説明

画像処理装置と画像処理装置の表示制御方法

【課題】 マクロの登録前に利用可能なユーザを容易に確認できるようにする。
【解決手段】 CPU1は、操作表示部のコピー機能ボタンの押下を検知すると、ROMの利用制限情報を参照し、上記入力されたユーザIDに対してコピー機能の利用許可の情報が付与されていることを確認し(S1)、操作表示部にコピー画面を表示し(S2)、コピー画面の設定画面の設定項目の内容について設定変更内容を検知し(S3)、マクロ登録ボタンの押下を検知すると(S4)、利用可否情報の種類を選択させる選択入力画面を表示し(S5)、選択入力画面に対して登録するマクロに関する利用可否情報の種類の選択入力を検知すると(S6)、ROMから利用制限情報を読み出し、コピー機能と上記設定変更内容とに基づいて、上記選択された種類の利用可否情報の作成処理を実行し(S7)、作成した利用可否情報に基づく一覧画面を操作表示部に表示する(S8)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ファクシミリ装置,プリンタ,複写機,それらの複合機を含む画像処理装置とそのような画像処理装置の表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、スキャナ(画像の読み取り)機能、プリント(画像の印刷)機能、コピー(画像の複写)機能、ファクシミリ送信,メール送信を含む画像の送信機能を備えた複合機(MFP)では、各機能とその各機能の各設定項目の中から使用する一連の機能と設定項目とを組み合わせて実行させるマクロ登録ができる。
このマクロとは、ユーザ操作の簡略化を目的として、ユーザがこの複合機を使って業務を行う上で用いる一連の機能とその機能の設定項目の内容の組み合わせの情報を登録し、簡単な操作で、例えば、使用するマクロを選択して実行を指示するボタンを押下するだけで、そのマクロに登録された一連の機能をその機能に対して設定された設定項目の内容で実行する機能をいう。ジョブフローやプログラム登録も同じものである。
【0003】
例えば、コピー機能の拡大率・縮小率・用紙サイズやコピーの仕上がりを決定する設定項目をマクロ登録しておくことにより、再び同じ設定内容でコピー作業をする場合に登録したマクロを実行することによって設定作業を簡略化することができ、ユーザの作業負担を軽減することができる。
【0004】
ところで、最近はセキュリティ機能の強化がされており、ユーザ毎にMFPで利用可能な機能とその機能における設定項目について利用制限を課すことができる。
例えば、紙,トナーなどの消耗品の消費コストを低減するために、予め許可されたユーザのみがコピー機能を利用できるように利用制限したり、通信コストを低減するために、ファクシミリ送信を含む送信機能の利用を制限したりすることができる。また、個人情報の漏えい保護という観点からアドレス帳に利用者制限機能もある。
従来、ジョブフローで実行する処理タスクを予め設定されたセキュリティレベルに応じて実行を制限することにより、そのジョブフローを実行するユーザによっては一部の処理タスクを実行しないようにする画像処理装置(例えば、特許文献1参照)があった。
【特許文献1】特開2007−334610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の画像処理装置では、ジョブフローを実行するユーザによっては一部の処理タスクを実行されなくなるので、ユーザが多様な設定内容の機能を簡単な操作で実行できるというマクロを利用することの利便性が損なわれるという問題があった。このように、マクロ利用によるユーザの作業負担の軽減とセキュリティ機能の強化との両立は難しくなってきている。
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、マクロの登録前に利用可能なユーザを容易に確認できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上記の目的を達成するため、画像の読み取り機能、画像の印刷機能、画像の複写機能、画像の送信機能を含む複数種類の機能と、その各機能毎にそれぞれ実行時の複数種類の設定項目とに対してユーザ毎に利用許可か不許可かを示す利用制限を設定する利用制限設定手段と、その利用制限設定手段によって設定された上記各機能と上記各設定項目に対するユーザ毎の利用制限の