説明

画像処理装置及びプログラム

【課題】外部装置で表示されている画面の内容と処理中のジョブの内容とに応じて当該外部装置からかかる負荷を調整することができる画像処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】画像処理装置1は、画面IDと、ジョブIDと、画面とジョブの関連度に応じたポーリング間隔との関係を規定するポーリング間隔決定用のデータベース19Bと、クライアントPCから受信された画面ID及びジョブIDと、ポーリング間隔決定用のデータベース19Bとに基づいて、画面とジョブの関連度に応じたポーリング間隔を決定するCPU16とを備え、CPU16は、当該決定されたポーリング間隔の情報を画面データに埋め込んで、画面の更新要求を出力するクライアントPCに送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ネットワークに接続された画像処理装置に対して印刷を要求するコンピュータが、印刷の実行状態や画像処理装置の状態を認識する技術が知られている。例えば、ネットワークを介してネットワークプリンタの状態及びジョブの状態を一定時間毎に取得する状態アクセス装置であって、プリンタにジョブが存在するかどうかの状態情報を取得するジョブ状態取得手段と、プリンタ状態の取得間隔をプリンタにジョブがある時および無い時の二種類のうちから選択し、設定する取得間隔設定手段と、該設定された取得間隔毎にプリンタ状態の取得を行うプリンタ状態取得手段とを有する状態アクセス装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、例えば、プリンタに対してポーリング監視および印刷データ、制御コマンドの送信制御を行う通信制御部と、印刷データおよび制御コマンドの生成等を行う印刷制御部と、ポーリング監視におけるステータス要求コマンドの送信に応答してプリンタから送信されてくるステータス情報の内容を解析するコマンド解析部と、通信制御手段によるポーリング監視の結果に基づいてプリンタにステータス要求コマンドを送信する間隔を変更するタイマ制御部、タイマ実行部とを備えるホストコンピュータが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−187563号公報
【0005】
【特許文献2】特開2002−297336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、外部装置で表示されている画面の内容と処理中のジョブの内容とに応じて当該外部装置からかかる負荷を調整することができる画像処理装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1の画像処理装置は、外部装置で表示されている画面の識別情報を含む画面の更新要求と外部装置からジョブの識別情報を含むジョブの起動要求とを受信する受信手段と、前記画面の識別情報と、前記ジョブの識別情報と、画面とジョブの関連度に応じたポーリング間隔との関係を規定するデータベースと、前記受信手段で受信された画面の識別情報及びジョブの識別情報と、前記データベースとに基づいて、前記画面とジョブの関連度に応じたポーリング間隔を決定する決定手段と、当該決定されたポーリング間隔の情報を画面データに埋め込んで、前記画面の更新要求を出力する外部装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記データベースに規定されるポーリング間隔は、前記外部装置で表示される画面と前記外部装置から要求されるジョブとの関連度が高くなるにしたがって、短くなることを特徴とする。
【0009】
請求項3の画像処理装置は、請求項1又は2に記載の画像処理装置において、前記ジョブの内容及び前記画像処理装置の仕様に基づいて、前記ジョブの終了予測時間を算出する算出手段を備え、前記外部装置で表示される画面が前記外部装置から要求されるジョブと関連しない場合には、前記画面の更新要求を出力する外部装置へのポーリングは、前記算出手段で算出されたジョブの終了予測時間まで停止されることを特徴とする。
【0010】
請求項4の画像処理装置は、請求項3に記載の画像処理装置において、前記画面の更新要求を出力する外部装置のユーザが前記ジョブの起動要求を出力する外部装置のユーザと異なる場合、前記画面の更新要求を出力する外部装置のユーザに直接関連する情報を提供するジョブに関連する画面のポーリング間隔は、ポーリング間隔の基準値より短い時間に設定され、前記画面の更新要求を出力する外部装置のユーザに直接関連する情報を提供するジョブ以外のジョブに関連する画面のポーリング間隔は、ポーリング間隔の基準値に設定される又は前記画面の更新要求を出力する外部装置のユーザに直接関連する情報を提供するジョブ以外のジョブに関連する画面のポーリングは、前記ジョブの終了予測時間まで停止されることを特徴とする。
【0011】
請求項5の画像処理装置は、請求項3に記載の画像処理装置において、前記画面の更新要求を出力する外部装置のユーザが前記ジョブの起動要求を出力する外部装置のユーザと同一である場合、前記外部装置から要求されるジョブに関連する画面のポーリング間隔は、ポーリング間隔の基準値より短い時間に設定され、前記外部装置から要求されるジョブに関連しない画面のポーリングは、前記ジョブの終了予測時間まで停止されることを特徴とする。
【0012】
請求項6の画像処理装置は、請求項3乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置において、前記ジョブの終了予測時間が経過しても前記ジョブが終了していない場合には、前記算出手段は、前記ジョブの終了予測時間を再算出することを特徴とする。
【0013】
請求項7の画像処理装置は、請求項3に記載の画像処理装置において、前記決定手段は、前記ジョブの終了予測時間及び前記ジョブの内容に基づいて、前記外部装置から要求されるジョブに関連する画面のポーリング間隔を変更することを特徴とする。
【0014】
請求項8のプログラムは、コンピュータを、外部装置で表示されている画面の識別情報を含む画面の更新要求と外部装置からジョブの識別情報を含むジョブの起動要求とを受信する受信手段、前記画面の識別情報と、前記ジョブの識別情報と、画面とジョブの関連度に応じたポーリング間隔との関係を規定するデータベース、前記受信手段で受信された画面の識別情報及びジョブの識別情報と、前記データベースとに基づいて、前記画面とジョブの関連度に応じたポーリング間隔を決定する決定手段、及び当該決定されたポーリング間隔の情報を画面データに埋め込んで、前記画面の更新要求を出力する外部装置に送信する送信手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、外部装置で表示されている画面の内容と処理中のジョブの内容とに応じて外部装置からかかる負荷を調整することができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、画面とジョブとの関連度に応じて外部装置からかかる負荷を低減できる。
