説明

画像出力装置及びそのプログラム

【課題】スナップショットを使用してOSを起動するとき、表示装置が表示可能な解像度の画像データを出力すること。
【解決手段】画像出力装置は、異なる解像度の画像データを含んだスナップショットを複数有し、起動時に画像出力装置に設定されている解像度設定を読み出し、読み出される解像度と一致する解像度の画像データを含むスナップショットを選択し、OSを起動する。その結果、画像出力装置を短時間で起動することができ、かつ、表示装置に画像を確実に表示できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オペレーティングシステムに基づいて動作する画像出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家電製品や産業製品に内蔵されるマイクロコンピュータを制御するために、システムソフトウエアを搭載した組み込み機器が増えている。システムソフトウエアとは、たとえばオペレーティングシステム(以下、OSという。)である。組み込み機器とは、携帯電話や、カーナビ、携帯ゲーム機、HDDレコーダ、ロボット、通信機器などである。組み込み機器はPCと、自律性を有するか否かなどの観点で区別される。組み込み機器は自律性を有する。OSを搭載することで、大規模で複雑な製品の開発容易性が向上する。
【0003】
ところが、組み込み機器に、たとえば組み込み機器のOSとして広く利用されつつあるLinux OSを搭載した場合、OSがシャットダウンした状態から、電源が再投入され、OSが起動し、組み込み機器が利用可能な状態になるまでに時間がかかるという問題が指摘されている。
【0004】
組み込み機器の起動時間を短縮する方法として、ハイバネーション技術がある。PCにおけるハイバネーション技術は、シャットダウン時にシャットダウン時のプロセッサ、レジスタ、及び周辺機器のレジスタ、メインメモリーなどの内容をスナップショットとしてハードディスク装置等に書き込む。スナップショットの生成にはある程度の時間がかかる。そして、次回電源が投入されたとき、ハードディスクからスナップショットを読み出し、前回電源を切断する直前の状態に復帰する。これに対し、組み込み機器のハイバネーション技術は、電源切断時にスナップショットを保存する処理を行わない。組み込み機器が電源切断時にスナップショットを保存しないのは、ユーザが電源を遮断する操作をしたのち、すぐに電源が落ちる必要があるからである。したがって、ユーザが電源を再投入しても前回電源を遮断した状態に復帰するわけではない。必ず決まった状態に復帰する。復帰状態は組み込み機器の開発時に決められる。具体的にはOSとアプリケーションソフトウエアが起動した後の状態などである。すなわち、組み込み機器においてスナップショットは固定されたイメージファイルである。
【0005】
ところで、組み込み機器が、画像データを出力する機能を有し、表示装置を接続可能な機器(以下、画像出力装置という。)である場合、固定されたスナップショットを利用すると、表示装置の解像度に対応した画像データを含むスナップショットでない限り、表示装置に正常に画像が表示されないという問題が生じる。
【0006】
上記問題を解決する手段として、画像データ以外の情報を含むスナップショットを画像出力装置に保存しておき、起動時にスナップショットを用いて画像出力に関する設定以外の設定を完了し、画像出力に関する設定は、従来の起動シーケンス(たとえば、Linux OSにおけるX Windowの起動シーケンスなど。)を実行する方法がある。しかしながら、この方法では、画像データの設定シーケンスの処理に時間がかかり、スナップショットを利用して起動することで画像出力装置の起動時間を短縮するという課題を解決できない。
【0007】
特開2010−98533号公報には、画像形成装置の操作部のRAMに画像表示用データを記憶した状態をスナップショットデータとして不揮発性メモリに保存し、次のハイバネーション起動時にスナップショットを呼び出し、高速に画面表示(操作部を起動)することが記載されている。
【0008】
しかし、上記技術によると、画像出力装置に、画像出力装置が想定していない解像度に対応した表示装置が接続された場合、画像を正常に表示装置に表示することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−98533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、OSを搭載する画像出力装置がスナップショットを使用して起動する場合、画像出力装置に接続される表示装置に確実に画像を表示することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の好ましい実施形態による画像出力装置は、システムソフトウエアに基づいて動作し、表示部を備える表示装置が接続可能である画像出力装置であって、画像データを出力する画像出力部と、複数の解像度の前記画像データを含むスナップショットを記憶するスナップショット記憶手段と、前記画像出力部から出力する前記画像データの解像度を設定する解像度設定手段と、前記解像度設定手段によって設定される解像度に対応する前記画像データを含む前記スナップショットを選択する、スナップショット選択手段と、前記スナップショット選択手段によって選択される前記スナップショットを用いて前記システムソフトウエアを起動する起動手段とを備える。
【0012】
画像出力装置は、各々が相互に異なる解像度の画像データを含んだスナップショットを複数個有し、画像出力装置に設定されている解像度と一致する解像度の画像データを含むスナップショットを選択し、選択したスナップショットを使用し、OSを起動する。選択されたスナップショットは、前回画像出力装置に設定されていた解像度の画像データを含むので、画像出力装置が起動するとき、表示装置に確実に画像が表示することができる。
【0013】