設定内容を示す利用制限情報を記憶する利用制限情報記憶手段と、上記各機能と上記各機能の各設定項目の中から使用する一連の機能と設定項目とを組み合わせて実行させるマクロを登録するマクロ登録手段と、そのマクロ登録手段に登録されたマクロの実行時に、そのマクロの実行を指示したユーザによって入力されたユーザ情報と上記利用制限情報記憶手段に記憶された利用制限情報とに基づいて当該マクロの実行が可能か否かを判断する判断手段と、その判断手段によって実行が可能と判断されたときに当該マクロを実行するマクロ実行手段を備えた画像処理装置において、上記マクロの登録前に、上記利用制限情報記憶手段に記憶されている利用制限情報に基づいて上記登録するマクロに対する利用可否情報を作成する利用可否情報作成手段と、その利用可否情報作成手段によって作成された上記登録するマクロに関する利用可否情報を表示する利用可否情報表示手段を設けた画像処理装置を提供する。
【0007】
また、上記利用可否情報を、上記登録するマクロについて利用可能なユーザを示す情報、上記登録するマクロの機能とその機能の各設定項目毎に利用可能なユーザを示す情報、ユーザ毎に上記登録するマクロの機能とその機能の各設定項目の内で利用可能な機能又は設定項目を示す情報、指定されたユーザについて上記登録するマクロの機能とその機能の各設定項目の内で利用不可能な機能又は設定項目を示す情報、指定されたユーザについて上記登録するマクロの機能とその機能の各設定項目の内で利用可能な機能又は設定項目を示す情報のいずれかにするとよい。
さらに、上記マクロの登録を指示するユーザに対して予め設定された権限に基づいて上記利用可否情報表示手段に表示する利用可否情報の内容を制限する利用可否情報表示制限手段を設けるとなおよい。
さらにまた、上記のような画像処理装置における各手段に相当する工程からなる表示制御方法も提供する。
【発明の効果】
【0008】
この発明による画像処理装置と画像処理装置の表示制御方法は、マクロの登録前に利用可能なユーザを容易に確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
〔実施例〕
図1はこの発明の画像処理装置の実施例である複合機の構成を示すブロック図である。
この複合機(MFP)のCPU1は、この複合機の各部の制御処理、スキャナ機能(画像の読み取り機能)、プリント機能(画像の印刷機能)、コピー機能(画像の複写機能)、ファクシミリ送受信を含む通信機能(画像の送受信機能)を含む複数種類の機能を、その各機能毎にそれぞれ設定された複数種類の設定項目の内容に基づいて実行する制御処理と、マクロ登録とマクロ実行に係る制御処理を含む各種の制御処理を行うシステム制御部である。
【0010】
ROM2は、CPU1が実行する各種の制御処理のプログラムと、その各制御処理を実行するときに必要な各種データを記憶する書き換え可能なメモリである。
このROM2には、スキャナ機能,プリント機能,コピー機能,通信機能を含む複数種類の機能と、その各機能毎にそれぞれ実行時の複数種類の設定項目とに対してユーザ毎に利用許可か不許可かを示す利用制限を示す利用制限情報を記憶し、上記各機能とその各機能の各設定項目の中から使用する一連の機能と設定項目とを組み合わせて実行させるマクロを登録する。
上記利用制限情報としては、例えば、ユーザがこの複合機を使用する際に入力するユーザIDに対して、スキャナ機能,プリント機能,コピー機能,通信機能について利用可能なものに利用許可を示す情報を付与し、その利用許可の情報が付与された機能の複数の設定項目についてそれぞれ利用可能なものに利用許可を示す情報を付与した情報である。
【0011】
RAM3は、CPU1がROM2に記憶されている各種データを参照して各種の制御処理のプログラムを実行するワークエリアであるメモリである。
スキャナ4は、CPU1の制御によってスキャナ機能を実現するものであり、原稿画像を読み取り、その画像データ(画情報)を取り込む画像読取装置である。
プロッタ5は、CPU1の制御によってプリント機能を実現するものであり、画像データに基づく画像を記録紙に印刷する印刷装置である。
また、上記スキャナ4と上記プロッタ5とにより、CPU1の制御によってコピー機能も実現する。
【0012】
操作表示部6は、ユーザがこの複合機を操作するための各種の操作キーと、ユーザに各種の操作画面や情報を表示する表示部を備えたオペレーションパネルである。
