説明

画像処理装置

【課題】検査対象物のうちユーザが所望する箇所のライン画像を容易に取得することができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置1は、エリア画像内での抽出ラインの位置を示す設定データが記憶される設定記憶部18を備えている。画像取込部11は、設定記憶部18内の設定データが示す取込条件に従って、抽出ラインとして指定されたライン上のライン画像をカメラ2から取り込む。設定画面表示部19は、検査対象物6のエリア画像を設定画面としてモニタ4に表示するとともに、このエリア画像内におけるいずれかのラインを抽出ラインとして設定画面上に表示する。位置調節部20は、操作装置3からの入力に従って、設定画面上での抽出ラインの位置を調節する。設定登録部21は、位置調節部20にて調節された抽出ラインの位置を、設定データとして設定記憶部18に登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象物の画像の検査に用いられる画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、工業製品の製造、組立、検査等の工程において、撮像された検査対象物の画像を検査員が目視で確認する方法では検査精度が悪く効率もよくないため、画像処理によって良品・不良品を自動的に判定する画像処理装置が用いられている。この種の画像処理装置としては、ライン状の個体撮像素子を用いたラインセンサに接続され、画素が一列に並んだ一次元の画像(以下、「ライン画像」という)を取り込む装置がある。
【0003】
この画像処理装置は、検査対象物をライセンセンサに対して相対的に移動させながらライン画像を複数取り込み、取り込んだ複数のライン画像を時系列に並べることにより画素が二次元配置された二次元画像を生成する。この二次元画像は、たとえば検査対象物の良品・不良品の検査に用いられる。
【0004】
ところで、画素が二次元配置された二次元の画像(以下、「エリア画像」という)を撮像可能なエリアイメージセンサを撮像素子に用い、特定の走査ラインの映像信号のみを取り込むことによりライン画像を取得する技術が提案されている(たとえば特許文献1参照)。この技術を用いれば、画像処理装置は、カメラにてエリア画像、ライン画像のどちらでも取得することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−147271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、エリアイメージセンサを用いて特定の走査ラインのライン画像を取得する場合、画像処理装置は、カメラから1回の撮像につき1ラインのライン画像を得るので、検査対象物のうちユーザが所望する箇所のライン画像を得るための設定が困難である。すなわち、ユーザは、検査対象物のうち所望する箇所のライン画像が得られるようになるまで、検査対象物や照明の位置あるいは撮像のタイミングを調節しながら、カメラでのライン画像の撮像を繰り返す必要があり、上記設定の作業には手間が掛かる。
【0007】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであって、検査対象物のうちユーザが所望する箇所のライン画像を容易に取得することができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像処理装置は、検査対象物の画像を画素が二次元配置されたエリア画像として撮像可能なエリアイメージセンサを撮像素子に用いたカメラから、前記エリア画像内の所定の抽出ライン上の画素が一列に並べられた画像をライン画像として取り込む画像取込部と、前記ライン画像が複数記憶される画像記憶部と、前記画像記憶部内の前記複数の前記ライン画像を並べることにより画素が二次元配置された二次元画像を生成する画像生成部とを備える画像処理装置であって、少なくとも前記エリア画像内での前記抽出ラインの位置を示すデータであって前記画像取込部における前記ライン画像の取込条件を決める設定データが記憶される設定記憶部と、前記カメラから取り込んだ前記エリア画像を設定画面として表示するとともに、前記エリア画像内のいずれかのラインを前記抽出ラインとして前記設定画面上に表示する設定画面表示部と、操作装置からの入力に従って前記設定画面上での前記抽出ラインの位置を調節する位置調節部と、前記位置調節部で調節された前記抽出ラインの位置を前記設定データとして前記設定記憶部に登録する設定登録部とをさらに備えることを特徴とする。
【0009】
この画像処理装置において、前記操作装置からの入力に従って前記二次元画像を構成する前記ライン画像の本数を設定するライン数設定部をさらに備え、前記設定登録部は、前記ライン数設定部で設定された前記ライン画像の本数を前記設定データとして前記設定記憶部に登録することが望ましい。
【0010】
この画像処理装置において、前記検査対象物は複数種類あって、前記設定登録部は前記設定データを前記検査対象物の種類ごとに前記設定記憶部に登録することがより望ましい。
【0011】
