説明

画像出力装置

【課題】利用者の操作性を考慮すると同時に、印刷データの出力管理及び情報セキュリティの向上を目的とした画像出力装置を提供する。
【解決手段】画像出力装置は、付加情報を有することのある印刷データを受信する受信機能S1702と、印刷データに基づいて画像を形成し出力する画像形成機能と、印刷データの印刷を保留するための保留条件を記憶する保留条件記憶機能と、印刷データが有する付加情報が保留条件のいずれかに該当することに応答して、印刷データを所定の保留データ記憶媒体に格納し、画像形成手段による出力を保留する保留機能S1716、S1720と、印刷データが、保留条件のいずれかに該当する付加情報を有していないときに、画像形成機能に、当該印刷データに基づく画像の形成と出力とを行なわせる機能S1710とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信したデータに基づき画像を出力する画像出力装置に関し、特に、受信したデータに付加情報が存在する時の出力方法を設定できる画像出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータにおける一般的な印刷手順としては次のようなものがある。ユーザがコンピュータ上で必要なアプリケーションを起動し印刷するファイルを開く。開いたアプリケーションのメニューから例えば、「ファイル」、「印刷」、「実行」と順番に選択し、指定した画像出力装置に印刷指示を出す。
【0003】
画像出力装置には、ダイレクトプリント機能を備えたものがある。ダイレクトプリント機能とは、次のような機能をいう。ディスプレイ上に画像出力装置に関連したダイレクトプリントウィンドウと呼ばれるウィンドウを表示する。このウィンドウの中に印刷したいファイルをドラッグアンドドロップすることでその画像出力装置に印刷指示が出される。画像出力装置はドラッグアンドドロップされたファイルを読んでデータを展開しそのまま画像出力をする。この機能は簡単な操作でファイルの印刷指示が出せ、指示したファイルをすぐに印刷実行できるという点で便利である。また、アプリケーションを立上げて、ファイルを開き、という手順が必要ないので、多くの種類のファイルを印刷する時に有効であり、ユーザの手間を省くことができる。
【0004】
画像出力装置にはほかに、親展プリント機能及びホールドプリント機能がある。親展プリント機能では、ユーザが印刷データにパスワードを設定してからプリント指示を送信し、指定したプリンタの操作パネルから設定したパスワードを入力することでプリントアウトが開始される。ホールドプリント機能では、受信した印刷データをすぐに出力せず画像出力装置内にいったん蓄積する。蓄積データの一覧を表示しユーザがそのリストから印刷するデータを選択し印刷を実行する。
【0005】
特許文献1は、パスワードによって暗号化されたデータがダイレクトプリントで画像出力装置に送られてきた場合、すぐに印刷せず一旦ホールド状態にする技術を開示している。
【特許文献1】特開2006−297624号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
コンピュータネットワークが普及した現在、文書ファイルの管理、及び情報セキュリティ技術が以前にもまして重要視されている。
【0007】
コンピュータネットワーク上で動作する画像出力装置のダイレクトプリント機能は、あらかじめユーザによるパスワードなどの設定がされなければ、どのようなデータも簡単に印刷できてしまうという点で、情報セキュリティ、特に印刷物からの情報漏洩の面で課題があった。
【0008】
特許文献1の技術では、ダイレクトプリント機能において送信されたファイル状態を判定し動作するものであるため、ユーザによる設定忘れで情報漏洩の危険性があるという点で課題があった。
【0009】
そのため、本発明では、利用者の操作性を考慮すると同時に、印刷データの出力管理及び情報セキュリティの向上を目的とした画像出力装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の局面に係る画像出力装置は、付加情報を有することのある印刷データを受信するための受信手段と、印刷データに基づいて画像を形成し出力するための画像形成手段と、印刷データの印刷を保留するための保留条件を記憶するための保留条件記憶手段と、受信手段が受信した印刷データが有する付加情報が保留条件のいずれかに該当することに応答して、受信手段が受信した印刷データを所定の保留データ記憶媒体に格納し、画像形成手段による出力を保留するための保留手段と、受信手段が受信した印刷データが、保留条件のいずれかに該当する付加情報を有していないときに、画像形成手段に、当該印刷データに基づく画像の形成と出力とを行なわせるための手段とを含む。
【0011】
この画像出力装置においては、印刷データに付加される情報を用いた保留条件が設定されている。印刷データの付加情報が保留条件を満たす場合は、印刷データに基づく画像出力を行なわず、受信した印刷データは所定のデータ記憶媒体に保存される。これにより、重要な印刷データの不正な印刷を防ぐことができ、印刷物からの情報漏えいを防ぐことができる。また、印刷データに付加される情報を用いることで、利用者が画像出力装置に対して印刷指示を行なう時のセキュリティ設定の煩雑さを少なくすることができる。この結果、利用者の操作性を考慮すると同時に、印刷データの出力管理及び情報セキュリティの向上を目的とした画像出力装置を提供することができる。
【0012】
好ましくは、付加情報は、ファイル名、IPアドレス、装置名、及びログイン名のいずれかである。
【0013】
印刷を保留するための条件として用いられる印刷データが有する付加情報は、ファイル名、IPアドレス、装置名及びログイン名など、利用者にとって分かりやすいものである。そのため、設定者が保留条件などを設定する際にも負担が少なく、簡単に条件設定を行なうことができる。特に、IPアドレス又は装置名を付加情報に含むと、コンピュータネットワーク上での設定を強化することが可能である。
【0014】
より好ましくは、画像出力装置は、保留手段により印刷データの出力が保留されたことに応答して、当該印刷データの保留を解除するためのパスワードを発行するためのパスワード発行手段と、パスワード発行手段が発行したパスワードを、保留手段により保留された印刷データと関連付けて所定のパスワード記憶媒体に記憶するためのパスワード記憶手段とをさらに含む。
【0015】
印刷データの出力が保留されたことに応答して、保留状態を解除するためのパスワードが発行される。印刷データと発行されたパスワードとが関連付けて記憶されることによって、印刷データは画像出力装置内でさらに保護される。この結果、重要文書などの出力管理にはよりいっそうの効果が得られる。
【0016】
好ましくは、画像出力装置は、パスワード発行手段によりパスワードが発行されたことに応答して、受信手段が受信した印刷データの送信元に、当該印刷データの出力が保留されたこと、及び前記パスワード発行手段により発行されたパスワードを通知するための通知手段をさらに含む。
【0017】
より好ましくは、画像出力装置は、利用者によるパスワードの入力を受けるためのパスワード入力手段と、パスワード入力手段がパスワードの入力を受けたことに応答して、入力されたパスワードと一致するパスワードがパスワード記憶媒体に記憶されているか否かを判定するためのパスワード判定手段と、入力されたパスワードと一致するパスワードがパスワード記憶媒体に記憶されていると判定されたことに応答して、当該パスワードに関連付けられた印刷データを前記画像形成手段によって出力するための保留データ印刷手段とをさらに含む。
【0018】
発行された印刷データの保留状態を解除するためのパスワードは、通知手段により印刷データの送信元に対して通知される。印刷データの送信元という限られた相手のみにパスワードが通知されることによって、当該者以外による保留状態の印刷データの出力を防ぐことができる。この結果、第三者の閲覧による情報漏洩を防ぐことができる。
【0019】
好ましくは、画像出力装置は、保留手段により印刷データの出力が保留されたことに応答して、受信手段が受信した印刷データの送信元に当該印刷データの出力が保留されたこと通知するための通知手段をさらに含む。
【0020】
印刷データの送信元に対して印刷データの出力が保留されたことを通知することによって、利用者に印刷データの状況が伝えられる。その結果、利用者は印刷指示したデータの状況を把握することができ、利用者にとって使いやすい画像出力装置が実現できる。
