説明

画像処理装置、画像処理方法およびコンピューター読み取り可能な媒体

【課題】モザイク解除、サイズ変更、雑音除去、および鮮明化などの画像処理操作で使用
する効率的かつ正確なエッジ検出手法を提供すること。
【解決手段】受信したモザイク画像データにおける垂直および水平方向の各ピクセル列に
関し各々垂直方向色差成分および水平方向色差成分を計算する。次に、モザイク画像デー
タからピクセルを選択し、目標ピクセルの垂直色差成分の記号を目標ピクセルの上と下に
あるピクセルの垂直色差成分の記号と比較し、1つ以上の比較における記号が等しくない
場合対応するエッジマップ値を1に設定し、すべての記号が等しい場合は対応するエッジ
マップ値を0に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態はデジタルカメラなどの撮像装置で画像データを生成する手法に関す
る。より具体的に、発明の実施形態は光の3原色に対応するR(赤)、G(緑)、および
B(青)の微細カラーフィルターのモザイク配置を有するカラーフィルターアレイの画像
におけるエッジを検出する手法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル手法の進歩につれ、画像は一般的にデジタルデータ(画像データ)として処理
される。デジタルカメラなどの撮像装置は取り込まれた画像を画像データの形で直ちに出
力することを可能にする。撮像装置は通常光強度を電気信号に転換する小さい要素からな
る電子画像センサーを備えている。撮像装置は光学系により被写体の取り込み画像を画像
センサーに焦点合わせし、個々の要素における光強度を電気信号として検出し画像データ
を生成する。光学系に入射する光は光の3原色に対応する3つの色成分R、G、およびB
に分割することができる。3つの色成分R,G,B各々の色光は画像センサーに向けられ
、センサーにより得られた各々の色成分の光強度を表す電気信号が出力され、色画像デー
タを生成する。
【0003】
光学系に入射する光の分割として得られる3つの色成分R,G,Bの各々の色光を画像
センサーにより取得する最も簡単な方法は分光プリズムを用いて入射光を3つの色成分R
,G,Bの色光に分割し、各々の色光を画像センサーに焦点合わせして各々の色成分R,
G,Bに冠する画像データを生成する。この方法は3つの画像センサーを必要とするので
望ましくない。広く用いられる手法の1つは1つの画像センサーにより色成分R,G,B
の各々を検出をするために色成分R,G,Bの1つを画像センサーを構成する要素の各々
に割り当てる。この手法の典型的な構成は色成分Rの検出に割り当てられた要素の前にあ
る色成分Rのみの伝送を許す小さいカラーフィルター、色成分Gの検出に割り当てられた
要素の前にある色成分Gのみの伝送を許す小さいカラーフィルター、および色成分Bの検
出に割り当てられた要素の前にある色成分Bのみの伝送を許す小さいカラーフィルターを
備える。この構成は1つの画像センサーにより3つの色成分R,G,Bの画像データを同
時に検出することを可能にする。1つの画像センサーにより各々の色成分R,G,Bを検
出する手法において、所定の色成分(例、色成分R)の検出に割り当てられた各要素は他
の色成分(例、色成分Gおよび色成分B)を検出することができない。従って得られた画
像データは色成分Rのピクセル、色成分Gのピクセル、および色成分Bのピクセルのモザ
イク配置を有する。各ピクセルにおいて欠けている色成分を隣接ピクセルの色成分で補間
することにより、すべてのピクセルにおいてすべての色成分R,G,Bの設定を備えたカ
ラー画像データの生成が可能になる。
【0004】
3つの色成分R,G,Bの分割色光を電気信号に転換し各々の色成分R,G,Bの画像
データを生成するのに3つの画像センサーに頼る撮像装置は時に「3画像センサー」装置
と呼ばれる。1つの画像センサーのみを用いてモザイク配置の画像データを生成し補間に
より欠けている色成分を演算する撮像装置は時に「単一画像センサー」装置と呼ばれる。
モザイク配置の画像データにおいてかけている色成分を補間してすべての色成分R,G,
Bの設定を備えたカラー画像データを生成するプロセスは時に「モザイク解除プロセス」
と呼ばれる。
【0005】
モザイク解除、空間的補間、および画像の雑音除去や向上など画像処理操作のいくつか
は取り込まれた画像データに存在するエッジに沿って処理操作を導き、それにより処理エ
ラーを避けるためにエッジ検出に頼る。エッジは画像内の物体の形を示すのでデジタル画
像の重要な特徴である(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7245326号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
典型的なエッジ検出プロセスは所定または適応閾値を有する2つ以上のピクセル間の勾
配、二乗差、または他の何らかの距離もしくは類似(相違)尺度を比較することが関わる
。このような比較により真のエッジと画像に存在するデータの変動および雑音による信号
の不連続とを区別することができる。しかし、典型的なエッジ検出プロセスにおいて適応
閾値の使用は計算上要求が多い一方、固定閾値は変化する統計データを有する複雑なシナ
リオの画像における正確なエッジ検出ができないかもしれない。
【0008】
消費者が撮像装置からより優れた画質をさらに求めるにつれ、モザイク解除、サイズ変
更、雑音除去、および鮮明化などの画像処理操作で使用する効率的かつ正確なエッジ検出
手法の開発がおおいに要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像処理装置は、各ピクセルにおいて光の3原色に対応するR成分、G成分お
よびB成分の3つの色成分の内1つの色成分のみの設定を有するモザイク画像データを受
信し、前記受信されたモザイク画像データに一連の画像処理を施し、前記モザイク画像デ
ータにおいてエッジが通るピクセルを特定するエッジマップを生成する画像処理装置であ
って、前記モザイク画像データは、前記G成分のピクセルおよび別の色成分として前記R
成分のピクセルが垂直方向に交互配置のピクセル列と、前記G成分のピクセルおよび別の
色成分として前記B成分のピクセルが前記垂直方向に交互配置のピクセル列と、前記G成
分のピクセルおよび別の色成分として前記R成分のピクセルが水平方向に交互配置のピク
セル行と、前記G成分のピクセルおよび別の色成分として前記B成分のピクセルが前記水
平方向に交互配置のピクセル行と、の組み合わせで表され、前記画像処理装置は、垂直の
周辺の利用可能な成分を用いて別の色成分のピクセル位置における前記G成分を取得し、
または前記G成分のピクセル位置における別の色成分を取得して、前記モザイク画像のピ
クセル列の各々に含まれる各ピクセルにおいて前記G成分および別の色成分間で垂直方向
色差成分を演算するよう構成される垂直方向色差成分演算モジュールと、水平の周辺の利
用可能な色成分を用いて別の色成分のピクセル位置における前記G成分を取得し、または
前記G成分のピクセル位置における別の色成分を取得して、前記モザイク画像のピクセル
行の各々に含まれる各ピクセルにおいて前記G成分および別の色成分間で水平方向色差成
分を演算するよう構成される水平方向色差成分演算モジュールと、前記モザイク画像から
ピクセルを選択し、そのようなピクセル位置各々において目標ピクセルの前記垂直方向色
差成分の記号を前記目標ピクセルの上と下にあるピクセルの前記垂直方向色差成分の記号
と比較するとともに、前記目標ピクセルの水平方向色差成分の記号を前記目標ピクセルの
左と右にあるピクセルの前記水平方向色差成分の記号と比較し、1つ以上の比較における
前記記号が等しくない場合前記エッジマップの対応するエッジマップ値を1に設定し、す
べての比較における前記記号が等しい場合は前記エッジマップの対応するエッジマップ値
を0に設定するよう構成されるエッジ検出モジュールとを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の画像処理装置において、さらにモザイク解除、サイズ変更、雑音除去、
または鮮明化操作の1つで前記エッジマップを用いるよう構成されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の画像処理装置において、前記エッジ検出モジュールは、前記モザイク画
像データに含まれる前記R成分のピクセルおよび前記B成分のピクセルのみ、または前記
G成分のピクセルのみを選択するよう構成されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の画像処理装置において、前記エッジマップの値を選択し、かかる目標値
の位置各々において前記目標値が1に等しいか判定し、前記目標値が1に等しい場合前記
目標値の各角における値を合計し、前記合計が0に等しいか判定し、前記合計が0に等し
い場合前記目標値を0に変更するよう構成されるエッジマップ増強モジュールをさらに有
することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の画像処理装置において、前記エッジマップの値を選択し、かかる目標値
の位置各々において前記目標値が0に等しいか判定し、前記目標値が0に等しい場合前記
目標値の各角における値を合計し、前記合計が2を超えるか判定し、前記合計が2を超え
る場合前記目標値を1に変更するよう構成されるエッジマップ増強モジュールをさらに有
することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の画像処理装置において、前記エッジマップ増強モジュールはさらに、前
