説明

画像形成装置、カートリッジ、および清掃器

【課題】
塞き止め体による付着物の塞き止め過剰を回避することができる画像形成装置、カートリッジ、および清掃器を提供する。
【解決手段】
画像形成装置1において像を保持する像保持体10と、像保持体の表面に形成された像を被転写体へと転写する転写器14と、像保持体の、転写器によって像が被転写体へと転写された後の表面に接して、表面上の付着物を表面から取り除く清掃部材21と、清掃部材によって取り除かれた付着物が収容される収容槽22と、清掃部材と収容槽との間を遮って、清掃部材から収容槽へと向かう付着物を、清掃部材側に一時的に塞き止める塞き止め体23と、塞き止め体によって塞き止められた付着物を吸引する吸引管242と、吸引管を、塞き止め体が延びた方向に沿う方向に移動させる吸引管移動機構245を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、カートリッジ、および清掃器に関する。
【背景技術】
【0002】
トナー像を保持する像保持体上に付着する、トナーや外添剤等といった付着物を清掃部材(例えばゴムのブレード)で除去するタイプの画像形成装置が知られている。また、このような清掃部材が備えられた画像形成装置の中には、清掃部材で除去した付着物を塞き止め体で清掃部材付近に一時的に塞き止めて清掃効果を高めているものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−161125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、塞き止め体による付着物の塞き止め過剰を塞き止め体の各位置で回避することができる画像形成装置、カートリッジ、および清掃器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る画像形成装置は、
表面に像が形成されてこの像を保持する像保持体と、
上記像保持体の表面に像を形成する像形成部と、
上記像保持体の表面に形成された像を被転写体へと転写する転写器と、
上記像保持体の、上記転写器によって上記像が上記被転写体へと転写された後の表面に沿って延びた、この表面に接してこの表面上の付着物をこの表面から取り除く清掃部材と、
上記清掃部材によって取り除かれた付着物がこの清掃部材から移動してきて収容される収容槽と、
上記清掃部材が延びた方向に沿う方向に延びた、この清掃部材と上記収容槽との間を遮って、この清掃部材からこの収容槽へと向かう付着物をこの清掃部材側に一時的に塞き止める塞き止め体と、
上記塞き止め体によって塞き止められた付着物を吸引する吸引管と、
上記吸引管を、上記塞き止め体が延びた方向に沿う方向に移動させる吸引管移動機構とを備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る画像形成装置は、
上記吸引管移動機構が、上記吸引管を、上記清掃部材の央部および端部のそれぞれに対応した央部対応位置および端部対応位置を含んだ移動範囲に移動させるものであり、
上記吸引管が上記端部対応位置にあるときの吸引の強さを、この吸引管が上記央部対応位置にあるときの吸引の強さよりも強い強さに制御する制御部を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る画像形成装置は、
上記塞き止め体によって塞き止められている付着物の増減を、上記塞き止め体が延びた方向に沿った方向における各位置について直接あるいは間接に検知する増減検知部と、
上記増減検知部によって付着物の増加が検知された位置に応じた位置まで上記吸引管を上記吸引管移動機構で移動させる移動制御部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る画像形成装置は、
上記塞き止め体が延びた方向におけるこの塞き止め体の各位置に付けられた、この塞き止め体の歪みに応じた信号を出力する複数の歪センサと、
上記複数の歪みセンサから出力された信号に基づいて、上記塞き止め体によって塞き止められている付着物の増減を、この塞き止め体の上記各位置について判定する増減判定部と、
付着物が増加したと上記増減判定部によって判定された位置に応じた位置まで上記吸引管を上記吸引管移動機構で移動させる移動制御部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る画像形成装置は、
上記塞き止め体が延びた方向におけるこの塞き止め体の各位置に光を照射し、この塞き止め体で反射された反射光の、この塞き止め体の歪みの増減に応じた変化を検出する歪み計と、
上記歪み計による検出結果に基づいて、上記塞き止め体によって塞き止められている付着物の増減を、この塞き止め体の上記各位置について判定する増減判定部と、
付着物が増加したと上記増減判定部によって判定された位置に応じた位置まで上記吸引管を上記吸引管移動機構で移動させる移動制御部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項6に係る画像形成装置は、
上記像形成部によって形成される像を表わした画像データを入手し、上記塞き止め体によって塞き止められている付着物の増減を、この塞き止め体が延びた方向における各位置について、この画像データが表わした像の濃度を求めることで検知する濃度型増減検知部と、
付着物が増加したと上記濃度型増減検知部によって判定された位置に応じた位置まで上記吸引管を上記吸引管移動機構で移動させる移動制御部とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項7に係るカートリッジは、