【0021】
好ましくは、画像出力装置は、印刷データの出力を拒否するための印刷拒否条件を記憶するための印刷拒否条件記憶手段と、保留手段の動作に先立ち、受信手段が受信した印刷データが有する付加情報が印刷拒否条件のいずれかに該当することに応答して、受信手段が受信した印刷データを破棄するための破棄手段とをさらに含む。
【0022】
複製を完全に禁止したい印刷データに関しては、その印刷データに関するファイルの付加情報を印刷拒否条件に記憶する。印刷拒否条件については、保留条件に該当するかの判定前に判定処理を行なうことで、より確実に印刷拒否条件に該当するものを抽出できる。破棄手段により受信した印刷データ自体を破棄することで、画像出力装置には印刷拒否条件に該当する印刷データが全く残らない状態になる。この結果、画像出力装置内に不要な印刷データは保存されず、画像出力装置内における情報セキュリティの向上が期待できる。
【0023】
より好ましくは、破棄手段は、保留手段の動作に先立ち、受信手段が受信した印刷データが有する付加情報が印刷拒否条件のいずれかに該当することに応答して、受信手段が受信した破棄の対象の印刷データを所定の破棄データ記憶媒体に記憶するための手段と、破棄データ記憶媒体に記憶された印刷データのうち、破棄データ記憶媒体に記憶されてから所定時間が経過したものを削除するための削除手段とを含む。
【0024】
破棄手段により、記憶された印刷データのうち所定の時間が経過したものについては印刷データが削除される。この結果、時間が経っても印刷出力されない不要なデータを定期的に削除することができ、画像出力装置内は不要なデータが保存されない状態になる。この結果、画像出力装置内における情報セキュリティの向上が期待できる。
【0025】
さらに好ましくは、画像出力装置は、破棄手段が印刷データを破棄したときに、当該印刷データの送信元に対して当該印刷データが破棄されたことを通知するための手段をさらに含む。
【0026】
印刷データの送信元に対して当該印刷データが破棄されたことを通知することによって、利用者は印刷指示を出したデータの状況を把握することができる。この結果、利用者にとって使いやすい画像出力装置が実現できる。
【0027】
好ましくは、画像出力装置は、印刷拒否条件の一覧リストを作成するための手段をさらに含む。
【0028】
より好ましくは、画像出力装置は、印刷拒否条件の入力を受け、印刷拒否条件記憶手段に格納するための手段をさらに含む。
【0029】
複製を禁止したい印刷データが増えた場合には、その印刷データに関する付加情報を入力し、印刷拒否条件を追加することができる。この結果、画像出力装置におけるセキュリティの向上が期待できる。また、印刷拒否条件の一覧リストは設定を追加する設定者にとって利用しやすい資料になる。この結果、利用者の操作性を考慮した画像出力装置が実現できる。
【0030】
好ましくは、画像出力装置は、保留条件の一覧リストを作成するための手段をさらに含む。
【0031】
保留条件の一覧リストは、設定を追加する設定者にとって利用しやすい資料になる。この結果、利用者の操作性を考慮した画像出力装置が実現できる。
【0032】
好ましくは、画像出力装置は、保留データ記憶手段に記憶されている印刷データの検索条件の入力を受けるための検索条件入力手段と、検索条件に該当する印刷データを検索し一覧表示するための検索表示手段とをさらに含む。
【0033】
保留データ記憶手段には、保留条件に該当した印刷データが保存されているため多くの件数になる。検索条件に該当する印刷データのみを表示することで所望する印刷データを見つけやすくなり、利用者にとって利用しやすいものになる。
【0034】
より好ましくは、検索条件入力手段は、検索対象の印刷データに対応するパスワードの入力を受けるための検索パスワード入力手段を含む。検索表示手段は、検索パスワード入力手段が受けたパスワードに対応付けられている印刷データを保留データ記憶手段から検索し一覧表示するための手段を含む。
【0035】
パスワード記憶媒体には、保留された印刷データと対応付けられてパスワードが保存されている。検索条件としてパスワードを入力し、そのパスワードに対応付けられて保存されている印刷データを表示することで、より細かな検索結果を得ることができる。
【0036】
さらに好ましくは、画像出力装置は、一覧表示されている印刷データの内で印刷すべきものの指定を受けるための印刷対象指定手段と、印刷対象指定手段を用いて指定された印刷データを、画像形成手段を用いて出力するための手段とをさらに含む。
【0037】
検索条件に該当する印刷データのみを表示した一覧表示から所望の印刷データを指定し、画像形成手段を用いて出力することができる。この結果、より簡単に保留状態の印刷データが検索でき、画像形成と出力とを行なうことができる。
【0038】
好ましくは、画像出力装置は、保留データ記憶手段に記憶されている印刷データを一覧表示するための一覧表示手段をさらに含む。
【0039】
より好ましくは、画像出力装置は、一覧表示手段により一覧表示された印刷データのうちで、印刷すべきものの指定を受けるための手段と、指定を受けるための手段を用いて指定された印刷データを、画像形成手段を用いて出力するための手段とをさらに含む。
【0040】
保留データ記憶手段に記憶されている印刷データを一覧表示して確認することが可能である。また、この表示から所望の印刷データを見つけ出力することができる。
【0041】
好ましくは、画像出力装置は、保留条件の入力を受け、保留条件記憶手段に格納するための手段をさらに含む。
【0042】
すぐに印刷せずに、保留状態にしたい印刷データの条件を、保留条件として設定することができる。この結果、業務にあわせて柔軟に保留条件を追加でき、画像出力装置における情報セキュリティの向上が期待できる。
【0043】
本発明の第2の局面に係る画像出力装置は、付加情報を有することのある印刷データを受信するための受信手段と、印刷データに基づいて画像を形成し出力するための画像形成手段と、印刷データの付加情報に関する条件と、当該条件が充足されたときに行なうべき処理との組からなる動作規則を記憶するための動作規則記憶手段と、受信手段が受信した印刷データが有する付加情報が動作規則の条件のいずれかに該当することに応答して、当該動作規則により定まる処理を受信手段が受信した印刷データに対して行なうための印刷データ処理手段と、受信手段が受信した印刷データが、動作規則の条件のいずれかに該当する付加情報を有していないときに、画像形成手段に、当該印刷データに基づく画像の形成と出力とを行なわせるための手段とを含む。
【発明の効果】
【0044】
以上のように、ネットワークに接続された画像出力装置に、印刷データに付加する付加情報を用いて保留条件及び印刷禁止条件を設ける。印刷データを受信した際に付加情報が保留条件に該当する場合には、印刷を実行せずに保留状態として画像出力装置内に保存する。この結果、出力された印刷物を盗み見されることによる情報漏えいを防ぐことができる。付加情報が印刷禁止条件に該当する場合には、受信したデータを破棄して画像出力装置内に残さない。この結果、画像出力装置には不要な印刷データは残らない状態になる。
【0045】
また、印刷データが保留状態になった、又は破棄されたという情報は、画像出力装置から随時印刷データの送信元に通知される。その結果、利用者にとっては印刷指示を出したデータの状況を把握することができ、利用しやすいものになる。
【0046】
その結果、利用者の操作性を考慮すると同時に、印刷データの出力管理及び情報セキュリティの向上を目的とした画像出力装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下の説明及び図面においては、同一部品には同じ参照符号および名称を付してある。それらの機能も同様である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0048】
―構成―
図1は、本実施の形態における画像出力装置40を含む、画像出力システム30の全体構成を示す模式図である。
【0049】
図1を参照して、画像出力装置40はネットワーク44に接続される。画像出力システム30はさらに、ネットワーク44に接続され画像出力装置40に印刷指示を出すためのコンピュータ42を含む。
【0050】
図2は、コンピュータ42に用いられる周辺機器を含んだ、コンピュータ42の構成を表すブロック図である。
【0051】
