説明

画像処理装置およびプログラム

【課題】読取画像データに含まれる識別子情報に応じた適切な印刷出力を可能とする、画像処理装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】画像処理装置は、印刷画像データと、印刷画像データを蓄積する蓄積手段とを識別する、識別子情報を含む読取画像データを画像読取手段から取得し、取得した読取画像データから識別子情報を抽出する(S301)識別子抽出手段と、抽出された識別子情報により蓄積手段を識別して印刷画像データを取得する(S303)印刷画像取得手段と、通信可能な画像形成手段と画像形成手段が備える機能とを対応づける機能対応情報を格納する記憶手段と、取得した印刷画像データと、識別子情報により特定される指定印刷条件と、機能対応情報とを使用して、識別子情報に応じた印刷出力が実行可能な画像形成手段を判断する(S305〜308)出力先判断手段とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理技術に関し、より詳細には、読取画像データに含まれる識別子情報に応じた適切な印刷出力を可能とする、画像処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年ネットワーク化が進み、パーソナル・コンピュータ(以下、PCとして参照する。)などの情報端末だけでなく、デジタル複合機、デジタル複写機やレーザ・プリンタなどの画像形成装置もネットワークに接続されるようになった。また、バーコードや電子透かしなどを使用して印刷物に画像以外の情報を埋込むことも行われている。
【0003】
このような背景から近年、画像データの保存元装置情報やファイル情報やページ情報といった画像データ情報や、印刷用紙やステープル処理の有無といった印刷条件などを識別子情報(例えば、バーコード)として印刷物に埋込み、他方で、スキャナなどを使用して印刷物に埋込まれた識別子情報を読取らせて、読取った識別子情報により特定される装置からネットワークを介して画像データを取得し、特定される印刷条件を使用して印刷するという利用が行われている。
【0004】
これにより、例えば会議において配布資料が足りなくなった場合であっても、会議室に設置されたデジタル複合機を使用して、識別子情報が埋込まれた配布資料を読取らせ、識別子情報により特定される離間した他の装置からネットワークを介して配布資料の画像データを取得させ、配布資料を印刷出力させることが可能となる。
【0005】
例えば、特開2003−209650号公報(特許文献1)は、比較的簡易な操作で最適な画像を取得することができる画像処理装置を提供する目的で、識別子が付された画像を読取る読取手段と、読取手段により読取られた識別情報に応じて、読取られた画像を更新する手段と、更新手段により更新された画像を記録媒体に印刷させる制御手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置を開示している。
【0006】
また、特開2005−354499号公報(特許文献2)は、識別子情報により特定される外部の画像情報装置に保存されている画像データをネットワーク経由で取得できる画像情報装置において、可視状態または不可視状態で識別子情報が書込まれている原稿から当該識別子情報を読取る識別子情報読取手段と、読取られた識別子情報により特定される外部の画像情報装置から画像データをネットワーク経由で取得する画像データ取得手段と、該画像データ取得手段により取得した画像データを印刷する印刷手段と、前記画像データ取得手段により取得した画像データを着脱可能な記憶媒体に書込保存する保存手段と、前記画像データ取得手段により取得した画像データ印刷するか記憶媒体に保存するかをあらかじめ設定する設定手段とを備え、該設定手段により設定された設定内容に従って、取得した前記画像データを前記印刷手段により印刷するか、または前記記憶媒体に書込保存する構成にしたことを特徴とする画像情報処理装置を開示している。
【0007】
しかしながら上述した技術は、識別子情報が埋込まれた印刷物を読取る装置が、識別子情報によって特定される画像データや印刷条件を使用して印刷するための機能を有しない場合に、充分に対応できるものではなかった。一般的なオフィスのネットワークには、カラー機/モノクロ機、フィニッシャ装着機/未装着機、ハードディスク(HDD)装着機/未装着機、MFP(マルチ・ファンクション・プリンタ)機/レーザ・プリンタ機など、多様な種類の画像形成装置が混在して接続され、読取を行った装置によっては、識別子情報で特定されるとおりに印刷を実行できない場合がある。
【0008】
このように多様な画像形成装置が混在したオフィス環境下で、読取画像データから識別子情報を取得して画像データおよび印刷条件を特定し、充分な品質で印刷出力させるためには、ユーザがあらかじめ印刷物を印刷することが可能な装置を予測した上で識別子情報を読取らせなければならず、利便性の観点から充分なものではないという問題点もあった。
【特許文献1】特開2003−209650号公報
【特許文献2】特開2005−354499号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、画像処理装置が、印刷物の読取画像データから識別子情報を抽出して、画像形成手段に対して、識別子情報に応じた印刷出力を実行させる際に、識別子情報に応じた印刷出力が可能な画像形成手段または代替印刷条件を判断し、ユーザの利便性を最大限に保ちつつ高品質な印刷を可能とする、画像処理装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、画像処理装置は、画像読取手段から取得した読取画像データを解析し、読取画像データに埋込まれている識別子情報を抽出する。抽出された識別子情報には、印刷するための印刷画像データを特定する識別情報および蓄積されている蓄積手段を特定する識別情報が含まれ、画像処理装置は、印刷画像データを、応じてネットワークを介して、取得することができる。
【0011】
識別子情報にはさらに、印刷条件を指定する情報が含まれ、画像処理装置は、取得した印刷画像データと、指定印刷条件と、通信可能な画像形成手段が備える機能の機能対応情報とを使用して、識別子情報に応じた印刷出力が可能な画像形成手段および、その場合に使用する印刷条件を判断する。本発明では、識別子情報に応じた印刷出力とは、識別子情報により特定される指定印刷条件か、または指定印刷条件の一部を変更・解除した代替印刷条件での印刷出力が実行可能な画像形成手段を判断して、決定された印刷条件を実現した印刷物を提供することを意味する。
【0012】
上記構成により、例えば、識別子情報に応じた印刷出力が実行可能な画像形成手段をユーザに通知して、ユーザに対して、該画像形成装置を使用して処理が可能である旨を通知することができる。また、印刷可能な画像形成手段の中から、印刷出力させる出力先の画像形成手段を決定し、決定された画像形成手段に対して、決定された使用印刷条件で印刷出力を指令することもできる。なお、印刷出力させる画像形成手段および使用印刷条件を決定する際は、ユーザ・インタフェース手段を使用して、候補となる実行可能な画像形成手段を選択可能に提示して、ユーザからの指示を受付けて決定することも、あらかじめ設定した選択規則に従って決定することもできる。
【0013】
すなわち本発明によれば、印刷画像データおよび前記印刷画像データを蓄積する蓄積手段を識別する識別子情報を含む読取画像データを画像読取手段から取得し、取得した前記読取画像データから前記識別子情報を抽出する識別子抽出手段と、
抽出された前記識別子情報により前記蓄積手段を識別して前記印刷画像データを取得する印刷画像取得手段と、
通信可能な画像形成手段と前記画像形成手段が備える機能とを対応づける機能対応情報を格納する記憶手段と、
