説明

画像処理装置

【課題】本発明は元画像を加工し、版画やシルクスクリーン印刷等の多色刷り印刷を行うための版を生成する画像処理装置に関し、特に画像処理技術を利用して版画やシルクスクリーン印刷の製版を容易に行なう画像処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】画像処理装置であって、元画像の画像データを記憶する記憶部と、上記元画像の画像データをピクセル単位で読み出し、HSV色空間データに変換する変換部と、この変換部によって変換されたHSV色空間データに基づいて、色マスクを生成する色マスク生成部と、この色マスク生成部によって生成された色マスクを記録媒体に印刷する印刷部とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は元画像を加工し、版画やシルクスクリーン印刷等の多色刷り印刷を行うための版を作成する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、年賀状等のポストカードのやり取りが広く行われている。かつては手書きや版画を手作業で作成することも多かったが、今日デジタルカメラやプリンタ装置の普及により、例えばデジタルカメラで撮影した画像データを加工し、プリンタ装置によって印刷することが主流となっている。
しかし、版画や、シルクスクリーン印刷によって作成したポストカード等は、作り手のオリジナリティを表現し易く、作成する際の充足感を味わうこともできる。
【0003】
尚、特許文献1は絵画もしくは絵画調に画像処理した写真からなる背景データを予め複数枚用意し、適宜選択した背景データに人物写真等を所定の箇所に合成し、画像処理により絵画調に修正した後、印刷用版画データを作成し、シルクスクリーン技法により版画印刷を行う発明である。
【0004】
また、特許文献2は建材印刷物の製版印刷方法に関する発明であり、印刷に使用するインキセットを予め複数通り決めておき、木目調や壁柄等の目標とする色調に対応してインキセットを選択し、印刷工程における調肉作業を容易にする発明である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−33800号公報
【特許文献2】特開2005−88263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述のデジタルカメラで撮影した画像データを加工し、プリンタ装置によって印刷する方法では、例えば誰が作っても結果がさほど変わらない画一化された画像処理となる。
また、版画やシルクスクリーン印刷といったアナログ技術は注目を集めやすく、前述のように作り手にとってもオリジナリティや作成の充足感を味わうことができる。しかし、多色刷り印刷を行うため、製版には絵画のセンスや専門的な技術を要する。このため、一般のユーザが満足いく製版を行なうことは困難であった。
【0007】
そこで、本件発明は画像処理技術を利用して版画やシルクスクリーン印刷の製版を容易に行なうことができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は本発明によれば、入力画素データを少なくとも色相および彩度成分に基づいて定義された色空間データに変換する変換部と、前記色空間を色相値に基づいて所定数の領域に分割された色空間領域に対応して設けられた領域であって且つ各色空間領域に属する色空間データをそれぞれ格納する領域であるマスクメモリ領域を備える記憶部と、前記色空間データを該色空間データが有する色相値に基づいて該当する前記マスクメモリ領域に格納するマスクデータ生成部と、前記各マスクメモリ領域に生成されたマスクデータに基づいて各マスクメモリ領域に対応する記録色で記録媒体に印刷する印刷部と、を有することを特徴とする画像処理装置を提供することによって達成できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、デジタルカメラ等で撮影した画像データを元画像とし、この画像データをピクセル(画素)単位で読み出し、HSV色空間データに変換し、変換後のHSV色空間データに基づいて、黒色、白色、赤色、青色等のマスク画像を生成し、このマスク画像を版画等の版として使用することによって、一般ユーザが版画やシルクスクリーン印刷の製版を容易に行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態の画像処理装置のシステム構成図である。
【図2】HSV色空間モデルを説明する図である。
