説明

画像処理装置

【課題】
複数の機能を備えるデジタル複合機等の画像処理装置において、利便性、及び省エネルギー化を向上させることが可能な画像処理装置を提供する。
【解決手段】
複数の画像処理部と、処理の内容を示す操作情報が順次入力される操作情報入力部と、操作情報により指定される処理内容に対応させて、複数の画像処理部のうちの何れかの画像処理部を使用するかを示す使用画像処理部情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された使用画像処理部情報に基づき複数の画像処理部の省電力状態又は通常状態への移行を制御する制御部とを備えることを特徴とする画像処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、又はファクシミリ等の複数の機能を備えた画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、複写機、プリンタ、又はファクシミリ等の複数の画像処理部を統合した、いわゆるデジタル複合機と呼ばれる画像処理装置がオフィス等で多用されている。そして、この様なデジタル複合機においては、電子写真方式のプリンタ部を備えるものが知られている。電子写真方式のプリンタ部は、用紙等の記録媒体上に転写されたトナー像を加熱、加圧することにより、当該トナー像を記録媒体上に定着させる定着器を備える。この様な定着器は、ヒータ等の加熱手段を備えており、加熱手段により付与される温度は、温度センサが検出した環境温度に基づき、温度制御部回路が加熱手段のオン・オフを制御することで、トナー像の定着に最適な定着温度に保たれる。
【0003】
そして、上記温度制御回路による加熱手段のオン・オフ制御、つまり、加熱手段による定着器のウォームアップ動作は、デジタル複合機の電源投入後、又はデジタル複合機が印刷待機状態等の省電力状態から印刷実行時等の通常状態に移行する際に実行される。この際、デジタル複合機は、加熱手段により付与される温度が定着可能温度に到達するまで印刷処理を実行することができない。また、上記定着器以外の各機構部においても、省電力状態から通常状態に移行し、各機構部が作動可能となるためには、各機構部における予備動作が必要となる。この様に、従来のデジタル複合機においては、全ての機能を作動させるためのウォームアップ動作や、予備動作を同時に実行する必要があり、装置の利便性、又は省エネルギー化の観点から、これらのウォームアップ動作や、予備動作にかかる時間の短縮が望まれてきた。そして、この様な問題を解決するために、例えば、特許文献1には、ユーザにより選択された機能、又は入力されたジョブの実行にかかる機能に関与する機構部のみのウォームアップ動作を実行することで、省エネルギー化を図る画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−297264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1記載の画像形成装置では、ウォームアップ動作を実行させる機構部を制限することで省エネルギー化は実現されているものの、選択された機構部が作動可能となるのは、必要とされる複数個の機能からなる機能ブロックのウォームアップ動作に要する時間を経過した後となる為、予備動作に有する時間が長くなってしまうという問題があった。
【0006】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、複数の機能を備えるデジタル複合機等の画像処理装置において、利便性、及び省エネルギー化を向上させることが可能な画像処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明にかかる画像処理装置は、複数の画像処理部と、処理の内容を示す操作情報が順次入力される操作情報入力部と、操作情報により指定される処理内容に対応させて、複数の画像処理部のうちの何れかの画像処理部を使用するかを示す使用画像処理部情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された使用画像処理部情報に基づき複数の画像処理部の省電力状態又は通常状態への移行を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる画像処理装置は、複数の画像処理部と、処理の内容を示す操作情報が順次入力される操作情報入力部と、操作情報により指定される処理内容に対応させて、複数の画像処理部のうちの何れかの画像処理部を使用するかを示す使用画像処理部情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された使用画像処理部情報に基づき、通常状態にある特定の画像処理部を省電力状態に移行させる制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の機能を備えるデジタル複合機等の画像処理装置において、利便性、及び省エネルギー化を向上させることが可能な画像処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】MFPの構成を説明する機能ブロック図である。
【図2】プログラムテーブルを説明する概略図である。
【図3】操作パネルの構成を説明する概略図である。
【図4】メニューカテゴリを説明する概略図である。
【図5−A】制御部による処理を説明するフローチャートである。
【図5−B】制御部による処理を説明するフローチャートである。
【図6】ユニット別ウォームアップ処理を説明するフローチャートである。
【図7】読取制御部による処理を説明するフローチャートである。
【図8】印刷制御部による処理を説明するフローチャートである。
【図9】画像作成部による処理を説明するフローチャートである。
【図10】ファイル作成部による処理を説明するフローチャートである。
【図11】プログラムテーブルを説明する概略図である。
【図12】制御部による処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0012】
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置としてのMFP(Multi Function Peripheral)1の機能構成を説明するための機能ブロック図である。図1に示すように、MFP1は、電源VDDから供給される電力により駆動する、画像処理部としての読取ユニット3と、印刷ユニット5と、を備える。
