説明

画像処理装置

【課題】同一画像から複数の画像領域を切出し、合成して表示する際に、全体画像では適正露出(輝度と色が適正)でも、切出して合成表示した際にそれぞれの画像が適正露出(輝度と色、幾何等が適正)となる画像処理装置を提供すること。
【解決手段】同一画像から複数の画像領域を分割し切り出す分割領域設定手段と、前記分割領域設定手段により分割し切り出された複数の画像領域を、一つの画像に合成する合成手段と、を備えて構成される。一台のカメラの同一画像出力から任意の複数の画像領域を切出し、切出し部分を合成して出力することにより、複数のカメラを使用した場合におけるカメラ間のバラツキは発生しない。さらに、前記の分割し切り出された複数の画像領域を個々に画像処理を行う画像処理手段を設け、個々に画像処理された画像を前記合成手段により一つの画像に合成してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像画像の中から希望する任意の画像をリアルタイムで切り出し合成することが可能な画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、CCD等の撮像素子が高精細化されるに従い、撮像エリアの一部を切出しても高精細な表示あるいは記録が得られるようになってきた。例えば特許2557865号明細書では、撮像素子の中央部領域から撮像画情報を適切に読み出す装置を提案している。
【0003】
しかし、ピント調整等のために中央部のみ読み出すことは必要なことであるが、本来のビデオカメラ撮影では、撮影エリア全体と任意の切出し画像の両方を表示あるいは記録できることが望ましい。例えばオーケストラの場面を撮影する時、全体を撮影しつつ、注目しているプレイヤーA,プレイヤーBをアップで撮影し、全体の画像とアップの画像を合成して一枚の画像として出力したい要求がある。
【0004】
複数のカメラで撮影し、それぞれを合成出力するシステムは特許3234851号明細書やテレビジョン学会誌Vol.48.No.11p1418-1419等が従来からあるが、複数台カメラを使用すると、カメラ間の輝度や色、幾何調整等が必要になり、時間と費用がかかるという課題があった。
【0005】
その点、一台のカメラの出力から任意に領域を切出し、合成して出力することにより上記課題を解決することができる。しかし、1台のカメラの画像から複数の画像を切出しても一般的には撮像エリア全体に対し中央重点測光が行われるため、全体画像では適正露出(輝度と色が適正)でも、一部を切出した画像は光源の位置関係等により必ずしも適正露出にならない、という課題があった。
【特許文献1】特許2557865号明細書
【特許文献2】特許3234851号明細書
【非特許文献1】テレビジョン学会誌Vol.48.No.11 p1418-1419
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みて考案されたもので、同一画像から複数の画像領域を切出し、合成して表示する際に、全体画像では適正露出(輝度と色が適正)でも、切出して合成表示した際にそれぞれの画像が適正露出(輝度と色、幾何等が適正)となる画像処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明による画像処理装置は、同一画像から複数の画像領域を分割し切り出す分割領域設定手段と、前記分割領域設定手段により分割し切り出された複数の画像領域を、一つの画像に合成する合成手段とを有するものである。
【0008】
請求項1記載の発明によれば、一台のカメラの同一画像出力から任意の複数の画像領域を切出し、切出し部分を合成して出力することにより、複数のカメラを使用するために発生する上記課題、つまり、色、輝度、幾何調整等の補正を解決することができる。何故なら、切出し画像は同じ撮像素子を使って取得しているので、カメラ間のバラツキは発生しない。また、複数カメラを使った場合に比べコスト的に有利になる利点もある。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記分割領域設定手段により分割し切り出された複数の画像領域を個々に画像処理を行う画像処理手段をさらに有し、個々に画像処理された画像を前記合成手段により、一つの画像に合成することを特徴とするものである。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、切出した画像が適正になるように、切出し画像を個々に画像処理することを提案している。複数カメラを使用した場合、各カメラで輝度、色等を調整することができるが、1台のカメラから複数の画像を切出す場合、全体画像に対し適正になるよう輝度、色等が決定されるため、切出し画像の輝度、色等が必ずしも適正とは限らない。そのため、全体画像に対し処理した後、各切出し画像を個々に調整することで切出し画像は適正になる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の画像処理装置において、前記合成手段により合成された画像を表示する表示装置をさらに有し、前記分割し切り出された複数の画像領域の個々の画像処理が、切り出された画像の解像度を前記表示装置の表示用の解像度に変換する解像度変換であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、切出し画像を表示装置に合成表示するに際し、切出し画像の解像度を、該切出し画像を表示装置に表示する際のサイズに適合した解像度に変換する。つまり、切出し画像を個々に解像度変換して、個々の切出し画像が適正な表示用解像度になるようにしている。切出された画像を表示装置の画面に合成して表示する際には、各切出し画像は表示装置の画面上における、例えば、予め決められた領域に所定のサイズに拡大されたり縮小されたりして表示されることになるので、切出し画像とその表示用画像の解像度を比較し、その比に従い解像度変換することで画像の拡大、又は縮小を行い、更にスムージング処理を行うなどして、切出し画像が荒くなることを防止することができる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項2に記載の画像処理装置において、前記画像処理手段による個々の画像処理が、輝度補正であることを特徴とするものである。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、切出した画像の輝度が適正になるように、全体画像に対し露出補正(AE)した後、各切出し画像を個々にレベル調整することにより、合成画面上の各切出し画像の輝度が適正になる。この露出補正(AE)及びレベル調整は既知の方法、例えば「平均測光」方式では、AEについては、画面全体の輝度値を積分して、一定値になるようにアイリス調整、あるいは撮像素子の電子シャッター速度調整を行ない、レベル調整については、画面全体の輝度値を積分して、一定値になるようにアンプのゲイン調整を行なえば良い。また、「中央重点測光」方式では、周辺部に対し中央部のデータに重きをおいて輝度値を積分し、その積分値に基づいてAEやレベル調整を行なえば良い。従って、個々の切出し画像輝度補正については、アイリス調整、撮像素子の電子シャッター速度調整、およびアンプのゲイン調整等を組み合せて行ったり、あるいはアンプゲイン調整を単独で行なっても良い。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項2に記載の画像処理装置において、前記画像処理手段による個々の画像処理が、色補正であることを特徴とするものである。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、切出した画像の色が適正になるように、全体画像に対し色補正(例えば、ホワイトバランス調整)した後、各切出し画像を個々に色補正することにより、合成画面上の各切出し画像の色が適正になる。色補正の方法は既知の方法、つまり、画面全体(切出し画像の場合は切出し画像の画面全体)を積分してRGBが一定になるようにする。あるいは、画面の中で色付きの大きな部分は除外して飽和度の低い部分を積分してRGBが一定になるようにする(例えば、画面の大部分が葉で周辺に地面がある被写体の場合、葉の部分を削除し、地面の色データのみで色バランスを計算する)、等の処理を行えば良い。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項3に記載の画像処理装置において、前記画像処理手段による個々の画像処理が、前記分割し切り出された複数の画像領域の解像度に対する前記表示装置の表示画像の解像度の拡大率に比例して輪郭補正量を変化させる処理であることを特徴とするものである。
【0018】
請求項6記載の発明によれば、ある切出し画像の切出しサイズとその切出し画像のサイズについて合成画面での出力サイズとの比は個々の切出した画像によって違うので適宜適当な輪郭補正を行うことによって、合成画像の画質劣化を減らすことが可能になる。すなわち、ある切出し画像のサイズについて合成画面における出力サイズが拡大される場合は、撮像画素に拡大に必要な画素がないときは画素補間で画素数を増やすことになるため、それだけ表示画像の輪郭がボケやすいので、輪郭補正量を増やしてやる。また、拡大率が下がったり合成画面における画像を縮小する場合は、輪郭補正量を減少、若しくは輪郭補正を行なわないようにする。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項2に記載の画像処理装置において、前記画像処理手段による個々の画像処理が、撮像素子の電子シャッターによる補正であることを特徴とするものである。
【0020】
