説明

画像処理装置、画像処理装置の制御方法、プログラム、および記憶媒体

【課題】記録媒体に印刷された、符号化されたデータのセキュリティ強度を向上可能な画像処理装置、画像処理装置の制御方法、プログラム、および記憶媒体を提供すること。
【解決手段】原稿となる画像を読み込み(S901)、画像処理を施してデジタルデータを取得する(S902)。次いで、上記デジタルデータを符号化して、第1の符号化データを生成する(S903)。次いで、第1の符号化データからデジタルデータを復号する処理に関する情報を符号化して、第2の符号化データを生成する(S904、S905)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理装置の制御方法、およびプログラムに関し、より詳細には、紙指紋情報を取り扱うことができ、電子データを符号化可能な画像処理装置及び画像処理装置の制御方法、プログラムおよび記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル複写機またはデジタル複合機において、スキャナから読み込んだ画像データ等を2次元バーコードまたは別の符号化手段により符号化し、その符号化されたデータを画像データとして印刷することが行われつつある。上記符号化されるデータとしては、他に外部のホストコンピュータから送信されたテキストまたはグラッフィック画像、音声などの電子データ等が挙げられる。
【0003】
また紙等の記録媒体上に、上述のように印刷された、符号化された画像データを読み込み、テキスト、グラッフィック画像、音声などの電子データに変換して、デジタル複写機またはデジタル複合機でその電子データを利用して印刷することも行われつつある。また、上記電子データを印刷することの他に、外部のホストコンピュータや別のデジタル複写機またはデジタル複合機へ転送することが行われつつある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の符号化されたデータを、テキストまたはグラッフィック画像、音声などの電子データに変換して、デジタル複写機またはデジタル複合機でその電子データを利用して印刷する場合、以下のように解決すべき課題が残されている。
【0005】
すなわち、2次元バーコード等により符号化されたデータが印刷されたものを原稿としてデジタル複写機またはデジタル複合機で読み取り、別の紙などの記録媒体上に複写を行うと、上記符号化されたデータも複写されてしまう。よって、原本を印刷したユーザとは別の人物であっても複写された原稿さえあれば、その原稿に含まれる符号化されたデータから電子データへ変換を行い、その電子データを閲覧または使用することが容易にできてしまうという課題がある。
【0006】
本発明は、このような問題を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、記録媒体に印刷された、符号化されたデータのセキュリティ強度を向上可能な画像処理装置、画像処理装置の制御方法、プログラム、および記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明は、画像処理装置であって、電子データを符号化して、第1の符号化データを生成する手段と、前記第1の符号化データから前記電子データを復号する処理に関する情報を符号化して、第2の符号化データを生成する手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、電子データを符号化して生成された第1の符号化データ、および前記第1の符号化データから前記電子データを復号する処理に関する情報を符号化して生成された第2の符号化データを含む画像データから、前記電子データを復号可能な画像処理装置であって、前記画像データに基づいて、該画像データを読み取った記録媒体の紙指紋情報を抽出する抽出手段と、前記第2の符号化データを解析する解析手段と、前記解析手段による解析の結果、前記抽出された紙指紋情報の照合処理が必要と判断される場合、前記抽出された紙指紋情報と、被照合用紙指紋情報との照合を行う照合手段と、前記照合手段による照合の結果が一致の場合、前記第1の符号化データから前記電子データの復号を許可する手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、画像処理装置の制御方法であって、電子データを符号化して、第1の符号化データを生成する工程と、前記第1の符号化データから前記電子データを復号する処理に関する情報を符号化して、第2の符号化データを生成する工程とを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、電子データを符号化して生成された第1の符号化データ、および前記第1の符号化データから前記電子データを復号する処理に関する情報を符号化して生成された第2の符号化データを含む画像データから、前記電子データを復号可能な画像処理装置の制御方法であって、前記画像データに基づいて、該画像データを読み取った記録媒体の紙指紋情報を抽出する抽出工程と、前記第2の符号化データを解析する解析工程と、前記解析工程による解析の結果、前記抽出された紙指紋情報の照合処理が必要と判断される場合、前記抽出された紙指紋情報と、被照合用紙指紋情報との照合を行う照合工程と、前記照合工程による照合の結果が一致の場合、前記第1の符号化データから前記電子データの復号を許可する工程とを有することを特徴とする。
【0011】
なお、本発明の「記録媒体」は、一般的な記録装置で用いる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルムその他のインク、トナーを受容して、画像形成可能なものを指す。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、紙などの記録媒体上に印刷された、電子データを符号化して画像として紙などの記録媒体上に印刷されたもののセキュリティを向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
(第1の実施形態)
<印刷システム>
以下、第1の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は本実施形態に係る印刷システムの構成を示すブロック図である。このシステムでは、ホストコンピュータ40及び3台の画像形成装置(10,20,30)がLAN50に接続されているが、本実施形態における印刷システムにおいては、これらの接続数に限られることはない。また、本実施形態では、接続方法としてLANを適用しているが、これに限られることはない。例えば、WAN(公衆回線)などの任意のネットワーク、USBなどのシリアル伝送方式、セントロニクスやSCSIなどのパラレル伝送方式なども適用可能である。
【0015】
ホストコンピュータ(以下、PCと称する)40はパーソナルコンピュータの機能を有している。このPC40はLAN50やWANを介してFTPやSMBプロトコルを用いファイルを送受信したり電子メールを送受信したりすることができる。またPC40から画像形成装置10、20、30に対して、プリンタドライバを介した印字命令を行うことが可能となっている。
【0016】
画像形成装置10と20とは同じ構成を有する装置であり、例えば、MFP(Multi Function Printer)である。画像形成装置30はプリント機能のみの画像形成装置であり、画像形成装置10や20が有するスキャナ部を有していない。以下では、説明の簡単のために、画像形成装置10、20のうちの画像形成装置10に注目して、その構成を詳細に説明する。
【0017】
画像形成装置10は、画像入力デバイスであるスキャナ部13、画像出力デバイスであるプリンタ部14、画像形成装置10全体の動作制御を司るコントローラ11、ユーザインターフェース(UI)である操作部12を備えている。
【0018】
<画像形成装置10>
画像形成装置10の外観を図2に示す。スキャナ部13は、複数のCCDを有している。この各CCDの感度が夫々異なっていると、たとえ原稿上の各画素の濃度が同じであったとしても、各画素が夫々違う濃度であると認識されてしまう。そのため、スキャナ部13では、最初に白板(一様に白い板)を露光走査し、露光走査して得られた反射光の量を電気信号に変換してコントローラ11に出力している。
【0019】
なお、後述するように、コントローラ11内のシェーディング補正部500は、各CCDから得られた電気信号を元に、各CCDの感度の違いを認識している。そして、この認識された感度の違いを利用して、原稿上の画像をスキャンして得られた電気信号の値を補正している。さらに、シェーディング補正部500は、後述するコントローラ11内のCPU301からゲイン調整の情報を受取ると、当該情報に応じたゲイン調整を行う。ゲイン調整は、原稿を露光走査して得られた電気信号の値を、どのように0〜255の輝度信号値に割り付けるかを調整するために用いられる。このゲイン調整により、原稿を露光走査して得られた電気信号の値を高い輝度信号値に変換したり、低い輝度信号値に変換したりすることができるようになっている。続いて、この原稿上の画像をスキャンする構成について説明する。
【0020】
スキャナ部13は、原稿上の画像を露光走査して得られた反射光をCCDに入力することで画像の情報を電気信号に変換する。さらに電気信号をR,G,B各色からなる輝度信号に変換し、当該輝度信号を画像データとしてコントローラ11に対して出力する。すなわち、スキャナ部13は、記録媒体に形成された画像を読み取るための画像読取手段である。
【0021】
なお、原稿は原稿フィーダ201のトレイ202にセットされる。ユーザが操作部12から読み取り開始を指示すると、コントローラ11からスキャナ部13に原稿読み取り指示が与えられる。スキャナ部13は、この指示を受けると原稿フィーダ201のトレイ202から原稿を1枚ずつフィードして、原稿の読み取り動作を行う。なお、原稿の読み取り方法は原稿フィーダ201による自動送り方式ではなく、原稿を不図示のガラス面上に載置し露光部を移動させることで原稿の走査を行う方法であってもよい。
【0022】
