説明

画像形成システムおよび画像形成管理装置および画像形成管理プログラム

【課題】原稿作成の段階で、素材等のデータのカラースペースを出力予定のカラースペースと比較して出力予定のカラースペースに変換し、それを用いた原稿作成が可能である画像形成システムおよび画像形成管理装置および画像形成管理プログラムを提供する。
【解決手段】クライアント10からアップロードされた素材5、テンプレート6の色空間と、出力条件で設定された色空間とが合致しない場合、素材5、テンプレート6を色空間変換して記憶格納し、原稿作成に利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムおよび画像形成管理装置および画像形成管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりパーソナルコンピュータ等により原稿が作成される際には、原稿作成のレイアウトアプリケーションにより、原稿のカラースペース(色空間)がCMYK(Cyan Magenta Yellow Black)またはRGB(Red Green Blue)などに設定されて、データの配置などが行われる。
【0003】
例えば、原稿のカラースペースにCMYKが設定されて、背景などのグラフィックスはCMYKオブジェクトで写真はRGBオブジェクトで作成された場合、配置されるオブジェクトのカラースペースがRGBであると、そのオブジェクトはアプリケーションで自動的にカラースペースがCMYKに変換されて配置される。
【0004】
特許文献1には、画像の色空間情報タグを読み取り、標準的な色空間の場合はそのままで、標準的な色空間と異なる場合は色空間情報を参照して変換マトリックスを算出し色空間変換を行う画像ファイルの読み取り方法、画像ファイル読み取り装置が開示されている。
【0005】
特許文献2には、描画オブジェクトの種類割合を取得して、オブジェクトの領域面積率を算出し、その面積率に応じて、誤差拡散法の処理かディザ法のスクリーン処理を行う画像処理装置および画像処理装置のデータ処理方法等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−362417号公報
【特許文献2】特開平11−138920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
原稿作成の段階で、素材等のデータのカラースペースとプリンタの出力条件を比較して、出力予定のプリンタのカラースペースに変換し、それを用いた原稿作成が可能である画像形成システムおよび画像形成管理装置および画像形成管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の発明の画像形成システムは、素材或いはテンプレートを含む原稿材料を用いて作成される原稿の出力条件を受け付ける出力条件受付手段と、前記原稿材料を受け付ける原稿材料受付手段と、前記出力条件受付手段で受け付けた前記出力条件で設定された色空間と前記原稿材料受付手段で受け付けた前記原稿材料の色空間とが合致するか否かを確認する確認手段と、前記確認手段で合致しないと確認された場合には、該原稿材料の色空間を該出力条件で設定された色空間に変換する色空間変換手段と、前記色空間変換手段で色空間が変換された原稿材料を記憶する記憶手段と、前記記憶手段で記憶された前記原稿材料を用いて出力する原稿を作成する原稿作成手段とを具備するように構成される。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記確認手段で合致しないと確認された場合には警告を表示する警告表示手段を更に具備し、前記記憶手段は、前記確認手段で合致すると確認された場合には前記原稿材料の色空間を変換せずに前記原稿材料を記憶するように構成される。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記色空間変換手段は、前記確認手段で合致しないと確認された場合には、前記原稿材料の色空間を前記出力条件で設定された色空間に変換するための色変換係数を作成して変換するように構成される。 また、請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかの発明において、前記色空間変換手段は、前記確認手段で合致しないと確認された場合には、前記原稿材料の色空間を前記出力条件で設定された色空間に変換せずに、該原稿材料の色空間を該出力条件で設定された色空間に変換するための色変換係数を作成するように構成される。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかの発明において、前記色空間変換手段は、前記確認手段で合致しないと確認された場合には、前記原稿材料の色空間を前記出力条件で設定された色空間に変換せずに、前記出力条件で設定された色空間を操作者に指示するように構成される。
【0012】
また、請求項6の発明は、請求項1から5のいずれかの発明において、前記色空間変換手段は、前記原稿材料の色空間を前記出力条件で設定された色空間に変換すること、或いは、前記原稿材料の色空間を前記出力条件で設定された色空間に変換せずに変換するための色変換係数を作成すること、或いは、前記原稿材料の色空間を前記出力条件で設定された色空間に変換せずに出力条件で設定された色空間を操作者に指示すること、のいずれかを前記出力条件に設定される出力先に対応して行うように構成される。
【0013】
また、請求項7の発明は、請求項1から6のいずれかの発明において、前記記憶手段は、前記出力条件受付手段で受け付けた前記出力条件を前記原稿材料に付加して記憶するように構成される。
【0014】
また、請求項8の発明は、請求項1から7のいずれかの発明において、前記記憶手段は、前記色空間変換手段が行う色空間の変換に関する情報を、前記原稿材料に付加して記憶するように構成される。
【0015】
また、請求項9の発明は、請求項8の発明において、前記色空間の変換に関する情報は、所定の色が前記色空間変換手段で変換された変換後の値を含むように構成される。
【0016】
また、請求項10の発明は、請求項9の発明において、前記色空間変換手段で変換されたデータの変換前のデータを前記色空間の変換に関する情報に基づき取得するように構成される。
【0017】
また、請求項11の発明は、請求項1から10のいずれかの発明において、印刷指示を受け付ける印刷指示受付手段と、前記原稿材料或いは前記原稿の印刷データに前記出力条件受付手段で受け付けた前記出力条件で設定された色空間の情報を付加して、該印刷データを前記印刷指示受付手段で受け付けた印刷装置へ送信する送信手段とを更に具備し、前記印刷装置は、前記送信手段で送信された印刷データに付加された情報が示す前記色空間に自装置が対応していない場合には、操作者に警告を表示する警告表示手段を備えるように構成される。
【0018】
また、請求項12の発明は、請求項11の発明において、前記警告表示手段は、前記送信手段を具備する印刷管理装置で警告情報が表示されるように警告情報を該印刷管理装置に送信するように構成される。
【0019】
また、請求項13の発明は、請求項1から12のいずれかの発明において、印刷指示を受け付ける印刷指示受付手段と、前記原稿材料或いは前記原稿の印刷データに、前記原稿材料或いは前記原稿に付加された情報を付加して、該印刷データを前記印刷指示受付手段で受け付けた印刷装置へ送信する送信手段とを更に具備し、前記印刷装置は、前記印刷データの色空間を前記送信手段で送信された印刷データに付加された情報に基づき変換する変換手段を備えるように構成される。