表面に像が形成されてこの像を保持する像保持体と、
上記像保持体の表面に沿って延びた、この表面に接して、この表面上の付着物をこの表面から取り除く清掃部材と、
上記清掃部材によって取り除かれた付着物がこの清掃部材から移動してきて収容される収容槽と、
上記清掃部材が延びた方向に沿う方向に延びた、この清掃部材と上記収容槽との間を遮って、この清掃部材からこの収容槽へと向かう付着物をこの清掃部材側に一時的に塞き止める塞き止め体と、
上記塞き止め体によって塞き止められた付着物を吸引する吸引管と、
上記吸引管を、上記塞き止め体が延びた方向に沿う方向に移動させる吸引管移動機構とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項8に係るカートリッジは、
上記塞き止め体が延びた方向におけるこの塞き止め体の各位置に付けられた、この塞き止め体の歪みに応じた信号を出力する歪センサを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項9に係る清掃器は、
被清掃体の表面に沿って延びた、この表面に接してこの表面上の付着物をこの表面から取り除く清掃部材と、
上記清掃部材によって取り除かれた付着物がこの清掃部材から移動してきて収容される収容槽と、
上記清掃部材が延びた方向に沿う方向に延びた、この清掃部材と上記収容槽との間を遮って、この清掃部材からこの収容槽へと向かう付着物をこの清掃部材側に一時的に塞き止める塞き止め体と、
上記塞き止め体によって塞き止められた付着物を吸引する吸引管と、
上記吸引管を、上記塞き止め体が延びた方向に沿う方向に移動させる吸引管移動機構を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項10に係る清掃器は、上記塞き止め体が延びた方向におけるこの塞き止め体の各位置に付けられた、この塞き止め体の歪みに応じた信号を出力する歪センサを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る画像形成装置によれば、塞き止め体による付着物の塞き止め過剰を塞き止め体の各位置で回避することができる。
【0016】
請求項2に係る画像形成装置によれば、付着物が塞き止め体の央部よりも塞き止め過剰となり易い端部でも塞き止め過剰を回避することができる。
【0017】
請求項3に係る画像形成装置によれば、塞き止め体で塞き止められている付着物の増減に応じて付着物を排出することができる。
【0018】
請求項4に係る画像形成装置によれば、塞き止め体の歪を簡易な構成で検知することができる。
【0019】
請求項5に係る画像形成装置によれば、塞き止め体の各位置における歪を塞き止め体の動きに対して非干渉で検知することができる。
【0020】
請求項6に係る画像形成装置によれば、塞き止め体で塞き止められている各位置における付着物の増減を、簡易な構成の割には正確に検知することができる。
【0021】
請求項7に係るカートリッジによれば、塞き止め体による付着物の塞き止め過剰を塞き止め体の各位置で回避することができる。
【0022】
請求項8に係るカートリッジによれば、塞き止め体の歪を簡易な構成で検知することができる。
【0023】
請求項9に係る清掃器によれば、塞き止め体による付着物の塞き止め過剰を塞き止め体の各位置で回避することができる。
【0024】
請求項10に係る清掃器によれば、塞き止め体の歪を簡易な構成で検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】プリンタの概略構成図である。
【図2】図1に示す清掃器の塞き止め体と吸引器の配置を説明する図である。
【図3】図1に示す制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示す清掃器の一部拡大図である。
【図5】プリンタ1における処理の概略を示すフローチャートである。
【図6】記憶部に記憶された積算濃度テーブルの例である。
【図7】第2実施形態における清掃器の一部拡大図である。
【図8】第2実施形態における塞き止め体および吸引器を示すである。
【図9】第2実施形態のプリンタにおける処理の概略を示すフローチャートである。
【図10】第3実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
図1は、プリンタの概略構成図である。
【0028】
図1に示すプリンタ1は、本発明の画像形成装置の第1実施形態である。このプリンタ1は、感光体10と、この感光体10の表面に電荷を付与する帯電ロール11と、外部から送信されてきた画像データに基づいた露光光(レーザ光)を生成する露光器12と、トナーを含む現像剤を収容する現像器13と、記録用紙を収容する用紙カセット16と、用紙カセット16から記録用紙を引き出して搬送する用紙搬送装置17と、感光体10の表面に保持されたトナー像を、矢印B方向に搬送されてきた記録用紙上に転写する転写器14と、記録用紙上のトナー像を加熱および加圧することでその記録用紙上にトナー像を定着させる定着器15と、感光体10の表面を清掃する清掃器20とを有している。感光体10、帯電ロール11、および、清掃器20は、プロセスカートリッジ1B内に設けられており、プロセスカートリッジ1Bはプリンタ1に対し交換可能に装着されている。現像器13は、感光体10に対向して回転しながら、現像剤を感光体10との間の領域に搬送する現像ロール133を有している。
【0029】
