説明

画像処理装置

【課題】相手先名に複数種類の送信先情報が登録されていても、意図しない送信先に送信されることがなく、作業効率が良い画像処理装置を提供する。
【解決手段】
画像データの送信先情報を相手先名に対応させて記憶するHDD108と、送信モードの指定及び相手先名の表示指示を受付ける操作部130と、相手先名に複数種類の送信先情報を対応させてHDDに記憶した状態で、操作部が送信モードの指定及び相手先名の表示指示を受付けた場合、HDDに記憶された相手先名のうち、指定された送信モードの送信先情報に対応する相手先名のみを読出す制御部102と、読出された相手先名を表示する表示部とを備え、制御部が送信指示を受付けた場合、指定された送信モードでのみ送信される。これにより、相手先名に複数種類の送信先が登録されていても、意図しない送信先に送信されることを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ、電子メール等の画像データを送信する機能を有する画像処理装置に関し、特に、複数種類の画像送信機能を有する同報送信可能な画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
帳票、見積書等の書類を相手先に届ける方法として、従来では、ファクシミリ(以下、ファクスともいう)が広く利用されてきた。近年では、これらの書類を電子データとして電子メールに添付し、ネットワークを介して相手先に送信する方法も一般的に行なわれている。送信相手先の受信装置(パーソナルファクシミリ、ファクシミリ複合機、パーソナルコンピュータ(以下、PCという)等)に応じて、送信方法を使い分けることができるようにもなってきた。
【0003】
例えば、画像処理装置の一種として、コピー、プリント、ファクシミリ、及びスキャナ等、複数の機能を備える複合機(MFP(MultiFunction Peripheral))が普及している。MFPは、スキャナにより読取った原稿のデジタルデータ、通信回線を介して受信したデジタルデータ等に基づき、記録紙上に画像を形成するだけではなく、それらのデジタルデータを画像処理して、ファクス又は電子メールとして送信することができる。
【0004】
MFPを用いた送信方法の1つとして、複数の相手先に同じ文書の送信を行なう、いわゆる同報送信がある。同報送信を行なう場合、送信原稿をMFPにセットして送信相手先を順次設定し、スタートキー等の送信実行ボタンを押す。セットされた原稿が読取られ、画像変換(ファクスデータ又は電子メールに添付するデータへの変換)された後、設定された送信相手先への送信が順次行なわれる。
【0005】
文書を送信する相手先の指定方法としては、次のような方法がある。ファクス送信の場合には、テンキーを使用して送信先のファクス番号を入力する。電子メール送信の場合には、キーボード(アルファベットキー)を使用して、送信先の電子メールアドレス(以下、単にメールアドレスともいう)を入力する。このとき、入力間違いによる誤送信が発生する虞がある。
【0006】
誤送信を防止するために、送信相手先のファクス番号及びメールアドレスを相手先名と対応付けてアドレス帳に予め登録(MFPの不揮発性メモリ等に記憶)しておく技術が知られている。送信する場合、MFPの操作部を操作し、アドレス帳を呼び出し、アドレス帳の中から送信相手先を選択する。操作性を向上するためにワンタッチキーと呼ばれるキーに送信相手先のファクス番号又はメールアドレスを登録しておく技術も知られている。ワンタッチキーを押すだけで、登録されているファクス番号に発呼して文書が送信される。ワンタッチキーに電子メールのアドレスが登録されている場合には、メールアドレスに文書が送信される。
【0007】
個人で複数の端末を所有するケースも増えてきているので、これに対応するために、アドレス帳内の1つの相手先名に対して複数の送信先情報(ファクス番号及びメールアドレス)を登録することが行なわれている。ワンタッチキーに関しても、アドレス帳と同様に、1つのキーに対して複数の送信先情報を登録できるようになっている。
【0008】
複数の送信先が登録されたワンタッチキーを使用して文書を送信する場合、そのキーの機能上、1つの送信先(例えば、1つのファクシミリのみ、又は、1つのメールアカウントのみ)に送信したいにもかかわらず、同一の文書が複数の送信先に送られてしまい、利用者の意図しない端末へも文書の送信が行なわれてしまうことがある。例えば、ファクシミリにのみ送信することを要望されたにもかかわらず、電子メールでも送信してしまうことがある。
【0009】
これを解決するための方法が、例えば、下記特許文献1及び特許文献2に提案されている。特許文献1及び特許文献2には、原稿の送信時に、押されたモードキーを判断することで送信モード(ファクス送信又は電子メール送信)を判定し、判定されたモードに対応する宛先情報(ファクス送信モードであればファクス番号、電子メール送信モードであればメールアドレス)宛に原稿データを送信する技術が開示されている。これにより、1つの送信先にファクス番号及びメールアドレスが登録されている場合であっても、利用者の指示によって、適切に対応した送信処理を実行できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−125088号公報
【特許文献2】特開2003−152945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、前述の同報送信のように、文書を複数の相手先に送信する場合、特許文献1では宛先毎に送信モードを設定する(キー押下)必要があり、作業効率が悪い。
【0012】
また、特許文献2ではワンタッチキーを押したときに設定されている送信モード(インターネットファクス/通常ファクス)に対応する宛先情報(メールアドレス/ファクス番号)が登録されていなければ送信宛先を再度選択し直さなければならず、作業効率が悪い。しかも、利用者がワンタッチキーを押した後に“未登録”との表示を行なうため、利用者に不快な思いをさせることもある。
【0013】
したがって、本発明は、アドレス帳の相手先名に複数種類の画像送信の送信先情報が登録されている場合でも、利用者が意図しない送信先に送信されることがなく、作業効率が良く、利用者に不快な思いをさせない画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的は、下記によって達成することができる。
【0015】
