説明

画像形成装置、その制御方法、および制御プログラム

【課題】集約印刷などの変倍印刷の際にストレスなくプレビューを行って、印刷ミスを容易に防止する。
【解決手段】コントローラ100は画像形成を行う際、画像データについて、変倍処理などの所定の処理を行う処理指示があったか否かを判定する。所定の処理指示があったと判定すると、コントローラは所定の処理後の画像データに応じて記録用紙に画像形成を行う際に、記録用紙に形成される画像と同一のサイズで画像を実サイズプレビュー画像として操作パネル110に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、又は複合機などの画像形成装置、その制御方法、および制御プログラムに関し、特に、画像形成装置のプレビュー機能に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保護の観点から、オフィス等などの事業所においてペーパーレス化が推進されている。このため、複合機などの画像形成装置では、必要最低限の枚数を印刷する場合においても、印刷ミスを低減するためプレビュー機能が備えられている。
【0003】
プレビュー機能の1つとして、例えば、印刷すべき画像に含まれる文字および図画を、用紙に印刷した場合と同一の大きさで表紙部に表示して、ユーザに確認させるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。以下このプレビュー機能を実サイズプレビュー機能と呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−166763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1に記載の実サイズプレビュー機能では、印刷する前に文字および図画の大きさを確認することができるので、印刷後にユーザが意図していた文字および図画の大きさと違うという理由による印刷ミスを防止することができる。
【0006】
一方、画像形成装置おいては、用紙およびトナーを節約するため、複数ページを1ページに纏めて印刷する所謂集約印刷を設定することができる。集約印刷を行うと、集約前に比べてページサイズは小さくなる。従って、集約印刷後の文字の大きさなどを予め確認するために、集約印刷後の用紙と同一のサイズで、つまり、集約後の文字および図画サイズで実サイズプレビューを行う必要がある。
【0007】
このように、ユーザが意図していた文字および図画の大きさと異なるという理由による印刷ミスは、ユーザによって設定された印刷設定に起因することが多い。従って、上記集約印刷のように文字や図画の大きさが原稿に対して変わるような印刷設定を行った際に合わせて上記実サイズプレビューを行うことが効果的である。
【0008】
ところが、印刷設定による文字サイズの変更にユーザが気付かないことが多いという問題がある。
【0009】
そこで本発明は、このような問題を解決し、集約印刷などの変倍印刷の際にユーザが意図しない文字および図画の大きさで印刷されてしまうことによる印刷ミスを未然に防止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明による画像形成装置は、画像データに応じて記録用紙に画像形成を行う画像形成装置であって、前記画像形成を行う際、前記画像データについて所定の処理を行う処理指示があったか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記所定の処理指示があったと判定されると、前記所定の処理後の画像データに応じて前記記録用紙に画像形成を行う際に、前記記録用紙に形成される画像と同一のサイズで画像を実サイズプレビュー画像として表示するプレビュー表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明による制御方法は、画像データに応じて記録用紙に画像形成を行う画像形成装置の制御方法であって、前記画像形成を行う際、前記画像データについて所定の処理を行う処理指示があったか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップによって前記所定の処理指示があったと判定されると、前記所定の処理後の画像データに応じて前記記録用紙に画像形成を行う際に、前記記録用紙に形成される画像と同一のサイズで画像を実サイズプレビュー画像として表示部に表示するプレビュー表示制御ステップとを有することを特徴とする。
【0012】
本発明による制御プログラムは、画像データに応じて記録用紙に画像形成を行う画像形成装置で用いられる制御プログラムであって、前記画像形成装置が備えるコンピュータに、前記画像形成を行う際、前記画像データについて所定の処理を行う処理指示があったか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップによって前記所定の処理指示があったと判定されると、前記所定の処理後の画像データに応じて前記記録用紙に画像形成を行う際に、前記記録用紙に形成される画像と同一のサイズで画像を実サイズプレビュー画像として表示部に表示するプレビュー表示制御ステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、集約印刷などの変倍印刷の際にユーザが意図しない文字および図画の大きさで印刷されてしまうことによる印刷ミスを未然に防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態による画像形成装置の一例についてそのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す画像形成装置においてプレビュー表示および印刷の際の処理を説明するための図である。
【図3】図2に示す操作パネルに表示される表示画面を説明するための図であり、(a)は図2に示すストレージに保存された画像データを選択するための選択画面(ボックスデータ選択画面)を示す図、(b)はプリント実行画面を示す図である。
【図4】図2に示す画像形成装置で行われる実サイズプレビューの表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図5A】図2に示す画像形成装置において選択画面でプレビューキーが押し下げられた際の処理を説明するためのフローチャートである(その1)。