取得した前記印刷画像データと、前記識別子情報により特定される指定印刷条件と、前記機能対応情報とを使用して、前記識別子情報に応じた印刷が可能な前記画像形成手段を判断する出力先判断手段とを含む、
画像処理装置が提供される。
【0014】
前記画像処理装置は、出力先の前記画像形成手段に対して、前記識別子情報に応じた印刷出力を実行させる印刷指令手段を含み、前記印刷指令手段は、取得した前記印刷画像データと印刷に使用する使用印刷条件とを含む、出力先の前記画像形成手段が可読な印刷出力データ、または前記蓄積手段の装置識別情報と前記印刷画像データのデータ識別情報と前記使用印刷条件とを含むデータを印刷出力指令とともに、出力先の前記画像形成手段に送出することができる。
【0015】
また前記使用印刷条件は、前記指定印刷条件または、特定された前記指定印刷条件から、印刷用紙を代替用紙に変更、ステープル処理を解除、パンチ処理の解除、製本処理の解除、スタンプ処理の解除、地紋処理の解除、電子透かし処理の解除またはカラー印刷からモノクロ印刷への変更の少なくとも1つの含む代替印刷条件とすることができる。
【0016】
さらに前記画像処理装置は、前記識別子情報に応じた印刷が可能な前記画像形成手段を選択可能に表示して、前記出力先の前記画像形成手段および前記使用印刷条件の選択を待受けるユーザ・インタフェース手段をさらに含むことができる。また前記画像処理装置は、情報処理装置またはMFPとすることができる。
【0017】
さらに本発明によれば、印刷画像データおよび前記印刷画像データを蓄積する蓄積手段を識別する識別子情報を含む読取画像データを画像読取手段から取得し、取得した前記読取画像データから前記識別子情報を抽出する識別子抽出手段と、
抽出された前記識別子情報により前記蓄積手段を識別して前記印刷画像データを取得する印刷画像取得手段と、
抽出された前記識別子情報により前記蓄積手段を識別して前記印刷画像データを取得する印刷画像取得手段と、
取得した前記印刷画像データと、前記識別子情報により特定される指定印刷条件と、前記機能対応情報とを使用して、前記識別子情報に応じた印刷が可能な前記画像形成手段を判断する出力先判断手段と
を画像処理装置に実現する装置実行可能なプログラムが提供される。
【0018】
前記プログラムは、出力先の前記画像形成手段に対して、前記識別子情報に応じた印刷出力を実行させる印刷指令手段をさらに画像処理装置に実現し、前記印刷指令手段は、取得した前記印刷画像データと印刷に使用する使用印刷条件とを含む、出力先の前記画像形成手段が可読な印刷出力データ、または前記蓄積手段の装置識別情報と前記印刷画像データのデータ識別情報と前記使用印刷条件とを含むデータを印刷出力指令とともに、出力先の前記画像形成手段に送出することができる。
【0019】
また前記使用印刷条件は、前記指定印刷条件または、特定された前記指定印刷条件から、印刷用紙を代替用紙に変更、ステープル処理を解除、パンチ処理の解除、製本処理の解除、スタンプ処理の解除、地紋処理の解除、電子透かし処理の解除またはカラー印刷からモノクロ印刷への変更の少なくとも1つの含む代替印刷条件とすることができる。
【0020】
前記プログラムは、前記識別子情報に応じた印刷が可能な前記画像形成手段を選択可能に表示して、前記出力先の前記画像形成手段および前記使用印刷条件の選択を待受けるユーザ・インタフェース手段をさらに画像処理装置に実現することができる。さらに、前記プログラムは、情報処理装置のプリンタ・ドライバまたはMFPのプリンタ・アプリケーションとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明の実施形態は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0022】
図1は、複数の画像形成装置を含んで構成されるネットワーク・システム10の実施形態を示す概略図である。ネットワーク・システム10は、Ethernet(登録商標)などのネットワーク20に接続される画像形成装置12A〜Dと画像形成装置14Eとを含み構成される。なお、図1に示した実施形態では、画像形成装置12は、MFPなどの画像読取ユニットおよび画像形成ユニットを備えた複合的な機能を有する画像形成装置であり、本実施形態の画像処理装置として機能する。また、画像形成装置14は、レーザ・プリンタなどの画像形成ユニットのみを備えた画像形成装置であり、外部装置としての画像形成手段を提供する。なお、ネットワーク20は、有線または無線によるローカル・エリア・ネットワーク(LAN)やワイド・エリア・ネットワーク(WAN)やインターネットなどのネットワーク接続を含むことができ、画像形成装置12、14は、Ethernet(登録商標)やTCP/IPなどの通信プロトコルを介して通信を行うことができる。
【0023】
画像形成装置12A〜Dおよび画像形成装置14Eは、それぞれ異なる印刷機能やハードウェア機能やソフトウェア機能を有し、図1に示したネットワーク・システム10は、多様な種類の画像形成装置が混在して構成されている。例えば、画像形成装置12Aは、MFPであり、カラー印刷(印刷機能)、ステープル処理(ハードウェア機能)およびスタンプ処理(ソフトウェア機能)が可能であり、トレイ1には『A4』用紙が、トレイ2には『A3』用紙がセットされていることが図1に示されている。
【0024】
同様に、画像形成装置12Bは、モノクロ印刷およびステープル処理が可能なMFPであり、トレイ1に『A5』、トレイ2に『A4』用紙がセットされていることが示されている。画像形成装置12Cは、カラー印刷およびステープル処理が可能なMFPであり、トレイ1に『A4』、トレイ2に『A3』用紙がセットされ、画像形成装置12Dは、カラー印刷およびステープル処理が可能なMFPであり、トレイ1に『A4』、トレイ2に『B4』用紙がセットされていることが示されている。画像形成装置14Eは、カラー印刷が可能なレーザ・プリンタであり、その他のハードウェア機能を有さず、トレイ1には『A4』用紙が、トレイ2には『B5』用紙がセットされていることが示されている。
【0025】
図2は、本実施形態の画像形成装置12のハードウェア構成を示す。本実施形態の画像形成装置12は、システム・コントローラ部30と、システム・コントローラ部30と接続する操作部32と画像入出力部34とから構成され、コピー、スキャナ、ファクシミリ、プリンタなどの複数の機能を備えている。これらの要素は画像データや制御指令を伝送するバス38を介して接続される。
【0026】
システム・コントローラ部30は、CPU40と、NVRAM52と、RAM54と、ROM56とを含み、上記各機能を実現するための制御プログラムをROM56から読出し、RAM54を作業領域としてCPU40の制御のもと、上記各機能を実現している。NVRAM52には、画像形成装置12のシステム構成(機能対応情報を含む)など、システム全体の情報を格納している。
【0027】
システム・コントローラ部30は、ネットワークI/Fコントローラ58と、システムI/F42と、メモリコントローラ44と、画像メモリ46と、バッファ48と、ハードディスクドライブ・コントローラ(HDDC)50とをさらに含む。ネットワークI/Fコントローラ58は、外部のネットワーク20を介した通信制御を実行し、システムI/F42は、CPU40の命令により画像形成装置12内で処理される読取画像データや印刷画像データのデータ転送制御を実行する。画像メモリ46は、読取画像データなどのイメージ・データ(符号化されたデータまたはドットイメージデータ)を一時的に格納するための作業用記憶領域を提供し、バッファ48は、入出力画像データのデータ転送の際に、速度変換のための一時的な記憶領域を提供する。HDDC50は、バス38を介して接続されるハードディスクドライブ(HDD)36に対する画像データの入出力制御を実行する。メモリコントローラ44は、画像メモリ46とHDDC50とバス38間の画像データの入出力制御を行っている。
