説明

画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】原稿の再読み取りを行うことなくブランク原稿(白紙原稿)を飛ばしてプレビュー表示できる画像処理装置を提供する。
【解決手段】入力画像データが無地原稿の画像データであるか否かの判定を行うブランク原稿判定部53と、ブランク原稿判定部53での判定結果と関連付けて入力画像データを記憶する記憶装置107と、記憶装置107から入力画像データを読み出し、画像表示装置104にてプレビュー表示する際、ブランク原稿判定部53にて無地原稿の画像データであると判定された入力画像データを上記プレビュー表示の対象外とする制御部108と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力画像データのサムネイルやプレビューの表示を行う画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機や複合機などの画像形成装置にて、自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)等で原稿を読み取って、コピー、あるいは、scan to e-mail、ファイリングを行う場合、複数の原稿の中に、片面原稿と両面原稿が混在している場合がある。その場合、まず、片面原稿と両面原稿とを分け、それぞれに対して読み取り動作を行い、読み取りを行った原稿を元の順番に並べ直すという作業が必要になる。
【0003】
上記のように片面原稿と両面原稿とを分離しないで原稿を読み取りコピーを行うと、不要な無地の用紙が出力されたり、カラーの無地の用紙が混入している場合、カラートナー(あるいはインク)が無駄に消費されたりする。また、原稿のファイリングを行う場合では、ハードディスク等のメモリを無駄に使用することになる。そこで、これらの問題を解決するために、例えば、特許文献1に開示された方法が提案されている。特許文献1の方法では、白紙原稿ページスキップモードと白紙原稿ページ挿入モードとをユーザが選択できる。白紙原稿ページスキップモードが選択された場合は、白基準データとの比較を行うことにより画像データから白紙原稿を検知し、検知された画像データを破棄することで画像形成のスキップを行い、白紙原稿ページ挿入モードが選択された場合は、白紙データを挿入することにより画像形成を行う。
【特許文献1】特開平9−233321号公報(公開日:1997年9月5日)
【特許文献2】特開平9−135316号公報(公開日:1997年5月20日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、複写機や複合機などの画像形成装置には、原稿の種類や設定条件(印刷濃度、変倍処理の倍率、片面印刷あるいは両面印刷、余白サイズ等)に応じて処理された後の画像データに基づいて、印刷対象の画像を1枚ずつ、あるいは複数枚を合成してプレビュー表示するものがある。読み取られた原稿をプレビュー表示して、印刷、ファクシミリ送信、e-mail送信、ファイリング等の各処理を行う際、上記従来の技術では、白紙原稿ページスキップモードを事前に選択していないと、プレビューに反映することができない。例えば、白紙原稿ページスキップモードの選択を行わなかった場合、白紙原稿を除去してプレビュー表示させるためには、改めて原稿の読み取りを行う必要がある。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、原稿の再読み取りを行うことなくブランク原稿(白紙原稿)を飛ばしてプレビュー表示できる画像処理装置等を提供することにある。ここで、ブランク原稿(白紙原稿)とは、下地がカラーであっても白であっても画像が形成されていない原稿、つまり無地原稿を指す。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像処理装置は、上記課題を解決するために、原稿読取装置にて読み取られた原稿の画像データである入力画像データを、画像印刷ジョブ、画像送信ジョブ、画像ファイリングジョブのうちのいずれかのジョブを実行するジョブ装置に対して供給すると共に、プレビュー表示するために画像表示装置に供給する画像処理装置であって、上記入力画像データが無地原稿の画像データであるか否かを判定するブランク原稿判定部と、上記入力画像データについての上記ブランク原稿判定部での判定結果と上記入力画像データとを関連付けて記憶する記憶装置と、上記記憶装置から上記入力画像データを読み出し、上記画像表示装置にてプレビュー表示する際、上記ブランク原稿判定部にて無地原稿の画像データであると判定された入力画像データを上記プレビュー表示の対象外とするプレビュー制御部と、を備えることを特徴としている。
【0007】
上記構成によると、入力画像データが無地原稿の画像データであるか否かの判定を行い、この判定結果と関連付けて上記入力画像データを記憶する。そして、無地原稿の画像データであると判定された入力画像データは、プレビュー表示の対象外とする。つまり、プレビュー表示時には、無地原稿の画像データであるか否かの判定結果を参照して表示を行うことができる。よって、例えば予め無地原稿(ブランク原稿)を飛ばしてプレビュー表示するように設定していない場合でも、原稿の再読込みを行うことなく、記憶装置の判定結果を参照することで、無地原稿の画像データを飛ばして、無地原稿の画像データではない画像データを記憶装置から読み出してプレビュー表示することができる。よって、無地原稿(ブランク原稿)を飛ばしてプレビュー表示でき、ユーザに使い勝手のよい画像処理装置を提供することができる。
【0008】
本発明に係る画像処理装置では、上記構成に加え、上記原稿読取装置は、原稿を搬送して原稿の読み取りを行う走行読取モードを選択可能に設けられており、上記ブランク原稿判定部は、上記走行読取モードが選択された場合に、上記判定を行ってもよい。
【0009】
原稿を例えば原稿台にセットして読み取りを行う静止読取モードでは、ユーザは原稿を1枚ずつセットするため、ユーザが原稿を確認する場合もあり、ブランク原稿を読み取る確率は小さい。他方、原稿を搬送して読み取りを行う走行読取モードであると、自動的に原稿が搬送されるが、搬送する前に原稿をいちいちユーザが確認しない場合もあるので、ブランク原稿を読み取る確率は高くなる。そこで、上記構成では、原稿を搬送させて読み取りを行う走行読取モードの場合にブランク原稿の判定を行うため、無駄なく効率よく処理できる。
【0010】
本発明に係る画像処理装置では、上記構成に加え、上記ブランク原稿判定部は、上記入力画像データのエッジ画素数を算出し、無地原稿および印画紙写真原稿とそれ以外の原稿と区別する第1閾値と比較し、かつ、上記入力画像データの注目画素毎に、色成分毎の平均値の最大値と色成分毎の平均値の差のうちの最大の値である最大差とを求め、最大値と最大差とのそれぞれのヒストグラムを生成し、それぞれのヒストグラムの度数値を有意値と判定するための第2閾値よりも大きい区分数の合計値を、それぞれ最大値ヒストグラム原稿濃度幅と最大差ヒストグラム原稿濃度幅として算出し、これら算出値を無地原稿と印画紙写真原稿とを区別する第3閾値と比較し、上記エッジ画素数が第1閾値以下であり、かつ、上記最大値ヒストグラム原稿濃度幅と上記最大差ヒストグラム原稿濃度幅とが、それぞれ第3閾値よりも小さければ、上記入力画像データを、無地原稿の画像データであると判定してもよい。
【0011】
上記構成によると、入力画像データの、エッジ画素数と、最大値ヒストグラム原稿濃度幅と、最大差ヒストグラム原稿濃度幅とから、適切に、入力画像データについて無地原稿の画像データであるか否かの判定を行うことができる。
【0012】
本発明に係る画像形成装置は、上記課題を解決するために、上記何れかに記載の画像処理装置と、画像処理装置と、原稿読取装置と、プレビュー表示を行う画像表示装置と、を備えることを特徴としている。上記構成によると、原稿の再読み取りを行うことなくブランク原稿を飛ばしてプレビュー表示ができる画像形成装置を提供することができる。
【0013】
本発明に係る画像処理方法は、上記課題を解決するために、原稿読取装置にて読み取られた原稿の画像データである入力画像データを、画像印刷ジョブ、画像送信ジョブ、画像ファイリングジョブのうちのいずれかのジョブを実行するジョブ装置に対して供給すると共に、プレビュー表示するために画像表示装置に供給する画像処理方法であって、上記入力画像データが無地原稿の画像データであるか否かの判定を行うブランク原稿判定ステップと、上記入力画像データについての上記ブランク原稿判定ステップでの判定結果と上記入力画像データとを関連付けて記憶装置に記憶する記憶ステップと、上記記憶装置から上記入力画像データを読み出し、上記画像表示装置にてプレビュー表示するプレビューステップとを含み、上記プレビューステップでは、上記ブランク原稿判定ステップにて無地原稿の画像データであると判定された入力画像データを上記プレビュー表示の対象外とすることを特徴としている。
【0014】
上記方法によると、上記画像処理装置と同様の効果を奏し、原稿の再読み取りを行うことなくブランク原稿を飛ばしてプレビュー表示を行うことができる。
【0015】
また、本発明に係る画像処理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記画像処理装置における上記各部として動作させることにより上記画像処理装置をコンピュータにて実現させる画像処理プログラム、及びその画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0016】
これらの構成によれば、上記画像処理プログラムを、コンピュータに読み取り実行させることによって、上記画像処理装置と同一の作用効果を実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る画像処理装置は、以上のように、上記入力画像データが無地原稿の画像データであるか否かを判定するブランク原稿判定部と、上記入力画像データについての上記ブランク原稿判定部での判定結果と上記入力画像データとを関連付けて記憶する記憶装置と、上記記憶装置から上記入力画像データを読み出し、上記画像表示装置にてプレビュー表示する際、上記ブランク原稿判定部にて無地原稿の画像データであると判定された入力画像データを上記プレビュー表示の対象外とするプレビュー制御部と、を備えている。
【0018】
上記構成によると、入力画像データが無地原稿の画像データであるか否かの判定を行い、この判定結果と関連付けて上記入力画像データを記憶する。そして、無地原稿の画像データであると判定された入力画像データは、プレビュー表示の対象外とする。つまり、プレビュー表示時には、無地原稿の画像データであるか否かの判定結果を参照して表示を行うことができる。よって、例えば予め無地原稿(ブランク原稿)を飛ばしてプレビュー表示するように設定していない場合でも、原稿の再読込みを行うことなく、記憶装置の判定結果を参照することで、無地原稿の画像データを飛ばして、無地原稿の画像データではない画像データを記憶装置から読み出してプレビュー表示することができる。よって、無地原稿(ブランク原稿)を飛ばしてプレビュー表示でき、ユーザに使い勝手のよい画像処理装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
〔実施の形態1〕
本発明の画像形成装置の一形態について図に基づいて説明する。図1は、本実施形態の画像形成装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0020】
本実施形態の画像形成装置100は、コピアモード・プリントモード・ファクシミリ送信モード・ファクシミリ受信モード・イメージ送信モードの中からいずれかのモードが選択されると、選択されたモードを実行するデジタルカラー複合機である。
【0021】
