説明

画像形成システム

【課題】画像形成システムにおける消費電力の増大を抑制する。
【解決手段】 プリンタ40には、外部コントローラ30を介して作像用データが入力され、UI装置50を介して画像形成条件の設定データが入力される。また、UI装置50は、プリンタ40から入力されたエラー情報を表示する。UI装置50は例えばPCで構成され、待受状態または節電状態に設定可能である。UI装置50が節電状態の場合に外部コントローラ30からプリンタ40に作像用データが入力されると、プリンタ40はUI装置50を節電状態に維持させたまま画像形成動作を行う。また、プリンタ40でエラーが発生した場合、プリンタ40はUI装置50を節電状態から待受状態に移行させ、UI装置50にエラー情報を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を形成する画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置の動作状態を示す情報を画像形成装置より画像処理装置へ通知し、画像処理装置において通知手段で通知された情報に基づいて画像形成装置の動作状態を検知し、検知された画像形成装置の動作状態と画像処理装置の動作状態とに基づいて消費電力を低減する節電モード等の実行を制御する画像処理システムが開示されている (例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平8−324072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した技術を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、画像形成システムにおける消費電力の増大を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的のもと、本発明が適用される画像形成システムは、外部から入力される作像用データに基づいて記録材に画像を形成する画像形成装置と、画像形成装置に接続され、ユーザからの入力を受け付けて画像形成装置に出力し、且つ、画像形成装置から入力されるデータに基づいて情報を表示するユーザインタフェース装置とを含み、画像形成装置は、ユーザインタフェース装置にデータを出力せずに作像用データに基づく画像形成を開始することを特徴としている。
【0006】
このような画像形成システムにおいて、画像形成装置は、作像用データに基づいて記録材に画像を形成する際に画像形成装置において不具合が発生した場合に、ユーザインタフェース装置にデータを出力することができる。また、ユーザインタフェース装置はユーザインタフェース装置における給電量が制限される節電状態および給電量が制限されない非節電状態で動作し、画像形成装置において不具合が発生した場合にユーザインタフェース装置に出力されるデータは、ユーザインタフェース装置を節電状態から非節電状態に復帰させる復帰要求であることを特徴とすることができる。さらに、画像形成装置およびユーザインタフェース装置はイーサネット(登録商標)で接続され、画像形成装置は、ユーザインタフェース装置との接続を確立した際にユーザインタフェース装置のMACアドレスを取得し、復帰要求にMACアドレスを対応付けて出力することができる。
【0007】
また、他の観点から捉えると、本発明が適用される画像形成システムは、入力される画像データを作像用データに変換する変換装置と、変換装置に接続され、変換装置から入力される作像用データに基づいて記録材に画像を形成する画像形成装置と、画像形成装置に接続され、ユーザからの入力を受け付けて画像形成装置に出力し、且つ、画像形成装置から入力されるデータに基づいて情報を表示するユーザインタフェース装置とを含み、画像形成装置およびユーザインタフェース装置は、給電量が制限される節電状態および給電量が制限されない非節電状態でそれぞれ動作し、変換装置から画像形成装置に作像用データが入力された際に、画像形成装置は節電状態から非節電状態に移行し、且つ、ユーザインタフェース装置は節電状態を維持することを特徴としている。
【0008】
このような画像形成システムにおいて、画像形成装置が作像用データに基づいて記録材に画像を形成する際に画像形成装置において不具合が発生した場合に、ユーザインタフェース装置は節電状態から非節電状態に移行することができる。また、ユーザインタフェース装置は、OS(Operating System)上で動作するコンピュータ装置であることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、画像形成システムにおける消費電力の増大を抑制することができる。
請求項2記載の発明によれば、画像形成を行う際に不具合が生じた場合でも、ユーザに不具合の発生を通知することが可能になる。