好ましい実施形態においては、前記表示装置が表示可能な解像度の情報を含む表示装置情報を前記表示装置から取得する、表示装置情報取得手段をさらに備え、前記スナップショット選択手段が、前記表示装置情報に含まれる複数の解像度と、前記スナップショット記憶手段に記憶されている前記スナップショットの前記画像データの解像度とを比較し、一致する解像度のうち、所定の条件によって設定される解像度の前記画像データを含む前記スナップショットを選択する。
【0014】
画像出力装置は、起動時に接続されている表示装置の情報を表示装置から取得し、表示装置が出力可能な解像度の画像データを含むスナップショットを選択する。この結果、画像出力装置は、表示装置が表示可能な解像度の画像データを確実に表示装置に出力できる。
【0015】
本発明の別の好ましい実施形態による画像出力装置は、起動時に、前記画像出力装置がオフ状態中に、前記画像出力装置に接続される前記表示装置が変更されたか否かを判断する表示装置変更検知手段をさらに備え、前記表示装置変更検知手段が、前記画像出力装置に接続される前記表示装置が、前回前記画像出力装置が稼働中に接続されていた前記表示装置から変更されていないと判断した場合、前記解像度設定手段によって設定されている解像度の前記画像データを含む前記スナップショットを選択する。
【0016】
画像出力装置は、画像出力装置が前回稼働時に接続されていた表示装置と、起動時に接続されている表示装置とが同一であるか否かを判断し、同一である場合に、画像出力装置に設定されている解像度の画像データを含むスナップショットを選択する。この結果、前回画像出力装置が稼働中に表示装置に表示していた解像度と同一の解像度で、画像を表示装置に確実に表示することができる。
【0017】
本発明の別の好ましい実施形態による画像出力装置は、通信方式別の複数の解像度の前記画像データを含む前記スナップショットを記憶する通信方式別スナップショット記憶手段と、前記画像出力装置のいずれの前記通信方式を使用するかを設定する通信方式設定手段とをさらに備え、前記スナップショット選択手段は、前記通信方式設定手段によって設定されている前記通信方式の前記スナップショットのうち、前記解像度設定手段によって設定されている解像度の前記画像データを含む前記スナップショットを選択する。
【0018】
画像出力装置は通信方式別のスナップショットを有するので、画像出力装置に設定される通信方式に適したスナップショットを選択する。この結果、複数の通信方式を備える画像出力装置は、現在設定されている通信方式用のスナップショットを選択し、起動することができる。
【0019】
本発明の別の好ましい実施形態による画像出力装置は、ユーザに解像度の設定を確認する必要があるか否かを判断するユーザ確認判断手段と、前記ユーザ確認判断手段が、ユーザに解像度の設定を確認する必要があると判断した場合、前記表示装置に表示中の解像度を変更するか否かを通知する前記画像データを前記表示装置へ送信する確認画面送信手段とをさらに備え、ユーザ操作によって解像度を変更する指示が入力されたとき、前記画像出力部はユーザによって指定される変更後の解像度の前記画像データを出力する。
【0020】
画像出力装置が起動時に解像度設定を正常に読み出せない場合や、表示装置の表示装置情報を取得できない場合がある。そのとき、画像出力装置が起動後に、ユーザが所望する解像度と異なる解像度の画像が表示装置に表示される可能性がある。ユーザが所望する解像度と異なる解像度で表示装置が表示している可能性がある場合、画像出力装置はユーザに解像度の変更確認を行う通知を行い、解像度の確認と変更を促すことが可能となる。この結果、ユーザは別途操作をしなくても、解像度の設定を開始することができる。
【0021】
本発明の別の好ましい実施形態による画像出力装置は、前記画像出力装置が稼働中に、ユーザによって解像度が変更された場合、変更後の解像度の前記画像データを含む前記スナップショットが存在するか否かを判断するスナップショット確認手段をさらに備え、前記スナップショット確認手段によって、変更後の解像度の前記画像データを含む前記スナップショットが存在しないと判断されたとき、新たな前記スナップショットを生成する必要があることを示すファイルを記憶するスナップショット生成情報記憶手段と、起動時に、前記スナップショット生成情報記憶手段によって記憶された前記ファイルが存在するか否かを判断するスナップショット生成判断手段と、前記スナップショット生成判断手段が、前記スナップショット生成情報記憶手段によって記憶された前記ファイルが存在すると判断した場合、前回稼働中に設定されていた解像度の前記画像データを含む前記スナップショットを生成するスナップショット生成手段とを備える。
【0022】
画像出力装置は、画像出力装置に設定されている解像度の画像データを含むスナップショットを記憶していない場合、起動時に、前回稼働中に設定されていた解像度の画像データを含むスナップショットを生成する。この結果、画像出力装置は、新たに生成されるスナップショットを用いて高速に起動することができる。
【発明の効果】
【0023】
OSを搭載する画像出力装置がスナップショットを使用して起動する場合、画像出力装置に接続される表示装置に確実に画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の好ましい実施形態による画像表示システム図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態による画像出力装置のブロック図である。
【図3】スナップショットのリストである。
【図4】スナップショットのリストである。
【図5】画像出力装置に設定される解像度設定である。
【図6】ブートローダがOSを起動するフローチャートである。
【図7】ブートローダがOSを起動するフローチャートである。
【図8】ブートローダがOSを起動するフローチャートである。
【図9】表示装置情報である。
【図10】OSが起動するフローチャートである。
【図11】EEPROMに保存されるスナップショットである。
【図12】EEPROMに保存されるスナップショットである。
【図13】スナップショットのEEPROM上の所在情報を管理するテーブルである。