【図5B】図2に示す画像形成装置において選択画面でプレビューキーが押し下げられた際の処理を説明するためのフローチャートである(その2)。
【図6】図3(a)に示すプレビューキーを押し下げた際に操作パネルに表示されるプレビュー画像を示す図であり、(a)はプレビュー画像の一例を示す図、(b)はプレビュー画像の他の例を示す図である。
【図7】図2に示す画像形成装置において集約済みの画像データをボックス格納してプレビュー表示する場合の処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】図2に示す画像形成装置において、イメージ合成処理におけるプレビュー表示処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態による画像形成装置の一例について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態による画像形成装置の一例についてそのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0017】
図示の画像形成装置は所謂複合機(MFP)であり、コントローラユニット100、スキャナ部101、プリンタエンジン102、および操作部(操作パネルともいう)110を備えている。
【0018】
スキャナ部101は、コントローラユニット100の制御下で原稿台(図示せず)に載置された原稿に光を当てて原稿上の画像を光学的に読み取る。そして、スキャナ部101は光学像を電気信号に変換して画像データを得る。プリンタエンジン102は、コントローラユニット100の制御下で画像データに応じて用紙に画像を形成する。操作パネル110はコントローラユニット100に各種指令および印刷設定を行う際に用いられる。また、操作パネル110には、後述するように、設定画面および各種情報が表示される。
【0019】
コントローラユニット100はCPU105を備えており、CPU105によってMFPが制御される。RAM106はCPU105のシステムワークメモリとして用いられる。また、RAM106は画像データを一時記憶するための画像メモリとしても用いられる。ROM107はブートROMであり、ROM107にはブートプログラムが格納されている。ハードディスクドライブ(HDD)108には各種処理のためのシステムソフトウェアおよび画像データなどが格納される。
【0020】
操作部インタフェース(I/F)109は、操作パネル110に対するインタフェースであり、操作パネル110に、例えば、操作画面データを出力する。また、操作部I/F109は、操作パネル110から入力された情報をCPU105に送る。
【0021】
ネットワークI/F111は、例えば、LANカードであり、LAN N1に接続されて外部装置(例えば、コンピュータ)との間で画像データなどの情報(データ)の入出力を行う。また、モデム112は公衆回線104に接続され、外部装置(例えば、ファクシミリ装置)との間で画像などの情報の入出力を行う。
【0022】
なお、上述の各構成要素(デバイス)はシステムバス113によって相互に接続されている。
【0023】
図示のように、コントローラユニット100には、イメージバスI/F114が備えられている。このイメージバスI/F114はシステムバス113と画像バス115とを接続するためのインタフェースである。画像バス115は画像データを高速で転送するためのバスであって、イメージバスI/F114はデータ構造を変換するバスブリッジとして用いられる。
【0024】
画像バス115には、ラスタイメージプロセッサ(RIP)116、デバイスI/F117、スキャナ画像処理部118、プリンタ画像処理部119、画像編集用画像処理部120、およびカラーマネージメントモジュール(CMM)130が接続されている。
【0025】
RIP116は、ページ記述言語(PDLデータ)コード又は後述するベクトルデータをイメージに展開する。デバイスI/F部117は、スキャナ部101およびプリンタエンジン102に接続され、画像データを同期系又は非同期系に変換する。
【0026】
スキャナ画像処理部118は、スキャナ部101から入力された画像データに対して、補正、加工、および編集などの各種処理を行う。プリンタ画像処理部119は、プリント出力を行う画像データに対して、プリンタエンジン102に応じた補正および解像度変換などの処理を行う。
【0027】
画像編集用画像処理120は、画像データの回転および画像データの圧縮伸長処理などの各種画像処理を行う。CMM130は、画像データに対して、プロファイルおよびキャリブレーションデータに基づいて色変換処理(色空間変換処理ともいう)を行うための専用ハードウェアモジュールである。
【0028】
ここで、プロファイルとは、機器に依存した色空間で表現したカラー画像データを機器に依存しない色空間(例えば、Labなど)に変換するための関数を表す情報である。キャリブレーションデータとは、カラー印刷の際にスキャナ部101およびプリンタエンジン102の色再現特性を修正するためのデータである。
【0029】
図2は、図1に示す画像形成装置においてプレビュー表示および印刷の際の処理を説明するための図である。
【0030】
なお、図2においては、説明の便宜上HDD108などの記憶エリアがストレージ13としてコントローラユニット(単にコントローラともいう)100の外側に示されている。さらに、ここでは、RIP116がコントローラ100の外側に示されている。つまり、図2では、図1に示すコントローラ100のうちストレージ13およびRIP116を除くものがコントローラ100として示されている。
【0031】
画像データがスキャナ部11又はRIP116からコントローラ100に入力されると(S101)、コントローラ100(つまり、図1に示すCPU105)はボックス(記憶エリア)と呼ばれるストレージ13に画像データを格納する(S102)。
【0032】
ユーザが操作パネル110によってストレージ13に保存された画像データの選択設定を行って(S103)、プレビュー指示を行うと(S104)、コントローラ100は、選択された画像データをストレージ13から読み出して(S105)、プレビュー指示に応じてプレビュー画像を生成する(S106)。そして、コントローラ100は当該プレビュー画像を操作パネル110に表示する(S107)。