【図3】本実施形態の処理を説明するフローチャートである。
【図4】外部ストレージに記憶する元画像データの例を示す図である。
【図5】マスク画像の生成処理を具体的に説明するフローチャートである。
【図6】色1〜色12で構成される色グループの代表的な色を説明する図である。
【図7】元画像データをもとに作成した14のマスク画像の例を示す図である。
【図8】マスク画像の統合画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の画像処理装置のシステム構成図である。同図において、本例の画像処理装置1はCPU2、記憶部3、RAM4、入力部5、表示部6、印刷部7、及び外部ストレージ8で構成されている。CPU2は記憶部3に記憶された制御プログラムを読み出し、本例の画像処理装置1の制御を行う。また、RAM4はワークエリアとしてCPU2の制御に使用される。
【0012】
入力部5は例えばキーボードやマウス等で構成され、例えばキー操作信号をCPU2に送信し、CPU2は上記制御プログラムに基づき、キー操作信号が指示する処理を行う。 表示部6は後述する元画像や、色マスクの作成処理によって作成されたマスク画像の表示を行う。
【0013】
印刷部7はサーマルプリンタ等で構成され、表示部6に表示されたマスク画像やその統合画像の印刷処理を行う。さらに、外部ストレージ8は、例えばデジタルカメラで撮影した画像データを記憶するSDカード等の記録媒体であり、マスク画像を作成するための元画像を記憶する。
【0014】
本例では後述するマスク画像の作成にHSV色空間モデルを使用する。図2はこのHSV色空間モデルを説明する図であり、本例では環状のHSV色空間モデルを使用する。尚、同図に示す「H」は色相(Hue)を示し、「S」は彩度(Saturation Chroma)を示し、「V」は明度(Brightness Lightness Value)を示す。色相は色の種類であり、例えば赤、青、黄色等であり、0°〜360°の環状で表現される。また、彩度は色の鮮やかさを示し、0〜100%の範囲で表現される。さらに、明度は色の明るさを示し、例えば0〜256段階の範囲で表現され、予め設定された閾値より小さい時白色と判断され、閾値より大きい時黒色と判断される。具体的な判断方法については後述する。
【0015】
以上の構成において、以下に本例の処理動作を説明する。
図3は本例の処理を説明するフローチャートである。先ず、画像データの読み込み処理を行う(ステップ(以下、STで示す)1)。この処理は前述の外部ストレージ8に記憶された画像データの読み込み処理であり、例えばSDカードに記憶されたデジタルカメラによる写真画像の画像データを読み込む。
【0016】
例えば、図4に示す画像は外部ストレージ8に記憶された画像データであり、本例ではこの画像データを元画像として読み出す。尚、外部ストレージ8から読み出す画像データは、JPEG(Joint Photographic Experts Group)やTIFF(Tagged Image File Format)等、画像データの形式は問わない。また、読み出した元画像の画像データは表示部6に表示される。
【0017】
次に、減色処理を行う(ST2)。上記元画像は写真画像等の画像データであり、フルカラーが再現できる表示や印刷には適しているが、写真画像データを基に版画印刷を行う場合、或いは、色鉛筆調、パステル調などの絵画調画像のような少ない色数の画像を生成して印刷する用途には適していない。そこで、本例では元画像の画像データに対して減色処理を行う。尚、減色処理のアルゴリズムは公知の技術を使用することができる。また、シルクスクリーン印刷のようにある程度細やかな印刷が可能な場合には、例えばフロイド・スタインバーグ・ディザリングが有効である。
【0018】
次に、色空間変換処理を行う(ST3)。この色空間変換処理は、上記減色処理が施された画像データを、HSV色空間データに変換する処理であり、元画像の画像データはRGBの画像データであり、このRGBの画像データをHSV色空間データに変換する。すなわち、RGBの画像データを使用して、色の色相、彩度、明度夫々を数値化したHSV色空間データを計算する。
【0019】
次に、上記変換処理が施されたHSV色空間データを使用し、版画やシルクスクリーン印刷の版の元となるマスク画像を生成する(ST4)。ここで、本例においてマスク画像とは、ある色の印刷可否を決定する2値画像データであり、例えば黒色のマスク画像は元画像の黒色に相当する部分のみが黒色で、他が白色である画像である。本例はデジタル画像から黒色、白色、及び他の色、例えば赤色、青色、黄色等のマスク画像を生成する。