【図14】OSが起動後に、解像度設定を確定するフローチャートである。
【図15】OSが起動後に、解像度設定を確定するフローチャートである。
【図16】OSが起動後に、解像度設定を確定するフローチャートである。
【図17】OSが起動するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施形態による画像出力装置について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図1は、本発明の好ましい実施形態による画像表示システムの構成図である。画像出力装置100は、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)、DVI(Digital Visual Interface)、コンポジット、D−Sub(D−subminiature)、コンポーネントなどの通信方式により表示装置200と接続可能である。
【0026】
画像出力装置100は、たとえばAVアンプ、カメラ及びビデオカメラ等の画像データを出力できる端子を備える装置である。画像出力装置100は、静止画や動画などの画像データを出力する。
【0027】
表示装置200は、ディスプレイ機能のみを有するモニタでもよいし、テレビなどのように表示機能以外の機能を有する映像受信機器でもよい。
【0028】
図2は、本発明の好ましい実施形態による画像出力装置100の構成を示すブロック図を示す。画像出力装置100は、EEPROM10、制御部11、通信部12、及びRAM13を備える。制御部11は、画像出力装置100を制御するものであり、たとえばマイコンやCPU等である。EEPROM10は、ブートローダ10A、OS10B、カーネル10C、スナップショット10D、スナップショット解像度対応リスト10E、解像度設定10F、表示装置情報10G、確認ファイル10H、スナップショット所在情報10I、スナップショット展開プログラム10J、及びアプリケーション10Kを含む。EEPROM10は、フラッシュメモリであってもよい。また、ブートローダ10A、OS10B、カーネル10C、スナップショット展開プログラム10J、及びアプリケーション10K等が、システムアップデート等で書き換えられる可能性がない場合は、図示しないROMに記憶していてもよい。なお、スナップショット10Dは、複数存在する。RAM13は、起動中のOS10B、実行中のアプリケーション10K、展開後のスナップショット10Dなど、画像出力装置100が稼働中の一時的な情報を記憶する、揮発性のメモリである。
【0029】
通信部12は、表示装置200とHDMIケーブル、DVIケーブル、D−Subケーブル、コンポジットケーブル及びコンポーネントケーブル等を介して通信する。通信部12は表示装置200に表示する画像データの送信処理や表示装置200の表示装置情報10Gの受信処理を実行する。
【0030】
図3は、スナップショット10Dが有する画像データの解像度情報を管理する、スナップショット解像度対応リスト10Eを示す。スナップショット解像度対応リスト10Eは、スナップショット名と、スナップショット10Dが含む画像データの解像度とを管理する。たとえば、スナップショット1は、320×240ピクセルの解像度の画像データを含むスナップショット10Dである。スナップショット10Dは、EEPROM10が許容する範囲内であれば、いくつあってもよい。
【0031】
図5は、解像度設定10Fである。画像出力装置100は、図示しない操作部を介し、通信部12から出力する画像データの解像度を設定可能である。解像度設定10Fは、画像出力装置100に設定されている解像度を管理している。
【0032】
以上の構成を備える画像出力装置100は、各々が相互に異なる解像度の画像データを含むスナップショット10Dを複数個記憶している。そして、ブートローダ10Aは、起動時に、画像出力装置100に設定されている解像度設定10Fを読み出し、その解像度と一致する解像度の画像データを含むスナップショット10Dを選択し、OS10Bを起動する。解像度設定10Fは前回画像出力装置100が稼働中に出力していた画像の解像度であるので、解像度設定10Fと一致する解像度の画像データを含むスナップショット10Dを用いれば、起動時に確実に表示装置200に画像を表示することができる。
【0033】
[OSを起動する実施形態1]
以下、本発明の動作を説明する。まず、OS10Bを起動する第1の実施形態を説明する。図6は、画像出力装置100のブートローダ10AがOS10Bを起動するフローチャートを示す。実施形態1では、解像度設定10Fに設定されている解像度の画像データを含むスナップショット10Dを選択し、OS10Bを起動する。
【0034】
画像出力装置100の電源が投入されると、ブートローダ10Aが起動される。ブートローダ10Aは、解像度設定10FがEEPROM10に記憶されているか否かを判断する(S11)。
【0035】
ブートローダ10Aが、解像度設定10Fが記憶されていると判断した場合(S11でYES)、解像度パラメータに、解像度設定10Fの値を設定する(S12)。解像度パラメータとは、OS10Bの起動時にカーネル10Cに設定するパラメータである。たとえば、図5に示す解像度設定10Fが設定されている場合、解像度パラメータの値は1024×768である。
【0036】
ブートローダ10Aは、OS10Bを起動する(S13)。ブートローダ10AはOS10Bを起動するとき、解像度パラメータをOS10Bのカーネル10Cに渡す。カーネル10Cとは、OS10Bの中核機能を有するソフトウエアである。以後、カーネル10Cがスナップショット10Dを読み込み、スナップショット10DをRAM13へ展開し、レジスタの設定等を行い、画像出力装置100を利用可能な状態に設定する。
【0037】