【0033】
一方、ユーザが操作パネル110を用いてストレージ13に保存された画像データを選択して印刷指示を行うと、コントローラ100ストレージ13から選択された画像データを読み出して(S109)、印刷画像データを生成する(S110)。そして、コントローラ100は当該印刷画像データをプリンタエンジン102に送る。
【0034】
ここで、操作パネル110に表示される実サイズプレビューについて説明する。
【0035】
実サイズプレビューとは、実サイズプレビューの対象である画像を操作パネル110に表示する際、当該対象画像を用紙(記録用紙)に印刷した場合と同一のサイズ(これを実サイズと呼ぶ)で表示することをいう。つまり、記録用紙に印刷された対象画像とプレビュー画像とを重ねると、対象画像とプレビュー画像とが一致する状態となる。このため、ユーザは実サイズプレビューを行えば、印刷物のイメージを容易に把握することができる。
【0036】
実サイズプレビューを行う際には、ユーザが操作パネル110を用いて実サイズプレビュー表示指示を入力すると、その旨(実サイズプレビュー表示指示)がコントローラ100(つまり、図1に示すCPU105)に通知される。
【0037】
コントローラ100は、当該実サイズプレビュー表示指示を受け付けると、ストレージ13に保存された画像データ(つまり、選択された画像データ)に応じた実サイズプレビュー画像を生成する。
【0038】
いま、実サイズプレビュー画像を生成する際には、コントローラ100は操作パネル110の表示解像度(x)を取得するとともに、プリンタエンジン102の印刷解像度(y)を取得する。そして、コントローラ100はプリンタエンジン102によって印刷される画像を、x/yで算出された割合で縮小(又は拡大)して、実サイズプレビュー画像を生成する。
【0039】
例えば、表示解像度が72[dpi]で、印刷解像度が600[dpi]であるとすると、コントローラ100は、72/600=0.12(12%)の割合で印刷される画像を縮小して実サイズプレビュー画像を生成する。
【0040】
用紙サイズがA4サイズの用紙に印刷を行う場合には、印刷すべき画像データの大きさは横×縦が210mm×297mmとなる。そして、当該画像データの画素数は、A4サイズ横の画素数=A4横の長さ210mm/(25.4mm/inch)×600[dpi]=4960画素となる。また、A4縦の画素数=A4縦の長さ297mm/(25.4mm/inch)×600[dpi]=7015画素となる。
【0041】
この画像データを12%の割合で縮小するので、実サイズプレビュー画像における画素数は、実サイズプレビュー画像の横の画素数=4960画素×0.12=596画素となり、実サイズプレビュー画像の縦の画素数=7015画素×0.12=842画素となる。
【0042】
コントローラ100は、実サイズプレビュー画像に応じた表示データを生成して、表示画像として操作パネル14に表示する。これによって、操作パネル14には実サイズプレビュー画像が表示されることになる。
【0043】
続いて、図2に示す操作パネル110に実サイズプレビュー画像を表示する際の処理については説明する。
【0044】
図3は図2の示す操作パネル110に表示される表示画面を説明するための図である。そして、図3(a)は図2に示すストレージ13に保存された画像データを選択するための選択画面(ボックスデータ選択画面)を示す図であり、図3(b)はプリント実行画面を示す図である。
【0045】
ユーザが操作パネル110を操作して選択画面表示指示を与えると、コントローラ100はストレージ(ボックス)13に保存された画像データを選択するためのボックスデータ選択画面(以下単に選択画面と呼ぶ)を操作パネル110に表示する。
【0046】
図3(a)に示すように、選択画面にはボックス13に格納された画像データ(文書)のリスト201が表示される。このリスト201には文書毎にその登録日時、および文書名が含まれている。文書を選択する際には、例えば、文書名を指などで押し下げる(タッチする)。これによって、当該タッチした文書が選択されて反転表示される。
【0047】
スキャンキー202は、現在開かれているボックス13にスキャナ101から画像データを保存する場合に用いられる。そして、スキャンキー202を操作すると、コントローラ100は操作パネル110にスキャン設定画面(図示せず)を表示する。
【0048】
プリントキー203は、選択した文書をプリントする場合に用いられる。プリントキー203を操作すると、コントローラ100は図3(b)に示すプリント実行画面を操作パネル110に表示する。
【0049】
プレビューキー204は、選択した文書をプレビューする際に用いられる。消去キー205は、選択した文書を消去する際に用いられる。206と207はそれぞれ上下スクロールキー206および207は、操作パネル110の表示画面(表示部)に表示可能な数を超える文書がボックス13に登録されている際に、選択画面をスクロールする際に用いられる。閉じるキー208を操作すると、コントローラ100は操作パネル110に標準画面(図示せず)を表示する。
【0050】
前述のように、プリントキー203を操作すると、図3(b)に示すプリント実行画面が操作パネル110に表示される。プリント実行画面には設定簡易確認表示欄209があり、この設定簡易確認表示欄209には、選択した文書で設定された設定情報(カラー又は白黒、用紙サイズ、および印刷部数など)が表示される。
【0051】
その他の機能キー210を操作すると、コントローラ100は操作パネル110に印刷設定の詳細画面(図示せず)を表示する。そして、印刷設定詳細画面において複数ページを一つの(単一の)ページにまとめて印刷する集約印刷を設定することができる。
【0052】
実サイズプレビューキー211は、その他の機能キー210を操作して集約印刷を設定した後に、プリント実行画面に表示される。実サイズプレビューキー211を操作すると、コントローラ100は操作パネル110にプレビュー画面を表示して、このプレビュー画面上に実サイズプレビュー画像を表示する。
【0053】
ここでは、文字サイズが小さくなる印刷設定が設定されている文書については、後述するように、実サイズプレビューキー211が自動的に表示される。これによって、ユーザに対して、印刷前に実サイズプレビューによる確認を促して、意図していた文字および図画とはその大きさが異なるという理由による印刷ミスを防止する。
