画像形成ユニットおよび画像形成装置
【課題】十分な画像濃度を得ることができる画像形成ユニットおよび画像形成装置の提供。
【解決手段】画像形成ユニットとしてのプロセスユニット11は、感光体ドラム14と、感光体ドラム14に現像剤を供給する現像ローラ16と、現像ローラ16に現像剤を供給する第1および第2供給ローラ17,18と、記録媒体を感光体ドラム14に接触するように所定の搬送面CPに沿って搬送する転写ベルトユニットとを備える。第1供給ローラ17は、第2供給ローラ18よりも、搬送面CPに直交する方向において搬送面CPに近い側に配置されている。供給ローラ17,18は、第1供給ローラ17の現像ローラ16から離れた側の外周の、搬送面CPに直交する方向の接線Aが、第2供給ローラ18の現像ローラ16から離れた側の外周の同方向の接線Bよりも、搬送面CPと平行な面内における現像ローラ16からの距離が長くなるよう配置されている。
【解決手段】画像形成ユニットとしてのプロセスユニット11は、感光体ドラム14と、感光体ドラム14に現像剤を供給する現像ローラ16と、現像ローラ16に現像剤を供給する第1および第2供給ローラ17,18と、記録媒体を感光体ドラム14に接触するように所定の搬送面CPに沿って搬送する転写ベルトユニットとを備える。第1供給ローラ17は、第2供給ローラ18よりも、搬送面CPに直交する方向において搬送面CPに近い側に配置されている。供給ローラ17,18は、第1供給ローラ17の現像ローラ16から離れた側の外周の、搬送面CPに直交する方向の接線Aが、第2供給ローラ18の現像ローラ16から離れた側の外周の同方向の接線Bよりも、搬送面CPと平行な面内における現像ローラ16からの距離が長くなるよう配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を用いたプリンタや複写機などの画像形成装置、およびその画像形成ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真法を用いた画像形成装置では、帯電装置により一様に帯電させた像担持体(感光体ドラム)の表面を、露光装置により露光して静電潜像を形成し、現像装置により静電潜像を現像して現像剤像(トナー像)を形成し、記録媒体に転写する。現像装置は、像担持体に対向配置された現像剤担持体(現像ローラ)により、静電潜像が形成された像担持体の表面に現像剤を付着させる。
【0003】
近年、画像濃度の変動を抑制するため、現像剤担持体の表面に接触するように2つの供給ローラを設けることで、現像剤担持体に十分な量の現像剤を供給する現像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−39628号公報(請求項1、図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の現像装置では、現像剤収容体(トナーカートリッジ)から各供給ローラに十分な量の現像剤が供給されない場合に、画像の濃度が低下し、良好な画像品質が得られないことがあった。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、十分な画像濃度を得ることができる画像形成ユニットおよび画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像形成ユニットは、像担持体と、像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体と、現像剤担持体に現像剤を供給する第1の現像剤供給部材と、現像剤担持体に現像剤を供給する第2の現像剤供給部材と、媒体を、像担持体に接触するように所定の搬送面に沿って搬送し、像担持体に担持された現像剤像を媒体に転写する手段とを備え、第1の現像剤供給部材は、第2の現像剤供給部材よりも、搬送面に直交する方向において搬送面に近い側に配置され、第1の現像剤供給部材における現像剤担持体から離れた側の外周の、搬送面に直交する方向の接線が、第2の現像剤供給部材における現像剤担持体から離れた側の外周の同方向の接線よりも、搬送面と平行な面内における現像剤担持体からの距離が長くなるように、第1および第2の現像剤供給部材が配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る画像形成ユニットは、また、像担持体と、像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体と、現像剤担持体に現像剤を供給する第1の現像剤供給部材と、現像剤担持体に現像剤を供給する第2の現像剤供給部材と、媒体を、像担持体に接触するように所定の搬送面に沿って搬送し、像担持体に担持された現像剤像を媒体に転写する手段と、現像剤担持体、第1の現像剤供給部材および第2の現像剤に対して、搬送面に直交する方向において搬送面から離れた側に配置され、現像剤を収容する収容室と、収容室内の現像剤を、第1の現像剤供給部材に供給するトナーと、第2の現像剤供給部材に供給するトナーとに振り分ける仕切り壁とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成ユニットを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像形成ユニット内において、搬送面に直交する方向(例えば鉛直方向)に移動する現像剤が、第1の現像剤供給部材の表面(外周)および第2の現像剤供給部材の表面に到達しやすいため、各現像剤供給部材から現像剤担持体に十分な量の現像剤が供給される。その結果、十分な画像濃度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の基本構成を示す側面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるプロセスカートリッジを示す断面図である。
【図3】供給ローラの現像ローラへの押し込み量の測定方法を説明するための模式図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の制御系を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるプロセスカートリッジ内のトナーの流れを示す概略図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態のプロセスカートリッジに対する第1の比較例(A)および第2の比較例(B)を示す図である。
【図7】供給ローラの現像ローラに対する周速比を変化させた場合の、現像ローラへのトナー供給量の変化を示すグラフである。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるプロセスカートリッジの他の構成例を示す断面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態のプロセスカートリッジの第1の変形例を示す断面図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態のプロセスカートリッジの第2の変形例を示す断面図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態のプロセスカートリッジの第3の変形例を示す断面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態のプロセスカートリッジを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置10の基本構成を示す図である。画像形成装置10は、例えばカラー電子写真プリンタであり、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの画像を形成する4つの画像形成ユニットとしてのプロセスカートリッジ11a,11b,11c,11dを有している。プロセスカートリッジ11a,11b,11c,11dは、記録媒体20の搬送路21に沿って上流側から順に(図1では右から左に)一列に配列されている。
【0013】
プロセスカートリッジ11a〜11dは、使用するトナー(現像剤)を除いて共通の構成を有し、いずれも、一方向(図1では時計回り)に回転する像担持体としての感光体ドラム14を有している。各プロセスカートリッジ11a〜11dの詳細については、後述する。プロセスカートリッジ11a〜11dのそれぞれの上方には、露光装置としてのLED(Light Emitting Diode)ヘッド13が配置されている。LEDヘッド13は、プロセスカートリッジ11a〜11dの各感光体ドラム14の表面を露光して、静電潜像を形成するものである。
【0014】
また、プロセスカートリッジ11a〜11dには、各色のトナーを収容した現像剤収容器としての着脱可能なトナーカートリッジ12が装着されている。各トナーカートリッジ12は共通の構成を有し、プロセスカートリッジ11a〜11dにトナーを補給する。
【0015】
画像形成装置10の下部には、記録媒体20(例えば印刷用紙)を積層して収納する給紙カセット31と、積層された記録媒体20を1枚ずつ分離させて給紙するためのホッピングローラ32とが配設されている。ホッピングローラ32は、回転することにより、記録媒体20を一枚ずつ搬送路21に送り出す。搬送路21には、記録媒体20のスキューを矯正してプロセスカートリッジ11a〜11dに搬送する搬送ローラ対33,34が配置されている。
【0016】
プロセスカートリッジ11a〜11dの下側には、記録媒体20を搬送し、各感光体ドラム14で形成されたトナー像を記録媒体20に転写する搬送転写手段としての転写ベルトユニット35(すなわち、媒体を搬送し、当該媒体に現像剤像を転写する手段)が配置されている。転写ベルトユニット35は、記録媒体20を吸着保持してプロセスカートリッジ11a〜11dに沿って搬送する転写ベルト36を有している。転写ベルト36は、駆動ローラ36aおよび従動ローラ36bに架け渡され、駆動ローラ36aの回転によって移動する。また、各感光体ドラム14との間で転写ベルト36を挟み込むように、4つの転写ローラ37が配置されている。転写ローラ37には、対向する感光体ドラム14との間で電界を形成するための電圧が印加されており、この電圧により、各感光体ドラム14に形成されたトナー像が記録媒体20に転写される。
【0017】
ここでは、転写ベルトユニット35(搬送転写手段)は、記録媒体20を、水平面(図2に示す搬送面CP)に沿って、プロセスカートリッジ11a〜11dを通過するように搬送する。記録媒体20が搬送される搬送面CPは、水平面に限定されるものではなく、傾斜面であってもよい。
【0018】
記録媒体20の搬送方向においてプロセスカートリッジ11a〜11dの下流側には、定着器41が配置されている。定着器41は、加熱ローラ41aとバックアップローラ41bとを有し、記録媒体20に転写されたトナー像を、熱および圧力を加えて記録媒体20に定着する。記録媒体20の搬送方向において定着器41の下流側には、定着器41から排出された記録媒体20を、搬送路21を経て排出する排出ローラ対42,43が設けられている。画像形成装置10の上部には、排出された記録媒体20を積載するためのスタッカ44が設けられている。
【0019】
次に、プロセスカートリッジ11a〜11dの構成について詳細に説明する。プロセスカートリッジ11a〜11dは、使用するトナーを除いて共通の構成を有しているため、「プロセスカートリッジ11」と総称して説明する。
【0020】
図2は、プロセスカートリッジ11の構成を示す断面図である。プロセスカートリッジ11は、上述した感光体ドラム14の周囲に、感光体ドラム14の表面を一様に帯電させる帯電部材としての帯電ローラ15と、(上記LEDヘッド13の露光により形成された)感光体ドラム14の表面の静電潜像をトナーにより現像する現像体担持体としての現像ローラ16と、現像ローラ16にトナーを供給する現像剤供給部材としての供給ローラ17,18と、現像ローラ16の表面に形成されるトナー層の厚さを規制する現像剤規制部材としての規制ブレード19とを有している。
【0021】
感光体ドラム14は、例えばアルミニウムで形成されたドラム形状の導体の表面に光導電層を形成したものである。感光体ドラム14は、その軸端部に駆動ギアを備え、図2において時計方向に回転駆動される。帯電ローラ15は、金属製のシャフトの表面に、エピクロルヒドリンなどの導電性の弾性体を被覆したものであり、感光体ドラム14の表面に接触するように配置されている。帯電ローラ15は、感光体ドラム14の回転に従動して回転し、回転開始と同時に高電圧(帯電電圧)が印加されて、感光体ドラム14の表面を均一に帯電させる。
【0022】
現像ローラ16は、金属製のシャフト16Aの表面にウレタンなどの導電性の弾性体を被覆したものである。現像ローラ16は、感光体ドラム14の回転方向においてLEDヘッド13よりも下流側で感光体ドラム14の表面に接触するように配置されている。現像ローラ16は、シャフト16Aの端部にギアを備え、感光体ドラム14からの駆動伝達により、感光体ドラム14の回転方向とは反対方向に回転する。また、現像ローラ16には回転開始と同時に高電圧が印加され、感光体ドラム14の表面との間に電界を形成し、この電界により、感光体ドラム14の表面の静電潜像にトナーを付着させる。
【0023】
供給ローラ17,18は、いずれも、金属製のシャフト17A,18Aの表面にシリコンなどの発泡性の弾性体を被覆したものであり、現像ローラ16に接触するように配置されている。供給ローラ17,18は、シャフト17A,18Aの端部にそれぞれギアを備え、感光体ドラム14からの駆動伝達によって、現像ローラ16の回転方向と同じ方向に回転する。供給ローラ17,18は、現像ローラ16と摺動接触してトナーを摩擦帯電させ、現像ローラ16にトナーを供給する。
【0024】