【0017】
請求項3の発明によれば、画面がジョブと関連しない場合に外部装置からかかる負荷を調整できる。
【0018】
請求項4の発明によれば、画面の更新要求を出力する外部装置のユーザがジョブの起動要求を出力する外部装置のユーザと異なる場合でも、画面とジョブとの関連度に応じて外部装置からかかる負荷を調整できる。
【0019】
請求項5の発明によれば、画面の更新要求を出力する外部装置のユーザがジョブの起動要求を出力する外部装置のユーザと同一である場合でも、画面とジョブとの関連度に応じて外部装置からかかる負荷を調整できる。
【0020】
請求項6の発明によれば、画面のポーリングがジョブ終了予測時間まで停止される場合に、ジョブが終了するまで画面のポーリングを停止することができる。
【0021】
請求項7の発明によれば、ジョブ終了予測時間とジョブ内容に応じて外部装置からかかる負荷を調整することができる。
【0022】
請求項8の発明によれば、外部装置で表示されている画面の内容と処理中のジョブの内容とに応じて外部装置からかかる負荷を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施の形態に係る画像処理装置及び外部装置を含むシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】(A)は、クライアントPC2A又は2Bで表示される画面の更新処理を示すシーケンス図である。(B)は、ジョブの実行に関連する処理を示すシーケンス図である。
【図3】(A)及び(B)は、HDD19に格納されているポーリング間隔決定用のデータベース19Bの例を示す図である。
【図4】(A)は、ジョブ一覧の画面の例を示す図である。(B)は、消耗品状態情報の画面の例のを示す図である。
【図5】(A)は、カウンタ情報の画面の例を示す図である。(B)は、親展ボックスの文書一覧の画面の例を示す図である。
【図6】(A)は、サポート画面の例を示す図である。(B)は、ジョブの設定画面の一例を示す図である。
【図7】画像処理装置1がジョブ実行中にポーリング間隔を変更する処理(図2(B)のステップS10)の詳細を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態にかかるポーリング間隔決定用のデータベース19Bの例を示す図である。
【図9】(A)及び(B)は、第2の実施の形態にかかるポーリング間隔決定用のデータベース19Bの例を示す図である。
【図10】画像処理装置1がジョブ実行中にポーリング間隔を変更する処理(図2(B)のステップS10)の詳細を示すフローチャートである。
【図11】第3の実施の形態に係る画像処理装置1がジョブ実行中にポーリング間隔を変更する処理を示すフローチャートである。
【図12】図9(A)のポーリング間隔決定用のデータベース19Bの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0025】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る画像処理装置及び外部装置を含むシステムの構成を示すブロック図である。
【0026】
図1において、画像処理装置1は、例えば、プリンタ、コピー機又は複合機である。画像処理装置1は、通信制御部11、入力操作部12、画像読取部13、画像処理部14、画像出力部15、CPU(Central Processing Unit)16、ROM(Read Only Memory)17、RAM(Random Access Memory)18及びハードディスクドライブ(HDD)19を備えている。CPU16は、受信手段、決定手段、送信手段、及び算出手段として機能する。通信制御部11は、入力操作部12、画像読取部13、画像処理部14、画像出力部15、CPU16、ROM17、RAM18及びハードディスクドライブ(HDD)19にバス10を介して接続されている。通信制御部11はクライアントPC2A又は2Bとの通信を制御する。入力操作部12は、タッチパネル付きの液晶表示部で構成され、画像処理装置1の各種の状態を表示したり、機能の選択を行う。画像読取部13は、スキャナで構成され、画像を読み取る。画像処理部14は、印刷される画像に各種の画像処理を行う。画像出力部15は、画像を用紙に出力する。CPU16は、画像処理装置1の各構成要素の制御を行う。ROM17は、画像処理装置1の制御用プログラムを格納する。また、RAM18は、ワーキングメモリとして機能する。HDD19は、ユーザ認証用のデータベース(DB)19A、ポーリング間隔決定用のデータベース(DB)19B及び各種のデータを保存する。
【0027】
クライアントPC2A及び2Bの各々は、装置全体を制御する制御部20と、ブラウザを表示する表示部21と、クライアントPC2A又は2Bへの操作指示を入力する入力操作部22と、画像処理装置1との通信を制御する通信制御部23とを備えている。尚、表示部21は、クライアントPC2A及び2Bの外部に設けられて、制御部20に接続されていてもよい。表示部21に表示されるブラウザは、画像処理装置1の設定情報や画像処理装置1の状態などを表示する。クライアントPC2A及び2Bは、ネットワーク3を介して画像処理装置1に接続されている。
【0028】
図2(A)は、クライアントPC2A又は2Bで表示される画面の更新処理を示すシーケンス図である。図2(B)は、ジョブの実行に関連する処理を示すシーケンス図である。尚、ジョブは、例えば、コピー、プリント又はファックスなどの処理を示す処理単位である。
【0029】
図2(A)の画面の更新処理は、ジョブの実行の有無に拘わらず実行される。このため、図2(B)のジョブの実行に関連する処理が実行されている間に、図2(A)の画面の更新処理も同時に実行されている。
【0030】
図2(A)において、クライアントPC2A又は2Bの制御部20は、入力操作部22からの接続要求の入力に応じて、接続要求を画像処理装置1に出力する(ステップS1)。この接続要求は、クライアントPC2A又は2BのIPアドレス又はユーザIDを含む。画像処理装置1のCPU16は、接続要求に含まれるIPアドレス又はユーザIDを使って、ユーザ認証を行う(ステップS2)。CPU16は、ユーザ認証用のデータベース19A及び接続要求を用いてユーザ認証を行う。その後、CPU16は、認証結果をクライアントPC2A又は2Bに通知する。ここでは、ユーザ認証は成功したものとする。