コピアモード(複写モード)とは、画像データを読み込み(原稿を読み取って画像データを生成し)、この画像データの画像を用紙に印刷するモードを意味する。また、プリントモードとは、画像形成装置100に接続されている端末装置から送られてくる画像データの画像を用紙に印刷するモードを意味する。ファクシミリ送信モードとは、原稿を読み取って得られる画像データを電話回線によって外部装置に送信する通常のファクシミリモードと、前記画像データをメールに添付してインターネットによって送信するインターネットファクシミリモードとを意味する。ファクシミリ受信モードとは、外部装置から画像データをファクシミリにて受信し、受信した画像データの画像を用紙に印刷するモードを意味する。イメージ送信モードとは、(1)原稿を読み取って生成した画像データを電子メールに添付して指定されたアドレスへ送信するモード(scan to e-mailモード)、(2)原稿を読み取って生成した画像データをユーザにより指定されたフォルダに送信するモード(scan to ftpモード)、(3)原稿を読み取って生成した画像データを画像形成装置100に装着されたUSBメモリなどに送信するモード(scan to usbモード)を意味する。なお、本実施形態においては、画像処理の動作上から、ファクシミリ送信モードとイメージ送信モードとを上記のように分類している。
【0022】
また、コピアモード・プリントモードが選択されている場合、利用者は、白黒画像を出力する白黒モード,フルカラーの画像を出力するフルカラーモード,利用者の所望する1色のみからなる単色画像を出力するシングルカラーモード,利用者の所望する1色と黒色とからなる2色画像を出力する2色カラーモードのいずれかを選択できるようになっている。
【0023】
例えば、コピアモードまたはプリントモードにおいて、利用者がシングルカラーモードを選択した場合、上記単色画像が印刷されることになる。また、コピアモードまたはプリントモードにおいて、利用者が2色カラーモードを選択した場合、上記2色画像の画像データが印刷される。なお、シングルカラーモードまたは2色カラーモードでは、利用者は、R(赤),G(緑),B(青),C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)の中から所望の色を1つ選択することになる。
【0024】
また、本実施形態では、コピアモードにおいて、自動判別モードを設定することが可能である。この自動判別モードが設定されている場合、画像形成装置100は、複写対象がカラー原稿か白黒原稿であるかを判別する自動カラー判別処理(ACS)を行い、カラー原稿と判別される場合は上記のフルカラーモードで出力処理を行い、白黒原稿と判別される場合は上記の白黒モードで出力処理を行うようになっている。
【0025】
画像形成装置100は、図1に示されるように、画像入力装置101、画像処理装置102、画像出力装置103、画像表示装置104、受信装置105、送信装置106、記憶装置107、制御部108を有している。
【0026】
画像入力装置101は、コピアモード、ファクシミリ送信モード、イメージ送信モードにおいて、原稿を読み取り画像データを生成する画像読取手段である。より具体的に説明すると、画像入力装置101は、CCD(Charge Coupled Device)を備えたスキャナ部を有し、原稿から反射してきた光を、RGBに色分解された電気信号(アナログの画像信号)に変換し、この電気信号を画像処理装置102に入力するものである。
【0027】
なお、画像入力装置101は、上記のフルカラーモード,シングルカラーモード,2色カラーモードのいずれのモードが選択されている場合であっても、フルカラーにて原稿画像の読み取りを行う。また、画像入力装置101は、画像処理装置102において前述した自動カラー判別処理が行われる場合であってもフルカラーにて原稿画像の読み取りを行う。
【0028】
画像処理装置102は、画像データ(画像信号)に対して画像処理を施す集積回路であり、ASIC(Application specific integrated circuit)から構成されるものである。この画像処理装置102は、図1に示すように、A/D(アナログ/デジタル)変換部2、シェーディング補正部3、入力処理部4、原稿種別自動判別部5、領域分離処理部6、圧縮部7、領域分離信号圧縮部8、復号部9、領域分離信号復号部10、画質調整部11、2色化処理部12、色補正部13、黒生成/下色除去部14、空間フィルタ部15、変倍部16、出力階調補正部17、中間調生成部18の各ブロックを有している。画像処理装置102に含まれる各ブロックの処理内容については後で詳述する。
【0029】
なお、画像処理装置102は、コピアモード、ファクシミリ送信モード、イメージ送信モードにおいて、画像入力装置101から送られてきた画像データに画像処理を行い、プリントモードにおいて、端末装置から送信されてきた画像データに画像処理を行い、ファクシミリ受信モードにおいて、外部装置から受信した画像データに画像処理を行うようになっている。そして、画像処理装置102は、コピアモード、プリントモード、ファクシミリ受信モードにおいて、画像処理を施した画像データを画像出力装置103に送信し、ファクシミリ送信モードにおいて、画像処理を施した画像データを送信装置106に送信するようになっている。また、画像処理装置102は、イメージ送信モードのscan to e-mailモードにおいて、画像処理を施した画像データをメール処理部(不図示)に送信し、scan to ftpモードにおいて、画像処理を施した画像データを所定のフォルダに送信し、scan to usbモードにおいて、画像処理を施した画像データを所定のUSBメモリに送信するようになっている。
【0030】
画像出力装置(プリンタ)103は、画像処理装置102から送られてきた画像データの画像を記録媒体(例えば紙等)上に印刷(形成)するものであり、例えば、電子写真方式またはインクジェット方式を用いたカラープリンタを挙げることができる。なお、本実施形態においての「印刷」とは、プリントモードにおける印刷、コピアモードでの印刷、ファクシミリ受信モードでの印刷のいずれかを意味する。
【0031】
画像表示装置104は、画像形成装置100の操作パネル(不図示)に備えられている液晶ディスプレイであり、カラー画像の表示が可能な表示手段である。また、画像表示装置104は、タッチパネルに覆われており、画像形成装置100の入力インターフェイスとしての機能を有している。つまり、画像表示装置104には、画像形成装置100に対して各種コマンドの入力を行うためのGUI(グラフィカルユーザインターフェイス)や操作ガイドが表示される。
【0032】
また、本実施形態の画像形成装置100では、コピアモードまたはファクシミリ受信モードにおいて、印刷実行前に、印刷対象となる画像のプレビューを画像表示装置104に表示することが可能になっている。さらに、本実施形態の画像形成装置100では、ファクシミリ送信モードまたはイメージ送信モードにおける送信実行前において、送信対象となる画像のプレビューを画像表示装置104に表示することが可能になっている。
【0033】
また、コピアモードまたはイメージ送信モードにおいて、フルカラーモードが選択されている場合はフルカラー画像のプレビューが表示され、シングルカラーモードが選択されている場合は単色画像のプレビューが表示され、2色カラーモードが選択されている場合は2色画像のプレビューが表示されるようになっている。
【0034】
なお、画像表示装置104は、液晶ディスプレイに限定されるものではなく、液晶ディスプレイ以外の表示手段(例えば、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等)であってもよい。
【0035】
受信装置105は、電話回線またはインターネットに接続しており、ファクシミリ通信によって外部装置から画像データを受信する装置である。また、送信装置106は、電話回線またはインターネットに接続しており、画像入力装置101にて入力された画像データをファクシミリ通信によって外部装置へ送信する装置である。
【0036】
記憶装置107は、画像処理装置102にて扱われる画像データを一旦保存するためのハードディスクである。
【0037】
制御部108は、CPU(Central Processing Unit)あるいはDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサを含むコンピュータであり、画像形成装置100に備えられる各種ハードウェアを統括的に制御するものである。また、制御部108は、画像形成装置100に備えられる各ハードウェア間のデータ転送を制御する機能も有する。
【0038】
つぎに、コピアモード、ファクシミリ送信モード、ファクシミリ受信モード、イメージ送信モードの各モードにおいて、画像処理装置102の各ブロックにて実行される処理の内容を詳細に説明する。なお、本実施形態の画像処理装置102には、或るモードaが選択されている時は動作する一方で前記モードaとは異なるモードbが選択されている時は動作しないようなブロックが存在する(モードa、モードbは、コピアモード、ファクシミリ送信モード、ファクシミリ受信モード、イメージ送信モードのいずれかである)。また、画像処理装置102には、選択されているモードに応じて処理内容を変更するブロックも存在する。さらに、画像処理装置102には、選択されているモードが同じであっても、印刷用(送信用)の画像データの処理時は動作する一方でプレビュー用の画像データの処理時は動作しないようなブロックや、印刷用(送信用)の画像データの処理時とプレビュー用の画像データの処理時とで処理内容を変更するブロックが存在する。そこで、以下では、画像処理装置102に含まれる各ブロックにて実行される処理の内容について、モード別に説明すると共に、印刷処理時(または送信処理時)とプレビュー表示時とで分けて説明する。
【0039】
(1)コピアモード
(1−1)印刷処理時(画像印刷ジョブ時)
以下では、図1に基づいて画像処理装置102について説明するが、図1はコピアモード且つフルカラーモードにて印刷処理を行う際の画像処理装置102内の画像データの流れを示したものである事を述べておく。
【0040】
A/D(アナログ/デジタル)変換部2は、画像入力装置101から送られてきたカラー画像信号(RGBアナログ信号)をデジタルの画像データ(RGBデジタル信号)に変換するブロックである。シェーディング補正部3は、A/D変換部2から送られてきた画像データに対して、画像入力装置101の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みを取り除く処理を施すブロックである。入力処理部4は、シェーディング補正部3より送られてくるRGBの画像データのそれぞれに対してγ補正処理などの階調変換処理を施すブロックである。
【0041】
原稿種別自動判別部5は、入力処理部4にてγ補正等の処理がなされたRGBの画像データ(RGBの濃度信号)に基づき、画像入力装置101にて読み取られた原稿の種別の判定を行う。ここで、判定される原稿の種別としては、文字原稿、印刷写真原稿、文字と印刷写真とが混在した文字印刷写真原稿等がある。また、原稿種別自動判別部5は、上記画像データに基づき、読み取られた原稿がカラー原稿であるか白黒原稿であるのかの判別を行う処理である自動カラー判別処理(ACS:Auto Color Selection)やブランク原稿であるか否か(無地の原稿であるか否か)の判定処理も行うことができる。なお、原稿種別自動判別部5から出力されるRGBの画像データは、領域分離処理部6および圧縮部7に入力するようになっている。
【0042】
領域分離処理部6は、原稿種別自動判別部5から送られてくるRGBの画像データに基づき、入力画像の画素毎に、当該画素がどのような画像領域に分類されるのかを判別し、この判別結果を示す領域分離信号を生成する処理を行う。ここで、領域分離処理部6において判別される画像領域には、黒文字領域,色文字領域,網点領域等がある。なお、領域分離処理は、画素毎に画像領域の判定を行う形態ではなく、複数の画素よりなるブロック毎に画像領域の判定が行われる形態であってもよい。
【0043】
圧縮部7は、原稿種別自動判別部5から送られてくる画像データ(RGB信号)を符号化する処理を行うブロックである。なお、上記符号化は、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式に基づいて行われる。
【0044】
領域分離信号圧縮部8は、画素毎に生成された領域分離信号に対して圧縮処理を施すブロックである。なお、領域分離信号圧縮部8における圧縮処理は、例えば、可逆圧縮方法であるMMR(Modified Modified Reed)方式、MR(Modified Reed)方式に基づいて行われる。
【0045】
制御部108は、圧縮部7から出力された符号化コード(符号化された画像データ)と領域分離信号圧縮部8から出力された領域分離信号コード(圧縮された領域分離信号)とを一旦記憶装置107に保存し、ファイリングデータとして管理する。そして、制御部108は、コピー出力動作が指示された場合、記憶装置107から上記の符号化コードおよび当該符号化コードに対応する領域分離信号コードを読み出し、復号部9、領域分離信号復号部10にそれぞれ引き渡す。
