説明

画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】画像の輪郭線の形状が凸型だけでなく、凹型の形状に対してもベジエ曲線で近似することにより形状の劣化を回避する。
【解決手段】セグメント分割部8は、画像の凹部の輪郭線を、輪郭線の傾きが不連続な点、変曲点で分割する。フィッティング処理部9は、塗潰し領域内の始点、終点にベジエ曲線を当てはめる。電子透かし埋込部21は、埋め込み情報に従ってベジエ曲線の制御点の位置を変更し、電子透かし情報を埋め込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像に電子透かし情報を埋め込む画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
不正コピーや改ざんを防止する手法として、デジタル画像などのデジタルコンテンツを再生した場合に、視覚できない情報を付加する電子透かしと呼ばれる方法がある。例えば、2値画像に電子透かし情報を埋め込む場合は、白黒境界線のエッジ部に注目して、エッジ部を画素単位で変更し、または直線を組合せた折線の境界線を変更することにより実現しているが、一般的に埋め込む透かし情報量が多くなるほど、原画像の画質劣化の程度が増す。
【0003】
ところで、グラフィクス表示などにおいて曲線を表現する多項式としてベジエ曲線があるが(例えば、特許文献1を参照)、高精細画像の輪郭線をベジエ曲線で近似して、ベジエ曲線に電子透かし情報を埋め込む場合に、高精細画像の画質が劣化する可能性がある。
【0004】
そこで、本出願人は先に、ベジエ曲線で近似した輪郭線に電子透かし情報を埋め込む場合に、原画像の画質劣化を抑制した画像処理装置を提案した。提案した装置を説明すると、図4(a)において、101は画像塗り潰し部、102は輪郭線である。Aは頂点(始点)、Eは最右点(終点)、Z1、Z2は制御点である。
【0005】
本発明では、近似曲線として3次ベジエ曲線を採用する。3次ベジエ曲線B3(t)は、始点をA、終点をE、制御点をZ1、Z2とすると、
(t)=(1−t)A+3(1−t)tZ+3(1−t)t+t
と表現される。ここで、B(t)、A、E、Z、Zはベクトルであり、媒介変数tは、0から1の範囲のスカラー変数である。
【0006】
この3次ベジエ曲線は、次のような幾何学的特徴を持つ。
(a)曲線は、線分AZ、及び線分EZに接する。
(b)曲線上の点Z’=B(0.5)とすると、
Z’=(A+3Z+3Z+E)/8
【0007】
本発明の3次ベジエ曲線は、以下の2条件(1、2)を共に満たすときに、画像の曲線部に対する近似曲線として適応性に優れた弓形形状の曲線を保持する。つまり、この2条件を共に保証する範囲で曲線の変形を行えば、曲線は弓形形状を保持したままで変形することができる。
(条件1)ベジエ曲線が、媒介変数0<t<1の間に変曲点を持たないこと。
(条件2)ベジエ曲線が、媒介変数0<t<1の間にループ曲線を形成しないこと。
【0008】
本発明の3次ベジエ曲線が、次の条件3を満たすときに、媒介変数が0<t<1の範囲において、上記条件1、2の両方を満足する。即ち、条件3の基に形成する本発明の3次ベジエ曲線が、画像の曲線部に対する近似曲線として適応性に優れた弓形形状の曲線を保持する。
【0009】
条件3:始点→第1制御点→第2制御点→終点の順に直線で結んだ閉図形AZEが1組の四角形を形成し、4頂点からなる4角(内角)が総て180度未満、つまり、∠AZ<180度、かつ∠ZE<180度、かつ∠ZEA<180度、かつ∠EAZ<180度である(特許文献1を参照)。
【0010】
図4(b)に示すように、ベジエ曲線の形状は、2つの制御点Z1、Z2の位置によって弓形の膨らみが変化する。曲線の膨らみを大きくする場合には、制御点の位置をZ1’またはZ2’などへ変更し、逆に、曲線の膨らみを小さくする場合には、制御点の位置をZ1”またはZ2”などへ変更する。
【0011】
本発明では、上記したようにベジエ曲線で輪郭線を近似し、以下のようにして電子透かし情報を埋め込む。
【0012】
例えば、制御点がZ1の位置にあり、AからZ1までの長さが偶数値のとき、ビット0を割り当て、AからZ1’またはZ1”までの長さが奇数値のとき、ビット1を割り当てることにより、電子透かし情報を埋め込む。制御点がZ2の位置にある場合も同様である。また、Z1、Z2がそれぞれ電子透かし情報(1ビット)を表現し、あるいは、Z1、Z2を組合せて電子透かし情報(1ビット)を表現することも可能である。
【0013】
