説明

画像処理装置及び印刷制御プログラム

【課題】改竄を検出可能にして印刷された文書の正当性を保証することができる画像処理装置及び印刷制御プログラムの提供。
【解決手段】通信ネットワークに接続された機器から取得した文書、若しくは、画像読取部で読み取った文書を加工して印刷データを作成する画像処理装置であって、前記文書に合成する付加画像を取得する付加画像取得部と、前記文書が印刷される用紙を長辺同士又は短辺同士が当接又は相重なるように順番に並べた時に、隣り合う用紙を跨ぐ位置に前記付加画像を配置し、前記隣り合う用紙の境界で前記付加画像を分割して、各々の用紙に対応する分割画像を作成する付加画像加工部と、前記各々の用紙に印刷される文書の画像に当該用紙に対応する前記分割画像を合成して、印刷データを作成する画像処理部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び印刷制御プログラムに関し、特に、文書の改竄を検出可能に印刷する画像処理装置及び印刷制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
紙媒体に印刷された文書は、捺印や署名などで文書の唯一性を担保することが一般的である。一方、電子化された文書データでは、配布やコピーなどが比較的簡単に行えるため、唯一性を担保することが難しい。そこで、近年では、文書データに対して電子印鑑や電子署名などを行い、文書データの唯一性を担保することが一般的に行われている(例えば、下記特許文献1〜4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−6361号公報
【特許文献2】特開2004−235913号公報
【特許文献3】特開2002−298073号公報
【特許文献4】特開2002−312714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子印鑑システムによって文書データの唯一性を担保する場合は、電子印鑑が唯一のものであることを登録、参照するサーバと、登録された電子印鑑と、電子印鑑を認識するデバイスと、電子印鑑の印影を文書に挿入するためのソフトウェアなどが必要であり、システム構成が複雑になるという問題がある。
【0005】
また、電子印鑑で捺印された文書データは、電子データとしては唯一性が保たれるものの、一旦この文書が印刷されると、ページの挿入や削除などの改竄が容易になるため、印刷された文書の正当性の保証が難しくなるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、改竄を検出可能にして印刷された文書の正当性を保証することができる画像処理装置及び印刷制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、通信ネットワークに接続された機器から取得した文書、若しくは、画像読取部で読み取った文書を加工して印刷データを作成する画像処理装置であって、前記文書に合成する付加画像を取得する付加画像取得部と、前記文書が印刷される用紙を長辺同士又は短辺同士が当接又は相重なるように順番に並べた時に、隣り合う用紙を跨ぐ位置に前記付加画像を配置し、前記隣り合う用紙の境界で前記付加画像を分割して、各々の用紙に対応する分割画像を作成する付加画像加工部と、前記各々の用紙に印刷される文書の画像に当該用紙に対応する前記分割画像を合成して、印刷データを作成する画像処理部と、を備えるものである。
【0008】
また、本発明は、文書の印刷を指示する装置で動作する印刷制御プログラムであって、前記装置を、前記文書に合成する付加画像を取得する付加画像取得部、前記文書が印刷される用紙を長辺同士又は短辺同士が当接又は相重なるように順番に並べた時に、隣り合う用紙を跨ぐ位置に前記付加画像を配置し、前記隣り合う用紙の境界で前記付加画像を分割して、各々の用紙に対応する分割画像を作成する付加画像加工部、前記各々の用紙に印刷される文書の画像に当該用紙に対応する前記分割画像を合成して、印刷データを作成する画像処理部、として機能させるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像処理装置及び印刷制御プログラムによれば、改竄を検出可能にして印刷された文書の正当性を保証することができる。
【0010】
その理由は、画像処理装置(印刷制御プログラム)では、文書が印刷される用紙を長辺同士又は短辺同士が当接又は相重なるように順番に並べた時に、隣り合う用紙を跨ぐ位置に、印影やサイン、記号、図形などの付加画像を配置し、隣り合う用紙の境界で付加画像を分割して、各々の用紙に対応する分割画像を作成し、各々の用紙に印刷される文書の画像に当該用紙に対応する分割画像を合成するため、隣り合う用紙の分割画像が組み合わせ可能か否かによって、印刷された文書の正当性が判断できるからである。
【0011】