この操作表示部6には、スキャナ機能,プリント機能,コピー機能,通信機能を含む複数種類の機能実行時の作業画面と、スキャナ機能,プリント機能,コピー機能,通信機能を含む複数種類の機能についてのマクロ登録時の作業画面と、登録するマクロに関する利用可否情報を表示する。
符号化復号化部7は、ファクシミリ送信する画像データを符号化圧縮し、ファクシミリ受信した符号化圧縮されている画像データを元の画像データに復号化する処理部である。
画像メモリ8は、スキャナ4によって読み取った画像データ、プロッタ5によって印刷する画像データ、ファクシミリ送信する画像データとファクシミリ受信した画像データを記憶するメモリである。
【0013】
通信制御部9は、ネットワークインタフェース(I/F)部10、モデム11、網制御部12との通信を制御する。
ネットワークI/F部10は、ローカルエリアネットワークを含むネットワークを介して外部のパーソナルコンピュータ(PC)を含む端末装置と所定のデータ伝送手順に従って種々のデータをやりとりする。
モデム11は、ファクシミリ通信手順信号を送受信元とやり取りし、相手先の複合機との間でファクシミリ送受信を行う。
網制御部12は、この複合機を公衆電話回線網を介して通信可能に接続する制御を行う。また、インターネットを介したデータ通信も行う。
これらの通信制御部9,ネットワークI/F部10,モデム11,網制御部12は、CPU1の制御により、通信機能を実現するものである。
【0014】
すなわち、上記操作表示部6は、上記CPU1の制御により、画像の読み取り機能、画像の印刷機能、画像の複写機能、画像の送信機能を含む複数種類の機能と、その各機能毎にそれぞれ実行時の複数種類の設定項目とに対してユーザ毎に利用許可か不許可かを示す利用制限を設定する利用制限設定手段40と、上記各機能と上記各機能の各設定項目の中から使用する一連の機能と設定項目とを組み合わせて実行させるマクロを設定するマクロ設定手段41と、利用可否情報作成手段22によって作成する利用可否情報の種類を選択する利用可否情報種類選択手段42と、利用可否情報作成手段22によって作成された上記登録するマクロに関する利用可否情報を表示する利用可否情報表示手段43の機能を果たす。
【0015】
上記利用可否情報としては、上記登録するマクロについて利用可能なユーザを示す情報、上記登録するマクロの機能とその機能の各設定項目毎に利用可能なユーザを示す情報、ユーザ毎に上記登録するマクロの機能とその機能の各設定項目の内で利用可能な機能又は設定項目を示す情報、指定されたユーザについて上記登録するマクロの機能とその機能の各設定項目の内で利用不可能な機能又は設定項目を示す情報、指定されたユーザについて上記登録するマクロの機能とその機能の各設定項目の内で利用可能な機能又は設定項目を示す情報がある。
また、上記ROM2は、上記CPU1の制御により、利用制限設定手段40によって設定された上記各機能と上記各設定項目に対するユーザ毎の利用制限の設定内容を示す利用制限情報を記憶する利用制限情報記憶手段30と、上記各機能と上記各機能の各設定項目の中から使用する一連の機能と設定項目とを組み合わせて実行させるマクロを登録するマクロ登録手段31の機能を果たす。
【0016】
そして、上記CPU1は、マクロ登録手段31に登録されたマクロの実行時に、そのマクロの実行を指示したユーザによって入力されたユーザ情報と利用制限情報記憶手段30に記憶された利用制限情報とに基づいて当該マクロの実行が可能か否かを判断する判断手段20と、その判断手段20によって実行が可能と判断されたときに当該マクロを実行するマクロ実行手段21と、上記マクロの登録前に、利用制限情報記憶手段30に記憶されている利用制限情報に基づいて上記登録するマクロに対する利用可否情報を作成する利用可否情報作成手段22と、上記マクロの登録を指示するユーザに対して予め設定された権限に基づいて利用可否情報表示手段43に表示する利用可否情報の内容を制限する利用可否情報表示制限手段23の機能を果たす。
上記利用可否情報作成手段22は、利用制限情報記憶手段30に記憶されている利用制限情報に基づいて上記登録するマクロに対して利用可否情報種類選択手段42によって選択された種類の利用可否情報を作成する手段にしてもよい。
【0017】
次に、この複合機におけるマクロ登録時の処理について説明する。
ここでは、ユーザがコピー機能利用時にマクロ登録するときの処理について説明する。