【0054】
印刷開始キー212は現在設定されている印刷設定で、選択した文書を印刷する際に用いられる。設定保存キー213は現在設定されている印刷設定を選択した文書に関連付けて保存する際に用いられる。そして、設定保存キー213を操作すると、印刷設定を保存して、コントローラ110は操作パネル110に、図3(a)に示すボックスデータ選択画面を表示する。キャンセルキー214を操作すると、印刷設定をキャンセルして、コントローラ110は操作パネル110に、図3(a)に示すボックスデータ選択画面を表示する。
【0055】
図4は図2に示す画像形成装置で行われる実サイズプレビューの表示処理を説明するためのフローチャートである。図4の各ステップは画像形成装置のコントローラ100が備えるCPU105が、ROM107やHDD108等のメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理される。
【0056】
まず、図3(a)に示す選択画面で文書が選択されると、コントローラ100は選択画面で選択された文書を特定する(ステップS301)。続いて、コントローラ100は、図3(b)に示す印刷実行画面において所定の処理が行われたか否かを判定する(ステップS302)。以降、所定の処理の一例として集約印刷設定が行われたかどうかがS302において判定されたものとして説明する。
【0057】
集約印刷設定が行われないと(ステップS302において、NO)、コントローラ110は既に実サイズプレビューキー211が表示されているか否かを判定する(ステップS303)。実サイズプレビューキー211が表示されていなければ(ステップS303において、NO)、コントローラ100は表示処理を終了する。一方、実サイズプレビューキー211が表示されていると(ステップS303において、YES)、コントローラ100は実サイズプレビューキー211を非表示として(ステップS304)、表示処理を終了する。
【0058】
集約印刷設定が行われると(ステップS302において、YES)、コントローラ110は、印刷実行画面に実サイズプレビューキー211(プレビュー表示キー)を表示する(プレビューキー表示:ステップS305)。続いて、コントローラ100は、実サイズプレビューの指示を受けたか、つまり、実サイズプレビューキー211が操作されたか否かを判定する(ステップS306)。実サイズプレビューの指示を受けないと(ステップS306において、NO)、コントローラ100は待機する。
【0059】
実サイズプレビューの指示を受けると(ステップS306において、YES)、コントローラ100はプレビュー指示を受けた画像データ、つまり、選択した画像データをボックス13から読み出す(ステップS307)。そして、コントローラ10は、選択した画像データについて印刷設定に基づいて印刷画像(所定の処理後の画像データ)を生成する(ステップS308)。
【0060】
続いて、コントローラ100は実サイズプレビュー指示に応じて、前述のように、印刷画像を実サイズプレビュー画像に変換する(ステップS309)。そして、コントローラ100は実サイズプレビュー画像を操作パネル110に表示する(プレビュー実行:ステップS310)。
【0061】
コントローラ100は、実サイズプレビュー画像の表示を終了するOKキー(図示せず)が押し下げられたか否かを判定する(ステップS311)。OKキーが押し下げられないと(ステップS311において、NO)、コントローラ100はステップS310の処理に戻って、実サイズプレビュー画像の表示を継続する。
【0062】
一方、OKキーが押し下げられると(ステップS311において、YES)、コントローラ100は表示処理を終了する。
【0063】
なお、図4に示すフローチャートでは、所定の処理として集約印刷設定を例に挙げて、実サイズプレビュー画像の表示について説明した。しかし、集約印刷設定に限らず、例えばポスター印刷設定のように変倍設定(つまり、変倍処理)を行う印刷設定、つまり、印刷の際にその大きさに影響を与える印刷設定では実サイズプレビュー画像を表示処理することが望ましい。ここで、変倍処理とは、画像データの倍率を変更して印刷を行うための処理のことをいう。
【0064】
図5Aおよび図5Bは、図2に示す画像形成装置において選択画面でプレビューキーが押し下げられた際の処理を説明するためのフローチャートである。図5A,5Bの各ステップは画像形成装置のコントローラ100が備えるCPU105が、ROM107やHDD108等のメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理される。
【0065】
まず、図3(a)に示す選択画面で文書が選択され、プレビューキー204が押し下げられたとする。コントローラ100は選択画面で選択された文書を特定する(ステップS401)。コントローラ100は特定した文書をボックス13から読み出す(ステップS402)。
【0066】
続いて、コントローラ100が選択した文書に集約印刷設定が行われているか否かを判定する(ステップS403)。集約印刷設定があると(ステップS403において、YES)、コントローラ100はプレビュー設定に応じて、前述したように、実サイズプレビュー画像を生成する(ステップS404)。そして、コントローラ100は実サイズプレビュー画像を操作パネル110に表示する(ステップS405)。
【0067】
一方、集約印刷設定がないと(ステップS403において、NO)、コントローラ100はプレビュー設定に応じて、選択した文書について標準プレビュー画像を生成する(ステップS406)。そして、コントローラ100は標準プレビュー画像を操作パネル110に表示する(ステップS407)。
【0068】
ここでは、標準プレビュー画像は、小サイズ、中サイズ、および大サイズのいずれかのサイズで表示されるが、初期状態では中サイズで標準プレビュー画像が表示される。
【0069】
ステップS405又はステップS407の処理を行った後、コントローラ10は操作パネル110に表示された標準プレビュー画像又は実サイズプレビュー画像のサイズが標準画像の大サイズより小さいか否かを判定する(ステップS408)。以下、標準プレビュー画像および実サイズプレビュー画像を単にプレビュー画像ということがある。
【0070】
