説明

画像処理装置及び画像処理プログラム

【課題】連続階調領域と平坦領域が複合した領域に対しても、連続階調領域、平坦領域のいずれかであると判定してしまうことを防止するようにした画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置の受付手段は画像を受け付け、分離手段は画像内の第1の領域を分離し、抽出手段は、前記分離手段によって分離された第1の領域内の予め定められた関係を有する色の第2の領域を抽出し、取得手段は、前記抽出手段によって抽出された第2の領域の形状に関する特徴を取得し、第1の判定手段は、前記取得手段によって取得された特徴に基づいて、前記第2の領域は平坦であるか否かを判定し、第2の判定手段は、前記分離手段によって分離された第1の領域における前記第1の判定手段によって平坦であると判定された第2の領域の割合に基づいて、該第1の領域の属性として、連続階調領域、平坦領域、連続階調領域と平坦領域が複合した領域のいずれかであることを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像の領域分離に関する技術がある。
これに関連する技術として、例えば、特許文献1には、自然画像、人工画が合成された複合画像に応じて適正な補正を行うことを課題とし、画像データを取り込み、画像が自然画像か、人工画が合成された複合画像かを判定し、自然画像の場合は自動セットアップを行って記録し、複合画像の場合は自動セットアップを行うことなく、又は自然画像領域部分のみについて自動セットアップを行って記録することが開示されている。
【0003】
また、例えば、特許文献2には、自然画像とCG(Computer Graphics)画像との合成画像に対して画像処理を施すことを課題とし、合成画像を自然画像の領域とCG画像の領域とに分離し、自然画像の領域内のデータに基づいて画像処理パラメータを算出し、合成画像に画像処理を施して中間処理済み合成画像を得て、中間処理済み合成画像に含まれる自然画像に対応する領域及び合成画像に含まれるCG画像に対応する領域を合成して、処理済み合成画像を得ることが開示されている。
【0004】
また、例えば、特許文献3には、文書画像上での写真領域の識別誤りを少なくできることを課題とし、前処理手段は入力された画像の色数を所定の数に減色し、背景色抽出手段は文書画像の背景色を特定し、部分領域抽出手段は背景色と異なる色の画素が連結した部分領域を抽出し、画素色数抽出手段は部分領域の画素色の数を求め、写真領域判定手段は画素色の数と、予め定められた所定の値とを比較して、部分領域が写真領域であるか否かを識別し、これにより、多値画像として入力された文書画像から写真領域を正確に誤りなく識別できるようになることが開示されている。
【0005】
また、例えば、特許文献4には、多値画像に対して画素色の情報に加え、領域を構成する成分の形状情報を有効に利用することにより、識別誤りが少ない写真領域の識別が可能なことを課題とし、入力された文書画像に対して背景色を特定し、背景色以外の画素が連結した部分領域を抽出し、部分領域から等色連結成分を抽出し、部分領域における等色連結成分の特徴を抽出し、特徴としては、部分領域を構成する等色連結成分の色の種類の数を求め、色の種類の数を予め定めてあったしきい値と比較し、しきい値よりも大きければ、当該部分領域を写真領域と判定し、部分領域を構成する等色連結成分の色の数を用いれば、簡単に高精度で多値画像から写真領域を抽出できることが開示されている。
【0006】
また、例えば、特許文献5には、分割された測光データから高精度に撮影シーンを表す指標を算出し、その算出された指標に基づいて好ましい撮影画像データを得ることを課題とし、撮像装置のプロセッサは、予備撮影によって得られる全体画像を複数の分割領域からなる分割画像として取得する全体画像取得部と、全体画像の各分割領域について、色情報を取得する色情報取得部と、取得された色情報に基づいて、各分割領域を、明度と色相の組み合わせからなる所定の階級に分類し、分類された階級毎に、当該階級に属する分割領域が全体画像に占める割合を示す第1の占有率を算出する占有率算出部と、第1の占有率に、撮影条件に応じて予め設定された2種類の異なる係数を乗算することにより、撮影シーンを特定するための第1の指標及び第2の指標を算出する指標算出部を備えることが開示されている。
【0007】
また、例えば、特許文献6には、画像から特徴量として色特徴を抽出し、この色特徴に基づいて画像間の比較を行う画像特徴量比較装置を提供することを課題とし、画像の各画素のRGB値をHSL値に変換し、色を特定する複数の色要素の値に基づいて複数の色グループに色を分類するための分類情報を有する色グループ分類テーブルを参照し、画像を構成する各画素の色を色グループ毎にカウントし、色グループ内にカウントされた画素の色要素の値に基づいて各色グループの平均色を求め、色グループ内にカウントされた画素が画像全体に占める割合である占有率を色グループ毎に算出し、色グループの平均色と占有率とを画像の色特徴として色グループ毎に抽出することが開示されている。
【0008】
また、例えば、特許文献7には、撮影画面内の被写体の中の人物を正確に検出することを課題とし、画像作成部で測距部から入力された複数の被写体距離(多点測距値)を用いて撮影画面の各測距点に被写体距離をプロットしてなる距離画像を作成し、領域分割処理部で同一の距離範囲を有する領域毎に撮影画面を分割し、幅寸法演算部で分割領域毎に水平方向の最大幅寸法を演算し、撮影倍率演算部で分割領域毎に撮影倍率を演算し、特徴得点演算部で分割領域毎に幅寸法、撮影倍率、被写体距離及び被写体輝度が所定の得点化関数を用いて人物らしさの度合いを示す特徴得点に変換し、人物判定部で分割領域毎に特徴得点を用いて分割領域に対応する被写体が人物であるか否かを判定し、複数種類の特徴量を特徴得点に変換して人物判定を行うことで、人物判定の精度を高めたことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−222564号公報
【特許文献2】特開2004−118717号公報
【特許文献3】特開2004−062459号公報
【特許文献4】特開2004−110434号公報
【特許文献5】特開2006−333205号公報
【特許文献6】特開平11−096364号公報
【特許文献7】特開2002−296489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、連続階調領域と平坦領域が複合した領域に対しても、連続階調領域、平坦領域のいずれかであると判定してしまうことを防止するようにした画像処理装置及び画像処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
請求項1の発明は、画像を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって受け付けられた画像内の第1の領域を分離する分離手段と、前記分離手段によって分離された第1の領域内の予め定められた関係を有する色の第2の領域を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された第2の領域の形状に関する特徴を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された特徴に基づいて、前記第2の領域は平坦であるか否かを判定する第1の判定手段と、前記分離手段によって分離された第1の領域における前記第1の判定手段によって平坦であると判定された第2の領域の割合に基づいて、該第1の領域の属性として、連続階調領域、平坦領域、連続階調領域と平坦領域が複合した領域のいずれかであることを判定する第2の判定手段を具備することを特徴とする画像処理装置である。
【0012】
請求項2の発明は、前記第2の判定手段によって連続階調領域と平坦領域が複合した領域であると判定された領域のうち、連続階調領域又は平坦領域を特定する特定手段をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
【0013】
請求項3の発明は、前記特定手段によって平坦領域と特定された領域と前記第2の判定手段によって平坦領域と判定された領域に基づいて、前記受付手段によって受け付けられた画像内の平坦領域を統合する平坦領域統合手段と、前記特定手段によって連続階調領域と特定された領域と前記第2の判定手段によって連続階調領域と判定された領域に基づいて、前記受付手段によって受け付けられた画像内の連続階調領域を統合する連続階調領域統合手段をさらに具備することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置である。
【0014】
請求項4の発明は、前記取得手段は、前記抽出手段によって抽出された第2の領域の外周を形成する画素である外周画素について、隣接する該外周画素間の距離に基づいて、該第2の領域の形状に関する特徴を取得することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
【0015】
請求項5の発明は、前記第2の判定手段は、前記第1の領域の連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさを抽出し、該連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさと前記第2の領域の割合に基づいて、該第1の領域の属性として、連続階調領域、平坦領域、連続階調領域と平坦領域が複合した領域のいずれかであることを判定することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
【0016】
請求項6の発明は、コンピュータを、画像を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって受け付けられた画像内の第1の領域を分離する分離手段と、前記分離手段によって分離された第1の領域内の予め定められた関係を有する色の第2の領域を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された第2の領域の形状に関する特徴を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された特徴に基づいて、前記第2の領域は平坦であるか否かを判定する第1の判定手段と、前記分離手段によって分離された第1の領域における前記第1の判定手段によって平坦であると判定された第2の領域の割合に基づいて、該第1の領域の属性として、連続階調領域、平坦領域、連続階調領域と平坦領域が複合した領域のいずれかであることを判定する第2の判定手段として機能させるための画像処理プログラムである。
【0017】