プリンタ部14は、コントローラ11から受取った画像データを記録媒体上に印刷する、すなわち、画像を形成する画像形成デバイスである。なお、本実施形態において画像形成方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式となっているが、本発明はこれに限られることはない。例えば、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に印字するインクジェット方式などでも適用可能である。また、プリンタ部14には、異なる用紙サイズ又は異なる用紙向きを選択可能とする複数の用紙カセット203、204、205が設けられている。排紙トレイ206には印字後の用紙が排出される。
【0023】
<コントローラ11の詳細説明>
図3は、画像形成装置10のコントローラ11の構成をより詳細に説明するためのブロック図である。
コントローラ11はスキャナ部13やプリンタ部14と電気的に接続されており、一方ではLAN50やWAN331を介してPC40や外部の装置などと接続されている。これにより画像データ、デバイス情報、照合情報の入出力が可能となっている。
【0024】
CPU301は、ROM303に記憶された制御プログラム等に基づいて接続中の各種デバイスとのアクセスを統括的に制御すると共に、コントローラ内部で行われる各種処理についても統括的に制御する。RAM302は、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、かつ画像データを一時記憶するためのメモリでもある。このRAM302は、記憶した内容を電源off後も保持しておくSRAM及び電源off後には記憶した内容が消去されてしまうDRAMを含むことができる。ROM303には装置のブートプログラムなどが格納されている。本実施形態では、CPU301が、ROM303に記憶された本実施形態に係る処理などの制御プログラムに従って、種々の演算、制御、判別などの処理動作を実行する。HDD304はハードディスクドライブであり、システムソフトウェアや画像データを格納することが可能となっている。
【0025】
操作部I/F305は、システムバス310と操作部12とを接続するためのインターフェース部である。この操作部I/F305は、操作部12に表示するための画像データをシステムバス310から受取り操作部12に出力すると共に、操作部12から入力された情報をシステムバス310へと出力する。
【0026】
NetworkI/F306はLAN50及びシステムバス310に接続し、情報の入出力を行う。Modem307はWAN331及びシステムバス310に接続しており、情報の入出力を行う。2値画像回転部308は送信前の画像データの方向を変換する。2値画像圧縮・伸張部309は、送信前の画像データの解像度を所定の解像度や相手能力に合わせた解像度に変換する。なお圧縮及び伸張にあたってはJBIG、MMR、MR、MHなどの方式が用いられる。画像バス330は画像データをやり取りするための伝送路であり、PCIバス又はIEEE1394で構成されている。
【0027】
スキャナ画像処理部312は、スキャナ部13からスキャナI/F311を介して受取った画像データに対して、補正、加工、及び編集を行う。なお、スキャナ画像処理部312は、受取った画像データがカラー原稿か白黒原稿かや、文字原稿か写真原稿かなどを判定する。そして、その判定結果を画像データに付随させる。こうした付随情報を属性データと称する。このスキャナ画像処理部312で行われる処理の詳細については後述する。
【0028】
圧縮部313は画像データを受取り、この画像データを32画素x32画素のブロック単位に分割する。なお、この32×32画素の画像データをタイルデータと称する。図4は、このタイルデータを概念的に表している。原稿(読み取り前の紙媒体)において、このタイルデータに対応する領域をタイル画像と称する。なおタイルデータには、その32×32画素のブロックにおける平均輝度情報やタイル画像の原稿上の座標位置がヘッダ情報として付加されている。さらに圧縮部313は、複数のタイルデータからなる画像データを圧縮する。伸張部316は、複数のタイルデータからなる画像データを伸張した後にラスタ展開してプリンタ画像処理部315に送る。
【0029】
プリンタ画像処理部315は、伸張部316から送られた画像データを受取り、この画像データに付随させられている属性データを参照しながら画像データに画像処理を施す。画像処理後の画像データは、プリンタI/F314を介してプリンタ部14に出力される。このプリンタ画像処理部315で行われる処理の詳細については後述する。
【0030】
画像変換部317は、画像データに対して所定の変換処理を施す。この処理部は以下に示すような処理部を有している。
伸張部318は受取った画像データを伸張する。圧縮部319は受取った画像データを圧縮する。回転部320は受取った画像データを回転する。変倍部321は受取った画像データに対し解像度変換処理(例えば600dpiから200dpi)を行う。色空間変換部322は受取った画像データの色空間を変換する。この色空間変換部322は、マトリクス又はテーブルを用いて公知の下地飛ばし処理を行ったり、公知のLOG変換処理(RGB→CMY)を行ったり、公知の出力色補正処理(CMY→CMYK)を行ったりすることができる。2値多値変換部323は受取った2階調の画像データを256階調の画像データに変換する。逆に多値2値変換部324は受取った256階調の画像データを誤差拡散処理などの手法により2階調の画像データに変換する。
【0031】
合成部327は受取った2つの画像データを合成し1枚の画像データを生成する。なお、2つの画像データを合成する際には、合成対象の画素同士が持つ輝度値の平均値を合成輝度値とする方法や、輝度レベルで明るい方の画素の輝度値を合成後の画素の輝度値とする方法が適用される。また、暗い方を合成後の画素とする方法の利用も可能である。さらに合成対象の画素同士の論理和演算、論理積演算、排他的論理和演算などで合成後の輝度値を決定する方法なども適用可能である。これらの合成方法はいずれも周知の手法である。間引き部326は受取った画像データの画素を間引くことで解像度変換を行い、1/2,1/4,1/8などの画像データを生成する。移動部325は受取った画像データに余白部分をつけたり余白部分を削除したりする。
【0032】
RIP328は、PC40などから送信されたPDLコードデータを元に生成された中間データを受取り、ビットマップデータ(多値)を生成する。
【0033】
紙指紋情報管理部340は、スキャナ画像処理部312の処理によって得られた紙指紋情報と照合対象の複数のページを関連付けて管理する。
【0034】
<スキャナ画像処理部312の詳細説明>
図5にスキャナ画像処理部312の内部構成を示す。
スキャナ画像処理部312はRGB各8bitの輝度信号からなる画像データを受取る。
シェーディング補正部500は、この輝度信号に対してシェーディング補正する。シェーディング補正とは、上述したように、CCDの感度のばらつきによって原稿の明るさが誤認識されてしまうことを防止するための処理である。さらに、上述したように、このシェーディング補正部500は、CPU301からの指示によりゲイン調整を行うことができるようになっている。
【0035】
続いて、この輝度信号は、マスキング処理部501によりCCDのフィルタ色に依存しない標準的な輝度信号に変換される。
【0036】
フィルタ処理部502は、受取った画像データの空間周波数を任意に補正する。この処理部は、受取った画像データに対して、例えば7×7のマトリクスを用いた演算処理を行う。ところで、複写機や複合機では、図7におけるタブ714の押し下げによりコピーモードとして文字モードや写真モードや文字/写真モードを選択することができる。ここでユーザにより文字モードが選択された場合には、フィルタ処理部502は文字用のフィルタを画像データ全体にかける。また、写真モードが選択された場合には、写真用のフィルタを画像データ全体にかける。また、文字/写真モードが選択された場合には、後述の文字写真判定信号(属性データの一部)に応じて画素ごとに適応的にフィルタを切り替える。つまり、画素ごとに写真用のフィルタをかけるか文字用のフィルタをかけるかが決定される。
【0037】
なお、写真用のフィルタには高周波成分のみ平滑化が行われるような係数が設定されている。これは、画像のざらつきを目立たせないためである。また、文字用のフィルタには強めのエッジ強調を行うような係数が設定されている。これは、文字のシャープさを出すためである。
【0038】
ヒストグラム生成部503は、受取った画像データを構成する各画素の輝度データをサンプリングする。より詳細に説明すると、主走査方向、副走査方向にそれぞれ指定した開始点から終了点で囲まれた矩形領域内の輝度データを、主走査方向、副走査方向に一定のピッチでサンプリングする。そして、サンプリング結果を元にヒストグラムデータを生成する。生成されたヒストグラムデータは、下地飛ばし処理を行う際に下地レベルを推測するために用いられる。入力側ガンマ補正部504は、テーブル等を利用して非線形特性を持つ輝度データに変換する。
【0039】
カラーモノクロ判定部505は、受取った画像データを構成する各画素が有彩色であるか無彩色であるかを判定し、その判定結果をカラーモノクロ判定信号(属性データの一部)として画像データに付随させる。
【0040】
文字写真判定部506は、画像データを構成する各画素が文字を構成する画素なのか、網点を構成する画素なのか、網点中の文字を構成する画素なのか、ベタ画像を構成する画素なのかを各画素の画素値と各画素の周辺画素の画素値とに基づいて判定する。なお、どれにもあてはまらない画素は、白領域を構成している画素である。そして、その判定結果を文字写真判定信号(属性データの一部)として画像データに付随させる。
【0041】
紙指紋情報取得部507は、シェーディング補正部500からマスキング処理部501に入力されたRGBの画像データのうち、所定の領域(少なくとも一箇所以上の領域)の画像データをマスキング処理部501から取得する。以下、紙指紋情報取得部507が行う紙指紋情報取得処理の詳細を図8にて詳述する。
