説明

画像処理装置および画像処理方法

【課題】限られた領域へ多くの図形や文字を配置することが可能な画像処理装置を得ること。
【解決手段】複数の表示対象を認識できるように配置して表示可能な画像処理装置10であって、表示対象を指定する入力部11と、表示対象を表示する際に必要なデータを格納するための表示データ格納部13と、指定された表示対象を表示する際に必要なデータを前記表示データ格納部13から読み出し、読み出したデータに基づいて、表示対象に外接する外接図形を作成し、さらに、当該外接図形よりも面積が小さくなるように、表示対象同士の重なりを判定するための判定図形を作成する表示制御部12と、指定された複数の表示対象の判定図形が重ならないように当該複数の表示対象を配置する表示部14と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示する図形や文字の重なりを制御する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示デバイス上に図形や文字(または文字ブロック)を表示する際、図形等が重なるとユーザが識別できなくなるため、表示対象の図形等について重なりを防止して表示する技術が検討されている。具体的に、表示対象の図形や文字に接する外接円を用い、この外接円同士が重なる程度によって図形や文字の重なりを判断する技術が、下記特許文献1において開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−59212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術によれば、図形や文字の重なり判定を高精度に行うことができず、図形や文字の形状によっては2つの図形等の間に隙間があっても重なっていると誤判定する。そのため、限られた領域へ多くの図形や文字を配置させたい(表示させたい)場合であっても不必要な隙間が生じてしまう、という問題があった。
【0005】
具体的に、従来技術の問題点について説明する。たとえば、縦横の長さの比が大きく異なる長方形を2つ表示する場合は、これらの長方形に接する外接円を設け、2つの図形が重なるかどうかについては、それぞれの外接円の関係で判定する。しかしながら、この判定方法では、本来の図形等の形状は考慮されない。そのため、この判定方法を、縦横の長さの比が大きく異なる2つの長方形が重なっているかどうかの判定に適用した場合には、たとえば、長辺部分が平行に並んだ2つの長方形を想定すると、実際には重なっていなくても、重なっていると誤って判定されてしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、図形や文字が重なることによって認識できなくなる事態を回避しつつ、限られた領域へより多くの図形や文字を配置することが可能な画像処理装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の表示対象を認識できるように配置して表示可能な画像処理装置であって、表示対象を指定する入力手段と、表示対象を表示する際に必要なデータを格納するための表示データ格納手段と、指定された表示対象を表示する際に必要なデータを前記表示データ格納手段から読み出し、読み出したデータに基づいて、表示対象に外接する外接図形を作成し、さらに、当該外接図形よりも面積が小さくなるように、表示対象同士の重なりを判定するための判定図形を作成する表示制御手段と、指定された複数の表示対象の判定図形が重ならないように当該複数の表示対象を配置する配置手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、限られた領域へより多くの図形や文字を配置することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、画像処理装置の構成例を示す図である。
【図2】図2は、画像処理を示すフローチャートである。
【図3】図3は、外接図形および判定図形を示す図である。
【図4】図4は、文字の重なり状態を示す図である。
【図5】図5は、外接図形を示す図である。
【図6】図6は、外接図形および判定図形を示す図である。
【図7】図7は、外接図形および判定図形を示す図である。
【図8】図8は、表示対象の文字をドットで示す図である。
【図9】図9は、外接図形に対する判定図形の大きさの比率を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明にかかる画像処理装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、画像処理装置10の構成例を示す図である。画像処理装置10は、入力部11と、表示制御部12と、表示データ格納部13と、表示部14と、を備える。入力部11は、表示制御部12に対して表示対象を指定する。具体的には、ユーザが操作するPC(パーソナルコンピュータ)等のキーボード、マウス等があるが、これらに限定するものではない。表示制御部12は、入力部11から指定された表示対象について、表示データ格納部13から取得したデータに基づいて外接図形を作成し、さらに、図形や文字が重なる場合に重なり度合いを判定するための判定図形を作成する。表示データ格納部13は、文字や図形等を表示する際に必要な位置、大きさ等のデータを格納するための格納部(メモリ)である。表示部14は、図形や文字を表示する際に、表示制御部12で作成された判定図形が交錯しない様に図形等を配置して表示を行う。表示部14が実際に図形等を表示、出力するものとしては、ディスプレイ等の表示機器に限定するものではなく、プリンタ等の紙面に印刷する装置であってもよい。
【0012】
