説明

画像処理装置及びその制御方法、並びにプログラム

【課題】立体映像に重畳して表示する顔枠を適切に表示可能な画像処理装置及びその制御方法、並びにプログラムを提供する。
【解決手段】立体撮像装置10は、取得された2つの映像の各々で顔領域を検出し、一方の映像で検出された顔領域と他方の映像で検出された顔領域とを対応付け、対応付けられた顔領域を表示させるための位置及び大きさを一致させるように顔領域を制御し、一致された位置及び大きさに応じて顔領域を示す顔領域画像を表示させる位置を含む顔領域関連情報を生成し、生成された顔領域関連情報に応じて顔領域画像を生成し、2つの映像、及び顔領域画像を合成して表示手段を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及びその制御方法、並びにプログラムに関し、特に、立体映像が表示可能な画像処理装置及びその制御方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映画等が立体(3D)映像で提供されることが増えてきており、それに伴い家庭用のテレビも立体表示に対応するものが開発されている。また、立体映像を撮影するものとしては、2つの撮像光学系を有するカメラが知られており、民生向けの立体撮影カメラも登場してきている。
【0003】
さらに、最近のデジタルカメラやビデオカメラでは撮影の際に人物を検出して、カメラの液晶パネルに表示される顔の領域に顔枠を重畳する機能が搭載されている。カメラは、この顔枠内の映像を用いて露出、合焦等の撮影パラメータを制御することにより、人物に最適化された画像を取得できるようになる。
【0004】
上記の立体撮影カメラでもカメラ本体に立体視が可能な表示部を設けることにより、立体感を確認しながら撮影することが可能になる。その際には、撮影している被写体は立体表示されるので、前記の顔枠についても立体表示しながら人物の顔の領域に重畳することが求められる。
【0005】
従来、立体画像データの表示に関して、立体画像上の所定位置を指示するためのマウスポインタ、あるいは立体画像と共に表示させる文字情報を重畳する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
これは、通常のパーソナルコンピュータに立体画像表示装置を接続し、マウスを用いて、立体画像を編集したり、キーボードで立体画像上に文字を入力するものである。この装置では、立体画像上にマウスポインタ等の指示手段があるときに、指示手段がある位置の立体画像の視差に合わせ指示手段も視差を有するように表示し、立体画像上の指示手段が見易くなるように制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】

【特許文献1】特開2001−326947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような技術背景において、立体撮像カメラにより撮影される左右の映像で顔の検出を行った場合、顔枠のサイズ及び顔の領域に対する顔枠の相対的な位置は、左右でばらつきが生じる。
【0009】
このことを、具体的に図22を用いて説明する。図22では、立体撮像カメラにより撮影される左右の映像1901,1902に対して顔検出を行い、その結果に従い顔の領域に顔枠1903〜1908を重畳して表示している。顔の検出は左右の映像で個別に行っているので、顔枠のサイズ及び顔の領域に対する顔枠の相対的な位置は、左右でばらつきが生じている。
【0010】
その結果、立体視したときに顔枠が2重にボケて見えたり、顔の立体感と顔枠の立体感にずれが生じたり、人物の移動に伴って左右の顔枠がばらばらに追従して移動するなどにより立体画像が見難くなってしまう。
【0011】
特許文献1に開示された技術は、マウスポインタ等の指示手段の位置に応じて、指示手段の視差を調整するものである。従って、マウスポインタのサイズ等は予め設定された値となるので、左右の画像でばらつきが生じることはない。また左右の画像のポインタの移動は、マウス操作を検出して、検出結果に応じて表示位置と視差を調整することで対応している。
【0012】
従って、本件の立体撮像カメラのように左右の撮像系で個別に入力される映像から検出した情報を基に、顔枠等のマーカーを適切な位置に立体表示することはできなかった。
【0013】
本発明の目的は、立体映像に重畳して表示する顔枠を適切に表示可能な画像処理装置及びその制御方法、並びにプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、請求項1の画像処理装置は、表示手段を備えた画像処理装置であって、被写体を撮像した2つの映像を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された2つの映像の各々で顔領域を検出する検出手段と、前記検出手段により一方の映像で検出された顔領域と他方の映像で検出された顔領域とを対応付け、対応付けられた顔領域を前記表示手段に表示させるための位置及び大きさを一致させるように顔領域を制御する顔領域制御手段と、前記顔領域制御手段により一致された位置及び大きさに応じて顔領域を示す顔領域画像を表示させる前記表示手段における位置を含む顔領域関連情報を生成する顔領域関連情報生成手段と、前記顔領域関連情報生成手段により生成された顔領域関連情報に応じて前記顔領域画像を生成する顔領域画像生成手段と、前記2つの映像、及び前記顔領域画像生成手段により生成された顔領域画像を合成して前記表示手段を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、立体映像に重畳して表示する顔枠を適切に表示可能な画像処理装置及びその制御方法、並びにプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る立体撮像装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1における顔検出部Rの概略構成を示す図である。
