面ファイルからサイズ情報及び操作対象機能情報に該当する操作画面ファイルを検索し、操作画面取得部241Aへ送信する(ステップS1604)。サイズ情報及び操作対象機能情報に該当する操作画面ファイルとは、例えば操作画面のサイズがサイズ情報に示されるサイズ以下であり、且つ操作対象機能の操作が可能な操作画面ファイルである。
【0112】
続いて連携先特定部231Aは、画像処理装置201Cを連携先として特定する(ステップS1605)。本実施形態の連携先特定部231Aは、例えば画像処理装置201CのIPアドレスを指定することで画像処理装置201Cを特定しても良い。
【0113】
連携先を特定すると、連携先特定部231Aは、能力データ授受部221Aに特定された装置を通知する(ステップS1606)。能力データ授受部221Aは、通知に従って画像処理装置201Cへ能力データの受け取り要求を行う(ステップS1607)。画像処理装置201Cは、この要求を受けて、画像処理装置201Cの機能の一覧を含む能力データを能力データ授受部221Aへ提供する(ステップS1608)。能力データ授受部221Aは、機能の一覧に基づき、画像処理装置201Cに操作対象機能が搭載されているか否かを判断する(ステップS1609)。
【0114】
ステップS1609において操作対象機能が搭載されていない場合、能力データ授受部221Aは、連携先特定部231Aにエラー通知を行う(ステップS1620)。連携先特定部231Aは、画像処理装置201Aの操作パネル28に連携先がエラーであることを表示する(ステップS1621)。
【0115】
ステップS1609において操作対象機能が搭載されていた場合、能力データ授受部221Aは、機器連携部251Aへ連携先として画像処理装置201Cを通知する(ステップS1622)。機器連携部251Aは、この通知を受けて画像処理装置201Cへ機能代行依頼を行い、画像処理装置201Cに操作対象機能を実現させる(ステップS1623)。
【0116】
以上のように本実施形態では、操作画面ファイルサーバ300から画像処理装置201Aへ操作画面ファイルを提供することができる。
【0117】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0118】
100、100A 画像処理システム
200A〜200E、201A〜201E 画像処理装置
210A 検出部
220A 能力データ授受部
230A 機器状態データ授受部
240A 操作画面取得部
250A 機器連携部
260A 操作画面検出部
270A 選定部
280A 永続化部
300 操作画面ファイルサーバ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0119】
【特許文献1】特開2005−178064号公報
【特許文献2】特開2009−224963号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の画像処理装置を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記他の画像処理装置から、前記他の画像処理装置に搭載された機能の一覧と前記他の画像処理装置の有する操作表示手段のサイズを示すサイズ情報とを含む能力データを受け取る能力データ受け取り手段と、
前記能力データ受け取り手段により受け取った前記能力データに基づき前記他の画像処理装置を遠隔操作対象とするか否かを選定する選定手段と、を有し、
前記選定手段は、
前記能力データに含まれる前記機能の一覧に操作対象となる機能が含まれ、且つ前記他の画像処理装置の前記操作表示手段のサイズが、当該画像処理装置の操作表示手段のサイズ以下である場合に、前記他の画像処理装置を遠隔操作対象として選定する画像処理装置。
【請求項2】
前記選定手段により選定された前記他の画像処理装置から、前記他の画像処理装置の前記操作表示手段に表示される操作画面ファイルを取得する操作画面取得手段と、
前記他の画像処理装置と当該画像処理装置とを連携させる機能連携手段と、を有する請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記他の画像処理装置から、前記他の画像処理装置の状態を示す機器状態データを受け取る機器状態データ受け取り手段を有し、
前記選定手段は、
前記機器状態データ受け取り手段により受け取った前記機器状態データに基づき、動作可能な他の画像処理装置を遠隔操作対象として選定する請求項1又は2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記選定手段により遠隔操作対象として選定された画像処理装置の操作表示手段のサイズが、該画像処理装置の操作表示手段のサイズより大きいとき、
前記選定手段は、
前記遠隔操作対象として選定された画像処理装置を操作するための、前記遠隔操作対象として選定された画像処理装置とは別の画像処理装置であって、操作表示手段のサイズが当該画像処理装置の操作表示手段のサイズ以下の画像処理装置を操作画面ファイル取得対象に選定し、
前記操作画面取得手段は、
前記操作画面ファイル取得対象に選定された画像処理装置から、該画像処理装置の操作表示手段に表示させるための操作画面ファイルを取得する請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記操作画面取得手段により取得された前記操作画面ファイルが記憶装置に格納されているか否かを検出する操作画面検出手段と、
