説明

画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法及び画像処理プログラム

【課題】全体構成としてバラエティに富んだプリントを作製することができる画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法及び画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】各写真画像データに対応付けられたExifデータに含まれるGPS情報を読み出し、各GPS情報が所定距離範囲内にある写真画像データを同一のグループに分類する(ステップS101〜S103)。このようにして分類された各グループの中から一部の写真画像データのみを選択することにより、上記所定距離範囲内にある写真画像データの中から多くの写真画像データが選択されるのを防止することができる。これにより、様々な場所で撮影された写真画像データをバランスよく選択し、全体構成としてバラエティに富んだプリントを作製することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の写真画像データの中から所定の写真画像データを選択するための処理を行う画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法及び画像処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、写真プリントに関するサービスの一例として、現像済み写真フィルムの各コマ画像から読み取った写真画像データや、デジタルカメラで撮影することにより得られた写真画像データに基づいて、複数枚の写真プリントを生成し、それらをファイリング又は製本することによりアルバムを作製するようなサービスが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−178588号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなアルバムの各ページに割り当てる写真画像データを、当該サービスの利用者である顧客が1つずつ選択する場合には、その選択に時間がかかり、作業が煩雑になるといった問題がある。例えば、写真店などの店舗に設置された注文者用受付端末において上記のような作業を行う場合には、注文者用受付端末の占有時間が長くなり、顧客の回転率が悪くなるといった問題がある。また、写真画像データを選択する作業の簡略化という課題は、上記のような注文者用受付端末を用いて注文する場合だけでなく、例えばインターネット回線などを介して、顧客が自宅に設置されたパーソナルコンピュータを用いて注文する場合などにも生じる課題である。
【0005】
そこで、本願出願人は、先の出願(特願2008−232378)において、各写真画像データ(アルバム用画像データ)から抽出される要素に基づいて、各写真画像データの採点を行い、その採点結果に基づいて、アルバムの各ページに割り当てる写真画像データを自動的に選択することができる技術を提案した。
【0006】
しかしながら、上記のような技術では、例えば複数の場所へ移動して撮影した場合などに、採点結果に基づいて選択される写真画像データの大部分が、ある場所で撮影された写真画像データとなり、他の場所で撮影された写真画像データがほとんど選択されない可能性がある。このような場合には、様々な場所で撮影された写真画像データをバランスよく選択することができず、バラエティに乏しいアルバムとなってしまうおそれがある。
【0007】
上記のような問題は、アルバムを作製する場合に限らず、アルバム以外のプリントを作製する場合にも生じる場合がある。例えば、コラージュ写真のように、複数の画像データを選択して1枚の用紙にプリントするような場合にも、様々な場所で撮影した写真画像データをバランスよく選択することにより、バラエティに富んだプリントを作製することが好ましい。なお、コラージュ写真において1枚の用紙にプリントされる複数の写真画像データに基づく各画像の大きさは、各写真画像データに基づいて1枚の写真プリントとして通常プリントされるサイズ(L判サイズなど)よりも小さい。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、全体構成としてバラエティに富んだプリントを作製することができる画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法及び画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の本発明に係る画像処理装置は、複数の写真画像データの中から所定の写真画像データを選択するための処理を行う画像処理装置であって、各写真画像データに対応付けられた位置情報に基づいて、各位置情報が所定距離範囲内にある写真画像データを同一のグループに分類するグループ分類手段と、上記グループの中から一部の写真画像データのみを選択する画像データ選択手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、各位置情報が所定距離範囲内にある写真画像データを同一のグループに分類し、そのグループの中から一部の写真画像データのみを選択することにより、上記所定距離範囲内にある写真画像データの中から多くの写真画像データが選択されるのを防止することができる。これにより、様々な場所で撮影された写真画像データをバランスよく選択し、全体構成としてバラエティに富んだプリントを作製することができる。