請求項3記載の発明によれば、ユーザインタフェース装置が節電状態におかれる場合であっても、ユーザに不具合の発生を通知することができる。
請求項4記載の発明によれば、ユーザインタフェース装置が節電状態におかれる場合であっても、画像形成装置からユーザインタフェース装置に対して復帰要求を行うことができる。
請求項5記載の発明によれば、画像形成システムにおける消費電力の増大を抑制することができる。
請求項6記載の発明によれば、ユーザインタフェース装置が節電状態におかれている場合であっても、ユーザに不具合の発生を通知することが可能になる。
請求項7記載の発明によれば、ユーザインタフェース装置の汎用性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について詳細に説明する。
図1は本実施の形態が適用される画像形成システムの構成例を示す図である。この画像形成システムは、複数のクライアント10(具体的には10a、10b、10c)、ネットワーク20、外部コントローラ30、プリンタ40、およびUI(User Interface)装置50を備える。
【0011】
クライアント10は、ネットワーク20に対し、例えばPDL(Page Description Language:ページ記述言語)にて記述された印刷用データや画像形成動作の実行指示等を含むジョブデータを送信する。
変換装置としての外部コントローラ30は、ネットワーク20を介して受信した画像データとしてのジョブデータを解釈して、得られた作像用データ(ビットマップデータ)を送信する。
画像形成装置としてのプリンタ40は、外部コントローラ30から受信した作像用データに基づき、対象となる用紙上に画像を形成する。
ユーザインタフェース装置としてのUI装置50は、プリンタ40とは別筐体の装置からなり、例えばPC(Personal Computer)等のコンピュータ装置にて構成されている。UI装置50は、プリンタ40における各種画像形成条件の設定を受け付け、得られた設定データをプリンタ40に送信する。なお、プリンタ40は受信した設定データに基づき各種画像形成条件の設定を行う。また、プリンタ40は例えば用紙切れ等のエラーが発生した場合に、得られたエラー情報をUI装置50に送信する。この場合に、UI装置50は受信したエラー情報をディスプレイ等に表示する。
【0012】
ここで、プリンタ40は、用紙供給部60、画像形成部70、および制御部80を備える。これらのうち、用紙供給部60は画像形成の対象となる用紙を画像形成部70に向けて供給する。また、画像形成部70は用紙供給部60によって供給される用紙に対し画像形成を行う。なお、本実施の形態では、画像形成部70が所謂電子写真方式を用いて画像形成を行う。ただし、画像形成部70における画像形成方式としては、電子写真方式の他、インクジェット方式、あるいは静電記録方式など、各種方式を採用することができる。さらに、制御部80は、用紙供給部60による用紙供給動作や画像形成部70による画像形成動作など、プリンタ40内における各種動作や処理の全体を制御する。
【0013】
なお、プリンタ40は、用紙供給部60および画像形成部70の全体に給電を行うことで、直ちに画像形成可能な機能を維持する待受状態(非節電状態)に設定することができる。また、このプリンタ40は、用紙供給部60および画像形成部70の全部または一部に対する給電を停止または低減させることで、プリンタ40における消費電力を低減する節電状態に設定することもできる。なお、節電状態において、プリンタ40は直ちに画像形成動作を開始することができず、一旦、節電状態から待受状態へと移行させることが必要となる。
【0014】
一方、UI装置50は、コンピュータ装置を構成するCPU(Central Processing Unit)、メモリ、ハードディスクドライブ等の記憶装置、液晶ディスプレイ等の表示装置の全体に給電を行うことで直ちに動作可能な機能を維持する待受状態(非節電状態)に設定することができる。また、このUI装置50は、これらCPU、メモリ、記憶装置、表示装置等の一部に対する給電を停止または減少させることで、待機時におけるUI装置50の消費電力を低減する節電状態に設定することもできる。なお、UI装置50は、節電状態では直ちに動作を開始することができず、一旦、節電状態から待受状態へと移行させることが必要となる。
【0015】
図2は、上述した外部コントローラ30の機能ブロック図を示している。外部コントローラ30は、受信したジョブデータをプリンタ40側が理解できるビットマップデータに変換するRIP(Raster Image Processor)サーバとして機能している。このような外部コントローラ30としては、例えばCREO社のSpire、EFI社のFiery、ゼロックス社のDocuSP等を挙げることができる。
【0016】
外部コントローラ30は、受信部31、ジョブデータ解釈部32、作像用データ格納部33、送信制御部34、および送信部35を備える。
