説明

画像処理装置および画像処理方法

【課題】複数色の色票が配置されたチャートの撮影画像から、各色票の領域を正確に識別することは困難であった。
【解決手段】色票色推定部304が、チャートにおける色票の構成および各色票の色信号値を示すチャート構成データと、出力機器の色再現特性に基づいて、出力機器から出力されたチャートにおける各色票の出力色信号値を推定する。そして色票配置部307が、隣接する色票間での出力色信号値の差分が所定の閾値以上となるように、チャート内に各色票を配置する。これにより各色票がランダムに配置されたチャートが得られ、該チャートを撮影したチャート撮影画像において、隣接する画素間における色差を参照することで、各色票の領域を確実に識別し、撮影色信号値を確実に抽出することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の色票が配置されたチャートを用いて出力機器の色再現特性を取得する画像処理に関する。
【背景技術】
【0002】
出力機器の色再現特性を取得するために、複数色の色票によって構成されたチャートを用いる技術が知られている。該技術によればすなわち、出力機器により出力されたチャート上の色票の色を測定するため、デジタルカメラを用いて該出力されたチャートの撮影画像を取得し、色票の撮影色信号値から色票の色を推定する。
【0003】
上記技術において色票の撮影色信号値を取得するためには、チャートの撮影画像から個々の色票領域の画素を抽出する必要がある。チャートの撮影画像から色票領域を抽出する技術として、以下のような技術が提案されている。
【0004】
まず第1の方法として、チャート撮影画像上にある矩形形状の色票領域の頂点座標を手動で設定する技術がある(例えば、特許文献1参照)。すなわち、設定された頂点を結んで形成される矩形形状の内部を色票領域として決定し、色票領域内の画素の色信号値を取得する。
【0005】
また第2の方法として、チャート撮影画像の色情報を解析して互いに直交する色票の境界線を検出し、該検出された境界線から、チャート全体における色票の境界線を推定する技術がある(例えば、特許文献2参照)。すなわち、推定した境界線の交点を取得し、交点に囲まれる領域を色票領域として抽出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-77661号公報
【特許文献2】特開2008-59022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
チャートの撮影画像から色票領域を抽出するにあたり、上記第1の方法では、チャート撮影画像上の矩形領域の頂点座標を手動によって設定する必要があるため、領域抽出処理を自動化することが困難である。
【0008】
また、一般にチャートを撮影する際には、チャートとカメラが常に正対して撮影されるとは限らない。例えば、長方形の色票が配列されたチャートに対し、カメラが正対せず斜め方向に設置された状態で撮影した場合、チャート撮影画像上のチャート形状および色票の形状は、上辺と下辺の長さが異なる台形状となったりする。従って上記第2の方法では、チャート撮影画像上の色票領域が、直交する境界線によって構成される矩形形状である場合には対応できるが、そうでない、例えば色票領域が台形状に撮影されたチャートには対応できない。
【0009】
更に、チャートを出力する機器の色再現特性、撮影機器の色再現特性および撮影環境における光源特性(照度や色温度、演色性等)によっては、チャート撮影画像において隣接する色票同士の撮影色信号値の差分が非常に小さくなる場合がある。特に、入力もしくは出力の色信号値が順次変化していくように色票が配置されたチャートの場合は、注目色票に近似する色が、該注目色票に隣接する色票において出現しやすくなる。このような場合、注目色票と隣接する色票との色成分の差分判定が困難となり、色票の境界線を正確に推定できないため、上記第2の方法では色票領域の抽出ができなくなる。
【0010】
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、複数の色票が配置されたチャートを、その撮影画像から各色票の領域を正確に自動抽出することが容易に可能となるように作成することを目的とする。
【0011】
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、チャートの出力画像から各色票の領域が容易に識別可能となるように、複数の色票が配置されたチャートを作成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための一手段として、本発明の画像処理装置は以下の構成を備える。
【0013】
すなわち、出力機器の色再現特性を取得するために該出力機器より出力される、複数の色票が配置されたチャートのデータを作成する画像処理装置であって、前記チャートにおける色票の構成および各色票の色信号値を示すチャート構成データを取得するチャート構成データの取得手段と、前記チャート構成データに基づいて、該チャート構成データが示す隣接する色票間で各色票が容易に識別可能となるように各色票を配置したチャートのデータと、該チャートにおける色票の配列情報を作成するチャート作成手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、チャートの出力画像から各色票の領域が容易に識別可能となるように、複数の色票が配置されたチャートを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態における画像処理システムの構成を示すブロック図、
【図2】第1実施形態において作成されるチャート例を示す図、
【図3】第1実施形態におけるチャート作成装置の構成を示すブロック図、
【図4】第1実施形態における色票色取得装置の構成を示すブロック図、
【図5】第2実施形態におけるチャート作成装置の構成を示すブロック図、
【図6】第1実施形態において色票内画素領域と色抽出領域との関係を示す。
【図7】第4実施形態における矩形形状の色票配置例を示す図、
【図8】第4実施形態における三角形状の色票配置例を示す図、
【図9】第1実施形態におけるチャート作成処理のU/I例を示す図、
【図10】第2実施形態におけるチャート作成処理のU/I例を示す図、
【図11】第1実施形態における色票領域抽出処理のU/I例を示す図、
【図12】第1実施形態におけるチャート配列記憶テーブルのメモリ構成例を示す図、
【図13】第1実施形態におけるチャート作成処理を示すフローチャート、
【図14】第1実施形態におけるチャート作成処理の変形例を示すフローチャート、
【図15】第1実施形態における色票色取得処理を示すフローチャート、
【図16】第2実施形態におけるチャート作成処理を示すフローチャート、
【図17】第3実施形態におけるチャート作成処理を示すフローチャート、
【図18】第4実施形態におけるチャート作成処理を示すフローチャート、
【図19】第1実施形態の画像処理システムにおける出力機器の色再現特性取得処理を示すフローチャート、である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施形態について図面を用いて詳細に説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0017】
<第1実施形態>
本実施形態においては、隣接する色票同士が十分な色差を有するように配置されたチャートを作成することを特徴とする。これにより、出力機器より出力された該チャートを撮影したチャート撮影画像において、それぞれの色票領域が容易に識別可能となる。したがって、該色票領域を確実に自動抽出することが可能となり、各色票の撮影色信号値を確実に取得することができる。
【0018】
●システム概要