図2を参照して、コンピュータ42は、CPU(Central Processing Unit)82と、CPU82に接続されたバス102と、各種プログラムを記憶しているROM(Read Only Memory)84と、各種データを一時的に記憶するワークエリアとして動作するRAM(Random Access Memory)86と、各種プログラム及びデータを記憶するHDD(Hard Disk Drive)88と、ネットワーク44に対する接続を提供するためのネットワークインターフェイス90と、外部ディスプレイ96が接続されるディスプレイインターフェイス92と、キーボード98及びマウス100などの入力装置を接続するための入力インターフェイス94とを含む。ROM84と、RAM86と、HDD88と、ネットワークインターフェイス90と、ディスプレイインターフェイス92と、入力インターフェイス94とはバス102に接続されており、全体の制御はCPU82によって行なわれる。
【0052】
図3は、コンピュータ42上で動作するソフトウェアの構成を表すブロック図である。
【0053】
図3を参照して、コンピュータ42上では、オペレーティングシステム48が動作し、印刷ソフトウェア50は、オペレーティングシステム48から印刷命令を受けた場合に実行され、マウスなどの入力デバイスからの入力を受付け、表示装置などの表示デバイス、及び画像出力装置などの周辺機器を動作させる。
【0054】
図4は、画像出力装置40の構成を表すブロック図である。
【0055】
図4を参照して、画像出力装置40は、CPU122と、CPU122に接続されたバス138と、各種プログラムを記憶しているROM124と、各種データを一時的に記憶するワークエリアとして動作するRAM126と、ネットワーク44に対する接続を提供するためのネットワークインターフェイス136と、ネットワーク44を通じて受信したデータ及び、管理者が登録するホールド機能の動作の可否の識別情報の設定などを記憶するためのHDD128と、受信したデータからホールド機能の動作の可否の識別情報を取得するための設定情報取得部132と、設定情報取得部132で取得した識別情報と管理者が設定した識別情報の設定とを比較し、動作の判定をするための情報判定部130と、利用者からの操作を受付けるための操作部134とを含む。操作部134は、タッチパネルディスプレイ140を含む。ROM124と、RAM126と、HDD128と、ネットワークインターフェイス136と、操作部134と、情報判定部130と、設定情報取得部132とはバス138に接続されており、全体の制御はCPU122によって行なわれる。タッチパネルディスプレイ140は、利用者からの操作を受付ける入力装置、及び出力結果を表示する出力装置として動作する。
【0056】
本発明で記載するホールド状態とは、受信したデータを印刷せずにHDDなどに格納することを表す。
【0057】
本実施の形態における画像出力装置40は、ダイレクトプリント機能を備えており、ネットワーク上のコンピュータ42からの印刷指示を受け、画像出力を行なうことができる。
【0058】
図5は、画像出力装置40の操作部134の外観を示す図である。
【0059】
図5を参照して、操作部134は、タッチパネルディスプレイ140と、プリンタモードに切換えるためのプリンタボタン154と、ドキュメントファイリングモードに切換えるためのドキュメントボタン156と、コピーモードに切換えるためのコピーボタン158と、画像出力装置40にホールド状態で格納されている印刷ジョブを表示する後述するプリントホールドリストを表示させるためのジョブ状況ボタン162と、ユーザ設定モードに移行するためのユーザ設定ボタン160と、テンキー164と、キャンセルボタン166と、すべての設定を解除するためのオールキャンセルボタン168と、カラーモードでの動作を指示するためのカラースタートボタン170と、モノクロモードでの動作を指示するためのモノクロスタートボタン172とを含む。図5のタッチパネルディスプレイ140には、コピーモードの初期画面150が表示されている。
【0060】
本発明は、画像出力装置40が、プリンタモードとして動作しているときに関連する。そのため、ドキュメントファイリングモード、及びコピーモードについての説明はここでは行なわない。
【0061】
画像出力装置40は、プリンタモードでの各種設定を行なうために、ユーザ設定モード、キーオペレータプログラム設定モード、デバイス設定モード、ホールド許可・印刷拒否情報設定モード、項目設定モード、及び内容設定モードに切換えて使用することが可能である。画像出力装置40は、これらの設定モードを用いて、画像出力装置40の動作を制御するための情報を設定する。
【0062】
図6〜図11は、操作部134のタッチパネルディスプレイ140に表示される表示画面を示す図である。以下、画像出力装置40のホールド許可情報、及び印刷拒否情報を設定する手順について説明しながら構成を説明していく。なお、ホールド許可情報とは、重要データが不用意に印刷されることを防止することを目的として、受信したデータの付加情報が充足すべき条件と、その条件が充足されたときにはそのデータを直ちには印刷せずにHDDなどに保存することを一種の規則として記述したものである。同様に、印刷拒否情報とは、複製が禁止されているデータが印刷されることを防止することを目的として、受信したデータの付加情報が充足すべき条件と、その条件が充足されたときにはそのデータを印刷せず破棄することを一種の規則として記述したものである。
【0063】
図6は、ユーザ設定画面180を示す図である。ユーザ設定画面180は、図5においてユーザ設定ボタン160が押された時に表示される、ユーザ設定モードの初期画面である。
【0064】
図6を参照して、ユーザ設定画面180は、キーオペレータプログラム設定モードにするためのキーオペレータプログラムボタン182と、ユーザ設定モードを終了するための終了ボタン184とを含む。
【0065】
ユーザ設定モードは、ユーザが利用における簡易な設定を行なったり、画像出力装置の利用状況を確認したりするモードである。ユーザ設定画面180では、機器の動作を設定することができ、総使用枚数表示、画面コントラスト、データリストプリント、日付・時刻設定・給紙トレイ設定、及び相手先登録が実行可能である。しかし、それらはホールド許可情報及び印刷拒否情報の設定には直接関係しないため、ここでは説明を行なわない。ユーザ設定画面180で、キーオペレータプログラムボタン182を押すと、キーオペレータプログラム設定モードに移行する。
【0066】
図7は、キーオペレータプログラム設定モードの初期画面である、キーオペレータモード画面190を示す図である。
【0067】
図7を参照して、キーオペレータモード画面190は、デバイス設定モードに移行するためのデバイス設定ボタン192と、キーオペレータプログラム設定モードを終了するための終了ボタン194とを含む。
【0068】
キーオペレータプログラム設定モードは、主に機器管理者及びサービスマンなどが操作し、画像出力装置に登録されている情報を設定・変更するモードである。キーオペレータモード画面190では、部門管理、システム管理などが設定できる。しかし、それらはホールド許可情報及び印刷拒否情報の設定には直接関係しないため、ここでは説明を行なわない。デバイス設定ボタン192を押すと、デバイス設定モードに移行する。
【0069】
図8は、デバイス設定モードの初期画面である、デバイス設定モード画面200を示す図である。
【0070】
図8を参照して、デバイス設定モード画面200は、ホールド許可・印刷拒否情報設定モードに移行するためのホールド許可設定ボタン202と、デバイス設定モードを終了するための終了ボタン204とを含む。
【0071】
デバイス設定モードは、画像出力装置の動作の許可及び禁止を設定するモードである。デバイス設定モード画面200では、原稿検知装置の設定、両面機能の使用禁止、原稿送り装置の使用禁止などが設定できる。しかし、それらはホールド許可情報及び印刷拒否情報の設定には直接関係しないため、ここでは説明を行なわない。ホールド許可設定ボタン202を押すと、ホールド許可・印刷拒否情報設定モードに移行する。
【0072】
図9は、ホールド許可・印刷拒否情報設定モードの初期画面である、ホールド許可情報設定画面210を示す図である。
【0073】