【0011】
第2の本発明に係る画像処理装置は、上記位置情報が、各写真画像データに対応付けられたExifデータに含まれるGPS情報であることを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、各写真画像データに対応付けられたExifデータに含まれるGPS情報を用いて、各GPS情報が所定距離範囲内にある写真画像データを同一のグループに容易に分類することができる。
【0013】
第3の本発明に係る画像処理装置は、上記複数の写真画像データの判定を行う画像判定手段を備え、上記画像データ選択手段が、上記画像判定手段による判定結果に基づいて、上記グループの中から一部の写真画像データのみを選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【0014】
このような構成によれば、複数の写真画像データの判定を行い、その判定結果に基づいて上記グループの中から選択した一部の写真画像データを用いて、バラエティに富んだアルバムやコラージュ写真などを作製することができる。
【0015】
第4の本発明に係る画像形成装置は、複数の写真画像データの中から所定の写真画像データを選択して写真プリントを生成する画像形成装置であって、各写真画像データに対応付けられた位置情報に基づいて、各位置情報が所定距離範囲内にある写真画像データを同一のグループに分類するグループ分類手段と、上記グループの中から一部の写真画像データのみを選択する画像データ選択手段と、上記画像データ選択手段により選択された写真画像データに基づいて写真プリントを生成する画像形成手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
このような構成によれば、上記画像処理装置と同様の効果を奏する画像形成装置を提供することができる。
【0017】
第5の本発明に係る画像処理方法は、複数の写真画像データの中から所定の写真画像データを選択するための処理を行う画像処理方法であって、各写真画像データに対応付けられた位置情報に基づいて、各位置情報が所定距離範囲内にある写真画像データを同一のグループに分類するグループ分類ステップと、上記グループの中から一部の写真画像データのみを選択する画像データ選択ステップとを備えたことを特徴とする。
【0018】
このような構成によれば、上記画像処理装置と同様の効果を奏する画像処理方法を提供することができる。
【0019】
第6の本発明に係る画像処理プログラムは、複数の写真画像データの中から所定の写真画像データを選択するための処理をコンピュータに行わせる画像処理プログラムであって、上記コンピュータを、各写真画像データに対応付けられた位置情報に基づいて、各位置情報が所定距離範囲内にある写真画像データを同一のグループに分類するグループ分類手段と、上記グループの中から一部の写真画像データのみを選択する画像データ選択手段として機能させることを特徴とする。
【0020】
このような構成によれば、上記画像処理装置と同様の効果を奏する画像処理プログラムを提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、各位置情報が所定距離範囲内にある写真画像データの中から多くの写真画像データが選択されるのを防止することができるので、様々な場所で撮影された写真画像データをバランスよく選択し、全体構成としてバラエティに富んだプリントを作製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置3の一構成例を示した概略断面図である。この画像形成装置3は、例えばインクジェットプリンタからなり、画像データに基づく画像を用紙Pの片面又は両面にプリントすることができる。なお、画像形成装置3は、インクジェットプリンタに限定されず、熱転写式プリンタ、レーザープリンタ、銀塩式プリンタでも構成できる。
【0023】
当該画像形成装置3によるプリント処理は以下の流れである。用紙ストック部30に枚葉の用紙P(インクジェット用紙)がストックされ、用紙送り機構によって用紙Pが1枚ずつ下流側に搬送される構成である。搬送された用紙Pは、画像形成部37の吸引部32によって吸引されて一次保持される。画像形成部37は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のそれぞれのプリントヘッド31を備えている。間欠搬送される用紙Pに対し、プリントヘッド31が主走査方向に一走査し、この走査時に、各色のインク吐出ノズルからインクが吐出し、用紙Pの表面に付着させる。この間欠搬送、主走査動作およびインク吐出動作を繰り返すことで、用紙Pのプリント領域に画像が形成される。
【0024】
次いで、画像形成された用紙Pは、切断部33に搬送される。片面プリントの場合に、切断部33(例えば、回転刃)は、用紙幅方向に移動することで、用紙P中の不必要部分を切断する。なお、両面プリントの場合は、両面プリント終了後に切断処理を実行してもよい。次いで、片面プリントの場合、用紙Pの裏面に、裏印字手段(図示せず)によって識別番号、コマ番号、日付等の情報がプリントされる。なおこの裏印字処理は任意の処理である。次いで、搬送下流側の乾燥手段34によって、用紙Pの画像形成面を乾燥させる。乾燥処理された用紙Pは、上側に搬送される過程で表裏反転され、排出部36に排出される。両面プリントする場合には、用紙Pの後端がリバース機構35で挟持され、当該リバース機構35が用紙Pを後端から画像形成部37の上流側に搬送するように変位する。画像形成部37では裏面にプリント処理をし、次いで必要に応じて切断処理し、次いで乾燥処理し、排出部36に両面プリントされた用紙P2が排出される。