記エッジマップの値を選択し、かかる目標値の位置各々において前記目標値が0に等しい
か判定し、前記目標値が0に等しい場合前記目標値の上、下、左側、および右側にあるピ
クセルの4つの値を合計し、前記合計が2を超えるか判定し、前記合計が2を超える場合
前記目標値を1に変更するよう構成されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の画像処理装置において、さらに反復的エッジマップ増強プロセスを実施
するよう構成される反復的エッジマップ増強モジュールを有し、前記反復的エッジマップ
増強モジュールは、a)前記エッジマップの値を選択し、かかる目標値の位置各々におい
て前記目標値が0に等しいか判定するステップと、b)前記目標値が0に等しい場合前記
目標値の各角における値を合計し、前記合計が2を超えるか判定し、前記合計が2を超え
る場合前記目標値を1に変更するステップと、c)前記目標値が0に等しい場合前記目標
値の上、下、左側、および右側にあるピクセルの4つの値を合計し、前記合計が2を超え
るか判定し、前記合計が2を超える場合前記目標値を1に変更するステップと、d)前記
ステップa)、前記ステップb)および前記ステップc)を少なくとも1回繰り返すステ
ップと、を有することを特徴とする。
【0016】
一方、本発明の画像処理方法は、各ピクセルにおいて光の3原色に対応するR成分、G
成分およびB成分の3つの色成分の内1つの色成分のみの設定を有するモザイク画像デー
タを受信し、前記受信されたモザイク画像データに一連の画像処理を施し、前記モザイク
画像データにおいてエッジが通るピクセルを特定するエッジマップを生成する画像処理方
法であって、前記G成分のピクセルおよび別の色成分として前記R成分のピクセルが垂直
方向に交互配置のピクセル列と、前記G成分のピクセルおよび別の色成分として前記B成
分のピクセルが前記垂直方向に交互配置のピクセル列と、前記G成分のピクセルおよび別
の色成分として前記R成分のピクセルが水平方向に交互配置のピクセル行と、前記G成分
のピクセルおよび別の色成分として前記B成分のピクセルが前記水平方向に交互配置のピ
クセル行と、の組み合わせで表される画像データをモザイク画像データとして受信するス
テップと、前記モザイク画像データの各ピクセル列に含まれる各ピクセルにおける前記G
成分および別の色成分を取得し、前記垂直方向における各ピクセル列に含まれる各ピクセ
ルにおける前記G成分と前記別の色成分との間の垂直方向色差成分を演算するステップと
、前記モザイク画像データの各ピクセル行に含まれる各ピクセルにおける前記G成分およ
び前記別の色成分を取得し、前記水平方向における各ピクセル行に含まれる各ピクセルに
おける前記G成分と前記別の色成分との間の水平方向色差成分を演算するステップと、前
記モザイク画像からピクセルを選択し、そのようなピクセル位置各々において目標ピクセ
ルの前記垂直方向色差成分の記号を前記目標ピクセルの上と下にあるピクセルの前記垂直
方向色差成分の記号と比較し、前記目標ピクセルの前記水平方向色差成分の記号を目標ピ
クセルの左と右にあるピクセルの前記水平方向色差成分の記号と比較し、1つ以上の比較
における前記記号が等しくない場合前記エッジマップの対応するエッジマップ値を1に設
定し、すべての比較における前記記号が等しい場合は前記エッジマップの対応する前記エ
ッジマップ値を0に設定するステップとを有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の画像処理方法において、モザイク解除、サイズ変更、雑音除去、または
鮮明化操作の1つで前記エッジマップを用いるステップをさらに有することを特徴とする

【0018】
また、本発明の画像処理方法において、前記モザイク画像データからピクセルを選択す
るステップは、前記モザイク画像データに含まれる前記R成分のピクセルおよび前記B成
分のピクセルのみ、または前記G成分のピクセルのみを選択するステップを有することを
特徴とする。
【0019】
また、本発明の画像処理方法において、前記エッジマップの値を選択し、かかる目標値
の位置各々において前記目標値が1に等しいか判定し、前記目標値が1に等しい場合前記
目標値の各角における値を合計し、前記合計が0に等しいか判定し、前記合計が0に等し
い場合目標値を0に変更するステップをさらに有することを特徴とする。
【0020】
また、本発明の画像処理方法において、前記エッジマップの値を選択し、かかる目標値
の位置各々において前記目標値が0に等しいか判定し、前記目標値が0に等しい場合前記
目標値の各角における値を合計し、前記合計が2を超えるか判定し、前記合計が2を超え
る場合目標値を1に変更するステップをさらに有することを特徴とする。
【0021】
また、本発明の画像処理方法において、前記エッジマップの値を選択し、かかる目標値
の位置各々において前記目標値が0に等しいか判定し、前記目標値が0に等しい場合前記
目標値の上、下、左側、および右側にあるピクセルの4つの値を合計し、前記合計が2を
超えるか判定し、前記合計が2を超える場合前記目標値を1に変更するステップをさらに
有することを特徴とする。
【0022】
また、本発明の画像処理方法において、a)前記エッジマップの値を選択し、かかる目
標値の位置各々において前記目標値が0に等しいか判定するステップと、b)前記目標値
が0に等しい場合前記目標値の各角における値を合計し、前記合計が2を超えるか判定し
、前記合計が2を超える場合前記目標値を1に変更するステップと、c)前記目標値が0
に等しい場合前記目標値の上、下、左側、および右側にあるピクセルの4つの値を合計し
、前記合計が2を超えるか判定し、前記合計が2を超える場合前記目標値を1に変更する
ステップと、d)前記ステップa)、前記ステップb)および前記ステップc)を少なく
とも1回繰り返すステップとをさらに有することを特徴とする。
【0023】
ここで、本発明のコンピューター読み取り可能な媒体は、各ピクセルにおいて光の3原
色に対応するR成分、G成分およびB成分の3つの色成分の内1つの色成分のみの設定を
有するモザイク画像データを受信し、前記受信されたモザイク画像データに一連の画像処
理を施し、前記モザイク画像データにおいてエッジが通るピクセルを特定するエッジマッ
プを生成する方法をコンピューターに実現させるプログラムを有するコンピューター読み
取り可能な媒体であって、前記プログラムは、前記G成分のピクセルおよび別の色成分と
して前記R成分のピクセルが垂直方向に交互配置のピクセル列と、前記G成分のピクセル
および別の色成分として前記B成分のピクセルが前記垂直方向に交互配置のピクセル列と
、前記G成分のピクセルおよび別の色成分として前記R成分のピクセルが水平方向に交互
配置のピクセル行と、前記G成分のピクセルおよび別の色成分として前記B成分のピクセ
ルが前記水平方向に交互配置のピクセル行と、の組み合わせで表される画像データをモザ
イク画像データとして受信するステップと、前記モザイク画像データの各ピクセル列に含
まれる各ピクセルにおける前記G成分および別の色成分を取得し、前記垂直方向における
各ピクセル列に含まれる各ピクセルにおける前記G成分と別の色成分との間の垂直方向色
差成分を演算するステップと、前記モザイク画像データの各ピクセル行に含まれる各ピク
セルにおける前記G成分および別の色成分を取得し、水平方向における各ピクセル行に含
まれる各ピクセルにおける前記G成分と別の色成分との間の水平方向色差成分を演算する
ステップと、前記モザイク画像からピクセルを選択し、そのようなピクセル位置各々にお
いて目標ピクセルの前記垂直方向色差成分の記号を前記目標ピクセルの上と下にあるピク
セルの前記垂直方向色差成分の記号と比較し、前記目標ピクセルの前記水平方向色差成分
の記号を前記目標ピクセルの左と右にあるピクセルの前記水平方向色差成分の記号と比較
し、1つ以上の比較における前記記号が等しくない場合前記エッジマップの対応するエッ
ジマップ値を1に設定し、すべての比較における前記記号が等しい場合は前記エッジマッ
プの対応するエッジマップ値を0に設定するステップと、の機能をコンピューターに達成
させることを特徴とする。
【0024】
また、本発明のコンピューター読み取り可能な媒体において、前記プログラムは、モザ
イク解除、サイズ変更、雑音除去、または鮮明化操作の1つで前記エッジマップを用いる
ステップをさらにコンピューターに達成させることを特徴とする。
【0025】
また、本発明のコンピューター読み取り可能な媒体において、前記モザイク画像データ
からピクセルを選択するステップは、前記モザイク画像データに含まれる前記R成分のピ
クセルおよび前記B成分のピクセルのみ、または前記G成分のピクセルのみを選択するス
テップをさらに有することを特徴とする。
【0026】
また、本発明のコンピューター読み取り可能な媒体において、前記プログラムは、前記
エッジマップの値を選択し、かかる目標値の位置各々において前記目標値が1に等しいか
判定し、前記目標値が1に等しい場合前記目標値の各角における値を合計し、前記合計が
0に等しいか判定し、前記合計が0に等しい場合前記目標値を0に変更するステップをさ
らにコンピューターに達成させることを特徴とする。
【0027】
また、本発明のコンピューター読み取り可能な媒体において、前記プログラムは、前記
エッジマップの値を選択し、かかる目標値の位置各々において前記目標値が0に等しいか
判定し、前記目標値が0に等しい場合前記目標値の各角における値を合計し、前記合計が
2を超えるか判定し、前記合計が2を超える場合前記目標値を1に変更するステップをさ
らにコンピューターに達成させることを特徴とする。
【0028】
また、本発明のコンピューター読み取り可能な媒体において、前記プログラムは、前記