即ち、本発明に係る画像処理装置は、画像データを送信する送信先情報を相手先名に対応させて記憶する記憶部と、画像送信モードの指定、及び、相手先名を表示する指示を受付ける操作部と、記憶部が少なくとも1つの相手先名に複数種類の画像送信モードの送信先情報を対応させて記憶した状態で、操作部が画像送信モードの指定、及び、相手先名を表示する指示を受付けた場合、記憶部に記憶された相手先名のうち、指定された画像送信モードの送信先情報に対応する相手先名のみを読出す制御部と、制御部によって読出された相手先名を表示する表示部とを備える。
【0016】
好ましくは、記憶部は、さらに複数の相手先名を1つのグループとして記憶し、操作部は、さらにグループの指定を受付け、操作部が画像送信モードの指定、グループの指定、及び、相手先名を表示する指示を受付けた場合、制御部は、指定されたグループに属する相手先名のうち、指定された画像送信モードの送信先情報に対応する相手先名のみを、記憶部から読出す。
【0017】
より好ましくは、操作部が画像送信モードの指定、及び、相手先名を表示する指示を受付け、表示部が指定された画像送信モードの送信先情報に対応する相手先名のみを表示した状態で、操作部が、指定された画像送信モードと異なる新たな画像送信モードの指定を受付けた場合、制御部は、記憶部に記憶された相手先名のうち、新たな画像送信モードの送信先情報に対応する相手先名のみを読出す。
【0018】
さらに好ましくは、記憶部は、制御部の動作を指定する読出動作指定情報をさらに記憶し、記憶部が少なくとも1つの相手先名に複数種類の画像送信モードの送信先情報を対応させて記憶した状態で、操作部が画像送信モードの指定、及び、相手先名を表示する指示を受付けた場合、制御部は、読出動作指定情報に応じて、記憶部に記憶された相手先名の全てを読出す、又は、指定された画像送信モードの送信先情報に対応する相手先名のみを読出す。
【0019】
好ましくは、操作部は、さらに、表示部により表示された複数の相手先名の中から相手先名を選択する操作と、画像データの送信指示とを受付け、操作部が送信指示を受付けた場合、選択された相手先名に対応する送信先情報のうち、選択された画像送信モードの送信先情報のみに対して画像データを送信する送信部をさらに備える。
【0020】
より好ましくは、記憶部は、送信部の動作を指定する送信動作指定情報をさらに記憶し、操作部が送信指示を受付けた場合、送信部は、送信動作指定情報に応じて、選択された相手先名に対応する送信先情報の全てに対して画像データを送信する、又は、選択された相手先名に対応する送信先情報のうち、選択された画像送信モードの送信先情報のみに対して画像データを送信する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、アドレス帳に登録された相手先名を表示する場合に、指定されている画像送信モードの送信先情報が登録されている相手先名のみを表示することができる。利用者が指定した画像送信モードの送信先情報が登録されていない相手先名は表示されないので、利用者は効率よく画像データの送信先を選択することができる。
【0022】
また、本発明によれば、アドレス帳において、相手先名に対応させて異なる種類の画像送信の送信先情報が登録されていても、画像処理装置の初期設定により、利用者が指定した画像送信モードのみで送信することができる。したがって、利用者が選択した相手先名に対応させて登録されている全ての送信先情報に送信されることがなく、意図しない相手先の端末に送信されてしまうことを防止することができる。画像処理装置の初期設定により、相手先名に対応させて登録されている全ての送信先情報に送信することもできるので、画像処理装置が使用される状況に応じて、複数種類の画像送信をより効率的に実行することができる。
【0023】
また、本発明によれば、特定の画像送信モードを指定してアドレス帳を表示させ、送信先を選択中に、別の画像送信モードに変更して送信する必要が生じた場合、その別の画像送信モード(即ちジョブの種類)を直接指定することができ、相手先名を容易に選択することができる。したがって、利用者は、ホーム画面に戻って画像送信モードを指定し直さなくても、別の画像送信モードで送信できる相手先名を、少ない操作で選択することができる。例えば、画像処理装置が、指定された送信モードのみの宛先に送信するように初期設定されており、送信したい相手先名にファクス番号と電子メールアドレスとが登録されている場合に、利用者が最初にファクス送信するつもりでアドレス帳から送信したい相手先名を選択している途中で、電子メール送信に変更する必要が生じたときには、絞込条件(ジョブの種類)として電子メール送信を指定すれば、電子メール送信できる相手先名を容易に選択することができる。そして、相手先名を選択すれば、自動的に電子メールアドレスが決定され、電子メール送信のみが行なわれる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示した画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】各動作モードの基本画面の基本レイアウトの構成を示す図である。
【図4】操作部に表示されるファクスモードの基本画面を示す図である。
【図5】画像送信を実行するコンピュータプロググラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図6】基本画面上にアドレス帳ウィンドウが表示された画面を示す図である。
【図7】絞込ウィンドウを示す図である。
【図8】ジョブ種類による絞込条件が、図6の画面から変更された画面を示す図である。
【図9】初期設定画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0026】
本発明の実施の形態に係る画像処理装置は、スキャナ機能、ファクス機能、電子メール機能、コピー機能、及びプリンタ機能等の複数の機能を備えたデジタル複合機である。
【0027】
図1を参照して、画像処理装置100は、原稿読取部110、画像形成部120、操作部130、給紙部140、手差し給紙トレイ142、及び排紙処理部150を備えている。操作部130は、タッチパネルディスプレイ132及び操作キー部134を備えている。タッチパネルディスプレイ132は、液晶パネル等で構成された表示パネルと、表示パネルの上に配置され、タッチされた位置を検出するタッチパネルとを含む。操作キー部134には、図示しないいくつかの機能キーが配置される。操作キー部134には、テンキーが配置される場合もある。