ここで、このプリンタ1における画像形成の動作の流れを簡単に説明する。
【0030】
図1に示すプリンタ1では、矢印A方向に回転する感光体10の表面に、帯電ロール11により電荷が付与され、電荷が付与された感光体10の表面に、外部から送信されてきた画像データに基づいた露光光(レーザ光)が露光器12により照射されることでこの表面には静電潜像が形成される。その後、現像器13に収容されている現像剤が、現像ロール133の表面に供給されて現像ロール133と感光体10との間の現像領域に運ばれ、運ばれた現像剤中のトナーにより、感光体10の表面の静電潜像は現像される。この現像により得られたトナー像が、矢印B方向に搬送されてきた記録用紙上に転写器14により転写される。その後、トナー像を加熱および加圧する定着器15により記録用紙上のトナー像が溶融されて記録用紙上に定着される。
【0031】
感光体10が、表面に像が形成されてその像を保持する、本発明にいう像保持体の一例に相当する。さらに、帯電ロール11と露光器12と現像器13とが、本発明にいう像形成部の一例を構成している。また、プロセスカートリッジ1Bが本発明にいうカートリッジの一例に相当する。
【0032】
感光体10の、トナー像の転写を終えた部分に付着しているトナーは、矢印Aの向きの回転における転写器14よりも下流側で帯電ロール11よりも上流側、かつ感光体10の回転中心に沿った全幅にわたって先端が接触した清掃部材21を備える清掃器20により、感光体10表面から掻き落とすように除去され、除去されたトナーは清掃器20内の収容槽22に回収される。この清掃器20の清掃部材21は、ゴム製の板状の部材で構成され清掃器20の壁22Aに固定されている。
【0033】
なお、清掃器20では、感光体10に付着している付着物としてトナー以外に外添剤等も清掃部材21で除去されて回収されるが、付着物の多くはトナーが占めるので、以下では付着物の代表としてのトナーの除去回収について説明する。本実施形態の清掃器20には、清掃部材21による感光体10の表面に残留するトナーの清掃能力を高めるために、清掃部材21と収容槽22との間を遮って、その清掃部材21から収容槽22へと向かうトナーを清掃部材21側に一時的に塞き止める塞き止め体23が配備されている。塞き止め体23はPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂で構成されている。塞き止められたトナーは、清掃部材21と塞き止め体23との間でトナー溜まりを形成する。そしてトナー溜まりのトナーが増えてくると、塞き止め体23の撓みによってトナーが収容槽22へとあふれ出る。収容槽22には、螺旋状のフィンが備えられた搬送部材25が設けられており、搬送部材25が回転することによって、収容槽22に出てきたトナーが図示しない廃トナー容器に搬送される。
【0034】
塞き止め体23に塞き止められたトナー溜まりのトナーが過剰になると、トナーの圧力が高まってトナーが凝集することがあり、トナーが凝集すると収容槽22への移動が滞り、トナーがさらに過剰となる。トナー溜まりのトナーがあまり過剰になると、清掃部材21が感光体10に押し当たる力が強まって感光体10に傷がついたり、感光体の動きに支障が生じたりすることがある。また、トナーが収容槽22に凝集した塊の状態で出てくると、搬送部材25の搬送負荷が高まり、動作に支障が生じることもある。清掃器20には、塞き止め体23によって塞き止められたトナーを吸引する吸引器24が設けられている。
【0035】
吸引器24は、空気を吸い出すポンプ241と、空気とともにトナーを吸引する吸引ノズル242と、吸引ノズル242で吸引された内容物からトナーを濾し取って回収する回収器243と、吸引ノズル242を移動させるノズル移動機構245とを備えている。吸引ノズル242は、先端が塞き止め体23と感光体10との間を向いており、先端から、塞き止め体23によって塞き止められたトナーを吸引する。ノズル移動機構245は、吸引ノズル242を塞き止め体が延びた方向に沿う方向に移動させる。これによって、トナーが塞き止め体23の各位置から吸引される。吸引ノズル242が移動することによって、塞き止め体23の各位置でトナーが吸引され、各位置での塞き止め過剰が回避される。吸引ノズル242は管状であり、吸引ノズル242による吸引によって、凝集したトナーであっても効率よく吸引される。
【0036】
ここで、吸引ノズル242が本発明にいう吸引管の一例に相当し、ノズル移動機構245が本発明にいう吸引管移動機構の一例に相当する。
【0037】
尚、このプリンタ1は、モノクロ画像専用機であるが、本発明は、カラー画像機に適用されてもよい。またこの実施形態では感光体が本発明にいう像保持体の一例に相当するが、本発明にいう像保持体は中間転写ベルト等であっても良い。
【0038】
図2は、図1に示す清掃器の塞き止め体と吸引器の配置を説明する図である。
【0039】
図2には、清掃器20の側から感光体10を臨む方向に見た場合の清掃部材21、塞き止め体23、吸引ノズル242、およびノズル移動機構245が示されている。
【0040】
