説明

画像形成システム

【課題】 画像形成装置に対して複数の後処理装置が連結された場合に、システム構成に応じて後処理装置の切り替え制御や画像形成待機時間を制御する。
【解決手段】 画像形成装置100で画像形成された記録紙に対して、複数の後処理装置200〜400のいずれかにより後処理を施すことが可能に構成された画像形成システムであって、前記画像形成装置100の画像形成制御部101は、後処理を実行する単位の記録紙(部)毎に、前記画像形成装置からの該記録紙の分配先となる前記後処理装置を順次切り替える制御をすると共に、前記部間で発生する前記画像形成装置での画像形成待機時間を、該画像形成システムのシステム構成に応じて決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置で画像形成された記録紙に対して後処理を施す後処理装置が接続された画像形成システムに関し、特に、画像形成装置で画像形成された記録紙に対して複数の後処理装置のいずれかにより後処理を施すことが可能に構成された画像形成システムの動作改良に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において大量の画像形成を実行する場合、プリンタの排出側に各種の後処理(ステープル処理、整合処理、パンチ処理、折り処理、綴じ処理、バインド処理、断裁処理など)により製本プロセスを実行するフィニッシャ(後処理装置)を接続することが行われている。
【0003】
なお、後処理装置での製本プロセスでは、出力物の品位を向上させる為に様々な処理がなされるようになってきており、1部当たりの後処理に要する時間がかかることが一般的になってきている。
【0004】
この為、画像形成装置自体は高い生産性を持っていても、後処理装置での1部当たりの製本プロセスにおいて多大な時間を要するため、複数部を出力する際には、部の区切りにおいて画像形成を所定時間中断せざるを得ず、結果としてシステム全体の生産性を低下させていたという問題があった。
【0005】
なお、以上のような問題に鑑みて、1台の画像形成装置に対して複数台の後処理装置を連結するという手法も考えられる。この種の技術については、以下の特許文献1〜特許文献3などに記載されている。
【特許文献1】特開平5−105318号公報(第1頁、図1)
【特許文献2】特開平5−105319号公報(第1頁、図1)
【特許文献3】特開2003−155160号公報(第1頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上の特許文献記載のような後処理の連結の手法では、連結された際にどちら側で制御を行うかについては配慮されているものの、連結数の増減によってシステム構成が変化した場合に生産性を最適に保つ手法は一切考えられていない。
【0007】
すなわち、連結数が固定の場合には、その当初の連結数において最適な制御とすることは可能であるものの、連結数が増減した場合は複数部の部間の画像形成待機時間などの状態が最適な状態から外れてしまうことになる。
【0008】
本発明は以上の問題点に鑑みてなされたものであって、画像形成装置に対して複数の後処理装置が連結された場合に、システム構成に応じて後処理装置の切り替え制御や画像形成待機時間を制御することが可能な画像形成システムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、上述した課題を解決する本発明は、以下に述べるものである。
(1)請求項1記載の発明は、画像形成された記録紙を後処理装置に対して出力する画像形成装置と、後続の後処理装置に対しての通過経路を有する複数の連結された後処理装置と、を備え、前記画像形成装置で画像形成された記録紙に対して、前記複数の後処理装置のいずれかにより後処理を施すことが可能に構成された画像形成システムであって、前記画像形成装置の画像形成制御部は、後処理を実行する単位の記録紙(部)毎に、前記画像形成装置からの該記録紙の分配先となる前記後処理装置を順次切り替える制御をすると共に、前記部間で発生する前記画像形成装置での画像形成待機時間を、該画像形成システムのシステム構成に応じて決定する、ことを特徴とする画像形成システムである。
【0010】
なお、ここで、後処理を実行する記録紙の単位を、部と呼ぶことにしており、この部毎に以下の制御を行う。
すなわち、この発明では、画像形成された記録紙に対して少なくとも2台の後処理装置を使用する場合、後処理を実行する単位の記録紙(部)毎に、画像形成装置からの該記録紙の分配先となる後処理装置を該画像形成システムのシステム構成に応じて順次切り替える制御をし、さらに、部間で発生する画像形成装置での画像形成待機時間を、該画像形成システムのシステム構成に応じて決定する制御を行う。
【0011】
(2)請求項2記載の発明は、請求項1において、前記システム構成は、連結されている後処理装置の台数と、各後処理装置の後処理能力とを含んで決定される、ことを特徴とする。
【0012】
この発明では、画像形成された記録紙に対して少なくとも2台の後処理装置を使用する場合、後処理を実行する単位の記録紙(部)毎に、画像形成装置からの該記録紙の分配先となる後処理装置を該画像形成システムのシステム構成に応じて順次切り替える制御をし、さらに、部間で発生する画像形成装置での画像形成待機時間を、該画像形成システムのシステム構成に応じて決定する制御を行う。
【0013】
ここで、記録紙の分配先となる後処理装置については、システム構成として連結されている後処理装置の台数に応じて順次切り替える制御をする。さらに、部間で発生する画像形成装置での画像形成待機時間については、該画像形成システムのシステム構成として連結されている後処理装置の台数と、各後処理装置での処理時間(後処理能力)とに応じて決定する制御を行う。
【0014】
(3)請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2において、前記複数の後処理装置はそれぞれ後処理制御部を備え、前記画像形成制御部は前記後処理制御部との間で通信を行うことで、連結されている後処理装置の台数を認識する、ことを特徴とする。