【図3】図1の立体撮像装置の表示パネルに表示される映像の一例を示す図である。
【図4】被写体像のずれを説明するための図である。
【図5】投影面により得られる左映像と投影面により得られる右映像を示す図である。
【図6】左右の映像切り替えタイミングを示す図である。
【図7】左右の撮像光学系で人物の被写体を撮影している状態を示す概略図である。
【図8】(A)は、2つの被写体像を示す左右映像を示し、(B)、(C)は、それぞれ相関値を示している。
【図9】合成された左右の映像と顔枠の概略図である。
【図10】左右の撮像光学系により被写体を撮影しているときに、被写体が矢印の位置に移動したときの顔枠を模式的に示した図である。
【図11】被写体の移動に伴い被写体像と顔枠が移動した状態を示す概略図である。
【図12】顔領域の検出から表示までの経過を示すタイミングチャートである。
【図13】図1におけるMPUにより実行される顔枠描画処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】被写体に対して、点線の元の顔枠の位置より顔枠が手前に立体視されるように、視差を補正した例を示す図である。
【図15】顔領域画像の一例を示す図であり、(A)は矢印状のGUIを用いた例を示し、(B)は一部が欠けた矩形のGUIを用いた例を示し、(C)は記号A,Bを用いた例を示している。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係る立体撮像装置の概略構成を示す図である。
【図17】図16における防振処理部の概略構成図である。
【図18】(A)は、顔検出部R、顔検出部Lにより検出された被写体像の顔領域の模式図であり、(B)、(C)は、それぞれ相関値を示している。
【図19】表示パネルに出力される左右の映像と顔枠の模式図である。
【図20】被写体の移動に伴って顔枠を移動する様子を模式的に示したものである。
【図21】(A)は、顔枠の移動量とアニメーションに要する移動時間を示す図であり、(B)は移動量を補完するグラフを示す図である。
【図22】顔枠の相対的な位置のばらつきを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0018】
なお、本実施の形態では、本発明に係る画像処理装置を立体撮像装置に適用した例について説明する。
【0019】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る立体撮像装置10の概略構成を示す図である。
【0020】
図1において、光学系R101及び光学系L104はレンズ等であり、例えばズームレンズ等を用いることができる。撮像部R102及び撮像部L105は、光学系R101、及び光学系L104を透過した光を撮像するためのCMOSセンサやCCDセンサなどの撮像素子、AD変換器等から構成される。信号処理部R103及び信号処理部L106は、撮像部R102、及び撮像部L105の各々から出力された信号の変換等の処理を行う。メモリ107は、映像データ、符号化データ、制御データ等を保持する。以下の説明において、光学系R101、撮像部R102、及び信号処理部R103を撮像光学系130と表現することがある。同様に、光学系L104、撮像部L105、及び信号処理部L106を撮像光学系131と表現することがある。これら撮像光学系130及び撮像光学系131が被写体を撮像した2つの映像を取得する取得手段に対応する。
【0021】
顔検出部R108及び顔検出部L109は、撮像光学系130及び撮像光学系131により取得された2つの映像の各々で顔領域を検出する検出手段に対応する。
【0022】
視差情報検出部110は、顔検出部R108及び顔検出部L109から取得した顔の領域の情報を基に視差情報を検出することで2つの映像から検出された顔領域を対応付ける。すなわち、視差情報検出部110は、顔検出部R108及び顔検出部L109により一方の映像で検出された顔領域と他方の映像で検出された顔領域とを対応付ける。そして対応付けられた顔領域を表示パネル114に表示させるための位置及び大きさを一致させるように顔領域を制御する顔領域制御手段に対応する。
【0023】
顔枠制御部111は、顔検出部R108及び顔検出部L109からの顔領域の情報と、視差情報検出部110で検出される視差情報を基に、顔枠の表示位置、サイズ及び顔枠移動の制御を行う。すなわち、顔枠制御部111は、視差情報検出部110により一致された位置及び大きさに応じて顔領域を示す顔領域画像を表示させる表示パネル114における位置を含む顔領域関連情報を生成する顔領域関連情報生成手段に対応する。
【0024】
