説明

画像形成装置、これを備える消耗品管理表示システム及び消耗品管理表示方法

【課題】画像形成装置の消耗品の交換が生じた場合に、ユーザが所望する日時に則り、消耗品の交換を行うことができる画像形成装置、これを備える消耗品管理表示システム及び消耗管理表示方法を提供する。
【解決手段】ジャム検出部210bがジャムを検知し、制御部10に通知する。制御部10は、ジャムの発生した搬送ローラを特定し、保証閾値テーブルに基づき、判定部240によって搬送ローラの修理の程度を判定され、判定結果を制御部10に通知する。搬送ローラがメーカーの保証期間内にジャムが生じた場合、エラーに伴う交換、修理費用又はメンテナンス費用を段階的に減免された内容を有する通知を受送信し、表示操作部2102に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの希望する日時に消耗品を交換することが可能な画像形成装置、これを備える消耗品管理表示システム及び消耗品管理表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置の使用に伴い消耗品を交換する必要が生じる。このため各部材の使用履歴を記録し、消耗品を効率よく交換できる画像形成装置が提供されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、リユース(再利用)の消耗品が使用された場合、予め記憶された各部材のリユースの消耗品に対応して、設定変更を行う指示を画像形成装置に送信し、リユース消耗品に応じて適切な設定を行う技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、サービスセンタに設置される管理装置に公衆回線を介して接続された複数の画像形成装置の操作表示部から必要な消耗品等の発注内容を入力した場合、消耗品の消費量が予め設定した閾値を超えた場合、或いは、消耗品の交換を促す警告が発生した場合、該当する消耗品を交換するための指示命令を該管理装置へ送信し、消耗品の自動発注を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−266757号公報
【特許文献2】特願2003−330695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これらの特許文献では、リユースの消耗品の交換に際して専門的な技術を備える修理者に修理を依頼することを要し、ユーザの所望する日時と修理者が修理を行える日時とが必ずしも一致するとは限らず、利便性が低下するという課題がある。
【0007】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、画像形成装置の消耗品の交換が生じた場合に、ユーザが所望する日時に則り、消耗品の交換を行うことができる画像形成装置、これを備える消耗品管理表示システム及び消耗品管理表示方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために本発明に係る画像形成装置の各構成は、次の通りである。
【0009】
本発明の画像形成装置は、少なくとも搬送ローラを含む消耗品を管理する画像形成装置であって、前記消耗品の不具合を検知する検知手段と、前記消耗品の不具合の履歴と、前記消耗品の消耗率における複数の閾値とを記憶する記憶手段と、前記消耗率の閾値と前記不具合の履歴とに基づき、修理の程度を判定する判定手段と、前記消耗品の情報と前記修理の程度を表示し、所望される交換日時を入力する表示操作手段と、前記消耗品の情報と、前記交換日時の情報とを受送信する通信手段と、前記表示操作手段と前記通信手段とを制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記修理の程度に応じて、不具合を生じた前記消耗品の情報と、前記消耗品の前記不具合の履歴と、前記交換日時の情報とを前記表示操作手段に表示させ、前記通信手段により送信するように制御することを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の画像形成装置の前記制御手段は、前記消耗品の不具合の履歴と前記消耗品の消耗率における閾値とに基づき、前記検知手段が検知した不具合を生じた前記消耗品が使用保証期間内に納まるように制御することを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の画像形成装置の前記制御手段は、前記修理の程度に応じて、前記消耗品の修理費用の割合を前記表示操作手段に表示させ、前記通信手段により送信するように制御することを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の画像形成装置の前記通信手段は、不具合を生じた前記消耗品と、前記消耗品の過去の履歴と、前記消耗品の修理希望日時と、修理者からの修理予定日時と、前記消耗品の修理費用とを受信し、前記表示操作手段は、前記通信手段の受信した情報を表示することを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の消耗品管理表示システムは、前記画像形成装置と、前記画像形成装置とネットワークを介して接続し、前記画像形成装置から送信された前記情報を表示する第2の表示操作手段を備える端末と、を備える消耗品管理表示システムであって、少なくとも搬送ローラを含む消耗品の情報と、前記消耗品の修理費用と、前記修理日時とを、前記ネットワークを介して、前記画像形成装置の前記表示操作手段に表示させることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の消耗品管理表示システムの前記表示操作手段は、前記消耗品の交換の履歴に基づいて、前記消耗品の修理費用を段階的に表示することを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の消耗品管理表示システムの前記制御手段は、前記修理の程度に応じて、前記表示操作手段を複数の修理日時を表示するように制御することを特徴するものである。
【0016】
また、本発明の消耗品管理表示方法は、少なくとも搬送ローラを含む消耗品を管理する消耗品管理表示方法であって、前記消耗品の不具合を検知する検知ステップと、前記消耗品の不具合の履歴と、前記消耗品の消耗率における複数の閾値とを記憶する記憶ステップと、前記消耗率の閾値と前記不具合の履歴とに基づき、修理の程度を判定する判定ステップと、
