説明

画像処理装置及びその方法

【課題】 パノラマ画像と通常サイズの画像とを切り替えて撮影することを可能にし、もって、監視システムに好適な画像処理装置及びその方法を提供する。
【解決手段】 間欠的に回転させて撮像方向を変化するパンチルトカメラ101からの画像信号を圧縮する画像圧縮部103と、圧縮画像信号を記録媒体106に記録し又は再生する記録再生制御部105と、記録再生制御部105から再生された圧縮画像信号を元の画像信号に伸張する画像伸張部104と、画像信号を入力して表示手段上に表示可能な信号に変換する画像連結表示処理部108とを備えた画像処理装置において、画像連結表示処理部は、更に、カメラ又は記録再生部からの画像信号を入力して画像を連結する機能を備えており、もって、パンチルトカメラの異なる撮像方向で撮像される複数の画像信号を連結して、サイズの異なる画像の表示を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号の画像処理装置及びその方法に関し、特に、撮像した画像からパノラマ画像や通常サイズの画像を任意に生成して表示することができる、特に、監視システムに好適な画像処理装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パノラマ画像を撮影する方法としては、広角レンズを装着したカメラを用いる方法が一般的であったが、しかしながら、近年における画像処理技術の発達により、比較的安価な通常のレンズを装着したカメラを用いて、上記パノラマ画像を得る方法が既に提案されている。例えば、かかる従来技術として、以下の特許文献1には、カメラを回転させて複数枚の画像を撮影し、これら複数の画像を連結することにより、パノラマ画像を生成する方法が既に開示されている
【0003】
【特許文献1】特開2005−348448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来技術では、通常サイズの画像からパノラマ画像を生成する方法については開示してはいるものの、しかしながら、それによって得られるパノラマ画像の利用については、特に、考慮されていなかった。
【0005】
例えば、発明者の検討によれば、パノラマ撮影が可能なカメラを、例えば、監視システムに適用することは可能であり、その場合において、例えば、平常の監視時にはパノラマ撮影を行い、他方、非常時においては、特定位置を固定で撮影するなどの用途が考えられる。しかしながら、上記の従来技術では、パノラマ画像と通常サイズの画像とを切り替えて撮影する場合については全く考慮されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した従来技術に鑑みて、特に、パノラマ撮影が可能なカメラを、例えば、監視システムに適用した場合について検討を行うことにより達成されたものであり、その目的は、パノラマ画像と通常サイズの画像とを切り替えて撮影することを可能にし、もって、監視システムに好適な画像処理装置及びその方法を提供することを、その目的とするものである。
【0007】
本発明によれば、上記の目的は、まず、撮像した画像信号を出力するカメラと、前記カメラを間欠的に回転させて撮像方向を変化させる回転手段と、前記カメラからの画像信号を圧縮する画像圧縮手段と、前記画像圧縮手段からの圧縮画像信号を記録媒体に記録し又は再生する記録再生手段と、前記記録再生手段から再生された圧縮画像信号を元の画像信号に伸張する画像伸張手段と、前記画像信号を入力して、当該画像を表示手段上に表示可能な信号に変換する画像連結表示処理手段とを具備した画像処理装置において、前記画像連結表示処理手段は、更に、前記カメラ又は前記記録再生手段からの画像信号を入力して画像を連結する手段を備えており、もって、前記カメラの前記回転手段によって異なる撮像方向で撮像される複数の画像信号を連結して、サイズの異なる画像の表示を可能とする画像処理装置により達成される。
【発明の効果】
【0008】
上述した本発明によれば、好適な画像処理装置及びその方法を提供することができるという効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、添付の図1は、本発明の第1の実施の形態になる画像処理装置の全体構成を示している。
【0010】