【0042】
<紙指紋情報取得部507の詳細説明>
図8は、図5の紙指紋情報取得部507が行う紙指紋情報取得処理を示すフローチャートである。なお、紙指紋情報取得部507については、上述したようにコントローラ11のCPU301によって制御される。
【0043】
S801では、紙指紋情報取得部507は、上記取得した画像データをグレイスケール画像データに変換する。
S802では、紙指紋情報取得部507は、該グレイスケール画像データをもとに、印刷や手書きの文字といった誤判定の要因となりうるものを取り除いて照合を行うためのマスクデータを作成する。ここで、マスクデータは、「0」または「1」の2値データを示す。
【0044】
紙指紋情報取得部507は、該グレイスケール画像データにおいて、輝度信号値が第1の閾値以上(つまり、明るい)である画素については、マスクデータの値を「1」に設定する。一方、紙指紋情報取得部507は、輝度信号値が第1の閾値未満(つまり、暗い)である画素については、マスクデータの値を「0」に設定する。
紙指紋情報取得部507は、以上の処理を、グレイスケール画像データに含まれる各画素に対して行う。
【0045】
S803では、紙指紋情報取得部507は、該グレイスケール画像データ、および該マスクデータの2つのデータを紙指紋情報として取得する。
なお、S801においてグレイスケールに変換された画像データ自体のことを紙指紋情報と称することもあるが、本実施形態では、上記二つのデータを紙指紋情報と称することにする。
紙指紋情報取得部507は、上記紙指紋情報取得領域の紙指紋情報を不図示のデータバスを用いてRAM302に送る。
【0046】
<プリンタ画像処理部315の詳細説明>
次に、図3におけるプリンタ画像処理部315における処理の流れを、図6を参照して説明する。
下地飛ばし処理部601は、スキャナ画像処理部312で生成されたヒストグラムを用いて画像データの下地色を飛ばす(除去する)処理を行う。
モノクロ生成部602は、カラーデータをモノクロデータに変換する。
Log変換部603は、輝度、および濃度の変換処理を行う。例えば、Log変換部603は、RGB入力された画像データを、CMYの画像データに変換する。
【0047】
出力色補正部604は、出力色補正を行う。例えば、CMY入力された画像データを、テーブルやマトリックスを用いてCMYKの画像データに変換する。
出力側ガンマ補正部605は、この出力側ガンマ補正部605に入力される信号値と、複写出力後の反射濃度値とが比例するように補正を行う。
中間調補正部606は、出力するプリンタ部14の階調数に合わせて中間調処理を行う。例えば、受信した高階調の画像データに対し2値化や32値化などの処理を行う。
【0048】
なお、スキャナ画像処理部312やプリンタ画像処理部315における各処理部では、受信した画像データに各処理を施さずに出力させることも可能である。このように、ある処理部において処理を施さずにデータを通過させることを、「処理部をスルーさせる」と呼ぶ。
【0049】
<操作画面の説明>
次に、本実施形態における操作パネルのコピー標準画面を、図7を参照して説明する。なお、本実施形態の画像形成装置10は、電源投入時に該コピー標準画面をデフォルト表示として起動する構成である。
【0050】
符号701は、メッセージラインであり、コピージョブの状態をメッセージで表示する。
符号702は、倍率表示であり、設定された倍率やコピーモードによって自動的に決められる倍率をパーセントで表示する。
符号703は、用紙サイズ表示であり、選択された出力用紙を表示し、自動用紙選択が設定されている場合にはオート用紙というメッセージを表示する。
符号704は、置数表示であり、何枚コピーするかを示す。
符号705は、縮小キーであり、縮小コピーを行いたい場合に使用する。
【0051】
符号706は、等倍キーであり、縮小や拡大の設定を等倍の設定に戻したいときに使用する。
符号707は、拡大キーであり、拡大コピーを行いたい場合に使用する。
符号708は、ズームキーであり、細かい単位で倍率を設定して縮小コピーや拡大コピーを行いたい場合に使用する。
符号709は、用紙選択キーであり、出力用紙を指定する場合に使用する。
符号710は、ソータキーであり、ソートやステイプルのモードを設定する場合に使用する。
【0052】
符号711は、両面キーであり、両面コピーのモードを設定する場合に使用する。
符号712は、濃度表示で、現在の濃度が分かるようになっており、左側の表示部分は濃度が薄く、右側の表示部分は濃度が濃いことを示す。また、濃度表示712は、うすくキー713、こくキー715と連動して表示が変化する。
符号713は、うすくキーであり、濃度を薄くしたい場合に使用する。
符号714は、自動キーであり、自動的に濃度を決定するモードを使用する場合に使用する。
【0053】
符号715は、こくキーであり、濃度を濃くしたい場合に使用する。
符号716は、文字キーであり、文字原稿をコピーするのに適した濃度に自動的に設定する「文字モード」を設定する場合に使用する。
符号717は、文字/写真キーであり、写真が混在した原稿をコピーするのに適した濃度に自動的に設定する「文字/写真モード」を設定する場合に使用する。
【0054】
符号718は、応用モードキーであり、コピー標準画面で設定できない様々なコピーモードを設定する場合に使用する。
符号719は、プリント状況キーであり、現在行われているプリント状況を見たい場合に使用する。プリント状況キー719は、コピー標準画面だけではなく、常にこの位置に現れており、いつでもこのキーを押すことによりプリント状況を見ることができる。
【0055】
紙指紋情報登録タブ720は、被照合用の紙指紋情報登録処理を選択するためのタブである。この紙指紋情報登録処理については、後述する。
紙指紋情報照合タブ721は、紙指紋情報照合処理を選択するためのタブである。この紙指紋情報照合処理についても後述する。
符号722は、符号情報の生成を指示するためのものであり、詳細は後述する。
符号723は、符号情報の印刷を指示するためのものであり、詳細は後述する。
符号724は、符号情報の復号を指示するためのものであり、詳細は後述する。
【0056】
スタートキー(図示せず)が押下されると、図7における各種キーで設定された印刷設定に基づき画像形成装置10において各処理が実行される。
【0057】
<符号データ生成処理>
次にスキャナ部13で読み取られたデータを符号化データ(符号データとも呼ぶ)に変換する際の処理について図9のフローチャートを用いて説明を行う。図9に示すフローチャートの各ステップは、CPU301により統括的に制御される。
まずユーザが、図7の操作パネルを操作して、符号722の符号情報生成を指示するボタンが押下された場合、図3に示されるCPU301はS901の処理を開始し、スキャナ部13で読み込む画像を符号画像に変換するまでの動作を行う。
【0058】
まず、S901では、CPU301は、原稿となる画像をスキャナ部13で読み込む動作を行う。このようにして原稿となる画像データが画像形成装置901に入力される。
【0059】
次にS902において、CPU301は、S901にて読み込まれた画像に対して図6に示した画像処理を行った後、該画像処理された画像データを、RAM302にデジタルデータとして一時記憶する。すなわち、CPU301は、スキャナ部13にて読み込まれた画像データに基づいて、デジタルデータを生成する。
【0060】
S903の処理において、CPU301は、RAM302に記憶されているデジタルデータを圧縮(符号化)して、一次元バーコード、二次元バーコード、電子透かし等の、第1の符号化データを生成する。この第1の符号化データをプリンタ部14によって出力することにより、第1の符号画像が出力される。圧縮方式はMMR、JBIG、JPEGなどいろいろな方式を用いることが可能である。このようにして、画像形成装置10は、画像処理装置を含む画像形成装置10に記憶された画像データを符号化した第1の符号画像を作成する。
【0061】
次にCPU301は、照合情報の生成を行うためにS904の処理を行う。
照合情報は、読み取った画像を符号化した第1の符号化データに結合されるものであり、上記第1の符号化データに対しての処理を、デジタル複写機、複合機、コンピュータ等の内部の制御部が解釈できる情報である。
【0062】
本実施形態では、照合情報には3種類の情報が含まれる。第1の情報は、印刷された紙を特定するための固有な番号(シリアル番号等)に関する第1情報である。第2の情報は、印刷された紙の紙指紋情報(紙指紋とは、記録媒体固有の情報であり、単に“紙紋”とも呼ぶ)を記憶しておく場所を示す第2情報である。すなわち、第2情報は、後述する被照合用紙指紋情報が記憶される記憶手段の場所(被照合用紙指紋情報を記憶するための場所)を示す情報である。
【0063】
そして、第3の情報は、スキャナ部13によって抽出された、第1の符号画像が形成された記録媒体から抽出された紙紋と、該抽出された紙紋との照合のために取得された紙紋との照合を指示する第3情報である。すなわち、第3情報は、記録媒体固有の情報である紙指紋情報に基づいた照合を指示する情報である。
【0064】
本実施形態では、第3情報は、第1の符号化データをもとのデジタルデータに復号する際に、第1の紙紋情報と、第2の紙紋情報とを照合し、照合の結果が一致の場合に、第1の符号化データを元のデジタルデータに復号することを許可する情報である。すなわち、上記復号処理を無条件で行うか(自動的に行うか)、または条件を満たした場合にのみ行うか(照合処理を行い、照合結果が一致の場合のみ復号を行うか)を指示する情報である。上記第1の紙紋情報は第1の符号化データが印刷された紙の紙紋に関する情報(後述する照合用紙指紋情報)であり、第2の紙紋情報は、後述するサーバに登録された紙紋情報等、記憶手段に記憶された紙紋情報(後述する被照合用紙指紋情報)である。
【0065】
本実施形態では、後述のように、第3情報に基づいて、復号に関する処理が決定されるので、第3情報は、第1符合化データから電子データを復元する処理に関する情報となる。
【0066】
