画像処理装置および画像処理方法
【課題】原画像の細線においても適切にエッジ強度を検出することができる画像処理装置および画像処理方法を提供する。
【解決手段】頂点エッジ成分検出手段110は、原稿画像データ内の注目画素の4つの頂点に関して、2行×2列のエッジ検出フィルタをそれぞれ適用させる演算を行うことにより、この4つの頂点それぞれにおいてエッジ強度を検出する。画素エッジ強度検出手段120は、各頂点のエッジ強度に基づき、注目画素のエッジ強度を検出する。画素エッジ方向検出手段130は、各頂点のエッジ強度に基づき、注目画素のエッジ方向を検出する。
【解決手段】頂点エッジ成分検出手段110は、原稿画像データ内の注目画素の4つの頂点に関して、2行×2列のエッジ検出フィルタをそれぞれ適用させる演算を行うことにより、この4つの頂点それぞれにおいてエッジ強度を検出する。画素エッジ強度検出手段120は、各頂点のエッジ強度に基づき、注目画素のエッジ強度を検出する。画素エッジ方向検出手段130は、各頂点のエッジ強度に基づき、注目画素のエッジ方向を検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理装置および画像処理方法に係り、特にエッジを検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
原画像を二値化して印刷するプリンタなどの装置は、印刷する前に、原画像にスクリーニング処理を施す必要がある。スクリーニング処理された後のスクリーニング画像は、連続階調画像からなる原画像と比較すると、離散的なので、直接にスクリーニング画像を処理するのはかなり難しい。従って、従来は、スクリーニング画像を処理する前に、まずスクリーニング画像のエッジ強度(およびエッジ方向)を確認してから処理していた。
【0003】
すなわち、従来は、Sobel又はLaplaceテンプレート(フィルタ)を用いて、スクリーニング画像のエッジ強度およびエッジ方向を検出していた。
エッジ強度およびエッジ方向を検出するときには、奇数サイズすなわちN行×N列(Nは3以上の奇数)のフィルタにおいて、その中心画素(注目画素)に関して、中心画素の近傍の画素の画素値とフィルタ係数との積を足し合わせるフィルタ演算によりこの中心画素におけるエッジ強度およびエッジ方向を検出することが多い。
【0004】
具体的には、所定の平面上(例えばXY平面とする)の原画像データに対して、主走査方向(例えばX方向とする)に沿ったエッジ成分EXをX方向エッジ検出フィルタにより算出するとともに、副走査方向(例えばY方向とする)に沿ったエッジ成分EYをY方向エッジ検出フィルタにより算出する。そして、√(EX2+EY2)からエッジ強度を、tan−1(EY/EX)からエッジ方向を、それぞれ算出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図3(b)および図3(c)にそれぞれ示されるように、奇数サイズ(ここでは3行×3列)のエッジ検出フィルタにおいて、フィルタ係数は、中心軸に沿って0となり、中心軸を対象軸として絶対値が等しく且つ符号が逆となる。従って、図3(a)に示されるような画素値の分布を有する太さが1画素分の線すなわち細線に関しては、細線上の画素が中心画素となった場合には、エッジ成分が0となってしまうので、エッジ強度を適切に検出できないという問題点がある。
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、原画像の細線においても適切にエッジ強度を検出することができる画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像処理装置は、原画像データ内の注目画素の4つの頂点に関して、第1の方向に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列(Mは2以上の偶数)の第1のエッジ検出フィルタおよび前記第1の方向と垂直な第2の方向に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列の第2のエッジ検出フィルタをそれぞれ適用させる演算を行うことにより、前記4つの頂点それぞれにおいて前記第1の方向および前記第2の方向それぞれについてエッジ強度を検出する第1のエッジ強度検出手段と、前記エッジ強度検出手段により検出された各エッジ強度に基づき、前記注目画素のエッジ強度を検出する第2のエッジ強度検出手段とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る画像処理装置は、原画像の細線においても適切にエッジ強度を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明に係る画像処理装置100の基本的な構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明に係る画像処理装置100において偶数サイズのフィルタにより検出される細線のエッジ強度およびエッジ方向を示す図である。