標準サイズの大サイズよりも小さいと(ステップS408において、YES)、コントローラ100はプレビュー画像を拡大表示する際に用いられる拡大キーを操作パネル110に表示する(拡大キー表示:ステップS409)。そして、コントローラ100はプレビュー画像が標準画像の小サイズより大きいか否かを判定する(ステップS410)。なお、プレビュー画像のサイズが標準サイズの大サイズ以上であると(ステップS408において、NO)、処理はステップS410に進む。
【0071】
プレビュー画像が標準画像の小サイズより大きいと(ステップS410において、YES)、コントローラ100はプレビュー画像を縮小表示する際に用いる縮小キーを操作パネルに表示する(縮小キー表示:ステップS411)。そして、コントローラ100は拡大キーが押し下げられたか否かを判定する(ステップS412)。
【0072】
なお、プレビュー画像が標準画像の小サイズ以下であると(ステップS410において、NO)、処理はステップS411に進む。
【0073】
拡大キーが押し下げられると(ステップS412において、YES)、コントローラ100は、表示中のプレビュー画像のサイズが標準画像の中サイズより小さいか否かを判定する(ステップS413)。プレビュー画像のサイズが標準画像の中サイズより小さいと(ステップS413において、YES)、コントローラ100は表示中のプレビュー画像について標準画像の中サイズに相当するプレビュー画像が作成されていなければ、中サイズのプレビュー画像を生成する(ステップS414)。
【0074】
プレビュー画像のサイズが標準画像の中サイズ以上であると(ステップS413において、NO)、コントローラ100は表示中のプレビュー画像について標準画像の大サイズに相当するプレビュー画像が作成されていなければ、大サイズのプレビュー画像を生成する(ステップS415)。
【0075】
ステップS414又はS415の処理に続いて、コントローラ100は表示中のプレビュー画像について実サイズプレビュー画像に相当するプレビュー画像が生成済みであるか否かを判定する(ステップS416)。実サイズプレビュー画像に相当するプレビュー画像が生成済みであると(ステップS416において、YES)、コントローラ100は、表示中のプレビュー画像と実サイズプレビュー画像とを比較する。
【0076】
そして、コントローラ100は、表示中のプレビュー画像よりも実サイズプレビュー画像の方がサイズが大きく、かつステップS414又はS415で生成した標準プレビュー画像よりも実サイズプレビュー画像の方がサイズが小さいか否かを判定する(ステップS417)。つまり、コントローラ100は実サイズプレビュー画像のサイズが2番目に(次に)サイズの大きい画像であるか否かを判定することになる。
【0077】
実サイズプレビュー画像のサイズが2番目に(次に)サイズの大きい画像であると(ステップS417において、YES)、コントローラ100は操作パネル110に実サイズプレビュー画像を表示して(ステップS418)、ステップS408の処理に戻る。
【0078】
一方、実サイズプレビュー画像のサイズが2番目に(次に)サイズの大きい画像でないと(ステップS417において、NO)、コントローラ100は操作パネル110にステップS414又はS415で生成した標準プレビュー画像を表示して(ステップS419)、ステップS408の処理に戻る。
【0079】
ステップS412おいて、拡大キーが押し下げられないと(ステップS412において、NO)、コントローラ100は縮小キーが押し下げられたか否かを判定する(ステップS420)。
【0080】
縮小キーが押し下げられると(ステップS420において、YES)、コントローラ100は、表示中のプレビュー画像のサイズが標準画像の中サイズより大きいか否かを判定する(ステップS421)。プレビュー画像のサイズが標準画像の中サイズより大きいと(ステップS421において、YES)、コントローラ100は表示中のプレビュー画像について標準画像の中サイズに相当するプレビュー画像が作成されていなければ、中サイズのプレビュー画像を生成する(ステップS422)。
【0081】
プレビュー画像のサイズが標準画像の中サイズ以下であると(ステップS421において、NO)、コントローラ100は表示中のプレビュー画像について標準画像の小サイズに相当するプレビュー画像が作成されていなければ、小サイズのプレビュー画像を生成する(ステップS423)。
【0082】
ステップS422又はS423の処理に続いて、コントローラ100は表示中のプレビュー画像について実サイズプレビュー画像に相当するプレビュー画像が生成済みであるか否かを判定する(ステップS424)。実サイズプレビュー画像に相当するプレビュー画像が生成済みであると(ステップS424において、YES)、コントローラ100は、表示中のプレビュー画像よりも実サイズプレビュー画像の方がサイズが小さく、かつステップS422又はS423で生成した標準プレビュー画像よりも実サイズプレビュー画像の方がサイズが大きいか否かを判定する(ステップS425)。つまり、コントローラ100は実サイズプレビュー画像のサイズが2番目に(次に)サイズの小さい画像であるか否かを判定することになる。
【0083】
実サイズプレビュー画像のサイズが2番目に(次に)サイズの小さい画像であると(ステップS425において、YES)、コントローラ100は操作パネル110に実サイズプレビュー画像を表示して(ステップS426)、ステップS408の処理に戻る。
【0084】
一方、実サイズプレビュー画像のサイズが2番目に(次に)サイズの小さい画像でないと(ステップS425において、NO)、コントローラ100は操作パネル110にステップS422又はS423で生成した標準プレビュー画像を表示して(ステップS427)、ステップS408の処理に戻る。
【0085】
縮小キーが押し下げられないと(ステップS420において、NO)、コントローラ100は、実サイズプレビュー表示を終了させるOKキー(図示せず)が押し下げられたか否かを判定する(ステップS428)。
【0086】
OKキーが押し下げられないと(ステップS428において、NO)、コントローラ100はステップS412の処理に戻る。一方、OKキーが押し下げられないと(ステップS428において、YES)、コントローラ100はプレビュー画面を閉じて処理を終了する。
【0087】
このように、通常プレビュー表示される標準画像(小サイズ、中サイズ、又は大サイズ)および実サイズプレビュー画像の4種類のプレビュー画像について、拡大キーおよび縮小キーの操作に応じて、選択的に操作パネル110に表示させることができる。