請求項7記載の発明によれば、任意の領域を複数出力可能な撮像素子を使用した場合の輝度補正に関するもので、各切出し処理領域毎に輝度レベルを検出し、適当になるように、シャッター速度(又は蓄積時間)を指定することにより、合成画面上の各切出し画像の輝度が適正になる。例えば800万画素の撮像素子を200万画素ずつ4つの領域に分けてシャッター速度(又は蓄積時間)を制御可能とし、4つの領域からそれぞれ切出し画像を取り出すように構成した場合に、各切出し処理領域毎に輝度レベルを検出し、適当になるように、シャッター速度(又は蓄積時間)を指定することにより、合成画面上の各切出し画像の輝度を適正にする。
【0021】
請求項8記載の発明は、請求項6に記載の画像処理装置において、前記分割し切り出された複数の画像を、個々の切出し画像のサイズに応じた速度で出力するフレームバッファ手段を設けたことを特徴とするものである。
【0022】
請求項8記載の発明によれば、撮像素子の切出し画像のサイズにより、一枚あたりの撮像素子の読出し速度が違うことに着目し、フレームバッファメモリ手段を設けたことにより、全画素を読出すのに動画レート(毎秒30フレーム読出し)以下の読出しレートの処理能力の低い撮像素子を使用した場合でも、比較的領域の狭い切出し画像(即ちサイズの小さい画像)については、読出しレートを速くできて、動画で表示することが可能になる。
【0023】
請求項9記載の発明による画像処理装置は、同一画像から複数の画像領域を分割し切り出す分割領域設定手段と、前記分割領域設定手段により分割し切り出された複数の画像領域の内の一つを基本領域として設定する基本領域設定手段と、前記分割領域設定手段により分割し切り出された複数の画像に対して処理を行うパラメータを、前記基本領域に対する処理に用いるパラメータに対して、前記基本領域と基本領域以外の分割し切り出された複数の画像領域との差分(相対的なレベルの大きさ)により補正して求めるパラメータ設定手段と、前記基本領域と前記基本領域以外の分割し切り出された複数の画像領域に前記パラメータ設定手段により設定されたパラメータによる処理を行ない、各領域の画像を一つの画像に合成する合成手段と、この合成手段により合成された画像を表示する表示装置とを有することを特徴とするものである。
【0024】
請求項9記載の発明によれば、基本となる切出し画像と他の切出し画像を選択し、その基本画像と他の切出し画像を相対比較し、その差分に基づき基本画像と他の切出し画像に補正をかけることで、観察者に違和感のない合成画像を提供することが可能となる。
【0025】
請求項10記載の発明は、請求項9に記載の画像処理装置において、前記パラメータによる処理は、前記分割し切り出された複数の画像領域に対する輝度補正処理であり、前記基本領域の輝度レベルから相対的に基本領域以外の分割し切り出された画像領域の輝度レベルを補正することを特徴とするものである。
【0026】
請求項10記載の発明によれば、複数の切出し画像の中から、基本となる画像を選択し、その基本領域の画像の平均輝度や中央重点測光あるいはスポット測光データから輝度のレベル(露出)を決定し、そのデータを全ての切出し画像に適応する手段を備えており、一番注目したい切出し画像に輝度を合せることが可能になる。
【0027】
基本領域以外の切出し画像の輝度は、基本領域の輝度レベルと全く同じにする以外に、例えば、全体画像の輝度レベルと基本領域の輝度レベルの加算平均値で決定しても、それぞれの切出し画像の輝度レベルと基本領域の輝度レベルの加算平均値、あるいは、
(基本領域の平均輝度レベル+全体画像の平均輝度レベル+それぞれの切出し画像の輝度レベル)÷3
等で決定しても良い。
【0028】
輝度の合せ方は既知の方法、例えば「平均測光」方式は、画面全体(切出し画像の場合は切出し画像の画面全体)の輝度値を積分して、一定値になるようにアイリス調整、撮像素子の電子シャッター速度調整、あるいはアンプのゲイン調整等を単独あるいは組み合わせて行えば良い。また、「中央重点測光」方式は、画面全体における周辺部に対し中央部のデータに重きをおいて輝度値を積分し、これに基づいて調整を行えば良い。
【0029】
請求項11記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記複数の分割し切り出された画像の解像度を所定の解像度に変換する第1の解像度変換部と、この第1の解像度変換部により解像度が変換された前記複数の分割し切り出された画像のいずれかを選択する選択手段と、この選択手段により選択された前記複数の分割し切り出された画像を伝送する伝送手段と、この伝送手段により伝送された前記複数の分割し切り出された画像を所定の解像度に変換する第2の解像度変換部と、この第2の解像度変換部により解像度が変換された前記複数の分割し切り出された画像を、合成された画像を表示する表示装置のフレームレートに変換するバッファメモリ手段とをさらに有し、前記複数の分割し切り出された画像の基本領域の画像をそれ以外の他の画像よりも多く伝送することを特徴とするものである。
【0030】
請求項11記載の発明によれば、通信速度(データレート)が律速された画像伝送を想定した発明であり、各切出し画像を、まず、毎秒30フレーム(あるいは60フレーム)で伝送できるサイズに解像度変換を行い、30フレームの画像サイズ(例えばVGAサイズ)にした場合、複数の切出し画像のうち基本切出し画像を他の切出し画像より相対的に多いフレーム数伝送することにより、通信のデータレートが比較的遅くても、合成画像全体がコマ落ちせず、基本画像は準動画、他の画像はコマ落ちした画像を表示することが可能になる。
【0031】
請求項12記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記合成手段により合成された画像のレベルを所定のパラメータにより補正する補正手段を有することを特徴とするものである。
【0032】
請求項12記載の発明によれば、切出し画像を一枚の画像に合成した後、画面全体の平均値が適正になるように補正を行う。切出し画像を個々に調整しないのでレベル差が小さければ請求項1の発明と同様の効果が低コストにできるメリットがある。また、比較的大きく切出した画面の適正値に近い補正が可能になるので、出力領域を大きく取った、注目したい画像をほぼ適正なレベルできる。
【0033】
請求項13記載の発明は、請求項12に記載の画像処理装置において、前記補正手段は、前記合成された画像の輝度レベルを補正することを特徴とするものである。
【0034】
請求項13記載の発明によれば、切出し画像を一枚の画像に合成した後、画面全体の平均輝度の補正を行うので、各切出し画像の輝度調整を無くすことができ、低コストな構成が可能である。
【0035】
請求項14記載の発明は、請求項12に記載の画像処理装置において、前記補正手段は、前記合成された画像の色バランスを補正することを特徴とするものである。
【0036】
請求項14記載の発明によれば、切出し画像を一枚の画像に合成した後、画面全体で色補正を行うので、各切出し画像の色調整を無くすことができ、低コストな構成が可能である。また、比較的大きく切出した画面の適正値に近い補正が可能になる。
【0037】
請求項15記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記分割領域設定手段は、分割する前の元の画像全体を表示する全体画像表示手段と、この全体画像表示手段上で画像を分割し切り出す領域を指定する分割切出し位置指定手段とを備えており、この分割切出し位置指定手段は前記全体画像表示手段上に表示された画像の部分を指定することにより、分割し切り出す画像の位置を決定することを特徴とするものである。
【0038】
請求項15記載の発明によれば、ユーザーが全体画像表示手段への切出し画像を設定する手段を提案している。切出し画像抽出には、開始点でマウスのボタンを押し、終了点でボタンを離すことで完了する。
【0039】
請求項16記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記合成手段により合成された合成画像を表示する合成画像表示手段と、この合成画像表示手段の画像サイズに対応するように前記複数の切出し画像を合成表示する際の各画像のサイズを指定する画像サイズ指定手段とをさらに備えていることを特徴とするものである。
【0040】
請求項16記載の発明によれば、ユーザーが合成画像表示手段への表示領域を設定する手段を提案している。表示領域は切出し領域抽出と同様に開始点でマウスのボタンを押し、終了点でボタンを離すことで完了する。なお、表示領域は切出し画像の一部又は全部が重なっても、重ならないようにしても良い。重ならないようにするために、先に表示領域を決めた領域は、次以降同領域を指定できないように、同領域でマウスボタンが押されても無視するようにすればよい。
【0041】
請求項17記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記合成手段により合成された合成画像を表示する合成画像表示手段と、この合成画像表示手段の画像アスペクト比に合わせて、前記複数の切出し画像を合成表示する際に各画像を並べると隙間なく一枚の合成画像が得られるように各画像のサイズを決定する手段とをさらに備えていることを特徴とするものである。
【0042】
請求項17記載の発明によれば、ユーザーが合成画像表示手段への表示領域を設定する手段を提案している。合成画像表示手段へ設定される表示領域を隙間なく並べて一枚の合成画像が得られるように各表示画像のサイズを予め決めておくことで、簡易に隙間のない表示を設定することが可能になる。
【0043】
請求項18記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記合成手段により合成された合成画像を表示する合成画像表示手段と、この合成画像表示手段上に分割表示する各画像のアスペクト比の組み合わせを指定するアスペクト比指定手段とをさらに備えていることを特徴とするものである。
【0044】