また、乱数に基づいて、各々の付加画像の形成位置や分割位置、回転角、倍率、縦横比率などの形態を変更するため、隣り合う用紙の分割画像のみが組み合わせ可能となるからである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施例に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る付加画像及び分割画像の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る付加画像及び分割画像の他の例(分割位置を変更する例)を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係る付加画像及び分割画像の他の例(形成位置を変更する例)を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係る付加画像及び分割画像の他の例(回転角を変更する例)を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係る付加画像及び分割画像の他の例(倍率を変更する例)を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施例に係る付加画像及び分割画像の他の例(縦横比率を変更する例)を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施例に係る付加画像及び分割画像の他の例(用紙を重複させる例)を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施例に係る付加画像及び分割画像の他の例(用紙を傾ける例)を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施例に係る付加画像及び分割画像の他の例(両面印刷と2in1の例)を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施例に係る付加画像及び分割画像の他の例(用紙毎に形成する例)を示す図である。
【図12】本発明の第1の実施例に係る付加画像及び分割画像の他の例(図形を形成する例)を示す図である。
【図13】本発明の第1の実施例に係る画像処理装置の動作を示すフローチャート図である。
【図14】本発明の第1の実施例に係る画像処理装置の動作(ユーザ認証を行う動作)を示すフローチャート図である。
【図15】本発明の第1の実施例に係る画像処理装置の動作(付加画像をランダムに加工、分割する動作)を示すフローチャート図である。
【図16】本発明の第2の実施例に係る印刷制御システムの構成を模式的に示す図である。
【図17】本発明の第2の実施例に係る印刷制御装置の構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の第2の実施例に係る印刷制御装置の動作を示すフローチャート図である。
【図19】本発明の第3の実施例に係る印刷制御システムの構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
背景技術で示したように、文書データの唯一性を保証する方法として電子印鑑システムがあるが、電子印鑑システムでは、システム構成が複雑になると共に、一旦、文書データを用紙に印刷してしまうとページの挿入や削除などの改竄が容易であるため、オリジナルとの一致性の保証が難しくなる。
【0014】
そこで、本発明の一実施の形態では、文書データに基づく文書を紙媒体に印刷する際に、印影やサイン、記号、図形などの付加画像をページ毎若しくは用紙毎に印刷するのではなく、文書が印刷される用紙を長辺同士又は短辺同士が当接又は相重なるように順番に並べた時に、隣り合う用紙を跨ぐ位置に付加画像を配置し、隣り合う用紙の境界で付加画像を分割して、各々の用紙に対応する分割画像を作成し、各々の用紙に印刷される文書の画像に当該用紙に対応する分割画像を合成する。また、同じ形態の付加画像を配置すると、用紙の挿入や削除などの改竄が分からなくなるため、付加画像の形成位置や分割位置、回転角、倍率、縦横比率などを乱数に基づいて設定し、付加画像毎に形態を変更する。
【0015】
これにより、隣り合う用紙の分割画像が組み合わせ可能か否かによって、印刷された文書の正当性を判断することができる。
【実施例1】
【0016】
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の第1の実施例に係る画像処理装置及び印刷制御プログラムについて、図1乃至図15を参照して説明する。図1は、本実施例の画像処理装置の構成を示すブロック図であり、図2乃至図12は、付加画像及び分割画像の例を示す図である。また、図13乃至図15は、本実施例の画像処理装置の動作を示すフローチャート図である。
【0017】
図1に示すように、本実施例の印刷制御システムは、プリンタや複合機(MFP:Multi Function Peripheral)などの画像処理装置10を含み、画像処理装置10は、制御部11、記憶部12、通信部13、操作部14、表示部15、画像読取部16、画像処理部17、印刷部18などで構成される。
【0018】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)とROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリとで構成され、CPUは、ROMや記憶部12に記憶したプログラムをRAMに展開して実行し、画像処理装置10全体を制御する。この制御部11は、文書に付加する印影やサイン、記号、図形などの画像(以下、付加画像と呼ぶ。)を記憶部12などから取得する付加画像取得部11a、付加画像の配置や形状などの形態を設定するための乱数を発生する乱数発生部11b、必要に応じて乱数に基づいて付加画像を加工し、文書が印刷される用紙を長辺同士又は短辺同士が当接又は相重なるように順番に並べた時に、隣り合う用紙を跨ぐ位置に付加画像を配置し、隣り合う用紙の境界で付加画像を分割した画像(以下、分割画像と呼ぶ。)を作成する付加画像加工部11cとして機能する。また、制御部11は、必要に応じて、分割画像を合成したページのプレビューを表示部15に表示させる表示制御部としても機能する。この付加画像取得部11a、乱数発生部11b、付加画像加工部11c、表示制御部はハードウェアとして構成してもよいし、制御部11を付加画像取得部11a、乱数発生部11b、付加画像加工部11c、表示制御部として機能させるアプリケーション(本実施例では、割り印アプリケーションと呼ぶ。)として構成し、当該アプリケーションを制御部11で実行させてもよい。