【0013】
画像処理部としての読取ユニット3は、例えば、フラットベットや、ADF(Auto Document Feeder)等にセットされた用紙をスキャンし、用紙上に印刷された画像を読取る。このとき、読取ユニット3は、図示せぬ光源を発光させて光を用紙に対して照射する。そして、読取ユニット3は、用紙からの反射光を、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の撮像素子で検出し、用紙上に印刷された画像を読取る。なお、読取ユニット3が備える光源は、電源VDDから供給された電力によって駆動するが、MFP1が省電力状態に移行するときには、光源への給電は停止される。そして、MFP1が省電力状態から画像の読取処理等が実行可能な通常状態へ移行する場合は、光源への給電は再開されるが、撮像素子が用紙からの反射光を検出する為に要する十分な光量を得るためには、光源のウォームアップ動作に一定の時間を必要とする。この様な読取ユニット3は、読取制御部7による制御の下で駆動し、読取ユニット3により読取られた画像は読取制御部7に出力される。
【0014】
画像処理部としての印刷ユニット5は、入力された画像情報に基づくトナー像を形成する現像装置、トナー像を用紙上に転写させる転写装置、及び転写されたトナー像を用紙上に定着させる定着装置等を備える。上記読取ユニット3と同様に、MFP1が省電力状態に移行するときには、現像装置、転写装置、及び定着装置等への給電は停止される。そして、MFP1が省電力状態から印刷処理等が実行可能な通常状態へ移行する場合は、現像装置、転写装置、及び定着装置等への給電は再開される。なお、印刷ユニット5は、例えば、入力された画像情報に基づき図示せぬ露光装置が照射した光により形成された静電潜像を担持する感光体ドラム等の比較的消費電力が多い駆動装置を数多く備え、特に、定着装置が備える加熱手段は、トナー像の定着に最適な定着温度に到達するまでのウォームアップ動作に一定の時間を必要とする。この様な印刷ユニット5は、印刷制御部9による制御の下で駆動する。
【0015】
読取制御部7は、読取ユニット3を統括的に制御すると共に、読取ユニット3から入力された画像に基づいて中間画像データを生成する。そして、例えば、MFP1がコピーや、FAX送信を実行する場合は、読取制御部7は、生成した中間画像データを印刷画像作成部11に出力する。一方、MFP1がEmail等のネットワーク23を介した送信手段で外部の情報処理装置への画像の送信を実行する場合は、読取制御部7は、生成した中間画像データをファイル作成部13に出力する。
【0016】
印刷画像作成部11は、読取制御部7から入力された中間画像データに基づき、印刷制御部9が認可能なビットマップ形式の画像データを生成する。そして、MFP1がコピーを実行する場合、印刷画像作成部11は、生成したビットマップ形式の画像データを印刷制御部9に出力する。また、MFP1がFAX送信を実行する場合、印刷画像作成部11は、生成したビットマップ形式の画像データを通信部15を構成するFAX通信部17に出力する。印刷画像作成部11により生成されたビットマップ形式の画像データが入力されたFAX通信部17は、当該画像データを電話回線19を介して受け取り側に送出する。
【0017】
印刷制御部9は、印刷画像作成部11から入力されたビットマップ形式の画像データに基づき、感光体ドラム等の印刷ユニット5を構成する各駆動部を制御することで、当該画像データに対応するトナー像を用紙上に印刷する。
【0018】
ファイル作成部13は、読取制御部7から入力された中間画像データに基づき、例えば、PDF(Portable Document Format)形式、TIFF(Tagged Image File Format)形式、又はJPEG(joint Photographic Experts Group)形式等の各アプリケーション形式の画像データファイルを作成する。そして、ファイル作成部13は、作成した各アプリケーション形式の画像データファイルを通信部15を構成するネットワーク通信部21に出力する。ファイル作成部部13により作成された各アプリケーション形式の画像データファイルが入力されたネットワーク通信部21は、当該画像データファイルをネットワーク23を介して受け取り側に送出する。
【0019】
また、MFP1は、印刷画像作成部11、又はファイル作成部13の作業領域としてのRAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶媒体により構成されるメモリ部25と、例えば、Flash、又はHDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性記憶媒体により構成される記憶部27と、を備える。具体的には、記憶部27は、図4で説明する各メニュー、及び各メニューの下位層メニューに対応付けられた機能が読取ユニット3、及び/又は印刷ユニット5を使用するものであるか否かを示す、使用駆動部情報としてのプログラムテーブルを記憶する。プログラムテーブル100は、図2に示す様に、メニュー番号情報101、読取ユニット情報102、及び印刷ユニット情報103から構成されている。メニュー番号情報101の各メニュー番号は、図4に示すメニューカテゴリ番号と一致している。そして、読取ユニット情報102、及び印刷ユニット情報103に示されている数字の“1”は、メニュー番号情報101に示されるメニューが読取ユニット3、及び/又は印刷ユニット5を使用する機能を有することを表している。同様に、読取ユニット情報102、及び印刷ユニット情報103に示されている数字の“0”は、メニュー番号情報101に示されるメニューが読取ユニット3、及び/又は印刷ユニット5を使用する機能を有さないことを表している。MFP1は、記憶部27に記憶されたプログラムテーブル100を参照することにより、ユーザにより指定されたメニューにおいて、使用する必要のないユニットの給電を停止することにより省エネルギー化を図ることができる。
【0020】