【0020】
また、請求項14の発明の画像形成管理装置は、素材、テンプレートを含む原稿材料を用いて作成される原稿の出力条件を受け付ける出力条件受付手段と、前記原稿材料を受け付ける原稿材料受付手段と、前記出力条件受付手段で受け付けた前記出力条件で設定された色空間と前記原稿材料受付手段で受け付けた前記原稿材料の色空間とが合致するか否かを確認する確認手段と、前記確認手段で合致しないと確認された場合には、該原稿材料の色空間を該出力条件で設定された色空間に変換する色空間変換手段と、前記色空間変換手段で色空間が変換された原稿材料を記憶する記憶手段と、前記記憶手段で記憶された前記原稿材料を用いて作成された原稿を記憶する原稿記憶手段とを具備するように構成される。
【0021】
また、請求項15の発明の画像形成管理プログラムは、コンピュータを素材、テンプレートを含む原稿材料を用いて作成される原稿の出力条件を受け付ける出力条件受付手段、前記原稿材料を受け付ける原稿材料受付手段、前記出力条件受付手段で受け付けた前記出力条件で設定された色空間と前記原稿材料受付手段で受け付けた前記原稿材料の色空間とが合致するか否かを確認する確認手段、前記確認手段で合致しないと確認された場合には、該原稿材料の色空間を該出力条件で設定された色空間に変換する色空間変換手段、前記色空間変換手段で色空間が変換された原稿材料を記憶する記憶手段、前記記憶手段で記憶された前記原稿材料を用いて作成された原稿を記憶する原稿記憶手段として機能させる。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の発明によれば、原稿作成後に印刷装置毎に色あわせを行う必要がない、という効果を奏する。
【0023】
請求項2の発明によれば、色空間が合致しない場合に警告が表示される。
【0024】
請求項3の発明によれば、原稿作成後に印刷装置毎に色あわせを行う必要がない、という効果を奏する。
【0025】
請求項4の発明によれば、色空間が合致しない場合に、色空間が変換されたデータを保持する必要がない。
【0026】
請求項5の発明によれば、色空間が合致しない場合に、出力条件で設定された色空間が操作者に指示される。
【0027】
請求項6の発明によれば、出力先に応じて、処理が行われる。
【0028】
請求項7の発明によれば、原稿作成後に印刷装置毎に色あわせを行う必要がない、という効果を奏する。
【0029】
請求項8の発明によれば、原稿作成後に印刷装置毎に色合わせを行う必要がない、という効果を奏する。
【0030】
請求項9の発明によれば、原稿作成後に印刷装置毎に色合わせを行う必要がない、という効果を奏する。
【0031】
請求項10の発明によれば、変換前のデータが取得されるという効果を奏する。
【0032】
請求項11の発明によれば、印刷装置が印刷データの色空間に対応していない場合に、操作者に警告が表示される。
【0033】
請求項12の発明によれば、印刷装置が印刷データの色空間に対応していない場合に、操作者に警告が表示される。
【0034】
請求項13の発明によれば、原稿作成後に印刷装置毎に色あわせを行う必要がない、という効果を奏する。
【0035】
請求項14の発明によれば、原稿作成後に印刷装置毎に色合わせを行う必要がない、という効果を奏する。
【0036】
請求項15の発明によれば、原稿作成後に印刷装置毎に色合わせを行う必要がない、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は印刷システム1の構成を示す模式図である。
【図2】図2はクライアント10からアップロードされる素材5のデータの内容を示す表である。
【図3】図3は条件設定部101で設定される条件設定の内容を示す表である。
【図4】図4は印刷システム1で行われる処理について示すフローチャートである。
【図5】図5はデータ制御部10によって行われる適合性評価について示す図である。
【図6】カラースペース変換情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0039】
まず、本願発明に係る印刷システム1について図1を参照して説明を行う。
【0040】
図1は、印刷システム1の構成を示す模式図である。
【0041】
印刷システム1は、図1に示すように、担当者Aによって操作されるクライアント10、サーバ100が通信回線によって接続され、また、サーバ100は、拠点A(51)の通信回線2、拠点B(52)の通信回線3と接続されている。
【0042】
サーバ100には、担当者Aによって素材5、テンプレート6、原稿7がアップロードされて格納されている。
【0043】
拠点A(51)の通信回線2には、拠点A(51)における発注担当者によって操作されるクライアント12と印刷機21とセンタプリンタ22とが接続されている。そして、クライアント12からの指示により、サーバ100に格納される素材5、テンプレート6、原稿7がセンタプリンタ21、印刷機22で印刷出力される。
【0044】
センタプリンタ21は、サーバ100より送られる印刷データの印刷を行う大量高速印刷用のセンタプリンタであり、カラースペース(色空間)がRGB(Red Green Blue)の場合とCMYK(Cyan Magenta Yellow Black)の場合の印刷データに対応している。
【0045】
センタプリンタ21は、PDFファイルとジョブチケットを受付ける。
【0046】
印刷機22は、サーバ100より送られる印刷データの印刷を行う印刷機であり、カラースペースがCMYKの印刷データに対応している。
【0047】
印刷機22は、原稿に対応する版が作成され、版が使用されて大量印刷が行われる印刷装置である。
【0048】
拠点B(52)の通信回線3には、拠点B(52)における発注担当者によって操作されるクライアント13とPS(PostScript)プリンタ23と非PS(PostScript)プリンタ24とが接続されている。そして、クライアント13からの指示により、サーバ100に格納される素材5、テンプレート6、原稿7がPSプリンタ23、非PSプリンタ24で印刷出力される。
【0049】
PSプリンタ23は、サーバ100より送られる印刷データの印刷を行うプリンタであって、ポストスクリプト(PostScript)対応のプリンタであり、カラースペースがRGBの場合とCMYKの場合の印刷データに対応している。
【0050】
PSプリンタ23の例としては、カラーレーザープリンタが挙げられる。
【0051】
PSプリンタ23が印刷先である印刷指示がサーバ100に受付けられると、印刷対象であるデータ(素材5、テンプレート6、原稿7)が印刷データに変換されてPSプリンタ23に送られる。
【0052】
非PSプリンタ24は、サーバ100より送られる印刷データの印刷を行うプリンタであって、ポストスクリプト(PostScript)に非対応のプリンタであり、カラースペースがRGBの印刷データに対応している。
【0053】
非PSプリンタ24の例としては、インクジェットプリンタやGDI(Graphical Device Interface)プリンタが挙げられる。
【0054】
非PSプリンタ24が印刷先である印刷指示がサーバ100に受付けられると、印刷対象であるデータ(素材5、テンプレート6、原稿7)が印刷データに変換されて非PSプリンタ24に送られる。
【0055】
サーバ100は、条件設定部101、データ制御部102、データ格納部103、レイアウトUI部104、原稿生成部105を備える。
【0056】
条件設定部101は、担当者Aが操作するクライアント10から入力される条件設定を受け付け設定する。