以下の説明では、2つの供給ローラ17,18のうち、現像ローラ16の回転方向における上流側で現像ローラ16に接触する供給ローラ17を「第1供給ローラ17」(第1の現像剤供給部材)と称する。また、この第1供給ローラ17よりも下流側で現像ローラ16に接触する供給ローラ18を「第2供給ローラ18」(第2の現像剤供給部材)と称する。第2供給ローラ18は、現像ローラ16の回転方向において、第1供給ローラ17と規制ブレード19との間に位置している。また、第1供給ローラ17は、鉛直方向において、第2供給ローラ18よりも下側に位置する。
【0025】
なお、ここでは、供給ローラ17,18を現像ローラ16に接触させているが、例えば静電力等により現像ローラ16に十分な量のトナーを供給することができる場合には、供給ローラ17,18が現像ローラ16から離間していてもよい。
【0026】
規制ブレード19は、例えばステンレスの薄板からなる弾性体ブレードであり、現像ローラ16の軸方向に長い形状を有している。規制ブレード19は、その幅方向の一端が、プロセスユニット11のフレーム50内に取り付けられたホルダ56に固定され、他端が現像ローラ16の表面に押し当てられている。規制ブレード19は、トナーを摩擦帯電させつつ、現像ローラ16の表面に付着するトナー層の厚さを規制して薄層化する。
【0027】
クリーニングブレード51は、例えばウレタンからなる弾性体ブレードであり、感光体ドラム14の軸方向に長い形状を有している。クリーニングブレード51は、その幅方向の一端が感光体ドラム14の表面に押し当てられており、トナー像の転写後に感光体ドラム14の表面に残留したトナーを掻き落とす。クリーニングブレード51の下側には、クリーニングブレード51で掻き落としたトナーをプロセスカートリッジ11の外部に搬送する回収トナー搬送スパイラル52が設けられている。
【0028】
プロセスカートリッジ11に着脱可能に取り付けられるトナーカートリッジ12は、プロセスカートリッジ11に補給するトナーを収容する現像剤収容器であり、その底部にトナー供給口12Aを有し、さらに、トナー供給口12Aを開閉するシャッタ53を有している。
【0029】
プロセスカートリッジ11のフレーム50は、現像ローラ16、供給ローラ17,18および規制ブレード19を収容する筺体である。フレーム50の上側には、プロセスカートリッジ11が装着されるカートリッジ装着部50Aが形成されており、このカートリッジ装着部50Aには、トナーカートリッジ12のトナー供給口12Aに対応するトナー補給口54が形成されている。トナー補給口54から補給されたトナーは、現像ローラ16、第1供給ローラ17、第2供給ローラ18、規制ブレード19およびフレーム50に囲まれた領域であるトナーホッパ(収容室)55に保持される。
【0030】
フレーム50は、また、Z方向(鉛直方向)に延在する外壁57を有しており、トナー補給口54からトナーホッパ55に供給されたトナーは、概ね、外壁57に沿ってZ方向の下方に移動する。また、外壁57の下側には、第1供給ローラ17に対向し、第1供給ローラ17の外周に沿った形状の壁部50Bが形成されている。このように構成すれば、トナーホッパ55の下側の領域に収容されたトナーが、回転する第1供給ローラ17に付着しやすくなる。
【0031】
トナーカートリッジ12をプロセスカートリッジ11に装着し、トナーカートリッジ12のシャッタ53によりトナー供給口12Aを開放すると、トナーカートリッジ12に収容されていたトナーが、トナー補給口54からプロセスカートリッジ11の内部に補給され、トナーホッパ55に収容される。トナーホッパ55に収容されたトナーは、第1供給ローラ17および第2供給ローラ18によって現像ローラ16に供給され、規制ブレード19で薄層化された後、現像ローラ16から感光体ドラム14に転写される。これにより、感光体ドラム14の表面に形成された静電潜像が現像され、トナー像が形成される。
【0032】
この実施の形態では、上記構成のプロセスカートリッジ11において、感光体ドラム14の外径(ドラム径)を30mm、現像ローラ16の外径(ローラ径)を20mmとし、第1供給ローラ17および第2供給ローラ18の外径をいずれも15mmとしている。
【0033】
第1供給ローラ17および第2供給ローラ18は、いずれも、現像ローラ16への押し込み量が1mmとなるように配置されている。また、第1供給ローラ17および第2供給ローラ18は、以下で説明するように、プロセスカートリッジ11を画像形成装置10に装着した状態で、第1供給ローラ17の外周が第2供給ローラ18の外周よりも外側(フレーム50の外壁57側)に突出するように配置されている。
【0034】
なお、第1供給ローラ17の現像ローラ16への押し込み量(N)は、図3に模式的に示すように、現像ローラ16の外径D1、第1供給ローラ17の外径D2、および、現像ローラ16のシャフト16Aの軸中心と第1供給ローラ17のシャフト17Aの軸中心との距離Lとから、以下の式により求められる。
N={(D1+D2)/2}−L
第2供給ローラ18の現像ローラ16への押し込み量も、同様に求められる。
【0035】
図2のプロセスカートリッジ11を画像形成装置10の本体に装着した状態で、感光体ドラム14の軸方向(現像ローラ16の軸方向)をX方向とする。また、記録媒体20が、感光体ドラム14に接触しながら搬送される際の搬送方向(移動方向)を、Y方向とする。従って、XY面は、上述した搬送面CPと平行である。XY面に垂直な方向を、Z方向とする。ここでは、XY面を水平面とし、Z方向を鉛直方向として説明するが、これらに限定されるものではない。
【0036】
また、図2において、第1供給ローラ17の現像ローラ16から離れた側(すなわち現像ローラ16との接触部とは反対側)の外周のZ方向の接線を「接線A」とする。また、第2供給ローラ18の現像ローラ16から離れた側の外周のZ方向の接線Bを「接線B」とする。併せて、現像ローラ16の供給ローラ17,18側の外周のZ方向の接線を「接線R」とする。
【0037】
本実施の形態では、第1供給ローラ17の現像ローラ16から離れた側の外周のZ方向の接線Aが、第2供給ローラ18の現像ローラ16から離れた側の外周のZ方向の接線Bよりも、現像ローラ16の外周のZ方向の接線Rからの距離が長くなるよう、各ローラ16,17,18が配置されている。
【0038】
言い換えると、各供給ローラ17,18は、Z方向(重力によるトナーの移動方向)において下側に位置する第1供給ローラ17が、上側に位置する第2供給ローラ18よりも外側(現像ローラ16の外周のZ方向の接線Rから遠い側)に突出した位置にある。つまり、第1供給ローラ17の表面(外周)が、トナーホッパ55内をZ方向に移動(降下)するトナーが到達しやすい位置にある。
【0039】
本実施の形態では、供給ローラ17,18の外径が同じであるため、現像ローラ16の外周と接線Rとの接点Pから、現像ローラ16と第1供給ローラ17との接触部までの距離が、上記接点Pから、現像ローラ16と第2供給ローラ18との接触部までの距離よりも短くなるように、各ローラ16,17,18を配置する。
【0040】
このように配置すれば、各供給ローラ17,18の外径が同じ場合に、上記のように第1供給ローラ17が第2供給ローラ18よりも外側に突出する構成を実現することができる。
【0041】
なお、各供給ローラ17,18のシャフト17A,18Aの各軸中心を通るZ方向の直線α,βと、現像ローラ16のシャフト16Aの軸中心を通るZ方向の直線γとを規定すると、直線γから直線βまでの距離は、直線γから直線αまでの距離よりも短い。
【0042】
また、第1供給ローラ17の上記接線Aおよび第2供給ローラ18の上記接線Bは、Y方向において、トナー補給口54の内側(すなわちトナー補給口54のY方向両端の間)に位置していることが好ましい。このように構成すれば、トナー補給口54からZ方向の下方に移動するトナーが、第1供給ローラ17の表面と第2供給ローラ18の表面に到達しやすいためである。
【0043】
現像ローラ16および供給ローラ17,18の回転方向は、以下のとおりである。まず、現像ローラ16の回転方向は、図2における反時計回り方向、すなわち感光体ドラム14の回転方向とは反対方向である。そのため、現像ローラ16と感光体ドラム14との接触部では、感光体ドラム14の表面(外周)の移動方向に対して、現像ローラ16の表面の移動方向は、順方向(同方向)となる。
【0044】
また、供給ローラ17,18の回転方向は、図2における反時計回り方向、すなわち現像ローラ16の回転方向と同方向である。そのため、第1供給ローラ17と現像ローラ16との接触部では、現像ローラ16の表面の移動方向に対して、第1供給ローラ17の表の移動方向は、カウンタ方向(反対方向)となる。同様に、第2供給ローラ18と現像ローラ16との接触部では、現像ローラ16の表面の移動方向に対して、第2供給ローラ18の表面の移動方向は、カウンタ方向となる。これにより、供給ローラ17,18に付着したトナーを、機械的に現像ローラ16側に掻き取ることができ、(同じトナーが供給ローラ17,18の表面に留まることによる)トナーの帯電過剰を防止することができる。
【0045】
なお、供給ローラ17,18の回転方向が上記方向に限定されないことは言うまでもない。トナーおよび供給ローラ17,18の特性に応じて、トナーを供給ローラ17,18から現像ローラ16側に効果的に移動させることができればよい。
【0046】
ここでは、現像ローラ16、第1供給ローラ17および第2供給ローラ18の周速は、例えば、それぞれ200mm/秒、160mm/秒および160mm/秒である。また、現像ローラ16、第1供給ローラ17および第2供給ローラ18の印加電圧は、例えば、それぞれ−200V、−300Vおよび−300Vである。
【0047】
現像ローラ16の印加電圧と供給ローラ17,18の各印加電圧との関係は、摩擦帯電したトナーが、静電力により第1供給ローラ17および第2供給ローラ18から現像ローラ16側に向かう方向に電界を生じる関係であればよい。例えば、負帯電性のトナーを用い、各印加電圧を負電圧とした場合には、第1供給ローラ17および第2供給ローラ18のそれぞれの印加電圧の絶対値が、現像ローラ16の印加電圧の絶対値よりも大きければよい。また、第1供給ローラ17および第2供給ローラ18の印加電圧は、同一でなくてもよい。
【0048】
次に、画像形成装置10の制御系について説明する。図4は、画像形成装置10の制御系を示すブロック図である。
【0049】
図4に示すように、画像形成装置10に設けられた記録制御部80は、各プロセスカートリッジ11の帯電ローラ15に帯電電圧を印加する帯電電圧制御部81と、現像ローラ16に現像電圧を印加する現像電圧制御部82と、第1供給ローラ17に供給電圧を印加する第1供給電圧制御部83と、第2供給ローラ18に供給電圧を印加する第2供給電圧制御部84と、規制ブレード19に規制ブレード電圧を印加する規制ブレード電圧制御部85と、転写ローラ37に転写電圧を印加する転写電圧制御部86とを制御する。
【0050】
また、記録制御部80は、入力された画像データに応じてLEDヘッド13を発光させるLED発光制御部87と、定着器41のヒータを制御する定着制御部88とを制御する。さらに、記録制御部80は、各プロセスカートリッジ11の感光体ドラム14を回転させるモータ、並びに、記録媒体20を給紙搬送するホッピングローラ32、搬送ローラ対33,34、転写ローラ37および排出ローラ対42,43を回転させる各モータを駆動制御するモータ制御部90を制御する。
【0051】
記録制御部80は、画像形成装置10の全体の制御を司るコントローラ8によって制御される。
【0052】
次に、画像形成装置10の動作について、図1、図2および図4を参照して説明する。
画像形成装置10のコントローラ8は、外部の上位装置(例えばパーソナルコンピュータ)から送信された画像データを受信すると、その画像データを、コントローラ8内の画像処理回路を介して記録制御部80に送信する。記録制御部80は、モータ制御部90を介してホッピングローラ32および搬送ローラ対33,34等を回転させて記録媒体20の給紙・搬送を開始し、LED発光制御部87に画像データを送信する。また、記録媒体20が各プロセスカートリッジ11に達するタイミングで、各電圧制御部81〜86により、帯電ローラ15、現像ローラ16、供給ローラ17,18、規制ブレード19および転写ローラ37に電圧を印加し、さらに、LED発光制御部87によりLEDヘッド13を画像データに応じて発光させる。これにより、各プロセスカートリッジ11の感光体ドラム14の表面に、静電潜像が形成される。
【0053】
各プロセスカートリッジ11では、図2に示すように、トナーカートリッジ12からトナー補給口54を介して補給されたトナーが、フレーム50内のホッパ55に収容され、第1供給ローラ17および第2供給ローラ18を経て現像ローラ16に供給され、規制ブレード19で薄層化された後、感光体ドラム14に供給される。これにより、感光体ドラム14の表面に形成された静電潜像が現像され、トナー像が形成される。
【0054】
感光体ドラム14の表面に形成されたトナー像は、感光体ドラム14と転写ローラ37との接触部において、両者の電位差により、転写ベルト36上の記録媒体20に転写される。記録媒体20がプロセスカートリッジ11a〜11dを通過することにより、記録媒体20上に4色のトナー像が転写される。
【0055】
トナー像が転写された記録媒体20は、転写ベルト36によって定着器41に搬送される。定着器41では、熱および圧力によってトナーが溶融して記録媒体20に定着される。トナー像が定着された記録媒体20は、排出ローラ42により画像形成装置10から排出され、スタッカ43上に載置される。これにより、記録媒体20の表面に画像を形成する画像形成プロセスが完了する。
【0056】
図5は、例えばベタ画像の連続印刷時における、プロセスカートリッジ11内のトナーの流れを示す概略図である。トナーカートリッジ12から補給されたトナーは、プロセスカートリッジ11のトナーホッパ55内を、フレーム50の外壁57に沿ってZ方向の下方(鉛直下方)に移動し、第1供給ローラ17および第2供給ローラ18の表面の主に上側の領域に堆積する。このとき、第1供給ローラ17の表面の領域Cに付着したトナーは、第1供給ローラ17の回転により、第1供給ローラ17と現像ローラ16との接触部である領域Dに到達する。