本実施形態では、第2情報において、紙指紋情報を記憶しておく場所をサーバ(不図示)としている。しかしながら、上記記憶しておく場所は、サーバに限らず、画像形成装置10内の記憶手段(例えば、HDD304)であっても良いし、画像形成装置10に外付けの記憶手段であっても良い。すなわち、情報を記憶可能な記憶手段であればいずれの手段であっても良い。
【0067】
また、S904において、画像形成装置10が有する表示部にダイアログを表示して、上記記憶しておく場所をユーザに選択させるようにしても良い。このようにして、画像形成装置10は、上記記憶しておく場所を指定する情報を取得し、該取得した情報に基づいて、第2情報を生成することができる。なお、上記記憶しておく場所を、符号データ生成処理の前に予め設定しても良いことは言うまでも無い。
【0068】
さらに、S904において、画像形成装置10が有する表示部にダイアログを表示して、第3情報において指示する内容を、復号処理を無条件で行うか、または条件を満たした場合にのみ行うかを、ユーザに選択させることができる。このようにして、画像形成装置10は、第3情報に含まる指示の内容を決定することができる。なお、上記指示の内容を、符号データ生成処理の前に予め設定しても良いことは言うまでも無い。
【0069】
なお、本実施形態では、「抽出された紙紋との照合のために取得された紙紋」とは、読み取った記録媒体が、セキュリティを強化したい記録媒体か否かを判別するための、上記読み取った記録媒体から抽出された紙指紋の比較対象となる紙指紋である。よって、該紙紋を、上記照合の際に画像形成装置10が保持していれば良く、その取得方法はいずれであっても良い。本実施形態では、後述のようにサーバから取得するが、第3の実施形態のように、読み取られた記録媒体に第1の符号化データと共に埋め込まれたデータから取得するようにしても良い。
【0070】
次に、S905では、CPU301は、S904の処理で生成した照合情報を予め定められた圧縮形式で圧縮し(符号化し)、S906の処理において、圧縮されたデータを紙などの記録媒体に印字するための、第2の符号化データを生成する。この第2の符号化データをプリンタ部14によって出力することにより、第2の符号画像が出力される。第2の符号画像としては、1次元バーコード、2次元バーコート、電子透かしなど様々なものが使用可能である。
【0071】
最後のS907の処理において、CPU301は、第1の符号化データ、および第2の符号化データをHDD304等に記憶する。これら記憶された符号化データは、後述する符号データの印刷処理で使用される。
【0072】
なお、本実施形態では、第1の符号化データを取得するためのデータに関して、紙等の記録媒体から読み取ることについて説明を行ったが、これに限定されない。例えば、ホストコンピュータなどの外部の機器から転送された画像や、音声、テキストなどのデジタルコンテンツデータを符号画像として生成することも可能である。すなわち、画像形成装置10は、画像形成装置10が取得した電子データ、すなわち、RAM302等の画像形成装置が備える記憶手段に記憶された電子データを符号化して、第1の符号化データを生成するのである。
【0073】
<符号データ印刷処理>
次にプリンタ部14で、符号画像を印刷する際の処理について図10のフローチャートを用いて説明を行う。図10に示すフローチャートの各ステップは、CPU301により統括的に制御される。
【0074】
まず、ユーザが図7の操作パネルを操作し、符号723の符号画像の印刷を指示するボタンが押下された場合、図3に示されるCPU301は、操作パネル上に符号画像とは別に印刷する画像を読み込ませるようにユーザに指示を行う。ユーザは、ユーザが画像として印刷したい原稿を、スタートキーを押下して読み込ませる。このようにして、S1001では、符号画像とは別に、スキャナ部13から読み取られた画像が、RAM302に保存される。すなわち、S1001にて、画像形成装置10は、第1、第2の符号画像と共に印刷したい画像データを取得する。
【0075】
次にS1002では、S907にて記憶されたHDD304に保存されている、第1および第2の符号化データを読み出し、RAM302に記憶されている、S1001にて読み込ませた画像データと合成処理が行われる。合成処理には上述したように合成部327が使用される。合成された画像データが、RAM302にいったん記憶された後、プリンタ部14へ転送され、紙などの記録媒体に印刷されて、合成画像が形成される。図11は、紙に印刷された、合成画像を示すものである。
【0076】
図11において、符号1101は、図9のフローチャートにより生成された、第1および第2の符号画像であり、符号1102はユーザが原稿をスキャナ部13で読み込ませ、第1および第の符号画像と合成を指示した画像である。
【0077】
なお、本実施形態では、符号画像と合成する画像として、スキャナによりユーザが指定した原稿を読み取ったものについて説明したが、これに限定されない。例えば、ホストコンピュータなどの外部の機器から転送された電子データに対して上記合成を行うようにしても良い。
【0078】
<紙指紋情報登録処理>
続いて、図12に、符号画像が印刷された紙の紙紋を登録する処理について説明を行う。
印刷された紙に対して1度だけ登録をするために、符号データ生成処理で説明した照合情報に含まれる情報のうち、第1情報の、印刷された紙を特定するための固有な番号に対して1回のみ、紙指紋情報の登録の操作を許すものとして本実施形態を説明する。またこの方法以外にも、符号画像を印刷してから登録までの時間を規定するなど様々の方法がある。
【0079】
CPU301は、紙指紋情報取得部507からRAM302に送られてきた所定領域の紙指紋情報を読出し、当該読出された紙指紋情報を不図示のサーバに登録することが可能となっている。この登録は、ROM303内に格納されたプログラムを実行することによって行われる。
【0080】
次に図12のフローチャートを用いて、紙紋情報の登録方法について説明を行う。図12に示すフローチャートの各ステップは、CPU301により統括的に制御される。まず、図11の画像印刷後、メッセージライン701に紙指紋情報登録を促すガイダンスが表示される。このガイダンスに従い操作者は、図11の合成画像をスキャナ部13(もちろん原稿フィーダ201でもよい)に配置し、紙指紋情報登録タブ720を指示する。
【0081】
S1201では、CPU301は、スキャナ部13で読み取られた原稿を、画像データとしてスキャナI/F311を介してスキャナ画像処理部312に送るように制御する。
【0082】
S1202では、スキャナ画像処理部312は、一般的なゲイン調整値よりも小さいゲイン調整値を、シェーディング補正部500に設定する。そして、画像データに対して上記小さいゲイン調整値を適用することで得られた各輝度信号値を紙指紋情報取得部507に対して出力する。その後、出力データに基づいて、紙指紋情報取得部507は、紙指紋情報を取得する。そして、当該取得された紙指紋情報を不図示のデータバスを用いてRAM302に送る。
【0083】
紙指紋取得技術では、白い領域から繊維のパターンを取得する以上、暗めの画像データを得ることは必須である。そのため、本実施形態では、スキャナ画像処理部312が一般的なゲイン調整値よりも小さいゲイン調整値を設定することで、紙指紋情報取得用の暗い画像データを得た。しかしながら、暗い画像データを得る方法としてはこれに限られない。例えば、光量を落として図11の合成画像をスキャンするような方法も考えられる。
【0084】
S1203では、CPU301は、紙指紋情報管理部340を利用して紙指紋情報を画像形成装置10のHDD304へ格納する。このとき紙指紋情報中のグレースケールデータは、横n画素、縦m画素領域のタイル状のデータとしてHDD304へ格納されることになる。つまり既に紙指紋情報がHDD304へ格納されている後で、別の紙指紋情報が格納される場合、順にタイルを並べるように、登録済み紙指紋情報の後続の格納領域に紙指紋情報を格納していく方式となり、合成した紙指紋情報が形成される。
【0085】
S1204では、CPU301は、不図示のセンサにより、スキャナ部13に後続の原稿が置かれているかどうかを判定し、置かれていると判断した場合は、S1201へ進み、そうでない場合はS1205へ進む。
【0086】
S1205では、CPU301は、サーバからの管理番号の発番を受けた後、当該管理番号と紙指紋情報管理部340から取得した格納済み紙指紋情報と紙指紋情報領域の情報とを夫々関連付けてサーバに登録する。
【0087】
このように、CPU301は、第2情報における、紙指紋情報を記憶しておく場所に、取得した紙指紋情報を記憶する。
【0088】
なお、紙指紋情報領域の情報は、S1203にて原稿が読み取られた順序で各々の原稿に対応する紙指紋情報がタイル状のデータとして保持されることになるため、どこの領域のタイルデータが何ページ目の原稿の紙指紋情報に対応するかを示す位置情報である。
【0089】
S1206では、管理番号を表示画面に表示するようにCPU301は制御する。なお、この管理番号を画像形成装置10において印字するように制御を行うことも可能である。操作者が、この管理番号をサーバ管理者に通知した場合にのみ、サーバ管理者は、管理番号に対応する紙指紋を削除する。その結果、操作者による紙指紋の再登録が可能となる。もちろん、CPU301の制御の元、管理情報の表示は、所定時間後に自動的に消える。尚、紙指紋情報の登録が、サーバへの通信エラー、図11の合成画像の読み取りエラー(原稿フィーダの搬送エラー)等の登録エラーにより正規に実施されていない可能性があると、図2の画像形成装置が判断した場合にのみ管理番号を表示もしくは印刷してもよい。
【0090】
また、紙指紋情報管理部340で紙指紋情報をHDD304へ格納した回数を紙指紋情報格納数として管理しておき、この紙指紋情報格納数が、ある一定の閾値を超えた場合にサーバへ紙指紋情報を登録する方式にしても構わない。この場合、CPU301は、サーバから管理番号を既に発番されているか否かを判定する。既に発番されている場合は、当該管理番号と紙指紋情報を夫々関連付けてサーバに登録することになり、登録自体を複数回に分割しても一つの管理番号で管理されることになる。
【0091】