【0019】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)などで構成され、付加画像のデータやユーザ認証のためのユーザ情報、文書データ、プログラムなどを記憶する。
【0020】
通信部13は、NIC(Network Interface Card)やモデムなどのインターフェースであり、画像処理装置10をLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などの通信ネットワークに接続し、文書データの送受信などを行う。
【0021】
操作部14は、ハードキーや表示部15上に設けたタッチパネルなどであり、文書に付加画像を合成する指示や付加画像を選択する操作、付加画像の形態を変更する操作などを可能にする。
【0022】
表示部15は、LCD(Liquid Crystal Display)などで構成され、文書に付加画像を合成する指示を受け付ける画面、付加画像を選択する画面、付加画像を合成した文書のプレビューを表示する画面などを表示する。
【0023】
画像読取部16は、文書を走査する光源と、文書で反射された光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Devices)等のイメージセンサと、電気信号をA/D変換して文書データとして出力するA/D変換器等により構成される。
【0024】
画像処理部17は、記憶部12に記憶された文書データ、通信部13を介して取得した文書データ若しくは画像読取部16で読み取った文書データの画像に、付加画像加工部11cで作成した分割画像を合成して印刷データを作成する。
【0025】
印刷部18は、画像処理部17で作成した印刷データに基づく画像を用紙に転写する。具体的には、帯電装置により帯電された感光体ドラムに露光装置から画像に応じた光を照射して静電潜像を形成し、現像装置で帯電したトナーを付着させて現像し、そのトナー像を転写ベルトに1次転写し、転写ベルトから紙媒体に2次転写し、更に定着装置で紙媒体にトナー像を定着させる処理を行う。
【0026】
なお、図1は本実施例の画像処理装置10の一例であり、その構成は適宜変更可能である。例えば、図1では、画像処理装置10に印刷部18を備える構成としているが、印刷部18を独立させて、画像処理装置10では印刷部18に印刷を指示する構成としてもよい。また、図1では、画像処理装置10に画像読取部16を備える構成としているが、記憶部12に記憶された文書データ若しくは通信部13を介して取得した文書データを利用する場合は画像読取部16を省略してもよい。
【0027】
また、図1では、付加画像のデータを記憶部12に記憶する構成としたが、印鑑やサインをスキャンして登録する場合は、印鑑の印面(名前などが刻印された面)を光学的に読み取って印鑑画像データとして出力する印鑑読取部や、サインを光学的に読み取ってサイン画像データとして出力したりするサイン読取部を備える構成としてもよい。印鑑読取部は、例えば、印鑑の印面を下にして保持する保持機構(例えば、円筒状の凹部)と、印面を走査する光源と、印面で反射された光を電気信号に変換するCCD等のイメージセンサと、電気信号をA/D変換し、更に表裏反転(鏡像に変換)して印鑑画像データとして出力するA/D変換器等により構成される。サイン読取部は、例えば、サインを書き込む入力機構(例えば、タッチパネル)と、タッチパネルからの電気信号をA/D変換してサイン画像データとして出力するA/D変換器等により構成される。なお、これらの読取部は、印鑑画像やサイン画像を取得できる構造であればよく、例えば、印鑑読取部は、柔軟性を有するシリコンゴム板などを印鑑で押圧した時に生じる凹凸を光学的に読み取って印鑑画像を取得する構造としてもよいし、サイン読取部は、ガラス面にペンのインクで記入したサインを光学的に読み取ってサイン画像を取得する構造としてもよい。
【0028】
上記構成の画像処理装置10の概略動作について説明する。画像処理装置10は、通信部13を用いて文書データを受信したり、画像読取部16を用いて文書データを取得したりする。そして、操作部14から、付加画像の合成が指示されると、付加画像取得部11aは、予めメモリや記憶部12などに記憶若しくは印鑑読取部やサイン読取部で読み取った付加画像を取得し、乱数発生部11bは、必要に応じて、付加画像の形態を変化させるための乱数を発生し、付加画像加工部11cは、乱数に基づいて位置や角度、サイズなどを加工した後、文書が印刷される用紙を長辺同士又は短辺同士が当接又は相重なるように順番に並べた時に、隣り合う用紙を跨ぐ位置に付加画像を配置し、隣り合う用紙の境界で付加画像を分割して各々の用紙に対応する分割画像を作成する。そして、画像処理部17は、各々の用紙に印刷される文書の画像に当該用紙に対応する分割画像を合成し、合成された画像は、操作部14からの指示により、印刷部18にて印刷される。
【0029】
次に、付加画像の形成例について説明する。
【0030】
図2は、同じ形態の付加画像(ここでは「印鑑」の文字からなる印影)を合成する例であり、図の左側は、隣り合う用紙(連続するページ)を跨ぐ位置に付加画像を配置した状態を示し、図の右側は、各々の用紙(ページ)に分割画像を合成した状態を示している。図2より、各々の用紙には、隣り合う用紙(連続するページ)を繋ぎ合わせた時に付加画像が完成するように分割画像(ここでは割り印)が合成されている。
【0031】