ブートローダ10Aが、解像度設定10Fが記憶されていないと判断した場合(S11でNO)、ブートローダ10Aは、解像度パラメータを、スナップショット解像度対応リスト10Eの中で最も低い解像度に設定する(S14)。たとえば、図3のスナップショット解像度対応リスト10Eの場合、最も低い解像度は320×240であるので、解像度パラメータには320×240が設定される。すなわち、電源が切断される前に画像出力装置100が出力していた画像データの解像度が不明であるので、最も低い解像度の画像データを表示装置200に伝送し、表示装置200が画像を表示不可能となる確率を下げる。
【0038】
ブートローダ10Aは、確認ファイル10Hを保存する(S15)。確認ファイル10Hとは、OS10Bが起動した後、ユーザに解像度の設定を変更するか否かを確認する通知をするか否かをアプリケーション10Kが判断するためのファイルである。確認ファイル10Hは、ブートローダ10Aと、カーネル10Cとの両者が参照できる記憶領域に保存する。なお、確認ファイル10Hの保存先は、EEPROM10でもよいし、RAM13でもよい。なぜなら、確認ファイル10Hは、画像出力装置100が稼働中にのみ参照されるからである。解像度の設定を変更する処理の詳細については、後述する。
【0039】
ブートローダ10Aは、表示装置200から表示装置情報10Gを取得し、保存する(S16)。表示装置情報10Gについての詳細は、後述する。
【0040】
ところで、画像出力装置100が複数の異なる通信方式の出力端子を備え、それらの出力端子に表示装置200が同時に接続されることがある。その場合、画像出力装置100が各出力端子のいずれの端子から画像を出力するかは、ユーザが画像出力装置100に設定する。そして、画像出力装置100は、設定された出力端子からのみ画像を出力する。たとえば、画像出力装置100において、ユーザによって画像を出力する端子がHDMIに設定されている場合、HDMI端子のみから映像が出力される。
【0041】
ところで、たとえばHDMI用のスナップショット10Dは、DVI用のスナップショット10Dと互換性がない。従って、スナップショット10Dは、通信方式別に用意する必要がある。図4は、通信方式別のスナップショット10Dを管理するスナップショット解像度対応リスト10Eを示す。スナップショット解像度対応リスト10Eは、HDMI、DVI、RGB用のスナップショット10Dの情報を管理している。たとえば、画像出力装置100において出力設定がHDMIになっている場合、図4のスナップショット解像度対応リスト10EのHDMI用のスナップショット10Dが用いられる。なお、以下の説明では、本願発明の説明を明確にするために、画像出力装置100の出力設定は、HDMIにされており、HDMI端子からのみ表示装置200へ画像が出力される状態を想定する。
【0042】
以上の実施形態1によると、画像出力装置100は、解像度設定10Fに記憶されている解像度の設定に従い、その解像度の画像データを含むスナップショット10Dを選択する。この結果、画像出力装置100が起動するとき、表示装置200に確実に画面が表示される。
【0043】
[OSを起動する実施形態2]
図7は、ブートローダ10AがOS10Bを起動する第2の実施形態のフローチャートを示す。図6と同一の処理には同一符号を付し、説明を省略する。第2の実施形態では、画像出力装置100は表示装置200が表示可能な解像度を取得し、表示装置200が表示可能な解像度の画像データを含むスナップショット10Dを選択する。
【0044】
画像出力装置100の電源が投入されると、ブートローダ10Aが起動される。ブートローダ10Aは、接続されている表示装置200の情報である表示装置情報(たとえば、EDID(Extended display identification data)。)10Gを表示装置200から取得する(S21)。図9はEDID10Gの例を示す。EDID10Gには、表示装置200のメーカー名、モデル名、スクリーンサイズ及び解像度の対応状況などが記載されている。ブートローダ10AがEDID10Gを取得する手段として、画像出力装置100のハードウエアへ直接アクセスして取得する方法及びBIOS経由で取得する方法などがある。
【0045】
ブートローダ10Aは、スナップショット解像度対応リスト10Eに記載されている解像度と、EDID10Gに記載されている解像度リストとを照合し、スナップショット解像度対応リスト10Eに記載されている解像度とEDID10Gの解像度とが一致する解像度の中から、所定の条件によって解像度を選択する(S22)。ここで、所定の条件とは、好ましくはスナップショット解像度対応リスト10Eに記載されている解像度とEDID10Gの解像度とが一致する解像度の中で最大の解像度とするが、スナップショット解像度対応リスト10Eに記載されている解像度とEDID10Gの解像度とが一致する解像度の中の2番目の解像度などとしてもよい。たとえば、図3のスナップショット解像度対応リスト10Eと図9のEDID10Gとは、両方とも1024×768の解像度を記載しており、1024×768が最も高い解像度である。したがって、ブートローダ10Aにより、1024×768が特定される。
【0046】
ブートローダ10Aは、解像度パラメータにS22で特定された解像度を設定する(S23)。そしてブートローダ10Aは、OS10Bを起動する(S13)。
【0047】
以上の実施形態2によると、画像出力装置100は、表示装置200が対応する解像度情報を取得し、表示装置200が表示可能な解像度の画像データを含むスナップショット10Dを用いるので、確実に表示装置200に画像が表示される。
【0048】
[OSを起動する実施形態3]
図8は、ブートローダ10AがOS10Bを起動する第3の実施形態のフローチャートを示す。図6または図7と同一の処理には同一符号を付し、説明を省略する。第3の実施形態では、画像出力装置100は、起動時に、画像出力装置100に接続されている表示装置200と、前回画像出力装置100が稼働中に接続されていた表示装置200とが同一か否かを判断する。画像出力装置100が起動時に接続されている表示装置200と、前回画像出力装置100が稼働中に接続されていた表示装置200とが同一であると判断されると、解像度設定10Fに設定されている解像度の画像データを含むスナップショット10Dを選択する。
