説明

画像形成ユニット

【課題】 長期保管時に帯電部材の変形等による画像不良を簡易な構成で抑制しつつ、使用開始時にユーザの手間を省く構成において、運搬・陳列時に受ける振動等による離間部材外れを抑制できるプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】 感光体と帯電ローラとを備え、装置本体と着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、運搬・陳列時に感光体と帯電ローラを離間させる離間部材は感光体に対して凹形状であり、装置本体からの駆動力を受けることによって離間部材が外れ、帯電ローラが感光体に当接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に装着可能な画像形成ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
メンテナンスを容易にするために、画像形成に関る部品を一体にしたユニット交換方式を採用する電子写真方式の画像形成装置が多くなってきた。このような画像形成ユニット(以下、プロセスカートリッジ)の多くは、帯電部材としての帯電ローラを感光体と接触させて帯電させる接触帯電方式を採用している。このような接触帯電方式を採用するプロセスカートリッジにおいて、帯電ローラと感光体を長期間接触させたたま放置すると、帯電ローラの変形等により画像不良が生じることが知られている。
【0003】
このような画像不良を抑制するため、スペーサにより感光体と帯電ローラを離間させてからプロセスカートリッジを出荷していた。そして、ユーザがプロセスカートリッジを装置に装着する際に、スペーサを取り外していた。
【0004】
しかし、このような構成では、装着時にユーザがスペーサを取り外す手間がかかる。また、ユーザがスペーサを外し忘れたまま画像形成装置を使用した場合、紙詰まりや転写不良等の画像不良が発生する原因となる。
【0005】
そこで、特許文献1には感光体が回転することによって離間されていた帯電ローラが感光体に当接するような構成が開示されている。具体的には、帯電ローラの回転軸に嵌められた扇状のギア(離間部材)によって、感光体と帯電ローラを離間させる構成が開示されている。このような構成で、感光体を回転させると、扇状のギアが回転して感光体と帯電ローラが当接する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−95532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
プロセスカートリッジは工場出荷から装置に装着されるまでの間、輸送・陳列等により加振される。特許文献1に記載の構成は、感光体に対して点接触する扇状の離間部材を採用されている。そのため、加振されることによって離間部材が外れて感光体と帯電ローラが意図せず当接してしまう場合があった。
【0008】
このような振動による意図しない帯電ローラと感光体の当接を抑制するために、プロセスカートリッジを緩衝材で包んで輸送することが考えられる。しかし、緩衝材はプロセスカートリッジを取り出した後は廃棄されるため使用には慎重になるべきである。また、緩衝材を用いる場合、プロセスカートリッジの個装箱寸法が大きくなり、プロセスカートリッジを輸送するための環境負荷が大きくなってしまう。
【0009】
そこで、運送時の振動(場合によっては落下)による離間部材の意図しない外れの発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明の画像形成ユニットは「回転可能な感光体と、前記感光体に当接して画像形成処理の少なくとも一部を行う画像形成部材と、前記画像形成部材を支持する支持軸と、を備え、画像形成装置に着脱可能な画像形成ユニットにおいて、前記支持軸に遊嵌して設けられ、前記感光体と前記画像形成部材を離間する離間部材と、前記画像形成装置から入力された駆動力を前記離間部材に伝達して、前記感光体と前記画像形成部材が当接するように前記離間部材を退避させる退避手段と、を有し、前記離間部材は前記退避手段から駆動力を受ける被駆動部と、前記感光体と前記画像形成部材とを離間保持する離間保持部を有し、前記離間保持部の形状は前記支持軸から前記感光体に向かって凹形状であることを」特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、運送時の振動による離間部材の意図しない外れの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】画像形成装置の構成を説明するための模式図である。
【図2】自動当接機構の概略構成を説明するための斜視図である。
【図3】離間構成を示す概略図である。
【図4】離間部の形状を説明するための図である。
【図5】画像形成装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図6】画像形成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】専用治工具による再離間工程を説明するための図である。
【図8】離間構成の変形例を示す概略図である。
