説明

画像変換装置、画像変換方法、画像変換プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体

【課題】ユーザが所望する寸法に画像を拡大して変換できる画像変換装置、画像変換方法、画像変換プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供すること。
【解決手段】ユーザの指示に基づいて元画像の拡大率を指定する(S12)。表示装置の画面の横幅及び縦幅に基づいて、拡大画像の横幅の分割数(横幅分割数)及び縦幅の分割数(縦幅分割数)を決定する(S14)。拡大画像の全領域の少なくとも一部を示す複数の画像(分割画像)によって表示装置に表示できるように、横幅分割数及び縦幅分割数に基づいて定まる範囲の拡大画像を分割画像として生成する(S15、S16)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意の寸法の画像を所定の表示装置で表示する画像変換装置、画像変換方法、画像変換プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の表示装置で画像を表示できるようにする発明が提案されている(例えば特許文献1参照。)。特許文献1に記載の発明は、ブリッジメディアに対するリーダ・ライタを備えたコンピュータと、ブリッジメディアに対する表示器を備えた電子書籍端末(表示装置に相当)とから構成される電子文書閲覧システムである。この電子文書閲覧システムにおいて、コンピュータは、任意の文書作成ソフトにて作成された文書(画像に相当)に対する印刷要求を受けて、当該文書をページ毎に電子書籍端末の表示器(画面に相当)の解像度や表示器に応じたイメージデータに変換してブリッジメディアに書き込む。そして、既存の電子書籍端末は、このブリッジメディアに書き込まれたイメージデータを読み出して表示器に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−65204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、特許文献1に記載の発明では、画像を既存の表示装置で表示させるために、画面の解像度や寸法に応じた画像となるように、コンピュータでその画像を変換していた。したがって、表示装置に画像を拡大して表示させる場合には、画面の解像度や寸法に応じて予め定められた寸法にしか拡大することができないという問題点があった。すなわち、ユーザが所望する寸法に画像を拡大して変換することができなかった。
【0005】
本発明の上記事情に鑑みてなされたものであり、所定の表示装置で表示できるようにするために画像を変換する画像変換装置、画像変換方法、画像変換プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体において、ユーザが所望する寸法に画像を拡大して変換できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の画像変換装置は、ユーザの指示に基づいて矩形状の画像の拡大率を指定し、且つ、拡大した場合の画像である拡大画像の寸法が、所定寸法の矩形状の画面を有する表示装置のその画面の寸法と異なるような拡大率も指定可能な指定手段と、前記画面の横幅及び縦幅に基づいて、前記拡大画像の横幅の分割数である横幅分割数及び縦幅の分割数である縦幅分割数を決定する分割数決定手段と、前記拡大画像の全領域の少なくとも一部を示す複数の画像である分割画像によって前記表示装置に表示できるように、前記分割数決定手段によって決定された前記横幅分割数及び前記縦幅分割数に基づいて定まる範囲の前記拡大画像を前記分割画像として生成する変換手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
また請求項2に記載の画像変換装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記分割数決定手段は、前記画面の横幅に基づいて、前記拡大画像の横幅の分割数である第一横幅分割数を決定する第一横幅分割数決定手段と、前記画面の縦幅に基づいて、前記拡大画像の縦幅の分割数である第一縦幅分割数を決定する第一縦幅分割数決定手段と、前記画面の縦幅に基づいて、前記拡大画像の横幅の分割数である第二横幅分割数を決定する第二横幅分割数決定手段と、前記画面の横幅に基づいて、前記拡大画像の縦幅の分割数である第二縦幅分割数を決定する第二縦幅分割数決定手段とを有し、前記変換手段は、前記第一横幅分割数と前記第一縦幅分割数とを乗算した値を第一分割数、前記第二横幅分割数と前記第二縦幅分割数とを乗算した値を第二分割数としたときに、前記分割画像の個数が前記第一分割数と前記第二分割数の小さい方となるように前記分割画像を生成することを特徴とする。
【0008】
また請求項3に記載の画像変換装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記変換手段は、前記拡大画像の全領域が表示されるように前記分割画像の各々を配置した場合のそれら分割画像全体の寸法と前記拡大画像の寸法とが同じとなるように、前記分割画像を生成することを特徴とする。
【0009】
また請求項4に記載の画像変換装置は、請求項3に記載の発明の構成に加え、前記変換手段は、前記拡大画像の全領域が表示されるように前記分割画像の各々を配置した場合に、すべての隣接する前記分割画像間において、重なっている領域である重なり領域の幅が等しくなるように前記分割画像を生成することを特徴とする。
【0010】
また請求項5に記載の画像変換装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記変換手段は、前記拡大画像の全領域が表示されるように前記分割画像の各々を配置した場合に、隣接する前記分割画像間において、重なっている領域がないように前記分割画像を生成することを特徴とする。
【0011】
また請求項6に記載の画像変換装置は、請求項5に記載の発明の構成に加え、前記変換手段は、前記拡大画像の全領域が表示されるように前記分割画像の各々を配置した場合に、前記拡大画像の寸法と前記分割画像全ての寸法とが重なっていない領域を余白領域としたときに、左右及び上下の少なくとも一方の前記余白領域の幅がそれぞれ等しくなるように前記分割画像を生成することを特徴とする。
【0012】
また請求項7に記載の画像変換装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記分割画像の各々に対して、前記表示装置で表示させるときの順番をユーザの指示に基づいて付与する順番付与手段をさらに備えることを特徴とする。
【0013】
また請求項8に記載の画像変換装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記指定手段は、ユーザを特定する特定手段と、ユーザごとの前記拡大率を記憶する記憶手段から、前記特定手段によって特定されたユーザに対応した前記拡大率を読み出す読出手段とを有し、その読出手段によって読み出された前記拡大率を指定することを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の画像変換方法は、ユーザの指示に基づいて矩形状の画像の拡大率を指定するステップであって、拡大した場合の画像である拡大画像の寸法が、所定寸法の矩形状の画面を有する表示装置のその画面の寸法と異なるような拡大率を指定する指定ステップと、前記画面の横幅及び縦幅に基づいて、前記拡大画像の横幅の分割数である横幅分割数及び縦幅の分割数である縦幅分割数を決定する分割数決定ステップと、前記拡大画像の全領域の少なくとも一部を示す複数の画像である分割画像によって前記表示装置に表示できるように、前記分割数決定ステップによって決定された前記横幅分割数及び前記縦幅分割数に基づいて定まる範囲の前記拡大画像を前記分割画像として生成する変換ステップとを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の画像変換プログラムは、コンピュータに、ユーザの指示に基づいて矩形状の画像の拡大率を指定するステップであって、拡大した場合の画像である拡大画像の寸法が、所定寸法の矩形状の画面を有する表示装置のその画面の寸法と異なるような拡大率を指定する指定ステップと、前記画面の横幅及び縦幅に基づいて、前記拡大画像の横幅の分割数である横幅分割数及び縦幅の分割数である縦幅分割数を決定する分割数決定ステップと、前記拡大画像の全領域の少なくとも一部を示す複数の画像である分割画像によって前記表示装置に表示できるように、前記分割数決定ステップによって決定された前記横幅分割数及び前記縦幅分割数に基づいて定まる範囲の前記拡大画像を前記分割画像として生成する変換ステップとを実行させることを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、請求項10に記載の画像変換プログラムを記憶していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の画像変換装置によれば、ユーザは、指定手段で画像の拡大率を指定することができる。