前記消耗品の情報と前記修理の程度を表示し、所望される交換日時を入力する表示操作ステップと、前記消耗品の情報と、前記交換日時の情報とを受送信する通信ステップと、前記表示操作ステップと前記通信ステップとを制御する制御ステップと、を備え、前記制御ステップは、前記修理の程度に応じて、不具合を生じた前記消耗品の情報と、前記消耗品の前記不具合の履歴と、前記交換日時の情報とを表示させ、通信するように制御するステップを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、画像形成装置は、少なくとも搬送ローラを含む消耗品を管理する画像形成装置であって、前記消耗品の不具合を検知する検知手段と、前記消耗品の不具合の履歴と、前記消耗品の消耗率における複数の閾値とを記憶する記憶手段と、前記消耗率の閾値と前記不具合の履歴とに基づき、修理の程度を判定する判定手段と、前記消耗品の情報と前記修理の程度を表示し、所望される交換日時を入力する表示操作手段と、前記消耗品の情報と、前記交換日時の情報とを受送信する通信手段と、前記表示操作手段と前記通信手段とを制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記修理の程度に応じて、不具合を生じた前記消耗品の情報と、前記消耗品の前記不具合の履歴と、前記交換日時の情報とを前記表示操作手段に表示させ、前記通信手段により送信するように制御することで、保証期間内に所定の回数以上の不具合が生じた場合、迅速に無償で修理を行う旨の通知を修理者から受信できるため、ユーザの不満を軽減でき迅速な修理又はメンテナンスを行うことができるという優れた効果を奏し得る。
【0018】
本発明によれば、画像形成装置の前記制御手段は、前記消耗品の不具合の履歴と前記消耗品の消耗率における閾値とに基づき、前記検知手段が検知した不具合を生じた前記消耗品が使用保証期間内に納まるように制御することで、修理費用又はメンテナンス費用を段階的に軽減されて請求されるため、ユーザ側において膨大な修理費又はメンテナンス費が請求されることを防ぐことができるという優れた効果を奏し得る。
【0019】
本発明によれば、画像形成装置の前記制御手段は、前記修理の程度に応じて、前記消耗品の修理費用の割合を前記表示操作手段に表示させ、前記通信手段により送信するように制御することで、各消耗品の不具合を軽度な状態で対応できるため、修理者側の修理コストを削減できるという優れた効果を奏し得る。
【0020】
本発明によれば、画像形成装置の前記通信手段は、不具合を生じた前記消耗品と、前記消耗品の過去の履歴と、前記消耗品の修理希望日時と、修理者からの修理予定日時と、前記消耗品の修理費用とを受信し、前記表示操作手段は、前記通信手段の受信した情報を表示することで、ユーザに希望するメンテナンス希望日時に基づいてメンテナンスや修理が行われるので、ユーザに対して手厚いサービスを提供することができ、各消耗品の不具合に伴う信頼性低下を回復して、永続的な画像形成装置の使用を促進することができるという優れた効果を奏し得る。
【0021】
本発明によれば、消耗品管理表示システムは、前記画像形成装置と、前記画像形成装置とネットワークを介して接続し、前記画像形成装置から送信された前記情報を表示する第2の表示操作手段を備える端末と、を備える消耗品管理表示システムであって、少なくとも搬送ローラを含む消耗品の情報と、前記消耗品の修理費用と、前記修理日時とを、前記ネットワークを介して、前記画像形成装置の前記表示操作手段に表示させることで、消耗品がメーカーの保証期間内に不具合が生じた場合、交換、修理費用又はメンテナンス費用を段階的に減免された内容を有する通知を受信し表示操作手段に表示でき、ユーザに希望するメンテナンス希望日時に基づいてメンテナンスや修理が行われるので、ユーザに対して手厚いサービスを提供することができ、各消耗品の不具合に伴う信頼性低下を回復して、永続的な画像形成装置の使用を促進することができるという優れた効果を奏し得る。
【0022】
本発明によれば、消耗品管理表示システムの前記表示操作手段は、前記消耗品の交換の履歴に基づいて、前記消耗品の修理費用を段階的に表示することで、保証期間内に所定の回数以上の不具合が生じた場合、迅速に無償で修理を行う旨の通知を修理者から受信できるため、ユーザの不満を軽減でき迅速な修理又はメンテナンスを行うことができるという優れた効果を奏し得る。
【0023】
本発明によれば、消耗品管理表示システムの前記制御手段は、前記修理の程度に応じて、前記表示操作手段を複数の修理日時を表示するように制御することで、ユーザの希望するメンテナンス希望日時を合うようにすることができ、ユーザに対する利便性を高めることができるという優れた効果を奏し得る。
【0024】
本発明によれば、消耗品管理表示方法は、少なくとも搬送ローラを含む消耗品を管理する消耗品管理表示方法であって、前記消耗品の不具合を検知する検知ステップと、前記消耗品の不具合の履歴と、前記消耗品の消耗率における複数の閾値とを記憶する記憶ステップと、前記消耗率の閾値と前記不具合の履歴とに基づき、修理の程度を判定する判定ステップと、
前記消耗品の情報と前記修理の程度を表示し、所望される交換日時を入力する表示操作ステップと、前記消耗品の情報と、前記交換日時の情報とを受送信する通信ステップと、前記表示操作ステップと前記通信ステップとを制御する制御ステップと、を備え、前記制御ステップは、前記修理の程度に応じて、不具合を生じた前記消耗品の情報と、前記消耗品の前記不具合の履歴と、前記交換日時の情報とを表示させ、通信するように制御するステップを備えることで、消耗品がメーカーの保証期間内に不具合が生じた場合、交換、修理費用又はメンテナンス費用を段階的に減免された内容を有する通知を受信し表示操作手段に表示でき、ユーザに希望するメンテナンス希望日時に基づいてメンテナンスや修理が行われるので、ユーザに対して手厚いサービスを提供することができ、各消耗品の不具合に伴う信頼性低下を回復して、永続的な画像形成装置の使用を促進することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】本実施形態に係る画像形成装置の搬送ローラを示す斜視図である。
【図3】本実施形態に係る画像形成装置の概略を示すブロック図である。
【図4】本実施形態に係る画像形成装置の表示操作部を示す概略図である。
【図5】本実施形態に係る画像形成装置における保証閾値を含む閾値テーブルの一例である。
【図6】本実施形態に係る画像形成装置による消耗品管理表示方法の処理の前半を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態に係る画像形成装置による消耗品管理表示方法の処理の中半を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態に係る画像形成装置による消耗品管理表示方法の処理の中半を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態に係る画像形成装置による消耗品管理表示方法の処理の後半を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態に係る画像形成装置の表示操作部に表示されたジャム(紙詰まり)発生通知画面の一例である。