【0088】
なお、図5Aおよび図5Bに示すフローチャートでは、集約印刷設定を例に挙げて、実サイズプレビュー画像の表示について説明した。しかし、集約印刷設定に限らず、例えばポスター印刷設定のように変倍設定を行う印刷設定、つまり、印刷の際にその大きさに影響を与える印刷設定では実サイズプレビュー画像を表示処理することが望ましい。
【0089】
図6は図3(a)に示すプレビューキーを押し下げた際に操作パネルに表示されるプレビュー画像を示す図である。そして、図6(a)はプレビュー画像の一例を示す図であり、図6(b)はプレビュー画像の他の例を示す図である。
【0090】
操作パネル110にはプレビューウィンドウ501が表示される。図示の例では、プレビューウィンドウ501には実サイズプレビュー画像が表示されている。いま、拡大キー502を押し下げると、表示中のプレビュー画像よりもサイズが大きいプレビュー画像がプレビューウィンドウ501に表示される(図6(a)参照)。
【0091】
一方、縮小キー503を押し下げると、表示中のプレビュー画像よりもサイズが小さいプレビュー画像がプレビューウィンドウ505に表示される(図6(b)参照)。
【0092】
図5Aおよび図5Bに関連して説明したように、ここでは、プレビュー画像の表示サイズとして、標準画像の小サイズ、中サイズ、および大サイズと実サイズプレビューのサイズとの合計4通りの表示サイズが表示できる。
【0093】
従って、中サイズの標準画像がプレビュー表示されている場合に、拡大キー502が押し下げられると、大サイズの標準画像がプレビューウィンドウ501に表示されるか又は中サイズより大きくかつ大サイズより小さい実サイズプレビュー画像が存在すれば実サイズプレビュー画像がプレビューウィンドウ501に表示される。OKキー504を押し下げると、前述のように、プレビュー画像表示が終了する。
【0094】
図7は、図2に示す画像形成装置において集約済みの画像データをボックス格納してプレビュー表示する場合の処理を説明するためのフローチャートである。図7の各ステップは画像形成装置のコントローラ100が備えるCPU105が、ROM107やHDD108等のメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理される。
【0095】
コントローラ100は、スキャナ101による読み取りの結果得られた画像データ又はページ記述言語(PDLデータ)コードによる画像データを集約してボックス13に格納する。ここで、集約とは、複数ページの画像データを一ページに纏めることをいう。なお、集約印刷設定においては、ボックス13に画像データを格納の時点では集約は行われず、印刷する際に複数ページの集約が行われる。
【0096】
集約済みの画像データをボックス13に格納しておけば、後日、当該画像データ(例えば、文書)を印刷する際あらためて集約印刷設定を行うことなく、集約済みの画像データをボックス13から読み出して集約印刷設定を行った場合と同様に印刷物を生成することができる。
【0097】
よって、集約印刷設定の有無のみで、実サイズプレビューの可否を判定すると、集約済みの画像データを用いて印刷を行う場合には実サイズプレビュー表示を利用できなくなる。
【0098】
集約処理が開始されると、スキャナ101による読み取りの結果得られた画像データ又はRIP116によってページ記述言語(PDLデータ)コードをイメージに展開した画像データ(例えば、文書が入力される(ステップS601)。コントローラ100は、操作パネル110から画像データを集約して格納する指示(集約格納指示)を受けたか否かを判定する(ステップS602)。
【0099】
集約格納指示を受けると(ステップS602において、YES)、コントローラ100は集約格納指示に応じて画像データを集約して集約済み画像データとする(ステップS603)。この際、コントローラ100は集約済み画像データであることを示す情報(属性情報)を集約済み画像データに付与する(ステップS604)。そして、コントローラ110は集約済み画像データ(処理済の画像データ)に属性情報を付加してボックス13に格納する(ステップS605)。
【0100】
集約格納指示を受けないと(ステップS602において、NO)、コントローラ100は、ステップS605の処理に進み、画像データをボックス13に格納する。
【0101】
続いて、コントローラ101は操作パネル110においてプレビューキーが押し下げられたか否かを判定する(ステップS606)。プレビューキーが押し下げられないと(ステップS606において、NO)、コントローラ110は待機する。
【0102】
プレビューキーが押し下げられると(ステップS606において、YES)、コントローラ110は選択画面において選択された画像データ(例えば、文書)を特定する(ステップS607)。
【0103】
続いて、コントローラ100は集約印刷設定指示を受けたか否かを判定する(ステップS608)。集約印刷設定指示を受けないと(ステップS608において、NO)、コントローラ100は、ステップS607で特定した画像データに属性情報(集約済み情報)が存在するか否かを判定する(ステップS609)。一方、集約印刷設定指示を受けると(ステップS608において、YES)、コントローラ100は操作パネル110に実サイズプレビューキーを表示する(ステップS610)。
【0104】
画像データに集約済み情報が存在すると(ステップS609において、YES)、コントローラ100はステップS610に進んで、操作パネル110に実サイズプレビューキーを表示する。
【0105】
画像データに集約済み情報が存在しないと(ステップS609において、NO)、コントローラ100は操作パネル110に実サイズプレビューキーが表示されているか否かを判定する(ステップS611)。実サイズプレビューキーが表示されていると(ステップS611において、YES)、コントローラ100は実サイズプレビューキーを非表示として(ステップS612)、集約処理を終了する。一方、実サイズプレビューキーが表示されていないと(ステップS611において、NO)、コントローラ100は集約処理を終了する。
【0106】
ステップS610の処理を行った後、コントローラ100は実サイズプレビューの指示を受けたか否かを判定する(ステップS613)。つまり、コントローラ100は実サイズプレビューキーが押し下げられたか否かを判定することになる。