【0057】
領域Dに到達したトナーは、現像ローラ16との摩擦により帯電されると共に、現像ローラ16の表面に静電的に付着し、現像ローラ16の回転によって、現像ローラ16と第2供給ローラ18との接触部の入り口部分である領域Eに到達する。
【0058】
領域Eに到達したトナーの一部は、第2供給ローラ18の表面に付着し、その多くは、第2供給ローラ18の回転により搬送される。一方、第2供給ローラ18に付着せずに現像ローラ16上に留まったトナーは、現像ローラ16と第2供給ローラ18との接触部を通過する。
【0059】
現像ローラ16と第2供給ローラ18との接触部の出口部分である領域Fでは、現像ローラ16と第2供給ローラ18との接触部を通過したトナーと、第1供給ローラ17から現像ローラ16を経由して第2供給ローラ18に付着して搬送されたトナーと、トナーカートリッジ12から補給されて第2供給ローラ18の上側の領域Gに付着したトナーとが合流する。領域Fで合流したトナーは、現像ローラ16との摩擦によりさらに帯電し、現像ローラ16に静電的に付着して、規制ブレード19との接触部である領域Hに到達する。
【0060】
領域Hに到達したトナーは、現像ローラ16と規制ブレード19とにより摩擦帯電され、さらにトナー層の厚さが規制された後、現像ローラ16の回転により、現像ローラ16と感光体ドラム14との接触部である領域Iに到達する。領域Iに到達したトナーは、表面に静電潜像が形成された感光体ドラム14に付着し、静電潜像を現像する。
【0061】
ベタ画像を連続印刷する場合には、現像ローラ16上のトナーのほぼ全てが静電潜像の現像によって消費されることになるが、本実施の形態では、第1供給ローラ17により、現像ローラ16と第2供給ローラ18との接触部(領域E)に多くのトナーが送り込まれるため、現像ローラ16に付着して搬送されるトナーおよび第2供給ローラ18に付着して搬送されるトナーの量を増加させることができる。さらに、第1供給ローラ17の外周が、第2供給ローラ18の外周よりも外側に突出しているため、トナーホッパ55内をZ方向の下方に移動するトナーが、上側の第2供給ローラ18だけでなく、下側の第1供給ローラ17にも到達しやすく、その結果、より多くの量のトナーを供給ローラ17,18から現像ローラ16に供給することができる。
【0062】
次に、本実施の形態のプロセスカートリッジ11を用いた実験結果について説明する。ここでは、供給ローラ17,18の現像ローラ16に対する周速比を変えた場合のトナー供給量の変化を測定した。
【0063】
また、本実施の形態のプロセスカートリッジに対する第1の比較例として、図6(A)に示すように、一本の供給ローラのみ(ここでは第1供給ローラ108)を有するプロセスカートリッジを用いて実験を行った。図6(A)に示すプロセスカートリッジは、供給ローラを一本のみ有する以外は、本実施の形態におけるプロセスカートリッジと同様に構成されている。
【0064】
また、第2の比較例として、図6(B)に示すプロセスカートリッジを用いて実験を行った。図6(B)に示すプロセスカートリッジは、現像ローラ16に接触する2本の供給ローラ107,108のうち、Z方向(鉛直方向)における上側の第2供給ローラ108の外周を、下側の第1供給ローラ107の外周よりも外側(現像ローラ16から遠い側)に突出させたものである。他の構成は、本実施の形態におけるプロセスカートリッジと同様である。
【0065】
図7に、供給ローラの現像ローラに対する周速比を0.5〜3.0の範囲で変えた場合のトナー供給量の変化を示す。ここでは、プロセスカートリッジを装着した画像形成装置10によりベタ画像を連続印刷したのち、現像ローラ16の表面に付着したトナーの量を測定し、その値を現像ローラ16へのトナー供給量とした。図7において、縦軸は、現像ローラへのトナー供給量であり、横軸は、供給ローラの現像ローラに対する周速比である。なお、供給ローラ17,18(供給ローラ107,108)の周速は、互いに同じとする。
【0066】
図7において、本実施の形態のプロセスカートリッジ11を用いた実験結果をプロットP1で示す。また、第1の比較例(図6(A))のプロセスカートリッジを用いた実験結果をプロットP2で示し、第2の比較例(図6(B))のプロセスカートリッジを用いた実験結果をプロットP3で示す。
【0067】
図7から、2つの供給ローラを設けた第2の比較例(プロットP3)では、供給ローラを1つのみ設けた第1の比較例(プロットP2)よりもトナー供給量が大きいが、その増加分は比較的小さいことが分かる。これに対し、本実施の形態(プロットP1)では、第1および第2の比較例よりも更に大きなトナー供給量が得られている。例えば、第1の比較例(プロットP2)では現像ローラに対する供給ローラの周速比が3倍のときと同じトナー供給量を、本実施の形態(プロットP1)では、現像ローラに対する供給ローラの周速比が0.8倍のときに達成している。
【0068】
このような結果が得られたのは、本実施の形態において、2本の供給ローラ17,18のうちZ方向(トナーの移動方向)において下側に配置された第1供給ローラ17の外周が、上側の第2供給ローラ18の外周よりも外側に突出しているため、図4に示したように、トナーホッパ55内をZ方向の下方に移動するトナーが、上側の第2供給ローラ18だけでなく、下側の第1供給ローラ17にも到達しやすく、これにより十分な量のトナーを供給ローラ17,18から現像ローラ16に供給できたためと考えられる。
【0069】
以上説明したように、この実施の形態では、現像ローラ16に現像剤を供給する2本の供給ローラ17,18のうち、Z方向の下側に配置された第1供給ローラ17の外周が、上側の第2供給ローラ18の外周よりも外側に突出するように構成したことにより、ベタ画像を連続印刷するのに十分な量のトナーを現像ローラ16に供給することができる。その結果、画像濃度を安定させ、高い画像品質を維持することができる。
【0070】
また、供給ローラ17,18の現像ローラ16に対する周速比を1倍以下に設定することができるため、供給ローラ17,18の磨耗を低減させ、プロセスカートリッジ11の寿命を長くすることができる。
【0071】
さらに、4つのプロセスカートリッジ11a〜11dを配列して1回の用紙走行でカラー印刷を行うタンデム型のカラープリンタにおいて、トナーカートリッジ12をプロセスカートリッジ11a〜11dの上部に装着する構成において、上記のように十分なトナー供給量を確保することができるため、高画像品質の小型カラープリンタを実現することができる。
【0072】
なお、ここでは、記録媒体20の搬送面CPが水平面である場合について説明したが、図8に示すように、搬送面CPが水平面に対して傾斜していてもよい。この場合、第1供給ローラ17が、第2搬送ローラ18よりも、搬送面CPに直交する方向(Z方向)において搬送面CPに近い側に配置され、なお且つ、第1供給ローラ17における現像ローラ16から離れた側の外周のZ方向の接線Aが、第2供給ローラ18における現像ローラ16ら離れた側の外周のZ方向の接線Bよりも、搬送面CPと平行な面内(XY面内)における現像ローラ16からの距離が長くなるように、各ローラ16,17,18が配置されていればよい。また、トナーホッパ55は、搬送面CPと直交する方向において搬送面から離れた側に位置していればよい。
【0073】
なお、このように搬送面CPを基準とする理由は、以下のとおりである。プロセスカートリッジ11a〜11dは、一般に、搬送面CPに対して、フレーム50の外壁57が直交するように設計される。また、トナーホッパ55内のトナーの移動方向は、概ね、外壁57と平行な方向となる。従って、第1供給ローラ17、第2供給ローラ18および現像ローラ16を上記のように配置することで、第2供給ローラ18だけでなく、第1供給ローラ17の表面に到達するトナー量を多く確保することができ、画像濃度を安定させることができる。
【0074】
また、プロセスカートリッジ11内には、供給ローラ17,18の上側に収容されたトナーを撹拌するための撹拌ローラを設けてもよい。また、以下に説明する変形例のように構成することも可能である。
【0075】
第1の変形例.
図9に、本実施の形態の第1の変形例に係るプロセスカートリッジ11Aを示す。図9に示す第1の変形例のプロセスカートリッジ11Aは、上述した実施の形態1のプロセスカートリッジ11(図2)に対して、供給ローラの外径および配置が異なるものである。
【0076】
第1の変形例では、第1供給ローラ27および第2供給ローラ28の外径が互いに異なる。また、第1供給ローラ27と現像ローラ16との接触部Mと、第2供給ローラ28と現像ローラ16との接触部Nとでは、第2供給ローラ28と現像ローラ16との接触部Nの方が、現像ローラ16の外周のZ方向の接線Rとの接触部Pに近くなっている。ここでは、第1供給ローラ27の外径は16mmであり、第2供給ローラ28の外径は11mmである。なお、現像ローラ16の外径は20mmである。
【0077】
これにより、プロセスカートリッジ11Aを画像形成装置10に装着した状態で、第1供給ローラ27の現像ローラ16から離れた側の外周のZ方向の接線Aが、第2供給ローラ28の現像ローラ16から離れた側の外周のZ方向の接線Bよりも、現像ローラ16の外周のZ方向の接線Rからの距離が長くなる配置を実現している。
【0078】
すなわち、現像ローラ16にトナーを供給する供給ローラ27,28のうち、Z方向(トナーの移動方向)において下側に位置する第1供給ローラ27が、上側に位置する第2供給ローラ28よりも外側に突出した位置、つまり、トナーホッパ55内をZ方向の下方に移動するトナーが到達しやすい位置にある。
【0079】
そのため、この第1の変形例においても、ベタ画像を連続印刷するのに十分なトナーを現像ローラ16に供給することができ、画像濃度を安定させ、画像品質を維持することができる。
【0080】
また、この第1の変形例では、供給ローラ27,28の外径が異なるため、第2供給ローラ28のシャフト28Aの中心を通るZ方向の直線βが、第1供給ローラ27のシャフト27Aの中心を通るZ方向の直線αよりも、現像ローラ16のシャフト16Aの中心を通るZ方向の直線γからの距離が短くなるような配置(図2)を採用する必要がない。そのため、供給ローラ27,28の配置を、比較的自由に設定することができる。
【0081】
第2の変形例.
図10に、本実施の形態の第2の変形例に係るプロセスカートリッジ11Bを示す。図10に示す第2の変形例のプロセスカートリッジ11Bは、上述した実施の形態1のプロセスカートリッジ11(図2)の第1供給ローラ17の代わりに、一組のローラ対101,102を設けたものである。
【0082】
ローラ対101,102の第1ローラ101は、現像ローラ16の表面(外周)に接触するように配置され、第2ローラ102は、第1ローラ101の表面に接触するように配置されている。ローラ対101,102の回転方向は、いずれも現像ローラ16と同方向である。従って、現像ローラ16と第1ローラ101との接触部における両ローラの表面の移動方向は、互いにカウンタ方向(反対方向)となる。また、第1ローラ101と第2ローラ102との接触部における両ローラの表面の移動方向は、互いにカウンタ方向となる。第1ローラ101および第2ローラ102の外径は、同じでもよく、異なっていてもよい。
【0083】
また、プロセスカートリッジ11Bを画像形成装置10に装着した状態において、第1ローラ102の現像ローラ16から離れた側の外周のZ方向の接線Aが、第2供給ローラ18の現像ローラ16から離れた側の外周のZ方向の接線Bよりも、現像ローラ16の外周のZ方向の接線Rからの距離が長くなるよう、各ローラ16,18,101,102が配置されている。
【0084】
すなわち、ローラ対101,102および第2供給ローラ18のうち、Z方向(トナーの移動方向)において下側に位置するローラ対101,102の第2ローラ102が、上側に位置する第2供給ローラ18よりも外側に突出した位置、つまり、トナーホッパ55内をZ方向の下方に移動するトナーが到達しやすい位置にある。そのため、この第2の変形例においても、ベタ画像を連続印刷するのに十分なトナーを現像ローラ16に供給することができ、画像濃度を安定させ、画像品質を維持することができる。
【0085】
第3の変形例.
図11に、本実施の形態の第3の変形例に係るプロセスカートリッジ11Cを示す。図11に示す第3の変形例のプロセスカートリッジ11Cは、上述した実施の形態1のプロセスカートリッジ11(図2)の第1供給ローラ17の代わりに、一組のローラ対101,102と無端ベルト103とを設けたものである。
【0086】
ローラ対101,102のうち、第1ローラ101は、現像ローラ16の表面に対向配置され、第2ローラ102は、第1ローラ101から一定距離をあけて平行に配置されている。ローラ対101,102に架け渡された無端ベルト103は、第1ローラ101によって現像ローラ16の表面に押し当てられている。ローラ対101,102の回転方向は同方向であり、現像ローラ16の回転方向と同方向である。ローラ対101,102の回転により無端ベルト103が周回移動する。
【0087】
また、プロセスカートリッジ11Cを画像形成装置10に装着した状態において、第2ローラ102の現像ローラ16から離れた側の外周のZ方向の接線Aが、第2供給ローラ18の現像ローラ16から離れた側の外周の接線Bよりも、現像ローラ16の外周のZ方向の接線Rからの距離が長くなるよう、各ローラ16,18,101,102が配置されている。
【0088】
この第3の変形例においても、第2の変形例と同様、Z方向(トナーの移動方向)において下側に位置するローラ対101,102の第2ローラ102が、上側に位置する第2供給ローラ18よりも外側に突出した位置、つまり、トナーホッパ55内をZ方向に移動するトナーが到達しやすい位置にある。そのため、この第3の変形例においても、ベタ画像を連続印刷するのに十分なトナーを現像ローラ16に供給することができ、画像濃度を安定させ、画像品質を維持することができる。
【0089】
第2の実施の形態.
