説明

画像処理装置及び画像形成装置

【課題】ディスクリプタ情報を使用するDMA転送において、画像処理パラメータを効率的に設定する。
【解決手段】一括転送用画像処理パラメータ記憶手段に設定済、あるいは未設定の画像処理パラメータと、ソース画像の画像処理に必要な画像処理パラメータとの差分を管理するパラメータ差分管理手段と、パラメータ差分管理手段の管理情報に基づいて、画像処理パターンを選択してソース画像処理パラメータ記憶手段に、画像処理パラメータを設定する画像処理パラメータ設定手段と、ソース画像処理パラメータ記憶手段に記憶された画像処理パラメータを、一括転送用画像処理パラメータ記憶手段に書き込む一括転送用画像処理パラメータ書込み手段と、ディスクリプタ情報に基づいて、画像処理部へとDMA転送を行うDMA転送手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理を行うハードウェア(ASICなど)に設定する画像処理用のパラメータを、ディスクリプタ情報を使用してDMA転送により、パラメータの一括転送をする画像処理装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル方式の複写機、プリンタ、FAX等に使用される画像処理装置に備えられる画像処理用ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)は、大量の画像処理パラメータを高速に設定するために、レジスタ一つ一つに書き込む代わりに、処理すべき画像データに対応させた画像処理パラメータをDMA(Direct Memory Access)転送によるパラメータの一括設定を行う。
【0003】
また、複数の画像データを連続して高速で処理するために、処理されるべき画像データと、画像データに使用する画像処理パラメータのそれぞれに対してディスクリプタ情報と呼ばれる、処理すべき画像データのアドレス(Readアドレス)、処理後の画像データを保管するメモリ中のアドレス(Writeアドレス)と、処理されるべき画像データに使用する画像処理パラメータが格納されているアドレスと、次に処理すべき画像データ、並びに画像処理パラメータのディスクリプタ情報へのアドレスからなるパラメータを作成し、アドレス情報から成るチェーン状の情報を作成して連続処理を行うことが行われる(例えば、特許文献1)。
【0004】
このとき、処理すべき画像データに使用する画像処理パラメータは、画像データに対応させて、可能であれば予め作成される。複数の画像データに応じて、画像処理パラメータを変更する必要が無い場合には、同一の画像処理パラメータのメモリ中のアドレス、あるいはハードディスク中の仮想メモリアドレスをディスクリプタ情報内の画像処理パラメータアドレスに設定したり、あるいはASICへの再設定を回避させておくことにより、効率的な画像処理パラメータの設定が可能である。
【0005】
しかしながら、それぞれの画像処理パラメータを変更する必要がある場合で、特に画像処理パラメータにおいて計算を必要とする場合には、CPUへの負荷を低減し、また、画像データ1つ当たりの処理時間を低減し、生産性を向上するために、効率的なパラメータ設定が必要である。
【0006】
例えば、特許文献2では、ASICハードウェアにすでに設定されているレジスタ情報に基づいて差分管理を行っている。
【特許文献1】特開2007−188434号公報
【特許文献2】特開2008−3925号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載されるようなディスクリプタ情報を使用したDMA転送においては、特許文献2で記載されるような技術を用いて、ASICハードウェアにすでに設定されているレジスタ情報に基づいた差分管理を行うことができない。
【0008】
すなわち、このような技術を使用した場合には、画像処理パラメータがディスクリプタ情報に保持される画像処理パラメータのアドレスに格納されているので、パラメータの設定先は、画像処理パラメータのアドレスであるために、ハードウェアに設定されているパラメータに対して差分管理を行うことができない。
【0009】
上記方法でパラメータの差分管理を行った場合には、ハードウェアに画像処理パラメータが設定された際の割り込み情報に基づいて、CPUを動作させる必要があり、CPUが介在しないで連続して画像処理を行うという、ディスクリプタ情報を使用して画像処理を行う際のメリットである、CPUを介さない連続した画像データの処理を行う、というメリットに対して、そのメリットが相殺されてしまうというが考えられる。
【0010】
そのため、ディスクリプタ情報を使用するDMA転送方式を行う画像処理パラメータ設定に適応するための画像処理パラメータの効率的な設定あるいは差分管理を行う機構が所望されている。
【0011】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、ディスクリプタ情報を使用するDMA転送において、画像処理パラメータを効率的に設定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明における画像処理装置は、画像処理部にDMA転送するための画像処理パラメータを記憶する一括転送用画像処理パラメータ記憶手段と、一括転送用画像処理パラメータ記憶手段に複写するための画像処理パラメータを記憶するソース画像処理パラメータ記憶手段と、画像処理パラメータを格納した場所のアドレス情報を有するディスクリプタ情報を記憶するディスクリプタ記憶手段と、一括転送用画像処理パラメータ記憶手段に設定済、あるいは未設定の画像処理パラメータと、ソース画像の画像処理に必要な画像処理パラメータとの差分を管理するパラメータ差分管理手段と、パラメータ差分管理手段の管理情報に基づいて、画像処理パターンを選択してソース画像処理パラメータ記憶手段に、画像処理パラメータを設定する画像処理パラメータ設定手段と、ソース画像処理パラメータ記憶手段に記憶された画像処理パラメータを、一括転送用画像処理パラメータ記憶手段に書き込む一括転送用画像処理パラメータ書込み手段と、ディスクリプタ記憶手段にて記憶されたディスクリプタ情報に基づいて、画像処理部へとDMA転送を行うDMA転送手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
ソース画像処理パラメータ記憶手段を複数備えることを特徴とする。
【0014】
複数のソース画像処理パラメータ記憶手段は、接続されている読み取りデバイスの数、または、デバイスの使用頻度に基づいた数を確保されることを特徴とする。
【0015】
原稿の第1面の画像を読み取る第1の読取手段と、第1の読取手段と対向する他方の側から原稿の第2面の画像を読み取る第2の読取手段と、を有し、ソース画像処理パラメータ記憶手段は、第1の読取手段に対応させて用いられる第1のソース画像処理パラメータ領域と、第2の読取部に対応させて用いられる第2のソース画像処理パラメータ領域と、を有することを特徴とする。
【0016】
ソース画像処理パラメータ記憶手段は、画像処理パターンに応じて、単数、あるいは複数の領域を確保されることを特徴とする。
【0017】
複数の前記ソース画像処理パラメータ記憶手段のうち階調処理用に用いる領域数は、選択可能な量子化閾値のユースケースに対応することを特徴とする。
【0018】
複数の前記ソース画像処理パラメータ記憶手段は、階調処理の選択可能なユースケースの使用頻度に基づいて、領域確保、あるいは領域解放が行われることを特徴とする。
【0019】
画像処理パラメータ設定手段は、選択した画像処理パターンに応じて、一括転送用画像処理パラメータ記憶手段に、画像処理パラメータを直接設定することを特徴とする。
【0020】
画像処理パラメータ設定手段は、一括転送用画像処理パラメータ書込み手段による複写時間と、画像処理パラメータを直接設定したときのパラメータ設定時間と、を比較して、パラメータ設定時間が短い場合に、一括転送用画像処理パラメータ記憶手段に、画像処理パラメータを直接設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明により、コピー元となるソース・レジスタ領域を使用して、パラメータ設定の差分管理を行うことで、ディスクリプタ情報を使用するDMA転送により画像処理パラメータが設定される効率的な設定が可能となり、CPUを介さない連続した画像データの処理が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態における電子写真複写機(以下、複写機)について詳細に説明する。
【0023】
まず図1は、本発明の実施形態における複写機の機構図である。複写機本体101は、有機感光体(OPC)ドラム102a〜dと、レーザ光学系104と、中間転写ベルト109と、バイアスローラ110a〜d、などが順次配列されている。
【0024】
有機感光体(OPC)ドラム102a〜dは、略中央部に4つ並んで像担持体としてのφ30[mm]が配置される。感光体ドラム102a〜dの周囲には、感光体ドラム102a〜dの表面を帯電する帯電チャージャが備えられ、レーザ光学系104は、一様帯電された感光体ドラム102a〜dの表面上に半導体レーザ光を照射して静電潜像を形成する。また、各色毎のトナー像を得る黒現像装置105、及びイエローY、マゼンタM,シアンCの3つのカラー現像装置106〜108が備えられ、静電潜像に各色トナーが供給されて現像される。
【0025】
中間転写ベルト109は、感光体ドラム102a〜d上に形成された各色毎のトナー像を順次転写する。また、中間転写ベルト109に転写電圧を印加するバイアスローラ、転写後の感光体ドラム102a〜dの表面に残留するトナーを除去するクリーニング装置、転写後の感光体ドラム102a〜dの表面に残留する電荷を除去する除電部などが順次配列されている。さらに、中間転写ベルト109には、転写されたトナー像を転写材に転写する電圧を印加するための転写バイアスローラ、及び転写材に転写後に残留したトナー像をクリーニングするためのベルトクリーニング装置が配設されている。
【0026】
中間転写ベルト109から剥離された転写材を搬送する搬送ベルトの出口側端部には、トナー像を加熱、及び加圧して定着させる定着装置116が配置されているとともに、この定着装置116の出口部には、排紙トレイが備えられている。
【0027】
レーザ光学系104の上部には、複写機本体101の上部に配置された原稿載置台としてのコンタクトガラス、該コンタクトガラス上の原稿に走査光を照射する露光ランプが備えられ、原稿からの反射光を反射ミラーによって結像レンズに導き、光電変換素子であるCCD(Charge Coupled Device)のイメージセンサアレイに入光させている。
【0028】
CCDのイメージセンサアレイで電気信号に変換された画像信号は、図示しない画像処理装置を経て、レーザ光学系104中の半導体レーザのレーザ発振を制御する。
【0029】
次に、本発明の実施形態における複写機に内蔵される制御系を図2を用いて詳細に説明する。本制御系は、メイン制御部(CPU)130を備え、メイン制御部130に対して所定のROM131、及びRAM132が付設されている。
【0030】
また、メイン制御部130には、インターフェースI/O133を介してレーザ光学系制御部134、電源回路135、YMCK各作像部に設置された光学センサ136a〜c、YMCK各現像器内に設置されたトナー濃度センサ137、環境センサ138、感光体表面電位センサ139、トナー補給回路140、中間転写ベルト駆動部141、操作部142、がそれぞれ接続されている。
【0031】
レーザ光学系制御部134は、レーザ光学系104のレーザ出力を調整する。また、電源回路135は、帯電チャージャに対して所定の帯電用放電電圧を与えると共に、現像装置105〜108に対して所定電圧の現像バイアスを与え、かつバイアスローラ、及び転写バイアスローラに対して所定の転写電圧を与える。
【0032】
なお、光学センサ136a〜cは、それぞれ感光体ドラム102a〜dに対向させ、感光体ドラム102a〜d上のトナー付着量を検知するための光学センサ136a、転写ベルト109に対向させ、転写ベルト109上のトナー付着量を検知するための光学センサ136b、搬送ベルト115に対向させ、搬送ベルト115上のトナー付着量を検知するための光学センサ136cを図示した。なお、実用上は光学センサ136a〜cのいずれか1箇所で検知すれば良い。
【0033】
光学センサ136a〜cは、感光体ドラム102a〜dの転写後の領域に近接配置される発光ダイオードなどの発光素子とフォトセンサなどの受光素子とからなり、感光体ドラム102a〜d上に形成される検知パターン潜像のトナー像におけるトナー付着量、及び地肌部におけるトナー付着量を各色毎にそれぞれ検知するとともに、感光体除電後のいわゆる残留電位を検知する。
【0034】
光学センサ136a〜cからの検知出力信号は、図示を省略した光学センサ制御部に印加される。光学センサ制御部は、検知パターントナー像に於けるトナー付着量と、地肌部におけるトナー付着量と、の比率を求め、その比率値を基準値と比較して画像濃度の変動を検知し、YMCK各色のトナー濃度センサ137の制御値の補正を行なっている。
【0035】
また、トナー濃度センサ137は、現像装置105〜108内に存在する現像剤の透磁率変化に基づいてトナー濃度を検知する。トナー濃度センサ137は、検知されたトナー濃度値と、基準値と、を比較し、トナー濃度が一定値を下回ってトナー不足状態になった場合に、その不足分に対応した大きさのトナー補給信号をトナー補給回路140に印加する機能を備えている。
【0036】
黒現像装置105内には、黒トナーとキャリアを含む現像剤が収容されており、剤撹拌部材の回転によって撹拌され、現像スリーブ上で、現像剤規制部材によってスリーブ上に汲み上げられる現像剤量を調整する。この供給された現像剤は、現像スリーブ上に磁気的に担持されつつ、磁気ブラシとして現像スリーブの回転方向に回転する。
【0037】
電位センサ139は、像担持体である感光体ドラム102a〜dのそれぞれの表面電位を検知し、中間転写ベルト駆動部141は、中間転写ベルトの駆動を制御する。
【0038】
次に、図3で示す画像処理部の第1のブロック図に基づいて、本発明の実施形態における画像処理を説明する。
【0039】
本実施形態における複写機は、CCD(Charge Coupled Device)を読み取りデバイスとして使用するスキャナ400aと、CIS(Contact Image Sensor)を読み取りデバイスとして使用するスキャナ400bと、スキャナ400a用のシェーディング補正回路401aと、スキャナ400b用のシェーディング補正回路401bと、スキャナ400a用のFL補正処理回路450と、スキャナ400b用のチップ間画素補間回路451と、メモリコントローラ(1)452と、画像メモリ453と、スキャナγ変換回路402と、像域分離・ACS判定回路403と、空間フィルタ(1)回路404と、自動濃度調整レベル検出・除去回路405と、色相判定(1)回路406と、色変換UCR処理(1)回路407と、変倍処理(1)回路408と、γ変換(1)回路409と、二値階調処理回路410と、編集処理回路411と、Mutilayer BUS412と、パターン生成回路413と、γ変換(3)回路414と、プリンタ415と、を有して構成される。
【0040】
また、グレー=>RGB変換回路425と、RGB合成回路426と、内部パターン発生回路427と、空間フィルタ(2)回路428と、ADS除去回路429と、色相判定処理(2)回路430と、色補正・UCR処理(2)回路431と、パターン発生回路432と、変倍処理(2)回路433と、総量規制回路434と、特徴量抽出回路422と、γ変換(2)回路423と、階調処理回路424と、編集(2)回路435と、圧縮・伸張回路416と、HDDI/F418と、HDD(Hard Disk)419と、回転処理回路420と、外部インターフェースI/F421と、CPU438と、メモリコントローラ(2)回路436と、メインメモリ437と、を備えている。
【0041】
また、メインメモリ437は、画像データ439と、ディスクリプタ情報440と、レジスタ・イメージ[1]441と、レジスタ・イメージ[2]442と、が格納される。
【0042】
複写すべき原稿が両面同時読み取りをユーザに指定された場合には、原稿の一方を表面として、カラースキャナ(CCD)400aによりR、G、Bに色分解されて一例として10ビット信号で読み取られ、原稿の表面と反対側を裏面として、カラースキャナ(CIS)400bにより一回の搬送により、原稿の両面が同時に読み取られる。
【0043】
スキャナ(CCD)400aからの読み取られた画像信号は、シェーディング補正回路401aにより、主走査方向のムラが補正され、8ビット信号で出力される。スキャナ(CIS)400aからの読み取られた画像信号は、同様にシェーディング補正回路401bにより、主走査方向のムラが補正され、8ビット信号で出力される。
【0044】
FL補正処理回路450では、主走査方向に並べた2組のCCDの感度差(階調性の差)を補正する。チップ間画素補間回路451は、主走査方向に並べられたCISデバイスのチップ間の間隙の画像データを、両隣の画素から補間する。
【0045】
メモリコントローラ452は、スキャナ(CCD)400aに読み取られシェーディング補正回路401a、FL補正回路450の処理後の第1の画像データ、あるいは、スキャナ(CIS)400bに読み取られ、シェーディング補正回路401b、チップ間画素補間回路451で処理された第2の画像データを、一時的に、DDRメモリを使用した画像メモリ453に記憶させておくためのDDRメモリコントローラである。
【0046】
像域分離・ACS回路403が、第1の画像データ、第2の画像データのそれぞれについて、文字領域、写真領域などの像域分離判定結果(信号X)、カラー原稿であるか、白黒原稿であるかのカラー判定結果が行われる。
【0047】
スキャナγ変換回路402では、スキャナからの読み取り信号が反射率データから明度データに変換される。画像メモリ453は、スキャナγ変換後の画像信号を記憶する。画像分離回路404では、文字部と写真部の判定、及び有彩色・無彩色判定を行う。
【0048】
空間フィルタ405では、シャープな画像やソフトな画像など、使用者の好みに応じてエッジ強調や平滑化等、画像信号の周波数特性を変更する処理に加えて、画像信号のエッジ度に応じたエッジ強調処理(適応エッジ強調処理)を行う。例えば、文字エッジにはエッジ強調を行い、網点画像にはエッジ強調を行わないという所謂適応エッジ強調をR、G、B信号それぞれに対して行う。
【0049】
図4に適応型エッジ強調回路の例を示す。スキャナγ変換402によって反射率リニアから明度リニアに変換された画像信号は、平滑化フィルタ回路1101によって平滑化を行う。
【0050】
次段の3×3のラプラシアンフィルタ1102によって画像データの微分成分が抽出される。ラプラシアンフィルタの具体例を図5に示す。
【0051】
スキャナγ変換によるγ変換をされない10ビットの画像信号のうち、上位8ビット(一例である)成分が、エッジ量検出フィルタ1103により、エッジ検出がなされる。
【0052】
エッジ量検出フィルタの具体例を図6から図9に示す。図6から図9に示したエッジ検出フィルタにより得られたエッジ量のうち、最大値がエッジ度として後段で使用される。
【0053】
エッジ度は、必要に応じて後段の平滑化フィルタ1104により平滑化される。これにより、スキャナの偶数画素と奇数画素の感度差の影響を軽減する。
【0054】
テーブル変換回路1105により、求められたエッジ度をテーブル変換する。このテーブルの値により、線や点の濃さ(コントラスト、濃度を含む)、及び網点部の滑らかさを指定する。テーブルの例を図10に示す。
【0055】
エッジ度は、白地に黒い線や点などで最も大きくなり、印刷の細かい網点や、銀塩写真や熱転写原稿などのように画素の境界が滑らかなものになるほど小さくなる。テーブル変換回路1105によって変換されたエッジ度(画像信号C)と、ラプラシアンフィルタ1102の出力値(画像信号B)との積(画像信号D)が、平滑処理後の画像信号(画像信号A)に加算され、画像信号Eとして後段の画像処理回路に伝達される。
【0056】
色補正処理は、上述した色補正・UCR処理(1)回路407、及び色補正・UCR処理(2)回路431にて行われる。色変換UCR処理(1)回路407、及び色補正・UCR処理(2)回路431では、入力系の色分解特性と出力系の色材の分光特性の違いを補正し、忠実な色再現に必要な色材YMCの量を計算する色補正処理部と、YMCの3色が重なる部分をBk(ブラック)に置き換えるためのUCR処理部からなる。その処理の方法について図11から図13に示す色空間の図を用いて説明する。
【0057】
図11に示すように色補正処理は、無彩色軸(R=G=B(≡N軸))を中心として放射状に広がる平面で、色空間(R,G,B)を分割して行われる。彩度は、N軸に垂直に設けられたT軸に沿って変化する。また、色相は、T軸に平行な平面においてN軸を中心とした回転方向Uに沿って変化する。すなわち、所定の回転方向UにおいてN軸に平行に形成された面上のすべての点は、回転方向Uによって定まる色相を示す色の点である。
【0058】
また、点C、M、Yは、それぞれプリンタの一次色であるCMYにおいて、彩度が最大となる点である。また、点R、G、Bは、それぞれプリンタの2次色であるRGBにおいて、彩度が最大となる点である。プリンタ色再現領域672は、これらの点C、M、Y、R、G、Bと、点W、及び点Kを曲線で結ぶことによって形成された略球面状の領域である。すなわち、プリンタ色再現領域672の内側がプリンタにおいて出力可能な色の領域である。また、信号色領域660は、カラー画像信号に対する信号色が取り得る色の領域である。
【0059】
なお、画像処理装置は、この色空間において信号色を補正する場合に、処理を簡単にするために、プリンタ色再現領域670をプリンタ色再現領域672とみなす。ここで、プリンタ色再現領域670は、8色の最大値に対応する点C、M、Y、R、G、B、点W、及び点Kを直線で結ぶことによって形成された12面体状の領域である。なお、このように、プリンタ色再現領域670を、プリンタ色再現領域672とみなすことにより、補正量Xに実質的な誤差は生じない。
【0060】
次に、図12に基づいて色相領域について説明する。図12は、複数の色相領域に分割された色空間を示している。C境界面633は、点C、W、Kにより定まる平面である。同様に、i境界面634〜638(i=M,Y,R,G,B)は、それぞれ、点i、W、K(i=M,Y,R,G,B)により定まる平面である。色空間は、これらの境界面633〜638によって分割される。これら境界面633〜638によって分割された色空間には、CB色相領域640、BM色相領域641、MR色相領域642、RY色相領域643、YG色相領域644、GC色相領域645が形成されている。
【0061】
色相判定(1)回路406、及び色相判定(2)回路430による画像データの色相判定方法について説明する。まず、3次元空間の色相判定の方法を説明し、次に2次元色平面における色相判定の方法について説明する。
【0062】
3次元空間の色相判定においては、画像データから各色相評価値Fxを算出し、色相評価値Fxに基づいて、信号色を含む色相領域の色相領域コードを決定する。
【0063】
ここで、色相評価値Fxの理論的な導出方法について説明する。図11に示した点C、M、Y、R、G、B、W、Kを示す色座標をそれぞれ(Dir,Dig,Dib)(i=c,m,y,r,g,b,w,k)と示すことにする。例えば、点Cに対応する色座標は、(Dcr,Dcg,Dcb)であり、カラー画像信号の色空間における値は(Dr,Dg,Db)である。この場合、例えばC境界面633は次式で表される。
【0064】
【数1】