前記操作画面ファイルが前記記憶装置に記憶されていないとき、前記操作画面ファイルを前記記憶装置へ記憶させる記憶制御手段と、を有する請求項2ないし4の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、当該画像処理装置と接続された操作画面ファイルサーバに設けられており、
前記操作画面ファイルサーバを前記操作画面ファイルの取得先として特定する取得先特定手段を有する請求項5記載の画像処理装置。
【請求項7】
複数の画像処理装置が接続されて構成される画像処理システムであって、
前記画像処理装置は、
前記複数の画像処理装置から自機以外の他の画像処理装置を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記他の画像処理装置から、前記他の画像処理装置に搭載された機能の一覧と前記他の画像処理装置の有する操作表示手段のサイズを示すサイズ情報とを含む能力データを受け取る能力データ受け取り手段と、
前記能力データ受け取り手段により受け取った前記能力データに基づき前記他の画像処理装置を遠隔操作対象とするか否かを選定する選定手段と、を有し、
前記選定手段は、
前記能力データに含まれる前記機能の一覧に操作対象となる機能が含まれ、且つ前記他の画像処理装置の前記操作表示手段のサイズが、当該画像処理装置の操作表示手段のサイズ以下である場合に、前記他の画像処理装置を遠隔操作対象として選定する画像処理システム。
【請求項8】
複数の画像処理装置と、画像処理装置の操作表示手段に表示される操作画面ファイルが複数格納された操作画面ファイルサーバとが接続されて構成される画像処理システムであって、
前記画像処理装置は、
前記複数の画像処理装置から自機以外の他の画像処理装置を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記他の画像処理装置から、前記他の画像処理装置に搭載された機能の一覧と前記他の画像処理装置の有する操作表示手段のサイズを示すサイズ情報とを含む能力データを受け取る能力データ受け取り手段と、
前記能力データ受け取り手段により受け取った前記能力データに基づき前記他の画像処理装置を遠隔操作対象とするか否かを選定する選定手段と、
前記画像処理装置の操作表示手段のサイズを示す情報と、前記画像処理装置において操作対象となる機能とを前記操作画面ファイルサーバへ送信し、前記操作画面ファイルサーバから操作画面ファイルを取得する操作画面取得手段と、を有し、
前記操作画面ファイルサーバは、
操作表示手段のサイズが前記画像処理装置の操作表示手段のサイズ以下であり、且つ前記画像処理装置において操作対象となる機能が含まれる操作画面ファイルを前記画像処理装置へ提供する操作画面提供手段を有する画像処理システム。
【請求項9】
複数の画像処理装置と接続されて画像処理システムを構成する画像処理装置により実行される画像処理方法であって、
前記複数の画像処理装置から自機以外の他の画像処理装置を検出する検出手順と、
前記検出手順において検出された前記他の画像処理装置から、前記他の画像処理装置に搭載された機能の一覧と前記他の画像処理装置の有する操作表示手段のサイズを示すサイズ情報とを含む能力データを受け取る能力データ受け取り手順と、
前記能力データ受け取り手順において受け取った前記能力データに基づき前記他の画像処理装置を遠隔操作対象とするか否かを選定する選定手順と、を有し、
前記選定手順は、
前記能力データに含まれる前記機能の一覧に操作対象となる機能が含まれ、且つ前記他の画像処理装置の前記操作表示手段のサイズが、当該画像処理装置の操作表示手段のサイズ以下である場合に、前記他の画像処理装置を遠隔操作対象として選定する画像処理方法。
【請求項10】
複数の画像処理装置と接続されて画像処理システムを構成する画像処理装置により実行される画像処理プログラムであって、
前記画像処理装置に、
前記複数の画像処理装置から自機以外の他の画像処理装置を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにおいて検出された前記他の画像処理装置から、前記他の画像処理装置に搭載された機能の一覧と前記他の画像処理装置の有する操作表示手段のサイズを示すサイズ情報とを含む能力データを受け取る能力データ受け取りステップと、
前記能力データ受け取りステップにおいて受け取った前記能力データに基づき前記他の画像処理装置を遠隔操作対象とするか否かを選定する選定ステップと、を実行させ、
前記選定ステップは、
前記能力データに含まれる前記機能の一覧に操作対象となる機能が含まれ、且つ前記他の画像処理装置の前記操作表示手段のサイズが、当該画像処理装置の操作表示手段のサイズ以下である場合に、前記他の画像処理装置を遠隔操作対象として選定する画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−239083(P2011−239083A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107483(P2010−107483)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FLASH
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】