請求項7の発明は、前記第1の判定手段は、前記第2の領域が、複数種の平坦領域のいずれか又は平坦領域ではない領域、のうちいずれかの領域であるかを複数の閾値に基づいて判定し、前記第2の判定手段は、前記分離手段によって分離された第1の領域における前記第1の判定手段によって判定された複数種の平坦領域のいずれか又は該平坦領域の組み合わせの割合に基づいて、該第1の領域の属性として、連続階調領域、平坦領域、連続階調領域と平坦領域が複合した領域のいずれかであることを判定することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
【0018】
請求項8の発明は、前記第2の判定手段は、前記第1の領域の連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさを抽出し、該連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさに基づいて、前記分離手段によって分離された第1の領域における前記第1の判定手段によって複数種のいずれか又は該領域の組み合わせの割合と比較する閾値を決定することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置である。
【0019】
請求項9の発明は、前記第2の判定手段は、前記抽出した連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさと予め定められた値と比較することによって、連続階調領域らしいと判断した場合は、前記閾値を連続階調領域又は連続階調領域と平坦領域が複合した領域と判定されやすい値に決定し、平坦領域らしいと判断した場合は、前記閾値を平坦領域は連続階調領域と平坦領域が複合した領域と判定されやすい値に決定することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置である。
【0020】
請求項10の発明は、前記第2の判定手段は、前記抽出した連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさと予め定められた値と比較することによって、連続階調領域らしいと判断した場合、平坦領域らしいと判断した場合、連続階調領域と平坦領域のいずれでもないと判断した場合で、前記閾値を異ならせるように決定することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置である。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の画像処理装置によれば、連続階調領域と平坦領域が複合した領域に対しても、連続階調領域、平坦領域のいずれかであると判定してしまうことを防止することができる。
【0022】
請求項2の画像処理装置によれば、連続階調領域と平坦領域が複合した領域のうち、平坦領域又は連続階調領域を特定することができる。
【0023】
請求項3の画像処理装置によれば、連続階調領域と平坦領域が複合した領域のうちの連続階調領域を他の連続階調領域と統合し、連続階調領域と平坦領域が複合した領域のうちの平坦領域を他の平坦領域と統合することができる。
【0024】
請求項4の画像処理装置によれば、本構成を有していない場合に比較して、高速に領域の形状に関する特徴を取得することができる。
【0025】
請求項5の画像処理装置によれば、本構成を有していない場合に比較して、精度よく連続階調領域、平坦領域、連続階調領域と平坦領域が複合した領域のいずれかであることを判定することができる。
【0026】
請求項6の画像処理プログラムによれば、連続階調領域と平坦領域が複合した領域に対しても、連続階調領域、平坦領域のいずれかであると判定してしまうことを防止することができる。
【0027】
請求項7の画像処理装置によれば、本構成を有していない場合に比較して、誤った判定を減少させることができる。
【0028】
請求項8の画像処理装置によれば、第1の領域の連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさに基づいて、判定に用いる閾値を決定することができる。
【0029】
請求項9の画像処理装置によれば、連続階調領域らしいと判断した場合は、閾値を連続階調領域又は連続階調領域と平坦領域が複合した領域と判定されやすい値に決定し、平坦領域らしいと判断した場合は、閾値を平坦領域は連続階調領域と平坦領域が複合した領域と判定されやすい値に決定することができる。
【0030】
請求項10の画像処理装置によれば、連続階調領域らしいと判断した場合、平坦領域らしいと判断した場合、連続階調領域と平坦領域のいずれでもないと判断した場合で、閾値を異ならせるように決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】第1の実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
【図2】第1の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【図3】画像受付モジュールが受け付ける対象画像の例である。
【図4】第1の実施の形態による処理例の概要を示す説明図である。
【図5】均一色領域抽出モジュールによる処理例を示す説明図である。
【図6】均一色領域抽出モジュールによる処理例を示す説明図である。
【図7】形状特徴取得モジュールによる処理例を示す説明図である。
【図8】形状特徴取得モジュールによる処理例を示す説明図である。
【図9】平坦領域候補判定モジュールによる処理例を示すフローチャートである。
【図10】属性判定モジュールによる処理例を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
【図12】第2の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【図13】第2の実施の形態による処理例の概要を示す説明図である。
【図14】属性判定モジュールによる処理例を示すフローチャートである。
【図15】均一色領域の例を示す説明図である。
【図16】写真領域と平坦色領域に含まれる均一色領域が取り得る範囲の例を模式的に示す説明図である。
【図17】写真領域に含まれる均一色領域を1つの閾値と比較した例を示す説明図である。
【図18】平坦色領域に含まれる均一色領域を1つの閾値と比較した例を示す説明図である。
【図19】写真領域と平坦色領域に含まれる均一色領域が取り得る範囲と1つの閾値との関係の例を模式的に示す説明図である。
【図20】写真領域と平坦色領域に含まれる均一色領域が取り得る範囲と複数の閾値との関係の例を模式的に示す説明図である。
【図21】写真領域に含まれる均一色領域が取り得る範囲と複数の閾値との関係の例を模式的に示す説明図である。
【図22】平坦色領域に含まれる均一色領域が取り得る範囲と複数の閾値との関係の例を模式的に示す説明図である。
【図23】第3の実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
【図24】第3の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【図25】属性判定モジュールによる処理例を示すフローチャートである。
【図26】属性判定モジュールの判定ルールの例を示す説明図である。
【図27】属性判定モジュールの判定ルールの例を示す説明図である。
【図28】属性判定モジュールの判定ルール1と判定ルール2における閾値の関係例を示す説明図である。
【図29】属性判定モジュールの判定ルール1と判定ルール2の関係例を示す説明図である。
【図30】属性判定モジュールの複数の判定ルールの関係例を示す説明図である。
【図31】本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な各種の実施の形態の例を説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するの意である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態に応じて、又はそれまでの状況・状態に応じて定まることの意を含めて用いる。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0033】
第1の実施の形態である画像処理装置は、連続階調領域(以下、具体的な例示として写真領域ともいう)と平坦領域の複合されている領域を検知し、その複合領域から連続階調領域と平坦領域を特定するものであって、図1の例に示すように、画像受付モジュール110、領域分離モジュール120、属性判定処理モジュール165、領域判定モジュール170、出力モジュール180を有している。また、属性判定処理モジュール165は、均一色領域抽出モジュール130、形状特徴取得モジュール140、平坦領域候補判定モジュール150、属性判定モジュール160を有している。
【0034】
画像受付モジュール110は、領域分離モジュール120と接続されている。画像受付モジュール110は、対象となる画像を受け付けて、その画像を領域分離モジュール120へ渡す。画像を受け付けるとは、例えば、スキャナ、カメラ等で画像を読み込むこと、ファックス等で通信回線を介して外部機器から画像を受信すること、ハードディスク(コンピュータに内蔵されているものの他に、ネットワークを介して接続されているもの等を含む)等に記憶されている画像を読み出すこと等が含まれる。画像は、2値画像、多値画像(カラー画像を含む)であってもよく、以下ではカラー画像を例示する。受け付ける画像は、1枚であってもよいし、複数枚であってもよい。また、画像の内容として、ビジネスに用いられる文書、広告宣伝用のパンフレット等であってもよい。
図3は、画像受付モジュール110が受け付ける対象画像300の例である。対象画像300内には、領域310、領域320、領域330、領域340がある。
【0035】
領域分離モジュール120は、画像受付モジュール110、均一色領域抽出モジュール130と接続されている。領域分離モジュール120は、画像受付モジュール110によって受け付けられた画像内の第1の領域を分離する。ここでの第1の領域とは、多値画像(カラー画像を含む)、スクリーン等を用いた2値画像で表現されることが適している画像であり、例えば、写真等の自然画像、着色されたグラフ等のCG画像等に代表される人工画像、これらを組み合わせた画像が該当し、絵柄領域といわれる。逆に、第1の領域ではない画像とは、2値画像で表現されることが適している画像(ただし、カラー画像であってもよい)であり、例えば、文字、表、図形等によって構成される画像領域である。
前述の図3の例では、対象画像300内の領域310、領域320、領域330が第1の領域に該当する。領域310は着色されたグラフであり、領域320は写真画像であり、領域340は写真画像とCG画像の組み合わせ画像である。なお、文字によって構成されている領域330は、第1の領域としては分離されない。