【図3】図3は、奇数サイズのフィルタにより検出される細線のエッジ強度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明に係る画像処理装置100を示す図である。図1に示されるように、画像処理装置100は、頂点エッジ成分検出手段110と画素エッジ強度検出手段120と画素エッジ方向検出手段130とを備える。
【0011】
図2を用いて後述するように、頂点エッジ成分検出手段110は、原稿画像データ内の注目画素の4つの頂点に関して、主走査方向(例えばX方向とする)に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列(Mは2以上の偶数であり、以下ではM=2の場合について説明する)のX方向エッジ検出フィルタおよび副走査方向(例えばY方向とする)に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列のY方向エッジ検出フィルタをそれぞれ適用させる演算を行うことにより、この4つの頂点それぞれにおいてX方向およびY方向それぞれについてエッジ強度(エッジ成分)を検出する。
【0012】
また、画素エッジ強度検出手段120は、頂点エッジ成分検出手段110により検出された各頂点の各方向のエッジ成分に基づき、注目画素のエッジ強度を検出する。
また、画素エッジ方向検出手段130は、頂点エッジ成分検出手段110により検出された各頂点の各方向のエッジ成分に基づき、注目画素のエッジ方向を検出する。
【0013】
図2は、図1の画像処理装置100において偶数サイズ(2行×2列)のフィルタにより検出される細線のエッジ強度およびエッジ方向を示す図である。
【0014】
図2(a)には、Y方向に沿って連続的に(5画素分)画素値“1”を有しX方向に沿って1画素分の太さを有する細線が示されており、注目画素(中心画素)が細線上に位置している。なお、図2(a)においては、中心画素の4つの頂点P1〜P4が黒点として示されている。
【0015】
図2(b)には、M=2である場合におけるX方向エッジ検出フィルタおよびY方向エッジ検出フィルタがそれぞれ示されている。
【0016】
図2(c)には、図2(a)の中心画素の4つの頂点P1〜P4それぞれにおいて、頂点エッジ成分検出手段110によりX方向について検出されたエッジ成分EXおよびY方向について検出されたエッジ成分EYがそれぞれ示されている。なお、図2(c)においては、中心画素が黒点として示され、その周囲に4つの頂点P1〜P4のエッジ成分EY,EYがそれぞれ示されている。
【0017】
すなわち、頂点P1のX方向のエッジ成分EXは、(−1)×0+1×1+(−1)×0+1×1=2となる。
【0018】
また、頂点P2のX方向のエッジ成分EXは、(−1)×1+1×0+(−1)×1+1×0=−2となる。
【0019】
また、頂点P3のX方向のエッジ成分EXは、(−1)×0+1×1+(−1)×0+1×1=2となる。
【0020】
また、頂点P4のX方向のエッジ成分EXは、(−1)×1+1×0+(−1)×1+1×0=−2となる。
【0021】
また、頂点P1のY方向のエッジ成分EYは、(−1)×0+(−1)×1+1×0+1×1=0となる。
【0022】
また、頂点P2のY方向のエッジ成分EYは、(−1)×1+(−1)×0+1×1+1×0=0となる。
【0023】
また、頂点P3のY方向のエッジ成分EYは、(−1)×0+(−1)×1+1×0+1×1=0となる。
【0024】
また、頂点P4のY方向のエッジ成分EYは、(−1)×1+(−1)×0+1×1+1×0=0となる。
【0025】
図2(d)には、図2(c)の各頂点の各方向のエッジ成分EY,EYに基づき、画素エッジ強度検出手段120により検出された各頂点のエッジ強度Powおよび画素エッジ方向検出手段130により検出された各頂点のエッジ方向Dirが示されている。
すなわち、画素エッジ強度検出手段120は、各頂点において、√(EX2+EY2)からエッジ強度Powを算出する。そして、各頂点を中心とする2行×2列の領域(各頂点のウィンドウ領域)それぞれにおいて、注目画素と同一の画素値“1”を有する画素の個数を、そのウィンドウ領域における類似度として算出する。図2(a)では、いずれのウィンドウ領域においても、注目画素以外で注目画素と同一の画素値“1”を有する画素の個数は1であるので、類似度も1となる。そして、各頂点のエッジ強度Powを、対応するウィンドウ領域の類似度すなわち1で割った値(いずれも2)の最大値から、注目画素のエッジ強度が2と算出される。
なお、上述においては、類似度を、注目画素と同一の画素値を有する画素の個数として説明したが、これに限らす、類似度を、注目画素との画素値の差が所定値以下である画素の個数として求めてもよい。
【0026】
また、画素エッジ方向検出手段130は、各頂点において、tan−1(EY/EX)からエッジ方向Dirを検出する。図2(d)に示されるように、各頂点におけるエッジ方向Dirが左右方向内側に向いていることから、注目画素は、上下方向の細線上に位置していることが検出される(なお、注目画素は、左右方向の細線上に位置している場合には、各頂点におけるエッジ方向Dirは上下方向内側に向くように検出される)。