【0046】
なお、制御部108は、上記符号化コードの保存アドレスまたはデータ名と、領域分離信号コードの保存アドレスとを対応付けて管理テーブルに記入する。つまり、制御部108は、当該管理テーブルを用いて、符号化コードおよび領域分離信号コードの読み出しまたは書き込みの制御を行っている。
【0047】
復号部9は、上記符号化コードに対して復号化処理を施すことによって、上記符号化コードをRGBの画像データに伸張する。また、領域分離信号復号部10は、上記領域分離信号コードに対して復号化処理を施す。復号化した領域分離信号は、黒生成/下色除去部14、空間フィルタ部15、中間調生成部18に引き渡される。そして、黒生成/下色除去部14、空間フィルタ部15、中間調生成部18においては、画像領域の種類に応じて画像処理内容の切替えが行われる。
【0048】
画質調整部11は、復号部9から送られてくるRGBの画像データについて、下地の検出を行って下地除去補正を行う。さらに、画質調整部11は、ユーザによって操作パネル(不図示)から入力される設定情報に基づいて、RGBのバランス(カラー調整、赤み青みといった全体のカラー調整)、明るさ、鮮やかさの調整を行う。
【0049】
さらに、画質調整部11は、シングルカラーモードが選択されている場合、RGBの画像データを、RGBの補色となるCMYの画像データに変換する処理を行う。ここで、シングルカラーモードにおいてのRGBの画像データからCMYの画像データへの変換処理は、下記の式1を用いることによって実行される。なお、式1における係数r1〜r3は〔表1〕に基づいて定められる。例えば、利用者がシングルカラーモードにおいて所望の色としてシアンを選択している場合、〔表1〕の「Cyan」の欄に属するr1〜r3の値が参照され、r1=1,r2=0,r3=0が選択されることになる。
【0050】
【数1】

【0051】
【表1】

【0052】
つまり、フルカラーモードの場合の画質調整部11からの出力は、図1に示されるように、RGBの画像データとなるところ、シングルカラーモードが選択されている場合の画質調整部11からの出力は、図2(a)に示されるように、CMYの画像データとなる。なお、2色カラーモードが選択されている場合の画質調整部11からの出力は、図2(b)に示されるように、RGBの画像データとなる。なお、図2(a)は、コピアモード且つシングルカラーモードにて印刷処理が行われる際の画像処理装置102の一部のブロックを示したものであり、図2(b)は、コピアモード且つ2色カラーモードにて印刷処理が行われる際の画像処理装置102の一部のブロックを示したものである。
【0053】
また、画質調整部11にて実行される鮮やかさの調整は、式1のマトリクスのr1〜r3およびa1〜a3の各値を変更した上で当該マトリクスを用いることによって実現可能である。それゆえ、上記の鮮やかさの調整と、シングルカラーモードにおける画像データの変換処理(RGBからCMYへの変換)とについては、マトリクスを共用でき、画像処理回路を共用できる。よって、本実施形態では、上記の鮮やかさの調整と、シングルカラーモードにおける画像データの変換処理とが、同じ処理部(画質調整部11)で行われるのである。
【0054】
2色化処理部12は、2色カラーモードが選択されている場合、図2(b)に示すように、画質調整部11から出力されたRGBの画像データをCMYの画像データに変換する処理を行うブロックである。なお、2色カラーモードにおいてのRGBの画像データからCMYの画像データへの変換処理は、例えば、特開2007−28336号公報に記載されている〔実施例1〕または〔実施例2〕の手法にて実現できる。
【0055】
また、2色化処理部12は、フルカラーモードが選択されている場合、図1に示されるように、画質調整部11から出力されたRGBの画像データに対して何も処理を行わず、当該画像データをそのまま色補正部13へ引き渡す(スルーする)。さらに、2色化処理部12は、シングルカラーモードが選択されている場合、図2(a)に示すように、画質調整部11から出力されたCMYの画像データに対して何も処理を行わず、当該画像データをそのまま色補正部13へ引き渡す(スルーする)。
【0056】
色補正部13は、フルカラーモードが選択されている場合、2色化処理部12から出力されるRGBの画像データをCMYの画像データに変換する色補正処理を行うと共に、当該画像データに対して色再現性を高める処理を施すブロックである。なお、上記の色補正処理は、入力値(RGB)と出力値(CMY)とを対応付けたLUT(ルックアップテーブル)を作成し、作成したLUTから出力値をルックアップすることによって実現される。
【0057】
また、色補正部13は、シングルカラーモードまたは2色カラーモードが選択されている場合、図2(a)(b)に示されるように、2色化処理部12から出力されたCMYの画像データに対して何も処理を行わず、当該画像データをそのまま黒生成/下色除去部14へ引き渡す(スルーする)。
【0058】
黒生成/下色除去部14は、フルカラーモードまたは2色カラーモードが選択されている場合、色補正部13から出力されたCMYの画像データから黒(K)の画像データを生成する黒生成を行う一方、元のCMYの画像データから黒(K)の画像データを差し引いて新たなCMYの画像データを生成する処理を行うブロックである。これにより、フルカラーモードまたは2色カラーモードが選択されている場合、図1および図2(b)に示されるように、CMYの画像データは黒生成/下色除去部14によってCMYKの4色の画像データに変換される。
【0059】
また、黒生成/下色除去部14は、シングルカラーモードが選択されている場合、図2(a)に示されるように、色補正部13から出力されたCMYの画像データに対して何も処理を行わず、当該画像データをそのまま後段の空間フィルタ部15へ引き渡す(スルーする)。
【0060】
なお、フルカラーモードまたは2色カラーモードが選択されている場合、黒生成/下色除去部14の出力、および、黒生成/下色除去部14よりも後段の各ブロックの入出力は、図1のように、CMYKの画像データとなる。しかし、シングルカラーモードが選択されている場合、黒生成/下色除去部14の出力、および、黒生成/下色除去部14よりも後段の各ブロックの入出力は、図1とは異なり、CMYの画像データとなる。
【0061】
空間フィルタ部15は、黒生成/下色除去部14より出力されるCMYKまたはCMYの画像データに対して、領域分離信号(領域識別信号)を基にデジタルフィルタによる空間フィルタ処理(強調処理、平滑化処理等)を行っている。つまり、空間フィルタ部15では、領域分離信号に基づいて、画像領域毎に異なる画像処理が実行される。
【0062】
変倍部16は、操作パネル(不図示)を介して利用者によって入力される変倍コマンド(印刷画像の倍率を示した情報)に基づいて、画像の拡大や縮小処理を行うブロックである。
【0063】
出力階調補正部17は、変倍部16から出力された画像データに対して、用紙等の記録媒体に出力するための出力γ補正処理を行うブロックである。中間調生成部18は、誤差拡散法やディザ法を用いて、画像出力装置103において画像を印刷するために必要な階調再現処理(中間調生成処理)を実行するものである。
【0064】
そして、中間調生成部18から出力されるCMYKまたはCMYの画像データは画像出力装置103に引き渡され、画像出力装置103は、当該画像データの画像を記録媒体(例えば紙等)上に印刷する。
【0065】
(1−2)プレビュー表示時
つぎに、コピアモードにて印刷対象画像のプレビューを表示する場合に画像処理装置102の各ブロックにて実行される処理の内容を図3に基づいて説明する。図3は、図1の画像形成装置100と同じ画像形成装置100を示すブロック図であり、コピアモード且つフルカラーモードにてプレビュー表示を行う際の画像データの流れを示した図である。
【0066】
なお、A/D(アナログ/デジタル)変換部2、シェーディング補正部3、入力処理部4、原稿種別自動判別部5、領域分離処理部6、圧縮部7、領域分離信号圧縮部8、復号部9、画質調整部11、2色化処理部12の処理については、印刷処理時と同じであるため、以下ではその説明を省略する。
【0067】
領域分離信号復号部10は、図3に示すように、プレビュー表示時において、復号化した領域分離信号を空間フィルタ部15および出力階調補正部17に引き渡す。
【0068】
色補正部13は、フルカラーモードにおいて、RGBの画像データを入力する。なお、RGBの画像データは、スキャナ(画像入力装置101)の色空間に適合しているデータである。そして、色補正部13は、このRGBの画像データを画像表示装置104の色空間に適合するR’G’B’の画像データへ変換する処理を行う。
【0069】
つまり、色補正部13は、スキャナの画像読取特性に適合したRGBの画像データを表示装置の表示特性に適合したR’G’B’の画像データに変換する処理を行っているのである。なお、RGBの画像データをR’G’B’の画像データに変換する処理も、入力値(RGB)と出力値(R’G’B’)とを対応付けたLUTを作成し、作成したLUTから出力値をルックアップすることによって実現される。
【0070】
そして、本実施形態では、フルカラーモードにおいて、印刷処理時のRGBの画像データからCMYKの画像データへの変換処理と、プレビュー表示時のRGBの画像データからR’G’B’ の画像データへの変換処理とについて、画像処理回路を共用している。
【0071】
ここで、図3は、図1と同様、フルカラーモードが選択されている場合の画像形成装置100を示したものであり、色補正部13は、フルカラーモードにおいて、RGBの画像データを入力するようになっている。しかし、シングルカラーモードまたは2色カラーモードでは、図4(a)(b)に示すように、色補正部13はCMYの画像データを入力するようになっている。なお、図4(a)は、コピアモード且つシングルカラーモードにてプレビュー表示処理が行われる際の画像処理装置102の一部のブロックを示したものであり、図4(b)は、コピアモード且つ2色カラーモードにてプレビュー表示処理が行われる際の画像処理装置102の一部のブロックを示したものである。
【0072】
そして、色補正部13は、シングルカラーモードまたは2色カラーモードでは、CMYの画像データをR’G’B’の画像データに変換する処理を行う。つまり、色補正部13は、印刷処理の印刷特性に適合したCMYの画像データを表示装置の表示特性に適合したR’G’B’の画像データに変換する処理を行っているのである。なお、CMYの画像データをR’G’B’の画像データに変換する処理も、入力値(CMY)と出力値(R’G’B’)とを対応付けたLUTを作成し、作成したLUTから出力値をルックアップすることによって実現される。
【0073】
黒生成/下色除去部14は、図3および図4に示すように、シングルカラーモード,2色カラーモード,フルカラーモードのいずれのモードであっても、色補正部13から出力されたR’G’B’の画像データに対して何も処理を行わず、当該画像データをそのまま後段の空間フィルタ部15へ引き渡す(スルーする)。
【0074】
空間フィルタ部15は、黒生成/下色除去部14より出力されたR’G’B’の画像データに対して、領域分離信号を基にデジタルフィルタによる空間フィルタ処理(強調処理、平滑化処理等)を行っている。つまり、空間フィルタ部15では、印刷処理時と同様、領域分離信号に基づいて、画像領域毎に異なる画像処理が実行される。
【0075】
変倍部16は、空間フィルタ部15から出力されたR’G’B’の画像データからなる画像の画素数を画像表示装置104の画素数に変換する間引き処理(画素数を減少する処理)を行う。画像形成装置100の操作パネルに備えられる画像表示装置104は、印刷を行う画像データの解像度と比較すると低解像度であり、通常、極めて小型のディスプレイである。それゆえ、プレビュー表示時においては、画像データを間引く必要がある。また、変倍部16では、画像形成装置に備えられる操作パネル(不図示)より入力される変倍コマンド(表示倍率を示す情報、例えば2〜4倍等の固定倍率)に基づいて画像の拡大や縮小処理がなされる。
【0076】