エッジマップの値を選択し、かかる目標値の位置各々において前記目標値が0に等しいか
判定し、前記目標値が0に等しい場合前記目標値の上、下、左側、および右側にあるピク
セルの4つの値を合計し、前記合計が2を超えるか判定し、前記合計が2を超える場合前
記目標値を1に変更するステップをさらにコンピューターに達成させることを特徴とする

【0029】
また、本発明のコンピューター読み取り可能な媒体において、前記プログラムは、a)
前記エッジマップの値を選択し、かかる目標値の位置各々において前記目標値が0に等し
いか判定するステップと、b)前記目標値が0に等しい場合前記目標値の各角における値
を合計し、前記合計が2を超えるか判定し、前記合計が2を超える場合前記目標値を1に
変更するステップと、c)前記目標値が0に等しい場合前記目標値の上、下、左側、およ
び右側にあるピクセルの4つの値を合計し、前記合計が2を超えるか判定し、前記合計が
2を超える場合前記目標値を1に変更するステップと、d)前記ステップa)、前記ステ
ップb)および前記ステップc)を少なくとも1回繰り返すステップとをさらにコンピュ
ーターに達成させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態において画像処理装置を備えたデジタルカメラの構成の概略図である。
【図2】図1における画像処理装置に含まれるカラーフィルターアレイおよび画像センサーの構造を示す概念図である。
【図3】実施形態の画像処理装置により実行され、生の画像データからエッジマップを生成し増強させるエッジ検出プロセスを示すフローチャートである。
【図4】生の画像データを色差成分のデータに変換するプロセスを概念的に示す図である。
【図5】生の画像データから色差成分を計算する計算式を示す。
【図6】図3のエッジ検出プロセスにおいて実施形態の画像処理装置により実行されるエッジマップ作成プロセスの詳細を示すフローチャートである。
【図7】色差成分のデータからのエッジマップの作成を示す図である。
【図8】図3のエッジ検出プロセスにおいて実施形態の画像処理装置により実行されるエッジマップ増強プロセスの詳細を示すフローチャートである。
【図9】エッジマップの増強を示す。
【図10】図3のエッジ検出プロセスにおいて実施形態の画像処理装置により実行される反復的エッジマップ増強プロセスの詳細を示すフローチャートである。
【図11】エッジマップの反復的増強を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
はじめに本発明の各態様を記載する。
【0032】
前述の要求の少なくとも一部を達成するために、発明の一態様は各ピクセルにおいて光
の3原色に対応する3つの色成分R,G,Bの内1つの色成分のみの設定を有するモザイ
ク画像データを受信し、受信されたモザイク画像データに一連の画像処理を施し、モザイ
ク画像データにおいてエッジが通るピクセルを特定するエッジマップを生成する画像処理
装置に向けられる。モザイク画像データはG成分のピクセルおよび別の色成分としてR成
分のピクセルが垂直方向に交互配置のピクセル列、G成分のピクセルおよび別の色成分と
してB成分のピクセルが垂直方向に交互配置のピクセル列、G成分のピクセルおよび別の
色成分としてR成分のピクセルが水平方向に交互配置のピクセル行、およびG成分のピク
セルおよび別の色成分としてB成分のピクセルが水平方向に交互配置のピクセル行の組み
合わせで表される。
【0033】
画像処理装置は2方向の色差演算モジュールおよびエッジ検出モジュールを含む。垂直
方向の色差成分演算モジュールは垂直の周辺の利用可能な成分を用いて別の色成分のピク
セル位置におけるG成分を取得し、またはG成分のピクセル位置における別の色成分を取
得して、モザイク画像のピクセル列の各々に含まれる各ピクセルにおいてG成分および別
の色成分間で垂直方向の色差成分を演算するよう構成される。水平方向の色差成分演算モ
ジュールは水平の周辺の利用可能な色成分を用いて別の色成分のピクセル位置におけるG
成分を取得し、またはG成分のピクセル位置における別の色成分を取得して、モザイク画
像のピクセル行の各々に含まれる各ピクセルにおいてG成分および別の色成分間で垂直方
向の色差成分を演算するよう構成される。
【0034】
エッジ検出モジュールはモザイク画像からピクセルを選択し、そのようなピクセル位置
各々において目標ピクセルの垂直色差成分の記号を目標ピクセルの上と下にあるピクセル
の垂直色差成分の記号と比較するよう構成される。エッジ検出モジュールはさらに目標ピ
クセルの水平色差成分の記号を目標ピクセルの左と右にあるピクセルの水平色差成分の記
号と比較するよう構成される。エッジ検出モジュールは次に1つ以上の比較における記号
が等しくない場合エッジマップの対応するエッジマップ値を1に設定し、すべての比較に
おける記号が等しい場合はエッジマップの対応するエッジマップ値を0に設定するよう構
成される。
【0035】
本発明の別の態様は上記構成の画像処理装置に対応する画像処理方法である。画像処理
方法は各ピクセルにおいて光の3原色に対応する3つの色成分R,G,Bの内1つの色成
分のみの設定を有するモザイク画像データを受信し、受信されたモザイク画像データに一
連の画像処理を施し、モザイク画像データにおいてエッジが通るピクセルを特定するエッ
ジマップを生成する。
【0036】
画像処理方法はモザイク画像データとして、G成分のピクセルおよび別の色成分として
R成分のピクセルが垂直方向に交互配置のピクセル列、G成分のピクセルおよび別の色成
分としてB成分のピクセルが垂直方向に交互配置のピクセル列、G成分のピクセルおよび
別の色成分としてR成分のピクセルが水平方向に交互配置のピクセル行、およびG成分の
ピクセルおよび別の色成分としてB成分のピクセルが水平方向に交互配置のピクセル行の
組み合わせで表される画像データを受信する。画像処理方法はその後モザイク画像データ
の各ピクセル列に含まれる各ピクセルにおけるG成分および別の色成分を補間により取得
し、垂直方向における各ピクセル列に含まれる各ピクセルにおけるG成分および別の色成
分間の垂直方向色差成分を演算する。同様に画像処理方法はモザイク画像データの各ピク
セル行に含まれる各ピクセルにおけるG成分および別の色成分を補間により取得し、水平
方向における各ピクセル行に含まれる各ピクセルにおけるG成分および別の色成分間の水
平方向色差成分を演算する。
【0037】
画像処理方法は次にモザイク画像からピクセルを選択し、そのようなピクセル位置各々
において目標ピクセルの垂直色差成分の記号を目標ピクセルの上と下にあるピクセルの垂
直色差成分の記号と比較する。画像処理方法はさらに目標ピクセルの水平色差成分の記号
を目標ピクセルの左と右にあるピクセルの水平色差成分の記号と比較する。画像処理方法
は次に1つ以上の比較における記号が等しくない場合エッジマップの対応するエッジマッ
プ値を1に設定し、すべての比較における記号が等しい場合はエッジマップの対応するエ
ッジマップ値を0に設定する。
【0038】
本発明は添付図面に基づき以下の順序で下記に説明する好ましい実施形態を参照してよ
り良く理解できる。
【0039】
A.システム構成
B.エッジ検出プロセスの概要
C.エッジマップ作成プロセス
D.エッジマップ増強プロセス
E.反復的エッジマップ増強プロセス
【0040】
A.システム構成
図1は発明の一実施形態における画像処理装置を備えるデジタルカメラ100の構成を
概略的に図示する。図示されるように、デジタルカメラ100は複数レンズのグループを
有する光学系10、光学系10により形成される被写体の画像を電気信号に変換する撮像
アッセンブリ20、および撮像アッセンブリ20から電気信号を受信し受信電気信号に一
連の所定の画像処理を施して色画像データを生成する画像処理装置30を含む。
【0041】
撮像アッセンブリ20は光強度を電気信号に変換する複数の微細撮像要素の二次元配置
を備えた画像センサー24を有する。画像センサー24の前にカラーフィルターアレイ2
2が備えられ、R(赤)、G(緑)、およびB(青)の微細カラーフィルターのモザイク
配置を有する。カラーフィルターアレイ22を構成する色成分R,G,Bのカラーフィル
ターの配置は詳細に後述される。Rカラーフィルター、Gカラーフィルター、およびBカ
ラーフィルターは各々R色光の透過、G色光の透過、およびB色光の透過を可能にするよ
う構成される。画像センサー24はカラーフィルターアレイ22における色成分R,G,
Bのカラーフィルターのモザイク配置に従いR光強度に感応する画像部分、G光強度に感
応する画像部分、およびB光強度に感応する画像部分のモザイク配置を有する画像データ
を取り込む。
【0042】
デジタルカメラ100に搭載される画像処理装置30はモザイク配置の画像データを撮
像アッセンブリ20から受信しR成分、G成分、およびB成分の設定を各々のピクセルに
有する色画像データを生成する。実施形態の画像処理装置30において、CPU、ROM
、RAM、およびデータ入出力インターフェイス(I/F)は互いのデータ伝送を可能に
するためにバスで相互接続されている。CPUはROMに記憶されるプログラムに従い一
連の処理操作を行ない色画像データを生成する。このように生成された結果の色画像デー
タは外部出力端子40経由で外付け装置に出力されることができ、または外付けの記録媒
体50に出力されることができる。
【0043】
画像センサー24により取り込まれたR成分、G成分、およびB成分のモザイク配置を
有する画像データはソースデータとして使用され、R成分、G成分、およびB成分の設定
を各々のピクセルに有する色画像データを生成するために画像処理装置30により参照さ