このように、本発明に係る画像処理装置100は、原稿画像データ内の注目画素の4つの頂点P1〜P4に関して、偶数サイズのエッジ検出フィルタを適用させる演算を行うことにより頂点P1〜P4においてエッジ強度を検出し、これら頂点P1〜P4のエッジ強度に基づき、注目画素のエッジ強度または注目画素のエッジ方向を検出する。従って、奇数サイズのエッジ検出フィルタを適用させる場合とは異なり、原画像の細線においても適切にエッジ強度を検出することができる。
【符号の説明】
【0027】
100 画像処理装置
110 頂点エッジ成分検出手段(第1のエッジ強度検出手段)
120 画素エッジ強度検出手段(第2のエッジ強度検出手段)
130 画素エッジ方向検出手段(エッジ方向検出手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理装置および画像処理方法に係り、特にエッジを検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
原画像を二値化して印刷するプリンタなどの装置は、印刷する前に、原画像にスクリーニング処理を施す必要がある。スクリーニング処理された後のスクリーニング画像は、連続階調画像からなる原画像と比較すると、離散的なので、直接にスクリーニング画像を処理するのはかなり難しい。従って、従来は、スクリーニング画像を処理する前に、まずスクリーニング画像のエッジ強度(およびエッジ方向)を確認してから処理していた。
【0003】
すなわち、従来は、Sobel又はLaplaceテンプレート(フィルタ)を用いて、スクリーニング画像のエッジ強度およびエッジ方向を検出していた。
エッジ強度およびエッジ方向を検出するときには、奇数サイズすなわちN行×N列(Nは3以上の奇数)のフィルタにおいて、その中心画素(注目画素)に関して、中心画素の近傍の画素の画素値とフィルタ係数との積を足し合わせるフィルタ演算によりこの中心画素におけるエッジ強度およびエッジ方向を検出することが多い。
【0004】
具体的には、所定の平面上(例えばXY平面とする)の原画像データに対して、主走査方向(例えばX方向とする)に沿ったエッジ成分EXをX方向エッジ検出フィルタにより算出するとともに、副走査方向(例えばY方向とする)に沿ったエッジ成分EYをY方向エッジ検出フィルタにより算出する。そして、√(EX2+EY2)からエッジ強度を、tan−1(EY/EX)からエッジ方向を、それぞれ算出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図3(b)および図3(c)にそれぞれ示されるように、奇数サイズ(ここでは3行×3列)のエッジ検出フィルタにおいて、フィルタ係数は、中心軸に沿って0となり、中心軸を対象軸として絶対値が等しく且つ符号が逆となる。従って、図3(a)に示されるような画素値の分布を有する太さが1画素分の線すなわち細線に関しては、細線上の画素が中心画素となった場合には、エッジ成分が0となってしまうので、エッジ強度を適切に検出できないという問題点がある。
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、原画像の細線においても適切にエッジ強度を検出することができる画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像処理装置は、原画像データ内の注目画素の4つの頂点に関して、第1の方向に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列(Mは2以上の偶数)の第1のエッジ検出フィルタおよび前記第1の方向と垂直な第2の方向に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列の第2のエッジ検出フィルタをそれぞれ適用させる演算を行うことにより、前記4つの頂点それぞれにおいて前記第1の方向および前記第2の方向それぞれについてエッジ強度を検出する第1のエッジ強度検出手段と、前記エッジ強度検出手段により検出された各エッジ強度に基づき、前記注目画素のエッジ強度を検出する第2のエッジ強度検出手段とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る画像処理装置は、原画像の細線においても適切にエッジ強度を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明に係る画像処理装置100の基本的な構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明に係る画像処理装置100において偶数サイズのフィルタにより検出される細線のエッジ強度およびエッジ方向を示す図である。