分離方法は、従来の画像分離技術を用いればよい。例えば、画素値の分布等を解析して、多値画像部分の矩形領域を第1の領域として抽出すればよい。
【0036】
なお、第1の領域には自然画像とCG画像等の人工画像の組み合わせ画像があり得るが、写真等の自然画像は連続階調の画像の領域であり、CG画像等の人工画像は均一色の画像の領域であることが一般的である。ただし、スキャナ等で画像を読み込んだ場合は、ノイズ等の影響のため、人工画像の均一色の画像であっても画素値の変動が生じることになり、均一色であることを用いて人工画像を抽出する場合は画素値が予め定められた範囲内にあるとせざるを得ず、そうした場合は、逆に写真等の自然画像にも均一色の画像の領域が発生することになる。ただし、写真等の自然画像の均一色の画像は人工画像に比べると複雑であることが一般的であり、CG画像等の人工画像は自然画像に比べると単純(例えば、直線、円弧等の外形であることが多い)であることが一般的である。
【0037】
均一色領域抽出モジュール130は、領域分離モジュール120、形状特徴取得モジュール140と接続されている。均一色領域抽出モジュール130は、領域分離モジュール120によって分離された第1の領域内の予め定められた関係を有する色の第2の領域を抽出する。ここで「予め定められた関係を有する色」とは、本実施の形態では均一色のことである。ここでの第2の領域とは、第1の領域内に含まれている画像であり(第2の領域が第1の領域そのものである場合も含む)、均一色で構成されている画像である。ただし、均一色とは、画素値が完全同一である画像のみならず、画素値が予め定められた範囲内にある画像である場合も含む。例えば、第1の領域内で主要となっている色を検出し、その主要色で2値化し、領域を抽出すればよい。また、ラベリング技術を用いて、画素値が予め定められた範囲内にある画素が連結している領域を抽出するようにしてもよい。なお、主要となっている色の検出としては、例えば、画素数が予め定められた数以上の色(予め定められた範囲内にある画素値、以下同じ)、画素数が予め定められた割合以上の色、画素数が多い順番から予め定められた順番以内の色等を検出することである。また、画素値の投影分布に基づいて、分布が他の位置よりも大である箇所を抽出するようにしてもよい。また、第1の領域内の画素を開始点とし、隣接する画素との画素値の差を検出し、画素値の差と予め定められた値とを比較して、予め定められた関係にある場合(例えば、画素値の差が予め定められた値以下(又は未満)である場合)にその画素を連結するという領域成長法を用いるようにしてもよい。具体的な例については、図6の例を用いて後述する。
なお、この第2の領域は、均一色の画像であるが、写真等の連続階調の画像内にも発生し得るものである。
【0038】
形状特徴取得モジュール140は、均一色領域抽出モジュール130、平坦領域候補判定モジュール150と接続されている。形状特徴取得モジュール140は、均一色領域抽出モジュール130によって抽出された第2の領域の形状に関する特徴を取得する。形状特徴取得モジュール140は、均一色領域抽出モジュール130によって抽出された第2の領域の外周を形成する画素である外周画素について、隣接するその外周画素間の距離に基づいて、その第2の領域の形状に関する特徴を取得するようにしてもよい。例えば、第2の領域の上下左右から走査した場合に、最初の画素までの距離を計数し、隣接するその距離の差を算出し、形状に関する特徴とする。具体的な例については、図7、8の例を用いて後述する。
【0039】
平坦領域候補判定モジュール150は、形状特徴取得モジュール140、属性判定モジュール160と接続されている。平坦領域候補判定モジュール150は、形状特徴取得モジュール140によって取得された特徴に基づいて、第2の領域は平坦であるか否かを判定する。ここでの平坦である領域には、CG画像等である領域が少なくとも含まれる。写真等の連続階調の画像の一部も平坦である領域に含まれる場合がある。具体的な例については、図9の例を用いて後述する。
【0040】
属性判定モジュール160は、平坦領域候補判定モジュール150、領域判定モジュール170、出力モジュール180と接続されている。属性判定モジュール160は、領域分離モジュール120によって分離された第1の領域における平坦領域候補判定モジュール150によって平坦であると判定された第2の領域の割合に基づいて、その第1の領域の属性として、連続階調領域、平坦領域、連続階調領域と平坦領域が複合した領域のいずれかであることを判定する。ここでの割合とは、第1の領域の面積を分母とした場合に、その第1の領域における平坦であると判定された第2の領域の面積を分子とするものである。そして、その割合と予め定められた第1の値、予め定められた第2の値とを比較して、予め定められた第1の関係にある場合(例えば、割合が予め定められた第1の値以下(又は未満)である場合)に連続階調領域と判定し、予め定められた第2の関係にある場合(例えば、割合が予め定められた第2の値以上(又はより大)である場合)に平坦領域と判定し、予め定められた第3の関係にある場合(例えば、第1の値以上(又はより大)であって、第2の値以下(又は未満)である場合)に連続階調領域と平坦領域が複合した領域と判定するようにしてもよい。具体的な例については、図10の例を用いて後述する。
【0041】
また、属性判定モジュール160は、第1の領域の連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさを抽出し、その連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさと第2の領域の割合に基づいて、その第1の領域の属性として、連続階調領域、平坦領域、連続階調領域と平坦領域が複合した領域のいずれかであることを判定するようにしてもよい。
【0042】
領域判定モジュール170は、属性判定モジュール160、出力モジュール180と接続されている。領域判定モジュール170は、属性判定モジュール160によって連続階調領域と平坦領域が複合した領域であると判定された領域のうち、連続階調領域又は平坦領域を特定する。第1の領域のうち、連続階調領域と平坦領域が複合した領域であると判定された領域については、連続階調領域であることを示す情報又は平坦領域であることを示す情報を生成する。例えば、第1の領域に対してマスクする情報によって、連続階調領域又は平坦領域を特定してもよい。具体的な例については、図4の例を用いて後述する。
【0043】
出力モジュール180は、属性判定モジュール160、領域判定モジュール170と接続されている。出力モジュール180は、属性判定モジュール160の処理結果(第1の領域の属性(連続階調領域、平坦領域、連続階調領域と平坦領域が複合した領域のいずれかであること))と領域判定モジュール170の処理結果(連続階調領域と平坦領域が複合した領域のうち、連続階調領域又は平坦領域を特定する情報)を出力する。出力するとは、例えば、その処理結果を、プリンタ等の印刷装置で印刷すること、ディスプレイ等の表示装置に表示すること、メモリーカード等の記憶媒体に記憶すること、他の情報処理装置へ渡すこと等が含まれる。また、処理結果を渡された他の情報処理装置は、例えば、平坦領域と連続階調領域で文字の抽出方法を切り替えること等を行って、文字の抽出を行ったり、領域の特性に応じた圧縮、画像処理、画質調整を行う。
なお、第1の実施の形態としては、領域判定モジュール170はなくてもよい。その場合は、出力モジュール180は、属性判定モジュール160の処理結果を出力することになる。
【0044】
図2は、第1の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS202では、画像受付モジュール110が、画像を受け付ける。例えば、図3に示した対象画像300を受け付ける。
ステップS204では、領域分離モジュール120が、画像を領域に分離する。例えば、対象画像300内から絵柄領域である領域310、領域320、領域340を分離する。例えば、図4に示した領域310、領域320、領域340が、以下の処理での対象となる。なお、図4は、第1の実施の形態による処理例の概要を示す説明図である。
【0045】
ステップS206では、均一色領域抽出モジュール130が、絵柄領域内で、均一色領域を抽出する。抽出処理について、図5、6を用いて説明する。図5、6は、均一色領域抽出モジュール130による処理例を示す説明図である。例えば、図5(a)に示す領域320に対しては、図5(a1)、(a2)、(a3)に示す領域を抽出する。図5(a1)は主要色が青色としたものであり、図5(a2)は主要色が白色としたものであり、図5(a3)は主要色が緑色としたものである。また、例えば、図5(b)に示す領域310に対しては、図5(b1)、(b2)、(b3)に示す領域を抽出する。図5(b1)は主要色が赤色としたものであり、図5(b2)は主要色が青色としたものであり、図5(b3)は主要色が黄色としたものである。また、例えば、図6(a)に示す領域340に対しては、主要色の検出の結果、図6(b)に示すように、主要色検出結果642として主要色が緑色となる。そして、その主要色で2値化処理を行い、図6(c)に示す2値化画像644を生成する。これに対して、領域抽出を行って、図6(d)に示す連結領域646、連結領域648を生成する。ここでの領域抽出は、縦方向及び横方向に投影分布を生成し、その分布が他の位置よりも大である箇所を均一色領域として抽出する。図6(d)の例では、横方向に生成した投影分布において大である箇所が2つあるので、その箇所(連結領域646、連結領域648)を抽出する。
なお、ここで抽出する均一色領域は、均一色である領域そのものであってもよいし、その均一色である領域を囲む外接矩形であってもよい。
【0046】
ステップS208では、形状特徴取得モジュール140が、均一色領域の形状特徴を取得する。形状特徴の取得処理について、図7、8を用いて説明する。図7、8は、形状特徴取得モジュール140による処理例を示す説明図である。抽出した各均一色領域(の外接矩形)の上端、下端、左端、右端から最初の画素までの距離を計数する。走査iにおける、各領域端からの距離をout_u[i](上端から下方向に走査した場合の距離)、out_lo[i](下端から上方向に走査した場合の距離)、out_l[i](左端から右方向に走査した場合の距離)、out_r[i](右端から左方向に走査した場合の距離)とする。図7(a)はout_l[i]、図7(b)はout_u[i]の例である。
【0047】
次に、反対側の領域端まで画素が無かった走査を除き、隣接する走査間の距離差を算出する。図8の例において、点線の矢印は反対側の領域端まで画素が無かった走査の例を示しており、実線の矢印は距離差を算出するための走査の例を示している。走査iにおける、上方向、下方向、左方向、右方向に対する隣接走査間の距離差をdiff_out_u[i]、diff_out_lo[i]、diff_out_l[i]、diff_out_r[i]とする。これらを均一色領域の形状特徴とする。