この形態でも、分割画像が合成されていない用紙(ページ)が挿入された場合には、文書の改竄を容易に検出することができるが、用紙(ページ)の同じ位置に同じ形態の分割画像を合成した場合は、用紙(ページ)が抜けた場合でもその前後の用紙(ページ)の分割画像を組み合わせて付加画像が完成するため、用紙(ページ)の抜き取りを検出することができない。その場合は、各々の付加画像の形態を変えて、用紙(ページ)が抜けた場合にその前後の用紙(ページ)の分割画像で付加画像が完成しないようにすれば、文書の改竄を検出することができる。
【0032】
付加画像の形態を変える方法として、例えば、図3に示すように、付加画像の分割位置を変更する方法がある。この方法では、用紙(ページ)が抜けた場合に、その前後の用紙(ページ)の分割画像を組み合わせても(例えば、2枚目が抜けた場合に、1枚目と3枚目を繋ぎ合わせても)付加画像は完成しないため、文書の改竄を確実に検出することができる。なお、分割位置は、一定の方向に徐々に移動させてもよいが、乱数発生部11bで発生させた乱数に基づく位置に変更すれば、文書の改竄をより確実に検出することができる。
【0033】
また、別の方法として、図4に示すように、付加画像の形成位置を変更する方法もある。この方法でも、用紙(ページ)が抜けた場合に、その前後の用紙(ページ)の分割画像を組み合わせても付加画像は完成しないため、文書の改竄を確実に検出することができる。この形成位置も、一定の方向に徐々に移動させてもよいが、乱数発生部11bで発生させた乱数に基づく位置に変更すれば、文書の改竄をより確実に検出することができる。
【0034】
また、別の方法として、図5に示すように、付加画像を回転させる方法もある。この方法でも、用紙(ページ)が抜けた場合に、その前後の用紙(ページ)の分割画像を組み合わせても付加画像は完成しないため、文書の改竄を確実に防止することができる。この回転角も、一定の方向に徐々に変化させてもよいが、乱数発生部11bで発生させた乱数に基づく回転角に変更すれば、文書の改竄をより確実に検出することができる。
【0035】
また、別の方法として、図6に示すように、付加画像を拡大/縮小して倍率を変更する方法もある。この方法でも、用紙(ページ)が抜けた場合に、その前後の用紙(ページ)を組み合わせても付加画像は完成しないため、文書の改竄を確実に検出することができる。この倍率も、一定の割合で徐々に変化させてもよいが、乱数発生部11bで発生させた乱数に基づく倍率に変更すれば、文書の改竄をより確実に検出することができる。
【0036】
また、別の方法として、図7に示すように、付加画像を縦長/横長に変形して縦横比率を変更する方法もある。この方法でも、用紙(ページ)が抜けた場合に、その前後の用紙(ページ)を組み合わせても付加画像は完成しないため、文書の改竄を確実に検出することができる。この縦横比率も、一定の割合で徐々に変化させてもよいが、乱数発生部11bで発生させた乱数に基づく縦横比率に変更すれば、文書の改竄をより確実に検出することができる。
【0037】
以上、付加画像の形態を変える方法として、付加画像の分割位置を変更する方法、付加画像の形成位置を変更する方法、付加画像を回転させる方法、付加画像の倍率を変更する方法、付加画像の縦横比率を変更する方法を例示したが、各々の付加画像を区別できる方法であればよく、例えば、付加画像の色や線の太さを変えてもよい。また、上記付加画像の形態は、個別に変更してもよいし、これらを任意に組み合わせて変更してもよい。
【0038】
また、図2乃至図7では、隣り合う用紙(連続するページ)の縁を繋ぎ合わせる場合を示したが、例えば、図8に示すように、隣り合う用紙(連続するページ)をその一部が重なり合う状態で、隣り合う用紙(連続するページ)を跨ぐ位置に付加画像を配置してもよい。この場合において、付加画像は、図2に示すように、同じ形態としてもよいし、図3乃至図7に示すように、分割位置や形成位置、回転角、倍率、縦横比率のいずれかを変化させてもよい。
【0039】
また、図2乃至図8では、隣り合う用紙(連続するページ)を平行に繋ぎ合わせる場合を示したが、例えば、図9に示すように、隣り合う用紙(連続するページ)を傾けた状態で、隣り合う用紙(連続するページ)を跨ぐ位置に付加画像を配置してもよい。この場合においても、付加画像は、図2のように同じ形態としてもよいし、図3乃至図7のように、分割位置、形成位置、回転角、倍率、縦横比率のいずれかを変化させてもよい。
【0040】
また、図2乃至図9では、片面印刷を前提にして、各々の用紙の一方の面(文書のページ画像が印刷される面)のみに付加画像を配置したが、両面印刷の場合は双方の面に付加画像を配置してもよい。例えば、図10(a)に示すように、1枚目の用紙の表面が第1ページとなる場合は、用紙の表面を並べた(奇数ページを並べた)状態で、隣り合う用紙を跨ぐ位置に付加画像を配置すると共に、用紙の裏面を並べた(偶数ページを並べた)状態で、隣り合う用紙を跨ぐ位置に付加画像を配置することもできる。この場合においても、付加画像は、図2のように同じ形態としてもよいし、図3乃至図7のように、分割位置、形成位置、回転角、倍率、縦横比率のいずれかを変化させてもよい。
【0041】
また、図2乃至図9では、各々の用紙に1ページの画像が配置される場合を示したが、各々の用紙に複数ページの画像が配置される場合(例えば、2in1や4in1)の場合も同様に適用することができる。例えば、図10(b)に示すように、各々の用紙に2ページの画像が配置される場合は、用紙を順番に並べた状態で、隣り合う用紙(図の場合は、偶数ページとその次の奇数ページ)を跨ぐ位置に付加画像を配置すればよい。この場合においても、付加画像は、図2のように同じ形態としてもよいし、図3乃至図7のように、分割位置、形成位置、回転角、倍率、縦横比率のいずれかを変化させてもよい。