つづいて、画像処理装置10において表示対象の図形等を表示する際の画像処理について説明する。図2は、画像処理装置10の画像処理を示すフローチャートである。まず、入力部11から、表示制御部12に対して、表示部14に表示すべき文字等の表示対象を指定する(ステップS1)。表示制御部12では、表示すべき文字等の表示対象の指定を受け付け、指定された文字等の表示対象を表示する際に必要なデータを、表示データ格納部13から読み出す(ステップS2)。
【0013】
つぎに、表示制御部12は、取得したデータから表示対象についての外接図形を作成し(ステップS3)、さらに、作成した外接図形に基づいて判定図形を作成する(ステップS4)。
【0014】
ここで、外接図形と判定図形の関係について説明する。図3は、外接図形および判定図形を示す図である。例えば、文字301(「A」とする)を表示する場合、表示制御部12は、まず、文字301に外接する外接図形302を作成する(ステップS3)。ここでは、外接図形を矩形の形状とする。つぎに、表示制御部12は、外接図形302の面積をVとした場合に、面積Vよりも面積が小さくなるような判定図形303を作成する(ステップS4)。判定図形の面積をV’とするとV’=αVとなる(0<α<1)。このαの設定により、人間の視覚に近い重なり判定を表現することができる。初期値としてα=0.8程度の値を選定する。
【0015】
すなわち、本実施の形態では、隣接する図形や文字の一部が重なることを想定している。重なることを前提に、一部分が重なった場合であっても、判定図形で示される部分が重ならなければ図形や文字を識別できるような判定図形を作成する。このように図形等を配置することにより、限られた領域へより多くの図形や文字を配置することができる。
【0016】
表示制御部12で表示対象の図形等について判定図形が作成された後、表示部14は、判定図形が交錯しないように、表示対象の図形等を配置して表示する(ステップS5)。また、表示部14は、表示対象の図形等の内容や位置が変化する場合、図形等の判定図形が交錯しないように監視する。
【0017】
図4は、文字の重なり状態を示す図である。一例として、表示部14としてディスプレイを用いて、文字301、および文字401(「B」とする)を表示する場合を想定する。文字401に対する外接図形402および判定図形403の関係については、文字301の場合と同様である。図4において、表示部14は、文字同士は重なっているが、判定図形が交錯しないように(重ならないように)配置している。そのため、実際に表示されたディスプレイ上において、それぞれの文字は識別可能な状態を確保している。
【0018】
なお、選定したαの値は変更可能であり、実際に表示した場合において、図形等が重なったために各図形等が識別できないと判断した場合には、αを大きな値に変更する。一方、もう少し図形等が重なった場合でも各図形等を識別することができると判断した場合には、αを小さな値に変更する。αの値が小さいほど、多くの図形や文字を配置することができる。
【0019】
また、携帯電話機やカーナビゲーション、CAD(Computer Aided Design)等、表示サイズや表示内容に応じて、適宜αの値を設定することが可能である。
【0020】
また、αの値の選定方法として、人間の視覚によりあらかじめ図形や文字の重なりを判定しておき、この判定結果を基にした統計データを利用することによって設定することも可能である。
【0021】
以上説明したように、本実施の形態では、図形や文字の重なりを人間の視覚により意味を判別できる程度に許容し、人間の図形や文字の重なりを認識する場合に近い判定基準となる判定図形を用いることとした。これにより、それぞれの表示対象の図形や文字の判定図形が交錯しないように配置することで、限られた領域に表記できる図形や文字の数を図形や文字の重なりを全く許容しない場合に比べて、増加させることができる。
【0022】
実施の形態2.
本実施の形態では、外接図形の作成方法について説明する。実施の形態1と異なる部分について説明する。
【0023】
図5は、表示する対象が図形の場合における外接図形を示す図である。トラックを表した図形501に対して5本の接線を引き、5本の接線がなす閉じた空間を外接図形502とするものである。表示制御部12では、外接図形を作成する際(前述のステップS3)の処理において、表示対象の図形や文字に凹凸が多いと、接線の本数が非常に多くなることが考えられる。接線の本数が多いということは、外接図形の形状が複雑になることを意味する。外接図形の形状が複雑になった場合、表示制御部12では、外接図形の作成に対する処理負荷が増え、さらに、判定図形を作成する際の処理負荷も増える。
【0024】
そのため、表示制御部12は、あらかじめ表示対象(被判定図形)に対する接線の本数に上限を設ける。これにより、複雑な形状の外接図形を作成することができず、大まかな形状の外接図形を作成することが可能となる。
【0025】
以上説明したように、本実施の形態によれば、表示対象(被判定図形)が複雑な形状をしている場合であっても、表示対象に対する接線の本数を制限することで、外接図形を閉じた多角形で表現し、大まかな形状で作成することとした。これにより、表示制御部12は、処理負荷を軽減しつつ、容易に外接図形を作成することができる。
【0026】
なお、表示対象が文字の場合、文字の形状に関係なく、外接図形の形状を矩形に設定してもよい。すなわち、接線の本数を4本とし、4本の接線で閉じた空間を外接図形とする。このように規定することにより、外接図形を作成する際の処理負荷を、さらに軽減することができる。
【0027】
また、あらかじめ表示する文字列(単語)が特定されているものについては、単語自体を1つのまとまりとして外接図形を作成してもよい。単語自体に外接図形として矩形を与えても、その形状を表現することが可能と考えられるためである。これにより、1文字ずつ外接図形を作成する場合に比べて、さらに処理負荷を軽減することができる。
【0028】
実施の形態3.