【0057】
条件設定部101が設定する条件設定の内容は、その条件設定に対応する素材5、テンプレート6、原稿7が出力される場合のワークフローである。条件設定の内容は、後に図3を参照して説明するが、ワークフローの概要、カラースペース、用途、出力先、カラースペース定義等である。
【0058】
データ制御部102は、条件設定部101により設定された条件設定と、クライアント10からアップロードされた素材5、テンプレート6、原稿7のデータとを比較して、適合性評価を行う。
【0059】
また、データ制御部102は、アップロードされたデータ(素材5、テンプレート6、原稿7)のカラースペースを変換する変換処理を行う。
【0060】
データ格納部103は、クライアント10からアップロードされた素材5、テンプレート6、原稿7や、原稿生成部105で生成された原稿7等を記憶格納する。 原稿7は、クライアント10からアップロードされる場合もあれば、データ格納部103に格納される素材5、テンプレート6に基づいて原稿生成部105で生成される場合もある。
【0061】
また、データ格納部103は、後で説明するカラースペース情報が付加されたデータ(素材5、テンプレート6、原稿7)をも記憶格納する。
【0062】
レイアウトUI部104は、クライアント10にレイアウト画面を表示させる。クライアント10を操作する担当者Aは、表示されるレイアウト画面より、素材5、テンプレート6、原稿7をサーバ100にアップロードさせることができる。 また、クライアント10を操作する担当者Aは、表示されるレイアウト画面より、データ格納部103に記憶格納される素材5、テンプレート6、原稿7の編集作業をすることができる。
【0063】
原稿生成部105は、レイアウトUI部104によりクライアント10に表示されて編集データを原稿7としてデータ格納部103に記憶格納させる。
【0064】
このように構成される印刷システム1では、担当者Aがクライアント10より入力した条件設定を、サーバ100の条件設定部101が受け付けて設定する。
【0065】
次に、条件設定を入力した担当者Aは、クライアント10に表示されるレイアウト画面より、素材5、テンプレート6、原稿7のデータをサーバ100にアップロードさせる。
【0066】
すると、サーバ100のデータ制御部102が、アップロードされたデータと設定された条件設定とを比較して、アップロードされたデータの適合評価を行う。
【0067】
そして適合評価の結果、アップロードされたデータの色変換が必要な場合には、色変換が実施され、また、アップロードされたデータには、カラースペース変換情報等の情報が付加され、データ格納部103に記憶格納される。
【0068】
アップロードされたデータにカラースペース変換情報等の情報が付加される際には、そのデータにタグ付加としてカラースペース変換情報等の情報が付加されてもいいし、または、そのデータのバイナリデータにカラースペース変換情報等の情報が追記される形で情報が付加されてもよい。
【0069】
担当者Aは、クライアント10より、データ格納部に記憶格納される素材5、テンプレート6、原稿7の編集作業を行い、データ格納部103に編集作業の結果である原稿7を記憶格納させる(編集された原稿7の上書きも含まれる)。
【0070】
また、拠点A(51)の発注担当者はクライアント12からサーバ100に指示を送ることにより、サーバ100のデータ格納部103に記憶格納される素材5、テンプレート6、原稿7をセンタプリンタ21または印刷機22から印刷出力させることができる。
【0071】
また、拠点B(52)の発注担当者はクライアント13からサーバ100に指示を送ることにより、サーバ100のデータ格納部103に記憶格納される素材5、テンプレート6、原稿7をPSプリンタ23または非PSプリンタ24から印刷出力させることができる。
【0072】
次に、データ制御部102で比較される、クライアント10からアップロードされた素材5、テンプレート6、原稿7のデータについて図2を参照して説明する。
【0073】
図2は、クライアント10からアップロードされる素材5のデータの内容を示す表であり、図2(a)はレイアウト画面に表示される素材5を示す図であり、図2(b)は図2(a)に示すレイアウト画面上の素材5のデータの内容を示す表である。
【0074】
素材5には、写真、文字、図形などのグラフィックスオブジェクトがある。
【0075】
担当者Aは、図2(a)に示すように、クライアント10に表示されるレイアウト画面上に 素材5をアップロードさせる。
【0076】
アップロードされた素材5は、図2(a)に示すように、3つのオブジェクトであり、オブジェクト1、オブジェクト2、オブジェクト3である。
【0077】
これらオブジェクトのデータの内容は、図2(b)に示すように、オブジェクト1のカラースペースはRGBの種類で具体的にはsRGBであり、オブジェクト2のカラースペースはCMYKの種類で具体的にはJapanColorであり、オブジェクト3のカラースペースはRGBの種類で具体的にはWideRGBである。
【0078】
次に、条件設定部101で設定される条件設定の内容について図3を参照して説明を行う。
【0079】
図3は、条件設定部101で設定される条件設定の内容を示す表である。
【0080】
条件設定部101で設定される条件設定の内容は、図3に示すように種々のワークフローが存在する。
【0081】
条件設定の内容は、図3に示すように、条件設定の番号に応じて、設定された、ワークフローの概要、カラースペース、用途、出力先、正式カラースペース等である。
【0082】
条件設定の内容は、サーバ100のデータ格納部103に記憶されており、クライアント10で条件設定が行われる際には、サーバ100に記憶される条件設定の内容がクライアント10に送られて、クライアント10の図示しない表示部に表示される。
【0083】
クライアント10を操作する担当者Aは、条件設定の際にクライアント10に表示される種々の条件設定の中からいずれかの条件設定の番号を選択する。或いは、クライアント10を操作する担当者Aは、条件設定の際にクライアント10に表示される種々の条件設定の中からいずれかの条件設定を選択せずに、自ら新規の条件設定(ワークフロー)の内容を入力し(カラースペース、用途、出力先、正式カラースペースの項目中から設定する項目の内容を入力する)、その新規の条件設定を選択してもよい。
【0084】
クライアント10において新規の条件設定が入力された際には、その内容がサーバ100に送られて、新規の条件設定としてデータ格納部103に記憶される。
【0085】
条件設定部101で設定される条件設定(ワークフロー)の項目は、ワークフローの概要、ワークフローの対象となるデータ(素材5、テンプレート、原稿7)の出力される用途(モニタに出力されるか若しくは印刷装置に出力(印刷出力)されるか。)」、その用途で出力される際のカラースペース、具体的な出力先等であるが、それらに限らず他の項目を条件設定(ワークフロー)に設定されるように構成してもよい。
【0086】
条件設定(ワークフロー)の内容としては、例えば、図3に示すように、「条件設定:1」は、RGBのカラースペースによってモニタに表示されることを示す。
【0087】
図3に示す「条件設定:2」のように、データ格納部103に記憶される素材5、テンプレート6、原稿7の出力先は、印刷装置だけに限らず、Web掲載を目的としたモニタをも考慮されている。
【0088】
また、例えば、図3に示すように、「条件設定:5」は、sRGBのカラースペースによって非PSプリンタ24に出力されることを示す。