図1は、本実施形態における画像処理システムの構成を示すブロック図である。CPU101は、ROM102が記憶している制御プログラム、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、デバイスドライバ等に従って、同図に示す他の構成についての制御を行う。107は入力機器であり、本実施形態に関わる撮影装置や環境情報取得センサも含まれる。108は出力機器であり、画像を出力するプリンタ等が含まれる。また、出力機器108がモニタ106に相当する場合もある。RAM103は各種制御プログラムや操作部104から入力されるデータの作業領域及び一時待避領域である。104は操作部であり、入力機器107や出力機器108等へのデータ入力を行う。105は画像処理部であり、本実施形態で作成されたチャートの撮影画像から、出力機器の色再現特性を獲得するための処理を行う。106はモニタであり、画像処理部105における処理結果や操作部104で入力されたデータ等を表示する。
【0019】
●色再現特性取得処理
以下、本実施形態の画像処理システムにおいて、画像処理部105がチャート撮影画像から出力機器の色再現特性を取得する処理について、図19のフローチャートを用いて説明する。
【0020】
まずS1901において、出力機器108の色再現特性を取得するための、複数の色の色票によって構成されるチャートの画像データ(チャートデータ)を、RAM103より取得する。本実施形態におけるチャートデータは、後述するチャート作成装置において、出力機器108に応じて作成され、RAM103に格納されたものであるが、画像処理部105において作成されても良い。
【0021】
次にS1902で、S1901で取得したチャートデータに基づくチャートを、出力機器108より出力する。例えば出力機器108がプリンタであれば、出力媒体上にチャートの印刷を行い、出力機器108がすなわちモニタ106であれば、モニタ106の画面上にチャートを表示する。そしてS1903で、該出力されたチャートを、所定の撮影環境下において不図示の撮影機器によって撮影し、チャート撮影画像を得る。該チャート撮影画像は例えば、RAM103に格納される。
【0022】
次にS1904で、S1903で取得したチャート撮影画像における各色票について、該色票の撮影色信号値が確実に取得可能である有効画素領域を、色票領域として抽出する。そしてS1905で、該抽出された色票領域の画素に基づいて、各色票における撮影色信号値を取得し、S1906で、該撮影色信号値を各色票の表色データ(色票色)に変換する。ここで表色データとは、CIEXYZやCIELAB等に代表される表色値を指す。撮影信号値であるRGB信号から、XYZ値に変換する一例として、以下に示すようなマトリクスを用いた変換手法がある。まず、撮影環境光下において任意の色を撮影して獲得されるRGB値と任意の色を測定して獲得されるXYZ値との対応から求められる変換マトリクスを予め用意しておく。そして撮影色信号値を、該変換マトリクスを用いて以下の式(1)に示すように変換することによって、表色値である、例えばXYZ値に変換する。
【0023】
┌ x ┐ ┌ R00 G00 B00 ┐┌ R ┐
| y |=| R01 G01 B01 || G | …(1)
└ z ┘ └ R02 G02 B02 ┘└ B ┘
ここでは、上記S1904〜S1906における色票領域の抽出から各色票色を得るまでの処理を画像処理部105において行う例を示したが、以下ではこの処理を、後述する色票色取得装置において行うものとして説明する。この場合すなわち、色票色取得装置において取得した各色票色が、例えばRAM103に格納されることになる。
【0024】
そしてS1907において、チャートの各色票色を格納したファイルを、出力機器108の色再現特性を記述したプロファイルとして、例えばRAM103に出力する。
【0025】
本実施形態では上述したように、出力機器108に応じたチャートを作成し、そのチャート撮影画像における色票領域を確実に抽出可能とすることで、出力機器108の色再現特性取得を容易に自動化することができる。
【0026】
以下、本実施形態における出力機器に応じたチャート作成処理と、該作成されたチャートの撮影画像から色票領域を抽出して色票色を取得する色票色取得処理のそれぞれについて、説明する。
【0027】
●チャート作成装置
まず、チャートの作成処理について説明する。本実施形態の画像処理システムにおいて使用されるチャートは、該システムとは独立したチャート作成装置で作成されるとする。以下、チャート作成装置の構成について説明する。
【0028】
図3は、チャート作成装置の構成を示すブロック図である。同図において、チャート構成データ格納部301は、作成するチャートの色票数や行・列の数、各色票の色信号値の記述データ等からなる、チャートの構成データを予め格納している。出力機器特性格納部302は、出力機器の色再現特性が記述されたプロファイルを予め格納している。チャート作成装置では、このプロファイルを参照して、該出力機器による色票の再現色を推定し、該推定した色票色に基づいてチャート上の色票の配置を決定する。本実施形態では出力機器への入力信号値(出力機器に依存する色信号)に対応する出力色信号値を保持する色再現特性テーブルを、プロファイルとして格納しているものとする。ここで、出力色信号値はCIELAB等に代表される表色値であり、表色値間の色差はCIEΔE色差式によって算出された値とする。なお、出力色信号値は、値を用いて色差を算出できれば良く、CIELABに限られない。出力機器の色再現には経時変化があることから、そのプロファイルとしては直近に作成されたものが格納されていることが望ましいが、該出力機器において以前に取得された色再現特性を記述したプロファイルであっても良い。
【0029】
色票色推定部304は、出力機器特性格納部302に格納されている色再現特性テーブルを参照して、チャート構成データ格納部301に格納されている、入力信号値である各色票の色信号値に対応する出力色信号値を推定する。ここで推定される出力色信号値とはすなわち、出力機器から出力されたチャートを測色することによって得られる測色値であり、色票推定色格納部306に格納される。
【0030】
なお、本実施形態では色票色推定部304が、装置内のチャート構成データ格納部301および出力機器特性格納部302に予め格納されたデータを取得する例を示した。しかしながら、チャート構成データや出力機器特性の取得方法はこの例に限らず、例えば他装置からネットワークを介して取得するような方法も適用可能である。
【0031】
判定条件格納部303には、後述する色票色取得処理において、チャート撮影画像上で隣接する色票を分離するための色差ΔEの下限を示す閾値条件(第1の閾値)が予め格納されている。本実施形態では、色票の出力色信号値を参照して判定を行うため、色差ΔEに対する閾値を判定条件として用いる例を示すが、他の色差式によって算出される色差を判定条件としても構わない。また、出力色信号値における色成分ごとの差分を判定条件としても良い。また、CIELABより求められる、明度、彩度、色相角の各値に対する閾値を判定条件として用いても良い。すなわち、色票の色信号値や出力機器からの出力色信号の値を参照し、その差分に対する判定条件を用いる構成であれば良い。
【0032】
色票判定部305は、判定条件格納部303に格納された判定条件を参照し、色票推定色格納部306に格納された色票のうち、隣接する色票との色差ΔEが該判定条件を満たすもの、すなわち第1の閾値以上となるものを選択する。色票配置部307は、色票判定部305での判定結果に基づいて、隣接する色票同士が第1の閾値以上の色差ΔEを持つように、チャート上での色票の配置を決定する。図2に、色票配置部307により色票が配置されたチャートの例を示す。同図に示すように、チャートにおける色票の並びは信号値順とはならず、ランダムなものとなる。色票配置部307はまた、チャートにおける色票の配列情報を保持するチャート配列記憶テーブルを備えている。色差ΔEに基づいてチャートの各位置に配置する色票を決定する際に、配置された色票のデータが、チャート内における配置位置と共に該テーブルに記述される。