【0028】
図2を参照して、画像処理装置100は、画像処理装置100全体を制御する制御部(以下、CPUという)102と、プログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)104と、揮発性の記憶装置であるRAM(Random Access Memory)106と、通電が遮断された場合にもデータを保持する不揮発性記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)108とを備えている。ROM104には、画像処理装置100の動作を制御するのに必要なプログラム及びデータが記憶されている。
【0029】
画像処理装置100はさらに、画像処理部122、画面生成部124、ファクス通信部112、ネットワークI/F114、及びバス116を備えている。CPU102、ROM104、RAM106、HDD108、ファクス通信部112、ネットワークI/F114原稿読取部110、画像形成部120、画像処理部122、画面生成部124、操作部130は、バス116に接続されている。各部間のデータ(制御情報を含む)交換は、バス116を介して行なわれる。CPU102は、バス116を介してROM104からプログラムをRAM106上に読出して、RAM106の一部を作業領域としてプログラムを実行する。即ち、CPU102は、ROM104に格納されているプログラムにしたがって画像処理装置100を構成する各部の制御を行ない、画像処理装置100の各機能を実現する。
【0030】
ファクス通信部112は、外部の公衆電話回線180に接続され、画像処理装置100が公衆電話回線180を介して外部装置とファクス通信するためのインターフェイスであるファクスモデムを備えている。
【0031】
ネットワークI/F114は、外部のネットワーク182に接続され、画像処理装置100がネットワーク182を介して外部装置と通信するためのインターフェイスとして、例えばNIC(Network Interface Card)を備えている。
【0032】
画像処理装置100が備える画像通信モードとしては、ファクスモデムにより公衆電話回線を介して画像データを送受信するファクスモード、NICによりインターネットを介して画像データを送受信するインターネットファクスモード、画像データを電子メールに添付して送受信する電子メール通信モード(スキャンtoメール)、及びネットワークを介して画像データをPCの特定のフォルダに転送する画像送信モード(スキャンtoフォルダ)等がある。
【0033】
原稿読取部110は、画像を読取るためのCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)と、原稿台、自動原稿送り装置(ADF)等にセットされた原稿を検知する原稿検知センサとを備え、原稿を読取って画像データを入力する。画像データは画像メモリ(図示せず)に一時的に記憶される。画像処理部122は、読取った画像データに対して、種々の画像処理を実行する。画像形成部120は、画像データを記録紙に印刷する。画像データは、必要に応じてHDD108に記憶される。
【0034】
給紙部140は画像形成用の記録紙を保持する。手差し給紙トレイ142は、記録紙を手差し給紙するためのトレイである。
【0035】
操作部130は、利用者による画像処理装置100に対する指示等の入力を受付ける。タッチパネルディスプレイ132に表示される画像は、画面生成部124によって生成される。利用者は、タッチパネルディスプレイ132に表示される画面によって、画像処理装置100の状態及びジョブの処理状況等の確認を行なう。タッチパネルディスプレイ132に表示されたキーを、表示パネルに重ねられたタッチパネル上で選択する(タッチパネル上の該当部分にタッチする)ことによって、画像処理装置100の機能設定及び動作指示等ができる。
【0036】
CPU102は、操作部130に設けられたタッチパネルディスプレイ132、入力キー等に対する利用者の操作を監視すると共に、タッチパネルディスプレイ132に画像処理装置100の状態に関する情報等の利用者に通知すべき情報等を表示する。
【0037】
以下、画像処理装置100が搭載している機能(コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、及びファクス機能)を実行する各モードについて簡単に説明する。
【0038】
(コピーモード)
画像処理装置100を複写機として利用する場合には、原稿読取部110によって読取られた原稿の画像データ(以下、原稿データともいう)が、画像形成部120から複写物として出力される。
【0039】
原稿読取部110に装備されたCCDにより、読取位置にセットされた原稿の画像を電子的に読取ることができる。読取られた画像データは、画像メモリ上に出力データ(印刷用データ)として完成された後、HDD108に記憶される。原稿が複数ある場合には、この読取り動作及び記憶動作が繰返される。その後、操作部130から指示された処理モードに基づいて、HDD108に記憶された画像データが適切なタイミングで順次読出されて画像メモリに送られる。そして、画像形成部120での画像形成のタイミングに合わせて、画像データは画像形成部120へと伝送される。
【0040】
読取った画像データを複数枚印刷する場合にも、同様に出力データとしてページ単位でHDD108に記憶され、HDD108から画像メモリに送られ、出力枚数の分だけ繰返し、画像形成のタイミングに合わせて画像形成部120へ伝送される。
【0041】
給紙部140では、記録紙がピックアップローラによって引き出され、複数の搬送用ローラによって、画像形成部120まで搬送される。画像形成部120では、帯電された感光体ドラムを入力された画像データに応じて露光することにより、感光体ドラムの表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する。感光体ドラム上の静電潜像部分にトナーを付着させた後、トナーによる画像を、転写ベルトを介して、搬送された記録紙に転写される。その後、記録紙は加熱及び加圧され(これにより記録紙に画像が定着する)、排紙トレイ152に排出される。
【0042】
(プリンタモード)
画像処理装置100をプリンタとして利用する場合には、通信部112を介して受信した画像データが画像メモリ等を介して画像形成部120から出力される。
【0043】