【0015】
この発明では、画像形成された記録紙に対して少なくとも2台の後処理装置を使用する場合、後処理を実行する単位の記録紙(部)毎に、画像形成装置からの該記録紙の分配先となる後処理装置を該画像形成システムのシステム構成に応じて順次切り替える制御をし、さらに、部間で発生する画像形成装置での画像形成待機時間を、該画像形成システムのシステム構成に応じて決定する制御を行う。
【0016】
ここで、各後処理制御部と画像形成制御部との間で通信を行いつつ、画像形成装置に連結されている後処理装置の台数を認識している。
すなわち、記録紙の分配先となる後処理装置については、システム構成として連結されている後処理装置の台数を制御部間の通信より認識し、認識したシステム構成に応じて順次切り替える制御をする。
【0017】
(4)請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかにおいて、前記複数の後処理装置はそれぞれ後処理制御部と通信部とを備え、前記通過経路を介して後続の後処理装置に対しての記録紙の搬送を行うと共に、前記通信部を介して記録紙搬送に伴う情報通知を行う、ことを特徴とする。
【0018】
この発明では、画像形成された記録紙に対して少なくとも2台の後処理装置を使用する場合、後処理を実行する単位の記録紙(部)毎に、画像形成装置からの該記録紙の分配先となる後処理装置を該画像形成システムのシステム構成に応じて順次切り替える制御をし、さらに、部間で発生する画像形成装置での画像形成待機時間を、該画像形成システムのシステム構成に応じて決定する制御を行う。
【0019】
ここで、複数の後処理装置において、通過経路を介して記録紙を後続の後処理装置に搬送すると共に、通信部を介して情報通知を後続の後処理装置に行うようにしている。
【発明の効果】
【0020】
(1)請求項1記載の発明では、画像形成された記録紙に対して少なくとも2台の後処理装置を使用する場合、後処理を実行する単位の記録紙(部)毎に、画像形成装置からの該記録紙の分配先となる後処理装置を該画像形成システムのシステム構成に応じて順次切り替える制御をし、さらに、部間で発生する画像形成装置での画像形成待機時間を、該画像形成システムのシステム構成に応じて決定する制御を行う。
【0021】
この結果、画像形成装置に対して複数の後処理装置が連結されていて、少なくとも2台の後処理装置を使用して後処理する場合に、システム構成に変更があった場合にも、変更後のシステム構成に応じて、適切な後処理装置の切り替え制御や画像形成待機時間を制御することが可能になる。
【0022】
(2)請求項2記載の発明では、画像形成された記録紙に対して少なくとも2台の後処理装置を使用する場合、後処理を実行する単位の記録紙(部)毎に、画像形成装置からの該記録紙の分配先となる後処理装置を該画像形成システムのシステム構成に応じて順次切り替える制御をし、さらに、部間で発生する画像形成装置での画像形成待機時間を、該画像形成システムのシステム構成に応じて決定する制御を行う。
【0023】
ここで、記録紙の分配先となる後処理装置については、システム構成として連結されている後処理装置の台数に応じて順次切り替える制御をする。さらに、部間で発生する画像形成装置での画像形成待機時間については、該画像形成システムのシステム構成として連結されている後処理装置の台数と、各後処理装置での処理時間(後処理能力)とに応じて決定する制御を行う。
【0024】
この結果、画像形成装置に対して複数の後処理装置が連結されていて、少なくとも2台の後処理装置を使用して後処理する場合に、連結される後処理装置の台数や能力などの変更があった場合にも、変更後のシステム構成に応じて、適切な後処理装置の切り替え制御や画像形成待機時間を制御することが可能になる。
【0025】
(3)請求項3記載の発明では、画像形成された記録紙に対して少なくとも2台の後処理装置を使用する場合、後処理を実行する単位の記録紙(部)毎に、画像形成装置からの該記録紙の分配先となる後処理装置を該画像形成システムのシステム構成に応じて順次切り替える制御をし、さらに、部間で発生する画像形成装置での画像形成待機時間を、該画像形成システムのシステム構成に応じて決定する制御を行う。
【0026】
ここで、各後処理制御部と画像形成制御部との間で通信を行いつつ、画像形成装置に連結されている後処理装置の台数を認識している。
すなわち、記録紙の分配先となる後処理装置については、システム構成として連結されている後処理装置の台数を制御部間の通信より認識し、認識したシステム構成に応じて順次切り替える制御をする。
【0027】
この結果、画像形成装置に対して複数の後処理装置が連結されていて、少なくとも2台の後処理装置を使用して後処理する場合に、連結される後処理装置の台数などの変更があった場合にも、変更後のシステム構成に応じて、迅速に、適切な後処理装置の切り替え制御や画像形成待機時間を制御することが可能になる。
【0028】
(4)請求項4記載の発明では、画像形成された記録紙に対して少なくとも2台の後処理装置を使用する場合、後処理を実行する単位の記録紙(部)毎に、画像形成装置からの該記録紙の分配先となる後処理装置を該画像形成システムのシステム構成に応じて順次切り替える制御をし、さらに、部間で発生する画像形成装置での画像形成待機時間を、該画像形成システムのシステム構成に応じて決定する制御を行う。
【0029】
ここで、複数の後処理装置において、通過経路を介して記録紙を後続の後処理装置に搬送すると共に、通信部を介して情報通知を後続の後処理装置に行うようにしている。
この結果、画像形成装置に対して複数の後処理装置が連結されていて、少なくとも2台の後処理装置を使用して後処理する場合に、連結される後処理装置の台数などの変更があった場合にも、変更後のシステム構成に応じて、迅速に、適切な後処理装置の切り替え制御や画像形成待機時間を制御することができ、分担する後処理装置が確実に処理を実行することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」と言う)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に記載された具体例などの内容、システム構成、数値などに限定されるものではない。