【0033】
ここで図12に、チャート配列記憶テーブルのメモリ構成の一例を示す。チャート配列記憶テーブルメモリ1201は、チャートの構成データである「色票数」を格納するメモリ1202と、チャートの「行数」と「列数」をそれぞれ格納するメモリ1203を備える。更に、チャートの行列によって定義される色票の配置位置を示す「配置番号」と、該配置番号に対応する色票データを格納するメモリ1204を備える。メモリ1204はすなわち、チャートの左上部位置から開始して右下部まで色票を数えた順番を「配置番号」として、該配置番号に相当する配置位置に決定された色票のデータを格納する。ここで、本実施形態における色票のデータは、色票の色信号値を例えば昇順に並べた際の入力信号配列番号と、色票の色信号値であるRGB値からなる。
【0034】
チャート格納部308はチャート保持を行う。すなわち、色票配置部307により全ての色票が配置され、チャートが完成すると、チャート格納部308に、作成したチャートと、該チャートにおける色票の配列情報が記述されたチャート配列記憶テーブルが格納される。
【0035】
●チャート作成処理
以下、上述したチャート作成装置によるチャート作成処理について、図13のフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0036】
まずS1301〜S1303において色票色推定部304が、色票の色信号値から、色票の出力色推定を行う。すなわち、まずS1301において、作成するチャートの色票数や行・列の数、各色票の色信号値を記載したチャートの構成データをチャート構成データ格納部301より取得する。そしてS1302で、出力機器の色再現特性を記載したプロファイルを出力機器特性格納部302より取得する。そしてS1303において、色票の色信号値に対し、プロファイルを参照して該色票の出力色信号値を推定し、色票推定色格納部306に格納する。
【0037】
次にS1304〜S1313において、色票配置部307が色票を配置し、チャート配列記憶テーブルを作成するが、その際に色票判定部305による判定処理を行うことによって、配列の可否を決定する。まずS1304において、複数の色票から配置候補色を選択する順番のパターン(選択順パターン)を取得する。本実施形態における選択順パターンは、色票配置部307において、全ての色票に対する選択順の並びを乱数により決定したデータであり、S1304の処理タイミングで作成されても良いし、予め作成されていても良い。
【0038】
次にS1305において、次に配置する色票の配置位置を、上記S1301で取得したチャートの構成データにおける行列の設定値である行数・列数に応じて設定する。ここでの色票の配置位置は、例えばチャートの左上端位置から開始して右下端に至るまで順次、隣接する位置に設定される。
【0039】
次にS1306において、S1305で設定された配置位置に対し、隣接する配置済の全色票(隣接色票)の出力色信号値を取得する。なお、このS1306における隣接色票の取得処理は全ての配置位置について順次繰り返されるが、初回に限り配置済の色票がないため、隣接色票の出力信号値を仮に0としておく。そしてS1307において、未配置の色票グループから、S1304で取得した色票の選択順パターンに従って、S1305で設定された配置位置への配置候補となる色票(候補色票)を決定し、その出力色信号値を取得する。
【0040】
そしてS1308で色票判定部305において、S1307で取得した候補色票の出力色信号値と、S1306で取得した隣接する全色票の出力色信号値との色差ΔEが、判定条件格納部303に格納された判定条件を満足するか否かを判定する。すなわち、隣接する全色票についてのΔEが第1の閾値以上であるか否かを判定する。この第1の閾値としては、例えば後述する色票色取得装置においてチャート出力画像を撮影する撮影機器の特性等に応じて設定すれば良い。S1308において、候補色票と全ての隣接色票との出力色信号値の色差ΔEが判定条件を満足していた場合、S1309に進み、候補色票を当該配置位置に配置する色票として決定する。
【0041】
一方、S1308において、候補色票と少なくとも1つの隣接色票との出力色信号値の色差ΔEが判定条件を満たしていない場合、S1314に進み、未配置の色票グループ内に色票が残っているか否かを判定する。そして未配置の色票が残っていれば、S1307で該色票を候補色票として、S1308の判定処理を繰り返す。一方、S1314で未配置の色票グループ内に色票が残っていない場合には、S1304で作成した選択順パターンではチャートの作成が不可能と判断し、S1315に進んで色票配置処理を中断し、これまでの配置をリセットする。そしてS1316において、候補色票の選択順パターンを変更して、S1304以降の処理をくりかえる。なお、S1316で変更される新たな選択順パターンも、やはり乱数に基づいて作成されたものである。
【0042】
S1309で候補色票が配置された後、S1310において、該配置された色票のデータを、チャート上の配置位置と共にチャート配列記憶テーブルに格納する。すなわちチャート配列記憶テーブルに対し、該配置された色票の配置位置を配置番号として、該色票のデータを格納する。そしてS1311において、該配置された色票を未配置の色票グループから削除する。
【0043】
そしてS1312において、チャートに全ての色票が配置されたか否かを判定し、未配置の色票が残っていれば、S1305以降の処理を繰り返す。一方、全ての色票が配置された場合には、S1313において、該作成したチャートとチャート配列記憶テーブルをチャート格納部308に出力し、処理を終了する。
【0044】
なお、S1316における選択順パターン変更に回数制限を設け、該制限回数を超えても全ての色票配置が終了しない場合には、色票配置が失敗した旨のエラー表示を行って処理を終了するようにしても良い。
【0045】
なお、ここでは乱数に基づく選択順パターンにしたがって配置対象となる色票を探索する例を示したが、選択順パターンを用いず、色票の入力信号配列番号順に探索を行っても、同様の結果を得ることができる。しかしながら、入力信号値がランダムに並んだ選択順パターンを用いることで、色票間の差分が第1の閾値以上となるような画素をより効率よく探索することができる。
【0046】
●チャート作成処理(変形例)
ここで、上記チャート作成処理に対する変形例を示す。チャート撮影画像を取得する際に、例えば出力機器がプリンタであれば、出力媒体に印刷したチャートを撮影することになり、撮影画像において該出力媒体が背景となる。また、出力機器がモニタであれば、チャートの表示画面において背景色なるものが存在する。このように一般のチャート撮影画像は、何らかの背景色を持つ領域に囲まれた画像となる。したがって、チャート撮影画像から色票領域を抽出するには、まず、背景色とチャート領域を分離する必要がある。背景色とチャート領域の分離を高精度に行うためには、チャートの外郭となる色票について、背景色との色差ΔE1と、隣接する色票との色差ΔE2が、いずれも所定の閾値以上となることが望ましい。
【0047】
本実施形態では図13を用いて説明した上記チャート作成処理に対し、以下のような色票の配置処理を追加することで、チャートの品質をより向上させることが可能である。以下、図14のフローチャートを用いて、本実施形態におけるさらなる色票の配置処理について説明する。
【0048】
まずS1401〜S1403において上記S1301〜1303と同様に、色票の色信号値から、色票の出力色信号値を推定する。
【0049】
そしてS1404において、S1401で取得したチャートの構成データに設定された行数・列数、および色票の総数を参照して、実際に色票が配置される位置を算出し、チャートの外郭にあたる色票の位置、すなわち配置番号を取得する。
【0050】
次にS1405において、出力機器により出力されるチャートの背景色を取得する。例えば出力機器がプリンタであれば、背景色として出力媒体の地色を測色した測色値を取得し、出力機器がモニタであれば、表示するチャートの背景色の測色値を取得する。