この画像処理装置において、前記操作装置からの入力に従って決定されるタイミングで、前記設定記憶部に記憶されている前記設定データを用いて前記カメラから前記ライン画像の取り込みを行うテスト取込部と、当該テスト取込部が取り込んだ複数の前記ライン画像から前記画像生成部にて生成される前記二次元画像を表示するテスト表示部とをさらに備えることがより望ましい。
【0012】
この画像処理装置において、前記二次元画像に対して前記ライン画像の長手方向における輝度むらを抑えるシェーディング補正を施すシェーディング補正部をさらに備え、前記テスト表示部は、前記シェーディング補正部による前記シェーディング補正後の前記二次元画像を表示することがより望ましい。
【0013】
この画像処理装置において、前記テスト取込部は、前記二次元画像を構成する前記ライン画像の取り込みを開始するタイミングのみが前記操作装置からの入力に従って決定され、前記ライン画像の取り込み開始後は前記カメラと前記検査対象物との相対的な位置関係を表すエンコーダ信号に同期して前記ライン画像を順次取り込むことがより望ましい。
【0014】
この画像処理装置において、前記検査対象物は円柱状であって前記カメラの視野内で中心軸回りに回転し、前記画像取込部は前記検査対象物の中心軸に沿うライン上の前記ライン画像を取り込み、前記検査対象物が1周する間に取込可能な前記ライン画像の本数を、前記検査対象物の回転角度に応じて発生するパルス数に基づいて求めて目安として表示する目安表示部をさらに備えることがより望ましい。
【0015】
この画像処理装置において、前記画像取込部は、前記ライン画像ごとに特徴量を抽出し当該特徴量が所定の条件を満たすと、前記画像記憶部への前記ライン画像の書き込みを開始することがより望ましい。
【0016】
この画像処理装置において、前記検査対象物は円柱状であって前記カメラの視野内で中心軸回りに回転し、前記画像取込部は、前記検査対象物の中心軸に沿うライン上の前記ライン画像を、前記検査対象物の1周分よりも多く前記画像記憶部に書き込み、前記画像生成部は、前記画像記憶部内の複数の前記ライン画像の中から予め登録されている目印を検出し、当該目印を有する前記ライン画像が前記二次元画像の中央に位置するように前記二次元画像をシフトして前記検査対象物の1周分の前記二次元画像を生成することがより望ましい。
【0017】
この画像処理装置において、前記二次元画像に対して前記ライン画像の長手方向における輝度むらを抑えるシェーディング補正を施すシェーディング補正部と、前記シェーディング補正部による前記シェーディング補正後の前記二次元画像を保存する画像保存部とをさらに備えることがより望ましい。
【0018】
この画像処理装置において、前記二次元画像に対して前記ライン画像の長手方向における輝度むらを抑えるシェーディング補正を施すシェーディング補正部と、前記シェーディング補正部による前記シェーディング補正時に用いる補正テーブルを記憶する補正値記憶部とをさらに備え、前記補正値記憶部には1本の前記ライン画像から求まる前記補正テーブルが予め登録されていることがより望ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、検査対象物のうちユーザが所望する箇所のライン画像を容易に取得することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態1の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】同上で用いるカメラと検査対象物との関係を示す概略斜視図である。
【図3】同上の動作を示すタイムチャートである。
【図4】同上で用いる二次元画像を示す説明図である。
【図5】同上の二次元画像の生成方法を示す説明図である。
【図6】同上の設定画面を示す説明図である。
【図7】同上で用いるカメラと検査対象物との関係を示す概略平面図である。
【図8】同上のエリア画像の輝度分布を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施形態1)
本実施形態の画像処理装置は、検査対象物の画像を撮像するカメラに接続されており、検査対象物の良品・不良品の判定に用いられる。
【0022】
画像処理装置1は、図1に示すように、カメラ2から画像を取り込む画像取込部11と、画像取込部11で取り込まれた画像が記憶される画像記憶部12とを前置処理部10に備えている。
【0023】
カメラ2は、画素が二次元配置された二次元の画像(以下、「エリア画像」という)を撮像可能なエリアイメージセンサが撮像素子に用いられている。本実施形態では、カメラ2の撮像素子にはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサが用いられるが、これに限らずたとえばCCD等の他の個体撮像素子が用いられていてもよい。なお、カメラ2はカラー画像を撮像するカラーカメラとするが、濃淡値を画素値とする濃淡画像を撮像するカメラであってもよい。
【0024】