通信部112は、ネットワーク182に接続されたPC等の端末装置(図示せず)から画像データを受信する。受信された画像データは、出力画像データとしてページ単位に画像メモリに送られた後、HDD108に記憶される。その後、画像データは、再びHDD108から画像メモリに送られ、上記したコピーモードと同様に画像形成部120へと伝送され、画像形成が行なわれる。
【0044】
(スキャナモード)
画像処理装置100を、例えばネットワークスキャナとして利用する場合には、原稿読取部110において読取られた原稿データを、通信部112からネットワーク182を介してコンピュータ等の端末装置へ送信する。この場合にも、原稿読取部110に装備されたCCDにより原稿を電子的に読取る。そして、読取られた原稿データは、画像メモリ上に出力データとして完成された後、HDD108に記憶される。その後、画像データは、再びHDD108から画像メモリに送られ、操作部130を介して指定された送信先との通信を確立した上で、通信部112から、指示された送信先へと送信される。
【0045】
(ファクスモード)
画像処理装置100は、ファクス通信部112及び公衆電話回線180を介して外部のファクス装置とファクス送受信することができる。
【0046】
画像処理装置100をファクス装置として使用する場合、画像処理装置100は、HDD108から画像データを読出して、ファクス通信用のデータ形式に変換して、ファクス通信部112及び公衆電話回線180を介して外部のファクス装置に送信することができる。また、ファクス装置からファクス受信したデータを、画像データとして画像メモリ上に形成し、上記と同様に、HDD108への記憶、画像形成部120による印刷を実行することができる。
【0047】
ファクス送信を実行する場合、利用者はタッチパネルディスプレイ132に表示された画面及び操作キー部134を操作して、ファクス送信の条件を設定した後、ファクス送信の実行を指示するキーを押す。ファクス送信の条件には、相手先のファクス番号、原稿のサイズ、送信画像の濃度、送信画像の画質等がある。同じ原稿を複数の送信先にまとめて送信する同報送信する場合には、送信先毎のファクス番号、送信先毎の送信条件を設定する。
【0048】
図3を参照して、操作部130に表示される各種動作モードの基本画面は、システム領域200、機能設定/確認領域(以下、機能選択領域という)210、プレビュー領域240、アクションパネル領域260、及び、タクストリガー領域280を含む5つの領域から構成される。これら5つの領域は、基本レイアウトにしたがって以下のように配置される。即ち、システム領域200は基本画面の最上部に配置される。プレビュー領域240は基本画面の中央部に配置される。機能選択領域210は、基本画面においてプレビュー領域240に対して左側に配置される。アクションパネル領域260は、基本画面においてプレビュー領域240に対して右側上部に配置される。タクストリガー領域280は、基本画面においてプレビュー領域240に対して右側下部に配置される。上記した各種動作モードの基本画面を構成する5つの領域及び基本レイアウトは、全ての動作モードにおいて共通する。
【0049】
上記した各種動作モードの基本画面の一例として、ファクスモードの基本画面について説明する。図4を参照して、ファクスモードの基本画面300のシステム領域200には、ファクスモードであることを示す文字「ファクス」と、ジョブ状況が表示される。
【0050】
ファクスモードの基本画面300の機能選択領域210には、アドレス帳の表示を要求するためのキー202と、ファクスモードに関する各種機能及びパラメータ等の条件の設定変更を行なうための各種設定キーが表示される。本実施の形態では、上記各種設定キーとして、ファクス原稿の濃度を変更するためのキー212、ファクス原稿の画質を変更するためのキー214、ファクス原稿の送信サイズ等を変更するためのキー216、大量原稿モードを設定するためのキー218、薄紙読込み機能を設定するためのキー220、混載原稿機能を設定するためのキー222、及び、原稿枚数カウント機能を設定するためのキー224が表示される。利用者によってキー212〜216の何れかがタッチされた場合、タッチパネルディスプレイ132に、押下されたキーに対応する設定画面(例えば、濃度設定画面、画質設定画面、及び原稿設定画面等)が表示される。キー218〜224の左端には、チェックボックスが表示される。利用者によって、キー218〜224の何れかがタッチされた場合、タッチされたキーのチェックボックスにチェックマークが表示され、タッチされたキーに対応する機能が設定される。機能選択領域210における上記した各種設定キー212〜224の下方には、各種設定キー212〜224の表示スタイルを変更するためのキー226及び228と、他の機能キー230と、が表示される。キー226は、予め「お気に入り」登録された機能に関する設定キーのみを表示させるためのキーである。キー228は、設定変更された機能に関する設定キーのみを表示させるためのキーである。他の機能キー230は、機能選択領域210に表示されている機能とは異なる他の特別機能の表示を要求するためのキーである。
【0051】
機能選択領域210において、表示対象の全ての設定キーを表示しきれない場合には、各種設定キーは上下方向にスクロール可能に表示される。但し、変更キー226〜230の表示位置は固定されたままである。利用者は、タッチ操作(スクロール操作)又はジェスチャー操作(上下方向のフリック操作)によって、各種設定キーの表示部分を上下方向に切替えることができる。
【0052】
ファクスモードの基本画面300のプレビュー領域240には、ファクス番号等を入力するための仮想テンキー群242と番号表示領域244とが表示される。仮想テンキー群242は、0〜9までの数字キー、「♯」キー等の記号キー、クリア(C)キー、及び、確定キーを含む。番号表示領域244は、利用者によって入力された送信相手先のファクス番号を表示するための領域である。
【0053】
プレビュー領域240にはさらに、原稿載置台又は自動原稿搬送装置(ADF(Auto Document Feeder))(何れも図示せず)にファクス原稿がセットされたか否かを示すアイコン、及び、現在のファクス送信設定状況等を示すウィンドウ246が表示される。
【0054】