【0028】
操作部32は、CPU60と、RAM62と、ROM64と、入力装置66と、表示装置68とを含み、操作部32の制御プログラムをROM64から読出し、RAM62を作業領域としてCPU60の制御のもと、表示装置68へ画面表示させ、入力装置66に対する入力を監視している。入力装置66は、オペレータからの動作設定などの入力操作を受付け、ユーザ入力インタフェース手段を構成する。表示装置68は、オペレータにシステム状態や警告表示などを通知するために使用され、ユーザ出力インタフェース手段を構成する。
【0029】
画像入出力部34は、CPU70と、RAM72と、ROM74と、画像読取ユニット76と、画像形成ユニット78とを含み、CPU70は、画像入出力部34の全体の制御を実行し、ROM74は、その制御のためのプログラムを格納し、RAM72は、CPU70の作業記憶領域を提供する。画像読取ユニット76は、光学スキャナを制御して原稿上の画像を読取り、画像形成ユニット78は、例えば、印刷用紙上にトナーなどを転写して定着させ、印刷画像データの印刷出力を制御する。
【0030】
上記構成により、例えば、読取り動作では、画像読取ユニット76から読取られた読取画像データは、システムI/F42を介して画像メモリ46に一時的に格納され、バッファ48と画像データ・バス38を経由して、HDD36へ転送される。一方、印刷動作では、HDD36から印刷画像データがシステムI/F42を介して転送され、画像メモリ46へ一時的に展開され、画像データ・バス38を介して、画像形成ユニット78へ転送され、印刷出力される。
【0031】
識別子情報を埋め込まれた原稿は、画像読取ユニット76によって読取られて、例えば、識別子情報が読取画像から分離され、CPU70の制御のもと、認識およびコード化(抽出処理)され、システム・コントローラ部30へ送信される。識別子情報を受信したシステム・コントローラ部30は、識別子情報から、識別子情報が示す印刷画像データと、印刷画像データを蓄積するネットワーク上の装置を特定する。なお、識別子情報の抽出処理を行う制御手段は、画像入出力部34のCPU70に限定されるものではない。他の実施形態では、システム・コントローラ部30へ原稿の読取データが転送され、システム・コントローラ部30のCPU40制御によって、識別子情報の抽出処理が行われてもよい。
【0032】
図3は、本実施形態の画像形成装置12のソフトウェア構成を示す。本実施形態の画像形成装置12は、複合機としての機能を提供するための各種アプリケーション82〜90からなるアプリケーション層80と、プラットフォーム層100と、エンジン・インタフェース(I/F)94を介してプラットフォーム層100と通信するスキャナ・エンジン96およびプロッタ・エンジン98を含むエンジン層120とを含み構成される。
【0033】
アプリケーション層80は、プリンタ、コピー、ファックスやスキャナなどの画像読取および画像形成に関連するユーザ・サービスに固有の処理を行い、図3に示した実施形態では、コピー機能を提供するコピー・アプリケーション82と、ファクシミリ機能を提供するファックス・アプリケーション84と、スキャナ機能を提供するスキャナ・アプリケーション86と、ネットワークファイル機能を提供するネットファイル・アプリケーション88と、プリンタ機能を提供するプリンタ・アプリケーション90とを含み構成される。
【0034】
プラットフォーム層100は、OS116とともにアプリケーション82〜90からの処理要求を解釈して、ハードウェア資源の獲得要求を発生する各制御サービス102〜112と、1つまたは複数のハードウェア資源の管理を行い、制御サービス102〜112からの獲得要求を調停するシステム資源管理部(SRM)114とを含み構成される。OSとしては例えば、UNIX(登録商標)を採用することができるが、WINDOWS(登録商標)やその他いかなるOSを採用することができる。各種制御サービスとしては、図3に示した実施形態では、エンジン制御サービス(ECS)102と、メモリ制御サービス(MCS)104と、オペレーション制御サービス(OCS)106と、ネットワーク制御サービス(NCS)108と、イメージ・メモリ・ハンドラ(IMH)110、システム制御サービス(SCS)112とを含んで構成されている。
【0035】
SCS112は、各種アプリケーションの管理、システム画面表示やLED表示などのユーザ・インタフェースの制御、ハードウェア資源の管理、割込みアプリケーションの制御などを行う。ECS102は、各アプリケーション82〜90から受信したジョブを、一枚単位の原稿、転写紙レベルにプロセスを分割して、該プロセスを管理し、画像読取や画像形成動作を制御する。MCS104は、1つのジョブ中の画像データをファイルとして管理する。OCS106は、オペレータと本体制御との間のインタフェースとなる操作部32の制御を行う。IMH110は、一時的に画像データを格納するメモリ領域を管理し、画像転送などの画像関連処理を制御する。
【0036】
NCS108は、ネットワークI/Fコントローラ58を制御して、画像形成装置12をイーサネット(登録商標)と接続させ、ネットワークI/Oを必要とするアプリケーションに対して共通に利用可能なサービスを提供し、ネットワーク側から各プロトコルによって受信したデータを各アプリケーションに振り分け、各アプリケーションからのデータをネットワーク側に送信する際の仲介を行う。具体的には、ftpd、httpd、lpd、snmpd、telnetd、smtpdなどのサーバ・デーモンや、同プロトコルのクライアント機能などを含むことができる。また、NCS108は、印刷出力する際に、ネットワーク20に接続された他の画像形成装置12、14と通信して連携するために使用される。
【0037】
また、プラットフォーム層100とアプリケーション層80との間には、アプリケーション・プログラム・インタフェース(API)92を有し、プラットフォーム層100は、APIに含まれる予め定義された関数により、各種アプリケーション82〜90からの処理要求を受付けている。
【0038】
なお、スキャナ・エンジン96およぶプロッタ・エンジン98は、それぞれ、画像読取ユニット76および画像形成ユニット78を抽象化したソフトウェア手段を表す。画像形成装置12は、上述のソフトウェア群により、画像読取ユニット部76、画像形成ユニット部78、HDD36などのハードウェア資源が制御され、ユーザI/Fを介したユーザ指令や、ネットワーク20を介した外部装置からの入力に応答して、画像読取りや印刷出力などを実行する。
【0039】
なお、上述のアプリケーションおよび制御サービス、ハードウェア資源は、種々の組み合わせにより構成することができ、例えば、特定の用途、機種に対応して追加・削除することができる。また、図3に示した実施形態では、複合機としての各アプリケーションや制御サービスにおける共通部分を抽出して、プラットフォーム化した構成として参照したが、画像形成装置12のハードウェアおよびソフトフェアの構成は、特に限定されるものではない。
【0040】
以下、印刷画像データの蓄積および識別子情報を含む原稿の印刷処理について説明する。なお、図1に示したネットワーク・システム10の実施形態において、画像形成装置12Aを使用して原稿の画像読取りを行った場合を例として説明する。図4は、(A)画像形成装置12によって読取られ蓄積される原稿200および(B)識別子情報が印刷された原稿202の実施形態を示す。画像形成装置12Aにおいて、例えば、第1ページ200aが『モノクロ』『A4』であり、第2ページ200bが『カラー』『A3』である原稿を用いて、画像読取処理を実行する。この場合、MCS104は、2ページ分を単一の印刷ジョブとして、固有にファイル識別子(画像データのデータ識別情報)を割当て、読取られた画像データを管理する。読取られた画像データは、以下に説明する識別子情報が埋込まれた原稿の印刷の際、および、後述の識別子情報に応じた印刷出力の際に読出され、使用される。