【0065】
同様に、境界面634〜638は、それぞれ次式で表される。
【0066】
【数2】

【0067】
【数3】

【0068】
【数4】

【0069】
【数5】

【0070】
【数6】

【0071】
色空間は、例えば、境界面633によって、CB色相領域640を含む領域とGC色相領域645を含む領域との2つの領域に分割される。同様に、色空間は、各境界面634〜638によって2つの領域に分割される。そこで、カラー画像信号がいずれの色相領域に含まれるかは、カラー画像信号が各境界面633〜638によって形成される2つの領域のうちいずれの領域に含まれるかに基づいて判定することができる。
【0072】
すなわち、(数1)〜(数2)のそれぞれにカラー画像信号(Dr,Dg,Db)を代入して得られた値の正負に基づいて、カラー画像信号が含まれる色相領域を判定することができる。そこで、(数1)〜(数2)に基づいて色相評価値Fxを定める。
【0073】
すなわち、(数1)〜(数2)の左辺をそれぞれFc、Fm、Fy、Fr、Fg、Fbとする。
【0074】
【数7】

【0075】
【数8】

【0076】
【数9】

【0077】
【数10】

【0078】
【数11】

【0079】
【数12】

【0080】
すなわち、3次元空間の色相判定においては、(数7)〜(数12)において定められた各色相評価値Fxを算出する。例えば、色空間における任意の点(Dr,Dg,Db)から算出されたFc,Fgが、「Fc≦0 and Fb>0」を満たす場合、この点はCB色相領域に含まれることが表1からわかる。このように、各色相領域は、色相評価値Fxにより定義される。すなわち、表1に示した色相領域コードテーブルにおいて色相領域コードに対応付けられている色相評価値Fxの条件は、以上の式から定められた条件である。
【0081】
【表1】

【0082】
なお、表1に示した色相領域コードテーブルにおいては、便宜的にN軸上の色座標をGC色相領域に含めているが、他の色相領域に含めてもよい。
【0083】
また色相評価値Fxは、(Dir,Dig,Dib)(i=c,m,y,r,g,b,w,k)の実際の値によって変化する。したがって、色相領域コードテーブル(表1)において各色相領域コードに対応付けるべき色相評価値の条件は、色相評価値の値に応じて変更してもよい。
【0084】
次に、3次元の色空間を2次元平面に写像し、2次元平面における、カラー画像信号の色座標を利用して、カラー画像信号が含まれる色相領域を判定する方法について、図14の色平面図と図15のフローチャートに基づいて、色相領域判定部の動作について説明する。
【0085】
図15に示すフローチャートにおいて、まず、色相領域判定部にカラー画像信号が入力されると、カラー画像信号の値を2次元化する(ステップS250)。すなわち、カラー画像信号の値を後述する(数13)〜(数14)に代入して差分GRおよび差分BGを得る。これにより、カラー画像信号の色空間における値(Dr,Dg,Db)を色平面における値(GR,BG)に変換する。
【0086】
次に、入力されたカラー画像信号の各色の値から差分GR、差分BG、および各色相評価値Fx’(x=c,m,y,r,g,b)を算出し(ステップS252)、各色相評価値Fx’、差分GR、および差分BGに基づいて、色相領域コードテーブル(表2)を利用して、信号色を含む色相領域の色相領域コードを決定する(ステップS254)。なお、色相評価値Fx’の条件については後述する。
【0087】
【表2】

【0088】
図14は、カラー画像信号を写像すべき2次元平面を示している。この2次元平面において、「Dg−Dr」に相当する直線をGR軸とし、「Db−Dg」に相当する直線をBG軸とする。GR軸とBR軸とは互いに直交している。
【0089】
色空間上の点(Dr,Dg,Db)は、次式により、図14に示す色平面に写像される。
【0090】
【数13】

【0091】
【数14】

【0092】
また、色空間におけるN軸上の点(Dnr,Dng,Dnb)は、図14に示す色平面における点(Dng−Dnr,Dnb−Dng)に写像される。Dnr=Dng=Dnbであるから、次式で表される。
【0093】
【数15】

【0094】
すなわち、N軸上のすべての点は、図14に示す平面における原点nに写像される。また、色空間における点C,M,Y,R,G,Bは、原点nの周囲に図14に示すように配置されている。したがって、図12に示した6つの色相領域640〜645は、色平面においてN軸と点C,M,Y,R,G,Bとをそれぞれ結んだ直線で分割された領域740〜745に写像される。
【0095】
色相評価値Fx’の導出方法について説明する。図14に示した色平面において、点Nと、点C,M,Y,R,G,Bとをそれぞれ結んだ直線、すなわち、直線NC、直線NM、直線NY、直線NR、直線NG、および直線NBはそれぞれ以下のように表される。
【0096】
【数16】

【0097】
【数17】

【0098】
【数18】

【0099】
【数19】

【0100】
【数20】

【0101】
【数21】

【0102】
(数16)〜(数21)のそれぞれに、カラー画像信号のGR値を代入して得られるBG値と、実際のカラー画像信号のBG値との大小関係から、各式によって定まる直線と、カラー画像信号に対応する点との位置関係がわかる。したがって、カラー画像信号が、いずれの色相領域に含まれるかは、(数16)〜(数21)にカラー画像信号のGR値を代入して得られるBG値と、カラー画像信号のBG値との大小関係に基づいて、判定することができる。
【0103】
そこで、(数16)〜(数21)に基づいて次のように色相評価値Fx’を定める。すなわち、(数16)〜(数21)の左辺をそれぞれFc’、Fm’、Fy’、Fr’、Fg’、Fb’とすれば、次式で表される。
【0104】
【数22】