図2は、図1に示した複合機におけるコピー機能利用時のマクロ登録処理を示すフローチャート図である。
この処理は、例えば、コピー機能の全ての設定項目について利用許可を受けているユーザがコピー機能を利用する際、操作表示部6から自己のユーザIDを入力した後、CPU1は、ステップ(図中「S」で示す)1で、操作表示部のコピー機能ボタンの押下を検知すると、ROMの利用制限情報を参照し、上記入力されたユーザIDに対してコピー機能の利用許可の情報が付与されていることを確認し、ステップ2で、操作表示部にコピー画面を表示する。
【0018】
このコピー画面には、コピーの各種の設定項目、例えば、フルカラー,両面印刷の利用を選択する設定画面と、マクロ登録を指示するマクロ登録ボタンを含む各種のボタンと、コピー開始を指示するコピーボタンと、各種の作業時の操作情報を表示している。
CPU1は、ステップ3で、コピー画面の設定画面の設定項目の内容について設定変更内容を検知し、ステップ4で、マクロ登録ボタンの押下を検知すると、ステップ5で、利用可否情報の種類を選択させる選択入力画面を表示し、ステップ6で、選択入力画面に対して登録するマクロに関する利用可否情報の種類の選択入力を検知すると、ステップ7で、ROMから利用制限情報を読み出し、コピー機能と上記設定変更内容とに基づいて、上記選択された種類の利用可否情報の作成処理を実行し、ステップ8で、作成した利用可否情報に基づく一覧画面を操作表示部に表示する。
【0019】
ステップ9で、一覧画面中に表示したマクロ登録を実行する登録ボタンと、登録を取り消す取消ボタンのいずれの押下を検知したのかを判断し、登録ボタンの押下を検知したら、ステップ10で、コピー機能の上記設定変更内容の情報を、例えば、マクロ1として読み出し可能にROMに登録するマクロ登録処理を実行し、ステップ11へ進み、ステップ9で取消ボタンの押下を検知したら、コピー機能の上記設定変更内容のマクロ登録を実行せずにステップ11へ進む。
ステップ11では、操作表示部にコピー画面を表示し、ステップ12で、コピー画面上のスタートボタンの押下を検知したか否かを判断し、スタートボタンの押下を検知したら、ステップ13で、上記設定変更内容のコピー機能を実行し、このコピー機能の処理を終了する。
【0020】
次に、この複合機におけるユーザが登録マクロを選択して実行する時の処理について説明する。
図3は、図1に示した複合機における登録マクロを選択して実行する時の処理を示すフローチャート図である。
上記の処理によってマクロ登録された後、他のユーザがそのマクロを利用してコピー機能を実行させる場合、CPU1は、ステップ21で、ユーザによるユーザ情報としてユーザIDの入力を検知し、ステップ22で、コピー機能ボタンの押下を検知すると、ステップ23で、このユーザに対してコピー機能の実行が可能か否かを判断する。
この判断処理では、ROMの利用制限情報を参照し、上記ユーザIDについてコピー機能の利用許可が付与されているか否かを判断し、利用許可が付与されていれば実行可能と判断し、利用許可が付与されていなければ実行不可能と判断する。
【0021】
CPU1は、ステップ23の判断で実行不可能と判断したら、コピー機能の利用をできなくし、この処理を終了するが、実行可能と判断したら、ステップ24へ進む。
ステップ24で、登録されているマクロの中から、例えば、マクロ1の選択入力を検知すると、ステップ25で、このユーザに対してコピー機能のマクロ1の実行が可能か否かを判断する。
この判断処理でも、ROMの利用制限情報を参照し、マクロ1の各設定項目毎に、上記ユーザIDについて該当する設定項目に利用許可が付与されているか否かを判断し、全ての設定項目について利用許可が付与されていれば実行可能と判断し、1つでも利用許可が付与されていなければ実行不可能と判断する。
CPU1は、ステップ26で、スタートボタンの押下を検知したか否かを判断し、押下を検知したら、ステップ27で、コピー機能の選択されたマクロ1を実行し、そのマクロ1に登録されている各設定項目の内容でコピー機能を実行して、このコピー機能処理を終了する。
【0022】
次に、上記各種類の利用可否情報の作成とその作成した利用可否情報に基づく一覧表示例について説明する。
(1)登録するマクロ1について利用可能なユーザを示す利用可否情報