【0041】
例えば、原稿を読取った後、入力装置66に対して行われた、ステープルモードによる印刷指示を受領して、画像形成装置12Aは、画像形成ユニット78を制御して、ステープル処理を含む印刷条件により印刷出力が実行する。この際、画像データに割当てられたファイル識別子とともに、印刷条件と、画像形成装置12Aに割当てられた装置識別子とを含む識別子情報202cが、用紙に書込まれ、印刷物として出力される。
【0042】
なお、印刷条件としては、例えば、カラー印刷、ステープル処理、パンチ処理、袋綴じ製本処理、くるみ製本処理、スタンプ処理、自動両面印刷、自動用紙選択などの処理実行を指定するものが挙げられる。本実施形態では、その他、画像形成装置12、14が固有に備える印刷機能・ハードウェア機能・ソフトウェア機能の使用を指定する、いかなる印刷のための条件を採用することができる。また、印刷条件は、複数の項目を含むことができる。
【0043】
また、画像データを蓄積している装置を特定するための装置識別子は、システム情報としてNVRAM52に保持され、印刷条件としてステープル処理を含む旨の情報は、入力装置66に印刷指示が入力された際にシステム・コントローラ部30のRAM54に格納される。また、印刷に使用した用紙のサイズ情報は、NVRAM52にトレイ情報として格納されている。これらの情報を読出して、識別子情報202cが印刷される。
【0044】
なお、装置識別子としては、例えば、画像形成装置12、14が備えるネットワーク・インタフェース・カード(NIC)に割当てられた媒体アクセス制御(MAC)アドレス、IPアドレス、画像形成装置12、14に割当てられたネットワーク名などを使用することができ、その他、SNMP(Simple Network Management Protocol)におけるMIB(Management Information
Base)に含められる装置識別情報など、ネットワーク上の該装置を特定するためのいかなる情報を用いることができる。また、この装置識別子は、使用する通信プロトコルに応じたネットワーク・アドレスと対応づけられ、ネットワークを介した蓄積装置へのアクセスを可能とする。
【0045】
なお、印刷物に埋込まれる識別子情報の形態としては、図4に示すバーコードのほか、他の実施形態では、二次元コードや色等の概念を含めた三次元コードなどの多次元コード、電子透かしや文字列を採用することができる。形態に応じて、画像形成ユニット78またはシステム・コントローラ部30のソフトウェアまたはハードウェアとして、識別子情報を生成する機能手段を含むことができる。
【0046】
上述の印刷出力で印刷された識別子情報202cが埋込まれている原稿202は、画像形成装置12A以外の画像読取ユニット76を備えた画像形成装置、例えば画像形成装置12Bなどを使用して読取られ、画像形成装置12Bにおいて識別子情報202cに応じた印刷出力が開始される。その際、上述の例では、画像形成装置12Bは、識別子情報202cに含まれる(または識別子情報により特定される)ファイル識別子を指定して、ネットワークを介して画像形成装置12Aから画像データを取得する。つまり、この例では画像形成装置12Aが、本実施形態の画像データの蓄積手段として機能している。また、識別子情報202cから印刷条件が特定され、識別子情報202cに応じた印刷出力が開始される。なお、識別子情報により特定される印刷条件を以降、指定印刷条件として参照する。
【0047】
なお、読取処理を実行する画像形成装置12は、画像読取ユニット76またはシステム・コントローラ部30のソフトウェアまたはハードウェアとして、識別子情報の形態に応じた、読取画像データ解析して、埋込まれた識別子情報を抽出するための機能手段を含むことができる。
【0048】
以下、識別子情報202cを含む原稿を、画像読取ユニット76を備えた画像形成装置12で読込み、識別子情報に応じた印刷出力を実行するための処理フローについて説明する。以降、識別子情報を含む原稿を読取り、識別子情報に応じた印刷出力を開始する画像形成装置12を自機として参照する。また、ネットワーク上の他の画像形成装置12、14を他機として参照する。
【0049】
図5は、自機としての画像形成装置12が実行する処理フローの実施形態を示すフローチャートである。なお、図5に示した処理フローは、主に自機におけるシステム・コントローラ部30のCPU40の制御下で実行される。図5に示した制御は、例えば、オペレータからの原稿読取指示を受領し、ステップS100で開始される。ステップS101では、画像読取ユニット76が原稿を読取り、読取画像データを解析し、印刷物に埋込まれた識別子情報202cを抽出する。
【0050】
ステップS102では、識別子情報202cから、印刷画像データを蓄積する装置を特定し、ステップS103で、特定された蓄積装置から、印刷画像データと、サイズやカラー情報などの印刷画像データの属性値とを取得する。なお、印刷画像データがネットワーク上の他の装置に蓄積される場合には、ネットワークを介し、ファイル転送プロトコル(FTP)などのプロトコルを使用して、取得する。
【0051】
ステップS104では、識別子情報202cから印刷条件を特定し、特定された印刷条件を指定印刷条件とする。ステップS105では、自機の画像形成処理に関わる機能の有無を管理する機能対応情報(本実施形態では、システム情報としてNVRAM52に格納されている。)を取得し、ステップS106で、印刷画像データ(その属性値を含む)と、指定印刷条件と、自機の機能対応情報とを使用して、指定印刷条件による印刷出力が可能か否かが判断される。なお、機能対応情報については後述する。
【0052】
ステップS106の判断で、自機において指定印刷条件による印刷出力が可能であると判断された場合(yes)は、処理をステップS107へ分岐させ、自機において指定印刷条件を使用して印刷画像データの印刷出力を実行させ、ステップS108で処理を終了させる。一方、ステップS106の判断で、指定印刷条件を使用した印刷出力が自機では実行できないと判断した場合(no)は、処理をS109で示したポイントAへ分岐させる。なお、ポイントA以降の処理は図6に示す。
【0053】
図6は、図5に示した処理フローの続きを示すフローチャートである。図6に示した処理フローは、図5の処理におけるS109で示されたポイントAから記載されている。ステップS110では、ネットワーク接続され通信可能な他の画像形成装置(他機)12、14に対して、各他機が備える機能について問合わせを行い、各他機の機能対応情報を取得する。なお、機能対応情報は、例えばSNMPプロトコルを使用して、他機にMIB(機能に対応するオブジェクトの情報)を問合わせ、取得することができる。また、ネットワーク20に接続された他機は、ネットワーク20へのブロードキャスト、またはIPv6の場合にはマルチキャストによって、通信可能な範囲で検出することができる。
【0054】
ステップS111では、印刷画像データと、指定印刷条件と、自機および各他機の機能対応情報とを使用して、ネットワーク上に指定印刷条件による印刷出力が可能な画像形成装置が存在するか否かの判断が行われ、指定印刷条件による印刷出力が可能な装置が存在する場合(yes)には、処理をステップS112へ分岐させる。なお、ステップS111の判断では、画像形成装置が指定印刷条件に必要なソフトウェア機能を有しない場合であっても、指定印刷条件に必要な印刷機能およびハードウェア機能を備え、かつ、ネットワーク上の他の画像形成装置が、自機において利用可能に該ソフトウェア機能を備える場合には、印刷可能と判断する。
【0055】