【0031】
次に、クライアントPC2A又は2Bの制御部20は、表示部21に表示される画面の更新要求を画像処理装置1に出力する(ステップS3)。この画面の更新要求は、更新すべき画面を識別する画面IDと、クライアントPC2A又は2BのIPアドレス又はユーザIDとを含む。これにより、画像処理装置1は、更新すべき画面の種類と画面データの出力先を特定する。
【0032】
画像処理装置1のCPU16は、画面の更新要求を受信し、画面の更新要求に含まれる画面IDに基づいて、HDD19に格納されたポーリング間隔決定用のデータベース19Bを検索し、ポーリング間隔を決定する(ステップS4)。CPU16は、決定したポーリング間隔の情報をhtmlタグ又はジャバスクリプトを使って更新用の画面データに埋め込んで、当該更新用の画面データを受信したIPアドレス又は受信したユーザIDに対応するクライアントPC2A又は2Bに返信する(ステップS5)。クライアントPC2A又は2Bの表示部21は、更新用の画面データを受信し、表示する(ステップS6)。
【0033】
クライアントPC2A又は2Bが受信する更新用の画面データには、ポーリング間隔が含まれているので、ポーリング時間が経過する度に、ステップS3〜S6の処理が繰り返される。
【0034】
図2(B)において、図2(A)と同様に、ステップS1,S2の処理が実行される。ここでは、ステップS2のユーザ認証は成功したものとする。
【0035】
次に、クライアントPC2A又は2Bの制御部20は、入力操作部22からのジョブ起動要求の入力に応じて、ジョブ起動要求を画像処理装置1に出力する(ステップS1)。このジョブ起動要求は、起動すべきジョブを識別するジョブIDと、クライアントPC2A又は2BのIPアドレス又はユーザIDとを含む。これにより、画像処理装置1は、起動すべきジョブの種類と起動要求の出力先を特定する。
【0036】
画像処理装置1のCPU16は、ジョブ起動要求を受信し、ジョブ起動要求のジョブIDに対応するジョブを実行する(ステップS8)。また、CPU16は、ジョブ終了予測時間を算出する(ステップS9)。ジョブ終了予測時間の算出方法は、ジョブの内容と画像処理装置1の仕様により決定される。例えば、ジョブが100ページのカラー印刷であり、画像処理装置1が1分あたり20枚のカラー印刷が可能である場合には、ジョブ終了予測時間は5分となる。また、ジョブが100ページの原稿の読み取りであり、画像処理装置1が1分あたり25枚の原稿の読み取りが可能である場合には、ジョブ終了予測時間は4分となる。
【0037】
CPU16は、画面ID及びジョブIDに基づいて、HDD19に格納されたポーリング間隔決定用のデータベース19Bを検索し、ポーリング間隔を変更し、変更されたポーリング間隔の情報を埋め込んだ更新用の画面データをクライアントPC2A又は2Bに送信する(ステップS10)。クライアントPC2A又は2Bの表示部21は、更新用の画面データを受信し、表示すると共に受信したポーリング間隔の情報に従って画面の更新要求を画像処理装置1に出力する(ステップS11)。CPU16は、ジョブが終了すると(ステップS12)、ポーリング間隔を基準値に戻す(ステップS13)。尚、ポーリング間隔の基準値は、例えば120秒である。
【0038】
図3(A)及び図3(B)は、HDD19に格納されているポーリング間隔決定用のデータベース19Bの例を示す図である。図3(A)は、画面の属性、画面の種類、画面ID及びポーリング間隔の関係を示す。図3(B)は、ジョブの種類と、画面の種類と、ポーリング間隔との関係を示す。
【0039】
図3(A)に示すように、クライアントPC2A又は2Bの表示部21に表示される画面は、「ジョブの状態/設定画面」、「ジョブと間接的に関連する画面」及び「ジョブと無関係な画面」の3つの属性に分類されている。各属性には、具体的な画面の種類が関連付けられている。例えば、「ジョブの状態/設定画面」の属性には、ジョブの設定画面、ジョブ一覧の画面、ジョブ履歴一覧の画面及びエラー履歴情報の画面などが関連付けられている。「ジョブと間接的に関連する画面」の属性には、装置状態情報の画面、消耗品状態情報の画面、トレイ状態情報の画面、カウンタ情報の画面及び親展ボックスの文書一覧の画面などが関連付けられている。「ジョブと無関係な画面」の属性には、サポート画面及びヘルプ画面などが関連付けられている。また、各画面の種類には、一意の画面IDとポーリング間隔とが関連付けられている。
【0040】
図3(B)では、ジョブIDと画面IDとに基づいて決定される具体的なポーリング間隔が示されている。例えば、ジョブがない場合には(ジョブID=J001)、全画面のポーリング間隔は基準値の120秒に設定されている。一方、ジョブがスキャンtoファックス、スキャンto親展ボックス、ファックスtoプリント又はコピーのジョブである場合には、ジョブ一覧の画面のポーリング間隔は基準値よりも短い時間(10秒)に設定される。これは、画面の更新間隔が長いと、ジョブの情報を欠落するおそれがあるからである。ジョブ一覧の画面の例は図4(A)に示す。
【0041】
ジョブがスキャンtoファックス、スキャンto親展ボックス、ファックスtoプリント又はコピーである場合には、サポート画面のポーリング間隔は、基準値よりも長い時間(180秒)に設定される。これは、ジョブ実行中に画像処理装置1に余計な負荷をかけることを抑制するためである。サポート画面の例は図6(A)に示す。
【0042】
ジョブがスキャンtoファックス又はスキャンto親展ボックスである場合には、消耗品状態情報の画面のポーリング間隔は、基準値よりも短い時間(100秒)に設定される。スキャンtoファックス及びスキャンto親展ボックスのジョブはトナーなどの消耗品とは関係がないので、画像処理装置1にかかる負荷を低減するために、ポーリング間隔は必要以上に短くしていない。消耗品状態情報の画面の例は図4(B)に示す。
【0043】
一方、ジョブがファックスtoプリント又はコピーである場合には、消耗品状態情報の画面のポーリング間隔は、基準値(120秒)よりも短い時間(30秒)に設定される。ファックスtoプリント又はコピーのジョブは、消耗品と関係があるので、消耗品の状態を頻繁にユーザに通知するために、ポーリング間隔は、基準値よりも短い時間に設定される。ファックスtoプリント又はコピーの場合のポーリング間隔は、スキャンtoファックス又はスキャンto親展ボックスの場合のポーリング間隔よりも短い。これは、上記のように、ジョブと画面との関連度に応じて、ポーリング間隔が決定されるからである。
【0044】