グラフィック処理部112は、撮影画像に重畳するアイコン、文字等のGUI部品を生成し、さらに顔枠制御部111からの情報に基づいて顔枠のGUI部品を生成し、メモリ107の所定の領域に描画する。すなわち、グラフィック処理部112は、顔領域関連情報に応じて顔領域画像(例えばアイコン、文字等のGUI部品)を生成する顔領域画像生成手段に対応する。
【0025】
ビデオ信号処理部113は、光学系R101及び光学系L104を介して得られる撮影中の映像データ及びグラフィック処理部112が描画したGUI部品を合成して表示パネル114に出力する。すなわち、ビデオ信号処理部113は、2つの映像、及び顔領域画像を合成して表示パネル114を出力する出力手段に対応する。
【0026】
表示パネル114(表示手段)は、ビデオ信号処理部113で合成された映像信号を表示する。表示パネル114として、液晶パネル、有機ELパネル等を用いることができる。立体映像の表示については、後で説明する。
【0027】
符号化処理部115は、メモリ107に保持されている左右の映像データを圧縮符号化してメモリ107に保持する。また再生の際には、記録媒体から読み出されてメモリ107に保持されている圧縮符号化されたデータを復号化してメモリ107に保持する。
【0028】
記録再生処理部116は、メモリ107に保持されている符号化データの記録媒体117への書込み処理を行う。また、記録媒体117に記録されているデータの読み出し処理を行う。
【0029】
記録媒体117は、フラッシュメモリやSDカード等の半導体メモリ、あるいはDVDやBD等の光ディスク、またハードディスク等を用いることができる。
【0030】
操作部118は、ボタン、スイッチ等の部材の操作状態の検出を行う。また表示パネル114の上にタッチパネルを貼りあわせるような構成では、タッチパネルに対する指あるいはペンでのタッチ操作、また動き等を検出する。
【0031】
MPU(マイクロプロセッサ)119は、不図示の制御バスを介して各処理ブロックを制御することが可能で、また各種演算処理等を行い、装置全体の制御を行う。
【0032】
外部接続IF121は、ここでは立体表示のための液晶シャッタメガネ120に同期信号等を出力する。
【0033】
液晶シャッタメガネ120は、撮影時あるいは再生時に立体映像を見るために所定の同期信号に従って左右のメガネの液晶シャッタを交互に開閉することができる。
【0034】
図2は、図1における顔検出部R108の概略構成を示す図である。
【0035】
撮影された映像は、一旦メモリ107に保持されている。そして、顔検出部R108における特徴点抽出部202は、右側の撮影映像を入力して特徴点を検出する。特徴点としては、映像のエッジ情報、色情報、輪郭情報等を用いることができる。
【0036】
抽出された特徴データは、顔領域判定部203に与えられて所定の処理により顔領域が判定される。顔領域の判定方法は、種々の公知技術を用いることができる。例えば、エッジ情報から、目、鼻および口といった顔の構成要素であると認められる領域をそれぞれ抽出し、それらの領域の相対位置が所定の関係を満たしている場合に、それらの構成要素の領域を含むより広い領域を、顔領域と判定する方法が考えられる。また、肌色として抽出された領域の形状やサイズが、人物として適当な範囲に収まっている場合に、その肌色の領域を顔領域と判定する方法が考えられる。
【0037】
顔の位置、サイズ生成部204は、顔領域判定部203から出力されるデータから、顔領域の中心位置と縦横のサイズが生成される。生成されたデータは視差情報検出部110に出力される。
【0038】
尚、顔検出部L109は、左側の撮影映像を用いること以外は同様の処理であるので、説明は省略する。
【0039】
図3は、図1の立体撮像装置10の表示パネル114に表示される映像の一例を示す図である。
【0040】
図3において、立体撮像装置10に液晶シャッタメガネ120がケーブルで接続している。表示パネル114は液晶パネルで構成されており、撮影中の映像が表示されている。
【0041】
立体撮影中の映像は、液晶シャッタを装着しないで見ると、左右の撮像光学系により得られる被写体像150,151が2重にずれて表示されている。
【0042】
図4は、被写体像のずれを説明するための図である。
【0043】
図4において、左右の撮像光学系130及び131により、被写体132を撮影したときに、投影面133,134に投影される被写体像の位置が異なることにより生じるものである。
【0044】
図5は、投影面133により得られる左映像と投影面134により得られる右映像を示す図である。
【0045】
図5において、被写体像135,136は被写体132の映像である。図5に示されるように、表示される位置が異なっている。表示パネル114で、この2つの映像を垂直同期信号に従って交互に表示して、液晶シャッタメガネを通さないで観察すると図3のように2重に見える。
【0046】
ここで、図5に示すように左右の映像における被写体像の水平方向の位置のずれを視差と呼ぶ。視差は撮像光学系から被写体までの距離に応じて変動する。
【0047】
図6は、左右の映像切り替えタイミングを示す図である。
【0048】
図6に示されるように、立体表示する際には、撮影した左右の映像を左1−右1−左2−右2というように交互に切り換えながら表示する。この処理は図1のビデオ信号処理部113で行う。この表示の切り換えは垂直同期信号に従って行う。また、映像信号を切り換えるのと同時に外部接続IF121を介して同期信号を出力する。
【0049】