【図9】画像形成装置の構成を説明するための模式図である。
【図10】離間構成の変形例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施例1)
はじめに、画像形成装置の全体構成について、図1を用いて説明する。その後、帯電ローラと感光体の離間機構および駆動入力に伴う当接機構(以下、自動当接構成)について詳細に説明する。
【0014】
§1.{画像形成装置の全体構成について}
本例の画像形成装置は、図1に示すように、感光体(像担持体)としての感光ドラム1の周囲に、その回転方向(矢印方向)に沿って順に、帯電装置としての帯電ローラ2、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置8、が配設されている。また、転写装置5よりも記録材Pの搬送方向下流側に、定着装置6が配設されている。なお、メンテナンスを容易にする装置本体と着脱自在なプロセスカートリッジは感光ドラム1、帯電装置2、現像装置4、クリーニング装置8を一体としたものである。次に、画像形成(画像形成処理)に関与する個々の画像形成部(画像形成部材)について、順に、説明する。
【0015】
■(感光体について)
回転可能な像担持体として感光ドラム1は、負帯電特性の有機光半導体である感光層を有した円筒状(ドラム型)の電子写真感光体である。この感光ドラム1は、直径が30mm、長手方向の長さが360mmであり、150mm/secのプロセススピード(周速度)で矢印方向(画像形成時:正方向)にモータによって回転駆動される。
【0016】
■(帯電装置について)
本例の帯電装置は、感光ドラムと接触する帯電部材としての帯電ローラ2に帯電バイアスを印加する構成を採用している。具体的には、直径が14mm、長手方向の長さが322mmで、画像形成時に感光ドラムに従動回転する。帯電ローラは感光ドラムに向かってバネ101によって付勢されている。また、印加手段としての高圧電源Sから帯電バイアス(DC電圧:−900V、ACピーク間電圧:1500V)が帯電ローラに印加されることによって、感光ドラムは均一に帯電される。ここで、帯電ローラ2は感光ドラム1に向けて付勢されているため、長期間放置されるとローラの一部が変形する恐れがある。また、感光体の帯電均一性を良好にするために、材料ゴムの低分子量成分や加硫剤・可塑剤等を含有する多層構造のゴムローラを用いている。なお、帯電ローラ2が感光ドラム1と圧接固定した状態のまま長時間置かれた場合、感光ドラム1表面に滲出した物質が付着して画像不良の原因となる。そのため、帯電ローラ2と感光ドラム1を離間させるための離間部材を備える。離間部材については後に詳述する。
【0017】
■(その他の画像形成部について)
本例の露光装置3は、帯電装置2により帯電処理された感光ドラム1にレーザ光Lを照射する半導体レーザを備えたレーザビームスキャナである。具体的には、画像形成装置に入力される画像信号に基づいて、帯電装置によって帯電された感光体上に静電像を形成する。
【0018】
現像装置4は、露光装置3によって感光ドラム1上に形成された静電像を現像剤(トナー)で現像することにより可視像化(トナー像)する。なお、現像装置4は現像スリーブを備え、現像スリーブに現像バイアスが印加されることによって現像スリーブ上に担持された現像材が電界により感光体にむけて飛翔する。なお、本例においては、感光ドラム1上の露光部(レーザ光照射部分)にトナーが付着する(反転現像方式)。
【0019】
転写装置6は、図1に示すように、転写ローラを有している。この転写ローラ5は感光ドラム1表面に所定の押圧力をもって圧接されており、その圧接ニップ部が転写部となる。給紙カセット8から給紙された記録材P(例えば、紙、透明フィルム)はレジストローラ9によって転写部へと給送される。転写ローラに転写バイアスが印加され、感光体上に形成されたトナー像は記録材Pに転写される。定着装置10は、記録材上に転写されたトナー像を定着する。定着処理を受けた記録材Pは、その後、機外へと排出される。また、クリーニング装置8としてのクリーニングブレードは感光ドラム1表面に残留している転写残トナーを除去する。
【0020】
以上説明した各画像形成機器による一連の画像形成プロセスが終了し、次の画像形成動作に備えられる。
【0021】
§2.{自動当接構成について}
続いて、自動当接機構について説明する。本実施例の自動離間機構は、帯電ローラ2を感光ドラム1に向けて付勢するバネ101と、帯電ローラと感光体を離間させる離間部材を備える。以下に、離間部材100の感光体を離間させる形状(P1)と駆動を受ける形状(P2)について詳しく説明する。
【0022】
■(駆動力伝達構成について)
プロセスカートリッジ5は画像形成装置本体と着脱自在(着脱可能)である。本体に装着されたプロセスカートリッジ5は、モータMから駆動力を受ける。図2の(a)は本体に装着されたプロセスカートリッジの自動当接機構を説明するための図である。感光ドラム1を回転駆動するためのギア31と本体側に設けられた駆動手段としてのモータMのギアが係合してモータからの駆動力がカートリッジに伝えられる(D1)。
【0023】