このカメラ2は、エリア画像だけでなく、撮像素子から所定の走査ラインの映像信号のみを取り込むことにより、エリア画像内の所定の抽出ライン上の画素が一列に並べられた一次元の画像(以下、「ライン画像」という)を出力する機能を有している。すなわち、カメラ2は、通常のエリア画像を出力するエリア撮像モードと、ライン画像を出力するライン撮像モードとの2つの動作モードを切替可能な制御回路(図示せず)を有しており、エリアカメラとしてだけでなくラインセンサとしても使用することができる。制御回路は、画像処理装置1からの信号に応じて動作モードの切り替えを行う。
【0025】
制御回路は、ライン撮像モードにおいて、抽出ラインとして設定されたエリア画像内の所定の1ライン分の各画素の映像信号(画素値)を撮像素子から読み出し、ライン画像として画像処理装置1に出力する。本実施形態では、抽出ラインはエリア画像における水平走査線(水平走査に係るライン)とするが、これに限らず垂直走査線(垂直走査に係るライン)を抽出ラインとしてもよい。
【0026】
画像取込部11は、カメラ2の制御回路をライン撮像モードで動作させることにより、カメラ2からライン画像を取り込み、取り込んだライン画像を画像記憶部12に順次書き込む。これにより、画像記憶部12には複数のライン画像が記憶されることになる。なお、画像取込部11は、水平同期信号、垂直同期信号によってカメラ2との同期をとる。
【0027】
ここでは、画像処理装置1は、CPUやメモリを備えたコンピュータ装置からなり、専用のキーパッドやマウス等の操作装置3、モニタ4、後述のエンコーダやPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)等の外部装置5などを接続可能に構成される。
【0028】
さらに、画像処理装置1は、画素が二次元配置された二次元画像を生成する画像生成部13と、二次元画像に対してシェーディング補正を施すシェーディング補正部14と、補正後の二次元画像を保存する画像保存部15とを前置処理部10に備えている。画像処理装置1は、画像保存部15に保存された二次元画像をモニタ4に表示させたり、二次元画像内の検査領域の大きさ、形状等から検査対象物の良否を自動的に判定したりする処理を行う主処理部16と、後述する同期処理部23とをさらに備えている。
【0029】
画像生成部13は、画像記憶部12内の複数のライン画像を時系列に並べることにより、二次元画像を生成する。すなわち、画像記憶部12内には複数のライン画像が時系列的に記憶されており、画像生成部13は、これら複数のライン画像を幅方向に並べて結合することによって、画素が縦横に二次元配置された二次元画像を生成する。
【0030】
シェーディング補正部14は、画像生成部13で生成された二次元画像に対し、ライン画像の長手方向における輝度むらを抑えるようにシェーディング補正を施す。要するに、カメラ2で撮像されるライン画像には、撮像素子の特性やレンズ収差などの影響により、長手方向において輝度にばらつきが生じることがあるので、シェーディング補正部14は、この輝度のばらつきを補正し輝度むらを抑える。
【0031】
ここで、シェーディング補正部14は、ライン画像を構成する画素の輝度値(画素値)の平均値を算出し、各画素の輝度値が、算出した平均値となるように補正する補正テーブルを用いてシェーディング補正を行う。補正テーブルは、1本のライン画像から求められ、予め補正値記憶部17に記憶されている。シェーディング補正部14は、二次元画像を構成する全てのライン画像について、同一の補正テーブルを用いてシェーディング補正を施す。
【0032】
また、二次元画像について2値化などの各種前置処理を施す機能が前置処理部10に備わっていてもよく、この場合、画像保存部15にはシェーディング補正後であって前置処理が施される前の二次元画像が保存される。
【0033】
同期処理部23は、外部装置5として画像処理装置1に接続されるエンコーダやPLCからの信号を受け、これらの信号に同期して画像取込部11でのライン画像の取り込みが可能となるように、画像取込部11にトリガを出力する。
【0034】
次に、上述したように構成される画像処理装置1の動作について簡単に説明する。ここでは、画像処理装置1が円柱状(円筒状も含む)の検査対象物の外周面の検査に用いられる例を示す。
【0035】
検査対象物6は、図2に示すようにカメラ2の視野内に配置され、回転機構(図示せず)によって中心軸回りに回転させられる。カメラ2は、エリア画像における水平走査線方向を検査対象物6の中心軸に一致させる向きに設置され、検査対象物6の外周面の縦方向のライン(中心軸に沿うライン)をライン画像として撮像する。回転機構は、検査対象物6の回転角度に応じてパルスを発生するエンコーダ(ロータリエンコーダ)を具備しており、このエンコーダが外部装置5として画像処理装置1に接続されている。
【0036】
画像取込部11は、エンコーダから出力される信号であってカメラ2と検査対象物6との相対的な位置関係を表すエンコーダ信号に同期して、カメラ2からライン画像を順次取り込み、画像記憶部12に順次書き込む。エンコーダ信号は、図3に示すように(a)Z相、(b)A相、(c)B相の3相からなり、検査対象物6が所定の角度だけ回転するごとにA相、B相にパルスが発生し、検査対象物6が1周するごとにZ相にパルスが発生する。なお、このエンコーダ信号は所定の位相差を持つA相、B相によって検査対象物6が回転する向きを表している。
【0037】