【0051】
次にS1406において、チャートの外郭に配置する色票についての判定条件と、チャート内に配置する色票についての判定条件を、判定条件格納部303からそれぞれ取得する。本実施形態では、チャートの外郭に配置する色票についての判定条件として、隣接する色票との色差条件(第1の閾値)と、背景色との色差条件(第2の閾値)と、の2つを設定する。なお、背景色と色票との差分としては色差に限定せず、明度差、彩度差、色相差といった個別条件の差分条件を設定しても良い。また、第1の閾値と第2の閾値として同じ閾値が設定されても良い。
【0052】
次にS1407において、チャート外郭に配置する色票を全て決定する。すなわち、S1404で取得したチャート外郭にあたる色票の配置番号を続けて選択し、背景との色差が第2の閾値以上となり、隣接する色票との色差が第1の閾値以上となるような色票を選択する。この色票の選択方法としては、図13のS1305〜S1312と同様に、未配置の色票グループから判定条件を満たすものを探索していけば良い。なお、この探索順については特に限定しないが、例えば図13と同様に乱数に基づく選択順パターンを設定して利用しても良いし、入力信号順列番号に従っても構わない。
【0053】
そしてチャートの外郭への色票配置を完了した後、S1408でチャート内部における色票の配置番号を選択し、隣接する色票との色差が第1の閾値以上となるように、やはり図14と同様の方法でチャートの内部に配置する色票を決定する。
【0054】
最後にS1409において、以上のように作成したチャートとチャート配列記憶テーブルをチャート格納部308に出力し、処理を終了する。
【0055】
以上のように、チャート外郭の色票と背景色との差分についても考慮して色票を配置することで、チャートの品質をより向上させることができる。
【0056】
●色票色取得装置
本実施形態では以上説明した方法によって、隣接する色票同士(さらにはチャート外郭の色票と背景色)が十分な色差を有するように、ランダムに配置されたチャートを作成する。そして、該作成されたチャートの撮影画像から色票領域を抽出し、色票の撮影色信号値を得る。以下、本実施形態における色票色取得処理について説明する。なお、本実施形態における色票色取得処理は、図1に示した画像処理システムとは独立した色票色取得装置において行われるとする。以下、色票色取得装置の構成について説明する。
【0057】
図4は、色票色取得装置の構成を示すブロック図である。同図において、チャート撮影画像格納部401は、上述したチャート作成装置によって作成されたチャートを出力機器より出力し、該出力されたチャートをカメラ等の撮影機器によって撮影したチャート撮影画像を格納している。チャート領域抽出部402は、チャート撮影画像において、色票領域のみからなるチャート領域と、該チャート領域と同時に撮影された背景色と、を分離する。
【0058】
チャート領域走査部403は、チャート領域の画素について、設定された走査開始位置に従って、チャート領域画像のXY各方向への走査を行う。走査対象色設定部404は、走査位置における画素の近辺にある数点の画素をサンプリングし、色票領域として抽出する走査対象画素の撮影色信号値を取得する。
【0059】
色票領域判定部405は、画像の走査結果において、走査対象画素の撮影色信号値に対して、その色差の上限を示す閾値以下の差分を持つ画素を抽出し、これを色票内画素とする。また、色票内画素以外の画素、すなわち該閾値を超えた差分を持つ画素を、隣接する色票との境界画素とする。色票領域判定部405はさらに、色票の形状に応じて、隣接する全ての色票との境界画素が取得されたか否かの判定も行う。
【0060】
色票領域格納部407は、色票領域判定部405による判定結果に基づき、全色票について、それぞれの色票内画素と境界画素の位置情報を格納する。色抽出領域設定部408は各色票について、色票内画素の位置情報に応じて、撮影色信号値を抽出する色抽出領域を設定する。
【0061】
ここで図6に、本実施形態における色票内画素領域と色抽出領域との関係を示す。図6は、9個の色票からなるチャートを撮影したチャート撮影画像601を示している。チャート撮影画像601においては、各色票の境界画素領域が境界線として示されており、該境界線で囲まれる9個の矩形形状の領域として、各色票の色票内画素領域(例えば602)が示されている。一般に、チャート撮影画像における色票境界付近の画素は、その撮影機器におけるCCDセンサの画素数やそのフィルタ特性等によって、隣接する色票の色の影響を相互に受けるため、正確な色再現とならない場合が多い。従って、チャート撮影画像から色票の撮影色信号値を正確に抽出するには、隣接する色票の境界付近の画素を参照しない方が良い。そこで本実施形態では、色票内画素領域から境界付近域を除いた内部領域を、対応する色票についての撮影信号値を抽出する色抽出領域として設定する。図6の例では例えば色票内画素領域602について、その内部領域が色抽出領域603として設定される。
【0062】
色抽出部409は各色票について、色抽出領域として設定された画素毎の撮影色信号値を抽出する。平均算出部410は各色票について、色抽出領域内における全画素の撮影色信号値の平均値(平均撮影色信号値)を算出する。
【0063】
色票配置データ格納部412には、上記図3に示したチャート作成装置で作成されてチャート格納部308に格納された、チャートについての色票配置を記憶したチャート配列記憶テーブルがコピーされ、予め格納されている。色票再配置部411は、色票配置データ格納部412に格納されているチャート配列記憶テーブルを参照して、全色票についての平均撮影色信号値の並べ替えを行う。すなわち、全色票についての平均撮影色信号値を、チャート配列記憶テーブルに記述されている各色票の配置番号に基づいて、色票の色信号順列番号の順に並べ替える。その後、並べ替えられた色票の平均撮影色信号値を、色票データ格納部413に格納する。
【0064】
●色票色取得処理
以下、上述した色票色取得装置による色票色取得処理について、図15のフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0065】
まずS1501において色票再配置部411が色票配置データ格納部412から、上記チャート作成装置においてチャートと共に作成されたチャート配列記憶テーブルを取得する。これにより、色票再配置部411において、チャートの色票数や行数および列数、各色票の配置番号や色信号値を記述したチャートの配列情報を参照することが可能となる。
【0066】
次にS1502においてチャート領域抽出部402が、チャート撮影画像格納部401からチャート撮影画像を取得し、さらにS1503で、チャート撮影画像からチャートの背景色とチャート領域を分離する。この分離処理は、例えばチャート領域抽出部402に予め背景色の撮影色信号値(背景値)を保持させておき、該背景値に対して所定の閾値以上の差分を有する画素をチャート撮影画像から抽出することによって行う。ここでの閾値としては例えば、上記第2の閾値に対応する撮影色信号値を利用することができる。または、チャート撮影画像上の画素の推定値を上述のように求め、明らかに背景に相当する箇所の推定値と所定の閾値以上の差分のある画素をチャート領域として抽出しても良い。
【0067】
次にS1504においてチャート領域走査部403が、分離したチャート領域に対し、色票を抽出するための走査を開始する画素位置を設定する。そしてS1505において走査対象色設定部404が、該設定された走査開始位置における画素の近辺にある数点の画素をサンプリングし、色票領域として抽出する走査対象画素の撮影色信号値(Lab値)を取得する。そしてS1506においてチャート領域走査部403が、走査開始位置の画素から順次走査を開始する。
【0068】