diff_out_u[i] = abs( out_u[i] − out_u[i + 1] )
diff_out_lo[i] = abs( out_lo[i] − out_lo[i + 1] )
diff_out_l[i] = abs( out_l[i] − out_l[i + 1] )
diff_out_r[i] = abs( out_r[i] − out_r[i + 1] )
なお、abs()関数は、絶対値を求める関数である。
また、ラベリングにより均一色領域として外接矩形を抽出した場合は、反対側の領域端まで画素が無い状態は発生しない。一方、投影等を使用して外接矩形を抽出した場合は、反対側の領域端まで画素が無い状態が発生し得る。
【0048】
ステップS210では、平坦領域候補判定モジュール150が、平坦領域候補であるか否かを判定する。ステップS208で取得した特徴量(diff_out_u[i]、diff_out_lo[i]、diff_out_l[i]、diff_out_r[i])に基づいて、均一色領域が平坦領域候補か否かを判定する。
図9は、平坦領域候補判定モジュール150による処理例を示すフローチャートである。
ステップS902では、形状特徴に基づいて、平坦領域候補であるか否かを判定し、単純である場合はステップS904へ進み、複雑である場合(平坦領域候補ではない場合)はステップS906へ進む。
ステップS904では、その領域を平坦領域候補であるとする。そして、ステップS212へ進む。
ステップS906では、その領域を非平坦領域候補であるとする。そして、ステップS212へ進む。
【0049】
ステップS902の具体的な処理例として以下のものがある。
(A)各方向(上下左右)について、diff_out_xxの平均値(xx: u, lo, l, r)を算出する。
これらの値を、diff_out_ave_u, diff_out_ave_lo, diff_out_ave_l, diff_out_ave_rとする。
(B)各方向(上下左右)について、diff_out_xx[i]が予め定められた値以下(又は未満)の割合を算出する。
これらの値を、diff_out_under_n_ratio_u, diff_out_under_n_ratio_lo, diff_out_under_n_ratio_l, diff_out_under_n_ratio_rとする。
また、複数の予め定められた値(例えば、5と10等)を使用して、計8種類の特徴量を算出してもよい。
(C)全方向の値を合算して平均値を算出する。
この値を、diff_out_aveとする。
(D)各方向(上下左右)について、2要素連続してdiff_out_xx[i]が0である画素の割合を算出する。
これらの値を、diff_out_zero_ratio_u, diff_out_zero_ratio_lo, diff_out_zero_ratio_l, diff_out_zero_ratio_rとする。
(A)、(B)、(D)については、全方向を1つにまとめ、1つの特徴量として扱ってもよい。
【0050】
それぞれについて、以下のような性質を有している。
(A1)diff_out_ave_xxが、予め定められた値以下(又は、未満)ならば、その領域は平坦度合いが高い。
(B1)diff_out_under_n_ratio_xxが、予め定められた値以上(より大きい)ならば、その領域は平坦度合いが高い。
(C1)diff_out_ave、予め定められた値以下(又は、未満)ならば、その領域は平坦度合いが高い。
(D1)diff_out_zero_ratio_uが、予め定められた値以上(又は、より大きい)ならば、その領域は平坦度合いが高い。
【0051】
(A)〜(D)の特徴量の1つを使用して、平坦領域候補か否かを判定してもよいし、2つ以上の特徴量を組み合わせて使用して判定してもよい。特徴量の1つを使用して判定する場合は、(A1)〜(D1)において、平坦度合いが高いことはその領域は平坦領域候補であると判定してもよい。
また、以下のように判定してもよい。
・(B)を使用し、上下左右で割合の最小値が予め定められた値以上(又は、より大きい)ならば、その領域は平坦領域候補と判定する。
・(C)を使用し、平均値が予め定められた値以下(又は、未満)ならば、その領域は平坦領域候補と判定する。
・(A)を使用し、その最大値が予め定められた値以下(又は、未満)であって、かつ、(B)を使用し、その最小値が予め定められた値以上(又は、より大きい)ならば、その領域は平坦領域候補と判定する。
・(A)〜(D)全てを使用し、それぞれが予め定められた関係((A1)〜(D1)でその領域は平坦度合いが高い)ならば、その領域は平坦領域候補と判定する。
・(A)、(B)、(D)を使用し、(A)、(B)のそれぞれが予め定められた関係((A1)、(B1)でその領域は平坦度合いが高い)には該当しないが、それぞれが予め定められた値と予め定められた範囲内にある場合であって、(D)が予め定められた値以上(又は、より大きい)ならば、その領域は平坦領域候補と判定する。ここで、「それぞれが予め定められた値と予め定められた範囲内にある場合」とは、(A1)、(B1)の関係には若干満たない場合のことである。
【0052】
ステップS212では、属性判定モジュール160が、平坦領域候補の割合に基づいて各領域の属性を判定する。ステップS206で抽出された均一色領域内で平坦領域候補の面積の割合に応じて、第1の領域の属性として、連続階調領域、平坦領域、連続階調領域と平坦領域が複合した領域のいずれかであることを判定する。
図10は、属性判定モジュール160による処理例を示すフローチャートである。
ステップS1002では、平坦領域候補の面積の割合で判断し、その割合が予め定められた値(第1の閾値)以上(又は、より大きい)である場合はステップS1004へ進み、その割合が中程度の場合(ステップS1004、ステップS1006のいずれにも該当しない場合)はステップS1008へ進み、その割合が予め定められた値(第2の閾値)以下(又は、未満)である場合はステップS1006へ進む。
ステップS1004では、その領域を平坦領域であるとする。
ステップS1006では、その領域を写真領域であるとする。
ステップS1008では、その領域を複合領域であるとする。
前述の例では、領域310の属性は平坦領域であると判定され、領域320の属性は写真領域であると判定され、領域340の属性は写真領域と平坦領域が複合した領域であると判定される。
ここで、図4の例で示すと、属性判定処理モジュール165の処理(ステップS206からステップS212までの処理)によって、領域310を平坦領域と判定し、領域320を写真領域と判定し、領域340を複合領域と判定して、領域340を領域判定モジュール170に渡している。
【0053】
ステップS214では、領域判定モジュール170が、複合領域の平坦部を特定する。もちろんのことながら、複合領域の写真部を特定してもよく、複合領域の平坦部及び写真部を特定してもよい。ここで、図4の例で示すと、ステップS210で判定された平坦領域候補を用いて、複合領域のうちの平坦部を特定し、平坦領域情報410を生成する。そして、複合領域のうちの残りの部分を写真部と特定し、写真領域情報420を生成する。平坦領域情報410は領域340から平坦領域を抽出するためのマスクであり、写真領域情報420は領域340から写真領域を抽出するためのマスクである。
ステップS216では、出力モジュール180が、ステップS212、ステップS214のいずれか又は両方の処理結果を出力する。
【0054】
<第2の実施の形態>
図11は、第2の実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。第2の実施の形態は、平坦領域、連続階調領域をそれぞれ統合するものであり、図11の例に示すように、画像受付モジュール110、領域分離モジュール120、属性判定処理モジュール165、領域判定モジュール170、平坦領域統合モジュール172、写真領域統合モジュール174、出力モジュール180を有している。また、属性判定処理モジュール165は、均一色領域抽出モジュール130、形状特徴取得モジュール140、平坦領域候補判定モジュール150、属性判定モジュール160を有している。第2の実施の形態は、第1の実施の形態に平坦領域統合モジュール172、写真領域統合モジュール174を付加したものである。なお、第1の実施の形態と同種の部位には同一符号を付し重複した説明を省略する。
【0055】
属性判定モジュール160は、平坦領域候補判定モジュール150、領域判定モジュール170、平坦領域統合モジュール172、写真領域統合モジュール174と接続されており、平坦領域を平坦領域統合モジュール172へ渡し、連続階調領域を写真領域統合モジュール174へ渡し、複合領域を領域判定モジュール170に渡す。
領域判定モジュール170は、属性判定モジュール160、平坦領域統合モジュール172、写真領域統合モジュール174と接続されており、複合領域内の平坦領域を平坦領域統合モジュール172へ渡し、複合領域内の連続階調領域を写真領域統合モジュール174へ渡す。
【0056】
平坦領域統合モジュール172は、属性判定モジュール160、領域判定モジュール170、出力モジュール180と接続されている。平坦領域統合モジュール172は、領域判定モジュール170によって平坦領域と特定された領域と属性判定モジュール160によって平坦領域と判定された領域に基づいて、画像受付モジュール110によって受け付けられた画像内の平坦領域を統合する。
写真領域統合モジュール174は、属性判定モジュール160、領域判定モジュール170、出力モジュール180と接続されている。写真領域統合モジュール174は、領域判定モジュール170によって連続階調領域と特定された領域と属性判定モジュール160によって連続階調領域と判定された領域に基づいて、画像受付モジュール110によって受け付けられた画像内の連続階調領域を統合する。
【0057】
出力モジュール180は、平坦領域統合モジュール172、写真領域統合モジュール174と接続されており、平坦領域統合モジュール172、写真領域統合モジュール174による統合結果である画像を出力する。画像を出力するとは、例えば、プリンタ等の印刷装置で印刷すること、ディスプレイ等の表示装置に表示すること、ファックス等の画像送信装置で画像を送信すること、画像データベース等の画像記憶装置へ画像を書き込むこと、メモリーカード等の記憶媒体に記憶すること、他の情報処理装置へ渡すこと等が含まれる。
【0058】