【0031】
〈第1の実施形態の画像形成システムの構成〉
図1は本願発明の第1の実施形態である画像形成システムの全体構成を示す構成図である。ここで、本実施形態は、画像形成された記録紙を後処理装置に対して出力する画像形成装置100と、後続の後処理装置に対しての通過経路を有する複数の連結された後処理装置200〜400と、を備え、画像形成装置100で画像形成された記録紙に対して、複数の後処理装置200〜400のいずれかにより後処理を施すことが可能に構成された画像形成システムを具体例にしている。
【0032】
ここで、100は画像データに応じた画像を記録紙上に形成して出力する画像形成装置である。なお、ここでは、画像形成装置100に対して、3台の後処理装置200〜400が連結されたものを具体例にしている。
【0033】
この画像形成装置100は、画像形成装置各部を制御する制御手段としての画像形成制御部101、各種操作入力がなされると共に各種表示を行う操作表示部102、後述する後処理装置200と通信ケーブルを介してシリアル通信を行うシリアル通信部110、画像データに各種画像処理を施す画像処理部120、後処理に関する設定を行う後処理設定部130、画像形成される記録紙を蓄積しておいて給紙する給紙部140、画像データに基づいて記録紙上に画像を形成する画像形成部150、画像形成される記録紙を搬送する第1搬送部160、画像形成される記録紙を搬送する第2搬送部170、画像形成される記録紙を搬送する第3搬送部180、を有して構成されている。
【0034】
なお、第1搬送部160、第2搬送部170、第3搬送部180は、それぞれ、画像形成時の記録紙の搬送、両面画像形成のための記録紙の循環搬送、排紙のための記録紙の排紙搬送を担当している。
【0035】
また、200は画像形成装置100によって画像が形成された記録紙に後処理を施す後処理装置である。
この後処理装置200は、後処理装置の各部を制御する後処理制御部201、画像形成装置100と通信ケーブルを介してシリアル通信を行うシリアル通信部210、後続の後処理装置と通信ケーブルを介してシリアル通信を行うシリアル通信部220、後処理として各種折り処理を記録紙に施す折り部230、後処理としてステープル処理を記録紙に施すステープル部240、後処理として断裁処理を記録紙に施す断裁部250、後処理される記録紙を搬送する第1搬送部260、後処理される記録紙を搬送する第2搬送部270、後処理される記録紙を搬送する第3搬送部280、を有して構成されている。
【0036】
なお、第1搬送部260、第2搬送部270、第3搬送部280は、それぞれ、後続の後処理装置に対しての記録紙の通過経路としての搬送、後処理のための記録紙の搬送、後処理された後の排紙のための記録紙の排紙搬送、を担当している。
【0037】
また、300は画像形成装置100によって画像が形成されて後処理装置200を通過した記録紙に後処理を施す後処理装置である。
この後処理装置300は、後処理装置の各部を制御する後処理制御部301、後処理装置200と通信ケーブルを介してシリアル通信を行うシリアル通信部310、後続の後処理装置と通信ケーブルを介してシリアル通信を行うシリアル通信部320、後処理として各種折り処理を記録紙に施す折り部330、後処理としてステープル処理を記録紙に施すステープル部340、後処理として断裁処理を記録紙に施す断裁部350、後処理される記録紙を搬送する第1搬送部360、後処理される記録紙を搬送する第2搬送部370、後処理される記録紙を搬送する第3搬送部380、を有して構成されている。
【0038】
なお、第1搬送部360、第2搬送部370、第3搬送部380は、それぞれ、後続の後処理装置に対しての記録紙の通過経路としての搬送、後処理のための記録紙の搬送、後処理された後の排紙のための記録紙の排紙搬送、を担当している。
【0039】
また、400は画像形成装置100によって画像が形成されて後処理装置300を通過した記録紙に後処理を施す後処理装置である。
この後処理装置400は、後処理装置の各部を制御する後処理制御部401、後処理装置300と通信ケーブルを介してシリアル通信を行うシリアル通信部410、後続の後処理装置と通信ケーブルを介してシリアル通信を行うシリアル通信部420、後処理として各種折り処理を記録紙に施す折り部430、後処理としてステープル処理を記録紙に施すステープル部440、後処理として断裁処理を記録紙に施す断裁部450、後処理される記録紙を搬送する第1搬送部460、後処理される記録紙を搬送する第2搬送部470、後処理される記録紙を搬送する第3搬送部480、を有して構成されている。
【0040】
なお、第1搬送部460、第2搬送部470、第3搬送部480は、それぞれ、後続の後処理装置(図1では未連結)に対しての記録紙の通過経路としての搬送、後処理のための記録紙の搬送、後処理された後の排紙のための記録紙の排紙搬送、を担当している。
【0041】
なお、画像形成制御部101は、後処理制御部201〜401との間で通信を行うことで、画像形成装置100に連結されている後処理装置の台数を認識するように構成されている。
【0042】
そして、後処理を実行する単位の記録紙(部)毎に、画像形成装置100からの該記録紙の分配先となる後処理装置を該画像形成システムのシステム構成に応じて順次切り替える制御をし、さらに、部間で発生する画像形成装置100での画像形成待機時間を、該画像形成システムのシステム構成に応じて決定する制御を行う。
【0043】
さらに、各後処理装置200〜400は、それぞれ後処理制御部と通信部とを備え、通過経路を介して後続の後処理装置に対しての記録紙の搬送を行うと共に、通信部を介して記録紙搬送に伴う情報通知を行うように構成されている。
【0044】