そしてS1507において色票領域判定部405が、走査した画素の撮影色信号値(Lab値)を取得し、S1505で取得した走査対象画素のLab値との色差が所定の閾値以上であるか否かを判定する。ここでの閾値としては例えば、上記第1の閾値に対応する撮影色信号値の値を利用することができる。画素間の色差が閾値未満であればS1508に進み、走査した画素を対象色票の色票内画素として、その位置情報を色票領域格納部407に格納し、S1506に戻って次の画素の処理を繰り返す。一方、S1507において該色差が閾値以上であればS1509に進み、走査した画素を対象色票において隣接する色票に接する境界画素として、その位置情報を色票領域格納部407に格納する。そしてS1510において色票領域判定部405は、対象色票において隣接する全色票について、全ての境界画素を取得したか否かを判定し、未取得であればS1506以降の処理を繰り返す。
【0069】
一方、全ての境界画素が取得された場合はS1511において色抽出領域設定部408が、色票領域格納部407に格納された、対象色票についての色票内画素の位置情報から、該色票の撮影色信号値を抽出する色抽出領域を設定する。そしてS1512において色抽出部409が、色抽出領域として設定された画素の撮影色信号値を取得し、さらに平均算出部410がその平均値を算出することで、対象色票内の平均撮影色信号値を得る。
【0070】
そしてS1513においてチャート領域走査部403が、チャート領域における全色票について、その色抽出領域の平均撮影色信号値が算出されたか否かを判定する。未処理の色票がある場合には、S1504に戻って次の色票の処理を開始する。
【0071】
一方、S1513においてチャート領域における全色票についての平均撮影色信号値の取得が終了していればS1514に進み、色票再配置部411による平均撮影色信号値の並べ変えが行われる。すなわち、全色票についての平均撮影色信号値を、チャート配列記憶テーブルに記述されている各色票の配置番号に基づいて、色票の入力信号順列番号の順に並べ替える。そしてS1515において該並べ替えられた全色票についての平均撮影色信号値を、チャート撮影画像における色票の撮影色信号値の平均値を格納したプロファイルとして出力する。
【0072】
以上説明したように本実施形態によれば、隣接する色票同士が十分な色差を有するようにランダムに配置されたチャートを作成することによって、該チャートの撮影画像から、色票領域を確実に自動抽出することが可能となる。
【0073】
なお、本実施形態ではチャート作成装置と色票色取得装置が画像処理システムから独立して構成される例を示したが、これらが一体となった装置あるいはシステムにおいても、本実施形態は同様に実現可能である。
【0074】
<第2実施形態>
以下、本発明に係る第2実施形態について説明する。一般にチャートにおける色票の表色は、チャート撮影環境における撮影光源の影響を受ける。撮影光源が暗い、すなわち照度が暗ければ、チャートの色票の表色は暗い色の集合となる。また、チャート撮影画像における色票の撮影色信号値は、チャートを撮影するカメラのカラーフィルタ特性に代表される色再現特性の影響を受ける。従って、チャートの色票を配置する際に、撮影機器の色再現特性や撮影環境についても考慮したほうが、色票領域の抽出精度がより向上する。
【0075】
そこで第2実施形態では、チャートの出力機器特性のみならず、さらに撮影機器の色再現特性および撮影環境情報に基づいて、色票を配置する。すなわち、出力機器特性と、撮影機器の色再現特性および撮影環境情報に基づいて各色票の撮影色信号値を推定し、隣接する色票間の撮影色信号値が所定の差分を持つように、チャートを作成する。
【0076】
●チャート作成装置
第2実施形態においても上述した第1実施形態と同様に、図1に示す構成からなる画像処理システムにおいて、チャート撮影画像に基づき出力機器の色再現特性を取得する。そして、その際に使用されるチャートが、やはり該画像処理システムとは独立したチャート作成装置において作成されるとする。以下、第2実施形態におけるチャート作成装置の構成について説明する。
【0077】
図5は、第2実施形態におけるチャート作成装置の構成を示すブロック図である。同図では、第2実施形態における特徴的な構成について説明するものとし、上述した第1実施形態で図3に示したチャート作成装置と同様の構成には同一番号を付し、説明を省略する。
【0078】
撮影機器特性格納部501は、撮影機器の色再現特性が記述されたプロファイルを格納している。ここに格納される撮影機器のプロファイルとしては、CCDセンサのフィルタ特性等、撮影機器により撮影される色を推定するために必要な項目が格納されていれば良い。
【0079】
撮影環境情報格納部502は、チャートを撮影する撮影環境情報として、撮影光源の特性を格納している。ここで撮影光源の特性とは、撮影光源の色温度や照度、分光データの波形形状の特長や演色性等である。これら撮影光源特性は、撮影環境において標準白色板を撮影機器で撮影した画像から推定しても良いし、撮影機器に供えられた撮影光源取得センサによる検出結果を取得しても良い。
【0080】
撮影色信号値推定部503は、出力機器特性格納部302に格納されている色再現特性テーブルを参照して、チャート構成データ格納部301に格納されている、各色票の色信号値に対応する出力色信号値を算出する。そして更に、撮影環境情報格納部502に格納されている撮影光源の特性データと、撮影機器特性格納部501に格納されている撮影機器のプロファイルに基づいて撮影色のシミュレーションを行い、撮影機器による色票の撮影色信号値を推定する。ここで推定された各色票の撮影色信号値は、色票推定色格納部306に格納される。
【0081】
また、第2実施形態でも第1実施形態と同様に色票領域抽出処理を行うが、その際に、チャート撮影画像上で隣接する色票を分離するための、撮影色信号値の差分の閾値条件(第3の閾値)が、判定条件格納部303に予め格納されている。なお、第2実施形態において判定条件格納部303に格納される閾値条件は、撮影環境情報格納部502に格納されている撮影光源の特性データに基づいて設定されたものである。例えば、暗い環境下であれば色票全体の色差が小さくなるため、より小さな閾値が設定される。ここでは、色票の撮影色信号値に対する差分の閾値を判定条件として用いる例を示すが、第2実施形態における判定条件はこの例に限定されない。例えば、撮影色信号値をXYZ値やLAB値等の表色データに変換し、該表色データにおける差分や、明度、彩度、色相の各値に対する閾値を判定条件として用いても良い。
【0082】
色票判定部305は、判定条件格納部303に格納された判定条件を参照し、色票推定色格納部306に格納された色票のうち、隣接する色票との差分が該判定条件を満たすものを選択する。すなわち、隣接する色票との撮影色信号値の差分が所定の第3の閾値以上となるものを選択する。
【0083】
色票配置部307は、色票判定部305での判定結果に基づいて、隣接する色票同士においてその撮影色信号値が第3の閾値以上の差分を持つように、チャート上での色票の配置を決定する。色票配置部307は、その内部にチャート配列記憶テーブルを備え、チャートの各位置に配置する色票を決定する際に、配置された色票のデータを、チャートの配置位置と共に該テーブルに記述する。なお、第2実施形態におけるチャート配列記憶テーブルは、第1実施形態と同様に図12に示すような構成からなる。
【0084】
●チャート作成処理
以下、上述したチャート作成装置による第2実施形態のチャート作成処理について、図16のフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0085】
まずS1601において、撮影環境下で白色板を撮影することで、撮影光源情報を撮影環境情報格納部502に格納する。すなわち、チャートを撮影する撮影環境に標準白色板を設置し、該白色板を不図示の撮影機器で撮影した撮影画像から、撮影環境における撮影光源情報を推定する。
【0086】