CPU1は、マクロ1が、例えば、フルカラーで両面印刷するコピー機能のマクロだった場合、利用制限情報からコピー機能,フルカラー,両面印刷の全てについて利用許可が付与されたユーザIDを検索し、その検索された全てのユーザIDのユーザ名をマクロ1に対応させて一覧表示するための情報を作成する。
そして、操作表示部6に、マクロ1に対応させて利用可能な全てのユーザ名の一覧を表示する。
【0023】
(2)登録するマクロの機能とそのマクロ機能の各設定項目毎に利用可能なユーザを示す利用可否情報
CPU1は、マクロ1が、例えば、フルカラーで両面印刷するコピー機能のマクロだった場合、利用制限情報からコピー機能,フルカラー,両面印刷の全てについて利用許可が付与されたユーザIDを検索し、その検索された全てのユーザIDのユーザ名にマクロ1の利用可能な機能と設定項目を対応させて一覧表示するための情報を作成する。
そして、操作表示部6に、各ユーザ名毎に、利用可能なマクロ1の機能名と設定項目名の一覧を表示する。
【0024】
図4は、図1に示す複合機における利用可否情報に基づく一覧表示例を示す図である。
このマクロ1の項目別の利用可能情報の一覧表示画面には、マクロ1に対応させて利用可能な全てのユーザ名の一覧として、機能と設定項目欄のマクロ1に対応させて利用可能ユーザ名を全て一覧表示しており、例えば、ユーザA,ユーザBの各ユーザ名を表示している。
また、各ユーザ名毎の利用可能なマクロ1の機能名と設定項目名の一覧として、機能と設定項目欄のコピー機能に対応させて利用可能なユーザ名を全て一覧表示しており、例えば、ユーザA,ユーザB,ユーザCの各ユーザ名を表示している。
さらに、フルカラーの設定項目に対応させて、例えば、ユーザA,ユーザB,ユーザDの各ユーザ名を表示し、両面印刷の設定項目に対応させて、例えば、ユーザA,ユーザBの各ユーザ名を表示している。
【0025】
そして、画面の登録ボタン50を押下すると、マクロ1の登録処理に移行し、取り消しボタン51が押下されると、マクロ1の登録処理を実行しないようにする。
このようにして、マクロ登録する前にマクロ毎、機能毎、設定項目毎に利用可能なユーザの確認を容易にできるので、各設定項目に対してどのユーザに利用制限がかかっているかを確認することができ、どの設定項目を変更すれば利用可能なユーザが変更になるかが確認でき、マクロ登録時の利便性を向上させることができる。
【0026】
(3)ユーザ毎に、登録するマクロ1の機能とそのマクロ1の機能の各設定項目の内で利用可能な機能又は設定項目を示す利用可否情報
CPU1は、マクロ1が、例えば、フルカラーで両面印刷するコピー機能のマクロだった場合、利用制限情報からユーザID毎にコピー機能,フルカラー,両面印刷のいずれについて利用許可が付与されているかを検索し、その検索された機能又は設定項目をユーザIDのユーザ名に対応させて一覧表示するための情報を作成する。
そして、操作表示部6に、各ユーザ名に対応させて利用可能な機能名又は設定項目名の全てを一覧で表示する。
【0027】
図5は、図1に示す複合機における他の利用可否情報に基づく一覧表示例を示す図である。
このマクロ1のユーザ別の利用可能情報の一覧表示画面には、マクロ1に対応させて利用可能な全てのユーザ名毎に、利用可能な機能と設定項目を全て一覧表示しており、例えば、ユーザAとユーザBの利用可能な機能と設定項目はそれぞれコピー機能,フルカラー,両面印刷を、ユーザCの利用可能な機能と設定項目はコピー機能を、ユーザDの利用可能な機能と設定項目はコピー機能,フルカラーをそれぞれ表示している。
このようにして、ユーザ毎に利用可能な機能,設定項目の確認もできる。
【0028】
(4)指定されたユーザについて、登録するマクロ1の機能とその機能の各設定項目の内で利用不可能な機能又は設定項目を示す利用可否情報
CPU1は、マクロ1が、例えば、フルカラーで両面印刷するコピー機能のマクロだった場合、この種類の利用可否情報が選択された後、指定のユーザが入力されると、その指定されたユーザのユーザIDについて利用制限情報からコピー機能,フルカラー,両面印刷のそれぞれに利用許可が付与されているか否かを確認し、利用許可が付与されていない機能又は設定項目を選び出し、その選び出した機能又は設定項目を、上記指定のユーザユーザ名に対応させて一覧表示するための情報を作成する。
そして、操作表示部6に、指定のユーザ名に対応させてマクロ1の機能又は設定項目の内で利用不可な全ての機能又は設定項目名の一覧を表示する。