れる。画像センサー24により取り込まれたモザイク配置の画像データは従って以後「生
の画像データ」と呼ぶことができる。
【0044】
図2はカラーフィルターアレイ22および画像センサー24の構造を示す概念図である
。上述のように、画像センサー24は光強度に対応する電気信号を出力する微細な撮像要
素の二次元配置を有する。図2に示される例において、微細な撮像要素は格子パターンに
配置される。画像センサー24の格子パターンにおける小さな長方形各々は1個の撮像要
素を表す。
【0045】
カラーフィルターアレイ22は画像センサー24を構成する複数の撮像要素各々の位置
に対応するR色成分、G色成分、およびB色成分の1つを有する。図2において、まばら
な斜線の長方形、密な斜線の長方形、および斜線のない無地の長方形は各々Rからフィル
ター、Bカラーフィルター、およびGカラーフィルターを示す。Rカラーフィルター、G
カラーフィルター、およびBカラーフィルターの配置において、Gカラーフィルターが最
初に互いに斜めになり市松模様のパターンを形成するよう位置付けされる。つまりGカラ
ーフィルターはカラーフィルターアレイ22の面積の半分を占める。次に同じ数のRカラ
ーフィルターとBカラーフィルターがカラーフィルターアレイ22の面積の残る半分に均
等に配置される。もたらされた図2に示されるこの配置のカラーフィルターアレイ22は
ベイヤーカラーフィルターアレイと呼ばれる。
【0046】
上述のように、Gカラーフィルター、Rカラーフィルター、およびBカラーフィルター
は各々G色光のみの透過、R色光のみの透過、およびB色光のみの透過を可能にするよう
設計されている。従って画像センサー24は図2に示されるように画像センサー24の前
に位置するカラーフィルターアレイ22の機能によりモザイク配置の画像データを取り込
む。モザイク配置の画像データは通常の画像データと同じ方法処理することはできず、直
接画像を表現することはできない。画像処理装置30はモザイク配置の画像データ(生の
画像データ)を受信し、各々のピクセルにR成分、G成分、およびB成分の設定を有する
通常の色画像データを生成する。
【0047】
B.エッジ検出プロセスの概要
図3は実施形態の画像処理装置30が生の画像データからエッジマップを生成し増強す
るために実行するエッジ検出プロセスを示すフローチャートである。本実施形態の構造に
おいて、画像処理装置30に含まれるCPUがコンピューター読み取り可能な媒体に記憶
されたプログラムとして具現され得るソフトウェア構成によりこのエッジマップ生成およ
び増強を実行する。しかしこれは不可欠ではなく、例えば信号プロセッサーなどの特定ハ
ードウェア要素を同じ目的に使用することができる。
【0048】
詳細に後述されるように、提案されるエッジ検出はモザイクの生の画像データから生成
される色差信号で機能する。色差は単一センサーカメラの画像処理の不可欠なステップで
あるモザイク解除に広く使用されるので、この特徴は本明細書で開示されるエッジ検出プ
ロセスがモザイク解除と比べ演算リソースの追加を最小限にして効率的に実施されること
を可能にする。このように、本明細書で開示されるエッジ検出プロセスは比較的簡単で、
高速で実行できる。さらに、色差を用いたモザイク解除は通常異なる極性の色差信号が存
在する部分において相当なエラーをもたらすので、本明細書で開示されるエッジ検出を行
なうことによりモザイク解除プロセスの処理精度が非常に向上し得る。これは本明細書で
開示されるエッジ検出プロセスを通常のエッジ検出ソリューションから区別する点である

【0049】
エッジ検出プロセスの開始において、CPUはまず画像センサー24から生の画像デー
タをソースデータとして受信し(ステップS100)、詳細に後述するように受信された
生の画像データを色差成分のデータに変換する(ステップS102)。
【0050】
図4は生の画像データを色差成分のデータに変換するプロセスを概念的に示す。図4の
上部は画像センサー24から読み取られた生の画像データの概念図を示す。カラーフィル
ターアレイ22で得られた生の画像データはR成分、G成分、およびB成分のモザイク配
置を有する。生の画像データにおいて水平方向はGピクセル(G成分を有するピクセル)
とRピクセル(R成分を有するピクセル)を交互に配置したピクセル行と、Gピクセルと
Bピクセル(B成分を有するピクセル)を交互に配置したピクセル行の2種類のみのピク
セル行がある。生の画像データにおいて垂直方向も同様にGピクセルとRピクセルを交互
に配置したピクセル行と、GピクセルとBピクセルを交互に配置したピクセル行の2種類
のみのピクセル行がある。図4の中央は生の画像データが水平方向にはGピクセルとRピ
クセルを交互にしたピクセル行およびGピクセルとBピクセルを交互にしたピクセル行の
みからなる一方、垂直方向にはGピクセルとRピクセルを交互にしたピクセル行およびG
ピクセルとBピクセルを交互にしたピクセル行のみからなることを概念的に示す。
【0051】
この観察結果に基づき、本実施形態のエッジ検出プロセスはR成分、G成分、およびB
成分の生の画像データを水平方向の色成分の差(水平方向色差成分)を表すデータおよび
垂直方向の色成分の差(垂直方向色差成分)を表すデータに変換する。例えば、生の画像
データはGピクセルとRピクセルを交互にしたピクセル行またはピクセル列に関しG成分
とR成分との色差成分のデータに変換される。同様に生の画像データはGピクセルとBピ
クセルを交互にしたピクセル行またはピクセル列に関しG成分とB成分との色差成分のデ
ータに変換される。色差成分を計算するための計算式は詳細に後述される。
【0052】
図4の下部はこのようにして得られた水平方向および垂直方向における色差成分を示す
。下部の左側の図は垂直方向の生の画像データを処理することにより得られた色差成分Δ
ν(r,s)を示す。中央に示すように、斜線のあるピクセル列の各々はGピクセルとBピク
セルを交互にしたピクセル列である。従ってこのピクセル列の各色差成分Δν(r,s)はG
成分とB成分との間の色差成分を表す。残る斜線のないピクセル列の各々はGピクセルと
Rピクセルを交互にしたピクセル列である。従ってこのピクセル列の各色差成分Δν(r,s
)はG成分とR成分との間の色差成分を表す。水平方向の生の画像データも同様に処理で
きる。斜線のあるピクセル行の各々はGピクセルとBピクセルとの間の色差成分Δh(r,s)
を与える。残る斜線のないピクセル行の各々はGピクセルとRピクセルとの間の色差成分
Δh(r,s)を与える。
【0053】
図5は生の画像データから色差成分を計算する計算式を示す。図5(a)は垂直方向の
色差成分Δν(r,s)を計算する計算式を示し、図5(b)は水平方向の色差成分Δh(r,s)
を計算する計算式を示す。これらの計算式において、「z」は画像センサー24により得
られた生の画像データの値をしめし、z(r,s)は画像に配置された元の位置から下方向に
r番目のピクセル位置と元の位置から右方向にs番目のピクセル位置で定義される特定位
置における値を示す(図4の上部を参照)。
【0054】
図5(a)を参照すると、垂直方向の色差成分Δν(r,s)を計算する計算式に関する。
色差成分Δν(r,s)の計算対象として目標ピクセルがG成分を有するピクセル(Gピクセ
ル)である場合、図5(a)の上の方の計算式が採用される。プロセスはまず目標ピクセ
ルの上および下のピクセル値の平均を計算し(すなわち点を含む鎖線で囲まれた第2項)
、計算された平均を目標ピクセルのG成分(すなわち破線で囲まれた第1項)から引いて
目標ピクセルの垂直方向の色差成分Δν(r,s)を計算する。色差成分Δν(r,s)の計算にお
ける目標ピクセルはGピクセルであるので、目標ピクセルの色調値z(r,s)は当然G成分
である。第2項における要素z(r-1,s)は目標ピクセルの上にある上側ピクセルにおける
生の画像データの色調値を示す一方、第2項における要素z(r-1,s)は目標ピクセルの下
にある下側ピクセルにおける生の画像データの色調値を示す。図4に関し上述のように、
目標のGピクセルの上と下にある上側および下側ピクセルはRピクセルまたはBピクセル
であり得るが、常に同一色成分のピクセルである。図5(a)の上側の計算式において点
を含む鎖線で囲まれた第2項は従って上側および下側ピクセル(すなわちRピクセルまた
はBピクセルのいずれか)の値から計算されたR成分またはB成分を表す。図5(a)の
上側の計算式を適用することはRピクセルまたはBピクセルとしての上側および下側ピク
セルに拘らずG成分を有するピクセル(Gピクセル)に関し垂直方向の色差成分Δν(r,s
)を決定する。
【0055】
上側および下側ピクセルとしてのRピクセルおよびBピクセルに同一の計算式を適用す
ると2つの異なる色差成分Δν(r,s)が与えられることが特記される。上側および下側ピ
クセルがRピクセルの場合、もたらされる垂直方向の色差成分Δν(r,s)はG成分とR成
分との色差成分を表す。逆に上側および下側ピクセルがBピクセルの場合、もたらされる
垂直方向の色差成分Δν(r,s)はG成分とB成分との色差成分を表す。垂直方向における
色差成分Δν(r,s)はGピクセル以外のピクセル(すなわちRピクセルおよびBピクセル
)に関して同様に計算できる。例えば、色差成分Δν(r,s)の計算対象としての目標ピク
セルがRピクセルである場合、目標ピクセルの上と下にあるピクセルは図4に関し上述の
ようにGピクセルである。上側および下側ピクセルの値の平均は目標ピクセルにおけるG
成分を色差成分Δν(r,s)の計算の対象として指定すると考えられる。指定されたG成分
から目標ピクセルの色調値(この場合はR成分)を引くと色差成分Δν(r,s)が決定され
る。目標ピクセルとして各Bピクセルのセットに同じ一連の処理が施される。図5(a)