【0089】
例えば、図3に示すように、「条件設定:7」はsRGBのカラースペースによってPSプリンタ23に出力されることを示し、また、「条件設定:8」はカタログ内製のためにWideRGBのカラースペースによってPSプリンタ23に出力されることを示す。 このように、出力先が同じで、出力されるカラースペースが異なる条件設定(ワークフロー)が設定されてもよい。
【0090】
また、図3に示すように、「条件設定:2」は、モニタへの出力と印刷装置への印刷出力とが行なわれるワークフローを示している。そして、このワークフローによってモニタに出力される際に行われるカラースペースの変換の方法と、このワークフローによって印刷装置に印刷出力される際に行われるカラースペースの変換の方法とを、図3(b)に示すように、それぞれ色変換方法1と色変換方法2というように異ならせることができる。
【0091】
次に、印刷システム1で行われる処理について、図4を参照して説明を行う。
【0092】
図4は、印刷システム1で行われる処理について示したフローチャートである。
【0093】
印刷システム1では、素材5、テンプレート6、原稿7をサーバ100にアップロードさせる担当者Aがクライアント10を操作して、サーバ100より条件設定の内容(図3を参照して説明したように、条件設定の番号に応じて設定されている内容であるワークフローの概要、カラースペース、用途、出力先、正式カラースペース等である。)を取得する。
【0094】
クライアント10は、サーバ100より取得した条件設定の内容を図示しない表示部に表示する。
【0095】
担当者Aは、図示しないクライアント10の表示部に表示された条件設定の内容から、アップロードさせる素材5、テンプレート6、原稿7のワークフローとなる条件設定を選択しクライアント10に入力する(ステップ401)。
【0096】
或いは、担当者Aは、図示しないクライアント10の表示部に表示された条件設定の内容に所望の条件設定が含まれていない場合には、新規に所望の条件設定をクライアント10に入力して、その新規入力した条件設定を選択してクライアント10に入力するようにしてもよい。
【0097】
また、担当者Aが条件設定を入力する際、出力先の候補が複数ある場合には、一つのデータ(素材5、テンプレート6、原稿7)に対して複数の条件設定を選択してクライアント10に入力するようにしてもよい。
【0098】
担当者Aによってクライアント10に入力された条件設定は、サーバ100に送られる。
【0099】
サーバ100は、クライアント10より送られた条件設定(条件設定が新規入力された場合にはその内容)を受信して(ステップ402)、図示しないRAM(Random Access Memory)に一時記憶する(新規入力された条件設定の内容を受信した場合には、新規の条件設定の内容としてデータ格納部103に記憶させる。)。
【0100】
条件設定をクライアント10に入力した担当者Aは、次に、クライアント10に表示されレイアウト画面から素材5、テンプレート6、原稿7等をサーバ100にアップロードさせる(ステップ403)。
【0101】
クライアント10からアップロードされたデータを受信した(ステップ404)サーバ100は、データ制御部102が、クライアント10から受信して図示しないRAMに一時記憶した条件設定と、クライアント10からアップロードされたデータ(素材5、テンプレート6、原稿7)とを比較して、適合性評価を行う(ステップ405)。
【0102】
ここで、データ制御部10によって行われる適合性評価について図5を参照して説明を行う。
【0103】
図5は、データ制御部10によって行われる適合性評価について示す図であり、図5(a)はクライアント10からサーバ100にアップロードされたデータについての情報を示す表であり、図5(b)はクライアント10から受信した設定情報を示す表であり、図5(c)はデータ制御部10によって行われた適合性評価の結果であってクライアント10に表示されるクライアントメッセージを示す画面構成図であり、図5(d)はアップロードされたデータの色変換された内容を示す表である。
【0104】
クライアント10からサーバ100にアップロードされたデータが図5(a)に示すように3つのオブジェクト(素材5)があり、オブジェクト1のカラースペースはRGB、オブジェクト2のカラースペースはCMYK、オブジェクト3のカラースペースはRGBである。 ここでは、例として素材5がアップロードされた場合を説明するが、テンプレート6、原稿7がアップロードされた場合も同様の処理が行われる。
【0105】
また、サーバ100がクライアント10から受信した条件設定は、カラースペースが「CMYK」の4番である。
【0106】
データ制御部10は、適合性評価を行うにあたって、アップロードされたオブジェクトのデータであるカラースペースと、クライアント10から受信した条件設定で設定されたカラースペースとを比較して、それらが合致するか否かを確認する。
【0107】
そして、比較の結果、それらのカラースペースが異なる場合には、アップロードされたオブジェクトのカラースペースが条件設定で設定されたカラースペースに成るように、カラースペースの変換が必要だと判断される。
【0108】
アップロードされたオブジェクトのカラースペースを条件設定で設定されたカラースペースに成るようにカラースペースの変換が行われる際に、条件設定で出力先の印刷装置が決まっている場合には、その出力先の印刷装置の特性に適合するようなカラースペースの変換が必要だと判断される。
【0109】
ここでは、アップロードされたオブジェクトのカラースペースが「オブジェクト1:RGB」「オブジェクト2:CMYK」「オブジェクト3:RGB」であって、クライアント10から受信した条件設定で設定されたカラースペースは「CMYK」であるので、オブジェクト1とオブジェクト3のデータが「CMYK」のカラースペースへ変換必要だと判断される。
【0110】
このように判断された適合性評価の結果は、サーバ100からクライアント10に送られて(ステップ406)、クライアント10の図示しない表示部に表示される(ステップ407)。
【0111】
クライアント10の図示しない表示部に表示される内容は、図5(c)に示すように、「オブジェクト1、3のカラースペースが異なります。データをCMYKに変換してください。」というように、カラースペースの変換が必要なオブジェクトとその変換後のカラースペースとを表示する内容である。
【0112】
つまり、適合性評価の結果としてクライアント10に通知される内容には、アップロードされたデータのカラースペースと条件設定で設定されたカラースペースとが異なる場合に通知される警告が含まれる。
【0113】
また、クライアント10の図示しない表示部には、図5(c)に示すように、データの変換をクライアント10で行うか或いはサーバ100で行うかを担当者Aに尋ねる内容も表示される。
【0114】
クライアント10を操作する担当者Aは、クライアント10の図示しない表示部に表示されたデータの変換場所を尋ねる内容に対する指示を、クライアント10に入力する。
【0115】
ここでは、図5(c)に示すように、サーバ100でデータ変換が行われることが担当者Aによって指示されたとして説明するが、クライアント10でデータ変換が行われることが担当者Aによって指示された場合にはクライアント10でデータ変換が行われて、データ変換が行われたデータがサーバ100に送られて、サーバ100でカラースペース情報が付加されてデータ格納部103に記憶格納される。
【0116】