このようにして、CPU301は、S1202にて抽出された紙指紋情報を、被照合用紙指紋情報を記憶するための場所であるサーバに記憶する。
【0092】
<符号情報(符号化データ)の読み取り>
次にスキャナ部13で読み取られた符号画像が含まれる原稿から、第1の符号画像を抽出し、デジタルデータに復元する処理について説明する。まず符号画像を読み取る処理について、図13のフローチャートで説明する。図13に示すフローチャートの各ステップは、CPU301により統括的に制御される。
まずCPU301は、S1301の処理において、ユーザが図7の操作パネルを操作して、符号724の符号情報の復号を指示するボタンを押下することによって、原稿に含まれる第1の符号画像からデジタルデータ(元データ)を復号する処理を開始する。すなわち、CPU301は、上記ユーザによるボタン724の押下によって、第1および第2の符号画像の読み取り指示を受信する。
【0093】
S1302の処理において、CPU301はスキャナ部13を制御し、図11に示されるような原稿(合成画像)をスキャナで読み取り、図6の画像処理を行った上でRAM302へ該読み取った画像データを転送する。すなわち、画像形成装置10は、第1および第2の符号画像を含んだ画像データを取得する。
【0094】
次にS1303の処理において、CPU301は、RAM302に記憶されている、S1302にて取得された画像データから、第1および第2の符号画像の抽出を行う。符号画像は、符号画像であることを示すマーク、または切り出し用シンボル、またはガイド情報などがあるため、CPU301はこれらの情報から第1および第2の符号画像の領域を検出し、符号画像にふくまれる符号化された情報を取り出す事が可能である。
【0095】
また、S1303では、CPU301は、S1302にて取得された画像データに基づいて、S1302にて読み取られた記録媒体の所定領域の紙指紋に関する、読み出された紙指紋情報(後述の照合用紙指紋情報)を、S1202と同様にして取得する。上記所定領域は、現在読み取られた画像データにおいて、登録された紙指紋の取得位置と同じ位置である。このように同じ位置を実現する方法としては、例えば、S1202にて紙指紋を取得した画像データにおいて、紙指紋を取得した領域の座標に関する座標情報を取得し、S1202の後に記録媒体に埋め込むようにすれば良い。この場合は、S1303にて、上記埋め込まれた座標情報を解析して、読み出された紙指紋情報を取得する。
【0096】
また、紙指紋情報登録処理と、符号情報(符号化データ)の読み取り処理とを同じ装置で行う場合は、それらを行う装置に、紙指紋情報を取得する領域を予め設定しておくようにしても良い。このように設定しておけば、上記装置は、紙指紋情報を取得する位置を予め認識しているので、S1303において、S1202にて紙指紋が取得される領域と同じ座標の紙指紋を取得することができる。
【0097】
S1304の処理において、S1303で取り出された情報の中から、デジタル複写機、複合機、またはPC等のコンピュータが図9の処理で付加した照合情報を取り出す。すなわち、CPU301は、S1303にて取得された情報から第2の符号化データを抽出する。そして、CPU301は、まず第1情報を抽出し解析して、符号画像ごとに付加された固有番号を取得し、第2情報を抽出し解析して、紙指紋情報が登録されている場所の特定を行う。
【0098】
次にS1305の処理において、CPU301は、第1の符号化データを復号する際に、サーバに登録された、読み込まれた原稿の紙紋との照合が必要であるか否かを、照合情報を解析することで判断する。すなわち、CPU301は、第3情報を解析して、復号処理が無条件で許可されている、すなわち、復号処理を無条件で行うと判断する場合は、S1306に進む。一方、第3情報を解析して、復号処理が無条件で許可されていない場合、すなわち、条件を満たした場合にのみ復号処理を行うと判断する場合は、CPU301は、S1308に進む。なお、S1302にて読み取られた画像に第3情報が添付されていない場合も、CPU301は、S1306に進む。
【0099】
S1306では、CPU301は、第1の符号化データからデジタルデータを復号し、S1307において、S1306にて復号された情報を保存、または操作部へ表示することによって、処理を終了する。
【0100】
S1305の処理において、第1の符号化データを復号する際に紙紋との照合が必要であると判定された場合は、S1308においてCPU301は、照合情報に含まれていた、第1情報および第2情報に基づいて、紙紋の照合処理を行う。すなわち、CPU301は、S1304にて取得された、符号画像ごとに付加された固有番号と、紙指紋情報が登録されている場所の情報に基づき、サーバから対応する紙指紋情報(後述の被照合用紙指紋情報)を取得し、紙紋の照合処理を行う。このサーバから取得された紙指紋情報は、RQM302に記憶される。紙紋の照合に関する処理の詳細は後述する。
【0101】
S1309では、CPU301は、S1308における紙紋の照合が一致したか否かの判断を行う。一致しなかった場合は、S1310の処理において、CPU301は、操作部に符号画像からのデータの復号処理の許可がないことを表示して、すべての処理を終了する。S1309の処理で紙紋情報が一致した場合は、CPU301は、第1の符号化データからデジタルデータを復元し(S1306)、S1307において、復号された情報を保存、または操作部へ表示することによって、処理を終了する。
【0102】
このように、本実施形態では、第3情報に応じて、復号に関する処理が行われる。すなわち、無条件で復号処理を行う処理、または、照合処理を行い、照合結果が一致の場合には復号処理を許可し、一致しない場合には復号処理を許可しない処理のいずれかが行われる。よって、ユーザの所望の応じて復号可能な画像処理装置を提供することができる。
【0103】
<紙指紋情報照合処理>
次に、図14を参照して、紙指紋情報照合処理について説明する。図14は、紙指紋情報照合処理を示すフローチャートである。本フローチャートの各ステップは、CPU301により統括的に制御される。
CPU301は、紙指紋情報取得部507からRAM302に送られてきた、S1303にて読み出された紙指紋情報を読出し、当該読に出された紙指紋情報と他の紙指紋情報とを照合する制御を行うことができる。なお、他の紙指紋情報とは、サーバなどの他の記憶媒体に格納されている紙指紋情報を意味し、後述する被照合用紙指紋情報を意味する。
S1401では、CPU301は、サーバに登録されている紙指紋情報(被照合用紙指紋情報)をRAM302から読み出す。
【0104】
S1402では、CPU301は、紙指紋情報取得部507から送信された、読み出された紙指紋情報(照合用紙指紋情報)と、S1401にて読み出された紙指紋情報を照合するために、式(1)を用いて2つの紙指紋情報のマッチング度合いを算出する。
この算出処理は、被照合用紙指紋情報と、照合用紙指紋情報(紙指紋情報取得部507からRAM302に送信された紙指紋情報)とを比較照合するためのものである。
【0105】
照合用紙指紋と被照合用紙指紋との間で、式(1)に示した関数を使用し、照合処理を行う。なお、式(1)は、照合誤差を表している。
【0106】
【数1】

【0107】
式(1)において、α1はステップ1401で読み出された紙指紋情報(被照合用紙指紋情報)中のマスクデータである。f1(x,y)は、ステップ1401で読み出された紙指紋情報(被照合用紙指紋情報)中のグレイスケール画像データを表す。一方、α2はステップ1402で紙指紋情報取得部507から送信された紙指紋情報(照合用紙指紋情報)中のマスクデータである。f2(x,y)は、ステップ902で紙指紋情報取得部507から送信された紙指紋情報(照合用紙指紋情報)中のグレイスケール画像データを表す。
【0108】
なお、式(1)の(x、y)は、照合用および被照合用紙指紋情報中の基準となる座標を表し、(i、j)は照合用および被照合用紙指紋情報の位置ずれを考慮したパラメータを表す。但し本実施形態では、位置ずれは無視できる程度のものと見なして、i=0,j=0として処理を行う。
【0109】
ここで、この式(1)の意味を考えるために、i=0、j=0であり、かつ、α1(x、y)=1(ただし、x=0〜n、y=0〜m)であり、かつ、α2(x−i、y−j)=1(ただし、x=0〜n、y=0〜m)の場合を考えてみる。(n、mは、照合する範囲が、横n画素、縦m画素の領域であることを表す。)
つまり、α1(x、y)=1(ただし、x=0〜n、y=0〜m)であり、かつ、α2(x−i、y−j)=1(ただし、x=0〜n、y=0〜m)の場合のE(0、0)を求めることにする。
【0110】
ここで、α1(x、y)=1(ただし、x=0〜n、y=0〜m)は、サーバから送信された紙指紋情報(被照合用紙指紋情報)の全ての画素が明るいことを示す。言い換えると、サーバから送信された紙指紋情報(被照合用紙指紋情報)が取得された際には、紙指紋取得領域上には一切トナーやインクなどの色材やゴミがのっていなかったことを示す。
【0111】
また、α2(x−i、y−j)=1(ただし、x=0〜n、y=0〜m)は、今回取得した紙指紋情報(紙指紋情報取得部507から送信された紙指紋情報(照合用紙指紋情報))の全ての画素が明るいことを示す。言い換えると、今取得されたばかりの紙指紋情報が取得された際には、紙指紋取得領域上には一切トナーやインクなどの色材やゴミがのっていなかったことを示す。
【0112】
このように、α1(x、y)=1とα2(x−i、y−j)=1とが全ての画素において成り立つ時、式(1)は、
【0113】
【数2】

【0114】
と表されることになる。
この{f1(x、y)−f2(x、y)}2は、被照合用紙指紋情報中のグレイスケール画像データと、照合用紙指紋情報中のグレイスケール画像データとの差の二乗値を示す。従って、この式(1)は、二つの紙指紋情報同士の各画素における差の二乗を合計したものになる。つまり、f1(x、y)とf2(x、y)とが似ている画素が多ければ多いほど、このE(0、0)は、小さな値を取ることになる。
【0115】
<αの意義>