この図1において、符号101は、パンチルトカメラを示しており、当該パンチルトカメラ101の回転位置は、回転制御部102により制御される。一方、当該パンチルトカメラ101により得られた画像は、画像圧縮部103に入力され、録画再生制御部105を介して記録媒体106に記録される。一方、上記記録媒体106に記録された画像は、同様に、録画再生制御部105を介して画像伸張部104へ入力され、選択部107を介して、画像連結表示処理部108へ入力される。なお、図中の符号109はメモリを、110は出力端子を、111は連続間欠制御部を、112はシステム制御部を、そして、113は入力端子を、それぞれ示している。
【0011】
なお、上記の構成において、入力端子113は、使用者が操作する図示していない装置の操作部又はリモコンなど、所謂、ユーザインタフェース部からの信号が入力される入力端子であり、これにより、使用者は、例えば、(1)カメラを回転させながらパノラマ画像を撮影するか否か、(2)カメラを固定して通常サイズの画像を撮影するか否か、(3)撮影した画像を記録するか否か、(4)撮影中の画像をリアルタイムで表示するか否か、(5)記録した画像を再生して表示するか否か、(6)リアルタイム表示時のカメラの回転位置等を指示することが可能となっている。また、システム制御部112は、上記入力端子113から入力される使用者の指示に従って、本システム(画像処理装置)のモード又はタイミング等を制御する。
【0012】
次に、上記にその構成を説明した画像処理装置の動作について、特に、パノラマ画像の撮像、及び、記録時の動作について、以下に説明する。まず、パンチルトカメラ101は、垂直及び水平に回転可能なカメラである。その回転角度は、回転制御部102が出力する回転制御信号102aによって制御される。一方、この回転可能なパンチルトカメラ101は、撮像した画像信号101aを、画像圧縮部103に出力する。なお、パンチルトカメラ101が撮像した画像を少なくとも1枚分出力を完了し時点で、上記回転制御部102はパンチルトカメラ101を所定の回転量だけ回転させる。以下、同様にして、上記パンチルトカメラ101と上記回転制御部102は、画像の撮像を行って画像圧縮部103に出力し、もって、パンチルトカメラ101回転させる動作を、繰り返す。
【0013】
一方、画像圧縮部103は、上記パンチルトカメラ101からの画像信号を入力し、画像圧縮する。このとき、連続間欠制御部111は、当該画像圧縮部103が間欠的に入力画像を圧縮するべく、制御信号111aを出力する。すなわち、パンチルトカメラ101が回転中に出力される画像は圧縮を行わず、これに対して、回転が終了した後に供給される安定した画像信号に対してのみ画像圧縮を行うよう制御する。こうして画像圧縮された信号は、その後、録画再生制御部105を介して、例えば、ハードディスクなどから構成される記録媒体106に記録される。
【0014】
次に、パノラマ画像の再生時における動作について説明する。まず、上記記録媒体106から再生された信号は、録画再生制御部105を介して、画像伸張部104に供給される。この画像伸張部104では、入力される圧縮信号を元の画像信号に伸張し、更に、伸張した信号を、選択部107を介して、画像連結表示処理部108に出力する。なお、この画像連結表示処理部108は、入力される画像信号を、順次、メモリ109に書き込み、もって、画像が連結されるタイミングで当該メモリ109から画像信号を読み出し、更には、画像をモニタ等に表示するために必要な同期信号等を付加した後、出力端子110に出力する。これによれば、使用者は、出力端子110に接続されるモニタ装置等(図示せず)により、パノラマ画像を見ることができる。
【0015】
続いて、上記第1の実施の形態になる画像処理装置おける動作、特に、記録時における間欠動作について、添付の図2及び図3を用いて、以下に詳細に説明する。
この図2において、符号101aはパンチルトカメラ101の出力信号を、102aは回転制御部102が出力する回転制御信号を、111aは連続間欠制御部111する圧縮制御信号を示す。また、図3において、符号D1からD8は、回転するパンチルトカメラ101が撮影する撮影範囲を示している。
【0016】
そして、図2の上段にも示すように、パンチルトカメラ101は、その回転の有無に関らず、画像を連続的に出力する。一方、その中段にも示すように、回転制御部102は、パノラマ画像が得られるのに必要な回転量だけパンチルトカメラ101を回転するように、制御信号102aを出力する。また、その際、少なくとも1フィールド分の映像信号を含む期間は、パンチルトカメラ101を停止させる。更に、下段にも示すように、連続間欠制御部111は、カメラが停止している期間のうちの少なくとも1フィールド期間、カメラ出力信号101aを画像圧縮部103が画像圧縮すべく、圧縮制御信号111aを出力する。なお、この図2においては、符号「A」及び「B」で示した期間が画像圧縮を行う期間であり、カメラ出力信号101aのうち、符号「F2」及び「F5」で示したフィールドの画像信号が、前記画像圧縮部103により画像圧縮されることとなる。