図12は、本発明の第2の実施の形態のプロセスカートリッジ61(画像形成ユニット)を示す断面図である。第1の実施の形態で説明した構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付す。
【0090】
第2の実施の形態のプロセスカートリッジ61は、第2供給ローラ68の現像ローラ16とから離れた側(現像ローラ16との接触部とは反対側)の外周に沿って形成された仕切り壁70を備えている。この仕切り壁70は、例えば、プロセスカートリッジ61のフレーム50と一体に形成されている。
【0091】
より具体的には、仕切り壁70は、第2供給ローラ68のシャフト68Aと略同じ高さから上方(トナーカートリッジ12側)にZ方向に延在する第1の壁部71と、第2供給ローラ68のシャフト68Aと略同じ高さから下方に、第2供給ローラ68の外周に沿って延在する第2の壁部72とを有している。仕切り壁70の第1の壁部71は、フレーム50に形成されたトナー補給口54のY方向中央にほぼ位置している。第2の壁部72は、例えば、第1供給ローラ67と第2供給ローラ68との間まで達している。
【0092】
仕切り壁70は、トナー補給口54から補給されて重力によりZ方向の下方に移動するトナーを、図中右側(フレーム50の外壁57側)に移動するトナーと、図中左側(第2供給ローラ68側)に移動するトナーとに振り分けるものである。
【0093】
ここでは、感光体ドラム14の外径(ドラム径)は30mmであり、現像ローラ16の外径(ローラ径)は20mmである。第1供給ローラ67および第2供給ローラ68の外径は、いずれも13mmであり、第1供給ローラ67および第2供給ローラ68の現像ローラ16への押し込み量は、いずれも1mmである。押し込み量の測定方法は、図3を参照して説明したとおりである。
【0094】
また、各供給ローラ17,18の周速は、第1の実施の形態で説明したように、現像ローラ16の周速よりも小さく設定されている。現像ローラ16および各供給ローラ17,18の印加電圧および周速の具体例は、第1の実施の形態で説明したとおりである。また、フレーム50の下側の壁部50Bが、第1供給ローラ67の外周面に沿った形状を有していることが好ましいことも、第1の実施の形態で説明したとおりである。
【0095】
第2の実施の形態のプロセスカートリッジ61におけるトナーの流れは、以下のとおりである。
【0096】
トナーカートリッジ12からトナー補給口54を経て補給されたトナーは、トナーホッパ55内をZ方向の下方に移動し、仕切り壁70によってフレーム50の外壁57側(図中右側)に移動するトナーと、図中左側(第2供給ローラ68側)に移動するトナーとに振り分けられる。
【0097】
フレーム50の外壁57側に振り分けられたトナーは、第1供給ローラ17の外周とフレーム50の外壁57と仕切り壁70とに囲まれた領域Pに収容される。領域Pにおいて第1供給ローラ67の表面(外周)に達したトナーは、第1供給ローラ67の回転によって現像ローラ16との接触部に到達し、現像ローラ16との摩擦により帯電されるとともに現像ローラ16の表面に静電的に付着し、現像ローラ16の回転により、現像ローラ16と第2供給ローラ68との接触部に到達する。
【0098】
現像ローラ16と第2供給ローラ68との接触部に到達したトナーの一部は、第2供給ローラ68に付着し、その多くは第2供給ローラ68の表面に付着した状態で、第2供給ローラ68の回転により搬送される。第2供給ローラ68に付着せずに現像ローラ16の上に留まったトナーは、現像ローラ16と第2供給ローラ68との接触部を通過する。
【0099】
また、仕切り壁70の第2供給ローラ68側(図中左側)に振り分けられたトナーは、第2供給ローラ18の外周と規制ブレード19と仕切り壁70とで囲まれた領域Qに収容される。領域Qにおいて第2供給ローラ68の表面に達したトナーは、第1供給ローラ67から現像ローラ16を経由して第2供給ローラ68に付着して搬送されたトナーと混合され、第2供給ローラ68と現像ローラ16との接触部の出口部分に到達し、現像ローラ16と第2供給ローラ68との接触部を通過したトナーと合流する。トナーは現像ローラ16との摩擦によりさらに帯電して現像ローラ16に静電的に付着し、現像ローラ16の回転により、規制ブレード19との接触部に搬送される。
【0100】
現像ローラ19と規制ブレード19との接触部に到達したトナーは、規制ブレード19との接触により摩擦帯電され、またトナー層の厚さが均一化された後、現像ローラ16の回転により現像ローラ16と感光体ドラム14との接触部に搬送される。現像ローラ16と感光体ドラム14との接触部に達したトナーは、静電潜像が形成された感光体ドラム14に付着し、静電潜像を現像する。
【0101】
このように、本発明の第2の実施の形態では、トナーホッパ55内に仕切り壁70を設け、トナー補給口54から補給されたトナーを第1供給ローラ67側と第2供給ローラ68側とに振り分けるように構成している。そのため、下側に配置されている第1供給ローラ67の周囲のトナーの量が少なくなった状態でも、上側に配置されている第2供給ローラ68の周囲(すなわち、第2供給ローラ68と仕切り壁70と規制ブレード19とで囲まれた空間)にトナーが収容されているため、現像ローラ16に十分な量のトナーを供給することができる。その結果、画像濃度を安定させ、画像品質を維持することができる。
【0102】
また、第1の実施の形態と同様、供給ローラ17,18の現像ローラ16に対する周速比を1倍以下に設定することで、供給ローラ17,18の磨耗を低減させ、プロセスカートリッジ11の寿命を長くすることができる。
【0103】
なお、第2の実施の形態におけるプロセスカートリッジ61(画像形成ユニット)は、図12に示した構成に限定されるものではなく、トナーホッパ55内に仕切り壁70を設け、トナーカートリッジ12から補給されたトナーを第1供給ローラ67側と第2供給ローラ68側とに振り分けることができるものであればよい。従って、例えば、仕切り壁70は、フレーム50と一体に形成されている必要はなく、板金をフレームにねじ止め固定したものであっても良い。また、第1および第2供給ローラ67,68の外径が異なっていても良い。
【0104】
また、第1の実施の形態において説明したように、記録媒体20の搬送面CPが水平面に対して傾斜している場合には(図9参照)、トナーホッパ55は、搬送面CPと直交する方向において搬送面から離れた側に位置していればよい。また、仕切り壁70は、搬送面CPと平行な方向(Y方向)においてトナー補給口54の内側に位置し、搬送面CPに直交する方向に延在していればよい。
【0105】
上述した第1の実施の形態およびその変形例と、第2の実施の形態とは、適宜組み合わせてもよい。例えば図2に示したプロセスカートリッジ11に、第2の実施の形態の仕切り壁70を加えてもよい。
【0106】
また、上述した第1の実施の形態、その変形例および第2の実施の形態では、転写ベルトユニット35によって記録媒体20を搬送し、この記録媒体20にトナー像(現像剤像)を転写する直接転写方式について説明したが、本発明は直接転写方式に限定されるものではない。すなわち、感光体ドラム14から転写ベルトユニット35の転写ベルト36にトナー像を転写(1次転写)し、さらに転写ベルト36から記録媒体20にトナー像を転写(2次転写)する中間転写方式を用いてもよい。この場合、転写ベルト36が「媒体」に対応し、転写ベルト36が感光体ドラム14に接触しながら移動する際の搬送面が、上述した直接転写方式における記録媒体20の搬送面CPに対応する。
【符号の説明】
【0107】
10 画像形成装置、 11,11a,11b,11c,11d,61 プロセスカートリッジ(画像形成ユニット)、 12 トナーカートリッジ、 14 感光体ドラム(像担持体)、 16 現像ローラ(現像剤担持体)、 17,27 第1供給ローラ(第1の現像剤供給部材)、 18,28 第2供給ローラ(第2の現像剤供給部材)、 19 規制ブレード(現像剤規制部材)、 20 記録媒体(媒体)、 35 転写ベルトユニット、 36 転写ローラ、 50 フレーム、 50B 壁部、 54 トナー補給口、 57 外壁、 70 仕切り板、 71 第1の壁部、 72 第2の壁部、 101 第1ローラ、 102 第2ローラ、 103 ベルト。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を用いたプリンタや複写機などの画像形成装置、およびその画像形成ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真法を用いた画像形成装置では、帯電装置により一様に帯電させた像担持体(感光体ドラム)の表面を、露光装置により露光して静電潜像を形成し、現像装置により静電潜像を現像して現像剤像(トナー像)を形成し、記録媒体に転写する。現像装置は、像担持体に対向配置された現像剤担持体(現像ローラ)により、静電潜像が形成された像担持体の表面に現像剤を付着させる。
【0003】
近年、画像濃度の変動を抑制するため、現像剤担持体の表面に接触するように2つの供給ローラを設けることで、現像剤担持体に十分な量の現像剤を供給する現像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−39628号公報(請求項1、図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の現像装置では、現像剤収容体(トナーカートリッジ)から各供給ローラに十分な量の現像剤が供給されない場合に、画像の濃度が低下し、良好な画像品質が得られないことがあった。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、十分な画像濃度を得ることができる画像形成ユニットおよび画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像形成ユニットは、像担持体と、像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体と、現像剤担持体に現像剤を供給する第1の現像剤供給部材と、現像剤担持体に現像剤を供給する第2の現像剤供給部材と、媒体を、像担持体に接触するように所定の搬送面に沿って搬送し、像担持体に担持された現像剤像を媒体に転写する手段とを備え、第1の現像剤供給部材は、第2の現像剤供給部材よりも、搬送面に直交する方向において搬送面に近い側に配置され、第1の現像剤供給部材における現像剤担持体から離れた側の外周の、搬送面に直交する方向の接線が、第2の現像剤供給部材における現像剤担持体から離れた側の外周の同方向の接線よりも、搬送面と平行な面内における現像剤担持体からの距離が長くなるように、第1および第2の現像剤供給部材が配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る画像形成ユニットは、また、像担持体と、像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体と、現像剤担持体に現像剤を供給する第1の現像剤供給部材と、現像剤担持体に現像剤を供給する第2の現像剤供給部材と、媒体を、像担持体に接触するように所定の搬送面に沿って搬送し、像担持体に担持された現像剤像を媒体に転写する手段と、現像剤担持体、第1の現像剤供給部材および第2の現像剤に対して、搬送面に直交する方向において搬送面から離れた側に配置され、現像剤を収容する収容室と、収容室内の現像剤を、第1の現像剤供給部材に供給するトナーと、第2の現像剤供給部材に供給するトナーとに振り分ける仕切り壁とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成ユニットを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像形成ユニット内において、搬送面に直交する方向(例えば鉛直方向)に移動する現像剤が、第1の現像剤供給部材の表面(外周)および第2の現像剤供給部材の表面に到達しやすいため、各現像剤供給部材から現像剤担持体に十分な量の現像剤が供給される。その結果、十分な画像濃度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の基本構成を示す側面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるプロセスカートリッジを示す断面図である。
【図3】供給ローラの現像ローラへの押し込み量の測定方法を説明するための模式図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の制御系を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるプロセスカートリッジ内のトナーの流れを示す概略図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態のプロセスカートリッジに対する第1の比較例(A)および第2の比較例(B)を示す図である。
【図7】供給ローラの現像ローラに対する周速比を変化させた場合の、現像ローラへのトナー供給量の変化を示すグラフである。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるプロセスカートリッジの他の構成例を示す断面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態のプロセスカートリッジの第1の変形例を示す断面図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態のプロセスカートリッジの第2の変形例を示す断面図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態のプロセスカートリッジの第3の変形例を示す断面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態のプロセスカートリッジを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置10の基本構成を示す図である。画像形成装置10は、例えばカラー電子写真プリンタであり、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの画像を形成する4つの画像形成ユニットとしてのプロセスカートリッジ11a,11b,11c,11dを有している。プロセスカートリッジ11a,11b,11c,11dは、記録媒体20の搬送路21に沿って上流側から順に(図1では右から左に)一列に配列されている。