液晶シャッタメガネ120は、この同期信号に従って図6に示すように左シャッタ及び右シャッタの開閉を行う。これにより、左1の映像を表示中は左シャッタのみが開くので、左眼にのみ映像が投影される。また右1の映像の表示中は、右シャッタのみが開き、右眼にのみ映像が投影される。これを交互に繰り返すことにより、撮影者は撮影している映像を立体視することができる。
【0050】
図7は、左右の撮像光学系で人物の被写体300,301を撮影している状態を示す概略図である。
【0051】
図8(A)は、2つの被写体像を示す左右映像を示し、(B)、(C)は、それぞれ相関値を示している。
【0052】
図7に示されるように、被写体300,301を撮影した左右の映像は、図8(A)に示すような左映像と右映像のようになる。顔検出部R108、及び顔検出部L109で検出された被写体像302,303,306,307に対する顔領域は、各々顔領域304,305,308,309で示す矩形領域となっている。
【0053】
視差情報検出部110では、顔検出部R108及び顔検出部L109より得られる顔領域の情報と撮影画像データを用いて、左右の顔領域の間の対応付けと視差の検出を行う。
【0054】
まず、左映像で検出された顔領域304,305の情報を用いて、参照画像をメモリ107に保持されている撮影映像より取得する。図8(B)の参照画像310は、顔領域304を用いて取得した参照画像である。図8(C)の参照画像311は、顔領域305を用いて取得した参照画像である。
【0055】
参照画像310に対応する顔領域を、図8(A)の右映像から検出するために、サーチ領域を設定する。ここでは、顔領域304の矩形領域の垂直方向の中心と一致する走査線320に沿ってサーチ処理を行う。そこで、参照画像310の垂直方向の中心を、右映像の走査線320に沿って水平方向に移動しながら、所定のサンプル点で参照画像310と右映像の相関値を求める。相関値の演算は、公知の技術を用いる。例えば、顔領域304の映像を右映像に重ね、顔領域304の各画素に対して、顔領域304の画素の値とこれと重畳する位置にある右映像の画素の値との差分を求め、各画素の差分の総和を求めることを、顔領域304を走査線320に沿って移動させるたびに行う。差分を求める2つの画像が類似するほど、この差分は小さくなるので、この差分の総和の逆数を相関値とすればよい。
【0056】
図8(B)は、参照画像310と右映像の相関値を示したものである。図8(B)において相関値が大きいほど一致度が高いことを示す。従って、参照画像310はピーク位置312のときに最も一致度が高く、図8(A)の顔領域308が顔領域304と対応付けされる。
【0057】
同様に、顔領域305から得られる参照画像311を用いて走査線321に沿ってサーチ処理した相関値が図8(C)である。こちらはピーク位置313で相関値がピークとなっており、顔領域305は顔領域309と対応付けされることになる。
【0058】
なお、対応付けされる顔領域の信頼性を評価するために、ピーク位置での相関値に対して図8(B)及び図8(C)に示すしきい値350を設定する。そしてピーク値が設定したしきい値以上の場合のみ対応付けを行い、ピーク値がしきい値より小さい場合は対応付けを行わない。対応付けされなかった顔領域は、顔枠を重畳しないので、以降の処理は行わないものとする。これにより、例えば片方の映像にのみ写っている被写体の顔には顔枠が重畳されなくなる。このように、グラフィック処理部112は、最も高い相関値が予め定められたしきい値より小さい場合は、顔領域画像を生成しないようになっている。
【0059】
上記の図8(B)及び図8(C)では、右映像の所定の走査線に沿って、水平方向に1ライン分の相関値を求める処理を実行しているが、時間短縮のために右映像で検出された顔領域308及び309の近傍でのみ相関値を求めるようにしてもよい。
【0060】
また、ここでは参照画像を左映像の顔領域の情報から生成しているが、右映像から参照画像を生成してもかまわない。以上の一連の処理により、顔領域の間の対応付けができる。
【0061】
顔枠を重畳するための視差は、対応付けされた顔領域の情報から調整する。ここでは、相関値のピークを与える位置を用いて顔枠の視差を設定する。
【0062】
即ち、左映像では、顔領域304,305の水平及び垂直の各中心位置を顔枠の中心として設定する。右映像の顔領域308の顔枠は、図8(B)のピーク位置312を水平方向の中心とし、走査線320を垂直方向の中心として設定する。顔領域309は、ピーク位置313を水平方向の中心に、走査線321を垂直方向の中心とする。
【0063】
このように、視差情報検出部110は、一方の映像において検出された顔領域を示す画像を参照画像とする。そして他方の映像において参照画像との相関値が最も高い領域を用いて一方の映像で検出された顔領域と他方の映像で検出された顔領域とを対応付けるようになっている。
【0064】
また、顔枠のサイズは対応する顔領域のサイズを比較して大きい方に合わせて設定する。従って、図8(A)の顔領域304と顔領域308では、サイズが大きい顔領域308のサイズを顔枠のサイズとして設定する。また顔領域305と顔領域309では、顔領域305のサイズを顔枠のサイズとして設定する。
【0065】
顔領域のサイズを比較する際には、各顔領域の幅と高さを乗算して面積を求め、面積の大きい方の顔領域の幅及び高さを顔枠のサイズとして選択するものとする。
【0066】