出力階調補正部17は、変倍部16から出力されてきた画像データに対して、領域分離信号を基に出力γ補正処理を行っている。より具体的に説明すると、出力階調補正部17は、領域分離信号を基に、画像領域に応じて異なるガンマ曲線を選択し、画像領域毎に出力γ補正処理の内容を異ならせている。例えば、文字以外の領域に対しては、画像表示装置104の表示特性に応じたガンマ曲線が選択され、文字領域に対しては、文字をくっきりと表示させるためのガンマ曲線が選択される。ここで、図5(a)は、画像表示装置104の表示特性に応じたガンマ曲線である。また、図5(b)の実線で示される曲線は文字をくっきりと表示させるためのガンマ曲線である。なお、図5(b)の破線は、画像表示装置104の表示特性に応じたガンマ曲線であり、文字をくっきりと表示させるためのガンマ曲線と比較するために図示したものである。
【0077】
なお、本実施形態では、出力階調補正部17は、領域分離信号に基づいてガンマ曲線の選択を行っているが、領域分離信号による選択を行わないで図5(a)のガンマ曲線のみを用いて出力階調補正を行うようにしても良い。
【0078】
そして、中間調生成部18は、出力階調補正部17から出力されたR’G’B’の画像データに対して何も処理を行わず、当該画像データをそのまま後段の画像表示装置104へ引き渡す(スルーする)。これにより、画像表示装置104は、R’G’B’の画像データに基づいて、コピー対象となる画像のプレビューを表示できる。
【0079】
なお、出力階調補正部17において実行されている出力γ補正処理は、画質調整部11にて実行されてもよい。
【0080】
(1−3)各ブロックの動作/非動作について
以上のように、フルカラーモードの印刷時では、画質調整部11〜中間調生成部18のうち、2色化処理部12は動作しないが、それ以外のブロックは全て動作することになる(図1参照)。これに対し、フルカラーモードのプレビュー表示時では、画質調整部11〜中間調生成部18のうち、2色化処理部12と黒生成/下色除去部14と中間調生成部18とは動作しないが、それ以外のブロックは全て動作することになる(図3参照)。
【0081】
また、2色カラーモードの印刷時では、画質調整部11〜中間調生成部18のうち、色補正部13は動作しないが、それ以外のブロックは全て動作することになる(図2(b)参照)。これに対し、2色カラーモードのプレビュー表示時では、画質調整部11〜中間調生成部18のうち、黒生成/下色除去部14と中間調生成部18とが動作しないが、それ以外のブロックは全て動作することになる(図4(b)参照)。
【0082】
さらに、シングルカラーモードの印刷時では、画質調整部11〜中間調生成部18のうち、2色化処理部12と色補正部13と黒生成/下色除去部14とが動作しないが、それ以外のブロックは全て動作することになる(図2(a)参照)。これに対し、シングルカラーモードのプレビュー表示時では、画質調整部11〜中間調生成部18のうち、2色化処理部12と黒生成/下色除去部14と中間調生成部18とが動作しないが、それ以外のブロックは全て動作することになる(図4(a)参照)。
【0083】
(1−4)処理手順について
つぎに、コピアモード且つフルカラーモードが選択されている場合の処理手順の一例を図6に基づいて説明する。図6は、コピアモード且つフルカラーモードが選択されている場合の画像形成装置の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【0084】
画像形成装置100は、コピアモードが選択され、スタートキーが押されると(S1にてYES)、原稿をスキャンすることによって(S2)、RGBのアナログ信号を生成する。なお、S1のスタートキーを押す前において、利用者は、プレビュー表示の要否を示す設定情報を入力することにより、画像形成装置100に対してプレビュー表示の有無を設定しているものとする。
【0085】
S2の後、画像形成装置100は、RGBのアナログ信号をRGBの画像データ(デジタルデータ)に変換し(S3)、上記画像データに対してシェーディング補正を施し(S4)、シェーディング補正後のRGBの画像データに対して入力γ補正処理を施す(S5)。S5の後、画像形成装置100は、RGBの画像データに基づいて原稿種別判定処理および領域分離処理を行い(S6)、さらに、RGBの画像データを記憶装置107に保存する(S7)。
【0086】
S7の後、画像形成装置100は、「プレビュー表示有」が設定されているか否かを判定し(S8)、「プレビュー表示有り」が設定されていない場合はS9〜S16を実行し、「プレビュー表示有」が設定されている場合はS17〜S23を実行することになる。以下では、まずS9〜S16について説明し、その後、S17〜S23について説明する。
【0087】
「プレビュー表示有」が設定されていない場合(S8においてNO)、画像形成装置100は、RGBの画像データを記憶装置107から読み出し、下地除去補正や鮮やかさの調整等の画質調整処理を行う(S9)。その後、画像形成装置100は、スキャナの特性に応じたRGBの画像データを、プリンタの特性に応じたCMYの画像データに変換し(S10)、さらに、CMYの画像データをCMYKの画像データに変換する(S11)。その後、画像形成装置100は、領域分離処理の結果を基にCMYKの画像データに対して空間フィルタ処理を行い(S12)、空間フィルタ処理後のCMYKの画像データに対して変倍処理を施す(S13)。S13の後、画像形成装置100は、CMYKの画像データに対して出力γ補正処理および階調再現処理を行い(S14,S15)、当該画像データの画像を用紙に印刷し(S16)、処理を終了する。
【0088】
S8において「プレビュー表示有」が設定されていると判定された場合(S8においてYES)、画像形成装置100は、RGBの画像データを記憶装置107から読み出し、S9の画質調整処理と同じ画質調整処理を行う(S17)。その後、画像形成装置100は、スキャナの特性に応じたRGBの画像データを、表示装置の特性に応じたR’G’B’の画像データに変換する(S18)。S18の後、画像形成装置100は、領域分離処理の結果を基にR’G’B’の画像データに対して空間フィルタ処理を行い(S19)、R’G’B’の画像データがディスプレイの解像度およびサイズに適合するものになるように当該R’G’B’の画像データに対して間引き処理を行う(S20)。S20の後、画像形成装置100は、領域分離処理の結果を基に、R’G’B’の画像データに対して出力γ補正処理を行う(S21)。S21の後、画像形成装置100は、R’G’B’の画像データに基づいてプレビュー表示を行う(S22)。そして、S22の後、プリント許可を示すコマンドが利用者から入力されると(S23にてYES)、画像形成装置100は、記憶装置107に記憶されているRGBの画像データを再度読み出し、この画像データに基づいてS9〜S16の処理を実行して印刷を行う。これに対し、S22の後、プリント取消を示すコマンドが利用者から入力されると(S23にてNO)、画像形成装置100は処理を終了する。
【0089】
(2)ファクシミリ送信モード
(2−1)送信処理時(画像送信ジョブ時)
図7は、図1の画像形成装置100と同じ画像形成装置100を示すブロック図であり、ファクシミリ送信モードにて送信処理を行う際の画像データの流れを示した図である。なお、A/D(アナログ/デジタル)変換部2、シェーディング補正部3、入力処理部4、原稿種別自動判別部5、領域分離処理部6、圧縮部7、領域分離信号圧縮部8、復号部9の処理については、コピアモードの場合と同じであるため、以下ではその説明を省略する。
【0090】
領域分離信号復号部10は、ファクシミリ送信モードでは、記憶装置107から領域分離信号コードを読み出して復号化し、復号化した領域分離信号を空間フィルタ部15へ送信する。
【0091】
画質調整部11は、復号部9から出力されたRGBの画像データをKの画像データ(グレーの濃淡を示す値)に変換する。なお、この変換は、所定のマトリクス係数や下記の式2を用いることによって行われる。
輝度値(Kの画像データの値)=0.299r+0.587g+0.114b 式2
rは赤の画像データの値(濃度値)であり、gは緑の画像データの値であり、bは青の画像データの値である。
【0092】
2色化処理部12、色補正部13、黒生成/下色除去部14は、画質調整部11から出力されたKの画像データ(信号)に対して何も処理を行わず、このKの画像データをそのまま後段の空間フィルタ部15へ引き渡す(スルーする)。
【0093】
空間フィルタ部15は、Kの画像データに対して、領域分離信号を基にデジタルフィルタによる空間フィルタ処理(強調処理,平滑化処理等)を行っている。変倍部16は、送信解像度に応じてKの画像データに対して変倍処理を行う。出力階調補正部17は、変倍部16から出力されたKの画像データに対して出力γ補正処理(用紙等の記録媒体に出力するためのγ補正)を行う。中間調生成部18は、例えば誤差拡散法によって、Kの画像データを2値化画像データに変換する。そして、2値化画像データは、不図示の回転処理部によって必要に応じて回転処理がなされ、不図示の圧縮/伸張処理部によって所定の形式で圧縮されて、不図示のメモリに格納される。
【0094】
その後、送信装置(例えば、モデム)106は、相手先との送信手続きを行い送信可能な状態を確保すると、上記メモリに格納されている2値化画像データを所定の形式で圧縮された状態で読み出し、圧縮形式の変更など必要な処理を施し、通信回線を介して当該2値化画像データを相手先に順次送信する。
【0095】
(2−2)プレビュー表示時
図8は、図1の画像形成装置100と同じ画像形成装置100を示すブロック図であり、ファクシミリ送信モードにてプレビュー表示処理を行う際の画像データの流れを示した図である。なお、ファクシミリ送信モードにおけるプレビュー表示とは、ファクシミリ送信前において当該ファクシミリ送信する画像のプレビュー表示を行う処理を意味する。
【0096】
プレビュー表示時において、A/D変換部2、シェーディング補正部3、入力処理部4、原稿種別自動判別部5、領域分離処理部6、圧縮部7、領域分離信号圧縮部8、復号部9、領域分離信号復号部10、画質調整部11、空間フィルタ部15の処理は、ファクシミリの送信処理時と同じであるため、その説明を省略する。また、2色化処理部12、色補正部13、黒生成/下色除去部14での処理は、ファクシミリの送信処理時と同じように、スルーされる。
【0097】
但し、プレビュー表示時においては、送信処理時と異なり、図8に示すように、画質調整部11から画像表示装置104に渡って各画素においてKの画像データを3つ送信するようにしている(全て同一値)。これは、フルカラー仕様である画像表示装置104が1画素に対して3つの値(画像データ)を必要とするからである。
【0098】
変倍部16は、空間フィルタ部15から出力されたKの画像データからなる画像の画素数が画像表示装置104の表示サイズの画素数に適合するように、Kの画像データに対して間引き処理を行う。また、変倍部16では、画像形成装置に備えられる操作パネル(不図示)より入力される変倍コマンド(表示倍率を示す情報、例えば2〜4倍等の固定倍率)に基づいて画像の拡大や縮小処理がなされる。
【0099】
出力階調補正部17は、変倍部16から出力されたKの画像データに対して、画像表示装置104の表示特性に応じたγ補正を行う。そして、中間調生成部18は、出力階調補正部17から出力されたKの画像データに対して何も処理を行わず、当該Kの画像データをそのまま後段の画像表示装置104へ引き渡す(スルーする)。これにより、画像表示装置104は、Kの画像データに基づいて、ファックス送信の対象となる画像のプレビューを表示できる。
【0100】
また、ファクシミリ送信モードのプレビュー表示処理時では、画質調整部11において、RGBの画像データが3つのKの画像データに変換される形態となっている。しかし、このような形態に限定されるものではなく、例えば、出力階調補正部17まではRGBの画像データをKの画像データに変換することなく画像処理を行い、出力階調補正部17から出力されたRGBの画像データをブラウザによってKの画像データに変換するような形態であってもよい。
【0101】
(2−3)各ブロックの動作/非動作について
以上のように、ファクシミリ送信モードの送信処理時では、画質調整部11〜中間調生成部18のうち、2色化処理部12、色補正部13、黒生成/下色除去部14は動作しないが、それ以外のブロックは全て動作することになる(図7参照)。これに対し、ファクシミリ送信モードのプレビュー表示時では、画質調整部11〜中間調生成部18のうち、2色化処理部12、色補正部13、黒生成/下色除去部14、中間調生成部18は動作しないが、それ以外のブロックは全て動作することになる(図8参照)。
【0102】
(2−4)処理手順