【0017】
この時、本実施の形態では、添付の図3にも示すように、パンチルトカメラ101は、その撮影方向を均等に8分割し、当該カメラを8回変化させることにより全方向を撮影する。即ち、1回の回転量は22.5度であるとした場合の例である。
【0018】
以上に述べた本実施の形態によれば、パンチルトカメラ101が回転中の期間では、画像は画像圧縮されることなく、また、その記録もされないことから、再生画像が乱れることはない。
【0019】
次に、画像連結表示処理部108の動作について、図4を用いて説明する。なお、この図4において、符号601は、上記メモリ109の仮想メモリ空間を、そして、602は出力端子110に接続される図示していないモニタ上での、表示画面の一例を示している。
【0020】
メモリ109は、上記図3に示したように、パンチルトカメラ101の8つの撮影方向D1〜D8に対応して、それぞれ、メモリ領域を持つ。そして、画像伸張部104からの映像信号は、その撮影方向に従って、それぞれの方向に対応するメモリ109のメモリ領域に、順次、書き込まれる。これにより、メモリ109のメモリ領域、即ち、その仮想メモリ空間601には、図4の上段に示すように、上記パンチルトカメラ101の全方向での画像が書き込まれる。なお、メモリ109の実際の物理空間は、図示のように、必ずしも、連続している必要はないことは、当業者であれば明らかであろう。
【0021】
ここで、使用者が、図示していない操作手段により、表示させたい撮影方向を入力端子113を介してシステム制御部112に指示した場合、システム制御部112は、上記画像連結表示処理部108を制御し、使用者が所望する画像領域を表示することを可能にするよう、メモリ109から画像信号を読み出す。例えば、図示の例では、撮影方向D5の一部とD4の一部とを読み出して仮想メモリ空間601に書き込む。以上の動作により、記録媒体106から再生される再生画像は、撮影方向に従って、順次、メモリ109に書き込まれるが、他方、再生中の画像の方向とは関係なく、メモリ109の任意の空間を読み出すことができることから、使用者は、予め設定されたパンチルトカメラ101の8つの撮影方向D1〜D8にかかわらず、任意の方向の画像を表示させることができる。
【0022】
なお、使用者が表示させたい撮影方向を特に指示しない場合には、上記画像連結表示処理部108は、時間的に最も近にタイミングで記録媒体106から再生された画像信号を表示するように、上記メモリ109から画像信号を読み出す。即ち、例えば、撮影方向D3の画像が再生されてメモリ109に書き込まれている時には、その直前にメモリ109に書き込みが終了している画像、即ち、撮影方向D2の画像を表示する。そして、撮影方向D3の画像がメモリ109へ書き込まれた時点で、表示画像の方向がD2からD3へと徐々にスクロールするように、上記メモリ109からの読み出しアドレスを、徐々に変化させる。
【0023】
以上の画像連結表示処理部108の動作によれば、使用者が表示させたい撮影方向を特に指示しない場合には、撮影時のパンチルトカメラの回転方向に従って、表示画像はスクロールと停止とを繰り返すこととなる。よって、使用者は、全方向の画像を一様に確認することが出来、かつ、その画像はスクロールすることから、表示画像が全体の中のどの方向の画像であるかを容易に認識することが出来る。なお、この場合、各画像の撮影方向に関する情報は、システム制御部が記憶しておいてもよく、又は、記憶媒体106が記録しておいてもよい。
【0024】
ここで、再び上記の図1に戻って、パンチルトカメラ101を回転させずに、パノラマではない、通常サイズの画像を記録再生する場合の動作について以下に説明する。
【0025】
通常サイズの画像を記録するときは、パンチルトカメラ101は撮像した画像を画像圧縮部103に出力する。なお、この時、回転制御部102はパンチルトカメラ101を回転させない。この画像圧縮部103は、パンチルトカメラ101からの画像信号を画像圧縮する。なお、この時、連続間欠制御部111は、画像圧縮部103が連続的に入力画像を圧縮するように制御する。即ち、固定されているパンチルトカメラ101が連続的に出力する画像信号に対して、連続的に画像圧縮を行うこととなる。このようにして画像圧縮された信号は、録画再生制御部105を介して、例えば、ハードディスクなどの記録媒体106上に記録される。
【0026】