図2に示すように、清掃部材21は、感光体10の表面に沿って、感光体10の表面が移動する方向と交わる幅方向Yに延びており、塞き止め体23は、清掃部材21が延びた方向に沿う方向、すなわち幅方向Yに延びて配置されている。吸引ノズル242は、ノズル移動機構245によって、塞き止め体23が延びた方向に沿う方向、すなわち幅方向Yに移動する。ノズル移動機構245は、吸引ノズル242が固定された送り台245Aと、送り台245Aを支持するともに幅方向Yに移動させる支持棒245Bと、支持棒245Bを回転させるステッピングモータ245Cと、ステッピングモータ245Cに駆動電流を供給する駆動回路245Dとを有している。支持棒245Bは円柱状であり周面にはねじが形成されている。親ねじとしての支持棒245Bがステッピングモータ245Cに駆動されて回転すると、すべりねじ伝動によって、送り台245Aに取り付けられた吸引ノズル242が幅方向Yに移動する。吸引ノズル242の位置は、駆動回路245Dがステッピングモータ245Cに供給する駆動パルスによって制御される。また、駆動回路245Dは、空気を送り出すポンプ241に駆動電流を供給しており、駆動電流の大きさによってポンプ241が吸引する吸引力を制御し、吸引ノズル242の吸引の強さを制御する。制御部1A(図1参照)は、駆動回路245Dに移動の位置と吸引強さを指定する信号を供給することによって、吸引ノズル242を、符号P1〜P5で示す各位置のうち指定された位置に移動させ、指定された吸引の強さで空気を吸引させる。
【0041】
プリンタ1では、清掃器20だけでなく、プリンタ1内部の各種の動作が制御部1Aによって統括的に制御されている。
【0042】
図3は、図1に示す制御部の構成を示すブロック図である。
【0043】
図3に示す制御部1Aは、プログラムに基づいて制御処理を実行するCPU(Central Processing Unit)101と、CPU101によって実行されるプログラム、処理に用いられる各種テーブルおよび演算結果が記憶される記憶部102と、画像データを受信する画像インターフェース(画像IF)103と、プリンタ1内部の各回路と制御信号の受送信を行う機構制御インターフェース(機構制御IF)104とを有する。CPU101はプログラムに基づき、画像IF103から受信した画像データに基づいて演算処理を行い、処理結果を記憶部102に記憶するとともに、プリンタ1内部の駆動回路に機構制御IF104を介して制御のための信号を送信する。このようにして、制御部1Aはプリンタ1内部の各機構を制御している。
【0044】
図1には、制御部1Aがこのプリンタの動作を統括的に制御していることを示す例として、感光体駆動回路18に指示して感光体10の回転を制御することが示されている。この感光体駆動回路18は制御部1Aの指示に従って不図示のモータを駆動して感光体10を回転させている。この感光体の回転を制御する制御部1Aにも露光器12に供給される画像データが供給されており、この制御部1Aはその画像データが表わす像の濃度を、塞き止め体が延びた方向における複数の位置のそれぞれごとに算出する。制御部1Aは各位置の濃度に応じてノズル移動機構245に吸引ノズル242を移動させ、塞き止め体23によって塞き止められたトナーを吸引させる。トナーが吸引された位置ではトナー溜まりの過剰なトナーが除去される。また、トナー溜まりで凝集し、収容槽22への排出の妨げとなるトナーも、吸引ノズル242の吸引によって除去される。
【0045】
例えば、濃度の高い画像が連続して形成された場合は、清掃部材21から移動してくるトナーの量が増えてPET製の塞き止め体23の撓みによるトナー排出ではトナーの排出量が不足して、トナー溜まりのトナーの量が増加する。このトナー溜まりのトナーの量が増えて過剰になると、トナー溜まり内のトナーは、清掃部材21付近に凝集されて感光体10の回転の大きな負荷となって感光体10の回転を妨げるようになる。また、トナー溜まり内の過剰なトナーの増加によって、清掃部材21の感光体10に押し当たる力が増加すると、感光体10表面に傷が生じ、形成される画像に傷に起因した濃淡が生じる原因ともなる。
【0046】
ここで、トナーは塞き止め体23の全幅に亘って同様に過剰になるとは限らず、トナーが過剰になる位置は感光体10の表面に形成される画像によって異なる。例えば、高濃度部分が偏在した画像が連続して形成されると、幅方向Yについて、この高濃度部分に対応した位置でトナーが過剰となる。また、トナー溜まりは塞き止め体23に沿って幅方向Yに延びているが、トナー溜まりのトナーは、塞き止め体23の央部の位置から端部の位置に向かって移動する傾向を有している。このため、幅方向Yにおける端部では央部よりもトナーが凝集しやすい。
【0047】
そこで図1に示す制御部1Aは露光器12に供給されているのと同じ画像データを入手し、その画像データが表わした像の濃度を求めてその濃度に基づいて、塞き止め体23によって塞き止められるトナー溜まりのトナーの増減を、塞き止め体23が延びた幅方向Yにおける複数の位置で間接に検知している。即ち、画像データが表した像の濃度が高いと、現像に要するトナーの消費が多く、像の転写後に残る残留トナー(および外添剤等)も多くなって、清掃器20で除去されて回収されるトナー量も多くなる。したがって、像のうち高い濃度の部分に対応した位置ではトナー溜まりのトナーの量は増加する。逆に、像の濃度が低いと、トナーの消費が少なく、残留トナー(および外添剤等)も少なくなって、清掃器20で除去されて回収されるトナー量も少なくなる。したがって、像のうち低い濃度の部分に対応した位置ではトナー溜まりのトナーの量は少なくなる。
【0048】
制御部1Aは、塞き止め体23上の幅方向Yの各位置P1〜P5について像の濃度を求めて各位置P1〜P5のトナー量の増減を検知する。そして、吸引器24に、トナー量の増加した位置に、増加のタイミングに応じて空気を適宜吸引させる。
【0049】
図4は、図1に示す清掃器の一部拡大図である。図4には、吸引ノズル242によってトナーが吸引される様子が示されている。
【0050】