請求項18記載の発明によれば、合成画像表示手段への表示パターンをユーザーに選択させる手段を有することにより、更にユーザーが簡易に切出し画像および、表示手段の表示領域を設定する手段を提案している。表示パターンを図3(a)〜(c)のように複数用意し、まず、ユーザーが表示パターンを選択する。そして、選択した表示パターンを構成する各表示領域で、表示設定したアスペクト比と同じアスペクト比で切出し領域を設定するように切出し方を制限することにより、合成画像表示手段の表示画面に隙間を持たせない表示が可能になる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、同一画像から複数の画像領域を切出し、合成して表示する際に、全体画像では適正露出(輝度と色が適正)でも、切出して合成表示した際にそれぞれの画像の輝度、色、幾何調整等が適正となる画像処理装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
本発明の各実施例について図1〜図16を参照して説明する。本発明の各実施例では、デジタルカメラ,デジタルビデオカメラなどの撮像装置における画像処理装置について説明する。
【実施例1】
【0047】
図1は本発明の実施例1に係る画像処理装置のブロック図である。
図1において、画像処理装置は、再生装置から入力された画像信号をデジタル化するアナログ/デジタル変換部(以下、A/D部という、但し再生装置がデジタル画像出力対応の場合A/D部は不要である)11と、デジタル画像信号を入力し、デジタル画像からユーザーが指定した複数(図では3つ)の切出し画像A,B,Cを生成する画像切出し処理部12と、各切出し画像を個々に画像処理する画像処理部13A,13B,13Cと、個々に画像処理された切出し画像を一枚の画像に合成する合成部14と、全体画像とユーザ操作によって選択された切出しエリア表示(マーク)とを加算する加算器15と、全体画像データをアナログデータに変換するデジタル/アナログ変換部(以下、D/A部という)16と、撮像した画像全体を表示する全体画像表示装置18と、複数の切出し画像を合成した合成画像を表示する合成画像表示装置19と、全体画像表示装置18の画面上で切出し画像の位置を指定する切出し位置選択部20と、この切出し位置選択部20からの画像位置切出し情報や、水平同期信号(HD)及び垂直同期信号(VD)や、クロック信号を用いて画像切出し処理部12を制御し切出し画像を生成させるシステム制御部21と、を備えている。
【0048】
なお、切出しエリアを示す全体画像表示装置18と合成画像を表示する合成画像表示装置19はそれぞれ別の表示装置であっても良いし、図示していないが切替え装置を用いてユーザーが1台の表示装置を切替えて全体画像表示用と合成画像表示用として併用するようにしても良い。
【0049】
上記の構成においては、一台の再生装置の同一画像出力から画像切出し処理部12にて任意の複数の画像領域を切出した後、複数の切出し画像A,B,Cに対して個々に画像処理部13A,13B,13Cにて必要な画像処理(例えば輝度補正など)を施し、合成部14で合成して出力する。画像切出し処理部12は複数の画像領域を分割し切り出す分割領域設定手段を構成し、合成部14は分割し切り出された複数の画像領域を1つの画像に合成する合成手段を構成している。
【0050】
これにより、複数のカメラを使用するために発生する上記課題、つまりカメラ間の色、輝度、幾何調整等のバラツキはなく、しかも切り出された複数の画像領域個々に必要な補正を行なうことによって、より好適な合成画像を生成することが可能となる。また、複数カメラを使った場合に比べコスト的に有利であることは勿論である。
【0051】
切出し位置選択部20は、ユーザーがマウスなどの図示しないポインティング手段で任意に選んだ画像領域の切出し位置情報を生成するもので、一枚の画像の中の切出し開始位置(H:x1pix,V:y1pix)と終了位置(H:x2pix,V:y2pix)を指定する。
【0052】
システム制御部21は、クロック,HD,VD信号により画像切出し処理部12内のバッファメモリの出力(読出し)タイミングを制御し、切出し位置選択部20からの切出し位置情報によりバッファメモリ内の画像データを切り出す(即ち読み出す)。なお、システム制御部21のクロック,HD,VD信号は所謂スキャンコンバータとして働くので、入出力のタイミングが同じであれば、入力信号のクロック,HD,VD信号を使用すればよいのでシステム制御部21からのタイミング制御は必要ない。
【0053】
ユーザーが切出し画像を指定するには、全体画像表示装置18にマウス等で切出したい部分の開始点にポインタを移動してマウスのボタンを押し、終了点でボタンを離すことで、箱型の枠が表示され、その箱型の枠の中の領域が選択される。図1における枠表示によって、例えば切出し画像Aが抽出される。切出し画像B,Cについても同様にして抽出される。
【0054】
そして、これらの切出し画像A,B,Cは、合成部14などで予め決めてある表示配置に従って、合成画像表示装置19の画面上に表示される。そして、表示装置19上でマウス等を使って画像Aの角にポインタを移動させ、マウスの左ボタンを押し、その状態で画像の内外にマウスのポインタを移動(ドラッグ)すると、画像Aの表示サイズが同時に変化し、マウスの左ボタンを離すと画像サイズが決定する。次にマウスを画像A内に移動させ、マウスの左ボタンを押し、その状態でマウスのポインタを移動(ドラッグ)すると、画像Aの位置も同時に動く。マウスの左ボタンを離すと画像位置が決定する。切出し画像B,C,…は順次同様の操作を行う。但し、切出し画像Bの表示装置19上での表示領域は切出し画像Aの表示領域以外の領域、切出し画像Cは切出し画像A,Bの領域以外の領域…とする。つまり、先に表示領域を決めた方が領域的に優先されるにする。
【0055】
次の画像処理部13A,13B,13Cは、切出し画像A,B,C毎の画像処理を行なうもので、例えば、切出し画像毎に信号レベル検出を行い、信号レベルが適正になるように切出し画像のレベル補正を行う。その後、それぞれの切出し画像を合成部14で合成し1枚の画像として、D/A部17でD/A変換を行い、合成画像表示装置19に表示する。
【0056】
図2は図1における画像切出し処理部12の構成の一例を示している。切出し画像が3つの場合について示している。
【0057】
図2の画像切出し処理部12は、A/D部11からの画像データを記憶する複数(図では3つ)の画像切出し用のフレームバッファメモリ121,122,123と、このフレームバッファメモリ121,122,123からの各切出し画像を所定の表示サイズに拡大又は縮小して出力する解像度変換部124,125,126とを備えている。
【0058】
フレームバッファメモリ121,122,123の各々は、切出し画像1枚に付き2フレーム分の記憶領域を与える2つのフレームメモリ121b,121cと、これら2つのフレームメモリ121b,121cの入出力側にそれぞれ設けられて、フレーム周期で交互にスイッチングし、2つのフレームメモリ121b,121cに対する書込み,読出しを交互に行なうためのスイッチ121a,121bとを備えて構成されている。
【0059】
解像度変換部124,125,126は、前段のバッファメモリから切出し位置情報(指定)に基づいて切り出された選択領域の切出しサイズを表示装置19の表示領域サイズに拡大あるいは縮小する処理部であり、サイズの変換率は、切出しサイズと表示サイズの比で決定される。切出し画像を縮小する場合は画素間引きで処理し、拡大する場合は、単純補間や線形補間等で行えば良い。拡大の詳細は特開平10-336494号公報等に記載されている。
【0060】
次に、図2の動作を簡単に説明する。画像データの流れは、A/D部11でデジタル化された後、画像切出し処理部12の3つの画像切出し用のバッファメモリ121,122,123に記憶される。
【0061】
このバッファメモリ121の動作は、図2のように一方のフレームメモリ121bに1フレーム分の画像データを記憶した後、次のフレームを他方のフレームメモリ121cに記憶する構成となっており、フレームメモリ121cに記憶すると同時にフレームメモリ121bに記憶済みの1フレーム目の画像データから任意の部分(切出し指定された部分)を切出し位置情報に基づいて切り出し、切出し画像として解像度変換部124へ出力する。
【0062】
スイッチ121a,121dはフレーム周期のタイミングで交互に切り替えられる。すなわち、スイッチ121aの端子a1が選択されてメモリ121bへフレームデータ書込みが行なわれている間は、スイッチ121dは端子d2が選択されてメモリ121cの記憶画像データが読み出され、またスイッチ121aの端子a2が選択されてメモリ121cへフレームデータ書込みが行なわれている間は、スイッチ121dは端子d1が選択されてメモリ121bの記憶画像データが読み出される。
【0063】
解像度変換部124,125,126では、切り出された画像の解像度を合成画像表示装置19の表示用の解像度に変換する解像度変換を行なうものである。解像度変換処理によれば、切出し画像を合成画像表示装置19に合成表示するに際し、切出し画像の解像度を、該切出し画像を合成画像表示装置19に表示する際のサイズに適合した解像度に変換する。つまり、切出し画像A,B,Cを個々に解像度変換して、個々の切出し画像が適正な表示用解像度になるようにしている。切出された画像を合成画像表示装置19の画面に合成して表示する際には、各切出し画像は合成画像表示装置19の画面上における、例えば、予め決められた領域に所定のサイズに拡大されたり縮小されたりして表示されることになるので、切出し画像とその表示用画像の解像度を比較し、その比に従い解像度変換することで画像の拡大または縮小を行い、更にスムージング処理を行うなどして、切出し画像が荒くなるのを防止する。
【0064】