また、MFP1は、ユーザによる各種情報の入力を受付けると共に、ユーザに対して各種情報を表示する操作情報入力部としての操作パネル29を備える。図3に示す様に、操作パネル29は、ユーザに対して各種情報を表示する、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等から構成される表示装置31と、文字等の情報の入力を受付ける文字入力キー33と、各メニューカテゴリの移動、及びメニューの選択の決定を受付ける移動/選択キー35と、カラー印刷の実行指令を受付けるColorキー、及びモノクロ印刷の実行指令を受付けるMonoキーからなるスタートキー37と、設定の入力や、MFP1が実行中の動作の中断を受付けるストップキー39と、を備える。なお、表示装置31に表示される情報は、操作制御部41により制御される。また、文字入力キー33等の各キーの押下により受付けた情報は、操作制御部41を介して制御部43に出力される。
【0021】
制御部43は、MFP1を構成する各部を統括的に制御する。具体的には、制御部43は、操作パネル29を介して受付けた指令に基づき、読取制御部7、又は印刷制御部9等に対して読取処理、又は印刷処理の開始の指示を出力する。また、制御部43は、所定の時間内に操作パネル29の操作、又は外部装置からの印刷データの入力が無い場合は、読取ユニット3、又は印刷ユニット5を構成する各駆動部のうち、光源や、定着器の加熱手段といった、比較的消費電力が多い駆動部への給電を停止させることで、読取ユニット3、及び印刷ユニット5を省電力状態に移行させる処理を実行する。また、制御部43は、読取ユニット3、及び印刷ユニット5が省電力状態にあるときに、ユーザが操作パネル29の何れかのキーを押下するか等の操作情報が入力されると、メインメニュー51を操作パネル29の表示装置31に表示させると共に、メインメニュー51におけるメニューカテゴリの移動を検出するまで待機する。そして、制御部43は、操作パネル29を介してメニューカテゴリの移動を検出すると、記憶部27に記憶されたプログラムテーブル100の読取ユニット情報102、及び印刷ユニット情報103を参照し、使用される読取ユニット3、及び/又は印刷ユニット5が通常の処理を実行することが可能な通常状態、又は各駆動部への給電が停止された省電力状態へ移行させる処理を実行する。なお、この制御部43による記憶部27に記憶されたプログラムテーブル100の読取ユニット情報102、及び印刷ユニット情報103に基づく読取ユニット3、及び印刷ユニット5の省電力状態から通常状態への移行、又は通常状態から省電力状態への移行の制御は、制御部43が操作パネル29を介したメニューカテゴリの移動を検出する度に実行される。
【0022】
ここでメニューカテゴリの移動について説明する。ユーザがMFP1に対して実行させる、コピー、Email送信、FAX送信、又は装置設定といった機能は、図4に示すように、その機能毎に分類されてメニューカテゴリとして表示装置31に表示される。そして、ユーザは、表示装置31に表示されたメニューカテゴリから、操作パネル29上の移動/選択キー35を用いて、所望の機能を選択する。これを本実施形態では、メニューカテゴリの移動と定義する。なお、ユーザにより選択された機能において、さらに補足機能が存在する場合は、当該補足機能は、下位層メニューとして表示され、ユーザは、移動/選択キー35を用いてメニューカテゴリを移動し、所望の補足機能をさらに選択することができる。
【0023】
具体的には、例えば、図4において、メインメニュー画面51が表示装置31に表示されている状態において、ユーザにより、「Copy」が選択されたものとする。制御部43は、「Copy」がユーザにより選択された旨、つまり、メニューカテゴリの移動を検出すると、コピーメニュー画面53を表示装置31に表示するよう、操作制御部41に指示を与える。そして、制御部43は、ユニット別ウォームアップ処理を実行する。具体的には、制御部43は、記憶部27に記憶されたプログラムテーブル100を参照する。ここで、コピーメニュー画面53のメニュー番号情報101に対応する読取ユニット情報102、及び印刷ユニット情報103に示される数字は、共に“1”である。したがって、制御部43は、読取ユニット3、及び印刷ユニット5の双方を使用するものとして、読取ユニット3、及び印刷ユニット5を通常状態に移行させるウォームアップ処理を開始させる。そして、制御部43は、読取ユニット3、及び印刷ユニット5のウォームアップ処理が終了した後に、下位層メニューとしてのコピーメニュー画面53において選択された機能に基づき、一連のコピー処理を実行させる。
【0024】
また、メインメニュー画面51が表示装置31に表示されている状態において、ユーザにより、「Scan」が選択されたものとする。制御部43は、「Scan」がユーザにより選択された旨、つまり、メニューカテゴリの移動を検出すると、スキャンメニュー画面55を表示装置31に表示するよう、操作制御部41に指示を与える。そして、制御部43は、記憶部27に記憶されたプログラムテーブル100を参照する。ここで、スキャンメニュー画面55のメニュー番号情報101に対応する読取ユニット情報102に示される数字は“1”、印刷ユニット情報103に示される数字は “0”である。したがって、制御部43は、読取ユニット3のみを使用するものとして、読取ユニット3を通常状態に移行させるウォームアップ処理を開始させる。そして、制御部43は、読取ユニット3のウォームアップ処理が終了した後に、下位層メニューとしてのスキャンメニュー画面55、さらには、Emailメニュー画面56において選択された機能に基づき、一連のスキャン処理を実行させる。
【0025】
また、メインメニュー画面51が表示装置31に表示されている状態において、ユーザにより、「Fax」が選択されたものとする。制御部43は、「Fax」がユーザにより選択された旨、つまり、メニューカテゴリの移動を検出すると、ファックスメニュー画面57を表示装置31に表示するよう、操作制御部41に指示を与える。そして、制御部43は、記憶部27に記憶されたプログラムテーブル100を参照する。ここで、ファックスメニュー画面57のメニュー番号情報101に対応する読取ユニット情報102に示される数字は“1”、印刷ユニット情報103に示される数字は “0”である。したがって、制御部43は、読取ユニット3のみを使用するものとして、読取ユニット3を通常状態に移行させるウォームアップ処理を開始させる。そして、制御部43は、読取ユニット3のウォームアップ処理が終了した後に、下位層メニューとしてのファックスメニュー画面57において選択された機能に基づき、一連のFAX送信処理を実行させる。
【0026】