【0013】
プロセスカートリッジ11a〜11dは、使用するトナー(現像剤)を除いて共通の構成を有し、いずれも、一方向(図1では時計回り)に回転する像担持体としての感光体ドラム14を有している。各プロセスカートリッジ11a〜11dの詳細については、後述する。プロセスカートリッジ11a〜11dのそれぞれの上方には、露光装置としてのLED(Light Emitting Diode)ヘッド13が配置されている。LEDヘッド13は、プロセスカートリッジ11a〜11dの各感光体ドラム14の表面を露光して、静電潜像を形成するものである。
【0014】
また、プロセスカートリッジ11a〜11dには、各色のトナーを収容した現像剤収容器としての着脱可能なトナーカートリッジ12が装着されている。各トナーカートリッジ12は共通の構成を有し、プロセスカートリッジ11a〜11dにトナーを補給する。
【0015】
画像形成装置10の下部には、記録媒体20(例えば印刷用紙)を積層して収納する給紙カセット31と、積層された記録媒体20を1枚ずつ分離させて給紙するためのホッピングローラ32とが配設されている。ホッピングローラ32は、回転することにより、記録媒体20を一枚ずつ搬送路21に送り出す。搬送路21には、記録媒体20のスキューを矯正してプロセスカートリッジ11a〜11dに搬送する搬送ローラ対33,34が配置されている。
【0016】
プロセスカートリッジ11a〜11dの下側には、記録媒体20を搬送し、各感光体ドラム14で形成されたトナー像を記録媒体20に転写する搬送転写手段としての転写ベルトユニット35(すなわち、媒体を搬送し、当該媒体に現像剤像を転写する手段)が配置されている。転写ベルトユニット35は、記録媒体20を吸着保持してプロセスカートリッジ11a〜11dに沿って搬送する転写ベルト36を有している。転写ベルト36は、駆動ローラ36aおよび従動ローラ36bに架け渡され、駆動ローラ36aの回転によって移動する。また、各感光体ドラム14との間で転写ベルト36を挟み込むように、4つの転写ローラ37が配置されている。転写ローラ37には、対向する感光体ドラム14との間で電界を形成するための電圧が印加されており、この電圧により、各感光体ドラム14に形成されたトナー像が記録媒体20に転写される。
【0017】
ここでは、転写ベルトユニット35(搬送転写手段)は、記録媒体20を、水平面(図2に示す搬送面CP)に沿って、プロセスカートリッジ11a〜11dを通過するように搬送する。記録媒体20が搬送される搬送面CPは、水平面に限定されるものではなく、傾斜面であってもよい。
【0018】
記録媒体20の搬送方向においてプロセスカートリッジ11a〜11dの下流側には、定着器41が配置されている。定着器41は、加熱ローラ41aとバックアップローラ41bとを有し、記録媒体20に転写されたトナー像を、熱および圧力を加えて記録媒体20に定着する。記録媒体20の搬送方向において定着器41の下流側には、定着器41から排出された記録媒体20を、搬送路21を経て排出する排出ローラ対42,43が設けられている。画像形成装置10の上部には、排出された記録媒体20を積載するためのスタッカ44が設けられている。
【0019】
次に、プロセスカートリッジ11a〜11dの構成について詳細に説明する。プロセスカートリッジ11a〜11dは、使用するトナーを除いて共通の構成を有しているため、「プロセスカートリッジ11」と総称して説明する。
【0020】
図2は、プロセスカートリッジ11の構成を示す断面図である。プロセスカートリッジ11は、上述した感光体ドラム14の周囲に、感光体ドラム14の表面を一様に帯電させる帯電部材としての帯電ローラ15と、(上記LEDヘッド13の露光により形成された)感光体ドラム14の表面の静電潜像をトナーにより現像する現像体担持体としての現像ローラ16と、現像ローラ16にトナーを供給する現像剤供給部材としての供給ローラ17,18と、現像ローラ16の表面に形成されるトナー層の厚さを規制する現像剤規制部材としての規制ブレード19とを有している。
【0021】
感光体ドラム14は、例えばアルミニウムで形成されたドラム形状の導体の表面に光導電層を形成したものである。感光体ドラム14は、その軸端部に駆動ギアを備え、図2において時計方向に回転駆動される。帯電ローラ15は、金属製のシャフトの表面に、エピクロルヒドリンなどの導電性の弾性体を被覆したものであり、感光体ドラム14の表面に接触するように配置されている。帯電ローラ15は、感光体ドラム14の回転に従動して回転し、回転開始と同時に高電圧(帯電電圧)が印加されて、感光体ドラム14の表面を均一に帯電させる。
【0022】
現像ローラ16は、金属製のシャフト16Aの表面にウレタンなどの導電性の弾性体を被覆したものである。現像ローラ16は、感光体ドラム14の回転方向においてLEDヘッド13よりも下流側で感光体ドラム14の表面に接触するように配置されている。現像ローラ16は、シャフト16Aの端部にギアを備え、感光体ドラム14からの駆動伝達により、感光体ドラム14の回転方向とは反対方向に回転する。また、現像ローラ16には回転開始と同時に高電圧が印加され、感光体ドラム14の表面との間に電界を形成し、この電界により、感光体ドラム14の表面の静電潜像にトナーを付着させる。
【0023】
供給ローラ17,18は、いずれも、金属製のシャフト17A,18Aの表面にシリコンなどの発泡性の弾性体を被覆したものであり、現像ローラ16に接触するように配置されている。供給ローラ17,18は、シャフト17A,18Aの端部にそれぞれギアを備え、感光体ドラム14からの駆動伝達によって、現像ローラ16の回転方向と同じ方向に回転する。供給ローラ17,18は、現像ローラ16と摺動接触してトナーを摩擦帯電させ、現像ローラ16にトナーを供給する。
【0024】
以下の説明では、2つの供給ローラ17,18のうち、現像ローラ16の回転方向における上流側で現像ローラ16に接触する供給ローラ17を「第1供給ローラ17」(第1の現像剤供給部材)と称する。また、この第1供給ローラ17よりも下流側で現像ローラ16に接触する供給ローラ18を「第2供給ローラ18」(第2の現像剤供給部材)と称する。第2供給ローラ18は、現像ローラ16の回転方向において、第1供給ローラ17と規制ブレード19との間に位置している。また、第1供給ローラ17は、鉛直方向において、第2供給ローラ18よりも下側に位置する。
【0025】
なお、ここでは、供給ローラ17,18を現像ローラ16に接触させているが、例えば静電力等により現像ローラ16に十分な量のトナーを供給することができる場合には、供給ローラ17,18が現像ローラ16から離間していてもよい。
【0026】
規制ブレード19は、例えばステンレスの薄板からなる弾性体ブレードであり、現像ローラ16の軸方向に長い形状を有している。規制ブレード19は、その幅方向の一端が、プロセスユニット11のフレーム50内に取り付けられたホルダ56に固定され、他端が現像ローラ16の表面に押し当てられている。規制ブレード19は、トナーを摩擦帯電させつつ、現像ローラ16の表面に付着するトナー層の厚さを規制して薄層化する。
【0027】
クリーニングブレード51は、例えばウレタンからなる弾性体ブレードであり、感光体ドラム14の軸方向に長い形状を有している。クリーニングブレード51は、その幅方向の一端が感光体ドラム14の表面に押し当てられており、トナー像の転写後に感光体ドラム14の表面に残留したトナーを掻き落とす。クリーニングブレード51の下側には、クリーニングブレード51で掻き落としたトナーをプロセスカートリッジ11の外部に搬送する回収トナー搬送スパイラル52が設けられている。
【0028】
プロセスカートリッジ11に着脱可能に取り付けられるトナーカートリッジ12は、プロセスカートリッジ11に補給するトナーを収容する現像剤収容器であり、その底部にトナー供給口12Aを有し、さらに、トナー供給口12Aを開閉するシャッタ53を有している。
【0029】
プロセスカートリッジ11のフレーム50は、現像ローラ16、供給ローラ17,18および規制ブレード19を収容する筺体である。フレーム50の上側には、プロセスカートリッジ11が装着されるカートリッジ装着部50Aが形成されており、このカートリッジ装着部50Aには、トナーカートリッジ12のトナー供給口12Aに対応するトナー補給口54が形成されている。トナー補給口54から補給されたトナーは、現像ローラ16、第1供給ローラ17、第2供給ローラ18、規制ブレード19およびフレーム50に囲まれた領域であるトナーホッパ(収容室)55に保持される。
【0030】
フレーム50は、また、Z方向(鉛直方向)に延在する外壁57を有しており、トナー補給口54からトナーホッパ55に供給されたトナーは、概ね、外壁57に沿ってZ方向の下方に移動する。また、外壁57の下側には、第1供給ローラ17に対向し、第1供給ローラ17の外周に沿った形状の壁部50Bが形成されている。このように構成すれば、トナーホッパ55の下側の領域に収容されたトナーが、回転する第1供給ローラ17に付着しやすくなる。
【0031】
トナーカートリッジ12をプロセスカートリッジ11に装着し、トナーカートリッジ12のシャッタ53によりトナー供給口12Aを開放すると、トナーカートリッジ12に収容されていたトナーが、トナー補給口54からプロセスカートリッジ11の内部に補給され、トナーホッパ55に収容される。トナーホッパ55に収容されたトナーは、第1供給ローラ17および第2供給ローラ18によって現像ローラ16に供給され、規制ブレード19で薄層化された後、現像ローラ16から感光体ドラム14に転写される。これにより、感光体ドラム14の表面に形成された静電潜像が現像され、トナー像が形成される。
【0032】
この実施の形態では、上記構成のプロセスカートリッジ11において、感光体ドラム14の外径(ドラム径)を30mm、現像ローラ16の外径(ローラ径)を20mmとし、第1供給ローラ17および第2供給ローラ18の外径をいずれも15mmとしている。
【0033】
第1供給ローラ17および第2供給ローラ18は、いずれも、現像ローラ16への押し込み量が1mmとなるように配置されている。また、第1供給ローラ17および第2供給ローラ18は、以下で説明するように、プロセスカートリッジ11を画像形成装置10に装着した状態で、第1供給ローラ17の外周が第2供給ローラ18の外周よりも外側(フレーム50の外壁57側)に突出するように配置されている。
【0034】
なお、第1供給ローラ17の現像ローラ16への押し込み量(N)は、図3に模式的に示すように、現像ローラ16の外径D1、第1供給ローラ17の外径D2、および、現像ローラ16のシャフト16Aの軸中心と第1供給ローラ17のシャフト17Aの軸中心との距離Lとから、以下の式により求められる。
N={(D1+D2)/2}−L
第2供給ローラ18の現像ローラ16への押し込み量も、同様に求められる。
【0035】
図2のプロセスカートリッジ11を画像形成装置10の本体に装着した状態で、感光体ドラム14の軸方向(現像ローラ16の軸方向)をX方向とする。また、記録媒体20が、感光体ドラム14に接触しながら搬送される際の搬送方向(移動方向)を、Y方向とする。従って、XY面は、上述した搬送面CPと平行である。XY面に垂直な方向を、Z方向とする。ここでは、XY面を水平面とし、Z方向を鉛直方向として説明するが、これらに限定されるものではない。
【0036】
また、図2において、第1供給ローラ17の現像ローラ16から離れた側(すなわち現像ローラ16との接触部とは反対側)の外周のZ方向の接線を「接線A」とする。また、第2供給ローラ18の現像ローラ16から離れた側の外周のZ方向の接線Bを「接線B」とする。併せて、現像ローラ16の供給ローラ17,18側の外周のZ方向の接線を「接線R」とする。
【0037】
本実施の形態では、第1供給ローラ17の現像ローラ16から離れた側の外周のZ方向の接線Aが、第2供給ローラ18の現像ローラ16から離れた側の外周のZ方向の接線Bよりも、現像ローラ16の外周のZ方向の接線Rからの距離が長くなるよう、各ローラ16,17,18が配置されている。
【0038】
言い換えると、各供給ローラ17,18は、Z方向(重力によるトナーの移動方向)において下側に位置する第1供給ローラ17が、上側に位置する第2供給ローラ18よりも外側(現像ローラ16の外周のZ方向の接線Rから遠い側)に突出した位置にある。つまり、第1供給ローラ17の表面(外周)が、トナーホッパ55内をZ方向に移動(降下)するトナーが到達しやすい位置にある。
【0039】
本実施の形態では、供給ローラ17,18の外径が同じであるため、現像ローラ16の外周と接線Rとの接点Pから、現像ローラ16と第1供給ローラ17との接触部までの距離が、上記接点Pから、現像ローラ16と第2供給ローラ18との接触部までの距離よりも短くなるように、各ローラ16,17,18を配置する。
【0040】
このように配置すれば、各供給ローラ17,18の外径が同じ場合に、上記のように第1供給ローラ17が第2供給ローラ18よりも外側に突出する構成を実現することができる。
【0041】
なお、各供給ローラ17,18のシャフト17A,18Aの各軸中心を通るZ方向の直線α,βと、現像ローラ16のシャフト16Aの軸中心を通るZ方向の直線γとを規定すると、直線γから直線βまでの距離は、直線γから直線αまでの距離よりも短い。
【0042】
また、第1供給ローラ17の上記接線Aおよび第2供給ローラ18の上記接線Bは、Y方向において、トナー補給口54の内側(すなわちトナー補給口54のY方向両端の間)に位置していることが好ましい。このように構成すれば、トナー補給口54からZ方向の下方に移動するトナーが、第1供給ローラ17の表面と第2供給ローラ18の表面に到達しやすいためである。
【0043】