【0020】
図5はこのマスク画像の生成処理(ST4)を具体的に説明するフローチャートである。先ず、黒色、白色、赤色、青色、黄色等のマスク画像を初期化する(ST4−1)。具体的には、上記各色のマスク画像を記憶する記憶部3の対応するエリアを初期化する。
【0021】
次に、元画像の左上から右下まで、画像データを構成するピクセル毎に走査する(ST4−2)。すなわち、元画像の画像データが読み出された、例えば記憶部3の座標(x、y)の左上から右下まで、ピクセル毎に走査を行なう。例えば、元画像の画像データが記憶部3の座標(x1、y1)〜(xn、yn)に記憶されていれば、座標(x1、y1)、(x1、y2)、(x1、y3)、・・(x2、y1)、(x2、y2)、(x2、y3)、・・(xn、y1)、(xn、y2)、・・(x、y)の順にピクセル走査を行う。
【0022】
先ず、座標(x1、y1)のピクセル走査を行い、当該ピクセルが黒色であるか判断する(ST4−3)。この判断は、上記変換後のHSV色空間データにおいて、明度の閾値が最大256段階の中で、例えば100段階以下であるとき、当該ピクセルを黒色と判断する。したがって、先ず最初に走査した座標(x1、y1)のピクセルの明度が、例えば100段階以下であれば黒であると判断し(ST4−3がYES)、黒マスク(用メモリ)の座標(x1、y1)に印字(有効)の指示を行う(ST4−4)。
【0023】
一方、座標(x1、y1)のピクセルの明度が、例えば100段階以下ではない場合(ST4−3がNO)、更に当該ピクセルが白色であるか判断する(ST4−5)。この判断は、明度の閾値が最大256段階の中で、例えば200段階以上であるとき、当該ピクセルは白色であると判断する。したがって、座標(x1、y1)のピクセルの明度が200段階以上であるとき白色であると判断し(ST4−5がYES)、白マスク(用メモリ)の座標(x1、y1)に対応する領域に印字(有効)の指示を行う(ST4−6)。
【0024】
また、座標(x1、y1)のピクセルの明度が200段階以上ではないとき(ST4−5がNO)、更に座標(x1、y1)のピクセルが色グループのどの範囲内であるか判断する(ST4−7)。すなわち、上記黒色、又は白色である条件を満たさない場合、ピクセルの色相をもとに判断する。本例においては、HSV色空間の色相データを均等割してピクセルの色相値により判断を行う。
【0025】
この色相の判断は前述の図2に示す環状のHSV色空間の0°〜360°を均等にN分割(Nは、2以上の正の整数)し、均等に分割した色相に対して各ピクセルの色相値に従って対応する色を決定する。分割された色空間の各領域の色相値の幅は、分割数Nに応じた幅を有し、各分割領域に対応する色マスクの色相値は、例えば、分割された領域幅の中央の色相値を用いるものとする(図2の色空間図の色環内に示した●は、各分割領域における色相値の中心値を示す)。尚、本例においては、色相を均等に12分割(30°範囲ずつに分ける)した例について説明する。したがって、ピクセルの色相値から以下の計算で導出される色1〜色12の何れかに決定される。尚、図6は色1〜色12で構成される色グループの代表的な色を示す。
0 ± (360/12)/2... 色1
(360/12) ± (360/12)/2... 色2
・・・ ・・・ ・・・
(360/12) ± (360/12)/2... 色12
【0026】
先ず、上記座標(x1、y1)のピクセルの色相値が色1の範囲内である場合(ST4−7がYES)、色1マスク(用メモリ)の座標(x1、y1)に対応する領域に印字(有効)の指定を行う(ST4−8)。図6に示す例の場合、赤マスクの座標(x1、y1)に印字の指示を行う。
【0027】
一方、座標(x1、y1)のピクセルの色相値が色1の範囲内でない場合(ST4−7がNO)、更に座標(x1、y1)のピクセルの色相値が色2の範囲内であるか判断する(ST4−9)。ここで、座標(x1、y1)のピクセルの色相値が色2の範囲内である場合(ST4−9がYES)、色2マスク(用メモリ)の座標(x1、y1)に対応する領域に印字の指示を行う(ST4−10)。図6に示す例の場合、橙のマスク(用メモリ)の座標(x1、y1)に対応する領域に印字の指示を行う。
【0028】
以下、同様にして処理を行い、例えば座標(x1、y1)のピクセルが色3の範囲内である場合、図6に示す黄橙のマスク(用メモリ)の座標(x1、y1)に対応する領域を印字にセットする。また、座標(x1、y1)のピクセルが色4の範囲内である場合、図6に示す黄のマスク(用メモリ)の座標(x1、y1)に対応する領域に印字の指示を行う。