感光ドラム1を回転駆動するために伝達された駆動力はギア31と接触する退避手段としてのギア30へ伝達される(D2)。また、ギア30に伝達された駆動力は感光ドラムの長手方向両端部に設けられた離間部材100の被駆動部P2に伝達される(D3)。これにより、帯電ローラ2の軸に設けられた離間部材100は回転し、離間部材100によって離間されていた帯電ローラ2と感光ドラム1は当接する。ここで、ギア30は2段ギアであり、離間部材100を離間させるに足るトルクを得ることができる。なお、退避手段としてのギア30はカートリッジに内蔵しない構成を採用してもよい。具体的には、装置本体のモータMから直接駆動力を離間部材100の被駆動部P2に入力してもよい。無論、退避手段としてのギア30をカートリッジに内臓することにより、カートリッジに入力される駆動力の伝達経路を単純化することができる。
【0024】
■(離間部材について)
図2の(b)は離間部材100の斜視図である。離間部材100は帯電ローラ2と感光ドラム1とを離間させるために、被当接部(ここでは感光体)と当接して離間保持させる離間保持部P1を備える。本実施例では離間保持部P1と当接する被当接部は感光ドラムであるが、感光ドラム1の変わりに円弧形状(帯電ローラに向かって凸形状)のブロック等を設けても良い。をまた、離間部材100は退避手段としてのギア30と係合して駆動される被駆動部P2を備える。ここで、離間部材100は帯電ローラ1の回転軸(支持軸)に対して、回転自在に設けられている。具体的には、離間部材100は帯電ローラの回転軸に対してすき間ばめ(遊嵌:軽転合〜緩合程度)されている。ここで、帯電ローラの回転軸は直径6mm−0.006mm/−0.031mm、離間部材の回転軸と係合する穴は直径6mm+0.05mm/+0mm(JISはめ合いH10/f10、H9/f9、H8/f8程度)である。
【0025】
また、被駆動部としてのギアはモジュール0.6程度、圧力角20°程度である。帯電ローラ1は感光体を帯電するための帯電ギャップを安定して形成しつつ感光体と従動するために感光体に向けて101によって付勢される。退避手段のギア30と被駆動部P2は前述の付勢力により圧縮させられるような力を受けない。そのため、ギアとギアの間の距離を無理に近づける方向に力がかかっていないため、駆動側と被駆動側のギアは歯底当りせずにバックラッシュを確保できる。また、強い力でギア歯面同士が圧接しないため、ギアの回転不良を抑制するだけではなく、ギアの変形による回転異常・変形によるショックの発生も抑制できる。
【0026】
離間部材の離間保持部P1は被当接部としての感光体に対して凹形状である。具体的には、帯電ローラの回転中心と異なる方を曲率半径の中心となるような曲率を持つ形状である。言い換えると、離間部材100の離間保持部P1の曲率中心は感光ドラム1の回転中心側にある。詳しくは、感光ドラムの直径30mm(半径15mm)に対して、離間保持部P1の曲率半径は15mmとしている。なお、従来構成のように、感光体に対して離間保持部材(扇状部材)が凸となる形状であると、点と点で接触するため振動に対して弱い構成になる。また、従来構成では、帯電ローラと感光ドラムが当接した後、離間部材は突き当て部によって回転規制される。ここで、離間部材が帯電ローラの回転軸に対して中間ばめ(軽圧入程度)である場合、離間部材は帯電ローラが感光体に従動回転する際に抵抗となる。このような、帯電ローラで感光ドラムを帯電すると帯電斑が生じる可能性がある。
【0027】
■(自動当接機構の動作に関する説明)
以下に、図3を用いて自動当接機構の動作について説明する。図3の(a)は離間部材によって帯電ローラと感光体が離間した状態を示す模式側面図である。また、図3の(b)はカートリッジに駆動力が伝達されることによって帯電ローラと感光体が当接した状態を示す模式側面図である。なお、帯電ローラ2は感光ドラム1に従動回転し、また、帯電ローラ2は加圧軸受102を介してバネ101により感光ドラム1への当接圧がかけられている。以下、図3の(a)の状態を離間状態、図3の(b)の状態を当接状態と呼ぶ。
【0028】
プロセスカートリッジ5は図3の(a)に示すような離間状態(未使用、新品状態)で出荷され、画像形成装置からの駆動を受けて図3の(b)に示すような当接状態になる。
【0029】
続いて、自動当接機構の動作前後における軸間距離の変化について説明する。図からも明らかなように、離間部材100は扇状のギアの一部を欠いた欠け歯形状をしている。そのため、離間部材100はモータMから駆動を受けて、退避した後(当接状態)はモータMからの駆動力を受けなくなる。
【0030】
ここで、離間状態(図3の(a))における離間部材100の回動中心と、感光ドラム1の回転中心との間の距離をYとする。また、離間状態における離間部材100の回動中心と、離間部材へ駆動力を伝える退避手段30(ギア)の回転中心との間の距離をY´とする。同様に、当接状態(図3の(b))における離間部材100の回動中心と、感光ドラム1の回転中心との間の距離をXとする。また、当接状態における離間部材100の回動中心と、該離間部材100へ駆動力を伝える退避手段30の回動中心30aとの間の離間距離をX´とする。
【0031】
このとき、感光ドラム1の回転中心と、帯電ローラ2の回転中心の関係距離はX<Yとなる。また同様に、退避手段としてのギア30の回転中心と、帯電ローラ2の回転中心との距離関係はX´<Y´となる。なお、離間状態(図3の(a))において、離間部材100と退避手段30が係合している。そのため、退避手段30に駆動力が入らない限り離間部材100は維持手段となるドラムギア31等のギア列によって固定されている。