【図11】本画像形成装置の表示操作部に表示されたジャム(紙詰まり)の履歴の通知画面の一例である。
【図12】本画像形成装置の表示操作部に表示されたメンテナンス希望日時の設定画面の一例である。
【図13】本画像形成装置の表示操作部に表示されたメンテナンスコールを確認する画面の一例である。
【図14】本画像形成装置の表示操作部に表示されたメンテナンスコールを完了する画面の一例である。
【図15】本画像形成装置の表示操作部に表示された修理者からの回答を受信を通知する画面の一例である。
【図16】本画像形成装置の表示操作部に表示された修理者からのメンテナンス日時を通知する画面の一例である。
【図17】本画像形成装置の表示操作部に表示された修理者からのメンテナンス日時を通知する画面の別の一例である。
【図18】本実施形態に係る画像形成装置を備える消耗品管理表示システムの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<第1の実施形態>
以下、本発明の最良の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置100の構成を示す概略図である。
【0027】
第1の実施形態に係る画像形成装置100は、図1に示すように、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色及び単色の画像を形成するもので、装置本体110と、画像読取装置150(自動原稿処理装置)とにより構成されている。装置本体110は、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着部1220、給紙カセット81、排紙トレイ91等を有して構成されている。
【0028】
装置本体110の上部には、本発明を適用した画像読取装置150である。原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の上側に取り付けられている。画像読取装置150は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。
【0029】
また画像読取装置150は矢印M方向に回動自在に構成され、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。
【0030】
本画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって4つの画像ステーションが構成されている。
【0031】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型以外に、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器5が用いられることもある。
【0032】
露光ユニット1は、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット1は、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。また、露光ユニット1としては、例えば、この他発光素子をアレイ状に並べたエレクトロルミネッセンス(Electro-Luminescence)やLED(Light Emitting Diode)書込みヘッドを用いる手法も採用できる。
【0033】
露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像器2はそれぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(イエローY、マセンタM、シアンC、ブラックK)のトナーにより顕像化するものである。またクリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収する。
【0034】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64、及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。上記中間転写ローラ64は、YMCK用の各色に対応して4本設けられている。
【0035】
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。また各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与える。
【0036】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている、そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。中間転写ベルト61は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0037】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシ等も用いることが可能である。
【0038】
上述の様に各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電像は中間転写ベルト61で積層される。このように、積層された画像情報は中間転写ベルト61の回転によって、用紙と中間転写ベルト61の接触位置に配置される転写ローラ19によって用紙上に転写される。
【0039】
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ19は所定ニップで圧接されると共に、転写ローラ19にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ19は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ19もしくは前記中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)が用いられる。
【0040】
また、上記のように、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、もしくは転写ローラ19によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
【0041】