なお、500万画素,800万画素といった高解像度のカメラであれば、拡大するときに、拡大前に表示装置で実際の表示に使っていない画素(この画素はバッファメモリ121,122,123に記憶されている)を使用することにより、画素補間などしなくても済む。すなわち、カメラの合成画像表示装置19は未使用画素を用いて表示することが可能な場合がある。この場合は、拡大に際して画素補間は不要である。
【0065】
ところで、画素単位で任意に全体画像表示装置18上の切出しエリアを決めると、合成画像表示装置19の表示画面に隙間が出来る可能性が多く、また、切出し画像から合成画面上の表示画像への解像度変換を行なう際に拡大・縮小処理が複雑になってしまう。そこで、合成画像表示装置19の画面アスペクト比に合わせて表示画面を所定の縦横比で隙間なく複数の表示エリアに分割しその各分割サイズの縦横比を維持した状態で切出しサイズを決めるようにする。
【0066】
例えば、画面アスペクト比が16:9の場合、所定の横縦比で分割し、最小単位を例えば4:2.25とし、各切出し画像を決めていく。
【0067】
図3(a)は切出し画像A=8:9、切出し画像B=8:4.5、切出し画像C=8:4.5にした場合、図3(b)は切出し画像A、B、C、D=8:4.5にした場合、図3(c)は切出し画像A=12:6.75、切出し画像B、C、D、E、F、G、H=4:2.25にした場合、をそれぞれ示している。
【0068】
作用を図3(a) について説明する。
まず、図3(a)の表示パターンの切出し画像A、B、Cの各縦横比を有し、任意の表示サイズの切出し画像A、B、Cを全体画像表示装置18上で指定する。
【0069】
次に、切出し画像Aの切出し画像領域を決めるため、ユーザーが切出し開始点でマウスボタンを押し、終了点までマウスを移動するが、この時横縦のアスペクト比が8:9の関係を維持しながら切出し領域が設定される。
【0070】
次に、切出し画像B,Cの各切出し画像領域を決めていくが、横縦のアスペクト比が8:4.5の関係を維持しながら各切出し領域が設定される。
【0071】
以上の全体画像表示装置18における切出し設定方式により、合成画像表示装置19には、図3(a)の表示パターンに合致した合成表示が可能になる。図3(b),(c)の切出し設定についても同様である。
【実施例2】
【0072】
図4は本発明の実施例2に係る画像処理装置のブロック図である。本実施例では、輝度(露出)のレベル補正を目的としている。
【0073】
信号の流れに沿って構成を説明すると、カメラ用光学レンズ31と、モーター33で露光量が制御されるアイリス(絞り)32と、ベイヤー配列フィルタが積層され、光を電気信号に変換する撮像素子であるCCD34と、CCD信号をサンプル・ホールド(以下、S/H)処理しかつ信号レベルをAGC調整するS/H,AGC部35と、デジタル信号に変換するA/D部11と、色調整その他の信号処理をするカメラ信号処理部36と、AE制御系(37,38,39,41,42)と、を備えている。画像切出し処理部12以降は図1と同様である。
【0074】
AE制御系は、輝度レベルを検出する輝度レベル検出部37と、輝度レベルによるAE処理の方法プログラムが内蔵されているAE制御マイコン38と、AE制御マイコン38からのデジタル輝度信号をAGC制御信号用にアナログ変換するD/A部39と、AE制御マイコン38の指示により電子シャッター速度等のCCD動作を制御するCCD駆動回路41と、AE制御マイコン38の指示によりアイリス制御用モーター33を駆動するアイリス駆動回路42と、を有している。
【0075】
次に、動作を説明する。
画像全体の信号処理を行い、輝度レベルを検出し輝度調整を行なう。それは既知の方法、つまり画面全体の輝度値を積分して、一定値になるようにアイリス32を調整、撮像素子34の電子シャッター速度調整、あるいはS/H,AGC部35内のアンプのゲイン調整等を単独あるいは組み合わせて行うことで、画面全体の適正な輝度レベル(露出)が得られる。
【0076】
また、画面全体を平均して輝度を決める以外に、中央重点方式として例えば図5(a)のように、画面全体における周辺部に対し中央部のデータ(図5(b)参照)に重きをおいて平均して輝度値を決定してもよい。
【0077】
次に実施例1と同様に画像切出し処理部12にて切出し処理を行った後、各切出し画像毎に画像処理部13A,13B,13Cで画像処理(例えば輝度値を積分)して、各画像処理毎に一定値になるように各画像処理部13A,13B,13C内のアンプのゲイン調整を行う。その後、それぞれの切出し画像を合成部14にて合成し1枚の画像として、D/A部17にてD/A変換を行い、合成画像表示装置19に表示する。
【実施例3】
【0078】
図6は、本発明の実施例3に係る画像処理装置のブロック図である。本実施例では、色バランスの補正を目的としている。
【0079】
画像処理装置は、カメラ用光学レンズ31と、モーター33で露光量が制御されるアイリス(絞り)32と、AE制御系(図4と同様、37,38,39,41,42)と、ベイヤー配列フィルタを有した撮像素子であるCCD34と、S/H,AGC部35と、A/D部11と、ベイヤー配列された画像をRGB信号に変換する色分離部51と、RGB信号の比を検出する色温度検出部52と、検出結果からR,Bのゲインを制御する色温度制御部53と、R,B信号のゲインを調整する利得調整部54,55と、色、輝度、タイミング等のその他の信号処理をするカメラ信号処理部36と、画像切出し処理部12と、画像切出し処理部12による画像切出し後、各切出し画像A,B,C毎に各色調整を行う処理回路(56〜59、61〜64、65〜68)と、システム制御部21と、切出し位置選択部20と、加算器15と、D/A部16,17と、全体画像表示装置18と、合成画像表示装置19と、を備えている。上記の色温度検出部52と色温度制御部53と利得調整部54,55とは、画像全体の色調整を行なうものである。
【0080】
CCD34で撮像された撮像信号は、A/D変換後、色分離部51にてRGB信号に変換され、上記の色温度検出部52と色温度制御部53と利得調整部54,55によって画像全体の色調整(AWB、即ちオートホワイトバランスと呼ばれる)が行なわれる。次にカメラ信号処理部36で、その他の輝度、タイミング等のカメラ信号処理を行い、画像切出し処理部12による画像切出し後、前記画像全体の色調整と同様の各色調整(AWB、即ちオートホワイトバランス)を各切出し画像A,B,Cで行う処理回路(56〜59、61〜64、65〜68)を経て画像合成し、D/A変換等、図1と同様の処理を行う。
【0081】
処理回路(56〜59、61〜64、65〜68)は、画像全体の色調整を行なう構成と同様であり、切出し画像Aの処理回路は、RGB信号の比を検出する色温度検出部56と、検出結果からR,Bのゲインを制御する色温度制御部57と、R,B信号のゲインを調整する利得調整部58,59とで構成され、切出し画像Bの処理回路は、RGB信号の比を検出する色温度検出部61と、検出結果からR,Bのゲインを制御する色温度制御部62と、R,B信号のゲインを調整する利得調整部63,64とで構成され、切出し画像Cの処理回路は、RGB信号の比を検出する色温度検出部65と、検出結果からR,Bのゲインを制御する色温度制御部66と、R,B信号のゲインを調整する利得調整部67,68とで構成され、それぞれの処理回路により切出し画像A,B,C毎の色調整が行なわれる。
【0082】
上記の構成においては、まず、CCD34から来た撮像信号は全体画像に対して色補正されるが、その色補正された画像に対して画像切出し処理を行なって切り出した複数(図では3つ)の画像に対して更にそれぞれ色補正する。色補正は、全体画像に対しても、また各切出し画像に対しても同様に行なわれ、R,G,Bのデータを検出してそれらがバランス(例えばホワイトバランス)がとれるようにBとRを色調整することによって行なわれる。
【0083】
色補正の方法は既知の方法、つまり、画面全体(切出し画像の場合は切出し画像の画面全体)を積分してRGBが一定になるようにする、画面の中で色付きの大きな部分は除外して飽和度の低い部分(例えば、画面の大部分が葉で周辺に地面がある被写体の場合、葉の部分を削除し、地面の色データのみで色バランスを計算する)を積分してRGBが一定になるようにする、等の処理を行う。なお、本発明の図4,図6の実施例2,3を組み合わせて、各切出し画像について輝度、色共に補正することも可能である。
【実施例4】
【0084】
図7は、本発明の実施例4に係る切出し画像処理部のブロック図である。本実施例では、輪郭の補正を目的としている。切出し画像が3つの場合について示している。
【0085】
図7に示す切出し画像処理部12Aは、A/D部11からの画像データを記憶する複数(図では3つ)の画像切出し用のフレームバッファメモリ121,122,123と、このフレームバッファメモリ121,122,123からの各切出し画像を所定の表示サイズに拡大又は縮小して出力する解像度変換部124,125,126と、この解像度変換部124,125,126からの解像度変換された切出し画像A,B,Cをそれぞれ、切り出された3つの画像の解像度に対する前記合成画像表示装置19の表示画像の解像度の拡大率に比例して輪郭補正量を変化させる輪郭補正部127,128,129と、輪郭補正部127,128,129でそれぞれ輪郭補正された切出し画像A,B,Cから不要な周辺画素を削除する周辺画素削除部131,132,133と、を備えている。
【0086】
次に動作を説明する。
切出し画像は、拡大率が大きくなるに従いボケた画像になるので、拡大率に比例して輪郭補正の強調する量を上げる。特開平9−51444号公報では、フィルムの濃度情報等により輪郭補正値をルックアップテーブルを用いて変更する提案がなされているが、本願では、バッファメモリ121,122,123の各フレーム画像より切出し位置情報に基づいて切出した切出し画像を合成画像表示装置19での表示サイズに拡大するための拡大率をパラメータとして拡大率に応じて輪郭補正値を変更する処理を行えばよい。なお、輪郭補正部127,128,129では、切り出された画像の解像度に対して表示画像の解像度を拡大しない或いは縮小するのであれば、輪郭補正をかけない処理を行なう。