そして、この通常サイズの画像を再生するときは、記録媒体106から連続的に再生された信号が録画再生制御部105を介して画像伸張部104に供給される。この画像伸張部104は、入力される圧縮信号を元の画像信号に連続的に伸張し、選択部107を介して、上記画像連結表示処理部108に出力する。これにより、画像連結表示処理部108は、入力される画像信号を、順次、メモリ109に書き込み、同時に、画像信号を、順次、メモリ109から読み出し、更に、当該読み出した画像をモニタ等に表示するため、必要な同期信号等を付加した後、その出力端子110上に出力する。これにより、使用者は、出力端子110に接続されるモニタ装置等(図示せず)により、当該通常サイズの画像を見ることができる。
【0027】
更に、上記パノラマ撮影モードにおいてパンチルトカメラ101を回転させながら間欠的に記録した画像のうち、特定方向の画像だけを連続して再生する場合について、以下に説明する。この場合、上記システム制御部112は、記録媒体106への画像の記録時において、チルトカメラ101の回転方向情報と共に、記録媒体106への書き込みアドレス情報をも記憶しておく。そして、記録媒体106上に記録された画像の中から、パンチルトカメラ101が特定の方向を向いている時の画像だけを選択して、連続的に再生する。なお、画像伸張以降の動作は、上記通常サイズの画像再生時と同様である。以上により、使用者は、パンチルトカメラ101を回転させながらパノラマ撮影した場合であっても、その中の特定の方向だけの画像を、選択的に、見ることができる。なお、その際、記録媒体106から特定方向の画像のみを選択的に再生することから、使用者は、全方向の画像を再生する場合に比べて、短時間で画像を表示させて、当該画像を確認することが出来ることとなる。
【0028】
加えて、上記パンチルトカメラ101が撮影した画像をリアルタイムで表示する場合の動作について、以下に説明する。この場合、システム制御部112は、入力端子113から入力される使用者が指定したカメラの回転位置の指示信号に従って、回転制御部102を制御し、もって、パンチルトカメラ101を使用者が所望する方向に回転移動する。一方、パンチルトカメラ101からの出力信号は、選択部107を介して上記画像連結表示処理部108に出力される。この画像連結表示処理部108は、入力される画像信号を、順次、メモリ109に書き込み、同時に、書き込んだ画像信号を、順次、メモリ109から読み出し、そして、画像をモニタ等に表示するために必要な同期信号等を付加した後、出力端子110上に出力する。これにより、使用者は出力端子110に接続されるモニタ装置等(図示せず)により、撮影した画像をリアルタイムに見ることができる。
【0029】
以上に詳述したように、本発明の第1の実施形態になる画像処理装置よれば、使用者は、パノラマ画像と共に、通常サイズの画像をも含めて、その撮影を任意に切り替えることが出来る。また、パノラマ画像の撮影時においては、カメラが回転中の画像を取り除いて撮影を行うことから、画像中に不要な乱れが生じることなく、記録した良好なパノラマ画像を再生して表示することが可能となる。また、通常サイズの画像の撮影時においては、連続した動画像を撮影して表示することが可能であることから、不審者等を見逃すことがない。
【0030】
続いて、本発明の第2の実施の形態になる画像処理装置について、添付の図5及び図6を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0031】
図5において、符号401は、通信インタフェース部を、402は入出力端子を、403は通信ネットワークを、404は選択部を、それぞれ示している。また、図6においては、参照符号501は、入出力端子を、502は通信インタフェース部を、503はシステム制御部を、504は入力端子を、それぞれ示している。なお、その他の構成要件であって、上記図1と同じ参照符号が付された部分については、同じ図1と同一であることから、ここでは、重複を避けるため、その説明を省略する。
【0032】
なお、この第2の実施の形態によれば、使用者は、ネットワークを介して、遠隔地に設置したカメラからの画像をモニタすることが出来る。即ち、図5は、カメラ映像を遠隔地に送信するための送信装置を含むシステムブロック図であり、図6はカメラ映像を遠隔地で受信するための受信装置を含むシステムブロック図である。
【0033】