本発明では、画像または図形データのエッジ部の輪郭線に沿って、折り返し点(頂点、最右点、最下点、最左点)を、それぞれ始点、終点に選択し、例えば、図4(a)において輪郭線を右回りに辿る場合は、
(1)始点を頂点のA点とし、終点を最右点のE点とする。
次に、(1)に繋がる次のベジエ曲線は、
(2)最右点を始点として、最下点を終点とする。
同様に、(2)に繋がる次のベジエ曲線は、
(3)最下点を始点として、最左点を終点とする。
(3)に繋がる次のベジエ曲線は、
(4)最左点を始点として、頂点を終点とする。
上記した各ベジエ曲線における制御点Z1、Z2の位置に、電子透かし情報を埋め込む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、上記提案した方法では、画像塗り潰し部の形状が凸型を処理対象としているため、図4(a)、(c)に示すように、画像塗り潰し部に凹みがある場合には、上記したように近似したベジエ曲線の形状が劣化するという問題がある。
【0015】
本発明は、上記した課題に鑑みてなされたもので、
本発明の目的は、画像の輪郭線の形状が凸型だけでなく、凹型の形状に対してもベジエ曲線で近似することにより形状の劣化を回避した画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、画像の輪郭線を第1の特徴点である頂点、最右点、最下点、最左点で分割し、前記第1の特徴点で分割された各輪郭線の傾きの変化を基に前記各輪郭線を第2の特徴点で分割する分割手段と、前記第1、第2の特徴点で分割された各輪郭線において、前記輪郭線の始点における前記輪郭線の接線上の制御点を第1の制御点とし、前記輪郭線の終点における前記輪郭線の接線上の制御点を第2の制御点として、前記輪郭線を3次ベジエ曲線で近似する近似曲線を生成する生成手段と、前記始点と第1の制御点との長さまたは前記終点と第2の制御点との長さを、電子透かし情報として埋め込む手段を備えたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、凸型または凹型の形状を含む画像の輪郭線をベジエ曲線で近似しているので、形状の劣化を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例を説明する図である。
【図2】本発明の画像処理装置の構成を示す。
【図3】本発明の実施例の処理フローチャートを示す。
【図4】本出願人が先に提案した方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、発明の実施の形態について図面により詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
本発明では、2値画像の輪郭線を頂点、最右点、最下点、最左点の4点で分割し、さらに、輪郭線の傾きの連続性と変曲点に基づく特徴点で分割することにより、原画像の輪郭線により適切にベジエ曲線を当てはめる。
【0021】
図1は、本発明の実施例を説明する図である。図1において、101は画像塗り潰し部、102は輪郭線である。Aは頂点(始点)、Eは最右点(終点)、Z1、Z2は制御点である。
【0022】
本発明では、後述するセグメント分割部8(図2)が原画像の例えば最下点〜最左点にある凹部において、輪郭線をC1(輪郭線の傾きが不連続、変化が極端に大きい箇所)、C2(変曲点)で分割し、フィッティング処理部9は、最下点〜C1にベジエ曲線1を生成し、C1〜C2にベジエ曲線2を生成し、C2〜最左点にベジエ曲線3を生成する。
【0023】
以下、本発明の基本原理を説明する。例えば、図1に示す原画像(最下点〜最左点)の場合に、以下の方法によりC1、C2を判定する。
・最下点を原点(0,0)とし、横軸をx、縦軸をyとしたとき、輪郭線の傾きの計算のための横軸方向の変化量をΔx=画素数P、または縦軸方向の変化量をΔy=画素数P、
・図1の最下点〜最左点を辿る位置関係から
Δx<0,Δy>0
(1)不連続または極端に変化する箇所の判定
【0024】
【数1】

ここで、nは、最下点〜最左点において、輪郭線の傾き変化の調査のために画素数P毎にずらして行く回数番号を表す。Δx(n)をP画素位置とすると、Δx(n+1)は、P画素離れた2P画素位置となる。Angleは、輪郭線の傾きの変化が連続か不連続かを識別する所定の閾値となる角度である。arctan(Δyn/Δxn)は、三角関数の逆関数で、tan値が(Δyn/Δxn)となるときの角度を表す。
(2)輪郭線の傾きの変化が、+側から−側に、または−側から+側に変化する箇所(変曲点)の判定
数2の(イ)の関係から(ロ)の関係に変化する箇所、または逆に、(ロ)の関係から(イ)の関係に変化する箇所。