一方、画像形成装置が指定印刷条件に必要な印刷機能およびハードウェア機能を備える場合であっても、該画像形成装置およびネットワーク上の他の画像形成装置が印刷に必要なソフトウェア機能を備えないなど、該ソフトウェア機能が利用できない場合には、指定印刷条件による印刷出力が不可である判断される。同様に、画像形成装置が、指定印刷条件による印刷に必要な印刷機能またはハードウェア機能を備えない場合も、指定印刷条件による印刷出力が不可である判断される。なお、指定印刷条件として自動用紙選択モード指定を含む場合には、印刷に必要な用紙サイズについても、トレイ情報が参照され、印刷が可能であるか否かが判断される。
【0056】
ステップS111において、指定印刷条件による印刷出力が可能な画像形成装置がネットワーク上に存在すると判断された場合(yes)には、ステップS112で、まず自機において、不足するソフトウェア機能を他機のソフトウェア機能を利用して補った上で印刷出力が可能であるか否かを判断をする。ステップS112で、自機において印刷出力が可能であると判断された場合(yes)には、ステップS113で、他機が備えるソフトウェア機能を利用して、自機において印刷出力を実行し、ステップS114で処理を終了する。なお、他機のソフトウェア機能を利用する際の処理フローの詳細については、後述する。
【0057】
一方ステップS112の判断で、他機が備えるソフトウェア機能を利用しても、自機では指定印刷条件による印刷出力が不可能であると判断された場合(no)は、ステップS115へ処理を分岐させ、表示装置68に印刷出力可能な画像形成装置を表示させ、印刷出力可能な画像形成装置をオペレータに識別可能に通知する。この構成により、オペレータは、通知された画像形成装置を使用して、識別子情報に応じた印刷出力が可能である旨を知ることが可能となる。
【0058】
一方、ステップS111の判断で、指定印刷条件での印刷出力が可能な画像形成装置がネットワーク上に存在しないと判断された場合(no)には、ステップS116へ処理を分岐させ、指定印刷条件では印刷することができない旨をオペレータに通知し、指定印刷条件の一部を変更した代替印刷条件をオペレータに通知する。オペレータに通知するためのユーザ・インタフェース(UI)については、後述する。
【0059】
ステップS117では、操作部32の表示装置68に、代替印刷条件による印刷を継続するか否かの指示をオペレータに要請する旨の画面を表示させ、入力装置66への指示を待受けて、代替印刷条件による印刷を継続するか否かを判断する。ステップS117の判断で、オペレータからの了解の指示を受領して、印刷を継続すると判断した場合(yes)には、ステップS118へ処理を分岐させ、自機において代替印刷条件を使用して印刷出力を実行し、ステップS114で、処理を終了する。
【0060】
一方、ステップS117の判断で、オペレータからの継続不可である旨の指示を受領して、印刷の継続を行わないと判断した場合(no)には、ステップS119で、印刷出力の実行を解除して、ステップS114で処理を終了させる。上述の処理フローにより、自機が、指定印刷条件による印刷に必要な機能を有さない場合であっても、代替印刷条件を使用して、印刷出力を継続させることが可能となる。
【0061】
なお、上述の代替印刷条件は、例えば、指定印刷条件の中で、自機において不足する印刷機能やハードウェア機能に関わる印刷条件項目を解除または変更したものとすることができる。また、指定印刷条件として自動用紙選択モード指定を含む場合には、自機が必要な用紙サイズの用紙を備えない場合については、印刷画像データが指定する用紙サイズ以上で、自機が備える最小の用紙サイズへの変更を含むことができる。また、指定印刷条件に印刷出力の変倍率を指定する条件を付加し、他の用紙サイズへの変更したものとすることもできる。
【0062】
なお、ステップS110における、ネットワークに接続される他機の機能対応情報は、例えば、起動時や定期的に、ネットワーク上の各装置に問合わせ、予め、通信可能な画像形成装置12、14の機能対応情報データベースとして、各画像形成装置12,14と機能とを対応付けてNVRAM52などに格納しておくこともできる。また、ステップS110において、ネットワーク20を介して問合わせ、現在印刷ジョブ実行中なのか待機中なのか、または省電力モード中であるかなど他機の装置動作状態や、トレイなどのリソース情報を含む情報を取得する制御とすることもできる。
【0063】
また、ステップS115の処理は、印刷可能な装置を表示装置68へ表示させる処理として参照したが、他の実施形態では、さらに、オペレータによる出力先の選択指示を待受け、指定された画像形成装置に対して、識別子情報に応じた印刷画像データの印刷指令を発行する制御とすることもできる。他の画像形成装置へ印刷指令を発行する処理については後述する。
【0064】
図7は、図5に示した処理フロー中のステップS106の判断で使用する、自機の画像形成処理に関する機能対応情報210のデータ構造を示す。機能対応情報210は、画像形成装置12のNVRAM52において格納および管理しておくことができる。図7に示した機能対応情報210は、自機の装置識別子を格納するフィールド210aと、印刷機能やハードウェア機能やソフトウェア機能などの各機能と、自機における各機能の有無とを対応付ける機能情報210bと、トレイ情報210eとを含み構成される。
【0065】
機能情報210bは、各機能の項目がエントリされるフィールド210cと、対応する機能の有無がエントリされるフィールド210dとを含む。トレイ情報210eは、自機が備えるトレイの識別値をエントリするフィールド210fと、該トレイに備えられた用紙のサイズがエントリされているフィールド210gとを含み構成される。また、同様のデータ構造の機能対応情報が、ネットワーク上の他の画像形成装置12、14においても管理されている。
【0066】
この図では、機能情報210bの項目として、印刷機能ではモノクロ印刷とカラー印刷とを、ハードウェア機能ではステープル処理を、ソフトウェア機能ではスタンプ付加処理を含み構成されている。他の実施形態では、印刷機能としては、例えば、装置の解像度やインクまたはトナーの残量なども含めることができる。また、ハードウェア機能としては、自動両面印刷など画像形成装置が備えるADF(Auto Document Feeder)の機能、パンチ処理や袋綴じ製本処理やくるみ製本処理など他のフィニッシャの機能を含むことができる。ソフトウェア機能には、地紋付加処理、電子透かし処理やその他画像処理などのソフトウェア機能を含むことができる。これら機能の有無が機能対応情報210を構成する。
【0067】
図5および図6に示した処理フローを再び参照する。ステップS106の判断およびステップS111の判断では、これら機能情報210bに含まれる項目およびトレイ情報210eに含まれる用紙サイズ情報の項目の中で、指定印刷条件に含まれる項目(該印刷条件を満たすために使用される機能に対応した項目)について、それぞれ、適合するか否かが判断されることとなる。
【0068】
以下、画像形成装置12が実行する、他の画像形成装置12、14のソフトウェア機能を利用した印刷出力処理の詳細を説明する。なおここでは、利用するソフトウェア機能を有した画像形成装置12,14が、ネットワークを介して処理を連携させる機能を有するものとして説明する。
【0069】
図8は、図5および図6に示した処理フローのステップS113の処理、つまり、他の画像形成装置12、14のソフトウェア機能を利用した印刷出力処理の詳細を示すフローチャートである。図8に示した制御では、ステップS200で処理が開始され、ステップS201で、識別子情報202cを使用して取得した印刷画像データと指定印刷条件とを含むソフトウェア機能処理要求を、該ソフトウェア機能を有する他の画像形成装置(他機)12、14に対して送信する。
【0070】