まず、図5において、上記図1のシステムと異なる部分についてのみ説明を行う。上記パンチルトカメラ101で撮像した画像をリアルタイムで遠隔地に送信したい場合には、画像圧縮部103で圧縮した画像信号は、選択部404を介して通信インタフェース部401に供給される。また、記録媒体106から再生した画像信号を遠隔地に送信したい場合には、カメラ記録媒体106から再生された映像信号は、録画再生制御部105を介して通信インタフェース部401に供給される。この通信インタフェース部401は、入力された圧縮画像信号をネットワーク通信が可能な信号形態に変換した後、入出力端子402を介して通信ネットワーク403に出力する。なお、ネットワーク通信を行う旨の指示は、本装置の設置場所において使用者が入力端子113から入力してもよく、又は、遠隔地にいる別の使用者が通信ネットワーク403を介して本装置に入力してもよい。
【0034】
一方、図6においては、上記図5にその構成を示した装置から出力された圧縮画像信号が、通信ネットワーク403から入出力端子501を介して、通信インタフェース部502に入力される。この画像信号を一旦、記録媒体106に記録したい場合には、録画再生制御部105を介して記録媒体106に記録する。他方、再生する場合には、記録媒体106から圧縮画像信号を再生し、録画再生制御部105及び選択回路107を介して、画像伸張部104へ出力する。更に、通信ネットワーク403から受信した画像信号を直ちにモニタしたい場合は、通信インタフェース部502の出力を、選択回路107を介して、画像伸張部104へ出力する。なお、その後の画像表示における動作は、上記図1のシステムの動作と同様であり、ここでは重複を避けるため、その説明は省略する。
【0035】
以上からも明らかなように、上述した本発明の第2の実施の形態になる画像処理装置によれば、遠隔地の使用者であっても、上記と同様に、パノラマ画像と通常サイズの画像と間で撮影を任意に切り替えることが出来る。また、パノラマ画像の撮影時にも、カメラが回転中の画像を取り除いた撮影を行うことから、不要な画像の乱れのない画像が得られ、記録したパノラマ画像を再生して、遠隔地において表示することが可能となる。また、通常サイズの画像の撮影時においても、連続した動画像を撮影して遠隔地で表示することが出来ることから、やはり、不審者等を見逃すことがない。加えて、受信した画像を、遠隔地で記録媒体に記録してパノラマ画像を再生することが出来ることとなるが、その際、通信される画像は、パノラマ画像ではなく、通常サイズの画像であることから、圧縮及び通信のためのインタフェースは、表示される画像がパノラマ画像でも、或いは、通常サイズの画像でも、変更する必要がない。
【0036】
なお、以上に詳細に説明した本発明の第1及び第2の実施形態においては、上記パンチルトカメラ101は一回転(360度回転)して全方向で撮像可能であるとして説明したが、本発明は、必ずしもこれに限定されることなく、これよりも小さな角度で回転可能であり、もって、複数枚の画像を連結することにより、通常サイズの画像よりも広い範囲を撮像するものであってもよく、又は、かかる装置に対しても適用することが可能である。
【0037】
以上に詳述したように本発明は、映像信号の処理装置に関し、例えば、パノラマ画像を撮像する装置、あるいは、当該撮像した画像を画像圧縮する映像信号圧縮装置に対して採用することが可能である。
【0038】
また、本発明によれば、前記に記載した画像処理装置において、前記記録再生手段は、前記カメラが回転していない時に撮像した画像を圧縮し当該カメラの回転情報と共に記録する第一の記録動作モードと共に、前記カメラが出力する画像信号を連続的に、順次、圧縮して記録する第二の記録動作モードとを備えていることが好ましく、又は、前記画像連結表示処理手段は、更に、前記カメラ又は前記記録再生手段からの画像信号を連続的に記憶する手段を備えており、かつ、前記記憶手段は、当該記憶した画像から任意の画像を連続的に読み出すように構成されていることが好ましい。
【0039】
また、本発明によれば、やはり上記の目的を達成するため、撮像方向を間欠的に変化しながら出力されるカメラからの画像信号を入力し、サイズの異なる画像を選択的に表示可能な画像処理方法であって、前記カメラが回転していない時に撮像した画像を圧縮して当該カメラの回転情報と共に記録媒体に記録し、又は、前記カメラが出力する画像信号を連続的に、順次、圧縮して記録媒体に記録し、前記記録された画像信号に基づき、前記カメラからの異なる撮像方向で撮像される複数の画像信号を連結してパノラマ表示し、又は、前記記録された画像信号を連続的に通常サイズの画像を表示する画像処理方法が提供される。
【0040】
なお、本発明では、前記に記載した画像処理方法において、更に、前記画像信号を連続的に記憶し、当該記憶した画像から任意の画像を連続的に読み出して複数の画像信号を連結することが好ましい。
【0041】