ホールド許可情報及び印刷拒否情報について、これらはそれぞれ、「項目」と、その項目に対応する「内容」との2つの情報から1つの設定条件が構成される。具体的には、管理者又は設定者(以下、「管理者」と呼ぶ。)が項目として、印刷するファイル名、送信元のIPアドレス、送信元のパソコン名及び送信元のパソコンにログインした時のログイン名の中からいずれか1つを選択する。内容は、選択された項目に対応する内容を入力する。例えば、印刷拒否情報の条件設定において、管理者が、項目でIPアドレスを選択する。その場合、内容では「192.168.2.11」のように具体的なIPアドレスを入力する。
【0074】
図9を参照して、ホールド許可情報設定画面210は、ホールド許可又は印刷拒否する項目を設定する項目設定モードに移行するための項目設定ボタン212と、項目設定ボタン212で設定された項目の内容を設定する内容設定モードに移行するための内容設定ボタン214と、入力した項目及び内容をホールド許可情報として登録する時に押すホールド許可ボタン216と、入力した項目及び内容を印刷拒否情報として登録する時に押す印刷拒否設定ボタン218と、入力された設定を確定し画像出力装置40に登録するためのOKボタン220と、設定を確定せずにホールド許可・印刷拒否情報設定モードを終了するためのキャンセルボタン222と、キーオペレータプログラム設定モードに戻るための終了ボタン224とを含む。項目設定ボタン212上には項目設定モードで設定された項目が、内容設定ボタン214上には内容設定モードで設定された内容が表示される。
【0075】
ホールド許可・印刷拒否情報設定モードでは、ホールド許可情報又は印刷拒否情報のいずれかを選択し、その項目及び内容を設定する。管理者が、ホールド許可ボタン216を押すとホールド許可ボタン216にチェック表示が入る。この状態で印刷拒否設定ボタン218を押すと、ホールド許可ボタン216に付いたチェック表示が外れ、印刷拒否設定ボタン218にチェック表示が入る。この状態で再びホールド許可ボタン216を押すと、印刷拒否設定ボタン218に付いたチェック表示は外れ、ホールド許可ボタン216にチェック表示が入る。ホールド許可情報設定画面210では、管理者がホールド許可ボタン216又は印刷拒否設定ボタン218のいずれか一つを押して選択する。選択後項目設定ボタン212を押すと、画像出力装置40は項目設定モードに移行する。
【0076】
図10は、項目設定モードの初期画面である、項目設定画面230を示す図である。
【0077】
印刷許可情報、及び印刷拒否情報で設定できる項目は、ファイル名、送信元のIPアドレス、送信元のパソコン名及び送信元のパソコンにログインした時のログイン名のいずれか一つである。
【0078】
図10を参照して、項目設定画面230は、項目としてファイル名を選択するためのファイル名ボタン232と、IPアドレスを選択するためのIPアドレスボタン234と、パソコン名を選択するためのパソコン名ボタン236と、ログイン名を選択するためのログイン名ボタン238と、選択した項目を確定しホールド許可情報設定画面210に戻るためのOKボタン240と、項目を確定せずにホールド許可情報設定画面210に戻るためのキャンセルボタン242と、キーオペレータプログラム設定モードに戻るための終了ボタン246とを含む。
【0079】
項目設定モードでは、ホールド許可・印刷拒否情報設定モードでいずれかにチェックを入れた、ホールド許可又は印刷拒否に対する項目を設定する。管理者がファイル名ボタン232、IPアドレスボタン234、パソコン名ボタン236、及びログイン名ボタン238のいずれかを押すと、押されたボタンにはチェック表示が入りその項目が選択される。その時、押されなかったボタンに付いていたチェックは外れ選択が解除される。管理者が設定する項目を選択しOKボタン240を押すと、項目を設定してホールド許可情報設定画面210に戻る。設定された項目は、ホールド許可情報設定画面210の項目設定ボタン212上に表示される。キャンセルボタン242を押すと、項目を設定せずにホールド許可情報設定画面210に戻る。
【0080】
図11は、内容設定画面250を示す図である。内容設定画面250は、図9において、内容設定ボタン214が押された時に表示される内容設定モードの初期画面である。
【0081】
図11を参照して、内容設定画面250は、設定内容を入力するためのテキストボックス268と、半角入力と全角入力とを切換えるための半角全角ボタン252と、日本語入力と英数入力とを切換えるためのカナ英数ボタン262と、文字を入力するためのキーボードボタン254と、日本語入力の時に漢字変換を行なうための変換ボタン264と、変換ボタン264による変換を確定させるための確定ボタン266と、テキストボックス268に入力した内容を確定し、ホールド許可情報設定画面210に戻るためのOKボタン256と、内容を確定せずにホールド許可情報設定画面210に戻るためのキャンセルボタン258と、キーオペレータプログラム設定モードに戻るための終了ボタン260とを含む。
【0082】
内容設定画面250では、項目設定画面230で設定した項目にしたがって、その内容を入力する。管理者が、テキストボックス268にキーボードボタン254を用いて内容を入力する。管理者が内容を入力し、OKボタン256を押すと、その内容を設定してホールド許可情報設定画面210に戻る。設定した内容は、ホールド許可情報設定画面210の内容設定ボタン214上に表示される。キャンセルボタン258を押すと、項目を設定せずにホールド許可情報設定画面210に戻る。
【0083】
設定した項目と内容とがそれぞれ、項目設定ボタン212及び内容設定ボタン214に表示された状態でOKボタン220を押すと、それらの情報がホールド許可情報、又は印刷拒否情報の1つの設定条件として登録される。登録された設定条件は画像出力装置40のHDD128に記憶される。
【0084】
図12は、ダイレクトプリント機能を使って印刷指示を出す時に外部ディスプレイ96に表示される、ダイレクトプリントユーティリティの実行画面を表す表示窓280と、印刷ファイル284とを示す図である。
【0085】
図12を参照して、表示窓280は、ダイレクトプリント表示282を含む。
【0086】
表示窓280の例では、印刷するファイル284のアイコンをダイレクトプリント表示282の上にドラッグアンドドロップすることで、コンピュータ42が画像出力装置40に印刷ジョブを送信する。
【0087】
図13は、ダイレクトプリントユーティリティで印刷ジョブを送信する際に、ファイルに付加することができる情報を表すテーブル290を表す図である。
【0088】
図13を参照して、ダイレクトプリントユーティリティは、送信日付、送信ファイル名、送信元のIPアドレス、送信元のパソコン名、送信元パソコンのログイン名などの情報を印刷ジョブに付加させ送信させることができる。なお、本実施の形態では、上記5項目を印刷ジョブに付加して画像出力装置40に送信するものとする。
【0089】
図14は、画像出力装置40の管理者が閲覧可能なホールド許可設定リスト300を示す図である。
【0090】
図14を参照して、ホールド許可設定リスト300は、ホールド許可する項目が表示される設定項目表示302と、設定された項目に対する内容が表示される内容表示304と、ホールド状態の解除用のパスワードをあらかじめ設定するか否かを設定するチェックボックス306と、チェックボックス306がチェックされている時に有効になり、ホールド状態の解除用のパスワードを入力するためのパスワード入力ボックス308と、ホールド許可設定リストをスクロール表示させるためのスクロールバー310とを含む。
【0091】
ホールド許可設定リスト300には、画像出力装置40のHDD128に記憶されているホールド許可設定が表示される。ホールド許可設定リスト300からは、設定内容の変更をすることも可能である。管理者は、コンピュータ42からもホールド許可設定リスト300を閲覧可能で、必要な時は修正することもできる。
【0092】
ホールド許可設定リスト300ではさらに、設定したホールド許可設定に該当しホールド状態になった印刷ジョブに対して、ホールド状態解除のためのパスワードをあらかじめ設定することができる。パスワードを設定する場合は、チェックボックス306にチェックを入れパスワード入力ボックス308を有効にし、有効になった入力ボックスにパスワードを入力する。
【0093】
後述するが、本実施の形態では、ホールド許可設定の条件に該当し、ホールド状態になった印刷ジョブに対して、その都度異なるホールド状態解除用のパスワードが画像形成装置40により発行される。ホールド許可設定リスト300において、ホールド許可設定条件にあらかじめ解除用のパスワードを設定した場合、パスワードの設定をしたホールド許可設定に該当しホールド状態になった印刷ジョブに対しては、あらかじめ設定されたパスワードが適用される。