ジョブがスキャンtoファックス、スキャンto親展ボックス、ファックスtoプリント又はコピーである場合には、カウンタ情報の画面のポーリング間隔は基準値(120秒)よりも短い時間(30秒)に設定される。スキャンtoファックス、スキャンto親展ボックス、ファックスtoプリント及びコピーのジョブは、スキャン数やコピー数のようなカウント情報と関係があるので、カウント情報を頻繁にユーザに通知するために、ポーリング間隔は、基準値よりも短い時間に設定される。カウンタ情報の画面の例は図5(A)に示す。
【0045】
ジョブがスキャンtoファックス、ファックスtoプリント又はコピーのジョブである場合には、親展ボックスの文書一覧の画面のポーリング間隔は、基準値よりも短い時間(100秒)に設定される。スキャンtoファックス、ファックスtoプリント又はコピーのジョブは親展ボックスとは関係がないので、画像処理装置1にかかる負荷を低減するために、ポーリング間隔は必要以上に短くしていない。親展ボックスの文書一覧の画面の例は図5(B)に示す。一方、ジョブがスキャンto親展ボックスである場合には、親展ボックスの文書一覧の画面のポーリング間隔は、基準値(120秒)よりも短い時間(10秒)に設定される。スキャンto親展ボックスのジョブは、親展ボックスの文書一覧と関係があるので、親展ボックスの状態を頻繁にユーザに通知するために、スキャンto親展ボックスの場合のポーリング間隔は、ポーリング間隔は、基準値よりも短い時間に設定される。
【0046】
スキャンto親展ボックスの場合のポーリング間隔は、スキャンtoファックス、ファックスtoプリント又はコピーの場合のポーリング間隔よりも短い。これは、上記のように、ジョブと画面との関連度に応じて、ポーリング間隔が決定されるからである。
【0047】
また、例えば、ジョブがスキャンtoファックスである場合のポーリング間隔は、サポート画面→消耗品状態情報の画面及び親展ボックスの文書一覧の画面→カウンタ情報の画面→ジョブ一覧の画面の順番で短くなっている。このように、ジョブとの関連度が高くなるにつれて、ポーリング間隔は短くなる。
【0048】
図6(B)は、ジョブの設定画面の一例を示す。ジョブの設定画面では、ジョブ起動時にポーリング間隔が変更される旨の表示がなされる。つまり、ジョブ設定時には、「ジョブ起動時にポーリング間隔が変更されるので注意してください」とジョブの設定画面に表示される。ジョブの起動時には、「ポーリング間隔が短くなっています」又は「ポーリング間隔が長くなっています」とジョブの設定画面に表示される。この表示により、ユーザにポーリング間隔の変更に関する注意を促している。
【0049】
図7は、画像処理装置1がジョブ実行中にポーリング間隔を変更する処理(図2(B)のステップS10)の詳細を示すフローチャートである。ここでは、図2(A)及び図2(B)で説明したように、クライアントPC2A又は2Bのユーザは画像処理装置1によって認証されており、画像処理装置1のCPU16は、ユーザID(又はIPアドレス)、画面ID及びジョブIDを取得しているものとする。
【0050】
まず、画像処理装置1のCPU16は、クライアントPC2A又は2Bから取得した画面ID及びジョブID並びに図3(A),(B)のポーリング間隔決定用のデータベースに基づいて、クライアントPC2A又は2Bの表示部21に表示されている画面がジョブに関係ある画面であるか否かを判別する(ステップS21)。ここで、ジョブに関係ある画面とは、「ジョブの状態/設定画面」及び「ジョブと間接的に関連する画面」の属性に属する画面である。
【0051】
ステップS21でNOの場合には、CPU16は、図3(B)のポーリング間隔決定用のデータベースに基づいて、現在のポーリング間隔を基準値よりも長いポーリング間隔に変更する(ステップS22)。この場合、図3(B)の例では、ポーリングがジョブ終了予測時間まで停止されるが、CPU16はポーリング間隔を基準値よりも長い時間(例えば180秒)に設定してもよい。
【0052】
ステップS21でYESの場合には、CPU16は、クライアントPC2A又は2Bから取得した画面ID及びジョブID並びに図3(A),(B)のポーリング間隔決定用のデータベースに基づいて、クライアントPC2A又は2Bの表示部21に表示されている画面が「ジョブの状態/設定画面」の属性に属する画面であるか否かを判別する(ステップS23)。
【0053】
ステップS23でYESの場合には、CPU16は、図3(B)のポーリング間隔決定用のデータベースに基づいて、現在のポーリング間隔を基準値よりも短いポーリング間隔に変更する(ステップS24)。図3(B)の例では、ポーリング間隔は10秒に設定されるが、これに限定されず、基準値よりも短い時間であればよい。ステップS23でNOの場合には、CPU16は、図3(B)のポーリング間隔決定用のデータベースに基づいて、現在のポーリング間隔を、ジョブと画面の関連度に応じた、基準値よりも短いポーリング間隔に変更する(ステップS5)。
【0054】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、画像処理装置1は、画面IDと、ジョブIDと、画面とジョブの関連度に応じたポーリング間隔との関係を規定するポーリング間隔決定用のデータベース19Bと、クライアントPC2A又は2Bから受信された画面ID及びジョブIDと、ポーリング間隔決定用のデータベース19Bとに基づいて、画面とジョブの関連度に応じたポーリング間隔を決定するCPU16とを備えている。そして、CPU16は、当該決定されたポーリング間隔の情報を画面データに埋め込んで、画面の更新要求を出力するクライアントPC2A又は2Bに送信する。よって、クライアントPC2A又は2Bで表示されている画面の内容と処理中のジョブの内容とに応じてクライアントPC2A又は2Bからかかる負荷を調整することができる。
【0055】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態は、ポーリング間隔決定用のデータベース19Bの構造及びポーリング間隔を変更する処理の点で第1の実施の形態と異なる。第2の実施の形態にかかる画像処理装置を含むシステムの構成は、第1の実施の形態にかかる画像処理装置を含むシステムの構成と同一である。第2の実施の形態でも、図2(A)の画面の更新処理及び図2(B)のジョブの実行に関連する処理が実行される。
【0056】
図8、図9(A)及び図9(B)は、第2の実施の形態にかかるポーリング間隔決定用のデータベース19Bの例を示す図である。
【0057】
図8は、画面の属性、画面の種類、画面ID、ジョブ要求者及びポーリング間隔の関係を示す。図9(A)は、ジョブ要求者が自ユーザ(即ち、ユーザ自身)である場合のジョブの種類と、画面の種類と、ポーリング間隔との関係を示す。図9(B)は、ジョブ要求者が他ユーザである場合のジョブの種類と、画面の種類と、ポーリング間隔との関係を示す。
【0058】