この際、拡大画像の寸法が、所定寸法の矩形状の画面を有する表示装置のその画面の寸法と異なるような拡大率を指定することができる。そして分割数決定手段は、画面の横幅及び縦幅に基づいて、横幅分割数及び縦幅分割数を決定する。変換手段は、拡大画像の全領域の少なくとも一部を示す複数の画像(分割画像)によって表示装置に表示できるように、分割数決定手段によって決定された横幅分割数及び縦幅分割数に基づいて定まる範囲の拡大画像を分割画像として生成する。したがって、ユーザは画像を所望の大きさに拡大させることができ、その拡大画像を複数の分割画像として表示装置にて閲覧することができる。
【0018】
ここで横幅分割数は、請求項2のように、画面の横幅に基づいて決定することができるし(第一横幅分割数)、画面の縦幅に基づいて決定することもできる(第二横幅分割数)。同様に、縦幅分割数は、請求項2のように、画面の縦幅に基づいて決定することができるし(第一縦幅分割数)、画面の横幅に基づいて決定することもできる(第二縦幅分割数)。このようにして横幅分割数と縦幅分割数と決定した場合には、分割画像として、第一横幅分割数及び第一縦幅分割数に基づいて生成することもできるし、第二横幅分割数及び第二縦幅分割数に基づいて生成することもできる。一方で分割画像の総数を、横幅分割数と縦幅分割数とを乗算した値とすることができる。そこで請求項2の画像変換装置では、分割画像の総数を少なくさせるために、第一横幅分割数と第一縦幅分割数とを乗算した値を第一分割数、第二横幅分割数と第二縦幅分割数とを乗算した値を第二分割数としたときに、分割画像の個数が第一分割数と第二分割数の小さい方となるように分割画像を生成している。したがって、ユーザは、少ない分割画像で拡大画像の全領域を閲覧することができる。
【0019】
また各分割画像は、それらで拡大画像の全領域が表示できるように、横幅分割数及び縦幅分割数に基づいて定まる範囲で生成されるが、例えば請求項3〜6のように分割画像を生成することができる。請求項3の画像変換装置では、拡大画像の全領域が表示されるように分割画像の各々を配置した場合のそれら分割画像全体の寸法と拡大画像の寸法とが同じとなるように分割画像を生成しているので、分割画像で拡大画像の全領域を表示させる場合において、隣接する分割画像間で、重なっている領域である重なり領域が生じることがある。すなわち、隣接する分割画像間において、同じ内容を含むことがある。ただし拡大画像に含まれない領域である余白領域はないことになる。この場合、各重なり領域の幅は、分割画像を生成する範囲で決まってくる。したがって、重なり領域の幅が分割画像間で異なる場合がある。すなわち、重なり領域の幅が大きな分割画像もあれば、小さな分割画像もある場合がある。例えば、重なり領域の幅が大きな分割画像を閲覧する場合に、ユーザが次の分割画像に表示を切り替えたとしてもその分割画像の内容のほとんどが、前の分割画像の内容と同じということも起こりえる。この場合、表示を切り替えることによる利益、すなわち切り替える前後で異なる内容を把握するという利益が薄くなる。そこで、重なり領域の幅を分割画像間でできるだけ小さくするために、請求項4の画像変換装置では、すべての隣接する分割画像間において、重なり領域の幅が等しくなるように分割画像を生成している。こうすることによって、重なり領域の幅が極端に大きな分割画像が生成されることを防止できる。
【0020】
また請求項5のように、拡大画像の全領域が表示されるように分割画像の各々を配置した場合に、隣接する分割画像間において、重なっている領域がないように分割画像を生成してもよい。重なり領域がないので、隣接する分割画像間において、同じ内容を含むことがない。ただし、拡大画像に含まれない領域である余白領域が分割画像に含まれることがある。ここで、分割画像における余白領域が占める割合は、分割画像を生成する範囲で決まってくる。したがって、分割画像の生成の仕方によっては、大部分が余白領域となる分割画像が生成されることが起こりえる。このような分割画像を表示装置で表示させたとしても、ユーザは拡大画像の内容をほとんど把握できない。そこで請求項6の画像変換装置では、拡大画像の全領域が表示されるように分割画像の各々を配置した場合に、左右及び/又は上下の余白領域の幅がそれぞれ等しくなるように分割画像を生成している。これにより、余白領域を分散させることができるので、余白領域が占める割合が極端に多い分割画像が生成されることを防止できる。
【0021】
一方、画像変換装置によって生成された複数の分割画像を表示装置で表示させて、拡大画像を閲覧しようとしたときに、ユーザは所望する順番で各分割画像を閲覧したいと思うことがある。そこで、請求項7の画像変換装置では、順番付与手段が分割画像の各々に対して、表示装置で表示させるときの順番をユーザの指示に基づいて付与している。
【0022】
また拡大率の指定方法に関して、請求項8の画像変換装置のように、画像変換装置を使用するユーザを特定して、そのユーザに対応する予め記憶された拡大率を指定してもよい。こうすることによって、その都度、ユーザは拡大率を指示する必要がないので、ユーザの操作負担を低減できる。
【0023】
また請求項9に記載の画像変換方法、請求項10に記載の画像変換プログラム及び請求項11に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体によれば、上述した請求項1と同じ効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】画像変換装置100及び表示装置200の外観を示した図である。
【図2】表示装置200の電気的構成を示したブロック図である。
【図3】画像変換装置100の電気的構成を示したブロック図である。
【図4】テーブル300を示した概念図である。
【図5】変換処理のメインルーチンを示したフローチャートである。
【図6】拡大率設定処理の詳細を示したサブルーチンのフローチャートである。
【図7】分割数決定処理の詳細を示したフローチャートである。
【図8】第一実施形態における分割範囲決定処理の詳細を示したフローチャートである。
【図9】順番付与処理の詳細を示したフローチャートである。
【図10】画像取得画面を示した図である。
【図11】初期画面を示した図である。
【図12】登録画面を示した図である。
【図13】確認画面を示した図である。
【図14】再入力画面を示した図である。
【図15】ID入力画面を示した図である。
【図16】プレビュー画面を例示した図である。
【図17】S51の処理を説明するための図である。
【図18】S52の処理を説明するための図である。
【図19】仮想平面202を画面201と同じ向きで配置したときの、重複領域、余白領域の全横幅G1、全縦幅H1を示した図である。
【図20】拡大画像600に重ねて複数の仮想平面202を配置した状態を例示した図である。
【図21】画面201を90度回転させて向きで仮想平面202を配置したときの、重複領域、余白領域の全横幅G1、全縦幅H1を示した図である。
【図22】拡大画像600に重ねて複数の仮想平面202を配置した状態を例示した図である。
【図23】横書き順番パターンを示した図である。