上記ユーザの指定は、画面上にユーザ名の一覧を表示し、その一覧の中から選択させて指定するようにすると良い。
【0029】
図6は、図1に示す複合機におけるまた他の利用可否情報に基づく一覧表示例を示す図である。
このマクロ1のユーザ別の利用不可項目の一覧表示画面には、例えば、ユーザCについて、マクロ1のコピー機能,フルカラー,両面印刷の内で、利用不可能(利用が許可されていないもの)のフルカラー,両面印刷を、利用不可な機能と設定項目として一覧表示している。画面中の閉じるボタン52を押下すると、この画面の表示前の画面の内容に戻す。
このようにして、指定したユーザに対して利用不可の機能又は設定項目を確認できるので、登録するマクロに対して利用可能にしたいユーザの確認と、利用可能にしたいユーザに対して利用不可となっている設定項目のどれを使用できるようにすれば、利用可能とすることができるかがわかり、マクロ登録の利便性を向上させることができる。
【0030】
(5)指定されたユーザについて、登録するマクロ1の機能とその機能の各設定項目の内で利用可能な機能又は設定項目を示す利用可否情報
CPU1は、マクロ1が、例えば、フルカラーで両面印刷するコピー機能のマクロだった場合、この種類の利用可否情報が選択された後、指定のユーザが入力されると、
その指定されたユーザのユーザIDについて利用制限情報からコピー機能,フルカラー,両面印刷のそれぞれに利用許可が付与されているか否かを確認し、利用許可が付与されている機能又は設定項目を選び出し、その選び出した機能又は設定項目を、上記指定のユーザのユーザ名に対応させて一覧表示するための情報を作成する。
そして、操作表示部6に、指定のユーザ名に対応させてマクロ1の機能又は設定項目の内で利用可能な全ての機能又は設定項目名の一覧を表示する。
上記ユーザの指定は、画面上にユーザ名の一覧を表示し、その一覧の中から選択させて指定するようにすると良い。
【0031】
図7は、図1に示す複合機におけるさらに他の利用可否情報に基づく一覧表示例を示す図である。
このマクロ1のユーザ別の利用可能項目の一覧表示画面には、例えば、ユーザBについて、マクロ1のコピー機能,フルカラー,両面印刷の全てについて、利用可能な機能と設定項目に一覧表示している。
このようにして、指定したユーザに対して利用可能の機能又は設定項目を確認できるので、登録するマクロに対して利用禁止にしたいユーザの確認と、利用禁止にしたいユーザに対して利用可能となっている設定項目のどれを使用しないようにすれば、利用禁止とすることができるかがわかり、マクロ登録の利便性を向上させることができる。
【0032】
次に、上述の利用可否情報に基づく一覧表示について、マクロを登録するユーザの利用権限に基づいて表示内容に制限をかけるようにすると良い。
例えば、マクロを登録するユーザ毎にどのユーザについてマクロ登録時の機能又は設定項目を設定又は変更できる権限を有するかを示す利用権限情報を、ユーザのユーザIDに対応させてROM2に予め記憶するようにする。
そして、CPU1は、上述のいずれかの利用可否情報を作成する際、マクロ登録作業中のユーザのユーザIDについて、ROM2に記憶している利用権限情報を参照し、どのユーザに対して機能又は設定項目を設定又は変更できるかを確認し、その確認結果に基づいてどのユーザに対して機能又は設定項目を設定又は変更できないかを判断し、その判断されたユーザ名のみを一覧表示の内容から削除して表示する。
【0033】
図8は、図1に示す複合機における利用可否情報に基づく一覧表示の内容に制限をかけたときの表示例を示す図である。
例えば、マクロ登録作業を行うユーザの利用権限情報が、ユーザCに対してマクロの機能及び設定項目を、設定も変更もできないように設定されていた場合、図3で示したマクロ1の項目別の利用可能情報の一覧画面の表示内容は、図8に示すように、コピー機能の利用可能ユーザ欄において、ユーザAとユーザBのみが表示され、ユーザCは表示されない。
このようにして、マクロ登録するユーザの利用権限に基づいて、利用可否情報に基づく一覧表示の内容を制限することにより、マクロ登録時の利便性とセキュリティを向上させることができる。
【0034】
なお、上述の実施例では、コピー機能のフルカラーと両面印刷を用いたマクロで説明したが、その他のコピー機能の設定項目(用紙サイズ,製本など)についても、また、他のスキャナ機能,プリント機能,通信機能の各設定項目を用いたマクロ登録時にも上述と同様にして利用可否情報に基づく各種の一覧表示画面を表示することができる。