給紙カセット81は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体110の露光ユニット1の下側に設けられている。また手差し給紙カセット82にも画像形成に使用するシートを置くことができる。また、装置本体110の上方に設けられている排紙トレイ91は、印刷済みのシートをフェイスダウンで集積するためのトレイである。
【0042】
また装置本体110には、給紙カセット81及び手差し給紙カセット82のシートを転写ローラ19や定着部1220を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。給紙カセット81ないし手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12(12a〜12d),レジストローラ13、転写ローラ19、定着部1220等が配されている。
【0043】
搬送ローラ12(12a〜12d)は、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。またピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。同様にまたピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
【0044】
ここで、搬送ローラ12(12a〜12d)は2本のローラから構成され、挟み込むことにより用紙を保持、搬送する。消耗品の一例として、搬送ローラ12について詳述に説明する。図2は、搬送ローラ12の斜視図である。搬送ローラ12は、図2に示すように、搬送ローラ12のシャフト113の外周面に、用紙接触部材114が設けられ、その表面にリブ115を形成し、用紙が搬送される際の滑り防止として機能する。また用紙接触部材114の左右の位置に、用紙の斜行を防止するための斜光防止部材116が配置されている。
【0045】
ここで、用紙接触部材114は、NBR(ニトリルゴム)、CR(クロロプレンゴム)、EPT(エチレンプロピレンゴム)、Si(シリコンゴム)、IIR(ブチルゴム)、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、U(ウレタンゴム)、CSM(クロロスルホン化ポリエチレン)、FKM(フッ素ゴム)等といった弾性力のある何れかの物質で構成されており、長さは一例として50mm、直径はφ14mmである。
【0046】
用紙のジャムは、用紙接触部材114の磨耗や紙粉(紙の繊維、填料であるタルク、カリオン、炭酸カリシウム等)の固着や、長期に亘る使用による硬化で弾性が低下の原因となり用紙のジャムが発生する。
【0047】
尚、本実施形態ででは、搬送ローラ12を例示したが、これに限定されず、帯電ローラ、現像ローラ、現像攪拌ローラトナー、中間転写ベルトの駆動ローラや従動ローラ又は定着ローラ等のローラであっても良い。
【0048】
続いて、画像形成装置100の機能構成について図3を用いて説明する。図3は、本実施形態に係る画像形成装置100の構成を示すブロック図である。
【0049】
画像形成装置100は、原稿を読み取るスキャナ部2000と、記録紙に画像を形成するプリンタ部1000と、ソータ等の周辺機器3000とを有して構成されている。なお、周辺機器3000は、制御部10により動作するが、その詳細な説明は省略する。
【0050】
スキャナ部2000は、CCD等により構成された読取部2100により原稿から読み取られた信号は画像処理部1300に入力される。そして、画像処理部1300により画像処理され、画像データとして画像形成部1200に出力される。
【0051】
画像形成部1200は形成した画像データを定着部1220において、記録紙に画像を形成して出力する。なお、画像形成装置100の制御を制御部10が実行する。ここで、制御部10は、画像形成装置100の全体を制御するための機能部である。制御部10は、記憶部250に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えばCPU(Central Process Unit)等により構成されている。また、各種処理において必要な演算が行われる場合は、演算部1400において演算処理されることとなる。
【0052】
ここで、画像形成部1200には、温湿度検出手段(図示せず)が備えられている。温湿度検出手段は、画像形成部1200における、温度及び湿度を測定し、制御部10に出力する。温湿度検出手段としては、例えば公知の温度センサ、湿度センサ等を組み合わせたり、温湿度センサ等を利用したりすればよい。
【0053】
記憶部250は、画像形成装置100の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部250は、例えば、半導体メモリ、磁気テープ、HDD(Hard Disk Drive)、CD−ROMや−Blu−ray Disc等を含む光ディスク、メモリカードを含むICカード等により構成されている。
【0054】
また、記憶部250は、加熱テーブル(図示せず)を記憶している。加熱テーブルは、温湿度検出手段による検出される温度及び湿度に対応づけて、加熱時間が記憶されている。制御部10や演算部1400は、加熱テーブルの内容を参照することにより、IHヒータ(図示せず)の加熱時間を決定する。
【0055】
外部インターフェイス1600は、他の機器とのデータ及び信号をやりとりする機能部であり、例えば、LANに接続されるネットワークのインターフェイスや、USBや各種メモリカード等の外部機器とのインターフェイスにより構成されている。外部インターフェイス1600を介して、後述する消耗品管理表示システムが構成される。
【0056】
表示操作部2102は、図4に示ように、ユーザ(利用者)からの入力を受け付けたり、ユーザに動作を報知したりするため表示する機能を備え、タッチパネル式を採用し一体に構成され直接画面を触れることで各動作の指示を入力及び選択ができる。
【0057】
表示操作部2102は、液晶タッチパネル211、テンキー212、クリアキー213、電源キー214、スタートキー215、リセットキー216、割込みキー217、ファックスキー218、プリンターキー219、コピーキー220、スキャンキー221を備えている。
【0058】
液晶タッチパネル211は、液晶ディスプレイの表面にタッチパネルを備えており、各種機能キーや印刷部数、動作状態を示すメッセージ及び画像形成装置100に係わる交換用の消耗品や部材を表示し、遠隔地にいる修理者に対して通信手段(通信ネットワーク)を介して発注するための情報(例えば、希望する修理日等)を入力することができる。後述するが液晶タッチパネル211には、制御部10から指示に基づき、ジャム発生箇所や交換する消耗品等を表示される。