【図24】縦書き順番パターンを示した図である。
【図25】順番設定画面を示した図である。
【図26】順番変更画面を示した図である。
【図27】分割画像601の個数が第一分割数D1の場合の分割画像601を表示装置200で表示させた状態を示した図である。
【図28】分割画像601の個数が第二分割数D2の場合の分割画像601を表示装置200で表示させた状態を示した図である。
【図29】第二実施形態における分割範囲決定処理の詳細を示したフローチャートである。
【図30】仮想平面202の配置の例示として、9つの仮想平面202を拡大画像600に重ねて配置したときの図である。
【図31】仮想平面202の配置の例示として、6つの仮想平面202を拡大画像600に重ねて配置したときの図である。
【図32】余白領域を含む分割画像601を表示装置200に表示させたときの図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態である画像変換装置について図面を参照して説明する。本実施形態では、図1に示すように、所定寸法の矩形状の画面を有し当該画面に画像を表示する表示装置200と、当該表示装置200用のデータ形式で画像を拡大して表示させるために、元画像を変換する画像変換装置100とが使用される。一般に、文書データは、当該文書データの作成に使用されたワードプロセッサ特有の形式で作成されている。また、画像データも各種のデータ形式のものが存在している。これらの文書データや画像データを表示装置200で拡大して表示するためには、当該文書データや画像データが表示装置200用のデータに画像変換装置100で変換される。この画像変換装置100には、表示装置200が一例としてUSBケーブル30で接続されて、表示用のデータが画像変換装置100から表示装置200に転送される。この画像変換装置100の一例としては、パーソナルコンピュータ等を用いることができる。
【0026】
図1を参照して、表示装置200の物理的構成を説明する。図1に示すように、表示装置200は、板状の筐体203に図2に示す電気的回路が収容されており、その表面には画面201と操作キー204が設けられている。画面201には各種画像が表示され、ユーザは操作キー204を用いて、表示させる画像の切り替え操作等の各種操作をすることができる。また、図1に示すように、画面201の横幅はxであり、縦幅はyである。一方で表示装置200の画面201は、表示できる画像のフォーマット(例えばビットマップ形式)が予め定められている。このように、画面201の寸法が定められており、かつ、表示可能な画像のフォーマットも定められているために、画面201より大きな寸法の画像や、上記フォーマットと異なるフォーマットの画像を表示装置200で表示させるために、その画像を表示装置200に表示できるように変換する必要がある。そこで、本発明に係る画像変換装置100が用いられる。なお、表示装置200としては、例えば電気泳動を利用して画像を表示するものがある。その表示原理については公知であるので説明を省略する。
【0027】
次に、図2を参照して、表示装置200の電気的構成を説明する。図2に示すように、表示装置200は、CPU90と、ROM91と、RAM92と、EEPROM93と、先述の操作キー204および電源ボタン9と、画面201に接続された表示コントローラ51と、バッテリ5に接続された電源コントローラ52と、メモリカード7に接続可能なメモリカードインターフェイス53とが、バスを介して接続されている。CPU90は、表示装置200の制御を司る。ROM91は、表示装置200を動作させる制御プログラムや、表示装置200の動作に関わる設定情報を記憶する。RAM92は、各種データを一時的に記憶するメモリである。EEPROM93は、各種データを記憶する不揮発性メモリである。
【0028】
表示コントローラ51は、画面201での画像表示を制御する。電源コントローラ52は、表示装置200に内蔵されて電源を供給するバッテリ5の充放電を制御したり、バッテリ5の電池残量や電圧低下を検知したり、表示装置200に供給する電圧を制御したりする。なお、表示装置200は、図示外の外部電源から電力供給を受けていない場合には、バッテリ5の電力で駆動される。メモリカードI/F53は、カードスロットに挿入されたメモリカード7に対する画像データの読出・書込を行う。
【0029】
本実施形態の表示装置200では、画面201の表示面全体を占めるページ単位の画面(ページ画面)が、メモリカード7に記憶されているデータに基づいて表示される。そして、操作キー204からページ遷移(例えば、ページ送りやページ指定など)が指示されると、画面201に表示されている一のページ画面が、ユーザの操作に応じた他のページ画面に書き換えられる。また、メモリカード7には、複数のページによって構成されるコンテンツ(言い換えると、複数のページ画面をそれぞれ表示するために必要なデータやファイル)が記憶されている。詳細には、メモリカード7には、後述の管理ファイルを記憶する管理ファイル記憶エリア110と、後述の画像ファイルを記憶する画像ファイル記憶エリア120とが設けられている。
【0030】
なお、本実施形態では、メモリカード7に記憶されているコンテンツは、複数のページで構成された文書であり、画面201に書換表示される。表示装置200のユーザは、画面201に表示されるページ画面を切り換える(つまり、ページ遷移させる)ことによって、コンテンツの全体を閲覧することができる。
【0031】
次に、画像変換装置100の電気的構成を図3を参照して説明する。図3に示すように、画像変換装置100は、一例としては、周知のパーソナルコンピュータである。図3に示すように、本実施の形態の画像変換装置100は、主制御を司るCPU10にBIOS等を記憶したROM11と、各種データを一時的に記憶するRAM12とが接続されている。また、CPU10には、インターフェイス13が接続されて、インターフェイス13には、ハードディスク装置(HDD)14と、CD・DVDドライブ装置15とが接続されている。尚、ハードディスク装置14は、SSDやフラッシュメモリ等で構成しても良い。また、CD・DVDドライブ装置15には、コンピュータプログラムやデータの記憶媒体としてのCDやDVDの記憶媒体15aが挿入可能となっている。この記憶媒体15aから読み出された本実施の形態の処理を行うコンピュータプログラムは、ハードディスク装置14のプログラム記憶領域143に記憶されるようになっている。
【0032】
また、インターフェイス13には、ビデオコントローラ16、キーコントローラ17、マウスコントローラ20、通信インターフェイス23、USBインターフェイス22及びメモリカードインターフェイス24が接続されている。メモリカードインターフェイス24には、メモリカード7が接続され、ビデオコントローラ16には、ディスプレイ18が接続され、キーコントローラ17には、キーボード19が接続され、マウスコントローラ20には、マウス21が接続されている。また、通信インターフェイス23により画像変換装置100は図示外の通信ネットワークに接続可能となっている。さらに、USBインターフェイス22に、図1に示すUSBケーブル30で表示装置200が接続可能となっている。 画像変換装置100で変換された画像データは、USBケーブル30を介して表示装置200のメモリカード7に書き込まれる。
【0033】
図3に示すように、ハードディスク装置14には、画面寸法記憶領域141と、拡大率記憶領域142と、プログラム記憶領域143とが設けられている。
【0034】
上記構成の画像変換装置100のCPU10は、ハードディスク装置14のプログラム記憶領域143に記憶されているプログラムにしたがって各種演算処理を実行する。具体的には、画像を表示装置200で表示できるように変換する変換処理を実行する。その際、ユーザは変換前の画像(以下「元画像500」という)の寸法に対して、変換後の画像の寸法の比(以下「拡大率P」という)を指定することができる。その拡大率Pは、拡大した場合の画像(以下「拡大画像600」という)の寸法が、表示装置200の画面201の寸法よりも大きくなるような値である。なお、RAM12は変換処理の際に、各種情報を一時的に記憶する。変換処理の詳細については後述する。