図12は、第2の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS1202からステップS1214までの処理は、図2に例示したフローチャートのステップS202からステップS214までの処理と同等である。
なお、ステップS1204では、領域分離モジュール120は、ステップS204の処理に加えて、分離した領域の位置情報(その領域の対象とする画像内での位置を示す情報)を抽出する。図13は、第2の実施の形態による処理例の概要を示す説明図である。領域分離モジュール120は、対象画像300から領域310、領域320、領域340を分離し、それらの位置情報1310を抽出し、平坦領域統合モジュール172、写真領域統合モジュール174へ渡す。
【0059】
なお、ステップS1212は、図14の例に示すフローチャートを用いて説明する。図14は、属性判定モジュール160による処理例を示すフローチャートである。
ステップS1402では、平坦領域候補の割合を判断し、その割合が予め定められた値(第1の閾値)以上(又は、より大きい)である場合はステップS1404へ進み、その割合が中程度の場合(ステップS1404、ステップS1406のいずれにも該当しない場合)はステップS1408へ進み、その割合が予め定められた値(第2の閾値)以下(又は、未満)である場合はステップS1406へ進む。
ステップS1404では、その領域を平坦領域であるとする。
ステップS1406では、その領域を写真領域であるとする。
ステップS1408では、その領域を複合領域であるとする。
前述の例では、領域310の属性は平坦領域であると判定され、領域320の属性は写真領域であると判定され、領域340の属性は写真領域と平坦領域が複合した領域であると判定される。
ここで、図13の例で示すと、属性判定処理モジュール165の処理(ステップS1206からステップS1212までの処理)によって、領域310を平坦領域と判定し、領域320を写真領域と判定し、領域340を複合領域と判定して、領域340を領域判定モジュール170に渡している。
【0060】
ステップS1410では、複合領域の平坦部を特定する。つまり、領域340から平坦領域情報410を用いて平坦領域画像1342を特定し、領域340から写真領域情報420を用いて写真領域画像1341を特定する。
【0061】
ステップS1216では、平坦領域統合モジュール172が、平坦領域を統合する。図13の例では、平坦領域情報410を用いて領域340から平坦領域画像1342を抽出し、位置情報1310を用いて領域310と平坦領域画像1342を統合して、平坦領域画像1380を生成する。
ステップS1218では、写真領域統合モジュール174が、写真領域を統合する。図13の例では、写真領域情報420を用いて領域340から写真領域画像1341を抽出し、位置情報1310を用いて領域320と写真領域画像1341を統合して、写真領域画像1390を生成する。
ステップS1220では、出力モジュール180が、処理結果を出力する。図13の例では、平坦領域画像1380と写真領域画像1390を出力する。
【0062】
なお、属性判定モジュール160は、領域の形状に関する特徴以外の特徴をも用いて、領域の属性を判定するようにしてもよい。第1の領域の連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさを抽出し、その連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさと第2の領域の割合に基づいて、その第1の領域の属性として、連続階調領域、平坦領域、連続階調領域と平坦領域が複合した領域のいずれかであることを判定するようにしてもよい。第1の領域の連続階調領域らしさ、平坦領域らしさに関する特徴量としては、例えば、その第1の領域の画素値のヒストグラム形状や、エッジ画素密度等がある。
より詳細に説明すると、平坦領域らしさが予め定められた値以上(又は、より大きい)である場合であって、かつ、第2の領域の割合が第1の閾値以上(又は、より大きい)である場合に、平坦領域であると判定し、連続階調領域らしさが予め定められた値以上(又は、より大きい)である場合であって、かつ、第2の領域の割合が第2の閾値以下(又は、未満)である場合に、連続階調領域であると判定し、それ以外の場合を複合領域と判定する。
【0063】
さらに、属性判定モジュール160は、第1の領域の連続階調領域らしさ、平坦領域らしさに関する特徴量を用いて、その第1の領域の属性として、連続階調領域、平坦領域、連続階調領域と平坦領域が複合した領域のいずれかであることを判定し、その判定結果に基づいて、領域の形状に関する特徴を用いた判定における予め定められた値を変更するようにしてもよい。例えば、図10又は図14の例に示したフローチャートにおけるステップS1002、ステップS1402において用いる第1の閾値、第2の閾値を変更する。
より詳細に説明すると、第1の領域の連続階調領域らしさ、平坦領域らしさに関する特徴量を用いて、平坦領域と判定した領域に対して、第1の閾値を変更する。つまり、領域毎に第1の閾値を変更し、図10又は図14の例に示したフローチャートにおいて平坦領域と判定しやすくなるように、第1の閾値を低く変更する。ここで低くとは、他の領域(第1の領域の連続階調領域らしさ、平坦領域らしさに関する特徴量を用いて、平坦領域以外と判定した領域)に用いる第1の閾値よりも低いという意である。
第1の領域の連続階調領域らしさ、平坦領域らしさに関する特徴量を用いて、連続階調領域と判定した領域に対して、第2の閾値を変更する。つまり、領域毎に第2の閾値を変更し、図10又は図14の例に示したフローチャートにおいて連続階調領域と判定しやすくなるように、第2の閾値を高く変更する。ここで高くとは、他の領域(第1の領域の連続階調領域らしさ、平坦領域らしさに関する特徴量を用いて、連続階調領域以外と判定した領域)に用いる第2の閾値よりも高いという意である。
【0064】
なお、平坦領域候補判定モジュール150は、形状に関する特徴以外である、第2の領域の連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさを抽出し、その連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさと形状に関する特徴に基づいて、第2の領域は平坦であるか否かを判定するようにしてもよい。第2の領域の連続階調領域らしさ、平坦領域らしさに関する特徴量としては、例えば、その第2の領域の画素値のヒストグラム形状や、エッジ画素密度等がある。
より詳細に説明すると、平坦領域らしさが予め定められた値以上(又は、より大きい)である場合であって、かつ、形状に関する特徴が単純である場合(図9の例では、ステップS904に進む場合)に、平坦領域であると判定し、連続階調領域らしさが予め定められた値以上(又は、より大きい)である場合であって、かつ、形状に関する特徴が複雑である場合(図9の例では、ステップS906に進む場合)に、非平坦領域であると判定する。
【0065】
さらに、平坦領域候補判定モジュール150は、第2の領域の連続階調領域らしさ、平坦領域らしさに関する特徴量を用いて、第2の領域は平坦であるか否かを判定するようにしてもよい。例えば、図9の例に示したフローチャートにおけるステップS902において用いる閾値を変更する。
より詳細に説明すると、第2の領域の連続階調領域らしさ、平坦領域らしさに関する特徴量を用いて、平坦領域と判定した領域に対して、閾値を変更する。つまり、領域毎に閾値を変更し、図9の例に示したフローチャートにおいて平坦領域と判定しやすくなるように、閾値を変更する。
【0066】
<第3の実施の形態>
前述の第1の実施の形態又は第2の実施の形態では、平坦領域候補判定モジュール150が行う処理において、形状特徴と比較する閾値(予め定められた値)は1つであった。具体的には、図9の例に示すように、形状特徴と1つの閾値とを比較することによって、平坦領域候補と非平坦領域候補とに分けていた。
図15は、均一色領域の例を示す説明図である。図15(a)の例は、平坦領域に属する均一色領域の例を示している。図15(b)の例に示す画像は、図15(a)の例内の領域1510を拡大した画像である。このように、灰色を背景として数字が描かれている。図15(c)の例に示す画像は、図15(b)の例に示す画像に対して、主要色である薄い灰色に属する画素を抽出したものである。つまり、均一色領域抽出モジュール130による処理結果である。
図15(d)の例は、写真領域(連続階調領域の一例)に属する均一色領域の例を示している。図15(e)の例に示す画像は、図15(d)の例内の青空の部分に対して、主要色である濃い青に属する画素を抽出したものである。つまり、均一色領域抽出モジュール130による処理結果である。
つまり、図15(c)と図15(e)の例に示す複雑さを比較すると、「平坦色領域に属する均一色部の複雑さ > 写真領域に属する均一色部の複雑さ」という関係になる。前述の第1の実施の形態又は第2の実施の形態で想定していた関係とは逆になってしまうことがある。そして、図15(a)の領域1510は、一般的に平坦色領域にある連続階調領域と判定されて、全体では複合領域と判定されてしまう。図15(d)の青空部分は、一般的に連続階調領域にある平坦領域と判定されて、全体では複合領域と判定されてしまうことになる。
【0067】
図16は、写真領域と平坦色領域に含まれる均一色領域が取り得る範囲の例を模式的に示す説明図である。範囲1610は、平坦色領域に含まれる均一色領域が取り得る範囲である。範囲1620は、写真領域に含まれる均一色領域が取り得る範囲である。つまり、範囲1610と範囲1620とは重なり合う部分が存在すること(オーバーラップすること)になる。
したがって、前述のように形状の複雑さと1つの閾値とを比較して、平坦領域候補を決定すると、以下のようなことが生じる。
(1)本来は写真領域に属する均一色領域だが、形状が複雑でないと判定され、平坦領域候補となる。
(2)本来は平坦色領域に含まれる均一色領域だが、形状が複雑と判定され、平坦領域候補とならない。
【0068】
図17は、写真領域に含まれる均一色領域を1つの閾値と比較した例を示す説明図である。図17(a)、(b)は、図15(d)、(e)と同等のものである。
図17(b)の例に示す青空の画像部分は範囲1620内の左端部に含まれる。そして、図17(d)の例に示すように、平坦領域候補と非平坦領域候補を分けるのに、1つの閾値1710を用いる。
図17(e)の例に示す範囲1720、範囲1730は、図17(b)の例に示す青空の画像部分のグラフ(横軸は形状の複雑さを示し、縦軸はその形状の複雑さに該当するものの数)であり、範囲1720は範囲1730よりは形状が単純な部分である。閾値1710で、平坦領域候補と非平坦領域候補を分けると、範囲1720の青空の画像部分は、本来は写真領域の一部であるが平坦領域候補となってしまう。そして、領域全体は複合領域であると判定されてしまう。
【0069】