【0087】
この輪郭補正を行なうのに際し、2次元デジタルフィルタ処理を切出し画像の端の画素にも行えるよう、バッファメモリ121,122,123の各フレーム画像より切出す画像は周辺画素を数画素余計に切出す。そして、輪郭補正処理後、不要の周辺画素は削除する。
【実施例5】
【0088】
図8は本発明の実施例5に係る画像処理装置のブロック図である。本実施例は、撮像素子から複数の切出し画像を読み出す場合の実施例であり、撮像素子内で蓄積時間を制御することによりレベル調整を行なうものである。
【0089】
図8に示す画像処理装置は、同一画像から複数(図では4つ)の切出し画像を出力可能で、かつ各切出し画像毎に蓄積時間が設定可能な撮像素子71と、この撮像素子71の各切出し領域と蓄積時間を設定するシステム制御マイコン98と、撮像素子71からの各切出し画像を処理するカメラ信号処理系(72〜79,81〜89,91)と、複数の切出し画像を合成して表示する合成画像表示装置92と、このカメラ信号処理系(72〜79,81〜89,91)から切出し画像毎の輝度値を検出するレベル検出部93〜96と、画像切出し位置を選択するための処理を行なう切出し位置選択部97と、を備えて構成されている。
【0090】
撮像素子71は、例えば800万画素の撮像素子であって、田型の4画素を1単位にして4線出力する撮像素子で、4つの切出し画像を得ることが可能である。すなわち、撮像素子71は、800万画素を有し、田型の4画素A,B,C,Dを1単位にした200万個のブロックで構成された素子部711と、素子部711の縦横に1画素おきに存在する画素Aのみを集めて構成される200万画素分の露光蓄積データを水平1ラインずつ読み出し、シリアルに出力するA読出し走査線レジスタ712と、素子部711の縦横に1画素おきに存在する画素Bのみを集めて構成される200万画素分の露光蓄積データを水平1ラインずつ読み出し、シリアルに出力するB読出し走査線レジスタ713と、素子部711の縦横に1画素おきに存在する画素Cのみを集めて構成される200万画素分の露光蓄積データを水平1ラインずつ読み出し、シリアルに出力するC読出し走査線レジスタ714と、素子部711の縦横に1画素おきに存在する画素Dのみを集めて構成される200万画素分の露光蓄積データを水平1ラインずつ読み出し、シリアルに出力するD読出し走査線レジスタ715と、素子部711の縦横に1画素おきに存在する画素Aのみを集めて構成される200万画素領域の蓄積時間を制御可能で、かつ該200万画素領域から所望の切出し領域を指定する蓄積時間制御&切出し領域指定部716と、素子部711の縦横に1画素おきに存在する画素Bのみを集めて構成される200万画素領域の蓄積時間を制御可能で、かつ該200万画素領域から所望の切出し領域を指定する蓄積時間制御&切出し領域指定部717と、素子部711の縦横に1画素おきに存在する画素Cのみを集めて構成される200万画素の蓄積時間を制御可能で、かつ該200万画素領域から所望の切出し領域を指定する蓄積時間制御&切出し領域指定部718と、素子部711の縦横に1画素おきに存在する画素Dのみを集めて構成される200万画素の蓄積時間を制御可能で、かつ該200万画素領域から所望の切出し領域を指定する蓄積時間制御&切出し領域指定部719と、を備えている。
【0091】
カメラ信号処理系(72〜79,81〜89,91)は、A,B,C,D読出し走査線レジスタ712,713,714,715から蓄積時間制御及び切出し領域指定して読み出された切出し画像A,B,C,Dの信号(これは、A,B,C,D4つの200万画素領域それぞれから切出し指定によって適宜のサイズに切り出された切出し画像の撮像信号である)をそれぞれバッファアンプ72,73,74,75を介してS/H,AGC部76,77,78,79で画素信号として取り出しかつAGCレベル調整し、更にA/D部81,82,83,84にてそれぞれデジタル信号に変換した後、カメラ信号処理部85,86,87,88で色調整などの信号処理を行ない、4つの画像A,B,C,Dの適宜のサイズの切出し画像信号として合成処理部89に供給して合成し、更にD/A部91にてアナログ信号に変換して合成画像表示装置92に合成画面表示する。
【0092】
レベル検出部93,94,95,96はそれぞれ、カメラ信号処理部85,86,87,88から4つの画像A,B,C,Dの各切出し画像の輝度レベルを検出し、システム制御マイコン98に供給する。
【0093】
システム制御マイコン98は、ユーザー操作に基づく切出し位置選択部97の処理により各切出し領域を指定する一方、レベル検出部93,94,95,96からの輝度データにより各切出し画像の電荷蓄積時間(電子シャッターとも呼ばれる)を決定し、切出し画像の輝度が所定の明るさになるように制御(調整)している。
【0094】
本実施例によれば、任意の領域を複数出力可能な撮像素子を使用した場合に、各切出し処理領域毎に輝度レベルを検出し、蓄積時間(又はシャッター速度)を制御(決定)することにより、合成画面上の各切出し画像の輝度を適正にすることができる。例えば800万画素の撮像素子を200万画素ずつ4つの領域に分けて蓄積時間(又はシャッター速度)を制御可能とし、4つの領域からそれぞれ切出し画像を取り出すように構成した場合に、各切出し処理領域毎に輝度レベルを検出し、蓄積時間(又はシャッター速度)を適宜に指定することで、合成画面上の各切出し画像の輝度を適正化できる。明る過ぎれば撮像素子71の蓄積時間(又はシャッター速度)を短くし、暗ければ蓄積時間(又はシャッター速度)を長くするように制御して、各切出し画像の輝度の適正化を図る。
【実施例6】
【0095】
図9は本発明の実施例6に係る画像処理装置のブロック図である。本実施例では、フレームレートが遅い撮像素子の速度改善を目的としている。
【0096】
図9は、図8における撮像素子内でのレベル調整を行なう画像処理装置について、フレームレートの遅い撮像素子(例えば、毎秒10フレームの速度)を使用した場合に有効なものである。
【0097】
動画で出力するには、一般に毎秒30フレーム以上の速度で1枚の画像を処理する必要がある。しかし、撮像素子71の画素数が増加すると同じ速度(毎秒30フレーム以上の速度)で1枚の画像を処理するには必然的に1画素当りの処理が高速になり、撮像素子71およびカメラ信号処理系(72〜79,81〜89,91)の構成が複雑でかつコスト高になる。
【0098】
その点に関しては、デジタルカメラ用の撮像素子は動画レベルの高速処理はできないが、高解像度のものがある。例えば、全画素を毎秒10フレームの速度で処理する撮像素子の場合、切出し画像が全画素の1/3以下であれば伝送時間は1/3で済むので伝送速度は3倍とすることができ、切出し画像を毎秒30枚送ることができ、動画処理が可能になる。
【0099】
本実施例6の構成は、図8の実施例5の構成における、カメラ信号処理部85,86,87,88と合成処理部89との間に、時間的なバッファ機能(時間的調整機能)を果たすものとして切出し画像毎に複数(図では4つの切出し画像に対応して4個)のバッファメモリ101,102,103,104を設けた構成としたものである。そして、1つのバッファメモリにおいて、1つの切出し画像の入出力に対し3つのフレームメモリ101b,101c,101dによるメモリバッファ機能が構成されており、入力側及び出力側にそれぞれスイッチ101a,101eが配置され、入力側スイッチ101aは入力データが3つのフレームメモリ101b,101c,101dのうちの1つのフレームメモリへの書込みを終了したら次のフレームメモリに切り替えるように切替え端子a1,a2,a3の切替えが行われるようにし、出力側スイッチ101eは3つのフレームメモリ101b,101c,101dのうちの書込みが終わったフレームメモリに対して且つ前のフレームメモリからの読出しが終了したら、書込みが終わっている次のフレームメモリに切り替えるように切替え端子e1,e2,e3の切替えが行われ、しかも表示装置92の画像表示レート(毎秒30フレーム、即ち1/30秒)で読出しが行なわれる。なお、画像表示レートは毎秒60フレーム(即ち1/60秒)であってもよい。その他の構成は、図8と同様である。
【0100】
次に、図9の動作を説明する。
撮像素子71から読み出される(切り出される)切出し画像サイズのフレームレートが例えばAが毎秒15フレーム、Bが毎秒20フレーム、Cが毎秒30フレーム、Dが毎秒30フレームであったとする。このようなフレームレートになるのは、表示装置92の画面上に示しているように、Aの切出し画像が一番大きく画面の略半分であり、Bの切出し画像がAの切出し画像の略半分、C,Dの切出し画像がBの略半分であるために、撮像素子71からは、切出し領域が最も狭く指定されているC,Dの切出し画像が毎秒30フレームでの読み出し(即ち、動画)が可能となっている。
【0101】
図8と同様なカメラ画像処理を行った後、4つの切出し画像に対応した4つのバッファメモリ101〜104のうち、例えばバッファメモリ101のメモリ入力(書き込み)側について説明すると、フレームメモリ101b→フレームメモリ101c→フレームメモリ101d→フレームメモリ101b… と順に1枚の切出し画像を書き込む毎に入力スイッチを切替えて書き込んでいく。
【0102】
メモリ出力(読出し)側は、最新の書き込みが終了したメモリから順次読み出していく。例えば現在フレームメモリ101bを読み出している状態で、次のフレームメモリ(例えばフレームメモリ101c)が書き込み終了するまでは、フレームメモリ101bから同じタイミングで読出し続け(例えば1/30秒毎)、フレームメモリ101cが書き込み終了すると、フレームメモリ101bの全データを読み出し終わったタイミングで出力スイッチが切り替わりフレームメモリ101cの読出しを開始する。
【0103】