【0049】
ブートローダ10Aは、EEPROM10に記憶しているEDID10Gを読み出す(S31)。EEPROM10に記憶しているEDID10Gは、画像出力装置100に、画像出力装置100が前回稼働中に接続されていた表示装置200のEDID10Gである。このEDID10Gを保存する処理の詳細は後述する。なお、画像出力装置100に記憶しているEDID10GをEDID2とする。
【0050】
ブートローダ10Aは、現在接続されている表示装置200のEDID10Gを表示装置200から取得する(S21)。なお、表示装置200から取得するEDID10GをEDID1とする。
【0051】
ブートローダ10Aは、表示装置200からEDID1が正常に取得されたか否かを判断する(S33)。EDID1が正常に取得されたと判断された場合(S33でYES)、ブートローダ10Aは、EDID1とEDID2とが一致するか否かを判断する(S34)。EDID1とEDID2とが一致しているか否かの判断は、EDID10Gの全項目の内容が一致しているか否かで判断される。ブートローダ10AがEDID1とEDID2とが一致すると判断した場合(S34でYES)、ブートローダ10Aは、解像度設定10Fが設定されているか否かを判断する(S11)。解像度設定10Fが設定されていると判断された場合(S11でYES)、解像度パラメータに解像度設定10Fに記載されている解像度を設定し(S12)、OS10Bを起動する(S13)。
【0052】
ブートローダ10Aが、解像度設定10Fが設定されていないと判断した場合(S11でNO)、解像度パラメータに、スナップショット解像度対応リスト10Eで管理されている解像度のうち、最低の解像度を設定する(S38)。S38の処理においてブートローダ10Aが最低の解像度を選択するのは、表示装置200は低い解像度ほど表示対応している可能性が高く、したがって表示装置200が画像を表示できる可能性が高いと考えられるからである。そして確認ファイル10HをEEPROM10またはRAM13に保存し(S15)、EDID1をEEPROM10に保存し(S39)、OS10Bを起動する(S13)。なお、EDID1の保存先は、不揮発性メモリである必要がある。なぜならEDID1は、画像出力装置100の電源をオフ後、電源が再投入されたときに参照されるからである。
【0053】
ブートローダ10Aは、EDID1とEDID2とが一致しないと判断した場合(S34でNO)、スナップショット解像度対応リスト10Eに記載されている解像度と、EDID10Gに記載されている解像度とを照合し、スナップショット解像度対応リスト10Eに記載の解像度とEDID10Gに記載の解像度とが一致する解像度の中で、最大の解像度を判断し、解像度パラメータに設定する(S22)。そしてブートローダ10Aは、確認ファイル10Hを保存し(S15)、EDID1を保存し(S39)、OS10Bを起動する(S13)。
【0054】
ブートローダ10Aは、EDID1を表示装置200から正常に取得できなかったと判断すると(S33でNO)、解像度設定10Fが設定されているか否かを判断する(S11)。EDID10Gが表示装置200から取得できない場合とは、たとえば表示装置200がEDID10Gを有さない表示装置である場合や、表示装置200と画像出力装置100との間に、KVM(Keyboard Video Mouth)スイッチが介している場合などである。
【0055】
以上の実施形態3によると、ブートローダ10Aは、EDID1とEDID2とが一致しており、かつ、解像度設定10Fが設定されている場合に、解像度設定10Fの解像度を解像度パラメータに設定して起動する。EDID1とEDID2とが一致する場合、画像出力装置100に接続される表示装置200が、画像出力装置100がオフ状態からオン状態になるまでの間に変更されていないと判断できる。したがって、画像出力装置100は、解像度設定10Fに設定されている解像度の画像データを含むスナップショット10Dを使用して起動することで、確実に前回の解像度で表示装置200に画像を表示することが可能である。ここで、オフ状態とは、画像出力装置100が表示装置200と通信できない状態であり、たとえばスタンバイ状態、ハイバネート状態、及びスリープ状態などである。また、オン状態とは、画像出力装置100が表示装置200と通信できる状態である。また、EDID1とEDID2とが一致しない場合、画像出力装置100に接続される表示装置200が、画像出力装置100がオフ状態からオン状態になるまでの間に変更されたと判断できる。その場合、画像出力装置100は、表示装置200のEDID1に記載されている解像度の画像データを含むスナップショット10Dを用いることで、表示装置200に画像を確実に表示可能である。
【0056】
図10は、図6、図7及び図8のOS10Bを起動する処理(S13)のシーケンスチャートを示す。カーネル10Cは、スナップショット10Dを展開するためのプログラムであるスナップショット展開プログラム10JをEEPROM10から読み出す(S51)。
【0057】
カーネル10Cは、EEPROM10のスナップショット10Dをスナップショット展開プログラム10Jを用いて展開し、RAM13に読み出す(S52)。図11は、EEPROM10に保存されているスナップショット10Dを示す。EEPROM10のアドレス0x0000からアドレスAD−1まではOS10Bのルートファイルシステムが保存されている。アドレスAD−1からアドレスAD−2までは、スナップショット1が保存されている。アドレスAD−2からアドレスAD−3までは、スナップショット2が保存されている。すなわち、各解像度の画像データを含むスナップショット10DがEEPROM10に保存されている。
【0058】