ファクスモードの基本画面300のアクションパネル領域260には、ファクスモードにおけるおすすめ機能を実行するための各種実行キーが表示される。図4では、送信先を最近使ったものの中から選択するためのキー262、検索番号(予め登録されたクイック番号)を指定して送信先情報(ファクス番号)を呼出すためのキー264、外部サーバに登録したグローバルアドレス(ファクス番号、メールアドレス等)を検索するためのキー266、直接送信することを指定するためのキー268、宛先を登録又は削除するためのキー270が表示されている。
【0055】
ファクスモードの基本画面300のタスクトリガー領域280には、スキャンインキー282、クリアオールキー(CAキー)284、スタートキー286、及び、オンフックキー288が表示される。スキャンインキー282は、ファクス原稿をスキャンし、スキャンデータに基づくプレビュー画像をプレビュー領域240に表示させるスキャンイン処理の実行を開始するためのキーである。CAキー284は、設定変更された機能及びパラメータ等を全てキャンセルし、設定をデフォルト状態へ戻すためのキーである。スタートキー286は、ファクス送信処理の実行を開始するためのキーである。オンフックキー288は、回線の状態をオンフック状態にするためのキーである。
【0056】
以下、図5を参照して、画像処理装置100において、画像送信を実行するためにCPU102が実行するプログラムの制御構造について説明する。ここでは、画像処理装置100の電源がオンされ、例えば操作部130にホーム画面(各機能を選択するキーが表示された画面)が表示されて、利用者によってファクス送信(ファクスモード)が選択されたとする。
【0057】
ステップ400において、CPU102は、利用者のファクス送信を選択する操作に応じて、図4に示すファクスモードの基本画面を操作部130に表示する。
【0058】
ステップ402において、CPU102は、操作部130が操作されたか否かを判定する。具体的には、操作部130に表示された基本画面上のキーがタッチされたか否かを判定する。何れかのキーがタッチされたと判定された場合、制御はステップ404に移行する。そうでなければ、ステップ402が繰返される。
【0059】
ステップ404において、CPU102は、タッチされたキーがアドレス帳を表示するためのキー202であるか否かを判定する。そうでなければ、制御はステップ420に移行する。
【0060】
ステップ406において、CPU102は、図6に示すアドレス帳ウィンドウ500を操作部130に表示する。アドレス帳ウィンドウ500は、ファクスモードの基本画面300の機能選択領域210及びプレビュー領域240に重畳して表示される。相手先名表示領域516には、HDD108に記憶されているアドレス帳に登録されている相手先名が五十音順に表示される。アドレス帳には、相手先名に対応させて、画像送信の送信先情報(ファクス番号、電子メールアドレス等)と画像送信の種類(ファクス、電子メール等)を特定する情報とが登録されている。1つの相手先名に対して、画像送信の種類を問わず、複数の送信先情報を登録することができる。
【0061】
相手先名表示領域516の各相手先名の先頭には、チェックボックス518及びファクス送信の相手先であることを示すアイコン520が表示される。登録件数が多く、全体を一度に表示できない場合には、一部が表示される。別の相手先名を表示するには、アップキー508又はダウンキー510にタッチする。スライドバー506を上下に移動させても、別の送信先名を表示することができる。
【0062】
キー512及びキー514は、相手先名表示領域516に表示する相手先名を絞込む条件を設定するためのキーである。キー512及びキー514の下部には、設定されている状態が表示されている。図6では、カテゴリーで絞込まれておらず、かつ、ファクス番号が登録されている相手先名が表示され、ファクス番号が登録されていない相手先名は表示されていない。この絞込は、相手先名に対応させて登録されている画像送信の種類を特定する情報によって行なわれる。このように指定されたジョブ(画像送信モード)の種類で絞込まれた相手先名を表示するか、全ての相手先名を表示するかは、後述する画像処理装置の初期設定に依存する。ここでは、アドレス帳を表示することが指示された場合、指定されている画像送信モード(基本画面のモード)で絞込まれた相手先名が表示されるように設定されているとする。キー504がタッチされると、アドレス帳ウィンドウ500は消去される。キー502は、上記したキー264(図4)と同じ機能のキーである。
【0063】
ステップ408において、CPU102は、操作部130が操作されたか否かを判定する。具体的には、操作部130に表示されたアドレス帳ウィンドウ500上の何れかのキーがタッチされたか否かを判定する。何れかのキーがタッチされたと判定された場合、制御はステップ410に移行する。そうでなければ、ステップ408が繰返される。
【0064】
ステップ410において、CPU102は、タッチされたキーが、ジョブの種類(即ち、画像送信の種類)で絞込むためのキー512であるか否かを判定する。キー512であると判定された場合、制御はステップ412に移行する。そうでなければ、制御はステップ432に移行する。
【0065】
ステップ412において、CPU102は、図7に示す絞込ウィンドウ600を、例えばアドレス帳ウィンドウ500に重畳して表示する。絞込ウィンドウ600には、絞込条件を指定するためのキーが表示される。キー604は、絞込まない、即ち、画像送信の種類によらず全ての相手先名を表示させるためのキーである。キー606は、電子メールアドレスが登録されている相手先名のみを表示させるためのキーである。キー608は、ファクス番号が登録されている相手先名のみを表示させるためのキーである。これら以外にも、共有フォルダキー610、FTP/Desktopキー612、インターネットファクスキー614が表示される。これらのキーは、それぞれの画像送信の送信先情報が登録された相手先名のみを表示させるためのキーである。送信先情報は、共有フォルダであれば、共有フォルダへのパス、FTP/Desktopであれば、FTPサービスを提供しているサーバ等へのパス、インターネットファクスであれば電子メールアドレスである。図7の絞込ウィンドウ600は、図6の画面(ファクスモードの基本画面)においてキー512がタッチされた場合に表示され、キー608が選択されていることを、白黒反転表示で示されている。キー602がタッチされると、絞込ウィンドウ600は消去される。
【0066】
ステップ414において、CPU102は、操作部130が操作されたか否かを判定する。具体的には、操作部130に表示された絞込ウィンドウ600上の何れかのキーがタッチされたか否かを判定する。何れかのキーがタッチされたと判定された場合、制御はステップ416に移行する。そうでなければ、ステップ414が繰返される。