ステップS202では、処理要求を受信した他機は、受信した印刷画像データに対して、要求されたソフトウェア機能に応じた処理を実行し、処理結果データとして要求元の画像形成装置12(自機)へ返信する。一方自機は、ステップS203で処理結果データを受信し、ステップS204で処理結果データを使用して印刷出力を実行し、ステップS205で処理を終了させる。
【0071】
なお、上述の自機と他機との間のデータ交換は、例えば、XMLなどの構造化言語を利用したSOAP(Simple Object Access Protocol)によるWebサービスまたは独自プロトコルにより、NCS108の機能を使用して行うことができる。ネットワークを介した画像形成装置間での連携については、例えば、特開2003−208596号公報を参照することができる。
【0072】
なお、上記ステップS201〜ステップS203の処理は、例えば、必要なソフトウェア機能が、複数の他機に分散していた場合には、各他機について実行される。また、図8に示した処理フロー中、ステップS201およびステップS202では、取得した印刷画像データと指定印刷条件とを含むソフトウェア機能処理要求を送信し、処理結果データを受信する処理として参照したが、他機のソフトウェア機能の利用方法(他の画像形成装置との連携方法)は特に限定されるものではない。
【0073】
例えば、スタンプ処理に関して、自機がスタンプ機能を備える場合であって、指定印刷条件が指定するスタンプデータが自機にない場合は、該スタンプデータを有する他機に該スタンプデータの取得要求を発行し、可能であれば取得して自機側でスタンプデータの付加処理を実行して印刷出力を行う制御としても良い。また、読取った識別子情報を他機に通知し、他機側で該識別子情報に応じて、画像データおよび印刷条件を取得するようにしてもよい。
【0074】
上述の処理フローにより、自機が識別子情報に応じた印刷に必要なソフトウェア機能を有さない場合であっても、ネットワーク上の該ソフトウェア機能を有する他機と連携して、読取り処理を行った自機側で印刷出力(排紙)させることが可能となる。
【0075】
図9は、図6に示した処理フロー中ステップS116の処理の際に、表示装置に表示されるグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)の実施形態を示す。以下では、GUIを表示する表示装置68が、タッチパネルなどの入力装置と一体となったデバイスであるとして、説明する。
【0076】
図9(A)は、指定印刷条件の中で、自機において使用不可能な項目を表示するGUI300を示す。GUI300は、使用不可能な項目を示すテーブル302と、オペレータからの印刷出力を継続させる指示を待受ける「OK」ボタン306aと、印刷出力の解除指令を待受ける「キャンセル」ボタン306bとを含み構成される。テーブル302は、使用不可能な機能項目がエントリされるフィールド302aと、対応する機能項目が、未解除状態であるか解除状態であるかを示すフィールド302bとを含み構成される。項目フィールド302aには、「ステープル」や「パンチ」や「スタンプ」などの、自機に不足する機能が示され、隣のフィールド302bには、その項目に対応する印刷条件の解除指示を待受けるボタン304が配置されている。
【0077】
解除指示を待受けるボタン304が押下されると、押下されたボタン304に対応する項目の解除を確認するためのGUI、例えば図9(B)に示すステープルの解除確認のためのGUI310が表示される。図9(B)に示したGUI310には、「ステープルモードを解除して印刷を継続しますか?」といった、印刷条件の項目の解除を確認する旨が表示され、了解指示を待受ける「OK」ボタン312aと、「キャンセル」ボタン312bとが配置されている。
【0078】
例えば、GUI310の「OK」ボタン312aが押下(タッチ)されると、再びGUI300が表示され、項目「ステープル」に対応するボタン304aの表示が「未解除」から「解除」に変更される。GUI300に示された項目の全ての解除を了承し、「OK」ボタン306aが押下されると、自機において、使用不可能な印刷条件の項目が解除された代替印刷条件を使用して、印刷出力が実行されることとなる。
【0079】
なお、GUI310に類似して、「A4データについてB4サイズで印刷を継続しますか?」といった、用紙サイズ変更了承の確認GUI、「カラーデータについて、モノクロで印刷を継続しますか?」といった、印刷カラーモード変更了承の確認GUIを表示させることもできる。
【0080】
図10は、図6に示した処理フロー中ステップS115の処理の際に、表示装置に表示されるGUIの実施形態を示す。なお、図10に示したGUI320は、指定印刷条件による印刷出力が実行可能な画像形成装置を、オペレータに対して選択可能に通知し、オペレータの指示を待受けて、指定された画像形成装置を使用して印刷出力させる、他の実施形態に対応する。
【0081】
図10に示したGUI320は、印刷可能な画像形成装置を選択可能に表示するテーブル322と、選択した装置を使用して印刷出力を継続させるための指示を待受けする「OK」ボタン326aと、印刷出力の解除指示を待受ける「キャンセル」ボタン326bとを含み構成される。
【0082】
テーブル322は、印刷可能な画像形成装置の名称がエントリされるフィールド322aと、備考がエントリされるフィールド322bと、IPアドレスがエントリされるフィールド322cとを含み構成される。備考については、該画像形成装置についての備考、例えば予めシステム情報として設定しておいた該画像形成装置の配置場所などを表示させることができる。これにより、オペレータは、選択する画像形成装置に関するより詳しい情報を把握することが可能となる。
【0083】
また図10のGUI320のテーブル322には、カラム324がグレイで反転表示され、出力先の画像形成装置として「xxxx MFP A」選択されていることを示している。オペレータは、出力先画像形成装置を選択して、「OK」ボタン326aを押下することで、選択した画像形成装置を出力先の画像形成装置として決定し、該画像形成装置に対して印刷出力を指示することができる。
【0084】
上述のように、ユーザ・インタフェースを提供することにより、オペレータの指示を反映した代替印刷条件および出力先画像形成装置が決定され、ユーザの意思に添った印刷出力が可能となる。しかしながら、予め、了承項目を設定しておき、指定印刷条件に有しない機能項目があった場合であっても、自動的に了承されたものとし、代替印刷条件を決定する制御とすることもできる。
【0085】
また、指定印刷条件に含まれる項目の変更または解除する項目数を最小化させる画像形成装置を検索し、自動的に出力先の画像形成装置を決定する制御としてもよい。その際は、決定された出力先の画像形成装置を識別するための情報を、表示装置68へ表示させる、または、サービスプリントとして自機で印刷出力する制御とすることもできる。
【0086】
以下、識別子情報に応じた印刷出力のための処理の他の実施形態を説明する。図11は、自機としての画像形成装置12が実行する処理フローの他の実施形態を示すフローチャートである。図11に示した制御は、例えば、オペレータからの原稿読取指示を受領し、ステップS300で開始される。ステップS301では、画像読取ユニット76が原稿を読取り、読取画像データを解析し、印刷物に埋込まれた識別子情報を抽出する。ステップS302では、識別子情報から印刷画像データを蓄積する装置を特定し、ステップS303で、特定された蓄積装置から印刷画像データとその属性値とを取得する。
【0087】