図8に示すように、クライアントPC2A又は2Bの表示部21に表示される画面は、「ジョブの状態/設定画面」、「ジョブと間接的に関連する画面」及び「ジョブと無関係な画面」の3つの属性に分類されている。各属性には、具体的な画面の種類が関連付けられている。例えば、「ジョブの状態/設定画面」の属性には、ジョブの設定画面、ジョブ一覧の画面、ジョブ履歴一覧の画面及びエラー履歴情報の画面などが関連付けられている。「ジョブと間接的に関連する画面」の属性には、装置状態情報の画面、消耗品状態情報の画面、トレイ状態情報の画面、カウンタ情報の画面及び親展ボックスの文書一覧の画面などが関連付けられている。「ジョブと無関係な画面」の属性には、サポート画面及びヘルプ画面などが関連付けられている。また、各画面の種類には、一意の画面IDが関連付けられている。また、画面の属性にポーリング間隔が関連づけられている。ポーリング間隔はジョブ要求者に関連付けられているが、ポーリング間隔はジョブ要求者が自ユーザであるか又は他ユーザであるかによって変更される。
【0059】
図9(A)のポーリング間隔決定用のデータベースは、ジョブ要求者が自ユーザ(即ち、ユーザ自身)である場合に図8のポーリング間隔決定用のデータベースと一緒に使用される。
【0060】
図9(A)では、ジョブIDと画面IDとに基づいて決定される具体的なポーリング間隔が示されている。例えば、ジョブがない場合には(ジョブID=J001)、全画面のポーリング間隔は基準値の120秒に設定されている。一方、ジョブがスキャンtoファックス、スキャンto親展ボックス、ファックスtoプリント又はコピーのジョブである場合には、ジョブ一覧の画面(図4(A)参照)のポーリング間隔は基準値よりも短い時間(10秒)に設定される。これは、画面の更新間隔が長いと、ジョブの情報を欠落するおそれがあるからである。
【0061】
ジョブがスキャンtoファックス、スキャンto親展ボックス、ファックスtoプリント又はコピーである場合には、サポート画面(図6(A)参照)のポーリングは、ジョブ終了予測時間まで停止される。これは、ジョブ実行中に画像処理装置1に余計な負荷をかけることを抑制するためである。
【0062】
ジョブがスキャンtoファックス又はスキャンto親展ボックスである場合には、消耗品状態情報の画面(図4(B)参照)のポーリングは、ジョブ終了予測時間まで停止される。スキャンtoファックス及びスキャンto親展ボックスのジョブはトナーなどの消耗品とは関係がないので、画像処理装置1にかかる負荷を低減するために、ポーリングは、ジョブ終了予測時間まで停止される。一方、ジョブがファックスtoプリント又はコピーである場合には、消耗品状態情報の画面のポーリング間隔は、基準値(120秒)よりも短い時間(30秒)に設定される。ファックスtoプリント又はコピーのジョブは、消耗品と関係があるので、消耗品の状態を頻繁にユーザに通知するために、ポーリング間隔は、基準値よりも短い時間に設定される。
【0063】
ジョブがスキャンtoファックス、スキャンto親展ボックス、ファックスtoプリント又はコピーである場合には、カウンタ情報の画面(図5(A)参照)のポーリング間隔は基準値(120秒)よりも短い時間(30秒)に設定される。スキャンtoファックス、スキャンto親展ボックス、ファックスtoプリント及びコピーのジョブは、スキャン数やコピー数のようなカウント情報と関係があるので、カウント情報を頻繁にユーザに通知するために、ポーリング間隔は、基準値よりも短い時間に設定される。
【0064】
ジョブがスキャンtoファックス、ファックスtoプリント又はコピーのジョブである場合には、親展ボックスの文書一覧の画面(図5(B)参照)のポーリングは、ジョブ終了予測時間まで停止される。スキャンtoファックス、ファックスtoプリント又はコピーのジョブは親展ボックスとは関係がないので、画像処理装置1にかかる負荷を低減するために、ポーリングは、ジョブ終了予測時間まで停止される。一方、ジョブがスキャンto親展ボックスである場合には、親展ボックスの文書一覧の画面のポーリング間隔は、基準値(120秒)よりも短い時間(10秒)に設定される。スキャンto親展ボックスのジョブは、親展ボックスの文書一覧と関係があるので、親展ボックスの状態を頻繁にユーザに通知するために、ポーリング間隔は、基準値よりも短い時間に設定される。
【0065】
このように、ジョブと画面との関連度に応じて、ポーリング間隔は決定される。
【0066】
図9(B)のポーリング間隔決定用のデータベースは、ジョブ要求者が他ユーザである場合に図8のポーリング間隔決定用のデータベースと一緒に使用される。
【0067】
図9(B)では、ジョブIDと画面IDとに基づいて決定される具体的なポーリング間隔が示されている。例えば、ジョブがない場合には(ジョブID=J001)、全画面のポーリング間隔は基準値の120秒に設定される。一方、ジョブがスキャンtoファックス、スキャンto親展ボックス、ファックスtoプリント又はコピーである場合には、ジョブ一覧の画面(図4参照)のポーリングは、ジョブ終了予測時間まで停止される。これは、一般的にユーザ自身が他ユーザのジョブの状態を確認する必要がないからである。これにより、画像処理装置1に余計な負荷をかけることが抑制される。
【0068】
ジョブがスキャンtoファックス、スキャンto親展ボックス、ファックスtoプリント又はコピーである場合には、サポート画面(図6(A)参照)のポーリングは、ジョブ終了予測時間まで停止される。これは、ジョブ実行中に画像処理装置1に余計な負荷をかけることを抑制するためである。
【0069】
ジョブがスキャンtoファックス又はスキャンto親展ボックスである場合には、消耗品状態情報の画面(図4(B)参照)のポーリングは、ジョブ終了予測時間まで停止される。スキャンtoファックス及びスキャンto親展ボックスのジョブはトナーなどの消耗品とは関係がないので、画像処理装置1にかかる負荷を低減するために、ポーリングは、ジョブ終了予測時間まで停止される。一方、ジョブがファックスtoプリント又はコピーである場合には、消耗品状態情報の画面のポーリング間隔は、基準値(120秒)に設定される。ファックスtoプリント又はコピーのジョブは、消耗品と関係があるが、このジョブは他ユーザのジョブであるので、消耗品の状態をユーザに頻繁に通知する必要はない。このため、ポーリング間隔は、基準値に設定される。
【0070】
ジョブがスキャンtoファックス、スキャンto親展ボックス、ファックスtoプリント又はコピーのジョブである場合には、カウンタ情報の画面(図5(A)参照)のポーリング間隔は基準値(120秒)に設定される。スキャンtoファックス、スキャンto親展ボックス、ファックスtoプリント又はコピーのジョブは、スキャン数やコピー数のようなカウント情報と関係があるが、このジョブは他ユーザのジョブであるので、カウント情報を頻繁にユーザに通知する必要はない。このため、ポーリング間隔は、基準値に設定される。