【0025】
当該画像形成装置3では、被写体を撮影することにより得られた画像データ(以下、「写真画像データ」と呼ぶ。)に基づいて用紙に画像をプリントすることにより、写真プリントを得ることができる。このような画像形成装置3を用いて、1枚の用紙に多数の写真画像データをプリントすれば、いわゆるコラージュ写真を作製することができる。また、複数ページに割り当てられた複数の写真画像データをページごとにプリントし、それらの複数枚の写真プリントをファイリング又は製本すれば、複数ページからなるアルバムを作製することができる。
【0026】
本実施形態では、用紙Pの両面にプリント可能であるため、画像が両面に形成された写真プリントを生成し、それらをファイリング又は製本すれば、見開き状態のページ(見開きページ)に画像が配置されたアルバムを作製することができる。このような見開きページに画像が配置されたアルバムでは、より多くの画像を同時に閲覧することができる。ただし、上記のような両面プリント可能な画像形成装置3に限らず、片面プリントのみ可能な画像形成装置にも本発明を適用することができる。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置1の一構成例を示したブロック図である。この画像処理装置1は、上記画像形成装置3に備えられ、複数の写真画像データの中から所定の写真画像データを選択するための処理を行う。当該画像処理装置1は、例えばCPU(Central Processing Unit)からなる制御部を備えており、当該制御部がコンピュータプログラムを実行することにより、各種機能ブロックとして機能するようになっている。具体的には、上記制御部が、グループ分類部11、画像判定部17、画像データ選択部18及び画像データ配置部20などとして機能するようになっている。
【0028】
また、画像処理装置1は、メモリを備えており、当該メモリの記憶領域に各種記憶部が割り当てられている。具体的には、上記メモリに、画像データ記憶部21、グループデータ記憶部22及び代表画像データ記憶部24などが割り当てられている。ただし、上記各記憶部は、別々のメモリにより構成されるものであってもよい。また、上記各記憶部は、画像処理装置1に内蔵されたような構成に限らず、外部メモリにより構成されていてもよい。
【0029】
画像データ記憶部21には、複数の写真画像データを記憶することができる。当該画像データ記憶部21には、スキャナ装置により読み取った写真画像データ、店舗などに設置された注文者用受付端末に入力された写真画像データ、ユーザ端末からインターネットを介してネット受付端末により受信した写真画像データなどを記憶することができる。この画像データ記憶部21に記憶される写真画像データとしては、現像済み写真フィルムの各コマ画像から読み取った写真画像データや、デジタルカメラで撮影することにより得られた写真画像データなどが挙げられる。
【0030】
各写真画像データには、いわゆるExifデータが対応付けて記憶されている。当該Exifデータには、例えば各写真画像データの撮影日時、各写真画像データの撮影時に取得された位置情報の一例であるGPS(Global Positioning System)情報、各写真画像データに対する編集日時、各写真画像データに対する縮小処理により得られるサムネイル画像データなどが含まれる。上記撮影日時は時間情報の一例であり、時間を表す情報であれば、撮影時にカメラの機能によって自動的に付与されるものであってもよいし、ユーザの操作によって付与されるものであってもよい。
【0031】
グループ分類部11は、画像データ記憶部21に記憶されている複数の写真画像データを、各写真画像データに対応付けられたGPS情報に基づいて分類するグループ分類手段であり、GPS情報が所定距離範囲内にある写真画像データを同一のグループに分類する。この分類は、例えば画像データ記憶部21に記憶されている各写真画像データに対応付けられているGPS情報を順次に基準とし、当該GPS情報に対して上記所定距離範囲内あるGPS情報が対応付けられた写真画像データを同一のグループに分類することにより行われる。このとき、各写真画像データに対応付けられたGPS情報により特定される緯度経度情報に基づいて、各写真画像データの撮影場所間の距離を算出することができる。グループ分類部11により分類された写真画像データの情報は、グループデータとしてグループデータ記憶部22に記憶される。
【0032】
ただし、各写真画像データに対応付けられた上記位置情報は、GPS情報に限らず、各写真画像データの撮影場所を特定することができるような他の情報であってもよい。また、各写真画像データの撮影場所間の距離を算出するような構成に限らず、例えばGPS情報などの位置情報に基づいて撮影場所の地名(都道府県名や市町村名など)を特定し、その地名が一致する場合には当該位置情報が所定距離範囲内にあると判断して、対応する写真画像データを同一のグループに分類するような構成であってもよい。