吸引ノズル242からトナーが吸引された位置では、凝集したトナーを含むトナーが除去される。その結果、清掃部材21と感光体10との間に適量のトナーが補填され補填されたトナーと清掃部材21とにより感光体10上のトナー(および外添剤等)の除去が適切に行なわれる。
【0051】
ここで、制御部1Aが像の濃度に基づいて吸引器24にどのようにトナーを吸引させるかを説明する。
【0052】
図5は、プリンタ1における処理の概略を示すフローチャートである。
【0053】
以降の説明においては、トナー溜まりが形成されていない初期状態では、吸引器24によるトナーの吸引は行われていない状態であるとして説明する。
【0054】
制御部1Aは、外部から画像データを受信すると、画像データに応じた像形成を行う(ステップS1)。より詳細には、感光体駆動回路18に指示して感光体10の回転を制御したり、露光器12、現像器13、転写器14、および定着器15の動作を制御する。
【0055】
制御部1Aは、その初期状態にあるときには、トナー溜まりにはトナーがまだ溜まっていないので画像データごとに画像データに基づいて求めた像の濃度を、幅方向における5つの領域それぞれについて積算していく処理を実行する(ステップS2)。積算した濃度は記憶部102(図3)に積算濃度テーブルとして記憶される。
【0056】
図6は、記憶部に記憶された積算濃度テーブルの例である。
【0057】
図6に示す積算濃度テーブルでは、塞き止め体23の全幅に対し右端部から左端部まで5つの位置P1〜P5(図2参照)に、積算された濃度D1〜D5がそれぞれ対応付けられている。制御部1Aは、濃度を計算するたびに記憶部102に記憶された積算濃度テーブルを更新する。
【0058】
図5に戻って説明を続けると、制御部1Aは、各位置における積算された濃度の確認を行う(ステップS3)。
【0059】
制御部1Aは、積算処理(ステップS2)で積算された各領域の濃度が、予め決められた積算量を表わす濃度よりも低濃度であることを検知しているうちは(ステップS4でNo)、トナー溜まり内のトナーがまだ適量になっていないとして吸引器24による吸引を実行しない。つまり、制御部1Aはトナー溜まりのトナーの量が適量になるまでトナー溜まりに入る量を増加させる。トナー溜まりのトナー量が適量になるまでは、塞き止め体23の下方からのトナー排出はほとんど生じない。
【0060】
そして、制御部1Aは、連続して画像が形成されて、5つの位置P1〜P5のうち、濃度の積算値がトナー溜まりの適量を超える積算値になった位置があるときには(ステップS4でYes)、ノズル移動機構245に吸引ノズル242をこの位置に対応する位置へ移動させ、吸引ノズル242にトナーを吸引させる(ステップS8)。なお、本実施形態では、塞き止め体23上の5つの位置P1〜P5と、これらの位置に対応して吸引ノズル242が移動する位置とは、幅方向Yにおいて同じ位置であるので、特に区別せず吸引ノズル242の位置も位置P1〜P5と称する。
【0061】
制御部1Aは、ノズル移動機構245に吸引ノズル242を右端部P1(図2参照)および左端部P5(図2参照)のいずれかに移動させる場合には(ステップS5でYes)、駆動回路245Dに対し、吸引の強さを、右端部および左端部以外の央部に対応した位置P2,P3,P4(図2参照)にあるとき(ステップS5でNo)の吸引の強さよりも強い強さに指定する。これによって、塞き止め体23の幅方向Yにおける央部P2,P2,P3のトナーより凝集しやすい端部P1,P5におけるトナーも吸引される。なお、制御部1Aは、トナーを吸引させた位置についてはトナーが適正量まで減少したと判断し、積算濃度テーブルのうちの対応する濃度の値を予め定められた初期値に更新する。ここで、吸引ノズル242の各位置P1〜P5のうちの両端の位置P1,P5が本発明にいう端部対応位置の一例に対応し、両端を除いた残りの位置P2,P3,P4が本発明にいう央部対応位置の一例に対応する。
【0062】
このように制御部1Aは、幅方向Yの5つの位置のいずれかについて、形成される像の濃度が標準の濃度を超えてトナー溜まりのトナーの量が増加する傾向にあることを検知した場合には、その位置で吸引器24によるトナーの吸引を実行してトナー溜まりのトナーの量を適量に保つ。逆に像の濃度が低くてトナー溜まりのトナーの量が減る傾向にあることを検知した場合には、吸引器24による空気の吸引を実行せずにトナー溜まりのトナーの量を適量に保つ。
【0063】
こうして、制御部1Aが吸引器24によるトナーの吸引を実行させると、塞き止め体によるトナーの塞き止め過剰が回避される。また、複数の位置におけるトナー溜まりのトナーの量の増加減少に相当する、各位置の像濃度の増加に応じて、各位置での吸引器24によるトナーの吸引を適宜実行させると、トナー量の増加が無い位置におけるトナーの過剰な除去が回避されつつ、いずれの位置でもトナーの塞き止め過剰が回避される。このため、感光体10に接するゴム製の板状の清掃部材21の先端と感光体10との間には適量のトナーが幅方向Yにむら無く補填されることとなる。その結果、感光体10上のトナー(および外添剤等)は清掃部材21の先端からすり抜けられずに確実に除去されるし、トナー溜まりにおけるトナーの凝集が回避される。トナー凝集の回避は、感光体10の回転負荷の増大や、清掃部材21の感光体10表面への押し当たり力の増大を抑制することとなる。また、収容槽22に凝集した状態のトナーが出てくることが避けられる結果、搬送部材25の負荷増大が回避される。
【0064】