【0032】
また、当接状態(図3の(b))において、帯電ローラ2の回転中心と同軸上の離間部材100の回動中心と、退避手段(ギア)30の回動中心30aとの離間距離は、X´<Y´となる。しかしながら、離間部材100の形状が感光ドラム1に対して凹形状になっているため、離間部材100はギア30と、離間解除後に再度係合しない。また、離間解除後に感光ドラム1を逆回転させたとしてもギア30と離間部材100が接触していないため、帯電ローラ2と感光ドラム1は再離間しない。そのため、クリーニングブレードに溜まったトナーのすり抜け防止のため感光ドラム逆回転制を行ったとしても問題が生じない。つまり、当接状態において、感光ドラム1を逆回転させても、離間状態に示すポジションに戻らない。
【0033】
尚、本実施例では図示はしていないが、離間解除後の離間部材100にはバネによる付勢力が掛かり感光ドラム1に接触しないようになっている。図3の(b)に示す第1の姿勢(当接状態)の離間時にもバネによる付勢力は掛かっている。しかし、離間部材100は離間状態において、維持手段となるドラムギア31等のギア列により固定された退避手段30の歯車と離間部材100の欠け歯形状部100aとが係合している。これにより、バネの力で離間解除されることはなく、画像形成装置からの駆動力が入るまで解除されることはない。
【0034】
■(耐振動性能と離間保持部の曲率について)
図4は離間部材100の離間保持部P1の形状について説明するための図である。前述の通り、離間保持部P1は帯電ローラの回転中心側ではなく感光体の回転中心側に曲率中心が在る形状となっている(曲率半径+側)。もし、離間保持部P1の形状が帯電ローラの回転中心側に曲率中心が在る形状(曲率半径−側)であれば、離間保持部と被当接部は点接触に近い形になる。
【0035】
ここで、プロセスカートリッジに振動が加えられると、離間部材は移動しようとする(感光体と帯電ローラの接線方向の振動成分により)。ここで、離間保持部P1の形状が感光体に対して凸(曲率半径−)の場合、振動によって移動した離間部材を元の位置(安定位置)に戻す力は働かない。しかし、離間保持部P1の形状が感光体に対して凹(曲率半径が+)の場合、振動によって離間部材が移動しても離間部材を元の位置(安定位置)に戻す力が働く。これは、離間部材100が凹形状であるため、離間部材の回転中心と感光体の回転中心の距離が最小になる位置に離間部材100が移動するためである。なお、距離が最小の時に、帯電ローラ2を感光ドラム1に向かって付勢するバネ101の長さは最長となる。
【0036】
そのため、離間保持部(離間部)P1の形状が感光体に対して凹形状であれば、プロセスカートリッジに振動が加わったとしても感光体と帯電ローラが当接する位置へ離間部材100が移動することを抑制することができることを特長とする。
【0037】
なお、離間保持部P1の曲率半径は接線よりも感光体の曲率に沿う形状の方が、振動に対する耐性が増す。ここで、離間部材100の離間保持部P1の曲線円弧はその曲線区間で一定の曲率半径15mm(感光体の曲率略同一)となっている。無論、離間保持部P1の曲線円弧は所定の円弧曲線の曲率へ徐々に変化する曲線(緩和曲線)形状であってよい。このような形状を採用することにより、離間部材の動的安定性は向上する。なお、動的安定性は感光体の曲率半径RDに近いほど安定性が向上する。つまり、図4に示すように、曲率半径R1とR2を比較すると、R1の方が安定性を向上することができる。
【0038】
以上のような自動当接構成を採用することにより、ユーザが圧解除機構を解除する手間(例えば、離間ピンを抜く等)が不要となる。さらに、離間ピンの抜き忘れ等による紙詰まり、帯電不良等の画像不良の発生を抑制することができる(ユーザビリティの向上)。また、本実施例の自動当接機構では、一度外れた離間部材100は再度結合しないような構成となっている。そのため、クリーニングブレード保護等を目的として感光体を画像形成時と逆の方向に回転させてもカートリッジ及び駆動系に過負荷状態が生じない。
【0039】
また、被駆動部P2と退避手段30との係合部は帯電ローラと感光体の回転中心を結ぶ直線上から外れるため、ギアの歯合部に圧力がかかることを抑制することができる。退避手段30に駆動力が入るまで離間部材が外れにくく、離間保持部の形状が動的安定性を備えるため振動に強い。これにより、プロセスカートリッジ輸送時において、離間が解除され帯電ローラと感光ドラムが当接した場合に発生する、帯電ローラと感光ドラムとの微小摺擦する事による摺擦メモリ(感光体の汚染)や帯電ローラの変形を抑制することができる。また、帯電ローラ2から滲出した物質が感光体に付着することによる画像不良の発生を抑制することができる。
【0040】
なお、自動当接機構に用いる駆動伝達手段としては、部品同士の摩擦抵抗や引っ掛け爪等を用いても良い。また、帯電ブラシ、帯電ブレード、クリーニングブレード等の支持軸に離間部材100を遊嵌する構成を用いてもよい。これにより、感光ドラムに当接している画像形成に関る感光体に当接する部材が微小振動する事によるドラムメモリ(感光ドラム汚染)を抑制する事ができる。
