説明

画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム

【課題】発光体がマトリックス状に配置された表示領域に表示される映像をリアルに再現する。
【解決手段】モデル配置部231は、電光掲示板領域を持つスコアボードの3次元モデルを仮想3次元空間に配置する。映像テクスチャ記憶部242は、電光掲示板に表示される映像を模擬したテクスチャを記憶する。フィルタ記憶部243は、非点灯領域と点灯領域とを持つフィルタを記憶する。電光掲示板にマトリックス状に配置されたLEDの隙間の部分を模擬するために映像テクスチャを非透過で表示する領域である。点灯領域は、各発光体を模擬するために映像テクスチャを透過させて表示する領域である。投影部233は、映像テクスチャとフィルタとを重畳して電光掲示板領域に貼り付け、仮想カメラを視点としてスコアボードの3次元モデルを仮想スクリーンに投影する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の発光体がマトリックス状に配置された表示領域を持つ表示体を仮想3次元空間内で再現する画像処理の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、野球等のスポーツを模擬したスポーツゲームでは、スタジアムに設置されたスコアボードを模擬した画像を表示画面上に表示し、そのスコアボードに対戦チームの名称、出場選手の名称、及び各チームの現在の得点等を表示させ、プレーヤに種々の情報を報知している。
【0003】
このようなスポーツゲームにおいては、ゲームの局面に応じてスコアボードが拡大表示されたり、縮小表示されたりする。例えば、野球ゲームにおいては、打者キャラクタがバッターボックスに立ち、投手キャラクタがボールオブジェクトを投げるゲーム局面を再現する場合、スコアボードは、投手キャラクタの背景として表示されるため、それほど拡大されない。一方、打者キャラクタがバックスクリーンに向けて長打を打った場合や、得点が入った場合には、スコアボードが拡大される。
【0004】
特許文献1には、表示画面の上側の領域に、競技場の画像とは別にスコアボードの画像を表示した野球ゲームの表示装置が開示されている。
【0005】
ところで、近年、スタジアムに設置されている実際のスコアボードは、例えばLED等の発光体がマトリックス状に配列されたドットマトリックスディスプレイにより構成されているケースが多い。よって、実際のスポーツのテレビ中継等において、スコアボードがズームアップされると、ズームアウト時には例えば白一色でベタに表示されていた文字がLEDの隙間の部分の存在により、メッシュ状に区切られて表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3052740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のスポーツゲームでは、スコアボードの文字等を拡大表示する場合、文字等の映像をLEDの隙間の部分を模擬して表示するような措置が何らなされていなかった。そのため、リアルさに欠けるという問題があった。更に、文字等の映像をLEDの隙間の部分を模擬して表示するような措置が何らなされていなかったため、文字の輪郭がギザ状に表示されるという問題があった。更に、拡大表示しているにも関わらず文字全体がベタで表示されるため、一見して人工的な映像という感覚をプレーヤに与えてしまうという問題があった。また、特許文献1では、競技場の画像は真上から2次元的に競技場を表した画像であり、野球場を3次元的に表すようなことは行われていない。そのため、野球場のグラウンドの画像とは別に表示されたスコアボードを拡大表示したり、縮小表示したりすることはない。
【0008】
本発明の目的は、発光体がマトリックス状に配置された表示領域に表示される映像をリアルに再現することができる画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明による画像処理装置は、複数の発光体がマトリックス状に配列された表示領域に表示される映像を模擬する画像処理装置であって、前記表示領域を持つ表示体の3次元モデルを仮想3次元空間に配置するモデル配置部と、前記表示領域に表示される映像を模擬した映像テクスチャを予め記憶する映像テクスチャ記憶部と、前記発光体の隙間の部分を模擬するために前記映像テクスチャを非透過で表示する非点灯領域と、各発光体を模擬するために前記映像テクスチャを透過させて表示する複数の点灯領域とを前記表示領域に規則的に形成するためのフィルタを予め記憶するフィルタ記憶部と、前記仮想3次元空間に仮想カメラ及び仮想スクリーンを配置し、前記映像テクスチャと前記フィルタとを重畳して前記表示領域に貼り付け、前記仮想カメラを視点として前記表示体の3次元モデルを前記仮想スクリーンに投影する投影部とを備える。また、本発明による画像処理方法及び画像処理プログラムは上記の画像処理装置と同様の構成を備えている。
【0010】
この構成によれば、表示体の表示領域には、表示領域に表示される映像を模擬した映像テクスチャが貼り付けられると共に、フィルタも貼り付けられる。ここで、フィルタは、ドットマトリックスディスプレイ等の表示体の表示領域にマトリックス状に配列される複数の発光体の隙間の部分を再現する非点灯領域と、各発光体を模擬する非点灯領域とを含む。
【0011】
したがって、表示領域に映像テクスチャ及びフィルタを貼り付けてレンダリングを行うと、フィルタの非点灯領域により映像テクスチャに発光体の隙間の部分が形成される。一方、フィルタの点灯領域が重畳された映像テクスチャの領域はそのまま表示される。
【0012】
そのため、映像テクスチャがあたかもドットマトリックスディスプレイで表示したかのように表示することができる。その結果、発光体がマトリックス状に配置された表示領域に表示される映像をリアルに再現することができる。
【0013】
また、非点灯領域を持つフィルタを映像テクスチャに貼り付けることで、文字等の映像テクスチャをそのまま表示する場合に現れていた、文字の輪郭のぼやけや、文字の角や斜めの部位のギザ付きを目立たなくすることができ、文字等の映像テクスチャの視認性を高めることができる。
【0014】
(2)前記仮想カメラのズーム率を設定するズーム率設定部を更に備え、前記フィルタ記憶部は、前記点灯領域の面積が異なる複数種類のフィルタを記憶し、前記投影部は、前記ズーム率が高くなるにつれて前記点灯領域の面積が大きなフィルタを選択することが好ましい。
【0015】
実際のドットマトリックスディスプレイは、複数の発光体がマトリックス状に配列されているため、表示領域に表示された映像を遠くから見ると、各発光体の面積は小さく見えるが、表示領域に表示された映像を近くから見ると、各発光体の面積は大きく見える。本構成では、点灯領域の面積が異なる複数種類のフィルタが予め用意されており、ズーム率が高く設定された場合は、点灯領域の面積が大きなフィルタが選択され、ズーム率が低く設定された場合は、点灯領域の面積が小さなフィルタが選択される。そのため、実際のドットマトリクスディスプレイの表示領域に表示される映像をリアルに再現することができる。
【0016】
(3)前記映像テクスチャは、R(赤),G(緑),B(青)の色成分から構成され、前記フィルタ記憶部は、前記ズーム率が高い場合に選択される高ズーム率フィルタと、前記高ズーム率フィルタ以外の低ズーム率フィルタとを含み、前記高ズーム率フィルタは、各点灯領域が、前記映像テクスチャのR,G,Bのいずれか1つの色成分のみを透過させるように設定され、前記低ズーム率フィルタは、各点灯領域が、前記映像テクスチャのR,G,Bの色成分を均等に透過させるように設定されていることが好ましい。
【0017】