なお、ここでは面積で比較しているが、その他に幅と高さを各々比較して、最も大きい値を有する顔領域の幅及び高さを選択するものとする。このように、視差情報検出部110は、大きさを、対応付けられた顔領域のうち、面積が大きい方の大きさに一致させるようになっている。
【0067】
視差情報検出部110は、上記の処理により生成される対応する顔領域の組み合わせ、各顔領域に設定する顔枠の位置とサイズに関する情報(顔領域関連情報)を生成し、顔枠制御部111に出力する。
【0068】
顔枠制御部111は、顔枠を描画する座標、顔枠の色、顔枠の形状に関する情報を所定のタイミングでグラフィック処理部112に出力する。グラフィック処理部112は、取得した情報を基に顔枠のGUI部品を生成して、メモリ107の所定の領域にOSD(オンスクリーンディスプレイ)フレームとして描画する。
【0069】
ビデオ信号処理部113は、前記で描画された顔枠を含む左右のOSDフレームと左右の映像をメモリから読み出して合成し、表示パネル114に出力する。
【0070】
図9は、合成された左右の映像と顔枠の概略図である。
【0071】
被写体像302,303,306,307に対して、顔枠330,331,332,333が重畳されている。対応する顔領域の顔枠は、前述の処理により視差が調整され、同じサイズで描画されている。
【0072】
図10は、左右の撮像光学系により被写体501を撮影しているときに、被写体が矢印の位置に移動したときの顔枠を模式的に示した図である。
【0073】
図10において、顔枠502,503は、顔枠の視差から仮想的に被写体空間に配置したもので、被写体の移動に伴い顔枠の視差を調整することにより、顔枠と被写体の立体感を合わせることができる。
【0074】
図11は、被写体の移動に伴い被写体像と顔枠が移動した状態を示す概略図である。
【0075】
被写体が移動することにより、左映像上の被写体像507が被写体像506の位置に移動し、それに伴い顔枠も505から504に移動する。同様に右映像でも顔枠が509から508に移動している。
【0076】
図12は、顔領域の検出から表示までの経過を示すタイミングチャートである。
【0077】
図13は、図1におけるMPU119により実行される顔枠描画処理の手順を示すフローチャートである。
【0078】
図12、図13を用いて、移動に伴う顔枠の更新のタイミングについて説明する。まず、図12において、点線で示されるT1からT11は垂直同期信号のタイミングを示している。また、図12において、「顔検出L」、「顔検出R」は、顔検出部L109、顔検出部R108の状態を示している。「視差検出・顔枠制御」は、視差情報検出部110及び顔枠制御部111の制御内容を示している。「グラフィック処理」は、グラフィック処理部112の制御内容を示している。「ビデオ信号処理」は、ビデオ信号処理部113の制御内容を示している。
【0079】
図12において、顔検出部L109及び顔検出部R108では、任意の時刻から顔検出が動作しているが、ここでは、一例として時刻T1から左右の顔検出が動作するものとする。従って、図13において、顔検出部L109及び顔検出部R108の処理を動作させ、顔領域の更新を行い(ステップS701)、更新処理の完了を待つ(ステップS702)。但し、左右の映像は同一ではないので、顔検出に要する時間は必ずしも同じとはならない。図12において、顔検出Lは、T3とT4の間の時刻で処理が完了し、続いて顔領域の情報が設定される。一方、顔検出RはT2とT3の間で顔検出が完了し、続いて顔領域の設定が行われる。
【0080】
上記S702では、顔領域が更新されたか否かを検出するが、図12の時刻T41の時点で左右の顔検出の結果が出揃ったことで、更新されたと判別される。次いで、視差情報検出部は左右の顔領域の中心座標とサイズを取得する(ステップS703)。
【0081】
そして、左映像の顔領域を基準として参照画像を生成し、視差を検出する(ステップS704)。次いで視差検出の完了待ちとなる(ステップS705)。図12において、時刻T61で視差検出が完了すると視差検出が完了したと判別され、S706に移行する。
【0082】
顔枠制御部111では視差情報を基に、左右の顔枠情報の調整を行う(ステップS706)。そして、図12において、時刻T81で顔枠の情報をグラフィック処理部に設定して、左右の顔枠の描画を実行し(ステップS707)、描画完了待ちとなる(ステップS708)。
【0083】
描画が完了すると(ステップS708でYES)、図12に示されるように、T91でビデオ信号処理部は描画したデータを読み出し、表示パネル114に対応した出力の設定を行う(ステップS709)。そしてT10のタイミングで表示パネルの顔枠が更新され表示され、これまでの表示1の画面から、顔枠の移動した表示2の画面に更新される。上記の一連の処理を繰り返すことにより、顔枠の移動が行われる。
【0084】
また、図12に示すように、左右の顔枠の移動は、同じ垂直同期信号のタイミングで実行されるので、左右の顔枠が個別に移動しない構成となっている。
【0085】
図14は、被写体400,401に対して、点線の元の顔枠の位置より顔枠404,405が手前に立体視されるように、視差を補正した例を示す図である。
【0086】
図14に示されるように、立体視したときに顔枠404,405が見易いように、被写体400,401よりも顔枠が手前に立体視されるように顔枠の視差に対するオフセット調整をするようにしてもよい。このように、顔領域画像は、表示パネル114において、顔領域画像に対応する顔を示す画像よりも手前に表示されるようにしてもよい。