他のバッファメモリ102,103,104の動作についても同様であるが、A,B,C,Dの各切出し画像がそれぞれバッファメモリ101,102,103,104に対して、15フレーム/秒、20フレーム/秒、30フレーム/秒、30フレーム/秒で入力されるので、バッファメモリ101を構成する3つのフレームメモリの入力側スイッチ(101aを指す)はほぼ毎秒15フレームの速度で切り替えられて3つのフレームメモリ(101b,101c,101dを指す)に順次にサイクリックに1フレームずつ画像データが書き込まれ、読み出しは3つのフレームメモリから表示装置92に必要な読み出しレート(毎秒30フレーム)で読み出される。
【0104】
また、バッファメモリ102を構成する3つのフレームメモリの入力側スイッチ(図示せず)はほぼ毎秒20フレームの速度で切り替えられて3つのフレームメモリ(図示せず)に順次にサイクリックに1フレームずつ画像データが書き込まれ、読み出しは3つのフレームメモリから表示装置92に必要な読み出しレート(毎秒30フレーム)で読み出される。
【0105】
同様に、バッファメモリ103,104それぞれを構成する3つのフレームメモリの入力側スイッチ(図示せず)はほぼ毎秒30フレームの速度で切り替えられて3つのフレームメモリ(図示せず)に順次にサイクリックに1フレームずつ画像データが書き込まれ、読み出しは3つのフレームメモリから表示装置92に必要な読み出しレート(毎秒30フレーム)で読み出される。
【0106】
このように、フレームレートが遅い撮像素子(例えば、毎秒10フレーム)では全画像を読み出そうとすると動画にはならないが、切出し領域が指定された切出し画像のサイズさえ小さくしてやれば、撮像素子から読み出すのは狭い領域だけでよいので速く読み出すことができ、動画(毎秒30フレーム)で出力可能となる。つまり、比較的領域の狭い切出し画像は、動画レート(例えば1/30秒毎)で表示することが可能になる。
【実施例7】
【0107】
図10は本発明の実施例7に係る画像処理装置のブロック図である。本実施例では、同一画像データから切り出した複数の切出し画像のうち、基本画面というものを1つ決めておいて(例えば切出し画像A)、切出し画像Aのレベルを検出して、その検出レベルに基づいて基本画像Aだけでなく他の切出し画像B,C…のレベルも調整するものである。
【0108】
図10の画像処理装置は、再生装置から入力された画像をデジタル化するA/D部11(再生装置がメモリ等からのデジタル画像データの場合A/D部は不要)と、ユーザーが指定した複数(図ではA,B,Cの3つ)の切出し画像を生成する分割領域設定手段としての画像切出し処理部12と、複数の切出し画像の内の一つを基本領域として設定する基本領域設定手段と、基本領域の信号レベルを検出するパラメータ設定手段としてのレベル検出部22と、レベル検出部22の基本領域検出レベルに基づいて各切出し画像A,B,Cのレベル補正を行うレベル補正部13A-1,13B-1,13C-1と、複数の切出し画像A,B,Cを一枚の画像にする合成部14と、全体画像とユーザ操作によって選択された切出しエリア表示(マーク)とを加算する加算器15と、全体画像データをアナログデータに変換するD/A部16と、撮像した画像全体を表示する全体画像表示装置18と、複数の切出し画像を合成した合成画像を表示する合成画像表示装置19と、全体画像表示装置18の画面上で切出し画像の位置を指定する切出し位置選択部20と、この切出し位置選択部20からの画像位置切出し情報や、水平同期信号(HD)及び垂直同期信号(VD)や、クロック信号を用いて画像切出し処理部12を制御し切出し画像を生成させるシステム制御部21と、を備えている。レベル補正とは、輝度や色などについての調整パラメータのレベルを調整することを言う。
【0109】
また、ここでは基本領域は切出し画像Aとする。基本領域の指定は、最初に切出した画像を基本領域にしたり、一番切出し領域が小さい画像を基本領域にしたり、複数の切出し領域の一つをクリックすることにより決定したり、ある時間で自動的に切替えても良い。指定された基本領域は他の切出し領域と違いがわかるように、箱の外枠線を比較的太くしたり、色を付けるなどをして、全体画像表示装置18に表示する。
【0110】
以上の構成で、図1の構成と異なる点は、複数の切出し画像の内の一つを基本領域として設定する基本領域設定手段と、基本領域の信号レベルを検出するレベル検出部22とを設けて、レベル検出部22の基本領域検出レベルに基づいて、即ち同じ補正量(制御量)を用いて各切出し画像A,B,Cのレベル補正を行うことである。従って、基本領域に対するレベル補正量が例えば2倍であれば、他の切出し領域個々のレベル補正量も2倍とされる。これに対して、図1の構成では、複数の切出し画像A,B,Cそれぞれに異なった補正量(制御量)を設定してレベル補正を行なうことが可能なものである。
【0111】
次に、図10の動作を説明する。
画像切出し処理部12までの作用は図1と同様である。次にレベル検出部22は基本領域の画像データのレベル検出を行い、基本領域の信号レベルが適正になるように他の切出し画像のレベル補正を行う。基本領域の画像の信号レベルに合った補正が他の切出し領域の画像に対しても行なわれることになり、合成画像全体としては観察者に違和感のない画像を提供することができる。
【0112】
なお、図示していないが、各切出し領域毎にレベル検出を行い、基本領域以外の切出し領域は、基本領域で検出されたレベルと各切出し領域で検出したレベルを加算平均あるいは、切出しサイズにより重み付けを行ってレベル補正量を決定しても良い。
【実施例8】
【0113】
図11は本発明の実施例8に係る画像処理装置のブロック図である。本実施例は、図7の実施例7のレベル検出部22を輝度検出部22Aに置き換え、図7の実施例7のレベル補正部13A-1,13B-1,13C-1を輝度補正部13A-2,13B-2,13C-2に置き換えた構成とするもので、輝度(露出)のレベル補正を目的としている。
【0114】
さらに、本実施例では、図4における画面全体に対するAE制御系(37,38,39,41,42)を採用した構成としてある。AE制御系は、実施例2で説明したように、輝度レベルを検出する輝度レベル検出部37と、輝度レベルによるAE処理の方法プログラムが内蔵されているAE制御マイコン38と、AE制御マイコン38からのデジタル輝度信号をAGC制御信号用にアナログ変換するD/A部39と、AE制御マイコン38の指示により電子シャッター速度等のCCD動作を制御するCCD駆動回路41と、AE制御マイコン38の指示によりアイリス制御用モーター33を駆動するアイリス駆動回路42と、を備えている。
【0115】
実施例8の動作を説明すると、AE制御系(37,38,39,41,42)によって撮影画像全体のAE制御が行なわれ、その後基本領域の切出し画像(例えば切出し画像A)の輝度値を輝度検出部22Aにて検出し、その基本領域輝度値に基づいた補正量(制御量)によって輝度補正部13A-2で切出し画像Aの輝度補正を行なうと同時に、同じ基本領域輝度値に基づいた補正量(制御量)によって輝度補正部13B-2,13C-2にて他の切出し画像B,Cの各輝度補正も行なう。すなわち、切出し画像(例えば切出し画像A)の輝度値が一定値になるように切出し画像Aのゲインを調整し、その調整値を他の切出し画像B,Cにも適応する。
【0116】
なお、輝度検出部22Aによる輝度検出は、基本領域の画像の平均輝度や中央重点測光あるいはスポット測光データから輝度のレベルを決定すれば良い。
【0117】
実施例8によれば、複数の切出し画像の中から、基本となる画像を選択し、その基本領域の画像から輝度(露出)のレベルを決定し、その輝度値データに基づいた補正量(制御量)を全ての切出し画像に適応する手段を設けており、一番注目したい切出し画像に輝度を合せることが可能になる。
【実施例9】
【0118】
図12は本発明の実施例9に係る画像処理装置のブロック図である。本実施例では、通信速度(データレート)が律速された状態で、注目している基本領域を他の領域より動画レベルで表示することを目的としている。ここでは、複数の切出し画像を2つの切出し画像A,Bとし、切出し画像Aを基本画像とする。2つの切出し画像A,Bを得て、伝送し、切出し画像Aについては動画或いは動画に近いレベル(準動画)で見て、切出し画像Bについてはコマ落ちで見れても良い、というような鑑賞形態(シチュエーション)を考える。また、伝送系はVGA(640×480ドット、Video Graphic Array の略)ならば毎秒30フレーム伝送できるものとし、画像Aを25フレーム伝送し、画像Bを5フレーム伝送するものとして考える。
【0119】
図12に示す画像処理装置は、再生装置から入力された画像信号をデジタル化するA/D部(但し再生装置がデジタル画像出力対応の場合A/D部は不要である)11と、デジタル画像信号を入力し、デジタル画像からユーザーが指定した複数(図では3つ)の切出し画像A,Bを生成する画像切出し処理部12と、全体画像とユーザ操作によって選択された切出しエリア表示(マーク)とを加算する加算器15と、全体画像データをアナログデータに変換するD/A部16と、撮像した画像全体を表示する全体画像表示装置18と、全体画像表示装置18の画面上で切出し画像の位置を指定する切出し位置選択部20と、この切出し位置選択部20からの画像位置切出し情報や、水平同期信号(HD)及び垂直同期信号(VD)や、クロック信号を用いて画像切出し処理部12を制御し切出し画像を生成させるシステム制御部21と、切出し画像A,Bをそれぞれ伝送サイズに解像度変換する(例えばVGAサイズにする、切出し画像AはVGAサイズに拡大し、切出し画像BはVGAサイズに縮小したりする)第1の解像度変換部23,24と、第1の解像度変換部23,24で同じ伝送サイズ(例えばVGAサイズ)に変換された基本切出し画像Aと他の切出し画像Bを選択するもので、基本切出し画像Aを他の切出し画像Bより多く選択する(例えば画像Aは5回、画像Bは1回の割合で、即ち毎秒では画像Aは25フレーム、画像Bは5フレーム選択して送る)出力セレクタ25と、出力セレクタ25で選択されたVGAサイズのシリアルフレーム伝送される画像A,Bを実際に合成画像表示装置19にて表示する解像度(例えばSXGA)に合わせた変換をする第2の解像度変換部26と、この第2の解像度変換部26により解像度が変換された前記切出し画像A,Bを、合成画像表示装置19のフレームレートに変換するバッファメモリ手段27と、フレームレート変換された切出し画像A,Bを一枚の画像に合成する合成部14と、合成画像をアナログ信号に変換するD/A部17と、合成画像を表示する合成画像表示装置19と、を備えている。