【0035】
ハードディスク装置14の画面寸法記憶領域141には、表示装置200の画面201の寸法として、図1に示す画面201の横幅x、縦幅yが記憶されている。また、拡大率記憶領域142には、図4に示すテーブル300が記憶されている。図4に示すようにテーブル300は、ID欄301、ユーザ名欄302及び拡大率欄303とから構成される。ID欄301には、ユーザごとのIDが記憶される。ユーザ名欄302には、IDに対応したユーザ名が記憶される。また、拡大率欄303にはIDに対応した拡大率Pが記憶される。これらID、ユーザ名及び拡大率Pはユーザによって登録されたものである。例えば、図4に示すように、IDが「3」のユーザは、ユーザ名が「山内」、拡大率Pが「120%」であることがわかる。
【0036】
図3に示すメモリカード7には、元画像500が記憶されている。また、USBインターフェイス22にはUSBケーブル30を介して表示装置200が接続されているので、変換処理にて変換された拡大画像600はUSBインターフェイス22を介して表示装置200に転送される。ディスプレイ18は、ブラウン管や液晶ディスプレイ等で構成され、変換処理の過程で各種画面を表示するものである。ユーザは、変換処理の開始を指示する開始信号等の各種信号をキーボード19又はマウス21で入力する。尚、拡大画像についは、USBインターフェイス22を介して表示装置200に転送するようにしているが、図1に示す画像変換装置100のメモリーカードインターフェイス24によりメモリカード7に拡大画像を書き込んで、当該メモリカード7を図2に示す表示装置200のメモリーカードインターフェイス53に装着して受け渡すようにしても良い。
【0037】
次に、CPU10が実行する変換処理について、フローチャートを参照して説明する。図5は変換処理のメインルーチンを示したフローチャートである。このメインルーチンは、ユーザの操作によってキーボード19又はマウス21から開始信号が入力されたときに開始される。先ず、開始信号が入力されると、元画像500を取得するための画像取得画面がディスプレイ18に表示される(S11)。図10は画像取得画面を示した図である。図10に示すように、画像取得画面には、所定の画像取得領域181に元画像500をドラッグ&ドロップするように指示する文章が示されている(S11)。そしてユーザは、マウス21を用いて、メモリカード7に記憶されている元画像500を画像取得領域181にドラッグ&ドロップすることができる。このようにしてドラッグ&ドロップされた元画像500を取得する(S11)。
【0038】
次いで、拡大率Pを指定する拡大率設定処理を実行する(S12)。拡大率設定処理(S12)は、図6に示す拡大率設定処理のサブルーチンで実行される。以下、図6に示す拡大率設定処理のサブルーチンを参照して拡大率設定処理の詳細を説明する。先ず、図4に示すテーブル300に、ユーザに対応したID、ユーザ名及び拡大率Pが記憶されているか否か、すなわち、ID、ユーザ名及び拡大率Pが登録されているか否かを判断する(S31)。具体的には、図11に示すように、ディスプレイ18に「1.ユーザ登録をする」と「2.すぐ利用する」のいずれかを選択するように指示する初期画面182を表示する(S31)。そして、ユーザがキーボード19で「1」又は「2」を示した信号を入力できるようにする(S31)。この際、ユーザは以前にID、ユーザ名及び拡大率Pを登録している場合「2.すぐ利用する」が選択可能である。また、未だID、ユーザ名及び拡大率Pを登録していない場合「1.ユーザ登録をする」を選択する。したがって、「2」が入力された場合には、ID、ユーザ名及び拡大率Pは登録されていると判断する(S31:YES)。また、「1」が入力された場合には、ID、ユーザ名及び拡大率Pは未だ登録されていないと判断する(S31:NO)。
【0039】
ここで、ID、ユーザ名及び拡大率Pは未だ登録されていない場合には(S31:NO)、図12に示す登録画面183をディスプレイ18に表示して、ユーザが今後使用するID、ユーザ名及び拡大率Pを入力できるようにする(S34)。そして入力されたID、ユーザ名及び拡大率Pを取得して、図4に示すテーブル300において、IDはID欄301に、ユーザ名はユーザ名欄302に、拡大率Pは拡大率欄303にそれぞれ記憶する(S34)。
【0040】
次いで、図13に示すように、S34にて取得したユーザ名と拡大率Pとをディスプレイ18に表示して、その拡大率Pに基づいて元画像500を変換してよいのかを確認する確認画面184を表示する(S35)。例えば、S34でユーザ名として「鈴木」、拡大率Pとして「150%」を取得した場合には、S35の確認画面184で、「鈴木さんの拡大率は150%です。これで良いですか?」という文章が示される(S35)。そしてその拡大率Pで良い場合には、ユーザは確認画面184の入力欄185に例えば、「Y」を入力し、その拡大率で良くない場合には、「N」を入力する。この入力に基づいて、その拡大率Pで良いか否かを判断する(S36)。入力された文字が「Y」である場合、すなわちその拡大率Pで良い場合には(S36:YES)、その拡大率PをRAM12に記憶することによってその拡大率Pを設定する(S38)。その後、拡大率設定処理を終了する。一方、入力された文字が「否」を示す「N」である場合、すなわちその拡大率Pで良くない場合には(S36:NO)、図14に示す再入力画面186を表示して、ユーザが拡大率Pを拡大率入力欄187に再入力できるようにする(S37)。そして、再入力された拡大率PをRAM12に記憶することによってその拡大率Pを設定して(S38)、拡大率設定処理を終了する。このように、ユーザは先のS34にて登録した拡大率Pと異なる拡大率Pを指定することができる。尚、ユーザ登録等を行わずに、拡大率Pだけを入力可能として、当該拡大率Pにより処理を行うようにしても良い。
【0041】
一方S31の判断処理において、図11に示す初期画面182で、ユーザが「2.すぐ利用する」を選択した場合、即ち、ID、ユーザ名及び拡大率Pは登録されている場合には、(S31:YES)、図15に示すID入力画面188をディスプレイ18に表示して、ユーザからのIDの入力を待機する(S32:NO)。そしてIDが入力された場合には(S32:YES)、ハードディスク装置14の拡大率記憶領域142に記憶されているテーブル300(図4参照)が参照されて、そのIDに対応するユーザ名及び拡大率Pを読み出される(S33)。その後、上述したS35〜S38の処理を実行して拡大率Pを設定する。例えば、入力されたIDが「3」の場合には、図4に示すテーブル300が参照されて、「3」のIDに対応するユーザ名「山内」と、拡大率P「120%」が読み出され(S33)、ディスプレイ18の確認画面184に表示される(S35)。
【0042】
そして、その拡大率P「120%」で良い場合には(S36:YES)、その拡大率P「120%」がそのまま設定される(S38)。一方、その拡大率P「120%」で良くない場合には(S36:NO)、図14に示す再入力画面186を表示して、ユーザが拡大率Pを拡大率入力欄187に再入力できるようにして拡大率を取得する(S37)。そして、再入力された拡大率PをRAM12に記憶することによってその拡大率Pを設定して(S38)、拡大率設定処理を終了する。その後、図5に示すメインルーチンに戻る。このように、ID、ユーザ名及び拡大率Pが登録されている場合には、ユーザは自身のIDを入力するだけで、拡大率Pを設定することができる。またユーザは、登録された拡大率Pと異なる拡大率Pを指定することもできる。
【0043】
図5に示すメインルーチンの拡大率設定処理(S12)で拡大率Pを設定した後、図16に示すように、その拡大率Pに応じて元画像500を拡大させて、ディスプレイ18にプレビュー画面189を表示する(S13)。具体的には、元画像500の横幅m、縦幅n、拡大率Pとすると、拡大画像600の横幅X=m×P、縦幅Y=n×Pとなるように元画像500を拡大させる。この画像の拡大処理では線形補完等の補完処理を併せて行う。図16に示すように、ディスプレイ18のプレビュー画面189には、拡大率Pとともに、拡大画像600の一部が表示される。したがって、ユーザはプレビュー画面189を見ることによって、拡大画像600がどのくらいの大きさで表示されるのかを確認することができる。そしてユーザは、プレビュー画面189において、その拡大率Pを変更することもできる。変更した拡大率Pは、RAM12に上書き保存される(S13)。