【0094】
図15は、画像出力装置40の管理者が閲覧可能な印刷拒否設定リスト312を示す図である。
【0095】
図15を参照して、印刷拒否設定リスト312は、拒否する項目が表示される設定項目表示314と、設定された項目に対する内容が表示される内容表示316と、印刷拒否設定リストをスクロール表示させるためのスクロールバー318とを含む。
【0096】
印刷拒否設定リスト312には、画像出力装置40のHDD128に記憶されている印刷拒否設定が表示される。印刷拒否設定リスト312から、設定内容の変更をすることも可能である。管理者は、コンピュータ42からも印刷拒否設定リスト312を閲覧可能で、必要な時は修正することもできる。
【0097】
図16は、画像出力装置40において、CPU122によって実行され、ダイレクトプリントで送信された印刷ジョブを受信し、処理するまでのプログラムの制御構造をフローチャート形式で表した図である。このプログラムは、画像出力装置40が起動した時に実行される。
【0098】
図16を参照して、このプログラムは、ネットワーク44を介して印刷ジョブを受信するステップS1702と、ステップS1702に続き、印刷ジョブに付加された情報を取得するステップS1704と、ステップS1704に続き、ステップS1704で取得した情報が印刷拒否設定に該当する情報であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1706と、ステップS1706で該当する情報ではないと判定された場合(NOの場合)に実行され、ステップS1704で取得した情報がホールド許可設定に該当する情報であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1708と、ステップS1708で該当する情報ではないと判定された場合(NOの場合)に実行され、受信した印刷ジョブを実行し印刷を行なうステップS1710とを含む。
【0099】
このプログラムはさらに、ステップS1708で該当する情報であると判定された場合(YESの場合)に実行され、該当するホールド許可設定にパスワードが設定されているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1712と、ステップS1712でパスワードが設定されていないと判定された場合(NOの場合)に実行され、受信した印刷ジョブのホールド状態を解除するためのパスワードを発行するステップS1714と、ステップS1714に続き、印刷ジョブとステップS1714で発行されたパスワードとをHDD128に関連付けて保存しホールド状態にするステップS1716と、ステップS1716に続き、印刷ジョブの送信元にステップS1714で発行したパスワードと印刷ジョブをホールド状態にした旨とを通知するステップS1718とを含む。
【0100】
ステップS1718では、例えば「パソコン名:PC1から送信されたデータのため、データを画像出力装置に格納しました。データを印刷するためのパスワードは*****と設定しました。出力する場合はパスワードを入力してください。」のようなメッセージを送信元に発行する。「*****」はステップS1714で発行されたパスワードであり、印刷ジョブによってそれぞれ異なる。
【0101】
このプログラムはさらに、ステップS1712でパスワードが設定されていると判定された場合(YESの場合)に実行され、該当する印刷ジョブと設定されたパスワードとをHDD128に関連付けて保存しホールド状態にするステップS1720と、ステップS1720に続き、印刷ジョブの送信元にあらかじめ設定されたパスワードでホールド状態にした旨を通知するステップS1722とを含む。
【0102】
ステップS1720では、例えば「ファイル名に指定された文字列が含まれるため、データを画像出力装置に格納しました。データを印刷するためのパスワードは@@@@@と設定しました。出力する場合は設定されたパスワードを入力してください。」のようなメッセージを送信元に発行する。「@@@@@」はホールド許可設定の時に設定したパスワードである。
【0103】
このプログラムはさらに、ステップS1706で該当する情報であると判定された場合(YESの場合)に実行され、送信元に対して印刷が拒否されている旨を通知するステップS1724と、ステップS1724に続き、受信したデータを破棄するステップS1726とを含む。
【0104】
ステップS1724では、例えば「ファイル名が特定の条件に該当したため、送信されたデータを破棄しました。」のようなメッセージを送信元に送信する。その後ステップS1726で受信データを破棄し、画像出力装置には受信したデータは残さない。
【0105】
ステップS1710、ステップS1718、ステップS1722、ステップS1726のいずれかが実行された時、このプログラムは終了する。
【0106】
図17は、画像出力装置40にホールド状態で保存されている印刷ジョブを表すプリントホールドリスト画面320を示す図である。プリントホールドリスト画面は、ジョブ状況ボタン162を押すと表示される。
【0107】
図17を参照し、プリントホールドリスト画面320は、印刷ジョブを表示し選択するための表示ボタン322、324、326と、ホールドリストの表示を送るためのページ送りボタン328と、利用者が表示ボタン322〜326のいずれかを押し選択した印刷ジョブを実行するためのOKボタン334と、プリントホールドリスト画面320を終了し、プリントモードの初期画面150に移行するためのキャンセルボタン336と、蓄積されている印刷ジョブに対して検索キーとなるホールド許可設定を設定するための検索キー入力ボタン330と、検索キーが入力されている時に、それに該当する検索結果を表示させるための検索ボタン332とを含む。
【0108】
図17に示すプリントホールドリスト画面320は、検索キーが入力されていない状態である。表示ボタン322〜326上にはホールドされたすべての印刷ジョブ名が時系列に表示される。表示ボタン322上には直近にホールドされた印刷ジョブ名が表示され、表示ボタン324、326上にはそれ以前にホールドされた順にジョブ名が表示されている。図17では、表示ボタン322、324、326にはそれぞれ契約書A社、人事簿1、契約書B社の印刷ジョブが割当てられており、それ以前の印刷ジョブを確認したい場合はページ送りボタン328を押して表示を切換える。また、検索キーが入力されている時に検索ボタン332を押すと、設定された検索キーに該当する印刷ジョブが表示ボタン322〜326に割当てられる。
【0109】
表示ボタン322〜326を押し、印刷ジョブを選択後、OKボタン334を押すとパスワード入力画面が表示される(図示せず)。パスワード入力画面で、データの送信元に通知されたホールド状態解除用パスワードを入力することで、印刷ジョブのホールド状態が解除され印刷が実行される。
【0110】
図18は、プリントホールドリスト画面320で検索キー入力ボタン330を押した時に表示される、検索キー設定画面350を示す図である。
【0111】
検索キーは、ホールド許可情報と同様、どの項目を検索対象とするかを指定するための「項目」と、その項目に対応する検索条件を指定するための「内容」との2つの情報から1つの検索キーが構成される。
【0112】
図18を参照し、検索キー設定画面350は、検索キーとして項目を設定する項目設定モードに移行するための項目設定ボタン352と、項目設定ボタン352で設定された項目に関する検索内容を設定する内容設定モードに移行するための内容設定ボタン354と、利用者が入力した設定を検索キーとして確定し、プリントホールドリスト画面320に戻るためのOKボタン356と、検索キーを確定しないでプリントホールドリスト画面320に戻るためのキャンセルボタン358とを含む。
【0113】
検索キー設定画面350では、検索キーとして、項目及びその内容を設定する。項目設定ボタン352を押すと、図10のような画面が表示され、ホールド許可設定で使用された項目である、ファイル名、送信元のIPアドレス、送信元のパソコン名、送信元パソコンにログインした時のログイン名に加え、パスワード設定有り、の中からのいずれか一つを選択し、検索キーの項目として設定する。内容設定ボタン354を押すと、図11のような画面が表示され、選択した項目に対応する内容を設定する。検索キーとして設定された項目及び内容は、検索キー設定画面350で項目設定ボタン352及び内容設定ボタン354上に表示される。また、検索キーの設定については必ずしも内容まで設定する必要はなく、項目のみの設定でもかまわない。