また、メインメニュー画面51が表示装置31に表示されている状態において、ユーザにより、「Menu」が選択されたものとする。制御部43は、「Menu」がユーザにより選択された旨、つまり、メニューカテゴリの移動を検出すると、メニュー画面59を表示装置31に表示するよう、操作制御部41に指示を与える。そして、制御部43は、記憶部27に記憶されたプログラムテーブル100を参照する。ここで、メニュー画面59のメニュー番号情報101に対応する読取ユニット情報102に示される数字は“0”、印刷ユニット情報103に示される数字は “1”である。したがって、制御部43は、印刷ユニット5のみを使用するものとして、印刷ユニット5を通常状態に移行させるウォームアップ処理を開始させる。
【0027】
そして、メニュー画面59が表示装置31に表示されている状態において、ユーザにより、例えば、「装置情報参照」が選択されたものとする。制御部43は、「装置情報参照」がユーザにより選択された旨、つまり、メニューカテゴリの移動を検出すると、装置情報参照メニュー60を表示装置31に表示するよう、操作制御部41に指示を与える。そして、制御部43は、記憶部27に記憶されたプログラムテーブル100を参照する。ここで、装置情報参照メニュー60のメニュー番号情報101に対応する読取ユニット情報102、及び印刷ユニット情報103に示される数字は、共に“0”である。したがって、制御部43は、読取ユニット3、及び印刷ユニット5の双方共に使用しないものとして、すでに開始されている印刷ユニット5のウォームアップ処理を停止させる。これにより、MFP1は、読取ユニット3や、印刷ユニット5の使用以外の目的でユーザが操作を開始した場合における消費電力を抑制することができる。
【0028】
なお、メニュー画面59が表示装置31に表示されている状態において、ユーザにより、例えば、「装置情報印刷」が選択されたものとする。制御部43は、「装置情報印刷」がユーザにより選択された旨、つまり、メニューカテゴリの移動を検出すると、装置情報印刷メニュー61を表示装置31に表示するよう、操作制御部41に指示を与える。そして、制御部43は、記憶部27に記憶されたプログラムテーブル100を参照する。ここで、装置情報印刷メニュー61のメニュー番号情報101に対応する読取ユニット情報102に示される数字は“0”、印刷ユニット情報103に示される数字は “1”である。したがって、制御部43は、印刷ユニット5のみを使用するものとして、すでに開始されている印刷ユニット5のウォームアップ処理を継続させる。
【0029】
以下、MFP1の動作について、以下に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0030】
先ず、最終使用時から所定の時間経過してMFP1全体が省電力状態にある場合の制御部43の動作について、図5−A、図5−B、及び図6を用いて説明する。
【0031】
始めに、MFP1全体が省電力状態に移行すると、制御部43は、操作情報が入力されたか否かを判断する。具体的には、制御部43は、操作制御部41から、ユーザにより操作パネル29を介して何れかのキーが押された旨の通知等の入力の有無で判断する。そして、制御部43は、操作情報が入力されるまで、かかる処理を繰り返し実行する(ステップS1)。
【0032】
操作情報が入力されると(ステップS1 Yes)、ステップS2において、制御部43は、メインメニュー画面51を表示装置31に表示させるよう操作制御部41に指示を与える。指示を受けた操作制御部41は、メインメニュー画面51を表示装置31に表示させる。
【0033】
ステップS3において、制御部43は、記憶部27に記憶されたプログラムテーブル100を参照し、ユニット別ウォームアップ処理を実行する。
【0034】
ここで、ユニット別ウォームアップ処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。図6のステップS41のおいて、制御部43は、プログラムテーブル100のメインメニュー画面51のメニュー番号情報101に対応する読取ユニット情報102を参照する。ここで、読取ユニット情報102に示される数字が“1”である場合(ステップS41 “1”)、制御部43は、読取ユニット3のウォームアップ処理を開始させる(ステップS42)。一方、読取ユニット情報102に示される数字が“0”である場合(ステップS41 “0”)、制御部43は、読取ユニット3のウォームアップ処理を停止させる(ステップS43)。
【0035】
そして、ステップS44において、制御部43は、プログラムテーブル100のメインメニュー画面51のメニュー番号情報101に対応する印刷ユニット情報103を参照する。ここで、印刷ユニット情報103に示される数字が“1”である場合(ステップS44 “1”)、制御部43は、印刷ユニット5のウォームアップ処理を開始させる(ステップS45)。一方、印刷ユニット情報103に示される数字が“0”である場合(ステップS44 “0”)、制御部43は、印刷ユニット5のウォームアップ処理を停止させる(ステップS46)。
【0036】
なお、メインメニュー画面51のメニュー番号情報101に対応する読取ユニット情報102、及び印刷ユニット情報103に示される数字は、共に“0”である。したがって、制御部43は、読取ユニット3、及び印刷ユニット5の双方共に使用しないと判断し、ここでの読取ユニット3、及び印刷ユニット5を通常状態に移行させるウォームアップ処理は実行しない。
【0037】
そして、制御部43は、ステップS4以降の処理において、メニューカテゴリの移動に基づく処理を実行する。
【0038】
具体的には、ステップS4において、制御部43は、ユーザにより「Copy」が選択されたか否かを判断する。ここで、ユーザにより「Copy」が選択された場合(ステップS4 Yes)、制御部43は、コピーメニュー画面53を表示装置31に表示するよう、操作制御部41に指示を与える(ステップS5)。そして、制御部43は、記憶部27に記憶されたプログラムテーブル100を参照すると共に、図6で説明したユニット別ウォームアップ処理を実行する(ステップS6)。なお、コピーメニュー画面53のメニュー番号情報101に対応する読取ユニット情報102、及び印刷ユニット情報103に示される数字は、共に“1”である。したがって、制御部43は、読取ユニット3、及び印刷ユニット5の双方共に使用すると判断し、読取ユニット3、及び印刷ユニット5を通常状態に移行させるウォームアップ処理を開始させる。
【0039】