図5(c)に示すように、サーバ100でデータ変換が行われることが指示されると、その指示内容がクライアント10からサーバ100に送られて、サーバ100で変換が必要なデータに対して適合性評価で判断された内容のデータ変換が行われる(ステップ408)。
【0117】
ここで行われるデータ変換は、カラースペースの変換である。
【0118】
カラースペースの変換にはルックアップテーブルが用いられる。
【0119】
ルックアップテーブルは、予め作成してデータ格納部103に記憶格納されているものが使用されてもよいし、また、データ変換の際に新たに作成されたものが使用されてもよい。
【0120】
ルックアップテーブルを用いてカラースペースを変換については、例えば、特開2002−27274号公報、特開2006−129259号公報、特開2007−43250号公報、特開2006−325053号公報等に記載されている従来技術により実施することができる。
【0121】
例えば、アップデートされたデータのカラースペースがCMYKのJapanColorで出力先の印刷装置がPSプリンタ23の場合、JapanColorからPSプリンタ23の特性に適合するカラースペースへ変換する多次元ルックアップテーブルが使用されて、変換が行われる。
【0122】
ここでは、図5(c)を参照して説明したクライアントメッセージのように、オブジェクト1、3のカラースペースがCMYKに変換される必要があるので、オブジェクト1とオブジェクト3のデータのカラースペースがCMYKに変換されて、変換されたデータにカラースペース変換情報が付加されてデータ格納部103に記憶格納される。
【0123】
ステップ408でデータ変換されたデータ(素材5、テンプレート6、原稿7)は、データ格納部103に記憶格納される際に、そのデータ変換に関する情報であるカラースペース変換情報が付加されてデータ格納部103に記憶格納される(ステップ409)。
【0124】
カラースペース変換情報は、カラースペース変換情報が付加されるデータに設定された設定情報(ワークフロー)の番号、そのデータがサーバ100にアップロードされたときのカラースペースの種類とその設定情報によって指定されるカラースペースの種類とを示す色変換情報、カラースペースの変換が行われたか否かを示す色変換済情報(後で説明するが、データのカラースペース変換が行われないまま、データにカラースペース変換情報が付加されて、そのデータがデータ格納部103に記憶格納される場合もある。)、データのカラースペース変換が行われた場合に基準データの変換値についての情報である色変換値である。
【0125】
カラースペース変換情報の一例について図6を参照して説明を行う。
【0126】
図6は、カラースペース変換情報の一例として、図5(a)を参照して説明したオブジェクト1が図5(b)を参照して説明した条件設定に基づき適合性評価されてデータ変換された場合に付加されるカラースペース変換情報である。
【0127】
図6に示すように、カラースペース変換情報の一例としては、そのカラースペース変換情報が付加されるデータ(この場合はオブジェクト1)に設定された条件設定の番号が「4」である(参照番号601)。
【0128】
条件設定の番号が「4」であるので、このデータに設定された条件設定(ワークフロー)は、図3を参照した条件設定の内容の「条件設定:4」である「CMYKのカラースペースによって印刷機22に出力される」ことを示すことが明確にされる。
【0129】
図6に示すように、カラースペース変換情報の一例としては、そのカラースペース変換情報が付加されるデータ(この場合はオブジェクト1)の色変換情報が「1」である(参照番号602)。
【0130】
色変換情報の番号に対応する意味は、予め決められている。
【0131】
色変換情報の「0」は、データがサーバ100にアップロードされたときのカラースペースの種類がRGBであって、そのデータに設定された設定情報で指定されるカラースペースの種類がRGBであることを示す番号である(参照番号603)。
【0132】
色変換情報の「1」は、データがサーバ100にアップロードされたときのカラースペースの種類がRGBであって、そのデータに設定された設定情報で指定されるカラースペースの種類がCMYKであることを示す番号である(参照番号604)。
【0133】
色変換情報の「2」は、データがサーバ100にアップロードされたときのカラースペースの種類がCMYKであって、そのデータに設定された設定情報で指定されるカラースペースの種類がRGBであることを示す番号である(参照番号605)。
【0134】
色変換情報の「3」は、データがサーバ100にアップロードされたときのカラースペースの種類がCMYKであって、そのデータに設定された設定情報で指定されるカラースペースの種類がCMYKであることを示す番号である(参照番号606)。
【0135】
ここでは、CMYKとRGBとの間でのカラースペースの変換について説明したが、CMYKに関係するカラースペース定義(例えばJapanColor)とRGBに関係するカラースペース定義(例えばsRGB)との間でのカラースペースの変換が行われてもよく、カラースペース変換情報の色変換情報にCMYKに関係するカラースペース定義とRGBに関係するカラースペース定義との間でのカラースペースの変換に対応する番号が記録されるように構成されてもよい。
【0136】
図6に示すように、カラースペース変換情報の一例としては、そのカラースペース変換情報が付加されるデータ(この場合はオブジェクト1)の色変換済情報の番号が「1」である(参照番号607)。
【0137】
色変換済情報の番号に対応する意味は、「0」がカラースペースの変換が行われていないことを示し、「1」がカラースペースの変換が行われたことを示す(参照番号608)。
【0138】
図6に示すように、カラースペース変換情報の一例としては、そのカラースペース変換情報が付加されるデータ(この場合はオブジェクト1)の色変換値が(100、100、100、5)である(参照番号609)。
【0139】
ここでカラースペース変換情報である色変換値について説明する。色変換値は、データのカラースペースが変換された際に、基準となる色がその変換によって変換された変換後の色の値である。基準となる色は例えば黒(0、0、0)(RGBの場合)であるが、黒に限定されずに、黄色や赤色等の他の色であってもよい。
【0140】
図6に示す例では、色変換情報が「1」であるので、アップロードされたときのカラースペースの種類はRGBであって、そのデータに設定された設定情報で指定されるカラースペースの種類はCMYKであり、色変換済情報が「1」であるので色変換が行われており、アップロードされたときのRGBから設定情報で指定されたCMYKへの色変換が行われている。図6に示す例では、このようにRGBからCMYKへの色変換が行われているから、基準となる黒(0、0、0)がその色変換によってRGBからCMYKに変換された色の値である(100、100、100、5)が色変換値となっている。
【0141】
このような色変換値は、データ(素材5、テンプレート6、原稿7)の色変換が行われて、カラースペース変換情報が後に失われた場合のその情報の追跡等に使用される。
【0142】
例えば、代表的な印刷ターゲットのCMYKからRGBへの色変換データ対を保持しておき、変換後のRGB値からCMYKの印刷ターゲットを推定する。これはつまり、種々のカラースペースの変換パターンに対応して基準となる色の変換前後の値をデータ対として記憶しておき、カラースペース変換情報の一部が失われた場合には、カラースペース変換情報の色変換値を基にカラースペースの変換パターン(例えば、CMYKからRGBへの変換)を導き出し、導き出された変換パターンと変換後の画像データから変換前の画像データを推定する、というものである。この処理によって、例えば、印刷装置が、CMYKからRGBに変換された変換後のデータを受信したとしても、変換前のCMYKのデータを推定することで、受信したRGBデータ状態で失われた情報(CMYKからRGBへの変換により失われた情報)を推定することができる。