【0059】
テンキー212は、印刷部数(コピー枚数)や印刷倍率の数値を入力するためのキーである。クリアキー213は、入力した印刷分数や印刷倍率を消去したり、設定した動作をキャンセルするためのキーである。電源キー214は、画像形成装置100の装置本体110の電源をオン・オフするためのキーである。スタートキー215は、設定した各動作をスタートするためのキーである。割込みキー217は、現在行っている動作中において別の動作を割り込みさせるためのキーである。ファックスキー218は、図示しないファックス部によりファックスの動作設定を行うためのキーである。プリンターキー219は、図示しない複数のコンピュータからLANケーブル等の通信媒体を介して画像を印刷するための設定キーである。コピーキー220は、画像読取部に手動で記録媒体(用紙)設置し、コピーを行うための設定キーである。スキャンキー221は、印刷物に印刷されている画像を読み込んで記憶部250に記憶させる動作を行うための設定キーである。
【0060】
尚、表示操作部2102は、タッチパネル式の液晶ディスプレイを採用したが、これに限定されず、有機LEディスプレイ、プラズマディスプレイ、プラズマチューブアレイディスプレイ、電気泳動の原理を利用した電子ペーパーディスプレイ、自発光型の電子放電ディスプレイ等を用いることができる。
【0061】
紙詰り検出部(以下、ジャム検出部と称す)210a、210bは、それぞれ画像形成部1200及び周辺機器3000において記録媒体(用紙P)の紙詰り(ジャム)を検知し、
ジャム発生を示す信号(ジャム検出信号)を制御部10に通知する。尚、ジャム検出部は、画像形成部1200及び周辺機器3000のみに限定されず、画像形成装置100の他の箇所に設けても良い。
【0062】
制御部10は、どの箇所でジャムを示すジャム検出信号が発生し、受信するまでの期間に基づいてジャムの発生した箇所や部材を特定する。また、制御部10は、表示操作部2102に表示するための動作プログラム及びアイコンを生成するためのプログラムを起動し、表示操作部2102に表示させる。
【0063】
記憶部250は、各消耗品における保証期間を予め記憶する。例えば、搬送ローラ12aの保証閾値として、所定の期間内において1万枚当たり50回のジャム回数を許容される保証期間内として記憶されている。また、記憶部250は、制御部10によって特定されたジャム発生箇所、部材の種類(型番)、各消耗品においてジャムが発生した際の状態や原因及び日時等の履歴(以下、ジャム履歴と称す)を記憶する。
【0064】
各消耗品毎に保障閾値を記憶する具体例として、記憶部250は、図5に示すように、搬送ローラ12aの保証閾値のテーブル(保証閾値テーブル)を予め記憶している。保証閾値は、複数のレベルに分類されている。例えば、初期使用日から1年以内において、1万枚当たり50回のジャム回数を許容される保証閾値(保証期間)とする場合、保証閾値において、3回から10回以下を第1の閾値T1、10回を超えて50回未満を第2の閾値T2とし、50回を最大の閾値(第3の閾値T3)とする。
【0065】
また、記憶部250は、表示操作部2102に表示するための動作プログラム及びアイコンを生成するためのプログラムを予め記憶し、該プログラムは、制御部10の指示に基づき起動される。
【0066】
制御部10は、各レベルに対応して表示操作部2102の液晶タッチパネル211に消耗品のメンテナンスや交換に関する表示情報を表示するように指示信号を表示操作部2102に送信する。
【0067】
判定部240は、記憶部250に記憶されている、各消耗品における保証閾値テーブル内の保証閾値(消耗率の閾値)と、消耗品の不具合(例えば、ジャム等)の履歴、保証期間とに基づき、消耗品の修理の程度を判定し、判定結果を制御部10に通知する。
【0068】
履歴カウント部260は、制御部10の指示に基づき、消耗品の不具合が発生した回数に関するカウンタ値の積算及びリセットを行う。言い換えると、履歴カウント部260は、制御部10によって特定されたジャム発生箇所や部材に関して、ジャム発生回数をカウントする。
【0069】
次に、第1の実施形態に係る画像形成装置100による消耗品管理表示方法の処理を説明する。図6〜図9は、消耗品管理表示方法の処理を示すフローチャートである。
【0070】
まず、最初に画像形成装置100が設置されて本体に電源が投入された場合やフルオーバーホールを行った場合に、制御部10は、画像形成の動作を開始する前に、各消耗品における履歴カウント部260のカウントをゼロにリセットする(ステップ1)。画像読取装置150から原稿が読み込まれ、印刷動作(印刷JOB)が実行される(ステップ10)。
【0071】
ジャム検出部210bが、不具合(例えば、ジャム)を検出した場合、不具合検出信号(ジャム検出信号)を制御部10に送信する(ステップ20)。
【0072】
制御部10は、ジャム検出信号の到達時間や信号電圧レベルの高さに基づき、ジャムの発生箇所及び消耗品(例えば、搬送ローラ12a等)を特定する(ステップ30)。また、履歴カウント部260は、制御部10の指示に基づき、該搬送ローラ12aにおけるジャムの発生回数(ジャム発生回数)のカウントを積算する(ステップ40)。
【0073】
判定部240は、記憶部250に予め記憶されている閾値情報テーブルを参照する(ステップ50)。詳述すると、判定部240は、搬送ローラ12a(消耗品)におけるジャムが発生した履歴(回数や日時等を含む)、搬送ローラ12aの保証閾値(消耗率の閾値)及び保証期間を参照し、搬送ローラ12aの修理の程度を判定する。
【0074】
例えば、判定部240は、搬送ローラ12aでジャムが発生した場合、搬送ローラ12aの過去のジャム発生履歴を参照し、ジャム発生回数が予め設定されている保証閾値及び保証期間に該当するか否かを識別して、搬送ローラ12aの修理の程度を判定する。
【0075】
具体的には図5に示すように、保証閾値テーブルにおいて、保証期間内であると識別された場合(ステップ55、Y)、搬送ローラ12aのジャム発生回数の閾値(第1の閾値T1)が3回目で在るか否かを判定する(ステップ60)。一方、保証閾値テーブルにおいて、保証期間内であると識別されない場合(ステップ55、N)、ジャンプJ6を介して、図7に進む。ジャム発生回数が3回未満でない場合(ステップ60、N)、判定部240は、ジャム発生回数が3回以上、10回以下の範囲(第2の閾値T2)であるか否かを判定する(ステップ70)。
【0076】
ジャム発生回数が3回以上、10回以下(第2の閾値T2)の範囲である場合(ステップ70、Y)、制御部10は、ジャムの発生原因となる箇所の乾拭き清掃を行うようにメッセージを生成し、表示操作部2102に表示指示を送信する(ステップ80)。