本実施の形態では、判定図形の作成方法として、外接図形と相似形状の判定図形を作成する場合について説明する。実施の形態1、2と異なる部分について説明する。
【0029】
図6は、外接図形および外接図形と相似形状の判定図形を示す図である。外接図形601から、相似形状の判定図形602を作成するまでを説明するものである。表示制御部12は、表示対象の図形等に対して接線を引き、接線により閉じた空間から外接図形601を作成する(ステップS3)。
【0030】
つぎに、表示制御部12は、外接図形の中心点を求め、求めた中心点から各頂点を結ぶ5本の線分を引く。その後、線分の比率が中心点からb/aとなる点を決定し、決定した各線分上の5つの点を結ぶことによって、mだけ縮小した判定図形602を作成する(ステップS4)。すなわち、m=b/aの値が√(α)となるようにbの値を設定することで、所望の大きさの判定図形を作成することができる。
【0031】
このように判定図形を作成することによって、外接図形と判定図形の形状が異なる場合に比べて、双方の面積比(V=αV’)を示すαについて、視覚的に容易に認識することが可能となる。また、外接図形と判定図形の形状が異なる場合に比べて、判定図形を作成する際の処理負荷を軽減することができる。
【0032】
以上説明したように、本実施の形態によれば、判定図形の形状を、外接図形と相似形状の図形として作成することとした。これにより、外接図形との面積比に基づいて、判定図形を容易に作成でき、処理負荷を軽減することができる。
【0033】
実施の形態4.
本実施の形態では、判定図形の作成方法として、楕円形状の判定図形を作成する場合について説明する。実施の形態1〜3と異なる部分について説明する。
【0034】
図7は、外接図形、および楕円形状の判定図形を示す図である。外接図形701から、楕円形状の判定図形704を作成するまでを説明するものである。表示制御部12は、表示対象の図形等に対して接線を引き、接線により閉じた空間から外接図形701を作成する(ステップS3)。ここでは、外接図形を矩形の形状とする。
【0035】
つぎに、表示制御部12は、外接図形701の長辺wz(もしくは長辺xy)の長さに対して比率t(0<t<1)の長さを持つ長軸702を得る。また、短辺wx(もしくは短辺zy)の長さに対して比率u(0<u<1)の長さを持つ短軸703を得る。これらのtおよびuの値は、外接図形と判定図形との面積比を示すαの設定値に基づいて決定する。表示制御部12は、この長軸702および短軸703に基づいて、これらの長軸702および短軸703がなす楕円形状の判定図形704を作成する(ステップS4)。外接図形が矩形の場合、長軸および短軸を設定することにより、容易に楕円形状の判定図形を作成することができる。
【0036】
以上説明したように、本実施の形態によれば、外接図形が矩形の場合に、判定図形を楕円形状の図形として作成することとした。これにより、外接図形との面積比に基づいて、判定図形を容易に作成でき、処理負荷を軽減することができる。
【0037】
実施の形態5.