【0105】
【数23】

【0106】
【数24】

【0107】
【数25】

【0108】
【数26】

【0109】
【数27】

【0110】
例えば、色平面における任意の点(GR,BG)から算出されたFc’、及びFb’が、「BG≦Fc’ and BG>Fb’」を満たす場合、この点は、CB色相領域に含まれることがわかる。すなわち、表2に示した色相領域コードテーブルにおいて色相領域コードに対応付けられている色相評価値Fx’の条件は、以上の式から定められた条件である。
【0111】
このように、表2の色相領域コードテーブルに色相評価値Fx’の条件が予め設定されている。したがって、色相判定回路は、表2の色相領域コードテーブルのように、各色相領域コードに対応付けられている色相評価値Fx’の条件の中から、BG、及び色相評価値Fx’が満たす条件を特定し、色相領域コードテーブル(表2)において、この条件に対応付けられている色相領域コードを選択すればよい。
【0112】
なお、表2に示した色相領域コードテーブルにおいては、N軸上の色座標をGC色相領域に含めているが、他の色相領域に含めてもよい。
【0113】
また色相評価値Fx’は、(Dir,Dig,Dib)(i=c,m,y,r,g,b,w,k)の実際の値によって変化する。したがって、色相領域コードテーブル(表2)において各色相領域コードに対応付けるべき色相評価値の条件は、色相評価値Fx’の値に応じて変更してもよい。
【0114】
なお、(数13)〜(数14)に示した変換式によりカラー画像信号(Dr,Dg,Db)を色平面における値(GR,BG)に変換したが、これにかえて、以下に示す変換式により、変換してもよい。
【0115】
【数28】

【0116】
【数29】

【0117】
ここで、Ri=Gi=Bi=0,Rj=Gj=Bj=0である。
【0118】
入力された画像信号(R,G,B)が分割された空間の何処に属するかを上述したように、色相判定回路にて判定し、その後、各空間毎に予め設定しておいたマスキング係数を用いて次式を用いて色補正処理を行う。その際、濃度調整やカラーバランス調整など、必要に応じてマスキング係数の線形処理等を行う。なお、以下で分割点とは例えば図11における点G(Green)のように、境界面と辺が交わった点である。
【0119】
【数30】

【0120】
色相hueがG(Green)とした場合は以下の式となる。
【0121】
【数31】

【0122】
ここで、左辺P(hue)(P=C,M,Y,K;hue=色相R,G,B,Y,M,C,K,W etc)をプリンタベクトル、右辺S(hue)(S=B,G,R;hue=色相R,G,B,Y,M,C,K,W etc)をスキャナベクトル、aPS(hue)(P=C,M,Y,K; S=B,G,R)を各色相毎の線形マスキング係数と呼ぶ。
【0123】
通常、各空間の線形マスキング係数aPS(色相)(P=Y,M,C,K; S=R,G,B,定数)は、図12に示すような無彩色軸上の異なる2点(R1,G1,B1)、及び(R2,G2,B2)と、無彩色軸上にない2境界面上の2点(R3,G3,B3)、及び(R4,G4,B4)の計4点のR,G,Bの値とその色再現に最適な現像部C、M、Y及びKの記録値(C1,M1,Y1,K1)、(C2,M2,Y2,K2)、(C3,M3,Y3,K3)、及び(C4,M4,Y4,K4)を予め決めておき、以下に示す演算により求める。
【0124】
【数32】

【0125】
(数32)の両辺に
【0126】
【数33】

【0127】
(数33)の逆行列
【0128】
【数34】

【0129】
(数34)をかけて両辺を入れ替えると、
【0130】
【数35】

【0131】
として線形マスキング係数aPS(色相)(P=Y,M,C,K; S=R,G,B)が得られる。
【0132】
ここで、aXY(3-4)は、色相3と色相4の間の色領域で成り立つマスキング係数を表す。また、各点のC、M、Y及びKの記録値はUCR(下色除去)前の等価無彩色濃度換算値とする。なお、以下では説明を簡略にするために、無彩色軸上の2点を白点と黒点とする。この場合、等価無彩色濃度換算値が取得る最大値をXmaxとすれば、各値には以下のような関係がある。
【0133】
白点の場合 R1=G1=B1=C1=M1=Y1=0≧K1
黒点の場合 R1=G1=B1=C1=M1=Y1=Xmax≧K2
【0134】
また、境界面上の2点は、現像部C、M、Y及びKの記録値の最小値が0で、記録値の最大値がXmaxとなる点、すなわち、各境界面上で記録可能な、最も彩度の高い点とすると良い。すなわち、以下の関係が成立する。
【0135】
Min(C3,M3,Y3)=0≧K3
Max(C3,M3,Y3)=Xmax
Min(C4,M4,Y4)=0≧K4
Max(C4,M4,Y4)=Xmax
【0136】
現像部Kの記録値を現像部C、M、及びYのうちの最小値から、例えば以下のように決定しておくことで、UCR率を制御することもできる。
【0137】
UCR率100%の場合: K=Min(C,M,Y)
UCR率70%の場合: K=Min(C,M,Y)×0.7
【0138】
図11のように6つの境界面で色空間(R,G,B)を分割する場合、少なくとも各境界面上の6点と、無彩色軸上の2点の、計8点のR,G,Bの値と、その色の再現に最適な現像部のC、M、Y、及びKの記録値を予め決めておき、これらに基づいて各空間のマスキング係数を求める。なお、上述にように各空間のマスキング係数を予め求めてROM、RAM等に記憶しておき、色補正処理において、色相判定で判定された色に応じて適切なマスキング係数を選択し、色補正を行うことができる。
【0139】
CCDやCISの分光特性の違いを補正するためには、上記の線形マスキング係数を図44に示したスキャナーデータ・キャリブレーションチャートの読み取り値に基づいて新たな線形マスキング係数を算出する。以下、その方法について説明する。
【0140】
無彩色軸上にない境界面上の点を、例えば標準的な分光特性を示すスキャナCCDで読取った場合の値を(Ri,Gi,Bi)(i=色相1〜4)とする。同じ点を他のスキャナで読み取った場合、スキャナCCDの分光特性のばらつきによりこの点は(Ri,Gi,Bi)(i=色相1〜4)とは異なる値である(Ri',Gi',Bi')(i=色相1〜4)として読み取られる。この結果、現像部C、M、Y、及びKの記録値は(Ci',Mi',Yi',Ki')(i=色相1〜4)として計算される。すなわち、(数32)を次の(数36)のように表すことができる。
【0141】
【数36】

【0142】
(数36)より、色相領域3'-4'の線形マスキング係数aPS(色相3'-4')(P=Y,M,C,K;S=R,G,B)を求めるために、両辺に、
【0143】
【数37】

【0144】
(数37)の逆行列
【0145】
【数38】

【0146】
(数38)をかけて両辺を入れ替えると、
【0147】
【数39】

【0148】
として色相領域3'-4'の線形マスキング係数aPS(色相3'-4')(P=Y,M,C,K;S=R,G,B)を求めることができる。同様に、他の色相の各々について線形マスキング係数aPS(各色相)(P=Y,M,C,K;S=R,G,B)を求めることができる。
【0149】
プリンタベクトルP(i)(P=Y,M,C,K;i=各色相)は、コピーを行う対象である原稿の原稿種類に応じて変更することにより、コピーの色再現性を向上させることができる。
【0150】
原稿種とは、例えば、インクを色材に用いた印刷原稿、YMC感光層を色材にした印画紙写真原稿、トナーを色材にした複写原稿、インクジェットプリンタ出力を原稿としたインクジェット原稿、特色インクを使用した地図原稿、蛍光ペンを識別させるための蛍光ペンを対象とした色補正係数などが一例としてあげられる。
【0151】
すなわち、プリンタベクトルP(i)(P=Y,M,C,K;i=各色相)を上記の格言子運対応したP原稿種(i)(P=Y,M,C,K;i=各色相、原稿種=印刷、印画紙写真、複写原稿、地図、インクジェット、蛍光ペンetc)を操作部で選択された各画質モードに対応して各画質モードに対応したaPS原稿種(色相)(P=Y,M,C,K;S=R,G,B,定数)を演算し、回路(ASIC)に設定してコピー時に用いる。
【0152】
【数40】