【0087】
これにより、被写体の顔が額縁の中にあるように立体視されるので、検出の誤差等により顔枠より顔が手前に飛び出すような違和感を防止することができる。
【0088】
また、本実施の形態では顔領域を矩形の枠で囲んでいるが、その他のGUIで顔領域を示すこともできる。
【0089】
図15は、顔領域画像の一例を示す図であり、(A)は矢印状のGUIを用いた例を示し、(B)は一部が欠けた矩形のGUIを用いた例を示し、(C)は記号A,Bを用いた例を示している。
【0090】
図15において、(A)は、対応する人物の顔ごとに矢印の色を変えて区別できるような表示となっている。図15(C)では、例えば、人物の認識処理機能が追加された装置では、記号Aに替えて登録されている人物の名前等を用いることも可能である。顔領域を示す表示方法は、顔領域が識別できるものであれば、他の形態でも構わない。このように、グラフィック処理部112は、対応付けられた顔領域を示す顔領域画像を対応付けられた顔領域ごとに同一の顔領域画像として生成するようにしてもよい。
【0091】
[第2の実施の形態]
図16は、本発明の第2の実施の形態に係る立体撮像装置20の概略構成を示す図である。
【0092】
第1の実施の形態における立体撮像装置10との違いは、左右の顔領域の対応付けと顔枠の視差の検出を行う視差情報検出部180、及び顔枠の制御を行う顔枠制御部181にある。さらに、立体撮影時の振動に対応するための防振処理部182を有する装置となっている。
【0093】
図17は、図16における防振処理部182の概略構成図である。
【0094】
図17において、動き検出部240は、撮影映像を1フレーム単位のフレーム画像としてメモリ107から入力される。動き検出部240では、動きベクトルは連続するフレーム間で検出し、水平及び垂直方向の動き量を生成する。動きベクトルの検出方式は、公知の技術を用いて対応するものとする。
【0095】
切り出し位置生成部241は、動き検出部240で検出した動き量に従って元の画像フレームの所定領域を切り出すための情報を生成する。例えば切り出しする始点の座標と幅及び高さの情報などが生成される。映像切り出し部242は、切り出し位置生成部241で生成した切り出し位置の情報を用いて、メモリ107の画像フレームから所定の領域を切り出してメモリ107に保持する。
【0096】
なお、ここでは、メモリに保持されている映像を電子的に切り出して防振処理しているが、レンズシフト等により光学系で防振のための補正をすることも可能であることは言うまでもない。このように、被写体を撮像した2つの映像は、振動による揺れが除去された映像である。
【0097】
本実施の形態における立体撮像装置20では、防振処理の動作を操作部118のボタン、スイッチ等により有効/無効の設定が可能な構成となっている。そして防振が有効に設定されている場合には、撮影した左右の映像に対して上記の防振処理が施された後に、顔検出以降の顔枠表示のための処理が施される。
【0098】
図18(A)は、顔検出部R108、顔検出部L109により検出された被写体像803,805の顔領域の模式図であり、(B)、(C)は、それぞれ相関値を示している。
【0099】
図18(A)において、左映像での顔検出結果から得られる顔領域802が被写体像803からずれた状態となっている。
【0100】
図18(B)は、左映像の顔領域802から生成した参照画像806を用いて、走査線801に沿って右画像との相関演算を行った結果である。ピーク位置807で相関のピーク値808が得られているが、顔領域の検出誤差の影響で被写体の顔の一部が欠けた参照画像となっている。このため、ピーク位置807は、右映像の被写体像805の中心から、やや左側にずれた位置となり、これを元に顔枠を設定すると被写体像805からずれた位置に描画される。これは、左映像の顔領域を基準に対応付けと視差の調整を行うためである。
【0101】
そこで、第2の実施の形態では、図18(C)に示すように、右映像の顔領域804を元にした参照画像809を用いて、左映像との相関を求める。この結果、ピーク位置810で相関のピーク値811が検出される。
【0102】
このように検出される2つのピーク値808,811を比較して、より相関値の高いピーク値を与える参照画像の方を選択する。ここでは、ピーク値811の相関値の方が高いので、参照画像809の元になった顔領域804を基準として顔枠の設定を行う。
【0103】
この結果、視差情報検出部180では顔領域804の水平・垂直の中心が被写体像805の顔枠の中心として設定される。また顔枠のサイズは、対応する左右の顔領域802,804のうちの大きい方が設定される。左映像では、被写体像805に対応する被写体像803に対して、顔枠の水平方向の中心をピーク位置810、垂直方向の中心を走査線801の垂直方向の座標として設定する。
【0104】
このように、視差情報検出部180は、一方の映像において検出された顔領域を示す画像を第1参照画像(参照画像809)とする。そして、他方の映像において第1参照画像との相関値が最も高い領域を探し、さらに他方の映像において検出された顔領域を示す画像を第2参照画像(参照画像806)とする。一方の映像において第2参照画像との相関値が最も高い領域を探す。そして、第1参照画像、及び第2参照画像において探した結果、最も高い相関値が得られた領域を用いて、一方の映像で検出された顔領域と他方の映像で検出された顔領域とを対応付けるようになっている。