現像ローラ16および供給ローラ17,18の回転方向は、以下のとおりである。まず、現像ローラ16の回転方向は、図2における反時計回り方向、すなわち感光体ドラム14の回転方向とは反対方向である。そのため、現像ローラ16と感光体ドラム14との接触部では、感光体ドラム14の表面(外周)の移動方向に対して、現像ローラ16の表面の移動方向は、順方向(同方向)となる。
【0044】
また、供給ローラ17,18の回転方向は、図2における反時計回り方向、すなわち現像ローラ16の回転方向と同方向である。そのため、第1供給ローラ17と現像ローラ16との接触部では、現像ローラ16の表面の移動方向に対して、第1供給ローラ17の表の移動方向は、カウンタ方向(反対方向)となる。同様に、第2供給ローラ18と現像ローラ16との接触部では、現像ローラ16の表面の移動方向に対して、第2供給ローラ18の表面の移動方向は、カウンタ方向となる。これにより、供給ローラ17,18に付着したトナーを、機械的に現像ローラ16側に掻き取ることができ、(同じトナーが供給ローラ17,18の表面に留まることによる)トナーの帯電過剰を防止することができる。
【0045】
なお、供給ローラ17,18の回転方向が上記方向に限定されないことは言うまでもない。トナーおよび供給ローラ17,18の特性に応じて、トナーを供給ローラ17,18から現像ローラ16側に効果的に移動させることができればよい。
【0046】
ここでは、現像ローラ16、第1供給ローラ17および第2供給ローラ18の周速は、例えば、それぞれ200mm/秒、160mm/秒および160mm/秒である。また、現像ローラ16、第1供給ローラ17および第2供給ローラ18の印加電圧は、例えば、それぞれ−200V、−300Vおよび−300Vである。
【0047】
現像ローラ16の印加電圧と供給ローラ17,18の各印加電圧との関係は、摩擦帯電したトナーが、静電力により第1供給ローラ17および第2供給ローラ18から現像ローラ16側に向かう方向に電界を生じる関係であればよい。例えば、負帯電性のトナーを用い、各印加電圧を負電圧とした場合には、第1供給ローラ17および第2供給ローラ18のそれぞれの印加電圧の絶対値が、現像ローラ16の印加電圧の絶対値よりも大きければよい。また、第1供給ローラ17および第2供給ローラ18の印加電圧は、同一でなくてもよい。
【0048】
次に、画像形成装置10の制御系について説明する。図4は、画像形成装置10の制御系を示すブロック図である。
【0049】
図4に示すように、画像形成装置10に設けられた記録制御部80は、各プロセスカートリッジ11の帯電ローラ15に帯電電圧を印加する帯電電圧制御部81と、現像ローラ16に現像電圧を印加する現像電圧制御部82と、第1供給ローラ17に供給電圧を印加する第1供給電圧制御部83と、第2供給ローラ18に供給電圧を印加する第2供給電圧制御部84と、規制ブレード19に規制ブレード電圧を印加する規制ブレード電圧制御部85と、転写ローラ37に転写電圧を印加する転写電圧制御部86とを制御する。
【0050】
また、記録制御部80は、入力された画像データに応じてLEDヘッド13を発光させるLED発光制御部87と、定着器41のヒータを制御する定着制御部88とを制御する。さらに、記録制御部80は、各プロセスカートリッジ11の感光体ドラム14を回転させるモータ、並びに、記録媒体20を給紙搬送するホッピングローラ32、搬送ローラ対33,34、転写ローラ37および排出ローラ対42,43を回転させる各モータを駆動制御するモータ制御部90を制御する。
【0051】
記録制御部80は、画像形成装置10の全体の制御を司るコントローラ8によって制御される。
【0052】
次に、画像形成装置10の動作について、図1、図2および図4を参照して説明する。
画像形成装置10のコントローラ8は、外部の上位装置(例えばパーソナルコンピュータ)から送信された画像データを受信すると、その画像データを、コントローラ8内の画像処理回路を介して記録制御部80に送信する。記録制御部80は、モータ制御部90を介してホッピングローラ32および搬送ローラ対33,34等を回転させて記録媒体20の給紙・搬送を開始し、LED発光制御部87に画像データを送信する。また、記録媒体20が各プロセスカートリッジ11に達するタイミングで、各電圧制御部81〜86により、帯電ローラ15、現像ローラ16、供給ローラ17,18、規制ブレード19および転写ローラ37に電圧を印加し、さらに、LED発光制御部87によりLEDヘッド13を画像データに応じて発光させる。これにより、各プロセスカートリッジ11の感光体ドラム14の表面に、静電潜像が形成される。
【0053】
各プロセスカートリッジ11では、図2に示すように、トナーカートリッジ12からトナー補給口54を介して補給されたトナーが、フレーム50内のホッパ55に収容され、第1供給ローラ17および第2供給ローラ18を経て現像ローラ16に供給され、規制ブレード19で薄層化された後、感光体ドラム14に供給される。これにより、感光体ドラム14の表面に形成された静電潜像が現像され、トナー像が形成される。
【0054】
感光体ドラム14の表面に形成されたトナー像は、感光体ドラム14と転写ローラ37との接触部において、両者の電位差により、転写ベルト36上の記録媒体20に転写される。記録媒体20がプロセスカートリッジ11a〜11dを通過することにより、記録媒体20上に4色のトナー像が転写される。
【0055】
トナー像が転写された記録媒体20は、転写ベルト36によって定着器41に搬送される。定着器41では、熱および圧力によってトナーが溶融して記録媒体20に定着される。トナー像が定着された記録媒体20は、排出ローラ42により画像形成装置10から排出され、スタッカ43上に載置される。これにより、記録媒体20の表面に画像を形成する画像形成プロセスが完了する。
【0056】
図5は、例えばベタ画像の連続印刷時における、プロセスカートリッジ11内のトナーの流れを示す概略図である。トナーカートリッジ12から補給されたトナーは、プロセスカートリッジ11のトナーホッパ55内を、フレーム50の外壁57に沿ってZ方向の下方(鉛直下方)に移動し、第1供給ローラ17および第2供給ローラ18の表面の主に上側の領域に堆積する。このとき、第1供給ローラ17の表面の領域Cに付着したトナーは、第1供給ローラ17の回転により、第1供給ローラ17と現像ローラ16との接触部である領域Dに到達する。
【0057】
領域Dに到達したトナーは、現像ローラ16との摩擦により帯電されると共に、現像ローラ16の表面に静電的に付着し、現像ローラ16の回転によって、現像ローラ16と第2供給ローラ18との接触部の入り口部分である領域Eに到達する。
【0058】
領域Eに到達したトナーの一部は、第2供給ローラ18の表面に付着し、その多くは、第2供給ローラ18の回転により搬送される。一方、第2供給ローラ18に付着せずに現像ローラ16上に留まったトナーは、現像ローラ16と第2供給ローラ18との接触部を通過する。
【0059】
現像ローラ16と第2供給ローラ18との接触部の出口部分である領域Fでは、現像ローラ16と第2供給ローラ18との接触部を通過したトナーと、第1供給ローラ17から現像ローラ16を経由して第2供給ローラ18に付着して搬送されたトナーと、トナーカートリッジ12から補給されて第2供給ローラ18の上側の領域Gに付着したトナーとが合流する。領域Fで合流したトナーは、現像ローラ16との摩擦によりさらに帯電し、現像ローラ16に静電的に付着して、規制ブレード19との接触部である領域Hに到達する。
【0060】
領域Hに到達したトナーは、現像ローラ16と規制ブレード19とにより摩擦帯電され、さらにトナー層の厚さが規制された後、現像ローラ16の回転により、現像ローラ16と感光体ドラム14との接触部である領域Iに到達する。領域Iに到達したトナーは、表面に静電潜像が形成された感光体ドラム14に付着し、静電潜像を現像する。
【0061】
ベタ画像を連続印刷する場合には、現像ローラ16上のトナーのほぼ全てが静電潜像の現像によって消費されることになるが、本実施の形態では、第1供給ローラ17により、現像ローラ16と第2供給ローラ18との接触部(領域E)に多くのトナーが送り込まれるため、現像ローラ16に付着して搬送されるトナーおよび第2供給ローラ18に付着して搬送されるトナーの量を増加させることができる。さらに、第1供給ローラ17の外周が、第2供給ローラ18の外周よりも外側に突出しているため、トナーホッパ55内をZ方向の下方に移動するトナーが、上側の第2供給ローラ18だけでなく、下側の第1供給ローラ17にも到達しやすく、その結果、より多くの量のトナーを供給ローラ17,18から現像ローラ16に供給することができる。
【0062】
次に、本実施の形態のプロセスカートリッジ11を用いた実験結果について説明する。ここでは、供給ローラ17,18の現像ローラ16に対する周速比を変えた場合のトナー供給量の変化を測定した。
【0063】
また、本実施の形態のプロセスカートリッジに対する第1の比較例として、図6(A)に示すように、一本の供給ローラのみ(ここでは第1供給ローラ108)を有するプロセスカートリッジを用いて実験を行った。図6(A)に示すプロセスカートリッジは、供給ローラを一本のみ有する以外は、本実施の形態におけるプロセスカートリッジと同様に構成されている。
【0064】
また、第2の比較例として、図6(B)に示すプロセスカートリッジを用いて実験を行った。図6(B)に示すプロセスカートリッジは、現像ローラ16に接触する2本の供給ローラ107,108のうち、Z方向(鉛直方向)における上側の第2供給ローラ108の外周を、下側の第1供給ローラ107の外周よりも外側(現像ローラ16から遠い側)に突出させたものである。他の構成は、本実施の形態におけるプロセスカートリッジと同様である。
【0065】
図7に、供給ローラの現像ローラに対する周速比を0.5〜3.0の範囲で変えた場合のトナー供給量の変化を示す。ここでは、プロセスカートリッジを装着した画像形成装置10によりベタ画像を連続印刷したのち、現像ローラ16の表面に付着したトナーの量を測定し、その値を現像ローラ16へのトナー供給量とした。図7において、縦軸は、現像ローラへのトナー供給量であり、横軸は、供給ローラの現像ローラに対する周速比である。なお、供給ローラ17,18(供給ローラ107,108)の周速は、互いに同じとする。
【0066】
図7において、本実施の形態のプロセスカートリッジ11を用いた実験結果をプロットP1で示す。また、第1の比較例(図6(A))のプロセスカートリッジを用いた実験結果をプロットP2で示し、第2の比較例(図6(B))のプロセスカートリッジを用いた実験結果をプロットP3で示す。
【0067】
図7から、2つの供給ローラを設けた第2の比較例(プロットP3)では、供給ローラを1つのみ設けた第1の比較例(プロットP2)よりもトナー供給量が大きいが、その増加分は比較的小さいことが分かる。これに対し、本実施の形態(プロットP1)では、第1および第2の比較例よりも更に大きなトナー供給量が得られている。例えば、第1の比較例(プロットP2)では現像ローラに対する供給ローラの周速比が3倍のときと同じトナー供給量を、本実施の形態(プロットP1)では、現像ローラに対する供給ローラの周速比が0.8倍のときに達成している。
【0068】
このような結果が得られたのは、本実施の形態において、2本の供給ローラ17,18のうちZ方向(トナーの移動方向)において下側に配置された第1供給ローラ17の外周が、上側の第2供給ローラ18の外周よりも外側に突出しているため、図4に示したように、トナーホッパ55内をZ方向の下方に移動するトナーが、上側の第2供給ローラ18だけでなく、下側の第1供給ローラ17にも到達しやすく、これにより十分な量のトナーを供給ローラ17,18から現像ローラ16に供給できたためと考えられる。
【0069】
以上説明したように、この実施の形態では、現像ローラ16に現像剤を供給する2本の供給ローラ17,18のうち、Z方向の下側に配置された第1供給ローラ17の外周が、上側の第2供給ローラ18の外周よりも外側に突出するように構成したことにより、ベタ画像を連続印刷するのに十分な量のトナーを現像ローラ16に供給することができる。その結果、画像濃度を安定させ、高い画像品質を維持することができる。
【0070】
また、供給ローラ17,18の現像ローラ16に対する周速比を1倍以下に設定することができるため、供給ローラ17,18の磨耗を低減させ、プロセスカートリッジ11の寿命を長くすることができる。
【0071】
さらに、4つのプロセスカートリッジ11a〜11dを配列して1回の用紙走行でカラー印刷を行うタンデム型のカラープリンタにおいて、トナーカートリッジ12をプロセスカートリッジ11a〜11dの上部に装着する構成において、上記のように十分なトナー供給量を確保することができるため、高画像品質の小型カラープリンタを実現することができる。
【0072】
なお、ここでは、記録媒体20の搬送面CPが水平面である場合について説明したが、図8に示すように、搬送面CPが水平面に対して傾斜していてもよい。この場合、第1供給ローラ17が、第2搬送ローラ18よりも、搬送面CPに直交する方向(Z方向)において搬送面CPに近い側に配置され、なお且つ、第1供給ローラ17における現像ローラ16から離れた側の外周のZ方向の接線Aが、第2供給ローラ18における現像ローラ16ら離れた側の外周のZ方向の接線Bよりも、搬送面CPと平行な面内(XY面内)における現像ローラ16からの距離が長くなるように、各ローラ16,17,18が配置されていればよい。また、トナーホッパ55は、搬送面CPと直交する方向において搬送面から離れた側に位置していればよい。
【0073】
なお、このように搬送面CPを基準とする理由は、以下のとおりである。プロセスカートリッジ11a〜11dは、一般に、搬送面CPに対して、フレーム50の外壁57が直交するように設計される。また、トナーホッパ55内のトナーの移動方向は、概ね、外壁57と平行な方向となる。従って、第1供給ローラ17、第2供給ローラ18および現像ローラ16を上記のように配置することで、第2供給ローラ18だけでなく、第1供給ローラ17の表面に到達するトナー量を多く確保することができ、画像濃度を安定させることができる。
【0074】
また、プロセスカートリッジ11内には、供給ローラ17,18の上側に収容されたトナーを撹拌するための撹拌ローラを設けてもよい。また、以下に説明する変形例のように構成することも可能である。
【0075】
第1の変形例.