【0114】
図19は、画像出力装置40において、CPU122によって実行される、利用者がプリントホールドリスト画面から印刷ジョブを選択し、印刷を実行するまでのプログラムの制御構造をフローチャート形式で表した図である。このプログラムは、ジョブ状況ボタン162を押した時に実行される。
【0115】
図19を参照して、このプログラムは、画像出力装置40でホールド状態になっているすべての印刷ジョブをプリントホールドリスト画面に一覧表示するステップS2002と、ステップS2002に続き、ジョブ検索用の検索キーが入力され設定されているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS2004と、ステップS2004で検索キーは設定されていないと判定された場合(NOの場合)に実行され、プリントホールドリストから印刷ジョブが選択されているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS2006と、ステップS2006で印刷ジョブが選択されていると判定された場合(YESの場合)、パスワード入力画面を表示し、利用者に印刷ジョブを実行させるためのパスワードを入力させるステップS2008と、ステップS2008に続き、入力されたパスワードが正しいか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS2010と、ステップS2010で入力されたパスワードが正しいと判定された場合(YESの場合)に実行され、選択された印刷ジョブを実行し出力するステップS2012と、ステップS2012に続き、出力した印刷ジョブ及び印刷データを削除するステップS2014とを含む。ステップS2006で印刷ジョブが選択されていないと判定された場合(NOの場合)は、制御はステップS2002に進む。ステップS2010で入力されたパスワードが正しくないと判定された場合(NOの場合)は、制御はステップS2008に進み、再度パスワードを入力させる。
【0116】
このプログラムはさらに、ステップS2004で検索キーが設定されていると判定された場合(YESの場合)に実行され、検索キーで設定された検索項目がパスワードであるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS2020と、ステップS2020で検索項目がパスワードではないと判定された場合(NOの場合)に実行され、画像出力装置40でホールド状態になっているすべての印刷ジョブの中から選択された検索キーに該当する印刷ジョブを検索結果としてリスト表示するステップS2022と、ステップS2022に続き、利用者による再検索が行なわれるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS2024とを含む。ステップS2024で再検索を行なわれると判定された場合(YESの場合)、制御はステップS2004に進む。再検索を行なわれないと判定された場合(NOの場合)、制御はステップS2002に進む。
【0117】
このプログラムはさらに、ステップS2020で選択された検索項目がパスワードであると判定された場合(YESの場合)に実行され、検索キーの内容として入力したパスワードが正しいパスワードであるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS2026と、ステップS2026でパスワードが一致していると判定された場合(YESの場合)に実行され、画像出力装置40でホールド状態になっているすべての印刷ジョブの中から、利用者が設定した検索キーに該当する印刷ジョブを抽出し表示するステップS2028と、ステップS2028に続き、抽出された印刷ジョブの印刷を実行するステップS2030とを含む。ステップS2030実行後、制御はステップS2014に進み、出力された印刷ジョブ及び印刷データは削除される。ステップS2026で検索キーの内容として入力したパスワードが一致していないと判定された場合(NOの場合)は、制御はステップS2022に進む。
【0118】
このプログラムはさらに、ステップS2014に続き、画像出力装置40でホールド状態になっているすべての印刷ジョブを参照し、受信日時から所定の時間が経過しているジョブがあるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS2016と、ステップS2016で受信日時から所定の時間が経過しているジョブがあると判定された場合(YESの場合)に実行され、該当ジョブを削除し、データ送信元に印刷ジョブを削除した旨を通知するステップS2018とを含む。ステップS2018実行後、制御はステップS2016に進む。ステップS2016で、受信日時から所定の時間が経過しているジョブがないと判定された場合(NOの場合)、このプログラムは終了する。
【0119】
ステップS2018では、印刷データの送信元に対して、例えば「印刷ジョブのホールド期間が過ぎたため、ファイル名:#####の印刷ジョブを消去しました」という通知メッセージを発行する。「#####」は、消去された印刷ジョブの印刷データファイル名を表示する。
【0120】
―動作―
本実施の形態に係る画像出力装置40は以下のように動作する。
【0121】
本実施の形態では、ネットワーク上の画像出力装置40にコンピュータ42からダイレクトプリント機能を用いて印刷指示を出した時、印刷データとともに印刷日時、ファイル名、送信元端末のIPアドレス、送信元のパソコン名、及び送信元パソコンにログインした時のログイン名が送信される。
【0122】
管理者は印刷データとともに送信されるこれらの情報を考慮して、重要な印刷物についてはすぐに印刷を行なわないで画像出力装置にデータを蓄積するようにデータホールド許可の設定をあらかじめ行なう。また、契約書など複製を禁止するものについては、印刷データを受信した段階でデータを破棄するように印刷拒否設定をあらかじめ行なう。
【0123】
印刷データのデータホールド許可設定及び印刷拒否設定は以下のように行なう。
【0124】
コピーモードの初期画面150でユーザ設定ボタン160を押し、ユーザ設定モードに入る。ユーザ設定画面180では、キーオペレータプログラムボタン182を押し、キーオペレータモード画面190を表示させ、デバイス設定ボタン192を押しデバイス設定モード画面200を表示させる。デバイス設定モード画面200でホールド許可設定ボタン202を押すとホールド許可情報設定画面210が表示され、この画面でホールド許可設定及び印刷拒否設定の登録を行なう。
【0125】
ホールド許可情報及び印刷拒否情報における設定条件は、「項目」と、その項目に対応する「内容」との2つの情報から構成される。
【0126】
ホールド許可設定を登録する時は、ホールド許可ボタン216を押しチェックを入れ、項目設定ボタン212を押して項目設定画面230を表示させる。項目設定画面230ではホールド許可する項目として、ファイル名、IPアドレス、送信元のパソコン名、及び送信元パソコンにログインした時のログイン名の内のいずれか一つを選択しOKボタンを押して設定する。項目を設定後、ホールド許可情報設定画面210を表示すると、設定した項目名が項目設定ボタン212上に表示される。次に、内容設定ボタン214を押し内容設定画面250を表示させる。内容設定画面250では、例えばIPアドレスを項目として設定した場合は、「192.168.0.11」のように、選択した項目に対応する内容を入力し、OKボタンを押して設定する。内容を設定後、ホールド許可情報設定画面210を表示すると、その内容が内容設定ボタン214上に表示される。ホールド許可する項目及び内容の確認をしたらOKボタン220を押す。すると、その設定情報がホールド許可設定として画像出力装置40に登録される。ホールド許可設定ではさらに、ホールド状態解除するためのパスワードを個別に設定することができる。ホールド許可設定リスト300を表示させ、個別にパスワードを設定するホールド許可条件のチェックボックス306を押しチェックを入れる。チェックが入るとパスワード入力ボックス308が有効になり、入力ボックス308に入力した文字列がパスワードとして設定される。
【0127】