【0105】
図19は、表示パネル114に出力される左右の映像と顔枠の模式図である。
【0106】
図18で説明したようにすることで、左右の被写体像803,805に対して顔枠820,821が適切な位置とサイズで重畳されていることが示されている。
【0107】
図20は、被写体の移動に伴って顔枠902を顔枠901へ移動し、顔枠904を顔枠903へ移動する様子を模式的に示したものである。
【0108】
この図20を用いて顔枠制御部111の動作について説明する。
【0109】
図20において、左映像における顔枠の移動量は移動量Aであり、右映像における顔枠の移動量は移動量Bである。
【0110】
図20に示すように左右の顔枠の移動量は、被写体の位置や距離によって変動する。移動量が大きいと、顔枠がちらついたように描画され立体視の際に見難くなる。そこで、本実施の形態では左右の顔枠を移動する際に、顔枠の移動量に応じて所定の時間間隔でアニメーション描画することでスムーズな顔枠移動を実現する。
【0111】
図21(A)は、顔枠の移動量とアニメーションに要する移動時間を示す図であり、(B)は移動量を補完するグラフを示す図である。
【0112】
顔枠制御部111では、現在の顔枠の座標と次に更新する顔枠の座標から移動量A及び移動量Bを算出する。そして移動量A及び移動量Bを比較し、移動量の大きい方を参照して、図21(A)の表により移動時間を設定する。
【0113】
例えば、移動量Aが20で移動量Bが10の場合、移動量Aを基に、図21(A)の表から移動時間5Tを選択する。ここでTは更新周期であり、表示パネルの垂直同期信号の間隔等を用いることができる。
【0114】
これにより、左右の顔枠の移動を5Tの間隔でアニメーション移動するように顔枠制御部111が制御する。ここでは、図21(B)に示すように左右の顔枠の更新周期T毎の移動量を補間して設定するように制御する。
【0115】
顔枠904は、5Tで移動量BとなるラインBを生成し、ラインBを用いて各T毎の移動量を補間する。また顔枠902は、5Tで移動量AとなるラインAを生成し、ラインAを用いて各T毎の移動量を補間する。
【0116】
顔枠制御部111は、左右の顔枠904,902に対して設定したT毎の移動量を用いて、顔枠の中心座標を更新しながらグラフィック処理部に出力する。
【0117】
そして、グラフィック処理部112は、左右の顔枠の中心座標とサイズを基に顔枠をメモリ107のOSDフレームに描画する。
【0118】
なお、ここでは垂直同期信号を更新周期として用いているが、所定の時間周期で動作するカウンタ等を用いてもよい。例えば、所定周期の発振器やソフトウェアで構成したタイマー等から更新周期を生成することも可能である。また、更新周期の精度はアニメーションとして滑らかに知覚できる範囲であれば変動しても構わない。
【0119】
以上の処理により、対応する左右の顔枠は同期しながら滑らかにアニメーション移動するので、立体視の際に見易い表示画面を提供することができる。
【0120】
このように、顔枠制御部181は、予め定められたタイミング(垂直同期信号)で顔領域の位置を更新するとともに、検出された顔領域の移動量を算出可能である。算出された移動量に応じて、移動前の位置から移動後の位置までに顔領域画像を表示する位置を補完し、タイミングで補完した位置に顔領域の位置を更新するようになっている。
【0121】
(他の実施の形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0122】
10,20 画像処理装置
101 光学系R
102 撮像部R
103 信号処理部R
104 光学系L
105 撮像部L
106 信号処理部L
107 メモリ
108 顔検出部R
109 顔検出部L
110,180 視差情報検出部
111,181 顔枠制御部
112 グラフィック処理部
113 ビデオ信号処理部
114 表示パネル
118 操作部
119 MPU
130,131 撮像光学系
182 防振処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段を備えた画像処理装置であって、
被写体を撮像した2つの映像を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された2つの映像の各々で顔領域を検出する検出手段と、
前記検出手段により一方の映像で検出された顔領域と他方の映像で検出された顔領域とを対応付け、対応付けられた顔領域を前記表示手段に表示させるための位置及び大きさを一致させるように顔領域を制御する顔領域制御手段と、
前記顔領域制御手段により一致された位置及び大きさに応じて顔領域を示す顔領域画像を表示させる前記表示手段における位置を含む顔領域関連情報を生成する顔領域関連情報生成手段と、
前記顔領域関連情報生成手段により生成された顔領域関連情報に応じて前記顔領域画像を生成する顔領域画像生成手段と、