の下側の計算式に示されるように、Gピクセル以外のピクセルに関しては、右側の点を含
む鎖線で囲まれた第2項(非G成分のピクセル)を破線で囲まれた第1項(推定G成分の
ピクセル)から引くと垂直方向における色差成分Δν(r,s)が与えられる。
【0056】
Gピクセルではなく、目標ピクセルとして設定されたRピクセルおよびBピクセル双方
に関して同一の計算式が垂直方向における色差成分Δν(r,s)の計算に適用できる。しか
し目標ピクセルとして処理されるRピクセルおよびBピクセルは2つの異なる種類の色差
成分Δν(r,s)をもたらすことが特記される。目標ピクセルがRピクセルの場合、もたら
される色差成分Δν(r,s)はG成分とR成分との色差成分を表す。目標ピクセルがBピク
セルの場合、もたらされる色差成分Δν(r,s)はG成分とB成分との色差成分を表す。
【0057】
実施形態のエッジ検出プロセスは2つの異なる種類の色差成分Δν(r,s)に対する高度
処理について全く同一の計算式を適用する。同一計算式の適用は2つの異なる種類の色差
成分Δν(r,s)に対する高度処理について従来の単純な処理に匹敵する簡単さと高速を望
ましく達成する。しかし従来の単純な処理とは異なり、実施形態のこの高度処理は擬似色
を防ぎながら充分なモザイク解除を可能にする。
【0058】
水平方向における色差成分Δh(r,s)は上述の垂直方向における色差成分Δν(r,s)と同
じように計算できる。図5(b)を参照して色差成分Δh(r,s)の計算を簡単に説明する。
図5(b)の上側の計算式で示されるように、右側の点を含む鎖線で囲まれた第2項を破
線に囲まれた第1項から引くと水平方向におけるGピクセルの色差成分Δh(r,s)が与えら
れる。計算式において、要素z(r,s)は色差成分計算の対象である目標ピクセルにおける
生の画像データの色調値(すなわちG成分)を表す。要素z(r,s-1)は目標ピクセルの左
側にあるピクセルにおける生の画像データの色調値を示す一方、要素z(r,s+1)は目標ピ
クセルの右側にあるピクセルにおける生の画像データの色調値を示す。目標Gピクセルの
左側および右側にあるこれらのピクセルはRピクセルまたはBピクセルであり得るが、常
に同一の色成分のピクセルである。
【0059】
Gピクセル以外の目標ピクセルに関し(すなわちR目標ピクセルまたはB目標ピクセル
のいずれかに関し)水平方向の色差成分Δh(r,s)の計算において、RまたはB目標ピクセ
ルの左側および右側にあるピクセルはGピクセルである。図5(b)の下側の計算式に示
されるように、点を含む鎖線で囲まれた第2項(目標ピクセルの色調値)を破線で囲まれ
た第1項(左側および右側ピクセルの値の平均)から引くと水平方向の色差成分Δh(r,s)
が与えられる。
【0060】
左側および右側にRピクセルまたはBピクセルを有する目標Gピクセルに関し、またG
ピクセル以外のRピクセルおよびBピクセル双方が目標ピクセルとして設定された場合に
関し、水平方向の色差成分Δh(r,s)の計算に同一計算式が適用できる。しかし計算は2つ
の異なる種類の色差成分Δh(r,s)、すなわちG成分とR成分との間の色差成分およびG成
分とB成分との間の色差成分、を与える。全く同一の計算式の適用は2つの異なる種類の
色差成分Δh(r,s)に対する高度処理について従来の単純な処理に匹敵する簡単さと高速を
望ましく達成する。
【0061】
図5(a)と図5(b)との比較からはっきりと理解されるように、垂直方向の色差成
分Δν(r,s)の計算に使用される計算式は水平方向の色差成分Δh(r,s)の計算に使用され
る計算式に極めて類似している。つまり、処理の流れは2つの異なる方向における色差成
分Δν(r,s)およびΔh(r,s)双方の計算に対し標準化することができる。これは処理全体
の簡単さと高速をさらに向上させる。
【0062】
図3のフローチャートのステップS102において、画像センサー24により取り込ま
れた生の画像データは垂直方向の色差成分Δν(r,s)および水平方向の色差成分Δh(r,s)
に変換される。
【0063】
図3のフローチャートに戻ると、上述のように垂直方向の色差成分Δν(r,s)および水
平方向の色差成分Δh(r,s)の計算後、実施形態のエッジ検出プロセスは色差成分のこれら
のデータでエッジマップを作成する(エッジマップ作成プロセス)(ステップS104)
。エッジマップは画像において検出された各エッジを示し、値c(r,s)=1は(r,s)
ピクセル位置にエッジが存在することを示し、値c(r,s)=0は(r,s)ピクセル位置
にエッジが存在しないことを示す。モザイク解除またはサイズ変更、雑音除去、または鮮
明化など生のデータに対する他の画像処理の目的で、エッジマップは必ずしもすべてのピ
クセルについて設定されないかもしれないが、少なくとも非Gピクセル(すなわちRピク
セルおよびBピクセル)またはGピクセルについて設定される必要がある。実施形態のエ
ッジ検出プロセスは後述のように垂直方向の色差成分Δν(r,s)および水平方向の色差成
分Δh(r,s)に基づきエッジを検出する。これにより正確で比較的高速のエッジ検出が保証
される。エッジマップ作成プロセスは以下に説明される。
【0064】
エッジ配向マップの作成後、CPUは次にエッジマップを増強する(エッジマップ増強
プロセス)(ステップS106)。CPUは次にエッジマップを反復的に増強する(反復
的エッジマップ増強プロセス)(ステップS108)。随意的なエッジマップ増強プロセ
スおよび随意的な反復的エッジマップ増強プロセスは以下に説明される。
【0065】
エッジマップ作成プロセス(ステップS104)ならびに随意的にエッジマップ増強プ
ロセスおよび反復的エッジマップ増強プロセス(ステップS106およびステップS10
8)の完了後、CPUは次にエッジマップを出力し(ステップS110)図3のエッジ検
出プロセスを終了する。
【0066】
上述のように、本実施形態のエッジ検出プロセスは垂直方向の色差成分Δν(r,s)およ
び水平方向の色差成分Δh(r,s)に基づきエッジを検出し、エッジマップを作成する。より
具体的に、エッジは垂直方向の色差成分Δν(r,s)および水平方向の色差成分Δh(r,s)
おける2つの異なる種類(G成分とR成分との間の色差成分およびG成分とB成分との間
の色差成分)により検出される。色差は単一センサーカメラの画像処理の不可欠なステッ
プであるモザイク解除に広く使用されるので、この特徴はエッジマップの作成がモザイク
解除と比べ演算リソースの追加を最小限にして効率的に実施されることを可能にする。こ
のように、エッジマップ作成プロセスは比較的簡単で、高速で実行できる。加えて、色差
を用いたモザイク解除は通常異なる極性の色差信号が存在する部分において相当なエラー
をもたらすので、本明細書で説明されるエッジ検出を行なうことによりモザイク解除プロ
セスの処理精度が非常に向上し得る。これは説明された方法を通常のエッジ検出ソリュー
ションから区別する点である。以下の説明はエッジマップ作成プロセス、エッジマップ増
強プロセス、および反復的エッジマップ増強プロセスの詳細を順に見る。
【0067】
C.エッジマップ作成プロセス
図6は実施形態の画像処理装置30により図3の色画像データ生成プロセスのステップ
S104で実行されるエッジマップ作成プロセスの詳細を示すフローチャートである。
【0068】
Δν(r,s)およびΔh(r,s)は正および負双方の値を有し得ることが明らかであろう。広
範囲にわたる実験により色差成分Δν(r,s)およびΔh(r,s)の双方の極性は通常エッジ領
域で変化することが示されている。従って、色差成分Δν(r,s)およびΔh(r,s)について
さまざまな距離を計算しこれらの距離を閾値と比較する代わりに、エッジマップ作成プロ
セスは色差成分Δν(r,s)およびΔh(r,s)の極性の不整合を局限することによりエッジを
検出する。
【0069】
エッジマップ作成プロセスはまずエッジ検出の対象として1つの目標ピクセルを選択す
る(ステップS200)。1つの目標ピクセルを選択後、エッジマップ作成プロセスは次
に目標ピクセルの垂直色差成分が目標ピクセルの上にあるピクセルの垂直色差成分と異な
る記号を有するか判定する(ステップS202)。目標ピクセルの垂直色差成分が目標ピ
クセルの上にあるピクセルの垂直色差成分と異なる記号を有する場合(ステップS202
:はい)、エッジが目標ピクセルを通ると判定される。目標ピクセルのエッジ特性を表す
値が次に「1」に等しく設定される(ステップS204)。
【0070】
目標ピクセルの垂直色差成分が目標ピクセルの上にあるピクセルの垂直色差成分と異な
る記号を有しない場合(ステップS202:いいえ)、エッジマップ作成プロセスは次に
目標ピクセルの垂直色差成分が目標ピクセルの下にあるピクセルの垂直色差成分と異なる
記号を有するか判定する(ステップS206)。目標ピクセルの垂直色差成分が目標ピク
セルの下にあるピクセルの垂直色差成分と異なる記号を有する場合(ステップS206:
はい)、エッジが目標ピクセルを通ると判定され、目標ピクセルのエッジ特性を表す値が
次に「1」に等しく設定される(ステップS204)。
【0071】
目標ピクセルの垂直色差成分が目標ピクセルの下にあるピクセルの垂直色差成分と異な
る記号を有しない場合(ステップS206:いいえ)、エッジマップ作成プロセスは次に
目標ピクセルの水平色差成分が目標ピクセルの左側にあるピクセルの水平色差成分と異な
る記号を有するか判定する(ステップS208)。目標ピクセルの水平色差成分が目標ピ
クセルの左側にあるピクセルの水平色差成分と異なる記号を有する場合(ステップS20
8:はい)、エッジが目標ピクセルを通ると判定され、目標ピクセルのエッジ特性を表す
値が次に「1」に等しく設定される(ステップS204)。