ステップS304では、識別子情報から印刷条件を特定し、該印刷条件を指定印刷条件とする。ステップS305では、自機および他機を含めて画像形成処理に関わる機能の有無を管理する機能対応情報(予め問合わせて、NVRAM52などに格納されたものなど)を取得し、ステップS306で、印刷画像データ(その属性値を含む)と、指定印刷条件と、自機および各他機の機能対応情報とを使用して、指定印刷条件による印刷出力が可能な画像形成装置が存在するか否かの判断が行われる。なお、ステップS306の判断は、図6に示した処理フロー中ステップS111の判断と同様に、ネットワーク上の他機のソフトウェア機能を利用して印刷出力が可能である場合を含めて、指定印刷条件による印刷が可能であるか否かを判断する。
【0088】
ステップS306の判断で、指定印刷条件による印刷が可能な画像形成装置がネットワーク上に存在すると判断された場合(yes)には、ステップS307へ処理を分岐させ、後述のGUIに表示させるために、指定印刷条件による印刷出力が可能な画像形成装置の情報を取得(テーブルにエントリさせる。)し、ステップS308へ処理を進める。一方、ステップS306の判断で、指定印刷条件による印刷が可能な画像形成装置がネットワーク上に存在しないと判断された場合(no)には、そのままステップS308へ処理を分岐させる。
【0089】
ステップS308では、指定印刷条件の一部を変更した代替印刷条件を使用して印刷が可能な画像形成装置を検索し、その場合の代替印刷条件と画像形成装置とを対応付けた情報を取得する。ステップS309では、ステップS307の処理で取得された指定印刷条件による印刷出力が可能な画像形成装置と、ステップS308の処理で代替印刷条件を使用して印刷が可能な画像形成装置およびその場合の代替印刷条件とを、選択可能に表示させ、オペレータからの指示を待受ける。オペレータからの指示を受領して、ステップS310では、選択された出力先の画像形成装置に対して、選択された指定印刷条件または代替印刷条件を使用して、印刷出力を実行させ、ステップS311で処理を終了させる。
【0090】
なお、上記ステップS310の処理の際に、選択された出力先の画像形成装置のソフトウェア機能が不足した場合については、図8に示した制御と同様に、可能であれば自機が仲介を行って、他の画像形成装置のソフトウェア機能を利用し、選択された画像形成装置において印刷出力(排紙)させることもできる。
【0091】
また、上記ステップS310の処理において、識別子情報が埋込まれた原稿を読取った自機において印刷出力をさせない場合には、選択された出力先の画像形成装置に対して、ネットワークを介して印刷指令が発行される。印刷指令には、自機がネットワークを介して取得した印刷画像データと、指定印刷条件または代替印刷条件とが含まれ、出力先の画像形成装置に送信される。また他の実施形態では、取得した印刷画像データを含めずに、印刷画像データのデータ識別情報と、該画像データを蓄積する装置の装置識別子とを含む印刷指令を出力先画像形成装置に対して発行し、出力先の画像形成装置側で別途画像データを取得させる制御とすることもできる。
【0092】
図12は、図11に示した処理フロー中ステップS309の処理の際に、表示装置に表示されるGUIの実施形態を示す。なお、図12に示したGUI330は、図1に示したネットワーク・システム10において、画像形成装置12Cにおいて原稿を読取らせ、原稿に埋込まれた識別子情報に応じた印刷出力を開始させる場合の実施形態に対応する。なお、画像データは、画像形成装置12Aによって読取られ格納されているものとし、上述で説明した際の印刷ジョブと同じく、第1ページ200aが『モノクロ』『A4』であり、第2ページ200bが『カラー』『A3』である印刷画像データを印刷する場合の例を示す(図4)。
【0093】
図12に示したGUI330は、印刷可能な画像形成装置12、14を選択可能に表示するテーブル332と、選択した装置を使用して印刷出力を継続させる指令を待受けする「OK」ボタン336aと、印刷出力の解除指令を待受ける「キャンセル」ボタン336bとを含み構成される。
【0094】
テーブル332は、印刷可能な画像形成装置の名称がエントリされるフィールド332aと、備考がエントリされるフィールド332bと、指定印刷条件に含まれる項目がエントリされるフィールド332cとを含み構成される。フィールド332cは、指定印刷条件に含まれる項目の可否がエントリされるフィールド332d〜fを含み構成されている。
【0095】
なお、図12に示した実施形態では、項目フィールド332cには、「カラー印刷」、「ステープル」、「用紙サイズ」のフィールドがそれぞれ配置されている。各画像形成装置に対応するレコードの各フィールドには、各項目の可・不可、不可である場合には代替となる条件がエントリされている。また、図12に示したように、画像形成装置のエントリの並びを、印刷条件の変更数が少ない順序などに並び替えて表示させることもできる。また、自機を上位とすることもできる。
【0096】
また図12のGUI330のテーブル332には、カラム334がグレイで反転表示され、出力先画像形成装置として「xxxx MFP C」選択されていることを示している。オペレータは、出力先画像形成装置を選択して、「OK」ボタン336aを押下することで、選択した画像形成装置に対して、項目フィールド332cに示した代替印刷条件または指定印刷条件を使用した印刷出力を指示することができる。
【0097】
以上、画像形成装置12について、画像形成手段および画像読取手段を含む画像処理装置として参照し、説明してきたが、本実施形態の画像処理装置は、必ずしも画像形成手段と画像読取手段とを一体として備えて構成されることを要しない。画像処理装置の他の実施形態では、スキャナなどの画像読取手段とインタフェース接続し、プリンタなどの外部装置としての画像形成装置と、ネットワークまたはインタフェース接続する、PCやサーバなどの情報処理装置として構成することもできる。
【0098】
この場合は、情報処理装置は、所定のスキャナドライバおよびプリント出力ドライバを備え、スキャナから取得した読取画像データを解析して識別子情報を抽出し、識別子情報に応じた印刷出力を、決定された画像形成装置に対して実行させる。その際は、画像形成装置可読なデータ形式、例えばPDL(ページ記述言語)などのプリンタ言語に変換されて、該画像形成装置に印刷指令を発行する。またこの場合も、印刷指令に蓄積する装置識別子と、画像データのデータ識別情報とを含む印刷指令を発行し、出力先の画像形成装置側で画像データの取得をさせる制御とすることもできる。
【0099】
また、印刷画像データは、画像形成装置12が備えるハードディスクなどの蓄積装置に格納される場合を例として説明してきたが、印刷画像データを蓄積する装置は、ドキュメントなどを集約管理するファイルサーバや、ネットワーク・ハードディスクドライブなどの外部装置としてもよい。
【0100】
以上説明したように、本実施形態の画像処理装置は、印刷物の読取画像データから識別子情報を抽出して、画像形成手段に対して、識別子情報に応じた印刷出力を実行させる際に、識別子情報に応じた印刷出力が可能な画像形成手段または代替印刷条件を判断し、ユーザの利便性を最大限に保ちつつ高品質な印刷を可能とすることができる。
【0101】
本実施形態の上記機能は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)、などのレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語などで記述された装置実行可能なプログラムにより実現でき、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD−RW、DVD、SDメモリ、MOなど装置可読な記録媒体に格納して頒布することができる。
【0102】
これまで本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】画像形成装置を含んで構成されるネットワーク・システム10の実施形態を示す概略図。