図9に、本実施の形態の第1の変形例に係るプロセスカートリッジ11Aを示す。図9に示す第1の変形例のプロセスカートリッジ11Aは、上述した実施の形態1のプロセスカートリッジ11(図2)に対して、供給ローラの外径および配置が異なるものである。
【0076】
第1の変形例では、第1供給ローラ27および第2供給ローラ28の外径が互いに異なる。また、第1供給ローラ27と現像ローラ16との接触部Mと、第2供給ローラ28と現像ローラ16との接触部Nとでは、第2供給ローラ28と現像ローラ16との接触部Nの方が、現像ローラ16の外周のZ方向の接線Rとの接触部Pに近くなっている。ここでは、第1供給ローラ27の外径は16mmであり、第2供給ローラ28の外径は11mmである。なお、現像ローラ16の外径は20mmである。
【0077】
これにより、プロセスカートリッジ11Aを画像形成装置10に装着した状態で、第1供給ローラ27の現像ローラ16から離れた側の外周のZ方向の接線Aが、第2供給ローラ28の現像ローラ16から離れた側の外周のZ方向の接線Bよりも、現像ローラ16の外周のZ方向の接線Rからの距離が長くなる配置を実現している。
【0078】
すなわち、現像ローラ16にトナーを供給する供給ローラ27,28のうち、Z方向(トナーの移動方向)において下側に位置する第1供給ローラ27が、上側に位置する第2供給ローラ28よりも外側に突出した位置、つまり、トナーホッパ55内をZ方向の下方に移動するトナーが到達しやすい位置にある。
【0079】
そのため、この第1の変形例においても、ベタ画像を連続印刷するのに十分なトナーを現像ローラ16に供給することができ、画像濃度を安定させ、画像品質を維持することができる。
【0080】
また、この第1の変形例では、供給ローラ27,28の外径が異なるため、第2供給ローラ28のシャフト28Aの中心を通るZ方向の直線βが、第1供給ローラ27のシャフト27Aの中心を通るZ方向の直線αよりも、現像ローラ16のシャフト16Aの中心を通るZ方向の直線γからの距離が短くなるような配置(図2)を採用する必要がない。そのため、供給ローラ27,28の配置を、比較的自由に設定することができる。
【0081】
第2の変形例.
図10に、本実施の形態の第2の変形例に係るプロセスカートリッジ11Bを示す。図10に示す第2の変形例のプロセスカートリッジ11Bは、上述した実施の形態1のプロセスカートリッジ11(図2)の第1供給ローラ17の代わりに、一組のローラ対101,102を設けたものである。
【0082】
ローラ対101,102の第1ローラ101は、現像ローラ16の表面(外周)に接触するように配置され、第2ローラ102は、第1ローラ101の表面に接触するように配置されている。ローラ対101,102の回転方向は、いずれも現像ローラ16と同方向である。従って、現像ローラ16と第1ローラ101との接触部における両ローラの表面の移動方向は、互いにカウンタ方向(反対方向)となる。また、第1ローラ101と第2ローラ102との接触部における両ローラの表面の移動方向は、互いにカウンタ方向となる。第1ローラ101および第2ローラ102の外径は、同じでもよく、異なっていてもよい。
【0083】
また、プロセスカートリッジ11Bを画像形成装置10に装着した状態において、第1ローラ102の現像ローラ16から離れた側の外周のZ方向の接線Aが、第2供給ローラ18の現像ローラ16から離れた側の外周のZ方向の接線Bよりも、現像ローラ16の外周のZ方向の接線Rからの距離が長くなるよう、各ローラ16,18,101,102が配置されている。
【0084】
すなわち、ローラ対101,102および第2供給ローラ18のうち、Z方向(トナーの移動方向)において下側に位置するローラ対101,102の第2ローラ102が、上側に位置する第2供給ローラ18よりも外側に突出した位置、つまり、トナーホッパ55内をZ方向の下方に移動するトナーが到達しやすい位置にある。そのため、この第2の変形例においても、ベタ画像を連続印刷するのに十分なトナーを現像ローラ16に供給することができ、画像濃度を安定させ、画像品質を維持することができる。
【0085】
第3の変形例.
図11に、本実施の形態の第3の変形例に係るプロセスカートリッジ11Cを示す。図11に示す第3の変形例のプロセスカートリッジ11Cは、上述した実施の形態1のプロセスカートリッジ11(図2)の第1供給ローラ17の代わりに、一組のローラ対101,102と無端ベルト103とを設けたものである。
【0086】
ローラ対101,102のうち、第1ローラ101は、現像ローラ16の表面に対向配置され、第2ローラ102は、第1ローラ101から一定距離をあけて平行に配置されている。ローラ対101,102に架け渡された無端ベルト103は、第1ローラ101によって現像ローラ16の表面に押し当てられている。ローラ対101,102の回転方向は同方向であり、現像ローラ16の回転方向と同方向である。ローラ対101,102の回転により無端ベルト103が周回移動する。
【0087】
また、プロセスカートリッジ11Cを画像形成装置10に装着した状態において、第2ローラ102の現像ローラ16から離れた側の外周のZ方向の接線Aが、第2供給ローラ18の現像ローラ16から離れた側の外周の接線Bよりも、現像ローラ16の外周のZ方向の接線Rからの距離が長くなるよう、各ローラ16,18,101,102が配置されている。
【0088】
この第3の変形例においても、第2の変形例と同様、Z方向(トナーの移動方向)において下側に位置するローラ対101,102の第2ローラ102が、上側に位置する第2供給ローラ18よりも外側に突出した位置、つまり、トナーホッパ55内をZ方向に移動するトナーが到達しやすい位置にある。そのため、この第3の変形例においても、ベタ画像を連続印刷するのに十分なトナーを現像ローラ16に供給することができ、画像濃度を安定させ、画像品質を維持することができる。
【0089】
第2の実施の形態.
図12は、本発明の第2の実施の形態のプロセスカートリッジ61(画像形成ユニット)を示す断面図である。第1の実施の形態で説明した構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付す。
【0090】
第2の実施の形態のプロセスカートリッジ61は、第2供給ローラ68の現像ローラ16とから離れた側(現像ローラ16との接触部とは反対側)の外周に沿って形成された仕切り壁70を備えている。この仕切り壁70は、例えば、プロセスカートリッジ61のフレーム50と一体に形成されている。
【0091】
より具体的には、仕切り壁70は、第2供給ローラ68のシャフト68Aと略同じ高さから上方(トナーカートリッジ12側)にZ方向に延在する第1の壁部71と、第2供給ローラ68のシャフト68Aと略同じ高さから下方に、第2供給ローラ68の外周に沿って延在する第2の壁部72とを有している。仕切り壁70の第1の壁部71は、フレーム50に形成されたトナー補給口54のY方向中央にほぼ位置している。第2の壁部72は、例えば、第1供給ローラ67と第2供給ローラ68との間まで達している。
【0092】
仕切り壁70は、トナー補給口54から補給されて重力によりZ方向の下方に移動するトナーを、図中右側(フレーム50の外壁57側)に移動するトナーと、図中左側(第2供給ローラ68側)に移動するトナーとに振り分けるものである。
【0093】
ここでは、感光体ドラム14の外径(ドラム径)は30mmであり、現像ローラ16の外径(ローラ径)は20mmである。第1供給ローラ67および第2供給ローラ68の外径は、いずれも13mmであり、第1供給ローラ67および第2供給ローラ68の現像ローラ16への押し込み量は、いずれも1mmである。押し込み量の測定方法は、図3を参照して説明したとおりである。
【0094】
また、各供給ローラ17,18の周速は、第1の実施の形態で説明したように、現像ローラ16の周速よりも小さく設定されている。現像ローラ16および各供給ローラ17,18の印加電圧および周速の具体例は、第1の実施の形態で説明したとおりである。また、フレーム50の下側の壁部50Bが、第1供給ローラ67の外周面に沿った形状を有していることが好ましいことも、第1の実施の形態で説明したとおりである。
【0095】
第2の実施の形態のプロセスカートリッジ61におけるトナーの流れは、以下のとおりである。
【0096】
トナーカートリッジ12からトナー補給口54を経て補給されたトナーは、トナーホッパ55内をZ方向の下方に移動し、仕切り壁70によってフレーム50の外壁57側(図中右側)に移動するトナーと、図中左側(第2供給ローラ68側)に移動するトナーとに振り分けられる。
【0097】
フレーム50の外壁57側に振り分けられたトナーは、第1供給ローラ17の外周とフレーム50の外壁57と仕切り壁70とに囲まれた領域Pに収容される。領域Pにおいて第1供給ローラ67の表面(外周)に達したトナーは、第1供給ローラ67の回転によって現像ローラ16との接触部に到達し、現像ローラ16との摩擦により帯電されるとともに現像ローラ16の表面に静電的に付着し、現像ローラ16の回転により、現像ローラ16と第2供給ローラ68との接触部に到達する。
【0098】
現像ローラ16と第2供給ローラ68との接触部に到達したトナーの一部は、第2供給ローラ68に付着し、その多くは第2供給ローラ68の表面に付着した状態で、第2供給ローラ68の回転により搬送される。第2供給ローラ68に付着せずに現像ローラ16の上に留まったトナーは、現像ローラ16と第2供給ローラ68との接触部を通過する。
【0099】
また、仕切り壁70の第2供給ローラ68側(図中左側)に振り分けられたトナーは、第2供給ローラ18の外周と規制ブレード19と仕切り壁70とで囲まれた領域Qに収容される。領域Qにおいて第2供給ローラ68の表面に達したトナーは、第1供給ローラ67から現像ローラ16を経由して第2供給ローラ68に付着して搬送されたトナーと混合され、第2供給ローラ68と現像ローラ16との接触部の出口部分に到達し、現像ローラ16と第2供給ローラ68との接触部を通過したトナーと合流する。トナーは現像ローラ16との摩擦によりさらに帯電して現像ローラ16に静電的に付着し、現像ローラ16の回転により、規制ブレード19との接触部に搬送される。
【0100】
現像ローラ19と規制ブレード19との接触部に到達したトナーは、規制ブレード19との接触により摩擦帯電され、またトナー層の厚さが均一化された後、現像ローラ16の回転により現像ローラ16と感光体ドラム14との接触部に搬送される。現像ローラ16と感光体ドラム14との接触部に達したトナーは、静電潜像が形成された感光体ドラム14に付着し、静電潜像を現像する。
【0101】
このように、本発明の第2の実施の形態では、トナーホッパ55内に仕切り壁70を設け、トナー補給口54から補給されたトナーを第1供給ローラ67側と第2供給ローラ68側とに振り分けるように構成している。そのため、下側に配置されている第1供給ローラ67の周囲のトナーの量が少なくなった状態でも、上側に配置されている第2供給ローラ68の周囲(すなわち、第2供給ローラ68と仕切り壁70と規制ブレード19とで囲まれた空間)にトナーが収容されているため、現像ローラ16に十分な量のトナーを供給することができる。その結果、画像濃度を安定させ、画像品質を維持することができる。
【0102】
また、第1の実施の形態と同様、供給ローラ17,18の現像ローラ16に対する周速比を1倍以下に設定することで、供給ローラ17,18の磨耗を低減させ、プロセスカートリッジ11の寿命を長くすることができる。
【0103】
なお、第2の実施の形態におけるプロセスカートリッジ61(画像形成ユニット)は、図12に示した構成に限定されるものではなく、トナーホッパ55内に仕切り壁70を設け、トナーカートリッジ12から補給されたトナーを第1供給ローラ67側と第2供給ローラ68側とに振り分けることができるものであればよい。従って、例えば、仕切り壁70は、フレーム50と一体に形成されている必要はなく、板金をフレームにねじ止め固定したものであっても良い。また、第1および第2供給ローラ67,68の外径が異なっていても良い。
【0104】
また、第1の実施の形態において説明したように、記録媒体20の搬送面CPが水平面に対して傾斜している場合には(図9参照)、トナーホッパ55は、搬送面CPと直交する方向において搬送面から離れた側に位置していればよい。また、仕切り壁70は、搬送面CPと平行な方向(Y方向)においてトナー補給口54の内側に位置し、搬送面CPに直交する方向に延在していればよい。
【0105】
上述した第1の実施の形態およびその変形例と、第2の実施の形態とは、適宜組み合わせてもよい。例えば図2に示したプロセスカートリッジ11に、第2の実施の形態の仕切り壁70を加えてもよい。
【0106】
また、上述した第1の実施の形態、その変形例および第2の実施の形態では、転写ベルトユニット35によって記録媒体20を搬送し、この記録媒体20にトナー像(現像剤像)を転写する直接転写方式について説明したが、本発明は直接転写方式に限定されるものではない。すなわち、感光体ドラム14から転写ベルトユニット35の転写ベルト36にトナー像を転写(1次転写)し、さらに転写ベルト36から記録媒体20にトナー像を転写(2次転写)する中間転写方式を用いてもよい。この場合、転写ベルト36が「媒体」に対応し、転写ベルト36が感光体ドラム14に接触しながら移動する際の搬送面が、上述した直接転写方式における記録媒体20の搬送面CPに対応する。
【符号の説明】
【0107】
10 画像形成装置、 11,11a,11b,11c,11d,61 プロセスカートリッジ(画像形成ユニット)、 12 トナーカートリッジ、 14 感光体ドラム(像担持体)、 16 現像ローラ(現像剤担持体)、 17,27 第1供給ローラ(第1の現像剤供給部材)、 18,28 第2供給ローラ(第2の現像剤供給部材)、 19 規制ブレード(現像剤規制部材)、 20 記録媒体(媒体)、 35 転写ベルトユニット、 36 転写ローラ、 50 フレーム、 50B 壁部、 54 トナー補給口、 57 外壁、 70 仕切り板、 71 第1の壁部、 72 第2の壁部、 101 第1ローラ、 102 第2ローラ、 103 ベルト。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、
前記像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に現像剤を供給する第1の現像剤供給部材と、
前記現像剤担持体に現像剤を供給する第2の現像剤供給部材と、
媒体を、前記像担持体に接触するように所定の搬送面に沿って搬送し、前記像担持体に担持された現像剤像を媒体に転写する手段と
を備え、
前記第1の現像剤供給部材は、前記第2の現像剤供給部材よりも、前記搬送面に直交する方向において前記搬送面に近い側に配置され、
前記第1の現像剤供給部材における前記現像剤担持体から離れた側の外周の、前記搬送面に直交する方向の接線が、前記第2の現像剤供給部材における前記現像剤担持体から離れた側の外周の同方向の接線よりも、前記搬送面と平行な面内における前記現像剤担持体からの距離が長くなるように、前記第1および前記第2の現像剤供給部材が配置されていることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項2】