受信部31は、クライアント10からネットワーク20を介して送信されるジョブデータや、プリンタ40から送信されるプリンタの給電状態信号等を受信する。
ジョブデータ解釈部32は、受信したジョブデータを解釈して、ビットマップデータである作像用データに変換する。
作像用データ格納部33は、ジョブデータ解釈部32で変換された作像用データを一時的に格納する。
送信制御部34は、受信部31がジョブデータを受信するのに伴い、プリンタ40の給電状態を把握するための問い合わせ信号を出力する。また、送信制御部34は、このときにプリンタ40が節電状態であった場合に、プリンタ40を節電状態から待受状態に復帰させるための復帰要求信号を出力する。
送信部35は、送信制御部34から入力される各種信号や作像用データ格納部33に格納される作像用データを、プリンタ40に送信する。
【0017】
図3は、プリンタ40に設けられた制御部80の機能ブロック図を示している。
制御部80は、受信部81、動作制御部82、計時部83、および給電制御部84を備える。また、この制御部80は、エラー検知部85、送信制御部86、MACアドレス格納部87、および送信部88をさらに備える。
【0018】
受信部81は、外部コントローラ30から送信される問い合わせ信号、復帰要求信号および作像用データや、UI装置50から送信される各種画像形成条件の設定データ等を受信する。
動作制御部82は、受信部81が受信した設定データに基づき、用紙供給部60および画像形成部70における動作条件を設定する。また、動作制御部82は、受信部81が受信した作像用データに基づき、上記各種画像形成条件が設定された用紙供給部60および画像形成部70を制御して、用紙上に画像を形成させる。
計時部83は時計を内蔵しており、一定時間が経過する毎にタイマー割り込み信号を出力している。
給電制御部84は、用紙供給部60および画像形成部70に対する給電制御を行う。本実施の形態では、上述したようにプリンタ40が待受状態および節電状態の二状態に設定可能であり、給電制御部84は、計時部83による計時結果等に基づいてこれら用紙供給部60および画像形成部70を待受状態から節電状態へと移行させる。また、給電制御部84は、用紙供給部60および画像形成部70が節電状態におかれている場合であって、受信部81が外部コントローラ30からの復帰要求信号を受信した際に、これら用紙供給部60および画像形成部70を待受状態に復帰させる。
【0019】
エラー検知部85は、用紙供給部60および画像形成部70で発生したエラーを検知する。なお、エラー検知部85が検知するエラーとしては、例えば用紙供給部60における用紙切れ、用紙供給部60や画像形成部70における紙詰まり(用紙ジャム)、用紙供給部60や画像形成部70を構成する機能部材の異常(故障)等が挙げられる。
送信制御部86は、受信部81が受信した問い合わせ信号に基づき、プリンタ40における給電状態(待受状態または節電状態)を把握し、得られた給電状態信号を出力する。なお、送信制御部86は、例えば給電制御部84に対して給電状態の問い合わせを行うことで、プリンタ40における給電状態を把握することができる。また、送信制御部86は、エラー検知部85でエラー検知がなされた場合に、UI装置50の給電状態を把握するための問い合わせ信号を出力する。さらに、送信制御部86は、このときにUI装置50が節電状態であった場合に、UI装置50を節電状態から待受状態に復帰させるための復帰要求信号を出力する。
MACアドレス格納部87は、UI装置50に設けられたNIC(Network Interface Card、詳細は後述)に付与されたMAC(Media Access Control)アドレスを受信部81が受信した際に、このMACアドレスを格納する。
送信部88は、エラー検知部85でエラー検知がなされた場合に、得られたエラー検知データを送信する。また、送信部88は、送信制御部86から出力される給電状態信号、問い合わせ信号、および復帰要求信号を送信する。
【0020】
図4は、UI装置50の機能ブロック図を示している。
UI装置50は、受信部51、メイン処理部52、表示部53、および入力受付部54を備える。また、UI装置50は、計時部55、給電制御部56、送信部57、およびMACアドレス記憶部58をさらに備える。
【0021】
受信部51は、プリンタ40の制御部80から送信される問い合わせ信号、復帰要求信号およびエラー情報を受信する。
メイン処理部52は、受信部51が受信した問い合わせ信号、復帰要求信号およびエラー情報や、入力受付部54を介して受け付けたユーザ入力データ等に、所定の処理を施す。
表示部53は、上記メイン処理部52にて処理が施された上記エラー情報やユーザ入力データ等をディスプレイ等に表示する。
入力受付部54は、例えばマウスやキーボード等の入力デバイスによって構成され、ユーザによるデータ入力を受け付けるとともに、受け付けたユーザ入力データをメイン処理部52に出力する。