【0041】
§3.{画像形成装置のブロック図}
以下に、プロセスカートリッジを装着した画像形成装置の概略構成と動作の説明をする。
【0042】
■(制御信号系統)
図5はプロセスカートリッジを装着した画像形成装置の概略構成を説明するためのブロック図である。画像形成装置は制御手段としてのコントローラCを備える。コントローラCはCPU20(Central Processing Unit)とメモリ21、ドライバ22から成る。CPUはメモリに保存されているプログラムに従い、ドライバ22に対してモータM、の回転を制御する。また、コントローラCは帯電ローラに印加する帯電バイアスやその他の画像形成部に印加するバイアスを変更することができる。また、感光体1と帯電ローラ2の間に流れる電流を検知する検知手段としての電流計23を備える。電流計23の検知結果はコントローラに通知され画像形成装置の制御に用いられる。具体的には、帯電ローラと感光体の当接を確認するための制御に電流計23の検知結果を用いる。
【0043】
■(駆動伝達系統)
続いて、駆動伝達経路について簡単に説明する。画像形成装置にはプロセスカートリッジを駆動するモータを備える。感光体1は駆動列D1を介してモータMからの駆動力を受けて回転する。また、装置本体に設けられたモータMからの駆動力を受けて、退避手段30は回転する(D2)。また、離間部材100が退避手段30からの駆動力を被駆動部P2で受けることにより、感光体と離間した帯電ローラが感光体と当接する。なお、離間部材100の被駆動部P2に入力される駆動列は本実施例の構成に限定されるものではない。
【0044】
§4.{画像形成装置の動作について}
プロセスカートリッジが装着される画像形成装置の動作についてフローチャートを用いて説明する。
【0045】
■(立ち上げ処理について)
図6の(a)は電源投入またはカートリッジ交換時からスタンバイ状態までの処理を示すフローチャートである。まず、制御手段としてのCPU20はプロセスカートリッジが画像形成装置に装着されているか否かを検知する(S101)。具体的には、装置本体に設けられたセンサ(不図示)の出力に基づき、プロセスカートリッジが装着されていない場合は表示手段としてのディスプレイ(不図示)にエラー表示(S106)する。
【0046】
プロセスカートリッジが装着されていた場合、CPU20はプロセスカートリッジの状態に応じて処理を切り換える(S102)。CPU20は画像形成ユニットとしてのプロセスカートリッジに具備されているICタグに書き込まれている情報を読み取り、プロセスカートリッジの新旧判断を行う。CPU20はプロセスカートリッジが新品である場合S104の処理を実行し、新品でない場合にS103の処理を実行する。プロセスカートリッジが新品でない場合は、既に自動当接機構が動作し、帯電ローラと感光体は当接している。そのため、感光体を所定時間回転させると共に画像形成条件を調整する前多回転工程を実行し、スタンバイ状態へ移行する。
【0047】
プロセスカートリッジが新品の場合、帯電ローラと感光体は離間している。そのため、感光体を回転駆動させて自動当接機構を動作させる。本実施例において、画像形成時と同じ方向に回転させて帯電ローラと感光体を当接させる(S104)。
【0048】
続いて、正常に自動当接機構が動作して帯電ローラと感光体が当接したか否かを確認する(S105)。CPU20はメモリ21に保存されている感光体と帯電ローラが当接した際の感光体と帯電ローラの間のギャップにおいて放電が開始される放電開始電圧値を取得する。その後、メモリから取得した規定値(例えば、DC−900V)以上の帯電バイアスを印加手段としての高圧電源Sから帯電部材としての帯電ローラ印加する。ここで、自動当接機構が正常に動作して帯電ローラが感光体に当接した場合は、放電による電流が感光体と帯電ローラの間に流れる。逆に、感光体を皆伝駆動しても帯電ローラと感光体が離間している状態であれば、帯電ローラと感光体のギャップが広いため−900Vを印加しても放電が発生しない。つまり、帯電ローラと感光体が離間状態であれば、CPUにより規定の帯電バイアスを帯電ローラに印加した時に、電流計23から予想される電流値が帯電ローラと感光体の間に流れたことを検知できない。これにより、CPU20は自動当接機構の動作を確認し、帯電ローラが感光体に当接した場合(S105:OK)に、自動当接処理を完了してスタンバイ状態へ移行する。また、帯電ローラに−1300V印加しても所望の約150mA(所定値)以下であった場合(S105:NG)、CPU20はS106の処理を実行する。
【0049】
S106はユーザ(又は装置管理者)にエラーを報知するためのステップである。プロセスカートリッジが装着されていない場合や、自動当接機構が正常に動作しなかった場合に、制御手段としてのCPU20はエラー情報を報知する。具体的には、画像形成装置の備えるディスプレイにエラー内容を表示し、さらに、ネットワークを介して装置管理者へ通知する。なお、エラーが発生した場合、CPU20は画像形成装置を画像形成可能なスタンバイ状態に移行させることなく、エラー対処手順をディスプレイに表示する。
【0050】
■(画像形成終了時の動作について)