実際のカラー表示が可能なドットマトリクスディスプレイは、例えば、R(赤),G(G),B(青)の発光体がベイヤー配列等の所定の配列パターンに従って配列されている。したがって、表示領域にある程度近づくと、表示領域に表示される映像は発光体自体の色、すなわち、R,G,Bのいずれかの色に分解されたように見える。
【0018】
本構成では、ズーム率が高い場合に選択される高ズーム率フィルタと、それ以外のズーム率が低い場合に選択される低ズーム率フィルタとが予め用意されている。そして、高ズーム率フィルタは、点灯領域がR,G,Bのいずれか1つの色成分のみを透過させるように設定されている。そのため、ズーム率が高く表示領域が拡大表示される場合は、映像テクスチャはR,G,Bの色成分に分解されて表示されることになる。
【0019】
一方、低ズーム率フィルタは、点灯領域がR,G,Bの色成分を均等に透過させるように設定されている。そのため、ズーム率が低く表示領域が拡大表示されない場合は、点灯領域が重畳される映像テクスチャの領域はそのまま表示される。したがって、本構成によれば、実際のドットマトリックスディスプレイに表示される映像の表示態様がズーム率に応じてR,G,Bに分解されて表示されたり、そのまま表示されたりすることを再現することができる。
【0020】
(4)前記フィルタ記憶部は、下位の階層に向かうにつれて全体面積が1/n(nは2以上の整数)ずつ小さくなる複数種類のフィルタを階層的に記憶し、前記投影部は、前記表示領域に前記フィルタを繰り返し貼り付けるものであり、前記フィルタは、1つ上の階層のフィルタに対して各点灯領域の面積が1/nに縮小されたフィルタと、1つ上の階層のフィルタに対して各点灯領域の面積が同一に設定されたフィルタとを含むことが好ましい。
【0021】
この構成によれば、フィルタは全体面積が1つ上のフィルタに対して1/nずつ小さくなるように階層的に記憶されており、1つ上の階層のフィルタに対して点灯領域の面積が1/nに縮小されたフィルタと、1つ上の階層のフィルタに対して点灯領域の面積が同一に設定されたフィルタとが存在する。
【0022】
このように、階層が1つ下がっても、点灯領域の面積を同一にするフィルタを設けることで、映像テクスチャがフィルタによって区切られて表示されていることをプレーヤに対してより強く意識付けることができる。
【0023】
例えば、ズーム率が徐々に小さくされるシーンにおいて、階層が1つ下のフィルタに切り替えられた場合、表示領域の縮小に比例して点灯領域の面積を縮小させてしまうと、プレーヤの潜在意識通りに点灯領域が縮小するため、映像テクスチャが非点灯領域で区切られていることをプレーヤにより鮮明に意識付けることが困難になる虞がある。
【0024】
そこで、一つ下の階層のフィルタにフィルタが切り替えられても、点灯領域の面積をあえて変化させない構成を採用することで、プレーヤの潜在意識に反するように点灯領域の面積を変化させることができ、映像テクスチャが非点灯領域で区切られていることをプレーヤにより鮮明に意識付けることができる。
【0025】
(5)前記表示領域は、複数のポリゴンから構成され、前記投影部は、前記仮想スクリーンに前記表示領域を投影したときのポリゴンの面積に基づいて、前記フィルタを選択することが好ましい。
【0026】
この構成によれば、発光体を仮想スクリーンに投影したときの1つのポリゴンの面積に基づいてフィルタが選択されている。そのため、実際のドットマトリックスディスプレイの1ドットを再現するうえで好ましい面積の点灯領域を持つフィルタを選択することができる。そのため、仮想3次元空間内でドットマトリックスディスプレイが表示する映像をリアルに再現することが可能となる。
【0027】
(6)所定の階層以上の階層のフィルタは点灯領域が円形に設定され、所定の階層未満の階層のフィルタは点灯領域が四角形であることが好ましい。
【0028】
実際のドットマトリックスディスプレイは、近くで見ると各ドットは円形に見えるが、遠くから見ると四角形に見えることがある。本構成によれば、所定の階層以上の階層のフィルタは点灯領域が円形であり、所定階層未満の階層のフィルタは点灯領域が四角形であるため、ズーム率に応じて適切な形状の点灯領域を持つフィルタを選択することができる。
【0029】
(7)前記表示体はスコアボードであることが好ましい。
【0030】
この構成によれば、スコアボードをリアルに再現することができるため、スコアボードを表示する必要のある野球ゲーム等のスポーツゲームにとって好適な画像処理を提供することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、表示体の表示領域には、表示領域に表示される映像を模擬した映像テクスチャが貼り付けられると共に、フィルタも貼り付けられる。ここで、フィルタは、ドットマトリックスディスプレイ等の表示体の表示領域にマトリックス状に配列される複数の発光体の隙間の部分を再現する非点灯領域と、各発光体を模擬する非点灯領域とを含む。
【0032】
したがって、表示領域に映像テクスチャ及びフィルタを貼り付けてレンダリングを行うと、フィルタの非点灯領域により映像テクスチャに発光体の隙間の部分が形成される。一方、フィルタの点灯領域が重畳された映像テクスチャの領域はそのまま透過して表示される。
【0033】
そのため、映像テクスチャがあたかもドットマトリックスディスプレイで表示したかのように表示することができる。その結果、発光体がマトリックス状に配置された表示領域に表示される映像をリアルに再現することができる。
【0034】
また、非点灯領域を持つフィルタを映像テクスチャに貼り付けることで、文字等の映像テクスチャをそのまま表示する場合に現れていた、文字の輪郭のぼやけや、文字の角や斜めの部位のギザ付きを目立たなくすることができ、文字等の映像テクスチャの視認性が高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施の形態による画像処理装置が適用されたゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態による画像処理装置が適用されたゲーム装置の機能ブロック図である。
【図3】本実施の形態による画像処理装置をゲーム装置に適用した場合のゲーム装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態によるフィルタの一例を示す模式図である。
【図5】本発明の実施の形態によるフィルタの一例を示す模式図である。
【図6】本発明の実施の形態によるフィルタの一例を示す模式図である。
【図7】映像テクスチャの一例を示した図であり、(A)はフィルタが重畳される前の映像テクスチャを示し、(B)はフィルタが重畳された後の映像テクスチャを示している。
【図8】仮想3次元空間に設定される仮想スクリーンを示した模式図である。
【図9】野球場の3次元モデルの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の一実施の形態による画像処理装置をゲーム装置に適用した場合について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態による画像処理装置が適用されたゲーム装置の構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では、ゲーム装置は家庭用ビデオゲーム機を家庭用テレビジョンに接続することによって構成されるものとする。但し、これは一例であり、モニタが一体に構成された携帯用のゲーム装置若しくは携帯電話、又はゲーム制御プログラムを実行することによってゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータ等にも同様に適用することができる。このゲーム制御プログラムは、本発明の実施の形態による画像処理プログラムが含まれており、この画像処理プログラムの描画機能を利用して、コンピュータをゲーム装置として機能させるものである。