計時部55は、時計を内蔵しており、一定時間が経過する毎にタイマー割り込み信号を出力している。
【0022】
給電制御部56は、メイン処理部52、表示部53、および入力受付部54、に対する給電制御を行う。本実施の形態では、上述したようにUI装置50が待受状態および節電状態の二状態に設定可能であり、給電制御部56は、計時部55による計時結果等に基づいてこれら各機能部の全部または一部を待受状態から節電状態へと移行させる。また、給電制御部56は、これら各機能部の全部または一部が節電状態におかれているときであって、受信部51がプリンタ40の制御部80からの復帰要求信号を受信した際に、これら各機能部を待受状態に復帰させる。
【0023】
送信部57は、入力受付部54を介しユーザ入力データとして各画像形成条件の設定データが入力された場合に、この設定データをプリンタ40の制御部80に向けて送信する。また、送信部57は、受信部51を介して制御部80からUI装置50のMACアドレスの問い合わせがなされたときに、MACアドレス記憶部58からMACアドレスを読み出して制御部80に送信する。なお、このUI装置50において、受信部51および送信部57は、上述したようにNICにて構成される。このNICにはそれぞれ固有のMACアドレスが付与されており、MACアドレス記憶部58はこのMACアドレスを記憶している。
【0024】
また、UI装置50は、上述したようにPC等にて構成され、上記設定データの入力プログラム等は、例えばウィンドウズ(登録商標)等のOS上で動作する。このため、UI装置50では、ACPI(Advanced Configration and Power Interface)等の電力管理規格に基づいて、給電状態の制御が行われる。
【0025】
では次に、この画像形成システムにおける画像形成動作について詳細に説明する。
まず、画像形成動作が開始される前に、UI装置50を用いて、ユーザにより各種画像形成条件の設定がなされる。各種画像形成条件は、入力受付部54にて受け付けられ、メイン処理部52にて処理を施して設定データとした後、送信部57がプリンタ40の制御部80に送信する。
プリンタ40では、制御部80に設けられた受信部81がかかる設定データを受信し、動作制御部82が用紙供給部60および画像形成部70における動作条件を設定する。
以上により、プリンタ40における画像形成動作が実行可能となる。
【0026】
図5は、外部コントローラ30における処理の流れを示すフローチャートである。
まず、クライアント10a〜10cのいずれかからネットワーク20を介して送信されたジョブデータを受信部31が受信する(ステップ101)。次に、ジョブデータ解釈部32は、受信したジョブデータから作像用データを作成する(ステップ102)。なお、作像用データ格納部33は、ジョブデータ解釈部32が作成した作像用データを一時的に格納する。
【0027】
また、受信部31がジョブデータを受信したことを受けて、送信制御部34はプリンタ40の給電状態を把握するための問い合わせ信号を出力し、送信部35はこの問い合わせ信号をプリンタ40の制御部80に送信する。その結果、プリンタ40の制御部80からは、プリンタ40が待受状態にあるか節電状態にあるかを示す給電状態信号が返信される。受信部31がこの給電状態信号を受信すると、送信制御部34はこの給電状態信号に基づいてプリンタ40が待受状態にあるか否かを判断する(ステップ103)。
【0028】
ここで、プリンタ40が待受状態にない場合すなわち節電状態にあると判断した場合、送信制御部34はプリンタ40の復帰要求信号を出力し、送信部35はこの復帰要求信号をプリンタ40の制御部80に送信する。すなわち、外部コントローラ30はプリンタ40に対し待受状態への復帰を指示する(ステップ104)。その後、送信制御部34は送信部35を介して外部コントローラ30とプリンタ40との接続処理を行う(ステップ105)。そして、送信制御部34は、作像用データ格納部33に格納される作像用データを、送信部35を介してプリンタ40の制御部80に送信する(ステップ106)。
一方、上記ステップ103においてプリンタ40が待受状態にあると判断した場合、送信制御部34は、直ちにステップ106に移行し、作像用データ格納部33に格納される作像用データを、送信部35を介してプリンタ40の制御部80に送信する。
【0029】
ここで図6は、上記ステップ104においてプリンタ40に復帰指示がなされた際の処理の流れを示すフローチャートである。
受信部81が外部コントローラ30からの復帰要求信号すなわち復帰指示を受信すると(ステップ201)、動作制御部82は給電制御部84に復帰指示を行い、その結果、給電制御部84は用紙供給部60や画像形成部70の全部または一部に対する給電の制限を解除することで、待受状態への復帰処理を行う(ステップ202)。その後、送信制御部86は送信部88を介してプリンタ40と外部コントローラ30との接続処理を行い(ステップ203)、節電状態から待受状態への復帰を完了する。