【0044】
次いで、拡大画像600を表示装置200の画面201の寸法以下の大きさの画像(分割画像)に分割するために、拡大画像600の横幅Xの分割数A及び縦幅Yの分割数Bを決定する分割数決定処理を実行する(S14)。以下、分割数決定処理の詳細を図7に示す分割数決定処理のサブルーチンを参照して説明する。
【0045】
先ず拡大画像600の横幅X、縦幅Yを算出する(S50)。具体的には、上述したように、元画像500の横幅m、縦幅n、拡大率Pとすると以下の式で横幅X、縦幅Yを算出する(S50)。
(式1)X=m×P、Y=n×P
【0046】
次いで、ハードディスク装置14の画面寸法記憶領域141に記憶されている表示装置200の画面201の横幅x、縦幅yとを読み出して、拡大画像600の横幅Xを画面201の横幅xで除算して小数点以下を繰り上げた値を第一横幅分割数a1として算出する(S51)。さらに、拡大画像600の縦幅Yを画面201の縦幅yで除算して小数点以下を繰り上げた値を第一縦幅分割数b1として算出する(S51)。例えば、拡大画像600の横幅Xを「250」、縦幅Yを「310」、画面の横幅xを「110」、縦幅yを「150」とすると、拡大画像600の横幅Xを画面201の横幅xで除算した値は、250÷110=2.27・・となる。その値の小数点以下を繰り上げると「3」となる。したがって、第一横幅分割数a1は「3」となる。一方、拡大画像600の横幅Yを画面201の横幅yで除算した値は、310÷150=2.06・・となる。その値の小数点以下を繰り上げると「3」となる。したがって、第一縦幅分割数b1は「3」となる。
【0047】
図17は、S51の処理を説明するための概念図である。なお図17中、仮想平面202は画面201と同じ寸法である。このように、S51の処理は、拡大画像600の全領域と重なるように仮想平面202を画面201と同じ向きで複数配置したときに、その仮想平面202が横方向に少なくとも幾つ配置する必要があるか、縦方向に少なくとも幾つ配置する必要があるかを算出することと同じである。図17の例では、仮想平面202が横方向に3つ配置されているので、第一横幅分割数a1は「3」ということになる。一方、縦方向にも仮想平面202が3つ配置されているので、第一縦幅分割数b1は「3」ということになる。ここで、仮想平面202は、説明のために示しているだけで、特に仮想平面202の生成が必要な訳ではない。
【0048】
次いで、拡大画像600の横幅Xを画面201の縦幅yで除算して小数点以下を繰り上げた値を第二横幅分割数a2として算出する(S52)。さらに、拡大画像600の縦幅Yを画面201の横幅xで除算して小数点以下を繰り上げた値を第二縦幅分割数b2として算出する(S52)。例えば、拡大画像600の横幅Xを「250」、縦幅Yを「310」、画面の横幅xを「110」、縦幅yを「150」とすると、拡大画像600の横幅Xを画面201の縦幅yで除算した値は、250÷150=1.66・・となる。その値の小数点以下を繰り上げると「2」となる。したがって、第二横幅分割数a2は「2」となる。一方、拡大画像600の横幅Yを画面201の横幅xで除算した値は、310÷110=2.81・・となる。その値の小数点以下を繰り上げると「3」となる。したがって、第二縦幅分割数b2は「3」となる。図18は、S52の処理を説明するための図である。なお図18中、仮想平面202は画面201と同じ寸法である。このように、S52の処理は、拡大画像600の全領域と重なるように、画面201を90度回転させた向きで仮想平面202を複数配置したときに、その仮想平面202が横方向に少なくとも幾つ配置する必要があるか、縦方向に少なくとも幾つ配置する必要があるかを算出することと同じである。図18の例では、仮想平面202が横方向に2つ配置されているので、第二横幅分割数a2は「2」ということになる。一方、縦方向には仮想平面202が3つ配置されているので、第二縦幅分割数b2は「3」ということになる。
【0049】
次いで、第一横幅分割数a1と第一縦幅分割数b1とを乗算した値を第一分割数D1として算出し、第二横幅分割数a2と第二縦幅分割数b2とを乗算した値を第二分割数D2として算出する(S53)。この第一分割数D1は、図17に示すように、拡大画像600の全領域と重なるように、画面201と同じ向きに仮想平面202を複数配置したときに、仮想平面202の総数を示した値である。図17に示す例では、第一分割数D1は3×3=9となる。一方で第二分割数D2は、図18に示すように、拡大画像600の全領域と重なるように、画面201を90度回転させた向きで仮想平面202を複数配置したときに、仮想平面202の総数を示した値である。図18に示す例では、第二分割数D2は2×3=6となる。
【0050】
次いで、第一分割数D1のほうが第二分割数D2よりも小さいか否かを判断する(S54)。小さい場合には(S54:YES)、第一横幅分割数a1を横幅分割数Aとし、第一縦幅分割数b1を縦幅分割数Bとし、その横幅分割数A及び縦幅分割数BをRAM12に記憶して(S55)、分割数決定処理を終了する。一方、第一分割数D1が第二分割数D2以上である場合には(S54:NO)、RAM12に回転フラグを記憶する(S56)。そして第二横幅分割数a2を横幅分割数Aとし、第二縦幅分割数b2を縦幅分割数Bとし、その横幅分割数A及び縦幅分割数BをRAM12に記憶して(S57)、分割数決定処理を終了する。図17、図18の例では、第二分割数D2のほうが第一分割数D1よりも小さいので(S54:NO)、RAM12に回転フラグが記憶される(S56)。そして、第二横幅分割数a2(「2」)を横幅分割数Aとし、第二縦幅分割数b2(「3」)を縦幅分割数Bとし、その横幅分割数A及び縦幅分割数BがRAM12に記憶される(S57)。その後、図5に示すメインルーチンの処理に戻る。
【0051】
図5に示すS14の処理の後、拡大画像600を複数の分割画像に分割するために、拡大画像600のどの範囲で分割画像に分割すればよいのかを決定する分割範囲決定処理を実行する(S15)。図8は分割範囲決定処理の詳細を示したフローチャートである。以下、分割範囲決定処理の詳細を説明する。
【0052】
先ずRAM12に回転フラグが記憶されているか否かを判断する(S71)。回転フラグが記憶されていない場合には(S71:NO)、図19に示すように、仮想平面202を画面201と同じ向きで横方向に横幅分割数Aだけ並べたときのそれら仮想平面202の全長(A×x)と拡大画像600の横幅Xとの差((A×x)−X)を重複領域の全横幅G1として算出する(S72)。さらに、仮想平面202を画面201と同じ向きで縦方向に縦幅分割数Bだけ並べたときのそれら仮想平面202の全長(B×y)と拡大画像600の縦幅Yとの差((B×y)−Y)を重複領域の全縦幅H1として算出する(S72)。なお、回転フラグが記憶されていない場合には(S71:NO)、横幅分割数Aは先に示した第一横幅分割数a1となり、縦幅分割数Bは先に示した第一縦幅分割数b1となる。次いで、以下の式により重複領域の各横幅G2と各縦幅H2を算出する(S74)。
(式2)G2=G1÷(A−1)
(式3)H2=H1÷(B−1)
【0053】
そして、拡大画像600の寸法と同じとなるように、拡大画像600上に複数の仮想平面202を画面201と同じ向きで配置する(S75)。この際、すべての隣接する仮想平面202間において、重なっている領域である重なり領域が横幅G2、縦幅H2となるように、各仮想平面202を配置する(S75)。すなわち、すべての隣接する仮想平面202間において、重なり領域の幅が等しくなるように、各仮想平面202を配置する(S75)。図20は、拡大画像600に重ねて複数の仮想平面202を配置した状態を例示した図である。図20では、縦方向に3つ、横方向に3つ仮想平面202を配置している。そして、横方向に重なり領域が2つあって、それら横幅はG2となっている。一方、縦方向に重なり領域が2つあって、それら縦幅はH2となっている。また、重なり領域の個数は、横方向に2つ、縦方向に2つとなっている。すなわち、重なり領域の横幅がG2となるように仮想平面202を配置すると、重なり領域の横方向の個数は(A−1)となる。よって、上記式2の(A−1)は重なり領域の横方向の個数を意味している。同様に、重なり領域の縦幅がH2となるように仮想平面202を配置すると、重なり領域の縦方向の個数は(B−1)となる。よって、上記式3の(B−1)は重なり領域の縦方向の個数を意味している。その後、分割範囲決定処理を終了する。