【0071】
ジョブがスキャンtoファックス、ファックスtoプリント又はコピーのジョブである場合に、親展ボックスの文書一覧の画面(図5(B)参照)のポーリングは、ジョブ終了予測時間まで停止される。スキャンtoファックス、ファックスtoプリント又はコピーのジョブは親展ボックスとは関係がないので、画像処理装置1にかかる負荷を低減するために、ポーリングは、ジョブ終了予測時間まで停止される。一方、ジョブがスキャンto親展ボックスである場合には、親展ボックスの文書一覧の画面のポーリング間隔は、基準値(120秒)よりも短い時間(10秒)に設定されている。スキャンto親展ボックスのジョブは、親展ボックスの文書一覧と関係があり、他ユーザからユーザ自身に文書が提供される場合もあるので、親展ボックスの状態を頻繁に自ユーザに通知するために、ポーリング間隔は、基準値よりも短い時間に設定されている。
【0072】
このように、ジョブと画面との関連度に応じて、ポーリング間隔は決定される。
【0073】
図10は、画像処理装置1がジョブ実行中にポーリング間隔を変更する処理(図2(B)のステップS10)の詳細を示すフローチャートである。ここでは、図2(A)及び図2(B)で説明したように、クライアントPC2A又は2Bのユーザは画像処理装置1によって認証されており、画像処理装置1のCPU16は、ユーザID(又はIPアドレス)、画面ID及びジョブIDを取得しているものとする。
【0074】
まず、画像処理装置1のCPU16は、クライアントPC2A又は2Bから取得した画面ID及びジョブID並びに図8及び図9(A),(B)のポーリング間隔決定用のデータベースに基づいて、クライアントPC2A又は2Bの表示部21に表示されている画面がジョブに関係ある画面であるか否かを判別する(ステップS31)。ここで、ジョブに関係ある画面とは、「ジョブの状態/設定画面」及び「ジョブと間接的に関連する画面」の属性に属する画面である。
【0075】
ステップS31でNOの場合には、CPU16は、図9(A)又は図9(B)のポーリング間隔決定用のデータベースに基づいて、現在のポーリング間隔を基準値よりも長いポーリング間隔に変更する(ステップS32)。この場合、図9(A)又は図9(B)の例では、ポーリングがジョブ終了予測時間まで停止されるが、CPU16はポーリング間隔を基準値よりも長い時間(例えば180秒)に設定してもよい。
【0076】
ステップS31でYESの場合には、CPU16は、クライアントPC2A又は2Bから取得した画面ID及び図8のポーリング間隔決定用のデータベースに基づいて、クライアントPC2A又は2Bの表示部21に表示されている画面が「ジョブの状態/設定画面」の属性に属する画面であるか否かを判別する(ステップS33)。
【0077】
ステップS33でYESの場合には、CPU16は、画面の更新要求に含まれるユーザIDがジョブの起動要求に含まれるユーザIDと一致するか否かを判別する(ステップS34)。ここでは、CPU16は、ジョブ要求者が自ユーザであるか又は他ユーザであるかを判別している。
【0078】
ステップS34でYESである場合(即ち、ジョブ要求者は自ユーザである場合)には、CPU16は、図9(A)のポーリング間隔決定用のデータベースに基づいて、現在のポーリング間隔を基準値よりも短いポーリング間隔に変更する(ステップS35)。図9(A)の例では、ポーリング間隔は10秒に設定されるが、これに限定されず、基準値よりも短い時間であればよい。
【0079】
ステップS34でNOである場合(即ち、ジョブ要求者は他ユーザである場合)には、CPU16は、図9(B)のポーリング間隔決定用のデータベースに基づいて、現在のポーリング間隔を基準値よりも長いポーリング間隔に変更する(ステップS36)。この場合、図9(B)の例では、ポーリングがジョブ終了予測時間まで停止されるが、CPU16はポーリング間隔を基準値よりも長い時間(例えば180秒)に設定してもよい。
【0080】
ステップS33でNOの場合には、CPU16は、画面の更新要求に含まれるユーザIDがジョブの起動要求に含まれるユーザIDと一致するか否かを判別する(ステップS37)。ここでは、CPU16は、ジョブ要求者が自ユーザであるか又は他ユーザであるかを判別している。
【0081】
ステップS37でYESである場合(即ち、ジョブ要求者は自ユーザである場合)には、CPU16は、図9(A)のポーリング間隔決定用のデータベースに基づいて、現在のポーリング間隔をジョブと画面の関連度に応じたポーリング間隔に変更する(ステップS38)。この場合、ジョブと関連度の高い画面が表示部21に表示されている場合には(即ち、図9(A)のジョブID=J004又はJ005且つ画面ID=B002の場合、ジョブID=J002、J003、J004又はJ005且つ画面ID=B004の場合、若しくはジョブID=J003且つ画面ID=B005の場合)、ポーリング間隔は基準値よりも短くなる。一方、ジョブと関連度の低い画面が表示部21に表示されている場合には(即ち、図9(A)のジョブID=J002又はJ003且つ画面ID=B002の場合、若しくはジョブID=J002、J004又はJ005且つ画面ID=B005の場合)、ポーリングがジョブ終了予測時間まで停止される又はポーリング間隔は基準値よりも長くなる。
【0082】
ステップS37でNOである場合(即ち、ジョブ要求者は他ユーザである場合)には、CPU16は、図9(B)のポーリング間隔決定用のデータベースに基づいて、現在のポーリング間隔をジョブと画面の関連度に応じたポーリング間隔に変更する(ステップS39)。この場合、ジョブと関連度の高い画面が表示部21に表示されており、且つ自ユーザ宛ての情報が提供されない場合には(即ち、図9(B)のジョブID=J004又はJ005且つ画面ID=B002の場合、若しくはジョブID=J002、J003、J004又はJ005且つ画面ID=B004の場合)、ポーリング間隔は基準値になる。ジョブと関連度の高い画面が表示部21に表示されており、且つ自ユーザ宛ての情報が提供される場合には(即ち、図9(B)のジョブID=J003且つ画面ID=B005の場合)、ポーリング間隔は基準値よりも短くなる。一方、ジョブと関連度の低い画面が表示部21に表示されている場合には(即ち、図9(B)のジョブID=J002又はJ003且つ画面ID=B002の場合、若しくはジョブID=J002、J004又はJ005且つ画面ID=B005の場合)、ポーリングがジョブ終了予測時間まで停止される又はポーリング間隔は基準値よりも長くなる。
【0083】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、画面の更新要求をするユーザがジョブの起動要求をするユーザと同一の場合も異なる場合も、画面とジョブとの関連度に応じてクライアントPC2A又は2Bからかかる負荷を調整できる。