上記した画素数Pは、キーボード装置14(図2)から入力され、あるいは2値画像生成部6(図2)により生成された画像の解像度に応じて指定される。
【0025】
【数2】

【0026】
図2は、本発明の画像処理装置の構成を示す。CPU(中央処理装置)1は、画像処理装置の動作制御を行い、ROM2は、CPU1が起動時に実行するプログラムや必要なデータ等を記憶し、RAM3は、CPU1のワークエリア等を構成する。時計回路4は、現在日時情報を出力し、磁気ディスク装置5は、種々のアプリケーションプログラム、ワークデータ、ファイルデータ、画像データデータなどの種々のデータを記憶する。
【0027】
2値画像生成部6は、2値画像のエッジ部を抽出するときに、磁気ディスク装置5から入力された多値濃淡画像を2値化し、その出力データは画像エッジ抽出部7などに入力される。画像エッジ抽出部7は、ベジエ曲線を、画像や図形エッジ部などに当てはめるために、その前処理として、磁気ディスク装置5から入力された多値濃淡画像または2値画像生成部6から入力された2値画像に対し、画像のエッジ部を抽出し、その抽出情報を、出力データとしてセグメント分割部8に入力される。
【0028】
セグメント分割部8は、ベジエ曲線を画像や図形のエッジ部などに当てはめる(フィッティングする)ための前処理として、画像エッジ抽出部7から入力された画像エッジ部の抽出情報を基に、画像をセグメントに分割し、その分割情報を出力データとして、フィッティング処理部9などに入力される。また、ベジエ曲線弓形判定部10の判定結果を基に、新たなセグメント分割が必要な場合、セグメントを再分割する。
【0029】
フィッティング処理部9は、ベジエ曲線を画像や図形のエッジ部などに当てはめるときに、セグメント分割部8から入力された分割情報を基に、各セグメント内の画像のエッジ部にベジエ曲線を当てはめ、ベジエ曲線弓形判定部10の判定結果に従って、その当てはめることができた情報を出力データとして、磁気ディスク装置5、ネットワーク伝送制御部18、描画部11などに入力される。
【0030】
ベジエ曲線弓形判定部10は、フィッティング処理部9から入力されたベジエ曲線を形成する(始点、終点、制御点のそれぞれの位置)情報を基に、そのベジエ曲線が弓形を形成するか否かを判定し、その判定結果を出力データとして、フィッティング処理部9などに入力される。
【0031】
描画部11は、フィッティング処理部9から入力されたベジエ曲線情報などを基にベジエ曲線を描画し、その描画した情報を出力データとして、磁気ディスク装置5、ネットワーク伝送制御部18などに与えられる。CRT画面表示装置12は、画像処理装置を操作するための画面を表示し、表示制御部13は、CRT画面表示装置12の表示内容を制御する。キーボード装置14は、画像処理装置に種々のキー操作を行い、画面指示装置15は、CRT画面表示装置12の任意の点を指示する等の操作作業を行い、入力制御部16は、キーボード装置14および画面指示装置15の入力情報を取り込む。ネットワークインタフェース回路17は、画像処理装置をネットワークに接続し、ネットワーク伝送制御部18は、ネットワークを介して他の端末装置との間で種々の情報をやりとりするための伝送制御処理を行い、また、各要素間のデータの入出力はバス23を介して行う。
【0032】
2値画像生成部6から入力された2値画像データは、磁気ディスク装置5に保存された後、電子透かし埋め込み部21に与えられ、電子透かし埋め込みまたは抽出箇所をチェックし、チェック結果のデータは磁気ディスク装置5に保存された後、電子透かし埋め込み部21または電子透かし抽出部22に与えられる。ソースデータ符号化部19は、任意のデータ入力手段により外部から入力されたデータを使用して暗号化または符号化し、磁気ディスク装置5に保存された後、電子透かし埋め込み部21に与えられる。
【0033】
電子透かし抽出データ復号化部20は、磁気ディスク装置5に格納されている電子透かし抽出データを暗号解読など復号化し、磁気ディスク装置5に格納する。電子透かし埋め込み部21は、ソースデータ符号部化19により生成された埋め込みデータを、埋め込み対象となる画像データに対して、電子透かしとして埋め込む。電子透かし抽出部22は、電子透かしが埋め込まれた画像データから電子透かしを抽出し、抽出後の電子透かし情報は、電子透かし抽出データ復号化部20による暗号解読など復号化するために磁気ディスク装置5に格納する。
【0034】
図3は、本発明の実施例の処理フローチャートを示す。
【0035】
ステップ1において、電子透かしにより埋め込む情報をキーボード装置14から入力する。埋め込み情報の解読を困難にするために、埋め込む情報は、パスワードなどの秘密キーによって予め暗号化する。