【0033】
画像判定部17は、画像データ記憶部21に記憶されている各写真画像データの判定を行う画像判定手段である。上記判定は、コラージュ写真又はアルバムの各ページに割り当てる写真画像データとしてより好適な写真画像データを判定するものであり、以下では「ベストショット判定」と呼ぶこととする。本実施形態では、各写真画像データから抽出される要素に基づいてベストショット判定が行われ、その判定結果に基づいて、画像データ選択部18により各グループから所定数の写真画像データが選択されるようになっている。
【0034】
すなわち、画像データ選択部18は、画像判定部17による判定結果に基づいて、各グループから所定数の写真画像データを選択する画像データ選択手段を構成している。当該画像データ選択部18は、ベストショット判定の結果に応じて、いずれかのグループにおける全ての写真画像データを選択する場合もあれば、いずれかのグループの中から一部の写真画像データのみを選択する場合もある。ただし、各グループから選択される写真画像データの数を予め設定できるような構成であってもよい。
【0035】
画像データ選択部18は、写真画像データから抽出される要素に基づいて、所定の条件を満たすと判断された写真画像データのみを選択するようになっている。画像データ選択部18により各グループから選択された写真画像データは、各グループの代表画像データとして代表画像データ記憶部24に記憶される。ただし、本実施形態のように写真画像データから抽出される要素に基づいて写真画像データを選択するような構成に限らず、各写真画像データのExifデータに含まれるサムネイル画像データから抽出される要素に基づいて写真画像データを選択するような構成を採用することも可能である。
【0036】
写真画像データから抽出される要素としては、写真画像データに含まれる人物画像から抽出される要素を挙げることができるが、このような要素に限らず、例えば背景画像から抽出される要素など、他の各種要素を抽出することができる。上記人物画像から抽出される要素には、例えば、撮影された人物の顔の大きさに関する要素、撮影された人物の数に関する要素、撮影された人物の笑顔度に関する要素、撮影された人物の年齢に関する要素、撮影された人物の目の開閉に関する要素、撮影された人物の顔の露出に関する要素、撮影された人物に対するピントに関する要素、及び、撮影された人物の画像データ上での構図に関する要素などが含まれる。ただし、上記要素をいずれも抽出するような構成に限らず、上記要素のうち少なくとも1つの要素を抽出するような構成であってもよいし、他の要素を抽出するような構成であってもよい。
【0037】
上記要素のうち、撮影された人物の顔の大きさに関する要素、及び、撮影された人物の数に関する要素は、写真画像データと比べて解像度が低いサムネイル画像データであっても、比較的精度よく抽出可能な要素である。したがって、サムネイル画像データから抽出される要素に基づいて写真画像データを選択するような構成の場合には、当該2つの要素のみを抽出するような構成であってもよい。
【0038】
代表画像データとして代表画像データ記憶部24に記憶されている複数の写真画像データは、画像データ配置部20により読み出される。そして、コラージュ写真を作製する場合には、画像データ配置部20により各写真画像データが1枚の用紙に割り当てられ、アルバムを作製する場合には、画像データ配置部20により各写真画像データがアルバムの各ページに割り当てられる。このようにして割り当てられた複数の代表画像データは、画像形成部37において用紙にプリントされる。
【0039】
上記画像データ配置部20による写真画像データの割り当て態様としては、種々の態様を採用することができるが、例えば時系列に従って割り当てるような構成であってもよい。また、画像判定部17によるベストショット判定時に、各写真画像データに対応付けられた写真画像データから抽出される要素に基づいて、各写真画像データにポイントを付与し、そのポイントに応じた順序で割り当てるような構成であってもよい。この場合、例えばポイントが高い順又は低い順に各写真画像データを割り当てるような構成であってもよいし、ポイントが高い順又は低い順に一旦配列した各写真画像データをシャッフルして割り当てるような構成であってもよい。
【0040】
本実施形態では、画像処理装置1が、コラージュ写真を作製するための処理を行うコラージュ処理部、及び、アルバムを作製するための処理を行うアルバム処理部として機能する場合について説明するが、このような構成に限らず、画像処理装置1がコラージュ処理部又はアルバム処理部のいずれか一方として機能するような構成であってもよい。
【0041】
図3は、グループ分類部11により写真画像データを分類する際の処理の一例を示したフローチャートである。画像データ記憶部21に記憶されている複数の写真画像データを分類する際には、各写真画像データに対応付けられたExifデータに含まれるGPS情報が順次に読み出される(ステップS101)。そして、各写真画像データに対応付けられているGPS情報を順次に基準とし、当該GPS情報に対して所定距離範囲内あるGPS情報が対応付けられた他の写真画像データがあるか否かを判定する(ステップS102)。
【0042】