【0072】
目標ピクセルの水平色差成分が目標ピクセルの左側にあるピクセルの水平色差成分と異
なる記号を有しない場合(ステップS208:いいえ)、エッジマップ作成プロセスは次
に目標ピクセルの水平色差成分が目標ピクセルの右側にあるピクセルの水平色差成分と異
なる記号を有するか判定する(ステップS210)。目標ピクセルの水平色差成分が目標
ピクセルの右側にあるピクセルの水平色差成分と異なる記号を有する場合(ステップS2
10:はい)、エッジが目標ピクセルを通ると判定され、目標ピクセルのエッジ特性を表
す値が次に「1」に等しく設定される(ステップS204)。
【0073】
目標ピクセルの水平色差成分が目標ピクセルの右側にあるピクセルの水平色差成分と異
なる記号を有しない場合(ステップS210:いいえ)、エッジが目標ピクセルを通らな
いと判定され、目標ピクセルのエッジ特性を表す値が次に「0」に等しく設定される(ス
テップS212)。
【0074】
目標ピクセルのエッジ特性を表す値がステップS204において「1」またはステップ
S212において「0」のいずれかに等しく設定された後、CPUはすべてのピクセルに
ついてエッジが検出されたか判定する(ステップS214)。未処理のピクセルがある場
合(ステップS214:いいえ)、エッジマップ作成プロセスはステップS200に戻り
未処理のピクセルの中から別の目標ピクセルを選択し、続く一連の処理を実行する。すべ
てのピクセルについてエッジ配向の検出が完了すると(ステップS214:はい)、図6
のエッジマップ作成プロセスは終了する。
【0075】
図7は色差成分のデータからエッジマップを作成することを示す。特に、図7(a)は
計算式を示し、図7(b)は図7(a)の計算式に従いエッジマップを作成することを概
念的に示す。図7(b)における斜線の長方形は目標ピクセルz(r,s)の位置を表す。エ
ッジマップ作成プロセスはまず目標ピクセルz(r,s)の垂直色差成分Δν(r,s)の記号を目
標ピクセルの上および下にあるピクセルz(r-1,s)およびz(r+1,s)の垂直色差成分Δν(r
,s)およびΔν(r+1,s)の記号と比較する。同様に計算プロセスは目標ピクセルz(r,s)
水平色差成分Δh(r,s)の記号を目標ピクセルの左側および右側にあるピクセルz(r,s-1)
およびz(r,s+1)の水平色差成分Δh(r,s-1)およびΔh(r,s+1)の記号と比較する。表示記
号(Δ)は入力Δの記号または極性を示す。項c(r,s)は生の画像と同じ空間解像度(寸
法)のバイナリーエッジマップcにおける値で、値c(r,s)=1は(r,s)ピクセル位
置においてエッジが存在することを示し、値c(r,s)=0は(r,s)ピクセル位置にお
いてエッジが存在しないことを示す。
【0076】
D.エッジマップ増強プロセス
図8は実施形態の画像処理装置30により図3におけるエッジ検出プロセスのステップ
S106で実行されるエッジマップ増強プロセスの詳細を示すフローチャートである。
【0077】
エッジマップ増強プロセスはまず増強の対象としてエッジマップの1つの目標バイナリ
ー値を選択する(ステップS300)。1つの目標バイナリー値の選択後、エッジマップ
増強プロセスは次に目標値が0、1に等しいかまたは不確定であるか判定する(ステップ
S302)。
【0078】
目標バイナリー値が0に等しい場合(ステップS302:0)、次に目標バイナリー値
の各角における4つのバイナリー値(すなわちc(r-1,s-1)、c(r-1,s+1)、c(r+1,s-1)
、およびc(r+1,s+1))の合計が2を超えるか判定される(ステップS304)。目標バ
イナリー値の各角における4つのバイナリー値が2を超える場合(ステップS304:は
い)、目標バイナリー値は1に設定される(ステップS306)。
【0079】
目標バイナリー値の各角における4つのバイナリー値が2を超えない場合(ステップS
304:いいえ)、次に目標バイナリー値の上、下、左側、および右側にあるピクセルに
おける4つのバイナリー値の合計が2を超えるか判定される(ステップS308)。これ
らの4ピクセルにおけるバイナリー値の合計が2を超える場合(ステップS308:はい
)、目標バイナリー値は1に設定される(ステップS306)。そうでない場合(ステッ
プS308:いいえ)、目標バイナリー値はそのままにされる(ステップS310)。こ
のようなエッジマップの増強の性能を向上させるために、本実施形態で使用される4つの
水平および垂直に位置するピクセルはc(r-4,s)、c(r,s-4)、c(r,s+4)、およびc(r+4,
s)であることができるが、他の水平および垂直に位置するピクセルも代わりに使用するこ
とができる。
【0080】
目標バイナリー値が1に等しい場合(ステップS302:1)、次に目標バイナリー値
の各角にある4つのバイナリー値の合計が0に等しいか判定される(ステップS312)
。これら4つのバイナリー値の合計が0に等しい場合(ステップS312:はい)、目標
バイナリー値は0に設定される(ステップS314)。目標バイナリー値の各角にある4
つのバイナリー値の合計が0に等しくない場合(ステップS312:いいえ)、目標バイ
ナリー値はそのままにされる(ステップS310)。
【0081】
目標バイナリー値が未確定の場合(ステップS302:未確定)、目標バイナリー値は
そのままにされる(ステップS310)。
【0082】
目標値のエッジ特性を表す値がステップS306で1に等しく設定され、ステップS3
14で0に等しく設定され、またはS310でそのままにされた後、CPUはマップのす
べてのピクセル位置に関し増強されたか判定する(ステップS316)。未処理の値が存
在する場合(ステップS316:いいえ)、エッジマップ増強プロセスはステップS30
0に戻り未処理の値の中から別の目標値を選択し、続く一連の処理を実行する。すべての
値に監視エッジマップの増強が完了すると(ステップS316:はい)、図8のエッジマ
ップ増強プロセスは終了する。
【0083】
図9はエッジマップの増強を示す。特に図9(a)は計算式を示し図9(b)は図9(
a)の計算式に従いエッジマップを増強することを概念的に示す。
【0084】
図9(a)において、(c(r-1,s-1)+c(r-1,s+1)+c(r+1,s-1)+c(r+1,s+1))>2
または(c(r-4,s)、c(r,s-4)、c(r,s+4)、およびc(r+4,s))>2でc(r,s)=0はバ
イナリーの中央値の演算を示す一方、(c(r-1,s-1)+c(r-1,s+1)+c(r+1,s-1)+c(r+
1,s+1))=0でc(r,s)=1は最小フィルターのような形態的演算をなす。これら2つの
フィルタリングモード間で切り替えると、手順により有意な構造内容を意味しない孤立し
たエッジピクセルが除去され真のエッジ位置に新しいエッジピクセルが加えられるのでエ
ッジマップを増強する。のこりのすべての場合、c(r,s)値はそのままにされ、増強が不
必要であることを意味する。
【0085】
図9(b)における斜線の長方形は目標バイナリー値c(r,s)の位置を表す。エッジマ
ップ増強プロセスはまず目標バイナリー値c(r,s)が0もしくは1に等しいか、または未
確定であるか判定する。目標バイナリー値c(r,s)が0に等しい場合、次に目標バイナリ
ー値c(r,s)の各角にあるバイナリー値(すなわちc(r-1,s-1)、c(r-1,s+1)、c(r+1,s-
1)、およびc(r+1,s+1))の合計が2を超えるか、および/または目標バイナリー値c(r,
s)の上、下、左側、および右側にあるピクセルの4つのバイナリー値(すなわちc(r-4,s
)、c(r,s-4)、c(r,s+4)、およびc(r+4,s))の合計が2を超えるか判定される。これら
の条件のいずれか/双方が真である場合、エッジが目標ピクセルz(r,s)を通ると判定さ
れ、目標バイナリー値c(r,s)は0から1に変更される。図9(b)における縦縞の長方
形は目標バイナリー値c(r,s)の各角にあるバイナリー値(すなわちc(r-1,s-1)、c(r-1
,s+1)、c(r+1,s-1)、およびc(r+1,s+1))の位置を表し、図9(b)における横縞の長
方形は目標バイナリー値c(r,s)の上、下、左側、および右側にあるピクセルの4つのバ
イナリー値(すなわちc(r-4,s)、c(r,s-4)、c(r,s+4)、およびc(r+4,s))の位置を表
す。
【0086】
目標バイナリー値c(r,s)が1に等しい場合、次に目標バイナリー値c(r,s)の各角にあ
るバイナリー値(すなわちc(r-1,s-1)、c(r-1,s+1)、c(r+1,s-1)、およびc(r+1,s+1)
)の合計が0に等しいか判定される。この条件が真の場合、エッジが目標ピクセルz(r,s
)を通らないの判定され、目標バイナリー値c(r,s)は1から0に変更される。目標バイナ
リー値が未確定の場合、目標バイナリー値c(r,s)はそのままにされ、増強が不必要であ
ることを意味する。
【0087】
E.反復的エッジマップ増強プロセス
図10は実施形態の画像処理装置30により図3におけるエッジ検出プロセスのステッ
プS108で実行される反復的エッジマップ増強プロセスの詳細を示すフローチャートで
ある。
【0088】
反復的エッジマップ増強プロセスはまず増強の対象としてエッジマップの1つの目標バ
イナリー値を選択する(ステップS400)。1つの目標バイナリー値の選択後、反復的
エッジマップ増強プロセスは次に目標値が0に等しいか判定する(ステップS402)。
【0089】
目標バイナリー値が0に等しい場合(ステップS402:はい)、次に目標バイナリー
値の各角における4つのバイナリー値(すなわちc(r-1,s-1)、c(r-1,s+1)、c(r+1,s-1