【0084】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態は、CPU16がポーリング間隔の変更時にジョブの終了予測時間を算出する点で、第1及び第2の実施の形態と異なる。第3の実施の形態にかかる画像処理装置を含むシステムの構成は、第1の実施の形態にかかる画像処理装置を含むシステムの構成と同一である。また、第3の実施の形態では、CPU16は、図8、図9(A)及び図9(B)のポーリング間隔決定用のデータベースを使用する。
【0085】
第3の実施の形態では、図2(A)の画面の更新処理と図2(B)のジョブの実行に関連する処理の一部(ステップS1、S2、S7、S8、S11)とが実行される。図2(B)のジョブの実行に関連する処理の残り(ステップS9、S10、S12、S13)は、後述する図11のポーリング間隔を変更する処理に置き換えられる。図2のステップS8の処理の後に、図11のポーリング間隔を変更する処理が実行される。
【0086】
図11は、第3の実施の形態に係る画像処理装置1がジョブ実行中にポーリング間隔を変更する処理を示すフローチャートである。ここでは、クライアントPC2A又は2Bのユーザは画像処理装置1によって認証されており、画像処理装置1のCPU16は、ユーザID(又はIPアドレス)、画面ID及びジョブIDを取得しているものとする。
【0087】
尚、図11のポーリング間隔を変更する処理は、図10のポーリング間隔を変更する処理の一部を変更しているので、変更された処理を説明する。
【0088】
ステップS31でNOの場合に、CPU16は、ジョブ終了予測時間を算出する(ステップS40)。ステップS32の処理後、CPU16は、ジョブ終了予測時間が経過してもジョブが継続中であるか否かを判別する(ステップS41)。ステップS41でNOの場合には、CPU16は、ポーリング間隔を基準値に戻し(ステップS42)、本処理を終了する。ステップS41でYESの場合には、CPU16は、ステップS40でジョブ終了予測時間を再算出する。ジョブ終了予測時間を再算出する理由は、ステップS32で、ポーリングがジョブ終了予測時間まで停止される場合があるからである。
【0089】
ジョブ終了予測時間の算出方法及び再算出方法は、ジョブの内容と画像処理装置1の仕様により決定される。例えば、ジョブが100ページのカラー印刷であり、画像処理装置1が1分あたり20枚のカラー印刷が可能である場合には、ジョブ終了予測時間は5分となる。また、ジョブが100ページの原稿の読み取りであり、画像処理装置1が1分あたり25枚の原稿の読み取りが可能である場合には、ジョブ終了予測時間は4分となる。
【0090】
また、ステップS34でNOの場合に、CPU16は、ジョブ終了予測時間を算出する(ステップS43)。ステップS36の処理後、CPU16は、ジョブ終了予測時間が経過してもジョブが継続中であるか否かを判別する(ステップS44)。ステップS44でNOの場合には、手順はステップS42に進む。ステップS44でYESの場合には、CPU16は、ステップS43でジョブ終了予測時間を再算出する。ジョブ終了予測時間を再算出する理由は、ステップS36で、ポーリングがジョブ終了予測時間まで停止される場合があるからである。
【0091】
尚、ステップS35では、CPU16は、現在のポーリング間隔を基準値よりも短いポーリング間隔に変更する。CPU16は、ステップS35の変更の条件として、自ユーザが早い画面更新を望む場合を考慮してもよい。ステップS36では、CPU16は、現在のポーリング間隔を基準値よりも長いポーリング間隔に変更する。CPU16は、ステップS36の変更の条件として、自ユーザが早い画面更新を望まない場合を考慮してもよい。
【0092】
また、ステップS37でYESの場合に、CPU16は、ジョブ終了予測時間を算出する(ステップS45)。ステップS38の処理後、CPU16は、ジョブ終了予測時間が経過してもジョブが継続中であるか否かを判別する(ステップS46)。ステップS46でNOの場合には、手順はステップS42に進む。ステップS46でYESの場合には、CPU16は、ステップS45でジョブ終了予測時間を再算出する。ジョブ終了予測時間を再算出する理由は、ステップS38で、ポーリングがジョブ終了予測時間まで停止される場合があるからである。
【0093】
また、ステップS37でNOの場合に、CPU16は、ジョブ終了予測時間を算出する(ステップS47)。ステップS39の処理後、CPU16は、ジョブ終了予測時間が経過してもジョブが継続中であるか否かを判別する(ステップS48)。ステップS48でNOの場合には、手順はステップS42に進む。ステップS48でYESの場合には、CPU16は、ステップS47でジョブ終了予測時間を再算出する。ジョブ終了予測時間を再算出する理由は、ステップS39で、ポーリングがジョブ終了予測時間まで停止される場合があるからである。
【0094】
尚、ジョブ終了予測時間が経過する前に、ジョブが終了した場合は、CPU16は、ジョブ終了時点で、ポーリング間隔を基準値に戻してもよい。
【0095】
図11のステップS34でYESの場合には、CPU16は、ジョブ終了予測時間を算出していない。これは、CPU16が、現在のポーリング間隔を図9(A)のポーリング間隔決定用のデータベース内の予め決められた値(画面ID=A001に対応する10秒)に変更するからである。
【0096】
第3の実施の形態では、例えば、図9(A)のポーリング間隔決定用のデータベースに代えて、図12のポーリング間隔決定用のデータベースを使用してもよい。図12のポーリング間隔決定用のデータベースでは、画面ID=A001、B002又はB004且つジョブID=J004又はJ005の場合に、ポーリング間隔はジョブ終了予測時間とジョブ内容(例えば、出力枚数、部数など)を使って計算される。
【0097】
例えば、画面ID=A001且つジョブID=J004の場合、CPU16は、ジョブ終了予測時間を算出し、式(ジョブ終了予測時間/出力枚数+1秒)によってポーリング間隔を算出し、現在のポーリング間隔を算出されたポーリング間隔に変更する。画面ID=B002又はB004且つジョブID=004の場合、CPU16は、ジョブ終了予測時間を算出し、式(ジョブ終了予測時間/出力枚数/2+1秒)によってポーリング間隔を算出し、現在のポーリング間隔を算出されたポーリング間隔に変更する。画面ID=A001且つジョブID=J005の場合、CPU16は、ジョブ終了予測時間を算出し、式(ジョブ終了予測時間/部数+1秒)によってポーリング間隔を算出し、現在のポーリング間隔を算出されたポーリング間隔に変更する。画面ID=B002又はB004且つジョブID=005の場合、CPU16は、ジョブ終了予測時間を算出し、式(ジョブ終了予測時間/部数/2+1秒)によってポーリング間隔を算出し、現在のポーリング間隔を算出されたポーリング間隔に変更する。