上述した本発明によれば、パノラマ画像と通常サイズの画像とを切り替えて撮影することにより、特に、監視システムに好適な画像処理装置及びその方法を提供することができるという実用的にも優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1の実施の形態になる画像処理装置の全体構成を示すブロック構成図である。
【図2】上記図1に示した画像処理装置における動作を示すためのタイムチャート図である。
【図3】上記図1に示した画像処理装置におけるカメラの回転動作を示すための説明図である。
【図4】上記図1に示した画像処理装置における画像の連結原理を説明するための説明図である。
【図5】本発明の第2の実施形態になる、特に、送信装置の構成を示すブロック図である。
【図6】上記第2の実施形態になる、特に、受信装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0043】
101…パンチルトカメラ
102…回転制御部
103…画像圧縮部
104…画像伸張部
105…録画再生制御
106…記録媒体
107…選択部
108…画像連結表示処理部
109…メモリ
110…出力端子
111…連続間欠制御部
112…システム制御部
113…入力端子
401…通信インタフェース部
402…入出力端子
403…通信ネットワーク
404…選択部
501…入出力端子
502…通信インタフェース部
503…システム制御部
504…入力端子
601…仮想メモリ空間
602…画像表示例

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像した画像信号を出力するカメラと、
前記カメラを間欠的に回転させて撮像方向を変化させる回転手段と、
前記カメラからの画像信号を圧縮する画像圧縮手段と、
前記画像圧縮手段からの圧縮画像信号を記録媒体に記録し又は再生する記録再生手段と、
前記記録再生手段から再生された圧縮画像信号を元の画像信号に伸張する画像伸張手段と、
前記画像信号を入力して、当該画像を表示手段上に表示可能な信号に変換する画像連結表示処理手段とを具備した画像処理装置において、
前記画像連結表示処理手段は、更に、前記カメラ又は前記記録再生手段からの画像信号を入力して画像を連結する手段を備えており、もって、前記カメラの前記回転手段によって異なる撮像方向で撮像される複数の画像信号を連結して、サイズの異なる画像の表示を可能とすることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載した画像処理装置において、前記記録再生手段は、前記カメラが回転していない時に撮像した画像を圧縮し当該カメラの回転情報と共に記録する第一の記録動作モードと共に、前記カメラが出力する画像信号を連続的に、順次、圧縮して記録する第二の記録動作モードとを備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
前記請求項1に記載した画像処理装置において、前記画像連結表示処理手段は、更に、前記カメラ又は前記記録再生手段からの画像信号を連続的に記憶する手段を備えており、かつ、前記記憶手段は、当該記憶した画像から任意の画像を連続的に読み出すように構成されていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
撮像方向を間欠的に変化しながら出力されるカメラからの画像信号を入力し、サイズの異なる画像を選択的に表示可能な画像処理方法であって、
前記カメラが回転していない時に撮像した画像を圧縮して当該カメラの回転情報と共に記録媒体に記録し、又は、前記カメラが出力する画像信号を連続的に、順次、圧縮して記録媒体に記録し、
前記記録された画像信号に基づき、前記カメラからの異なる撮像方向で撮像される複数の画像信号を連結してパノラマ表示し、又は、前記記録された画像信号を連続的に通常サイズの画像を表示することを特徴とする画像処理方法。
【請求項5】
前記請求項4に記載した画像処理方法において、更に、前記画像信号を連続的に記憶し、当該記憶した画像から任意の画像を連続的に読み出して複数の画像信号を連結することを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−236632(P2008−236632A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−76687(P2007−76687)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】