【0054】
一方S71において、RAM12に回転フラグが記憶されている場合には(S71:YES)、図21に示すように、画面201を90度回転させた向きで仮想平面202を横方向に横幅分割数Aだけ並べたときのそれら仮想平面202の全長(A×y)と拡大画像600の横幅Xとの差((A×y)−X)を重複領域の全横幅G1として算出する(S73)。さらに、画面201を90度回転させた向きで仮想平面202を縦方向に縦幅分割数Bだけ並べたときのそれら仮想平面202の全長(B×x)と拡大画像600の縦幅Yとの差((B×x)−Y)を重複領域の全縦幅H1として算出する(S73)。なお、回転フラグが記憶されている場合には(S71:YES)、横幅分割数Aは先に示した第二横幅分割数a2となり、縦幅分割数Bは先に示した第二縦幅分割数b2となる。次いで、上記式2、式3より重複領域の各横幅G2と各縦幅H2を算出する(S74)。
【0055】
そして、拡大画像600の寸法と同じとなるように、拡大画像600上に画面201を90度回転させた向きで複数の仮想平面202を配置する(S75)。この際、すべての隣接する仮想平面202間において、重なっている領域である重なり領域が横幅G2、縦幅H2となるように、各仮想平面202を配置する(S75)。すなわち、すべての隣接する仮想平面202間において、重なり領域の幅が等しくなるように、各仮想平面202を配置する(S75)。図22は、拡大画像600に重ねて複数の仮想平面202を配置した状態を例示した図である。図22では、縦方向に2つ、横方向に3つ仮想平面202を配置している。上述したように、重なり領域の横幅がG2となるように仮想平面202を配置すると、重なり領域の横方向の個数は(A−1)となる。同様に、重なり領域の縦幅がH2となるように仮想平面202を配置すると、重なり領域の縦方向の個数は(B−1)となる。その後、分割範囲決定処理を終了する。
【0056】
このように、S15の分割範囲決定処理では、第一分割数D1と第二分割数D2の小さい数だけ仮想平面202が拡大画像600の上に配置されることになる。その際、第一分割数D1だけ仮想平面202を配置する場合には、その仮想平面202の向きは画面201と同じ向きである。一方、第二分割数D2だけ仮想平面202を配置する場合には、その仮想平面202の向きは画面201を90度回転させた向きである。また、すべての隣接する仮想平面202間において、重なり領域の幅が等しくなっている。
【0057】
図5のフローチャートのS15の分割範囲決定処理の後、拡大画像600を表示装置200で表示できるフォーマットに変換するとともに、その拡大画像600を、図8のS75にて配置した各仮想平面202の境界で分割して複数の分割画像601(図23参照)に変換する(S16)。なお、第一分割数D1又は第二分割数D2が「1」である場合には、拡大画像600は分割されないことになる。次いで、各分割画像601を表示装置200で表示させるときの順番を各分割画像601に付与する順番付与処理を実行する(S17)。図9は順番付与処理の詳細を示したフローチャートである。以下、順番付与処理の詳細を説明する。
【0058】
先ず、図5に示すフローチャートのS16にて拡大画像600が複数の分割画像601に分割されたか否かを判断する(S91)。この判断は、RAM12に記憶されている横幅分割数A及び縦幅分割数Bの少なくも一方が「2」以上となっている場合に、分割されたと判断され(S91:YES)、横幅分割数A及び縦幅分割数Bがいずれも「1」の場合には、分割されていないと判断される(S91:YES)。複数の分割画像601に分割されていない場合には(S91:NO)、順番を付与する必要がないので、そのまま順番付与処理を終了する。一方、複数の分割画像601に分割されている場合には(S91:YES)、拡大画像600で示される文書が横書きの場合における一般的な閲覧順序にしたがって、各分割画像601に暫定的に順番を割り当てる(S92)。例えば、分割画像601の総数が「4」の場合には、図23に示すように、拡大画像600の全領域が表示されるように分割画像601の各々を配置した場合に、左上の分割画像601→右上の分割画像601→左下の分割画像601→右下の分割画像601の順番で各分割画像601に暫定的に順番「1〜4」を割り当てる(S92)。以下、S92にて割り当てた順番を「横書き順番パターン」という。
【0059】
次いで、拡大画像600で示される文書が縦書きの場合における一般的な閲覧順序にしたがって、各分割画像601に暫定的に順番を割り当てる(S93)。例えば、分割画像601の総数が「4」の場合には、図24のように、拡大画像600の全領域が表示されるように分割画像601の各々を配置した場合に、右上の分割画像601→右下の分割画像601→左上の分割画像601→左下の分割画像601の順番で各分割画像601に暫定的に順番を割り当てる(S93)。以下、S93にて割り当てた順番を「縦書き順番パターン」という。
【0060】
次いで、図25に示すように、横書き順番パターン191と縦書き順番パターン192とを示すとともに、1:横書き順番パターン、2:縦書き順番パターン、3:その他、のいずれかをユーザに選択するように指示する順番設定画面190をディスプレイ18に表示する(図9:S93)。ユーザは、図25に示す入力欄193に、「1〜3」の何れかの数字を入力する。「1」が入力欄193に入力された場合には、横書き順番パターンに基づいて各分割画像601に順番が付与され(94:NO、S96)、ページ送り順番がRAM12に記憶される(S97)。また、「2」が入力欄193に入力された場合には、縦書き順番パターンに基づいて各分割画像601に順番を付与され(94:NO、S96)、ページ送り順番がRAM12に記憶される(S97)。また、「3」が入力欄193に入力された場合には(S94:YES)、図26に示す順番変更画面194を表示して、ページ送り順入力欄195にユーザに各分割画像601の順番を入力させて、その入力値に基づいて各分割画像601のページ送り順が付与し直され(S95)、その送り順がRAM12に記憶される(S97)。そしてS97の処理の後、順番付与処理を終了する。
【0061】
説明を図5のフローチャートの処理に戻り、S17の順番付与処理を実行した後、その順番付与処理にて付与された順番にしたがって、各分割画像601をディスプレイ18にプレビュー表示する(S18)。これによって、ユーザは、表示装置200で拡大画像600を表示させた場合の文字等の大きさや、画面が切り替わる順番を、事前に確認することができる。次いで、ユーザから確認OKの入力があった場合には(S19:YES)、各分割画像601を表示装置200に転送して(S20)、表示装置200に装着されているメモリカード7の画像ファイル記憶エリア120(図2参照)に記憶する(S20)。その後、図5の変換処理のメインルーチンを終了する。一方、拡大率Pや順番を変更する必要があることを示した信号が入力された場合には(S19:NO)、S12の処理に戻って、再度、拡大率Pや順番を設定しなおす(S12〜S18)。
【0062】
上記の処理により、ユーザは、表示装置200で拡大画像600を複数の分割画像601として順番に閲覧することができる。この際、ユーザは、表示装置200の操作キー204を操作して、表示させる分割画像601を切り替えることができる。その際の表示される分割画像601の順番はユーザの所望したものであり、各分割画像601に含まれる文字等の大きさもユーザが所望した大きさであるので、ユーザは拡大画像600の内容を容易に把握することができる。
【0063】