前記2つの映像、及び前記顔領域画像生成手段により生成された顔領域画像を合成して前記表示手段を出力する出力手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記顔領域画像生成手段は、対応付けられた顔領域を示す顔領域画像を対応付けられた顔領域ごとに同一の顔領域画像として生成することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記顔領域関連情報生成手段は、予め定められたタイミングで前記顔領域の位置を更新するとともに、前記検出手段により検出された顔領域の移動量を算出可能であり、算出された移動量に応じて、移動前の位置から移動後の位置までに前記顔領域画像を表示する位置を補完し、前記タイミングで補完した位置に前記顔領域の位置を更新することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記顔領域制御手段は、前記一方の映像において前記検出手段により検出された顔領域を示す画像を参照画像とし、前記他方の映像において前記参照画像との相関値が最も高い領域を用いて前記一方の映像で検出された顔領域と他方の映像で検出された顔領域とを対応付けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記顔領域制御手段は、前記一方の映像において前記検出手段により検出された顔領域を示す画像を第1参照画像とし、前記他方の映像において前記第1参照画像との相関値が最も高い領域を探し、さらに前記他方の映像において前記検出手段により検出された顔領域を示す画像を第2参照画像とし、前記一方の映像において前記第2参照画像との相関値が最も高い領域を探し、前記第1参照画像、及び前記第2参照画像において探した結果、最も高い相関値が得られた領域を用いて、前記一方の映像で検出された顔領域と他方の映像で検出された顔領域とを対応付けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記最も高い相関値が予め定められたしきい値より小さい場合は、前記顔領域画像生成手段は前記顔領域画像を生成しないことを特徴とする請求項4又は5記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記顔領域制御手段は、前記大きさを、対応付けられた顔領域のうち、面積が大きい方の大きさに一致させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記顔領域画像は、前記表示手段において、前記顔領域画像に対応する顔を示す画像よりも手前に表示されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記被写体を撮像した2つの映像は、振動による揺れが除去された映像であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
表示手段を備えた画像処理装置の制御方法であって、
被写体を撮像した2つの映像を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された2つの映像の各々で顔領域を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにより一方の映像で検出された顔領域と他方の映像で検出された顔領域とを対応付け、対応付けられた顔領域を前記表示手段に表示させるための位置及び大きさを一致させるように顔領域を制御する顔領域制御ステップと、
前記顔領域制御ステップにより一致された位置及び大きさに応じて顔領域を示す顔領域画像を表示させる前記表示手段における位置を含む顔領域関連情報を生成する顔領域関連情報生成ステップと、
前記顔領域関連情報生成ステップにより生成された顔領域関連情報に応じて前記顔領域画像を生成する顔領域画像生成ステップと、
前記2つの映像、及び前記顔領域画像生成ステップにより生成された顔領域画像を合成して前記表示手段を出力する出力ステップと
を備えたことを特徴とする制御方法。
【請求項11】
表示手段を備えた画像処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記制御方法は、
被写体を撮像した2つの映像を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された2つの映像の各々で顔領域を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにより一方の映像で検出された顔領域と他方の映像で検出された顔領域とを対応付け、対応付けられた顔領域を前記表示手段に表示させるための位置及び大きさを一致させるように顔領域を制御する顔領域制御ステップと、
前記顔領域制御ステップにより一致された位置及び大きさに応じて顔領域を示す顔領域画像を表示させる前記表示手段における位置を含む顔領域関連情報を生成する顔領域関連情報生成ステップと、
前記顔領域関連情報生成ステップにより生成された顔領域関連情報に応じて前記顔領域画像を生成する顔領域画像生成ステップと、
前記2つの映像、及び前記顔領域画像生成ステップにより生成された顔領域画像を合成して前記表示手段を出力する出力ステップと
を備えたことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−239006(P2012−239006A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106212(P2011−106212)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】