【0143】
また、色変換値を使用した情報の追跡の一例として、各種プリンタのRGBからCMYKへの色変換データ対を保持して、想定したプリンタを推定する、というものがある。これはつまり、各種プリンタにおけるカラースペースの変換パターンに対応して基準となる色の変換前後の値をデータ対として記憶しておき、カラースペース変換情報の一部が失われて出力先となる印刷装置の情報が失われた場合には、カラースペース変換情報の色変換値(カラースペース変換情報の色変換情報を利用してもよい)を基に出力先となる印刷装置を推定する、というものである。
【0144】
このようなカラースペース変換情報が付加されて、データ変換されたデータがデータ格納部103に記憶格納されると、データ格納部103に格納されたデータ(素材5、テンプレート6、原稿7)がクライアント10を操作する担当者Aに利用されて、原稿作成が行われる(ステップ410)。
【0145】
クライアント10を操作する担当者Aは、サーバ100のレイアウトUI部104によってクライアント10に表示されるレイアウト画面より、データ格納部103に記憶格納される素材5、テンプレート6、原稿7の編集作業を行って、原稿7を作成することができる(この原稿作成には、データ格納部103に記憶格納される原稿7が編集されて新たな原稿7がデータ格納部103に記憶格納される処理も含まれる。)。
【0146】
担当者Aが操作するクライアント10に表示されるレイアウト画面より編集されて作成された原稿7は、原稿生成部105によって(ステップ411)データ格納部7に原稿7として記憶格納される(ステップ412)。
【0147】
原稿7がデータ格納部7に記憶格納される際には、原稿7が作成される編集作業で使用されたデータ(素材5、テンプレート6、原稿7)に付加されたカラースペース変換情報が付加されるように構成することができる。
【0148】
拠点A(51)の発注担当者は、クライアント12を操作して、データ格納部103に格納されるデータ(素材5、テンプレート6、原稿7)をセンタプリンタ21や印刷機22に印刷出力させる指示を行う。
【0149】
また、拠点B(52)の発注担当者は、クライアント13を操作して、データ格納部103に格納されるデータ(素材5、テンプレート6、原稿7)をPSプリンタ23や非PSプリンタ24に印刷出力させる指示を行う。
【0150】
サーバ100は、クライアント10やクライアント12やクライアント13からデータ格納部103に記憶格納されるデータ(素材5、テンプレート6、原稿7)を印刷出力される指示を受け付けると(ステップ413)、印刷指示されたデータに対して印刷先に応じた処理を行い、印刷指示されたデータが印刷先で印刷出力される(ステップ414)。
【0151】
このようにして、サーバ100は、担当者Aによって操作されるクライアント10からアップロードされるデータ(素材5、テンプレート6、原稿7)のカラースペースを、設定されるワークフローに応じて変換して記憶格納し、そして、記憶格納されたデータは編集作業が行われて原稿7が作成され、作成された原稿7が印刷出力される。
【0152】
よって、原稿作成時にカラースペースの問題が抽出されるので、原稿作成後の出力の段階で問題が発生して、後戻りすることがない。
【0153】
尚、サーバ100から各印刷装置(センタプリンタ21、印刷機22、PSプリンタ23、非PSプリンタ24)に対して、サーバ100でデータに対して付加されるカラースペース変換情報内容として、条件設定で示される番号が意味する内容と、色変換情報の番号が意味する内容と、色変換情報の番号が意味する内容とが送られるように構成されてもよい。
【0154】
尚、クライアント10でオブジェクトのカラースペースが変換されて、変換されたオブジェクト(前述の説明ではオブジェクト1、オブジェクト3)がサーバ100に送信される際には、最初にステップ403でアップロードされたデータでカラースペースの変換の必要のなかったオブジェクト(前述の説明ではオブジェクト2)と変換されたオブジェクト(オブジェクト1、オブジェクト3)とが、ステップ403でアップロードされたようにレイアウト画面よりサーバ100にアップロードされるように構成されてもよい。
【0155】
尚、図6を参照して説明した色変換情報で明らかになるカラースペースの種類は、RGBとCMYKだけに限られず、よりカラースペース定義の種類(例えば、sRGBやJapan Color等)が明らかになるように色変換情報が予め設定されててもよい。例えば、色変換情報の「4」が、データがサーバ100にアップロードされたときのカラースペース定義の種類がsRGBであって、そのデータに設定された設定情報で指定されるカラースペース定義の種類がWideRGBであることを示す番号である。
【0156】
尚、条件設定で設定されたカラースペースとアップロードされたデータのカラースペースとが異なる場合には、クライアント10或いはサーバ100でデータのカラースペースが変換される処理が行われるように説明したが、その場合にカラースペースの変換処理が行われずにカラースペース変換情報として警告色出力という情報が付加されてデータが記憶格納されて、最終的に印刷出力される際に、アップロードされた時のカラースペースと設定情報で設定されたカラースペースとが異なる個所を警告色として所定の色で印刷出力するように構成されてもよい。そのように警告色で出力される際には、サーバ100にアップロードされた時のカラースペースと設定情報で設定されたカラースペースと異なる個所が出力先の印刷装置でカラースペース変換されて印刷出力されてもよい。
【0157】
尚、条件設定で設定されたカラースペースとアップロードされたデータのカラースペースとが異なる場合には、クライアント10或いはサーバ100でデータのカラースペースが変換される処理が行われるように説明したが、その場合にカラースペースの変換処理が行われずに、最終的に印刷出力される際に、アップロードされた時のカラースペースと設定情報で設定されたカラースペースとが異なる個所を出力先である印刷装置でカラースペースの変換が行われて印刷出力されてもよい。
【0158】
尚、条件設定で設定されたカラースペースとアップロードされたデータのカラースペースとが異なる場合には、クライアント10或いはサーバ100でデータのカラースペースが変換される処理が行われるように説明したが、その場合にカラースペースの変換処理が行われずに、アップロードされた時のカラースペースと同じカラースペースに適応している印刷装置をサーバ100が有する印刷装置情報から選択して、その印刷装置を出力先として指摘する警告表示をクライアント10にするように、サーバ100が構成されてもよい。その際、サーバ100は、印刷装置情報として、印刷出力先となるセンタプリンタ21、印刷機22、PSプリンタ23、非PSプリンタ24が対応しているカラースペースの情報を有する。また、その際、クライアント10に行われる警告表示は、図4のステップ407の代わりに行われ、その警告表示をクライアント10の図示しない表示部で確認した担当者Aは、その警告表示の中で指摘された出力先の印刷装置を新たな出力先とした条件設定を再度ステップ401から入力して、データをアップロードさせる処理を行うことができる。
【0159】