【図2】本実施形態の画像形成装置のハードウェア構成を示す図。
【図3】本実施形態の画像形成装置のソフトウェア構成を示す図。
【図4】(A)画像形成装置によって読取られ蓄積される原稿200、(B)識別子情報が印刷された原稿202を例示する図。
【図5】画像形成装置が実行する処理フローの実施形態を示すフローチャート。
【図6】図5に示した処理フローの続きを示すフローチャート。
【図7】画像形成処理に関する機能対応情報のデータ構造を示す図。
【図8】他の画像形成装置のソフトウェア機能を利用した印刷出力処理の詳細を示すフローチャート。
【図9】実行不可の印刷条件を示すGUIの実施形態を示す図。
【図10】印刷実行可能な画像形成装置を選択可能に表示するGUIの実施形態を示す図。
【図11】画像形成装置が実行する処理フローの他の実施形態を示すフローチャート。
【図12】印刷実行可能な画像形成装置を選択可能に表示するGUIの他の実施形態を示す図。
【符号の説明】
【0104】
10…ネットワーク・システム、12…画像形成装置、14…画像形成装置、20…ネットワーク、30…システム・コントローラ部、32…操作部、34…画像入出力部、36…HDD、38…バス、40…CPU、42…システムI/F、44…メモリコントローラ、46…画像メモリ、48…バッファ、50…HDDC、52…NVRAM、54…RAM、56…ROM、58…ネットワークI/Fコントローラ、60…CPU、62…RAM、64…ROM、66…入力装置、68…表示装置、70…CPU、72…RAM、74…ROM、76…画像読取ユニット、78…画像形成ユニット、80…アプリケーション層、82…コピー・アプリケーション、84…ファックス・アプリケーション、86…スキャナ・アプリケーション、88…ネットファイル・アプリケーション、90…プリンタ・アプリケーション、92…API、94…エンジンI/F、96…スキャナ・エンジン、98…プロッタ・エンジン、100…プラットフォーム層、102…ECS、104…MCS、106…OCS、108…NCS、110…IMH、112…SCS、114…SRM、116…OS、120…エンジン層、200…蓄積される原稿、202…識別子情報が印刷された原稿、202c…識別子情報、210…機能対応情報、210a〜c,f,g…フィールド、210b…機能情報、210e…トレイ情報、300…GUI、302…テーブル、302a,b…フィールド、304a〜c、306a,b…ボタン、310…GUI、312a,b…ボタン、320…GUI、322…テーブル、322a〜c…フィールド、324…カラム、326a,b…ボタン、330…GUI、332…テーブル、332a〜f…フィールド、334…カラム、336a,b…ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷画像データおよび前記印刷画像データを蓄積する蓄積手段を識別する識別子情報を含む読取画像データを画像読取手段から取得し、取得した前記読取画像データから前記識別子情報を抽出する識別子抽出手段と、
抽出された前記識別子情報により前記蓄積手段を識別して前記印刷画像データを取得する印刷画像取得手段と、
通信可能な画像形成手段と前記画像形成手段が備える機能とを対応づける機能対応情報を格納する記憶手段と、
取得した前記印刷画像データと、前記識別子情報により特定される指定印刷条件と、前記機能対応情報とを使用して、前記識別子情報に応じた印刷が可能な前記画像形成手段を判断する出力先判断手段とを含む、
画像処理装置。
【請求項2】
前記画像処理装置は、出力先の前記画像形成手段に対して、前記識別子情報に応じた印刷出力を実行させる印刷指令手段を含み、前記印刷指令手段は、取得した前記印刷画像データと印刷に使用する使用印刷条件とを含む、出力先の前記画像形成手段が可読な印刷出力データ、または前記蓄積手段の装置識別情報と前記印刷画像データのデータ識別情報と前記使用印刷条件とを含むデータを印刷出力指令とともに、出力先の前記画像形成手段に送出する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記使用印刷条件は、前記指定印刷条件または、特定された前記指定印刷条件から、印刷用紙を代替用紙に変更、ステープル処理を解除、パンチ処理の解除、製本処理の解除、スタンプ処理の解除、地紋処理の解除、電子透かし処理の解除またはカラー印刷からモノクロ印刷への変更の少なくとも1つの含む代替印刷条件である、請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像処理装置は、前記識別子情報に応じた印刷が可能な前記画像形成手段を選択可能に表示して、前記出力先の前記画像形成手段および前記使用印刷条件の選択を待受けるユーザ・インタフェース手段をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像処理装置は、情報処理装置またはMFPである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
印刷画像データおよび前記印刷画像データを蓄積する蓄積手段を識別する識別子情報を含む読取画像データを画像読取手段から取得し、取得した前記読取画像データから前記識別子情報を抽出する識別子抽出手段と、
抽出された前記識別子情報により前記蓄積手段を識別して前記印刷画像データを取得する印刷画像取得手段と、
抽出された前記識別子情報により前記蓄積手段を識別して前記印刷画像データを取得する印刷画像取得手段と、
取得した前記印刷画像データと、前記識別子情報により特定される指定印刷条件と、前記機能対応情報とを使用して、前記識別子情報に応じた印刷が可能な前記画像形成手段を判断する出力先判断手段と
を画像処理装置に実現する装置実行可能なプログラム。
【請求項7】
前記プログラムは、出力先の前記画像形成手段に対して、前記識別子情報に応じた印刷出力を実行させる印刷指令手段をさらに画像処理装置に実現し、前記印刷指令手段は、取得した前記印刷画像データと印刷に使用する使用印刷条件とを含む、出力先の前記画像形成手段が可読な印刷出力データ、または前記蓄積手段の装置識別情報と前記印刷画像データのデータ識別情報と前記使用印刷条件とを含むデータを印刷出力指令とともに、出力先の前記画像形成手段に送出する、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記使用印刷条件は、前記指定印刷条件または、特定された前記指定印刷条件から、印刷用紙を代替用紙に変更、ステープル処理を解除、パンチ処理の解除、製本処理の解除、スタンプ処理の解除、地紋処理の解除、電子透かし処理の解除またはカラー印刷からモノクロ印刷への変更の少なくとも1つの含む代替印刷条件である、請求項6または7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記識別子情報に応じた印刷が可能な前記画像形成手段を選択可能に表示して、前記出力先の前記画像形成手段および前記使用印刷条件の選択を待受けるユーザ・インタフェース手段をさらに画像処理装置に実現する、請求項6〜8のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記プログラムは、情報処理装置のプリンタ・ドライバまたはMFPのプリンタ・アプリケーションである、請求項6〜9のいずれか1項に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−172419(P2008−172419A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−2502(P2007−2502)
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】