図18は、平坦色領域に含まれる均一色領域を1つの閾値と比較した例を示す説明図である。図18(a)、(b)、(c)は、図15(a)、(b)、(c)と同等のものである。
図18(c)の例に示す画像部分は範囲1610内の右端部に含まれる。そして、図18(d)の例に示すように、平坦領域候補と非平坦領域候補を分けるのに、1つの閾値1710を用いる。
範囲1820は、図18(c)の例に示す画像部分のグラフである。閾値1710で、平坦領域候補と非平坦領域候補を分けると、範囲1820の画像部分は、本来は平坦領域候補であるが写真領域となってしまう。そして、領域全体は写真領域であると判定されてしまう。
【0070】
図19は、写真領域と平坦色領域に含まれる均一色領域が取り得る範囲と1つの閾値との関係の例を模式的に示す説明図である。
均一色領域の形状の複雑さを、1つの閾値1710によって分けることによって、平坦領域候補であるか、非平坦領域候補であるかを判定していることになる。したがって、範囲1620の左端の部分は、本来は写真領域であるにもかかわらず平坦領域候補と判定されてしまい、範囲1610の右端の部分は、本来は平坦色領域であるにもかかわらず非平坦領域候補と判定されてしまうことになる。
【0071】
図20は、写真領域と平坦色領域に含まれる均一色領域が取り得る範囲と複数の閾値との関係の例を模式的に示す説明図である。
第3の実施の形態では、平坦領域候補判定モジュール2350は、対象としている均一色領域が、複数種の平坦領域のいずれか又は平坦領域ではない領域、のうちいずれかの領域であるかを複数の閾値に基づいて判定している。図20の例に示す模式的な図を用いて説明すると、閾値2034を用いて、範囲1620の右端(範囲1620であって、範囲1610とはオーバーラップしていない部分)を非平坦領域候補2020と判定する。閾値2033と閾値2034を用いて、範囲1620と範囲1610とがオーバーラップしている部分を平坦領域候補3:2013と判定する。閾値2032と閾値2033を用いて、範囲1620と範囲1610とがオーバーラップする可能性がある部分を平坦領域候補2:2012と判定する。閾値2031と閾値2032を用いて(なお、閾値2031は不要としてもよい)、範囲1610の左端(範囲1610であって、範囲1620とはオーバーラップしていない部分)を平坦領域候補1:2011と判定する。ここでは、例として平坦領域候補を3種に分類しているが、2種以上であればよい。
【0072】
そして、属性判定モジュール2360は、領域分離モジュール120によって分離された均一色領域における平坦領域候補判定モジュール2350によって判定された複数種の平坦領域のいずれか又はその平坦領域の組み合わせの割合に基づいて、その均一色領域の属性として、連続階調領域、平坦領域、連続階調領域と平坦領域が複合した領域のいずれかであることを判定する。例えば、図20の例では、平坦領域候補1:2011、平坦領域候補2:2012、平坦領域候補3:2013のいずれか又はその組み合わせの面積を算出し、均一色領域の面積における割合を算出する。例えば、均一色領域における平坦領域候補1:2011の割合、均一色領域における平坦領域候補2:2012の割合、均一色領域における平坦領域候補3:2013の割合、均一色領域における平坦領域候補1:2011と平坦領域候補2:2012と平坦領域候補3:2013の合計の割合、均一色領域における平坦領域候補1:2011と平坦領域候補2:2012の合計の割合、等を算出する。そして、予め定められた値との比較によって、均一色領域の属性として、連続階調領域、平坦領域、連続階調領域と平坦領域が複合した領域のいずれかであることを判定する。
【0073】
図21は、写真領域に含まれる均一色領域が取り得る範囲と複数の閾値との関係の例を模式的に示す説明図である。図21(a)は図15(d)、図21(b)は図15(e)、図21(d)は図20と同等である。図21(b)の例に示す青空の画像部分を対象として、図21(d)の例を適用すると、図21(e)の例のようになる。
平坦領域候補判定モジュール2350は、範囲1720を平坦領域候補3:2013であると判定し、範囲1730を非平坦領域候補2020と判定する。
【0074】
図22は、平坦色領域に含まれる均一色領域が取り得る範囲と複数の閾値との関係の例を模式的に示す説明図である。図22(a)は図15(a)、図22(b)は図15(b)、図22(c)は図15(c)、図22(d)は図20と同等である。図22(c)の例に示す画像部分を対象として、図22(d)の例を適用すると、図22(e)の例のようになる。
平坦領域候補判定モジュール2350は、範囲1820を平坦領域候補3:2013であると判定する。
【0075】
図23は、第3の実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
第3の実施の形態は、図1の例に示す第1の実施の形態の平坦領域候補判定モジュール150、属性判定モジュール160をそれぞれ平坦領域候補判定モジュール2350、属性判定モジュール2360に変更したものである。なお、前述の実施の形態と同種の部位には同一符号を付し重複した説明を省略する。また、図11の例に示す第2の実施の形態の平坦領域候補判定モジュール150、属性判定モジュール160を平坦領域候補判定モジュール2350、属性判定モジュール2360に変更してもよい。
【0076】
属性判定処理モジュール2365は、均一色領域抽出モジュール130、形状特徴取得モジュール140、平坦領域候補判定モジュール2350、属性判定モジュール2360を有している。
形状特徴取得モジュール140は、均一色領域抽出モジュール130、平坦領域候補判定モジュール2350と接続されている。
平坦領域候補判定モジュール2350は、形状特徴取得モジュール140、属性判定モジュール2360と接続されている。平坦領域候補判定モジュール2350は、第2の領域が、複数種の平坦領域のいずれか又は平坦領域ではない領域、のうちいずれかの領域であるかを複数の閾値に基づいて判定する。
属性判定モジュール2360は、平坦領域候補判定モジュール2350、領域判定モジュール170、出力モジュール180と接続されている。属性判定モジュール2360は、領域分離モジュール120によって分離された第1の領域における平坦領域候補判定モジュール2350によって判定された複数種の平坦領域のいずれか又はその平坦領域の組み合わせの割合に基づいて、その第1の領域の属性として、連続階調領域、平坦領域、連続階調領域と平坦領域が複合した領域のいずれかであることを判定する。
領域判定モジュール170は、属性判定モジュール2360、出力モジュール180と接続されている。
出力モジュール180は、属性判定モジュール2360、領域判定モジュール170と接続されている。
【0077】
図24は、第3の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS2402〜ステップS2408の処理は、図2の例に示すフローチャートのステップS202〜ステップS208と同等の処理である。
ステップS2410では、平坦領域候補判定モジュール2350が、複数の平坦領域候補、非平坦領域候補のいずれであるかを判定する。
【0078】
図25は、属性判定モジュール2360による処理例を示すフローチャート(図24の例に示すステップS2410の処理内容)である。
ステップS2502では、平坦領域候補判定モジュール2350が、形状特徴に基づいて、対象としている領域が、平坦領域候補1、平坦領域候補2、平坦領域候補3、非平坦領域候補(図21の例に示す平坦領域候補1:2011、平坦領域候補2:2012、平坦領域候補3:2013、非平坦領域候補2020に該当)のうち、いずれであるかを判定する。そして、形状特徴が平坦領域候補1である場合はステップS2504へ進み、平坦領域候補2である場合はステップS2506へ進み、平坦領域候補3である場合はステップS2508へ進み、非平坦領域候補である場合はステップS2510へ進む。
ステップS2504では、平坦領域候補判定モジュール2350が、その領域を平坦領域候補1であるとする。
ステップS2506では、平坦領域候補判定モジュール2350が、その領域を平坦領域候補2であるとする。
ステップS2508では、平坦領域候補判定モジュール2350が、その領域を平坦領域候補3であるとする。
ステップS2510では、平坦領域候補判定モジュール2350が、その領域を非平坦領域候補であるとする。
【0079】
なお、平坦領域は、色が均一で、かつ領域の形状が単純な領域を表している。平坦領域候補1は、平坦領域の一部又は平坦領域そのものである可能性が非常に高い領域を表している。平坦領域候補2は、平坦領域の一部又は平坦領域そのものである可能性が高い領域を表している。平坦領域候補3は、平坦領域の一部又は平坦領域そのものである可能性があるが、写真領域の一部である可能性もある領域を表している。
【0080】
ステップS2502の具体的な処理例として以下のものがある。
(A)各方向(上下左右)について、diff_out_xxの平均値(xx: u, lo, l, r)を算出する。
これらの値を、diff_out_ave_u, diff_out_ave_lo, diff_out_ave_l, diff_out_ave_rとする。
(B)各方向(上下左右)について、diff_out_xx[i]が予め定められた値以下(又は未満)の割合を算出する。
これらの値を、diff_out_under_n_ratio_u, diff_out_under_n_ratio_lo, diff_out_under_n_ratio_l, diff_out_under_n_ratio_rとする。
また、複数の予め定められた値(例えば、5と10等)を使用して、計8種類の特徴量を算出してもよい。
(C)全方向の値を合算して平均値を算出する。
この値を、diff_out_aveとする。
(D)各方向(上下左右)について、2要素連続してdiff_out_xx[i]が0である画素の割合を算出する。
これらの値を、diff_out_zero_ratio_u, diff_out_zero_ratio_lo, diff_out_zero_ratio_l, diff_out_zero_ratio_rとする。
(A)、(B)、(D)については、全方向を1つにまとめ、1つの特徴量として扱ってもよい。
【0081】
それぞれについて、以下のような性質を有している。
(A1)diff_out_ave_xxが、予め定められた値以下(又は、未満)ならば、その領域は平坦度合いが高い。
(B1)diff_out_under_n_ratio_xxが、予め定められた値以上(より大きい)ならば、その領域は平坦度合いが高い。
(C1)diff_out_ave、予め定められた値以下(又は、未満)ならば、その領域は平坦度合いが高い。
(D1)diff_out_zero_ratio_uが、予め定められた値以上(又は、より大きい)ならば、その領域は平坦度合いが高い。