【0029】
その後、同様にして座標(x1、y1)のピクセルの色相値に基づいて、色5の範囲内、色6の範囲内、・・・、色12の範囲内まで判断し(S4−N)、ピクセルが色Nの範囲内である場合(ST4−NがYES)、色Nマスク(用メモリ)の座標(x1、y1)に対応する領域を印字にセットする(ST4−N+1)。尚、本例では、色12が最大であり、座標(x1、y1)のピクセルが色12の範囲内であれば、赤紫マスク(用メモリ)の座標(x1、y1)に対応する領域に印字の指示を行う。
【0030】
以上のようにして座標(x1、y1)のピクセルに対するマスク作成処理が終了すると、次に座標(x1、y2)のピクセルに対するマスク作成処理を行う。このマスク作成処理も上記座標(x1、y1)のピクセルに対するマスク作成処理と同じであり、先ず当該ピクセルの明度が100段階以下であるとき黒色であると判断し(ST4−3)、黒色でなければ更に明度が200段階以上であるとき白色であると判断し(ST4−5)、更に白色でなければ、ピクセルの色相値をもとに判断を行い(ST4−7、ST4−9、ST4−N)、対応する色マスクの座標(x1、y2)に印字の指示を行う。
【0031】
その後、同様にして(x1、y3)、(x1、y4)、・・(x2、y1)、(x2、y2)、(x2、y3)、・・(xn、y1)、(xn、y2)、・・(xn、yn)のピクセルの順に走査を行い、一致する色の色マスクの対応する座標に印字の指示を行う。
【0032】
図7に示す例は上記処理によって、図4に示す元画像をもとに、黒色、白色、赤色、青色、黄色等の14のマスク画像を生成した例を示す。
【0033】
次に、上記のようにして生成されたマスク画像に対してマスク統合処理を行う(ST5)。この処理は、上記のようにして生成されたマスク画像の中には印刷する部分が殆どないマスク(メモリ領域)が生成される場合がある。したがって、そのようなマスク画像を、例えば隣接する(HSV色空間的に色相距離が近い)他のマスク(メモリ領域の)画像と合成して生成し、作成する版の数を減らす。例えば、図7における色9から色12のマスクメモリには、殆ど(面積比にして例えば3%以下)有効画素データが書き込まれていない。従って、これらのマスクメモリのデータは、隣接する色の色8マスクメモリなどに統合して生成することが出来る。尚、図8に示すマスク画像は上記図7に示す複数のマスク画像を統合したものである。
【0034】
最後に、上記のようにして完成したマスク画像を、実際の印刷対象の大きさに合わせて各マスク色に対応する印刷版を生成するプリンタ機構に出力する(ST6)。この処理は印刷部7によって行われ、統合されたマスク画像を印刷部7によって印刷処理し、製版を行なう。また、マスク画像を実際に印刷する際には、印刷装置の解像度に合わせて、元画像データの1ピクセルを複数ピクセルに変換した後プリンタ機構に出力する変換処理が必要な場合もある。
【0035】
以上の処理において、上記黒マスクを作成する際の明度の閾値は必ずしも100段階である必要はなく、ユーザが自由に設定することができる。また、白マスクを作成する際の閾値についても、必ずしも明度が200段階である必要はなく、ユーザが自由に設定することができる。多くの場合、白マスクに該当するデータは、記録(着色)する必要がない(版を起こす必要がない)場合が多いので、白色と識別されるデータを記憶する白マスクデータメモリは省略することが出来る。従って、無彩色(黒)用のマスクメモリが用意されれば良い。また、色相データについても12分割に限定される必要はなく、プリンタ機構が記録できる色数に応じて、任意のN分割に設定することができ、更に隣接する色との関連において、人の色に対する視覚の感度に基づいた分割方法であってもよい。更に、記録色の種別として原色など利用頻度の高い色相領域の分割幅を広く設定し、利用頻度の低い色相領域の分割幅を狭く、或いは無くして色マスクを設定することも出来、印刷物を利用する利用者の好み、印刷物の用途などに合わせて種々の色マスクを任意に設定することも可能である。また、色空間としてHSV色空間を利用したが、必ずしもこの色空間に限定されるものではなく、他の色空間、例えば、HLS色空間などを用いることも可能である。
【0036】
このように処理することによって、ユーザは明度の閾値を自由に設定でき、また色相の分割数を自由に設定でき、ユーザの好みや用途に合わせたマスク画像を作成することができる。
尚、上記実施形態の説明では、マスク画像を統合し、統合したマスク画像を直ちに印刷処理したが、一旦記憶部3や外部ストレージ8に記憶するようにしてもよい。