画像取込部11は、A相のパルスに同期して同期処理部23が発生するトリガ(図3(d))を受け、ライン画像の取り込みを行う(図3(e))。これにより、画像記憶部12には、検査対象物6の外周面を縦方向に切り出したようなライン画像が複数記憶されることになる。
【0038】
したがって、画像生成部13は、検査対象物6が1周する間に画像取込部11にて取り込んだ多数のライン画像を時系列に並べて二次元画像を生成することにより、図4に示すように検査対象物6の外周面を展開した二次元画像30を得ることができる。なお、図4では、複数のライン画像(図中、破線で区切られた領域)31が図の左右方向に並べられることにより二次元画像30を構成している。
【0039】
すなわち、円柱状の検査対象物6の画像を一方向から通常のエリア画像として撮像した場合には、検査対象物6の外周面は湾曲していることから歪んで写ることになる。これに対して、本実施形態では画像処理装置1は上述したように検査対象物6の画像をライン画像31として取り込むので、殆ど歪みなく検査対象物6の外周面を展開した状態の画像(二次元画像30)を取得することができる。
【0040】
ここにおいて、本実施形態では、画像取込部11は、検査対象物6の1周分よりも多い目にライン画像31を画像記憶部12に書き込むように構成されている。すなわち、画像取込部11は、図5に示すように検査対象物6のライン画像31を1周分+2αだけ画像記憶部12に書き込む。
【0041】
画像生成部13は、画像記憶部12内の複数のライン画像31の中から、予め登録されている目印P1を検出し、この目印P1を含むライン画像31が二次元画像の中央に位置するように画像をシフトし、検査対象物6の外周1周分の二次元画像30を生成する。目印P1は、検査対象物6の外周面のうち二次元画像30の中心とすべき箇所に予め付されている。つまり、画像生成部13は、図5に示すように検査対象物6の1周分+2αのライン画像31を並べて二次元の画像を生成し、この画像の中から目印P1を中心とする二次元画像30を抽出する。
【0042】
これにより、画像生成部13は、二次元画像30の中心が検査対象物6の外周面のうち中心とすべき箇所からずれていても、そのずれ量分だけ二次元画像30をシフトさせることによって所望の二次元画像30を取得することが可能である。要するに、画像生成部13は、画像取込部11がライン画像31の取り込みを開始した際の検査対象物6の向きにばらつきがあっても、目印P1を中心に揃えた二次元画像30を取得することができる。
【0043】
このようにして得られた二次元画像30は、シェーディング補正が施された後、主処理部16にてたとえば検査対象物6の良否の検査に用いられる。なお、ここでは詳しい説明は省略するが、カメラ2で検査対象物6を撮像するに当り検査対象物6を照明する照明装置(図示せず)が用いられる。
【0044】
また、画像取込部11が画像記憶部12へのライン画像31の書き込みを開始するタイミングは、一般的にはPLCなどの外部装置5からの入力によって決められている。たとえば、検査対象物6の位置を感知するセンサがPLCに接続され、検査対象物6がカメラ2の視野内に入ったことをセンサが検知すると、画像取込部11は同期処理部23からトリガを受け画像記憶部12へのライン画像31の書き込みを開始する。
【0045】
これに対して、本実施形態では画像取込部11は、カメラ2から取り込んだライン画像31ごとに特徴量を抽出し、この特徴量が所定の条件を満たすと、画像記憶部12へのライン画像31の書き込みを開始する構成とする。ここでいう特徴量は、たとえばライン画像31に含まれる色であって、画像取込部11は、この特徴量(色)が検査対象物6に含まれる色に合致することをもって、所定の条件を満たしたものと判断する。
【0046】
これにより、画像取込部11は、別途のセンサを用いることなく、カメラ2の視野内に検査対象物6が入ったことを判断でき、ライン画像31の書き込みを開始することができるという利点がある。
【0047】
さらにまた、画像処理装置1は、シェーディング補正部14が設けられ、シェーディング補正後の二次元画像30を画像保存部15に保存しているから、ライン画像31の長手方向における輝度むらを抑えた高品質な二次元画像30を検査に用いることができる。しかも、シェーディング補正部14は、二次元画像30を構成する全ライン画像31について同一の補正テーブルを用いるので、二次元画像30の全画素について個別に補正値を有した補正テーブルを用いる場合に比べ、シェーディング補正の演算が簡単になる。
【0048】
なお、画像処理装置1は、カメラ2からエリア画像を取り込み、このエリア画像内から抽出される抽出ライン上のライン画像31を画像取込部11で取り込むように構成されていてもよい。この場合、画像処理装置1は、ライン撮像モードに対応していないカメラ2を用いても、ライン画像31の取り込みが可能となる。
【0049】
ところで、本実施形態の画像処理装置1は、エリア画像内におけるいずれのラインをライン画像31として取り込むかをユーザが任意に設定できるように、つまりエリア画像内での抽出ラインの位置をユーザが任意に設定できるように、以下の構成を採用している。
【0050】