【0067】
ステップ416において、CPU102は、タッチされたキーが、絞込ウィンドウ600を閉じるためのキー602であるか否かを判定する。キー602であると判定された場合、制御はステップ436に移行する。そうでなければ、制御はステップ418に移行する。
【0068】
ステップ418において、ステップ414でタッチされたと判定されたキーに対応する絞込条件を設定した後、制御はステップ414に戻る。絞込ウィンドウ600には、絞込条件を指定するための6つのキー604〜614と、絞込ウィンドウ600を閉じるキー602のみが配置されているので、キー602以外のキーがタッチされた場合、タッチされたキーは絞込条件を指定するためのキー604〜614の何れかである。絞込条件は、例えば、6つのキーの各々に対応させた情報である。絞込条件は、例えばRAM106の所定領域に記憶される。
【0069】
キー602がタッチされた場合、ステップ436において、CPU102は、絞込ウィンドウ600を消去し、ステップ418で設定された絞込条件に対応する画像送信モードの基本画面を表示した後、ステップ406に戻る。
【0070】
このように、ステップ412〜418及び436によって、利用者は、アドレス帳ウィンドウ500に表示させる相手先名の条件を指定することができる。利用者によって、所定の絞込条件を指定するための6つのキーのうちの何れかがタッチされた後、キー602がタッチされた場合、指定された絞込条件に対応する画像送信モードの基本画面の上に、指定された絞込条件を満たすアドレス帳ウィンドウが表示される。例えば、図7の絞込ウィンドウ600上のキー606がタッチされた後、キー602がタッチされると、図8に示す画面が表示される。図8の画面は、図6と異なり、左上に「E−mail」と表示された電子メール送信の基本画面である。アクションパネル領域には、電子メール送信特有のキー706が表示されている。キー706は、ファクス送信と同じ相手に送信する場合、電子メール送信で使用されるデフォルトの解像度の代わりに、ファクスと同じ解像度で電子メール送信することを指定するためのキーである。アドレス帳ウィンドウ700は、アドレス帳ウィンドウ500と異なり、キー702の下部には「E−mail」と表示されており、相手先名表示領域516には、電子メールアドレスが登録されている相手先名のみが表示されている。各相手先名の前には、電子メールを表すアイコン704が表示されている。
【0071】
ステップ410において、キー512以外のキーがタッチされたと判定された場合、ステップ432において、CPU102は、タッチされたキーがアドレス帳ウィンドウ500を閉じるキー504であるか否かを判定する。キー504でないと判定された場合、制御はステップ434に移行する。そうでなければ、制御はステップ400に戻る。
【0072】
ステップ434において、CPU102は、タッチされたキーに該当する処理を実行する。その後、制御はステップ406に戻る。例えば、アドレス帳ウィンドウ500上で、利用者は相手先名にタッチして、ファクス送信する相手先を指定することができる。相手先名がタッチされた場合、その相手先名の前のチェックボックス518にチェックマークが付されたアドレス帳ウィンドウ500が、ステップ406の処理によって表示される。また、キー514がタッチされた場合、上記したジョブの種類に関する絞込条件を指定する処理と同様に、表示させる相手先名をカテゴリーで絞込むことができる。カテゴリーとは、1つ又は複数の相手先名を1つのグループにまとめたものである。各カテゴリー名に、1つ又は複数の相手先名を対応させてHDD108に記憶している。キー514がタッチされた場合、カテゴリー名のリストが表示され、利用者は絞込むカテゴリー名を指定することができる。絞込むカテゴリーが指定されると、アドレス帳ウィンドウ500が再表示され、カテゴリーが指定される前に表示されていた相手先名のうち、指定されたカテゴリーに属する相手先名のみが表示される。カテゴリーで絞込む処理は、上記したジョブ種類で絞込む処理と同様である。但し、カテゴリーの絞込条件が変更されても基本画面は変更されない。
【0073】
このようにステップ406〜418及び432〜436が繰返されることによって、画像送信の種類及び送信相手先名が指定される。
【0074】
ステップ404において、タッチされたキーがアドレス帳を表示するためのキー202でなければ、ステップ420において、CPU102は、タッチされたキーがスタートキー286であるか否かを判定する。タッチされたキーがスタートキー286であると判定された場合、制御はステップ422に移行する。そうでなければ、制御はステップ430に移行する。
【0075】
スタートキー286以外のキーがタッチされた場合、ステップ430において、CPU102は、タッチされたキーに該当する処理を実行する。その後、制御はステップ400に戻る。これによって、例えば、機能選択領域210に配置されたキーがタッチされた場合、ファクス機能に関する設定が行なわれる。仮想テンキー群242が操作された場合、ファクス番号が直接入力される。アクションパネル領域260に配置されたキーがタッチされた場合、該当する処理が実行される。
【0076】
スタートキーがタッチされた場合、ステップ422において、CPU102は、画像データの送信先を決定する。上記したように、ステップ430で、ファクス番号が仮想テンキー群242を介して直接入力された場合、そのファクス番号が送信先として決定される。また、上記したように、利用者がアドレス帳を表示させて相手先名を選択した場合、選択された相手先名に対応する送信先情報を送信先として決定する。このとき、各相手先名に対応させて複数種類の画像送信の送信先情報が登録されている場合、どの種類の画像送信の送信先情報を使用するかは、画像処理装置100の設定によって異なる。具体的に説明すれば次の通りである。
【0077】
図9を参照して、画像処理装置100の設定画面800は、例えば、管理者によって操作部130が所定の操作を受けた場合に表示される。図9には、画像処理装置100の初期設定の一部の項目が表示されている。別の設定項目を表示させるためには、ページ送りキー又はスクロールバー(何れも図示せず)が操作される。設定画面800で設定された内容は、画像処理装置100が起動されるときにHDD108から、RAM106の所定領域に読出される。登録キー804がタッチされることによって、RAM106上の該当するデータが更新される。HDD108に記憶された該当するデータも更新される。