上記判定の結果、基準となるGPS情報に対して上記所定距離範囲内あるGPS情報が対応付けられた写真画像データがある場合には(ステップS102でYes)、その写真画像データが上記基準とされた写真画像データと同一のグループに分類される(ステップS103)。このような処理が全ての写真画像データについて実行されることにより(ステップS104でYes)、画像データ記憶部21に記憶されている複数の写真画像データが複数のグループに分類される。
【0043】
図4は、画像データ選択部18により各グループの代表画像データを選択する際の処理の一例を示したフローチャートである。各グループの代表画像データを選択する際には、以下に説明するような処理がグループごとに実行される。
【0044】
まず、各写真画像データに含まれる人物画像から顔画像を抽出することにより、当該顔画像を構成している各器官に基づいて各種情報を検出する処理が行われる(ステップS201)。具体的には、顔の向き、性別、年代、笑顔度及び視線などを推定したり、目や口などの各器官の開閉を検出したりする処理が行われる。これらの処理を実行するためのアルゴリズムは周知であるため、詳細な説明は省略することとする。
【0045】
その後、必要に応じて顔器官検出(ステップS201)の結果を利用することにより、写真画像データから抽出される各要素について採点する処理が行われる(ステップS202〜S209)。このような処理が各グループに含まれる全ての写真画像データに対して行われた後(ステップS210でYes)、得点の高い上位所定数(1つ又は複数)の写真画像データが、そのグループを代表する写真画像データとして決定されるようになっている(ステップS211)。ただし、上記のように得点の高い上位所定数の写真画像データが代表画像データとして選択されるような構成に限らず、例えば上記採点結果に基づいて、所定の基準点よりも高い写真画像データが代表画像データとして選択されるような構成であってもよい。
【0046】
顔の大きさ採点(ステップS202)は、撮影された人物の顔の大きさに関する要素について採点する処理であり、例えば写真画像データ全体に対する顔画像が占める割合を数値化することにより行われる。写真画像データ中に複数の人物の顔画像が含まれている場合には、それらの顔画像のうち最も大きい顔画像に基づいて、写真画像データ全体に対する当該顔画像が占める割合を数値化することにより採点が行われるようになっていてもよい。
【0047】
人数採点(ステップS203)は、撮影された人物の数に関する要素について採点する処理であり、例えば写真画像データに含まれる顔画像の数を計数することにより行われる。なお、顔画像の大きさが所定サイズ以下である場合には人数として計数しないような構成や、顔画像の大きさに応じて加点又は減点するような構成を採用してもよい。
【0048】
笑顔度採点(ステップS204)は、撮影された人物の笑顔度に関する要素について採点する処理であり、例えば口の開閉度などに基づいて測定される笑顔度に応じて加点又は減点する処理が行われる。なお、顔画像の大きさが所定サイズ以下である場合や、顔画像の角度が正面に対して所定角度以上傾いている場合などには、減点する又は採点しないような構成を採用してもよい。また、写真画像データに含まれる顔画像の数に応じて加点又は減点するような構成を採用することも可能である。
【0049】
年代採点(ステップS205)は、撮影された人物の年齢に関する要素について採点する処理であり、例えば所定の年代の顔画像が検出された場合に加点又は減点する処理が行われる。なお、顔画像の大きさに応じて加点又は減点するような構成や、顔画像の角度が正面に対して所定角度以上傾いている場合には減点する又は採点しないような構成を採用してもよい。
【0050】
目開閉採点(ステップS206)は、撮影された人物の目の開閉に関する要素について採点する処理であり、例えば写真画像データに含まれる顔画像における目の開閉度に応じて加点又は減点する処理が行われる。なお、顔画像の大きさが所定サイズ以下である場合や、顔画像の角度が正面に対して所定角度以上傾いている場合などには、減点する又は採点しないような構成を採用してもよい。また、写真画像データ中に複数の人物の顔画像が含まれている場合には、それらの顔画像における目の開閉度を平均化して採点するようになっていてもよい。
【0051】
顔露出採点(ステップS207)は、撮影された人物の顔の露出に関する要素について採点する処理であり、例えば写真画像データに含まれる顔画像における顔全体に対する露出部分(撮影されている部分)の度合に応じて加点又は減点する処理が行われる。写真画像データ中に複数の人物の顔画像が含まれている場合には、それらの顔画像の露出度を平均化して採点するようになっていてもよい。
【0052】
ピント採点(ステップS208)は、撮影された人物に対するピントに関する要素について採点する処理であり、例えば写真画像データに含まれる顔画像に対するピントの合致度に応じて加点又は減点する処理が行われる。ただし、写真画像データにおける顔画像に対するピントに限らず、人物画像における顔以外の部分に対するピントや、背景画像などの人物画像以外の部分に対するピントの合致度に応じて加点又は減点する処理を行うような構成であってもよい。
【0053】
構図採点(ステップS209)は、撮影された人物の写真画像データ上での構図に関する要素について採点する処理であり、例えば写真画像データに含まれる人物画像の当該写真画像データにおける位置に応じて加点又は減点する処理が行われる。例えば、写真画像データに含まれる人物画像が当該写真画像データにおける中心に近いほど配点が高くなるような構成であってもよい。なお、写真画像データに含まれる人物画像が1つであるか複数であるかによって、異なる態様で採点を行うような構成を採用することも可能である。