次にS1602〜S1606において撮影色信号値推定部503が、撮影環境下での色票の撮影色信号値を推定する。まずS1602で、作成するチャートの色票数や行・列の数、各色票の色信号値を記載したチャートの構成データをチャート構成データ格納部301より取得する。次にS1603で、出力機器の色再現特性を記載したプロファイルを出力機器特性格納部302より取得し、S1604で、撮影機器の色再現特性を記載したプロファイルを撮影機器特性格納部501より取得する。次にS1605で撮影環境情報格納部502から、S601で格納した撮影光源情報を取得する。そしてS1606で、S1602で取得したチャート構成データ、S1603〜S1605で取得した出力機器と撮影機器のプロファイル、および撮影光源情報に基づき、撮影環境下における各色票の撮影色信号値を推定する。推定された各色票の撮影色信号値は、色票推定色格納部306に格納される。
【0087】
次にS1607で色票判定部305が、チャート撮影画像における各色票領域を分離するための、撮影色信号値に対する差分の閾値条件(第3の閾値)を、判定条件格納部303から取得して設定する。
【0088】
次にS1608で、次に配置する色票の配置位置を、上記S1602で取得したチャートの構成データに設定された行列の行数・列数に応じて設定する。次にS1609で、S1608で設定された配置位置に対し、隣接する配置済の全色票(隣接色票)の出力色信号値を取得する。なお、このS1609における隣接色票の取得処理は全ての配置位置について順次繰り返されるが、初回に限り配置済の色票がないため、隣接色票の出力値を仮に0としておく。
【0089】
そしてS1610で、未配置の色票グループから、S1608で設定された配置位置への配置候補となる色票(候補色票)を探索し、その出力色信号値を取得する。この探索は上述した第1実施形態と同様に、乱数に基づく選択順パターンに従えば良い。詳細には、S1609で獲得した隣接する全色票に対し、その撮影信号値の差分がS1607で設定された閾値条件を満たす、すなわち該差分が第3の閾値以上となる候補色票を決定する。そしてS1611で、該決定された候補色票を当該配置位置に配置する色票として決定し、該色票のデータを、チャート上の配置位置と共にチャート配列記憶テーブルに格納する。すなわちチャート配列記憶テーブルに対し、該配置された色票の配置位置を配置番号として、該色票のデータを格納する。このとき、該色票を未配置の色票グループから削除する。
【0090】
そしてS1612で、チャートに全ての色票が配置されたか否かを判定し、未配置の色票が残っていれば、S1608以降の処理を繰り返す。一方、全ての色票が配置された場合には、S1613において、該作成したチャートとチャート配列記憶テーブルをチャート格納部308に出力し、処理を終了する。
【0091】
第2実施形態では以上のように撮影環境等も考慮して、隣接する色票同士が十分な色差を有するように配置されたチャートを作成する。そして、該作成されたチャートの撮影画像から色票領域を抽出するが、この色票領域抽出処理については上述した第1実施形態と同様の手法が適用可能であるため、説明を省略する。なお、第2実施形態におけるチャート作成処理についても上述した第1実施形態と同様に、チャート撮影画像におけるチャート外郭の色票と背景色との差分についても考慮することで、チャートの品質をより向上させることができる。
【0092】
以上説明したように第2実施形態によれば、上述した第1実施形態に対し、さらに撮影環境および撮影機器特性を考慮して、隣接する色票同士が十分な色差を有するように配置されたチャートを作成する。これにより、該チャートの撮影画像に対する色票領域の抽出精度をより高めることが可能となる。一方で、精度は低下するが、撮影機器および出力機器の色再現特性の考慮を省略しても良い。すなわち、出力機器による色票の再現色を推定する処理を省略し、チャートの各色票色から隣接する色票同士が十分な色差を有するように配置されたチャートを作成しても良い。
【0093】
<第3実施形態>
以下、本発明に係る第3実施形態について説明する。一般にチャートを構成する色票について、その出力値を均等色空間上に分布させた場合に、該色空間上で隣り合う色票間における出力値の色差は、出力機器の色再現特性によって決定される。すなわち、出力機器の再現色域が大きければ、該均等色空間において隣り合う色票間の出力値の色差は相対的に大きくなる。逆に再現色域が小さければ、該色差は小さくなる。
【0094】
ここで、上述した第1、第2実施形態のように、チャート上で隣接する色票間における出力値が所定以上の差分を持つように色票を配置するには、均等色空間上で、隣り合う色票間に所定以上の間隔(色差)があることが望ましい。したがって、チャート作成時に、出力機器の再現色域についても考慮したほうが、色票領域の抽出精度がより向上する。
【0095】
そこで第3実施形態では、上述した第1または第2実施形態に加え、均等色空間において隣り合う出力値が所定の色差を有するように、チャートを出力する機器の再現色域に基づいて出力する色票数を決定することを特徴とする。なお、第3実施形態における画像処理システム、およびチャート作成装置および色票領域抽出装置の構成は、上述した第1または第2実施形態と同様である。第3実施形態で決定された色票数は、チャート構成データ格納部301に格納されたチャートの構成データに設定される。
【0096】
●チャート作成処理
以下、第3実施形態における、色票数を制御したチャート作成処理について、図17のフローチャートを用いて説明する。この処理は、画像処理システムにおける画像処理部105において行っても良いし、画像処理システムとは独立したチャート作成装置において行っても良い。
【0097】
第3実施形態では、所定の大きさ以上の色域に対する色票数を予め設定しておき、この色票数を示すパラメータを初期値として設定しておく。この初期値は、色票の色信号値の離散的な組み合わせの総数によって決定される値とする。例えば、色票の色信号値がRGBの8ビットで、9スライスの値を持つ場合、色票の総数は9の3乗である729色となる。このとき、スライス数である9、が初期値として設定されている。
【0098】
まずS1701で、出力機器の色再現特性を記載したプロファイルを出力機器特性格納部302より取得し、S1702で該プロファイルに基づき、出力機器による出力色信号が、均等色空間上で占める再現色域を取得する。
【0099】
そしてS1703で、該取得した再現色域のサイズが所定のサイズを示す閾値未満であるか否かを判定する。閾値未満である、すなわち再現色域のサイズが想定よりも小さい場合には、S1704で色信号値のスライス数を初期値よりも少ない値に設定することで色票数を削減する。
【0100】
そしてS1705で、該削減された色票数であれば、隣接する色票間において色票領域抽出に十分な色差を持つように、色票配置が可能であるか否かを判定する。詳細には、まず、削減されたスライス数により決定される各色票の色信号値に対し、それぞれの出力色信号値を、出力機器のプロファイルを参照して推定する。そして、該出力色信号値を均等色空間上に分布させた場合に、該均等色空間上で隣接する出力色信号値間の色差の最小値(最小色差)が、所定の閾値(第4の閾値)以上となるか否かを判定する。該最小色差が閾値よりも小さい場合はS1704に戻って、色票数を再度削減する。
【0101】
一方、S1705で均等色空間上での最小色差が第4の閾値以上となる場合はS1706に進み、上記第1または第2実施形態に基づいて、設定された色票数によるチャートの色票配置処理を行う。この場合すなわち、S1704で削減された色票数がチャート構成データに設定され、チャート構成データ格納部301に格納される。
【0102】
また、S1703で出力機器の再現色域サイズが所定サイズ以上であれば、予め設定された色票数で適切な色票配置を行うことが可能であるとして、そのままS1706に進み、上記第1または第2実施形態に基づく色票配置処理を行う。この場合すなわち、予め設定された色票数がチャート構成データに設定され、チャート構成データ格納部301に格納される。
【0103】
以上説明したように第3実施形態によれば、均等色空間上で隣り合う色票間の出力値が所定の色差を有するように、出力機器の再現色域の大きさに基づいて色票数を決定することで、チャート作成を効率良く行うことができる。