)、およびc(r+1,s+1))の合計が2を超えるか判定される(ステップS404)。目標バ
イナリー値の各角における4つのバイナリー値が2を超える場合(ステップS404:は
い)、目標バイナリー値は1に設定される(ステップS406)。
【0090】
目標バイナリー値の各角における4つのバイナリー値が2を超えない場合(ステップS
404:いいえ)、次に目標バイナリー値の上、下、左側、および右側にあるピクセルに
おける4つのバイナリー値(すなわち本実施形態においてc(r-4,s)、c(r,s-4)、c(r,s
+4)、およびc(r+4,s))の合計が2を超えるか判定される(ステップS408)。これら
4つのバイナリー値の合計が2を超える場合(ステップS408:はい)、目標バイナリ
ー値は1に設定される(ステップS406)。これら4つのバイナリー値の合計が2を超
えない場合(ステップS408:いいえ)、目標バイナリー値はそのままにされる(ステ
ップS410)。
【0091】
目標バイナリー値が0に等しくない場合(ステップS402:いいえ)、目標バイナリ
ー値はそのままにされ、増強が不必要であることを意味する(ステップS410)。
【0092】
目標値のエッジ特性を表す値がステップS408で1に等しく設定されるか、またはS
410でそのままにされた後、CPUはすべての値に関し増強されたか判定する(ステッ
プS412)。未処理の値が存在する場合(ステップS412:いいえ)、反復的エッジ
マップ増強プロセスはステップS400に戻り未処理の値の中から別の目標値を選択し、
続く一連の処理を実行する。
【0093】
すべての値に関しエッジマップの増強が完了すると(ステップS412:はい)、反復
的エッジマップ増強プロセスは次に反復的エッジマップ増強プロセスが所定数の反復を完
了したか判定する(ステップS414)。反復的エッジマップ増強プロセスが所定数の反
復を完了していない場合(ステップS414:いいえ)、反復的エッジマップ増強プロセ
スはステップS400に戻り先頭の目標値を選択し、続く一連の処理を実行する。反復的
エッジマップ増強プロセスの所定数の反復各々を完了すると(ステップS414:はい)
、図10の反復的エッジマップ増強プロセスは終了する。
【0094】
図11はエッジマップを反復的に増強することを示す。特に図11(a)は計算式を示
し、図11(b)は図11(a)の計算式に従いエッジマップを反復的に増強することを
概念的に示す。図11(b)における斜線の長方形は目標バイナリー値c(r,s)の位置を
表す。反復的エッジマップ増強プロセスはまず目標バイナリー値c(r,s)が0に等しいか
判定する。目標バイナリー値c(r,s)が0に等しい場合、次に目標バイナリー値c(r,s)
各角にあるバイナリー値(すなわちc(r-1,s-1)、c(r-1,s+1)、c(r+1,s-1)、およびc(
r+1,s+1))の合計が2を超えるか、および/または目標バイナリー値c(r,s)の上、下、
左側、および右側にあるピクセルの4つのバイナリー値(すなわち本実施形態においてc
(r-4,s)、c(r,s-4)、c(r,s+4)、およびc(r+4,s))の合計が2を超えるか判定される。
これらの条件のいずれか/双方が真である場合、エッジが目標ピクセルz(r,s)を通ると
判定され、目標バイナリー値c(r,s)は0から1に変更される。図11(b)における縦
縞の長方形は目標バイナリー値c(r,s)の各角にあるバイナリー値(すなわちc(r-1,s-1)
、c(r-1,s+1)、c(r+1,s-1)、およびc(r+1,s+1))の位置を表し、図11(b)におけ
る横縞の長方形は目標バイナリー値c(r,s)の上、下、左側、および右側にあるピクセル
の4つのバイナリー値(すなわち本実施形態の例においてc(r-4,s)、c(r,s-4)、c(r,s
+4)、およびc(r+4,s))の位置を表す。
【0095】
目標バイナリー値c(r,s)が0に等しくない場合(目標バイナリー値c(r,s)が1に等し
いか、または未確定の場合)、目標バイナリー値c(r,s)はそのままにされ、増強が不必
要であることを意味する。
【0096】
本明細書で開示される実施形態の例は他の具体的な形で具現され得る。本明細書で開示
される実施形態の例はすべての点で単に例示的とみなされ限定的とはみなされない。
【符号の説明】
【0097】
10…光学系、20…撮像アッセンブリ、22…カラーフィルターアレイ、24…画像
センサー、30…画像処理装置、100…デジタルカメラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ピクセルにおいて光の3原色に対応するR成分、G成分およびB成分の3つの色成分
の内1つの色成分のみの設定を有するモザイク画像データを受信し、前記受信されたモザ
イク画像データに一連の画像処理を施し、前記モザイク画像データにおいてエッジが通る
ピクセルを特定するエッジマップを生成する画像処理装置であって、
前記モザイク画像データは、前記G成分のピクセルおよび別の色成分として前記R成分
のピクセルが垂直方向に交互配置のピクセル列と、前記G成分のピクセルおよび別の色成
分として前記B成分のピクセルが前記垂直方向に交互配置のピクセル列と、前記G成分の
ピクセルおよび別の色成分として前記R成分のピクセルが水平方向に交互配置のピクセル
行と、前記G成分のピクセルおよび別の色成分として前記B成分のピクセルが前記水平方
向に交互配置のピクセル行と、の組み合わせで表され、
前記画像処理装置は、
垂直の周辺の利用可能な成分を用いて別の色成分のピクセル位置における前記G成分を
取得し、または前記G成分のピクセル位置における別の色成分を取得して、前記モザイク
画像のピクセル列の各々に含まれる各ピクセルにおいて前記G成分および別の色成分間で
垂直方向色差成分を演算するよう構成される垂直方向色差成分演算モジュールと、
水平の周辺の利用可能な色成分を用いて別の色成分のピクセル位置における前記G成分
を取得し、または前記G成分のピクセル位置における別の色成分を取得して、前記モザイ
ク画像のピクセル行の各々に含まれる各ピクセルにおいて前記G成分および別の色成分間
で水平方向色差成分を演算するよう構成される水平方向色差成分演算モジュールと、
前記モザイク画像からピクセルを選択し、そのようなピクセル位置各々において目標ピ
クセルの前記垂直方向色差成分の記号を前記目標ピクセルの上と下にあるピクセルの前記
垂直方向色差成分の記号と比較するとともに、前記目標ピクセルの水平方向色差成分の記
号を前記目標ピクセルの左と右にあるピクセルの前記水平方向色差成分の記号と比較し、
1つ以上の比較における前記記号が等しくない場合前記エッジマップの対応するエッジマ
ップ値を1に設定し、すべての比較における前記記号が等しい場合は前記エッジマップの
対応するエッジマップ値を0に設定するよう構成されるエッジ検出モジュールとを有する
画像処理装置。
【請求項2】
さらにモザイク解除、サイズ変更、雑音除去、または鮮明化操作の1つで前記エッジマ
ップを用いるよう構成される請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記エッジ検出モジュールは、前記モザイク画像データに含まれる前記R成分のピクセ
ルおよび前記B成分のピクセルのみ、または前記G成分のピクセルのみを選択するよう構
成される請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記エッジマップの値を選択し、かかる目標値の位置各々において前記目標値が1に等
しいか判定し、前記目標値が1に等しい場合前記目標値の各角における値を合計し、前記
合計が0に等しいか判定し、前記合計が0に等しい場合前記目標値を0に変更するよう構
成されるエッジマップ増強モジュールをさらに有する請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記エッジマップの値を選択し、かかる目標値の位置各々において前記目標値が0に等
しいか判定し、前記目標値が0に等しい場合前記目標値の各角における値を合計し、前記
合計が2を超えるか判定し、前記合計が2を超える場合前記目標値を1に変更するよう構
成されるエッジマップ増強モジュールをさらに有する請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記エッジマップ増強モジュールはさらに、前記エッジマップの値を選択し、かかる目
標値の位置各々において前記目標値が0に等しいか判定し、前記目標値が0に等しい場合
前記目標値の上、下、左側、および右側にあるピクセルの4つの値を合計し、前記合計が
2を超えるか判定し、前記合計が2を超える場合前記目標値を1に変更するよう構成され
る請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
さらに反復的エッジマップ増強プロセスを実施するよう構成される反復的エッジマップ
増強モジュールを有し、前記反復的エッジマップ増強モジュールは、
a)前記エッジマップの値を選択し、かかる目標値の位置各々において前記目標値が0
に等しいか判定するステップと、
b)前記目標値が0に等しい場合前記目標値の各角における値を合計し、前記合計が2
を超えるか判定し、前記合計が2を超える場合前記目標値を1に変更するステップと、
c)前記目標値が0に等しい場合前記目標値の上、下、左側、および右側にあるピクセ
ルの4つの値を合計し、前記合計が2を超えるか判定し、前記合計が2を超える場合前記
目標値を1に変更するステップと、
d)前記ステップa)、前記ステップb)および前記ステップc)を少なくとも1回繰