【0037】
図1に示すゲーム装置は家庭用ゲーム機1000及びテレビジョン2000を備える。家庭用ゲーム機1000には、ゲーム制御プログラムが記録されたコンピュータ読み出し可能な記録媒体MDが装填され、ゲーム制御プログラムが適宜読み出されてゲームが実行される。
【0038】
家庭用ゲーム機1000は、CPU(Central Processing Unit)1、バスライン2、グラフィックスデータ生成プロセッサ3、インターフェース回路(I/F)4、メインメモリ5、ROM(Read Only Memory)6、伸張回路7、パラレルポート8、シリアルポート9、描画プロセッサ10、音声プロセッサ11、デコーダ12、インターフェース回路(I/F)13、バッファ14〜16、記録媒体ドライブ17、メモリ18、及びコントローラ19を含む。テレビジョン2000はテレビジョンモニタ21、増幅回路22、及びスピーカ23を含む。
【0039】
CPU1は、記録媒体MDに記憶されたゲーム制御プログラム及びROM6に記憶されたオペレーティングシステムにしたがって、ゲーム装置の全体制御を司る。具体的には、CPU1は、仮想3次元空間であるゲーム空間を設定し、設定したゲーム空間に、仮想光源、仮想カメラ、キャラクタの3次元モデル、及びキャラクタの背景となるオブジェクトの3次元モデル等を配置する。ここで、CPU1は、メインメモリ5等にゲーム空間を規定する座標軸、仮想光源、仮想カメラ、キャラクタ、及びオブジェクト等の位置データ等を格納する領域を確保し、確保した領域にオブジェクト等の位置データを書き込み、ゲーム空間にキャラクタ等を配置する。
【0040】
また、CPU1は、コントローラ19を用いてプレーヤにより入力された操作指令にしたがって、キャラクタを動作させるための移動量データ及び回転量データを求める。
【0041】
グラフィックスデータ生成プロセッサ3はCPU1のコプロセッサであり、CPU1により算出された移動量データ及び回転量データに基づいて、キャラクタの移動後の位置データを求めCPU1に返す。
【0042】
インターフェース回路4は周辺デバイス、例えばマウスやトラックボール等のポインティングデバイス等を接続するための回路である。メインメモリ5はRAM(Random Access Memory)で構成される。ROM6は、ゲーム装置のオペレーティングシステムを記憶する。
【0043】
伸張回路7は、MPEG(Moving Picture Experts Group)規格やJPEG(Joint Photographic Experts Group)規格にしたがって圧縮された画像に対して伸張処理を施す。パラレルポート8、及びシリアルポート9は種々の周辺機器を接続するために用いられる。
【0044】
描画プロセッサ10は、CPU1からの描画命令にしたがって、CPU1がゲーム空間内に設定したキャラクタやオブジェクトを、所定のフレームレートでレンダリングして2次元の画像データを生成する。生成された画像データはテレビジョンモニタ21に出力される。バッファ14は、描画プロセッサ10のワークメモリとして用いられる。
【0045】
音声プロセッサ11は、記録媒体MDから読み出されたADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)データ等の音声データをバッファ15に記憶させ、CPU1からの音声出力命令にしたがってバッファ15に記憶された音声データをスピーカ23から出力させる。バッファ15は、音声プロセッサ11のワークメモリとして用いられる。
【0046】
記録媒体ドライブ17は、例えば、DVD−ROMドライブ、CD−ROMドライブ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等により構成される。記録媒体MDは、DVD−ROM、CD−ROM、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、又は半導体メモリ等から構成され、本発明の実施の形態による画像処理プログラムを含むゲーム制御プログラムを記憶する。ゲーム制御プログラムには、プログラムデータ、キャラクタやオブジェクトを描画するための画像データ、ゲームの効果音等を再現するための音声データ等が含まれる。
【0047】
記録媒体ドライブ17は、記録媒体MDから画像データ、音声データ、及びプログラムデータを読み出し、読み出したデータをデコーダ12に供給する。デコーダ12は記録媒体ドライブ17から供給された画像データ、音声データ、及びプログラムデータに対してECC(Error Correction Code)によるエラー訂正処理を施し、メインメモリ5又は音声プロセッサ11に供給する。
【0048】
メモリ18は、例えばカード型のメモリにより構成される。カード型のメモリは、例えばゲームを中断した場合において中断時点での状態を保持する。インターフェース回路13は、メモリ18を接続するために用いられる。
【0049】
コントローラ19は、操作者であるプレーヤが種々の操作指令を入力するために使用される操作装置であり、プレーヤの操作指令に応じた信号をCPU1に送出する。具体的には、コントローラ19は、左右一対のジョイスティックや種々のボタンを供えている。ユーザは、ジョイスティックを傾倒させたりボタンを押したりすることで操作指令を入力する。増幅回路22は音声プロセッサから出力された音声データを増幅し、スピーカ23に供給する。
【0050】
図2は、本発明の実施の形態による画像処理装置が適用されたゲーム装置の機能ブロック図である。この画像処理装置は、仮想3次元空間内に野球場の3次元モデル、種々のキャラクタの3次元モデルを配置して、仮想スクリーンに投影して2次元の投影画像データを生成する。図2に示すように画像処理装置は、表示部210、操作部220、制御部230、及び記憶部240を備えている。操作部220は、図1に示すコントローラ19により構成され、プレーヤにより入力される種々の操作指令を受け付ける。
【0051】
表示部210は、図1に示すテレビジョンモニタ21等により構成されている。制御部230は、図1に示すCPU1、グラフィックスデータ生成プロセッサ3、及び描画プロセッサ10等により構成され、モデル配置部231、キャラクタ制御部232、投影部233、ズーム率設定部234、及びゲーム進行制御部235を備えている。これらの機能は、図1に示すCPU1が本発明の実施の形態による画像処理プログラムを実行することで実現される。
【0052】
モデル配置部231は、3次元モデル記憶部241に記憶された種々の3次元モデルを読み出して、仮想3次元空間の所定の位置に配置する。以下の説明では、ゲーム装置に野球ゲームを実行させる場合を例に挙げて説明する。したがって、本実施の形態では、3次元モデルとして、例えば、野球場、人物キャラクタ等が採用される。ここで、野球場の3次元モデルは、複数の発光体がマトリックス状に配列された表示領域である電光掲示板領域を持つスコアボード(表示体の一例)を備える3次元モデルを採用する。
【0053】
実際の野球場の電光掲示板は、例えば、R(赤),G(G),B(青)のLED(発光ダイオード:発光体の一例)がベイヤー配列等の所定の配列パターンに従って配列されている。したがって、電光掲示板に表示された例えば白色の映像を遠くから見ると、その映像は白一色のベタで表示されているように見える。しかしながら、電光掲示板にある程度近づくと、その映像はマトリックス状に配列されたLEDの隙間の部分の影響により、白色ではあるが、メッシュ状に区切られているように見える。更に、電光掲示板に近づくと、その映像はもはや白ではなく、LED自体の色、つまり、R,G,Bのいずれかの色に分解されたように見える。
【0054】