すなわち、画像処理装置1は、図1に示すように少なくともエリア画像内での抽出ラインの位置を示す設定データが記憶される設定記憶部18と、設定データの設定に用いられる設定画面表示部19と位置調節部20と設定登録部21とを前置処理部10にさらに備えている。
【0051】
この画像処理装置1は、カメラ2からライン画像31を取り込む検査モードと、設定データの設定が行われる設定モードとの2つの動作モードを有しており、操作装置3からの入力に応じて動作モードの切り替えを行う。
【0052】
画像取込部11は、設定記憶部18内の設定データにより決まる取込条件の下で、カメラ2からライン画像31の取り込みを行う。具体的には、画像取込部11はカメラ2との通信機能を有しており、設定記憶部18内の設定データに従って、エリア画像の何ライン目を抽出ラインとするのかをカメラ2に対して指示する。これにより、カメラ2は、設定記憶部18内の設定データに従って、撮像素子からライン画像31を読み出す走査ラインを決定し、抽出ラインとして指定されたライン上のライン画像31を画像取込部11に出力する。なお、設定記憶部18はカメラ2内に設けられていてもよい。
【0053】
設定画面表示部19は、設定モードにおいて、画像取込部11にてカメラ2から取り込んだ検査対象物6のエリア画像を設定画面としてモニタ4に表示するとともに、このエリア画像内におけるいずれかのラインを抽出ラインとして設定画面上に表示する。つまり、モニタ4には、図6に示すようにエリア画像が設定画面32として表示され、この設定画面32上に抽出ライン(図中の二点鎖線で示すライン)33が表示される。なお、図6では上記図2に示す検査対象物6を撮像したエリア画像が設定画面32として表示されており、検査対象物6の外周面が湾曲していることから、この外周面に表記された「A」の文字が歪んで表示されている。
【0054】
位置調節部20は、操作装置3からの入力に従って、設定画面32上での抽出ライン33の位置を調節する。つまり、位置調節部20はユーザによる操作装置3の操作を受けて、設定画面32における抽出ライン33の位置を抽出ライン33の幅方向(図6の上下方向)に移動させることにより、抽出ライン33の位置を調節する。
【0055】
設定登録部21は、位置調節部20にて調節された抽出ライン33の位置を、設定データとして設定記憶部18に登録する。これにより、設定画面32上で調節された抽出ライン33の位置が、設定記憶部18内の設定データに反映される。
【0056】
また、本実施形態においては、画像処理装置1は、操作装置3からの入力に従って二次元画像30を構成するライン画像31の本数を設定するライン数設定部22を前置処理部10にさらに備えている。設定登録部21は、ライン数設定部22にて設定されたライン画像31の取得本数についても、設定データとして設定記憶部18に登録する。
【0057】
これにより、画像取込部11は、設定データとして設定記憶部18に設定されている本数のライン画像31を、二次元画像30を構成するライン画像31としてカメラ2から取り込み、画像記憶部12に記憶する。その結果、画像生成部13では、設定データとして設定記憶部18に設定されている本数のライン画像31から二次元画像30が生成される。
【0058】
ここにおいて、本実施形態では検査対象物6は複数種類(複数品種)あって、設定登録部21は設定データ(抽出ライン33の位置およびライン画像31の取得本数)を検査対象物6の種類ごとに設定記憶部18に登録する。検査モードにおいては、画像取込部11は、操作装置3からの入力に従って検査対象物6の種類を特定し、この種類に対応する設定データを設定記憶部18から読み出すことにより、検査対象物6の種類に応じた設定データを適用する。
【0059】
以下、上述した構成の画像処理装置1における設定データの設定方法について簡単に説明する。
【0060】
ユーザが操作装置3を操作して画像処理装置1の動作モードを設定モードに切り替えると、モニタ4には設定画面表示部19によりたとえば図6に示すような設定画面32が表示される。この状態で、ユーザは操作装置3を操作して、GUI(Graphical User Interface)上で抽出ライン33を(図6の上下方向に)移動させ、抽出ライン33の位置を調節する。抽出ライン33の位置が決まれば、ユーザは操作装置3を操作して抽出ライン33の位置を確定し、調節後の抽出ライン33の位置を設定データとして設定記憶部18に登録する。
【0061】
また、抽出ライン33の位置が決まると、設定画面表示部19は設定画面32上にライン画像31の取得本数を決めるための入力画面を表示する。この状態で、ユーザは操作装置3を操作してライン画像31の取得本数を設定し、この取得本数を設定データとして設定記憶部18に登録する。
【0062】
以上説明した本実施形態の画像処理装置1によれば、ユーザは、設定モードにおいて、エリア画像内でのライン画像31の取り込み位置(つまり、抽出ライン33の位置)を任意に設定することができる。すなわち、ユーザは、検査対象物6のエリア画像とこのエリア画像における抽出ライン33の位置とをモニタ4上に表示された設定画面32で確認しながら、抽出ライン33の位置を調節することができる。そのため、ユーザは、検査対象物6のうちの所望の箇所に抽出ライン33を設定することが可能である。したがって、上記画像処理装置1を用いれば、検査対象物6のうちユーザが所望する箇所のライン画像31を容易に取得することができる。