なお、この実施形態の接続状態では、末端となる後処理装置400では通過経路を有している必要はない。また、末端となる後処理装置400では、通信部に関しては、前段との通信を行う通信部を最低限備えていればよい。但し、システム構成の変更(後処理装置の増設)に対応するためには、通過経路や後段のための通信部を備えていることが望ましい。
【0045】
図2は本実施形態の画像形成装置100、および、後処理装置200〜後処理装置400の内部の概略断面構成および記録紙搬送の様子を、各装置での記録紙搬送に合わせて、模式的な断面図により示す断面構成図である。なお、この図の機械的構成は既知のものであるため、各種搬送ローラ、各種センサ、各種駆動モータ、各種駆動ソレノイドなどについては省略してある。
【0046】
この図2において、画像形成装置100では、画像処理部120にて所定の画像処理が施された画像データに基づき、給紙部140から給紙された記録紙に、画像形成部150にて画像形成がなされる。この画像形成の際には、第1搬送部160により記録紙が搬送されており、ドラムへの帯電、ドラム表面への静電潜像形成、現像、転写、分離、定着という一連のプロセスが実行される。
【0047】
そして、両面画像形成の場合には、第2搬送部170により循環搬送され、第1搬送部160により搬送されつつ、再度画像形成部150により、記録紙の裏面に画像形成がなされる。
【0048】
画像形成が完了した画像形成された記録紙は、第3搬送部180により搬送されて、画像形成装置左方の排出口より画像形成装置100から排出され、後処理装置200に送られる。
【0049】
後処理装置200には、後続の後処理装置への通過経路としての第1搬送部260が設けられており、画像形成装置100からの記録紙を後処理装置300、後処理装置400に対して通過搬送することが可能である。
【0050】
また、第2搬送部270により後処理を実行する各部への搬送が可能である。ここでは、機構説明を簡略化するために、ステープル部240のみを示し、折り部230と断裁部250については省略した状態で示している。そして、後処理が完了した記録紙の束は、第3搬送部280により排紙皿に搬送される。
【0051】
なお、第1搬送部260により通過搬送されるか、第2搬送部270により後処理側に搬送されるかは、画像形成装置100の画像形成制御部101からの指示を受けた後処理制御部201が、図示されない経路切り替え部を駆動することにより切り替えられる。
【0052】
後処理装置300には、後続の後処理装置への通過経路としての第1搬送部360が設けられており、後処理装置200からの記録紙を後処理装置400に対して通過搬送することが可能である。
【0053】
また、第2搬送部370により後処理を実行する各部への搬送が可能である。ここでは、機構説明を簡略化するために、ステープル部340のみを示し、折り部330と断裁部350については省略した状態で示している。そして、後処理が完了した記録紙の束は、第3搬送部380により排紙皿に搬送される。
【0054】
なお、第1搬送部360により通過搬送されるか、第2搬送部370により後処理側に搬送されるかは、画像形成装置100の画像形成制御部101からの指示を後処理制御部201経由で受けた後処理制御部301が、図示されない経路切り替え部を駆動することにより切り替えられる。
【0055】
後処理装置400には、後続の後処理装置への通過経路としての第1搬送部460が設けられており、後処理装置300からの記録紙を、後続の後処理装置が接続された場合には通過搬送することが可能である。
【0056】
また、第2搬送部470により後処理を実行する各部への搬送が可能である。ここでは、機構説明を簡略化するために、ステープル部440のみを示し、折り部430と断裁部450については省略した状態で示している。そして、後処理が完了した記録紙の束は、第3搬送部480により排紙皿に搬送される。
【0057】
なお、第1搬送部460により通過搬送されるか、第2搬送部470により後処理側に搬送されるかは、画像形成装置100の画像形成制御部101からの指示を、後処理制御部201および後処理制御部301経由受けた後処理制御部401が、図示されない経路切り替え部を駆動することにより切り替えられる。
【0058】
なお、この図2の画像形成システムにおいては、図示されてはいないが、画像形成装置100,後処理装置200,後処理装置300,後処理装置400は通信ケーブルによって接続されており、各制御部間で通信が行われる。
【0059】
また、各後処理装置200〜400は、図1に示すように、それぞれ後処理制御部と通信部とを備えており、通過経路を介して後続の後処理装置に対しての記録紙の搬送を行う際には、通信部を介して記録紙搬送に伴う情報通知を行っている。
【0060】
ここで、図3のフローチャートを参照して、画像形成された記録紙を後処理装置に対して出力する画像形成装置100と、後続の後処理装置に対しての通過経路を有する複数の連結された後処理装置200〜400と、を備え、画像形成装置100で画像形成された記録紙に対して、複数の後処理装置200〜400のいずれかにより後処理を施すことが可能に構成された画像形成システムの動作を説明する。
【0061】
なお、この実施形態では、後処理を実行する記録紙の単位を、部と呼ぶことにしており、この部毎に以下の制御を行う。
まず、画像形成の開始の際に、操作表示部102から画像形成に関する設定が入力され、画像形成制御部101が受け付ける(図3S21)。ここでは、少なくとも、1部あたりZ頁の画像をM部、どのような後処理モードで出力するかが指定される。
【0062】
つぎに、画像形成装置100の画像形成制御部101は、連結されている後処理装置の台数Nを認識するため、画像形成装置100に対して連結(シリアル接続)されている後処理装置の制御部に対して、シリアル通信部110を介して連結確認信号(データ部の初期値=0)を送出する。
【0063】
シリアル通信部210を介してこの接続確認信号を受けた後処理装置200の後処理制御部201は、この連結確認信号のデータ部をインクリメント(+1)して、シリアル通信部220を介して、後続の後処理装置300の後処理制御部301に向けて送出する。