図5の(b)は画像形成可能な状態(スタンバイ状態)において、画像形成信号が入力された際の処理を説明するためのフローチャートである。
【0051】
画像形成装置に画像形成信号(JOB)が入力されたとき、制御手段としてのCUP20は感光体を正方向(図1の矢印方向)に回転させる。そして、入力された画像形成信号に従い各画像形成部を制御してシート上に画像を形成する(S201)。指定された画像の出力を終えると、CPU20はプリントを終了する(S202)。このとき、CPUは感光体の回転を停止させる。
【0052】
その後、クリーニングブレードに溜まったトナーが次回プリント時にすり抜けてしまう画像不良を防ぐための処理を行う(S203)。具体的には、CPU20は停止した感光体を画像形成中の回転方向と逆方向に回転させる。そして、感光体を一定期間逆回転させた後、再びスタンバイ状態へ移行する。
【0053】
本実施例の自動当接機構は感光体を逆回転させても、帯電ローラと感光体が再度離間しない構成(離間部材が帯電ローラの回転軸に遊嵌されている)になっている。そのため、クリーニングブレードの清掃性能を維持させるために画像形成終了後に感光体を逆回転させることができる。
【0054】
§5.{出荷時再離間工程について}
工場出荷時にプロセスカートリッジの各部が所望の状態に組み立てられているかを確認するために感光体を回転させる。感光体を回転させると、自動当接機構によって帯電ローラが感光体に当接する。しかしながら、本実施例の自動当接機構は感光体を何れの方向に回転させても、帯電ローラと感光体が再度離間しない構成になっている。
【0055】
このような構成において、帯電ローラと感光体を再離間させるために、プロセスカートリッジを試験後に分解して再度組み立てる方法が考えられる。しかしながら、組み立てたカートリッジを分解すると分解前の精度を保証することができなくなる。
【0056】
そこで、本実施例のプロセスカートリッジは図7に示すような再離間処理のための再離間装置を挿入するための穴300を設けた。これにより、感光体を回転させて試験した後にカートリッジを分解することなく、自動当接機構により帯電ローラと感光体を離間させることができる。これにより、カートリッジの組み立て精度を保証しつつ、カートリッジ出荷時に帯電ローラと感光体を離間させることができる。なお、工場出荷時においても、再離間の確認のために、帯電ローラに当接チェックバイアス(約−1500V)を印加している。
【0057】
具体的には、プロセスカートリッジの容器側面には帯電ローラを感光体から再離間させるための穴300が設けられている。この穴300から帯電ローラ2の芯金端部を第1の専用治工具200にてバネ101の加圧力(付勢力)に抗して押し下げる。そして、第2の専用治工具201にて帯電ローラの両端に配置した2つの離間部材100を同時移動(図中F)させて、帯電ローラと感光体を離間状態にする。これにより、動作チェック後のプロセスカートリッジを分解することなく、図3の(a)に示す離間状態に復元することができる。
【0058】
つまり、本件構成のように感光体を何れの方向に回転させても、帯電ローラと感光体を再度離間できない自動当接構成において、カートリッジの組み立て精度を保証することができる。
【0059】
§6.{加振評価試験}
従来構成のプロセスカートリッジと本実施例のプロセスカートリッジを試作し加振試験を行った。なお、従来構成の離間部材である扇状のギアは本実施例の被駆動部P2のギアと同じ形状(モジュール0・6)を採用した。また、扇状ギアの歯底円半径は本実施例における離間保持部(当接部)P1と帯電ローラの回転軸との距離(7mm)と同一にした。なお、帯電ローラの回転軸と扇状のギア(離間部材)は締まり嵌めを採用した。また、感光体の直径等は同一呼称寸法で製造した。
【0060】
続いて、加振試験の試験条件について説明する。加振試験にはIMV社製の振動試験装置(210i/06)を用いた。具体的には、入力波形はランダム波形(32kNrms)、周波数は20〜200Hzで20時間耐久試験を行った。
【0061】
評価方法は本実施例と従来構成のカートリッジを10個試作し、それぞれ個装箱に入れて試験した。加えて、従来構成のカートリッジを容積が2倍の個装箱に入れ、隙間部に気泡緩衝材(エアシート:登録商標)を詰めて試験した。
【0062】
【表1】

【0063】
表1は加振試験の結果を示す表である。本実施例の構成のプロセスカートリッジは、試験後も10個中10個が感光体と帯電ローラが離間した状態を保っていた。従来構成では、10個中2個のカートリッジが離間状態を保っていた。また、気泡緩衝材を用いた構成では、10個中8個のカートリッジが離間状態を保っていた。なお、従来構成において、帯電ローラの回転軸と扇状のギアを遊嵌させて感光体に向けて加圧(付勢)すると、離間状態を保つことができなかった。これは、振動と嵌めあいの遊びによって、帯電ローラの中心と感光体の中心を結んだ直線からずれた方向に帯電ローラが付勢されることによって、扇状の離間部材が回転する方向にモーメントが働き易くなるためであると考えられる。反対に、帯電ローラの軸と扇状のギアを一体締結すると、帯電ローラが感光体と従動しなくなり帯電不良が発生するという問題が生じてしまう。
【0064】