その後、ステップS7において、制御部43は、コピーメニュー画面53において選択された機能に基づき、一連のコピー処理を実行させる。
【0040】
また、ユーザにより「Copy」が選択されていないと判断した場合(ステップS4 No)、ステップS8において、制御部43は、ユーザにより「Scan」が選択されたか否かを判断する。ここで、ユーザにより「Scan」が選択された場合(ステップS8 Yes)、制御部43は、スキャンメニュー画面55を表示装置31に表示するよう、操作制御部41に指示を与える(ステップS9)。そして、制御部43は、記憶部27に記憶されたプログラムテーブル100を参照すると共に、図6で説明したユニット別ウォームアップ処理を実行する(ステップS10)。なお、スキャンメニュー画面55のメニュー番号情報101に対応する読取ユニット情報102に示される数字は“1”、印刷ユニット情報103に示される数字は “0”である。したがって、制御部43は、読取ユニット3のみを使用するものとして、読取ユニット3を通常状態に移行させるウォームアップ処理を開始させる。
【0041】
その後、ステップS11において、制御部43は、スキャンメニュー画面55、さらには、Emailメニュー画面56において選択された機能に基づき、一連のスキャン処理を実行させる。
【0042】
また、ユーザにより「Scan」が選択されていないと判断した場合(ステップS8 No)、ステップS12において、制御部43は、ユーザにより「Fax」が選択されたか否かを判断する。ここで、ユーザにより「Fax」が選択された場合(ステップS12 Yes)、制御部43は、ファックスメニュー画面57を表示装置31に表示するよう、操作制御部41に指示を与える(ステップS13)。そして、制御部43は、記憶部27に記憶されたプログラムテーブル100を参照すると共に、図6で説明したユニット別ウォームアップ処理を実行する(ステップS14)。なお、ファックスメニュー画面57のメニュー番号情報101に対応する読取ユニット情報102に示される数字は“1”、印刷ユニット情報103に示される数字は “0”である。したがって、制御部43は、読取ユニット3のみを使用するものとして、読取ユニット3を通常状態に移行させるウォームアップ処理を開始させる。
【0043】
その後、ステップS15において、制御部43は、ファックスメニュー画面57において選択された機能に基づき、一連のFAX送信処理を実行させる。
【0044】
また、ユーザにより「Fax」が選択されていないと判断した場合(ステップS12 No)、ステップS16において、制御部43は、ユーザにより「Menu」が選択されたか否かを判断する。ここで、ユーザにより「Menu」が選択された場合(ステップS16 Yes)、制御部43は、メニュー画面59を表示装置31に表示するよう、操作制御部41に指示を与える(ステップS17)。そして、制御部43は、記憶部27に記憶されたプログラムテーブル100を参照すると共に、図6で説明したユニット別ウォームアップ処理を実行する(ステップS18)。なお、メニュー画面59のメニュー番号情報101に対応する読取ユニット情報102に示される数字は“0”、印刷ユニット情報103に示される数字は “1”である。したがって、制御部43は、印刷ユニット5のみを使用するものとして、印刷ユニット5を通常状態に移行させるウォームアップ処理を開始させる。
【0045】
そして、ステップS20において、制御部43は、ユーザにより「装置情報参照」が選択されたか否かを判断する。ここで、ユーザにより「装置情報参照」が選択された場合(ステップS20 Yes)、制御部43は、装置情報参照メニュー60を表示装置31に表示するよう、操作制御部41に指示を与える(ステップS21)。そして、制御部43は、記憶部27に記憶されたプログラムテーブル100を参照すると共に、図6で説明したユニット別ウォームアップ処理を実行する(ステップS22)。なお、装置情報参照メニュー60のメニュー番号情報101に対応する読取ユニット情報102、及び印刷ユニット情報103に示される数字は、共に“0”である。したがって、制御部43は、読取ユニット3、及び印刷ユニット5の双方共に使用しないと判断し、すでに開始されている印刷ユニット5のウォームアップ処理を停止させる。
【0046】
また、ユーザにより「装置情報参照」が選択されていないと判断した場合(ステップS20 No)、ステップS23において、制御部43は、ユーザにより「装置情報印刷」が選択されたか否かを判断する。ここで、ユーザにより「装置情報印刷」が選択された場合(ステップS23 Yes)、制御部43は、装置情報印刷メニュー61を表示装置31に表示するよう、操作制御部41に指示を与える(ステップS24)。そして、制御部43は、記憶部27に記憶されたプログラムテーブル100を参照すると共に、図6で説明したユニット別ウォームアップ処理を実行する(ステップS25)。なお、装置情報印刷メニュー61のメニュー番号情報101に対応する読取ユニット情報102に示される数字は“0”、印刷ユニット情報103に示される数字は “1”である。したがって、制御部43は、印刷ユニット5のみを使用するものとして、すでに開始されている印刷ユニット5のウォームアップ処理を継続させる。
【0047】
その後、ステップS26において、制御部43は、装置情報印刷メニュー61において選択された機能に基づき、一連の装置情報印刷処理を実行させる。
【0048】
また、ユーザにより「装置情報印刷」が選択されていないと判断した場合(ステップS23 No)、ステップS27において、制御部43は、ユーザにより「認証印刷」が選択されたか否かを判断する。ここで、ユーザにより「認証印刷」が選択された場合(ステップS27 Yes)、制御部43は、認証印刷メニュー63を表示装置31に表示するよう、操作制御部41に指示を与える(ステップS28)。そして、制御部43は、記憶部27に記憶されたプログラムテーブル100を参照すると共に、図6で説明したユニット別ウォームアップ処理を実行する(ステップS29)。なお、認証印刷メニュー63のメニュー番号情報101に対応する読取ユニット情報102に示される数字は“0”、印刷ユニット情報103に示される数字は “1”である。したがって、制御部43は、印刷ユニット5のみを使用するものとして、すでに開始されている印刷ユニット5のウォームアップ処理を継続させる。
【0049】