【0153】
UCR処理は次式を用いて演算することにより行うことができる。
【0154】
【数41】

【0155】
(数41)において、αはUCRの量を決める係数で、α=1の時、100%UCR処理となる。αは一定値でも良い。例えば、高濃度部では、αは1に近く、ハイライト部(低画像濃度部)では、0に近くすることにより、ハイライト部での画像を滑らかにすることができる。
【0156】
上記の色補正係数は、RGBYMCの6色相をそれぞれ2分割した12色相に、更に黒、及び白の14色相毎に異なる。色相判定回路は、読み取った画像データがどの色相に判別するかを判定する。判定した結果に基づいて、各色相毎の色補正係数が選択される。変倍処理回路では、主走査、副走査変倍を行う。
【0157】
プリンタγ変換(1)回路409は、像域分離信号に応じて文字用・写真用のプリンタγ変換を行ったり、あるいは、二値階調処理回路410で、二値化処理を行う前にプリンタγ変換を行う。
【0158】
二値階調処理410では、FAX送信や、スキャナ配信を行う際に、単純二値化処理、二値ディザ処理、二値誤差拡散処理、二値変動閾値誤差拡散処理などの二値化処理を、文字モード、写真モード、文字・写真モードなど、操作部もしくは、I/F421に接続したLANを経由してPC(Personal Computer)などからの指示により、適応する。編集回路411では、端部マスク処理、論理反転などの編集処理を行う。
【0159】
画像データ保管時には、Multilayer Bus412を経由して、圧縮・伸張処理回路416で、圧縮処理がなされ、HDDI/F418を介して、HDD(Hard Disk Drive)419内に圧縮された画像データが保管される。
【0160】
保管される画像データは、使用目的に応じて、RGB信号、K(Gray)信号、CMYK信号、RGBX信号(X信号は像域分離結果)として保管される。RGB信号は配信用、K(Gray)信号は、配信やFAX送信用、CMYK信号は、紙への印刷用、RGBX信号は、CMYKデータ生成、もしくは、s−RGB信号に色空間変換を行い、配信するなどの再処理用として保管する。
【0161】
スキャナ400により読み取られた画像データを、FAX送信、あるいはスキャナ送信用に使用される場合には、色補正・UCR処理(1)回路407では、s−RGB、もしくはK(Gray)信号に変換されたのち、メモリコントローラ(2)436を通して、メインメモリ437に保管される。
【0162】
転写紙に印刷出力する場合には、Multilayer Bus412を経由して、Gray=>RGB変換回路425は、RGB画像データから必要に応じてGray信号を生成する。その際、Green信号をR=G=BとしてGray化する処理が、必要に応じて行われる。RGB合成回路426は、必要に応じてRGB画像データを上書き合成、透かし合成を行う。
【0163】
内部パターン発生427は、必要に応じて、後述するACC(自動階調補正)パターンや、登録色パターンなどを発生する。空間フィルタ(2)回路428は、必要に応じてエッジ強調、平滑化処理など空間フィルタ処理を行う。ADS除去回路429は、必要に応じて原稿追従型の地肌除去処理を行う。
【0164】
色相判定処理(2)回路430、色補正・UCR処理(2)回路431の機能は、それぞれ色相判定処理(1)回路406、色補正・UCR処理(1)回路407と同様である。変倍処理(2)回路433は、変倍処理(1)回路408と同様である。総量規制回路434は、色補正・UCR処理(2)回路431でCMYK信号に変換された際に、転写紙上のYMCKトナーの総量を規制する。
【0165】
色補正・UCR処理(2)回路431でCMYKデータに変換され、特徴量抽出処理回路422にて、画像のエッジ、非エッジ、エッジと非エッジの中間の弱エッジなどの判定処理がなされ、γ変換(2)回路423で、エッジ、非エッジ、弱エッジなどの判定結果に応じて、γ変換処理が行われ、階調処理回路424で、二値、あるいは多値のディザ処理、二値あるいは多値の誤差拡散処理、二値あるいは多値の変動閾値誤差拡散処理などの階調処理を行う。
【0166】
ディザ処理は、1×1のディザ無し処理から、m×nの画素(m,nは正の整数)からなるディザ処理まで任意のサイズのディザ処理を選択することができる。ここでは、36画素まで(一例である)の画素を用いたディザ処理までを行うことができる。36画素すべての画素を使用するディザのサイズとしては、一例として主走査方向6画素×副走査方向6画素の計36画素、あるいは、主走査方向18画素×副走査方向2画素の計36画素などである。
【0167】
図17(a)は、主走査方向6画素×副走査方向6画素の計36画素をディザ処理に用いた場合の例である。図17(b)は、インデックステーブルの例で、図17(c)〜(e)は、主走査2画素×副走査2画素の階調処理テーブルの例である。
【0168】
図17(b)で示すインデックステーブルは、それぞれの画素と、その画素に適応される階調テーブルの番号との対応関係を記録したテーブルである。インデックステーブル、及び階調処理テーブルは、階調処理回路424内にレジスタと呼ばれる一時的なメモリとして存在し、それぞれへの設定値はCPU438の制御により行われる。
【0169】
図17(c)〜(e)の横軸は、画素に入力する画像信号で、縦軸は画素からの出力値を表す。図17(c)は、T1、T2、T3の3つのテーブルを図示し、図17(d)に対しては、T1、及びT2のテーブルは、図17(c)と共通で、T4、T5のテーブルが異なっている。図17(e)は、T6、T7、及びT3のテーブルを図示している。T3のテーブルは、図17(c)と共通である。
【0170】
図18は、画素の番号を主走査方向に1画素シフトするように値を設定した例である。図示しないが、このほかにも副走査方向にシフトさせる用に設定することも可能であり、これらの主走査方向のシフト量、および副走査方向のシフト量への値を設定する事により、YMCK各色毎にスクリーン角を異ならせた階調処理の設定も可能である。
【0171】
図19は、主走査方向2画素×副走査方向2画素のディザに対応するインデックステーブルの例である。
【0172】
図20、図21で示すようにメインメモリ437には、画像データ439、ディスクリプタ情報440、レジスタ・イメージ441を保持した状態を表している。編集(2)回路435は、画像追加/削除、枠消去、センターマスクなどのマスク処理、白黒(論理)反転などを、必要に応じて行う。
【0173】
画像データ439は、画像データ(1)、および図示しない、画像データ2、画像データ3、…、などからなる。ディスクリプタ情報440は、ディスクリプタ情報(1)、および図示しない、ディスクリプタ情報2,ディスクリプタ情報3、…、などからなる。レジスタ・イメージ441は、レジスタ・イメージ(1)、および図示しない、レジスタ・イメージ2,レジスタ・イメージ3、…、からなる。
【0174】
画像データ439、ディスクリプタ情報440、レジスタ・イメージ441は、電源投入時や、メモリの初期化時などでは、メインメモリ437中には必ずしも存在せず、画像処理の必要に応じて、メインメモリ中から必要とするメモリ量が確保される。画像データ439は、ある場合には、スキャナ400(a、b)のいずれかから読み込まれて画像データが保持され、ある場合には、HDD419に保持されている画像データが、HDDI/F418、BUS412、メモリコントローラ(2)436を介して転送されてきた画像データであり、また、ある場合には、外部I/F421を介して、コンピュータ(PC)からLAN回線を通して送信されてきたプリンタデータであり、また、あるいは、図示しない電話回線を通して送られて来たFAXデータである。
【0175】
レジスタ・イメージ441は、グレー=>RGB変換425回路〜編集(2)回路までの各画像処理モジュールに設定するための、画像処理パラメータを保持する。
【0176】
ディスクリプタ情報440の一例を図22に示す。ディスクリプタ情報440は、画像処理すべき画像データ439のメモリ中のアドレス、画像処理後の画像データを格納すべきアドレス、画像データの画像処理に使用する画像処理パラメータの格納アドレス、次に処理すべきディスクリプタ情報が格納されているメインメモリ中のアドレスを情報として有している。画像データのアドレスは、仮想メモリとして、HDD419中のアドレスを指定することも可能である。
【0177】
図23に画像処理のフローチャートを示す。
【0178】
ディスクリプタ情報440を読み込み(ステップS401)、ディスクリプタ情報440に設定されている情報に基づいて、画像処理パラメータを画像処理モジュールにDMA転送する(ステップS402)。このとき、図20、あるいは図21に図示するように画像処理パラメータが各モジュールに設定される。
【0179】
処理すべき画像処理データのアドレスを読み込み、メインメモリもしくは仮想メモリ中から画像データをDMA転送で読み込む(ステップS403)。
【0180】
次に、画像処理を行い(ステップS404)、画像処理後の画像データをDMA転送を行って保管する(ステップS405)。ここで、画像データの画像処理が終了したか否かを判定する(ステップS406)。なお、画像データの処理は、数10ライン程度のバンド毎に、ステップS403〜ステップS406の処理を、画像データ処理終了まで行う。
【0181】
画像処理が終了したら、次のディスクリプタ情報へのアドレスを読み込む(ステップS407)。ここで、次のディスクリプタ情報が存在するか否かを判定し(ステップS408)、存在する場合には、次のディスクリプタ情報を読み込み、ステップS401以降を繰り返す。一方、次のディスクリプタ情報が存在しない場合には、終了割り込みを発行し、処理を終了する(ステップS409)。
【0182】
次に、図24、及び図25のシーケンス図に基づいて画像処理の動作について詳細に説明する。
【0183】
図24で示すように、まず、ユーザが画像処理の実行を指示する(ステップS2401)。入力画像データ用のメモリ領域が確保されていない場合には、メイン制御部は、メインメモリからメモリ領域を確保し(ステップS2402)、入力画像データを、HDD、LAN、スキャナなどから取得する(ステップS2403)。ただし、HDDから入力画像データを取得する場合には、メインメモリから、入力画像データ用メモリ領域の確保は、必ずしも必要でなく、HDDから入力画像データを直接読み込んで、後述する処理のための入力画像データとすることも可能である。なお、ステップS2402〜ステップS2403の処理は、連続して処理するデータが存在する場合には、繰り返す。
【0184】
連続して処理する全てのデータを取得したら、メイン制御部は、画像処理制御部に画像処理の準備(入力画像データのアドレス、画像処理内容)指示を行う(ステップS2404)。画像処理制御部は、レジスタ・イメージが存在しない場合には、メインメモリからメモリ使用領域を確保する(ステップS2405)。このとき、後で使用するため、確保されたレジスタ・イメージのアドレスを記憶する。
【0185】
次に、画像処理制御部は、メインメモリ、もしくはHDD内の仮想メモリなどから画像処理後の画像データの格納領域を確保し(ステップS2406)、設定管理部へパラメータ計算の指示を行う(ステップS2407)。設定管理部は、指定された画像処理内容に基づいて、画像処理パラメータを計算する(ステップS2408)。
【0186】
画像処理制御部は、設定管理部に、ステップS2405で確保したレジスタ・イメージのアドレスを設定する(ステップS2409)。設定管理部は、最適化部へパラメータ設定指示を行い(ステップS2410)、最適化部は、ステップS2408のパラメータ計算で取得した画像処理パラメータに基づいて、データ・イメージ差分管理部にレジスタ・イメージ領域との差分の発生有無を問い合わせる(ステップS2411)。
【0187】
データ・イメージ差分管理部は、差分の発生有無と、使用すべき最適なイメージ・パターンについての情報を、最適化部に返す(ステップS2412)。最適化部は、データ・イメージ差分管理部からの情報に基づいて、どのソース・イメージ・パターンに画像処理パラメータを設定すべきかを判定し(ステップS2413)、画像処理パラメータを再設定する必要がある場合には、画像処理パラメータの設定を、ソース・イメージ・パターンに対して行う(ステップS2414)。
【0188】
設定管理部は、ソース・イメージ・パターンに設定されている設定内容を読み出し(ステップS2415)、レジスタ・イメージに設定(複写)する(ステップS2416)。
【0189】
ディスクリプタ情報がメインメモリから確保されていない場合には、画像処理制御部は、メインメモリからメモリ領域を確保し(ステップS2417)、入力画像データのアドレス、出力画像データのアドレス、レジスタ・イメージのアドレス、存在する場合には、次のディスクリプタ情報が格納されているアドレスを設定する(ステップS2418)。その後、画像処理制御部から、メイン制御部に、出力画像データのアドレスを返す(ステップS2419)。
【0190】
また、図25で示すように、メイン制御部は、画像処理制御部へ画像処理の実行指示を行い(ステップS2501)、画像処理制御部は、ステップS2417〜ステップS2418で作成したディスクリプタ情報を、DMAコントローラに設定する(ステップS2502)。
【0191】
ディスクリプタ情報を設定されたDMAコントローラでは、ディスクリプタ情報から、入力画像データのアドレス、出力画像データのアドレス、画像処理パラメータ(レジスタ・イメージ)のアドレスを取得し(ステップS2503)、画像処理パラメータ(レジスタ・イメージ)に設定されているパラメータを読み出し(ステップS2504)、画像処理ハードウェアにDMA転送し、パラメータを設定する(ステップS2505)。
【0192】
次に、入力画像データを、バンド(所定のライン数)毎に読み出し(ステップS2506)、ハードウェア・デバイスに対して、画像処理の実行指示を行い(ステップS2507)、画像処理ハードウェアで画像処理を行い(ステップS2508)、生成した出力画像データを、出力画像データを格納するメモリ(もしくは仮想メモリ)に書き出す(ステップS2509)。
【0193】
画像データの画像処理終了後に、ディスクリプタ情報から、次のディスクリプタ情報のアドレスを取得する(ステップS2510)。次のディスクリプタ情報が存在する場合には、ステップS2503〜ステップS2510の処理を繰り返す。一方、次のディスクリプタ情報のアドレスが存在しない場合は、画像処理終了割り込みの発行を行い、処理を終了する(ステップS2511)。
【0194】
メイン制御は、ステップS2511で発行された画像処理の終了割り込みを受け取った後、画像処理制御部に対し、画像処理が終了した旨を送信し(ステップS2512)、画像処理制御部は、必要に応じて、確保したレジスタ・イメージの領域解放(ステップS2513)、ディスクリプタ情報のメモリ解放(ステップS2514)を実行する。また、入力画像データが不要である場合には、メイン制御部は、メモリ解放(ステップS2515)を行う。
【0195】
次に、メイン制御部は、画像処理後の出力画像データを読み出し(ステップS2516)、必要に応じて、印刷、配信、保管などの処理を行う。印刷は、プリンタに出力画像データを転送し、配信は、LAN回線を使用した送信、あるいは電話回線を通じてのFAX送信などを行う。保管は、HDDに保存する。その後、出力画像データが不要になった場合には、メモリ解放(ステップS2517)を行う。
【0196】
(実施形態1)
本実施形態においては、レジスタ・イメージ(画像処理パラメータ)を図26に示すように設定する。図26は、本発明の実施形態における画像処理パラメータの設定方法を示す図である。
【0197】
図26に示すように、レジスタ・イメージ(1)441の各パラメータの領域は、必要に応じてメインメモリ中から確保される。総量規制用パラメータ(レジスタ・イメージ領域)としては、パターン3がメインメモリから確保され、色補正・UCR処理(2)回路用のパラメータ(レジスタ・イメージ)領域として、パターン1−1、パターン1−2がメインメモリ中から確保される。
【0198】
パターン1−1には、CCDデバイス用のレジスタパラメータを設定し、パターン1−2には、CISデバイス用のパラメータを設定し、保持している。
【0199】
階調処理用パラメータ(レジスタ・イメージ)領域として、パターン2−1、2−2、2−3を一例として図示している。パターン1−1には、文字・写真モード用で0度回転した(回転しない)階調処理用レジスタ・イメージ、と特徴量量子化閾値を設定する。パターン2−2には、文字・写真モード用90度回転用の階調処理用レジスタ・イメージと特徴量抽出閾値を設定する。
【0200】
また、フィルタ用のレジスタ・イメージ領域、γ変換(2)用のレジスタ・イメージ領域は確保せずに、CPUで計算したパラメータを、直接、画像処理パラメータ領域に設定する。
【0201】
図27は、画像処理パラメータの複写元として、一組のレジスタ・イメージ領域を使用して、画像データ1、2、3、4、…、をディスクリプタ情報を使用して連続処理する実施例の、タイミングチャートの概念図である。
【0202】
パターンにパラメータ(レジスタ・イメージ)を、画像処理パラメータ(1)、(2)、(3)、…、と順次、設定管理部による設定と、コピーを繰り返す。
【0203】
画像処理ハードウェア(グレー=>RGB変換425〜編集(2)回路435)に、画像処理パラメータ(1)をDMA転送し、画像データ(1)の画像処理を行い、画像データ(1)の処理後、画像処理パラメータ(2)をDMA転送し、画像データ(2)の画像処理を行う。図では、画像データ(4)の画像処理までのタイミングチャートの概念図を表している。
【0204】
画像処理パラメータ(1)の設定時間は、CPU内の設定管理部が、一組のパターン(レジスタ・イメージ)にパラメータを設定する時間で、画像処理パラメータ(2)のパラメータ設定時間は、画像処理パラメータ(1)のパラメータ設定時間より短い時間で終了している。これは、パラメータの再設定を行わない時間、設定に要する時間が短くなったことを表す。
【0205】
レーザ変調回路のブロック図を図28に示す。書き込み周波数は、18.6[MHz]であり、1画素の走査時間は、53.8[nsec]である。8ビットの画像データは、ルックアップテーブル(LUT)551でγ変換を行うことができる。
【0206】
パルス幅変調回路(PWM)552で8ビットの画像信号の上位3ビットの信号に基づいて8値のパルス幅に変換され、パワー変調回路(PM)553で下位5ビットで32値のパワー変調が行われ、レーザーダイオード(LD)554が変調された信号に基づいて発光する。フォトディテクタ(PD)555で発光強度をモニターし、1ドット毎に補正を行う。レーザ光の強度の最大値は、画像信号とは独立に、8ビット(256段階)に可変できる。
【0207】
1画素の大きさに対し、主走査方向のビーム径(これは、静止時のビームの強度が最大値に対し、1/e2に減衰するときの幅として定義される)は、600DPIで、1画素42.3[μm]では、ビーム径は主走査方向50[μm]、副走査方向60[μm]が使用される。ライン1、ライン2の画像データのそれぞれに対応して、上記のレーザー変調回路が用意されている。ライン1及びライン2の画像データは、同期しており、感光体上を主走査方向に並行して走査する。
【0208】
図29は、画像読み取り系のブロック図を示している。また、図30は、スキャナ光学系の模式図を示している。原稿は、図30で示す露光ランプ(キセノンランプ)により照射され、反射光は、CCD(Charge Coupled Device)5401のRGBフィルタにより色分解されて読みとられ、増幅回路5402により所定レベルに増幅される。
【0209】
CCDドライバ5409は、CCDを駆動するためのパルス信号を供給する。CCDドライバ5409を駆動するために必要なパルス源は、パルスジェネレータ5410で生成され、パルスジェネレータ5410は、水晶発振子などからなるクロックジェネレータ5411を基準信号とする。パルスジェネレータ5410は、サンプルホールド(S/H)回路5403がCCD5401からの信号をサンプルホールドするための必要なタイミングを供給する。
【0210】
S/H回路5403によりサンプルホールドされたアナログカラー画像信号は、A/D変換回路5404で8ビット信号(一例である)にデジタル化される。黒補正回路5405は、CCDのチップ間、画素間の黒レベル(光量が少ない場合の電気信号)のばらつきを低減し、画像の黒部にスジやムラを生じることを防ぐ。
【0211】
シェーディング補正回路5406は、白レベル(光量が多い場合の電気信号)を補正する。白レベルは、スキャナを均一な白色版の位置に移動して照射した時の白色データに基づき、照射系、光学系やCCD5401の感度ばらつきを補正する。
【0212】
図31に白補正・黒補正の画像信号の概念図を示す。シェーディング補正回路5406からの信号は、画像処理部5407により処理され、プリンタ412で出力される。上記回路は、CPU5414により制御され、ROM5413、及びRAM5415に制御に必要なデータを記憶する。CPU5414は、画像形成装置全体の制御を行うシステムコントローラ419とシリアルI/Fにより通信を行っている。CPU5414は、図示しないスキャナ駆動装置を制御し、スキャナの駆動制御を行う。
【0213】
増幅回路5402の増幅量は、ある特定の原稿濃度に対して、A/D変換回路5404の出力値が所望の値になるように決定する。一例として、通常のコピー時に原稿濃度が、0.05(反射率で0.891)のものを8ビット信号値で240値として得られるようにする。
【0214】
一方、シェーディング補正時には、増幅率を下げてシェーディング補正の感度を上げる。その理由は、通常のコピー時の増幅率では、反射光が多い場合には、8ビット信号で255値を超える大きさの画像信号となると、255値に飽和してしまい、シェーディング補正に誤差が生じるためである。
【0215】
図32は、増幅回路5402で増幅された画像の読み取り信号がS/H回路5403でサンプルホールドされる模式図を示す。横軸は、増幅後のアナログ画像信号がS/H回路5403を通過する時間で、縦軸は、増幅後のアナログ信号の大きさを表す。所定のサンプルホールド時間5501でアナログ信号がサンプルホールドされて、A/D変換回路5404に信号が送られる。図は前述した白レベルを読みとった画像信号で、増幅後の画像信号は、コピー時は、一例として、A/D変換後の値として240値、白補正時は、180値とした増幅後の画像信号の例である。
【0216】
図33は、CIS(Contact Image Sensor)の模式図である。LED光源5601からの光は、カバー5603を通過して原稿面を照明する。原稿5602からの反射光は、SLA(Self-focusing Lenz Array)5604により、等倍センサ5605に集光される。光学センサでは、アナログ電気信号に光電変換され、CISドライバ5606により、シェーディング補正、チップ間画素補間処理などのデジタル処理が実行され、メモリコントローラにより、画像メモリに一時記憶がなされる。
【0217】
次に、スキャナ(CCD)400aと、スキャナ(CIS)400bの分光特性の相違について説明する。
【0218】
図34は、スキャナ(CCD)400aのRGBフィルタの分光感度(一点鎖線)および、スキャナ(CIS)400bで使用されるRGBフィルタの分光感度(実線)の相対値を図示した。スキャナ(CCD)400a、およびスキャナ(CIS)400bのそれぞれで使用されるRGBフィルタの分光感度のピーク波長と、Greenフィルタの短波長への広がりが多少異なっている。
【0219】
図35は、スキャナ(CCD)400aで使用する光源であるXeランプの分光強度(一点鎖線)と、スキャナ(CIS)400bで使用する青色LED+黄色蛍光体の分光強度(実線)の相対値を図示している。スキャナ(CIS)400bの光源であるLEDは、450nm付近に青色LEDのピークがあり、長波長域にかけては黄色蛍光体により、ブロードな分光強度を有する。一方、スキャナ(CCD)で使用するXeランプ光源は、550nm付近を始めとして特徴的なピークが存在する。
【0220】
図36は、スキャナ(CCD)400aの赤外カットフィルタの分光透過率(一点鎖線)とスキャナ(CIS)400bの赤外カットフィルタの分光透過率(実線)を図示している。スキャナ(CCD)400aの赤外カットフィルタの分光透過率では、650nm以上の長波長域に相違がある。
【0221】
印刷原稿モードは、印刷インクの色再現性や網点に合わせてモアレが出にくいような画像処理パラメータを第1の設定として設定する画質モードである。印画紙モードは、印画紙に使用される色材に色再現性を合わせた画像処理パラメータを第2の設定として設定する。複写原稿モードは、CMYKトナーの色再現性に合わせた画像処理パラメータを設定する。
【0222】
特殊インクあるいは特色を除いたプロセスインクは、分光反射率が、図37〜図39のYellow(1)(2)、Orange(1)(2)、Red(1)(2)などに比べて比較的ブロードで、種類も限られているので第1の設定を用いる。ただし、プロセスインク以外を使用する割合が多い原稿種などの色識別のために、フルカラーモードにおいては第2の設定も印刷原稿(2)モードとして選択可能である。印画紙、複写原稿なども、やはり色材の種類が限られていることと、色材の分光反射率がブロードであることから、同様な理由で第1の設定を用いる。
【0223】
地図原稿モードは、道路地図や国土地理院や各市町村で発行されている地図などの色再現性を重視した画像処理パラメータを設定する。特に、発行する市町村により使用される色材が異なる場合があるために、上記の第2の設定を使用することは有効である。蛍光ペンモードや色鉛筆モードは、蛍光塗料やあるいはマーカーインクを使用したモードで、塗料の種類が多いことから、多様な原稿・色材に対応するために第2の設定を用いる。
【0224】
操作部などから、読み取る原稿種(あるいは原稿種モード)を指定された際に、設定された原稿種に応じて、スキャナ(CCD)400aで読み取るか、スキャナ(CIS)400bで読み取るかを、CPUにより判定する。
【0225】
判定結果によって、操作画面にADFにシート状の原稿を載置する場合に、原稿面を下向き(あるいは上向き)にしてスキャナ(CIS)400bで読み取るか、あるいは原稿面を上向き(あるいは下向き)に載置してスキャナ(CCD)400aで読み取るかを、使用者に報知する。
【0226】
また、別の手段として、指定された原稿種類に基づいて、スキャナ(CCD)400aで読み取るか、スキャナ(CIS)400bで読み取るかによって、ADF内で原稿を必要に応じて反転させる。
【0227】
すなわち、一例として、読み取り面を常に上向きに設定し、印刷原稿モードが指定された場合には、スキャナ(CCD)400aで読み取る。蛍光ペンモードが指定された場合には、ADF内で原稿を反転し、スキャナ(CIS)400bで読み取る。
【0228】
図20で示す画像処理装置において、第2の設定を適応する画像処理パラメータを設定する際に、色補正・UCR処理(1)407においては、前述した第1の設定により画像処理パラメータを設定し、スキャナ(CCD)400aからの入力か、スキャナ(CIS)400bからの入力かに基づいて第1の設定のパラメータを切り替え、画像処理後の画像データをHDD419内に保管する。その際に、スキャナ(CCD)400aによって読み取られた画像データであるか、スキャナ(CIS)400bによって読み取られた画像データであるかを、書誌情報として画像データと付加・もしくは対応させて記憶させる。
【0229】
プリンタ415を用いての印刷、もしくは、I/F421からの配信の際には、色補正・UCR処理(2)431において、付加もしくは対応させて記憶された書誌情報に基づいて、スキャナ(CCD)400aに読み取られた画像データであるか、スキャナ(CIS)400bによって読み取られた画像データであるかより、第2の設定の画像処理パラメータを切り替えて設定する。
【0230】
両面原稿に対し、スキャナ(CCD)400aで読み取る原稿面を処理するための画質モードを、第1の設定の画質モード(印刷原稿モード、印画紙原稿モード、複写原稿モードなど)に設定し、スキャナ(CIS)400bで読み取る原稿面を処理するための画質モードを、第2の設定を行う画質モード(地図原稿モード、蛍光ペンモード、鉛筆原稿モード)に設定し、原稿の両面を一度の搬送により読み取る。
【0231】
後述するACC(自動階調補正)で使用するスキャナγ変換テーブルにおいては、上述したコピー用のスキャナγ変換テーブルと異なり、読み取り対象である転写紙上のトナーの分光反射率特性に対して感度が高く、またCCDの分光感度バラつきの影響を補正するようにACCパターン読み取り用のスキャナγ変換テーブルを、スキャナデータ・キャリブレーションチャートの有彩色パッチの読み取り値を用いて作成する。
【0232】
色味の異なる有彩色パッチと無彩色パッチとから、ACCパターンの読み取り用のスキャナγ変換テーブルを作成するほうほうについて、Yellowトナー読み取り用のスキャナγ補正テーブルの作成方法を一例として図40に基づいて説明する。
【0233】
Yellowトナーの読み取りは、スキャナのRGBの3つの読み取り信号のうち、トナー量の変化に対してもっとも感度があるBlue信号の読み取り値を用いる。
【0234】
以下に、有彩色パッチと無彩色パッチの読み取り値の例を示す。表3は、イエロートナーの補正用に使用する有彩色(カラー)パッチの例で、Yellowトナーの補正用として抽出したカラーパッチを、基準となるスキャナで読み取った数値の例である。Yellowトナーの読み取りに際しては、Blue信号の感度が高いために、Blue信号を用いる。色味が異なる複数の有彩色のカラーパッチから、異なるBlue信号値を出力する1.White、2.Yellow、5.Blue。6.Cyan、10.Gray、11.BlackのRGB読み取り信号のうち、Blue信号を用いることにより、Yellowトナー読み取り用の補正テーブルを作成する。
【0235】
【表3】