このように、従来構成では輸送に伴う振動を受けることによって、離間状態を保つことが困難であることがわかった。また、気泡緩衝材を用いた場合、本実施例と比較より劣るものの離間状態を保てることが解った。しかし、緩衝材はプロセスカートリッジを取り出した後は廃棄されるため使用量を極力減らす方が好ましい。また、個装箱の容積が増えると輸送に1個のカートリッジを輸送するための環境負荷が大きくなる。そのため、本件構成を採用することにより、緩衝材の使用量や容積を低減することができる。
【0065】
(実施例2)
本実施例では、感光体ドラムの回転軸に離間部材100を遊嵌する構成について説明する。なお、実施例1と同様の部分に関しては同一符号を付すこどによって説明を省略する。
【0066】
§1.{自動当接機構について}
まず、本実施例の離間部材について簡単に説明した後、自動当接機構の動作について説明する。
【0067】
■(離間部材について)
図8に示すように、本実施例の離間部材100は感光体の回転軸に遊嵌するように設けられている。また、実施例1と同様に、退避手段としてのギア30と歯合するギア部(P2)と、帯電ローラと感光体とを離間保持するための離間保持部(P1)を備える。本実施例の離間保持部P2の形状は帯電ローラに対して凹形状である。また、離間部材100は感光体の周方向に感光ドラム1中心からの距離が異なる形状(V字形状)となっている。
【0068】
■(自動当接機構の動作に関する説明)
図8は自動当接機構の動作を説明するための図である。図8の(a)は感光体と帯電ローラが離間した離間状態を示す図である。また、図8の(b)は感光体と帯電ローラが当接した当接状態を示す図である。未使用(新品)のプロセスカートリッジは図8の(a)に示すような離間状態で工場から出荷される。
【0069】
装置本体に装着されたプロセスカートリッジは本体側に設けられたモータMからの駆動力を受けて離間状態(図8の(b))になる。
【0070】
ここで、離間部材100のギア部と退避手段としてのギアは図8の(b):当接状態1のような状態では再度係合する可能性がある。具体的には重力によって離間部材100が感光ドラム1の回転軸を中心として回動することによって再係合位置へと移動する可能性がある。そのため、一度自動当接機構が動作した後は再係合させないように、図8の(b):当接状態2に示すような状態へと離間部材を退避させるべきである。
【0071】
そのため、本実施例においては、プロセスカートリッジが新品であることを検知した場合に、離間部材100とギア30が再度係合しないように、画像形成時とは逆方向に回転させるように制御する。なお、一つ注意したいのは、重力方向との関係である。離間部材の重心位置は図の感光体回転軸よりも右になる。(図8の(a)において)そのため、新品の時に画像形成時と同じ方向に回転させると、一度離間したギア同士が再度衝突してしまう。感光体を回転させるための駆動伝達系から動力を受けているギアに離間部材が衝突したり離れたりすると、感光体が安定して回転するのを阻害する。
【0072】
そのため、本実施例を採用した構成では、画像形成装置は新品から離間させるときに、画像形成時とは逆方向に回転させると良い。なお、歯車の回転を逆にするリバースアイドラギアを駆動列に介してもよい。つまり、離間部材100は離間状態において感光ドラム1の回転中心よりも重心が下方になったとしても、退避手段としてのギア30と係合しないような形状、配置としている。
【0073】
本実施例においても、退避手段100は離間状態を安定維持するための形状を備える離間保持部と、駆動力を受ける被駆動部を備える。また、離間部材100は感光ドラム1と同軸上に配置され、離間部材100の回動中心は感光ドラム1の回転中心と一致させている。これにより、離間部材100を回動させるための新たな軸を設置する必要がないため省スペース、且つ、シンプルな構成になる。つまり、離間部材100は、感光体となる感光ドラム1と同軸上に配置され、感光体駆動源となるモータMからの駆動力が入ることで離間部材100が退避手段30と連動して感光体となる感光ドラム1の同軸中心に回動する。
【0074】
また、実施例1と同様に各軸間距離をX、X´、Y、Y´を用いて表現すると、X<Y、X´<Y´の関係が成り立つ。また、離間状態において、離間部材100はギア30と係合して固定されている。そのため、ギア列へ駆動力が入力されない限り、離間部材100は帯電ローラ2と感光ドラム1を離間した状態を維持することができる。
【0075】
(実施例3)
本実施例では、プロセスカートリッジの重力方向下方から露光する画像形成装置における構成について説明する。本件構成を採用することによって、重力を利用して離間部材100と退避手段30が再度係合することを抑制することができる。
【0076】
§1.{画像形成装置の全体構成について}
図9は本実施例の画像形成装置の概略構成を説明するための図である。図9の矢印Gは重力方向下方を示す矢印である。プロセスカートリッジ5は実施例1と天地逆転の関係になるように画像形成装置に装着される。各構成は実施例1の構成と略同等であるため詳細な説明は省略する。なお、複数のプロセスカートリッジを用いてシート上にカラー画像を形成する装置に装着するプロセスカートリッジに本件構成を適応してもよい。さらに、感光体上に形成した画像を中間転写体に転写した後に、シート(記録材)に転写する構成に適応することもできる。