このように、本実施の形態では、電光掲示板の見え方が、電光掲示板に対するズーム率に応じて異なることを仮想3次元空間内で再現することを目的としている。
【0055】
その他、野球場の3次元モデルには、野球が繰り広げられるグラウンド、観客席、選手が待機するベンチ等を模擬した3次元モデルが含まれている。なお、本実施の形態では、野球場の3次元モデルは、例えば、三角形、四角形等の複数のポリゴンを用いたポリゴンモデルにより構成されている。各ポリゴンの表面には、野球場の部位に応じたテクスチャがテクスチャマッピングにより貼り付けられる。
【0056】
したがって、3次元モデル記憶部241は、野球場の3次元モデルとして、例えば各ポリゴンの頂点の座標を示す座標データや、各ポリゴンに貼り付けるテクスチャを記憶している。なお、電光掲示板領域に貼り付けられるテクスチャは映像テクスチャとして提供され、映像テクスチャ記憶部242に記憶されている。
【0057】
上記の人物キャラクタとしては、例えば、野球選手を模擬した投手キャラクタ、打者キャラクタ、及び守備キャラクタ、並びに、審判キャラクタを採用することができる。人物キャラクタの3次元モデルとしては、キャラクタの頭、両手、両足、胴体等の骨格を示すボーンを、関節を示すノードで繋いだスケルトンと、スケルトンの表面を覆う外皮とにより構成された3次元モデルを採用することができる。なお、外皮は複数のポリゴンにより構成され、各ポリゴンにはテクスチャが貼り付けられる。
【0058】
キャラクタ制御部232は、ゲーム進行制御部235からの指令に基づいて、人物キャラクタやボールオブジェクトを仮想3次元空間で動作させる。例えば、プレーヤが守備側で、ゲーム装置が攻撃側である場合、まず、プレーヤが投球指示を操作部220に入力すると、ゲーム進行制御部235は、そのことをキャラクタ制御部232に通知する。キャラクタ制御部232は、この通知を受けると、投手キャラクタにボールオブジェクトの投球動作を行わせ、ボールオブジェクトを打者キャラクタに向けて移動させる。そして、キャラクタ制御部232は、ゲーム進行制御部235から打者キャラクタを打撃させる通知を受けると、打者キャラクタにバットオブジェクトをスイングさせる動作を行わせる。そして、キャラクタ制御部232は、ゲーム進行制御部235から通知されたボールオブジェクトの弾道にしたがってボールオブジェクトを移動させる。
【0059】
一方、プレーヤが攻撃側、ゲーム装置が守備側の場合、プレーヤが操作部220に打撃指示を入力すると、ゲーム進行制御部235は、打撃判定処理を行い、プレーヤが打撃できたと判定すると、ボールオブジェクトの弾道を求め、スイング指令とボールオブジェクトの弾道とをキャラクタ制御部232に通知する。この通知を受けたキャラクタ制御部232は、打者キャラクタにバットオブジェクトをスイングする動作を行わせ、ボールオブジェクトを通知された弾道に従って移動させる。
【0060】
投影部233は、仮想3次元空間に仮想カメラ及び仮想スクリーンを配置し、映像テクスチャとフィルタとを重畳して電光掲示板領域に貼り付け、仮想カメラを視点としてスコアボード等の仮想3次元空間内に配置された3次元モデルを仮想スクリーンに投影する。
【0061】
ここで、映像テクスチャは、電光掲示板領域に表示される映像を模擬したテクスチャである。この映像テクスチャは、R(赤),G(緑),B(青)の色成分から構成されている。つまり、この映像テクスチャは、各画素がR,G,Bの3つの色成分により表されている。ここで、各画素のR,G,Bの色成分の値は、所定階調(例えば、1024等)で表される。また、電光掲示板領域は所定個数(例えば50〜500個)のポリゴンにより構成されているため、映像テクスチャは各ポリゴンに対応して所定個数存在する。
【0062】
図9は、野球場の3次元モデルの一例を示した図である。図9に示すように、野球場の3次元モデルは、スコアボード900を備えている。このスコアボード900は、複数の電光掲示板領域911〜915を備えている。以下、電光掲示板領域911〜915を区別しない場合は電光掲示板領域910と表す。
【0063】
電光掲示板領域911には、例えば先攻めのチームの名称が表示される。電光掲示板領域912は、例えば後攻めのチームの名称が表示される。電光掲示板領域913には、例えば先攻めのチームの選手名が1番〜9番の打撃順に表示される。電光掲示板領域914には、例えば後攻めのチームの選手名が1番〜9番の打撃順に表示される。電光掲示板領域915は、現在対戦中の2チームのスコアが表示されている。
【0064】
ここで、各電光掲示板領域910は、所定個数のポリゴンにより構成されている。図9では電光掲示板領域911に“XX”の文字が表示されている。この場合、投影部233は、電光掲示板領域911に“XX”の文字を表示させるための映像テクスチャを電光掲示板領域911に貼り付ける。これにより、電光掲示板領域911には“XX”の文字が表示される。
【0065】
また、電光掲示板領域910には文字以外の映像を表示することも可能である。例えば、電光掲示板領域915に映像を表示させる場合、投影部233は、電光掲示板領域915に表示させる映像を表示するために予め作成された映像テクスチャを映像テクスチャ記憶部242から読み出し、読み出した映像テクスチャを電光掲示板領域915に貼り付ける。これにより、電光掲示板領域915に映像が表示される。
【0066】
更に、電光掲示板領域910には、映像をアニメーション表示させることも可能である。例えば、電光掲示板領域915に映像をアニメーション表示させる場合、アニメーション表示される映像のコマ画像を表すテクスチャを映像テクスチャ記憶部242に記憶させておく。そして、投影部233は、コマ画像を表す映像テクスチャを電光掲示板領域915に周期的に切り替えて貼り付ける。これにより、電光掲示板領域915には映像がアニメーション表示される。
【0067】
そして、投影部233は、電光掲示板領域910に貼り付けた映像テクスチャに対して更にフィルタを貼り付ける。ここで、フィルタは、非点灯領域と点灯領域とを含み、電光掲示板領域910に対して点灯領域と非点灯領域とを規則的に形成するものである。非点灯領域は、実際の電光掲示板においてマトリックス状に配置されたLEDの隙間の部分を模擬するために映像テクスチャを非透過で表示する領域である。また、点灯領域は、各発光体を模擬するために映像テクスチャを透過させて表示する領域である。
【0068】
図4〜図6は、本発明の実施の形態によるフィルタの一例を示す模式図である。フィルタ記憶部243は、図4〜図6に示す8個のフィルタFL1〜FL8を記憶している。
【0069】
ここで、フィルタFL1〜FL8は、フィルタFL1が最上位の第1階層、フィルタFL2がその次の第2階層、・・・、フィルタFL8が最下位の第8階層というように階層的に記憶されている。
【0070】
本実施の形態では、フィルタLF1〜FL8は、ズーム率設定部234により設定されたズーム率が高くなるにつれて、上位の階層のフィルタが選択される。なお、フィルタFL8は、ズーム率設定部234により設定されたズーム率が最も低い場合に選択されるフィルタであり、非点灯領域42はなく、点灯領域41のみ存在する。以下、フィルタFL1〜FL8を特に区別しない場合は、フィルタFLと記述する。
【0071】
図4〜図6に示すように、フィルタFLは所定行×所定列でマトリックス状に配列された複数の画素から構成される矩形状のデータである。フィルタFLは、マトリックス状に配列された点灯領域41とその周囲を取り囲む非点灯領域42とにより構成されている。
【0072】
ここで、フィルタFL1〜FL8を構成する各画素はR,G,Bの色成分のそれぞれについての透過率が規定されている。透過率は、例えば0〜100%の値を持ち、値が増大するにつれて、透明度が高い。
【0073】