【0077】
続いて、制御部10は、ジャム履歴表示のアイコンを生成し、表示操作部2102に表示指示を行う(ステップ90)。ユーザは、表示操作部2102に表示されたジャム履歴表示のアイコンをタッチすることで、過去の消耗品の不具合の履歴を参照することができる。
【0078】
また、制御部10は、メンテナンス希望日時のアイコンを生成し、表示操作部2102に表示させる(ステップ100)。ユーザは、表示操作部2102に表示されたメンテナンス希望日時のアイコンをタッチすることで、メンテナンス又は修理を行うための希望日時を設定できる。
【0079】
ジャム発生回数が3回以上、10回以下の範囲(第2の閾値T2)でない場合(ステップ70、N)、さらにジャンプJ2を介して、ジャム発生回数が10回を超え50回未満の範囲(第3の閾値T3)であるか否かが判定される(ステップ110)。
【0080】
一方、ステップ70において、ジャム発生回数が3回未満である場合には(ステップ60、Y)、ジャンプJ1を介して、ステップ190へ進む。
【0081】
ジャム発生回数が10回を超え50回未満の範囲(第3の閾値T3)である場合(ステップ110、Y)、制御部10は、アルコール拭き清掃を行うようにメッセージを生成し、表示操作部2102に表示指示を送信する(ステップ120)。続いて、制御部10は、メンテナンス希望日時のアイコンを生成し、表示操作部2102に表示させる(ステップ130)。さらに、制御部10は、ジャム履歴表示のアイコンを生成し、表示操作部2102に表示指示を行う(ステップ180)。
【0082】
一方、ジャム発生回数が10回を超え50回未満の範囲(第3の閾値T3)でない場合(ステップ110、N)、判定部240は、ジャムを発生した搬送ローラ12aが保証閾値(最大の閾値)であるか否かを判定する(ステップ140)。
【0083】
ジャムを発生した搬送ローラ12aのジャム発生回数が最大の閾値を越え且つ保証期間内である場合(ステップ140、Y)、修理費用は無料のメッセージ及びメンテナンスコールの推奨のメッセージを生成し、表示操作部2102に表示指示を行う(ステップ150)。消耗品が保証期間内にもかかわらず、頻繁にジャムが発生している場合、修理費用は無料で行い、ユーザに迅速に通知することで、今後生じうる不具合や修理に伴う費用を軽減でき、ユーザの不満を緩和することができる。
【0084】
同様に、制御部10は、メンテナンス希望日時のアイコンを生成し、表示操作部2102に表示させる(ステップ170)。更に、制御部10は、ジャム履歴表示のアイコンを生成し、表示操作部2102に表示指示を行う(ステップ180)。
【0085】
ユーザにより、表示操作部2102に表示されたジャム履歴表示のアイコンをタッチされ、過去の消耗品の不具合の履歴が選択されたか否かを判定する(ステップ190)。
【0086】
一方、ジャムを発生した搬送ローラ12aが保証閾値内でない場合(ステップ140、N)、搬送ローラ12a(消耗品)が保証期間外であるメッセージを生成し、表示操作部2102に対して表示指示を行う(ステップ170)。
【0087】
ユーザにより、表示操作部2102に表示されたジャム履歴表示のアイコンが選択された場合(ステップ190、Y)、ジャンプJ3を介して、ステップ200に進む。制御部10は、過去のジャム履歴を表示するように表示操作部2102に表示指示を送信する(ステップ200)。
【0088】
ユーザにより、表示操作部2102に表示されたジャム履歴表示のアイコンがタッチされ、過去の消耗品の不具合の履歴が選択されない場合(ステップ190、N)、ジャンプJ4を介して、ステップ210へ進む。
【0089】
ステップ210では、メンテナンス希望日時が選択されたか否かを判定する(ステップ210)。メンテナンス希望日時が選択された場合(ステップ210、Y)、ユーザによりメンテナンスコール希望日時が入力されたか否かを判定する(ステップ220)。尚、利便性を高めるため、メンテナンスコール希望日時をユーザの優先する順位(第1希望日時、第2希望日時、第3希望日時等)に基づき、複数設定できるように構成されている。
【0090】
メンテナンスコール希望日時が入力された場合(ステップ220、Y)、制御部10は、入力したメンテナンスコール希望日時を表示するように表示操作部2102に対して表示指示を行う(ステップ230)。
【0091】
次に、制御部10は、入力されたメンテナンスコール希望日時を修理者に通知するために使用されるアイコン(メンテナンス確認アイコン)を生成し、表示操作部2102に表示させる(ステップ240)。
【0092】
判定部240は、ユーザによりメンテナンス確認アイコンが選択されたか否かを判定する(ステップ250)。メンテナンス確認アイコンが選択された場合(ステップ250、Y)、ユーザの優先する順位に基づき、搬送ローラ12a(消耗品)の過去のジャム履歴(又は過去の修理履歴)、メンテナンス希望日時、搬送ローラ12aの名称及び型番の並べ替えが表示操作部2102で行われる(ステップ260)。
【0093】
一方、ステップ210において、メンテナンス希望日時が選択されない場合(ステップ210、N)、初期画面表示に戻る(ステップ280)。同様に、ステップ220において、メンテナンスコール希望日時が入力されない場合(ステップ220、N)、初期画面表示に戻る(ステップ280)。また、ステップ250において、メンテナンス確認アイコンが選択されない場合(ステップ250、N)、初期画面表示に戻る(ステップ280)。
【0094】
ステップ260においてメンテナンス希望日時等の並べ替えが完了した後、制御部10は、メンテナンスコール通知のアイコンを生成し、表示操作部2102に表示させ、記憶部250に予め記憶されている通信プログラムを読み出し、起動する。(ステップ240)。通信プログラムは、予め設定されている修理者のネットワークアドレス及び利用可能な通信媒体(通信ネットワークNT)を自動的に選択し、確実に通信を行うための通信プログラムである。
【0095】
メンテナンスコール通知のアイコンがユーザによって選択された場合(ステップ290、Y)、搬送ローラ12a(消耗品)の過去のジャム履歴(又は過去の修理履歴)、メンテナンス希望日時、搬送ローラ12aの名称及び型番を、外部インターフェイス1600を介して、修理者に通知する(ステップ300)。
【0096】
また、修理者に通知した搬送ローラ12a(消耗品)の過去のジャム履歴(又は過去の修理履歴)、メンテナンス希望日時、搬送ローラ12aの名称及び型番などの依頼内容を記憶部250に記憶する(ステップ310)。
【0097】
次に、制御部10は、履歴カウント部260のカウントをゼロにリセットして(ステップ320)、初期設定画面に戻る(ステップ330)。
【0098】