【0104】
<第4実施形態>
以下、本発明に係る第4実施形態について説明する。上述した第1および第2実施形態では、隣接する色票間の色信号値が所定以上の差分を持つように、色票を配置する例を示した。しかしながら、色票の出力色信号値は、出力機器の色再現特性や撮影機器特性、撮影環境条件によって決定されるため、全ての色票に対して上記配置条件を成立させることが困難になる場合がある。
【0105】
ここで、一般に色票の形状としては矩形が用いられる。しかしながら、チャートの出力媒体の大きさに対して必要な色票数が配置可能であり、かつチャート撮影画像において個々の色票が色票領域を抽出するのに十分な大きさがあれば、色票形状は任意であって構わない。従って第4実施形態では、ある任意形状の色票において、隣接する色票との差分が所定条件を満足するような配置が完成しなかった場合、1つの色票に隣接する色票の数が減るように、その形状を変更する。
【0106】
ここで、第4実施形態における色票形状について説明する。図7は、一般的に用いられる矩形形状の色票が配置されたチャート例を示す。同図に示すチャート701によれば、9個の矩形形状の色票が、各3つの行・列数によって配置されている。チャート701においては色票形状が矩形であるため、注目色票702に対して色票703,704,705,706が隣接している。すなわち、矩形形状の色票であれば、辺同士が隣接する色票は最大4つである。一方、図8は、矩形形状よりも辺同士が隣接する色票数が少ない、三角形状の色票を配置したチャート例を示す。同図に示すチャート801においては、色票形状が三角形であるため、注目色票802に対して色票803,804,805が隣接しており、辺同士が隣接する色票は最大で3つあることが分かる。このように、隣接する色票数が少ない方が、色票の配置条件をより満足しやすくなり、チャート作成の効率が向上する。
【0107】
●チャート作成処理
以下、第4実施形態における、色票形状を制御したチャート作成処理について、図18のフローチャートを用いて説明する。なお第4実施形態では、チャートにおいて隙間ができないように色票を配置することを前提としている。従って、三角形状が最も色票間の境界面が少ない色票形状となる。
【0108】
まずS1801において、チャートに配置する色票形状の初期値を取得する。例えば、矩形すなわち四角形が初期値として取得される。そしてS1802において、上記第1または第2実施形態に基づいて色票の配置を行う。なお、例えば第1実施形態では、色票の選択順パターンを変更しながら全色票を配置可能となる選択順パターンを探索しているが、第4実施形態ではこの選択順パターンの変更回数に制限を設ける。すなわち、色票の選択順パターンの変更が所定回数以上に達した場合、チャートの色票配置が完了できなかったものとして、S1802から抜ける。
【0109】
そしてS1803において、S1802でチャートにおける全色票の配置を完了したか否かを判定する。完了していれば、S1807で作成したチャートとチャート配列記憶テーブルを出力し、処理を終了するが、全色票の配置が完了しなかった場合はS1804に進み、S1801で取得した色票形状が三角形であるか否かを判定する。色票形状が三角形でなく、矩形形状以上の多角形である場合にはS1806に進み、色票形状として、隣接する色票との境界線の数が現在の形状よりも少なくなる多角形状を設定し、S1802以降の処理を繰り返す。そして、S1804で色票形状が三角形である場合には、隣接する色票との境界数をこれ以上少なくすることができないため、S1805でエラー情報を出力し、処理を終了する。
【0110】
ここで、上述した図7の矩形形状と図8の三角形状を比較した場合、色票の高さは同じであるが、例えば行方向に3つの色票を配置した場合、そのチャート内に占める領域は、図8に示す三角形状の方が少なく済んでいる。従って、例えばプリンタにおける出力媒体が小さい場合や、モニタ表示領域が小さい場合等、チャートの出力領域が小さい場合においても、第4実施形態を適用することでより多くの色票を配置することが可能となる。
【0111】
以上説明したように第4実施形態によれば、チャートにおける色票形状を制御することによって、チャート作成を効率良く行うことができる。
【0112】
<第5実施形態>
以下、本発明に係る第5実施形態について説明する。第5実施形態においては、上述した各実施形態におけるチャート作成処理および色票色取得処理に対し、ユーザが各パラメータの登録・更新を行うことを可能とする。すなわち、上記各実施形態に対し、ユーザの意思を反映した操作部によるユーザインターフェース(U/I)機能を追加したことを特徴とする。
【0113】
まず、チャート作成処理時に使用されるU/I例について説明する。図9は、第1実施形態におけるチャート作成処理のU/I例を示す図である。同図に示すU/I901は、出力機器の色再現性特性を記述したプロファイルを入力するために、プロファイルの格納場所を設定するための参照ボタン904と、該プロファイル名を入力するテキストボックス903を備える。また、チャートにおける色票数をユーザが選択するためのオプションボタン905,906,907を備えている。また、作成したチャートの色票配置データの格納先を設定するための参照ボタン909と、該色票配置データ名を出力するテキストボックス908を備える。そして、チャート作成ホタン910が押下されることによって、第1実施形態におけるチャート作成処理が実施される。また、チャート出力ボタン911が押下されることによって、作成したチャートを出力機器により出力する。なお、ボタン902およびキャンセルボタン912は、U/I901における処理を中断、終了するためのボタンである。
【0114】
また図10は、第2実施形態におけるチャート作成処理のU/I例を示す図である。同図に示すU/I1001おいて、上記図9に示すU/I901と同様の構成については同一番号を付し、説明を省略する。図10のU/I1001は、上記図9に対しさらに撮影機器の色再現性特性を記述したプロファイルを入力するために、プロファイルの格納場所を設定する参照ボタン1003と、該プロファイルを入力するテキストボックス1002を備える。そして、撮影環境情報を取得するために、取得ボタン1006を操作することによって撮影環境下における標準白色板の撮影を行って、撮影光源の色温度および照度を取得し設定するテキストボックス1004,1005を備える。
【0115】
次に、色票色取得処理時に使用されるU/I例について説明する。図11は、第1実施形態の色票色取得処理において、特にチャート撮影画像から色票領域を抽出する際に使用されるU/I例を示す。同図に示すU/I1101は、チャート撮影画像を入力するために、チャート撮影画像の格納場所を設定するための参照ボタン1104と、該画像名を入力するテキストボックス1103を備える。また、チャートの色票配置データの格納場所を設定するための参照ボタン1106と、該色票配置データ名を入力するテキストボックス1105を備える。また、チャート撮影画像から抽出された色票領域に基づく、撮影色信号値ファイルの格納先を設定するための参照ボタン1108と、該撮影色信号値ファイル名を出力するテキストボックス1107を備える。そして、色票抽出ホタン1109が押下されることによって、第1実施形態における色票色取得処理、すなわちチャート撮影画像から色票の撮影色信号値を抽出する処理が実施され、得られた色票の撮影色信号値ファイルが出力される。グラフィックウインドウ1111は、入力されたチャート撮影画像を表示する。このとき、同図においては図示していないが、各色票内における色抽出領域を、例えば白線等で囲むことによって明示することが望ましい。なお、ボタン1102およびキャンセルボタン1110は、U/I1101における処理を中断、終了するためのボタンである。
【0116】
以上説明したように第5実施形態によれば、上記各実施形態に対してU/Iを介して各パラメータの登録・更新を決定可能とすることで、ユーザの意思を反映した処理を実現することができる。