【図3】図3は、奇数サイズのフィルタにより検出される細線のエッジ強度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明に係る画像処理装置100を示す図である。図1に示されるように、画像処理装置100は、頂点エッジ成分検出手段110と画素エッジ強度検出手段120と画素エッジ方向検出手段130とを備える。
【0011】
図2を用いて後述するように、頂点エッジ成分検出手段110は、原稿画像データ内の注目画素の4つの頂点に関して、主走査方向(例えばX方向とする)に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列(Mは2以上の偶数であり、以下ではM=2の場合について説明する)のX方向エッジ検出フィルタおよび副走査方向(例えばY方向とする)に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列のY方向エッジ検出フィルタをそれぞれ適用させる演算を行うことにより、この4つの頂点それぞれにおいてX方向およびY方向それぞれについてエッジ強度(エッジ成分)を検出する。
【0012】
また、画素エッジ強度検出手段120は、頂点エッジ成分検出手段110により検出された各頂点の各方向のエッジ成分に基づき、注目画素のエッジ強度を検出する。
また、画素エッジ方向検出手段130は、頂点エッジ成分検出手段110により検出された各頂点の各方向のエッジ成分に基づき、注目画素のエッジ方向を検出する。
【0013】
図2は、図1の画像処理装置100において偶数サイズ(2行×2列)のフィルタにより検出される細線のエッジ強度およびエッジ方向を示す図である。
【0014】
図2(a)には、Y方向に沿って連続的に(5画素分)画素値“1”を有しX方向に沿って1画素分の太さを有する細線が示されており、注目画素(中心画素)が細線上に位置している。なお、図2(a)においては、中心画素の4つの頂点P1〜P4が黒点として示されている。
【0015】
図2(b)には、M=2である場合におけるX方向エッジ検出フィルタおよびY方向エッジ検出フィルタがそれぞれ示されている。
【0016】
図2(c)には、図2(a)の中心画素の4つの頂点P1〜P4それぞれにおいて、頂点エッジ成分検出手段110によりX方向について検出されたエッジ成分EXおよびY方向について検出されたエッジ成分EYがそれぞれ示されている。なお、図2(c)においては、中心画素が黒点として示され、その周囲に4つの頂点P1〜P4のエッジ成分EY,EYがそれぞれ示されている。
【0017】
すなわち、頂点P1のX方向のエッジ成分EXは、(−1)×0+1×1+(−1)×0+1×1=2となる。
【0018】
また、頂点P2のX方向のエッジ成分EXは、(−1)×1+1×0+(−1)×1+1×0=−2となる。
【0019】
また、頂点P3のX方向のエッジ成分EXは、(−1)×0+1×1+(−1)×0+1×1=2となる。
【0020】
また、頂点P4のX方向のエッジ成分EXは、(−1)×1+1×0+(−1)×1+1×0=−2となる。
【0021】
また、頂点P1のY方向のエッジ成分EYは、(−1)×0+(−1)×1+1×0+1×1=0となる。
【0022】
また、頂点P2のY方向のエッジ成分EYは、(−1)×1+(−1)×0+1×1+1×0=0となる。
【0023】
また、頂点P3のY方向のエッジ成分EYは、(−1)×0+(−1)×1+1×0+1×1=0となる。
【0024】
また、頂点P4のY方向のエッジ成分EYは、(−1)×1+(−1)×0+1×1+1×0=0となる。
【0025】
図2(d)には、図2(c)の各頂点の各方向のエッジ成分EY,EYに基づき、画素エッジ強度検出手段120により検出された各頂点のエッジ強度Powおよび画素エッジ方向検出手段130により検出された各頂点のエッジ方向Dirが示されている。
すなわち、画素エッジ強度検出手段120は、各頂点において、√(EX2+EY2)からエッジ強度Powを算出する。そして、各頂点を中心とする2行×2列の領域(各頂点のウィンドウ領域)それぞれにおいて、注目画素と同一の画素値“1”を有する画素の個数を、そのウィンドウ領域における類似度として算出する。図2(a)では、いずれのウィンドウ領域においても、注目画素以外で注目画素と同一の画素値“1”を有する画素の個数は1であるので、類似度も1となる。そして、各頂点のエッジ強度Powを、対応するウィンドウ領域の類似度すなわち1で割った値(いずれも2)の最大値から、注目画素のエッジ強度が2と算出される。
なお、上述においては、類似度を、注目画素と同一の画素値を有する画素の個数として説明したが、これに限らす、類似度を、注目画素との画素値の差が所定値以下である画素の個数として求めてもよい。
【0026】
また、画素エッジ方向検出手段130は、各頂点において、tan−1(EY/EX)からエッジ方向Dirを検出する。図2(d)に示されるように、各頂点におけるエッジ方向Dirが左右方向内側に向いていることから、注目画素は、上下方向の細線上に位置していることが検出される(なお、注目画素は、左右方向の細線上に位置している場合には、各頂点におけるエッジ方向Dirは上下方向内側に向くように検出される)。