【0236】
ACC実行時のYellow読み取り用の補正テーブルを作成するにあたり、スキャナデータ・キャリブレーションチャートは印刷インクで作成されているので、トナーの分光反射率とのずれが生じる。表3には、トナーの分光反射率とのずれ分のBlue用の補正係数の例を示している。
【0237】
上記補正係数は、図40を例として次のようにして求められる。
【0238】
図40の横軸は波長で、縦軸はグラフa)については左軸に示したCCDの分光感度[%]、グラフc)、d)に対しては、右軸の分光反射率[%]である。
【0239】
a)は、Blue信号のフィルタの分光感度で、c)は、イエロートナーの分光反射率、d)は、イエローインクの分光反射率、m)は、付着量が少ない場合のブラックトナーの分光反射率を表す。a)の分光感度には、CCDのBlueフィルタの分光透過率に、光源の分光エネルギーの積とした。
【0240】
Blue信号の出力B(CCD,色材)は、波長λに対して、CCDの分光感度S(CCD,λ)と色材の分光反射率ρ(色材,λ,面積率)との積S(CCD,λ)×ρ(色材,λ,面積率)に対する波長λに対しての積分値である。すなわち、
【0241】
【数42】

【0242】
Yellowトナー(以後Yトナーと略す)とYellowインク(以後Yインクと略す)を読み取った時のCCDの分光感度特性aに対するBlue信号をそれぞれ次のように表す。
【0243】
【数43】

【0244】
【数44】

【0245】
分光感度S(a,λ)を使用するスキャナの代表的な値とし、Yトナーρ(Yトナー,λ)とYインクの分光反射率ρ(Yインク,λ)を分光測色計による測定によって求める。これにより、B(a,Yトナー)、およびB(a,Yインク)を求めることができる。
【0246】
スキャナデータ・キャリブレーションチャート上の、印刷インクのYellowパッチを読み取って得たBlue信号の読み取り値B(Yインク)から、ACC実行時のYトナーの読み取り値用として、Yトナーを読み取った場合の読み取り値B(Yトナー)を予測する際に、補正する係数k(Yellow)として、
【0247】
【数45】

【0248】
などとする。上記は、Yellowトナーについて記載したが、他の色パッチについては、CCDのBlueの分光感度が0でない領域において、Yellowトナーの分光反射率と、計算しようとする印刷インクによる色パッチの反射率が略等しい、Yトナーの面積率(もしくは、単位面積あたりのトナー付着量[mg/cm2])を用いる。
【0249】
図41のように、青緑インクの分光反射率特性i)と、面積率50%のYellowトナーの分光反射率c)、Blue信号の読み取り値が、Yellowトナー(インク)の読み取り値よりも低い読み取り値を得るパッチ(Black、Greenなど)に関しては、補正係数の計算を行わず係数を1として使用する。上記のようにして補正係数kは求められる。
【0250】
ACCパターン読み取り値補正用の変換テーブルの作成方法を図42に示す。図42の第1象現は、求めるACCパターン読み取り値補正用の変換テーブルを表し、横軸は、CCパターン読み取り値、縦軸は、変換後の値を表す。
【0251】
第4象現の縦軸は、有彩色ならびに無彩色パッチの上記補正係数kでの補正後の読み取り値を表し、グラフは、有彩色&無彩色パッチの読み取り値から、ACCパターン読み取り値補正用の変換テーブルを求めるための目標値(基準値)を表す。
【0252】
第3象現の横軸は、有彩色ならびに無彩色パッチの読み取り値の基準値で、グラフは、有彩色ならびに無彩色パッチをスキャナーで読み取った読み取り値を、前記補正係数kで補正した値を表した。第2象現は無変換(スルー)である。
【0253】
図42に示した特性により、第3象現の読み取り値の結果(a)、(a')から、それぞれ第1象現の(b)、(b')の求めるACCパターン読み取り値補正用の変換テーブルD[ii](ii=0,1,2,…,255)が作成される。
【0254】
図42の第4象現に示した読み取り値の目標値は、ACCパターンで読み取るYMCKの各トナー毎に作成する。これにより、ACC(自動階調補正)の調整精度を向上する。
【0255】
表4は、Cyanトナーの補正用として抽出したカラーパッチを、基準となるスキャナで読み取った数値の例である。なお、Cyanトナーの読み取りに際しては、Red信号の感度が高いために、Red信号を用いる。そこで色味が異なる複数の有彩色のカラーパッチから、異なるRed信号値を出力する、1.White、2.Yellow、3.Red(もしくは4.Magenta)、5.Magenta〜Blueの間の色1、6.Magenta〜Blueの間の色2、7.Blue、8.Cyan、10.Gray、11.Blackの有彩色並びに無彩色パッチのRed信号を用いてACC実行時のCyanトナー読み取り用の補正テーブルを作成する。
【0256】
【表4】