【0064】
そして、シリアル通信部310を介してこの接続確認信号を受けた後処理装置300の後処理制御部301は、この連結確認信号のデータ部をインクリメント(+1)して、シリアル通信部320を介して、後続の後処理装置400の後処理制御部401に向けて送出する。
【0065】
さらに、シリアル通信部410を介してこの接続確認信号を受けた後処理装置400の後処理制御部401は、この連結確認信号のデータ部をインクリメント(+1)する。こここで、後処理装置400の後続は未連結であるので、後処理制御部401は連結確認信号(データ部=3)を画像形成装置100の画像形成制御部101に向けてシリアル通信部410を介して送出する。
【0066】
そして、後処理装置300,後処理装置200を経由して連結確認信号を受けた画像形成制御部101は、連結確認信号のデータ分の数値により、連結されている後処理装置が3台であることを認識する(図3S12)。
【0067】
このようにして、画像形成制御部101は、システム構成として、連結されている後処理装置の台数を認識する。また、同様にして、画像形成制御部101は、システム構成として、連結されている後処理装置の処理能力(処理可能な後処理モード、各後処理モードでの処理能力)についても認識する。
【0068】
ここで、画像形成制御部101は、N台連結されている後処理装置を用いて分担して後処理を実行する際の排出先を決定する(図3S13)。この排出先の決定としては、図3(b)に示すようになっている。
【0069】
まず、画像形成制御部101は、部数Mと後処理装置の台数Nとを用いて、M/Nの演算を実行し、その際の余り(x)を算出する(図3S21)。ここで、この(x)が0であれば、最終M部目の最終排出先はN連目の後処理装置と決定される(図3S22)。また、この(x)が0でなければ、最終M部目の最終排出先はx連目の後処理装置と決定される(図3S23)。
【0070】
つぎに、画像形成制御部101は、1部あたりZ頁の画像形成をM部実行する際の、部間の画像形成待機時間(部間の次給紙タイミング)を決定する(図3S14)。この部間の次給紙タイミング決定としては、図3(c)に示すようになっている。
【0071】
画像形成制御部101は、画像形成している記録紙が、その部の中の最終紙であるかを判定する(図3S31)。
現在画像形成している記録紙が、その部の中の最終紙(Z頁目の記録紙)でなければ(図3S31でN)、通常頁間隔で次の記録紙(次の部の最初の頁のための記録紙)の給紙を実行する(図3S35)。
【0072】
現在画像形成している記録紙が、その部の中の最終紙(Z頁目の記録紙)であれば(図3S31でY)、次の部が((1+x)N+1)番目の部であるかを判定する(図3S32)。ここで、Nは連結されている後処理装置の台数、xは0,1,2,…の整数である。
【0073】
図4は以上の((1+x)N+1)番目の部であるかの判定結果を、連結された後処理装置の台数1,2,3について示した結果である。ここで、図4中で黒く塗られた部分が、((1+x)N+1)番目に該当する部である。
【0074】
現在画像形成している記録紙が、その部の中の最終紙(Z頁目の記録紙)である(図3S31でY)ものの、次の部が((1+x)N+1)番目の部でなければ(図3S32でN)、通常頁間隔で次の記録紙(次の部の最初の頁のための記録紙)の給紙を実行する(図3S35)。
【0075】
現在画像形成している記録紙が、その部の中の最終紙(Z頁目の記録紙)であり(図3S31でY)、次の部が((1+x)N+1)番目の部であれば(図3S32でY)、T1=T−(N−1)L>0であるかを判定する(図3S33)。
【0076】
ここで、現在画像形成している記録紙が、その部の中の最終紙(Z頁目の記録紙)であり(図3S31でY)、次の部が((1+x)N+1)番目の部である(図3S32でY)ものの、T1=T−(N−1)L>0でなければ(図3S33でN)、通常頁間隔で次の記録紙(次の部の最初の頁のための記録紙)の給紙を実行する(図3S35)。
【0077】
また、Tは後処理装置での後処理で必要とされる時間、Lは生産性を100%とした状態での一部(Z頁)あたりの画像形成時間、である。すなわち、0より大きい(T−(N−1)L)が存在すれば(図3S33でY)、T1として、通常頁間隔tより大きい間隔T1で次の記録紙(次の部の最初の頁のための記録紙)の給紙を実行する(図3S34)。
【0078】
以上のようにして画像形成装置100からの後処理装置への排出先の決定(図3S13)と、部間で発生する画像形成装置での画像形成待機時間の決定(図3S14)がなされた後、画像形成制御部101は画像形成の実行の制御と、各後処理制御部への後処理の制御指示とを実行する(図3S15)。
【0079】
図5は画像形成装置100(図5(a)本体)からの排紙(搬送)と排出先指定(情報通知)と、後処理装置200(図5(b)、1連目後処理)〜後処理装置300(図5(c)2連目後処理)〜後処理装置400(図5(d)、3連目後処理)における後処理分担とを模式的に示したシーケンス図である。
【0080】
なお、ここでは、最終段以外の後処理装置200(図5(b)、1連目後処理)〜後処理装置300(図5(c)2連目後処理)では、指定された排出先に自機が該当しない場合には後処理を実行せずに、後続後処理装置のために通過経路による記録紙の通過搬送とシリアル通信部による情報通知とを行う。
【0081】
ここで、画像形成装置100からの排紙タイミングで、画像形成制御部101から1連目の後処理装置200に対し、排出先指定及び後処理モード等の情報が通知されるものとする。
【0082】
この実施形態では、画像形成された記録紙に対して少なくとも2台の後処理装置200〜400を使用する場合、後処理を実行する単位の記録紙(部)毎に、画像形成装置100からの該記録紙の分配先となる後処理装置200〜400を該画像形成システムのシステム構成に応じて順次切り替える制御をしている。すなわち、画像形成制御部101は、排紙の制御と並行して、シリアル通信部を介して排紙先の指定の情報通知を後処理制御部に対して行っている。