【0030】
図7は、プリンタ40における処理の流れを説明するためのフローチャートである。
まず、受信部81が外部コントローラ30から作像用データを受信する(ステップ301)。次に、動作制御部82はエラー検知部85にてエラーが検知されているか否か、すなわち、プリンタ40において画像形成が可能か否かを判断する(ステップ302)。
【0031】
ここで、エラー検知部85にてエラーが検知されていない場合、すなわち、プリンタ40において画像形成が可能であると判断した場合、動作制御部82は用紙供給部60および画像形成部70を制御して、作像用データに基づく画像形成動作を実行させる(ステップ303)。そして、動作制御部82は画像形成動作の実行中にエラー検知部85にてエラーが検知されているか否か、すなわち、プリンタ40においてエラーが発生したか否かを判断する(ステップ304)。
【0032】
ここで、エラー検知部85にてエラーが検知されていない場合、動作制御部82は作像用データに基づく画像形成動作が完了したか否かを判断する(ステップ305)。ここで、画像形成動作が完了していないと判断した場合は、ステップ302に戻って処理を続行する。一方、ステップ305において画像形成動作が完了したと判断した場合、動作制御部82は画像形成動作の終了処理を行い(ステップ306)、一連の画像形成動作を終了する。
【0033】
一方、上記ステップ302やステップ304において、エラー検知部85にてエラーが検知された場合、送信制御部86はUI装置50の給電状態を把握するための問い合わせ信号を出力し、送信部88はこの問い合わせ信号をUI装置50に送信する。その結果、UI装置50からは、UI装置50が待受状態にあるか待機状態にあるかを示す給電状態信号が返送される。受信部81がこの給電状態信号を受信すると、送信制御部86はこの給電状態信号に基づいてUI装置50が待受状態にあるか否かを判断する(ステップ307)。
【0034】
ここで、UI装置50が待受状態にない場合すなわち節電状態にあると判断した場合、送信制御部86はUI装置50の復帰要求信号を出力し、送信部88はこの復帰要求信号をUI装置50に送信する。すなわち、プリンタ40の制御部80はUI装置50に対して待受状態への復帰を指示する(ステップ308)。その後、送信制御部86は送信部88を介してプリンタ40の制御部80とUI装置50との接続処理を行う(ステップ309)。また、送信制御部86は、エラー検知部85にて検知されたエラー情報を、送信部88を介してUI装置50に送信する(ステップ310)。なお、UI装置50に送信されたエラー情報は、表示部53に表示される。その後、動作制御部82は上記ステップ306において画像形成動作の終了処理を行い、一連の画像形成動作を終了する。
【0035】
ここで、図8は、上記ステップ308においてUI装置50に復帰指示がなされた際の処理の流れを示すフローチャートである。
受信部51がプリンタ40の制御部80からの復帰要求信号すなわち復帰指示を受信すると(ステップ401)、メイン処理部52は給電制御部56に復帰指示を行い、その結果、給電制御部56は各機能部の全部または一部に対する給電の制限を解除することで、待受状態への復帰処理を行う(ステップ402)。その後、メイン処理部52は送信部57を介してUI装置50とプリンタ40の制御部80との接続処理を行い(ステップ403)、節電状態から待受状態への復帰を完了する。
【0036】
図9は、プリンタ40における給電状態の変更処理の流れを示すフローチャートである。なお、この説明では、初期状態においてプリンタ40が待受状態に設定されているものとする。
プリンタ40の制御部80に設けられた計時部83が一定時間の経過に伴ってタイマー割り込み信号を出力すると(ステップ501)、動作制御部82は前回のタイマー割り込み時以降に画像形成動作を実行したか否かを判断する(ステップ502)。ここで、画像形成動作を行っていないと判断した場合、動作制御部82は前回のタイマー割り込み時以降にUI装置50を介してユーザによる操作指示を受け付けたか否かを判断する(ステップ503)。ここで、操作指示を受け付けていないと判断した場合、動作制御部82は給電制御部84に電源供給の変更指示を出力し、給電制御部84はこの変更指示を受けてプリンタ40の節電状態移行処理を実行する(ステップ504)。すなわち、給電制御部84は用紙供給部60および画像形成部70の全部または一部に対する給電を停止または低減させる。なお、プリンタ40における節電状態は、上記ステップ104における復帰指示がなされるまでの間、続行される。