【0042】
また、図2乃至図10では、用紙の短辺同士が当接若しくは相重なるように並べる場合を示したが、用紙の長辺同士が当接若しくは相重なるように並べ、用紙の長辺側に付加画像を配置してもよいし、用紙の短辺側及び長辺側の双方に付加画像を配置してもよい。
【0043】
また、図2乃至図10では、隣り合う用紙を跨ぐ位置に付加画像を配置したが、例えば、図11に示すように、各々の用紙を折り返した位置に付加画像を配置することもできる。この形態では、用紙(ページ)が抜けたことは検出できないが、各々の用紙(ページ)が正当であることは確認することができる。
【0044】
また、図2乃至図11では、付加画像として印影を用いる場合を示したが、サインを用いる場合も同様に適用することができる。また、本実施例の付加画像は、分割画像を組み合わせることによって文書の改竄を検出できるものであればよく、記号、図形などとすることもできる。例えば、図12に示すように、隣り合う用紙(連続するページ)を跨ぐ位置に多角形や星形などの図形を合成すれば、用紙(ページ)が抜けた場合に、その前後の用紙(ページ)の分割画像を組み合わせても図形は完成しないため(図12(a)参照)、文書の改竄を検出することができる。
【0045】
但し、単純な記号や図形などでは、隣り合っていない用紙(連続していないページ)の分割画像を組み合わせて付加画像が形成される場合がある。例えば、1枚目と2枚目の用紙を跨ぐ位置に△の図形を形成し、2枚目と3枚目の用紙を跨ぐ位置に▽の図形を形成した場合、2枚目の用紙を抜いて1枚目と3枚目の用紙を組み合わせると◇の図形が形成される場合があり、この場合は、この◇の図形が付加画像として正しい図形であるか否かを判断することができない。
【0046】
そこで、単純な記号や図形などを用いる場合は、図12(b)に示すように、その用紙に合成する分割画像の元となる付加画像を表す画像(付加画像そのものでもよいし、付加画像を拡大/縮小した画像でもよい。これらを総称して基準画像と呼ぶ。)を各々の用紙(ページ)に合成し、その基準画像を参照することによって、分割画像を組み合わせた画像が正しい付加画像であるか否かを確認することができる。なお、ここでは付加画像が単純な記号や図形などの場合に基準画像を合成する構成としたが、付加画像が印鑑の印影やサインなどの場合であっても、同様に基準画像を合成することによって改竄を確実に検出することができる。
【0047】
次に、本実施例の画像処理装置10を用いて付加画像を合成する手順について、図13のフローチャート図を参照して説明する。
【0048】
まず、ユーザ操作に従って、分割画像(割り印)を合成する文書データを取得する(S101)。この文書データは、画像処理装置10の記憶部12などに記憶されている文書データとしてもよいし、通信部13を介して接続されたコンピュータ装置やサーバなどから取得した文書データとしてもよい。また、画像処理装置10に画像読取部16を備える場合は画像読取部16で読み取った文書データとしてもよい。
【0049】
次に、ユーザ操作に従って、分割画像を合成するか否かを判断し(S102)、分割画像を合成しない場合は処理を終了する。一方、分割画像を合成する場合は、分割画像を自動的に作成するか否かを判断する(S103)。
【0050】
分割画像を自動的に作成しない場合は、付加画像取得部11aは、予め記憶部12などに記憶されている付加画像(印影)を取得し、ユーザ操作に従って、文書が印刷される用紙を長辺同士又は短辺同士が当接又は相重なるように順番に並べた時に、隣り合う用紙を跨ぐ位置に付加画像を配置し、付加画像加工部11cは、隣り合う用紙の境界で付加画像を分割して分割画像を作成する(S104)。その後、画像処理部17は、各用紙に印刷される文書の画像に分割画像を合成して印刷データを作成し、印刷部18は、この印刷データに基づいて印刷を実行する(S105)。
【0051】
一方、分割画像を自動的に作成する場合は、付加画像取得部11aは、予め記憶部12などに記憶されている付加画像を取得し、付加画像加工部11cは、乱数発生部11bで発生した乱数に基づいて、付加画像の分割位置、形成位置、回転角、倍率、縦横比率の中から選択される1以上の形態を設定し、隣り合う用紙を跨ぐ位置に、設定した形態の付加画像を配置し、隣り合う用紙の境界で付加画像を分割して分割画像を作成する(S106)。次に、必要に応じて、制御部11(表示制御部)は、表示部15に、分割画像を合成したページのプレビュー画像を表示し(S107)、ユーザが確認したら、画像処理部17は、各用紙に印刷される文書の画像に分割画像を合成した印刷データを作成し、印刷部18は、この印刷データに基づいて印刷を実行する(S108)。
【0052】
次に、ユーザ認証を行う場合の手順について、図14のフローチャート図を参照して説明する。
【0053】
まず、制御部11は、表示部15に所定の認証画面を表示させて、ユーザにサインインを促す(S201)。そして、ユーザがIDやパスワードなどを入力してサインインすると、制御部11は、予め記憶部12に記憶されたユーザ情報に基づいて、サインインしたユーザを認証する(S202)。
【0054】
ユーザが認証されたら、ユーザ操作に従って、分割画像(割り印)を合成する文書データを取得し(S203)、分割画像を自動的に作成するか否かを判断する(S204)。
【0055】
分割画像を自動的に作成しない場合は、付加画像取得部11aは、予め記憶部12などに記憶されている付加画像(印影)を取得し、ユーザ操作に従って、隣り合う用紙を跨ぐ位置に付加画像を配置する(S205)。
【0056】