式(1)の分子は、{f1(x、y)−f2(x−i、y−i)}2に対してα1とα2とがかけられた結果を意味する(正確には、さらにΣ記号により合計値が求められている)。このα1とα2は、濃い色の画素は0、薄い色の画素は1を示す。
従って、α1とα2とのうちどちらか一方(又は両方)が0の場合には、α1α2{f1(x、y)−f2(x−i、y−i)}2は0になることになる。
即ち、どちらか一方(または両方)の紙指紋情報において対象とする画素が濃い色であった場合には、その画素における濃度差は考慮しないことを示している。これは、ゴミや色材がのってしまった画素を無視するためである。
この処理により、Σ記号により合計する数が増減するため、総数Σα1(x,y)α2(x−i,y−j)で割ることで正規化を行う。
【0116】
ステップ1403では、CPU301は、ステップ1402において計算された2つの紙指紋情報の照合誤差と所定の閾値との比較を行い、被照合用紙指紋と照合用紙指紋とが「一致」または「不一致」であるかを決定する。
このようにして、S1303にて抽出された紙指紋情報(照合用紙指紋情報)と、サーバから読み出された紙指紋情報(被照合用紙指紋情報)との照合を行う。
【0117】
以上説明したように、本実施形態では、紙に記録されたデジタルデータを符号化して符号画像として印刷されているものを復号する際に、符号画像が形成される記録媒体に復号を許可するか否かの指定も情報として含ませる。よって、また復号を許可しない場合でも記録媒体が固有にもつ情報である紙紋と一致するかを判定させることで、紙紋が一致する紙をもっている人のみ復号処理が行える方法を提供できる。よって、符号画像に含まれる情報を複写動作でほかの紙に複写されたとしても、符号画像から復号処理が行えない事で、セキュリティを向上させることが可能となる。
【0118】
すなわち、本実施形態では、ユーザが符号化したい第1の符号画像と共に、上述の第3情報を含む照合情報を符号化した第2の符号画像を記録媒体に形成する。この第3情報は、上述のように、紙指紋の照合の結果、一致と判断する場合に、第1の符号化データから電子データを復元(復号)することを指示するための情報である。よって、画像形成装置10等の画像処理装置にて復号処理を行う場合、上記指示が無条件で復号処理を行わせる情報である場合、または第3情報が添付されていない場合は、第1の符号化データの復号を無条件で行う。また、上記指示が条件付で復号処理を行わせる情報である場合、上述のように紙紋の照合処理を行い、一致と判断された場合にのみ復号処理を行う。
【0119】
本実施形態では、上記第3情報については、ユーザの意思を反映して設定することができるので、第3情報を添付することによって、ユーザの所望に応じて復号に関する処理を行うことができる。すなわち、符号画像を生成する際に、ユーザが高いセキュリティを望まない場合は、第3情報を無条件で復号処理を行わせる指示にすることにより、読み取る画像がオリジナルか複写かによらず、復号処理を行うことができる。また、符号画像を生成する際に、ユーザが高いセキュリティを望む場合は、第3情報を、条件を満たした場合にのみ復号処理を行わせる指示にすることにより、オリジナル原稿等、ユーザが意図した原稿のみ復号処理を行うことができる。
【0120】
このように、紙指紋の照合処理を行わせることに関する第3情報を、第1の符号画像と共に紙等の記録媒体に印刷しておくことにより、符号化データから電子データへの復号処理の際に、適切な紙指紋が読み取られた原稿に限り、復号処理を行うことができる。また、第3情報に基づいて画像処理装置が復号に関する処理を決定するので、第3情報に含めたユーザ所望の処理を行うことができ、ユーザの利便性も向上する。
【0121】
また、第3情報を、画像処理装置が解釈できる命令とすることで、複雑な処理であっても、デジタル複写機、デジタル復号機、またはPC等のコンピュータ等の画像処理装置が処理を行うことができる。
【0122】
さて、被照合用紙指紋情報を紙等の記録媒体に印刷する形態において、符号画像生成時にユーザがセキュリティの向上を望まない場合、被照合用紙指紋情報を原稿としての記録媒体に印刷しない場合がある。このように被照合用紙指紋情報を印刷せずに原稿を作成した後に、ユーザがセキュリティの向上を望む場合、上記作成された原稿に対して被照合用紙指紋情報を上書きすることになる。
【0123】
しかしながら、本実施形態では、被照合用紙指紋情報を、紙等の記録媒体ではなくて、サーバやHDD304等の、予め定められた記憶手段に記憶させている。すなわち、被照合用紙指紋情報を、原稿としての記録媒体とは別の場所に保持させる。よって、符号画像生成時にはユーザがセキュリティの向上を望まなかったが、原稿作成後にセキュリティ向上を望む場合であっても、後の照合に用いられる被照合用紙指紋を原稿とは別の記憶手段に記憶させるので、上記上書きを行う必要が無くなる。このように、ユーザの要望が変化した場合であっても、上書き処理等を行わずに簡単に対応することができる。
【0124】
また、本実施形態では、第2情報に付加された被照合用紙指紋情報を記憶しておく場所に基づいて、画像処理装置が、被照合用紙指紋情報をサーバ等の記憶手段に登録する。従って、画像処理装置内部の記憶装置に記憶されている紙指紋情報のアドレス、またはネットワークで接続されたサーバ上の紙指紋情報の格納場所を特定することができる。
【0125】
また、本実施形態では、印刷された紙を特定するための固有な番号に関する第1情報、および記憶場所を特定するための第2情報を原稿に印刷するので、1つの原稿に対する被照合用紙指紋情報の登録を1回に限定することができる。すなわち、登録が終わった原稿を複写し、該複写した原稿の紙指紋情報を被照合用紙指紋情報として登録しようとする場合、複写した原稿にも第1情報および第2情報が印刷される。この第2情報から解析された場所には、第1情報に含まれる番号について登録が完了している。この場合に、被照合用指紋情報の登録を禁止することによって、被照合用紙指紋情報の書き換えを防ぐことができる。
【0126】
さらに、本実施形態では、被照合用紙指紋情報を原稿となる記録媒体とは別の記憶手段に記憶させるので、意図しない第3者が被照合用紙指紋情報を取得することを低減することができる。すなわち、被照合用紙指紋情報を符号化して記録媒体に埋め込む場合、該記録媒体を解析することによって、上記被照合用紙指紋情報を抽出される可能性がある。しかしながら、本実施形態では、サーバ、RAM、HDDなど、原稿とは別の記憶手段に格納するようにしているので、第3者は容易に被照合用紙指紋情報を取得することが困難になる。
【0127】
(第2の実施形態)
以下に説明する第2の実施形態と、第1の実施形態との違いは、復号処理に関する情報を、図15に示す新たにネットワーク上に追加されたサーバ1501に登録し、かつユーザがサーバの情報を変更できるようにした点である。
【0128】
ユーザが原稿や、ホストコンピュータからデジタル複写機、デジタル複合機にデータを入力し、入力されたデータを符号化するまでの処理について、第1の実施形態との差を図16のフローチャートを用いて説明する。
【0129】
CPU301は、S901にて原稿となる画像をスキャナで読み取らせ、S902にて画像処理を行ったのち、入力されたデータに対して最初の符号化を行う点は、第1の実施形態と同様である。次にS1601の処理において、CPU301は、サーバ1501の場所を特定するためのサーバ特定情報を取得する。
【0130】
このように本実施形態では、画像形成装置に接続された外部機器としてのサーバのサーバ特定情報をデジタル複写機、デジタル複合機、あるいはPC等のコンピュータ等の画像処理装置に登録する処理を追加したことが特徴である。
【0131】
登録処理は、操作部にCPU301が、「符号画像の処理内容を登録するサーバ情報を入力してください」というように表示を行い、ユーザに入力を求める方法などもあり、様々な方法を用いることができる。すなわち、サーバ特定情報は、ユーザが操作部を操作して、ユーザが操作可能なサーバ1501のIPアドレス、サーバ1501に対するユーザのログイン名や、パスワード等を入力することによって取得される。または、ユーザのホストコンピュータから上記IPアドレス、ログイン名、パスワードなどを入力しても良い。
なお、上記サーバ特定情報は、予め画像形成装置10に上述のようにして入力しても良いし、処理毎に毎回入力するようにしても良い。
【0132】
次いで、CPU301は、照合情報を生成し(S904)、照合情報およびS1601にて取得されたサーバ特定情報に対して符号化処理を行って第2の符号化データを作成する(S905、S906)。本実施形態では、第2の符号化データには、第1〜第3情報に加えて、サーバ特定情報が含まれる。次いで、S907において、CPU301は、第1の符号化データ、および第2の符号化データをHDD304等に記憶する。
【0133】
本実施形態に係る、符号画像を読み取り処理する説明を図17のフローチャートを用いて説明を行う。
図13のフローと異なる点は、S1701の処理において、サーバ1501から画像形成装置10が処理する内容を読み出す点である。図13と同様にしてS1301〜S1305までの処理が行われ、第3情報の内容が、条件付で復号処理を行わせるための指示である場合、S1701にて、CPU301は、サーバ1501から処理の内容を読み取る。すなわち、CPU301は、S1304にて抽出された第2の符号化データに含まれるサーバ特定情報に基づいて、サーバ1501の位置を特定し、該サーバ1501から、第3情報とは異なる、以降の復号処理の内容に関する処理内容情報を取得する。
【0134】
S1702では、CPU301は、S1701にて取得された処理内容情報を解析して、上記処理の内容が紙指紋の照合処理か否かを判断する。上記処理の内容が照合処理の場合は、S1309に進み、照合処理では無い場合には、S1703に進む。
S1703では、CPU301は、上記処理内容情報を解析して得られた処理の内容に従った処理を行う。
【0135】
本実施形態では、サーバ1501に登録される処理内容情報は、ユーザによっていつでも書き換え可能である。最初に符号画像の復号を禁止する内容であっても、後で無条件に復号を許可する、または紙紋との照合処理で一致すれば許可するなど、変更が可能となっている。
【0136】