本実施の形態では、フィルタFL2〜FL8は1つ上の階層のフィルタに対して面積が1/4に設定されている。つまり、フィルタFL1,FL2,・・・,FL8と階層が下位に向かうにつれて、フィルタFL1〜FL8の面積が1/4ずつ(一辺の長さは1/2ずつ)小さくなっている。
【0074】
フィルタFL1において、点灯領域41は、映像テクスチャのRの色成分を透過させる点灯領域41Rと、映像テクスチャのGの色成分を透過させる点灯領域41Gと、映像テクスチャのBの色成分を透過させる点灯領域41Bとに分類される。
【0075】
点灯領域41Rを構成する各画素は、Rの透過率が1〜100%のいずれかの値に設定され、B,Gの透過率が0%に設定されている。そのため、映像テクスチャにおいて点灯領域41Rが重畳された領域は、Rの色成分は透過されるが、G,Bの色成分は透過されないため、Rの色成分のみが表示されることになる。
【0076】
点灯領域41Gを構成する各画素は、Gの透過率が1〜100%のいずれかの値に設定され、R,Bの透過率が0%に設定されている。そのため、映像テクスチャにおいて点灯領域41Gが重畳された領域は、Gの色成分は透過されるが、R,Bの色成分は透過されないため、Gの色成分のみが表示されることになる。
【0077】
点灯領域41Bを構成する各画素は、Bの透過率が1〜100%のいずれかの値に設定され、R,Gの透過率は0%に設定されている。そのため、映像テクスチャにおいて点灯領域41Bが重畳された領域は、Bの色成分は透過されるが、R,Gの色成分は透過されないため、Bの色成分のみが表示されることになる。
【0078】
また、非点灯領域42を構成する各画素は、R,G,Bの透過率が全て0%に設定されている。よって、映像テクスチャにおいて非点灯領域42が重畳された領域は黒で表示される。
【0079】
例えば、映像テクスチャのある画素のR,G,Bの値が(1000,1000,1000)であったとする。この画素に透過率が100%の点灯領域41Rが重畳されれば、この画素のR,G,B値は、(1000,0,0)となる。また、この画素に透過率が100%の点灯領域41Gが重畳されれば、この画素のR,G,B値は、(0,1000,0)となる。また、この画素に透過率が100%の点灯領域41Bが重畳されれば、この画素のR,G,B値は、(0,0,1000)となる。また、この画素に非点灯領域42が重畳されれば、この画素のR,G,B値は、(0,0,0)となる。
【0080】
図4に示すように、フィルタFL1は、1行1列目には点灯領域41R、1行2列目には点灯領域41G、2行1列目に点灯領域41B、2行2列目に点灯領域41Rが配列された発光体ブロック43を1つの単位とし、この発光体ブロック43が所定行×所定列(図4の例では8×8列)で配列されている。つまり、フィルタFL1は、実際の電光掲示板を構成するR,G,BのLEDの配列パターンを模擬していることが分かる。
【0081】
そのため、映像テクスチャにフィルタFL1が重畳されると、映像テクスチャは、非点灯領域42により区切られ、かつ、区切られた各領域は、R,G,Bのいずれかの色成分に分解して表示されることになる。その結果、電光掲示板を近くで見た場合に、映像がR,G,Bの色成分に分解して表示されることを模擬することができる。
【0082】
ここで、フィルタFL1〜FL8は、ズーム率が高い場合に選択される高ズーム率フィルタと、高ズーム率フィルタ以外の低ズーム率フィルタとを含む。図4〜図6の例では、図4に示すフィルタFL1、図5に示すフィルタFL2がそれぞれ高ズーム率フィルタに該当し、図5に示すフィルタFL3、図6に示すフィルタFL4〜FL8が低ズーム率フィルタに該当する。
【0083】
ここで、高ズーム率フィルタは、フィルタFL1,FL2に示すように、点灯領域41が点灯領域41R,41G,41Bのいずれかに該当する。したがって、映像テクスチャに高ズーム率フィルタを重畳すると、映像テクスチャは、R,G,Bのいずれかの色成分に分解して表示される。
【0084】
一方、低ズーム率フィルタでは、図6のフィルタFL3〜FL7に示すように点灯領域41を構成する各画素はR,G,Bの色成分の透過率がそれぞれ100%に設定され、非点灯領域42を構成する各画素はR,G,Bの色成分の透過率がそれぞれ0%に設定されている。
【0085】
したがって、映像テクスチャに低ズーム率フィルタを重畳すると、映像テクスチャは点灯領域41が重畳された領域はそのまま透過され、非点灯領域42が重畳された領域は黒で表示される。例えば、映像テクスチャが白色の文字であるとすると、非点灯領域42により黒で区切られ、点灯領域41が重畳された文字の領域は白で表示される。
【0086】
図7は、映像テクスチャの一例を示した図であり、(A)はフィルタFLが重畳される前の映像テクスチャを示し、(B)はフィルタFLが重畳された後の映像テクスチャを示している。
【0087】
図7の例では、映像テクスチャとして、“荒”の文字が採用されている。図7(A)に示すように、フィルタFLが重畳されていない場合、“荒”の文字は、輪郭がぼやけたように表示され、斜め方向に向かう部位や角の部位ではギザつきが目立って現れていることが分かる。
【0088】
一方、図7(B)に示すように、フィルタFLを重畳させると、フィルタFLによって“荒”の文字がメッシュ状に区切られて表示されている。そのため、“荒”の文字があたかも電光掲示板で表示したかのように表示されている。そして、その付随効果として、輪郭のぼやけや、角や斜めの部位のギザ付きが目立たなくなり、“荒”の文字の視認性が高められていることが分かる。このように、フィルタFLを重畳させることで、電光掲示板領域910が表示する映像をリアルに再現することができるのみならず、ぼやけやギザ付きを目立たなくせることができる。
【0089】
更に、フィルタFL8はR,G,Bの色成分の透過率がそれぞれ100%に設定された点灯領域41のみが存在する。したがって、映像テクスチャにフィルタFL8を重畳させると、フィルタ映像は非点灯領域42によって区切られることなくそのまま表示される。
【0090】
更に、フィルタFL1〜FL4では、非点灯領域42はメッシュ状に点灯領域41を区切っているが、フィルタFL5〜FL7では、点灯領域41と非点灯領域42とは市松模様状に配列されている。更にフィルタFL1では点灯領域41は円形であるが、フィルタFL2〜FL7では点灯領域41は四角形である。
【0091】
次に、フィルタFL1〜FL8同士の関係について説明する。フィルタFL2は、フィルタFL1に対し、全体面積が1/4に設定され、かつ、点灯領域41の面積も1/4に設定されている。つまり、フィルタFL2はフィルタFL1を1/4の面積に縮小したサイズを持っている。但し、図5の例では、フィルタFL2は、発光体ブロック43内には非点灯領域42が設けられておらず、発光体ブロック43内の4つの点灯領域41R,41G,41B,41Rが隣接している。また、フィルタFL1,FL2では、点灯領域41は中心部に向かうにつれて透過率が高く設定されている。
【0092】
具体的には、図4、図5に示すフィルタFL1,FL2では、点灯領域41R,41G,41Bは、透過率が例えば100%に設定された中心領域と、透過率が例えば75%に設定された中心領域に隣接する周辺領域と、透過率が例えば50%に設定された中心領域に隣接する周辺領域とを含み、透明度が3階調に設定されている。これにより、中心ほど高輝度で発光し、周囲に向かうにつれて低輝度で発光する実際のLEDの点灯状態をリアルに再現することができる。
【0093】