図13は、各解像度の画像データを含むスナップショット10Dの、EEPROM10上の所在情報(以下、アドレスという。)と、スナップショット10Dのサイズとを管理するスナップショット所在情報10Iである。カーネル10Cは、スナップショット10DをRAM13に読み出すとき、S12によって設定される解像度パラメータと、スナップショット所在情報10Iとを参照する。すなわち、解像度パラメータをキーとし、スナップショット10DのEEPROM10における開始アドレスと、スナップショット10DのEEPROM10におけるサイズとを取得する。たとえば、カーネル10Cは、解像度パラメータに800×600が設定されている場合、EEPROM10における開始アドレスはAD−3であり、サイズはSize3であるスナップショット10Dを用いると判断する。カーネル10Cは、EEPROM10上のアドレスAD−3からSize3分のデータを取得する。
【0059】
カーネル10Cは、スナップショット10Dを展開したデータを用い、画像出力装置100のプロセッサのレジスタ、及び周辺機器のレジスタ及びメインメモリーの内容などを設定する(S53)。そして、カーネル10Cはスナップショット10Dに含まれる画像データをRAM13にロードする(S54)。
【0060】
カーネル10Cは、アプリケーション10Kに制御を渡し、OS10Bの起動を完了する(S55)。アプリケーション10Kとは、OS10Bを利用して動作するソフトウエアプログラムである。アプリケーション10Kは、画像出力装置100の制御を開始する(S56)。アプリケーション10Kが実行する制御とは、たとえば画像出力装置100がユーザによって操作されたときの応答動作や、表示装置200へ画像や映像を出力する動作である。
【0061】
図12は、EEPROM10におけるスナップショット10Dの別の記憶形態を示す。図12のEEPROM10は、スナップショット10Dに画像データを含まない。そして、各々の解像度の画像データはEEPROM10の別のアドレスに保存される。この記憶形態を用いる場合、EEPROM10は画像データ以外のスナップショット10Dを重複して記憶する必要がないので、メモリ容量を節約することが可能である。
【0062】
[OSが起動後の解像度確認の実施形態1]
図14は、OS10Bが起動した後、ユーザが解像度の設定を確認し、または変更するときの実施形態1のフローチャートを示す。
【0063】
アプリケーション10Kは、確認ファイル10HがEEPROM10(またはRAM13)に保存されているか否かを判断する(S61)。確認ファイル10Hは、図6または図8の処理において、解像度設定10Fが取得できない場合や、表示装置200のEDID10Gが取得できない場合に作成され、EEPROM10(またはRAM13)に保存される。アプリケーション10Kが、確認ファイル10Hが存在しないと判断する場合(S61でNO)、処理を終了する。アプリケーション10Kは、確認ファイル10Hが存在すると判断する場合(S61でYES)、解像度を設定変更するメッセージを表示する画像データを表示装置200へ送信する(S62)。
【0064】
ユーザによって、表示装置200に表示される解像度変更画面が確認され、表示装置200に表示されている解像度でよいかを判断される(S63)。なお、表示装置200が、画像出力装置100が起動時に送信する解像度に対応できない場合や、表示装置200と、画像出力装置100との間にモニタ切替機等が接続された場合等に、表示装置200がS62の処理によって送信される確認画面の表示自体をできない可能性がある。その場合、画像出力装置100に所定の操作をした場合に、画像出力装置100が最低の解像度で確認画面を出力しなおす。所定の操作とは、たとえば、画像出力装置100の本体パネルや画像出力装置100に付属のリモコンのDisplayキーを長押しするなどである。この結果、表示装置200に何も表示されないということを防止することができる。
【0065】
アプリケーション10Kは、ユーザによって現在の解像度でよいと入力されたことを判断した場合(S63でYES)、表示装置200のEDID10GをEEPROM10に保存する(S64)。このEDID10Gは図6のS16または図8のS39の処理によって保存されたものでもよいし、保存されていなければ、改めて表示装置200から取得してもよい。S64の処理によって保存されるEDID10Gは、次回画像出力装置100が起動するとき、図8のS31の処理によって読み出される。
【0066】
アプリケーション10Kは、画像出力装置100に設定されている解像度を、解像度設定10Fに記憶する(S65)。そして、確認ファイル10HをEEPROM10(またはRAM13)から削除し(S66)、処理を終了する。
【0067】
アプリケーション10Kは、ユーザによって解像度を変更する要求があったことを判断したとき(S63でNO)、変更後の解像度の画像データを生成し、表示装置200へ送信する(S67)。そして、アプリケーション10Kは、解像度を設定変更するメッセージを表示する画像データを送信する(S62)。すなわち、ユーザが解像度の設定を承認するまで、S62、S63及びS67の処理を繰り返す。
【0068】
以上のように、実施形態1によると、ユーザが所望しない解像度で画像出力装置100が起動した可能性がある場合、ユーザは表示装置200に表示される画像の解像度を変更することができる。
【0069】
[OSが起動後の解像度確認の実施形態2]
図15は、OS10Bが起動した後、ユーザが解像度の設定を確認し、または変更するときの実施形態2のフローチャートを示す。図14と同一の処理には同一符号を付し、説明を省略する。
【0070】
アプリケーション10Kは、ユーザによって解像度を変更する要求があったことを判断したとき(S63でNO)、EEPROM10に、変更後の解像度の画像データを含むスナップショット10Dが存在するか否かを判断する(S77)。アプリケーション10Kは、EEPROM10に、変更後の解像度に対応する画像データを含むスナップショット10Dが存在すると判断した場合(S77でYES)、変更後の解像度の画像データを生成し、表示装置200に送信する(S67)。
【0071】