なお、本実施形態では、第3情報の代わりに、サーバ1501にアクセスして処理内容情報を取得することを指示する第4情報を用いても良い。この場合は、S904にて第4情報が生成され、S1305にて、CPU301は、第4情報を解析して、サーバ1501にアクセスして処理内容情報を取得するか否かを判断する。すなわち、本実施形態では、S904にて生成される照合情報に、画像処理装置の制御部が解釈可能な処理内容を含めなくても良い。
【0137】
このように第4情報により、具体的な復号処理の内容を画像形成装置10が取得し、該内容に従って処理を行うので、第4情報は、第1符号化データから電子データを復元する処理に関する情報となる。
【0138】
また、本実施形態では、S1601にてサーバ特定情報を取得しているが、符号データ生成処理を行う装置と、符号情報読み取り処理を行う装置とが同じ装置であれば、サーバ特定情報を取得するステップを設けなくても良い。この場合は、予めサーバ1501の位置情報を画像処理装置(上述した同じ装置)に設定しておくことにより、1701にてCPU301は、サーバ1501の位置を特定することができる。すなわち、本実施形態では、図17に示した符号情報読み取り処理を行う画像処理装置が、サーバ1501の位置を認識することが重要であり、その認識のための方法はいずれであっても良い。
【0139】
さらに、本実施形態では、処理内容情報等、第1符号化データから電子データを復元する処理に関する情報をサーバ1501に記憶しているが、画像形成装置10内のHDD304やROM303等の記憶手段であっても良い。
【0140】
本実施形態では、紙に記録されたデジタルデータを符号化して符号画像として印刷されているものを復号する際に、符号画像内に復号を許可するか否かの指定や、より複雑な処理に関する情報をサーバ等の情報記憶手段に登録している。そして、その登録内容を変更可能としておく事によって、紙に含まれる符号画像の処理を紙に符号画像を印刷した後でも変更する事が可能である。
【0141】
またサーバに処理内容を登録しておくことでより複雑な処理も、登録するためのデータ領域が多くとれることから登録しておくことが可能となる。すなわち、紙に印刷する第2の符号化データ中に複雑なデジタル複写機やデジタル復号機の処理を全て含める必要がなく、ネットワーク上のサーバなどに実行すべき処理を記憶させておくことにより、さらに複雑な処理が可能となる。
【0142】
本実施形態では、ネットワーク上のサーバに、符号画像の処理を登録する説明を行ったが、ネットワーク上のホストコンピュータや、別デジタル複写機、複合機、また他の制御機器でも情報を登録しておくことは可能である。
【0143】
また、ネットワークを介さなくてもデジタル複写機、複合機に別の手段で接続された機器や、デジタル複写機、複合機自体でも情報の登録をしておくことは可能である。
【0144】
(第3の実施形態)
第1および第2の実施形態では、被照合用紙指紋情報をサーバ等の、原稿となる記録媒体とは異なる場所に記憶させているが、これに限定されず、原稿となる記録媒体自体に保持させても良い。すなわち、被照合用紙指紋情報を記憶するための場所を記録媒体にしても良い。
【0145】
この場合は、S904にて生成される第2情報において、被照合用紙指紋情報となる紙指紋情報を記憶しておく場所を、原稿となる記録媒体自身とすれば良い。
【0146】
本実施形態では、S1202にて取得された紙指紋情報を、被照合用紙指紋情報として符号化して、S1201にて読み込まれた原稿に印刷する。このようにして、原稿となる記録媒体に被照合用紙指紋情報が保持されることになる。
【0147】
よって、S1303において、CPU301は、S1302にて読み取った画像データから、該画像データが形成された記録媒体に印刷された被照合用紙指紋情報を取得する。
【0148】
(第4の実施形態)
第1〜第3の実施形態では、図9、12〜14、16、17に示した本発明に特徴的な処理を、画像形成装置にて行う形態を示したが、例えば、画像形成装置10にネットワークを介して接続されたPC等のコンピュータにて行うようにしても良い。
【0149】
本実施形態では、符号データ生成処理においては、S901において、PCは、画像形成装置10にて読み取られた原稿となる画像を、ネットワークを介して取得する。このようにして入力された画像データに対して、PCはS902〜S907と同様の処理を行う。
【0150】
また、紙指紋情報登録処理においては、S1201において、PCは、画像形成装置10にて読み取られた原稿の画像データを、ネットワークを介して取得する。このようにして入力された画像データに対して、PCは、S1202〜S1206と同様の処理を行う。
【0151】
また、符号情報の読み取り処理においては、PCは、S1303の前に、画像形成装置10にて取得された第1および第2の符号画像を含んだ画像データを、ネットワークを介して取得する。このようにして入力された画像データに対して、PCは、S1303〜S1310と同様の処理を行う。
【0152】
さらに、PCは、図16、17と同様の処理を上述と同様にして行うことができる。
【0153】
(本発明の他の実施形態)
本発明は、複数の機器(例えばコンピュータ、インターフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用することも、1つの機器からなる装置(複合機、プリンタ、ファクシミリ装置など)に適用することも可能である。
【0154】
前述した実施形態の機能を実現するように前述した実施形態の構成を動作させるプログラムを記憶媒体に記憶させ、該記憶媒体に記憶されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も上述の実施形態の範疇に含まれる。即ちコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も実施例の範囲に含まれる。また、前述のプログラムが記憶された記憶媒体はもちろんそのプログラム自体も上述の実施形態に含まれる。
【0155】
かかる記憶媒体としてはたとえばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD―ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。
【0156】
また前述の記憶媒体に記憶されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウエア、拡張ボードの機能と共同して、OS上で動作し前述の実施形態の動作を実行するものも前述した実施形態の範疇に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】本発明の一実施形態にかかる画像形成システムの全体構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の入出力デバイス外観図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の制御部の構成をより詳細に説明するためのブロック図である
【図4】本発明の一実施形態にかかるタイル画像データを概念的に示す図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかるスキャナ画像処理部のブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかるプリンタ画像処理部のブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかる操作部のコピー標準画面の説明図である。
【図8】本発明の一実施形態にかかる紙指紋情報取得処理のフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態にかかる符号画像生成処理のフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態にかかる符号画像印刷処理のフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態にかかる符号画像が印刷された用紙の概要図である。
【図12】本発明の一実施形態にかかる紙指紋情報登録処理のフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態にかかる符号画像を復号する処理のフローチャートである。
【図14】本発明の一実施形態にかかる紙紋照合処理のフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態にかかる画像形成システムの全体構成を示す図である。
【図16】本発明の一実施形態にかかる紙指紋情報登録処理のフローチャートである。
【図17】本発明の一実施形態にかかる符号画像を復号する処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0158】
10、20、30 画像形成装置
11、21、31 コントローラ
12、22、32 操作部
13、23 スキャナ
14、24、33 プリンタ
40 PC
50 LAN
301 CPU
302 RAM
303 ROM
304 HDD
312 スキャナ画像処理部
315 プリンタ画像処理部
340 紙指紋情報管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子データを符号化して、第1の符号化データを生成する手段と、