修理者からの回答を受信した場合(ステップ340、Y)、修理者から回答を受信したことを表示操作部2102に表示させる(ステップ350)。続いて、修理者からの回答の内容を表示操作部2102に表示させ、回答内容を記憶部250に記憶させる(ステップ360)。ユーザが回答の内容を確認した後、初期設定画面に戻る(ステップ370)。
【0099】
このように、ユーザは、各消耗品の保証閾値及び保証期間に基づいて、修理費用又はメンテナンス費用を段階的に軽減されて請求されるため、ユーザ側において膨大な修理費又はメンテナンス費が請求されることを防ぐことができる。また、保証期間内に所定の回数以上の不具合が生じた場合、迅速に無償で修理を行う旨の通知を修理者から受信できるため、ユーザの不満を軽減でき迅速な修理又はメンテナンスを行うことができる。
【0100】
次に、画像形成装置100による消耗品管理表示方法が行われる際に、表示操作部2102の液晶タッチパネル211に表示される表示を、図10から図17を参照して具体的に説明する。
【0101】
液晶タッチパネル211は、複数のアイコンを表示する。具体的に述べると、複数のアイコンとして、コピー動作を設定するコピーアイコン2110、ファックス送信を設定するファックスアイコン2111、ファイリングを設定するドキュメントファイリングアイコン2112、ジャムの履歴を表示するジャム履歴表示アイコン2113、初期の画面を表示する初期設定画面アイコン2114、印刷仕上がりを表示する仕上がり表示アイコン2115、各動作の設定を確認するための設定確認アイコン2116、印刷画像の濃度を調節するための濃度変更アイコン2117、文字等の拡大・縮小するための拡大/縮小アイコン2118、現在選択されている動作を実行するための動作実行アイコン2119、表示されている画面ページをスクロールするためのスクロールアイコン2120、2121、画面上のページ数を表示するページ数アイコン2122、希望するメンテナンス希望日時を入力するための画面を表示するメンテナンス希望日時アイコン2123、入力したメンテナンス希望日時を確認するためのメンテナンスコール確認アイコン2125、確認したメンテナンス希望日時を通知するためのメンテナンスコール通知アイコン2126等が表示される。
【0102】
図10は、ジャム検出部210bが、不具合(例えば、ジャム)を検出した場合に、表示操作部2102の液晶タッチパネル211に表示されたジャム(紙詰まり)発生通知画面の一例である。図10に示すようなジャムの通知とジャム履歴表示アイコンとを表示する。また、表示操作部2102には図示しないジャムの発生箇所と清掃箇所とが表示される。この表示に基づいて、修理者に通知して記録紙搬送ローラの乾拭き清掃、またはアルコール拭き清掃を行うことができる。又は、ユーザが自ら清掃を行っても良い。
【0103】
図11は、表示操作部2102に表示されたジャム(紙詰まり)の履歴の通知画面の一例である。図11では、転写前の搬送ローラ12aのジャムが過去に20回発生し、直近では4回前に修理依頼(1回目)をしていることがわかる。
【0104】
図12は、の表示操作部2102に表示されたメンテナンス希望日時の設定画面の一例である。ユーザが、図11で示すメンテナンス希望日時アイコン2123を選択すると、図12に示すように、表示操作部2102に表示されたメンテナンス希望日時の設定画面が表示される。ユーザがメンテナンス希望日時をテンキー212で入力すると、入力された値に基づいて入力結果が表示される。年月日及び時間は、それぞれタッチパネル式になっており、入力する箇所を選択して値を入力する。第3希望まで入力できるが、第1希望のみや第1希望と第2希望との2つでもよいが、修理者の修理都合と合致させ易い点で、第3希望まで入力するのが好ましい。
【0105】
図13は、表示操作部2102に表示されたメンテナンスコールを確認する画面の一例であるユーザがメンテナンスコール確認アイコン2125を選択すると、図13に示すようなメンテナンス希望日時を近い順に並び替えて、修理履歴2回目などを表示する。この内容で良い場合、ユーザはメンテナンスコール通知アイコン2126を選択すると、修理者の有線端末(サーバを含む)に通知され、修理者が閲覧可能な図示しない表示部に表示される。図18に示すように、通信ネットワークNTを経由して修理者R1の有線端末R1a又は無線端末R1bに通知する構成としても良い。
【0106】
図14は、表示操作部2102に表示されたメンテナンスコールの完了を通知する画面の一例である。図14は、メンテナンスコールが正常に完了した際の画面である。この画面を表示後、自動的に初期画面に戻っても良いし、ユーザが所望の画像形成装置100の操作画面に移行しても良い。
【0107】
図15は、表示操作部2102に表示された修理者からのメンテナンス日時を通知する画面の一例である。受信した内容を表示・非表示は液晶タッチパネル211の“はい”又は“いいえ”のアイコンを直接タッチして選択を行う。
【0108】
図16は、ユーザのメンテナンスコールを受けた後の修理者からの回答を表示している画面の一例である。消耗品は交換保証期間内で2回目の交換の為、修理費用は半額免除される。これにより、度重なる同一消耗品(搬送ローラ)のエラーによるユーザへの不満や経費負担を解消して、画像形成装置100の信頼性回復に寄与できる。
【0109】
また、図17は、表示操作部2102に表示された修理者からのメンテナンス日時を通知する画面の別の一例である。消耗品(搬送ローラ12a)の交換保証期間内であって、同じ消耗品が3回目の交換を余儀なくされる場合であり、修理費用は無償修理である。4回目以上も同様である。尚、本実施形態では、3回目の交換で無償修理としたが、より手厚いサービスを行う場合は、2回目からの修理費用を無償修理とするのが好ましい。
【0110】
次に、本実施形態に係る画像形成装置100による消耗品管理表示システムを説明する。図18に示すように、複数のユーザU1、U2、U3は、それぞれ画像形成装置100を備え、外部インターフェイスU1b、U2b、U3bから通信ネットワークNT及び衛星通信手段STを介して、修理者R1の有線端末R1a(サーバを含む)及び無線端末R1bに接続する構成となっている。また、ユーザの画像形成装置100は、ローカルエリアネットワーク(LAN)を介して、無線端末(又は有線端末)U1a、U2a、U3aに接続されている。各ユーザは、それぞれの無線端末U1a、U2a、U3aの表示部(図示せず)の表示画面によって、画像形成装置100の表示操作部2102に表示される内容を見ることが可能である。また、各ユーザは、それぞれの無線端末U1a、U2a、U3aを使用して、修理者R1に対して画像形成装置100のメンテナンス又は修理を依頼することができるような構成を取っている。これにより、修理者R1が別の修理先に出かけていたとしても、容易に修理依頼の通知を知ることができる。