【0083】
まず、後処理装置200に着目すると、排出先が自機(1連目)指定されていた場合、順次排出される頁を中間スタッカ部などに載置した後、ステープル処理などの後処理をまとめて実行する。
【0084】
また、1連目の後処理装置200に、排出先が自機以外(2連目以降)の頁が排紙されてきた場合、後処理装置200内で通過搬送を行うための第1搬送部260を経由し、後続の後処理装置300へ搬送を行なう。また、この通過搬送と並行して、シリアル通信部を介して、2連目の後処理装置300に対し排出先及び後処理モード等の情報通知を実行する。
【0085】
以降、後続の後処理装置に対しても同様に行い、自機が排出先の頁に対しては後処理を行なうと供に、その間、後段の後処理装置が排出先の頁が前段から排紙されてきた場合は後段への通過搬送及び情報通知を行なう。
【0086】
また、この実施形態では、画像形成された記録紙に対して少なくとも2台の後処理装置200〜400を使用する場合、後処理を実行する単位の記録紙(部)毎に、画像形成装置100からの該記録紙の分配先となる後処理装置200〜400を該画像形成システムのシステム構成に応じて順次切り替える制御をすると共に、さらに、部間で発生する画像形成装置での画像形成待機時間を、該画像形成システムのシステム構成に応じて決定する制御を行う。
【0087】
すなわち、図3(c)で説明したように、所定の条件を満たすか否かに応じて、画像形成制御部101は、部間での給紙の際の画像形成待機時間について、通常頁間隔tと通常より大きい間隔T1とを切り替えるようにしている。
【0088】
この図5の場合には、画像形成装置100に3台の後処理装置200〜400が連結されているため、画像形成装置100から最初の3部の記録紙を排出する際には各後処理装置は空き状態であるため、画像形成装置100における3部目までの画像形成待機時間はすべて通常頁間隔tとする。
【0089】
そして、画像形成装置100からの4部目の記録紙の排出は、後処理装置200で1部目の後処理が完了するタイミングで該4部目の記録紙の後処理を受け入れるように、画像形成装置100での画像形成待機時間を通常より大きい間隔T1とする。
【0090】
なお、画像形成装置100からの5部目の記録紙の排出は、後処理装置300で2部目の後処理が完了するタイミングで該5部目の記録紙の後処理を受け入れるようにする必要があるが、上述の4部目の画像形成待機時間をT1としたため、画像形成装置100における5部目の画像形成待機時間は通常頁間隔tとするだけで済む。
【0091】
また、同様に、画像形成装置100からの6部目の記録紙の排出は、後処理装置400で3部目の後処理が完了するタイミングで該6部目の記録紙の後処理を受け入れるようにする必要があるが、上述の4部目の画像形成待機時間をT1としたため、画像形成装置100における6部目の画像形成待機時間は5部目の場合と同様に通常頁間隔tとするだけで済む。
【0092】
図6は4頁単位で4部の画像形成と後処理とを実行する場合について、従来の後処理装置200のみの画像形成システムにおける動作タイミングと、本実施形態の後処理装置200〜400の画像形成システムにおける動作タイミングとを示すタイムチャートである。
【0093】
ここで、図6(a)〜(c)は画像形成装置100と後処理装置200との画像出力システムにおいて、4頁単位で4部の後処理を実行した際の、後処理装置200内の紙の動きを模式的に示している。
【0094】
ここで、図6(a)は後処理装置200が接続された画像形成装置100の排紙タイミングであり、図6(b)の三段のハッチングは後処理装置200内部の中間スタッカ部に向けての搬送タイミングであり、クロスハッチングは中間スタッカ部上での後処理の実行タイミングであり、図6(c)は後処理完了後の排出搬送タイミングである。
【0095】
以上のタイミングにおいて、中間スタッカ部において4頁の記録紙をスタックし、所定の後処理を実行する。この際に、後処理に要する時間と次頁受付可能までの時間の総和が、部の最終紙給紙タイミングから次部の先頭紙給紙タイミングまでの部間隔Tに相当する。ここでは、画像形成装置100に対して後処理装置200が1台のみであるため、部間隔Tが大きくなり、生産性向上を阻んでいる。
【0096】
すなわち、2部目の先頭頁は、先行する部の後処理が完了し、スタック位置から排出された後に、スタック位置に搬送される必要があるため、1部目の最終頁と2部目の先頭頁の部間は、時間T以上の間隔を空けた後に後処理装置200に排出される様に、画像形成装置100側の画像形成待機時間を空ける必要が生じる。
【0097】
なお、紙面の都合により、2部目の後処理完了付近までしか図示していないが、実際に4部の画像形成と後処理とを実行する場合には、さらに、3部目のスタック〜後処理実行〜排出、4部目のスタック〜後処理実行〜排出の時間が必要になるため、この図6に示された範囲の約2倍の時間が必要となる。
【0098】
また、図6(d)は後処理装置200と後処理装置300とが連結されて接続された画像形成装置100の排紙タイミングであり、図6(e)の三段のハッチングは後処理装置200内部の中間スタッカ部に向けての搬送タイミングであり、クロスハッチングは中間スタッカ部上での後処理の実行タイミングであり、図6(f)は後処理装置200での後処理完了後の排出搬送タイミングであり、図6(g)の二段のハッチングは後処理装置300内部の中間スタッカ部に向けての搬送タイミングであり、クロスハッチングは中間スタッカ部上での後処理の実行タイミングであり、図6(h)は後処理装置300での後処理完了後の排出搬送タイミングである。
【0099】
この後処理装置が2連結された画像形成システムにおいては、2台の後処理装置が並行して動作可能な為、奇数部を後処理装置200、偶数部を後処理装置300に振り分けることにより、図6(d)に示すように、偶数部先頭頁の部間T1は通常の頁間隔tと同じ間隔でも動作可能となっている。
【0100】
しかし、この例では3部目以降の奇数部先頭頁は、実行する部−2番目の部(画像形成装置200で行なう先行部)が後処理実行中のため、先行部の最終紙からT1の間隔の画像形成待機時間を空けた後に画像形成装置100から後処理装置200に排出する様にする。