ここで、上記ステップS2の画像濃度の積算処理およびステップS3の各位置の濃度確認処理を実行する制御部1Aが、本発明にいう増減検知部の一例に相当する。またステップS8の移動処理を実行する制御部1Aが、移動制御部の一例に相当する。また、ステップS5〜S7の吸引強さを設定する処理を実行する制御部1Aが、本発明にいう、吸引の強さを制御する制御部の一例に相当する。
【0065】
図7および図8は、第2実施形態を示す図である。
【0066】
第2実施形態では、トナー溜まりのトナー量を制御する方式が第1実施形態とは異なっている。以下では、第1実施形態との共通部分については説明を省略し、第1実施形態と相違している清掃器20Aおよびトナー量制御に着目した説明を行う。
【0067】
図7には、第2実施形態の清掃器20Aが備える塞き止め体23の断面図が示されている。また、図8には、清掃器20Aの側から感光体10を臨む方向に見た場合の清掃器20Aの塞き止め体23および吸引ノズル242が示されている。
【0068】
塞き止め体23の、清掃部材21とは反対側の側面には、5つの歪みセンサS1a,S1b,S1c,S1d,S1eが貼り付けられている。これらの歪みセンサS1a〜S1eは、塞き止め体23の撓み(即ち歪みの一種)によって自らも歪み、その歪みの大きさに応じた大きさの信号を出力する。5つの歪みセンサS1a〜S1eは、幅方向Yにおける右端の位置P1から左端の位置P5まで5箇所に分散して配置されており、それぞれが配置された位置P1〜P5における塞き止め体23の歪みを検知する。第2実施形態における制御部1Aは、機構制御IF104(図3参照)を介して歪みセンサS1a〜S1eの信号を受信する。
【0069】
ここで、制御部1Aが、吸引器24にトナーをどのように吸引させるかを説明する。
【0070】
例えば、ある程度濃度の高い画像が連続して形成された場合は、清掃部材21から移動してくるトナーの量が増えてPET製の塞き止め体23の撓みによる塞き止め体からのトナー排出ではトナーの排出量が不足して、トナー溜まりのトナーの量が増加する。このトナー溜まりのトナーの量が増えて過剰になると、トナーが凝集し、清掃部材21が感光体10に押し当たる力が強まって感光体10表面に傷が生じる。
【0071】
そこで図1に示す制御部1Aは、塞き止め体23に貼り付けられている歪みセンサS1a〜S1eからの出力信号に基づいて、塞き止め体23によって塞き止められているトナーの増減を直接に検知している。上述したように、歪みセンサS1a〜S1eのそれぞれは、自らの歪みの大きさに応じた大きさの信号を出力する。また、各歪みセンサS1a〜S1eの歪みは、各歪みセンサS1a〜S1eのそれぞれが取り付けられた位置における塞き止め体23の撓みによって生じるものである。この塞き止め体23の撓みは、塞き止め体23によって塞き止められたトナーの圧力によって生じている。従って歪みセンサS1a〜S1eからの出力信号の大きさは、各位置でのトナーの圧力の大きさを表しており、出力信号の大きさの増減はトナー量の増減を表していることとなる。そして制御部1Aでは、上記歪みセンサS1a〜S1eの出力信号の大小に応じて吸引ノズル242の移動およびトナーの吸引を実行する。
【0072】
ここで、制御部1Aが歪みセンサS1a〜S1eの出力信号に基づいて吸引器24によるトナーの吸引をどのようにさせるかを具体的に説明する。
【0073】
図9は、第2実施形態のプリンタにおける処理の概略を示すフローチャートである。
【0074】
第2実施形態に係る制御部1Aは、図5に示す第1実施形態についてのフローチャートの動作に対し、画像濃度の積算ステップは実行せず、また、濃度確認に代えて歪みセンサS1a〜S1eの出力信号の確認を行う点のみが異なる。
【0075】
以降においては、トナー溜まりが形成されていない初期状態では、吸引器24による空気の吸引は行われていないとして説明する。
【0076】
制御部1Aは、歪みセンサS1a〜S1eからの出力信号が、予め決められた閾値を超えたかどうかを判定する(ステップS3,S4)。例えば、初期状態では、歪みセンサS1a〜S1eからの出力信号の大きさは最低レベルであり、制御部1Aは何もしない(ステップS4でNo)。
【0077】
歪みセンサS1a〜S1eからのいずれの出力信号もこの閾値を超えないうちは(ステップS4でNo)、制御部1Aは、吸引器24によるトナーの吸引が行われていない状態を更に維持させる。この閾値は、塞き止め体23の撓みによる塞き止め体の下方からのトナー排出が円滑に行われているときの撓み量に相当する値である。塞き止め体23に撓みが生じていても、このように塞き止め体の下方からのトナー排出が円滑に行われている間は、トナー溜まりのトナー量は適量に保たれている。歪みセンサS1a〜S1eのいずれかからの出力信号の大きさが閾値を超えると(ステップS4)、制御部1Aは、その歪みセンサに対応する位置でのトナー溜まりのトナーが過剰になり始めたとして、ノズル移動機構245に、吸引ノズル242をこの位置へ移動させ、吸引ノズル242にトナーを吸引させる(ステップS8)。その結果、トナー溜まりのトナー量は減少する。トナー溜まりのトナー量が減少すると、歪みセンサS1a〜S1eからの出力信号の大きさが低下するので(ステップS4でNo)、制御部1Aはトナーの吸引を止める。
【0078】
このように制御部1Aが歪みセンサS1a〜S1eからの出力信号に基づいて吸引器24によるトナーの吸引を制御することでトナーの量が適量に保たれる。トナー溜まりのトナー量が適量に保たれると、感光体10に接するゴム製の板状の清掃部材21の先端と感光体10との間に適量のトナーが補填されることとなる。その結果、感光体10上のトナー(および外添剤等)は清掃部材21の先端からすり抜けられずに確実に除去されるし、トナー溜まりにおけるトナーの凝集が回避される。トナー凝集の回避は、感光体10の回転負荷の増大や、清掃部材21の感光体10表面への押し当たり力の増大を抑制することとなる。