【0037】
さらに、本例の説明では外部ストレージ8の記録媒体としてSDカードの例で説明したが、SDカードに限らず、例えばUSBメモリや、CF(コンパクトフラッシュ(登録商標))、メモリスティック等の可搬型記憶媒体を使用することができる。
また、本発明により作成されたマスク画像データを基に、印刷処理を行う印刷装置は、種々の印刷方式による印刷装置を利用することができ、印刷方式を限定するものではない。例えば、デジタル製版式の孔版印刷機、シルクスクリーン技法による印刷装置、など種々の印刷装置に適用することが出来る。
【0038】
本発明はいくつかの実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下、本件特許出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0039】
付記1
入力画素データを少なくとも色相および彩度成分に基づいて定義された色空間データに変換する変換部と、
前記色空間を色相値に基づいて所定数の領域に分割された色空間領域に対応して設けられた領域であって且つ各色空間領域に属する色空間データをそれぞれ格納する領域であるマスクメモリ領域を備える記憶部と、
前記色空間データを該色空間データが有する色相値に基づいて該当する前記マスクメモリ領域に格納するマスクデータ生成部と、
前記各マスクメモリ領域に生成されたマスクデータに基づいて各マスクメモリ領域に対応する記録色で記録媒体に印刷する印刷部と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【0040】
付記2
前記マスクデータ生成部は、前記変換部により変換された色空間データの明度情報に基づいて無彩色のマスクデータを生成することを特徴とする付記1に記載の画像処理装置。
【0041】
付記3
前記マスクデータ生成部は、前記変換部により変換された色空間データの色相情報に基づいて前記無彩色以外のマスクデータを生成することを特徴とする付記1、又は2に記載の画像処理装置。
【0042】
付記4
前記色相情報に基づくマスクデータの生成は、前記HSV色空間モデルの環状の色相空間をN個に等分割して生成することを特徴とする付記3に記載の画像処理装置。(ただし、Nは2以上の正の整数)
【0043】
付記5
前記色相情報に基づくマスクデータの生成は、前記HSV色空間モデルの環状の色相空間を色に対する視覚の感度に基づいて分割して生成することを特徴とする付記3に記載の画像処理装置。
【0044】
付記6
前記マスクデータ生成部によって生成されたマスクメモリ領域に格納された画素データが所定量に満たないマスクメモリ領域のデータを色相距離の近い他のマスクメモリ領域のデータと統合することを特徴とする付記1、2、3、4、又は5に記載の画像処理装置。
【0045】
付記7
入力画素データを少なくとも色相および彩度成分に基づいて定義された色空間データに変換する変換処理と、
前記色空間を色相値に基づいて所定数の領域に分割された色空間領域に対応して設けられた領域であって且つ各色空間領域に属する色空間データをそれぞれ格納するマスクメモリ領域を記憶部に設ける記憶領域設定処理と、
前記色空間データを該色空間データが有する色相値に基づいて該当する前記マスクメモリ領域に格納するマスクデータ生成処理と、
前記各マスクメモリ領域に生成されたマスクデータに基づいて各マスクメモリ領域に対応する記録色で記録媒体に印刷する印刷処理と、
を行なうことを特徴とする画像処理方法。
【0046】
付記8
入力画素データを少なくとも色相および彩度成分に基づいて定義された色空間データに変換する変換処理と、
前記色空間を色相値に基づいて所定数の領域に分割された色空間領域に対応して設けられた領域であって且つ各色空間領域に属する色空間データをそれぞれ格納するマスクメモリ領域を記憶部に設ける記憶領域設定処理と、
前記色空間データを該色空間データが有する色相値に基づいて該当する前記マスクメモリ領域に格納するマスクデータ生成処理と、
前記各マスクメモリ領域に生成されたマスクデータに基づいて各マスクメモリ領域に対応する記録色で記録媒体に印刷する印刷処理と、
を行なうことを特徴とする画像処理装置が実行可能なプログラム。
【0047】
付記9
前記記憶部は、前記色空間を色相値に基づいて所定数の領域に分割する色空間分割処理部を有することを特徴とする付記1記載の画像処理装置。
【符号の説明】
【0048】
1・・・画像処理装置
2・・・CPU
3・・・記憶部
4・・・RAM
5・・・入力部
6・・・表示部
7・・・印刷部