アプリケーション10Kが、EEPROM10に、変更後の解像度に対応する画像データを含むスナップショット10Dが存在しないと判断した場合(S77でNO)、起動時にスナップショット10Dを利用した起動が不可能である。したがって、アプリケーション10Kは、表示装置200に、次回画像出力装置100が起動するとき、起動に時間を要することを示すメッセージを送信する(S78)。この結果、ユーザは変更後の解像度を画像出力装置100に設定した場合、画像出力装置100の起動が遅くなることを知ることができる。
【0072】
[OSが起動後の解像度確認の実施形態3]
図16は、OS10Bが起動した後、ユーザが解像度の設定を確認し、または変更するときの実施形態3のフローチャートを示す。図14及び図15と同一の処理には同一符号を付し、説明を省略する。
実施形態3によると、アプリケーション10Kは、ユーザによって解像度が変更されたとき、EEPROM10に変更後の解像度の画像データを含むスナップショット10Dが存在するか否かを判断する。アプリケーション10Kは変更後の解像度の画像データを含むスナップショット10Dが存在しないと判断した場合、次回画像出力装置100が再起動したときに、新たな解像度の画像データを含むスナップショット10Dを生成する必要があることを示すスナップショット生成ファイルを生成する。スナップショット生成ファイルは、次回画像表示装置100が起動するときにブートローダ10Aによって参照され、新たなスナップショット10Dを生成するか否かの判断に用いられる。新たなスナップショット10Dの生成についての詳細は後述する。
【0073】
アプリケーション10Kは、ユーザによって解像度を変更する要求があったことを判断したとき(S63でNO)、EEPROM10に、変更後の解像度の画像データを含むスナップショット10Dが存在するか否かを判断する(S77)。変更後の解像度の画像データを含むスナップショット10DがEEPROM10に存在する場合は、次回画像出力装置100が起動するとき、ブートローダ10Aはスナップショット10Dを使用して高速に起動することが可能である。しかし、変更後の解像度の画像データを含むスナップショット10DがEEPROM10に存在しない場合は、次回画像出力装置100が起動するとき、スナップショット10Dを使用して高速に起動することが不可能である。なお、S77の判断処理は、変更後の解像度がスナップショット解像度リスト10Eに存在するか否かによって実行される。
【0074】
アプリケーション10Kは、EEPROM10に、変更後の解像度に対応する画像データを含むスナップショット10Dが存在しないと判断した場合(S77でNO)、再起動時に、新たにスナップショット10Dを生成する必要であることを示すスナップショット生成ファイルをEEPROM10に保存する(S87)。スナップショット生成ファイルには、何も記載されていなくてもよい。なお、このスナップショット生成ファイルは、図14、図15及び図16の処理以外であっても、ユーザによって画像出力装置100の解像度が変更されるときであって、かつ、変更後の解像度の画像データを含むスナップショット10DがEEPROM10に存在しないときに、アプリケーション10Kによって作成される。
【0075】
アプリケーション10Kは、表示装置200に、次回画像出力装置100が起動するとき、起動に時間を要することを示す画像データを送信する(S78)。新たな解像度の画像データを含むスナップショット10Dを生成するためには、画像出力装置100を再起動する必要がある。したがって、アプリケーション10Kは、スナップショット10Dを新たに生成するためには、画像出力装置100の再起動が必要であることを示すメッセージを含む画面を表示装置200に送信する(S89)。ユーザは、このメッセージを確認したのち、即座に再起動してもよい。
【0076】
図17は、カーネル10Cがスナップショット生成ファイルが存在するか否かを判断してOS10Bを起動する処理(S13)のシーケンスチャートを示す。図10と同一の処理には同一符号を付し、説明を省略する。
【0077】
カーネル10Cは、スナップショット生成ファイルがEEPROM10に存在するか否かを判断する(S101)。カーネル10Cはスナップショット生成ファイルがEEPROM10に存在すると判断した場合(S101でYES)、カーネル10Cは、スナップショット10Dを使用せず、通常のOS起動シーケンスに従って起動を開始する(S102)。
【0078】
カーネル10Cは、解像度設定10Fに設定されている解像度の画像データを含むスナップショット10Dを生成する(S103)。そして、カーネル10Cは、スナップショット生成ファイルを削除する(S104)。そして、カーネル10Cは、スナップショット所在情報10Iを更新する(S105)。すなわち、カーネル10Cは、新たに生成されるスナップショット10Dのアドレスと、サイズとをスナップショット所在情報10Iに追記する。
【0079】
カーネル10Cは、スナップショット解像度対応リスト10Eを更新する(S106)。すなわち、新たに生成したスナップショット10Dのスナップショット名と、スナップショット10Dが含む画像データの解像度情報とを、スナップショット解像度対応リスト10Eに追記する。
【0080】
カーネル10Cはスナップショット生成ファイルがEEPROM10に存在しないと判断した場合(S101でNO)、新たにスナップショット10Dを生成する必要がないので、図10の処理を実行する(S107)。
【0081】
たとえば、ユーザによって解像度の設定を2048×1080に変更された場合を想定する。この場合、図16のS77の処理において、アプリケーション10Kは変更後の解像度に対応するスナップショット10Dが存在しないと判断する。スナップショット解像度対応リスト10Eには、2048×1080のスナップショット10Dが登録されていないからである。したがって、図16のS87の処理において、スナップショット生成ファイルが生成される。そして、図17のS101の処理によって、新たなスナップショット10Dを生成する必要があると判断される。そして、S103の処理によって、2048×1080の解像度の画像データを含む新たなスナップショット10Dが生成される。この結果、新たに生成されたスナップショット10Dを用い、ユーザが所望する解像度で画像出力装置100を起動することが可能となる。