フィルタFL3は、フィルタFL2に対し、全体面積及び点灯領域41の面積が共に1/4に設定されているが、点灯領域41の透明度はR,G,Bの色成分がそれぞれ100%に設定されている。これにより、映像テクスチャにフィルタFL3が重畳されると、点灯領域41が重畳された映像テクスチャの領域は、R,G,Bの色成分がそのまま透過されて表示される。例えば、映像テクスチャが白色の文字である場合を考える。この場合、この白色の文字にフィルタFL1,FL2が重畳されると、この白色の文字はR,G,Bの色成分に分解されて表示される。しかしながら、この白色の文字にフィルタFL3が重畳されると、点灯領域41が重畳された領域は白色で表示される。
【0094】
したがって、ズーム率が徐々に増大されていき、フィルタFL3がフィルタFL2に切り替えられると、白一色で表示されていた文字がR,G,Bの色成分に分解されて表示される。そのため、あたかも実際の電光掲示板を見ているような感覚をプレーヤに与えることができる。
【0095】
また、フィルタFL4は、フィルタFL3に対し、全体面積は1/4に設定されているが点灯領域41の面積は同じに設定されている。このように、階層が1つ下がっても、点灯領域41の面積を同一にすることで、映像テクスチャがフィルタFLによって区切られて表示されていることをプレーヤに対してより強く意識付けることができる。
【0096】
例えば、ズーム率が徐々に小さくされるシーンにおいて、フィルタFL3がフィルタFL4に切り替えられた場合、映像テクスチャの縮小に比例して点灯領域41の面積を縮小させると、プレーヤの潜在意識通りに点灯領域41が縮小するため、映像テクスチャが非点灯領域42で区切られていることをプレーヤにより鮮明に意識付けることが困難になる虞がある。
【0097】
そこで、フィルタFL3がフィルタFL4に切り替えられても、点灯領域41の面積をあえて変化させない構成を採用することで、プレーヤの潜在意識に反するように点灯領域41の面積を変化させることができ、点灯領域41が非点灯領域42で区切られていることをプレーヤにより鮮明に意識付けることができる。
【0098】
フィルタFL5は、フィルタFL4に対して全体面積と点灯領域41の面積とが共に1/4にされているが、点灯領域41と非点灯領域42との配列がメッシュ状から市松模様状になっている。
【0099】
フィルタFL6は、フィルタFL5に対して全体面積は1/4に設定されているが、点灯領域41の面積は同じに設定されている。そのため、フィルタFL3とフィルタFL4との関係と同様、点灯領域41が非点灯領域42で区切られていることをプレーヤにより鮮明に意識付けることができる。
【0100】
フィルタFL7は、フィルタFL6に対して全体面積は1/4に設定されているが、点灯領域41の面積は同じに設定されている。そのため、点灯領域41が非点灯領域42で区切られていることをプレーヤにより鮮明に意識付けることができる。
【0101】
図2に戻り、投影部233は、ズーム率設定部234により設定されたズーム率に従って仮想3次元空間内に仮想スクリーンを設定し、この仮想スクリーンに電光掲示板領域910を投影し、投影した電光掲示板領域910を構成するある1つポリゴンの面積に応じてフィルタFL1〜FL8の中から適切なフィルタFLを選択する。
【0102】
微細な構造を持つテクスチャをポリゴンに貼り付けて3次元モデルを仮想スクリーンに投影する場合、視点が近くに設定されていれば、そのテクスチャをそのまま使用してもエイリアスは発生しない。しかしながら、視点が遠くに設定されていれば、仮想スクリーンに投影されるポリゴンの面積が小さくなるため、そのテクスチャをそのまま使用すると、テクスチャの微細な構造が再現しきれなくなりエイリアスが発生してしまう。そこで、投影部233は、上記のように1つのポリゴンの面積に応じて適切なフィルタFLを選択している。
【0103】
具体的には、投影部233は、電光掲示板領域910を仮想スクリーンに投影したときに電光掲示板領域910を構成するあるポリゴンの面積の代表値を求める。ここで、ポリゴンの面積の代表値としては、例えば、電光掲示板領域910を構成するある1つのポリゴンの面積を採用してもよいし、ある複数のポリゴンの面積の平均値を採用してもよいし、電光掲示板領域910を構成する全ポリゴンの面積の平均値を採用してもよい。そして、投影部233は、算出したポリゴンの面積の代表値が予め定められた第1〜第8の階級のいずれに属するかを判定する。ここで、第1〜第8の階級は仮想スクリーンに投影された1つのポリゴンの面積を8個の階級に分けるためのものであり、それぞれ、フィルタFL1〜FL8が予め対応付けられている。したがって、投影部233は、算出したポリゴンの面積の代表値が第1の階級に属せば、フィルタFL1を選択し、第2の階級に属せば、フィルタFL2を選択するというようにして、フィルタFLを適宜選択する。
【0104】
ここで、フィルタFLをポリゴンに貼り付けて仮想スクリーンに投影したときの1つの点灯領域41の面積が、電光掲示板領域910の1ドットを再現するうえで好ましい面積となるように、フィルタFL1〜FL8と第1〜第8の階級とが対応付けられている。そのため、ズーム率が変化しても映像テクスチャがあたかも電光掲示板領域910に表示されているように表示することができ、仮想3次元空間内で電光掲示板領域910が表示する映像をリアルに再現することが可能となる。
【0105】
なお、ズーム率によらず、1つのポリゴンに貼り付けられるフィルタ及び映像テクスチャの個数は一定(例えば1個、又は2個等)である。また、ズーム率によらず、電光掲示板領域910を構成するポリゴンの個数も一定である(例えば500個)。したがって、ズーム率によらず、電光掲示板領域910の全域に貼り付けられるフィルタFL及び映像テクスチャの個数は一定となる。また、フィルタFLも映像テクスチャと同様、テクスチャマッピングによりポリゴンの形状に適合するようにポリゴンに貼り付けられる。
【0106】
図8は、仮想3次元空間に設定される仮想スクリーンを示した模式図である。図8に示すように、仮想3次元空間内は、互いに直交するX,Y,Zの3つの座標軸で各位置が規定されている。本実施の形態で用いられるスコアボード900等の3次元モデルは、この3つの座標軸によって各ポリゴンの各頂点の座標が規定されている。この仮想3次元空間には図略の仮想光源が設定されている。
【0107】
水平面83は、野球場のグラウンドであり、X−Y平面と平行、かつ、Z=0に設定されている。仮想カメラ84は、実際のカメラの光軸に相当する視線85を持つ。本実施の形態では、視線85がスコアボード900に向かうように仮想カメラ84は配置されている。つまり、視線85は、キャッチャーベースからスコアボード900を望む方向に設定されている。また、視線85は、仮想スクリーン81の中心86を貫いている。仮想スクリーン81は、表示部210の表示領域に対応しており、矩形形状を持つ。また、仮想スクリーン81には、表示部210の各画素に対応するように所定行×所定列で複数の画素がマトリックス状に配列されている。
【0108】
投影部233は、スコアボード900等を含む各3次元モデルに映像テクスチャ等のテクスチャを貼り付けると共に、映像テクスチャにはフィルタFLを貼り付ける。そして、投影部233は、仮想カメラ84を視点として仮想スクリーン81の各画素のR,G,B値を順次に求めていくことで、各3次元モデルを仮想スクリーン81に透視投影変換し、2次元の投影画像データを生成する。これにより、3次元モデルがレンダリングされる。
【0109】
なお、投影部233は、この処理を所定のフレームレートで繰り返し実行して投影画像データを順次に生成し、表示部210が持つ描画RAMに順次に書き込んでいく。これにより、表示部210には、投影画像データにより示される仮想3次元空間の映像がアニメーション表示される。
【0110】
ここで、投影部233は、ズーム率設定部234によりズーム率が増大するにつれて、仮想スクリーン81と仮想カメラ84との距離を増大させる。これにより、ズーム率が増大すると、仮想スクリーン81は位置81aから位置81bへと視線85に沿ってスコアボード900側にずらされ、スコアボード900が拡大表示される。