【0079】
この第2実施形態においては、歪みセンサS1a〜S1eからの出力信号確認処理を実行する制御部1Aが、本発明にいう増減検知部の一例に相当する。またステップS8の移動処理を実行する制御部1Aが、移動制御部の一例に相当する。
【0080】
図10は、第3実施形態を示す図である。
【0081】
この第3実施形態は、図7,8に示す5つの歪みセンサS1a〜S1eの代わりに5つのレーザ変位計LMa〜LMeが用いられている以外は、第2実施形態の構成と同じである。
【0082】
レーザ変位計LMa〜LMeは、塞き止め体23の幅方向に分散した各位置にレーザ光を照射し、その塞き止め体23の各位置で反射された反射光を受光素子で受光し、受光量の大きさに応じた大きさの信号を出力するものである。図示は省略されているが、受光素子による受光箇所は、塞き止め体23に撓みが生じていないときに反射光が到達する箇所となっている。反射光の到達位置は、塞き止め体23の撓み(即ち変位や歪みの一種)が増えるほど受光素子の位置からずれていくことになり、受光素子による受光量は、塞き止め体23の撓みが増えるほど減少して各レーザ変位計LMa〜LMeの出力信号の大きさも減少する。このレーザ変位計LMa〜LMeを用いると、塞き止め体23の動きに影響を与えることなく(即ち動きに非干渉で)塞き止め体23の歪が正確に検出される。
【0083】
第3実施形態では、このようなレーザ変位計LMa〜LMeを図7,8の歪みセンサS1a〜S1eの代わりに用いて、そのレーザ変位計LMa〜LMeによる検出結果に基づいて、制御部1Aが塞き止め体23によって塞き止められているトナー溜まりのトナーの増減を直接に検知する。
【0084】
尚、上述した第1実施形態から第3実施形態のプリンタは、制御部1Aがトナーの増加を検知した場合に、増加を検知した位置に吸引ノズルを移動させてトナーを吸引させたが、本発明は、制御部1Aが、一定の時間毎あるいは一定のプリント枚数毎に、吸引ノズルを右端P1から左端P5まで順に移動させながらトナーを吸引させるものであってもよい。
【0085】
最後に各実施形態に対応する実施例を掲げておく。
【0086】
上述した実施形態を適用した図1のプリンタと同じハードウェア構成を有する実機走行試験である実施例1および実施例2を説明する前に、これらの実施例で効果があることを示すために吸引器24を有しないプリンタによる実機走行試験の試験結果を比較例1として説明する。比較例1のプリンタは、吸引器24を有しない点を除き、図1を参照して説明したプリンタと同じ構成を有している。
【0087】
<比較例1>
吸引器24を有しないプリンタで、画像を繰返し形成させる実機走行試験を実施した。形成する画像には、画像のうち用紙の搬送方向に交わる幅方向を5分割し、中央部の1つの領域を除いた、両端側の4つの領域を濃度30%の全面ハーフトーンとした画像を用いた。この結果、感光体10の傷つきに起因し、50万枚付近で、ハーフトーン画像における濃淡筋が視認できるようになった。
【0088】
<実施例1>
吸引器24を有する図1と同じハードウェア構成のプリンタで実機走行試験を実施した。ただし、吸引器24によるトナーの吸引は、画像データやセンサの検知に基づくものでなく2万枚毎、定期的に行った。
【0089】
この結果、100万枚でもハーフトーン画像における濃淡筋が視認されなかった。
【0090】
<実施例2>
実施例1のプリンタにおいて、吸引器24によるトナーの吸引を定期的に行う代わりに、図4に示す歪みセンサS1a〜S1eの出力信号に応じて吸引器24に空気を吸引させた結果、100万枚でもハーフトーン画像における濃淡筋が視認されなかった。
【0091】
また、上述した説明では、画像形成装置の実施形態としてプリンタの例を示したが、本発明にいう画像形成装置はプリンタに限られず、例えば、複写機やファクシミリであってもよい。
【0092】
また、上述した3つの実施形態では、塞き止められたトナーの量を直接または間接に検知する位置および吸引ノズルを移動させる位置として、5箇所の場合の例を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、2箇所以上のいずれであっても良い。また、トナーの量を検知する位置の数と吸引管を移動させる位置の数は一致している必要は無く、例えば、検知する位置が吸引管を移動させる位置の数よりも多くてもよい。
【0093】
また、プロセスカートリッジ1Bは、感光体10、帯電ロール11、および清掃器20を有するものとして説明したが、本発明にいうカートリッジは、帯電手段を有してしていなくともよい。
【符号の説明】
【0094】
1 プリンタ
1A 制御部
1B プロセスカートリッジ
10 感光体
12 露光器
13 現像器
14 転写器
15 定着器
18 感光体駆動回路
20,20A 清掃器
21 清掃部材
22 収容槽
23 塞き止め体
24 吸引器
241 ポンプ
242 吸引ノズル
245 ノズル移動機構
LMa〜LMe レーザ変位計
S1a〜S1e 歪センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に像が形成されて該像を保持する像保持体と、
前記像保持体の表面に像を形成する像形成部と、
前記像保持体の表面に形成された像を被転写体へと転写する転写器と、
前記像保持体の、前記転写器によって前記像が前記被転写体へと転写された後の表面に沿って延びた、該表面に接して該表面上の付着物を該表面から取り除く清掃部材と、