【0257】
ACC実行時のCyan読み取り用のスキャナγ変換テーブルを作成するにあたり、スキャナデータ・キャリブレーションチャートは、印刷インクで作成されているので、トナーの分光反射率とのずれが生じる。表4には、トナーの分光反射率とずれ分のRed用の補正係数の例を示している。
【0258】
画像濃度(階調性)の自動階調補正(ACC: Auto Color Calibration)の機能を選択するための操作画面について説明する。
【0259】
図43は、複写機の上面図である。複写機は、液晶画面4301と、コンタクトガラス4302と、を備える。操作部の液晶画面4301において、自動階調補正(ACC: Auto Color Calibration)ACCメニュー呼び出すと、図44に示す画面が表示される。コピー使用時、あるいはプリンタ使用時用の自動階調補正の[実行]を選択すると、図45に示す画面が表示される。
【0260】
コピー使用時を選択した場合には、コピー使用時に使用する階調補正テーブルが、プリンタ使用時を選択するとプリンタ使用時の階調補正テーブルが、参照データに基づいて変更される。
【0261】
変更後のYMCK階調補正テーブルで画像形成を行った結果が、望ましくない場合には、処理前のYMCK階調補正テーブルを選択することができるように、[元に戻す]キーが図44に示す画面中に表示されている。
【0262】
図44に示す画面中における他の項目について説明する。
【0263】
「自動階調補正の設定」を選択すると、後述する「地肌の補正」、「高濃度部の補正」、「RGB比の補正」、「実行」または「非実行」を選択することができる。「自動階調補正の設定」メニューでは、「自動階調補正の設定」と「光量ムラ検知の設定」を選択することができる。なお、これらの選択は必ずしも必要ではなく、常に「実行」としてもよい。
【0264】
上記のように、無彩色パッチから、コピー時に使用するRGB各読み取り成分についてスキャナγ変換テーブルを作成する。一方、有彩色パッチと無彩色パッチとから、後述するACC(自動階調補正)実行時に出力した調整用パターンを読み取って得た、YMCK各階調パターンの読み取り値を補正する。したがって、前者の処理では、RGB3つの変換テーブルを使用し、後者の処理では、YMCK4つの変換テーブルを使用する。
【0265】
画像濃度(階調性)の自動階調補正(ACC:Auto Color Calibration)の動作を図49のフローチャートに基づいて説明する。
【0266】
図44に示す画面で、コピー使用時、あるいはプリンタ使用時用の自動階調補正の実行を選択すると、図45に示す画面が表示される。
【0267】
図45の画面中の印刷スタートキーを押し下げると、図46に示すような、YMCK各色、及び文字、写真の各画質モードに対応した、複数の濃度階調パターンを転写材上に形成する(ステップS1)。
【0268】
この濃度階調パターンは、あらかじめIPUのROM中に記憶・設定がなされている。パターンの書込み値は、16進数表示で、00h,11h,22h,…,EEh,FFhの16パターンである。図46では、地肌部を除いて5階調分のパッチを表示しているが、00h-FFhの8ビット信号の内、任意の値を選択することができる。文字モードでは、パターン処理などのディザ処理を行わず、1ドット256階調でパターンが形成され、写真モードでは、後述するディザ処理が行われる。
【0269】
転写材にパターンが出力された後、転写材を原稿台上に載置するように、操作画面上には、図47に示す画面が表示される。画面の指示に従い、パターンが形成された転写材を原稿台に載置して(ステップS2)、図47の画面で「読み取りスタート」を選択するか、または「キャンセル」を選択する(ステップS3)。
【0270】
「キャンセル」を選択した場合には終了し(ステップS4)、「読み取りスタート」を選択した場合には、スキャナを走行し、YMCK濃度パターンのRGBデータを読み取る(ステップS5)。この際、パターン部のデータと転写材の地肌部のデータを読み取る。
【0271】
パターン部のデータが正常に読み取られたかの判断を行う(ステップS6)。正常に読み取られない場合には、再び図47の画面が表示される。2回正常に読み取られない場合には処理を終了する(ステップS7)。
【0272】
ACCパターンの各読み取り値は、前述したACCパターン読み取り値補正用テーブルD[ii](ii=0,1,2,…,255)で、YMCK各色毎に補正する。(ステップS8)。
【0273】
地肌データを用いた処理の「実行」「非実行」を図44に示す画面で選択された結果により判断する(ステップS9)。地肌データを用いた処理の「実行」が選択されていた場合には、読み取りデータに対する地肌データ処理を行う(ステップS10)。
【0274】
さらに、参照データにおける高画像濃度部の補正の「実行」「非実行」を図44に示す画面で選択された結果により判断する(ステップS11)。参照データにおける高画像濃度部の補正の「実行」が選択されていた場合には、参照データに対する高画像濃度部の処理を行う(ステップS12)。
【0275】
YMCK階調補正テーブルを作成・選択を行う(ステップS13)。上記の処理をYMCKの各色について行う(ステップS14)。上記の処理を写真、文字の各画質モード毎に行う(ステップS15)。
【0276】
処理中には、操作画面には図48に示す画面が表示される。処理終了後のYMCK階調補正テーブルで画像形成を行った結果が、望ましくない場合には、処理前のYMCK階調補正テーブルを選択することができるように、[元に戻す]キーが図44に示す画面中に表示されている。
【0277】
地肌の補正について説明する。地肌の補正処理の目的としては、2つあり、1つは、ACC時に使用される転写材の白色度を補正することである。これは、同一の機械に、同じ時に画像を形成しても、使用する転写材の白色度によって、スキャナで読み取られる値が異なるためである。補正しない場合のデメリットとしては、例えば、白色度が低い、再生紙などをこのACCに用いた場合、再生紙は一般にイエロー成分が多いために、イエローの階調補正テーブルを作成した場合に、イエロー成分が少なくなるように補正する。この状態で、次に、白色度が高いアート紙などでコピーをした場合に、イエロー成分が少ない画像となって望ましい色再現が得られない場合がある。
【0278】
もう一つの理由としては、ACC時に用いた転写紙の厚さ(紙厚)が薄い場合には、転写材を押さえつける圧板など色が透けてスキャナに読み取られてしまう。例えば、圧板の代わりにADF(Auto Document Feeder)と呼ばれる原稿自動送り装置を装着している場合には、原稿の搬送用にベルトを用いているが、これが使用しているゴム系の材質により、白色度が低く、若干の灰色味がある。そのため、読み取られた画像信号も、見かけ上、全体に高くなった画像信号として読み取られるために、YMCK階調補正テーブルを作成する際に、その分薄くなるように作成する。この状態で、今度は紙厚が厚く、透過性が悪い転写紙を用いた場合には、全体の濃度が薄い画像として再現されるため、必ずしも望ましい画像が得られない。
【0279】
上記のような不具合を防ぐために、紙の地肌部の読み取り画像信号から紙の地肌部の画像信号により、パターン部の読み取り画像信号の補正を行っている。
【0280】
しかし、上記の補正を行わない場合にもメリットがあり、常に再生紙のように、イエロー成分が多い転写紙を用いる場合には、補正をしない方がイエロー成分が入った色に対しては色再現が良くなる場合ができる。また、常に、紙厚が、薄い転写紙のみしか用いない場合には、薄い紙に合わせた状態に階調補正テーブルが作成されるというメリットがある。
【0281】
上記のように、使用者の状況と好みとに応じて、地肌部の補正をON/OFFを行うことができる。
【0282】
次に、自動補正の動作及び処理について説明する。転写紙上に形成した階調パターン(図46)の書込み値をLD[i](i=0,1,…,9)、形成されたパターンのスキャナでの読み取り値をベクトル型式でv[t][i]≡(r[t][i],g[t][i],b[t][i])(t=Y,M,C,orK,i=0,1,…,9)とする。(r,g,b)の代わりに、明度、彩度、色相角(L*,c*,h*)あるいは、明度、赤み、青み(L*,a*,b*)などで表しても良い。あらかじめROMまたはRAM中に記憶してある基準となる白の読み取り値を(r[W],g[W],b[W])とする。
【0283】
ACC実行時にγ変換処理部で行われる階調変換テーブル(LUT)の生成方法について説明する。
【0284】
パターンの読み取り値v[t][i]≡(r[t][i],g[t][i],b[t][i])において、YMCトナーの各補色の画像信号はそれぞれb[t][i],g[t][i],r[t][i]であるので、それぞれの補色の画像信号のみを用いる。ここでは、後の記載を簡単にするために、a[t][i](i=0,1,2,…,9,t=C,M,Y,orK)を用いて表す。階調変換テーブルを作成すると処理が簡単である。なお、ブラックトナーについては、RGBのいずれの画像信号を用いても十分な精度が得られるが、ここでは、G(グリーン)成分を用いる。
【0285】
参照データは、スキャナの読み取り値v0[t][i]≡(r0[t][i],g0[t][i],b0[t][i])及び対応するレーザの書込み値LD[i](i=1,2,…,m)の組によって与えられる。同様に、YMCの補色画像信号のみを用いて、後の記載を簡単にするために、以下の式で表す。
【0286】
【数46】

【0287】
YMCK階調変換テーブルは、前述したa[LD]とROM中に記憶されている参照データA[n]とを比較することによって得られる。ここで、nは、YMCK階調変換テーブルへの入力値で、参照データA[n]は、入力値nをYMCK階調変換した後のレーザ書込み値LD[i]で出力したYMCトナー・パターンを、スキャナで読み取った読み取り画像信号の目標値である。
【0288】
ここで、参照データは、プリンタの出力可能な画像濃度に応じて補正を行う参照値A[n]と補正を行わない参照値A[n]との2種類の値とからなる。補正を行うかどうかの判断は、予めROMまたはRAM中に記憶されている後述する判断用のデータにより判断される。この補正については後述する。
【0289】
前述したa[LD]から、A[n]に対応するLDを求めることにより、YMCK階調変換テーブルへの入力値nに対応するレーザ出力値LD[n]を求める。これを、入力値i=0,1,…,255(8bit信号の場合)に対して求めることにより、階調変換テーブルを求めることができる。
【0290】
その際、YMCK階調変換テーブルに対する入力値n=00h,01h…,FFh(16進数)に対するすべての値に対して、上記の処理を行う代わりに、ni=0,11h,22h,…,FFhのようなとびとびの値について上記の処理を行い、それ以外の点については、スプライン関数などで補間を行うか、あるいは、予めROM中に記憶されているYMCKγ補正テーブルの内、上記の処理で求めた(0,LD[0]),(11h,LD[11h]),(22h,LD[22h]),…,(FFh,LD[FFh])の組を通る、最も近いテーブルを選択する。
【0291】
上記の処理を図50に基づいて説明すると、図50の第1象現(a)の横軸は、YMCK階調変換テーブルへの入力値n、縦軸は、スキャナの読み取り値(処理後)で、前述した参照データA[i]を表す。スキャナの読み取り値(処理後)は、階調パターンをスキャナで読み取った値に対し、RGBγ変換(ここでは変換を行っていない)、階調パターン内の数ヶ所の読み取りデータの平均処理、及び加算処理後の値であり、演算精度向上のために、ここでは、12ビットデータ信号として処理する。
【0292】
第2象現(b)の横軸は、縦軸と同じく、スキャナの読み取り値(処理後)を表す。第3象現(c)の縦軸は、レーザ光(LD)の書込み値を表す。このデータa[LD]は、プリンタ部の特性を表す。また、実際に形成するパターンのLDの書込み値は、00h(地肌),11h,22h,…,EEh,FFhの16点であり、飛び飛びの値を示すが、ここでは、検知点の間を補間し、連続的なグラフとして扱う。
【0293】
第4象現のグラフ(d)は、YMCK階調変換テーブルLD[i]で、このテーブルを求めることが目的である。グラフ(f)の縦軸・横軸は、グラフ(d)の縦軸・横軸と同じである。検知用の階調パターンを形成する場合には、グラフ(f)に示したYMCK階調変換テーブル(g)を用いる。
【0294】
グラフ(e)の横軸は、第3象現(c)と同じであり、階調パターン作成時のLDの書込み値と階調パターンのスキャナの読み取り値(処理後)との関係を表すための、便宜上の線形変換を表す。
【0295】
ある入力値nに対して参照データA[n]が求められ、A[n]を得るためのLD出力LD[n]を階調パターンの読み取り値a[LD]を用いて、図中の矢印(l)に沿って求める。
【0296】
演算手順を図51に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0297】
YMCKγ補正テーブルを求めるために必要な入力値を決める(ステップS101)。ここでは、n[i]=11(h)×i(i=0,1,…,imax=15)とする。
【0298】
参照データA[n]を、プリンタの出力可能な画像濃度に応じて補正を行う(ステップS102)。プリンタ部で作成可能な最大画像濃度を得られるレーザの書込み値を、FFh(16進数表示)であるとし、この時のパターンの読み取り値m[FFh]をmmaxとする。低画像濃度側から中間画像濃度側にかけて補正を行わない参照データA[i](i=0,1,…,i1)、高画像濃度側の補正を行わない参照データA[i](i=i2+1,…,imax-1)(i1≦i2,i2≦imax-1)、補正を行う参照データA[i](i=i1+1,…,i2)とする。
【0299】
以下では、RGB−γ変換を行わない、原稿反射率に比例した画像信号として仮定して、具体的な計算方法を述べる。補正を行わない参照データの内、高画像濃度部の最も画像濃度が低い参照データA[i2+1]と、低画像濃度部の最も画像濃度が低い参照データA[i1]とから、そのデータの差Δrefを求める。すなわち、
【0300】
【数47】