このように、本発明に係る画像処理装置100は、原稿画像データ内の注目画素の4つの頂点P1〜P4に関して、偶数サイズのエッジ検出フィルタを適用させる演算を行うことにより頂点P1〜P4においてエッジ強度を検出し、これら頂点P1〜P4のエッジ強度に基づき、注目画素のエッジ強度または注目画素のエッジ方向を検出する。従って、奇数サイズのエッジ検出フィルタを適用させる場合とは異なり、原画像の細線においても適切にエッジ強度を検出することができる。
【符号の説明】
【0027】
100 画像処理装置
110 頂点エッジ成分検出手段(第1のエッジ強度検出手段)
120 画素エッジ強度検出手段(第2のエッジ強度検出手段)
130 画素エッジ方向検出手段(エッジ方向検出手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原画像データ内の注目画素の4つの頂点に関して、第1の方向に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列(Mは2以上の偶数)の第1のエッジ検出フィルタおよび前記第1の方向と垂直な第2の方向に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列の第2のエッジ検出フィルタをそれぞれ適用させる演算を行うことにより、前記4つの頂点それぞれにおいて前記第1の方向および前記第2の方向それぞれについてエッジ強度を検出する第1のエッジ強度検出手段と、
前記エッジ強度検出手段により検出された各エッジ強度に基づき、前記注目画素のエッジ強度を検出する第2のエッジ強度検出手段と
を備える画像処理装置。
【請求項2】
原画像データ内の注目画素の4つの頂点に関して、第1の方向に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列(Mは2以上の偶数)の第1のエッジ検出フィルタおよび前記第1の方向と垂直な第2の方向に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列の第2のエッジ検出フィルタをそれぞれ適用させる演算を行うことにより、前記4つの頂点それぞれにおいて前記第1の方向および前記第2の方向それぞれについてエッジ強度を検出する第1のエッジ強度検出手段と、
前記エッジ強度検出手段により検出された各エッジ強度に基づき、前記注目画素のエッジ方向を検出するエッジ方向検出手段と
を備える画像処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記第2のエッジ強度検出手段は、
前記第1のエッジ検出フィルタおよび前記第2のエッジ検出フィルタが適用される前記原画像データ上の領域において、前記注目画素以外の画素であって前記注目画素との画素値の差が所定値以下である画素の個数に基づき、前記注目画素のエッジ強度を検出する
画像処理装置。
【請求項4】
原画像データ内の注目画素の4つの頂点に関して、第1の方向に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列(Mは2以上の偶数)の第1のエッジ検出フィルタおよび前記第1の方向と垂直な第2の方向に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列の第2のエッジ検出フィルタをそれぞれ適用させる演算を行うことにより、前記4つの頂点それぞれにおいて前記第1の方向および前記第2の方向それぞれについてエッジ強度を検出する第1のエッジ強度検出ステップと、
前記エッジ強度検出ステップにより検出された各エッジ強度に基づき、前記注目画素のエッジ強度を検出する第2のエッジ強度検出ステップと
を備える画像処理方法。
【請求項5】
原画像データ内の注目画素の4つの頂点に関して、第1の方向に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列(Mは2以上の偶数)の第1のエッジ検出フィルタおよび前記第1の方向と垂直な第2の方向に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列の第2のエッジ検出フィルタをそれぞれ適用させる演算を行うことにより、前記4つの頂点それぞれにおいて前記第1の方向および前記第2の方向それぞれについてエッジ強度を検出する第1のエッジ強度検出ステップと、
前記エッジ強度検出ステップにより検出された各エッジ強度に基づき、前記注目画素のエッジ方向を検出するエッジ方向検出ステップと
を備える画像処理方法。
【請求項1】
原画像データ内の注目画素の4つの頂点に関して、第1の方向に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列(Mは2以上の偶数)の第1のエッジ検出フィルタおよび前記第1の方向と垂直な第2の方向に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列の第2のエッジ検出フィルタをそれぞれ適用させる演算を行うことにより、前記4つの頂点それぞれにおいて前記第1の方向および前記第2の方向それぞれについてエッジ強度を検出する第1のエッジ強度検出手段と、