【0078】
アドレス帳のデフォルト設定に関する領域802には、上記したようにアドレス帳から相手先名が選択された場合、ステップ422で決定される送信先として、指定されている画像送信モードの送信先情報のみを用いるか否かを定めるための領域である。図9では、「送信するモードのみの宛先を適用する」のチェックボックスにチェックマークが付されており、各相手先名に対応させて登録された送信先情報のうち、送信モードに対応する送信先情報のみに対して送信するように設定されている。この設定状態であれば、上記したように、ファクスモードが選択され、アドレス帳ウィンドウ500に表示される複数の相手先名の中から相手先名が選択された場合、選択された相手先名に対応するファクス番号のみが送信先として決定される。選択された相手先名に対応させて、電子メールアドレス等のファクス番号以外の送信先情報が登録されていても、それらは送信先としては使用されない。一方、「送信するモードのみの宛先を適用する」のチェックボックスにチェックマークが付されていなければ、選択された相手先名に対応させて、電子メールアドレス等のファクス番号以外の送信先情報が登録されていた場合、それらも送信先として決定される。
【0079】
アドレス帳ウィンドウ500に表示される相手先名のリストがどのようなリストであるかは、キー512の下部に、ファクス、E−mail等の文字で表示されるが、ステップ422で決定される送信先は、キー512の下部の表示には依存しない。ステップ422で決定される送信先は、アドレス帳ウィンドウ500で選択された相手先名、及び「送信するモードのみの宛先を適用する」設定が有効になっている(チェックされている)か否かによって決定される。
【0080】
領域802の「デフォルトで表示するカテゴリー」に関する設定は、アドレス帳ウィンドウ500を表示した場合に、表示される相手先名が属するカテゴリーを指定するためデフォルト設定である。図9では、何れのカテゴリーの設定されていない。この設定であれば、図6に示したように、キー514には「絞込まない」と表示される。
【0081】
領域802の「表示中のモードによらず全ての宛先種類を表示する」のチェックボックスにチェックマークが付されていれば、アドレス帳を表示した場合に、指定されている送信モードに依存せず、全ての相手先名が表示される。図9では、チェックマークが付されていないので、ステップ406に関して上記したように、アドレス帳を表示することが指示された場合、指定されている画像送信モードで絞込まれた相手先名が表示される。また、図9には、画像送信する場合の画像セット方向が設定されている。
【0082】
画像データの送信先が決定された後、ステップ424において、CPU102は、送信用画像データを生成する。具体的には、原稿読取部110を制御して原稿をスキャンし、原稿を画像データとして記憶し、送信モードに応じた画像データを生成する。例えば、ファクス送信の条件(カラー又は白黒、解像度等)に応じたファクス送信用の画像データを生成する。
【0083】
ステップ426において、CPU102は、ステップ422で決定された送信先(例えばファクス番号)に、ステップ424で生成した画像データ(ファクス送信用画像データ)を送信する。
【0084】
ステップ428において、全種類の画像送信が終了したか否かを判定する。画像処理装置100の初期設定として、「送信するモードのみの宛先を適用する」のチェックボックスにチェックマークが付されており、ファクス送信が指定されていれば、ステップ422においてファクス番号のみが送信先として決定されるので、ステップ428での判定結果はYESとなり、終了する。一方、「送信するモードのみの宛先を適用する」のチェックボックスにチェックマークが付されていなければ、ファクス送信が選択されていても、ステップ422によってファクス番号以外の送信先にも送信される。したがって、ファクス番号に送信した段階では、ステップ428での判定結果はNOとなり、ステップ424に戻り、別の種類の画像送信を実行する。例えば、ステップ422において送信先として電子メールアドレスが決定されていれば、ステップ424において、CPU102は、先に実行されたステップ424において記憶した原稿の画像データから、電子メール送信用の画像データを生成する。そして、ステップ426において、ステップ422で決定された電子メールアドレスに、ステップ424で生成した画像データ(電子メール送信用画像データ)を送信する。相手先名に対応する送信先情報として、その他の種類の画像送信の送信先情報が登録されていた場合にも、同様にステップ424及びステップ426が繰返される。
【0085】
以上により、利用者が直接ファクス番号を入力してファクス送信する場合、ステップ400〜404、420〜428、及び430が実行されて、ファクス送信される。利用者が、ファクスモードの基本画面からアドレス帳を呼出して相手先を選択してファクス送信する場合、ステップ400〜410及び420〜434が実行されて、ファクス送信される。また、利用者が、ファクス送信の基本画面300からアドレス帳を呼出した後に、ファクス送信以外の画像送信に変更して送信する場合、ステップ400〜436(特に、ステップ418)が実行され、画像送信される。
【0086】
また、利用者が、操作部130を操作してアドレス帳を表示させるとき、送信モードを指定して、その送信モードの送信先情報が登録されている相手先名のみを表示させることができる。その送信モードの送信先情報が登録されていない相手先名は表示されないので、不要な相手先名が表示されて、利用者が混乱することがない。したがって、利用者は相手先名を容易に選択することができる。
【0087】
また、利用者がリストされた相手先名から特定の相手先名を選択してファクス送信する場合、アドレス帳のデフォルト設定が、送信モードのみの宛先情報を使用するように設定されていれば、選択された相手先名に対応させてファクス番号以外の送信先が登録されていたとしても、ファクス番号のみに画像送信が実行される。したがって、選択された相手先名に対応させて電子メールアドレス等の、ファクス番号以外の送信先情報が登録されていても、それらへの送信を防止することができる。
【0088】