【0111】
一方、投影部233は、ズーム率設定部234によりズーム率が減少されると、仮想スクリーン81と仮想カメラ84との距離を減少させる。これにより、仮想スクリーン81は位置81bから位置81aへと視線85に沿ってホームベース側にずらされ、スコアボード900が縮小表示される。
【0112】
図8の例では、ズーム率によらず、仮想スクリーン81の面積は同じに設定されている。したがって、仮想スクリーン81の水平画角θ及び垂直画角θ´は、仮想カメラ84と仮想スクリーン81との距離が離れるにつれて、小さく設定される。よって、仮想カメラ84と仮想スクリーン81との距離が長いと望遠画像が得られ、仮想カメラ84と仮想スクリーン81との距離が近いと広角画像が得られる。
【0113】
なお、水平画角θ及び垂直画角θ´は、仮想スクリーン81は水平方向と垂直方向との長さの比が一定となるようにその値が設定される。
【0114】
図2に戻り、ズーム率設定部234は、ゲーム進行制御部235から通知されるズーム率変更指令に従って、仮想カメラ84のズーム率を設定する。ここで、ゲーム進行制御部235は、ゲーム局面に応じてズーム率を変更する必要があると判断した場合、ゲーム局面を示す情報と併せてズーム率を変更させるためのズーム率変更指令を投影部233に通知する。
【0115】
これを受けた、ズーム率設定部234は、ゲーム局面を示す情報が示すゲーム局面に対して予め定められたズーム率に仮想カメラ84のズーム率を設定する。ここで、ズーム率設定部234は、投手キャラクタにボールオブジェクトを投げさせ打者キャラクタにそのボールオブジェクトを打撃させる通常のゲーム局面においては、画面の中央部のやや上側に投手キャラクタが表示され、画面の下側に打者キャラクタが表示させるズーム率を設定する。
【0116】
そして、例えば、攻撃側のチームと守備側のチームとが切り替わったとき、攻撃側のチームが得点を入れたとき、或いは選手キャラクタが交代されるとき等、電光掲示板領域910を通じてプレーヤに情報を伝達する必要性が生じた場合、ズーム率設定部234は、ズーム率を高く設定し、電光掲示板領域910を拡大表示させる。
【0117】
この場合、ズーム率設定部234は、所定の高ズーム率になるまで、徐々にズーム率を拡大させてもよい。
【0118】
ゲーム進行制御部235は、操作部220がプレーヤから投球指示や打撃指示等の指示を受け付けると、そのことをキャラクタ制御部232に通知し、キャラクタ制御部232に投手キャラクタや打者キャラクタ等を動作させる。
【0119】
また、ゲーム進行制御部235は、上記のようにズーム率を変更する必要のあるゲーム局面が到来した場合、ズーム率変更指令を投影部233に通知する。また、ゲーム進行制御部235は、ゲーム局面に応じて視線85の向きを変える必要がある場合、視線変更指令を投影部233に通知する。
【0120】
例えば、選手キャラクタが交代された場合、電光掲示板領域910において、交代された選手キャラクタの名前が表示された領域を拡大して表示すると、プレーヤに対して選手キャラクタが交代したことを明確に報知することができる。
【0121】
この場合、ゲーム進行制御部235は、交代された選手キャラクタの名前が表示された領域に視線85を向けさせるための視線変更指令を投影部233に通知する。同時に、ゲーム進行制御部235は、ゲーム局面が選手交代であることを示す情報を含むズーム率変更指令をズーム率設定部234に通知する。これにより、この名前が表示された電光掲示板領域910の領域が拡大表示され、プレーヤは、選手キャラクタの交代を速やかに認識することができる。
【0122】
記憶部240は、図1に示すメインメモリ5、ROM6等により構成され、3次元モデル記憶部241、映像テクスチャ記憶部242、及びフィルタ記憶部243を含んでいる。
【0123】
3次元モデル記憶部241は、上述したように野球場、人物キャラクタ等の3次元モデルを記憶している。映像テクスチャ記憶部242は、上述した映像テクスチャを記憶している。フィルタ記憶部243は、上述したフィルタFL1〜FL8を階層的に記憶している。
【0124】
次に、本実施の形態による画像処理装置をゲーム装置に適用した場合のゲーム装置の動作について説明する。図3は、本実施の形態による画像処理装置をゲーム装置に適用した場合のゲーム装置の動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、投影部233が1枚の投影画像データを生成する際の処理が示されており、例えば、所定のフレームレートで繰り返し実行される。
【0125】
まず、モデル配置部231は、仮想3次元空間の所定の位置に野球場、人物キャラクタ等の3次元モデルを配置する(ステップS1)。これにより、初期設定が行われる。以下、“ステップS”を“S”と略す。次に、キャラクタ制御部232は、ゲーム進行制御部235からの指令にしたがって人物キャラクタを動作させる(S2)。このとき、キャラクタ制御部232は、必要に応じてボールオブジェクトも移動させる。
【0126】
次に、ズーム率設定部234は、仮想カメラ84のズーム率を設定する(S3)。ここで、ズーム率設定部234は、ゲーム進行制御部235によりズーム率変更指令が通知された場合は、ズーム率を変更すればよいし、ズーム率変更指令が通知されなかった場合は、現在のズーム率を維持すればよい。
【0127】
次に、投影部233は、視線85の向きを設定する(S4)。この場合、投影部233は、ゲーム進行制御部235により、視線変更指令が通知された場合は、視線85を変更すればよいし、視線変更指令が通知されなかった場合は、視線85の向きを現在の向きに維持すればよい。
【0128】
次に、投影部233は、S3で設定されたズーム率及びS4で設定された視線85にしたがって、仮想スクリーン81を設定する。この場合、S3及びS4でズーム率及び視線85の向きに変更がない場合は、投影部233は仮想スクリーン81を現在設定されている位置に継続して設定させればよい。これにより、図8に示すように、仮想カメラ84と仮想スクリーン81との距離がズーム率に応じた距離となるように仮想スクリーン81が設定される。
【0129】
次に、投影部233は、S3で設定されたズーム率に応じたフィルタFLを選択する(S6)。例えば、ズーム率が大きくて、仮想スクリーン81に投影されるポリゴンの面積の代表値が第1、第2の階級に属すれば、フィルタFL1やフィルタFL2等のフィルタFLが選択される。この場合、例えば図7に示す“荒”が映像テクスチャとして採用されているとすると、“荒”の文字がR,G,Bの色成分に分解されて表示される。
【0130】
一方、ポリゴンの面積の代表値が第3〜第7の階級に属すれば、フィルタFL3〜FL7が選択される。この場合、図7に示す“荒”の文字はフィルタFL3〜FL7の非点灯領域42によって区切られて表示されるが、色はそのまま表示される。
【0131】
更に、ズーム率が小さく、仮想スクリーン81に投影されるポリゴンの面積の代表値が第8の階級に属していれば、フィルタFL8が選択され、“荒”の文字は非点灯領域42によって区切られることなく、ベタで表示される。
【0132】
次に、投影部233は、電光掲示板領域910に対応する映像テクスチャとS6で選択したフィルタFLとを貼り付ける(S7)。この場合、他の3次元モデルにも対応するテクスチャがテクスチャマッピングにより貼り付けられる。
【0133】
次に、投影部233は、仮想カメラ84を視点として仮想スクリーン81に対して3次元モデルを投影し、投影画像データを生成する(S8)。次に、投影部233は、生成した投影画像データを描画RAMに書き込み、投影画像データを表示部210に表示させる(S9)。
【0134】