つぎに、ファクシミリ送信モードにおける処理手順の一例を説明する。画像形成装置100において「プレビュー表示有り」の設定がされていない状態で、利用者によってファックス送信コマンドが入力された場合、図7に示されるように画像データが処理され、当該画像データが外部装置へ送信されることになる。
【0103】
これに対し、画像形成装置100において「プレビュー表示有り」の設定がされている状態で、利用者によってファックス送信コマンドが入力された場合、図8に示されるように画像データが処理されることによって、当該画像データが記憶装置107に保存され、且つ、当該画像データの画像のプレビューが画像表示装置104に表示される。そして、プレビューが表示されている状態において送信許可を示すコマンドが利用者から入力されると、記憶装置107の画像データが読み出され、読み出された画像データは図7に示されるように復号部9〜中間調生成部18によって処理され、送信装置106によって外部装置に送信される。
【0104】
(3)ファクシミリ受信モード
(3−1)印刷処理時(画像印刷ジョブ時)
図9は、図1の画像形成装置100と同じ画像形成装置100を示すブロック図であり、ファクシミリ受信モードにて印刷処理を行う際の画像データの流れを示した図である。
【0105】
ファクシミリを受信する場合、受信装置105が、通信手続きを行いながら相手先から送信されてくるKの画像データ(1ビット)を受信する。そして、受信装置105にて受信されたKの画像データは、圧縮/伸張処理部(不図示)にて伸張処理が施され、回転処理部(不図示)にて必要に応じて回転処理が施され、解像度変換部(不図示)にて必要に応じて解像度変換処理が行なわれる。その後、当該画像データは、一旦、記憶装置107に保存される。
【0106】
さらに、記憶装置107に書き込まれた画像データは、制御部108によって画像処理装置102の復号部9に引き渡される。復号部9、画質調整部11、2色化処理部12、色補正部13、黒生成/下色除去部14、空間フィルタ部15、変倍部16、出力階調補正部17および中間調生成部18は、記憶装置107から送られてきた画像データに対して何も処理を行わず、当該画像データをそのまま後段の画像出力装置103へ引き渡す(スルーする)。画像出力装置103は、中間調生成部18より送られてきたKの画像データに基づいて記録媒体(例えば紙等)上に画像を形成する。なお、ファクシミリ受信モードにて印刷処理を行う場合、上記のように画像処理を行わないので、記憶装置107に格納されている画像データを直接画像出力装置103に出力するようにしても良い。
【0107】
(3−2)プレビュー表示時
図10は、図1の画像形成装置100と同じ画像形成装置100を示すブロック図であり、ファクシミリ受信モードにてプレビュー表示処理を行う際の画像データの流れを示した図である。なお、ファクシミリ受信モードにおけるプレビュー表示とは、ファクシミリにて画像データを受信した場合、当該画像データの画像を印刷する前に印刷される画像のプレビュー表示を行う処理を意味する。
【0108】
ファクシミリ受信モードにおけるプレビュー表示時においても、ファクシミリ受信モードにおける印刷処理時と同様、記憶装置107に書き込まれた画像データは、制御部108によって画像処理装置102の復号部9に引き渡される。復号部9は、記憶装置107から送られてきた画像データに対して何も処理を行わず、不図示のビット数変換処理部に当該画像データを引き渡す(スルーする)。そして、ビット数変換処理部は、復号部9から受け取った画像データのビット数を変換し(例えば1ビットから8ビットへ変換)、ビット数変換された画像データを後段の画質調整部11へ引き渡す。つまり、図示はしていないものの、図10において復号部9と画質調整部11との間にビット数変換処理部が備えられていることになる。
【0109】
画質調整部11は、図10に示すように、画素毎に、1つのKの画像データを入力すると、このKの画像データを3つ生成して出力している(全て同一値)。これは、フルカラー仕様である画像表示装置104が1画素に対して3つの値を必要とするからである。
【0110】
その後、2色化処理部12、色補正部13、黒生成/下色除去部14は、画質調整部11から送られてきたKの画像データに対して何も処理を行わず、当該画像データをそのまま後段の空間フィルタ部15へ引き渡す(スルーする)。空間フィルタ部15は、Kの画像データに対してデジタルフィルタを用いてぼかし処理等を行う。
【0111】
変倍部16は、空間フィルタ部15から出力されたKの画像データからなる画像の画素数が画像表示装置104の表示サイズの画素数に適合するように、Kの画像データに対して間引き処理を行う。また、変倍部16では、画像形成装置100に備えられる操作パネル(不図示)より入力される変倍コマンド(表示倍率を示す情報、例えば2〜4倍等の固定倍率)に基づいて画像の拡大や縮小処理がなされる。
【0112】
出力階調補正部17は、変倍部16から出力されたKの画像データに対して、画像表示装置104の表示特性に応じた出力γ補正処理を行う。そして、中間調生成部18は、出力階調補正部17から出力されたKの画像データに対して何も処理を行わず、当該画像データをそのまま後段の画像表示装置104へ引き渡す(スルーする)。これにより、画像表示装置104は、Kの画像データに基づいて、ファックス受信された画像のプレビューを表示できる。
【0113】
(3−3)各ブロックの動作/非動作について
以上のように、ファクシミリ受信モードの印刷処理時では、画質調整部11〜中間調生成部18は動作しない(図9参照)。これに対し、ファクシミリ受信モードのプレビュー表示時では、画質調整部11〜中間調生成部18のうち、2色化処理部12、色補正部13、黒生成/下色除去部14、中間調生成部18は動作しないが、それ以外のブロックは全て動作することになる(図10参照)。
【0114】
(3−4)処理手順
つぎに、ファクシミリ受信モードの処理手順の一例を説明する。画像形成装置100においてファクシミリによって画像データが受信された場合、受信された画像データは一旦記憶装置107に書き込まれる。ここで、画像データが記憶装置107に書き込まれてから画像の印刷が行われるまでにはタイムラグがあるが、このタイムラグ中に利用者から「プレビューコマンド」が入力された場合、上記画像データは図10に示されるような流れで処理され、当該画像データの画像のプレビューが画像表示装置104に表示される。また、画像の印刷が行われる際は、図9に示されるような流れで処理され、当該画像データの画像が画像出力装置103にて印刷されることになる。
【0115】
(4)イメージ送信モード
(4−1)送信処理時(画像送信ジョブ時)
イメージ送信モードの送信処理時にて画像形成装置100を動作させる場合、画像入力装置101、A/D(アナログ/デジタル)変換部2、シェーディング補正部3、入力処理部4、原稿種別自動判別部5、領域分離処理部6、圧縮部7、領域分離信号圧縮部8、復号部9の処理内容は、コピアモードの場合と同じである。なお、領域分離信号復号部10は空間フィルタ部15および出力階調補正部17に対して領域分離信号を供給している。
【0116】
そして、画質調整部11にて下色除去やカラーバランス調整が行われ、色補正部13において、一般に普及している表示装置の表示特性に適合したR”G”B”の画像データ(例えば、sRGBデータ)に変換され、空間フィルタ部15にて領域分離信号を基にデジタルフィルタによる空間フィルタ処理(強調処理,平滑化処理)が行われている。変倍部16にて画像の拡大や縮小処理が行われる。また、出力階調補正部17では、例えば、文字領域に対しては図5(b)のガンマ曲線を用いた補正が行われ、文字以外の領域に対しては図5(a)のガンマ曲線を用いた補正が行われる。なお、2色化処理部12、黒生成/下色除去部14は、入力される画像データに対して処理を行わず、この画像データをそのまま後段のブロックにスルーする。したがって、出力階調補正部17から出力されるのはR”G”B”の画像データである。
【0117】
さらに、出力階調補正部17から出力されるR”G”B”の画像データは、図示しないフォーマット変換処理部にてPDFファイル等の画像ファイルに変換される。そして、イメージ送信モードのscan to e-mailモードにおいて、当該画像ファイルは図示しないメール処理部(ジョブ装置)にて電子メールに添付され、当該電子メールがネットワークを介して相手先に送信されることになる。また、イメージ送信モードのscan to ftpモードにおいて当該画像ファイルは所定のフォルダに送信され、イメージ送信モードのscan to usbモードにおいて当該画像ファイルは所定のUSBメモリに送信される。
【0118】
(4−2)プレビュー表示時
イメージ送信モードのプレビュー表示時にて画像形成装置100を動作させる場合、画像入力装置101、A/D(アナログ/デジタル)変換部2、シェーディング補正部3、入力処理部4、原稿種別自動判別部5、領域分離処理部6、圧縮部7、領域分離信号圧縮部8、復号部9、領域分離信号復号部10、画質調整部11、2色化処理部12の処理内容は、イメージ送信モードの送信時と共通である。
【0119】
そして、イメージ送信モードのプレビュー表示時において、色補正部13は、RGBの画像データを画像表示装置104の色空間に適合するR’G’B’の画像データへ変換する処理を行う。
【0120】
その後、送信時と同様、空間フィルタ部15にて領域分離信号を基にデジタルフィルタによる空間フィルタ処理(強調処理,平滑化処理)が行われている。変倍部16にて画像表示装置104のサイズに適合するように間引き処理が行われる。また、出力階調補正部17では、例えば、文字領域に対しては図5(b)のガンマ曲線を用いた補正が行われ、文字以外の領域に対しては図5(a)のガンマ曲線を用いた補正が行われる。
【0121】
そして、出力階調補正部17から出力されるR’G’B’の画像データは画像表示装置104に供給され、画像表示装置104はR’G’B’の画像データに基づいてプレビュー表示を行う。
【0122】
(5)変形例
図1に示した画像形成装置100では、圧縮画像データ(符号化コード)と領域分離信号コードとを対応付けて記憶装置107に格納している。しかし、図11に示す画像形成装置100aのように、画像入力装置101にて画像データを読み取った後、領域分離処理および原稿種別判別処理を行う前に、読み取った画像データを符号化して一旦記憶装置107に格納しておき、記憶装置107から読み出して復号化した画像データについて原稿種別判別処理や領域分離処理を施すように構成しても良い。
【0123】
また、図1に示した画像形成装置100は、コピアモード・プリントモード・ファクシミリ送信モード・ファクシミリ受信モード・イメージ送信モード等のジョブの選択中に画像ファイリングモード(画像ファイリングジョブ)を実行可能としてもよい。この画像ファイリングモードとは、コピアモード等のジョブの選択中において、画像入力装置101にて得られた画像データまたは外部から受信した画像データに基づいて画像ファイル(JPEG、TIFFファイル等)を作成し、この画像ファイルを記憶装置107に保存するモードである。
【0124】
ここで、画像ファイリングモードのファイリング時において、画像入力装置101にて得られた画像データまたは外部から受信した画像データは画像処理装置102にて画像ファイル(JPEG、TIFFファイル等)に変換され、その後、不図示のファイリング処理部(ジョブ装置)に送られ、このファイリング処理部が上記画像ファイルを記憶装置107に保存されるようになっている。
【0125】
また、各ジョブ(コピアモード・プリントモード・ファクシミリ送信モード等)の選択中においてプレビューを行う場合、画像ファイリングモードの実行の有無に拘わらず、画像入力装置101にて得られた画像データまたは外部から受信した画像データは画像処理装置102にて処理され、その後、画像表示装置104に送られるようになっている。さらに、各ジョブの選択中においてプレビューを行う場合、画像ファイリングモードの実行の有無に拘わらず、画像処理装置102にて実行される画像処理の内容は同一である。例えば、コピアモードのプレビュー表示時、画像ファイリングモードの実行の有無に関係なく、画像処理装置102の処理内容は図3に示すものとなる。また、ファクシミリ送信モードのプレビュー表示時、画像ファイリングモードの実行の有無に関係なく、画像処理装置102の処理内容は図8に示すものとなる。
【0126】
(6)本実施形態の画像処理装置の利点について