【0082】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
また、画像出力装置100は、カメラや、ビデオカメラ、音声も出力できる音声映像プレーヤーや、音声と画像を中継処理するAVレシーバーでもよい。また、HDDを備え、EEPROM10に記憶される各種情報をHDDに保存してもよい。画像出力装置100から出力されるデータは、静止画以外に、動画であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、AVレシーバーや、音声映像出力装置等の機器に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0084】
100 画像出力装置
200 表示装置
10 EEPROM
10A ブートローダ
10B OS
10C カーネル
10D スナップショット
10E スナップショット解像度対応リスト
10F 解像度設定
10G 表示装置情報
10H 確認ファイル
10I スナップショット所在情報
10J スナップショット展開プログラム
10K アプリケーション
11 制御部
12 通信部
13 RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムソフトウエアに基づいて動作し、表示部を備える表示装置が接続可能である画像出力装置であって、
画像データを出力する画像出力部と、
複数の解像度の前記画像データを含むスナップショットを記憶するスナップショット記憶手段と、
前記画像出力部から出力する前記画像データの解像度を設定する解像度設定手段と、
前記解像度設定手段によって設定される解像度に対応する前記画像データを含む前記スナップショットを選択する、スナップショット選択手段と、
前記スナップショット選択手段によって選択される前記スナップショットを用いて前記システムソフトウエアを起動する起動手段とを備える、画像出力装置。
【請求項2】
前記表示装置が表示可能な解像度の情報を含む表示装置情報を前記表示装置から取得する、表示装置情報取得手段をさらに備え、
前記スナップショット選択手段が、前記表示装置情報に含まれる複数の解像度と、前記スナップショット記憶手段に記憶されている前記スナップショットの前記画像データの解像度とを比較し、一致する解像度のうち、所定の条件によって設定される解像度の前記画像データを含む前記スナップショットを選択する、請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項3】
起動時に、前記画像出力装置がオフ状態中に、前記画像出力装置に接続される前記表示装置が変更されたか否かを判断する表示装置変更検知手段をさらに備え、
前記表示装置変更検知手段が、前記画像出力装置に接続される前記表示装置が、前回前記画像出力装置が稼働中に接続されていた前記表示装置から変更されていないと判断した場合、前記解像度設定手段によって設定されている解像度の前記画像データを含む前記スナップショットを選択する、請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項4】
通信方式別の複数の解像度の前記画像データを含む前記スナップショットを記憶する通信方式別スナップショット記憶手段と、
前記画像出力装置のいずれの前記通信方式を使用するかを設定する通信方式設定手段とをさらに備え、
前記スナップショット選択手段は、前記通信方式設定手段によって設定されている前記通信方式の前記スナップショットのうち、前記解像度設定手段によって設定されている解像度の前記画像データを含む前記スナップショットを選択する、請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項5】
ユーザに解像度の設定を確認する必要があるか否かを判断するユーザ確認判断手段と、
前記ユーザ確認判断手段が、ユーザに解像度の設定を確認する必要があると判断した場合、前記表示装置に表示中の解像度を変更するか否かを通知する前記画像データを前記表示装置へ送信する確認画面送信手段とをさらに備え、
ユーザ操作によって解像度を変更する指示が入力されたとき、前記画像出力部がユーザ操作によって指定される変更後の解像度の前記画像データを出力する、請求項1〜4のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項6】
前記画像出力装置が稼働中に、ユーザ操作によって解像度が変更された場合、変更後の解像度の前記画像データを含む前記スナップショットが存在するか否かを判断するスナップショット確認手段をさらに備え、
前記スナップショット確認手段によって、変更後の解像度の前記画像データを含む前記スナップショットが存在しないと判断されたとき、新たな前記スナップショットを生成する必要があることを示すファイルを記憶するスナップショット生成情報記憶手段と、
起動時に、前記スナップショット生成情報記憶手段によって記憶された前記ファイルが存在するか否かを判断するスナップショット生成判断手段と、
前記スナップショット生成判断手段が、前記スナップショット生成情報記憶手段によって記憶された前記ファイルが存在すると判断した場合、前回稼働中に設定されていた解像度の前記画像データを含む前記スナップショットを生成するスナップショット生成手段とを備える、請求項1〜5のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の前記画像出力装置の各手段をコンピュータに実行させる、画像出力プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−25426(P2013−25426A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157360(P2011−157360)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】