【0077】
§2.{自動当接構成について}
以下に、本実施例における自動当接機構の動作について説明する。本実施例における離間部材100の形状は実施例1の形状と同一のものを用いた。本実施例と実施例1では、プロセスカートリッジの画像形成装置本体に装着されたときの姿勢が異なる。図10は本実施例における自動当接構成を説明するための図である。図10の矢印Gに示す方向が重力方向下向である。
【0078】
ここで、離間部材100は帯電ローラの回転軸に遊嵌されている。そのため、離間状態(図10の(b))においては、離間部材100の重心は帯電ローラの軸よりも重力方向下方に垂れ下がる。つまり、離間状態(図10の(b))において、離間部材100は自重によりギア30と係合しない位置を維持することができる。なお、帯電ローラ2は感光ドラム1に従動回転するように構成するとき、離間部材100を帯電ローラの回転軸に遊嵌するように設けることによって、帯電ローラが感光ドラムに対してスリップすることを抑制することができる。
【0079】
図10の(a)は離間部材100により帯電ローラ2と感光ドラム1が離間した離間状態を示す図である。また、図10の(b)は装置本体からの駆動力を受けて退避手段としてのギア30から伝わる駆動力によって離間部材100が回動し、帯電ローラと感光ドラム1が当接した当接状態を示す図である。新品(未使用)のプロセスカートリッジはカートリッジが装着された装置本体に設けられたモータMからの駆動力を受けて、離間状態(図10の(a))から当接状態(図10の(b))になる。
【0080】
また、実施例1と同様に各軸間距離をX、X´、Y、Y´を用いて表現すると、X<Y、X´<Y´の関係が成り立つ。また、離間状態において、離間部材100はギア30と係合して固定されている。そのため、ギア列へ駆動力が入力されない限り、離間部材100は帯電ローラ2と感光ドラム1を離間した状態を維持することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 感光ドラム(像担持体)
2 帯電ローラ(帯電部材)
7 クリーニングブレード
C コントローラ(制御手段)
S 高圧電源(印加手段)
M モータ(駆動源)
20 CPU
23 電流計(検知手段)
30 退避手段(駆動伝達手段)
100 離間部材
200 離間用工具
300 再離間用容器穴(当接確認手段)
G 重力方向下方

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能な感光体と、前記感光体に当接して画像形成処理の少なくとも一部を行う画像形成部材と、前記画像形成部材を支持する支持軸と、を備え、画像形成装置に着脱可能な画像形成ユニットにおいて、
前記支持軸に遊嵌して設けられ、前記感光体と前記画像形成部材を離間する離間部材と、
前記画像形成装置から入力された駆動力を前記離間部材に伝達して、前記感光体と前記画像形成部材が当接するように前記離間部材を退避させる退避手段と、を有し、
前記離間部材は前記退避手段から駆動力を受ける被駆動部と、前記感光体と前記画像形成部材とを離間保持する離間保持部を有し、前記離間保持部の形状は前記支持軸から前記感光体に向かって凹形状であることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項2】
前記離間保持部の曲率は前記感光体の曲率と略同一であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項3】
前記離間部材が前記退避手段によって退避された状態において、前記退避手段と前記離間部材は接触しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成ユニット。
【請求項4】
前記感光体をクリーニングするクリーニングブレードを備え、前記画像形成装置は前記画像形成ユニットによる画像形成を終了後に前記感光体を逆回転することを特長とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像形成ユニット。
【請求項5】
回転可能な感光体と、前記感光体を支持する支持軸と、前記感光体に当接して画像形成処理の少なくとも一部を行う画像形成部材と、を備え、画像形成装置に着脱可能な画像形成ユニットにおいて、
前記支持軸に遊嵌して設けられ、前記感光体と前記画像形成部材を離間する離間部材と、
前記画像形成装置から入力された駆動力を前記離間部材に伝達して、前記感光体と前記画像形成部材が当接するように前記離間部材を退避させる退避手段と、を有し、
前記離間部材は前記退避手段から駆動力を受ける被駆動部と、前記感光体と前記画像形成部材とを離間保持する離間保持部を有し、前記保持部の形状は前記支持軸から前記画像形成部材に向かって凹形状であることを特徴とする画像形成ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−18265(P2012−18265A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154961(P2010−154961)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】