上記では、ホーム画面において、利用者がファクス送信(ファクスモード)を選択した場合を説明したが、これに限定されない。画像送信が、電子メール送信(例えばスキャンtoメール)、インターネットファクス送信、画像送信モード(スキャンtoフォルダ)等であっても、同様に、画像処理装置のアドレス帳のデフォルト設定が、送信モードのみの宛先情報を使用するように設定されていれば、指定された画像送信以外の送信を防止することができる。
【0089】
なお、画像処理装置100の管理者が、利用者が画像処理装置を使用する状況に応じて、「送信するモードのみの宛先を適用する」のチェックボックスにチェックマークを付すか、外すかを適切に設定することにより、利用者は効率的に画像処理装置100を用いて画像送信を行なうことができる。例えば、アドレス帳の相手先名に複数の送信先情報が登録されているが、何れか1つの画像送信モードでのみ送信することが要求される場合には、「送信するモードのみの宛先を適用する」のチェックボックスにチェックマークが付されることが好ましい。一方、ファクス送信及び電子メール送信等、送信モードを区別せずに同報送信することが要求される場合には、「送信するモードのみの宛先を適用する」のチェックボックスにチェックマークを付さないことが好ましい。
【0090】
上記では、アドレス帳に、相手先名に対応させて、画像送信の送信先情報と画像送信の種類を特定する情報とが登録され、画像送信の種類を特定する情報を用いて、絞込条件を満たす相手先名を特定する場合を説明したが、これに限定されない。画像送信の種類を特定する情報は、アドレス帳に含まれなくてもよい。画像送信の種類に応じて、送信先情報は異なる。例えば、ファクス番号であれば所定桁数の数字列であり、電子メールアドレスであれば“@”が含まれている。したがって、送信先情報から対応する画像送信の種類を特定することができるので、絞込条件を満たす相手先名を特定することができる。
【0091】
以上、実施の形態を説明することにより本発明を説明したが、上記した実施の形態は例示であって、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、種々変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0092】
100 画像処理装置
102 制御部(CPU)
104 ROM
106 RAM
108 HDD
110 原稿読取部
112 ファクス通信部
114 ネットワークI/F
116 バス
120 画像形成部
122 画像処理部
124 画面生成部
130 操作部
132 タッチパネルディスプレイ
134 操作キー部
140 給紙部
142 手差し給紙トレイ
150 排紙処理部
152 排紙トレイ
180 公衆電話回線
182 ネットワーク


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを送信する送信先情報を相手先名に対応させて記憶する記憶手段と、
画像送信モードの指定、及び、相手先名を表示する指示を受付ける操作手段と、
前記記憶手段が少なくとも1つの前記相手先名に複数種類の画像送信モードの送信先情報を対応させて記憶した状態で、前記操作手段が画像送信モードの指定、及び、相手先名を表示する指示を受付けた場合、前記記憶手段に記憶された相手先名のうち、指定された画像送信モードの送信先情報に対応する相手先名のみを読出す制御手段と、
前記制御手段によって読出された前記相手先名を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、さらに複数の前記相手先名を1つのグループとして記憶し、
前記操作手段は、さらに前記グループの指定を受付け、
前記操作手段が画像送信モードの指定、グループの指定、及び、相手先名を表示する指示を受付けた場合、前記制御手段は、指定されたグループに属する相手先名のうち、指定された前記画像送信モードの送信先情報に対応する相手先名のみを、前記記憶手段から読出すことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記操作手段が画像送信モードの指定、及び、相手先名を表示する指示を受付け、前記表示手段が指定された画像送信モードの送信先情報に対応する相手先名のみを表示した状態で、前記操作手段が、指定された前記画像送信モードと異なる新たな画像送信モードの指定を受付けた場合、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された相手先名のうち、前記新たな画像送信モードの送信先情報に対応する相手先名のみを読出すことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記制御手段の動作を指定する読出動作指定情報をさらに記憶し、
前記記憶手段が少なくとも1つの前記相手先名に複数種類の画像送信モードの送信先情報を対応させて記憶した状態で、前記操作手段が画像送信モードの指定、及び、相手先名を表示する指示を受付けた場合、前記制御手段は、前記読出動作指定情報に応じて、前記記憶手段に記憶された相手先名の全てを読出す、又は、指定された画像送信モードの送信先情報に対応する相手先名のみを読出すことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記操作手段は、さらに、前記表示手段により表示された複数の相手先名の中から相手先名を選択する操作と、前記画像データの送信指示とを受付け、
前記操作手段が前記送信指示を受付けた場合、選択された相手先名に対応する送信先情報のうち、選択された画像送信モードの送信先情報のみに対して前記画像データを送信する送信手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記送信手段の動作を指定する送信動作指定情報をさらに記憶し、
前記操作手段が前記送信指示を受付けた場合、前記送信手段は、前記送信動作指定情報に応じて、選択された相手先名に対応する送信先情報の全てに対して前記画像データを送信する、又は、選択された相手先名に対応する送信先情報のうち、選択された画像送信モードの送信先情報のみに対して前記画像データを送信することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−5420(P2013−5420A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138101(P2011−138101)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】