り返すステップと、を有する請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
各ピクセルにおいて光の3原色に対応するR成分、G成分およびB成分の3つの色成分
の内1つの色成分のみの設定を有するモザイク画像データを受信し、前記受信されたモザ
イク画像データに一連の画像処理を施し、前記モザイク画像データにおいてエッジが通る
ピクセルを特定するエッジマップを生成する画像処理方法であって、
前記G成分のピクセルおよび別の色成分として前記R成分のピクセルが垂直方向に交互
配置のピクセル列と、前記G成分のピクセルおよび別の色成分として前記B成分のピクセ
ルが前記垂直方向に交互配置のピクセル列と、前記G成分のピクセルおよび別の色成分と
して前記R成分のピクセルが水平方向に交互配置のピクセル行と、前記G成分のピクセル
および別の色成分として前記B成分のピクセルが前記水平方向に交互配置のピクセル行と
、の組み合わせで表される画像データをモザイク画像データとして受信するステップと、
前記モザイク画像データの各ピクセル列に含まれる各ピクセルにおける前記G成分およ
び別の色成分を取得し、前記垂直方向における各ピクセル列に含まれる各ピクセルにおけ
る前記G成分と前記別の色成分との間の垂直方向色差成分を演算するステップと、
前記モザイク画像データの各ピクセル行に含まれる各ピクセルにおける前記G成分およ
び前記別の色成分を取得し、前記水平方向における各ピクセル行に含まれる各ピクセルに
おける前記G成分と前記別の色成分との間の水平方向色差成分を演算するステップと、
前記モザイク画像からピクセルを選択し、そのようなピクセル位置各々において目標ピ
クセルの前記垂直方向色差成分の記号を前記目標ピクセルの上と下にあるピクセルの前記
垂直方向色差成分の記号と比較し、前記目標ピクセルの前記水平方向色差成分の記号を目
標ピクセルの左と右にあるピクセルの前記水平方向色差成分の記号と比較し、1つ以上の
比較における前記記号が等しくない場合前記エッジマップの対応するエッジマップ値を1
に設定し、すべての比較における前記記号が等しい場合は前記エッジマップの対応する前
記エッジマップ値を0に設定するステップとを有する画像処理方法。
【請求項9】
モザイク解除、サイズ変更、雑音除去、または鮮明化操作の1つで前記エッジマップを
用いるステップをさらに有する請求項8に記載される画像処理方法。
【請求項10】
前記モザイク画像データからピクセルを選択するステップは、前記モザイク画像データ
に含まれる前記R成分のピクセルおよび前記B成分のピクセルのみ、または前記G成分の
ピクセルのみを選択するステップを有する請求項8に記載の画像処理方法。
【請求項11】
前記エッジマップの値を選択し、かかる目標値の位置各々において前記目標値が1に等
しいか判定し、前記目標値が1に等しい場合前記目標値の各角における値を合計し、前記
合計が0に等しいか判定し、前記合計が0に等しい場合目標値を0に変更するステップを
さらに有する請求項10に記載の画像処理方法。
【請求項12】
前記エッジマップの値を選択し、かかる目標値の位置各々において前記目標値が0に等
しいか判定し、前記目標値が0に等しい場合前記目標値の各角における値を合計し、前記
合計が2を超えるか判定し、前記合計が2を超える場合目標値を1に変更するステップを
さらに有する請求項10に記載の画像処理方法。
【請求項13】
前記エッジマップの値を選択し、かかる目標値の位置各々において前記目標値が0に等
しいか判定し、前記目標値が0に等しい場合前記目標値の上、下、左側、および右側にあ
るピクセルの4つの値を合計し、前記合計が2を超えるか判定し、前記合計が2を超える
場合前記目標値を1に変更するステップをさらに有する請求項12に記載の画像処理方法

【請求項14】
a)前記エッジマップの値を選択し、かかる目標値の位置各々において前記目標値が0
に等しいか判定するステップと、
b)前記目標値が0に等しい場合前記目標値の各角における値を合計し、前記合計が2
を超えるか判定し、前記合計が2を超える場合前記目標値を1に変更するステップと、
c)前記目標値が0に等しい場合前記目標値の上、下、左側、および右側にあるピクセ
ルの4つの値を合計し、前記合計が2を超えるか判定し、前記合計が2を超える場合前記
目標値を1に変更するステップと、
d)前記ステップa)、前記ステップb)および前記ステップc)を少なくとも1回繰
り返すステップとをさらに有する請求項13に記載の画像処理方法。
【請求項15】
各ピクセルにおいて光の3原色に対応するR成分、G成分およびB成分の3つの色成分
の内1つの色成分のみの設定を有するモザイク画像データを受信し、前記受信されたモザ
イク画像データに一連の画像処理を施し、前記モザイク画像データにおいてエッジが通る
ピクセルを特定するエッジマップを生成する方法をコンピューターに実現させるプログラ
ムを有するコンピューター読み取り可能な媒体であって、
前記プログラムは、
前記G成分のピクセルおよび別の色成分として前記R成分のピクセルが垂直方向に交互
配置のピクセル列と、前記G成分のピクセルおよび別の色成分として前記B成分のピクセ
ルが前記垂直方向に交互配置のピクセル列と、前記G成分のピクセルおよび別の色成分と
して前記R成分のピクセルが水平方向に交互配置のピクセル行と、前記G成分のピクセル
および別の色成分として前記B成分のピクセルが前記水平方向に交互配置のピクセル行と
、の組み合わせで表される画像データをモザイク画像データとして受信するステップと、
前記モザイク画像データの各ピクセル列に含まれる各ピクセルにおける前記G成分およ
び別の色成分を取得し、前記垂直方向における各ピクセル列に含まれる各ピクセルにおけ
る前記G成分と別の色成分との間の垂直方向色差成分を演算するステップと、
前記モザイク画像データの各ピクセル行に含まれる各ピクセルにおける前記G成分およ
び別の色成分を取得し、水平方向における各ピクセル行に含まれる各ピクセルにおける前
記G成分と別の色成分との間の水平方向色差成分を演算するステップと、
前記モザイク画像からピクセルを選択し、そのようなピクセル位置各々において目標ピ
クセルの前記垂直方向色差成分の記号を前記目標ピクセルの上と下にあるピクセルの前記
垂直方向色差成分の記号と比較し、前記目標ピクセルの前記水平方向色差成分の記号を前
記目標ピクセルの左と右にあるピクセルの前記水平方向色差成分の記号と比較し、1つ以
上の比較における前記記号が等しくない場合前記エッジマップの対応するエッジマップ値
を1に設定し、すべての比較における前記記号が等しい場合は前記エッジマップの対応す
るエッジマップ値を0に設定するステップと、の機能をコンピューターに達成させるコン
ピューター読み取り可能な媒体。
【請求項16】
前記プログラムは、モザイク解除、サイズ変更、雑音除去、または鮮明化操作の1つで
前記エッジマップを用いるステップをさらにコンピューターに達成させる請求項15に記
載のコンピューター読み取り可能な媒体。
【請求項17】
前記モザイク画像データからピクセルを選択するステップは、前記モザイク画像データ
に含まれる前記R成分のピクセルおよび前記B成分のピクセルのみ、または前記G成分の
ピクセルのみを選択するステップをさらに有する請求項15に記載のコンピューター読み
取り可能な媒体。
【請求項18】
前記プログラムは、前記エッジマップの値を選択し、かかる目標値の位置各々において
前記目標値が1に等しいか判定し、前記目標値が1に等しい場合前記目標値の各角におけ
る値を合計し、前記合計が0に等しいか判定し、前記合計が0に等しい場合前記目標値を
0に変更するステップをさらにコンピューターに達成させる請求項17に記載のコンピュ
ーター読み取り可能な媒体。
【請求項19】
前記プログラムは、前記エッジマップの値を選択し、かかる目標値の位置各々において
前記目標値が0に等しいか判定し、前記目標値が0に等しい場合前記目標値の各角におけ
る値を合計し、前記合計が2を超えるか判定し、前記合計が2を超える場合前記目標値を
1に変更するステップをさらにコンピューターに達成させる請求項17に記載のコンピュ
ーター読み取り可能な媒体。
【請求項20】
前記プログラムは、前記エッジマップの値を選択し、かかる目標値の位置各々において
前記目標値が0に等しいか判定し、前記目標値が0に等しい場合前記目標値の上、下、左
側、および右側にあるピクセルの4つの値を合計し、前記合計が2を超えるか判定し、前
記合計が2を超える場合前記目標値を1に変更するステップをさらにコンピューターに達
成させる請求項19に記載のコンピューター読み取り可能な媒体。
【請求項21】
前記プログラムは、
a)前記エッジマップの値を選択し、かかる目標値の位置各々において前記目標値が0
に等しいか判定するステップと、
b)前記目標値が0に等しい場合前記目標値の各角における値を合計し、前記合計が2
を超えるか判定し、前記合計が2を超える場合前記目標値を1に変更するステップと、
c)前記目標値が0に等しい場合前記目標値の上、下、左側、および右側にあるピクセ
ルの4つの値を合計し、前記合計が2を超えるか判定し、前記合計が2を超える場合前記
目標値を1に変更するステップと、
d)前記ステップa)、前記ステップb)および前記ステップc)を少なくとも1回繰
り返すステップとをさらにコンピューターに達成させる請求項20に記載のコンピュータ
ー読み取り可能な媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−16812(P2010−16812A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147332(P2009−147332)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】