本実施の形態の画像処理装置102は、印刷ジョブ(コピアモード、プリントモード)を行う画像出力装置(ジョブ装置,印刷装置)103に対して画像データを供給し、上記印刷ジョブの実行前に画像表示装置104にプレビューを表示させるために、上記画像データを画像表示装置104に供給するものである。
【0127】
そして、画像処理装置102は、画像出力装置103に供給される画像データに対して実行される第1画像処理と、画像表示装置104に供給される画像データに対して実行され且つ第1画像処理とは異なる第2画像処理とを、両画像処理に共通の回路領域を用いて実行する第1画像処理部を含んでいる。ここで、第1画像処理部の一例としては、コピアモード且つフルカラーモードにおける色補正部13が挙げられる。この色補正部13においては、RGBからCMYへの変換処理(第1画像処理)と、RGBからR’G’B’への変換処理(第2画像処理)とを共通の回路領域にて行っているからである。
【0128】
これにより、印刷処理等用の画像処理のみならず、印刷処理前のプレビュー用の画像処理を行う画像処理装置であっても、画像処理回路の回路規模を抑制できるという効果を奏する。
【0129】
また、本実施形態では、コピアモード且つフルカラーモードの印刷時、色補正部13は、スキャナにて読み取られ且つスキャナの特性に応じた加法混色用の画像データ(RGB)を、画像出力装置103の特性に応じた減法混色用の画像データ(CMY)に変換する処理を行っている。これに対し、コピアモード且つフルカラーモードのプレビュー時、色補正部13は、スキャナにて読み取られ且つスキャナの特性に応じた加法混色用の画像データ(RGB)を、画像表示装置104の特性に応じた加法混色用の画像データ(R’G’B’)に変換する処理を行っている。つまり、プレビュー表示時、スキャナの特性に応じた加法混色用の画像データを画像表示装置104の特性に応じた加法混色用の画像データに直接変換している。したがって、本実施形態の画像処理装置102によれば、コピアモード且つフルカラーモードのプレビュー表示時、RGBの画像データからR’G’B’の画像データへの1回の非線形変換を行っているものの、特開平9−135316号公報の構成のように複数回の非線形変換を行うことがないため、変換誤差の蓄積を抑制でき、色再現性の低下を抑制できる。なお、特開平9−135316号公報では、RGBのデータからCMYのデータへの変換、CMYのデータからCMYKのデータへの変換、CMYKのデータからCMYのデータへの変換、CMYのデータからRGBのデータへ変換の計4回の変換が行われているため、変換誤差が蓄積され、色再現性が低下してしまう。
【0130】
また、本実施形態では、コピアモード且つシングルカラーモードのプレビュー時、または、コピアモード且つ2色カラーモードのプレビュー時、上記非線形変換を行っているものの、非線形変換の回数は2回のみであるため、計4回の非線形変換を行っている特開平9−135316号公報の構成よりも色再現性の低下を抑制できる。
【0131】
さらに、本実施形態では、コピアモード且つフルカラーモードの印刷時、黒生成/下色除去部14においては、CMYの画像データをCMYKの画像データに変換する処理が行われる一方、コピアモード且つフルカラーモードのプレビュー表示時、黒生成/下色除去部14においては、R’G’B’に対して処理を施さずにそのまま出力している。これにより、CMYからCMYKに変換する処理(黒生成/下色除去処理)を行う必要がある印刷用の画像データと、黒生成/下色除去処理を行う必要の無いプレビュー用の画像データとについて、画像処理回路内での画像データの経路を共通にでき、回路構成を簡略化できる。
【0132】
なお、本実施形態の画像処理装置102においては、原稿種別自動判別部5の判別結果に基づく画像処理,領域分離処理部6の処理結果に基づく画像処理,下地除去処理を行うことが可能であり、これら処理の効果は画像表示装置104に表示されるプレビュー画像にも反映される。
【0133】
〔実施の形態2〕
本実施形態では、ブランク原稿を飛ばしてプレビュー表示を行う処理を行う。よって、ブランク原稿はプレビュー表示されない。ここで、ブランク原稿(白紙原稿)とは、下地がカラーであっても白であっても、画像が形成されていない原稿、つまり無地原稿を指す。本実施形態の画像形成装置の構成は、実施の形態1の画像形成装置100と同様の構成であり、同様の処理を行うため、同じ参照符号を用いる。
【0134】
(原稿種別自動判別部の構成)
本実施形態では画像入力装置101から読み込まれた画像データについて、カラーモードの設定(フルカラー、シングルカラー、二色カラーの選択、カラーモノクロ判定の結果)、カラー読取/白黒読取の設定(スタートボタンの選択)、白紙飛ばしモードの設定等のモードの設定(選択)に係わらず、ブランク原稿の検知を行う。ブランク原稿を検知するために、画像入力装置101にて読み取った原稿の画像データであり、画像入力装置(原稿読取装置)101から画像処理装置102に入力された画像データ(入力画像データ)について、この入力画像データが無地原稿の画像データであるか否かの判定を行う。
【0135】
ブランク原稿の判定処理は、原稿種別自動判別部5にて行う。原稿種別自動判別部5は、図12に示すように、原稿種別判定部51、カラーモノクロ判定部52、ブランク原稿判定部53を有している。
【0136】
原稿種別判定部51は、画像入力装置101にて読み取られた原稿が、例えば、文字原稿、印刷写真原稿、印画紙写真原稿、文字印刷写真原稿、文字印画紙写真原稿の何れであるのかの判別を行う。判別結果は、原稿種別判定信号として出力される。
【0137】
カラーモノクロ判定部52は、画像入力装置101にて読み取られた原稿が、カラー原稿であるのか、白黒原稿であるのかの判定を行う。判別結果は、カラーモノクロ判定信号として出力される。
【0138】
ブランク原稿判定部53は、画像入力装置101にて読み取った原稿の画像データであり、画像入力装置101から画像処理装置102に入力された画像データ(入力画像データ)が、無地原稿の画像データであるか否かの判定を行う。ここでは、画像入力装置101にて読み取られた原稿が、無地(カラーの無地も含む)の原稿、つまり、ブランク原稿であるのか否かを判定する。判別結果は、ブランク原稿判定信号として出力される。画像入力装置101にて読み取られた原稿がブランク原稿であると判定された画像データにタグ(ブランク原稿判定信号)を付ける。ブランク原稿の判定方法の例については後述する。
【0139】
よって、原稿種別自動判別部5から出力されるRGBの画像データには、原稿種別判定信号と、カラーモノクロ判定信号と、ブランク原稿判定信号が付加されている。あるいは、原稿種別判定信号の一つにブランク原稿判定信号を含め、RGB画像データに、原稿種別判定信号とカラーモノクロ判定信号を付加するようにしても良い。
【0140】
ここで、本実施形態では、画像入力装置101にて原稿を読み取る読取モードとして、静止読取モードと走行読取モードとがある。静止読取モードでは、原稿を静止させて原稿画像を読み取る。このモードでは、以下の画像入力装置101の説明欄に記載するように、原稿セットトレイに原稿がセットされていない状態(原稿セット検出センサで原稿が検知されない状態)で読み取る場合、すなわち、原稿台に原稿を置いて読み取る場合である。走行読取モードでは、原稿を搬送させながら画像を読み取る。このモードでは、以下の画像入力装置101の説明欄に記載するように、原稿セットトレイに原稿がセットされた状態(原稿セット検出センサで原稿が検知された状態、あるいは、操作パネルより両面読取モードが選択されたとき)で読み取る場合である。
【0141】
これら両方の読取モードにおいて上記ブランク原稿の検知を行ってもよいが、走行読取モードのときのみ、ブランク原稿の検知を行うようにしてもよい。これは、静止読取モードでは、ユーザは原稿を1枚ずつ原稿台にセットするため、ユーザが原稿を確認する場合もあり、ブランク原稿を読み取る確率は小さい。他方、走行読取モードであると、自動的に原稿が搬送されるが、搬送する前に原稿をいちいちユーザが確認しない場合もあるので、ブランク原稿を読み取る確率は高くなる。そこで、走行読取モードの場合に、ブランク原稿の検知を行うと、無駄なく効率よく処理できる。
【0142】
ブランク原稿の検知が行われた画像データは、記憶装置107にて記憶される。これら画像データの中で、ブランク原稿であると判定された画像データにはブランク原稿であることを示すタグが付けられて記憶装置107に記憶される。本実施形態では、制御部(プレビュー制御部)108は、記憶装置107から入力画像データを読み出し、画像表示装置104にてプレビュー表示する際、ブランク原稿判定部53にてブランク原稿の画像データであると判定された入力画像データ、つまり、ブランク原稿であることを示すタグが付いた画像データをプレビュー表示の対象外とする。
【0143】
(ブランク原稿判定)
次に、ブランク原稿の判定方法について説明する。判定方法としては、例えば、特願2007−264922に記載の以下の(1)〜(8)の方法を用いることができる。
(1)RGBの各プレーン毎(色成分毎)で注目画素を含む複数の画素よりなるブロック(例えば7×7画素)の平均値を算出し、注目画素の画素値とする。
(2)RGBの各プレーン毎(色成分毎)で、注目画素を含む複数の画素からなるブロック(例えば7×7画素)の最大濃度差を算出し、エッジ判定閾値と比較し、上記ブロックの注目画素がエッジ画素に属するかを判定する。すなわち、複数の色成分のうち、何れかの最大濃度差がエッジ判定閾値(例えば、30)以上である場合、注目画素はエッジ画素であると判定する。エッジを判定する方法は、上記最大濃度差の他に分散値を求め、分散値が閾値以上のときエッジ画素であると判定するようにしてもよい。
(3)(2)において、エッジ画素と判定された画素をカウントする。
(4)(1)で算出された注目画素の各プレーン毎(色成分毎)の平均値の比較を行い、注目画素毎に、色成分毎の平均値の最大値と最小値を算出し、最大値と最大値と最小値の差分(以下最大差と記述)のそれぞれヒストグラムを生成する。
(5)エッジ画素カウント数が第1判定閾値よりも大きければ、文字領域か網点領域が存在することになり、ブランク原稿でないと判定する。
(6)エッジ画素カウント数が第1判定閾値(例えば、5000)以下であれば、ブランク原稿あるいは印画紙写真原稿であると判定する。
(7)ブランク原稿あるいは印画紙写真原稿であると判定された場合、色成分毎の平均値の最大値と最大差のそれぞれのヒストグラムの度数値が第2判定閾値(例えば、500)よりも大きい区分数の合計値を算出し、それぞれを最大値ヒストグラム原稿濃度幅と最大差ヒストグラム原稿濃度幅とする。
(8)算出された最大値ヒストグラム原稿濃度幅と最大差ヒストグラム原稿濃度幅のそれぞれが、第3判定閾値(例えば、3)よりも小さければ、ブランク原稿であると判定する。
【0144】
上記の方法では、エッジ画素の判定を行っているが、エッジ画素の判定を行わずに、色成分毎のブロックの平均値を用いて、色成分毎の平均値の最大値と最大差を算出し、最大値と最大差のそれぞれのヒストグラムを生成して、ブランク原稿であるか否かの判定を行うようにしてもよい。この場合、最大値ヒストグラム原稿濃度幅と最大差ヒストグラム原稿濃度幅の判定以外に、最大差ヒストグラム原稿濃度幅の数(濃度区分数)を検知し、最大値ヒストグラム原稿濃度幅と最大差ヒストグラム原稿濃度幅のそれぞれが、第3判定閾値(例えば、3)よりも小さく、最大差ヒストグラム原稿濃度幅の数が1の場合、ブランク原稿であると判定すればよい。
【0145】
なお、ブランク原稿の判定方法は、上記の方法に限定されるものではなく、例えば、黒画素や白画素の画素数を計数し、これらの値を閾値処理してブランク原稿の判定を行ってよい。
【0146】
(プレビュー表示)
次に、白紙原稿を飛ばしてプレビュー表示する処理について図13のフローチャートを用いて説明する。ここでは、画像データを送信する画像送信ジョブ時の例を用いて説明する。なお、画像印刷ジョブ時、画像ファイリングジョブ時でも同様の処理が行われる。
【0147】
図13に示すように、画像入力装置(原稿読取装置)101に原稿がセットされたことを検知し(S101)、プレビュー確認選択の入力を確認すると(S102)、画像入力装置101が原稿の読み取りを開始する(S103)。なお、S101の原稿の検知は、後述する原稿セット検出センサ132にて行う。
【0148】