一方、上記ステップ502において画像形成動作を行っていると判断した場合、および、上記ステップ503において操作指示を受け付けていると判断した場合、動作制御部82は、計時部83による計時をリセットし、タイマーの再セットを行う(ステップ505)。
【0037】
また、図10は、UI装置50における給電状態の変更処理の流れを示すフローチャートである。なお、この例では、初期状態においてUI装置50が待受状態に設定されているものとする。
UI装置50に設けられた計時部55が一定時間の経過に伴ってタイマー割り込み信号を出力すると(ステップ601)、メイン処理部52は前回のタイマー割り込み時以降に表示部53における表示内容を更新したか否かを判断する(ステップ602)。ここで、表示内容の更新を行っていないと判断した場合、メイン処理部52は前回のタイマー割り込み時以降に入力受付部54を介してユーザによる操作指示を受け付けたか否かを判断する(ステップ603)。ここで。操作指示を受け付けていないと判断した場合、メイン処理部52は給電制御部56に電源供給の変更指示を出力し、給電制御部56はこの変更指示を受けてUI装置50の節電状態移行処理を実行する(ステップ604)。すなわち、給電制御部84はメイン処理部52、表示部53、入力受付部54等の全部または一部に対する給電を停止または低減させる。なお、UI装置50における節電状態は、上記ステップ308における復帰指示がなされるまで、あるいは、ユーザにより入力受付部54が操作されるまでの間、続行される。
【0038】
ところで、節電状態にあるUI装置50に対しプリンタ40の制御部80が通信を確立するためには、事前に制御部80がUI装置50のMACアドレスを取得している必要がある。
図11は、プリンタ40の制御部80によるUI装置50のMACアドレスの取得処理の流れを示すフローチャートである。なお、この説明では、事前にプリンタ40とUI装置50とが、イーサネット(登録商標)によって接続されているものとする。
プリンタ40およびUI装置50が起動されると、制御部80の送信制御部86は受信部81を介してUI装置50から送信されるソケット接続を受信する(ステップ701)。次に、送信制御部86は、受信部81にて受信したUI装置50のMACアドレスを取得する(ステップ702)。なお、このとき、UI装置50では、送信部57が、MACアドレス記憶部58から読み出したMACアドレスを送信している。そして、送信制御部86は、取得したUI装置50のMACアドレスをMACアドレス格納部87に記録させる(ステップ703)。その後、送信制御部86はUI装置50との接続処理を実行し(ステップ704)、一連の処理を完了する。
【0039】
一方、図12は、上記ステップ308において、プリンタ40の制御部80が実行する具体的な処理の流れを示すフローチャートである。
送信制御部86は、まず、MACアドレス格納部87に送信対象となるMACアドレスが記録されているか否かを判断する(ステップ801)。ここで、MACアドレスが記録されていないと判断した場合、送信制御部86は処理を終了する。一方、MACアドレスが記録されていると判断した場合、送信制御部86は記録済みのMACアドレスを取得する(ステップ802)。そして、送信制御部86は読み出したMACアドレスを対象とする復帰要求信号としてのWAKE−ON−LANパケットを作成し、送信部88を介してUI装置50に送信する(ステップ803)。
ここで、WAKE−ON−LANパケットはMagicパケットとも呼ばれ、節電状態(例えば上記ACPIではG1−スリープ)にあるPC(UI装置50)をLANを介して待受状態(ACPIではG0−フル稼働)とすることを可能としたものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】実施の形態が適用される画像形成システムの構成例を示す図である。
【図2】外部コントローラの機能ブロック図である。
【図3】プリンタに設けられた制御部の機能ブロック図である。
【図4】UI装置の機能ブロック図である。
【図5】外部コントローラにおける画像形成動作時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】プリンタに復帰指示がなされた際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】プリンタにおける画像形成動作時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】UI装置に復帰指示がなされた際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】プリンタにおける給電状態の変更処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】UI装置における給電状態の変更処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】プリンタの制御部によるUI装置のMACアドレスの取得処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】UI装置に対して復帰指示を送信する際にプリンタの制御部が実行する具体的な処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0041】