次に、ゲーム進行制御部235がレンダリングを終了すると判定した場合(S10でYES)、処理が終了され、レンダリングを終了しないと判定した場合(S10でNO)、処理がS2に戻され、次の投影画像データを生成する処理が開始される。ここで、レンダリングが終了される場合とは、ゲーム局面が仮想3次元空間を表示する必要がなくなった場合が該当し、例えば種々の設定画面を設定する場合が該当する。以上の処理が繰り返され、スコアボード900がレンダリングされ表示部210に表示される。
【0135】
なお、上記実施の形態では、フィルタFLを8枚のフィルタFLにより構成したが、本発明はこれに限定されず、2〜7枚、又は9枚以上の所定枚数のフィルタFLにより構成してもよい。
【0136】
また、上記実施の形態では、点灯領域41がR,G,Bの点灯領域41R,41G,41Bで構成されるフィルタFLをフィルタFL1,FL2のみとしたが、フィルタFL3,FL4,・・・,FL6の中の所定の階層までのフィルタFLをR,G,Bの点灯領域41R,41G,41Bを持つフィルタFLにより構成してもよい。
【0137】
また、上記実施の形態では、フィルタFLは、フィルタFL1〜FL8に向かうにつれて、全体面積が1/4ずつ小さくなるように設定されていた。この1/4は一例にすぎず、1/2,1/3,1/5,・・・,1/n(nは正の整数)等の任意の値に設定してもよい。
【0138】
なお、本実施形態では、野球ゲームの画像内で表現されるスコアボードの文字を取り上げて説明したが、これに限らず、現実世界において、複数のLEDまたは電球等の集合体で文字、キャラクタ、絵等を表示するものをゲーム内や仮想空間内で模擬して表現する場合には、広く適用できることは言うまでもない。例えば、街中の広告表示、駅のプラットホームの列車案内や時刻表示、列車内のニュース等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0139】
41R,41G,41B,41 点灯領域
42 非点灯領域
43 発光体ブロック
81 仮想スクリーン
210 表示部
220 操作部
230 制御部
231 モデル配置部
232 キャラクタ制御部
233 投影部
234 ズーム率設定部
235 ゲーム進行制御部
240 記憶部
241 3次元モデル記憶部
242 映像テクスチャ記憶部
243 フィルタ記憶部
900 スコアボード
910 電光掲示板領域(表示領域)
FL,FL1〜FL8 フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光体がマトリックス状に配列された表示領域に表示される映像を模擬する画像処理装置であって、
前記表示領域を持つ表示体の3次元モデルを仮想3次元空間に配置するモデル配置部と、
前記表示領域に表示される映像を模擬した映像テクスチャを予め記憶する映像テクスチャ記憶部と、
前記発光体の隙間の部分を模擬するために前記映像テクスチャを非透過で表示する非点灯領域と、各発光体を模擬するために前記映像テクスチャを透過させて表示する複数の点灯領域とを前記表示領域に規則的に形成するためのフィルタを予め記憶するフィルタ記憶部と、
前記仮想3次元空間に仮想カメラ及び仮想スクリーンを配置し、前記映像テクスチャと前記フィルタとを重畳して前記表示領域に貼り付け、前記仮想カメラを視点として前記表示体の3次元モデルを前記仮想スクリーンに投影する投影部とを備える画像処理装置。
【請求項2】
前記仮想カメラのズーム率を設定するズーム率設定部を更に備え、
前記フィルタ記憶部は、前記点灯領域の面積が異なる複数種類のフィルタを記憶し、
前記投影部は、前記ズーム率が高くなるにつれて前記点灯領域の面積が大きなフィルタを選択する請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記映像テクスチャは、R(赤),G(緑),B(青)の色成分から構成され、
前記フィルタ記憶部は、前記ズーム率が高い場合に選択される高ズーム率フィルタと、前記高ズーム率フィルタ以外の低ズーム率フィルタとを含み、
前記高ズーム率フィルタは、各点灯領域が、前記映像テクスチャのR,G,Bのいずれか1つの色成分のみを透過させるように設定され、
前記低ズーム率フィルタは、各点灯領域が、前記映像テクスチャのR,G,Bの色成分を均等に透過させるように設定されている請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記フィルタ記憶部は、下位の階層に向かうにつれて全体面積が1/n(nは2以上の整数)ずつ小さくなる複数種類のフィルタを階層的に記憶し、
前記投影部は、前記表示領域に前記フィルタを繰り返し貼り付けるものであり、
前記フィルタは、1つ上の階層のフィルタに対して各点灯領域の面積が1/nに縮小されたフィルタと、1つ上の階層のフィルタに対して各点灯領域の面積が同一に設定されたフィルタとを含む請求項2又は3記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記表示領域は、複数のポリゴンから構成され、
前記投影部は、前記仮想スクリーンに前記表示領域を投影したときのポリゴンの面積に基づいて、前記フィルタを選択する請求項2〜4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
所定の階層以上の階層のフィルタは点灯領域が円形に設定され、所定の階層未満の階層のフィルタは点灯領域が四角形である請求項4記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記表示体はスコアボードである請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
複数の発光体がマトリックス状に配列された表示領域に表示される映像を模擬する画像処理方法であって、
コンピュータが、前記表示領域を持つ表示体の3次元モデルを仮想3次元空間に配置するモデル配置ステップと、
コンピュータが、前記仮想3次元空間に仮想カメラ及び仮想スクリーンを配置し、前記表示領域に表示される映像を模擬した映像テクスチャと、前記発光体の隙間の部分を模擬するために前記映像テクスチャを非透過で表示する非点灯領域と、各発光体を模擬するために前記映像テクスチャを透過させて表示する複数の点灯領域とを前記表示領域に規則的に形成するためのフィルタとを重畳して前記表示領域に貼り付け、前記仮想カメラを視点として前記表示体の3次元モデルを前記仮想スクリーンに投影する投影ステップとを備える画像処理方法。
【請求項9】
複数の発光体がマトリックス状に配列された表示領域に表示される映像を模擬する画像処理プログラムであって、
前記表示領域を持つ表示体の3次元モデルを仮想3次元空間に配置するモデル配置部と、
前記表示領域に表示される映像を模擬した映像テクスチャを予め記憶する映像テクスチャ記憶部と、
前記発光体の隙間の部分を模擬するために前記映像テクスチャを非透過で表示する非点灯領域と、各発光体を模擬するために前記映像テクスチャを透過させて表示する複数の点灯領域とを前記表示領域に規則的に形成するためのフィルタを予め記憶するフィルタ記憶部と、
前記仮想3次元空間に仮想カメラ及び仮想スクリーンを配置し、前記映像テクスチャと前記フィルタとを重畳して前記表示領域に貼り付け、前記仮想カメラを視点として前記表示体の3次元モデルを前記仮想スクリーンに投影する投影部としてコンピュータを機能させる画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−190146(P2012−190146A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51683(P2011−51683)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】