S102の処理が行われる際、プレビュー確認選択の入力はユーザにより行われる。ユーザは、画像形成装置100の入力インターフェイスとしての機能を有する画像表示装置104を介して入力を行う。画像送信ジョブ時(イメージ送信モード選択時)に、画像表示装置104に表示される基本画面を図14に示す。図14の基本画面において「特別機能」ボタンaを押す(選択する)と、図15に示すように現時点で選択できる特別機能が表示される。この画面にて、白紙原稿を飛ばしてプレビュー表示する白紙飛ばしモードを選択する「白紙飛ばし」ボタンbを選択し、「OK」ボタンcを押すと、図14の基本画面に戻る。この基本画面において、「プレビュー確認」ボタンdを押し、操作パネルのスタートボタン(不図示)を押圧することで、原稿の読み取りが開始される。また、白紙飛ばしモードを選択せず、操作パネルのスタートボタン(不図示)を押しても、原稿の読み取りが行われる。
【0149】
また、「白紙飛ばし」だけでなく、図19に示すように白紙原稿と裏写り原稿とを飛ばしてプレビュー表示するモードを選択するための「白紙と裏写り原稿を飛ばす」ボタンhを設定してもよい。「白紙と裏写り原稿を飛ばす」場合は、上記ブランク原稿(白紙原稿)の判定方法において、エッジ判定閾値を例えば40、エッジ画素カウント数に対する第1判定閾値を例えば7000、最大値ヒストグラム原稿濃度幅と最大差ヒストグラム原稿濃度幅に対する第3判定閾値を例えば5というように、白紙原稿のみを飛ばす場合と比較して高い値に設定される。
【0150】
読み取られた原稿の画像データは、画像処理装置102に入力され、A/D変換部2、シェーディング補正部3、入力処理部4、では、実施の形態1と同様の処理が行われる。そして、原稿種別自動判別部5では、原稿種別判定の処理(S104)、カラーモノクロ判定の処理(S105)、ブランク原稿判定の処理(S106)が行われる。なお、S104〜S106の処理の順番は限定されておらず、どの処理が先に行われても、あるいは同時に行われても構わない。また、領域分離処理部6、圧縮部7、領域分離信号圧縮部8にて、実施の形態1と同様の処理が行われ、画像データは記憶装置107に格納される(S107)。
【0151】
本実施形態では、S102にてプレビュー確認が選択されているので、記憶装置107から画像データを読み出し(S108)、実施の形態1と同様に後段の各処理が行われ、画像表示装置104にてプレビュー表示が行われる(S109)。
【0152】
S108の画像データの読み出し時に、S102にて白紙飛ばしモードが選択されていると、ブランク原稿のタグが付された画像データは読み出されない。よって、S109では、ブランク原稿のタグが付された画像データは、画像表示装置104にて表示されない。つまり、ブランク原稿を飛ばしたプレビュー表示が行われる。なお、画像表示装置104の一画面に表示しきれない場合には、複数の画面にて表示するものとする。
【0153】
S108の画像データの読み出し時に、S102にて白紙飛ばしモードが選択されていないと、ブランク原稿を含む今回の処理で読み取られた全ての画像データを読み出す。よって、S109では、ブランク原稿を含む今回の処理で読み取られた全ての画像データが画像表示装置104にて表示される。
【0154】
その後、白紙飛ばしモードの選択の入力があるか否を確認する(S110)。S110の処理が行われる際、白紙飛ばしモードを選択する入力はユーザにより行われる。ユーザは、図16に示すプレビュー画面より、「再設定」ボタンeを押すと、図17に示す再設定画面が表示される。再設定画面の「特別機能」ボタンfを押すと、図15に示す現時点で選択できる特別機能が表示される。図15の「白紙飛ばし」ボタンbを選択し、「OK」ボタンcを押すと、図17の再設定画面に戻る。この再設定画面において、「再プレビュー」ボタンg押すことで、白紙飛ばしモードが選択される。
【0155】
白紙飛ばしモードの選択の入力があると判定すると(S110にてYES)、記憶装置107から、ブランク原稿のタグが付されていない画像データを読み出し、再プレビュー表示を行う(S112)。この再プレビュー表示では、ブランク原稿のタグが付された画像データは、画像表示装置104にて表示されない。つまり、ブランク原稿を飛ばしたプレビュー表示(再プレビュー表示)が行われる。この再プレビュー表示後、あるいは、白紙飛ばしモードの選択の入力がないと判定すると(S110にてNO)、ユーザからの設定変更の入力があるか否を確認する(S113)。この設定変更は、例えば、カラー画像をモノクロ画像に変換してプレビュー表示する等の処理でもよい。
【0156】
設定変更の入力があると判断すると(S113にてYES)、S111、S112を繰り返す。ここで、S112での再プレビュー表示は、入力された設定変更に基づくものとなる。なお、上記では、S113の後、S111で画像データを再度読み出しているが、S113にて変更する設定内容によっては、S111を飛ばしてS112の再プレビュー表示のみ行っても構わない。設定変更の入力がないと判断すると(S113にてNO)、画像データを送信し(S114)、処理が終了する。
【0157】
以上のように画像処理装置102では、予め白紙飛ばしモードが選択されていない場合(予めブランク原稿を飛ばしてプレビュー表示するように設定していない場合)でも、原稿の再読込みを行うことなく、ブランク原稿の判定結果(ブランク原稿であることを示すタグ)を参照することで、ブランク原稿の画像データを飛ばして、ブランク原稿ではない原稿の画像データを記憶装置107から読み出して画像表示装置104にてプレビュー表示することができる。よって、ブランク原稿を飛ばしてプレビュー表示でき、ユーザに使い勝手のよい画像処理装置を提供することができる。
【0158】
(画像入力装置)
次に画像入力装置(原稿読取装置)101の構成について説明する。図18は、画像入力装置101の構成の一例を示す図である。図18に示すように、画像入力装置101は、下部筐体111、上部筐体112、排紙トレイ113を有している。
【0159】
図18に示すように、下部筐体111は、第1読取部114、第1コンタクトガラス115を有している。第1読取部114は、第1走査ユニット116、第2走査ユニット117、結像レンズ118、CCD(Charge Coupled Device)119、第2コンタクトガラス120を備えている。
【0160】
第1コンタクトガラス115は、静止読取モードで読み取る原稿を載置するための台である。
【0161】
第1走査ユニット116は、第1コンタクトガラス115に沿って左から右に一定速度Vで移動しながら、原稿に露光するものである。第1走査ユニット116は、光源(露光ランプ)121、原稿からの反射光を第2走査ユニット117に導く第1反射ミラー122を有している。
【0162】
第2走査ユニット117は、第1走査ユニット116に追随してV/2の速度で移動するようになっており、第1反射ミラー122からの光を結像レンズ118を介してCCD119に導く第2反射ミラー123・第3反射ミラー124を備えている。
【0163】
結像レンズ118は、第3反射ミラー124からの反射光を、CCD119上で結像させるものである。
【0164】
CCD119は、結像レンズ118からの光をアナログの電気信号に変換するものである。なお、この電気信号は、画像処理装置102によってデジタルの画像データに変換される。
【0165】
また、この第1読取部114は、第1コンタクトガラス115上に載置された原稿の読み取りに加えて、後述するように、上部筐体112の備える部材によって搬送されている原稿の画像を読み取る機能も有している。
【0166】
また、第1コンタクトガラス115上の原稿を読み取る際には、第1走査ユニット116は、図18のPos1の位置からPos2の位置の方向に、原稿サイズ検出手段(不図示)で検出された原稿サイズに応じて所定距離だけ移動する。一方、搬送されている原稿を読み取る際には、図18のPos3の位置に停止している。また、待機中には、図18中のPos1の位置とPos3の位置との中間のPos0(不図示)の位置(ホームポジション)に、停止している。
【0167】
また、第1コンタクトガラス115の端部前側には、原稿基準板(不図示)が備えられており、第1コンタクトガラス115に載置する原稿のサイズ・載置方向を示す指標が示されている。従って、ユーザは、この指標に従って、第1コンタクトガラス115に原稿を容易に載置できる。
【0168】
上部筐体112は、第2読取部125を備えている。第2読取部125は、原稿セットトレイ126に載置された原稿の画像を読み取るためのものであり、原稿搬送部127、イメージセンサ部128、原稿搬送路129、原稿排出部130を備えている。
【0169】
原稿搬送部127は、原稿セットトレイ126に載置された原稿を第2読取部125内部に取り入れ、原稿搬送路129上を搬送させるものである。
【0170】
イメージセンサ部(CIS:Contact Image Sensor)128は、原稿搬送路129を走行する原稿を読み取るためのものである。原稿排出部130は、イメージセンサ部128によって読み取られた後の原稿を、排紙トレイ113に排出するものである。
【0171】
原稿搬送部127は、給送補助ローラ131、原稿セット検出センサ132、原稿抑え板133、摩擦パッド134、給送タイミングセンサ135、給送ローラ136、整合ローラ対137を備えている。
【0172】
給送補助ローラ131および原稿抑え板133は、原稿セット検出センサ132に検知された原稿を、第2読取部125内部に引き入れるものである。摩擦パッド134、給送ローラ136、および整合ローラ対137は、給送タイミングセンサ135の検知結果に基づいて、引き込まれた原稿を1枚ずつイメージセンサ部128に導くものである。
【0173】
なお、整合ローラ対137は、その駆動軸に電磁クラッチ(図示せず)を備えており、駆動モータ(図示せず)からの駆動力の伝達を制御できるようになっており、原稿のない状態では停止している。そして、原稿の先端が給送タイミングセンサ135に接触し、このセンサから所定の信号が伝達されたときに、原稿を下流側に搬送する方向に回動するように設定されている。整合ローラ対137は、停止した状態で、摩擦パッド134及び給送ローラ136により上流側より搬送された原稿の先端が、整合ローラ対137のニップ部に付き当たり、原稿に所定の撓みを形成した後に、下流側に原稿を搬送するように回動する。この際に、整合ローラ対137のニップ部により、原稿の先端が搬送方向に直角となるように整合される。さらに、整合ローラ対137は、第2コンタクトガラス120との間で、原稿搬送路129の一部を形成している。
【0174】
原稿排出部130は、原稿排出ローラ対138および原稿排出センサ139を備えている。原稿排出ローラ対138の上側ローラは、駆動側のローラであり、上部筐体112の左側部に一体的に設けられて、上部筐体112中の駆動機構により駆動されている。原稿排出ローラ対138の上側ローラは、下部筐体111側に回転自在に設けられた原稿排出ローラ対138の下側ローラ(従動ローラ)とで、原稿搬送路129を通った原稿を、挟持搬送して、排紙トレイ113上に排出する機能を有している。
【0175】
また、原稿排出センサ139は、原稿排出ローラ対138の下流側に配置されており、原稿の排出を、原稿の読取を制御する読取制御部(不図示)に伝達するものである。
【0176】
次に、画像入力装置101における原稿の読み取り処理について説明する。画像入力装置101では、原稿を静止させて画像を読み取る静止読取モード、原稿を搬送させながら画像を読み取る走行読取モードにて、原稿の読み取りを行う。さらに、走行読み取りモードでは、原稿の片面を読み取る片面モード、両面の画像を読み取る両面モードが選択できる。これらのモード(読取モード)は、画像表示装置104の操作パネル(不図示)から設定することができるようになっている。
【0177】
例えば、原稿セットトレイ126に原稿がセットされ、原稿セット検出センサ132で原稿が検知された状態で、操作パネルでコピアモードが選択されてスタートボタンが押されると、走行読取モードで読み取るように設定されている。この走行読取モードにて読み取る際は、上記操作部にて片面あるいは両面モードが選択できるように設定されている。また、原稿セットトレイ126に原稿がセットされていない状態(原稿セット検出センサで原稿が検知されない状態)で、スタートボタンが押されると、静止読取モードで読み取りを行うよう設定されている。これらの方法にてモード設定がなされるが、設定方法はこれらに限定されない。
【0178】