10(10a、10b、10c)…クライアント、20…ネットワーク、30…外部コントローラ、31…受信部、32…ジョブデータ解釈部、33…作像用データ格納部、34…送信制御部、35…送信部、40…プリンタ、50…UI装置、51…受信部、52…メイン処理部、53…表示部、54…入力受付部、55…計時部、56…給電制御部、57…送信部、58…MACアドレス記憶部、60…用紙供給部、70…画像形成部、80…制御部、81…受信部、82…動作制御部、83…計時部、84…給電制御部、85…エラー検知部、86…送信制御部、87…MACアドレス格納部、88…送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から入力される作像用データに基づいて記録材に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置に接続され、ユーザからの入力を受け付けて当該画像形成装置に出力し、且つ、当該画像形成装置から入力されるデータに基づいて情報を表示するユーザインタフェース装置とを含み、
前記画像形成装置は、前記ユーザインタフェース装置にデータを出力せずに前記作像用データに基づく画像形成を開始することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記画像形成装置は、前記作像用データに基づいて前記記録材に画像を形成する際に当該画像形成装置において不具合が発生した場合に、前記ユーザインタフェース装置にデータを出力することを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記ユーザインタフェース装置は当該ユーザインタフェース装置における給電量が制限される節電状態および当該給電量が制限されない非節電状態で動作し、
前記画像形成装置において不具合が発生した場合に前記ユーザインタフェース装置に出力されるデータは、当該ユーザインタフェース装置を前記節電状態から前記非節電状態に復帰させる復帰要求であることを特徴とする請求項2記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記画像形成装置および前記ユーザインタフェース装置はイーサネット(登録商標)で接続され、
前記画像形成装置は、前記ユーザインタフェース装置との接続を確立した際に当該ユーザインタフェース装置のMACアドレスを取得し、前記復帰要求に当該MACアドレスを対応付けて出力することを特徴とする請求項3記載の画像形成システム。
【請求項5】
入力される画像データを作像用データに変換する変換装置と、
前記変換装置に接続され、当該変換装置から入力される前記作像用データに基づいて記録材に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置に接続され、ユーザからの入力を受け付けて当該画像形成装置に出力し、且つ、当該画像形成装置から入力されるデータに基づいて情報を表示するユーザインタフェース装置とを含み、
前記画像形成装置および前記ユーザインタフェース装置は、給電量が制限される節電状態および当該給電量が制限されない非節電状態でそれぞれ動作し、
前記変換装置から前記画像形成装置に前記作像用データが入力された際に、前記画像形成装置は節電状態から非節電状態に移行し、且つ、前記ユーザインタフェース装置は節電状態を維持することを特徴とする画像形成システム。
【請求項6】
前記画像形成装置が前記作像用データに基づいて前記記録材に画像を形成する際に当該画像形成装置において不具合が発生した場合に、前記ユーザインタフェース装置は節電状態から非節電状態に移行することを特徴とする請求項5記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記ユーザインタフェース装置は、OS(Operating System)上で動作するコンピュータ装置であることを特徴とする請求項5記載の画像形成システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2007−323263(P2007−323263A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−151327(P2006−151327)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】