次に、制御部11は、付加画像がログインユーザに関連付けて登録されているかを判断し(S206)、付加画像が登録されている場合は、付加画像加工部11cは、ユーザ操作に従って、任意の分割位置、形成位置、回転角度、倍率、縦横比率で付加画像を加工し(S207)、画像処理部17は、各用紙に印刷される文書の画像に分割画像を合成した印刷データを作成し、印刷部18は、この印刷データに基づいて印刷を実行する(S208)。また、付加画像が登録されていない場合は、制御部11は、ユーザに印鑑の登録漏れを通知する画面を表示部に表示させて(S209)、処理を終了する。
【0057】
一方、分割画像を自動的に作成する場合は、付加画像取得部11aは、予め記憶部12などに記憶されている付加画像を取得し、付加画像加工部11cは、乱数発生部11bで発生した乱数に基づいて、付加画像の分割位置、形成位置、回転角、倍率、縦横比率の中から選択される1以上の形態を設定し、隣り合う用紙を跨ぐ位置に、設定した形態の付加画像を配置し、隣り合う用紙の境界で付加画像を分割して分割画像を作成する(S210)。次に、必要に応じて、制御部11(表示制御部)は、表示部15に、分割画像を合成したページのプレビュー画像を表示し(S211)、ユーザが確認したら、画像処理部17は、各用紙に印刷される文書の画像に分割画像を合成した印刷データを作成し、印刷部18は、この印刷データに基づいて印刷を実行する(S212)。
【0058】
次に、付加画像をランダムに加工、分割する処理について、図15のフローチャート図を参照して説明する。
【0059】
まず、ユーザに付加画像(印影)を選択させ(S301)、制御部11は、選択された付加画像を一時メモリに記憶する(S302)。
【0060】
次に、付加画像加工部11cは、乱数発生部11bで発生した乱数に基づいて、回転角、X方向の拡大縮小倍率、Y方向の拡大縮小倍率、X方向の形成位置、Y方向の分割位置の少なくとも1つを計算して(S302〜S307)、付加画像の加工条件を設定する。
【0061】
次に、付加画像加工部11cは、一時メモリに記憶した付加画像を読み出し、設定した回転角、拡大縮小倍率、形成位置、分割位置に基づいて、分割画像A、Bを作成する(S308)。そして、通常の片面印刷の場合は、分割画像Aをpページの文書画像に合成し(S309)、分割画像Bをp+1ページの文書画像に合成する(S310)。
【0062】
そして、全てのページの処理が終了したかを判断し(S311)、未処理のページがあれば、S303に戻って同様の処理を繰り返す。
【0063】
以上説明したように、本実施例の画像処理装置10は、ユーザが付加画像の合成を指示すると、予め記憶若しくはスキャンして得た付加画像を加工し、文書が印刷される用紙を長辺同士又は短辺同士が当接又は相重なるように順番に並べた時に、隣り合う用紙を跨ぐ位置に付加画像を配置し、隣り合う用紙の境界で付加画像を分割して分割画像を作成し、各々の用紙に印刷される文書の画像に当該用紙に対応する分割画像を合成するため、分割画像を組み合わせて付加画像が完成するか否かに基づいて、文書が適正に印刷されているかを確認することができる。
【実施例2】
【0064】
次に、本発明の第2の実施例に係る画像処理装置及び印刷制御プログラムについて、図16乃至図18を参照して説明する。図16は、本実施例の印刷制御システムの構成を模式的に示す図であり、図17は、本実施例の印刷制御装置の構成を示すブロック図である。また、図18は、本実施例の印刷制御装置の動作を示すフローチャート図である。
【0065】
前記した第1の実施例では、画像処理装置10単体で動作する場合を示したが、例えば、図16に示すように、画像処理装置10に印刷を指示する印刷制御装置20が接続されるシステムにおいて、印刷制御装置20側で、文書に分割画像(割り印)を合成する処理を実行することもできる。
【0066】
この印刷制御装置20は、制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、表示部25などで構成される。
【0067】
制御部21は、CPUとROMやRAMなどのメモリとで構成され、CPUは、ROMや記憶部22に記憶したプログラムをRAMに展開して実行し、印刷制御装置20全体を制御する。また、制御部21は、文書データを画像処理装置10が読み取り可能な言語(PCL(Printer Control Language)やPostScriptなどのPDL(Page Description Language))の印刷データに変換するプリンタドライバとして機能し、このプリンタドライバは、文書に付加する印影やサイン、記号、図形などの付加画像を記憶部22などから取得する付加画像取得部21a、付加画像の形態を設定するための乱数を発生する乱数発生部21b、必要に応じて乱数に基づいて付加画像を加工し、文書が印刷される用紙を長辺同士又は短辺同士が当接又は相重なるように順番に並べた時に、隣り合う用紙を跨ぐ位置に付加画像を配置し、隣り合う用紙の境界で付加画像を分割して分割画像を作成する付加画像加工部21c、各々の用紙に印刷される文書の画像に当該用紙に対応する分割画像を合成する画像処理部21dなどとして機能する。また、プリンタドライバは、必要に応じて、分割画像を合成したページのプレビューを表示部25に表示させる表示制御部としても機能する。
【0068】
記憶部22は、HDDなどで構成され、付加画像のデータやユーザ認証のためのユーザ情報、文書データ、プログラムなどを記憶する。
【0069】
通信部23は、NICやモデムなどのインターフェースであり、印刷制御装置20をLANやWANなどの通信ネットワークに接続し、文書データの送受信などを行う。
【0070】