【0063】
具体例を挙げると、たとえばカメラ2と検査対象物6との相対的な位置関係にずれが生じている場合、抽出ライン33の位置を調節する必要がある。すなわち、図7(a)に示すようにカメラ2の真正面に検査対象物6が位置する場合には、エリア画像の真ん中のラインが抽出ライン33に設定されていれば、カメラ2は検査対象物6の真正面のライン画像31を取得することができる。一般的に、円柱状の検査対象物6をカメラ2で撮像する場合、検査対象物6のうち真正面が最も明るくなるため、このように検査対象物6の真正面のライン画像31を取得することが望ましい。
【0064】
しかし、図7(b)あるいは図7(c)に示すように、カメラ2の真正面から検査対象物6がずれている場合、エリア画像の真ん中に抽出ライン33が設定されていても、カメラ2は検査対象物6の真正面のライン画像31を取得することができない。この場合、カメラ2を検査対象物6の真正面に移動させるとすれば、ユーザは、カメラ2の位置を細かく調整する必要があり、その調整に手間が掛かるという問題がある。
【0065】
これに対し、上記画像処理装置1を用いれば、検査対象物6の任意の箇所のライン画像31を取得できるので、検査対象物6の位置がずれていても、ユーザは、抽出ライン33の位置を変更するだけで検査対象物6の真正面のライン画像31を得ることができる。要するに、ユーザは、カメラ2と検査対象物6との相対的な位置関係を変えることなく、簡単に検査対象物6の真正面のライン画像31を得ることができる。
【0066】
他の具体例として、カメラ2に広角レンズが用いられている場合、このカメラ2で撮像されるエリア画像は中央付近が比較的明るく、周辺ほど暗くなることがある。このような場合、画像処理装置1は、図8に示すように、エリア画像のうち輝度の平均値が高いラインのライン画像31を取得することが望ましい。なお、図8は、エリア画像の縦方向、横方向のそれぞれについて輝度分布を表している。
【0067】
この場合でも、上記画像処理装置1を用いることにより、ユーザは、カメラ2と検査対象物6との相対的な位置関係を変えることなく、エリア画像のうち輝度の平均値が高いラインを抽出ライン33とし、このラインのライン画像31を取得することが可能である。ここで、図8の横方向の輝度むらは、シェーディング補正部14にて上述したシェーディング補正を施すことにより低減される。
【0068】
なお、これらの具体例において、位置調節部20は、エリア画像内で最も輝度が高いラインを抽出ライン33とするように、自動的に抽出ライン33の位置を調節する機能を有していてもよい。
【0069】
また、本実施形態の画像処理装置1は、ライン数設定部22が設けられていることにより、二次元画像30を構成するライン画像31の取得本数についても、ユーザが任意に設定することが可能である。そのため、たとえば検査対象物6の種類によって、ライン画像31の取得本数を変える必要が生じたとしても、ユーザは、簡単にライン画像31の取得本数を変更することができる。
【0070】
さらにまた、設定登録部21は設定データを検査対象物6の種類ごとに設定記憶部18に登録するので、ライン画像31の取込条件を検査対象物6の種類ごとに容易に変更することができる。つまり、複数種類の検査対象物6についての設定データが設定記憶部18に登録されていれば、ユーザは、検査モードにおいて検査対象物6の種類を指定するだけで容易にその種類に応じた設定データを呼び出すことが可能である。
【0071】
なお、設定記憶部18内に記憶される設定データは、画像取込部11におけるライン画像31の取込条件を決めるデータであればよく、上述したようなライン画像31の取り込み位置およびライン画像31の取得本数のみを示すデータに限らない。すなわち、設定データは、たとえば画像取込部11のゲインや、画像取込部11がカメラ2との間で通信を行うことによりカメラ2に指示するシャッタ速度等の種々の取込条件を決めるデータを含んでいてもよい。
【0072】
ところで、画像処理装置1は、検査対象物6が1周する間に画像取込部11にて取込可能なライン画像31の本数を、エンコーダが出力するエンコーダ信号のパルス数に基づいて求め、目安として表示する目安表示部(図示せず)をさらに備えていてもよい。エンコーダ信号は、上述したように検査対象物6が所定の角度回転するごとにA相(図3(b))にパルスが発生し、検査対象物6が1周するごとにZ相(図3(a))にパルスが発生する。そこで、目安表示部は、Z相の2パルス間に、A相のパルスが何回発生するかを計測し、計測結果(A相のパルス数)に基づいて、画像取込部11にて取込可能なライン画像31の本数を求める。たとえば、Z相の2パルス間に、A相のパルスが100回発生している場合、目安表示部は、検査対象物6が1周する間に画像取込部11にて取込可能なライン画像31の本数の目安を「100」としてモニタ4に表示する。
【0073】