印刷拒否設定を登録する時は、印刷拒否設定ボタン218を押しチェックを入れ、項目設定ボタン212を押し、項目設定画面230を表示させる。項目設定画面230では印刷拒否をする項目として、ファイル名、IPアドレス、送信元のパソコン名、及び送信元パソコンにログインした時のログイン名の内のいずれか一つを選択しOKボタンを押す。すると印刷拒否情報の項目が設定される。項目設定後、ホールド許可情報設定画面210を表示すると設定した項目名が項目設定ボタン212上に表示される。次に、内容設定ボタン214を押し内容設定画面250を表示させる。内容設定画面250では、例えばファイル名を項目として設定した場合は「人事名簿」のように、選択した項目に対応する内容を入力しOKボタンを押す。すると、入力した内容が印刷拒否情報の内容として設定される。内容設定後、ホールド許可情報設定画面210を表示すると、設定した内容が内容設定ボタン214上に表示される。印刷拒否する項目及び内容の確認をしたらOKボタン220を押すと、その設定情報が印刷拒否設定として画像出力装置40に登録される。
【0128】
ホールド許可及び印刷拒否設定を登録した時、画像出力装置40がダイレクトプリント機能で印刷データを受信した時の動作は以下のようになる。
【0129】
画像出力装置40が印刷データを受信すると、印刷データとともに送信されるファイル名、送信元端末のIPアドレス、送信元のパソコン名、及び送信元パソコンにログインした時のログイン名などの付加情報を抽出する。抽出した付加情報と登録された印刷拒否設定とを参照し、該当する設定条件があれば印刷拒否ジョブと判定する。送信元に対して印刷が拒否されている旨を通知し、画像出力装置40は受信データを破棄してプログラムを終了する。印刷拒否ジョブと判定されなかった場合は、抽出した付加情報と登録されたホールド許可設定とを参照し、該当する設定条件があればホールド対象ジョブと判定する。ホールド対象ジョブと判定された場合は、該当したホールド許可設定にパスワードが登録されているか否かを判定する。ホールド許可設定にパスワードが登録されていない場合、画像出力装置40はホールド状態を解除するためのランダムな文字列のパスワードを発行し、受信した印刷データと発行したパスワードとを関連付けて画像出力装置40内のHDD128に保存する。送信元に対しては、受信した印刷指示がホールド状態であるという旨と、ホールド状態を解除するために発行したパスワードとを通知する。ホールド許可設定にパスワードが登録されている場合、画像出力装置40は受信した印刷データと該当したホールド許可設定にあらかじめ登録されているパスワードとを関連付けて画像出力装置40内のHDD128に保存する。送信元に対しては、受信した印刷指示がどの条件に該当してホールド状態になったかという事と、ホールド状態を解除するためのパスワードとを通知する。該当する設定条件が無くホールド対象ジョブとして判定されない場合は、受信した印刷データをそのまま出力する。
【0130】
ホールド状態で保存された印刷ジョブは、プリントホールドリスト画面320に表示される。初期状態のプリントホールドリストには保存されているすべての印刷ジョブが表示される。画像出力装置40では、その中から所望する印刷ジョブを探すために、検索キーを入力し検索することが可能である。プリントホールドリスト画面320で、検索キー入力ボタン330を押し、検索キー設定画面350を表示させる。検索キーの設定としてはホールド許可設定を行なった時と同様に、検索する項目とその内容とを設定する。検索キーの項目としては、ファイル名、IPアドレス、送信元のパソコン名、及びログイン名に加えて、パスワード設定の有無のいずれか一つを設定する。内容の設定では、設定した項目に該当する内容を入力する。また、検索キーの設定においては、項目のみ設定も可能である。検索キーの項目及び内容を入力しOKボタンを押すと、それらの設定が検索キーとして設定される。検索キー設定後、検索ボタン332を押すと、検索キーに該当する印刷ジョブをプリントホールドリスト画面320に表示する。
【0131】
画像出力装置40において、利用者がプリントホールドリストから印刷ジョブを選択し、印刷を実行して終了するまでは以下のように動作する。
【0132】
ジョブ状況ボタン162を押されると、タッチパネルディスプレイにプリントホールドリスト画面を表示させ、ホールド状態にある印刷ジョブを表示する。ここで印刷ジョブの検索を行なう場合は、検索キーを設定し検索ボタンを押す。するとホールド状態の印刷ジョブから検索キーに該当するジョブを表示する。利用者によりプリントホールドリスト上の印刷ジョブが選択されOKボタンを押されると、画像出力装置40はパスワード入力画面を表示し、利用者からのパスワード入力を待つ。利用者から入力されたパスワードが該当する印刷ジョブに対して正しければ、画像出力装置40は印刷ジョブのホールド状態を解除し、印刷を実行する。印刷実行された印刷ジョブは、画像出力装置40のHDD内から印刷データとともに消去される。また、検索キーの設定でパスワード項目を選択し、その内容にホールド許可設定で設定されているパスワードを入力した場合は、そのホールド許可設定に該当してホールドされた印刷ジョブを抽出して一括表示する。その後、抽出された印刷ジョブは一括してホールド状態が解除され、印刷実行される。印刷実行されたジョブは、画像出力装置40のHDD内から印刷データとともに消去される。
【0133】
画像出力装置40は出力した印刷データ及び印刷ジョブを消去後、ホールド状態になっているすべての印刷ジョブを参照し、受信日時から所定の時間が経過している印刷ジョブがあるか否かを判定する。所定の時間が経過した印刷ジョブがあった場合は、画像出力装置40は、該当する印刷ジョブ及び印刷データを削除し、データ送信元に印刷ジョブを削除したということを通知する。ホールドリストの中から所定の時間が経過した印刷ジョブが無くなったとき、出力動作を終了する。
【0134】
以上のように本実施の形態に係る画像出力装置40では、ダイレクトプリント機能において印刷するファイル名、送信元のIPアドレス、パソコン名、及びパソコンへのログイン名などを用いてホールド許可及び印刷拒否の設定を行ない、受信データの印刷制御を行なう。その結果、機密性の高い文書が簡単に印刷されることを防ぐことができる。また、画像出力装置内にホールド状態にする印刷ジョブについても、所定時間が経過した印刷ジョブは自動的に消去する制御を行ない、不必要な印刷データを画像出力装置内に残さないようにしている。装置内部には必要最小限のデータが保存されているため、画像出力装置40は不正なアクセスによる情報漏えいの危険性を少なくすることができる。その結果、利用者の操作性を考慮すると同時に、文書ファイルの出力管理及び情報セキュリティの向上を目的とした画像出力装置を提供することができる。
【0135】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本実施の形態に係る画像出力装置40を用いて構成される、画像出力システム30の全体構成を示す模式図である。
【図2】コンピュータ42に用いられる周辺機器を含んだ、コンピュータ42の構成を表すブロック図である。
【図3】コンピュータ42上で動作するソフトウェアの構成を表すブロック図である。
【図4】画像出力装置40の構成を表すブロック図である。
【図5】画像出力装置40の操作部134の外観を示す図である。
【図6】ユーザ設定モードの初期画面、ユーザ設定画面180を示す図である。
【図7】キーオペレータプログラム設定モードの初期画面、キーオペレータモード画面190を示す図である。
【図8】デバイス設定モードの初期画面、デバイス設定モード画面200を示す図である。
【図9】ホールド許可・印刷拒否情報設定モードの初期画面、ホールド許可情報設定画面210を示す図である。
【図10】項目設定モードの初期画面、項目設定画面230を示す図である。
【図11】ホールド許可・印刷拒否情報の内容設定モードの初期画面を表す、内容設定画面250を示す図である。
【図12】印刷ソフトウェア50の一例であるダイレクトプリント機能の表示窓280と、印刷ファイル284とを示す図である。
【図13】ダイレクトプリントで印刷ジョブを送信する際にファイルに付加させることができる情報を表すテーブル290を表す図である。
【図14】画像出力装置40のホールド許可設定リスト300を示す図である。
【図15】画像出力装置40の印刷拒否設定リスト312を示す図である。
【図16】画像出力装置40でCPU122によって実行され、ダイレクトプリントで送信された印刷ジョブを受信し、処理するまでのプログラムの制御構造をフローチャート形式で表した図である。
【図17】画像出力装置40にホールド状態で保存されている印刷ジョブを表すプリントホールドリスト画面320を示す図である。