【0098】
このように、CPU16は、ジョブ終了予測時間とジョブ内容に基づいてポーリング間隔を算出してもよい。この場合、ジョブ終了予測時間とジョブ内容に応じて画像処理装置1にかかる負荷が調整される。つまり、画像処理装置1に過大な負荷がかかることが抑制される。
【0099】
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、画面のポーリングがジョブ終了予測時間まで停止される場合に、ジョブが終了するまで画面のポーリングを停止することができる。
【0100】
画像処理装置1の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムが記録されている記録媒体を、画像処理装置1に供給し、CPU16が記憶媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによっても、上記実施の形態と同様の効果を奏する。プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、CD−ROM、DVD、又はSDカードなどがある。また、CPU16が、画像処理装置1の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムを実行することによっても、上記の実施の形態と同様の効果を奏する。
【0101】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0102】
1 画像処理装置
2A,2B クライアントPC
3 ネットワーク
11 通信制御部
12 入力操作部
13 画像読取部
14 画像処理部
15 画像出力部
16 CPU(Central Processing Unit)
17 ROM(Read Only Memory)
18 RAM(Random Access Memory)
19 ハードディスクドライブ(HDD)
19A ユーザ認証用のデータベース(DB)
19B ポーリング間隔決定用のデータベース(DB)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置で表示されている画面の識別情報を含む画面の更新要求と外部装置からジョブの識別情報を含むジョブの起動要求とを受信する受信手段と、
前記画面の識別情報と、前記ジョブの識別情報と、画面とジョブの関連度に応じたポーリング間隔との関係を規定するデータベースと、
前記受信手段で受信された画面の識別情報及びジョブの識別情報と、前記データベースとに基づいて、前記画面とジョブの関連度に応じたポーリング間隔を決定する決定手段と、
当該決定されたポーリング間隔の情報を画面データに埋め込んで、前記画面の更新要求を出力する外部装置に送信する送信手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記データベースに規定されるポーリング間隔は、前記外部装置で表示される画面と前記外部装置から要求されるジョブとの関連度が高くなるにしたがって、短くなることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ジョブの内容及び前記画像処理装置の仕様に基づいて、前記ジョブの終了予測時間を算出する算出手段を備え、
前記外部装置で表示される画面が前記外部装置から要求されるジョブと関連しない場合には、前記画面の更新要求を出力する外部装置へのポーリングは、前記算出手段で算出されたジョブの終了予測時間まで停止されることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画面の更新要求を出力する外部装置のユーザが前記ジョブの起動要求を出力する外部装置のユーザと異なる場合、前記画面の更新要求を出力する外部装置のユーザに直接関連する情報を提供するジョブに関連する画面のポーリング間隔は、ポーリング間隔の基準値より短い時間に設定され、前記画面の更新要求を出力する外部装置のユーザに直接関連する情報を提供するジョブ以外のジョブに関連する画面のポーリング間隔は、ポーリング間隔の基準値に設定される又は前記画面の更新要求を出力する外部装置のユーザに直接関連する情報を提供するジョブ以外のジョブに関連する画面のポーリングは、前記ジョブの終了予測時間まで停止されることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画面の更新要求を出力する外部装置のユーザが前記ジョブの起動要求を出力する外部装置のユーザと同一である場合、前記外部装置から要求されるジョブに関連する画面のポーリング間隔は、ポーリング間隔の基準値より短い時間に設定され、前記外部装置から要求されるジョブに関連しない画面のポーリングは、前記ジョブの終了予測時間まで停止されることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記ジョブの終了予測時間が経過しても前記ジョブが終了していない場合には、前記算出手段は、前記ジョブの終了予測時間を再算出することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記決定手段は、前記ジョブの終了予測時間及び前記ジョブの内容に基づいて、前記外部装置から要求されるジョブに関連する画面のポーリング間隔を変更することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項8】
コンピュータを、
外部装置で表示されている画面の識別情報を含む画面の更新要求と外部装置からジョブの識別情報を含むジョブの起動要求とを受信する受信手段、
前記画面の識別情報と、前記ジョブの識別情報と、画面とジョブの関連度に応じたポーリング間隔との関係を規定するデータベース、
前記受信手段で受信された画面の識別情報及びジョブの識別情報と、前記データベースとに基づいて、前記画面とジョブの関連度に応じたポーリング間隔を決定する決定手段、及び
当該決定されたポーリング間隔の情報を画面データに埋め込んで、前記画面の更新要求を出力する外部装置に送信する送信手段
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−205017(P2012−205017A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66713(P2011−66713)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】