その後、ステップS30において、制御部43は、認証印刷メニュー63において選択された機能に基づき、一連の認証印刷処理を実行させる。
【0050】
また、ユーザにより「認証印刷」が選択されていないと判断した場合(ステップS27 No)、ステップS31において、制御部43は、ユーザにより「管理者セットアップ」が選択されたか否かを判断する。ここで、ユーザにより「管理者セットアップ」が選択された場合(ステップS31 Yes)、制御部43は、管理者セットアップメニュー65を表示装置31に表示するよう、操作制御部41に指示を与える(ステップS32)。そして、制御部43は、記憶部27に記憶されたプログラムテーブル100を参照すると共に、図6で説明したユニット別ウォームアップ処理を実行する(ステップS33)。なお管理者セットアップメニュー65のメニュー番号情報101に対応する読取ユニット情報102、及び印刷ユニット情報103に示される数字は、共に“0”である。したがって、制御部43は、読取ユニット3、及び印刷ユニット5の双方共に使用しないと判断し、すでに開始されている印刷ユニット5のウォームアップ処理を停止させる。
【0051】
また、ユーザにより「管理者セットアップ」が選択されていないと判断した場合(ステップS31 No)、制御部43は、一定の時間が経過したか否かを判断する。そして、一定の時間が経過していないと判断した場合(ステップS34 No)、制御部43は、再度ステップS20からの処理を実行する。
【0052】
一方、一定の時間が経過したと判断した場合(ステップS34 Yes)、制御部43は、ウォームアップ処理の停止、つまり、ステップS18において、ウォームアップ処理が開始された印刷ユニット5のウォームアップ処理を停止させると共に(ステップS35)、メインメニュー画面51を表示装置31に表示するよう、操作制御部41に指示を与え(ステップS36)、一連の処理を終了する。
【0053】
次に、上述の一連の処理に際しての読取制御部7の一連の処理について、図7を参照しながら詳細な説明を行う。
【0054】
一連の処理が開始すると、ステップS51において、読取制御部7は、ユニット別ウォームアップ処理に基づくウォームアップ処理の開始の指令が制御部43から入力されたか否かを判断する。なお、読取制御部7は、制御部43からウォームアップ処理の開始の指令が入力されるまでかかる処理を繰り返し実行する。
【0055】
ウォームアップ処理の開始の指令が制御部43から入力されると(ステップS51 Yes)、読取制御部7は、読取ユニット3のウォームアップ処理を開始する。この処理は、読取制御部7が、電源VDDに、給電が停止されている光源への給電を再開させることで実行される。
【0056】
次に、読取制御部7は、ウォームアップ処理の停止の指令が制御部43から入力されたか否かを判断する。ウォームアップ処理の停止の指令が入力されたと判断した場合(ステップS53 Yes)、ステップS54において、読取制御部7は、読取ユニット3のウォームアップ処理を停止させ、一連の処理を終了する。
【0057】
一方、ウォームアップ処理の停止の指令が入力されていないと判断した場合(ステップS53 No)、ステップS55において、読取制御部7は、読取開始の指令が入力されたか否かを判断する。具体的には、制御部43が、ユーザが操作パネル29にファックス又はスキャンの開始指令を入力したと判断した場合にかかる指令が入力される。そして、読取開始の指令が入力されていないと判断した場合(ステップS55 No)、読取制御部7は、ステップS53以降の処理を繰り返し実行する。
【0058】
そして、読取開始の指令が入力されたと判断した場合(ステップS55 Yes)、ステップS56において、読取制御部7はセットされた画像を読み取る。その後、読取制御部7は、ステップS57において読み取った画像の中間画像データを生成し、ステップS58において制御部43に読取完了の通知を出力する。その後、読取制御部7は、一連の処理を終了する。
【0059】
次に、上述の一連の処理に際しての印刷制御部9の一連の処理について、図8を参照しながら詳細な説明を行う。
【0060】
一連の処理が開始すると、ステップS61において、印刷制御部9は、ユニット別ウォームアップ処理に基づくウォームアップ処理の開始の指令が制御部43から入力されたか否かを判断する。なお、読取制御部7は、制御部43からウォームアップ処理の開始の指令が入力されるまでかかる処理を繰り返し実行する。
【0061】
ウォームアップ処理の開始の指令が制御部43から入力されると(ステップS61 Yes)、印刷制御部9は、印刷ユニット5のウォームアップ処理を開始する。この処理は、印刷制御部9が、電源VDDに、給電が停止されている定着器への給電を再開させることで実行される。
【0062】
次に、印刷制御部9は、ウォームアップ処理の停止の指令が制御部43から入力されたか否かを判断する。ウォームアップ処理の停止の指令が入力されたと判断した場合(ステップS63 Yes)、ステップS64において、印刷制御部9は、印刷ユニット5のウォームアップ処理を停止させ、一連の処理を終了する。
【0063】
一方、ウォームアップ処理の停止の指令が入力されていないと判断した場合(ステップS63 No)、ステップS65において、印刷制御部9は、印刷開始の指令が入力されたか否かを判断する。具体的には、制御部43が、ユーザが操作パネル29にコピーの開始指令を入力したと判断した場合にかかる指令が入力される。そして、印刷開始の指令が入力されていないと判断した場合(ステップS65 No)、印刷制御部9は、ステップS63以降の処理を繰り返し実行する。
【0064】
そして、印刷開始の指令が入力されたと判断した場合(ステップS65 Yes)、ステップS66において、印刷制御部9は、指定された画像を印刷し、一連の処理を終了する。
【0065】
次に、印刷画像作成部11の一連の動作について、図9を参照しながら詳細な説明を行う。
【0066】
一連の処理が開始すると、ステップS71において、印刷画像作成部11は、画像データ作成の指令が入力されたか否かを判断する。具体的には、画像データ作成の指令は、制御部43が、プリント、コピー、装置情報印刷、若しくは認証印刷があったと判断した場合、又は電話回線19を通じてファックスを受信したと判断した場合に、制御部43から印刷画像作成部11に入力される。そして印刷画像作成部11は、かかる指令が入力されるまで同一の処理を繰り返し実行する。
【0067】