前記清掃部材によって取り除かれた付着物が該清掃部材から移動してきて収容される収容槽と、
前記清掃部材が延びた方向に沿う方向に延びた、該清掃部材と前記収容槽との間を遮って、該清掃部材から該収容槽へと向かう付着物を該清掃部材側に一時的に塞き止める塞き止め体と、
前記塞き止め体によって塞き止められた付着物を吸引する吸引管と、
前記吸引管を、前記塞き止め体が延びた方向に沿う方向に移動させる吸引管移動機構とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記吸引管移動機構が、前記吸引管を、前記清掃部材の央部および端部のそれぞれに対応した央部対応位置および端部対応位置を含んだ移動範囲に移動させるものであり、
前記吸引管が前記端部対応位置にあるときの吸引の強さを、該吸引管が前記央部対応位置にあるときの吸引の強さよりも強い強さに制御する制御部を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記塞き止め体によって塞き止められている付着物の増減を、前記塞き止め体が延びた方向に沿った方向における各位置について直接あるいは間接に検知する増減検知部と、
前記増減検知部によって付着物の増加が検知された位置に応じた位置まで前記吸引管を前記吸引管移動機構で移動させる移動制御部とを備えたことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記塞き止め体が延びた方向における該塞き止め体の各位置に付けられた、該塞き止め体の歪みに応じた信号を出力する複数の歪センサと、
前記複数の歪みセンサから出力された信号に基づいて、前記塞き止め体によって塞き止められている付着物の増減を、該塞き止め体の前記各位置について判定する増減判定部と、
付着物が増加したと前記増減判定部によって判定された位置に応じた位置まで前記吸引管を前記吸引管移動機構で移動させる移動制御部とを備えたことを特徴とする請求項1から3いずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記塞き止め体が延びた方向における該塞き止め体の各位置に光を照射し、該塞き止め体で反射された反射光の、該塞き止め体の歪みの増減に応じた変化を検出する歪み計と、
前記歪み計による検出結果に基づいて、前記塞き止め体によって塞き止められている付着物の増減を、該塞き止め体の前記各位置について判定する増減判定部と、
付着物が増加したと前記増減判定部によって判定された位置に応じた位置まで前記吸引管を前記吸引管移動機構で移動させる移動制御部とを備えたことを特徴とする請求項1から3いずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記像形成部によって形成される像を表わした画像データを入手し、前記塞き止め体によって塞き止められている付着物の増減を、該塞き止め体が延びた方向における各位置について、該画像データが表わした像の濃度を求めることで検知する濃度型増減検知部と、
付着物が増加したと前記濃度型増減検知部によって判定された位置に応じた位置まで前記吸引管を前記吸引管移動機構で移動させる移動制御部とを備えたことを特徴とする請求項1から3いずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
表面に像が形成されて該像を保持する像保持体と、
前記像保持体の表面に沿って延びた、該表面に接して、該表面上の付着物を該表面から取り除く清掃部材と、
前記清掃部材によって取り除かれた付着物が該清掃部材から移動してきて収容される収容槽と、
前記清掃部材が延びた方向に沿う方向に延びた、該清掃部材と前記収容槽との間を遮って、該清掃部材から該収容槽へと向かう付着物を該清掃部材側に一時的に塞き止める塞き止め体と、
前記塞き止め体によって塞き止められた付着物を吸引する吸引管と、
前記吸引管を、前記塞き止め体が延びた方向に沿う方向に移動させる吸引管移動機構とを備えたことを特徴とするカートリッジ。
【請求項8】
前記塞き止め体が延びた方向における該塞き止め体の各位置に付けられた、該塞き止め体の歪みに応じた信号を出力する歪センサを備えたことを特徴とする請求項7記載のカートリッジ。
【請求項9】
被清掃体の表面に沿って延びた、該表面に接して該表面上の付着物を該表面から取り除く清掃部材と、
前記清掃部材によって取り除かれた付着物が該清掃部材から移動してきて収容される収容槽と、
前記清掃部材が延びた方向に沿う方向に延びた、該清掃部材と前記収容槽との間を遮って、該清掃部材から該収容槽へと向かう付着物を該清掃部材側に一時的に塞き止める塞き止め体と、
前記塞き止め体によって塞き止められた付着物を吸引する吸引管と、
前記吸引管を、前記塞き止め体が延びた方向に沿う方向に移動させる吸引管移動機構を備えたことを特徴とする清掃器。
【請求項10】
前記塞き止め体が延びた方向における該塞き止め体の各位置に付けられた、該塞き止め体の歪みに応じた信号を出力する歪センサを備えたことを特徴とする請求項9記載の清掃器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−224037(P2010−224037A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−68700(P2009−68700)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】