【0111】
通信ネットワークNTは、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等の利用が可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【0112】
また、修理者R1のサーバは、メーカー、販売先またはリース先等により管理されるものとしてもよいし、例えば、画像形成装置メーカー、消耗品メーカー、クラウドコンピューティングサービスを提供するクラウドプロバイダーR2側の端末R2aによって管理されるものであってもよい。さらに、修理者R1のサーバは、クラウドプロバイダーR2側の管理サーバ(図示せず)の機能をバックアップするバックアップサーバが接続されていてもよい。これにより、サーバがシステムダウンしても本実施形態の消耗品管理表示システムはスムースに運営されることができる。
【0113】
以上のように、消耗品(搬送ローラ)がメーカーの保証期間内に不具合(エラー)が生じた場合、エラーに伴う交換、修理費用又はメンテナンス費用を段階的に減免された内容を有する通知を受信し表示操作部2102に表示でき、ユーザに希望するメンテナンス希望日時に基づいてメンテナンスや修理が行われるので、ユーザに対して手厚いサービスを提供することができ、各消耗品の不具合に伴う信頼性低下を回復して、永続的な画像形成装置の使用を促進することができる。
【0114】
上述した本実施形態では、表示操作部を備える画像形成装置に適用した例について説明したが、メッセージ等を表示可能な表示部を備える装置であれば、上述した構成の画像形成装置に限定されるものではなく、インクジェット記録装置、複写機又は、その他の装置、例えば、家電製品、民生用機器(映像・音響・通信などに関連した電子機器や装置、または端末において、一般消費者による使用・一般家庭での使用を目的としているもの、または、そのことを前提に開発・設計された製品・規格を指す)及び業務用機器など、一般家庭以外の用途を前提として開発された製品等に展開が可能である。
【符号の説明】
【0115】
1 露光ユニット
2 現像器
3 感光体ドラム
4 クリーナユニット
5 帯電器
6 中間転写ベルトユニット
10 制御部
12(12a〜12d) 搬送ローラ
81 給紙カセット
91 排紙トレイ
100 画像形成装置
110 装置本体
210a、210b ジャム検出部
240 判定部
250 記憶部
260 履歴カウント部
2102 表示操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも搬送ローラを含む消耗品を管理する画像形成装置であって、
前記消耗品の不具合を検知する検知手段と、
前記消耗品の不具合の履歴と、前記消耗品の消耗率における複数の閾値とを記憶する記憶手段と、
前記消耗率の閾値と前記不具合の履歴とに基づき、修理の程度を判定する判定手段と、
前記消耗品の情報と前記修理の程度を表示し、所望される交換日時を入力する表示操作手段と、
前記消耗品の情報と、前記交換日時の情報とを受送信する通信手段と、
前記表示操作手段と前記通信手段とを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記修理の程度に応じて、不具合を生じた前記消耗品の情報と、前記消耗品の前記不具合の履歴と、前記交換日時の情報とを前記表示操作手段に表示させ、前記通信手段により送信するように制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記消耗品の不具合の履歴と前記消耗品の消耗率における閾値とに基づき、前記検知手段が検知した不具合を生じた前記消耗品が使用保証期間内に納まるように制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記修理の程度に応じて、前記消耗品の修理費用の割合を前記表示操作手段に表示させ、前記通信手段により送信するように制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記通信手段は、不具合を生じた前記消耗品と、前記消耗品の過去の履歴と、前記消耗品の修理希望日時と、修理者からの修理予定日時と、前記消耗品の修理費用とを受信し、前記表示操作手段は、前記通信手段の受信した情報を表示することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像生成装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置と、
前記画像形成装置とネットワークを介して接続し、前記画像形成装置から送信された前記情報を表示する第2の表示操作手段を備える端末と、
を備える消耗品管理表示システムであって、
少なくとも搬送ローラを含む消耗品の情報と、前記消耗品の修理費用と、前記修理日時とを、前記ネットワークを介して、前記画像形成装置の前記表示操作手段に表示させることを特徴とする消耗品管理表示システム。
【請求項6】
前記表示操作手段は、前記消耗品の交換の履歴に基づいて、前記消耗品の修理費用を段階的に表示することを特徴とする請求項5に記載の消耗品管理表示システム。
【請求項7】
前記制御手段は、前記修理の程度に応じて、前記表示操作手段を複数の修理日時を表示するように制御することを特徴する請求項5又は6に記載の消耗品管理表示システム。
【請求項8】
少なくとも搬送ローラを含む消耗品を管理する消耗品管理表示方法であって、
前記消耗品の不具合を検知する検知ステップと、
前記消耗品の不具合の履歴と、前記消耗品の消耗率における複数の閾値とを記憶する記憶ステップと、
前記消耗率の閾値と前記不具合の履歴とに基づき、修理の程度を判定する判定ステップと、
前記消耗品の情報と前記修理の程度を表示し、所望される交換日時を入力する表示操作ステップと、
前記消耗品の情報と、前記交換日時の情報とを受送信する通信ステップと、
前記表示操作ステップと前記通信ステップとを制御する制御ステップと、
を備え、
前記制御ステップは、前記修理の程度に応じて、不具合を生じた前記消耗品の情報と、前記消耗品の前記不具合の履歴と、前記交換日時の情報とを表示させ、通信するように制御するステップを備えることを特徴とする消耗品管理表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−976(P2013−976A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−134197(P2011−134197)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】