本実施の形態では、判定図形の作成方法として、表示対象についてドット密度を算出し、ドット密度の高密度部分を含ませるように判定図形を作成する場合について説明する。実施の形態1〜4と異なる部分について説明する。
【0038】
具体的な手順について図8を用いて説明する。図8は、表示対象の文字をドットで示す図である。文字801に対して、外接図形802がある(図8(a)参照)。ここでは表示対象を、「SAMPLE」という単語とする。表示制御部12は、表示対象の「SAMPLE」に対して接線を引き、接線により閉じた空間から外接図形802を作成する(ステップS3)。つぎに、表示制御部12は、この「SAMPLE」という文字のドット密度を算出する。ドット密度をプロットしたものが図8(b)である。図8(b)では、外接図形803内の密度分布において、高密度地点が確認できる。表示制御部12は、この高密度地点を含ませるように楕円形状の外接図形804を作成する(ステップS4)。
【0039】
ここで、表示制御部12において、ドット密度を算出する方法について説明する。文字を構成するドットの値をpとし、一方、無地の部分は0とする。このとき、ドットの位置を自然数であらわされる2次元座標(m,n)で表現したとき、文字を構成するドット部分の値はa(m,n)=pであり、無地の部分の値はa(m,n)=0となる。この条件を用いて地点a(m,n)における密度分布P(m,n)を式(1)のように表す。
【0040】
【数1】

【0041】
このP(m,n)により、図形や文字の密度を0からpまでの値として算出することができる。図8は、この式(1)の適用した場合の例である。ここでは、r=1、s=1を用いる。すなわち、あるドットにおけるドット密度を算出する場合、自身のドットを含めた「(2r+1)×(2s+1)=3×3=9」ドットの値の平均値に基づいて算出している。
【0042】
ドット密度の高い部分が他の図形等と重なると、識別しにくくなると考えられる。そのため、本実施の形態では、ドット密度の高密度地点を含ませるように判定図形を作成する。このように判定図形を作成することによって、外接図形の形状から面積比率に応じて単純に縮小した判定図形を作成する場合と比較して、ドット密度が高い部分については確実に他の図形等との重なりを防止することができる。
【0043】
一般的に文字は横あるいは縦長に表現されることから楕円形状が適しているが、これに限定するものではなく、他の形状を用いてもよく、実施の形態3で説明した判定図形を外接図形と相似形状にする場合にも適用可能である。なお、ドットごとに密度を算出すため計算量が多くなる。そのため、図形や文字に対してドット密度の高密度地点を含ませる判定図形をあらかじめ用意しておく等の方法により、計算量を減らすことが可能である。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態によれば、表示対象についてドット密度を算出し、ドット密度の高密度地点を含ませるように判定図形を作成することとした。これにより、外接図形の形状から面積比率に応じて判定図形を作成する場合と比較して、図形等が重なることによって識別しにくくなるような事態を回避することができる。
【0045】
実施の形態6.
本実施の形態では、表示対象の表示サイズに応じて判定図形を拡大またな縮小する方法について説明する。実施の形態1〜5と異なる部分について説明する。
【0046】
図6を用いて、表示対象の図形や文字を拡大または縮小して表示する際に、判定図形のサイズを拡大または縮小する方法について説明する。表示制御部12において、外接図形の大きさをaで表す場合に、判定図形の縮小比率m(=b/a)を関数m=f(a)とする。関数m=f(a)は、aに対して単調減少であることとする。このような条件を満たす近似式として、一例として、式(2)を示す。
【0047】
【数2】

【0048】
ここでは、A、B、C、Dは全て正数(>0)とする。つぎに、式(2)のA、B、C、Dを決定する方法について説明する。図形や文字の大きさが極めて小さい場合は、m=mmax=1とし、図形や文字の大きさが無限大になった場合は、m=mminとする。このmmaxとmminを用いて式(2)を、以下の式(3)の様に表すことができる。
【0049】
【数3】

【0050】
さらに、任意の点(a,f(a))を与えてAおよびBを決定する。式(3)において、(a,f(a))=(10mm,0.6)を仮定し、簡単のため、A=1としてBを求めると、B=0.069となり、式(4)を得ることができる。
【0051】
【数4】

【0052】
図9は、外接図形に対する判定図形の大きさの比率を示す図である。式(4)をプロットしたグラフである。このグラフによれば、図形や文字の外接図形が小さいほど、判定図形の比率は1に近づき、外接図形とほぼ一致させることができる。一方、外接図形が大きくなるにつれて、一定の比率0.2に近づくことがわかる。A、B、C、Dは人間の視覚などにより図形や文字の重なりを判定し、この判定結果をもとにした統計データに基づいての決定を行えば精度が向上する。なお、式(2)は一例であり、この式に限定するものではなく、システムに応じた適切な近似式を採用可能である。
【0053】
以上説明したように、本実施の形態では、表示対象の図形や文字の大きさが大きいときには、外接図形に対する判定図形の比率を小さく、一方、表示対象の図形や文字の大きさが小さいときには、外接図形に対する判定図形の比率を大きくすることで、人間の視覚に適した判定を行なうことができることとした。これにより、
1.図形や文字が小さい場合には重なり判定を設けたことにより逆に人間の視覚ではみえなくなってしまう問題を回避できる効果
2.図形や文字の大きさが大きいものほど実際に図形等を表示する際の重なりを許容することができるため、限られた領域へより多くの図形や文字の配置が可能となる効果