前記エッジ強度検出手段により検出された各エッジ強度に基づき、前記注目画素のエッジ強度を検出する第2のエッジ強度検出手段と
を備える画像処理装置。
【請求項2】
原画像データ内の注目画素の4つの頂点に関して、第1の方向に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列(Mは2以上の偶数)の第1のエッジ検出フィルタおよび前記第1の方向と垂直な第2の方向に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列の第2のエッジ検出フィルタをそれぞれ適用させる演算を行うことにより、前記4つの頂点それぞれにおいて前記第1の方向および前記第2の方向それぞれについてエッジ強度を検出する第1のエッジ強度検出手段と、
前記エッジ強度検出手段により検出された各エッジ強度に基づき、前記注目画素のエッジ方向を検出するエッジ方向検出手段と
を備える画像処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記第2のエッジ強度検出手段は、
前記第1のエッジ検出フィルタおよび前記第2のエッジ検出フィルタが適用される前記原画像データ上の領域において、前記注目画素以外の画素であって前記注目画素との画素値の差が所定値以下である画素の個数に基づき、前記注目画素のエッジ強度を検出する
画像処理装置。
【請求項4】
原画像データ内の注目画素の4つの頂点に関して、第1の方向に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列(Mは2以上の偶数)の第1のエッジ検出フィルタおよび前記第1の方向と垂直な第2の方向に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列の第2のエッジ検出フィルタをそれぞれ適用させる演算を行うことにより、前記4つの頂点それぞれにおいて前記第1の方向および前記第2の方向それぞれについてエッジ強度を検出する第1のエッジ強度検出ステップと、
前記エッジ強度検出ステップにより検出された各エッジ強度に基づき、前記注目画素のエッジ強度を検出する第2のエッジ強度検出ステップと
を備える画像処理方法。
【請求項5】
原画像データ内の注目画素の4つの頂点に関して、第1の方向に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列(Mは2以上の偶数)の第1のエッジ検出フィルタおよび前記第1の方向と垂直な第2の方向に沿ったエッジ強度を検出するM行×M列の第2のエッジ検出フィルタをそれぞれ適用させる演算を行うことにより、前記4つの頂点それぞれにおいて前記第1の方向および前記第2の方向それぞれについてエッジ強度を検出する第1のエッジ強度検出ステップと、
前記エッジ強度検出ステップにより検出された各エッジ強度に基づき、前記注目画素のエッジ方向を検出するエッジ方向検出ステップと
を備える画像処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2011−145888(P2011−145888A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−6086(P2010−6086)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【出願人】(509352679)方正国際軟件(北京)有限公司 (9)
【出願人】(500212103)北京大学 (16)
【氏名又は名称原語表記】PEKING UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】5 Yiheyuan Road,Haidian District,Beijing 100871 China
【上記2名の代理人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラミタ株式会社
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【出願人】(509352679)方正国際軟件(北京)有限公司 (9)
【出願人】(500212103)北京大学 (16)
【氏名又は名称原語表記】PEKING UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】5 Yiheyuan Road,Haidian District,Beijing 100871 China
【上記2名の代理人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラミタ株式会社
【Fターム(参考)】
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