静止読取モードが設定されていると、片面モードだけが選択可能となり、第1読取部114が原稿の読み取りに用いられる。このとき、第1読取部114の第1走査ユニット116は、ホームポジションに配置されている。そして、読取制御部の指示に応じて、Pos1の位置から第1コンタクトガラス115上に載置された原稿を走査しながら、第2走査ユニット117とともにPos2側に移動する。これにより、CCD119に、原稿画像に応じた反射光を受光させることが可能となる。このように、第1読取部114は、静止した原稿の下側の面(表面)に形成されている画像を読み取る。
【0179】
走行読取モードが設定されていると、片面モードと両面モードの両方が選択可能になる。走行読取モードで片面モードが選択されると、第1読取部114だけが原稿の読み取りに用いられる。このモードの指示があると、第1読取部114の第1走査ユニット116は、ホームポジションの位置からPos3の位置に移動して停止し、そのまま停止状態を保持して、走行する原稿の読み取りを行う。そして、読取制御部の指示に応じて、CCD119が、第2コンタクトガラス120を介して、原稿搬送路129を搬送される原稿の画像を下側から読み取る。すなわち、第1読取部114は、原稿の下側の面(表面)に形成されている画像を読み取ることとなる。
【0180】
走行読取モードで両面モードが選択されると、第1読取部114および第2読取部125の双方が原稿の読み取りに用いられる。このとき、第1読取部114の第1走査ユニット116は、走行読取モードの片面モード時と同様に、図18のPos3の位置に停止している。そして、読取制御部の指示に応じて、第1読取部114が、第2コンタクトガラス120を介して、原稿搬送路129を搬送される原稿の画像を下側から読み取る。また、同様に、第2読取部125のイメージセンサ部128が、搬送される原稿の上側の面(裏面)に形成されている画像を上側から読み取る。このように、画像入力装置101における両面モードでは、第1読取部114および第2読取部125が、搬送される原稿の表裏両面の画像を、上下方向から一度に読み取る。
【0181】
そして、原稿が読み取られて生成された画像データは、画像処理装置102に送られる。
【0182】
本実施形態は、コンピュータに実行させるためのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に、上記した原稿の再読み取りを行うことなくブランク原稿(白紙原稿)を飛ばしてプレビュー表示を行う画像処理方法を記録するものとすることもできる。この結果、上記画像処理方法を行うプログラムを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。
【0183】
なお、本実施の形態では、この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行われるために図示していないメモリ、例えばROMのようなものそのものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
【0184】
いずれの場合においても、格納されているプログラムコードはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であっても良いし、あるいは、いずれの場合もプログラムコードを読み出し、読み出されたプログラムコードは、マイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムコードが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0185】
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムコードを担持する媒体であっても良い。
【0186】
また、本実施の形態においては、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークからプログラムコードをダウンロードするように流動的にプログラムコードを担持する媒体であっても良い。なお、このように通信ネットワークからプログラムコードをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであっても良い。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。上記記録媒体は、デジタルカラー画像形成装置やコンピュータシステムに備えられるプログラム読み取り装置により読み取られることで上述した画像処理方法が実行される。
【0187】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上述した実施形態において開示された各技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0188】
本発明の画像処理装置は、画像データを取り扱う装置に用いることができるが、複合機、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置に特に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0189】
【図1】本実施形態の画像形成装置を示したブロック図であり、コピアモード且つフルカラーモードにて印刷処理を行う際の画像データの流れを示したブロック図である。
【図2】(a)は、コピアモード且つシングルカラーモードにて印刷処理が行われる際の画像処理装置内の一部を示したブロック図であり、(b)は、コピアモード且つ2色カラーモードにて印刷処理が行われる際の画像処理装置内の一部を示したブロック図である。
【図3】本実施形態の画像形成装置を示したブロック図であり、コピアモード且つフルカラーモードにてプレビュー表示処理を行う際の画像データの流れを示したブロック図である。
【図4】(a)は、コピアモード且つシングルカラーモードにてプレビュー表示が行われる際の画像処理装置内の一部を示したブロック図であり、(b)は、コピアモード且つ2色カラーモードにてプレビュー表示が行われる際の画像処理装置内の一部を示したブロック図である。
【図5】(a)は、画像表示装置の表示特性に応じたガンマ曲線の一例を示した図である。(b)は、文字をくっきりと表示させるためのガンマ曲線を実線で示し、画像表示装置の表示特性に応じたガンマ曲線を破線で示した図である。
【図6】コピアモード且つフルカラーモードが選択されている場合の画像形成装置の処理手順を示したフローチャートである。
【図7】本実施形態の画像形成装置を示したブロック図であり、ファクシミリ送信モードにて送信処理を行う際の画像データの流れを示した図である。
【図8】実施の一形態の画像形成装置を示したブロック図であり、ファクシミリ送信モードにてプレビュー表示処理を行う際の画像データの流れを示した図である。
【図9】実施の一形態の画像形成装置を示したブロック図であり、ファクシミリ受信モードにて印刷処理を行う際の画像データの流れを示した図である。
【図10】実施の一形態の画像形成装置を示したブロック図であり、ファクシミリ受信モードにてプレビュー表示処理を行う際の画像データの流れを示した図である。
【図11】実施の一形態の画像形成装置の変形例を示したブロック図である。
【図12】実施の他の形態の原稿種別自動判別部のブロック図である。
【図13】実施の他の形態におけるプレビュー表示の手順を示すフローチャートである。
【図14】実施の他の形態の画像表示装置の画面の例を表す図である。
【図15】実施の他の形態の画像表示装置の画面の例を表す図である。
【図16】実施の他の形態の画像表示装置の画面の例を表す図である。
【図17】実施の他の形態の画像表示装置の画面の例を表す図である。
【図18】画像入力装置の構成を示す図である。
【図19】実施の他の形態の画像表示装置の画面の例を表す図である。
【符号の説明】
【0190】
6 領域分離処理部
11 画質調整部
12 2色化処理部
13 色補正部
14 黒生成/下色除去部
15 空間フィルタ部
16 変倍部
17 出力階調補正部
18 中間調生成部
51 原稿種別判定部
52 カラーモノクロ判定部
53 ブランク原稿判定部
100 画像形成装置
101 画像入力装置
102 画像処理装置
103 画像出力装置
104 画像表示装置
105 受信装置
106 送信装置
107 記憶装置
108 制御部(プレビュー制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿読取装置にて読み取られた原稿の画像データである入力画像データを、画像印刷ジョブ、画像送信ジョブ、画像ファイリングジョブのうちのいずれかのジョブを実行するジョブ装置に対して供給すると共に、プレビュー表示するために画像表示装置に供給する画像処理装置であって、
上記入力画像データが、無地原稿の画像データであるか否かを判定するブランク原稿判定部と、
上記入力画像データについての上記ブランク原稿判定部での判定結果と上記入力画像データとを関連付けて記憶する記憶装置と、
上記記憶装置から上記入力画像データを読み出し、上記画像表示装置にてプレビュー表示する際、上記ブランク原稿判定部にて無地原稿の画像データであると判定された入力画像データを上記プレビュー表示の対象外とするプレビュー制御部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
上記原稿読取装置は、原稿を搬送して原稿の読み取りを行う走行読取モードを選択可能に設けられており、
上記ブランク原稿判定部は、上記走行読取モードが選択された場合に、上記判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
上記ブランク原稿判定部は、
上記入力画像データのエッジ画素数を算出し、無地原稿および印画紙写真原稿とそれ以外の原稿と区別する第1閾値と比較し、かつ、
上記入力画像データの注目画素毎に、色成分毎の平均値の最大値と色成分毎の平均値の差のうちの最大の値である最大差とを求め、最大値と最大差とのそれぞれのヒストグラムを生成し、それぞれのヒストグラムの度数値を有意値と判定するための第2閾値よりも大きい区分数の合計値を、それぞれ最大値ヒストグラム原稿濃度幅と最大差ヒストグラム原稿濃度幅として算出し、これら算出値を無地原稿と印画紙写真原稿とを区別する第3閾値と比較し、
上記エッジ画素数が第1閾値以下であり、かつ、上記最大値ヒストグラム原稿濃度幅と上記最大差ヒストグラム原稿濃度幅とが、それぞれ第3閾値よりも小さければ、
上記入力画像データを、無地原稿の画像データであると判定する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項に記載の画像処理装置と、原稿読取装置と、プレビュー表示を行う画像表示装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
原稿読取装置にて読み取られた原稿の画像データである入力画像データを、画像印刷ジョブ、画像送信ジョブ、画像ファイリングジョブのうちのいずれかのジョブを実行するジョブ装置に対して供給すると共に、プレビュー表示するために画像表示装置に供給する画像処理方法であって、
上記入力画像データが無地原稿の画像データであるか否かの判定を行うブランク原稿判定ステップと、
上記入力画像データについての上記ブランク原稿判定ステップでの判定結果と上記入力画像データとを関連付けて記憶装置に記憶する記憶ステップと、
上記記憶装置から上記入力画像データを読み出し、上記画像表示装置にてプレビュー表示するプレビューステップと、を含み、
上記プレビューステップでは、上記ブランク原稿判定ステップにて無地原稿の画像データであると判定された入力画像データを上記プレビュー表示の対象外とすることを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
請求項1から3の何れか1項に記載の画像処理装置を動作させるプログラムであって、コンピュータを上記画像処理装置の各部として機能させるための画像処理プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の画像処理プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−56803(P2010−56803A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−218842(P2008−218842)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】