【0054】
本実施形態では、各GPS情報が所定距離範囲内にある写真画像データを同一のグループに分類し、そのグループの中から一部の写真画像データのみを選択することにより、上記所定距離範囲内にある写真画像データの中から多くの写真画像データが選択されるのを防止することができる。これにより、様々な場所で撮影された写真画像データをバランスよく選択し、全体構成としてバラエティに富んだプリントを作製することができる。
【0055】
特に、本実施形態では、各写真画像データに対応付けられたExifデータに含まれるGPS情報を用いて、各GPS情報が所定距離範囲内にある写真画像データを同一のグループに容易に分類することができる。
【0056】
また、本実施形態では、複数の写真画像データの判定を行い、その判定結果に基づいて上記グループの中から選択した一部の写真画像データを用いて、バラエティに富んだアルバムやコラージュ写真などを作製することができる。
【0057】
以上の実施形態では、画像処理装置1が画像形成装置3に備えられた構成について説明したが、このような構成に限らず、画像処理装置1が画像形成装置3とは別個に設けられたような構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一構成例を示した概略断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像処理装置の一構成例を示したブロック図である。
【図3】グループ分類部により写真画像データを分類する際の処理の一例を示したフローチャートである。
【図4】画像データ選択部により各グループの代表画像データを選択する際の処理の一例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
1 画像処理装置
3 画像形成装置
11 グループ分類部
17 画像判定部
18 画像データ選択部
20 画像データ配置部
21 画像データ記憶部
22 グループデータ記憶部
24 代表画像データ記憶部
37 画像形成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の写真画像データの中から所定の写真画像データを選択するための処理を行う画像処理装置であって、
各写真画像データに対応付けられた位置情報に基づいて、各位置情報が所定距離範囲内にある写真画像データを同一のグループに分類するグループ分類手段と、
上記グループの中から一部の写真画像データのみを選択する画像データ選択手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
上記位置情報が、各写真画像データに対応付けられたExifデータに含まれるGPS情報であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
上記複数の写真画像データの判定を行う画像判定手段を備え、
上記画像データ選択手段が、上記画像判定手段による判定結果に基づいて、上記グループの中から一部の写真画像データのみを選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
複数の写真画像データの中から所定の写真画像データを選択して写真プリントを生成する画像形成装置であって、
各写真画像データに対応付けられた位置情報に基づいて、各位置情報が所定距離範囲内にある写真画像データを同一のグループに分類するグループ分類手段と、
上記グループの中から一部の写真画像データのみを選択する画像データ選択手段と、
上記画像データ選択手段により選択された写真画像データに基づいて写真プリントを生成する画像形成手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
複数の写真画像データの中から所定の写真画像データを選択するための処理を行う画像処理方法であって、
各写真画像データに対応付けられた位置情報に基づいて、各位置情報が所定距離範囲内にある写真画像データを同一のグループに分類するグループ分類ステップと、
上記グループの中から一部の写真画像データのみを選択する画像データ選択ステップとを備えたことを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
複数の写真画像データの中から所定の写真画像データを選択するための処理をコンピュータに行わせる画像処理プログラムであって、
上記コンピュータを、
各写真画像データに対応付けられた位置情報に基づいて、各位置情報が所定距離範囲内にある写真画像データを同一のグループに分類するグループ分類手段と、
上記グループの中から一部の写真画像データのみを選択する画像データ選択手段として機能させることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−146201(P2010−146201A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−321397(P2008−321397)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】