前記搬送面は、水平面であり、
前記搬送面に直交する方向は、鉛直方向であり、
前記搬送面に近い側は、下側であること
を特徴とする請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項3】
前記現像剤担持体の外周の移動方向において、前記第1の現像剤供給部材は、前記第2の現像剤供給部材よりも上流側に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成ユニット。
【請求項4】
前記現像剤担持体の外周の移動方向において、前記第1の現像剤供給部材および前記第2の現像剤供給部材よりもさらに上流側に、前記現像剤担持体の外周に付着する現像剤層の厚さを規制する現像剤規制部材が配置されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成ユニット。
【請求項5】
前記第1の現像剤供給部材および前記第2の現像剤供給部材は、いずれも、前記現像剤担持体の外周に接触していることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項6】
前記第1の現像剤供給部材と前記現像剤担持体との接触部において互いの外周の移動方向が反対方向であり、前記第2の現像剤供給部材と前記現像剤担持体との接触部において互いの外周の移動方向が反対方向であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成ユニット。
【請求項7】
前記現像剤担持体、前記第1の現像剤供給部材および前記第2の現像剤供給部材に対して、前記搬送面に直交する方向において前記搬送面から離れた側に、現像剤を収容する収容室を有することを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項8】
現像剤の補給を受ける現像剤補給口を有し、
前記第1の現像剤供給部材における前記現像剤担持体から離れた側の外周の鉛直方向の前記接線と、前記第2の現像剤供給部材における前記現像剤担持体から離れた側の外周の鉛直方向の前記接線とが、前記搬送面と平行な面内において、前記現像剤補給口の内側に位置していることを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項9】
前記第1の現像剤供給部材の外周に沿って形成された壁部を有することを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項10】
前記第1の現像剤供給部材の周速および前記第2の現像剤供給部材の周速が、前記現像剤担持体の周速よりも小さいことを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第1の現像剤供給部材の外径が、前記第2の現像剤供給部材の外径よりも大きいことを特徴とする請求項1から10までのいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項12】
前記第1の現像剤供給部材が、少なくとも一つのローラで構成されていることを特徴とする請求項1から11までのいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項13】
前記第1の現像剤供給部材が、2つのローラで構成されていることを特徴とする請求項12に記載の画像形成ユニット。
【請求項14】
前記第1の現像剤供給部材が、2つのローラと、当該2つのローラに架け渡されたベルトとで構成されていることを特徴とする請求項12に記載の画像形成ユニット。
【請求項15】
前記媒体は、記録媒体であり、
前記手段は、前記記録媒体を、前記像担持体に接触するように所定の搬送面に沿って搬送し、前記像担持体に担持された現像剤像を前記記録媒体に直接転写すること
を特徴とする請求項1から14までのいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項16】
像担持体と、
前記像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体と
前記現像剤担持体に現像剤を供給する第1の現像剤供給部材と、
前記現像剤担持体に現像剤を供給する第2の現像剤供給部材と、
媒体を、前記像担持体に接触するように所定の搬送面に沿って搬送し、前記像担持体に担持された現像剤像を媒体に転写する手段と、
前記現像剤担持体、前記第1の現像剤供給部材および前記第2の現像剤に対して、前記搬送面に直交する方向において前記搬送面から離れた側に配置され、現像剤を収容する収容室と、
前記収容室内の現像剤を、前記第1の現像剤供給部材に供給するトナーと、前記第2の現像剤供給部材に供給するトナーとに振り分ける仕切り壁と
を備えたことを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項17】
前記搬送面は水平面であり、前記搬送面に直交する方向は鉛直方向であることを特徴とする請求項16に記載の画像形成ユニット。
【請求項18】
前記収容室が、前記搬送面に直交する方向において前記搬送面から離れた側に、現像剤の補給を受ける現像剤補給口を有することを特徴とする請求項16または17に記載の画像形成ユニット。
【請求項19】
前記仕切り壁が、前記搬送面と平行な面内において、前記現像剤補給口の内側に位置していることを特徴とする請求項18に記載の画像形成ユニット。
【請求項20】
前記仕切り壁が、前記搬送面に直交する方向に延在する第1の壁部と、前記第1および前記第2の現像剤供給部材の間に延在する第2の壁部とを有することを特徴とする請求項16から19までのいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項21】
前記仕切り壁の前記第2の壁部は、前記第2の現像剤供給部材の外周に沿って延在していることを特徴とする請求項20に記載の画像形成ユニット。
【請求項22】
前記第1の現像剤供給部材の周速および前記第2の現像剤供給部材の周速が、前記現像剤担持体の周速よりも小さいことを特徴とする請求項16から21までのいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項23】
前記媒体は、記録媒体であり、
前記手段は、前記記録媒体を、前記像担持体に接触するように所定の搬送面に沿って搬送し、前記像担持体に担持された現像剤像を前記記録媒体に直接転写すること
を特徴とする請求項16から22までのいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項24】
請求項1から23までのいずれか1項に記載の画像形成ユニットを有する画像形成装置。
【請求項1】
像担持体と、
前記像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に現像剤を供給する第1の現像剤供給部材と、
前記現像剤担持体に現像剤を供給する第2の現像剤供給部材と、
媒体を、前記像担持体に接触するように所定の搬送面に沿って搬送し、前記像担持体に担持された現像剤像を媒体に転写する手段と
を備え、
前記第1の現像剤供給部材は、前記第2の現像剤供給部材よりも、前記搬送面に直交する方向において前記搬送面に近い側に配置され、
前記第1の現像剤供給部材における前記現像剤担持体から離れた側の外周の、前記搬送面に直交する方向の接線が、前記第2の現像剤供給部材における前記現像剤担持体から離れた側の外周の同方向の接線よりも、前記搬送面と平行な面内における前記現像剤担持体からの距離が長くなるように、前記第1および前記第2の現像剤供給部材が配置されていることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項2】
前記搬送面は、水平面であり、
前記搬送面に直交する方向は、鉛直方向であり、
前記搬送面に近い側は、下側であること
を特徴とする請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項3】
前記現像剤担持体の外周の移動方向において、前記第1の現像剤供給部材は、前記第2の現像剤供給部材よりも上流側に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成ユニット。
【請求項4】
前記現像剤担持体の外周の移動方向において、前記第1の現像剤供給部材および前記第2の現像剤供給部材よりもさらに上流側に、前記現像剤担持体の外周に付着する現像剤層の厚さを規制する現像剤規制部材が配置されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成ユニット。
【請求項5】
前記第1の現像剤供給部材および前記第2の現像剤供給部材は、いずれも、前記現像剤担持体の外周に接触していることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項6】
前記第1の現像剤供給部材と前記現像剤担持体との接触部において互いの外周の移動方向が反対方向であり、前記第2の現像剤供給部材と前記現像剤担持体との接触部において互いの外周の移動方向が反対方向であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成ユニット。
【請求項7】
前記現像剤担持体、前記第1の現像剤供給部材および前記第2の現像剤供給部材に対して、前記搬送面に直交する方向において前記搬送面から離れた側に、現像剤を収容する収容室を有することを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項8】
現像剤の補給を受ける現像剤補給口を有し、
前記第1の現像剤供給部材における前記現像剤担持体から離れた側の外周の鉛直方向の前記接線と、前記第2の現像剤供給部材における前記現像剤担持体から離れた側の外周の鉛直方向の前記接線とが、前記搬送面と平行な面内において、前記現像剤補給口の内側に位置していることを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項9】
前記第1の現像剤供給部材の外周に沿って形成された壁部を有することを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項10】
前記第1の現像剤供給部材の周速および前記第2の現像剤供給部材の周速が、前記現像剤担持体の周速よりも小さいことを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第1の現像剤供給部材の外径が、前記第2の現像剤供給部材の外径よりも大きいことを特徴とする請求項1から10までのいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項12】
前記第1の現像剤供給部材が、少なくとも一つのローラで構成されていることを特徴とする請求項1から11までのいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項13】
前記第1の現像剤供給部材が、2つのローラで構成されていることを特徴とする請求項12に記載の画像形成ユニット。
【請求項14】
前記第1の現像剤供給部材が、2つのローラと、当該2つのローラに架け渡されたベルトとで構成されていることを特徴とする請求項12に記載の画像形成ユニット。
【請求項15】
前記媒体は、記録媒体であり、
前記手段は、前記記録媒体を、前記像担持体に接触するように所定の搬送面に沿って搬送し、前記像担持体に担持された現像剤像を前記記録媒体に直接転写すること
を特徴とする請求項1から14までのいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項16】
像担持体と、
前記像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体と
前記現像剤担持体に現像剤を供給する第1の現像剤供給部材と、
前記現像剤担持体に現像剤を供給する第2の現像剤供給部材と、
媒体を、前記像担持体に接触するように所定の搬送面に沿って搬送し、前記像担持体に担持された現像剤像を媒体に転写する手段と、
前記現像剤担持体、前記第1の現像剤供給部材および前記第2の現像剤に対して、前記搬送面に直交する方向において前記搬送面から離れた側に配置され、現像剤を収容する収容室と、
前記収容室内の現像剤を、前記第1の現像剤供給部材に供給するトナーと、前記第2の現像剤供給部材に供給するトナーとに振り分ける仕切り壁と
を備えたことを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項17】
前記搬送面は水平面であり、前記搬送面に直交する方向は鉛直方向であることを特徴とする請求項16に記載の画像形成ユニット。
【請求項18】
前記収容室が、前記搬送面に直交する方向において前記搬送面から離れた側に、現像剤の補給を受ける現像剤補給口を有することを特徴とする請求項16または17に記載の画像形成ユニット。
【請求項19】
前記仕切り壁が、前記搬送面と平行な面内において、前記現像剤補給口の内側に位置していることを特徴とする請求項18に記載の画像形成ユニット。
【請求項20】
前記仕切り壁が、前記搬送面に直交する方向に延在する第1の壁部と、前記第1および前記第2の現像剤供給部材の間に延在する第2の壁部とを有することを特徴とする請求項16から19までのいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項21】
前記仕切り壁の前記第2の壁部は、前記第2の現像剤供給部材の外周に沿って延在していることを特徴とする請求項20に記載の画像形成ユニット。
【請求項22】
前記第1の現像剤供給部材の周速および前記第2の現像剤供給部材の周速が、前記現像剤担持体の周速よりも小さいことを特徴とする請求項16から21までのいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項23】
前記媒体は、記録媒体であり、
前記手段は、前記記録媒体を、前記像担持体に接触するように所定の搬送面に沿って搬送し、前記像担持体に担持された現像剤像を前記記録媒体に直接転写すること
を特徴とする請求項16から22までのいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項24】
請求項1から23までのいずれか1項に記載の画像形成ユニットを有する画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
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【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−189843(P2012−189843A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53783(P2011−53783)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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