尚、各印刷装置には印刷に対応している種々のカラースペースがあるが、各印刷装置は、その対応しているカラースペースと自装置が受け付ける印刷データのカラースペースとが異なる場合に、受け付ける印刷データのカラースペースを自装置が対応するカラースペースへカラースペース変換することができる。そのようなカラースペース変換の情報について、サーバ100は、印刷装置情報として、各印刷装置がカラースペース変換することができるカラースペースの種類を印刷装置毎に記憶している。例えば、サーバ100は、印刷装置情報として、PSプリンタ23がRGBであるsRGBからCMYKであるJapanColorへのカラースペース変換と、RGBであるWideRGBからCMYKであるJapanColorへのカラースペース変換をすることができると記憶している。そして、サーバ100において、条件設定で設定されたカラースペースとアップロードされたデータのカラースペースとが異なる場合にはクライアント10或いはサーバ100でデータのカラースペースが変換されるように説明したが(ステップ408での処理)、そのように条件設定で設定されたカラースペースとアップロードされたデータのカラースペースとが異なって、且つ出力先となる印刷装置が条件設定で設定されている場合には、サーバ100は、記憶する印刷装置情報に基づき条件設定で設定された出力先の印刷装置でカラースペース変換可能なカラースペースの種類を確認して、アップロードされたデータのカラースペースがその出力先の印刷装置で対応可能なカラースペースへカラースペース変換されることがその印刷装置で可能であることを判定すると、カラースペース変換可能と判定されたカラースペース変換の情報(変換後のカラースペースの情報)をカラースペース変換情報として印刷データに付加し、印刷データのカラースペース変換がサーバ100やクライアント10で行われないように構成してもよい。その際には、変換後のカラースペースの情報が印刷データに付加されるので、印刷データが出力先の印刷装置に送られると、その印刷装置が付加された変換後のカラースペースの情報を読み取って、その印刷装置で印刷データのカラースペースの変換が行われる。
【0160】
尚、印刷装置情報は、サーバ100のデータ格納部103に記憶格納される。
【0161】
尚、条件設定で設定されたカラースペースとアップロードされたデータのカラースペースとが異なる場合には、クライアント10或いはサーバ100でデータのカラースペースが変換される処理が行われるように説明したが(ステップ408での処理)、そのような場合にサーバ100は、アップロードされたデータのカラースペースを変換する処理を行わずに、条件設定で設定されたカラースペースに変換するためのルックアップテーブルを作成して、作成したルックアップテーブルをデータに付加するように構成されてもよい。このように構成されることにより、条件設定で設定される出力先が複数の場合で変換後のカラースペースが複数になっている場合に、サーバ100がアップロードされたデータを記憶格納する際にはそのデータのカラースペース変換が行われずに複数のルックアップテーブルがそのデータに付加されて記憶格納され、サーバ100がクライアント10或いはクライアント12或いはクライアント13から指示を受け付けて出力先が明確になった時点で、記憶格納されるデータがその明確になった出力先に応じて、そのデータに付加されたルックアップテーブルに基づいてカラースペース変換が行われる。このような構成により、条件設定で複数の出力先が設定された場合に複数のカラースペース変換されたデータを記憶格納する必要がなく、また、出力先が明確になった時点で出力先に応じたカラースペース変換が行われるので出力環境が変化した場合にもルックアップテーブルを作成することなくすぐに最適に出力することができる。尚、サーバ100がアップロードされたデータのカラースペースを変換する処理を行わずに条件設定で設定されたカラースペースに変換するためのルックアップテーブルを作成してデータに付加した場合に、そのデータの出力先が決まって出力先に送られた後に、その出力先で、データに付加されたルックアップテーブルが使用されてデータのカラースペースの変換が行われてもよい。
【0162】
尚、拠点Aのクライアント12からサーバ100にセンタプリンタ21や印刷機22を出力先とする印刷指示が行われるように説明したが、拠点Aのクライアント12からサーバ100にPSプリンタ23や非PSプリンタ24を出力先とする印刷指示が行われ、その印刷出力が行なわれてもよい。また、拠点Bのクライアント13からサーバ100にPSプリンタ23や非PSプリンタ24を出力先とする印刷指示が行われるように説明したが、拠点Bのクライアント13からサーバ100にセンタプリンタ21や印刷機22を出力先とする印刷指示が行われ、そのような印刷出力が行なわれてもよい。
【0163】
尚、クライアント10或いはクライアント12或いはクライアント13からサーバ100に出力先が指定された印刷指示が行われると、印刷指示されたデータ(格納部103に記憶格納されている)の印刷データ(印刷出力される為に画像データが印刷装置に送られる場合の画像データは、印刷出力される為に印刷装置に送られるデータであるので印刷データと呼ぶ)が指示された出力先に送られるが、その印刷データには格納部103に記憶格納されたときに付加されたカラースペース変換情報の条件設定が付加されるようにして、その印刷データを受信した印刷装置が、付加された条件設定で設定されるカラースペースに対応していない場合には、その印刷装置或いはサーバ100で警告表示(条件設定で設定されたカラースペースに出力先の印刷装置が対応していない警告の表示)を表示するように構成されてもよい。その際、予めサーバ100から印刷装置(センタプリンタ21、印刷機22、PSプリンタ23、非PSプリンタ24)宛に条件設定の番号に対応する条件設定の内容の情報が送られるように構成される。このように構成されることにより、印刷装置での最終的な出力ミスを防止できる。また、条件設定が付加された印刷データを受信した印刷装置が、付加された条件設定で設定されるカラースペースに対応していない場合には、その印刷装置がサーバ100に対して警告表示(条件設定で設定されたカラースペースに出力先の印刷装置が対応していない警告の表示)を行う指示を送り、サーバ100で警告表示が表示される。
【0164】
尚、ステップ408での処理として、カラースペースが変換されるデータ変換の処理や、カラースペースの変換が行われずにカラースペース変換のためのルックアップテーブルが作成されてデータに付加される処理や、印刷装置で変換可能な変換のカラースペース変換の情報がデータに付加される処理を説明したが、このような3つの処理は出力先となる印刷装置に応じて切り替えられるように構成されてもよい。そのように構成される際には、印刷装置情報として予め印刷装置に対応して行われる処理(前述のステップ408での処理として説明した3つの処理のいずれか)がサーバ100のデータ格納部103に記憶格納されている。
【0165】
尚、サーバ100のデータ格納部103に記憶格納されたデータ(素材5、テンプレート6、原稿7)の出力先は、印刷装置に限定されず、モニタであってもよく、モニタの場合も印刷装置と同様に印刷装置情報の代わりにモニタ情報がサーバ100に記憶格納され、また、印刷装置で行われるカラースペースの変換等の処理がモニタで同様に行われてもよい。
【0166】
尚、本発明の画像形成管理プログラムを通信手段で提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に記録して提供することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0167】