【0036】
ステップ2において、電子透かし埋め込み部21は、磁気ディスク装置5から、塗潰し画像領域毎に処理するために、塗潰し画像領域の情報を取得する。このステップでは、各塗潰し領域の位置、全ての塗潰し領域数などの情報を把握し、以下のステップへ基本情報を提供する。
【0037】
ステップ3において、全ての塗潰し領域の処理が終了している場合は、ステップ4に移行し、全ての塗潰し領域の処理が終了していない場合はステップ5に移行する。
【0038】
ステップ4において、電子透かし埋め込み部21は、電子透かし後処理を行う。即ち、埋め込み状態を示す報告情報(例えば、埋め込み情報10ビットの内、8ビットの情報が埋め込まれたことを示す報告情報など)を出力し、処理が終了する。
【0039】
ステップ5〜11において、電子透かし埋め込み部21は、全ての塗潰し領域の内、一つの塗潰し領域(図1)に注目した処理を行う。ステップ5において、セグメント分割部8は、現在処理中の塗潰し領域内の画像(図1)の形状を調査し、塗潰し領域の輪郭線を始点、終点で分割する位置や分割数を決定する。輪郭線の形状が凸形状の塗潰し領域の場合、図1に示すように、頂点、最右点、最下点、最左点の4つの分割点が得られる。
【0040】
ステップ6〜ステップ9において、セグメント分割部8は、輪郭線を一周して、ステップ5で示す4点以外に、ベジエ曲線を新たにフィッティングする輪郭線の分割点があるか否かを捜索し、分割できる点があれば、以下のステップ10、11の処理のために分割点の情報を記憶する。
【0041】
ステップ6において、セグメント分割部8は輪郭線の傾きを画素数Pのサイズ毎に調査し、前述した(1)の判定を実施し、その判定の結果、輪郭線の傾きが不連続な点であれば、ステップ8に移行し、不連続な点でなければ、ステップ7に移行する。
【0042】
ステップ7において、輪郭線の傾きを画素数Pのサイズ毎に調査し、前述した(2)の判定を実施し、その判定の結果、輪郭線が変曲点の位置であれば、ステップ8に移行し、変曲点でなければ、ステップ9に移行する。
【0043】
ステップ8において、ステップ10、11の処理のために、現在処理中の輪郭線上の点(C1、C2)を分割点として、その情報を記憶する。
【0044】
ステップ9において、セグメント分割部8はステップ6〜ステップ8の処理が輪郭線上を一周して、全て終了したか否かを判定し、全て終了した場合は、ステップ10に移行し、まだ終了していなければ、ステップ6に戻る。
【0045】
ステップ10において、フィッティング処理部9が、ステップ5、8で得られた調査結果から、塗潰し領域内の全ての分割箇所について、ベジエ曲線の当てはめ処理が終了したか否かを判定する。全て終了した場合は、ステップ3に移行する。まだ終わっていなければ、ステップ11に移行する。
【0046】
ステップ11において、フィッティング処理部9が塗潰し領域内の始点(頂点)、終点(最右点)にベジエ曲線を当てはめ、電子透かし埋め込み部21は、埋め込み情報に従ってベジエ曲線の制御点の位置を変更することにより、電子透かし情報を埋め込む。以下、ステップ10、11において、始点を最右点、終点を最下点として埋め込み処理を実行し、次いで、始点を最下点、終点をC1として埋め込み処理を実行し、次いで、始点をC1、終点をC2として埋め込み処理を実行し、始点をC2、終点を最左点として埋め込み処理を実行し、最後に、始点を最左点、終点を頂点として埋め込み処理を実行する。
【0047】
次に、電子透かし情報が埋め込まれた画像から、電子透かし情報を抽出する処理手順は、埋め込み処理の手順と同様である。異なる点は、ステップ11において、埋め込まれた情報を、抽出処理に変更する点と、ステップ4において、電子透かし情報抽出後処理(例えば、抽出されたビット数を出力するなど)に変更する点である。
【0048】
上記したように、本実施例では、画像の輪郭線の凹部にベジエ曲線を当てはめることにより、画像の形状劣化が回避される。
【0049】
なお、CRT画面表示装置、キーボード装置、画面指示装置は、ユーザ・インタフェース機能を実現し、例えば、各種操作指示や機能選択指令、編集データ等を入力し、画像の角度回転やノイズ除去のためにブロック単位に入力し、画像処理後のデータを隠蔽するための暗号化や解読時の秘密キーの入力に用いられる。また、キー操作により変更後の画像を入力イメージ画像データと重ね合わせて表示するなどの表示操作機能もある。また、処理画像データは、例えば磁気ディスク装置に予め保存され、あるいはネットワークを介し、他の端末装置等から受信したものを適用することができ、さらに、光学ディスク装置やデジタルスチルカメラ装置、スキャナ装置から画像データを入力することも可能である。