次に、ステップS72において、印刷画像作成部11は、制御部43により指定されたデータを読み出す。具体的には印刷画像作成部11は、制御部43からプリント又は認証印刷の指令が入力された場合には、ネットワーク23及びネットワーク通信部21を介してMFP1に入力され、メモリ部25に記憶された印刷データを読み出す。また、印刷画像作成部11は、制御部43からコピーの指令が入力された場合には、読取制御部7により生成された中間画像データを読み出す。また、印刷画像作成部11は、制御部43からファックス受信の指令が入力された場合には、電話回線19及びFAX通信部17を介してMFP1に入力され、メモリ部25に記憶されたファックスデータを読み出す。また、印刷画像作成部11は、制御部43から装置情報印刷の指令が入力された場合には、記憶部27に記憶されたエラーログ等を読み出す。
【0068】
その後、ステップS73において、印刷画像作成部11は、読み出したデータに基づいてビットマップ形式の画像データを作成する。そして、ステップS74において、印刷画像作成部11は、作成した画像データを印刷制御部9に出力して一連の処理を終了する。そして印刷制御部9は、供給された画像データに基づく画像を印刷させる。
【0069】
次に、ファイル作成部13の一連の動作について、図10を参照しながら詳細な説明を行う。
【0070】
一連の処理が開始すると、ステップS81において、ファイル作成部13は、画像ファイル作成の指令が入力されたか否かを判断する。具体的には、画像ファイル作成の指令は、制御部43が、スキャンした画像をE−mailにより送信する場合に、制御部43からファイル作成部13に入力される。そしてファイル作成部13は、かかる指令が入力されるまで同一の処理を繰り返し実行する。
【0071】
次に、ステップS82において、ファイル作成部13は、制御部43により指定された中間画像データを読取制御部7から読み出す。その後、ステップS83において、ファイル作成部13は、読み出したデータに基づいてアプリケーション形式の画像ファイルを作成する。そして、ステップS84において、ファイル作成部13は、作成した画像ファイルをネットワーク通信部21に出力して一連の処理を終了する。そしてネットワーク通信部21は、入力された画像ファイルを指定されたあて先に送信する。
【0072】
この様に、第1の実施形態によれば、ユーザにより選択されたメニューに基づき、読取ユニット、及び/又は印刷ユニットのウォームアップ処理の開始処理、又は停止処理を実行させるため、読取処理、又は印刷処理が実行可能となる通常状態への移行にかかる待機時間を最小限に短縮することが可能であると共に、利便性、及び省エネルギー化を向上させる図ることができる。
【0073】
[第2の実施形態]
第2の実施形態にかかる画像処理装置としてのMFP1は、第1の実施形態にかかるMFP1と同一な構成、及び機能を備える。したがって、第2の実施形態の説明においては、第1の実施形態にかかるMFP1と同一な構成、機能に関してはその説明を省略し、異なる箇所についてのみ説明する。
【0074】
図11は、第2の実施形態にかかるプログラムテーブル200を説明する概略図である。プログラムテーブル200は、第1の実施形態にかかるプログラムテーブル100と同一の構成を有するが、メインメニュー画面51に対応する読取ユニット情報202、及び印刷ユニット情報203が示す数字が共に“1”である点が第1の実施形態にかかるプログラムテーブル100とは異なる。
【0075】
そして、上記プログラムテーブル200を用いた第2の実施形態にかかるMFP1の動作について図12のフローチャートを用いて説明する。
【0076】
始めに、MFP1全体が省電力状態に移行すると、制御部43は、操作情報が入力されたか否かを判断する。具体的には、制御部43は、操作制御部41から、ユーザにより操作パネル29を介して何れかのキーが押された旨の通知等の入力の有無で判断する。そして、制御部43は、操作情報が入力されるまで、かかる処理を繰り返し実行する(ステップS’1)。
【0077】
操作情報が入力されると(ステップS1’ Yes)、ステップS2’において、制御部43は、メインメニュー画面51を表示装置31に表示させるよう操作制御部41に指示を与える。指示を受けた操作制御部41は、メインメニュー画面51を表示装置31に表示させる。
【0078】
ステップS3’において、制御部43は、記憶部27に記憶されたプログラムテーブル200を参照し、ユニット別ウォームアップ処理を実行する。
【0079】
ここで、メインメニュー画面51のメニュー番号情報201に対応する読取ユニット情報202、及び印刷ユニット情報203に示される数字は、共に“1”である。したがって、制御部43は、読取ユニット3、及び印刷ユニット5の双方共に使用すると判断し、読取ユニット3、及び印刷ユニット5を通常状態に移行させるウォームアップ処理を開始させる(ステップS91)。
【0080】
そして、制御部43は、ステップS4以降の処理において、メニューカテゴリの移動に基づく処理を実行する。
【0081】
具体的には、ステップS4’において、制御部43は、ユーザにより「Copy」が選択されたか否かを判断する。ここで、ユーザにより「Copy」が選択された場合(ステップS4’ Yes)、制御部43は、コピーメニュー画面53を表示装置31に表示するよう、操作制御部41に指示を与える(ステップS5’)。そして、制御部43は、記憶部27に記憶されたプログラムテーブル200を参照すると共に、図6で説明したユニット別ウォームアップ処理を実行する(ステップS6’)。なお、コピーメニュー画面53のメニュー番号情報201に対応する読取ユニット情報202、及び印刷ユニット情報203に示される数字は、共に“1”である。したがって、制御部43は、読取ユニット3、及び印刷ユニット5の双方共に使用すると判断し、すでに開始されている読取ユニット3、及び印刷ユニット5のウォームアップ処理を継続させる。
【0082】
その後、ステップS7’において、制御部43は、コピーメニュー画面53において選択された機能に基づき、一連のコピー処理を実行させる。
【0083】