【0301】
ここで、反転処理であるRGB−γ変換を行わない反射率リニア、あるいは明度リニアの場合には、Δref>0である。
【0302】
一方、プリンタ部で作成可能な最大画像濃度を得られるパターンの読み取り値mmaxから、同様に差Δdetを求める。すなわち、
【0303】
【数48】

【0304】
これにより、高濃度部の補正を行った参照データA[i](i=i1+1,…,i2)は、
【0305】
【数49】

【0306】
n[i]に対応するスキャナの読み取り画像信号m[i]を参照データA[n]から求める(ステップS103)。実際には、飛び飛びのn[j]に対応する参照データA[n[j]](0≦n[j]≦255,j=0,1,…jmax,n[j]≦n[k] for j≦k)を次のようにする。
【0307】
n[j]≦n[i]<n[j+1]となるj(0≦j≦jmax)を求める。8bit画像信号の場合、n[0]=0, n[jmax]=255、n[jmax+1]=n[jmax]+1、A[jmax+1]=A[jmax]として参照データを求めておくと計算が簡単になる。また、参照データの間隔は、n[j]ができるだけ小さい間隔である方が、最終的に求めるγ補正テーブルの精度が高くなる。
【0308】
書込み値LDに対するACCパターン読み取り値a[LD]を、前述した補正用テーブルD[ii](ii=0,1,2,…,255)(図42のb)もしくはb’)として例示)を用いて補正する(ステップS104)。
【0309】
【数50】

【0310】
a1[LD]を以下では、a[LD]として表記する。上記のようにして求めたjから、m[i]を次式から求める(ステップS105)。
【0311】
【数51】

【0312】
ここでは、一次式により補間したが、高次関数やスプライン関数などで補間を行っても良い。その場合には、
【0313】
【数52】

【0314】
k次関数の場合には、次式などで表される。
【0315】
【数53】

【0316】
m[i]を得るためのLDの書込み値LD[i]を同様な手順によって求める。RGB−γ変換を行っていない画像信号データを処理する場合には、LDの値が大きくなるに応じて、a[LD]が小さくなる。すなわち、LD[k]<LD[k+1]に対して、
【0317】
【数54】

【0318】
ここで、パターン形成時の値をLD[k]=00h,11h,22h,…,66h,88h,AAh,FFh,(k=0,1,…,9)の10値とした。これは、トナー付着量が少ない画像濃度では、トナー付着量に対するスキャナの読み取り値の変化が大きいため、パターンの書込み値LD[k]の間隔を密にし、トナー付着量が多い画像濃度では、トナー付着量に対するスキャナの読み取り値の変化が小さいために、間隔を広げて読み込む。
【0319】
これによるメリットとしては、LD[k]=00h,11h,22h,…,EEh,FFh(計16点)などとパターンの数を増やす場合に比べて、トナー消費を抑えられること、また、高画像濃度領域では、LD書込み値に対する変化が少ないこと、感光体上の電位ムラ、トナーの付着ムラ、定着ムラ、電位ムラなどの影響で、読み取り値が逆転したりしやすい為、LD書込み値の間隔を狭めても必ずしも精度の向上に有効ではないことなどから、上記のようなLD書込み値でパターンを形成した。
【0320】
a[LD[k]]≧m[i]>a[LD[k+1]]となるLD[k]に対して、
【0321】
【数55】

【0322】
とする。0≦k≦kmax(kmax>0)としたとき、a[LD[kmax]]>m[i]の場合(参照データから求めた目標値の画像濃度が高い場合)には、
【0323】
【数56】