【0050】
本発明は、前述した実施例の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになる。プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施例の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も含まれる。さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も含まれる。また、本発明の実施例の機能等を実現するためのプログラムは、ネットワークを介した通信によってサーバから提供されるものでも良い。
【符号の説明】
【0051】
1 CPU
2 ROM
3 RAM
4 時計回路部
5 磁気ディスク装置
6 2値画像生成部
7 画像エッジ抽出部
8 セグメント分割部
9 フィッティング処理部
10 ベジエ曲線弓形判定部
11 描画部
12 CRT画面表示装置
13 表示制御部
14 キーボード装置
15 画面指示装置
16 入力制御部
17 ネットワークインタフェース回路
18 ネットワーク伝送制御部
19 ソースデータ符号化部
20 電子透かし抽出データ復号化部
21 電子透かし埋め込み部
22 電子透かし抽出部
23 バス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0052】
【特許文献1】特開2011−28632号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の輪郭線を第1の特徴点である頂点、最右点、最下点、最左点で分割し、前記第1の特徴点で分割された各輪郭線の傾きの変化を基に前記各輪郭線を第2の特徴点で分割する分割手段と、前記第1、第2の特徴点で分割された各輪郭線において、前記輪郭線の始点における前記輪郭線の接線上の制御点を第1の制御点とし、前記輪郭線の終点における前記輪郭線の接線上の制御点を第2の制御点として、前記輪郭線を3次ベジエ曲線で近似する近似曲線を生成する生成手段と、前記始点と第1の制御点との長さまたは前記終点と第2の制御点との長さを、電子透かし情報として埋め込む手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第2の特徴点は、前記輪郭線の傾きの変化が所定の角度を超える不連続な点、前記輪郭線の傾きの変化がプラス側からマイナス側に、またはマイナス側からプラス側に変化する変曲点であることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記輪郭線の傾きの変化を算出するために前記輪郭線の横方向または縦方向の所定の画素数を指定する指定手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
請求項1記載の各手段によって電子透かし情報が埋め込まれた画像から、前記電子透かし情報を抽出する抽出手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
画像の輪郭線を第1の特徴点である頂点、最右点、最下点、最左点で分割し、前記第1の特徴点で分割された各輪郭線の傾きの変化を基に前記各輪郭線を第2の特徴点で分割する分割工程と、前記第1、第2の特徴点で分割された各輪郭線において、前記輪郭線の始点における前記輪郭線の接線上の制御点を第1の制御点とし、前記輪郭線の終点における前記輪郭線の接線上の制御点を第2の制御点として、前記輪郭線を3次ベジエ曲線で近似する近似曲線を生成する生成工程と、前記始点と第1の制御点との長さまたは前記終点と第2の制御点との長さを、電子透かし情報として埋め込む工程を備えたことを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
請求項5記載の画像処理方法をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項7】
請求項5記載の画像処理方法をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−9026(P2013−9026A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138326(P2011−138326)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】