【0120】
上記出力セレクタ25は、例えばVGAサイズに解像度変換された切出し画像A,Bを各解像度変換部23,24内のメモリから読み出して、1秒間にAAAAABAAAAABAAAAABAAAAABAAAAABのようにシリアル出力する。
【0121】
上記バッファメモリ手段27は、時間的なバッファ機能(時間的調整機能)を果たすものとして切出し画像毎に複数(図では2つの切出し画像に対応して2個)のバッファメモリ272,273と、この2つのバッファメモリ272,273の入力側に設けられて、解像度変換部26からの解像度変換された画像A,Bを選択的に切り替えて、バッファメモリ272,273に入力するための入力切替スイッチ271と、を設けた構成となっている。
【0122】
入力切替スイッチ271は、第2の解像度変換部26で解像度変換された上記AAAAABAAAAABAAAAABAAAAABAAAAAB/秒のシリアルデータを選択的に出力端A,Bに切り替えて出力するが、入力端に画像Aが来たら出力端Aに切替え接続して、画像Aが5回バッファメモリ272に連続的に入力した後、次に画像Bが来たら出力端Bに切替え接続して、画像Bが1回だけバッファメモリ273に入力した後、再び画像Aが来たら出力端Aに切替え接続して、…というように切替え動作を繰り返し行なう。
【0123】
そして、1つのバッファメモリ(例えばバッファメモリ272)において、1つの切出し画像Aの入出力に対し3つのフレームメモリ272b,272c,272dによるメモリバッファ機能が構成されており、入力側及び出力側にそれぞれスイッチ272a,272eが配置され、入力側スイッチ272aは入力データが3つのフレームメモリ272b,272c,272dのうちの1つのフレームメモリへの書込みを終了したら次のフレームメモリに切り替えるように切替え端子a1,a2,a3の切替えが行われるようにし、出力側スイッチ272eは3つのフレームメモリ272b,272c,272dのうちの書込みが終わったフレームメモリに対して且つ前のフレームメモリからの1フレーム分の読出しが完了したら、書込みが終わっている次のフレームメモリに切り替えるように切替え端子e1,e2,e3の切替えが行われ、しかも合成画像表示装置19の画像表示レート(毎秒30フレーム、即ち1/30秒)で読出しが行なわれる。なお、画像表示レートは毎秒60フレーム(即ち1/60秒)であってもよい。バッファメモリ273についても同様に動作し、表示装置19の画像表示レート(毎秒30フレーム、即ち1/30秒)で読出しが行なわれる。
【0124】
そして、合成部14で合成後、D/A部17にてアナログ変換されて、合成画像表示装置19の画面上に例えば2画像並べて合行表示される。切出し画像Aは毎秒25フレームの準動画で表示され、切出し画像Bは毎秒5フレームのコマ落ちで表示される。
【0125】
図13は図12におけるバッファメモリ手段のスキャンコンバータ動作を説明する図を示している。バッファメモリ272について説明すると、図13で(a)はフレームメモリ272b,272c,272dへの書込み状態(毎秒25フレーム)を示し、(b)はフレームメモリ272b,272c,272dからの読出し状態(毎秒30フレーム)を示している。入力側スイッチ272aは毎秒25回切り替わってフレームメモリ272b,272c,272dに毎秒25フレームが順に書き込まれ、出力側スイッチ272eは毎秒30フレーム出力されるが、フレームメモリ272b,272c,272dへの書込みが終わり且つ前のフレームメモリからの1フレーム分の読出しが完了したら、書込みが終わっている次のフレームメモリに切り替わるので、フレームメモリ272cへの読出し時刻t1(図13(b)参照)が来ても、時刻t1でフレームメモリ272dへの書込み(図13(a)参照)が完了していない時点では前のフレームメモリ272cからの読出しをもう一度行ない、そして点線矢印に示すタイミングt2でフレームメモリ272dへの書込みが終了していても、フレームメモリ272cからの2回目のフレームメモリ読出しが完了していない期間Tはその読出しを続行し、2回目のフレーム読出しが完了(時刻t3)した後にフレームメモリ272dの書込み済みデータを読み出すことになる。
【0126】
次に、第1の解像度変換部23,24の解像度変換が画素間引きによる場合とJPEG圧縮による場合とに分けて、動作をそれぞれ説明する。
【0127】
(1)解像度変換方法1(画素間引き)
各切出し画像A,Bを第1の解像度変換部23,24にて、毎秒30フレーム(或いは毎秒60フレーム)で伝送できるサイズに解像度変換を行なう。
【0128】
例えば、伝送速度が222Mbit/secの場合、毎秒30フレーム伝送するために各切出し画像をVGA(640×480ドット)程度のサイズに縮小あるいは拡大する。
【0129】
(640pix×480pix×30fps×3(RGB)×8bit=221.2Mbps)
出力セレクタ25で基本切出し画像Aを他の切出し画像Bより多く選択し、伝送することにより、通信のデータレートが比較的遅くても、合成画像全体がコマ落ちせず、基本画像Aは準動画、他の画像Bはコマ落ちした画像を表示することが可能になる。
【0130】
受信した画像は第2の解像度変換部26の解像度変換により表示装置19に表示されるサイズに変換される。
【0131】
次に図9と同様の3フレームメモリ構成によるバッファメモリ手段27により、出力タイミングを合成画像表示装置19に合うように補正される。つまり、切出し画像Aは3つのフレームメモリ(272b,272c,272d)に毎秒25フレーム、切出し画像Bは3つのフレームメモリ(図示せず)に毎秒5フレームが書き込まれるが、共に毎秒30フレームで読み出され、画像合成後、合成画像表示装置19に出力される。
【0132】
(2)解像度変換方法2(JPEG圧縮)
各切出し画像A,Bの1枚のサイズを第1の解像度変換部23,24にて所定のデータ量より小さくなるようにJPEG等の圧縮を行い、伝送後に伸張する。
【0133】
例えば、伝送速度が222Mbit/secの場合、毎秒30フレーム伝送するために1枚の画像を925kバイト以下にする圧縮処理を行えば良い。
【0134】
(925k×30fps×8bit=222Mbps)
出力セレクタ25で受信した後の画像の処理は上記「解像度変換方法1」と同様である。
【0135】
なお、伝送する画像は、切出し画像だけでなく、全体画像、あるいは全体画像に切出し画像を合成した画像を解像度変換し、適当な割合で、切出し画像と時系列に伝送してもよい。
【実施例10】
【0136】
図14は本発明の実施例10に係る画像処理装置のブロック図である。本実施例では、複数(図では3つ)の切出し画像を一枚の画像に合成した後、画面全体の平均値が適正になるように補正を行う。各々のブロックの動作は、実施例1と同様である。
【0137】
実施例1では、画像切出し処理部12で切り出した3つの切出し画像A,B,Cごとに画像処理部13A,13B,13Cで画像処理即ちレベル補正を行なった後に、3つの画像A,B,Cを合成部14にて合成するものであった。これに対して、実施例10では、画像切出し処理部12で切り出した3つの切出し画像A,B,Cを合成部14で合成した後に、その合成画像をレベル補正部28でレベル補正する点で、実施例1とは構成が異なっている。レベル補正とは、輝度や色などについての調整パラメータのレベルを調整することを言う。レベル補正部28はマニュアル調整可能としてもよいし、或いは切出し画像合成後のレベル検出を行ない、その検出結果に基づいてレベル補正部のレベル補正量を所定値となるように自動調整可能としてもよい。
【0138】
上記の実施例10の構成においては、実施例1のように個々にレベル調整しないので、切出し画像間のレベル差が比較的小さければ、実施例1と同様の効果が低コストで得られるメリットがある。また、比較的大きく切出した画面の適正値に近い補正が可能になるので、出力領域を大きく取った注目したい画像はほぼ適正なレベルになる。
【0139】
なお、表示領域毎に重み付けを行い、小さい表示領域ほどウエイトをかけることで、表示領域のサイズによらないレベル補正をかけても良い。
【実施例11】
【0140】
図15は本発明の実施例11に係る画像処理装置のブロック図である。本実施例は、複数(図では3つ)の切出し画像を一枚の画像に合成した後、画面全体の平均値が適正になるようにAE(自動露出)制御を行う。各々のブロックの動作は、実施例2と同様である。
【0141】
図4の実施例2では、撮影画像全体の平均値を輝度レベル検出部37で輝度レベルとして検出し、AE制御系(37,38,39,41,42)によってAE制御を行なう一方、画像切出し処理部12で切り出した3つの切出し画像A,B,Cごとに画像処理部13A,13B,13Cで画像処理即ちレベル補正を行なった後に、3つの画像A,B,Cを合成部14にて合成するものであった。これに対して、実施例11では、画像切出し処理部12で切り出した3つの切出し画像A,B,Cを合成部14で合成した後に、その合成画像の平均値を輝度レベルとして検出し、AE制御系(37,38,39,41,42)を用いてAE制御を行なう点で、実施例2とは構成が異なっている。
【0142】
上記の実施例11の構成においては、複数の切出し画像を合成した後の平均値を輝度レベルとしてAE制御を行うことで、各切出し画像の輝度調整をなくすことができ、低コストな構成が可能である。
【実施例12】