また、分割画像601の個数が第一分割数D1と第二分割数D2の小さい方となっているので、ユーザは、少ないページで拡大画像600の全領域を閲覧することができる。図27は、分割画像601の個数が第一分割数D1の場合の分割画像601を表示装置200で表示させた状態を示した図である。図27に示すように、分割画像601の個数が第一分割数D1の場合には、表示装置200の画面201の向きはそのままにして、分割画像601を閲覧するのに適している。一方、図28は、分割画像601の個数が第二分割数D2の場合の分割画像601を表示装置200で表示させた状態を示した図である。図28に示すように、分割画像601の個数が第二分割数D2の場合には、表示装置200の画面201を90度回転させて、分割画像601を閲覧するのに適している。
【0064】
また、分割画像601で拡大画像600の全領域を表示させる場合において、隣接する分割画像601間において、内容が重複する重なり領域が生じることがあるが、拡大画像600に含まれない領域である余白領域はないことになる。そして、すべての隣接する分割画像601間において、重なり領域の幅G2、H2が等しくなっている。したがって、表示装置200の表示を切り替えた際に、今回表示されている内容が、切り替える前に表示されていた内容とほとんど同じということがない。
【0065】
(第二実施形態)
続いて、本発明に係る画像変換装置の第二実施形態を説明する。以下、第一実施形態と同じ構成、処理には同じ符号を付している。本実施形態の画像変換装置100の構成は、図1に示す第一実施形態のそれと同じである。ただし、画像変換装置100のCPU10が実行する変換処理が第一実施形態と異なっている。なお、本実施形態の画像変換装置100で元画像が変換された後の画像を表示させる表示装置200は、第一実施形態のそれと同じである。以下、本実施形態の画像変換装置100のCPU10が実行する変換処理について、フローチャートを参照して説明する。
【0066】
本実施形態の変換処理のメインルーチンは、図5に示す第一実施形態のそれと同じである。異なっているのは、S15の分割範囲決定処理の内容である。以下、図5及び図29のフローチャートを参照して、変換処理について、第一実施形態と異なっている部分を中心にして説明する。先ず、元画像500を取得して(S11)、ユーザに応じた拡大率Pを設定する(S12)。次いで、その拡大率Pに基づいて元画像500を拡大画像600として拡大して、その拡大画像600の一部をプレビュー表示する(S13)。そして、拡大画像600の横幅分割数Aと縦幅分割数Bを決定する(S14)。次いで、拡大画像600を複数の分割画像に分割するために、拡大画像600のどの範囲で分割画像に分割すればよいのかを決定する分割範囲決定処理を実行する(S15)。この分割範囲決定処理は、図29に示す分割範囲決定処理サブルーチンの処理により行われる。尚、図29に示すように、S81〜S83の処理は、第一実施形態の図8に示したS71〜S73の処理と各々同じ処理である(図8参照)。以下、分割範囲決定処理の詳細について、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0067】
先ずRAM12に回転フラグが記憶されているか否かを判断する(図29:S81)。回転フラグが記憶されていない場合には(S81:NO)、図19に示すように、仮想平面202を画面201と同じ向きで横方向に横幅分割数Aだけ並べたときのそれら仮想平面202の全長(A×x)と拡大画像600の横幅Xとの差((A×x)−X)を余白領域の全横幅G1として算出する(S82)。さらに、仮想平面202を画面201と同じ向きで縦方向に縦幅分割数Bだけ並べたときのそれら仮想平面202の全長(B×y)と拡大画像600の縦幅Yとの差((B×y)−Y)を余白領域の全縦幅H1として算出する(S82)。次いで、以下の式により余白領域の左右幅G3と上下幅H3を算出する(S84)。
(式4)G3=G1÷2
(式5)H3=H1÷2
【0068】
すなわち、余白領域の左右幅G3は余白領域の全横幅G1の半分の値であり、余白領域の上下幅H3は余白領域の全縦幅H1の半分の値である。
【0069】
そして、拡大画像600上に複数の仮想平面202を画面201と同じ向きで配置する(S85)。この際、すべての隣接する仮想平面202間において、重なっている領域である重なり領域がないように各仮想平面202を配置する(S85)。図30は、仮想平面202の配置の例示として、9つの仮想平面202を拡大画像600に重ねて配置したときの図である。このように仮想平面202を配置した場合には、それら仮想平面202全領域の寸法は、拡大画像600の寸法以上となる。そして、仮想平面202と拡大画像600とが重なっていない領域を余白領域とすると、その余白領域が拡大画像600の左右及び上下にくるように、各仮想平面202を配置する(S85)。さらに、左右の余白領域の幅はそれぞれ、S76で算出したG3となるように、且つ、上下の余白領域の幅はそれぞれ、S76で算出したH3となるように各仮想平面202を配置する(S85)。その後、分割範囲決定処理を終了する。
【0070】
一方S81において、RAM12に回転フラグが記憶されている場合には(S81:YES)、図20に示すように、画面201を90度回転させた向きで仮想平面202を横方向に横幅分割数Aだけ並べたときのそれら仮想平面202の全長(A×y)と拡大画像600の横幅Xとの差((A×y)−X)を余白領域の全横幅G1として算出する(S83)。さらに、画面201を90度回転させた向きで仮想平面202を縦方向に縦幅分割数Bだけ並べたときのそれら仮想平面202の全長(B×x)と拡大画像600の縦幅Yとの差((B×x)−Y)を余白領域の全縦幅H1として算出する(S83)。次いで、上記式4、5により余白領域の左右幅G3と上下幅H3を算出する(S84)。
【0071】
そして、拡大画像600上に画面201を90度回転させた向きで複数の仮想平面202を配置する(S85)。この際、すべての隣接する仮想平面202間において、重なり領域がないように各仮想平面202を配置する(S85)。図31は、仮想平面202の配置の例示として、6つの仮想平面202を拡大画像600に重ねて配置したときの図である。この場合も、余白領域が拡大画像600の左右及び上下にくるように、各仮想平面202を配置する(S85)。さらに、左右の余白領域の幅はそれぞれ、S84で算出したG3となるように、且つ、上下の余白領域の幅はそれぞれ、S76で算出したH3となるように各仮想平面202を配置する(S85)。その後、分割範囲決定処理を終了する。ここで、仮想平面202は、説明のために示しているだけで、特に仮想平面202の生成が必要な訳ではない。
【0072】
説明を図5のフローチャートの処理に戻り、S15の分割範囲決定処理の後、拡大画像600を表示装置200で表示できるフォーマットに変換するとともに、その拡大画像600を、図29のS85にて配置した各仮想平面202の境界で分割して複数の分割画像601に変換する(S16)。次いで、各分割画像601を表示装置200で表示させるときの順番を各分割画像601に付与し(S17)、各分割画像601をディスプレイ18にプレビュー表示する(S18)。そして、拡大率Pや順番を変更する必要があることを示した信号が入力された場合には(S19:NO)、S12の処理に戻って、再度、拡大率Pや順番を設定しなおす(S12〜S17)。一方、拡大率Pや順番を変更する必要がないことを示した信号が入力された場合には(S19:YES)、各分割画像601を表示装置200に送信して、図5の変換処理のメインルーチンを終了する。
【0073】
そしてユーザは、表示装置200で拡大画像600を複数の分割画像601として閲覧することができる。この際、拡大画像600の左右端、上下端を含む分割画像601を表示させると、図32に示すように、余白領域が表示されることになる。ただし、余白領域の幅は左右で等しく、上下で等しくなっている。すなわち、余白領域を分散させることができ、余白領域が占める割合が極端に多い分割画像601が生成されることを防止している。このように、隣接する分割画像601間において、重なり領域がないように分割画像601を生成してもよい。重なり領域がないので、隣接する分割画像601間において、同じ内容を含むことがない。
【0074】
(変形例1)