【0101】
このように、画像形成システムのシステム構成(後処理装置の連結数)に応じて、画像形成装置の生産性を変える(画像形成待機時間を変える)ことにより、後処理装置200と300とを用いた図6(d)〜(h)の画像出力システムでの4頁・4部の画像形成と後処理終了は、後処理装置200のみを用いた図6(a)〜(c)の画像出力システムより、大幅に時間短縮を図ることが可能になる。
【0102】
また、図6(i)は後処理装置200と後処理装置300と後処理装置400とが連結されて接続された画像形成装置100の排紙タイミングであり、図6(j)の三段のハッチングは後処理装置200内部の中間スタッカ部に向けての搬送タイミングであり、クロスハッチングは中間スタッカ部上での後処理の実行タイミングであり、図6(k)は後処理装置200での後処理完了後の排出搬送タイミングであり、図6(l)の二段のハッチングは後処理装置300内部の中間スタッカ部に向けての搬送タイミングであり、クロスハッチングは中間スタッカ部上での後処理の実行タイミングであり、図6(m)は後処理装置300での後処理完了後の排出搬送タイミングであり、図6(n)の二段のハッチングは後処理装置400内部の中間スタッカ部に向けての搬送タイミングであり、クロスハッチングは中間スタッカ部上での後処理の実行タイミングであり、図6(o)は後処理装置400での後処理完了後の排出搬送タイミングである。
【0103】
この後処理装置が3連結された画像形成システムにおいては、3台の後処理装置が並行して動作可能な為、図5のように振り分けることにより、図6(i)に示すように、2部目の部間T1と3部目の部間T1とは通常の頁間隔tと同じ間隔でも動作可能となっている。
【0104】
そして、この例では4部目の先頭頁は、実行する部−3番目の部(画像形成装置200で行なう先行部)が後処理実行中のため、先行部の最終紙からT1の間隔の画像形成待機時間を空けた後に画像形成装置100から後処理装置200に排出する様にする(図5参照)。なお、ここでは、画像形成装置200での先行部の後処理は完了した状態のものを例示している。
【0105】
このように、画像形成システムのシステム構成(後処理装置の連結数)に応じて、画像形成装置の生産性を変える(画像形成待機時間を変える)ことにより、後処理装置200と300と400とを用いた図6(i)〜(o)の画像出力システムでの4頁・4部の画像形成と後処理終了は、後処理装置200のみを用いた図6(a)〜(c)の画像出力システムより大幅に時間短縮を図ることが可能になり、さらに、後処理装置200と300とを用いた図6(d)〜(h)の画像出力システムより時間短縮を図ることが可能になる。
【0106】
ここで、本体の生産性を100%(待機時間なし)とした時の1部あたりの画像形成に必要となる所要時間をLとする。また、後処理装置1台のみの場合に必要とされる部間隔をTとする。
【0107】
この場合に、T1=T−(N−1)Lとなる。ここでT1が負の場合は通常の頁間隔tでの動作となる。
たとえば、図6(a)〜(c)の後処理装置1台の画像形成システムの例において、2,3,4、…部目の部間は、T1=T−(N−1)Lにおいて、N=1としてT1=Tとなる。
【0108】
また、図6(d)〜(h)の2連結された後処理装置の画像形成システムの例において、3,5,7、…部目の部間は、T1=T−(N−1)Lにおいて、N=2として、T1=T−Lとなる。
【0109】
さらに図6(i)〜(o)の3連結された後処理装置を有する画像形成システムの例において、4,7,10、…部目の部間は、T1=T−(N−1)Lにおいて、N=3としてT1=T−2Lとなる。この図6(i)のモードにおいては、T<2Lの為、この時の部間隔T1は通常の頁間隔tとなる。
【0110】
以上のように、システム構成に応じて部単位の排出先の後処理を切り替えるシステムにおいて、所定の部における部間をシステム構成に応じて変更することにより、システム構成毎に最適な生産性を得ることが可能となる。
【0111】
以上詳細に説明したように、画像形成された記録紙に対して少なくとも2台の後処理装置を使用する場合、後処理を実行する単位の記録紙(部)毎に、画像形成装置からの該記録紙の分配先となる後処理装置を、画像形成制御部101が、該画像形成システムのシステム構成に応じて順次切り替える制御をし、さらに、部間で発生する画像形成装置での画像形成待機時間を、該画像形成システムのシステム構成に応じて決定する制御を行う。
【0112】
この結果、画像形成装置に対して複数の後処理装置が連結されていて、少なくとも2台の後処理装置を使用して後処理する場合に、システム構成に変更があった場合にも、変更後のシステム構成に応じて、適切な後処理装置の切り替え制御や画像形成待機時間を制御することが可能になる。
【0113】
また、ここで、画像形成制御部101は、記録紙の分配先となる後処理装置については、システム構成として連結されている後処理装置の台数に応じて順次切り替える制御をし、部間で発生する画像形成装置での画像形成待機時間については、該画像形成システムのシステム構成として連結されている後処理装置の台数と、各後処理装置での処理時間(後処理能力)とに応じて決定する制御を行う。この結果、画像形成装置100に対して複数の後処理装置が連結されていて、少なくとも2台の後処理装置を使用して後処理する場合に、連結される後処理装置の台数や能力などの変更があった場合にも、変更後のシステム構成に応じて、適切な後処理装置の切り替え制御や画像形成待機時間を制御することが可能になる。
【0114】
また、ここで、画像形成制御部101は、各後処理制御部201〜401との間で通信を行いつつ、画像形成装置100に連結されている後処理装置の台数を認識し、記録紙の分配先となる後処理装置については、システム構成として連結されている後処理装置の台数を制御部間の通信より認識し、認識したシステム構成に応じて順次切り替える制御をする。この結果、画像形成装置100に対して複数の後処理装置が連結されていて、少なくとも2台の後処理装置を使用して後処理する場合に、連結される後処理装置の台数などの変更があった場合にも、変更後のシステム構成に応じて、迅速に、適切な後処理装置の切り替え制御や画像形成待機時間を制御することが可能になる。