前記第1の符号化データから前記電子データを復号する処理に関する情報を符号化して、第2の符号化データを生成する手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記情報は、前記第1の符号化データから前記電子データへの復号処理を無条件に行わせるか、または前記復号処理を、条件を満たした場合にのみ行わせるかを指示する情報であることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第2の符号化データを生成する手段は、前記情報とは別の情報であって、前記第1の符号化データから前記電子データを復号する処理に関する第2の情報が記憶された記憶手段の場所を特定する第3の情報を符号化することを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記情報は、前記第1の符号化データから前記電子データを復号する処理に関する第4情報が記憶された記憶手段にアクセスして、前記第4情報を取得することを指示する情報であることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第2の符号化データを生成する手段は、さらに、被照合用紙指紋情報が記憶される場所を示す情報を符号化して、第2の符号化データを生成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記被照合用紙指紋情報が記憶される場所は、前記画像処理装置に接続された外部機器、または前記画像処理装置が備える記憶手段であることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項7】
記録媒体から紙指紋情報を抽出する抽出手段をさらに備え、
前記抽出された紙指紋情報を被照合用紙指紋情報として、前記画像処理装置に接続された外部機器、または前記画像処理装置が備える記憶手段に記憶することを特徴とする請求項6記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記被照合用紙指紋情報が記憶される場所は、記録媒体であることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項9】
記録媒体から紙指紋情報を抽出する抽出手段をさらに備え、
前記抽出された紙指紋情報を被照合用紙指紋情報として、記録媒体に記憶することを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
【請求項10】
記録媒体から紙指紋情報を抽出する抽出手段をさらに備え、
前記抽出された紙指紋情報を、被照合用紙指紋情報を記憶するための場所に記憶することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項11】
被照合用紙指紋情報を記憶するための場所は、前記画像処理装置に接続された外部機器、または前記画像処理装置が備える記憶手段であることを特徴とする請求項10記載の画像処理装置。
【請求項12】
被照合用紙指紋情報を記憶するための場所は、記録媒体であることを特徴とする請求項10記載の画像処理装置。
【請求項13】
記録媒体に形成された画像を読み取る画像読み取り手段をさらに備え、
前記電子データは、前記画像読み取り手段によって読み取られた画像に基づいて生成されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項14】
画像データに基づいて、記録媒体上に画像を形成する画像形成手段をさらに備え、
前記画像形成手段は、前記第1の符号化データに基づいて前記記録媒体上に第1の符号画像を形成し、前記第2の符号化データに基づいて前記記録媒体上に第2の符号画像を形成することを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項15】
電子データを符号化して生成された第1の符号化データ、および前記第1の符号化データから前記電子データを復号する処理に関する情報を符号化して生成された第2の符号化データを含む画像データから、前記電子データを復号可能な画像処理装置であって、
前記画像データに基づいて、該画像データを読み取った記録媒体の紙指紋情報を抽出する抽出手段と、
前記第2の符号化データを解析する解析手段と、
前記解析手段による解析の結果、前記抽出された紙指紋情報の照合処理が必要と判断される場合、前記抽出された紙指紋情報と、被照合用紙指紋情報との照合を行う照合手段と、
前記照合手段による照合の結果が一致の場合、前記第1の符号化データから前記電子データの復号を許可する手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項16】
前記情報は、前記第1の符号化データから前記電子データへの復号処理を無条件に行わせるか、または前記復号処理を、条件を満たした場合にのみ行わせるかを指示する情報であり、
前記指示が、前記復号処理を、条件を満たした場合にのみ行わせる指示である場合に、前記照合手段は、前記照合を行うことを特徴とする請求項15記載の画像処理装置。
【請求項17】
前記第2の符号化データには、前記情報とは別の情報であって、前記第1の符号化データから前記電子データを復号する処理に関する第2の情報が記憶された記憶手段の場所を特定する第3の情報が含まれ、
前記照合手段は、
前記第3の情報に基づいて前記記憶手段にアクセスし、該記憶手段から前記第2の情報を取得し、該第2の情報に含まれる指示に従った処理を行う手段を備えることを特徴とする請求項15または16記載の画像処理装置。
【請求項18】
前記情報は、前記第1の符号化データから前記電子データを復号する処理に関する第4情報が記憶された記憶手段にアクセスして、前記第4情報を取得することを指示する情報であり、
前記照合手段は、前記情報に基づいて、前記4情報を取得し、該第4情報に含まれる指示に従った処理を行う手段を備えることを特徴とする請求項15記載の画像処理装置。
【請求項19】
前記被照合用紙指紋情報は、前記画像処理装置に接続された外部機器、または前記画像処理装置が備える記憶手段に記憶されていることを特徴とする請求項15乃至18のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項20】
前記第2の符号化データには、さらに、前記被照合用紙指紋情報が記憶される場所として、前記画像処理装置に接続された外部機器、または前記画像処理装置が備える記憶手段を示す情報が含まれており、
前記照合手段は、該記憶手段を示す情報に基づいて、前記場所から前記被照合用紙指紋情報を取得することを特徴とする請求項19記載の画像処理装置。
【請求項21】
前記被照合用紙指紋情報は、前記画像データを読み取った記録媒体に形成されており、
前記画像データから前記被照合用紙指紋情報を取得する手段をさらに備えることを特徴とする請求項15乃至18のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項22】
前記第2の符号化データには、さらに、前記被照合用紙指紋情報が記憶される場所として、前記画像データを読み取った記録媒体を示す情報が含まれており、
前記照合手段は、該記憶手段を示す情報に基づいて、前記場所から前記被照合用紙指紋情報を取得することを特徴とする請求項21記載の画像処理装置。
【請求項23】
記録媒体に形成された画像を読み取る画像読み取り手段をさらに備え、
前記画像読み取り手段が、前記画像データを読み取った記録媒体を読み取ることによって、前記画像データが取得されることを特徴とする請求項15乃至22のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項24】
電子データを符号化して、第1の符号化データを生成する工程と、
前記第1の符号化データから前記電子データを復号する処理に関する情報を符号化して、第2の符号化データを生成する工程と
を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項25】
記録媒体から紙指紋情報を抽出する抽出工程をさらに有し、
前記抽出された紙指紋情報を、被照合用紙指紋情報を記憶するための場所に記憶することを特徴とする請求項24記載の画像処理装置の制御方法。
【請求項26】
記録媒体に形成された画像を読み取る画像読み取り工程をさらに有し、
前記電子データは、前記画像読み取り手段によって読み取られた画像に基づいて生成されることを特徴とする請求項24または25記載の画像処理装置の制御方法。
【請求項27】
画像データに基づいて、記録媒体上に画像を形成する画像形成工程をさらに有し、
前記第1の符号化データに基づいて記録媒体上に第1の符号画像を形成し、前記第2の符号化データに基づいて前記記録媒体上に第2の符号画像を形成する画像形成工程をさらに有することを特徴とする請求項24乃至26のいずれかに記載の画像処理装置の制御方法。
【請求項28】
電子データを符号化して生成された第1の符号化データ、および前記第1の符号化データから前記電子データを復号する処理に関する情報を符号化して生成された第2の符号化データを含む画像データから、前記電子データを復号可能な画像処理装置の制御方法であって、
前記画像データに基づいて、該画像データを読み取った記録媒体の紙指紋情報を抽出する抽出工程と、
前記第2の符号化データを解析する解析工程と、
前記解析工程による解析の結果、前記抽出された紙指紋情報の照合処理が必要と判断される場合、前記抽出された紙指紋情報と、被照合用紙指紋情報との照合を行う照合工程と、
前記照合工程による照合の結果が一致の場合、前記第1の符号化データから前記電子データの復号を許可する工程と
を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項29】
記録媒体に形成された画像を読み取る画像読み取り工程をさらに有し、
前記画像読み取り工程にて、前記画像データを読み取った記録媒体を読み取ることによって、前記画像データが取得されることを特徴とする請求項28記載の画像処理装置の制御方法。
【請求項30】
コンピュータを、請求項1乃至23のいずれかに記載の手段として機能させるためのプログラム。
【請求項31】
コンピュータを、請求項1乃至23のいずれかに記載の手段として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−283586(P2008−283586A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127533(P2007−127533)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】