が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上のように、本発明にかかる画像処理装置は、複数の図形や文字を表示することに有用であり、特に、図形等の重なりを制御して表示することに適している。
【符号の説明】
【0055】
10 画像処理装置
11 入力部
12 表示制御部
13 表示データ格納部
14 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示対象を認識できるように配置して表示可能な画像処理装置であって、
表示対象を指定する入力手段と、
表示対象を表示する際に必要なデータを格納するための表示データ格納手段と、
指定された表示対象を表示する際に必要なデータを前記表示データ格納手段から読み出し、読み出したデータに基づいて、表示対象に外接する外接図形を作成し、さらに、当該外接図形よりも面積が小さくなるように、表示対象同士の重なりを判定するための判定図形を作成する表示制御手段と、
指定された複数の表示対象の判定図形が重ならないように当該複数の表示対象を配置する配置手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、表示対象に対して外接するように接線を引き、接線によって形成された閉じた領域を外接図形とする、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記接線の本数を制限する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、表示対象が文字の場合、外接図形を矩形にする、
ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、判定図形の形状を、外接図形に対して相似となる形状とする、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、外接図形が矩形の場合、判定図形の形状を楕円形状とする、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、表示対象を構成するドットのドット密度を算出し、ドット密度が高い領域を含ませるように判定図形を作成する、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、
表示対象の表示サイズが変更可能な場合において、
表示対象の表示サイズを大きくするように変更する場合は、変更前と比較して、外接図形に対する判定図形の面積比を小さくし、一方、表示対象の表示サイズを小さくするように変更する場合は、変更前と比較して、外接図形に対する判定図形の面積比を大きくする、
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項9】
複数の表示対象を認識できるように配置して表示可能な画像処理装置における画像処理方法であって、
前記画像処理装置が、表示対象を表示する際に必要なデータを格納するための表示データ格納手段、を備える場合において、
表示対象を指定する表示対象指定ステップと、
表示対象を表示する際に必要なデータを前記表示データ格納手段から読み出す表示データ取得ステップと、
読み出したデータに基づいて、表示対象に外接する外接図形を作成する外接図形作成ステップと、
作成した外接図形に基づいて、当該外接図形よりも面積が小さくなるように、表示対象同士の重なりを判定するための判定図形を作成する判定図形作成ステップと、
指定された複数の表示対象の判定図形が重ならないように当該複数の表示対象を配置する配置ステップと、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
前記外接図形作成ステップでは、表示対象に対して外接するように接線を引き、接線によって形成された閉じた領域を外接図形とする、
ことを特徴とする請求項9に記載の画像処理方法。
【請求項11】
前記外接図形作成ステップでは、前記接線の本数を制限する、
ことを特徴とする請求項10に記載の画像処理方法。
【請求項12】
前記外接図形作成ステップでは、表示対象が文字の場合、外接図形を矩形にする、
ことを特徴とする請求項9、10または11に記載の画像処理方法。
【請求項13】
前記判定図形作成ステップでは、判定図形の形状を、外接図形に対して相似となる形状とする、
ことを特徴とする請求項9〜12のいずれか1つに記載の画像処理方法。
【請求項14】
前記判定図形作成ステップでは、外接図形が矩形の場合、判定図形の形状を楕円形状とする、
ことを特徴とする請求項9〜13のいずれか1つに記載の画像処理方法。
【請求項15】
前記判定図形作成ステップでは、表示対象を構成するドットのドット密度を算出し、ドット密度が高い領域を含ませるように判定図形を作成する、
ことを特徴とする請求項9〜14のいずれか1つに記載の画像処理方法。
【請求項16】
前記判定図形作成ステップでは、
表示対象の表示サイズが変更可能な場合において、
表示対象の表示サイズを大きくするように変更する場合は、変更前と比較して、外接図形に対する判定図形の面積比を小さくし、一方、表示対象の表示サイズを小さくするように変更する場合は、変更前と比較して、外接図形に対する判定図形の面積比を大きくする、
ことを特徴とする請求項9〜15のいずれか1つに記載の画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−33705(P2011−33705A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−177975(P2009−177975)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】