例えば、通信機能の一例には、送信機能では、ファックス送信、インターネットを介して指定のメールアドレスへのインターネットファックス送信のメール送信、指定のIPアドレスやホスト名へのIPファックス送信、スキャンした文書の画像データをネットワーク上の指定したフォルダーに送信するフォルダ送信、フルカラー画像送信の各設定項目について、受信機能では、受信したメールや画像データを予め指定した他の装置へ転送する転送先指定の設定項目について、上述と同様にして利用可否情報に基づく各種の一覧表示画面を表示することができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
この発明による画像処理装置と画像処理装置の表示制御方法は、ファクシミリ装置,プリンタ,複写機,それらの複合機を含む画像処理装置の全般において適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の画像処理装置の実施例である複合機の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す複合機におけるコピー機能利用時のマクロ登録処理を示すフローチャート図である。
【図3】図1に示す複合機における登録マクロを選択して実行する時の処理を示すフローチャート図である。
【図4】図1に示す複合機における利用可否情報に基づく一覧表示例を示す図である。
【0037】
【図5】図1に示す複合機における他の利用可否情報に基づく一覧表示例を示す図である。
【図6】図1に示す複合機におけるまた他の利用可否情報に基づく一覧表示例を示す図である。
【図7】図1に示す複合機におけるさらに他の利用可否情報に基づく一覧表示例を示す図である。
【図8】図1に示す複合機における利用可否情報に基づく一覧表示の内容に制限をかけたときの表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1:CPU 2:ROM 3:RAM 4:スキャナ 5:プロッタ 6:操作表示部 7:符号化復号化部 8:画像メモリ 9:通信制御部 10:ネットワークI/F部 11:モデム 12:網制御部 13:バス 20:判断手段 21:マクロ実行手段 22:利用可否情報作成手段 23:利用可否情報表示制限手段 30:利用制限情報記憶手段 31:マクロ登録手段 40:利用制限設定手段 41:マクロ設定手段 42:利用可否情報種類選択手段 43:利用可否情報表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の読み取り機能、画像の印刷機能、画像の複写機能、画像の送信機能を含む複数種類の機能と、該各機能毎にそれぞれ実行時の複数種類の設定項目とに対してユーザ毎に利用許可か不許可かを示す利用制限を設定する利用制限設定手段と、
該利用制限設定手段によって設定された前記各機能と前記各設定項目に対するユーザ毎の利用制限の設定内容を示す利用制限情報を記憶する利用制限情報記憶手段と、
前記各機能と前記各機能の各設定項目の中から使用する一連の機能と設定項目とを組み合わせて実行させるマクロを登録するマクロ登録手段と、
該マクロ登録手段に登録されたマクロの実行時に、該マクロの実行を指示したユーザによって入力されたユーザ情報と前記利用制限情報記憶手段に記憶された利用制限情報とに基づいて当該マクロの実行が可能か否かを判断する判断手段と、
該判断手段によって実行が可能と判断されたときに当該マクロを実行するマクロ実行手段とを備えた画像処理装置において、
前記マクロの登録前に、前記利用制限情報記憶手段に記憶されている利用制限情報に基づいて前記登録するマクロに対する利用可否情報を作成する利用可否情報作成手段と、