【0115】
さらに、ここで、複数の後処理装置においては、それぞれ、通過経路を介して記録紙を後続の後処理装置に搬送すると共に、シリアル通信部を介して情報通知を後続の後処理装置に行うようにしている。この結果、画像形成装置に対して複数の後処理装置が連結されていて、少なくとも2台の後処理装置を使用して後処理する場合に、連結される後処理装置の台数などの変更があった場合にも、変更後のシステム構成に応じて、迅速に、適切な後処理装置の切り替え制御や画像形成待機時間を制御することができ、分担する後処理装置が確実に処理を実行することが可能になる。
【0116】
なお、以上の実施形態の具体例では、後処理装置を3台連結するものを例示したが、この台数に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
また、連結される後処理装置が同一の機能や性能を有していないものである場合であっても、画像形成制御部101が各後処理制御部と通信しつつシステム構成(使用する後処理機能の有無、性能)を把握することで、以上の実施形態を実行して良好な結果を得ることが可能である。
【0117】
また、部間で発生する画像形成装置での画像形成待機時間については、該画像形成システムのシステム構成として、連結されている後処理装置の台数と、各後処理装置での処理時間(後処理能力)とに応じて決定する制御を行っており、以上の実施形態では、同一の後処理時間(後処理能力)の場合を示したが、異なる後処理能力の場合にも画像形成制御部101が適切な画像形成待機時間を設定すればよい。
【0118】
なお、以上の実施形態の具体例では、通信部間は通信ケーブルにより接続されるものとして説明してきたが、各装置に設けられたコネクタ同士を直結する接続手法や、光通信や無線通信による通信を除外するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の実施の形態の画像形成システムの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の画像形成システムの機械的構成を示す構成図である。
【図3】本発明の実施の形態の画像形成システムの動作状態を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態の画像形成システムの動作状態を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態の画像形成システムの動作状態を示すシーケンス図である。
【図6】本発明の実施の形態の画像形成システムの動作状態を従来例と比較して示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0120】
100 画像形成装置
101 画像形成制御部
102 走査表示部
110 シリアル通信部
120 画像処理部
130 後処理設定部
140 給紙部
150 画像形成部
160 第1搬送部
170 第2搬送部
180 第3搬送部
200 後処理装置
201 後処理制御部
210、220 シリアル通信部
230 折り部
240 ステープル部
250 断裁部
260 第1搬送部
270 第2搬送部
280 第3搬送部
300 後処理装置
301 後処理制御部
310、320 シリアル通信部
330 折り部
340 ステープル部
350 断裁部
360 第1搬送部
370 第2搬送部
380 第3搬送部
400 後処理装置
401 後処理制御部
410、420 シリアル通信部
430 折り部
440 ステープル部
450 断裁部
460 第1搬送部
470 第2搬送部
480 第3搬送部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成された記録紙を後処理装置に対して出力する画像形成装置と、
後続の後処理装置に対しての通過経路を有する複数の連結された後処理装置と、
を備え、前記画像形成装置で画像形成された記録紙に対して、前記複数の後処理装置のいずれかにより後処理を施すことが可能に構成された画像形成システムであって、
前記画像形成装置の画像形成制御部は、後処理を実行する単位の記録紙(部)毎に、前記画像形成装置からの該記録紙の分配先となる前記後処理装置を順次切り替える制御をすると共に、前記部間で発生する前記画像形成装置での画像形成待機時間を、該画像形成システムのシステム構成に応じて決定する、
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記システム構成は、連結されている後処理装置の台数と、各後処理装置の後処理能力とを含んで決定される、
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記複数の後処理装置はそれぞれ後処理制御部を備え、
前記画像形成制御部は前記後処理制御部との間で通信を行うことで、連結されている後処理装置の台数を認識する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記複数の後処理装置はそれぞれ後処理制御部と通信部とを備え、前記通過経路を介して後続の後処理装置に対しての記録紙の搬送を行うと共に、前記通信部を介して記録紙搬送に伴う情報通知を行う、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−53235(P2006−53235A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−233479(P2004−233479)
【出願日】平成16年8月10日(2004.8.10)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】