操作部24は、マウスやキーボードなどであり、文書に付加画像を合成する指示や付加画像を選択する操作、付加画像の形態を変更する操作などを可能にする。
【0071】
表示部25は、LCDなどで構成され、文書に付加画像を合成する指示を受け付ける画面、付加画像を選択する画面、付加画像を合成した文書のプレビューを表示する画面、プリンタドライバの設定画面などを表示する。
【0072】
なお、画像処理装置10の構成は前記した第1の実施例と同様であるが、本実施例では、印刷制御装置20側で文書に分割画像(割り印)を合成する処理を実行するため、画像処理装置10の制御部11を、付加画像取得部11a、乱数発生部11b、付加画像加工部11cとして機能させる必要はない。
【0073】
次に、本実施例の印刷制御装置20を用いて付加画像を合成する手順について、図18のフローチャート図を参照して説明する。
【0074】
まず、ユーザ操作に従って、分割画像(割り印)を合成する文書データを取得する(S401)。この文書データは、印刷制御装置20の記憶部22などに記憶されている文書データとしてもよいし、アプリケーションを用いて作成した文書データとしてもよいし、通信部13を介して接続されたサーバなどから取得した文書データとしてもよい。
【0075】
次に、ユーザ操作に従って、分割画像を合成するか否かを判断し(S402)、分割画像を合成しない場合は処理を終了する。一方、分割画像を合成する場合は、分割画像を自動的に作成するか否かを判断する(S403)。
【0076】
分割画像を自動的に作成しない場合は、付加画像取得部21aは、予め記憶部22などに記憶されている付加画像(印影)を取得し、ユーザ操作に従って、文書が印刷される用紙を長辺同士又は短辺同士が当接又は相重なるように順番に並べた時に、隣り合う用紙を跨ぐ位置に付加画像を配置し、付加画像加工部21cは、隣り合う用紙の境界で付加画像を分割して分割画像を作成する(S404)。その後、画像処理部21dは、各用紙に印刷される文書の画像に分割画像を合成し、プリンタドライバは、印刷データを作成する(S405)。
【0077】
一方、分割画像を自動的に作成する場合は、付加画像取得部21aは、予め記憶部22などに記憶されている付加画像を取得し、付加画像加工部21cは、乱数発生部21bで発生した乱数に基づいて、付加画像の分割位置、形成位置、回転角、倍率、縦横比率の中から選択される1以上の形態を設定し、隣り合う用紙を跨ぐ位置に、設定した形態の付加画像を配置し、隣り合う用紙の境界で付加画像を分割して分割画像を作成する(S406)。次に、必要に応じて、制御部21(表示制御部)は、表示部25に、分割画像を合成したページのプレビュー画像を表示し(S407)、ユーザが確認したら、画像処理部21dは、各用紙に印刷される文書の画像に分割画像を合成し、プリンタドライバは、印刷データを作成する(S408)。
【0078】
このように、本実施例の印刷制御装置20は、ユーザが付加画像の合成を指示すると、予め記憶した付加画像を加工して分割し、文書が印刷される用紙を長辺同士又は短辺同士が当接又は相重なるように順番に並べた時に、隣り合う用紙を跨ぐ位置に付加画像を配置し、隣り合う用紙の境界で付加画像を分割して分割画像を作成し、各々の用紙に印刷される文書の画像に当該用紙に対応する分割画像を合成するため、分割画像を組み合わせて付加画像が完成するか否かに基づいて、文書が適正に印刷されているかを確認することができる。
【実施例3】
【0079】
次に、本発明の第3の実施例に係る画像処理装置及び印刷制御プログラムについて、図19を参照して説明する。図19は、本実施例の印刷制御システムの構成を模式的に示す図である。
【0080】
前記した第2の実施例では、印刷制御装置20が画像処理装置10に印刷指示を行う場合について示したが、近年の画像処理装置10は、図19に示すように、表示デバイスを備えた電子ペーパーや電子ブックなどの情報閲覧装置30を保持装置40で挿抜可能に保持するものもあり、このような画像処理装置10では、文書を紙媒体に印刷するか、情報閲覧装置30に表示させるかが選択可能である。
【0081】
上記構成において、例えば、情報閲覧装置30で文書データを閲覧した後、画像処理装置10に印刷を指示する場合は、情報閲覧装置30に、文書に付加する印影やサイン、記号、図形などの付加画像を記憶部などから取得する付加画像取得部、付加画像の形態を設定するための乱数を発生する乱数発生部、必要に応じて乱数に基づいて付加画像を加工し、隣り合う用紙を跨ぐ位置に付加画像を配置し、文書が印刷される用紙を長辺同士又は短辺同士が当接又は相重なるように順番に並べた時に、隣り合う用紙の境界で付加画像を分割して分割画像を作成する付加画像加工部、各々の用紙に印刷される文書の画像に当該用紙に対応する分割画像を合成する画像処理部、分割画像を合成したページのプレビューを表示部に表示させる表示制御部などとしての機能を持たせることにより、分割画像が合成された文書を印刷することができる。また、情報閲覧装置30にタッチパネルを備える場合は、タッチパネル上で描画したサインや記号、図形などを付加画像として文書に合成することができる。
【0082】
また、第1の情報閲覧装置30に表示されている文書データを、第2の情報閲覧装置30に表示させる際に、第1の情報閲覧装置30で文書に付加画像を配置して第2の情報閲覧装置30に送信し、第2の情報閲覧装置30では各ページに分割画像(割り印)が合成された文書を表示させることも可能である。
【0083】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、その構成や制御は適宜変更可能である。
【0084】