上記第一、第二実施形態では、ユーザが登録した拡大率Pに基づいて元画像500を拡大していたが、ユーザの年齢に基づいて元画像500を拡大してもよい。年齢が高くなるほど一般的に大きな文字で閲覧したいと思うユーザが多くなると予想できるからである。すなわち、予め年齢層ごとに拡大率Pをハードディスク装置14に記憶させておく。そして、変換処理を実行する際に、ユーザに自身の年齢を入力させて、その年齢に対応してハードディスク装置14に記憶されている拡大率Pを設定する。これにより、ユーザは拡大率Pを登録する必要がない。
【0075】
(変形例2)
上記第一、第二実施形態では、第一分割数D1と第二分割数D2が同じ値の場合には、第二分割数D2を採用して、画面201を90度回転させた向きで仮想平面202を配置していた。しかし、これに限定されるものではなく、第一分割数D1と第二分割数D2が同じ値の場合には、それらの一方をユーザが選択できるようにしてもよい。
【0076】
なお、上記実施形態の画像変換装置100が実行する変換処理が本発明に係る画像変換方法に対応したものであり、その変換処理をコンピュータに実行させるプログラムが本発明に係る画像変換プログラムに対応したものである。
【符号の説明】
【0077】
10 CPU
14 ハードディスク装置
18 ディスプレイ
19 キーボード(入力装置)
21 マウス(入力装置)
25 フラッシュメモリ
22 USBインターフェイス
100 画像変換装置
141 画像寸法記憶領域
142 拡大率記憶領域(記憶手段)
200 表示装置
201 画面
300 テーブル
500 元画像
600 拡大画像
601 分割画像
P 拡大率
A 横幅分割数
B 縦幅分割数
a1 第一横幅分割数
b1 第一縦幅分割数
a2 第二横幅分割数
b2 第二縦幅分割数
D1 第一分割数
D2 第二分割数
G1、G2、G3、H1、H2、H3 重なり領域の幅、余白領域の幅
S12、S31〜S38 指定手段、指定ステップ
S14、S50〜S57 分割数決定手段、分割数決定ステップ
S15、S16、S71〜S75 変換手段、変換ステップ
S17、S91〜S96 順番付与手段
S31、S32 特定手段
S33 読出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの指示に基づいて矩形状の画像の拡大率を指定し、且つ、拡大した場合の画像である拡大画像の寸法が、所定寸法の矩形状の画面を有する表示装置のその画面の寸法と異なるような拡大率も指定可能な指定手段と、
前記画面の横幅及び縦幅に基づいて、前記拡大画像の横幅の分割数である横幅分割数及び縦幅の分割数である縦幅分割数を決定する分割数決定手段と、
前記拡大画像の全領域の少なくとも一部を示す複数の画像である分割画像によって前記表示装置に表示できるように、前記分割数決定手段によって決定された前記横幅分割数及び前記縦幅分割数に基づいて定まる範囲の前記拡大画像を前記分割画像として生成する変換手段と
を備えることを特徴とする画像変換装置。
【請求項2】
前記分割数決定手段は、
前記画面の横幅に基づいて、前記拡大画像の横幅の分割数である第一横幅分割数を決定する第一横幅分割数決定手段と、
前記画面の縦幅に基づいて、前記拡大画像の縦幅の分割数である第一縦幅分割数を決定する第一縦幅分割数決定手段と、
前記画面の縦幅に基づいて、前記拡大画像の横幅の分割数である第二横幅分割数を決定する第二横幅分割数決定手段と、
前記画面の横幅に基づいて、前記拡大画像の縦幅の分割数である第二縦幅分割数を決定する第二縦幅分割数決定手段とを有し、
前記変換手段は、前記第一横幅分割数と前記第一縦幅分割数とを乗算した値を第一分割数、前記第二横幅分割数と前記第二縦幅分割数とを乗算した値を第二分割数としたときに、前記分割画像の個数が前記第一分割数と前記第二分割数の小さい方となるように前記分割画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像変換装置。
【請求項3】
前記変換手段は、前記拡大画像の全領域が表示されるように前記分割画像の各々を配置した場合のそれら分割画像全体の寸法と前記拡大画像の寸法とが同じとなるように、前記分割画像を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像変換装置。
【請求項4】
前記変換手段は、前記拡大画像の全領域が表示されるように前記分割画像の各々を配置した場合に、すべての隣接する前記分割画像間において、重なっている領域である重なり領域の幅が等しくなるように前記分割画像を生成することを特徴とする請求項3に記載の画像変換装置。
【請求項5】
前記変換手段は、前記拡大画像の全領域が表示されるように前記分割画像の各々を配置した場合に、隣接する前記分割画像間において、重なっている領域がないように前記分割画像を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像変換装置。
【請求項6】
前記変換手段は、前記拡大画像の全領域が表示されるように前記分割画像の各々を配置した場合に、前記拡大画像の寸法と前記分割画像全ての寸法とが重なっていない領域を余白領域としたときに、左右及び上下の少なくとも一方の前記余白領域の幅がそれぞれ等しくなるように前記分割画像を生成することを特徴とする請求項5に記載の画像変換装置。
【請求項7】
前記分割画像の各々に対して、前記表示装置で表示させるときの順番をユーザの指示に基づいて付与する順番付与手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像変換装置。
【請求項8】
前記指定手段は、
ユーザを特定する特定手段と、
ユーザごとの前記拡大率を記憶する記憶手段から、前記特定手段によって特定されたユーザに対応した前記拡大率を読み出す読出手段とを有し、
その読出手段によって読み出された前記拡大率を指定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像変換装置。
【請求項9】
ユーザの指示に基づいて矩形状の画像の拡大率を指定するステップであって、拡大した場合の画像である拡大画像の寸法が、所定寸法の矩形状の画面を有する表示装置のその画面の寸法と異なるような拡大率を指定する指定ステップと、
前記画面の横幅及び縦幅に基づいて、前記拡大画像の横幅の分割数である横幅分割数及び縦幅の分割数である縦幅分割数を決定する分割数決定ステップと、
前記拡大画像の全領域の少なくとも一部を示す複数の画像である分割画像によって前記表示装置に表示できるように、前記分割数決定ステップによって決定された前記横幅分割数及び前記縦幅分割数に基づいて定まる範囲の前記拡大画像を前記分割画像として生成する変換ステップとを備えることを特徴とする画像変換方法。
【請求項10】
コンピュータに、
ユーザの指示に基づいて矩形状の画像の拡大率を指定するステップであって、拡大した場合の画像である拡大画像の寸法が、所定寸法の矩形状の画面を有する表示装置のその画面の寸法と異なるような拡大率を指定する指定ステップと、
前記画面の横幅及び縦幅に基づいて、前記拡大画像の横幅の分割数である横幅分割数及び縦幅の分割数である縦幅分割数を決定する分割数決定ステップと、
前記拡大画像の全領域の少なくとも一部を示す複数の画像である分割画像によって前記表示装置に表示できるように、前記分割数決定ステップによって決定された前記横幅分割数及び前記縦幅分割数に基づいて定まる範囲の前記拡大画像を前記分割画像として生成する変換ステップとを実行させることを特徴とする画像変換プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の画像変換プログラムを記憶していることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2010−185989(P2010−185989A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−29219(P2009−29219)
【出願日】平成21年2月11日(2009.2.11)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】