このように、取込可能なライン画像31の本数の目安が表示されることにより、ユーザは、この目安を参考にして、エンコーダ信号について何ら解析を行うことなく、簡単にライン画像31の取得本数を設定することができる。ただし、目安表示部が表示するライン画像31の本数は目安に過ぎず、検査対象物6の全周についてライン画像31を取得する必要がなければ、設定されるライン画像31の取得本数は目安よりも少なくなる。また、画像取込部11が、A相の1パルスに対してライン画像31を2本取り込んだり、A相の複数パルスに対してライン画像31を1本取り込んだりする場合、目安表示部はA相のパルスに係数を乗じた数を目安として表示する構成であってもよい。
【0074】
なお、本実施形態では円柱状の検査対象物6を例示したが、検査対象物6の形状を限定する趣旨ではなく、上記画像処理装置1は、円柱状以外の形状の検査対象物に用いることも可能である。
【0075】
また、画像処理装置1は、設定モードだけでなく検査モードにおいても、カメラ2をエリア撮像モードで動作させ、カメラ2からエリア画像を取り込み可能な構成であってもよい。
【0076】
(実施形態2)
本実施形態の画像処理装置1は、設定記憶部18に記憶されている設定データを用いて、試験的にカメラ2からライン画像31の取り込みを行うテスト取込部(図示せず)と、テスト表示部(図示せず)とを備えている点が実施形態1の画像処理装置1と相違する。
【0077】
テスト取込部は、操作装置3からの入力に従って決定されるタイミングで、ライン画像31のテスト撮りを開始し、テスト撮りされたライン画像31を画像記憶部12内のテスト用領域に書き込む。テスト表示部は、画像記憶部12内のテスト用領域に記憶された複数のライン画像31から画像生成部13にて生成される二次元画像30を、テスト画像としてモニタ4に表示する。
【0078】
すなわち、本実施形態の画像処理装置1は、設定モードで動作中に操作装置3にてユーザによる所定の操作が行われると、テストモードに移行し、テスト取込部で取り込んだライン画像31で構成される二次元画像30を、テスト画像としてモニタ4に表示する。
【0079】
以上説明した構成の画像処理装置1によれば、ユーザは、操作装置3を操作しテストモードに移行させることにより、任意のタイミングで試験的にライン画像31の取り込み並びに二次元画像(テスト画像)30の表示を画像処理装置1に実行させることができる。要するに、画像処理装置1は、外部装置5からの入力状態に関わらず、ライン画像31のテスト撮りを開始し、このライン画像31で構成された二次元画像30を表示する。したがって、ユーザは、設定データ(抽出ライン33の位置およびライン画像31の取得本数)を設定後、任意のタイミングで実際に二次元画像30を表示させ、設定済みの設定データでの画像処理装置1の動作を確認することができる。
【0080】
また、テスト表示部は、シェーディング補正部14によりシェーディング補正が施された後の二次元画像30を、テスト画像として表示するように構成されていることが望ましい。これにより、ユーザは、テストモードにおいても、実際の検査時に用いられるシェーディング補正後の二次元画像30を確認することができるので、設定データが適正か否かを判断しやすくなる。
【0081】
ところで、テスト取込部は、ライン画像31の取り込みを開始するタイミングが操作装置3からの入力に従って決定される構成であればよい。テスト取込部は、たとえば、ライン画像31の取り込み開始以降、予め決められている一定周期でライン画像31を順次取り込む構成や、操作装置3からの入力に従って任意に設定される間隔でライン画像31を順次取り込む構成であってもよい。
【0082】
あるいは、テスト取込部は、二次元画像30を構成するライン画像31の取り込みを開始するタイミングのみが操作装置3からの入力に従って決定され、取り込み開始後はエンコーダ信号に同期してライン画像31を順次取り込む構成であってもよい。この構成によれば、テスト撮りを開始するタイミングはユーザが自由に決めることができ、その後のライン画像31の取り込み間隔は実際の検査時と同様になるから、ユーザは、設定データが適正か否かを判断しやすくなる。
【0083】
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
【符号の説明】
【0084】
1 画像処理装置
2 カメラ
3 操作装置
4 モニタ
6 検査対象物
11 画像取込部
12 画像記憶部
13 画像生成部
14 シェーディング補正部
15 画像保存部
17 補正値記憶部
18 設定記憶部
19 設定画面表示部
20 位置調節部
21 設定登録部
22 ライン数設定部
30 二次元画像
31 ライン画像
32 設定画面
33 抽出ライン
P1 目印