【0324】
として、1次式で外挿を行うことによって予測する。これにより、YMCKγ補正テーブルへの入力値n[i]と出力値LD[i]の組(n[i],LD[i])(i=0,1,…,15)が求められる。求められた(n[i],LD[i])(i=0,1,…,15)を基に、スプライン関数などで内挿を行うか、あるいは、ROM中に有しているγ補正テーブルを選択する(ステップS106)。
【0325】
図51は、本発明の実施形態におけるカラー複写機の機能ブロック図である。
カラー複写機1は、スキャナ部11と、IPU部12と、プリンタ部13と、パラメータ演算部14と、制御部15と、送受信部16と、操作部17とを、バス18を介して、データ送受信可能に接続して構成される。
【0326】
カラー複写機1において、スキャナ部11は、画像データ(原稿やキャリブレーションパターン)を読み取るユニットであり、光学系による原稿反射光の読み取り処理、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)での電気信号への変換処理、A/D変換器でのデジタル化処理、シェーディング補正処理(光源の照度分布ムラを補正する処理)、スキャナγ補正処理(読み取り系の濃度特性を補正する処理)、などの処理をおこなう。
【0327】
IPU部12は、画像データに対し加工編集等の画像処理を施すユニットであり、シェーディング補正処理(光源の照度分布ムラを補正する処理)、スキャナγ補正処理(読み取り系の濃度特性を補正する処理)、MTF補正処理、平滑処理、主走査方向の任意変倍処理、濃度変換(γ変換処理:濃度ノッチに対応)、単純多値化処理、単純二値化処理、誤差拡散処理、ディザ処理、ドット配置位相制御処理(右寄りドット、左寄りドット)、孤立点除去処理、像域分離処理(色判定、属性判定、適応処理)、密度変換処理、などの処理をおこなう。
【0328】
また、プリンタ部13は、画像データを転写紙等に書き込むユニットであり、エッジ平滑処理(ジャギー補正処理)、ドット再配置のための補正処理、画像信号のパルス制御処理、パラレルデータとシリアルデータのフォーマット変換処理、などの処理を行う。
【0329】
また、パラメータ演算部14は、子カラー複写機(図示しないカラー複写機2、又はカラー複写機3)としての役割を果たす場合に、キャリブレーションパターンの読み取りデータ(以下、「キャリブレーションデータ」という。)に基づいて、キャリブレーションをおこなうユニットである。
【0330】
パラメータ演算部14は、概略的には、キャリブレーションデータに対して、機差補正処理、地肌補正処理、高濃度部補正、などの処理を行うことにより、親カラー複写機の読み取り特性、並びに子カラー複写機の印刷特性に係る画像処理パラメータを演算する。なお、この画像処理パラメータは、制御部15に記憶され、親カラー複写機から受信した画像データを印刷する際に、IPU部12、及びプリンタ部13における処理に用いられる。
【0331】
送受信部16は、インターネットケーブル5、及びHUB4を介して、外部のカラー複写機とデータ送受信をおこなうユニットである。例えば、親カラー複写機(カラー複写機1)としての機能を果たす場合には、キャリブレーション処理の開始指示コマンド、キャリブレーションデータ、連結印刷の開始指示コマンド、原稿の画像データなどを子カラー複写機(カラー複写機2またはカラー複写機3)に送信する。
【0332】
操作部17は、ユーザからカラー複写機の各部の処理条件を受け付けるユニットである。例えば、キャリブレーション処理の開始指示、キャリブレーションパターンの読み取り開始指示、連結印刷の開始指示、原稿の読み取り開始指示、印刷部数などを受け付ける。
【0333】
制御部15は、操作部17によって受け付けられた処理条件などに基づいて、カラー複写機の各部を制御するユニットである。例えば、キャリブレーションパターンを印刷出力するよう各部を制御する。
【0334】
また、制御部15は、例えば、読み取り特性に対応する画像処理パラメータを演算するよう各部を制御する。
【0335】
本発明の実施形態における画像形成システムは、カラー複写機1が、インターネットケーブル、及びHUBを介して、データ送受信可能に接続してサーバと接続されている。カラー複写機1において読み取った画像データは、サーバに送信され、図示しない記録装置に記憶する。この記憶装置は、ハードディスクやCD−ROMなどとして記憶する。
【0336】
サーバ内に保存された画像データは、出力プリントが必要な時に必要な場所から呼び出され、最寄りのカラー複写機2、あるいはカラー複写機3に送信して印刷をおこなう。大量の部数が必要な場合には、カラー複写機2およびカラー複写機3は同時に出力を行う。
【0337】
(実施形態2)
CCDデバイスで読み込まれた画像データ(1)を処理する場合には、パターン1−1のレジスタ・イメージを、レジスタ・イメージ(1)441に設定し、CISデバイスで読み込まれた画像データ(2)を処理する場合には、パターン1−2から読み込んだレジスタイメージを、レジスタ・イメージ(2)442に設定する。
【0338】
例えば、図3では、読み取りデバイスとして、CCDデバイス400aと、CISデバイス400bが接続されている例を図示しているが、CCDデバイス400a、もしくは、CISデバイス400bのみ接続されている場合には、パターン1−1のみを、メインメモリ中からメモリを確保し、パターン1−2を確保しないという動作も可能である。これにより、メインメモリからのパラメータ使用量を低減する。これは、どのようなスキャナ装置が、画像処理装置に接続されているかが、認識された時点で、何組のパターン1をメモリを確保するかを判断する。
【0339】
図53に示すシーケンス図を参照に、本実施形態における動作について詳細に説明する。
【0340】
ユーザにより、画像処理装置の電源が投入されるか、あるいは初期化処理が行われると(ステップS5301)、メイン制御部は、画像処理制御部へ初期化指示を行う(ステップS5302)。画像処理制御部は、初期化後、設定管理部へ初期化指示を行い(ステップS5303)、指示を受け取った設定管理部は、初期化処理を行う(ステップS5304)。
【0341】
設定管理部では、まず、接続されているスキャナが、CCDデバイスを使用しているか、CISデバイスを使用しているか、両方のデバイスを使用しているか、に応じて、図26に示した3D−LUT色変換テーブル・マスキング係数のソース・イメージ・パターン1用にメインメモリから確保するパターン数を決定し、メモリ領域を確保する(ステップS5305)。ここでは、スキャナが使用しているデバイス数に基づいて、メインメモリから確保するパターン数を決定したが、これは一例であり、それ以外に、コピー用、配信用など、使用する色空間情報(s−RGB、YMCKなど)に応じてパターン数を作成してもよい。
【0342】
ソース・イメージ・パターンの生成数、生成内容に基づいて、最適化部を初期化する(ステップS5306)。ソース・イメージ・パターンの生成内容は、どのような画像処理モジュールに対して、ソース・イメージ・パターンを何組生成したか、に応じて、指定された画像処理内容に対して、どのパターンを使用すれば、設定が効率的か、を判断する。次に、最適化部は、図26のメインメモリ中に確保したデータ・イメージ・差分データを初期化する(ステップS5307)。
【0343】
(実施形態3)
階調処理用レジスタ・イメージに設定するパターンとして、図26では、パターン2−1、2−2、2−3を一例として図示している。パターン2−1には、文字・写真モード用で0度回転した(回転しない)階調処理用レジスタ・イメージ、と特徴量量子化閾値を設定する。
【0344】
パターン2−2には、文字・写真モード用90度回転用の階調処理用レジスタ・イメージと特徴量抽出閾値を設定する。
【0345】
パターン2−3には、写真モード用0度回転処理用階調処理用レジスタ・イメージと特徴量抽出閾値を設定する。
【0346】
その他、図示していないが、二値化処理用パラメータ、ACC(自動階調補正用)階調処理用レジスタ・イメージなどを有するパターンを、メインメモリからメモリ領域を確保し、それぞれのユーザが指定するユースケースに応じて、画像処理パラメータの階調処理用レジスタ・イメージに設定する。
【0347】
階調処理用レジスタ・イメージ用の領域として、何組レジスタ・イメージを確保するかは、それぞれのユースケースの使用頻度に応じて、使用頻度が多いものについて、優先的に、レジスタ・イメージ領域を確保する。
【0348】
(実施形態4)
図26において、パターン1−1、あるいは、パターン1−2から画像処理パラメータ(1)441の色補正・UCR処理のレジスタ・イメージにパラメータを複写するときには、色補正パラメータ複写時間A1がかかる。
【0349】
色補正・UCR処理用のパターン1−1をメモリ確保し、そのメモリ領域へのレジスタ・イメージの全てにパラメータを設定する最大の時間B1に対し、たとえば、3D−LUT色空間変換テーブルテーブルの再設定を行うことにより、C1の時間が節約することができる場合、すなわち、以下の関係を満たす場合は、
【0350】
A1≦C1
【0351】
パターン1−1〜1−2のレジスタ・イメージ領域を使用することが、パラメータ設定に必要な最大の時間を低減する上で有効である。
【0352】
同様に、階調処理パラメータに対し、パターン2−1〜2−3から、画像処理パラメータのレジスタ・イメージ領域に複写する階調処理用レジスタ・イメージ複写時間A2が必要である。
【0353】
パターン2−1〜2−3のいずれか一つにおいて、そのレジスタ・イメージのすべてのパラメータを設定管理部から設定する最大の時間B2に対し、パターン2−1〜2−3をメインメモリから確保し、パラメータの再設定を行わないでよい最大の時間C2とした場合、
【0354】
A2≦C2
【0355】
を満たす場合に、パターン2−1〜2−3のメモリを確保することが、パラメータ設定に必要な最大時間を低減できる点で有効である。
【0356】
一方、その他のパラメータ、フィルタ(2)パラメータ、γ変換(2)パラメータに対しては、仮に、メインメモリから、レジスタ・イメージ領域として、パターン0を確保し、そのときの、画像処理パラメータへの複写時間A3に対し、レジスタ・イメージへの直接設定する時間B3であるが、常に設定を行う場合には、再設定を行わないことによる低減できる時間C3=0となるので、
【0357】
A3>C3=0
【0358】
となるために、設定管理部が、画像処理パラメータに直接設定を行う。
【0359】
図54は、CCDスキャナ400aで読み取って得られた画像データ1、3、…とCISスキャナ400bで読み取って得られた画像データ2、4、…、とディスクリプタ情報を使用して、連続して画像データを画像処理するタイミングチャートの概念図である。
【0360】
パターン1−1に設定されているCCDスキャナ用のパターン1−1に設定されているパラメータ(レジスタ・イメージ)を、画像処理パラメータ(1)、(3)、…にコピーし、パターン1−2に設定されているCIS用パラメータを画像処理パラメータ(2)、(4)、…にコピーする。
【0361】
画像処理ハードウェア(グレー=>RGB変換425〜編集(2)回路435)に、画像処理パラメータ(1)をDMA転送し、画像データ(1)の画像処理を行い、画像データ(1)の処理後、画像処理パラメータ(2)をDMA転送し、画像データ(2)の画像処理を行う。図では、画像データ(4)の画像処理までのタイミングチャートの概念図を表している。
【0362】
画像処理パラメータ(1)、(3)、…の設定時間は、CPU内の設定管理部が、パターン1−1にパラメータを設定する時間である。画像処理パラメータ(3)をパターン1−1に設定する時間が、画像処理パラメータ(1)をパターン1−1に設定する時間に比べて、短くなっている理由は、パラメータの再設定を行わないことによる、パラメータ(レジスタ・イメージ)の設定時間が、パラメータの差分管理により、短縮されたことを図示している。画像処理パラメータ(2)、(4)、…の設定時間の関係も、同様にパラメータの差分管理により設定時間が短縮されたことを示す。
【0363】
本実施形態によれば、ASICのレジスタに、ディスクリプタ情報を使用してDMA転送をされる画像処理パラメータ用のレジスタ領域に対し、コピー元となるソース・レジスタ領域を使用して、パラメータ設定の差分管理を行うことにより、簡単な方法で、ディスクリプタ情報を使用するDMA転送により画像処理パラメータが設定される効率的な設定が可能となる。
【0364】
ソース画像処理パラメータ領域が一組の場合には、ソース画像処理パラメータ領域の画像処理パラメータを、一括転送用のパラメータ領域に複写するためのオーバーヘッド時間がかかる場合があり、最初の画像データを処理する時間を短縮するためには、ソース画像処理パラメータ領域を複数組用意し、それぞれに設定に時間が異なるパラメータを設定する。
【0365】
上記構成によれば、画像データの処理に必要な画像処理パラメータの設定の際に、CPU使用率が低い画像処理パラメータが設定されているソース画像処理パラメータ領域を選択などすることで、最初の画像処理にかかる時間を短縮することが可能である。
【0366】
カラー両面同時読み取り可能なスキャナを有するコピー複写機で、読み取りデバイス(CCD/CIS)の特性により、異なる画像処理パラメータを設定する必要がある。しかしながら、両面原稿を連続して読み取って得られた画像データを、CCDデバイスで読み取った表面の画像データ、CISデバイスで読み取った裏面の画像データ、次の原稿の表面をCCDデバイスで読み取って得られた画像データ、次の原稿の裏面をCISデバイスで読み取って得られた画像データ、…と読み込んでいくと、それぞれのデバイスで切り替える必要が有る画像処理パラメータ量が多くなり、パラメータ設定時間に時間がかかる場合がある。
【0367】
そこで、読み取りデバイスに対応させてソース画像処理パラメータ領域を確保し、読み取りデバイスに応じて、転送用画像処理パラメータ領域に複写するためソース画像処理パラメータ領域を切り替えることで、転送用画像処理パラメータ領域に設定する設定時間を短縮し、連続した画像データを画像処理をする生産性を上げながら、かつ、CPUの占有率を低減することが可能である。
【0368】
転送用画像処理パラメータ領域に設定する画像処理パラメータの設定時間短縮するための効率的にメモリを使用するためには、画像処理ユニットに、接続されている読み取り装置が使用しているCCDあるいはCISなどデバイス種類に対応させて、1組あるいは複数組のソース画像処理パラメータ領域領域を確保する。次に、処理すべき画像データが、CCDあるいはCISなど、どの読み取りデバイスによって読み取られた画像データであるかに応じて、一括転送用画像処理パラメータ領域に対する複写元として使用するソース画像処理パラメータ領域を切り替える。また、CCD用あるいは、CIS用に使用するためのソース画像処理パラメータ領域を、使用頻度あるいは設定時間が長くかかるものから順に、使用するソース画像処理パラメータ領域の数、あるいは設定されているパラメータを切り替えて使用することにより、メモリ領域を効率的に確保し、画像データに対する画像処理の生産性を向上することが出来る。
【0369】
階調処理、色補正、プリンタγ変換、像域分離、空間フィルタ、総量規制などのいずれかに画像処理モジュールに応じて、必要とするソース画像処理パラメータ領域の数が異なる場合があり、また、モジュールによっては、ソース画像処理パラメータ領域を確保せずに、効率的なパラメータ設定を行うためには、階調処理、色補正、プリンタγ変換、像域分離、空間フィルタ、総量規制などのいずれかに画像処理モジュールに応じて、必要とするソース画像処理パラメータ領域のために必要とする個数が異ならせて設定することにより、メモリを効率的に使用し、かつ、画像処理パラメータの設定を効率的に行うことが出来る。
【0370】
ソース画像処理パラメータ領域のうち、特に、階調処理パラメータを保持するために使用するメモリ領域の確保数について、ソース画像処理パラメータ領域として、特に、パラメータの設定に時間を要する、量子化閾値の選択可能なパラメータを、パラメータの設定に時間を要する、量子化閾値を選択することにより、効果的にパラメータの設定時間を短縮し、画像処理時間の低減・生産性の向上と、CPU負荷の低減をすることが可能である。
【0371】
ソース画像処理パラメータ領域を確保するためのメモリ領域を効率的に確保するために、階調処理用の量子化閾値の使用頻度が多いものから、ソース画像処理パラメータ領域を確保することにより、使用するメモリを効率的に使用して、パラメータの設定に伴う負荷を低減し、画像処理の生産性を向上することが可能となる。
【0372】
パラメータ設定部が、ソース画像処理パラメータ領域を使用して、一括転送用画像処理パラメータ領域にパラメータを設定するか、あるいは、ソース画像処理パラメータ領域を使用せずに、差分管理を行わずに、一括転送用画像処理パラメータ領域に設定するかを判断するために、ソース画像処理パラメータ領域から、一括転送用画像処理パラメータ領域へのパラメータの複写に要する時間と、ソース画像処理パラメータ領域を使用することにより、低減できる設定時間との比較を行い、
(パラメータの複写に要する時間)≦(差分管理により低減できる設定時間)、
の場合に、ソース画像処理パラメータ領域を使用してパラメータの差分管理を行うことが有効である。
【0373】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0374】
【図1】複写機全体の構成図である。
【図2】複写機における制御系の構成図である。
【図3】画像処理部の全体ブロック図(その1)である。
【図4】適応型エッジ強調回路の例を示す図である。
【図5】ラプラシアンフィルタの具体例である。
【図6】エッジ検出フィルタの例(その1)である。
【図7】エッジ検出フィルタの例(その2)である。
【図8】エッジ検出フィルタの例(その3)である。
【図9】エッジ検出フィルタの例(その4)である。
【図10】適応エッジ強調フィルタテーブルの例である。
【図11】色補正処理を説明するための色空間の図(その1)である。
【図12】色補正処理を説明するための色空間の図(その2)である。
【図13】色補正処理を説明するための色空間の図(その3)である。
【図14】色補正処理を説明するための色平面の図(その1)である。
【図15】色相判定処理を説明するためのフローチャート(その1)である。
【図16】色補正処理を説明するための色平面の図(その2)である。
【図17】主走査6画素×副走査6画素のインデックステーブルの例(その1)である。
【図18】主走査6画素×副走査6画素のインデックステーブルの例(その2)である。
【図19】主走査2画素×副走査2画素のインデックステーブルの例(その1)である。
【図20】画像処理部の全体ブロック図(その2)である。
【図21】画像処理部の全体ブロック図(その3)である。
【図22】ディスクリプタ情報を示す図である。
【図23】画像処理のフローチャートである。
【図24】画像処理のシーケンス図(その1)である。
【図25】画像処理のシーケンス図(その2)である。
【図26】画像処理パラメータの設定方法を示す図である。
【図27】タイミングチャート(概念図)(その1)である。
【図28】LD書込み系のブロック図である。
【図29】読み取り系のブロック図である。
【図30】スキャナ光学系の模式図である。
【図31】スキャナの白補正・黒補正の概念図である。
【図32】スキャナのサンプルホールドの図である。
【図33】CIS(Contact Image Sensor)の模式図である。
【図34】RGBフィルタの分光感度である。
【図35】光源の分光強度である。
【図36】赤外カットフィルタの分光透過率である。
【図37】光源の分光強度とYellowの分光反射率である。
【図38】光源の分光強度とOrangeの分光反射率である。
【図39】光源の分光強度とRedの分光反射率である。
【図40】Blue信号のCCDの分光感度とYellowトナーの分光反射率(その1)である。
【図41】Blue信号のCCDの分光感度とYellowトナーの分光反射率(その2)である。
【図42】ACCパターン読み取り値補正用テーブルの4元チャートである。
【図43】複写機の上面図である。
【図44】液晶画面の一例である。
【図45】ACC実行中に表示される画面(その1)である。
【図46】ACC実行の際に出力する転写紙上の階調パターンである。
【図47】ACC実行中に表示される画面(その2)である。
【図48】ACC実行中に表示される画面(その3)である。
【図49】ACC実行のフローチャートである。
【図50】ACCの演算方法を説明するための4元チャートである。
【図51】ACCの演算手順を説明するためのフローチャートである。
【図52】カラー複写機の機能ブロック図である。
【図53】電源投入・初期化時のシーケンス図である。
【図54】タイミングチャート(概念図)(その2)である。
【符号の説明】
【0375】
400a スキャナ(CCD)
400b スキャナ(CIS)
401a シェーディング補正回路(CCD)
401b シェーディング補正回路(CIS)
402 スキャナγ変換回路
403 像域分離・ACS判定回路
404 空間フィルタ(1)回路
405 自動濃度調整レベル検出・除去回路
406 色相判定(1)回路
407 色変換UCR処理(1)回路
408 変倍処理(1)回路
409 γ変換(1)回路
410 二値階調処理回路
411 編集処理回路
412 Mutilayer BUS
413 パターン生成回路
414 γ変換(3)回路
415 プリンタ
437 メインメモリ
440 ディスクリプタ情報
439 画像データ
441 レジスタ・イメージ[1]
442 レジスタ・イメージ[2]
450 FL補正処理回路
451 チップ間画素補間回路
452 メモリコントローラ(1)
453 画像メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理部にDMA転送するための画像処理パラメータを記憶する一括転送用画像処理パラメータ記憶手段と、
前記一括転送用画像処理パラメータ記憶手段に複写するための前記画像処理パラメータを記憶するソース画像処理パラメータ記憶手段と、
前記画像処理パラメータを格納した場所のアドレス情報を有するディスクリプタ情報を記憶するディスクリプタ記憶手段と、
前記一括転送用画像処理パラメータ記憶手段に設定済、あるいは未設定の前記画像処理パラメータと、ソース画像の画像処理に必要な画像処理パラメータとの差分を管理するパラメータ差分管理手段と、
前記パラメータ差分管理手段の管理情報に基づいて、画像処理パターンを選択して前記ソース画像処理パラメータ記憶手段に、前記画像処理パラメータを設定する画像処理パラメータ設定手段と、
前記ソース画像処理パラメータ記憶手段に記憶された前記画像処理パラメータを、一括転送用画像処理パラメータ記憶手段に書き込む一括転送用画像処理パラメータ書込み手段と、
前記ディスクリプタ記憶手段にて記憶されたディスクリプタ情報に基づいて、前記画像処理部へとDMA転送を行うDMA転送手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記ソース画像処理パラメータ記憶手段を複数備えることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
複数の前記ソース画像処理パラメータ記憶手段は、接続されている読み取りデバイスの数、または、デバイスの使用頻度に基づいた数を確保されることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
原稿の第1面の画像を読み取る第1の読取手段と、
前記第1の読取手段と対向する他方の側から前記原稿の第2面の画像を読み取る第2の読取手段と、を有し、
前記ソース画像処理パラメータ記憶手段は、前記第1の読取手段に対応させて用いられる第1のソース画像処理パラメータ領域と、前記第2の読取部に対応させて用いられる第2のソース画像処理パラメータ領域と、を有することを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記ソース画像処理パラメータ記憶手段は、前記画像処理パターンに応じて、単数、あるいは複数の領域を確保されることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項6】
複数の前記ソース画像処理パラメータ記憶手段のうち階調処理用に用いる領域数は、選択可能な量子化閾値のユースケースに対応することを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項7】
複数の前記ソース画像処理パラメータ記憶手段は、階調処理の前記選択可能なユースケースの使用頻度に基づいて、領域確保、あるいは領域解放が行われることを特徴とする請求項5又は6記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記画像処理パラメータ設定手段は、選択した前記画像処理パターンに応じて、前記一括転送用画像処理パラメータ記憶手段に、前記画像処理パラメータを直接設定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記画像処理パラメータ設定手段は、前記一括転送用画像処理パラメータ書込み手段による複写時間と、前記画像処理パラメータを直接設定したときのパラメータ設定時間と、を比較して、前記パラメータ設定時間が短い場合に、前記一括転送用画像処理パラメータ記憶手段に、前記画像処理パラメータを直接設定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか1項に記載の画像処理装置を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【公開番号】特開2010−113552(P2010−113552A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−285968(P2008−285968)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】