【0082】
(A)〜(D)の特徴量の1つを使用して、平坦領域候補1、平坦領域候補2、平坦領域候補3、のうちいずれであるかを判定してもよいし、2つ以上の特徴量を組み合わせて使用して判定してもよい。
【0083】
例えば、(B)を使用し、上下左右で割合の最小値が閾値1以上のとき平坦領域候補1とする。閾値1未満閾値2以上のとき平坦領域候補2とする。閾値2未満閾値3以上のとき平坦領域候補3とする。なお、「閾値1 > 閾値2 > 閾値3」である。
また、(C)を使用し、平均値が閾値1以上のとき平坦領域候補1とする。閾値1未満閾値2以上のとき平坦領域候補2とする。閾値2未満閾値3以上のとき平坦領域候補3とする。なお、「閾値1 > 閾値2 > 閾値3」である。
また、(A)、(B)を使用し、それぞれの最小値が閾値A1以上、かつ閾値B1以上のとき平坦領域候補1とする。閾値A1未満閾値A2以上、かつ閾値B1未満閾値B2以上のとき平坦領域候補2とする。閾値A2未満閾値A3以上、かつ閾値B2未満閾値B3以上のとき平坦領域候補3とする。なお、「閾値A1 > 閾値A2 > 閾値A3、閾値B1 > 閾値B2 > 閾値B3」である。
また、(A)、(B)、(C)、(D)を使用し、それぞれの値に応じて平坦領域候補1〜平坦領域候補3を決定する。なお、「閾値A1 > 閾値A2 > 閾値A3、閾値B1 > 閾値B2 > 閾値B3」である。
また、(A)、(B)を使用し、それぞれの最小値が閾値A1、閾値A2以上であれば平坦領域候補1とする。閾値A1未満閾値A2以上、かつ閾値B1未満かつ閾値B2以上、かつ(D)が閾値D2以上ならば平坦領域候補2とする。閾値A2未満閾値A3以上、かつ閾値B2未満かつ閾値B3以上、かつ(D)が閾値D3以上ならば平坦領域候補3とする。なお、「閾値A1 > 閾値A2 > 閾値A3、閾値B1 > 閾値B2 > 閾値B3、閾値D2 > 閾値D3」である。
【0084】
ステップS2412では、属性判定モジュール2360が、各平坦領域候補の割合に基づいて各領域の属性を判定する。
図26は、属性判定モジュール2360の判定ルールの例(1)を示す説明図である。
図26に示す判定テーブルは、「平坦領域候補1〜3の合計が閾値Th1以上である場合に、その領域の全体属性を平坦領域であると判定する」ことを1行目は表しており、「平坦領域候補1,2の合計が閾値Th2以上である場合に(平坦領域候補3は判定対象ではない)、その領域の全体属性を複合領域であると判定する」ことを2行目は表しており、「平坦領域候補1がなく、平坦領域候補2がなく、平坦領域候補3が閾値Th3以下である場合に、その領域の全体属性を写真領域であると判定する」ことを3行目は表しており、「平坦領域候補1〜3が、前述した3条件に該当しない場合に、その領域の全体属性を不明/低精度領域であると判定する」ことを4行目は表している。
そして、これらのルールにおける判定の優先順位は、上の行のルールが高い。
【0085】
図27は、属性判定モジュール2360の判定ルールの例(2)を示す説明図である。
図27に示す判定テーブルは、「平坦領域候補1〜3の合計が閾値Th1以上である場合に、その領域の全体属性を平坦領域であると判定する」ことを1行目は表しており、「平坦領域候補1,2の合計が閾値Th2以上である場合に(平坦領域候補3は判定対象ではない)、その領域の全体属性を複合領域であると判定する」ことを2行目は表しており、「平坦領域候補1が閾値Th3以上であり、平坦領域候補2が閾値Th4以上である場合に(平坦領域候補3は判定対象ではない)、その領域の全体属性を複合領域であると判定する」ことを3行目は表しており、「平坦領域候補1が閾値Th5以上であり、平坦領域候補2,3の合計が閾値Th6以上である場合にその領域の全体属性を複合領域であると判定する」ことを4行目は表しており、「平坦領域候補1がなく、平坦領域候補2がなく、平坦領域候補3が閾値Th7以下である場合に、その領域の全体属性を写真領域であると判定する」ことを5行目は表しており、「平坦領域候補1〜3が、前述した4条件に該当しない場合に、その領域の全体属性を不明/低精度領域であると判定する」ことを6行目は表している。
なお、「閾値Th3 < 閾値Th2、閾値Th2 < 閾値Th3 + 閾値Th4
閾値Th5 < 閾値Th2」である。
そして、これらのルールにおける判定の優先順位は、上の行のルールが高い。
【0086】
ステップS2414では、領域判定モジュール170が、複合領域の平坦部を特定する。
ステップS2416では、出力モジュール180が、処理結果を出力する。
【0087】
また、属性判定モジュール2360における判定処理の基準を連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさに基づいて調整するようにしてもよい。
属性判定モジュール2360は、第1の領域の連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさを抽出し、その連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさに基づいて、領域分離モジュール120によって分離された第1の領域における平坦領域候補判定モジュール2350によって複数種のいずれか又は該領域の組み合わせの割合と比較する閾値を決定する。連続階調領域らしさ、平坦領域らしさは、前述の実施の形態で説明したものと同等である。
【0088】
属性判定モジュール2360は、抽出した連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさと予め定められた値と比較することによって、連続階調領域らしいと判断した場合は、閾値を連続階調領域又は連続階調領域と平坦領域が複合した領域と判定されやすい値に決定し、平坦領域らしいと判断した場合は、閾値を平坦領域は連続階調領域と平坦領域が複合した領域と判定されやすい値に決定するようにしてもよい。
属性判定モジュール2360は、抽出した連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさと予め定められた値と比較することによって、連続階調領域らしいと判断した場合、平坦領域らしいと判断した場合、連続階調領域と平坦領域のいずれでもないと判断した場合で、閾値を異ならせるように決定するようにしてもよい。
【0089】
例えば、平坦色領域らしさが予め定められた値以上である場合(連続階調領域らしさが予め定められた値以下である場合)は、平坦色領域又は複合領域になりやすくなる判定ルール1を適用し、連続階調領域らしさが予め定められた値以上である場合(平坦色領域らしさが予め定められた値以下である場合)は、連続階調領域又は複合領域になりやすくなる判定ルール2を適用してもよい。
図28は、属性判定モジュール2360の判定ルール1と判定ルール2における閾値の関係例を示す説明図である。例えば、図26の例に示す判定ルール内の閾値Th1を下げ、閾値Th2はそのまま、閾値Th3を下げることによって、判定ルール1を生成し、図26の例に示す判定ルール内の閾値Th1を上げ、閾値Th2はそのまま、閾値Th3を上げることによって、判定ルール2を生成してもよい。結局、判定ルール1における閾値Th1は判定ルール2における閾値Th1未満であること、判定ルール1における閾値Th2は判定ルール2における閾値Th2と同じであること、判定ルール1における閾値Th3は判定ルール2における閾値Th3未満であること、という関係を満たせばよい。
つまり、連続階調領域らしいと判断した場合は、閾値を連続階調領域又は連続階調領域と平坦領域が複合した領域と判定されやすい値に決定する。一方、平坦領域らしいと判断した場合は、閾値を平坦領域は連続階調領域と平坦領域が複合した領域と判定されやすい値に決定する。
【0090】
図29は、属性判定モジュール2360の判定ルール1と判定ルール2の関係例を示す説明図である。連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさを示す特徴量A、Bを用いた特徴空間でのグラフで示すと、境界2910で適用する判定ルールを異ならせる。平坦領域(丸印のプロット)と複合領域(四角印のプロット)が多く含まれている領域2920には判定ルール1を適用する。連続階調領域である写真領域(三角印のプロット)と複合領域が多く含まれている領域2930には判定ルール2を適用する。
【0091】
3つ以上の判定ルールを適用するようにしてもよい。図30は、属性判定モジュール2360の複数の判定ルールの関係例を示す説明図である。連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさを示す特徴量A、Bを用いた特徴空間でのグラフで示すと、境界3010、境界3012で適用する判定ルールを異ならせる。平坦領域と複合領域が多く含まれている領域3020には判定ルール1(平坦色領域又は複合領域になりやすくなる判定ルール)を適用する。連続階調領域である写真領域と複合領域が多く含まれている領域3030には判定ルール2(連続階調領域又は複合領域になりやすくなる判定ルール)を適用する。平坦領域、写真領域、複合領域が多く含まれている領域3025には判定ルール3(複合領域になりやすくなる判定ルール)を適用する。
つまり、連続階調領域らしいと判断した場合(領域3030)、平坦領域らしいと判断した場合(領域3020)、連続階調領域と平坦領域のいずれでもないと判断した場合(領域3025)で、閾値を異ならせるように決定する。
【0092】
図31を参照して、本実施の形態の画像処理装置のハードウェア構成例について説明する。図31に示す構成は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)などによって構成されるものであり、スキャナ等のデータ読み取り部3117と、プリンタなどのデータ出力部3118を備えたハードウェア構成例を示している。
【0093】
CPU(Central Processing Unit)3101は、前述の実施の形態において説明した各種のモジュール、すなわち、領域分離モジュール120、均一色領域抽出モジュール130、形状特徴取得モジュール140、平坦領域候補判定モジュール150、属性判定モジュール160、領域判定モジュール170、平坦領域統合モジュール172、写真領域統合モジュール174、平坦領域候補判定モジュール2350、属性判定モジュール2360等の各モジュールの実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムにしたがった処理を実行する制御部である。
【0094】
ROM(Read Only Memory)3102は、CPU3101が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memory)3103は、CPU3101の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス3104により相互に接続されている。