【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物の画像を画素が二次元配置されたエリア画像として撮像可能なエリアイメージセンサを撮像素子に用いたカメラから、前記エリア画像内の所定の抽出ライン上の画素が一列に並べられた画像をライン画像として取り込む画像取込部と、前記ライン画像が複数記憶される画像記憶部と、前記画像記憶部内の前記複数の前記ライン画像を並べることにより画素が二次元配置された二次元画像を生成する画像生成部とを備える画像処理装置であって、少なくとも前記エリア画像内での前記抽出ラインの位置を示すデータであって前記画像取込部における前記ライン画像の取込条件を決める設定データが記憶される設定記憶部と、前記カメラから取り込んだ前記エリア画像を設定画面として表示するとともに、前記エリア画像内のいずれかのラインを前記抽出ラインとして前記設定画面上に表示する設定画面表示部と、操作装置からの入力に従って前記設定画面上での前記抽出ラインの位置を調節する位置調節部と、前記位置調節部で調節された前記抽出ラインの位置を前記設定データとして前記設定記憶部に登録する設定登録部とをさらに備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記操作装置からの入力に従って前記二次元画像を構成する前記ライン画像の本数を設定するライン数設定部をさらに備え、前記設定登録部は、前記ライン数設定部で設定された前記ライン画像の本数を前記設定データとして前記設定記憶部に登録することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記検査対象物は複数種類あって、前記設定登録部は前記設定データを前記検査対象物の種類ごとに前記設定記憶部に登録することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記操作装置からの入力に従って決定されるタイミングで、前記設定記憶部に記憶されている前記設定データを用いて前記カメラから前記ライン画像の取り込みを行うテスト取込部と、当該テスト取込部が取り込んだ複数の前記ライン画像から前記画像生成部にて生成される前記二次元画像を表示するテスト表示部とをさらに備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記二次元画像に対して前記ライン画像の長手方向における輝度むらを抑えるシェーディング補正を施すシェーディング補正部をさらに備え、前記テスト表示部は、前記シェーディング補正部による前記シェーディング補正後の前記二次元画像を表示することを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記テスト取込部は、前記二次元画像を構成する前記ライン画像の取り込みを開始するタイミングのみが前記操作装置からの入力に従って決定され、前記ライン画像の取り込み開始後は前記カメラと前記検査対象物との相対的な位置関係を表すエンコーダ信号に同期して前記ライン画像を順次取り込むことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記検査対象物は円柱状であって前記カメラの視野内で中心軸回りに回転し、前記画像取込部は前記検査対象物の中心軸に沿うライン上の前記ライン画像を取り込み、前記検査対象物が1周する間に取込可能な前記ライン画像の本数を、前記検査対象物の回転角度に応じて発生するパルス数に基づいて求めて目安として表示する目安表示部をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記画像取込部は、前記ライン画像ごとに特徴量を抽出し当該特徴量が所定の条件を満たすと、前記画像記憶部への前記ライン画像の書き込みを開始することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記検査対象物は円柱状であって前記カメラの視野内で中心軸回りに回転し、前記画像取込部は、前記検査対象物の中心軸に沿うライン上の前記ライン画像を、前記検査対象物の1周分よりも多く前記画像記憶部に書き込み、前記画像生成部は、前記画像記憶部内の複数の前記ライン画像の中から予め登録されている目印を検出し、当該目印を有する前記ライン画像が前記二次元画像の中央に位置するように前記二次元画像をシフトして前記検査対象物の1周分の前記二次元画像を生成することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記二次元画像に対して前記ライン画像の長手方向における輝度むらを抑えるシェーディング補正を施すシェーディング補正部と、前記シェーディング補正部による前記シェーディング補正後の前記二次元画像を保存する画像保存部とをさらに備えることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記二次元画像に対して前記ライン画像の長手方向における輝度むらを抑えるシェーディング補正を施すシェーディング補正部と、前記シェーディング補正部による前記シェーディング補正時に用いる補正テーブルを記憶する補正値記憶部とをさらに備え、前記補正値記憶部には1本の前記ライン画像から求まる前記補正テーブルが予め登録されていることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の画像処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−248749(P2011−248749A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−123130(P2010−123130)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000106221)パナソニック電工SUNX株式会社 (578)
【Fターム(参考)】