また、ユーザにより「Copy」が選択されていないと判断した場合(ステップS4’ No)、ステップS8’において、制御部43は、ユーザにより「Scan」が選択されたか否かを判断する。ここで、ユーザにより「Scan」が選択された場合(ステップS8’ Yes)、制御部43は、スキャンメニュー画面55を表示装置31に表示するよう、操作制御部41に指示を与える(ステップS9’)。そして、制御部43は、記憶部27に記憶されたプログラムテーブル200を参照すると共に、図6で説明したユニット別ウォームアップ処理を実行する(ステップS10’)。なお、スキャンメニュー画面55のメニュー番号情報201に対応する読取ユニット情報202に示される数字は“1”、印刷ユニット情報203に示される数字は “0”である。したがって、制御部43は、読取ユニット3のみを使用するものとして、すでに開始されている印刷ユニット5のウォームアップ処理を停止させる。
【0084】
その後、ステップS11’において、制御部43は、スキャンメニュー画面55、さらには、Emailメニュー画面56において選択された機能に基づき、一連のスキャン処理を実行させる。
【0085】
また、ユーザにより「Scan」が選択されていないと判断した場合(ステップS8’ No)、ステップS12’において、制御部43は、ユーザにより「FAX」が選択されたか否かを判断する。ここで、ユーザにより「FAX」が選択された場合(ステップS12’ Yes)、制御部43は、ファックスメニュー画面57を表示装置31に表示するよう、操作制御部41に指示を与える(ステップS13’)。そして、制御部43は、記憶部27に記憶されたプログラムテーブル200を参照すると共に、図6で説明したユニット別ウォームアップ処理を実行する(ステップS14’)。なお、ファックスメニュー画面57のメニュー番号情報201に対応する読取ユニット情報202に示される数字は“1”、印刷ユニット情報203に示される数字は “0”である。したがって、制御部43は、読取ユニット3のみを使用するものとして、すでに開始されている印刷ユニット5のウォームアップ処理を停止させる。
【0086】
その後、ステップS15’において、制御部43は、ファックスメニュー画面57において選択された機能に基づき、一連のFAX送信処理を実行させる。
【0087】
また、ユーザにより「Fax」が選択されていないと判断した場合(ステップS12’ No)、ステップS16’において、制御部43は、ユーザにより「Menu」が選択されたか否かを判断する。ここで、ユーザにより「Menu」が選択された場合(ステップS16’ Yes)、制御部43は、メニュー画面59を表示装置31に表示するよう、操作制御部41に指示を与える(ステップS17’)。そして、制御部43は、記憶部27に記憶されたプログラムテーブル200を参照すると共に、図6で説明したユニット別ウォームアップ処理を実行する(ステップS18’)。なお、メニュー画面59のメニュー番号情報201に対応する読取ユニット情報202に示される数字は“0”、印刷ユニット情報103に示される数字は “1”である。したがって、制御部43は、印刷ユニット5のみを使用するものとして、すでに開始されている読取ユニット3のウォームアップ処理を停止させる。
【0088】
そして、ユーザにより「Menu」が選択された場合のステップS18’以降にかかる処理は、第1の実施形態において、図5−Bで説明した処理と同様に実行することができるため、ここでの説明は省略する。
【0089】
この様に、第2の実施形態によれば、処理開始時に予め開始された読取ユニット、及び印刷ユニットのウォームアップ処理に対し、ユーザにより選択されたメニューに基づき、読取ユニット、及び/又は印刷ユニットのウォームアップ処理の停止処理を実行させるため、読取処理、又は印刷処理が実行可能となる通常状態への移行にかかる待機時間を最小限に短縮することが可能であると共に、利便性、及び省エネルギー化を向上させる図ることができる。
【0090】
本発明にかかる実施形態の説明において、画像処理装置としてMFPを一例に説明したが、本発明は上記記述に限定されるものではなく、MFPに限らず、複数の画像処理部を有する装置であれば適用可能である。
【符号の説明】
【0091】
1 MFP
3 読取ユニット
5 印刷ユニット
7 読取制御部
9 印刷制御部
11 印刷画像作成部
13 ファイル作成部
15 通信部
17 FAX通信部
19 電話回線
21 ネットワーク通信部
23 ネットワーク
25 メモリ部
27 記憶部
29 操作パネル
41 操作制御部
43 制御部
VDD 電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像処理部と、
処理の内容を示す操作情報が順次入力される操作情報入力部と、
前記操作情報により指定される処理内容に対応させて、前記複数の画像処理部のうちの何れかの画像処理部を使用するかを示す使用画像処理部情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記使用画像処理部情報に基づき前記複数の画像処理部の省電力状態、又は通常状態への移行を制御する制御部とを備える
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記操作情報が入力される度に、前記記憶部に記憶された前記使用画像処理部情報に基づき前記複数の画像処理部の省電力状態、又は通常状態への移行を制御する
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
複数の画像処理部と、
処理の内容を示す操作情報が順次入力される操作情報入力部と、
前記操作情報により指定される処理内容に対応させて、前記複数の画像処理部のうちの何れかの画像処理部を使用するかを示す使用画像処理部情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記使用画像処理部情報に基づき、通常状態にある特定の画像処理部を省電力状態に移行させる制御部とを備える
ことを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−A】
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【図5−B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−273068(P2010−273068A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−122698(P2009−122698)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】