【0143】
図16は本発明の実施例12に係る画像処理装置のブロック図である。本実施例は、複数(図では3つ)の切出し画像を一枚の画像に合成した後、画面全体の色バランスが適正になるように色補正を行う。各々のブロックの動作は、実施例3と同様である。
【0144】
図6の実施例3では、回路部(51〜55)で画像全体で色調整をした後、さらに画像切出し処理部12で切り出した各切出し画像毎に回路部(56〜59、61〜64、65〜68)で色調整を行なうものであった。これに対して、実施例12では、画像切出し処理部12で切り出した3つの切出し画像A,B,Cを合成部14で合成した後に、その合成画像のRGB信号の比を検出して、回路部(51〜55)で色調整(AWB、即ちオートホワイトバランス)を行なう点で、実施例3とは構成が異なっている。
【0145】
上記の実施例12の構成においては、複数の切出し画像を合成した後の、RGB信号の比を検出して画像全体で色調整を行うことにより、切出し画像毎に調整する必要がなくなり、低コストな構成が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0146】
本発明は、デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどの個体撮像素子を用いた撮像装置における画像処理装置のほか、医療用の撮像装置、例えば電子内視鏡装置などにおける画像処理装置に応用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】本発明の実施例1に係る画像処理装置のブロック図。
【図2】図1における画像切出し処理部の構成の一例を示すブロック図。
【図3】合成画像表示装置上における、複数の切出し画像の表示パターン例を示す図。
【図4】図4は本発明の実施例2に係る画像処理装置のブロック図。
【図5】中央重点方式を説明する説明図。
【図6】本発明の実施例3に係る画像処理装置のブロック図。
【図7】本発明の実施例4に係る切出し画像処理部のブロック図。
【図8】本発明の実施例5に係る画像処理装置のブロック図。
【図9】本発明の実施例6に係る画像処理装置のブロック図。
【図10】本発明の実施例7に係る画像処理装置のブロック図。
【図11】本発明の実施例8に係る画像処理装置のブロック図。
【図12】本発明の実施例9に係る画像処理装置のブロック図。
【図13】図12におけるバッファメモリ手段のスキャンコンバータ動作を説明する説明図。
【図14】本発明の実施例10に係る画像処理装置のブロック図。
【図15】本発明の実施例11に係る画像処理装置のブロック図。
【図16】本発明の実施例12に係る画像処理装置のブロック図。
【符号の説明】
【0148】
12…画像切出し処理部(分割領域設定手段)
13A,13B,13C…画像処理部
13A-1,13B-1,13C-1…レベル補正部
13A-2,13B-2,13C-2…輝度補正部
14…合成部(合成手段)
15…加算器
18…全体画像表示装置
19…合成画像表示装置
20…切出し位置選択部
21…システム制御部
22…レベル検出部
22A…輝度検出部
代理人 弁理士 伊 藤 進

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一画像から複数の画像領域を分割し切り出す分割領域設定手段と、
前記分割領域設定手段により分割し切り出された複数の画像領域を、一つの画像に合成する合成手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記分割領域設定手段により分割し切り出された複数の画像領域を個々に画像処理を行う画像処理手段をさらに有し、個々に画像処理された画像を前記合成手段により、一つの画像に合成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記合成手段により合成された画像を表示する表示装置をさらに有し、前記分割し切り出された複数の画像領域の個々の画像処理が、切り出された画像の解像度を前記表示装置の表示用の解像度に変換する解像度変換であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像処理手段による個々の画像処理が、輝度補正であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像処理手段による個々の画像処理が、色補正であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画像処理手段による個々の画像処理が、前記分割し切り出された複数の画像領域の解像度に対する前記表示装置の表示画像の解像度の拡大率に比例して輪郭補正量を変化させる処理であることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像処理手段による個々の画像処理が、撮像素子の電子シャッターによる補正であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記分割し切り出された複数の画像を、個々の切出し画像のサイズに応じた速度で出力するフレームバッファ手段を設けたことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項9】
同一画像から複数の画像領域を分割し切り出す分割領域設定手段と、
前記分割領域設定手段により分割し切り出された複数の画像領域の内の一つを基本領域として設定する基本領域設定手段と、
前記分割領域設定手段により分割し切り出された複数の画像に対して処理を行うパラメータを、前記基本領域に対する処理に用いるパラメータに対して、前記基本領域と基本領域以外の分割し切り出された複数の画像領域との差分により補正して求めるパラメータ設定手段と、
前記基本領域と前記基本領域以外の分割し切り出された複数の画像領域に前記パラメータ設定手段により設定されたパラメータによる処理を行ない、各領域の画像を一つの画像に合成する合成手段と、
この合成手段により合成された画像を表示する表示装置とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
前記パラメータによる処理は、前記分割し切り出された複数の画像領域に対する輝度補正処理であり、前記基本領域の輝度レベルから相対的に基本領域以外の分割し切り出された画像領域の輝度レベルを補正することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記複数の分割し切り出された画像の解像度を所定の解像度に変換する第1の解像度変換部と、
この第1の解像度変換部により解像度が変換された前記複数の分割し切り出された画像のいずれかを選択する選択手段と、
この選択手段により選択された前記複数の分割し切り出された画像を伝送する伝送手段と、
この伝送手段により伝送された前記複数の分割し切り出された画像を所定の解像度に変換する第2の解像度変換部と、
この第2の解像度変換部により解像度が変換された前記複数の分割し切り出された画像を、合成された画像を表示する表示装置のフレームレートに変換するバッファメモリ手段とをさらに有し、
前記複数の分割し切り出された画像の基本領域の画像をそれ以外の他の画像よりも多く伝送することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記合成手段により合成された画像のレベルを所定のパラメータにより補正する補正手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記補正手段は、前記合成された画像の輝度レベルを補正することを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記補正手段は、前記合成された画像の色バランスを補正することを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記分割領域設定手段は、分割する前の元の画像全体を表示する全体画像表示手段と、この全体画像表示手段上で画像を分割し切り出す領域を指定する分割切出し位置指定手段とを備えており、この分割切出し位置指定手段は前記全体画像表示手段上に表示された画像の部分を指定することにより、分割し切り出す画像の位置を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記合成手段により合成された合成画像を表示する合成画像表示手段と、この合成画像表示手段の画像サイズに対応するように前記複数の切出し画像を合成表示する際の各画像のサイズを指定する画像サイズ指定手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項17】
前記合成手段により合成された合成画像を表示する合成画像表示手段と、この合成画像表示手段の画像アスペクト比に合わせて、前記複数の切出し画像を合成表示する際に各画像を並べると隙間なく一枚の合成画像が得られるように各画像のサイズを決定する手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項18】
前記合成手段により合成された合成画像を表示する合成画像表示手段と、この合成画像表示手段上に分割表示する各画像のアスペクト比の組み合わせを指定するアスペクト比指定手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2005−142680(P2005−142680A)
【公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−374928(P2003−374928)
【出願日】平成15年11月4日(2003.11.4)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】