【0107】
実サイズプレビューの指示を受けないと(ステップS613において、NO)、コントローラ100は待機する。一方、実サイズプレビューの指示を受けると(ステップS613において、YES)、コントローラ100は実サイズプレビュー指示を受けた画像データ、つまり、選択画面で選択された画像データをボックス13から読み出す(ステップS614)。
【0108】
続いて、コントローラ110は印刷設定に基づいて画像データから印刷画像を作成する(ステップS615)。そして、コントローラ110はプレビュー設定指示に応じて印刷画像から実サイズプレビュー画像を作成する(ステップS616)。コントローラ10はこの実サイズプレビュー画像を操作パネル110に表示する(ステップS617)。
【0109】
次に、コントローラ110は実サイズプレビュー表示を終了させるOKキーが押し下げられたか否かを判定する(ステップS618)。OKキーが押し下げられないと(ステップS618において、NO)、コントローラ110はステップS617の処理に戻って実サイズプレビュー画像の表示を継続する。OKキーが押し下げられると(ステップS618において、YES)、コントローラ110は集約処理を終了する。
【0110】
前述したように、実サイズプレビューキー211は、集約印刷が設定された場合に表示されるキーであるが、集約印刷設定以外であっても、例えば、変倍設定又はポスター印刷設定のように印刷の際に文字の大きさに影響を与えるような印刷設定の場合にも実サイズプレビューキー211は表示される。
【0111】
一方、図2に示す画像形成装置においては、予め登録された所謂スタンプ画像およびフォーム画像などを、画像データと合成して印刷する所謂イメージ合成処理を行うことができる。
【0112】
フォーム合成処理においては、画像データの文字部分とスタンプ画像又はフォーム画像が重なって印刷されることがある。このため、文字部分が見難くなるなどユーザが意図しない印刷が行われることがある。
【0113】
よって、文字の大きさに影響を与える印刷設定のみではなく、イメージ合成処理を行う印刷設定においても、実サイズプレビュー表示を行うようにする。
【0114】
図8は、図2に示す画像形成装置において、イメージ合成処理におけるプレビュー表示処理を説明するためのフローチャートである。図8の各ステップは画像形成装置のコントローラ100が備えるCPU105が、ROM107やHDD108等のメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理される。
【0115】
まず、コントローラ110は選択画面において選択された画像データ(例えば、文書)を特定する(ステップS701)。続いて、コントローラ100は集約印刷設定指示又はイメージ合成処理指示(合成設定指示)を受けたか否かを判定する(ステップS702)。
【0116】
集約印刷設定指示又は合成設定指示を受けると(ステップS702において、YES)、コントローラ100は操作パネル110に実サイズプレビューキーを表示する(ステップS703)。一方、集約印刷設定指示および合成設定指示を受けないと(ステップS702において、NO)、コントローラ100は操作パネル110に実サイズプレビューキーが表示されているか否かを判定する(ステップS704)。
【0117】
実サイズプレビューキーが表示されていると(ステップS704において、YES)、コントローラ100は実サイズプレビューキーを非表示として(ステップS705)、処理を終了する。一方、実サイズプレビューキーが表示されていないと(ステップS704において、NO)、コントローラ100は処理を終了する。
【0118】
コントローラ100はステップS703の処理を行った後、実サイズプレビューの指示を受けたか否かを判定する(ステップS706)。つまり、コントローラ100は実サイズプレビューキーが押し下げられたか否かを判定することになる。
【0119】
実サイズプレビューの指示を受けないと(ステップS706において、NO)、コントローラ100は待機する。一方、実サイズプレビューの指示を受けると(ステップS706において、YES)、コントローラ100は実サイズプレビュー指示を受けた画像データ、つまり、選択画面で選択された画像データをボックス13から読み出す(ステップS707)。
【0120】
続いて、コントローラ110は印刷設定に基づいて画像データから印刷画像を作成する(ステップS708)。そして、コントローラ110はプレビュー設定指示に応じて印刷画像から実サイズプレビュー画像を作成する(ステップS709)。コントローラ10はこの実サイズプレビュー画像を操作パネル110に表示する(ステップS710)。
【0121】
次に、コントローラ110は実サイズプレビュー表示を終了させるOKキーが押し下げられたか否かを判定する(ステップS711)。OKキーが押し下げられないと(ステップS711において、NO)、コントローラ110はステップS710の処理に戻って実サイズプレビュー画像の表示を継続する。OKキーが押し下げられると(ステップS711において、YES)、コントローラ110は処理を終了する。
【0122】
以上のように、本発明の実施の形態によれば、実サイズプレビュー表示を行って、印刷結果を事前に確認することができる。その結果、ユーザは容易に印刷物をイメージしながら印刷設定を行うことができる。つまり、印刷物の文字などがユーザの意図したものと異なって印刷されるという不都合を容易に防止することができる。
【0123】
さらに、文字サイズが小さくなるような印刷設定が行われている画像データ(例えば、文書)については、実サイズプレビュー表示による確認をユーザに促すようにしている。これによりユーザが意図した文字および図画の大きさと異なることが要因の印刷ミスを未然に防止することができる。
【0124】
このようにして、本発明の実施の形態では、集約印刷などの際にストレスなくプレビューを行うことができるばかりでなく、印刷ミスを未然に防止することができる。
【0125】
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【0126】