該利用可否情報作成手段によって作成された前記登録するマクロに関する利用可否情報を表示する利用可否情報表示手段とを設けたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記利用可否情報は、前記登録するマクロについて利用可能なユーザを示す情報であることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記利用可否情報は、前記登録するマクロの機能と該機能の各設定項目毎に利用可能なユーザを示す情報であることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記利用可否情報は、ユーザ毎に前記登録するマクロの機能と該機能の各設定項目の内で利用可能な機能又は設定項目を示す情報であることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記利用可否情報は、指定されたユーザについて前記登録するマクロの機能と該機能の各設定項目の内で利用不可能な機能又は設定項目を示す情報であることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記利用可否情報は、指定されたユーザについて前記登録するマクロの機能と該機能の各設定項目の内で利用可能な機能又は設定項目を示す情報であることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記マクロの登録を指示するユーザに対して予め設定された権限に基づいて前記利用可否情報表示手段に表示する利用可否情報の内容を制限する利用可否情報表示制限手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
画像の読み取り機能、画像の印刷機能、画像の複写機能、画像の送信機能を含む複数種類の機能と、該各機能毎にそれぞれ実行時の複数種類の設定項目とに対してユーザ毎に利用許可か不許可かを示す利用制限を設定する利用制限設定工程と、該利用制限設定工程によって設定された前記各機能と前記各設定項目に対するユーザ毎の利用制限の設定内容を示す利用制限情報を記憶する利用制限情報記憶工程と、前記各機能と前記各機能の各設定項目の中から使用する一連の機能と設定項目とを組み合わせて実行させるマクロを登録するマクロ登録工程と、該マクロ登録工程によって登録されたマクロの実行時に、該マクロの実行を指示したユーザによって入力されたユーザ情報と前記利用制限情報記憶工程によって記憶された利用制限情報とに基づいて当該マクロの実行が可能か否かを判断する判断工程と、該判断工程によって実行が可能と判断されたときに当該マクロを実行するマクロ実行工程とからなる画像処理装置の表示制御方法において、
前記マクロの登録前に、前記利用制限情報記憶工程によって記憶された利用制限情報に基づいて前記登録するマクロに対する利用可否情報を作成する利用可否情報作成工程と、該利用可否情報作成工程によって作成された前記登録するマクロに関する利用可否情報を表示する利用可否情報表示工程とを設けたことを特徴とする画像処理装置の表示制御方法。
【請求項9】
前記利用可否情報は、前記登録するマクロについて利用可能なユーザを示す情報であることを特徴とする請求項8記載の画像処理装置の表示制御方法。
【請求項10】
前記利用可否情報は、前記登録するマクロの機能と該機能の各設定項目毎に利用可能なユーザを示す情報であることを特徴とする請求項8記載の画像処理装置の表示制御方法。
【請求項11】
前記利用可否情報は、ユーザ毎に前記登録するマクロの機能と該機能の各設定項目の内で利用可能な機能又は設定項目を示す情報であることを特徴とする請求項8記載の画像処理装置の表示制御方法。
【請求項12】
前記利用可否情報は、指定されたユーザについて前記登録するマクロの機能と該機能の各設定項目の内で利用不可能な機能又は設定項目を示す情報であることを特徴とする請求項8記載の画像処理装置の表示制御方法。
【請求項13】
前記利用可否情報は、指定されたユーザについて前記登録するマクロの機能と該機能の各設定項目の内で利用可能な機能又は設定項目を示す情報であることを特徴とする請求項8記載の画像処理装置の表示制御方法。
【請求項14】
前記マクロの登録を指示するユーザに対して予め設定された権限に基づいて前記利用可否情報表示工程によって表示する利用可否情報の内容を制限する利用可否情報表示制限工程を設けたことを特徴とする請求項8乃至13のいずれか一項に記載の画像処理装置の表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−41367(P2010−41367A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201604(P2008−201604)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】