【0095】
ホストバス3104は、ブリッジ3105を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス3106に接続されている。
【0096】
キーボード3108、マウス等のポインティングデバイス3109は、操作者により操作される入力デバイスである。ディスプレイ3110は、液晶表示装置又はCRT(Cathode Ray Tube)などがあり、各種情報をテキストやイメージ情報として表示する。
【0097】
HDD(Hard Disk Drive)3111は、ハードディスクを内蔵し、ハードディスクを駆動し、CPU3101によって実行するプログラムや情報を記録又は再生させる。ハードディスクには、受け付けた画像、領域、判定結果である属性などが格納される。さらに、その他の各種のデータ処理プログラム等、各種コンピュータ・プログラムが格納される。
【0098】
ドライブ3112は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体3113に記録されているデータ又はプログラムを読み出して、そのデータ又はプログラムを、インタフェース3107、外部バス3106、ブリッジ3105、及びホストバス3104を介して接続されているRAM3103に供給する。リムーバブル記録媒体3113も、ハードディスクと同様のデータ記録領域として利用可能である。
【0099】
接続ポート3114は、外部接続機器3115を接続するポートであり、USB、IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート3114は、インタフェース3107、及び外部バス3106、ブリッジ3105、ホストバス3104等を介してCPU3101等に接続されている。通信部3116は、ネットワークに接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。データ読み取り部3117は、例えばスキャナであり、ドキュメントの読み取り処理を実行する。データ出力部3118は、例えばプリンタであり、ドキュメントデータの出力処理を実行する。
【0100】
なお、図31に示す画像処理装置のハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、図31に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続しているような形態でもよく、さらに図31に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)などに組み込まれていてもよい。
【0101】
なお、前述の各種の実施の形態を組み合わせてもよく(例えば、ある実施の形態内のモジュールを他の実施の形態内に追加する、入れ替えをする等も含む)、また、各モジュールの処理内容として背景技術で説明した技術を採用してもよい。
【0102】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通などのために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray Disc(登録商標))、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等が含まれる。
そして、前記のプログラム又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して
記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化など、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0103】
110…画像受付モジュール
120…領域分離モジュール
130…均一色領域抽出モジュール
140…形状特徴取得モジュール
150…平坦領域候補判定モジュール
160…属性判定モジュール
165…属性判定処理モジュール
170…領域判定モジュール
172…平坦領域統合モジュール
174…写真領域統合モジュール
180…出力モジュール
2350…平坦領域候補判定モジュール
2360…属性判定モジュール
2365…属性判定処理モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた画像内の第1の領域を分離する分離手段と、
前記分離手段によって分離された第1の領域内の予め定められた関係を有する色の第2の領域を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された第2の領域の形状に関する特徴を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された特徴に基づいて、前記第2の領域は平坦であるか否かを判定する第1の判定手段と、
前記分離手段によって分離された第1の領域における前記第1の判定手段によって平坦であると判定された第2の領域の割合に基づいて、該第1の領域の属性として、連続階調領域、平坦領域、連続階調領域と平坦領域が複合した領域のいずれかであることを判定する第2の判定手段
を具備することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第2の判定手段によって連続階調領域と平坦領域が複合した領域であると判定された領域のうち、連続階調領域又は平坦領域を特定する特定手段
をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記特定手段によって平坦領域と特定された領域と前記第2の判定手段によって平坦領域と判定された領域に基づいて、前記受付手段によって受け付けられた画像内の平坦領域を統合する平坦領域統合手段と、
前記特定手段によって連続階調領域と特定された領域と前記第2の判定手段によって連続階調領域と判定された領域に基づいて、前記受付手段によって受け付けられた画像内の連続階調領域を統合する連続階調領域統合手段
をさらに具備することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記抽出手段によって抽出された第2の領域の外周を形成する画素である外周画素について、隣接する該外周画素間の距離に基づいて、該第2の領域の形状に関する特徴を取得する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第2の判定手段は、前記第1の領域の連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさを抽出し、該連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさと前記第2の領域の割合に基づいて、該第1の領域の属性として、連続階調領域、平坦領域、連続階調領域と平坦領域が複合した領域のいずれかであることを判定する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
画像を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた画像内の第1の領域を分離する分離手段と、
前記分離手段によって分離された第1の領域内の予め定められた関係を有する色の第2の領域を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された第2の領域の形状に関する特徴を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された特徴に基づいて、前記第2の領域は平坦であるか否かを判定する第1の判定手段と、
前記分離手段によって分離された第1の領域における前記第1の判定手段によって平坦であると判定された第2の領域の割合に基づいて、該第1の領域の属性として、連続階調領域、平坦領域、連続階調領域と平坦領域が複合した領域のいずれかであることを判定する第2の判定手段
として機能させるための画像処理プログラム。
【請求項7】
前記第1の判定手段は、前記第2の領域が、複数種の平坦領域のいずれか又は平坦領域ではない領域、のうちいずれかの領域であるかを複数の閾値に基づいて判定し、
前記第2の判定手段は、前記分離手段によって分離された第1の領域における前記第1の判定手段によって判定された複数種の平坦領域のいずれか又は該平坦領域の組み合わせの割合に基づいて、該第1の領域の属性として、連続階調領域、平坦領域、連続階調領域と平坦領域が複合した領域のいずれかであることを判定する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記第2の判定手段は、前記第1の領域の連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさを抽出し、該連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさに基づいて、前記分離手段によって分離された第1の領域における前記第1の判定手段によって複数種のいずれか又は該領域の組み合わせの割合と比較する閾値を決定する
ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記第2の判定手段は、前記抽出した連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさと予め定められた値と比較することによって、連続階調領域らしいと判断した場合は、前記閾値を連続階調領域又は連続階調領域と平坦領域が複合した領域と判定されやすい値に決定し、平坦領域らしいと判断した場合は、前記閾値を平坦領域は連続階調領域と平坦領域が複合した領域と判定されやすい値に決定する
ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記第2の判定手段は、前記抽出した連続階調領域らしさ又は平坦領域らしさと予め定められた値と比較することによって、連続階調領域らしいと判断した場合、平坦領域らしいと判断した場合、連続階調領域と平坦領域のいずれでもないと判断した場合で、前記閾値を異ならせるように決定する
ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2012−185810(P2012−185810A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−28522(P2012−28522)
【出願日】平成24年2月13日(2012.2.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】