例えば、上記の実施の形態の機能を制御方法として、この制御方法を画像形成装置に実行させるようにすればよい。また、上述の実施の形態の機能を有するプログラムを制御プログラムとして、この制御プログラムを画像形成装置が備えるコンピュータに実行させるようにしてもよい。なお、制御プログラムは、例えば、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録される。
【0127】
この際、制御方法および制御プログラムの各々は、少なくとも判定ステップおよびプレビュー表示制御ステップを有することになる。
【0128】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記録媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0129】
13 ストレージ
100 コントローラ(コントローラユニット)
101 スキャナ部
102 プリンタエンジン
105 CPU
108 HDD(ハードディスクドライブ)
110 操作パネル(操作部)
116 RIP(ラスタイメージプロセッサ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに応じて記録用紙に画像形成を行う画像形成装置であって、
前記画像形成を行う際、前記画像データについて所定の処理を行う処理指示があったか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記所定の処理指示があったと判定されると、前記所定の処理後の画像データに応じて前記記録用紙に画像形成を行う際に、前記記録用紙に形成される画像と同一のサイズで画像を実サイズプレビュー画像として表示するプレビュー表示制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記プレビュー表示制御手段は、前記判定手段によって前記所定の処理指示があったと判定されると、前記実サイズプレビュー画像の表示を行うためのプレビュー表示キーを表示するプレビューキー表示手段と、
前記プレビュー表示キーが操作されると、前記実サイズプレビュー画像の表示を実行するプレビュー実行手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
プレビューの際に画像を拡大表示するための拡大キーを表示する拡大キー表示手段を有し、
前記拡大キーが操作された際、前記プレビュー表示制御手段は、前記実サイズプレビュー画像のサイズと前記画像データに応じて生成された所定のサイズのプレビュー画像のサイズとを比較して、その結果に応じて前記実サイズプレビュー画像および前記プレビュー画像のいずれか一方を表示することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
プレビューの際に画像を縮小表示するための縮小キーを表示する縮小キー表示手段を有し、
前記縮小キーが操作された際、前記プレビュー表示制御手段は、前記実サイズプレビュー画像のサイズと前記画像データに応じて生成された所定のサイズのプレビュー画像のサイズとを比較して、その結果に応じて前記実サイズプレビュー画像および前記プレビュー画像のいずれか一方を表示することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記所定の処理が行われた画像データを処理済み画像データとして格納するとともに、当該画像データについて前記所定の処理が行われた旨の属性情報を付加して記憶する記憶手段を備え、
前記処理済み画像データに応じて前記画像形成を行う旨の指示があった際、前記判定手段によって前記処理指示がない判定されても、前記処理済み画像データに前記属性情報が付加されていると、前記プレビュー表示制御手段は、前記実サイズプレビュー画像を表示することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記プレビュー表示制御手段は、前記処理済み画像データに前記属性情報が付加されていると前記実サイズプレビュー画像の表示を行うためのプレビュー表示キーを表示するプレビューキー表示手段と、
前記プレビュー表示キーが操作されると、前記実サイズプレビュー画像の表示を実行するプレビュー実行手段とを有することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記所定の処理は、前記画像データの倍率を変更する変倍処理、前記画像データについて複数のページを1つのページに纏める集約処理、および予め設定された画像と前記画像データとを合成する合成処理の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
画像データに応じて記録用紙に画像形成を行う画像形成装置の制御方法であって、
前記画像形成を行う際、前記画像データについて所定の処理を行う処理指示があったか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップによって前記所定の処理指示があったと判定されると、前記所定の処理後の画像データに応じて前記記録用紙に画像形成を行う際に、前記記録用紙に形成される画像と同一のサイズで画像を実サイズプレビュー画像として表示部に表示するプレビュー表示制御ステップとを有することを特徴とする制御方法。
【請求項9】
画像データに応じて記録用紙に画像形成を行う画像形成装置で用いられる制御プログラムであって、
前記画像形成装置が備えるコンピュータに、
前記画像形成を行う際、前記画像データについて所定の処理を行う処理指示があったか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップによって前記所定の処理指示があったと判定されると、前記所定の処理後の画像データに応じて前記記録用紙に画像形成を行う際に、前記記録用紙に形成される画像と同一のサイズで画像を実サイズプレビュー画像として表示部に表示するプレビュー表示制御ステップとを実行させることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−91294(P2013−91294A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235878(P2011−235878)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】