【図18】検索キー入力ボタン330を押した時に表示される、検索キー設定画面350を示す図である。
【図19】画像出力装置40でCPU122によって実行され、利用者がプリントホールドリスト画面から印刷ジョブを選択し、印刷を実行するまでのプログラムの制御構造をフローチャート形式で表した図である。
【符号の説明】
【0137】
30 画像出力システム
40 画像出力装置
42 コンピュータ
44 ネットワーク
122 CPU
128 HDD
130 情報判定部
132 設定情報取得部
134 操作部
136 ネットワークインターフェイス
140 タッチパネルディスプレイ
160 ユーザ設定ボタン
162 ジョブ状況ボタン
300 ホールド許可設定リスト
312 印刷拒否設定リスト
320 プリントホールドリスト画面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加情報を有することのある印刷データを受信するための受信手段と、
印刷データに基づいて画像を形成し出力するための画像形成手段と、
印刷データの印刷を保留するための保留条件を記憶するための保留条件記憶手段と
前記受信手段が受信した印刷データが有する付加情報が前記保留条件のいずれかに該当することに応答して、前記受信手段が受信した印刷データを所定の保留データ記憶媒体に格納し、前記画像形成手段による出力を保留するための保留手段と、
前記受信手段が受信した印刷データが、前記保留条件のいずれかに該当する付加情報を有していないときに、前記画像形成手段に、当該印刷データに基づく画像の形成と出力とを行なわせるための手段とを含む、画像出力装置。
【請求項2】
前記付加情報は、ファイル名、IPアドレス、装置名、及びログイン名のいずれかである、請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項3】
さらに、前記保留手段により印刷データの出力が保留されたことに応答して、当該印刷データの保留を解除するためのパスワードを発行するためのパスワード発行手段と、
前記パスワード発行手段が発行したパスワードを、前記保留手段により保留された印刷データと関連付けて所定のパスワード記憶媒体に記憶するためのパスワード記憶手段とをさらに含む、請求項1又は請求項2に記載の画像出力装置。
【請求項4】
前記パスワード発行手段によりパスワードが発行されたことに応答して、前記受信手段が受信した前記印刷データの送信元に、当該印刷データの出力が保留されたこと、及び前記パスワード発行手段により発行されたパスワードを通知するための通知手段をさらに含む、請求項3に記載の画像出力装置。
【請求項5】
利用者によるパスワードの入力を受けるためのパスワード入力手段と、
前記パスワード入力手段がパスワードの入力を受けたことに応答して、前記入力されたパスワードと一致するパスワードが前記パスワード記憶媒体に記憶されているか否かを判定するためのパスワード判定手段と、
前記入力されたパスワードと一致するパスワードが前記パスワード記憶媒体に記憶されていると判定されたことに応答して、当該パスワードに関連付けられた印刷データを前記画像形成手段によって出力するための保留データ印刷手段とをさらに含む、請求項3又は請求項4に記載の画像出力装置。
【請求項6】
前記保留手段により印刷データの出力が保留されたことに応答して、前記受信手段が受信した前記印刷データの送信元に当該印刷データの出力が保留されたこと通知するための通知手段をさらに含む、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項7】
印刷データの出力を拒否するための印刷拒否条件を記憶するための印刷拒否条件記憶手段と、
前記保留手段の動作に先立ち、前記受信手段が受信した印刷データが有する付加情報が前記印刷拒否条件のいずれかに該当することに応答して、前記受信手段が受信した印刷データを破棄するための破棄手段とをさらに含む、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項8】
前記破棄手段は、
前記保留手段の動作に先立ち、前記受信手段が受信した印刷データが有する付加情報が前記印刷拒否条件のいずれかに該当することに応答して、前記受信手段が受信した破棄の対象の印刷データを所定の破棄データ記憶媒体に記憶するための手段と、
前記破棄データ記憶媒体に記憶された印刷データのうち、前記破棄データ記憶媒体に記憶されてから所定時間が経過したものを削除するための削除手段とを含む、請求項7に記載の画像出力装置。
【請求項9】
前記破棄手段が印刷データを破棄したときに、当該印刷データの送信元に対して当該印刷データが破棄されたことを通知するための手段をさらに含む、請求項7又は請求項8に記載の画像出力装置。
【請求項10】
前記印刷拒否条件の一覧リストを作成するための手段をさらに含む、請求項7〜請求項9のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項11】
前記印刷拒否条件の入力を受け、前記印刷拒否条件記憶手段に格納するための手段をさらに含む、請求項7〜請求項10のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項12】
前記保留条件の一覧リストを作成するための手段をさらに含む、請求項1〜請求項11のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項13】
前記保留データ記憶手段に記憶されている印刷データの検索条件の入力を受けるための検索条件入力手段と、
前記検索条件に該当する印刷データを検索し一覧表示するための検索表示手段とをさらに含む、請求項1〜請求項12のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項14】
前記検索条件入力手段は、検索対象の印刷データに対応するパスワードの入力を受けるための検索パスワード入力手段を含み、
前記検索表示手段は、前記検索パスワード入力手段が受けたパスワードに対応付けられている印刷データを前記保留データ記憶手段から検索し一覧表示するための手段を含む、請求項13に記載の画像出力装置。
【請求項15】
前記一覧表示されている印刷データの内で印刷すべきものの指定を受けるための印刷対象指定手段と、
前記印刷対象指定手段を用いて指定された印刷データを、前記画像形成手段を用いて出力するための手段とをさらに含む、請求項13又は請求項14に記載の画像出力装置。
【請求項16】
前記保留データ記憶手段に記憶されている印刷データを一覧表示するための一覧表示手段をさらに含む、請求項1〜請求項15のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項17】
前記一覧表示手段により一覧表示された印刷データのうちで、印刷すべきものの指定を受けるための手段と、
前記指定を受けるための手段を用いて指定された印刷データを、前記画像形成手段を用いて出力するための手段とをさらに含む、請求項16に記載の画像出力装置。
【請求項18】
前記保留条件の入力を受け、前記保留条件記憶手段に格納するための手段をさらに含む、請求項1〜請求項17のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項19】
付加情報を有することのある印刷データを受信するための受信手段と、
印刷データに基づいて画像を形成し出力するための画像形成手段と、
印刷データの付加情報に関する条件と、当該条件が充足されたときに行なうべき処理との組からなる動作規則を記憶するための動作規則記憶手段と、
前記受信手段が受信した印刷データが有する付加情報が前記動作規則の条件のいずれかに該当することに応答して、当該動作規則により定まる処理を前記受信手段が受信した印刷データに対して行なうための印刷データ処理手段と、
前記受信手段が受信した印刷データが、前記動作規則の条件のいずれかに該当する付加情報を有していないときに、前記画像形成手段に、当該印刷データに基づく画像の形成と出力とを行なわせるための手段とを含む、画像出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−64257(P2010−64257A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−229908(P2008−229908)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】