【0117】
なお第5実施形態では、チャート作成処理および色票色取得処理における各パラメータの登録・更新をユーザ指示のもとに行う例を示したが、本発明はこれら各パラメータが自動設定されるような構成であっても実現される。すなわち、ユーザが撮影機器および出力機器を撮影環境下に設置した後、画像処理装置が、各機器を認識することで機器のデバイス特性の獲得やチャート撮影画像の獲得等を行い、その後の色票色取得処理を自動実行するような処理形態であっても良い。
【0118】
<他の実施形態>
なお本発明は、上述した実施形態の構成に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、例えば以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力機器の色再現特性を取得するために該出力機器より出力される、複数の色票が配置されたチャートのデータを作成する画像処理装置であって、
前記チャートにおける色票の構成および各色票の色信号値を示すチャート構成データを取得するチャート構成データの取得手段と、
前記チャート構成データに基づいて、該チャート構成データが示す隣接する色票間で各色票が容易に識別可能となるように各色票を配置したチャートのデータと、該チャートにおける色票の配列情報を作成するチャート作成手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
さらに、前記出力機器について予め設定された色再現特性を示す出力機器特性を取得する出力機器特性の取得手段と、
前記出力機器特性および前記チャート構成データに基づいて、前記出力機器から出力されるチャートを測色して得られる各色票の出力色信号値を推定する出力色推定手段と、を有し、
前記チャート作成手段は、該推定された各色票の出力色信号値に基づいて、前記チャート構成データが示す隣接する色票間での出力色信号値の差分が該差分の下限を示す閾値以上となるように各色票を配置したチャートのデータと、該チャートにおける色票の配列情報を作成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
さらに、前記出力機器から前記チャートを出力した際に得られる該チャートの背景色の信号値を取得する背景色の取得手段を有し、
前記チャート作成手段はさらに、色票の配列の外郭を構成する色票については、その出力色信号値と前記背景色の信号値との差分が該差分の下限を示す閾値以上となるように配置することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
さらに、撮影機器の色再現性特性を示す撮影機器特性を取得する撮影機器特性の取得手段と、
前記撮影機器による撮影環境情報を取得する撮影環境の取得手段と、
前記出力機器特性、前記撮影機器特性、前記撮影環境情報および前記チャート構成データに基づいて、前記出力機器から出力されるチャートを前記撮影機器で撮影して得られる各色票の撮影色信号値を推定する撮影色信号値推定手段と、を有し、
前記チャート作成手段は、該推定された各色票の撮影色信号値に基づいて、前記チャート構成データが示す隣接する色票間での撮影色信号値の差分が該差分の下限を示す閾値以上となるように各色票を配置したチャートのデータと、該チャートにおける色票の配列情報を作成することを特徴とする請求項2または3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
さらに、前記閾値を前記撮影環境情報に基づいて設定する判定条件の設定手段を有することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記チャート作成手段は、前記チャート構成データによって示される全色票に対する選択順をランダムに設定した選択順パターンを取得し、チャート内における色票の配置位置ごとに、配置すべき色票を該選択順パターンにしたがって探索することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記チャート作成手段は、均等色空間上における前記出力機器の再現色域が所定のサイズよりも小さい場合に、該均等色空間上において隣接する各色票の出力色信号値の差分が該差分の下限を示す閾値以上となるように色票の総数を削減して、各色票を配置することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記チャート作成手段は、前記チャート内に全ての色票を配置できなかった場合に、1つの色票について辺同士が隣接する色票数が少なくなるように色票の形状を変更して、各色票を配置することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
さらに、前記チャート作成手段で作成されたチャートのデータに基づき前記出力機器より出力されたチャートを、撮影機器で撮影することによって得られたチャート撮影画像を取得する撮影画像の取得手段と、
前記チャート撮影画像において、隣接する画素との撮影色信号値の差分が該差分の上限を示す閾値以下である画素からなる領域を色票の色抽出領域として抽出する抽出手段と、
前記色抽出領域における全画素の撮影色信号値の平均を、当該色票の撮影色信号値として設定する設定手段と、
前記チャート作成手段で作成された色票の配列情報を取得する配列情報の取得手段と、
前記配列情報に基づいて、前記設定手段で設定された各色票の撮影色信号値を、前記チャートにおける各色票の色信号値の順に並び変える並べ変え手段と、
を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置において作成されたチャートのデータに基づき前記出力機器より出力されたチャートを、撮影機器で撮影することによって得られたチャート撮影画像を取得する撮影画像の取得手段と、
前記チャート撮影画像において、隣接する画素との撮影色信号値の差分が該差分の上限を示す閾値以下である画素からなる領域を色票の色抽出領域として抽出する抽出手段と、
前記色抽出領域における全画素の撮影色信号値の平均を、当該色票の撮影色信号値として設定する設定手段と、
前記チャートにおける色票の配列情報を取得する配列情報の取得手段と、
前記配列情報に基づいて、前記設定手段で設定された各色票の撮影色信号値を、前記チャートにおける各色票の色信号値の順に並び変える並べ変え手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項11】
チャート構成データの取得手段とチャート作成手段を有する画像処理装置において、出力機器の色再現特性を取得するために該出力機器より出力される、複数の色票が配置されたチャートのデータを作成する画像処理方法であって、
前記チャート構成データの取得手段が、前記チャートにおける色票の構成および各色票の色信号値を示すチャート構成データを取得し、
前記チャート作成手段が、前記チャート構成データに基づいて、該チャート構成データが示す隣接する色票間で各色票が容易に識別可能となるように各色票を配置したチャートのデータと、該チャートにおける色票の配列情報を作成する、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項12】
コンピュータ装置で実行されることにより、該コンピュータ装置を請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図2】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2013−9113(P2013−9113A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139861(P2011−139861)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】