例えば、上記各実施例では、文書が印刷される用紙を長辺同士又は短辺同士が当接又は相重なるように順番に並べた時に、隣り合う2枚の用紙(連続する2ページ)を跨ぐ位置に付加画像を合成する場合について記載したが、例えば、4枚の用紙(連続する4ページ)を跨ぐ位置に(すなわち、4枚の用紙を2行2列に配置し、それらの用紙の角が集合する部分に)付加画像を合成する構成とすることもができる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、文書に改竄を検出するための処理を行って印刷若しくは印刷指示を行う装置及び当該装置で動作するプログラム並びに当該装置を含むシステムに利用可能である。
【符号の説明】
【0086】
10 画像処理装置
11 制御部
11a 付加画像取得部
11b 乱数発生部
11c 付加画像加工部
12 記憶部
13 通信部
14 操作部
15 表示部
16 画像読取部
17 画像処理部
18 印刷部
20 印刷制御装置
21 制御部
21a 付加画像取得部
21b 乱数発生部
21c 付加画像加工部
21d 画像処理部
22 記憶部
23 通信部
24 操作部
25 表示部
30 情報閲覧装置
40 保持装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークに接続された機器から取得した文書、若しくは、画像読取部で読み取った文書を加工して印刷データを作成する画像処理装置であって、
前記文書に合成する付加画像を取得する付加画像取得部と、
前記文書が印刷される用紙を長辺同士又は短辺同士が当接又は相重なるように順番に並べた時に、隣り合う用紙を跨ぐ位置に前記付加画像を配置し、前記隣り合う用紙の境界で前記付加画像を分割して、各々の用紙に対応する分割画像を作成する付加画像加工部と、
前記各々の用紙に印刷される文書の画像に当該用紙に対応する前記分割画像を合成して、印刷データを作成する画像処理部と、を備える、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
乱数を発生する乱数発生部、を更に備え、
前記付加画像加工部は、前記乱数に基づいて前記付加画像の形態を変更し、各々の前記隣り合う用紙を跨ぐ位置に、形態が異なる前記付加画像を配置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記付加画像の形態は、前記付加画像の形成位置、分割位置、回転角、倍率、縦横比率のいずれか1つを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像処理部は、更に、前記各々の用紙に印刷される文書の画像に当該用紙に対応する前記分割画像の元となる前記付加画像を識別可能に合成する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記分割画像を合成したページのプレビューを表示部に表示させる表示制御部を更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記付加画像は、印鑑の印影、サイン、記号、図形のいずれかである、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の画像処理装置。
【請求項7】
文書の印刷を指示する装置で動作する印刷制御プログラムであって、
前記装置を、
前記文書に合成する付加画像を取得する付加画像取得部、
前記文書が印刷される用紙を長辺同士又は短辺同士が当接又は相重なるように順番に並べた時に、隣り合う用紙を跨ぐ位置に前記付加画像を配置し、前記隣り合う用紙の境界で前記付加画像を分割して、各々の用紙に対応する分割画像を作成する付加画像加工部、
前記各々の用紙に印刷される文書の画像に当該用紙に対応する前記分割画像を合成して、印刷データを作成する画像処理部、として機能させる、
ことを特徴とする印刷制御プログラム。
【請求項8】
前記装置を、更に、
乱数を発生する乱数発生部、として機能させ、
前記付加画像加工部は、前記乱数に基づいて前記付加画像の形態を変更し、各々の前記隣り合う用紙を跨ぐ位置に、形態が異なる前記付加画像を配置する、
ことを特徴とする請求項7に記載の印刷制御プログラム。
【請求項9】
前記付加画像の形態は、前記付加画像の形成位置、分割位置、回転角、倍率、縦横比率のいずれか1つを含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の印刷制御プログラム。
【請求項10】
前記画像処理部は、更に、前記各々の用紙に印刷される文書の画像に当該用紙に対応する前記分割画像の元となる前記付加画像を識別可能に合成する、
ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一に記載の印刷制御プログラム。
【請求項11】
前記装置を、更に、
前記分割画像を合成したページのプレビューを表示部に表示させる表示制御部、として機能させる、
ことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか一に記載の印刷制御プログラム。
【請求項12】
前記付加画像は、印鑑の印影、サイン、記号、図形のいずれかである、
ことを特徴とする請求項7乃至11のいずれか一に記載の印刷制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−119789(P2012−119789A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265708(P2010−265708)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】