この発明は、画像形成システムおよび画像形成管理装置および画像形成管理プログラムにおいて利用可能である。
【符号の説明】
【0168】
1 印刷システム
5 素材
6 テンプレート
7 原稿
10、12、13 クライアント
21 センタプリンタ
22 印刷機
23 PSプリンタ
24 非PSプリンタ
100 サーバ
101 条件設定部
102 データ制御部
103 データ格納部
104 レイアウトUI部
105 原稿生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
素材或いはテンプレートを含む原稿材料を用いて作成される原稿の出力条件を受け付ける出力条件受付手段と、
前記原稿材料を受け付ける原稿材料受付手段と、
前記出力条件受付手段で受け付けた前記出力条件で設定された色空間と前記原稿材料受付手段で受け付けた前記原稿材料の色空間とが合致するか否かを確認する確認手段と、
前記確認手段で合致しないと確認された場合には、該原稿材料の色空間を該出力条件で設定された色空間に変換する色空間変換手段と、
前記色空間変換手段で色空間が変換された原稿材料を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段で記憶された前記原稿材料を用いて出力する原稿を作成する原稿作成手段と
を具備する画像形成システム。
【請求項2】
前記確認手段で合致しないと確認された場合には警告を表示する警告表示手段を
更に具備し、
前記記憶手段は、
前記確認手段で合致すると確認された場合には前記原稿材料の色空間を変換せずに前記原稿材料を記憶する
請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記色空間変換手段は、
前記確認手段で合致しないと確認された場合には、前記原稿材料の色空間を前記出力条件で設定された色空間に変換するための色変換係数を作成して変換する
請求項1または2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記色空間変換手段は、
前記確認手段で合致しないと確認された場合には、前記原稿材料の色空間を前記出力条件で設定された色空間に変換せずに、該原稿材料の色空間を該出力条件で設定された色空間に変換するための色変換係数を作成する
請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記色空間変換手段は、
前記確認手段で合致しないと確認された場合には、前記原稿材料の色空間を前記出力条件で設定された色空間に変換せずに、前記出力条件で設定された色空間を操作者に指示する
請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記色空間変換手段は、
前記原稿材料の色空間を前記出力条件で設定された色空間に変換すること、或いは、前記原稿材料の色空間を前記出力条件で設定された色空間に変換せずに変換するための色変換係数を作成すること、或いは、前記原稿材料の色空間を前記出力条件で設定された色空間に変換せずに出力条件で設定された色空間を操作者に指示すること、のいずれかを前記出力条件に設定される出力先に対応して行う
請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記記憶手段は、
前記出力条件受付手段で受け付けた前記出力条件を前記原稿材料に付加して記憶する
請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記記憶手段は、
前記色空間変換手段が行う色空間の変換に関する情報を、前記原稿材料に付加して記憶する
請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記色空間の変換に関する情報は、
所定の色が前記色空間変換手段で変換された変換後の値を含む
請求項8記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記色空間変換手段で変換されたデータの変換前のデータを前記色空間の変換に関する情報に基づき取得する
請求項9記載の画像形成システム。
【請求項11】
印刷指示を受け付ける印刷指示受付手段と、
前記原稿材料或いは前記原稿の印刷データに前記出力条件受付手段で受け付けた前記出力条件で設定された色空間の情報を付加して、該印刷データを前記印刷指示受付手段で受け付けた印刷装置へ送信する送信手段と
を更に具備し、
前記印刷装置は、
前記送信手段で送信された印刷データに付加された情報が示す前記色空間に自装置が対応していない場合には、操作者に警告を表示する警告表示手段を
備える
請求項1乃至10のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記警告表示手段は、
前記送信手段を具備する印刷管理装置で警告情報が表示されるように警告情報を該印刷管理装置に送信する
請求項11に記載の画像形成システム。
【請求項13】
印刷指示を受け付ける印刷指示受付手段と、
前記原稿材料或いは前記原稿の印刷データに、前記原稿材料或いは前記原稿に付加された情報を付加して、該印刷データを前記印刷指示受付手段で受け付けた印刷装置へ送信する送信手段と
を更に具備し、
前記印刷装置は、
前記印刷データの色空間を前記送信手段で送信された印刷データに付加された情報に基づき変換する変換手段
を備える
請求項1乃至12のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項14】
素材、テンプレートを含む原稿材料を用いて作成される原稿の出力条件を受け付ける出力条件受付手段と、
前記原稿材料を受け付ける原稿材料受付手段と、
前記出力条件受付手段で受け付けた前記出力条件で設定された色空間と前記原稿材料受付手段で受け付けた前記原稿材料の色空間とが合致するか否かを確認する確認手段と、
前記確認手段で合致しないと確認された場合には、該原稿材料の色空間を該出力条件で設定された色空間に変換する色空間変換手段と、
前記色空間変換手段で色空間が変換された原稿材料を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段で記憶された前記原稿材料を用いて作成された原稿を記憶する原稿記憶手段と
を具備する画像形成管理装置。
【請求項15】
コンピュータを
素材、テンプレートを含む原稿材料を用いて作成される原稿の出力条件を受け付ける出力条件受付手段、
前記原稿材料を受け付ける原稿材料受付手段、
前記出力条件受付手段で受け付けた前記出力条件で設定された色空間と前記原稿材料受付手段で受け付けた前記原稿材料の色空間とが合致するか否かを確認する確認手段、
前記確認手段で合致しないと確認された場合には、該原稿材料の色空間を該出力条件で設定された色空間に変換する色空間変換手段、
前記色空間変換手段で色空間が変換された原稿材料を記憶する記憶手段、
前記記憶手段で記憶された前記原稿材料を用いて作成された原稿を記憶する原稿記憶手段
として機能させるための画像形成管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−231243(P2012−231243A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97373(P2011−97373)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】