8・・・外部ストレージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画素データを少なくとも色相および彩度成分に基づいて定義された色空間データに変換する変換部と、
前記色空間を色相値に基づいて所定数の領域に分割された色空間領域に対応して設けられた領域であって且つ各色空間領域に属する色空間データをそれぞれ格納する領域であるマスクメモリ領域を備える記憶部と、
前記色空間データを該色空間データが有する色相値に基づいて該当する前記マスクメモリ領域に格納するマスクデータ生成部と、
前記各マスクメモリ領域に生成されたマスクデータに基づいて各マスクメモリ領域に対応する記録色で記録媒体に印刷する印刷部と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記マスクデータ生成部は、前記変換部により変換された色空間データの明度情報に基づいて無彩色のマスクデータを生成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記マスクデータ生成部は、前記変換部により変換された色空間データの色相情報に基づいて前記無彩色以外のマスクデータを生成することを特徴とする請求項1、又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記色相情報に基づくマスクデータの生成は、前記HSV色空間モデルの環状の色相空間をN個に等分割して生成することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。(ただし、Nは2以上の正の整数)
【請求項5】
前記色相情報に基づくマスクデータの生成は、前記HSV色空間モデルの環状の色相空間を色に対する視覚の感度に基づいて分割して生成することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記マスクデータ生成部によって生成されるマスクメモリ領域に格納された画素データが所定量に満たないマスクメモリ領域のデータを色相距離の近い他のマスクメモリ領域のデータと統合することを特徴とする請求項1、2、3、4、又は5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
入力画素データを少なくとも色相および彩度成分に基づいて定義された色空間データに変換する変換処理と、
前記色空間を色相値に基づいて所定数の領域に分割された色空間領域に対応して設けられた領域であって且つ各色空間領域に属する色空間データをそれぞれ格納するマスクメモリ領域を記憶部に設ける記憶領域設定処理と、
前記色空間データを該色空間データが有する色相値に基づいて該当する前記マスクメモリ領域に格納するマスクデータ生成処理と、
前記各マスクメモリ領域に生成されたマスクデータに基づいて各マスクメモリ領域に対応する記録色で記録媒体に印刷する印刷処理と、
を行なうことを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
入力画素データを少なくとも色相および彩度成分に基づいて定義された色空間データに変換する変換処理と、
前記色空間を色相値に基づいて所定数の領域に分割された色空間領域に対応して設けられた領域であって且つ各色空間領域に属する色空間データをそれぞれ格納するマスクメモリ領域を記憶部に設ける記憶領域設定処理と、
前記色空間データを該色空間データが有する色相値に基づいて該当する前記マスクメモリ領域に格納するマスクデータ生成処理と、
前記各マスクメモリ領域に生成されたマスクデータに基づいて各マスクメモリ領域に対応する記録色で記録媒体に印刷する印刷処理と、
を行なう画像処理装置が実行可能なプログラム。
【請求項9】
前記記憶部は、前記色空間を色相値に基づいて所定数の領域に分割する色空間分割処理部を有することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。

【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図2】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−106173(P2013−106173A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248385(P2011−248385)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】